(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074774
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】原料ガスを分解する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
C01B 3/36 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
C01B3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023180891
(22)【出願日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】63/427,026
(32)【優先日】2022-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521251545
【氏名又は名称】エコナ パワー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド アーロン レボー
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー スコット コールマン
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド ダブリュー ケンドリック
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ウィリアム クラットシュマール
【テーマコード(参考)】
4G140
【Fターム(参考)】
4G140EA03
4G140EA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】燃焼生成物を原料ガスと十分に混ぜ合わせる熱分解方法を提供する。
【解決手段】原料ガス50を混合チャンバ中に導入し、燃焼ガスを燃焼チャンバ中に導入する。燃焼により燃焼生成ガス40を生じさせ、その第1の部分が混合チャンバ中に流れて原料ガスと混ざり合い、その第2の部分が燃焼チャンバ内に当初残ったままになるようにする。燃焼生成ガスの第1の部分が混合チャンバ中に流れて原料ガスと混ざり合った結果として、原料ガスのうち少なくとも何割かを分解する。燃焼生成ガスの第2の部分のうちの少なくとも何割かを混合チャンバ中に流入させて1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分のうちの少なくとも何割を未分解原料ガスと混合させ、それにより未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解する。
【選択図】
図1D-1G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガスを分解する方法であって、
前記原料ガスを混合チャンバ中に導入するステップを含み、
燃焼ガスを前記混合チャンバに連結された燃焼チャンバ中に導入するステップを含み、
前記燃焼ガスを燃焼させて1種類以上の燃焼生成ガスを生じさせるステップを含み、
前記1種類以上の燃焼生成ガスの第1の部分が前記混合チャンバ中に流れて前記原料ガスと混ざり合い、
前記1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分が前記燃焼チャンバ内に当初残ったままであり、
前記1種類以上の燃焼生成ガスの第1の部分が前記混合チャンバ中に流れて前記原料ガスと混ざり合った結果として、前記原料ガスのうち少なくとも何割かを分解するステップを含み、
前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第2の部分のうちの少なくとも何割かを前記混合チャンバ中に流入させて前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第2の部分のうちの前記少なくとも何割を未分解原料ガスと混合させ、それにより前記未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第2の部分は、前記燃焼チャンバ内の圧力が前記混合チャンバ内の圧力に等しいということの結果として、前記燃焼チャンバ内に当初残ったままである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第2の部分のうちの少なくとも何割かを前記混合チャンバ中に流入させる前記ステップは、前記燃焼チャンバへの圧力を増大させて前記1種類以上の燃焼生成物ガスの前記第2の部分のうちの前記少なくとも何割かを前記混合チャンバ中に押し込むステップを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記燃焼チャンバ内の前記圧力を増大させる前記ステップは、前記燃焼チャンバの容積を減少させるステップを含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記燃焼チャンバの前記容積を減少させる前記ステップは、ピストンを用いて前記燃焼チャンバの前記容積を減少させるステップを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第2の部分の前記少なくとも何割かを流入させる前記ステップは、流体を前記燃焼チャンバ中に導入して前記燃焼チャンバ内の圧力を増大させるとともに前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第2の部分の前記少なくとも何割かを前記混合チャンバ中に押し込むステップを含む、請求項1~5のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項7】
前記流体は、別の原料ガスである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記原料ガスの前記少なくとも何割かを分解させる前記ステップの実施により、1種類以上の生成ガスが生じ、
前記方法は、前記1種類以上の生成ガスを前記混合チャンバから抜き出すステップをさらに含み、
前記流体は、前記抜き出された1種類以上の生成ガスのうちの少なくとも何割かを含む、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記流体は、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水、水蒸気、不活性ガスまたは非反応ガス、および別の原料ガスのうちの1つ以上を含む、請求項6~8のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項10】
前記原料ガスは、炭化水素を含む、請求項1~9のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
前記炭化水素は、メタンである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記燃焼ガスは、酸素または空気を含む、請求項1~11のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
前記未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解した後、前記1種類以上の燃焼生成ガスの第3の部分が前記燃焼チャンバ内に残ったままであり、
前記方法は、前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第3の部分を前記燃焼チャンバから抜き出すステップをさらに含む、請求項1~12のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
前記抜き出すステップは、前記混合チャンバに隣接して位置する前記燃焼チャンバの端部のところに設けられたベントを用いるステップを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
原料ガスを分解するシステムであって、
燃焼ガス源と、
前記原料ガス源と、
混合チャンバに連結された燃焼チャンバと、
前記燃焼チャンバおよび前記混合チャンバの各々に設けられた1以上の開口部を開閉する弁装置と、
駆動機構と、
点火器と、
1つ以上のコントローラとを含み、前記1つ以上のコントローラは、
前記弁装置を制御して、
前記燃焼ガスが前記燃焼チャンバ中に流れるようにし、
前記原料ガスが前記混合チャンバ中に流れることができるようにし、
前記点火器を制御して前記燃焼チャンバ内の前記燃焼ガスを燃焼させ、それにより1種類以上の燃焼生成ガスを生じさせ、
前記1種類以上の燃焼生成ガスの第1の部分が、前記混合チャンバ内に流れ、前記原料ガスと混ざり合い、それにより、前記原料ガスの少なくとも何割かを分解し、
前記1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分が、前記混合チャンバ内に当初残ったままであり、
前記駆動機構体を制御して前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第2の部分の少なくとも何割かが前記混合チャンバ内に流れ、前記未分解原料ガスと混ざり合い、それにより、前記未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解するよう構成されている、システム。
【請求項16】
前記駆動機構体は、ピストンを含む、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記燃焼チャンバに設けられたベントをさらに含み、
前記未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解した後、前記1種類以上の燃焼生成ガスの第3の部分が前記燃焼チャンバ内に残ったままであり、
前記コントローラは、さらに、前記ベントを制御して前記1種類以上の燃焼生成ガスの前記第3の部分を前記燃焼チャンバから抜き出すよう構成されている、請求項15または16記載のシステム。
【請求項18】
前記ベントは、前記混合チャンバに隣接して位置する前記燃焼チャンバの端部のところに設けられている、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記駆動機構体は、流体を含み、
前記駆動機構体を制御することは、前記弁装置を制御して前記流体を前記燃焼チャンバ中に導入することを含む、請求項15記載のシステム。
【請求項20】
前記流体は、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水、蒸気、不活性ガスまたは非反応ガス、および別の原料ガスのうちの1つ以上を含む、請求項19記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明(本開示)は、熱分解に関し、特に原料ガスを分解する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
熱分解法は、原料ガス、例えば炭化水素を酸素なしでその元素(炭化水素の場合、炭素と水素)に分解する方法である。分解は、原料ガスの温度を原料ガスの元素の化学結合が壊れる点まで十分に上げることによってトリガされる。
【0003】
かかる熱分解は、例えば、原料ガスを高温流体と熱的に接触させることによって達成できる。例えば、可燃性燃料を燃焼させた結果として作られる燃焼生成ガスを原料ガスと混合させることができる。温度が十分に高い場合、高温流体と原料ガスの混合、ならびに高温流体から原料ガスへの熱エネルギーの伝達は、原料ガスを化学的に壊して分解させるのに十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
幾つかの熱分解形態の間に燃焼の生成物の全てが原料ガスと混ざり合うことができるわけではない。このことは、燃焼生成物の相当な部分の熱エネルギーが原料ガスに伝達されず、したがって、熱分解に寄与しないということを意味している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点によれば、原料ガスを分解する方法であって、原料ガスを混合チャンバ中に導入するステップと、燃焼ガスを混合チャンバに連結された燃焼チャンバ中に導入するステップと、燃焼ガスを燃焼させて1種類以上の燃焼生成ガスを生じさせて、1種類以上の燃焼生成ガスの第1の部分が混合チャンバ中に流れて原料ガスと混ざり合い、1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分が燃焼チャンバ内に当初残ったままであるようにするステップと、1種類以上の燃焼生成ガスの第1の部分が混合チャンバ中に流れて原料ガスと混ざり合った結果として、原料ガスのうち少なくとも何割かを分解するステップと、1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分のうちの少なくとも何割かを混合チャンバ中に流入させて1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分のうちの少なくとも何割を未分解原料ガスと混合させ、それにより未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解するステップとを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0006】
1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分は、燃焼チャンバ内の圧力が混合チャンバ内の圧力に等しいということの結果として、燃焼チャンバ内に当初残ったままであるのがよい。
【0007】
1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分のうちの少なくとも何割かを混合チャンバ中に流入させるステップは、燃焼チャンバへの圧力を増大させて1種類以上の燃焼生成物ガスの第2の部分のうちの少なくとも何割かを混合チャンバ中に押し込むステップを含むのがよい。
【0008】
燃焼チャンバ内の圧力を増大させるステップは、燃焼チャンバの容積を減少させるステップを含むのがよい。
【0009】
燃焼チャンバの容積を減少させるステップは、ピストンを用いて燃焼チャンバの容積を減少させるステップを含むのがよい。
【0010】
1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分の少なくとも何割かを流入させるステップは、流体を燃焼チャンバ中に導入して燃焼チャンバ内の圧力を増大させるとともに1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分の少なくとも何割かを混合チャンバ中に押し込むステップを含むのがよい。
【0011】
流体は、別の原料ガスであるのがよい。
【0012】
原料ガスの少なくとも何割かを分解させるステップの実施により、1種類以上の生成ガスが生じるのがよい。本方法は、1種類以上の生成ガスを混合チャンバから抜き出すステップをさらに含むのがよい。流体は、抜き出された1種類以上の生成ガスのうちの少なくとも何割かを含むのがよい。
【0013】
流体は、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水、水蒸気、不活性ガスまたは非反応ガス、および別の原料ガスのうちの1つ以上を含むのがよい。
【0014】
原料ガスは、炭化水素を含むのがよい。
【0015】
炭化水素は、メタンであるのがよい。
【0016】
燃焼ガスは、酸素または空気を含むのがよい。
【0017】
未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解した後、1種類以上の燃焼生成ガスの第3の部分が燃焼チャンバ内に残ったままであるのがよい。本方法は、1種類以上の燃焼生成ガスの第3の部分を燃焼チャンバから抜き出すステップをさらに含むのがよい。
【0018】
抜き出すステップは、混合チャンバに隣接して位置する燃焼チャンバの端部のところに設けられたベントを用いるステップを含むのがよい。
【0019】
本発明の別の観点によれば、原料ガスを分解するシステムであって、燃焼ガス源と、原料ガス源と、混合チャンバに連結された燃焼チャンバと、燃焼チャンバおよび混合チャンバの各々に設けられた1以上の開口部を開閉する弁装置と、駆動機構と、点火器と、1つ以上のコントローラとを含み、1つ以上のコントローラは、弁装置を制御して、燃焼ガスが燃焼チャンバ中に流れるようにし、原料ガスが混合チャンバ中に流れることができるようにし、点火器を制御して燃焼チャンバ内の燃焼ガスを燃焼させ、それにより1種類以上の燃焼生成ガスを生じさせ、1種類以上の燃焼生成ガスの第1の部分が、混合チャンバ内に流れ、原料ガスと混ざり合い、それにより、原料ガスの少なくとも何割かを分解し、1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分が、混合チャンバ内に当初残ったままであり、駆動機構体を制御して1種類以上の燃焼生成ガスの第2の部分の少なくとも何割かが混合チャンバ内に流れ、未分解原料ガスと混ざり合い、それにより、未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解するよう構成されていることを特徴とするシステムが提供される。
【0020】
駆動機構体は、ピストンを含むのがよい。
【0021】
本システムは、燃焼チャンバに設けられたベントをさらに含むのがよい。未分解原料ガスのうちの少なくとも何割かを分解した後、1種類以上の燃焼生成ガスの第3の部分が燃焼チャンバ内に残ったままであるのがよい。コントローラは、さらに、ベントを制御して1種類以上の燃焼生成ガスの第3の部分を燃焼チャンバから抜き出すよう構成されているのがよい。
【0022】
ベントは、混合チャンバに隣接して位置する燃焼チャンバの端部のところに設けられているのがよい。
【0023】
駆動機構体は、流体を含むのがよい。駆動機構体を制御することは、弁装置を制御して流体を燃焼チャンバ中に導入することを含むのがよい。
【0024】
上述した課題を解決するための手段における説明は、必ずしも、全ての観点の範囲全体を記載しているわけではない。他の観点、他の特徴および他の利点は、特定の実施形態についての以下の説明から、当業者には明らかになろう。
【0025】
次に、添付の図面と関連して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A-1C】
図1Aは、本発明の一実施形態による第1の熱分解プロセスの点火段階を示す図であり、
図1Bは、本発明の一実施形態による第1の熱分解プロセスの混合段階を示す図であり、
図1Cは、本発明の一実施形態による第1の熱分解プロセスの反応前段階を示す図である。
【
図1D-1G】
図1Dは、本発明の一実施形態による第1の熱分解プロセスの燃焼生成ガス押し退け段階を示す図であり、
図1Eは、本発明の一実施形態による第1の熱分解プロセスの反応後段階を示す図であり、
図1Fは、本発明の一実施形態による第1の熱分解プロセスの急冷段階を示す図であり、
図1Gは、本発明の一実施形態による第1の熱分解プロセスの充填段階を示す図である。
【
図2A-2C】
図2Aは、本発明の一実施形態による第2の熱分解プロセスの点火段階を示す図であり、
図2Bは、本発明の一実施形態による第2の熱分解プロセスの混合段階を示す図であり、
図2Cは、本発明の一実施形態による第2の熱分解プロセスの反応前段階を示す図である。
【
図2D-2G】
図2Dは、本発明の一実施形態による第2の熱分解プロセスのピストン押し退け段階を示す図であり、
図2Eは、本発明の一実施形態による第2の熱分解プロセスの反応後段階を示す図であり、
図2Fは、本発明の一実施形態による第2の熱分解プロセスの急冷段階を示す図であり、
図2Gは、本発明の一実施形態による第2の熱分解プロセスの充填段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、原料ガスを分解する改良方法および改良システムを提供しようとするものである。本発明の種々の実施形態を以下に説明するが、本開示は、これら実施形態には限定されず、これら実施形態の変形例は、本発明の範囲に十分に含まれ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められる。
【0028】
一般に、本発明の諸実施形態によれば、原料ガスを混合チャンバ中に導入し、燃焼ガスまたは燃料および酸化剤を混合チャンバに連結された燃焼チャンバ中に導入する。幾つかの実施形態によれば、原料ガスおよび燃焼ガスは、いったんそれぞれのチャンバ中に導入されると、ほぼ等しい圧力状態になり、したがって一般に、互いに混ざり合うことはない。次に、燃焼ガスを燃焼させて、1種類以上の燃焼生成ガス(単に「燃焼生成ガス」という)を生じさせる。例えば、1つ以上の点火器を用いると、燃焼ガスの燃焼をトリガするのに十分な点火エネルギーを生じさせることができる。
【0029】
燃焼生成ガスの発生に応答して、燃焼生成ガスの第1の部分が混合チャンバ中に流れて原料ガスと混ざり合い、そして、燃焼生成ガスの第2の部分が燃焼チャンバ内に当初残ったままになる。特に、燃焼ガスが燃焼して燃焼生成ガスを生じさせると、燃焼チャンバ内の圧力が増大し、それにより燃焼生成ガスの第1の部分が混合チャンバに入って原料ガスと混ざり合う。原料ガスのうちの少なくとも何割かは、燃焼生成ガスの第1の部分が混合チャンバ内に流れて原料ガスと混ざり合った結果として、分解される。これが起こると、燃焼チャンバ内の圧力が減少し、ついには、燃焼チャンバ内の圧力が混合チャンバ内の圧力にほぼ等しくなる。この結果、燃焼生成ガスの第2の部分は、燃焼チャンバ内に当初残ったままになる。
【0030】
原料ガスのさらなる分解を推進するため、燃焼生成ガスの第2の部分のうちの少なくとも何割かは、混合チャンバ中に流れ、そして、未分解原料ガスと混ざり合うようになる。例えば、幾つかの実施形態によれば、追加の流体(例えば、追加の原料ガス)を燃焼チャンバ中に導入して、燃焼生成ガスの第2の部分のうちの何割かを燃焼チャンバから押し出して混合チャンバ中に押し込むのがよい。代替的にまたは追加的に、ピストンまたは他の何らかの機械的駆動手段を用いて、燃焼チャンバの有効容積を減少させ、それにより燃焼チャンバ内の圧力を増大させて、燃焼生成ガスの第2の部分のうちの何割かを燃焼チャンバから押し出して混合チャンバ中に押し込んでもよい。幾つかの実施形態によれば、ピストンは、機械式ピストンではなく、流体式ピストンであるのがよい。例えば、ピストンは、比較的高密度の不活性流体を含むのがよく、かかる流体は、混合チャンバに入ることなく機械式ピストンのように前後に動くことができる。
【0031】
その結果、燃焼ガスの燃焼から生じた熱エネルギーの大部分を抽出し、そして原料ガスの分解のために活用することができる。
【0032】
図1A~
図1Gを参照すると、本発明の一実施形態に従って熱分解プロセス中に起こるステップの順序が詳細に示されている。
【0033】
図1Aには、原料ガスを分解する熱分解システム100が示されている。熱分解システム100は、1対の燃焼チャンバ30を含み、これら燃焼チャンバ30は、それぞれの流体経路32経由で混合チャンバ10に連結されている。流体経路32は、開放状態のままであってもよく、燃焼チャンバ30から混合チャンバ10への流体の流れを選択的に可能にするよう弁操作されてもよい。幾つかの実施形態によれば、燃焼チャンバ30は、中間流体経路32を必要としないで混合チャンバ10に直接連結されるのがよい。さらに別の実施形態によれば、燃焼チャンバ30は、流体が燃焼チャンバ30から流れ出て、混合チャンバ10の内部に直接流れ込むことができるよう混合チャンバ10内に設けられるのがよい。
図1Aは、2つの燃焼チャンバ30を示しているが、理解されるべきこととして、本発明は、一混合チャンバ(またはそれどころか多数の混合チャンバ)に連結された任意個数の燃焼チャンバ(例えば、単一のまたは多数の燃焼チャンバ)に及ぶ。
【0034】
混合チャンバ10の第1の端部のところには、混合チャンバ10中への原料ガスの流入を選択的に可能にする入口弁12が設けられている。混合チャンバ10の反対側の第2の端部のところには、混合チャンバ10内から混合チャンバ10の外部へのガスの流出を選択的に可能にする出口弁14が設けられている。
【0035】
各燃焼チャンバ30は、燃焼チャンバ30中への燃焼ガスの流入を選択的に可能にする入口弁36、および燃焼チャンバ30内から燃焼チャンバ30の外部へのガスの流出を選択的に可能にする出口弁38を有する。好ましくは、出口弁38は、流体経路32の最も近くに位置する燃焼チャンバ30の端部のところに位置決めされる。各燃焼チャンバ30は、燃焼チャンバ30中に供給された燃焼ガスの燃焼を推進するのに十分な点火エネルギーを提供する1つ以上の点火器34をさらに有する。
【0036】
熱分解システム100の全体的構造は、その作動中、不変のままであり、したがって、
図1A~
図1Gを参照して熱分解システム100の構造についてはこれ以上詳細には説明しない。
【0037】
図1Aで始まり、熱分解システム100の点火段階が示されている。この段階に先立って、燃焼ガス(例えば、天然ガスと酸素の可燃性混合物)が入口弁36経由で各燃焼チャンバ30に提供される。それと同時に、原料ガス50(例えば、炭化水素)が入口弁12経由で混合チャンバ10に提供される。流体経路32が永続的に開いたままである場合には、燃焼チャンバ30および混合チャンバ10は、これらのそれぞれのガスで満たされ、その結果、各チャンバ内の圧力は、互いにほぼ等しく、その結果、燃焼ガスと原料ガス50の混合が起こることはほとんどなくまたは全くないようになっている。燃焼チャンバ30および混合チャンバ10の充填がいったん完了すると、入口弁12,36は閉じられ、したがって、熱分解システム100は、一定の容積システムとみなされる。
【0038】
点火段階の間、燃焼チャンバ30内の燃焼ガスの燃焼をトリガするよう点火器34が作動される(例えば、適当なコントローラ、例えば、点火器34に作動的に接続されたマイクロプロセッサまたは回路系を用いて)。燃焼ガスの燃焼により、燃焼チャンバ30内に1種類以上の高温燃焼生成ガス(燃焼生成物40)が生じて混合チャンバ10内の圧力に対して燃焼チャンバ30内の圧力が著しく増大する。
【0039】
図1Bを参照すると、熱分解システム100の混合段階が示されている。混合段階の間、燃焼生成物40は、流体経路32を経て混合チャンバ10内に流れ、そして原料ガス50と混ざり合い始め、それにより反応前燃焼生成ガスと原料ガスの混合物42が作られる。これが起こると、燃焼チャンバ30内の圧力は、低下し始める。
【0040】
図1Cを参照すると、熱分解システム100の反応前段階が示されている。反応前段階の間、燃焼生成物40の相当大きな割合が混合チャンバ10中に流れ、そして原料ガス50と混ざり合い、それにより混合チャンバ10は、反応前燃焼生成ガスと原料ガスの混合物42で満たされる。しかしながら、燃焼チャンバ30内の圧力が混合チャンバ10内とほぼ同じ圧力まで下がったことに応答して、燃焼生成物40の一部分は、燃焼チャンバ30内に残ったままになっている。この段階の終わりまでに、燃焼チャンバ30および混合チャンバ10内の圧力は、点火前レベルよりも依然として高い状態でほぼ同じレベルまで戻っている。実際には、熱分解反応は、一般的に言って、燃焼生成物と原料ガスの混合時に瞬時に起こり、かくして、本明細書において説明している反応前段階は、サイクルの説明の目的のために提供されている。
【0041】
混合チャンバ10中への燃焼生成物40の流入の結果として、特に、燃焼生成物40と原料ガス50が混ざり合って混合物42を形成した結果として、熱エネルギーが燃焼生成物40から原料ガス50に伝えられる。エネルギーはまた、混合チャンバ10内の圧力が混合チャンバ10中への高温加圧燃焼生成物40の流れに応答して増大した結果として、原料ガス50の動的圧縮により燃焼生成物40から原料ガス50に伝えられる。ある特定の一点を超えると、原料ガス50の温度の増大は、原料ガス50の分解または熱分解を推進するのに十分である。メタンの場合、分解は、次の形をとる。
CH4+エネルギー→C+2H2
【0042】
図1Dを参照すると、熱分解システム100の燃焼生成物押し退け段階が示されている。燃焼生成物押し退け段階の間、新鮮な原料ガス44が加圧下で入口弁36を経て燃焼チャンバ30中に送られる。燃焼チャンバ30中への新鮮原料ガス44の導入により、燃焼チャンバ30内の圧力が混合チャンバ10内の圧力よりも増大し、それにより燃焼チャンバ30内に残っている燃焼生成物40のうちの何割かが混合チャンバ10中に流れる。これらの燃焼生成物40は、混合チャンバ10内の未反応原料ガス50と混ざり合い、それにより混合チャンバ10内の原料ガス50のさらなる分解を推進する。その結果、燃焼チャンバ30内に作られる高温燃焼生成物40のより大きな全体的比率分量が混合チャンバ10中に流れて、この中の原料ガス50の分解を推進する。加うるに、燃焼チャンバ30内の圧力の増大(燃焼チャンバ30への新鮮原料ガス44の供給に応答した)は、原料ガスの分解物が燃焼チャンバ30中に逆流した結果として、反応生成物が混合チャンバ10内で生じるのを阻止することができる。
【0043】
一般的に、新鮮原料ガス44は、燃焼チャンバ30および流体経路32内に残っている燃焼生成物40を混合チャンバ10中に送り込むためには、混合チャンバ10内の圧力よりも高い圧力で送られなければならない場合がある。
【0044】
図1Eを参照すると、熱分解システム100の反応後段階が示されている。反応後段階の間、燃焼チャンバ30および混合チャンバ10内の圧力は、互いに等しくなっている。幾分かの高温燃焼生成物40が燃焼チャンバ30の下方部分(例えば、流体経路32の最も近くに位置する部分内に)かつ流体経路32それ自体内に残る。未反応原料ガス44は、燃焼チャンバ30の上方部分内に(例えば入口弁36の最も近くに位置する部分内に)残る。混合チャンバ10は、一般に、原料ガス50の分解により生じる反応生成物52を含む。例えば、炭化水素原料の場合、混合チャンバ10は、一般に、反応生成物52として炭素および水素を含む。
【0045】
図1Fを参照すると、熱分解システム100の急冷段階が示されている。急冷段階の間、出口弁14は、熱分解反応を抑えるよう開かれ、その結果、混合チャンバ10内の急冷後の反応生成物54が出口弁14を経て混合チャンバ10から取り出される。加うるに、燃焼チャンバ30および流体経路32内に残っている燃焼生成物40の全て/大部分は、出口弁38を開くことによって抜き出される。流体経路32および入口弁36に対する出口弁38の位置関係のゆえに、燃焼チャンバ30の頂部のところの未反応原料ガス44の全てではないにしても大部分は抜き出されず、その代わりに、燃焼チャンバ30内に残り、そして次の反応サイクルで用いられる場合がある。出口弁38の開放のタイミングを適切に取ることにより、出口弁38から抜き出された未反応原料ガス44および/または急冷後の反応生成物54の量を減少するのを助けることができる。急冷段階の終わりでは、幾分かの急冷後の反応生成物54が混合チャンバ10および流体経路32内に残る。
【0046】
図1Gを参照すると、熱分解システム100の充填段階が示されている。充填段階の間、新鮮な燃焼ガス46が入口弁36を経て燃焼チャンバ30中に送られる。これにより、燃焼チャンバ30内の圧力が増大し、急冷後の反応生成物54が燃焼チャンバ30および流体経路32から押し出されて混合チャンバ10に送り込まれる。それと同時に、新鮮原料ガス50が入口弁12を経て混合チャンバ10中に送られ、そして混合チャンバ10内の急冷後の反応生成物54を、出口弁14を経て混合チャンバ10から押し出される。充填段階の終わりに、燃焼チャンバ30および流体経路32は、一般に、加圧燃焼ガス(および残っているどのような未反応原料ガス44も)を収容し、混合チャンバ10は、一般に、次の反応サイクルにおいていつでも分解可能に加圧原料ガス50(および混合チャンバ10から排出されなかったどのような反応生成物または燃焼生成物も)を収容する。
【0047】
有利には、新鮮原料ガスを用いて、燃焼チャンバ30内に残っている高温燃焼生成物のうちの何割かを混合チャンバ10中に押し込むことにより、システム中に導入される新たなガスがないようにする。特に、このように用いられている新鮮原料ガスは、それ自体、その後のまたは引き続く反応サイクルで分解作用を受けることになる。
【0048】
幾つかの実施形態によれば、燃焼チャンバ30内に残っている燃焼生成物40のうちの何割かを混合チャンバ10に押し込む他の手段を用いることができる。例えば、新鮮原料ガスを用いないで、別の適当な流体、例えば不活性ガスを用いることができる。幾つかの実施形態によれば、水を用いることができる。水を導入した場合、燃焼チャンバ30の高温壁は、水を蒸発させて水蒸気にし、この水蒸気は、圧力を増大させて燃焼生成物40を混合チャンバ10中に押し込む。幾つかの実施形態によれば、用いられる流体は、熱分解システムを駆動するために用いられる任意のガスの1つ以上の成分を含むのがよい。例えば、抜き出された燃焼生成ガスのうちの1種類以上を用いることができる。もう1つの例として、混合チャンバ10から取り出されたガスのうちの1種類以上を熱分解システム100に再循環させて再使用することができ、それにより燃焼チャンバ30内に残っている燃焼生成物40を混合チャンバ10中に押し込むことができる。さらに別の実施形態によれば、機械的手段を用いて、燃焼チャンバ30内に残っている燃焼生成物40のうちの何割かを混合チャンバ10中に押し込むことができる。この一例が
図2A~
図2Gに詳細に示されている。
【0049】
図2Aを参照すると、原料ガスを分解する熱分解システム200が示されている。熱分解システム200は、熱分解システム100と類似しており、したがって、同一のコンポーネントについてはこれ以上詳細には説明しない。しかしながら、熱分解システム100とは異なり、熱分解システム200は、燃焼チャンバ30の有効容積を減少させるためのピストン37を含む。加うるに、燃焼チャンバ30は、入口弁36を備えておらず、その代わりに、燃焼チャンバ30中への燃焼ガスの流入ならびに燃焼チャンバからの燃焼生成ガスの流出のための両方の入口として作用することができる入口/出口38を含む(以下にさらに詳細に説明する
図2Fを参照されたい)。
【0050】
図2A~
図2Cはそれぞれ、熱分解システム200の点火、混合、および反応前段階を示している。これらの段階は、上述の
図1A~
図1Cの点火、混合、および反応前段階に類似しており、したがって、これらについてはこれ以上詳細には説明しない。
【0051】
図2Dを参照すると、熱分解システム200の燃焼生成物押し退け段階が示されている。燃焼生成物押し退け段階の間、ピストン37は、下方に駆動されて燃焼チャンバ30の有効容積を減少させ、それにより燃焼チャンバ30内の圧力を増大させる。これにより、燃焼チャンバ30内に残っている燃焼生成物40のうちの何割かが混合チャンバ10中に流れる。これらの燃焼生成物40は、混合チャンバ10内の未反応原料ガス50と混ざり合い、それにより混合チャンバ10内の原料ガス50のさらなる分解を推進する。その結果、燃焼チャンバ30内に作られる高温燃焼生成物40のより大きな全体的比率分量が混合チャンバ10中に流れて、この中の原料ガス50の分解を推進する。加うるに、燃焼チャンバ30内の圧力の増大(ピストン37の作動に応答した)は、原料ガスの分解物が燃焼チャンバ30中に逆流した結果として、反応生成物が混合チャンバ10内で生じるのを阻止することができる。
【0052】
図2Eを参照すると、熱分解システム200の反応後段階が示されている。反応後段階の間、燃焼チャンバ30および混合チャンバ10内の圧力は、互いに等しくなっている。幾分かの高温燃焼生成物40が燃焼チャンバ30内および流体経路32内に残る。混合チャンバ10は、一般に、原料ガス50の分解により生じる反応生成物52を含む。例えば、炭化水素原料の場合、混合チャンバ10は、一般に、反応生成物52として炭素および水素を含む。
【0053】
図2Fを参照すると、熱分解システム200の急冷段階が示されている。急冷段階の間、出口弁14は、熱分解反応を抑えるよう開かれ、その結果、混合チャンバ10内の急冷後の反応生成物54が出口弁14を経て混合チャンバ10から取り出される。加うるに、燃焼チャンバ30および流体経路32内に残っている燃焼生成物40の全て/大部分は、入口/出口38を開くことによって抜き出される。急冷段階の終わりに、幾分かの急冷後の反応生成物54が混合チャンバ10および流体経路32内に残り、燃焼チャンバ30は、一般に、未反応原料44で一杯である。
【0054】
図2Gを参照すると、熱分解システム200の充填段階が示されている。充填段階の間、新鮮燃焼ガス46は、入口/出口38を経由して燃焼チャンバ30内に送られる。それと同時に、ピストン37を引っ込めて燃焼チャンバ30の有効容積を増大させる。ピストン37は、好ましくは、熱分解システム200内の何らかの低圧領域または高圧領域の生成を回避する速度で引っ込められるべきである。それと同時に、新鮮原料ガス50が入口弁12を通って混合チャンバ10内に送られ、そして混合チャンバ10内の急冷後の反応生成物54を混合チャンバ10から出口弁14経由で押し出す。充填段階の終わりでは、燃焼チャンバ30および流体経路32は、一般に、加圧燃焼ガスを収容し、混合チャンバ10は、一般に、次の反応サイクルにおいていつでも分解可能に加圧原料ガス50(および混合チャンバ10から排出されなかったどのような反応生成物または燃焼生成物も)を収容する。
【0055】
より一般的に言って、燃焼チャンバ30内の圧力を増大させまたは燃焼チャンバ30の有効容積を減少させる任意の手段を用いることができ、その目的は、追加の燃焼生成ガスを燃焼チャンバ30から押し出し、そして混合チャンバ10に送り込むことにある。したがって、ピストンの使用がこの目的を達成する唯一のやり方であることが認識されるべきである。
【0056】
燃焼をトリガする他の手段を用いることができる。例えば、点火器を用いないで、可燃性ガスが混合チャンバ中に流れて原料ガスに接触したことに応答して可燃性ガスの燃焼をトリガするのに十分既に高い温度(自動点火温度と呼ばれている)で原料ガスを混合チャンバに送るのがよい。したがって、かかる実施形態によれば、可燃性ガスを混合チャンバ中に注入する前に可燃性ガスに点火する必要はなく、その代わりに、可燃性ガスは、混合チャンバ中への流入、そして原料ガスへの接触の結果として、自然に燃焼することができる。
【0057】
上記実施形態を炭化水素(例えば、天然ガス、メタン、エチレン、およびプロピレンを含む)の分解の文脈で全体的に説明したが、本明細書において記載した技術的思想は、他の原料、例えばアンモニアやメタノールに利用できる。
【0058】
原文明細書における用語“a”、または“an”は、原文特許請求の範囲および/または原文明細書中の用語“comprising”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)または“including”(「~を含む」)と関連して用いられている場合、「1つ」を意味する場合があるが、内容的に別段の明示の指定がなければ、これはまた、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは2つ以上」の意味と一致している。同様に、「もう1つの」という語は、内容的に別段の明示の指定がなければ、少なくとも2つ目以上を意味する場合がある。
【0059】
本明細書で用いられる「結合され」、または「連結され」という用語は、これらの用語が用いられている文脈に応じて、多くの互いに異なる意味を有する場合がある。例えば、用語「結合され」、または「連結され」は、機械的または電気的な意味を有する場合がある。例えば、本明細書で用いられる「結合され」、または「連結され」は、2つの要素または装置が特定の文脈に応じて、互いに直接的にまたは電気的もしくは機械的要素を介して1つ以上の中間要素または装置により互いに連結されていることを指示する場合がある。本明細書で用いられる「および/または」という用語は、アイテムの一覧と関連して用いられる場合、この一覧を構成するアイテムのうちの任意の1つ以上を意味する。
【0060】
本明細書において数値の前に「約」または「ほぼ」または「相当な」と記載されている場合、これは、この数値の±10%以内を意味する数値に等しい。
【0061】
本発明を特定の実施形態と関連して説明したが、理解されるべきこととして、本発明は、これらの実施形態には限定されず、また、これら実施形態の変更、改造、および変形は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって実施できる。
【0062】
さらに、本明細書において説明する任意の観点または実施形態のうちの任意の部分を本明細書において説明した任意他の観点または実施形態の任意の部分で具体化できまたはかかる任意の部分と組み合わせることができるということが想定されている。
【符号の説明】
【0063】
10 混合チャンバ
12 入口弁
14 出口弁
30 燃焼チャンバ
32 流体経路
34 点火器
36 入口弁
38 出口弁
40 生成ガス(燃焼生成物)
50 原料ガス
100 熱分解システム。
【外国語明細書】