(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074785
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】医療用熱融着器具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023194439
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】22208602
(32)【優先日】2022-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ガンダー・イェニファー
(72)【発明者】
【氏名】カウップ・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ボブ・フェリックス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK19
4C160KK39
4C160MM32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】確実に滅菌することができ、それによって線条であり、取り扱いが便利な医療用熱融着器具を提供する。
【解決手段】熱融着要素では、電流供給装置が、2つの電極18、19の電気供給のため、ならびに機械的な力の伝達のために使用される。直立して配置された平坦な部分としての2つの電気導体の構成、およびインターロッキング内でのその電気導体の結合に関係する力により、電気導体は、機械的補強要素として使用することができ、それにより、線条の、隙間無しの、容易かつ確実に滅菌可能な構成が達成される。器具10の場合の電流供給は、単一のケーブル20のみを介して提供され、このケーブルは、2つのジョー11、12の一方のみに設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用熱融着器具(10)であって、
ヒンジ軸(14)を画定するように構成されたヒンジ(13)において互いに枢動可能に支持された第1のジョー(11)および第2のジョー(12)と、
前記第1のジョー(11)内に配置され、第1の導体(23)および第2の導体(28)を備える電流供給装置(22)と、を有し、
前記第1の導体(23)は、前記第1のジョー(11)上に設けられた第1の電極(18)と電気的に接続され、前記第2の導体(28)は、前記第2のジョー(12)上に設けられた第2の電極(19)と電気的に接続され、
前記2つの導体(23、28)は、帯状要素(24、29)によって形成され、
前記電流供給装置(22)は、前記2つの導体(23、28)のセクション(25)が共通の平面(E1)内に配置される第1のセクション(A1)を備え、前記共通の平面(E1)の内側で、前記2つの導体(23、28)は、剛性の電気絶縁材料(31)で充填された接合部(30)において互いに隣接して配置される、
医療用熱融着器具(10)。
【請求項2】
前記電流供給装置(22)は、前記2つの導体(23、28)が、前記2つの導体(23、28)の平坦な側面が互いに距離(A)を置いて隣接して配置される第2のセクション(A2)を備える、
請求項1に記載の熱融着器具。
【請求項3】
各導体(23、28)は、前記ヒンジ軸(14)が直交して配向された1つの平面(E1、E2)内にそれぞれ位置するように前記第2のセクション(A2)内に配置される、
請求項2に記載の熱融着器具。
【請求項4】
前記第1の導体(23)および前記第1の導体(23)に電気的に接続された前記電極(18)は、シームレスにモノリシックに構成される、
請求項1に記載の熱融着器具。
【請求項5】
前記ヒンジ(13)は、導電的に構成されており、前記第2の導体(28)が、前記ヒンジ(13)と電気的に接続される、
請求項1に記載の熱融着器具。
【請求項6】
前記第2の電極(19)は、前記ヒンジ(13)と電気的に接続される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱融着器具。
【請求項7】
前記ヒンジ(13)は、互いに割り当てられた接触面(45、47)において電気的かつ摩擦嵌合接触する2つのヒンジ半部(43、44)を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱融着器具。
【請求項8】
前記接触面(45、47)の一方は、円錐台形状の凹状に構成される、
請求項7に記載の熱融着器具。
【請求項9】
前記接触面(45、47)の一方は、円錐台形状の凸状に構成される、
請求項7に記載の熱融着器具。
【請求項10】
ばね要素(49)が、前記接触面(45、47)間に配置される、
請求項7に記載の熱融着器具。
【請求項11】
前記接合部(30)は、インターロッキングセクション(32)を備え、
前記インターロッキングセクション(32)では、前記要素(24、29)の一方は凹部(34)を備え、
前記接合部(30)に隣接する前記2つの要素の他方は、前記凹部(34)に嵌合する突出部(33)を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱融着器具。
【請求項12】
前記突出部(33)は、ディスク状に構成され、前記突出部(33)を残りの要素(23)にシームレスにモノリシック式に接続するネックセクションを備える、
請求項11に記載の熱融着器具。
【請求項13】
前記ネックセクションは、同じ方向に測定した前記突出部(33)の最大幅(B)よりも小さい幅(b)を有する、
請求項12に記載の熱融着器具。
【請求項14】
前記2つの要素(24、29)は、前記第2のセクション(A2)内の絶縁体(37)に挿入される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱融着器具。
【請求項15】
前記要素(24、29)は、プラスチック素材(31)によってオーバーモールドされる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱融着器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、生体組織、特に血管および同様の中空器官を密封し、適用可能であれば分離するために使用することができるような医療用熱融着器具に関する。
【背景技術】
【0002】
熱融着器具は、患者の外科手術中に使用され、その後廃棄されるか、または洗浄および滅菌されなければならない。後者は、信頼性の高い洗浄性を可能にするために、器具の機械的、熱的および化学的弾性に関して、ならびに可能な限り隙間のない構成に関して高い要求を課す。繰り返しの洗浄サイクルにもかかわらず、その機能は維持されなければならない。
【0003】
熱融着要素が一般に知られている。例えば、欧州特許出願公開第1595509号明細書は、2つのジョーがヒンジで互いに移動可能に支持されるそのような鉗子様器具を開示している。ジョーの1つは、熱融着中に協働する両方の封止電極のための電流供給の役割を果たす。電極の一方の電流はそれぞれのジョーに直接供給することができるが、他方の電極の電流はヒンジを介して伝導される。この目的のために、ヒンジ領域には、リング溝を有する絶縁体が設けられ、絶縁体内には他方のジョーのためのリング摺動接点が位置する。
【0004】
関与するジョーの一方を介して電流を供給する熱融着器具が、欧州特許出願公開第3744278号明細書からも知られている。ジョーはここではプラスチックコーティングされた金属から製造されるので、生体組織の圧縮中に、必要な機械的力をグリップ端部から鉗子様ツールに確実に伝達することができる。
【0005】
そのような器具の別の変形形態が、国際公開第2009/149799号から知られている。一方のジョーから他方のジョーに電流を伝達するヒンジは、器具を閉じるときにのみ導電性接続が有効になるようにスイッチとして構成される。
【0006】
さらに、独国特許第10323533号明細書は、2つのジョーの一方を介して電極に電流を供給する熱融着器具を開示している。これにより、ジョーの金属体が一方の極の導体として使用され、他方のジョーに設けられたワイヤが第2の極として使用される。
【0007】
最後に、板金製の導体からヒンジを介して他方のジョーに電流を伝達するためにヒンジボルトが設けられた鉗子様熱融着器具が、欧州特許第1153578号明細書から知られている。
【0008】
医療用熱融着器具の構成としては、滅菌性および再滅菌性の他に、高精度、高機械的弾性も重要である。特に、そのような器具はまた、器具内に配置することができる安定性ならびに潜在的な電子構成要素の気密性および保護に関して犠牲を払うことなく、可能な限り線条として設計されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、その基本構造およびその実用的な構成のために確実に滅菌することができ、それによって線条であり、取り扱いが便利な医療用熱融着器具の概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本目的は、請求項1に記載の熱融着器具によって解決される。
【0011】
本発明による熱融着器具は、ヒンジで互いに枢動可能に支持された2つのジョーを備える。2つのジョーの一方のみにケーブルが設けられ、2つの電極に電流および電圧を供給することができる電流供給装置を備える。電流供給装置は、平坦な帯状要素によって形成された2つの導体を備える。これらの要素は、完全にまたは部分的に金属シート要素またはインベストメント鋳造要素として構成することができる。これにより、要素の一方は平坦であり、要素の他方もほぼ平坦であるが、1つの場所でクランク状に構成される。そうすることで、平坦要素によって形成された2つの導体は、共通の平面内にあるようにヒンジの近くの第1のセクションに配置することができ、それによって剛性の電気絶縁材料で満たされた接合部で互いに接合する。別の、ヒンジからジョーの把持端部に向かってさらに離れて延びる第2のセクションでは、2つの導体は、それらの平坦な側面が互いに向かい合うように互いに距離を置いて隣接して配置することができる。それにより、それらは好ましくは、ジョー内、すなわちヒンジ軸が直交して延びる平面内に直立して配置することができる。これにより、電流伝達のためだけでなく、これ以外のプラスチックから構成されるそれぞれのジョーの所望の曲げ抵抗の生成のためにも、両方の平坦要素の使用が可能にされる。
【0012】
要素の2つのセクションが互いに隣接するように配置される接合部は、それによってジョー内の要素間の力の伝達の役割を果たす。これにより、後者は強化され、高い曲げ弾性を達成する。そうすることで、繰り返し使用中および複数回の滅菌後にも、熱融着器具に過負荷をかけることなく、生体組織をしっかりと保持し、中空器官を確実に圧縮することができる。したがって、常に良好な融着結果を達成することができる。
【0013】
第1の導体およびこれに電気的に接続される第1の電極は、シームレスにモノリシックに構成することができる。接触位置を回避することにより、信頼性が本質的に提供される。
【0014】
ヒンジは、好ましくは、第2の導体を第2の電極と電気的に接続するために導電的に構成される。この目的のために、ヒンジは、好ましくは、互いに割り当てられた接触面で電気的および摩擦嵌合接触する2つのヒンジ半部を備える。接触面間の連続的な電気的接触を保証するために、1つまたは複数のばね要素を接触面に割り当てることが可能である。好ましくは、2つのヒンジ半部の接触面のうちの少なくとも一方は、良好な接触確立を可能にする円錐台形状に構成される。好ましくは、2つのヒンジ半部の接触面は、円錐台形状に互いに一致するように構成される。
【0015】
好ましい実施形態では、2つの要素間の接合部は、特別な方法で構成され、力の伝達に関して特に有利である。この目的のために、接合部は、要素の一方が凹部を備え、2つの要素の他方が凹部内に嵌合する突出部を備えるインターロックセクションを備えることができる。しかしながら、凹部および突出部は、互いに当接せず、それぞれの接合部を画定する。接合部は、好ましくはΩ形状であり、一方では良好な電気絶縁を可能にし、他方では要素間の良好な力伝達を可能にする。
【0016】
突出部が、ディスク形状に構成され、突出部を残りの要素とシームレスにモノリシックに接続するネックセクションを備える場合に有利である。それによって、ネックセクションは、好ましくは、ディスク形状(ヘッド)セクションよりも狭く、それによって2つの平坦要素間の形状嵌合インターロッキングを達成することができる。ディスク形状のヘッドは、円弧形状または他の形状の縁部を有することができる。
【0017】
ヒンジからハンドルに向かって延びるジョーの第2のセクションにおいて、2つの要素は、好ましくは絶縁体内に挿入される。この絶縁体は、追加のプラスチックでオーバーモールドする前に要素の位置を互いに対して据え付け、この追加のプラスチックは、最終的にインターロッキングセクション内の接合部を充填し、要素を互いに対して正しい位置に据え付ける。要素の互いに対する正確な位置決めは、特にヒンジ半部からも保証することができ、ヒンジ半部は、それぞれの金属要素を形成し、プラスチックでオーバーモールドする前に関連する要素に溶接され、射出成形金型内に正確に位置決めすることができる。
【0018】
本発明の実施形態は、図面およびそれぞれの説明から導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】熱融着器具の一実施形態を示す概観斜視図である。
【
図2】特にヒンジ領域における電極および関連する電流供給装置の分解斜視図である。
【
図3】
図2による電流供給装置の導体素子間の接合部セクションの部分図である。
【
図4】熱融着器具のヒンジのヒンジ半部の側面図である。
【
図5】本発明による熱溶融器具の電流供給装置の上面図である。
【
図6】電流供給装置の導体要素の分解上面図である。
【
図7】電流供給装置を有するジョーのハンドル領域の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、洗浄および繰り返し滅菌することができる熱融着器具10を示し、これは生体組織の融着のための組織鉗子として構成される。熱融着器具は、ヒンジ13でヒンジ軸14の周りに互いに枢動可能に支持された第1のジョー11および第2のジョー12を備える。2つのジョー11、12は、ヒンジ13に対して近位のハンドル端部15、16と、ヒンジ13に対して遠位の鉗子様ツール17とを備える。ツール17は、互いに面する表面上に、第1のジョー11の一部である第1の電極18と、第2のジョー12の一部である第2の電極19とを備える。電極18、19は、ツール17内に保持および圧縮された組織を加熱し、それによって組織融着を引き起こすために、その組織に電流を供給する役割を果たす。
【0021】
2つの電極18、19の電流供給のために、第1のジョー11のみに接続された多芯電流供給ケーブル20が設けられている。反対に、第2のジョー12は、ケーブル接続部を有していない。
【0022】
ジョー11、12の閉鎖中に電極18、19への電流の流れを有効にする、すなわち電流供給ケーブル20を介して熱融着器具10が接続されている発電機とそれら電極を接続するスイッチ21などの切替手段を第1のジョー11上に配置することができる。スイッチ21内、またはスイッチにおいて、適切な方法で熱融着器具10の動作を制御するか、またはこれに影響を与えるための電子回路を設けることができる。例えば、電子回路は、特定の状況において、例えば十分な融着結果が達成された場合に、電極18、19への電流供給を減少または中断することができる。
【0023】
熱融着器具10のジョー11、12は主にプラスチックからなり、それによって電流供給装置22が第1のジョー11内に配置され、これは
図2から少なくとも部分的に個々に明らかである。ジョー12は、金属の補剛要素を含むことができる。これに対して、電流供給装置22は、ジョー11内の補剛要素としての役割を果たす。
【0024】
好ましくは、例えば金属シート要素などのストリップ状の平坦要素24によって構成される第1の導体23は、電流供給装置22の一部である。この要素24は、板金から構成することができるが、代替的に鋳造材料から全体的または部分的に構成することもできる。この要素24は、平坦セクション25が近位に隣接する第1の電極18を備える。このセクション25は、ヒンジ軸14が直交して延びる平面E1(
図5を参照)内に位置する。このセクション25は、ヒンジ13の周りに延び、近位方向にヒンジ軸14をわずかに越えて突出する。次いで、このセクションは、クランク26で導体23の第2のセクション27に移行し、第2のセクションは第2の平面E2に位置し、この第2の平面は、上述の第1の平面E1に平行であり、ヒンジ軸14はこの平面にも実質的に直交して配向される。
【0025】
さらに、平坦で平らな要素29として構成された第2の導体28は、電流供給装置22の一部である。要素29は、板金から構成することができるが、代替的に鋳造材料から全体的または部分的に構成することもできる。この要素29は、導体23のセクション25と共通の平面内に、すなわち平面E1内に、少なくともヒンジ13の領域内に位置する。導体23のセクション25と共に、要素29は、ここでは、
図3に拡大して個別に示す接合部30を画定する。接合部30は、プラスチック31によって充填され、プラスチックは、電流供給装置22の周りの第1のジョー11の製造中に成形され、それによって接合部30に入り、これを充填する。
【0026】
接合部30は、少なくとも、接合部30の内側(およびさらに他の場所)のプラスチック31の誘電強度が、使用される凝固電圧で超えられないような幅を有する。誘電強度は、要求される動作信頼性を保証するために、好ましくは、数百ボルト以上の範囲内にあり、たとえば500Vを超える。好ましくは、接合部の幅、すなわち接合部30内の要素24、29間の距離(および他の場所でも)は、少なくともそれらの平坦な側面に直交して測定される要素24、29の厚さ、例えば使用される板金の厚さと同じ大きさである。
【0027】
好ましくは、接合部30は、
図2から明らかであり、
図3に個別に示すように、1つまたは複数のインターロッキング32を備える。インターロッキング32は、一方の要素、例えば要素29の突出部33によって形成され、突出部は、他方の要素、例えば要素24の凹部34内に係合する。例えば、接合部30は、Ω形状、蟻継ぎ形状、丸みのある蟻継ぎ形状または同様の方法で、この領域内に構成することができる。好ましくは、突出部33は、好ましくはディスク形状の突出部33が残りの要素29に移行するウェブまたは接続領域におけるこの突出部の幅bよりも長い最大幅B(
図3)を含む。好ましくは、突出部33は、要素29のモノリシック部分である。
【0028】
図2および
図3では、突出部33が要素29に割り当てられ、凹部34が要素24に割り当てられているが、その逆も可能である。さらに、同一または交互の向きを有する複数のそのような突出部/凹部の対を提供することが可能である。
【0029】
要素24、29のそれぞれのセクションは、ヒンジ13の領域内の共通の平面E1内に位置するように配置されているが、それらは、それらの平坦な側面のうちの2つで互いに面し、それぞれの他の平坦な側面で互いから外方に面するように、互いに平行な距離Aでヒンジ軸14に対して近位の第2のセクション内に配置される(
図5を参照)。2つの導体23、28のそれぞれの部分35、36は、絶縁および間隔空けのために、例えばプラスチックのそれぞれの絶縁体37に埋め込むことができる。この目的のために、これは、絶縁体37を通って長手方向に延びるそれぞれの保持スリット38、39を備えることができる。
【0030】
第2の導体28は、第2の電極19とヒンジ13を介して接続されており、第2の電極は、鋳造部分(例えば、インベストメント鋳造部分など)として板金曲げ部分として構成することができ、ヒンジ13に向かって延びる平坦セクション40を備える。セクション40は、ヒンジ軸14に対して同心円状に配向された開口部41を備える。同様に、要素29は、ヒンジ軸14に対して同心の開口部42を備える。
【0031】
第2の導体28と要素40との間の電気的接続を確立するために、好ましくは導電性材料、特に金属で作られる第1のヒンジ半部43および第2のヒンジ半部44は、ヒンジ13の一部である。ヒンジ半部43、44は、ヒンジ軸14を画定する導電性ピボット接合部を形成する。
【0032】
ヒンジ13の構成は、
図2から、より具体的には
図4から明らかである。
【0033】
ヒンジ半部43は、シート開口部をその内部に形成することができる平坦な円筒体によって形成される。シート開口部は、好ましくは、円筒セクション46内に移行する円錐台形状を有する。要素29が金属シート部分である場合、第1のヒンジ半部43は、要素29または40の一方に、この例では金属シート部分の開口部42の縁部と溶接されるか、または別の形で導電的かつ機械的に堅固に接続される。要素29が少なくともヒンジの領域において鋳造部分として構成される場合、ヒンジ半部43は、鋳造部分の一部を形成するその部分と一体的に構成することができる。
【0034】
第2のヒンジ半部44は、接触面45と相補的な接触面47を備え、それにより、接触面47は円筒状延長部48に移行することができる。ヒンジ13を組み立てられた状態で据え付けるために、第2のヒンジ半部には、図示しない据え付け要素を受け入れる役割を果たす据え付け穴を設けることができる。
【0035】
オプションとして、接触面45および/または接触面47の中またはそれ上に、1つまたは複数のばね手段49、例えばばねリングを配置することができ、ばねリングは、ここでは例えば接触面47および/または延長部48内にそれぞれ形成された溝である溝内に配置することができる。
【0036】
図5は、第1の要素24、第2の要素29、ヒンジ13、および要素40を上面図で示す。明らかなように、要素24、29は、ヒンジ13の領域内の共通の平面E1の内側に位置し、一方、ヒンジ13から近位に距離を置いた第2のセクションでは、それらは、互いに平行な平面E1、E2内に配置される。
【0037】
ヒンジ13および要素29、24、40の構成の改善された明確化のために、さらに
図6に参照が行われる。明らかなように、第1のヒンジ半部43は第1の要素29に接続され、第2のヒンジ半部44は例えば2つの延長部50によって要素40に接続される。2つの延長部50の間には、他の要素によって使用することができる距離が設けられる。例えば、ヒンジ13を通って延びるナイフチャネルを熱融着器具10内に設けることができる。例えば、そのようなナイフは、ツール17内の融着された組織を切断するために、遠位方向に進むように配置することができ、すなわち、ツール17内に並進的に移動可能に配置することができる。
【0038】
要素40が金属シート部分である場合、ヒンジ半部43は、例えば、延長部50が開口部41の縁部に溶接されるという点で、要素40に溶接することができる。あるいは、要素40およびヒンジ半部44は、鋳造部分、例えばインベストメント鋳造部分として提供することができる。それらは、単一の鋳造部分によって、または後で互いに接続される鋳造部分によって製造することができる。
【0039】
融着器具10を製造するために、最初に要素24、29、40を設けることができる。それらがまだ設けられていない場合、第2のステップにおいて、ヒンジ半部43、44が要素29、40上に形成されるか、またはそれに接続される。次いで、要素24、29は、絶縁体37に挿入される。あるいは、絶縁体は、例えば一次成形によって、要素24、29上または要素の周りに製造される。これまでに作成されたヒンジ13、電流供給装置22、および絶縁体37からなるユニットは、次に射出成形金型に挿入され、上述したように、後で接合部30も充填するプラスチック31で全体がコーティングされる。ジョー11を通る断面は、
図7に示すように生じる。
【0040】
結果として得られたジョー11は、隙間のないように構成され、線条に構成可能であり、それにより、基本材料としてプラスチックを使用するにもかかわらず、機械的に安定することができる。電流供給装置22は、二重の機能、すなわち電極18、19への電流供給およびジョー11の機械的補強を果たす。ハンドル端部15、16から生じる作動力は、ツール17に向かう方向に2つの要素24、29によって伝達される。要素29を介して伝達される力の一部は、インターロッキングセクション32を介して要素29から要素24のセクション25上に、したがって最終的に電極18上に伝達される。
【0041】
本発明による熱融着要素では、電流供給装置22が、2つの電極18、19の電気供給のため、ならびに機械的な力の伝達のために使用される。直立して配置された平坦な部分としての2つの電気導体23、28の構成、およびインターロッキング32内でのその電気導体の結合に関係する力により、電気導体23、28は機械的補強要素として使用することができ、それにより、線条の、隙間無しの、容易かつ確実に滅菌可能な構成が達成される。器具10の場合の電流供給は、単一のケーブル20のみを介して提供され、このケーブルは、2つのジョー11、12の一方上にのみ提供される。
【符号の説明】
【0042】
10 熱融着器具
11 第1のジョー
12 第2のジョー
13 ヒンジ
14 ヒンジ軸
15,16 ハンドル端部
17 ツール
18 第1の電極
19 第2の電極
20 電流供給ケーブル
21 スイッチ
22 電流供給装置
23 第1の導体
24 第1の要素
25 導体23および要素24のセクション
26 要素24のクランク
27 導体23および要素24の第2のセクション
28 第2の導体
29 第2の要素
30 接合部
31 プラスチック
32 インターロッキングセクション
33 突出部
34 凹部
35 第1の導体23/要素24の第2のセクション
36 第2の導体28/要素29の第2のセクション
37 絶縁体
38 第1の導体23のセクション35のための保持スリット
39 第2の導体28のセクション36のための保持スリット
40 電極19を有する要素
41 セクション40内の開口部
42 要素29内の開口部
43 第1のヒンジ半部
44 第2のヒンジ半部
45 シート開口部および接触面
46 円筒セクション
47 接触面
48 延長部
49 ばね手段
50 第2のヒンジ半部44の延長部
【外国語明細書】