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特開2024-74799複数の細長い医療装置を使用するロボット介入装置のための制御ステーションのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074799
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】複数の細長い医療装置を使用するロボット介入装置のための制御ステーションのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/37 20160101AFI20240524BHJP
   A61B 34/35 20160101ALI20240524BHJP
【FI】
A61B34/37
A61B34/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024027534
(22)【出願日】2024-02-27
(62)【分割の表示】P 2022117645の分割
【原出願日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】63/203,845
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/812,733
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510292504
【氏名又は名称】コリンダス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】弁理士法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ディーノ カスヴィキス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイ. ブラッカー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ハノン
(72)【発明者】
【氏名】マックス エアーズ
(72)【発明者】
【氏名】アリックス ドーフマン
(57)【要約】
【課題】カテーテルなどの細長い医療デバイスの作動をロボット制御可能なロボット介入処置システムを提供すること。
【解決手段】
システムは、複数のカセットを備えるロボット駆動装置を含み、各カセットは、その中に装填された細長い医療装置(EMD)を移動させるために、ロボット駆動装置に命令を生成するために、入力モジュールを含む。入力モジュールは、複数のカセットのそれぞれに装填された第1の2つ以上のEMDを選択するための第1の2つ以上の選択ボタンと、第1の2つ以上のEMDのそれぞれを同時に線形移動させるようにロボット駆動装置に命令を生成させるように作動可能な第1の制御部と、第1の2つ以上のEMDのそれぞれを同時に回転させるようにロボット駆動装置に命令を生成させるように作動可能な第2の制御部とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の細長い医療装置(EMD)を制御するようにロボット駆動装置に指示するシステムであって、
第1の2つ以上のEMDを選択するための第1の2つ以上の選択ボタンと、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させるように前記ロボット駆動装置に命令を生成させるように作動可能な第1の制御部と、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させるように前記ロボット駆動装置に命令を生成させるように作動可能な第2の制御部と、
を含むシステム。
【請求項2】
前記第1の2つ以上のEMDが選択されたままで、第2の1つ以上のEMDを選択するための第2の1つ以上の選択ボタンと、
前記第1の2つ以上のEMDが選択されたままで、前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令を生成させるように作動可能な第3の制御部と、
を含む請求項1記載のシステム。
【請求項3】
第5の作動可能制御部と、
第6の作動可能制御部と、
を備え、
前記第5の作動可能制御部は作動されないとき、前記第1の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令を生成させず、前記第2の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令を生成させず、
前記第6の作動可能制御部が作動されないとき、前記第3の制御部の作動は、前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令を生成させず、一方、前記第1の2つ以上のEMDは選択されたままである、
請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記第5の作動可能制御部は、オペレータの第1の手の掌の踵によって作動可能であり、前記第2の制御部は、前記第1の手の親指によって作動可能であり、前記第1の制御部は、前記第1の手の指によって作動可能であり、
前記第6の作動可能制御部は、前記オペレータの第2の手の掌の踵によって作動可能であり、前記第4の制御部は、前記第2の手の親指によって作動可能であり、前記第3の制御部は、前記第2の手の指によって作動可能である、
請求項3記載のシステム。
【請求項5】
第3の作動可能制御部を備え、
前記第3の作動可能制御部は作動されないとき、前記第1の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させるための命令を生成させず、前記第2の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させるための命令を生成させない、
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記第3の作動可能制御部は、手の掌の踵によって作動可能であり、前記第2の制御部は、前記手の親指によって作動可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第3の作動可能制御部は、前記手の掌の踵によって作動可能であり、前記第1の制御部は、前記手の指によって作動可能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの線形運動を防止するように選択可能な第1のユーザインタフェース制御部と、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令を受信する処理ユニットであって、前記命令の受信に応答して、前記第1のユーザインタフェース制御部が、前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの線形運動を防止するように選択されることを決定するとともに、前記決定に応答して、前記命令に応答して、前記第1の2つ以上のEMDの各々を線形移動させないように前記ロボット駆動装置に命令するように決定する、処理ユニットと、
を含む請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの回転運動を防止するように選択可能な第1のユーザインタフェース制御部を含むユーザインタフェースと、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令を受信する処理ユニットであって、命令の受信に応答して、前記第1のユーザインタフェース制御部が、前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの回転運動を防止するように選択されることを決定するとともに、前記決定に応答して、前記命令に応答して、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させないように前記ロボット駆動装置に命令することを決定する、処理ユニットと、
を含む請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの線形運動を防止するように選択可能な第2のユーザインタフェース制御部を含む前記ユーザインタフェースと、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる前記命令を受信する前記処理ユニットとであって、前記命令の受信に応答して、前記第2のユーザインタフェース制御部は、前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの線形運動を防止するように選択されることを決定するとともに、前記決定に応答して、前記命令に応答して、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させないように前記ロボット駆動装置に命令することを決定する、処理ユニットと、
を含む請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
複数のカセットを備えるロボット駆動装置であって、各カセットは、その中に装填された細長い医療装置(EMD)を移動させる、ロボット駆動装置と、
入力モジュールと、
を備えるシステムであって、
前記入力モジュールが、
前記複数のカセットのそれぞれに装填された第1の2つ以上のEMDを選択するための第1の2つ以上の選択ボタンと、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させるように前記ロボット駆動装置に命令を生成させるように作動可能な第1の制御部と、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させるように前記ロボット駆動装置に命令を生成させるように作動可能な第2の制御部と、
を含む、
システム。
【請求項12】
前記第1の2つ以上のEMDが選択されたままで、前記複数のカセットのそれぞれにロードされた第2の1つ以上のEMDを選択するための第2の1つ以上の選択ボタンと、
前記第1の2つ以上のEMDが選択されたままであるときとき、前記ロボット駆動装置に前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させるように前記ロボット駆動装置に命令を生成させるように作動可能な第3の制御部と、
前記第1の2つ以上のEMDが選択されたままであるとき、前記ロボット駆動装置に前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に回転させるように前記ロボット駆動装置に命令を生成させるように作動可能な第4の制御部と、
を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記入力モジュールが、
第5の作動可能制御部と、
第6の作動可能制御部と、
を備え、
前記第5の作動可能制御部が作動されていないとき、前記第1の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDの各々を線形移動させる命令を生成せず、前記第2の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令を生成せず、
前記第6の作動可能制御部が作動されていないとき、前記第3の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDが選択されたままであるとき、前記第2の1つ以上のEMDの各々を線形移動させる命令を生成せず、前記第4の制御部の作動は、前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令を生成せず、前記第1の2つ以上のEMDは選択されたままである、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第5の作動可能制御部は、オペレータの第1の手の掌の踵によって作動可能であり、前記第2の制御部は、前記第1の手の親指によって作動可能であり、前記第1の制御部は、前記第1の手の指によって作動可能であり、
前記第6の作動可能制御部は、前記オペレータの第2の手の掌の踵によって作動可能であり、前記第4の制御部は、前記第2の手の親指によって作動可能であり、前記第3の制御部は、前記第2の手の指によって作動可能である、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記入力モジュールが、第3の作動可能制御部を含み、
前記第3の作動可能制御部は作動されないが、前記第1の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令を生成せず、前記第2の制御部の作動は、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令を生成せず、
前記第3の作動可能制御部は、前記第2の制御部が手の親指によって作動可能であるとき、前記手の掌の踵によって作動可能であり、
前記第3の作動可能制御部は、前記第1の制御部が前記手の指によって作動可能であるとき、前記手の掌の踵によって作動可能である、
請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの回転運動を防止するように選択可能な第1のユーザインタフェース制御部を含むユーザインタフェースと、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令を受信する処理ユニットであって、前記命令の受信に応答して、前記第1のユーザインタフェース制御部が、前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの回転運動を防止するように選択されることを決定し、前記決定に応答して、前記命令に応答して、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させないように前記ロボット駆動装置に命令する、処理ユニットと、
を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの線形運動を防止するように選択可能な第2のユーザインタフェース制御部を含む前記ユーザインタフェースと、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形運動させる命令を受信する処理ユニットであって、前記命令の受信に応答して、前記第2のユーザインタフェース制御部が、前記第1の2つ以上のEMDのうちの1つの線形運動を防止するように選択されることを決定し、前記決定に応答して、前記命令に応答して、前記第1の2つ以上のEMDの各々を線形移動させないように前記ロボット駆動装置に命令する、処理ユニットと、
を含む請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
第1の2つ以上の細長い医療装置(EMD)を選択するための第1の2つ以上の選択ボタンの作動の検出するステップと、
第1の制御部の作動の検出するステップと、
前記第1の制御部の作動に応答して、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令を生成するステップと、
第2の制御部の作動を検出するステップと、
前記第2の制御部の作動に応答して、前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
第2の1つ又は複数のEMDを選択するために、第2の1つ又は複数の選択ボタンの作動の検出するステップと、
第3の制御部の作動の検出するステップと、
前記第3の制御部の作動に応答して、前記第1の2つ以上のEMDが選択されたままであるとき、前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令を生成するステップと、
第4の制御部の作動を検出するステップと、
前記第4の制御部の作動に応答して、前記第1の2つ以上のEMDが選択されたままであるときに、前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令を生成するステップと、
を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第5の作動可能制御部の作動を検出するステップと、
第6の作動可能制御部の作動を検出するステップと、
を含み、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令の生成は、前記第1の制御部の作動及び前記第5の作動可能制御部の作動に応答しており、
前記第1の2つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令の生成は、前記第2の制御部の作動及び前記第5の作動可能制御部の作動に応答しており、
前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に線形移動させる命令の生成は、前記第3の制御部の作動及び前記第6の作動可能制御部の作動に応答しており、
前記第2の1つ以上のEMDの各々を同時に回転させる命令の生成は、前記第4の制御部の作動及び前記第6の作動可能制御部の作動に応答している、
請求項19に記載の方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年8月2日に出願された米国仮特許出願第63/203,845号の優先権を主張し、その内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
実施形態は、概して、ロボット医療処置システムの分野に関し、特に、ロボット介入医療処置における1つ又は複数の細長い医療装置の動きをロボット制御するためのシステム、装置、及び方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書で使用される場合、細長い医療装置(EMD)という用語は、カテーテル(例えば、ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、バルーン/ステントカテーテル)、ワイヤベースのデバイス(例えば、ガイドワイヤ、塞栓コイル、ステント回収器など)、及びこれらの任意の組合せを含む医療装置を指すが、これらに限定されない。ワイヤベースのデバイスには、ガイドワイヤ、マイクロワイヤ、塞栓コイルのための近位プッシャ、ステント回収器、自己拡張型ステント、及び流ダイバータが含まれるが、これらに限定されない。典型的には、ワイヤベースの細長い医療装置(EMD)は、その近位端子端部にハブ又はハンドルを有していない。
【0004】
カテーテル及び他のEMDは、神経インターベンション手術、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)及び末梢血管インターベンション(PVI)としても知られる神経血管インターベンション(NVI)を含む様々な血管系の疾患の診断及び/又は治療のための低侵襲医療処置中に使用されることがある。これらの処置は、典型的には、血管系を通してガイドワイヤをナビゲートし、ガイドワイヤを介してカテーテルを血管系内に前進させて、治療を送達することを伴う。
【0005】
カテーテル処置は、標準的な経皮的技術を使用して、イントロデューサシースを用いて、動脈又は静脈などの適切な血管へのアクセスを獲得することによって開始する。次いで、イントロデューサシースを通して、シース又はガイドカテーテルが、診断ガイドワイヤ上を通って、NVIのための内頸動脈、PCIのための冠動脈口、又はPVIのための浅大腿動脈などの一次位置に前進させられる。次いで、脈管構造に適したガイドワイヤを、シース又はガイドカテーテルを通して、脈管構造内の標的位置までナビゲートする。曲がりくねった解剖学的構造の存在下などの特定の状況では、ガイドワイヤのナビゲーションを支援するために、支持カテーテル又はマイクロカテーテルがガイドワイヤの上に挿入される。
【0006】
医師又はオペレータは、撮像システム(例えば、蛍光透視鏡)を使用して、血管系のロードマップとして使用するためのコントラスト強調画像を取得し、ガイドワイヤ又はカテーテルを標的位置、例えば、病変までナビゲートすることができる。造影画像はまた、医師がガイドワイヤ又はカテーテルを送達するときに得られ、それにより、医師は、装置が標的位置への正しい経路に沿って移動していることを検証することができる。X線透視法を使用して解剖学的構造を観察しながら、医師は、ガイドワイヤ又はカテーテルの近位端を操作して、遠位先端を病変又は標的解剖学的位置に向かって適切な器官内に誘導し、側枝内への前進を回避する。
【0007】
例えば、NVI、PCI、及びPVIなどのカテーテル処置を実施する際に医師を補助するために使用され得るロボットカテーテルベースの処置システムが開発されている。NVI処置の例には、動脈瘤のコイル塞栓形成、動静脈奇形の液体塞栓形成、及び急性虚血性脳卒中の状況における大血管閉塞の機械的血栓除去が含まれる。NVI処置では、医師は、ロボットシステムを使用して、神経血管ガイドワイヤ及びマイクロカテーテルの操作を制御することによって標的病変アクセスを得て、治療を施して正常な血流を回復させる。ターゲットアクセスは、シース又はガイドカテーテルによって可能にされるが、より遠位の領域のために、又はマイクロカテーテル及びガイドワイヤのための適切な支持を提供するために、中間カテーテルも必要とし得る。ガイドワイヤの遠位先端は、病変のタイプ及び治療に応じて、病変内に、又は病変を通過するようにナビゲートされる。動脈瘤を治療するために、マイクロカテーテルを病変内に前進させ、ガイドワイヤを除去し、いくつかの塞栓コイルをマイクロカテーテルを通して動脈瘤内に配備し、動脈瘤内への血流を遮断するために使用する。動静脈奇形を治療するために、液体塞栓剤が、マイクロカテーテルを介して奇形に注入される。血管閉塞を治療するための機械的血栓除去は、吸引及び/又はステント回収器の使用のいずれかによって達成することができる。血餅の位置に応じて、吸引は、吸引カテーテルを通して、又はより小さい動脈のためのマイクロカテーテルを通して行われる。吸引カテーテルが病変部にあると、陰圧を加えてカテーテルを通して凝塊を除去する。あるいは、凝血塊は、マイクロカテーテルを通してステント回収器を配置することによって除去することができる。血餅がステント回収器に組み込まれると、血餅は、ステント回収器及びマイクロカテーテル(又は中間カテーテル)をガイドカテーテル内に後退させることによって回収される。
【0008】
PCIでは、医師は、ロボットシステムを使用して、冠状動脈ガイドワイヤを操作することによって病変アクセスを得て、治療を送達し、正常な血流を回復させる。アクセスは、冠状動脈口にガイドカテーテルを着座させることによって可能になる。ガイドワイヤの遠位先端は、病変を通過してナビゲートされ、複雑な解剖学的構造のために、マイクロカテーテルが、ガイドワイヤのための適切な支持を提供するために使用され得る。血流は、病変部にステント又はバルーンを送達し、展開することによって回復される。病変は、ステント留置の前に、病変の事前拡張のためのバルーンを送達することによって、又は、例えば、レーザー又は回転式アテローム切除カテーテル及びガイドワイヤ上のバルーンを使用してアテローム切除術を実施することによって、準備を必要とし得る。画像化カテーテル又はフラクショナルフローリザーブ(fractional flow reserve)(FFR)測定値を使用することによって、適切な治療を決定するために、診断画像化及び生理学的測定が実行され得る。
【0009】
PVIでは、医師はロボットシステムを用いて治療を行い、NVIと同様の技術で血流を回復させる。ガイドワイヤの遠位先端は、病変を通過してナビゲートされ、マイクロカテーテルは、複雑な解剖学的構造のためのガイドワイヤのための適切な支持を提供するために使用され得る。血流は、ステント又はバルーンを病変に送達し、展開することによって回復される。PCIと同様に、病変の準備及び画像診断も使用することができる。
【0010】
カテーテル又はガイドワイヤの遠位端における支持が、例えば、曲がりくねった又は石灰化した血管系をナビゲートするため、遠位の解剖学的位置に到達するため、又は硬い病変を横断するために必要とされるとき、オーバーザワイヤ(OTW)カテーテル又は同軸システムが使用され得る。OTWカテーテルは、カテーテルの全長にわたって延在するガイドワイヤ用の管腔を含む。これは、ガイドワイヤが全長に沿って支持されるので、比較的安定したシステムを提供する。しかしながら、このシステムは、高速交換カテーテルと比較して、より高い摩擦、及びより長い全長を含むいくつかの欠点を有する。
【0011】
血管介入処置を行う場合、オペレータは、一般に、必要に応じて各カテーテル又はワイヤを移動させるようにロボットシステムを制御するために、制御ステーションに設けられた一組の制御部を使用する。制御部の各々は、典型的には、特定のデバイスを制御するように、又は特定の様式でカテーテル又はワイヤを移動させるように構成される。
【0012】
そのような制御は、典型的には、オペレータが、他の数字で他の制御を操作しながら、1つの数字でデバイス選択ボタンを押し下げ、保持することを必要とする。これらの同時動作は、同時制御下にあるEMDの数が増加するにつれて不可能ではないにしても困難になる。例えば、4つの複数のEMDの制御部は、手の4つの指全てによる対応する選択ボタンの押下を必要とする。
【0013】
上記の問題は、連続起動が使用される場合に悪化する。連続起動は、動作が意図されていることをオペレータから肯定的に示すことを必要とする安全機能である。この表示は、典型的には、EMDの移動が起こるために押下されなければならず、したがって、さらに別のオペレータの指の同時入手可能性を必要とする、指操作「デッドマン」スイッチを介して提供される。
【0014】
従来の制御ステーションによって提示される物理的課題は、EMDの移動及び位置を正確に制御することに困難をもたらす可能性がある。EMDの意図しない偶発的な動きは、患者又はEMDのいずれかに損傷を与える可能性がある。
【0015】
一部のシステムには、制御部が配置されている上又は隣接する人間工学に基づくハンドグリップが含まれる。そのようなハンドグリップは、把持するのに魅力的かつ快適であり得るが、グリップによって指示される「ホームポジション」は、手がグリップ上に置かれているとき、指によってアクセスされ得る即座の領域への制御部の配置を制限する。そうでなければ、そのようなシステムは、オペレータが、グリップを定期的に解放し、片手又は両手を移動して、他の場所に位置する制御部にアクセスすることを必要とする。さらに、そのようなシステムは、典型的には、右利きのオペレータに有利に働くように構成される。
【0016】
ロボット血管介入中に複数のEMDの正確かつ安全な制御を提供し、直感的であり、使用が容易であり、かつ/又は拡張可能であるシステムが望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
実施形態は、参照番号が同様の部分を指す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう:
図1図1は、いくつかの実施形態による例示的なカテーテルベースの処置システムの斜視図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による例示的なカテーテルベースの処置システムの概略ブロック図である。
図3図3は、いくつかの実施形態による、カテーテルに基づく処置システムのためのロボット駆動装置の斜視図である。
図4図4は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールの図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールの図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールの図である。
図6図6は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールの図である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールと併せて使用するための制御ステーションユーザインタフェースの図である。
図8図8は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールと併せて使用するための制御ステーションユーザインタフェースの図である。
図9図9は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールと併せて使用するための制御ステーションユーザインタフェースの図である。
図10図10は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールと併せて使用するための制御ステーションユーザインタフェースの図である。
図11図11は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールと併せて使用するための制御ステーションユーザインタフェースの図である。
図12図12は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのための入力モジュールと併せて使用するための制御ステーションユーザインタフェースの図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、当業者が記載された実施形態を作成及び使用することを可能にするために提供される。しかしながら、当業者には、様々な修正が容易に明らかになるであろう。
【0019】
いくつかの実施形態は、1つ又は複数(例えば、最大4つ)のEMDの選択及び同時制御を容易にする。1つ以上のデバイス選択ボタンを同時に押下することなく、1つ以上のEMDを同時に制御することを可能にすることによって、手の間でタスクをより容易に共有することができ、負荷及び歪みを低減することができる。さらに、連続起動は、EMD選択から切り離されて、アクセスの容易さ及び使用の容易さを増加させることができる。
【0020】
実施形態はまた、各タイプの制御部が別個の制御モダリティを介してオペレータに直感的に利用可能であるように構成される、位置制御(線形又は回転)及び速度制御を提供し得る(例えば、1つのタイプの制御部がスクロールホイールを介して提供され、他の種類制御部が1対のボタンを介して提供される)。実施形態は、反対方向への少なくとも2つの装置の線形移動を同時に提供することができる。
【0021】
いくつかの実施形態による入力モジュールは、オペレータの手がどのように配置されるべきかに関して、「グリップベース」入力モジュールよりも規範的ではない。特定の「ホームポジション」が設けられていないので、入力モジュールの制御部上での手の移動は、そうでない場合よりも流体が多い可能性がある。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、入力モジュールの制御部は、その左側面と右側面との間に配置及び機能においてミラーリングされる。そのような入力モジュールは、右利き及び左利きのオペレータによって等しく使用可能である。さらに、そのような構成は、本質的に直感的であり、代替構成よりも短い学習曲線に関連付けられ得る。
【0023】
いくつかの実施形態は、血管損傷、EMDへの損傷、又は処置中の任意の他の損傷を引き起こし得るEMDの運動の予防をさらに容易にする。例えば、いくつかの実施形態は、EMDが、入力モジュールを介してオペレータによって開始されるコマンドにかかわらず、線形移動することができないように、1つ又は複数のEMDをロックすることを可能にする。同様に、1つ又は複数のEMDは、1つ又は複数のEMDを回転させることができないように、全てロックされてもよく、あるいは選択的にロックされてもよい。
【0024】
図1は、いくつかの実施形態による例示的なカテーテルベースの処置システム10の斜視図である。カテーテルベースの処置システム10は、カテーテルベースの医療処置、例えば、(例えば、STEMIを治療するための)PCI、(例えば、緊急大血管閉塞(ELVO)を治療するための)NVI、及び(例えば、重症肢虚血(CLI)のための)PVIなどの経皮的介入処置を実行するために使用され得る。カテーテルベースの医療処置は、1つ又は複数のカテーテル又は他の細長い医療装置(EMD)が患者の疾患の診断を補助するために使用される診断カテーテル処置を含み得る。例えば、カテーテルに基づく診断手順の一実施形態のとき、造影剤は、カテーテルを通して1つ以上の動脈に注入され、患者の血管系の画像は、造影剤がその中に存在するときに取得される。
【0025】
カテーテルベースの医療処置はまた、カテーテルベースの治療処置(例えば、血管形成術、ステント留置、末梢血管疾患の治療、血餅除去、動脈静脈奇形治療、動脈瘤の治療など)を含むことができ、その間、カテーテル(又は他のEMD)が疾患を治療するために使用される。治療手順は、例えば、血管内超音波(IVUS)、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)、フラクショナルフローリザーブ(FFR)などの補助装置54(図2に示される)を含めることによって強化され得る。しかしながら、当業者は、特定の特定の経皮的介入装置又は構成要素(例えば、ガイドワイヤのタイプ、カテーテルのタイプなど)が、実施される処置のタイプに基づいて選択され得ることを認識するであろうことに留意されたい。カテーテルベースの処置システム10は、処置に使用される特定の経皮的介入装置に適応するために、わずかな調整で、任意の数のカテーテルベースの医療処置を実行することができる。
【0026】
カテーテルベースの処置システム10は、他の要素の中でも、ベッドサイドユニット20及び制御ステーション26を含む。ベッドサイドユニット20は、患者12に隣接して配置されたロボット駆動装置24及び位置決めシステム22を含む。患者12は患者台18上で支持されている。位置決めシステム22は、ロボット駆動装置24の位置決め及び支持に使用される。位置決めシステム22は、例えば、ロボットアーム、多関節アーム、ホルダ等であってもよい。位置決めシステム22は、一端で、例えば、患者台18上のレール、ベース、又はカートに取り付けられてもよい。位置決めシステム22の他端は、ロボット駆動装置24に取り付けられる。位置決めシステム22は、患者12が患者台18上に配置されることを可能にするために、(ロボット駆動装置24と共に)途中から移動されてもよい。患者12が患者台18上に位置決めされると、位置決めシステム22を使用して、処置のために患者12に対してロボット駆動装置24を位置決め又は位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、患者台18は、床及び/又は地面に固定された台座17によって動作可能に支持される。患者台18は、台座17に対して多自由度、例えばロール、ピッチ、ヨーで移動することができる。ベッドサイドユニット20はまた、(図2に示される)制御部及びディスプレイ46を含んでもよい。例えば、制御部及びディスプレイは、ロボット駆動装置24のハウジング上に配置することができる。
【0027】
前方という用語は、患者12に面し、位置決めシステム22から離れているロボット駆動装置24の側面を指し、後方という用語は、位置決めシステム22に最も近いロボット駆動装置24の側面を指す。top、up、upperという用語は重力方向から離れた一般的な方向を指し、bottom、down、lowerという用語は重力方向の一般的な方向を指す。
【0028】
一般に、ロボット駆動装置24は、適切な経皮的介入装置及び付属品48(図2に示される)(例えば、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、ステント送達システム、ステント回収器、塞栓コイル、液体塞栓、吸引ポンプ、造影剤を送達するためのデバイス、薬剤、止血弁アダプタ、シリンジ、ストップコック、膨張デバイスなどを含む様々なタイプのカテーテル)を装備して、ユーザ又はオペレータ11が、制御ステーション26に配置された制御部及び入力モジュールなど、本明細書に記載されるような制御システムの様々な制御部を操作することによって、ロボットシステムを介してカテーテルベースの医療処置を実行することを可能にすることができる。ベッドサイドユニット20、特にロボット駆動装置24は、ベッドサイドユニット20に本明細書に記載の機能を提供するための任意の数及び/又は組み合わせの構成要素を含むことができる。制御ステーション26におけるユーザ又はオペレータ11は、本明細書では、制御ステーションユーザ、制御ステーションオペレータ、ユーザ又はオペレータと呼ばれる。ベッドサイドユニット20におけるユーザ又はオペレータは、ベッドサイドユニットユーザ、患者サイドオペレータ、又はベッドサイドユニットオペレータと呼ばれる。
【0029】
ロボット駆動装置24は、レール又は線状部材60(図3に示す)に取り付けられた複数のデバイスモジュール32a~dを含む。レール又は線状部材60は、デバイスモジュールを案内し支持する。デバイスモジュール32a~dの各々は、カテーテル又はガイドワイヤなどのEMDを駆動するために使用され得る。例えば、ロボット駆動装置24は、患者12の動脈内の診断用カテーテル内及びガイドカテーテル内にガイドワイヤを自動的に供給するために使用され得る。EMDなどの1つ又は複数の装置は、例えば、イントロデューサシースを介して挿入点16において患者12の身体(例えば、容器)に入る。
【0030】
ベッドサイドユニット20は、制御ステーション26と通信しており、制御ステーション26の制御部によって生成された信号を無線で、又はベッドサイドユニット20にハードワイヤを介して送信して、ロボット駆動装置24の機能を含むベッドサイドユニット20の様々な機能を制御することを可能にする。後述するように、制御ステーション26は、制御コンピュータシステム34(図2に示す)を含むか、又は制御コンピュータシステム34を介してベッドサイドユニット20に結合されてもよい。ベッドサイドユニット20はまた、フィードバック信号(例えば、装填、速度、動作条件、警告信号、エラーコードなど)を制御ステーション26、制御コンピュータシステム34(図2に示す)、又はその両方に提供することができる。制御コンピュータシステム34とカテーテルベース処置システム10の様々な構成要素との間の通信は、無線接続、ケーブル接続、又は構成要素間の通信を可能にすることができる任意の他の手段であり得る通信リンクを介して提供され得る。
【0031】
局所という用語は、患者12及びベッドサイドユニット20の位置を指すために使用される。カテーテル処置システム10は、ローカルサイトの制御ステーション26、リモートサイトの制御ステーション26、又はローカル制御ステーション26とリモート制御ステーション26の両方によって同時に操作されてもよい。ローカルサイトにおいて、ユーザ又はオペレータ11及び制御ステーション26は、患者12及びベッドサイドユニット20と同じ部屋又は隣接部屋に配置される。本明細書で使用される場合、局所部位は、ベッドサイドユニット20及び患者12又は対象(例えば、動物又は死体)の位置であり、遠隔部位は、ユーザ又はオペレータ11の位置、及びベッドサイドユニット20を遠隔で制御するために使用される制御ステーション26である。遠隔という用語は、局所部位においてベッドサイドユニット20及び/又は患者12への物理的アクセスを有さない位置を指すために使用される。
【0032】
いくつかの実施形態では、遠隔サイト及び局所(患者)サイトは、互いに離れており、例えば、同じ建物内の複数の部屋、同じ都市内の複数の建物、複数の都市、又は遠隔サイトが局所サイトにおけるベッドサイドユニット20及び/又は患者12への物理的アクセスを有さない他の複数の場所にある。
【0033】
制御ステーション26は、ロボット駆動装置24及び/又はカテーテルベースの処置システム10の様々な他の構成要素もしくはシステムを制御するためのユーザ操作を受信するようにいくつかの実施形態に従って構成された制御部を含む入力モジュール28を含む。図示の実施形態では、制御ステーション26は、ユーザ又はオペレータ11がベッドサイドユニット20を制御してカテーテルベースの医療処置を実行することを可能にする。例えば、入力モジュール28は、(例えば、ガイドワイヤを前進、後退、又は回転させる、カテーテルを前進、後退、又は回転させる、カテーテル上に位置するバルーンを膨張又は収縮させる、ステント回収器を位置付ける及び/又は展開させる、ステント回収器を位置付ける及び/又は展開させる、コイルを位置付ける及び/又は展開させる、カテーテル内に造影剤を注入する、カテーテル内に液体塞栓を注入する、カテーテル内に薬剤又は生理食塩水を注入する、カテーテル上で吸引する、又はカテーテルベースの医療処置の一部として実行され得る任意の他の機能を実行する)ロボット駆動装置24とインタフェースで接続されたEMDを使用して、ベッドサイドユニット20に様々なタスクを実行させるように構成され得る。ロボット駆動装置24は、入力モジュール28の制御部のユーザによる操作に応じて、EMDを含むベッドサイドユニット20の構成要素の移動(例えば、軸方向及び回転方向の移動)を引き起こす様々な駆動機構を含む。
【0034】
入力モジュール28は、ロボット駆動装置24に現在ロードされているEMDのうちのどれが入力モジュール28の入力制御部のユーザ操作を介して制御されるかをオペレータ11が選択することを可能にするために、以下に説明するようなデバイス選択ボタンを含むことができる。自動移動ボタンを使用して、カテーテルベースの処置システム10が、ユーザ又はオペレータ11からの直接的な命令なしにEMDに対して実行することができるアルゴリズム的な移動を可能にすることができる。
【0035】
入力モジュール28はまた、バルーンの膨張又は収縮及び/又はステントの展開を指示するように構成されたバルーン又はステント制御部を含んでもよい。入力モジュール28は、特定の構成要素の制御を指示するための専用の1つ又は複数のボタン、スクロールホイール、サムノブ、ジョイスティック、タッチスクリーンなどを含み得る。さらに、1つ又は複数のタッチスクリーンは、入力モジュール28又はカテーテルベースの処置システム10の様々な構成要素の相対位置を提示する1つ又は複数のアイコン(図示せず)を表示することができる。そのような1つ又は複数のタッチスクリーンは、入力モジュール28の制御部の構成及び1つ又は複数の機能(線形及び/又は回転ロック機能を含むが、これらに限定されない)を指定及び/又は提示するためのユーザインタフェースを提示し得る。
【0036】
制御ステーション26は、ディスプレイ30を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御ステーション26は、2つ以上のディスプレイ30を含むことができる。ディスプレイ30は、制御ステーション26に配置されたユーザ又はオペレータ11に情報又は患者固有のデータを表示するように構成することができる。たとえば、ディスプレイ30は、画像データ(たとえば、X線画像、MRI画像、CT画像、超音波画像など)、血行動態データ(たとえば、血圧、心拍数など)、患者記録情報(たとえば、病歴、年齢、体重など)、病変又は治療評価データ(たとえば、IVUS、OCT、FFRなど)を表示するように構成され得る。加えて、ディスプレイ30は、処置固有の情報(例えば、処置チェックリスト、推奨事項、処置の期間、カテーテル又はガイドワイヤの位置、送達される薬剤又は造影剤の量など)を表示するように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、制御コンピュータシステム34(図2に示される)に関連する機能を提供するための情報を表示するように構成され得る。ディスプレイ30は、システムのユーザ入力機能の一部を提供するタッチスクリーン機能を含むことができる。
【0037】
カテーテルベースの処置システム10はまた、撮像システム14を含む。撮像システム14は、カテーテルベースの医療処置(例えば、非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波など)と併せて使用され得る任意の医療撮像システムであり得る。例示的な実施形態において、撮像システム14は、制御ステーション26と通信しているデジタルX線撮像装置である。一実施形態では、撮像システム14は、撮像システム14が、患者12に対して異なる角度位置(例えば、矢状ビュー、尾側ビュー、前後ビューなど)で画像を取得するために、患者12の周りを部分的に又は完全に回転することを可能にするCアーム(図1に示される)を含んでもよい。一実施形態では、撮像システム14は、X線源13と、イメージインテンシファイアとしても知られる検出器15とを有するCアームを含む透視装置システムである。
【0038】
撮像システム14は、処置中に患者12の適切な領域のX線画像を取得するように構成することができる。例えば、撮像システム14は、神経血管状態を診断するために、頭部の1つ以上のX線画像を取得するように構成され得る。また、撮像システム14は、カテーテルベースの医療処置中に1つ以上のX線画像(例えば、リアルタイム画像)を撮影して、制御ステーション26のオペレータ11が処置中にガイドワイヤ、ガイドカテーテル、マイクロカテーテル、ステント回収器、コイル、ステント、バルーンなどを適切に位置決めするのを支援するように構成されてもよい。画像は、ディスプレイ30上に表示されてもよい。例えば、画像は、ユーザ又はオペレータ11がガイドカテーテル又はガイドワイヤを適切な位置に正確に移動させることを可能にするために、ディスプレイ30上に表示され得る。
【0039】
方向を明確にするために、X,Y,Z軸を持つ直交座標系を導入した。正のX軸は、長手方向(軸方向)遠位方向に、すなわち、近位端から遠位端までの方向に、言い換えれば近位から遠位方向に配向される。Y 軸とZ 軸はX 軸に対して横断面にあり、陽性のZ 軸は上向き、つまり重力の反対方向に向いており、Y 軸は右手の法則によって自動的に決定される。
【0040】
図2は、例示的な実施形態によるカテーテルベースの処置システム10のブロック図である。カテーテル処置システム10は、制御コンピュータシステム34を含むことができる。制御コンピュータシステム34は、物理的に、例えば、制御ステーション26(図1に示す)の一部であってもよい。制御コンピュータシステム34は、概して、本明細書に記載される様々な機能をカテーテルベースの処置システム10に提供するのに適したコンピュータ処理ユニットを備えてもよい。例えば、制御コンピュータシステム34は、組み込みシステム、専用回路、本明細書に記載の機能を用いてプログラムされた目的システムなどであってもよい。制御コンピュータシステム34は、ベッドサイドユニット20、制御ステーション38、追加の通信システム40(例えば、テレプレゼンスシステム、及び患者センサ56(例えば、心電図(ECG)装置、脳波(EEG)装置、血圧モニタ、温度モニタ、心拍数モニタ、呼吸モニタなど)と通信する。
【0041】
制御コンピュータシステム34はまた、撮像システム14、患者台18、追加の医療システム50、造影剤注入システム52、及び補助装置54(例えば、IVUS、OCT、FFRなど)とも通信する。ベッドサイドユニット20は、ロボット駆動装置24、位置決めシステム22を含み、更なる制御部及びディスプレイ46を含んでもよい。上述のように、追加の制御部及び表示装置は、ロボット駆動装置24のハウジング上に配置することができる。介入装置及び付属品48(例えば、ガイドワイヤ、カテーテルなど)は、ベッドサイドシステム20とインタフェースで接続する。いくつかの実施形態では、介入装置及び付属品48は、それぞれの補助装置54、すなわち、IVUSシステム、OCTシステム、及びFFRシステムなどとインタフェースで接続する特殊装置(例えば、IVUSカテーテル、OCTカテーテル、FFRワイヤ、造影用診断カテーテルなど)を含み得る。
【0042】
様々な実施形態では、制御コンピュータシステム34は、制御ステーション26の入力モジュール28の制御部のユーザ操作に基づいて、及び/又は制御コンピュータシステム34にアクセス可能な情報に基づいて、医療処置がカテーテルベースの処置システム10を使用して実行され得るように、制御信号を受信及び生成するように構成される。
【0043】
カテーテルベースの処置システム10は、明示的に示されていない任意の他のシステム及び/又は装置を含むように接続又は構成され得る。例えば、カテーテルベースの処置システム10は、画像処理エンジン、データ記憶及び保管システム、自動バルーン及び/又はステント膨張システム、薬剤注入システム、薬剤追跡及び/又はロギングシステム、ユーザログ、暗号化システム、カテーテルベースの処置システム10のアクセス又は使用を制限するシステムなどを含むことができる。
【0044】
図3は、いくつかの実施形態によるカテーテルベースの処置システム10のためのロボット駆動装置24の斜視図である。実施形態は、図3のロボット駆動装置24に限定されない。図3のロボット駆動装置24は、線状部材60に連結された複数のデバイスモジュール32aを含む。各デバイスモジュール32a-は、線状部材60に移動可能に取り付けられたステージ62aを介して線状部材60に結合されている。デバイスモジュール32a~dは、オフセットブラケット78a~dなどのコネクタを使用してステージ62a~dに接続され得る。別の実施形態では、デバイスモジュール32a~dは、ステージ62a~dに直接取り付けられる。
【0045】
各ステージ62a~dは、線状部材60に沿って線形移動するように独立して作動されてもよい。したがって、各ステージ62a~d(及びステージ62a~dに結合された対応するデバイスモジュール32a~d)は、互いに及び線状部材60に対して独立して移動することができる。駆動機構は、各ステージ62a-dを作動させるために使用される。図3に示す実施形態では、駆動機構は、各ステージ62a~dに連結された独立したステージ並進モータ64a~dと、ステージ駆動機構76とを含み、例えば、回転ナットを介した親ネジ、ピニオンを介したラック、ピニオン又はプーリを介したベルト、スプロケットを介したチェーン、又はステージ並進モータ64a~dは、リニアモーター自体であってもよい。いくつかの実施形態では、ステージ駆動機構76は、これらの機構の組合せであってもよく、例えば、各ステージ62a~dは、異なるタイプのステージ駆動機構を採用することができる。ステージ駆動機構が親ネジ及び回転ナットであるいくつかの実施形態では、親ネジを回転させ、各ステージ62a~dを親ネジと係合解除して、例えば前進又は後退させることができる。図3に図示の実施形態では、ステージ62a~d及びデバイスモジュール32a~dは、シリアルドライブ構成である。
【0046】
各デバイスモジュール32a~dは、デバイスモジュール68a~dと、デバイスモジュール68a~dに取り付けられ、結合されたカセット66a~dとを含む。図3に図示の実施形態では、各カセット66a~dは、垂直方向にデバイスモジュール68a~dに取り付けられている。他の実施形態では、各カセット66a~dは、他の取り付け方向でデバイスモジュール68a~dに取り付けられてもよい。各カセット66a~dは、EMD(図示せず)の近位部分とインタフェースで接続し、それを支持するように構成される。さらに、各カセット66a~dは、対応するステージ62a~dの作動によってもたらされる線形運動に加えて、1つ又は複数の自由度を提供して、線状部材60に沿って線形移動する要素を含むことができる。例えば、カセット66a~dは、カセットがデバイスモジュール68a~dに結合されているときにEMDを回転させるために使用され得る要素を含んでもよい。
【0047】
各デバイスモジュール68a~dは、追加の自由度を提供するために、各カセット66a~d内の機構に駆動インタフェースを提供するための少なくとも1つのカプラを含む。各カセット66a~dはまた、装置支持体79a~dが位置決めされたチャンネルを含み、各装置支持体79a~dは、EMDが座屈しないように使用される。支持アーム77a、77b、及び77cは、それぞれデバイスモジュール32a、32b、及び32cに取り付けられて、それぞれデバイス支持体79b、79c、及び79dの近位端を支持するための固定点を提供する。ロボット駆動装置24はまた、装置支持体79、遠位支持アーム70、及び支持アーム77に接続されたデバイス支持体接続部72を含むことができる。支持アーム77は、最遠位デバイスモジュール32aに収容された最遠位支持アーム79aの近位端を支持するための固定点を提供するために使用される。加えて、導入器インタフェース支持体(リダイレクタ)74は、デバイス支持体接続部72及びEMD(例えば、導入期シース)に接続されてもよい。ロボット駆動装置24の構成は、単一の線状部材上のアクチュエーターを使用することによって、ロボット駆動装置24の体積及び重量を減少させるという利点を有する。
【0048】
病原体による患者の汚染を防ぐために、医療スタッフは、ベッドサイドユニット20及び患者12又は被験者(図1に示す)を収容する部屋で無菌技術を使用する。ベッドサイドユニット20及び患者12を収容する部屋は、例えば、キャットラボ又はアンジオスイートであってもよい。無菌技術は、無菌バリア、無菌装置、適切な患者調製、環境管理及び接触ガイドラインを使用することからなる。したがって、すべてのEMD及び介入付属品は滅菌され、滅菌バリア又は滅菌機器のいずれかと接触することしかできない。いくつかの実施形態では、無菌ドレープ(図示せず)が、非無菌ロボット駆動装置24の上に配置される。各カセット66a~dは、滅菌され、ドレープ付きロボット駆動装置24と少なくとも1つのEMDとの間の滅菌インタフェースとして作用する。各カセット66a~dは、カセット66a~d又はその構成要素が複数の手順で使用され得るように、単回使用のために滅菌されるように、又は全体もしくは一部が再滅菌されるように設計され得る。
【0049】
本明細書で使用される場合、カセットという用語は、概して、少なくとも1つのEMDを支持し、移動させる(例えば、回転及び/又は並進させる)ための構成要素を含むロボット駆動システムの構成要素を指す。デバイスモジュールは、一般に、カセットのEMD移動要素とインタフェースで接続する駆動カプラを備えた1つ又は複数のモータを含むロボット駆動システムの構成要素を指す。カセットは、少なくとも1つのEMDとデバイスモジュールとの間に、直接的に、又はデバイスアダプタを介して、滅菌インタフェースを提供し得る。ドライブモジュールという用語は、デバイスモジュールとカセットの組合せを指す。
【0050】
いくつかの実施形態では、EMDは、カテーテルの近位端にハブと、ハブからカテーテルの遠位端に向かって延びる可撓性シャフトとを有するカテーテルであり、シャフトは、ハブよりも可撓性である。一実施形態では、カテーテルは、ハブよりも剛性が低く、シャフトよりも剛性が高い中間可撓性を有する、ハブとシャフトとの間を移行する中間部分を含む。いくつかの実施形態では、中間部分は、ストレインリリーフである。
【0051】
部材(例えば、カテーテルベースの処置システムにおけるEMD又は他の要素)の長手方向軸は、部材の近位部分から部材の遠位部分への方向に部材の横断面の中心を通過する部材の長さに沿った線又は軸である。例えば、ガイドワイヤの長手方向軸は、ガイドワイヤが関連部分において非線形であっても、ガイドワイヤの近位部分からガイドワイヤの遠位部分に向かう方向の中心軸である。
【0052】
部材の軸方向移動は、部材の長手方向軸に沿った部材の並進運動を指す。例えば、EMDの遠位端が、その長手方向軸に沿って、患者の中へ、又は患者の中へ、遠位方向に軸方向に移動されるとき、EMDは、前進される。EMDの遠位端が、その長手方向軸に沿って近位方向に、患者から外へ、又は患者からさらに外へ軸方向に移動されるとき、EMDは、引き抜かれている。
【0053】
この点において、軸方向挿入とは、第1部材を第2部材の長手方向軸線に沿って第2部材に挿入することをいう。例えば、コレットに軸方向に装填されたEMDが、コレットに軸方向に挿入される。軸方向挿入の一例は、ガイドワイヤの近位端にカテーテルを逆装填することと称することができる。横方向挿入とは、第2部材の縦軸に垂直な面内の方向に沿って第2部材に第1部材を挿入することをいう。横方向の挿入は、ラジアル荷重又は側面荷重とも呼ばれる。
【0054】
部材の回転移動とは、部材の局所的な縦軸を中心とした部材の角度方向の変化をいう。例えば、EMDの回転移動は、加えられたトルクに起因するその縦軸を中心としたEMDの時計回り又は反時計回りの回転に対応する。連続運動は、リセットを必要とせず、中断されない運動を指し、一方、離散運動は、リセットを必要とし、中断される運動を指す。
【0055】
遠位及び近位という用語は、2つの異なる特徴の相対的な位置を定義する。ロボット駆動装置に関して、遠位及び近位という用語は、患者に対するその意図された使用におけるロボット駆動装置の位置によって定義される。
【0056】
相対位置を画定するために使用されるとき、遠位特徴は、ロボット駆動装置がその意図される使用中位置にあるとき、近位特徴よりも患者に近いロボット駆動装置の特徴である。患者内では、アクセスポイントからの経路に沿ってさらに離れた任意の血管系目印は、アクセスポイントにより近い目印よりも遠位であると見なされ、ここで、アクセスポイントは、EMDが患者に入るポイントである。同様に、近位特徴は、ロボット駆動装置がその意図された使用位置にあるとき、遠位特徴よりも患者から遠い特徴である。
【0057】
方向を定義するために使用される場合、遠位方向は、ロボット駆動装置がその意図された使用位置にあるときに、何かが移動しているか、又は何かが近位特徴から遠位特徴及び/又は患者に向かって向いているか、又はそれに沿って動いているか、又は向いている経路を指す。近位方向は、遠位方向の反対方向である。例えば、図1を参照すると、ロボット装置が、患者に面するオペレータの視点から示されている。この構成では、遠位方向は正のX座標軸に沿っており、近位方向は負のX座標軸に沿っている。
【0058】
モジュールの移動に関して、図3を参照すると、EMDは、ロボット駆動装置24の遠位端を画定する導入器インタフェース支持体74を通って患者に向かう経路上で遠位方向に移動される。ロボット駆動装置24の近位端は、負のX軸に沿って遠位端から最も遠い点である。
【0059】
個々のモジュールの位置に関して、また、図3を参照すると、最も遠位のデバイスモジュールは、ロボット駆動装置24の遠位端部に最も近いデバイスモジュール32aである。最も近位のデバイスモジュールは、負のX軸に沿ってロボット駆動装置24の遠位端から最も遠くに配置されたデバイスモジュール32dである。デバイスモジュールの相対位置は、ロボット駆動装置の遠位端に対するそれらの相対位置によって決定される。例えば、デバイスモジュール32bは、デバイスモジュール32cの遠位にある。
【0060】
EMD又はロボット駆動装置の遠位/近位部分、セクション、又は端部に関して、カセット66a及びデバイスモジュール68aの部分は、ロボット駆動装置の遠位端に対するそれらの相対位置によって画定される。例えば、カセット66aの遠位端は、ロボット駆動装置の遠位端に最も近いカセットの部分であり、カセット66aの近位端は、カセットがデバイスモジュール68a上の使用中位置にあるときに、負のX軸に沿ってロボット駆動装置の遠位端から最も遠いカセットの部分である。別の言い方をすれば、カセット66aの遠位端は、使用中の位置にある患者につながる経路にEMDが最も近いカセットの部分である。
【0061】
前述のように、制御ステーション26の実施形態は、ベッドサイドユニット20を制御するための様々な異なる入力モジュールを含むことができる。入力モジュールは、ロボット駆動装置24の動作を制御(又は指示)するためにユーザによって操作され得る様々な異なる入力制御部(例えば、ボタン、スクロールホイール、ノブ、ジョイスティック)を含むことができる。これらの入力制御部は、複数のEMDの独立した(及び時には同時の)移動を必要とする所望のタスクを実行するために、所望の機能及びその協調的順序付けを容易にするために、入力モジュール上に異なるレイアウト又はパターンで配列され得る。
【0062】
さらに、入力モジュールの実施形態は、様々な複数の制御モードで動作するように構成することができる。第1の制御モードで入力モジュールの1つ又は他の制御部に割り当てられる機能は、第2の制御モードで1つ又は他の制御部に割り当てられる機能とは異なり得、制御モードは、実行される手順、制御される装置又はデバイス、ユーザ好み、又は任意の他の要因に基づいて選択され得る。入力モジュールは、ユーザ又は制御コンピュータシステム34からの入力に応答して、複数の制御モード間で切り替えるように構成することができる。
【0063】
本明細書に記載の入力モジュールは、制御ステーション26の表面に固定され、一体化され、又は単にその上に置かれてもよい。本明細書に記載されるように、入力モジュールは、単一の一体型ハウジング又は複数の独立して移動可能なハウジングを備えることができる。入力モジュールは、長方形、実質的に長方形(例えば、丸みを帯びたエッジを有する長方形)、又は他の同様の形状であってもよい。入力モジュールの幅は、高さの約2倍になる。一実施形態では、入力モジュールは、約200mmの高さ及び413mmの幅である。別の実施形態では、入力モジュールは、約300mmの高さ及び620mmの幅である。さらに別の実施形態では、入力モジュールは、約238mmの高さ×約492mmの幅である。
【0064】
図4は、いくつかの実施形態による、カテーテルベースの処置システムのロボット駆動を制御するための入力モジュール400の図である。入力モジュール400は、1つ又は複数のEMDの同時選択及び制御を容易にし得る。
【0065】
ノブ411、421の各々は、入力モジュール400の平坦ベースから上方に延びる突出部を備えることができる。突出部は、円形又は実質的に円形であってもよい。各ノブ411、421は、オペレータの親指がノブの回転中にノブと係合することができる「スカート」を画定するように、基部において上部よりも幅広にすることができる。ノブ411、421は、ボタン415及び425ならびにボタン414及び424に対して「中央に」配置され得る。
【0066】
ボタン413a及び413b並びにボタン423a及び423bは、平面ベースから上方に伸びる突起部を構成することができる。ボタン413a及び413b及びボタン423a及び423bは、ノブ411及び421よりもベースから低い度に上方に延長されることがある。ボタン413a及び413b並びにボタン423a及び423bは三角形状であっても、四角形状、長方形状、円形状などの他の形状であってもよい。ボタン413a及び413bは、2つ以上の複数の入力を受信可能な1つのボタン(例えば、ロッカーボタン)を用いて実行可能であり、ボタン423a及び423bは、このような1つのボタンを用いて実行可能である。例えば、ボタン413a及び413bは、ボタン413aに対応する一方の減価単一エンドと、他方の減価単一エンドを有するボタン413bに対応する1つのボタンを用いて実施することができる。ボタン413aと413b、及びボタン423aと423bは、他の一方と平行又は実質的に平行することもあれば、又はアングルでアレンジされることもある。ボタン413a及び413bとボタン423a及び423bは、ボタン415及び425及びボタン414及び424に関して「中央」に位置することができる。
【0067】
連続起動ボタン414及び424は、図示のように、長方形、楕円形、円形又は正方形であってもよい。連続起動ボタン414及び424は、動作中、400の他のすべてのボタン及び制御部よりも動作者の近くに配置されてもよい。連続起動ボタン414及び424は、モジュール400の基部から突出していてもよく、又はモジュール400の表面と実質的に連続していてもよい。連続起動ボタン414及び424は、滑らかであってもよく、又はディンプルなどのテクスチャ部分を含んでもよい。連続起動ボタン414及び424は、起動(例えば、押下)されたときに偏向/平行移動する物理的ボタン、又は、静電容量式タッチパネル又は圧電デバイスのような固体ボタンであってもよく、タッチによって作動され、そのように起動されたときには目立った「移動」はしない。
【0068】
ボタン415及び425は、図示のように正方形であってもよく、又は円形、長方形、楕円形などの他の形状であってもよい。ボタン415及び425は、動作中に、モジュール400の他のすべてのボタンよりもオペレータから遠くに配置され得る。ボタン415及び425は、基部から突出していてもよく、又は基部と実質的に連続していてもよい。ボタン415及び425は、滑らかであってもよく、又はディンプルなどの隆起部分を含んでもよい。様々なボタン415及び425の隆起部分は、オペレータがタッチだけでボタンを区別するのを助けるために、互いに異なっていてもよい。
【0069】
制御部412、422は、図示のように、円形であってもよい。図4に図示の実施形態では、制御部412、422は車輪である。制御部412、422は、把持を改善し、オペレータが入力モジュール400を見ないときにこれらの制御部を「見つける」のを助けるための触覚要素を含む。他の実施形態では、制御部412、422は滑らかであってもよい。制御部412、422は、互いに平行に又は実質的に平行に配置されてもよい。制御部412、422は、ボタン415、425、414、及び424に対して入力モジュール400の「中央」に配置されてもよい。
【0070】
入力モジュール400は、その表面全体にわたって実質的に平坦であってもよく、又は複数の高さを備えてもよい。例えば、その表面のいくつかの部分は、他の部分に対して隆起していてもよいし、他の部分に対して低くてもよい。仰角の変化は、緩やかであっても突然であってもよい。
【0071】
例示として右側面制御部410を使用して、オペレータは、右親指をノブ411の側部(例えば、スカート)に配置し、親指を使用して、ノブ411を回転させるように、時計回り又は反時計回りにノブ411を付勢することによって、ノブ411を作動させてもよい。この作動により、ロボット駆動装置24に命令が生成され、以下に説明するように、右側面制御部410によって現在選択されている1つ以上のEMDが回転する。
【0072】
オペレータは、スクロールホイール412を作動させて、ロボット駆動装置24に命令を生成して、右側面制御部410によって選択された1つ又は複数のEMDの線形位置を変更させることができ、ボタン413a及び413bを作動させて、ロボット駆動装置24に命令を生成して、右側面制御部410によって選択された1つ又は複数のEMDを線形に(それぞれ反対方向に)かつ一定速度で移動させることができる。ボタン413a及び413bは、一定速度がボタンが押される程度に依存するという点で、アナログ(又はシミュレートされたアナログ)機能を提供することができる。ボタン413a及び413bが単一のロッカースイッチによって実装される場合、一定速度は、スイッチがその対向する位置のうちの1つに向かってどれくらい傾いているかによって決定され得る。上述の線形移動及び回転移動は、以下に説明するように、現在アクティブであり得る任意のソフトウェアベースのロック設定を受ける。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、制御部411、412、413a及び413bのいずれかの作動は、連続起動ボタン414がそのような作動と同時に作動(例えば、押し下げ)されない限り、ロボット駆動装置24への命令を生成させない。この点に関して、実施形態は、入力モジュール制御の起動に起因してロボット駆動装置24に命令を生成するための多くの可能な実装形態を含む。一例では、1つ又は複数のコンピュータシステム(例えば、制御コンピュータシステム34)は、入力モジュール400及びロボット駆動装置24の中間にある。1つ又は複数のコンピュータシステムは、入力モジュール400から信号を受信し、受信された信号に基づいて、対応する命令をロボット駆動装置24に生成する。一例では、ボタン414が作動していないときにノブ411を作動させると、入力モジュール400から1つ以上のコンピュータシステムに信号が出力されず、したがってロボット駆動装置24に対して指示が出されない。
【0074】
別の例では、ボタン414が作動していないときにノブ411を作動させると、入力モジュール400は、ボタン414の作動を表す1つ以上の信号(例えば、ノブ411が回転した程度)を出力し、ボタン414が作動していないことを示す。1つ又は複数の中間コンピュータシステムは、1つ又は複数の信号に基づいて、ロボット駆動装置24に命令を生成しないことを決定する。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のコンピュータシステムは、ノブ411の回転は検出されるが、対応するEMD回転は生じていないことを示すメッセージをオペレータに提示することをさらに決定する。
【0075】
同様に、ボタン414が作動しているときにノブ411を作動させると、入力モジュール400は、ボタン414の作動を表し、ボタン414が作動されることを示す1つ又は複数の信号を出力する。これらの1つ又は複数の信号に基づいて、1つ又は複数の中間コンピュータシステムは、ロボット駆動装置24に命令を生成して、ボタン415によって現在選択されている1つ又は複数のEMDを回転させる。
【0076】
ノブ411の作動は、ノブ411の回転及び/又は押し下げを含むことができる。スクロールホイール412の動作は、時計方向又は反時計方向のスクロールホイール412を含み、ボタン413a、413bの作動は、その減速を含んでいる可能性がある。オペレータは、例えば、親指、指、又は親指と指の組合せを使用して、これらの作動の各々を実行することができる。
【0077】
一例では、オペレータは、手のひらがボタン414を選択的に作動させるように位置決めされ、右親指がノブ411を選択的に作動させるように位置決めされ、人差し指及び/又は中指がスクロールホイール412、ボタン413a、又はボタン413bを選択的に作動させるように位置決めされるように、右手を位置決めする。右親指を使用するノブ411の回転は、親指をノブ411の実質的に垂直な表面又はより幅の広いスカート部分に対してバイアスすることによって促進され得、そのいずれかは、このバイアスを容易にするためにテクスチャ処理され得る。ノブ411はまた、複数の指を使用して挟む/把持することによって回転されてもよい。ボタン414は、上述の位置を快適に維持するために、多くの異なるサイズの手を可能にするようなサイズ及び位置にすることができる。
【0078】
右側選択ボタン415は、右側面制御部411、412、413a、413b及び414の操作に応じて発行された指示に基づいて移動する1つ以上のEMDを選択するために作動してもよい。1、2、3及び4とラベル付けされた選択ボタン415を使用して、それぞれ、第1のカセットによってサポートされるEMD、第2のカセットによってサポートされるEMD、第3のカセットによってサポートされるEMD、及び第4のカセットによってサポートされるEMDを選択してもよい。有利には、選択ボタン415を使用して、ある時点で複数のEMDを同時に選択することができる(その後、右側面制御部411、412、413a、413b及び414を使用して同時に制御することもある)で、このような選択を維持するためにオペレータが継続的に押し下げる必要はない。
【0079】
この例では、選択ボタン415のいずれかの押下及び解放は、関連するEMDの選択をもたらす。したがって、カセット1及び3のEMDは、ボタン1を押して離し、次いでボタン3を押して離すことによって選択され得る。ボタン1及びボタン3を同時に押すこと及び離すことは、カセット1及び3のEMDの選択をもたらし得る。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、既に選択されたEMDに対応するボタン415の選択は、EMDの選択に影響を及ぼさない。すなわち、ボタン415は、EMDを選択するためにのみ使用でき、EMDを選択解除するためには使用できない。そのような実施形態は、対応する制御部415又は425によって現在選択されているすべてのEMDを選択解除するように作動され得る、制御部410及び420内の追加の制御部を含み得る。
【0081】
他の実施形態では、すでに選択されたEMDに対応するボタン415の選択は、EMDの選択解除を引き起こす。さらに他の実施形態では、任意のボタン415を選択することにより、すべての以前の選択を除去し、選択されたボタン415に対応するEMDを選択する。そのような場合に複数のEMDを選択するために、複数のEMDの各々に関連付けられた選択ボタン415は、閾値期間(例えば、20~50ms)の間、同時に押される。
【0082】
右側面制御部410及び左側面制御部420は、選択ボタン415及び425を除いて、互いに実質的に鏡像である。選択ボタン415及び425のそれぞれの左側から右への順序は、ロボット駆動装置24の実際のモジュールの配置、及び以下に説明するユーザインタフェース上のそれらのモジュールの表示と一致する。左側面制御部420の各々は、右側面制御部410の同様の番号の対応物と実質的に同一に実装され得る。
【0083】
上述のように、右手が制御部410に対して位置決めされるとき、オペレータは、手のひらがボタン424を選択的に作動させるように位置決めされ、左親指がノブ421を選択的に作動させるように位置決めされ、左人差し指及び/又は中指がスクロールホイール422、ボタン423a、又はボタン423bを選択的に作動させるように位置決めされるように、左手を位置決めしてもよい。他のオペレータの手の位置も予想される。例えば、オペレータは、右人差し指を右ホイール412上に置き、左手を右ノブ412上に置くことができる。入力モジュール400は、右側面制御部410及び左側面制御部420の各々に対する1つ又は複数のEMDの同時選択を可能にする。次いで、右側面制御部410を使用して、右側面制御部410のために選択されたEMDの回転又は線形移動を同時に制御することができ、次いで、左側面制御部420を使用して、左側面制御部420のために選択されたEMDの回転又は線形移動を同時に制御することができる。
【0084】
実施形態は、選択ボタン415と425との間のEMDの競合する選択を解決するための任意の適切なロジックを実装することができる。例えば、選択ボタン415のボタン2と選択ボタン425のボタン1が選択されているとする。次に、オペレータは選択ボタン415のボタン1を押下する。いくつかの実施形態では、この動作は、ボタン2の選択解除と、選択ボタン415のボタン1の選択と、選択ボタン425のボタン1の選択解除とをもたらす。
【0085】
別の例では、選択ボタン415のボタン3と、選択ボタン425のボタン1及び2とが選択されているものとする。そして、オペレータは、選択ボタン415のボタン1を押下する。いくつかの実施形態では、この動作により、選択ボタン415のボタン3及び選択ボタン425のボタン1の選択が解除され、選択ボタン415のボタン1が選択され、選択ボタン425のボタン2も選択されたままになる。他の実施形態では、アクションは、選択ボタン415のボタン3と、選択ボタン425のボタン1及び2と、選択ボタン415のボタン1との選択を解除する。
【0086】
いくつかの実施形態では、EMDが選択された場合にのみ移動し、EMDを移動させる命令が現在ロボット駆動装置24に生成されていると仮定する。ロボット駆動装置24内に取り付けられた他のすべてのEMDの近位端は、内部摩擦、能動ブレーキ、及び/又はロボット駆動装置24の他のメカニズムのために、静止したままである。
【0087】
図5A及び図5Bは、いくつかの実施形態による入力モジュール500の図である。入力モジュール500は、右側面制御部510及び左側面制御部520を含み、これらは、入力モジュール400の同様に番号付けされた制御部に関して上記で一般的に説明したように実装することができる。図示のように、制御部が取り付けられる表面は、実質的に平坦である。平坦性は、オペレータの手が入力モジュール500の制御部の周りを移動する自由度を増加させるように働くことができる。さらに、制御部のレイアウト及び動作のミラーリングは、右利き及び左利きのオペレータに等しく好都合であり、他の構成よりも直感的である。
【0088】
ノブ511及び521の各々は、入力モジュール500の平坦ベースから上方に延びる丸い突出部又は実質的に丸い突出部を備えることができる。各ノブ511、521には、オペレータの指針がその回転中にノブにエンゲージする統合されたスカート(図5Bの511a、521a)が含まれてもよい。スキルツ511a及び521aは、位置及び移動を容易にするための触覚表面を含むことができる。ノブ511及び521は、ボタン515、525、514及び524に対して「中央に」配置されてもよい。
【0089】
ボタン513a、513b、523a及び523bの各々は、モジュール500のベースから上方に伸びる突起部を構成することができる。ボタン513a、513b、523a、523bは、ベースからノブ511、521より低い度まで上方に伸びることがある。ボタン513a、513b、523a、523bは、三長方形状又は、長方形状、円形状、円形状などの他の形状であってもよい。
【0090】
ボタン513a及び513bは、2つ以上の複数の入力を受信可能な1つのボタン(例えば、ロッカーボタン)を用いて実行可能であり、また、このような1つのボタンを用いてボタン523a及び523bも実行可能である。例えば、ボタン513a及び513bが、ボタン513aに対応する一方の減価単一エンドと、他方の減価単一エンドを有するボタン513bに対応する1つのボタンを用いて実行されることがある。ボタン513a、513b、523a、及び523bは、一方と平行することもあれば、又は実質的に平行することもあれば、又はアングルでアレンジされることもある。ボタン513a、513b、523a、及び523bは、ボタン515、525、514及び524に関して「中央」に位置することができる。
【0091】
連続起動ボタン514及び524は、図示のように、長方形、楕円形、円形又は正方形であってもよい。連続起動ボタン514及び524は、モジュール500のすべての他のボタン及び制御部よりも、動作中にオペレータに近くてもよい。連続起動ボタン514及び524は、モジュール500の基部から突出してもよく、又は実質的に平坦であり、モジュール500の基部と連続してもよい。
【0092】
連続起動ボタン514及び524は、滑らかであってもよく、又はテクスチャ加工されてもよい(例えば、ディンプルなどの隆起部分を含む)。連続起動ボタン514及び524は、作動時に偏向/平行移動する物理的ボタンであってもよく、又は、静電容量式タッチパネル又は圧電デバイスのような固体ボタンであってもよく、タッチによって作動し、そのように作動したときには目立って「移動」しない。
【0093】
ボタン515及び525は、図示のように円形であってもよく、又は正方形、長方形、楕円形などの他の形状であってもよい。ボタン515及び525は、動作中に、モジュール500の他のすべてのボタンよりもオペレータから遠くに配置され得る。ボタン515及び525は、モジュール500の基部から突出してもよく、又はそれと実質的に連続してもよい。ボタン515及び525は、滑らかであってもよく、又はディンプルなどの隆起部分を含んでもよい。様々なボタン515及び525の隆起部分は、オペレータがタッチだけでボタンを区別するのを助けるために、互いに異なっていてもよい。
【0094】
図5A及び5Bに図示の実施形態では、制御部512及び522は、車輪である。制御部512及び522は、入力モジュール500を見ないときに、把持を改善し、オペレータがこれらの制御を「見つける」のを助けるための触覚要素を含むことができる。他の実施形態では、制御部512及び522は滑らかである。制御部512及び522は、互いに平行に、又は実質的に平行に配置されてもよい。制御部512及び522は、ボタン515、525、514及び524に対して入力モジュール500の「中央」に配置されてもよい。
【0095】
ボタン513a、513b、523a、523b及びスクロールホイール512及び522は、人間工学的考慮のために角度付けされ、手首の尺側偏位を減少させる。そのような角度付けは、コンピュータキーボードを使用するときと同様のオペレータの手の配置を可能にし得る。
【0096】
入力モジュール500は、その表面全体にわたって実質的に平坦であってもよく、又は複数の高さを備えてもよい。例えば、表面のいくつかの部分は、他の部分に対して隆起していてもよいし、他の部分に対して低くてもよい。仰角の変化は、緩やかであっても突然であってもよい。例えば、図5A及び図5Bに図示の実施形態は、緩やかな窪み分離制御部510及び520を備える。窪みは、三角形及び長方形からなる「漏斗」形状を有する。三角形部分は、矩形部分がモジュール500の基部の表面に対して概ね急でなくなる矩形部分よりも「急峻」であってもよい。
【0097】
選択ボタン515及び525は、バックライト付き桁を有する不透明ボタンであってもよい。選択ボタンの桁は、対応するカセットが選択可能な場合(例えば、オペレータが、以下に説明するユーザインタフェースを介して、カセットにEMDがロードされたことを示す後)のみバックライトされ、カセットが選択不可能な場合にはバックライトは点灯しない。カセットが選択可能でない場合、ボタン515の対応する選択ボタンも、ボタン525の対応する選択ボタンも、バックライト点灯しない(例えば、ボタン515のボタン4及びボタン525のボタン)。
【0098】
インジケータ515a~515d、525a~525dは、ボタン515、525のいずれかが現在選択されていることを示す。インジケータは、「ピル」型、「まゆ毛」型、長方形、円形、正方形などを含む様々な形状であってもよい。一部の実施形態では、インジケータ515a~515d及び525a~525dが点灯し、対応するボタン(及びカセット)が選択されると点灯し、選択されないと消灯する。カセットは、右側面制御部510又は左側面制御部520による制御のみ選択可能であるが、両方を選択することはできないため、いずれかのインジケータ515a~515d(例えば、選択ボタン2)によって選択されるような選択ボタン515は、対応するインジケータ525a~525dによって選択されることはない。
【0099】
インジケータ516及び517は、制御部511、512、513a及び513bの3つの異なる状態のうちの1つを選択的に示すことができる。第1の状態では、制御は無効にされ、EMDを制御するために使用することはできない。第1の状態は、ベッドサイドの制御ステーションがEMDを制御しているときに、EMDがカセットなどに挿入されているときに、採用されてもよい。第2の状態は、制御部は有効であるが、ボタン514は押されていないことを示す。従って、第2の状態では、制御部511、512、513a、513bを操作しても、EMDの移動にはならない。第3の状態は、制御が有効にされ、ボタン514が押されたときに存在する。3番目の状態では、制御部511、512、513a、513bを操作すると、上記のように選択ボタン515を介して現在選択されている1つ以上のEMDを移動する指示が伝送されることになる。
【0100】
インジケータ526及び527は、制御部511、512、513a及び513bの状態とは無関係である制御部521、522、523a及び523bの状態を選択的に示すことができる。例えば、インジケータ516及び517は、第2の状態(ボタン514が作動していないため)を示し、インジケータ526及び527は、第3の状態(ボタン524が作動しているため)を示すことができる。いくつかの実施形態によれば、インジケータ516、517、526、及び527は、光であり、第1の状態を示すためにオフであり、第2の状態を示すために第1の色(例えば、白色)であり、第3の状態を示すために第2の色(例えば、オレンジ)である。
【0101】
図6は、いくつかの実施形態による入力モジュール600の図である。入力モジュール600は、右側面制御部610及び左側面制御部620を含む。制御部611、612、613a、613b、614、621、622、623a、623b、及び624は、入力モジュール400及び500の同様に番号付けされた制御部に関して上述したように、全体的に実装することができるが、制御部611、614、621、及び624の物理的プロファイルは、入力モジュール400及び500の対応するものとは異なる。
【0102】
ノブ611及び621は、入力モジュール600の平坦な基部から上方に延在する丸い又は実質的に丸い突起を備えてもよい。各ノブ611、621は、統合されたスカート611a、621aを含んでいても、オペレータの指針は、その回転の間ノブをエンゲージすることができる。スカート611a及び621aは、位置及び移動を容易にするための触覚表面を含むことができる。ノブ611及び621は、ボタン615、625、614、及び624に対して「中央に」配置されてもよい。
【0103】
ボタン613a、613b、623a、623bの各々は、モジュール600のベースから上方に伸びる突起部を構成することができる。ボタン613a、613b、623a及び623bは、ノブ611及び621より低い度までベースから上方に伸びる可能性がある。ボタン613a、613b、623a及び623bは、三長方形状又は、長方形状、円形状、円形状などの他の形状であってもよい。
【0104】
ボタン613a及び613bは、2つ以上の複数の入力を受信できる単一のボタン(例えば、ロッカーボタン)を用いて実行可能であり、また、このような単一のボタンを用いてボタン623a及び623bも実施可能である。例えば、ボタン613aと613bは、ボタン613aに対応する一方の減価単一エンドと、他方の減価単一エンドを有するボタン613bに対応する1つのボタンを用いて実行することができる。ボタン613a、613b、623a、623bは、他のものと平行することもあれば、又は実質的に平行することもあり、又はアングルでアレンジされることもある。ボタン613a、613b、623a、623bはボタン615、625、614、624に関して「中央」に位置することができる。
【0105】
連続起動ボタン614及び624は、図示のように、実質的に長方形であってもよく、長方形、楕円形、円形又は正方形であってもよい。連続起動ボタン614及び624は、モジュール600のすべての他のボタン及び制御部よりも、動作中にオペレータに近くてもよい。連続起動ボタン614及び524は、モジュール600の基部から突出してもよく、又は実質的に平坦であり、モジュール600の基部と連続してもよい。
【0106】
連続起動ボタン614及び624は、滑らかであってもよく、又はテクスチャ加工されてもよい(例えば、ディンプルなどの隆起部分を含む)。連続起動ボタン614及び624は、起動時に偏向/平行移動する物理的ボタンであってもよく、又は、静電容量式タッチパネル又は圧電デバイスのような固体ボタンであってもよく、タッチによって起動し、そのように起動したときには目立った「移動」はしない。
【0107】
ボタン615及び625は、正方形、長方形、楕円形などの任意の形状とすることができる。ボタン615及び625は、動作中に、モジュール600の他のすべてのボタンよりもオペレータから遠くに配置され得る。ボタン615及び625は、モジュール600の基部から突出してもよく、又はそれと実質的に連続してもよい。ボタン615及び625は、滑らかであってもよく、又はディンプルなどの隆起部分を含んでもよい。様々なボタン615及び625の隆起部分は、オペレータがタッチだけでボタンを区別するのを助けるために、互いに異なっていてもよい。
【0108】
図6に図示の実施形態では、制御部612及び622は、触覚要素を含む車輪であり、握りを改善し、入力モジュール600を見ないとき、これらの制御部をオペレータが「見つける」のを助ける。他の実施形態では、制御部612及び622は滑らかである。制御部612及び622は、互いに平行に、又は実質的に平行に配置されてもよい。制御部612及び622は、ボタン615、625、614及び624に対して入力モジュール600の「中央」に配置されてもよい。
【0109】
入力モジュール600は、その表面全体にわたって実質的に平坦であってもよく、又は複数の高さを備えてもよい。例えば、表面のいくつかの部分は、他の部分に対して隆起していてもよいし、他の部分に対して低くてもよい。仰角の変化は、緩やかであっても突然であってもよい。
【0110】
右側選択ボタン615は、右側面制御部610の操作に応答して生成される命令に基づいて、移動される1つ以上のEMDを選択するように作動されてもよい。1、2、3、及びWとラベル付けされた選択ボタン615を使用して、第1のカセットによって支持されるEMD、第2のカセットによって支持されるEMD、第3のカセットによって支持されるEMD、又はガイドワイヤをそれぞれ選択することができる。選択ボタン615は、所与の時間に2つ以上のEMDを同時に選択するために使用され得(その後、右側面制御部610を使用して同時に制御され得る)、そのような選択を維持するためにオペレータによって連続的に押される必要はない。Xとラベル付けされたボタン616の作動は、選択ボタン615によって現在選択されている全てのEMDの選択解除を引き起こす。
【0111】
図7は、いくつかの実施形態による、処置中に入力モジュールのオペレータに提示され得るユーザインタフェースの図である。ユーザインタフェースのセクション710は、左側面制御部(すなわち、C3)のために現在選択されている1つ又は複数のカセットと、右側面制御部(すなわち、C4)のために現在選択されている1つ又は複数のカセットとを示す。
【0112】
セクション720は、各カセットの相対的な線形位置ならびにそれによって支持されるEMDの回転位置を示す。セクション730は、各カセット(モジュール)によってサポートされるEMDを識別する。セクション720及びセクション730はまた、現在選択されているカセットを示す。図8に示されるように、選択されたEMDの制御中、セクション720は、ほぼリアルタイムで線形運動及び回転運動を示し、セクション730は、選択されたEMDが動作中であることを示す。さらに、図9に示されるように、セクション720及び730は、カセットがその線形移動範囲の端部に達した場合、両方とも通知を提示することができる。
【0113】
図10は、カセット1に装着されたガイドカテーテルの線形運動及び回転運動をロックするために、オペレータがセクション730のスイッチを操作したユーザインタフェースを示す。オペレータは、指又はポインティングデバイスを使用して、セクション730の表示されたスイッチをロック位置にスライドさせてもよい。線形運動及び回転運動がロックされるので、ユーザインタフェースのセクション710及びセクション720の両方は、カセット1(すなわち、C1)を選択又は移動できないことを示す。
【0114】
いくつかの実施形態によれば、ロックされたEMDは、オペレータがそうでなければそうである入力モジュールの制御部を操作しても、ロックされた自由度(回転ロックの場合は回転し、リニアロックの場合はリニア)で移動しないであろう。したがって、ロックは、ロックに反するコマンドがベッドサイドユニットによる受信からブロックされるという点で、ソフトウェアベースであり得る。実施形態は、図7図10に示すように、オペレーターセット回転ロックのみ、リニアロックのみ、又はその両方を可能にしてもよい。
【0115】
一例では、オペレータは、処置の過程中に他の装置をローディング又はアンローディングするとき、ベッドサイド技術者によってそのEMDの位置が変更されないように、カセット上のリニアロックを作動させることができる。この点に関し、ベッドサイドの技術者が、EMDのローディング/アンローディング中にカセットを前方又は後方に「ジョグ」することが一般的である。線形移動をロックする機能により、オペレータは、このようなロード/アンロード中にどのカセットが移動できるかを制御することができる。
【0116】
マイクロカテーテル、シース、及びステント回収器を含むいくつかのEMDは、結果として生じる損傷の可能性のために回転されるべきではない。したがって、いくつかの実施形態による回転ロックは、そのようなEMDが回転することを有益に防止することができる。バルーンガイドカテーテルなどのいくつかのEMDは、カセット内で物理的に回転することができない追加のチューブを有する大きなハブを有し、そのような回転を防止するために回転ロックが使用され得る。
【0117】
回転ロックは、オペレータ及び/又はシステム管理され得る。例えば、特定のタイプのEMDが(後述するように)カセットに割り当てられ、このタイプの装置を回転させてはならないという知識でシステムがプログラムされている場合、システムは、そのカセット上の回転ロックを自動的に作動させることができる。回転ロックは、EMDが、例えば+/-30度の最大で回転することを可能にする、部分的であってもよい。このロックは、いくつかの実施形態では、オペレータによってオーバーライドされ得る。いくつかの実施形態では、オペレータは、ロックを無効にすることができない。例えば、ユーザインタフェースは、回転され得るEMDに対してのみ、回転ロックオプション(最初はオフに設定される)を提示する。
【0118】
図11は、各カセットによって支持されるEMDを特定するためのインタフェースを示す。システムは、いくつかの実施形態では、各カセットに装填されたEMDのタイプを検出し、図11のインタフェースに事前に装着することができる。図12は、セクション730のカセット(モジュール)のうちの1つの選択時に提示され得る。図12は、オペレータが選択されたカセットに割り当てられるEMDのタイプを選択することを可能にする。いくつかの実施形態によれば、ガイドワイヤは、任意のカセットに割り当てることができ、次いで、そのカセットは、入力モジュール600の左側面又は右側面の制御部のWボタンを押すことによって選択される。
【0119】
カテーテルベースの処置システムを制御するための、又は本明細書に記載されるようなユーザインタフェースを提示するためのコンピュータ実行可能プログラムコードは、非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータのような情報の記憶のための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、リムーバブルメディア、及び非リムーバブルメディア媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD―ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、あるいは所望の命令を記憶するために使用することができ、インターネット又は他のコンピュータネットワーク形態のアクセスを含む、システム10(図1に示す)によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】