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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074800
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】DPP IVインヒビター製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/20 20060101AFI20240524BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240524BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20240524BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20240524BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20240524BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
A61K9/20
A61K45/00
A61K47/38
A61K47/02
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/44
A61K47/32
A61K47/04
A61K9/48
A61K9/28
A61P3/10
A61K31/522
A61K31/517
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024029844
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2022040337の分割
【原出願日】2007-04-30
(31)【優先権主張番号】06009201.2
(32)【優先日】2006-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】コールラウシュ アーニャ
(72)【発明者】
【氏名】ローマー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ザイフェルト ゲルト
(57)【要約】
【課題】タイプ1又は2の糖尿病患者における血糖管理を達成する。
【解決手段】本発明は、アミノ基を有するDPP IVインヒビターの医薬組成物、その調製及び糖尿病を治療するためのその使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分としてアミノ基を有するDPP IVインヒビター化合物又はその塩、第一の希釈剤、第二の希釈剤、結合剤、錠剤分解物質及び滑剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
付加的な錠剤分解物質を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
付加的な流動促進剤を含む、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
希釈剤が、セルロースパウダー、第二カルシウムホスフェート無水物、第二カルシウムホスフェート二水和物、エリスリトール、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アルファ化したデンプン又はキシリトールである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
滑剤がタルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、水素化したキャスター油又はステアリン酸マグネシウムである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
結合剤が、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体のコポリマー)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はポリビニルピロリドン(ポビドン)である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
錠剤分解物質がトウモロコシデンプンである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
付加的な錠剤分解物質がクロスポビドンである、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項9】
任意の流動促進剤がコロイダル二酸化ケイ素である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
第一の希釈剤がマンニトールであり、第二の希釈剤がアルファ化したデンプンであり、結合剤がコポビドンであり、錠剤分解物質がトウモロコシデンプンであり、及び滑剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
0.5-20% 活性成分、
40-88% 希釈剤1、
3-40% 希釈剤2
1-5% 結合剤、
5-15% 錠剤分解物質、及び
0.1-4% 滑剤
を含んだ、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
0.5-7% 活性成分、
50-75% 希釈剤1、
5-15% 希釈剤2
2-4% 結合剤、
8-12% 錠剤分解物質、及び
0.5-2% 滑剤
を含んだ請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
カプセル、錠剤又はフィルム被覆錠剤の投与形態にある、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
2-4%のフィルムコートを含む、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
フィルムコートが、フィルム形成剤、可塑剤、流動促進剤及び任意で1以上の顔料を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
フィルムコートが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
以下の工程を含んだ請求項1に記載の医薬組成物の調製方法:
a.結合剤を溶媒に溶解させて造粒液体を製造する工程;
b.DPP IVインヒビター、希釈剤及び錠剤分解物質をブレンドして、プレミックスを製造する工程;
c.プレミックスを造粒液体で湿らせ、次いで湿らせたプレミックスを造粒する工程;
d.少なくとも1.0mmのメッシュサイズを有するふるいを通して造粒したプレミックスをふるいにかけても良い任意の工程;
e.1-5%の範囲の乾燥値における所望の質量減少が得られるまで、約40-75℃で粒を乾燥する工程;
f.少なくとも0.6mmのメッシュサイズを有するふるいを通して乾燥した粒をふるいにかける工程;
g.粒に滑剤を添加して最終ブレンドを行う工程。
【請求項18】
更に以下を含む、請求項17に記載の方法:
h.最終ブレンドを錠剤コアに圧縮する行程;
i.コーティング懸濁液を調製する工程;
j.錠剤コアをコーティング懸濁液を用いて約2-4%質量が増加するまでコーティングし、フィルム被覆錠剤を製造する工程。
【請求項19】
賦形剤の一部を、工程gの最終ブレンドの前に粒の外側に添加する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
工程a-eで製造された粒を、ワンポット高剪断力造粒法で生成し次いでワンポット造粒機中で乾燥する、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択されたDPP IVインヒビターの医薬組成物、その調製及び選択された病状を治療するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
CD26としても知られる酵素DPP IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)は、N末端でプロリン又はアラニン残基を有する多くのタンパク質のN末端から、ジペプチドを開裂させる事で知られるセリンプロテアーゼである。この特性により、DPP IVインヒビターはペプチドGLP-1を含む生物活性ペプチドの血漿レベルに干渉し、糖尿病の治療に対する医薬品として有望であると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-123738号公報
【特許文献2】特表2002-516318号公報
【特許文献3】国際公開第2004/018468号
【特許文献4】特表2006-503013号公報
【特許文献5】国際公開第2004/050658号
【特許文献6】国際公開第2005/085246号
【特許文献7】国際公開第2006/029769号
【特許文献8】特開2001-278812号公報
【特許文献9】特開2004-250336号公報
【特許文献10】国際公開第2005/023179号
【特許文献11】国際公開第2005/012288号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】辰巳化学株式会社,レプリントン錠100mg添付文書,2003年 3月
【非特許文献2】橋田充,経口投与製剤の設計と評価,株式会社薬業時報社,1995年,p.50-51
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
選択したDPP IVインヒビターの医薬組成物の調製を試みる場合、第1級アミノ基又は第2級アミノ基を有するDPP IVインヒビターが、多くの従来の賦形剤、例えば微結晶セルロース、ナトリウムデンプングリコレート、クロスカルメロースナトリウム、酒石酸、クエン酸、グルコース、フルクトース、サッカロース、ラクトース、マルトデキストリンとの不適合性、分解の問題又は抽出の問題を示すことが観察された。化合物自身は非常に安定であるが、これらは固体の投与形態で使用される多くの賦形剤、及び賦形剤の不純物と、とりわけ錠剤中での緊密な接触状態でかつ高い賦形剤/医薬品割合で反応する。アミノ基は還元糖及び他の反応性カルボニル基及び例えば微結晶セルロースの表面で形成したカルボン酸官能基と、酸化反応すると考えられる。これら予期しない問題は、選択したインヒビターの驚くべき効能の結果として要求される、低投与量の範囲で主に観察される。従って、医薬組成物は、選択したDPP IVインヒビター化合物の予期せぬ効能に関係するこれら技術的問題を解決することが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の医薬組成物は、タイプ1又は2の糖尿病患者における血糖管理を達成するための治療を意図しており、アミノ基、とりわけ遊離の又は1級アミノ基を有する活性物質としてのDPP IVインヒビター、第一及び第二の希釈剤、結合剤、錠剤分解物質及び滑剤を含む。付加的な錠剤分解物質及び付加的な流動促進剤を更に加えても良い。更に、組成物を使用して、関節リウマチ、肥満及び骨粗鬆症を治療でき、更に同種移植をサポートできる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の医薬組成物に適した希釈剤は、セルロースパウダー、第二カルシウムホスフェート無水物、第二カルシウムホスフェート二水和物、エリスリトール、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アルファ化したデンプン又はキシリトールである。これら希釈剤のうち、マンニトール及びアルファ化したデンプンが好ましい。
第二の希釈剤として好ましい希釈剤は、上記希釈剤であるアルファ化したデンプン及び付加的な結合剤特性を示す置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)である。
【0008】
本発明の医薬組成物に適した滑剤は、タルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、水素化したキャスター油又はステアリン酸マグネシウムである。好ましい滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
本発明の医薬組成物に適した結合剤は、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体のコポリマー)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、アルファ化したデンプン、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)であり、コポビドン及びアルファ化したデンプンが好ましい。
上記結合剤であるアルファ化したデンプン及びL-HPCは、付加的な希釈剤及び錠剤分解特性を示し、及び第二の希釈剤又は錠剤分解物質として使用することもできる。
本発明の医薬組成物に適した錠剤分解物質は、トウモロコシデンプン、クロスポビドン(crospovidone)、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)又はアルファ化したデンプンであり、トウモロコシデンプンが好ましい。
【0009】
任意の流動促進剤として、コロイダル二酸化ケイ素が使用できる。
本発明の例示的な組成物は、希釈剤としてマンニトール、付加的な結合剤特性を有する希釈剤としてアルファ化したデンプン、結合剤としてコポビドン、錠剤分解物質としてトウモロコシデンプン及び滑剤としてステアリン酸マグネシウムを含む。
本発明の医薬組成物を用いて調製される投与形態は、0.1-100mgの投与範囲の活性成分を含む。好ましい投与量は、0.5mg、1mg、2.5mg、5mg及び10mgである。
【0010】
典型的な医薬組成物は以下を含む(質量%):
0.5-20% 活性成分、
40-88% 希釈剤1、
3-40% 希釈剤2
1-5% 結合剤、
5-15% 錠剤分解物質、及び
0.1-4% 滑剤。
好ましい医薬組成物は以下を含む(質量%):
0.5-7% 活性成分、
50-75% 希釈剤1、
5-15% 希釈剤2
2-4% 結合剤、
8-12% 錠剤分解物質、及び
0.5-2% 滑剤。
【0011】
本発明の医薬組成物は経口での使用が意図され、及びカプセル、錠剤又はフィルム被覆錠剤の投与形態で使用できる。典型的には、フィルム被覆は、組成物の2-4%、好ましくは3%に相当し、フィルム形成剤、可塑剤、流動促進剤及び任意で1以上の顔料を含む。
例示の被覆組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン及び任意で酸化鉄を含んでも良い。
【0012】
本発明に関連して好ましい活性成分は、第一級アミノ基を有するDPP IVインヒビター及びその塩、例えば式(I)又は式(II)により定義される全てのDPP IVインヒビター及びその塩である:
【化1】
【化2】
(式中、R1は([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル、(キナゾリン-2-イル)メチル、(キノキサリン-6-イル)メチル、(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル、2-シアノ-ベンジル、(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル、(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル、(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル又は(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)メチルを意味し、及びR2は3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル、(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ又は(2-(S)-アミノ-プロピル)-メチルアミノを意味する)。
【0013】
好ましいDPP IVインヒビター化合物は、以下の化合物及びその塩である:
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)キサンチン(cf. WO 2004/018468, Example 2(142))
【化3】
・1-[([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン(cf. WO 2004/018468, Example 2(252))
【化4】
・1-[(キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2004/018468, Example 2(80))
【化5】
・2-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(ブタ-2-イニル)-5-(4-メチル-キナゾリン-2-イルメチル)-3,5-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-d]ピリダジン-4-オン (cf. WO 2004/050658, Example 136)
【化6】
【0014】
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-[(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ]-キサンチン (cf. WO 2006/029769, Example 2(1))
【化7】
・1-[(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(30))
【化8】
・1-(2-シアノ-ベンジル)-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(39))
【化9】
【0015】
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-[(S)-(2-アミノ-プロピル)-メチルアミノ]-キサンチン (cf. WO 2006/029769, Example 2(4))
【化10】
・1-[(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(52))
【化11】
・1-[(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(81))
【化12】
【0016】
・1-[(4,6-ジメチル-ピリミジン-2-イル)-メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(82))
【化13】
・1-[(キノキサリン-6-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン (cf. WO 2005/085246, Example 1(83))
【化14】
【0017】
本発明の組成物を調製するため、粒を湿式造粒法で調製できる。活性成分及び賦形剤を造粒液体で造粒する代わりの方法は、流動床造粒又はワンポット造粒である。
湿式造粒法において、造粒液体は、溶媒、例えば水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトン好ましくは精製水であり、結合剤、例えばコポビドンを含む。溶媒は、最終製品中に残らない揮発性成分である。活性成分及び滑剤を除いた他の賦形剤をプレミックスし、高い剪断力の造粒機を用いて水性造粒液体で造粒させる。湿式の造粒工程に続いて、任意で湿式ふるい工程、乾燥及び粒の乾式ふるいを行う。次いで、例えば流動床乾燥機を用いて乾燥できる。
乾燥した粒を、適切なふるいを通してふるいにかける。滑剤を除いた他の賦形剤を添加した後、混合物を適切な通常のブレンダー、例えばフリーフォールブレンダー中でブレンドし、次いで滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムを添加して、ブレンダー中で最終のブレンドを行う。
【0018】
従って、本発明の医薬組成物を調製するための例示的な湿式造粒法は以下の工程を含む;
a.結合剤、例えばコポビドンを溶媒、例えば精製水に室温で溶解させて造粒液体を製造する工程;
b.DPP IVインヒビター、希釈剤及び錠剤分解物質を適切なミキサー中でブレンドして、プレミックスを製造する工程;
c.プレミックスを造粒液体で湿らせ、次いで湿らせたプレミックスを例えば高剪断力のミキサー中で造粒する工程;
d.少なくとも1.0mm及び好ましくは3mmのメッシュサイズを有するふるいを通して造粒したプレミックスをふるいにかけても良い任意の工程;
e.1-5%の範囲の乾燥値における所望の質量減少が得られるまで、例えば流動床乾燥機中で、内部大気温度約40-75℃、及び好ましくは55-65℃で粒を乾燥する工程;
f.例えば0.6mm-1.6mm、好ましくは1.0mmのメッシュサイズを有するふるいを通してふるいにかけることにより、乾燥した粒を細かくする(delumping)工程;
g.例えばキューブミキサーでの最終のブレンドのために、好ましくはふるいにかけた滑剤を粒に添加する工程。
【0019】
代わりの方法において、賦形剤の一部、例えば錠剤分解物質(例えばトウモロコシデンプン)又は希釈剤(例えばアルファ化したデンプン)又は付加的な錠剤分解物質(クロスポビドン)の一部を、工程gの最終のブレンド工程の前に、粒の外側(extragranular)に添加できる。
前記方法の他の代わりのバージョンにおいて、工程aからeで製造された粒は、ワンポット高剪断造粒法(one pot high shear granulation process)で生成し、及び次いでワンポット造粒機中で乾燥する。
カプセルを調製するため、最終ブレンドを更にカプセルに充填する。
錠剤又は錠剤コアを調製するため、最終ブレンドを更に、適切な打錠機を用いて、適切なサイズ及び破砕強度を有する、目標とする錠剤コア質量の錠剤に圧縮する。
フィルム被覆錠剤を調製するため、コーティング懸濁液を調製し、圧縮された錠剤コアを、標準的なフィルムコーターを用いて約2-4%、好ましくは約3%質量が増加するまで、コーティング懸濁液で被覆する。フィルムコーティング溶媒は、最終製品中に残らない揮発性成分である。錠剤中の滑剤の要求される量を削減するため、外側の潤滑システムを使用することができる。
【実施例0020】
実施例
実施例1 直接圧縮のための製剤
第一級アミノ基を有する活性DPP IVインヒビター成分及びステアリン酸マグネシウムを除いた他の全ての賦形剤を高剪断力のブレンダー中でブレンドする。このプレミックスを1mmふるいを通してふるいにかける。ステアリン酸マグネシウムを添加した後、プレミックスをフリーフォールブレンダー中でブレンドし、最終ブレンドを製造する。最終ブレンドを適切な打錠機を用いて錠剤に圧縮する。以下の組成物を得ることができる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
実施例2: 直接圧縮のための他の製剤
第一級アミノ基を有する活性DPP IVインヒビター成分とステアリン酸マグネシウムを除く他の全ての賦形剤を、高剪断力のブレンダー中でブレンドする。このプレミックスを1mmふるいを通してふるいにかける。ステアリン酸マグネシウムを添加した後、プレミックスをフリーフォールブレンダー中でブレンドして、最終ブレンドを製造する。最終ブレンドを、適切な打錠機を用いて錠剤に圧縮する。以下の組成を得ることができる:
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
実施例3- 錠剤
コポビドンを室温で精製水中に溶解させ、造粒液体を製造する。第一級アミノ基を有する活性DPP IVインヒビター成分、マンニトール及びアルファ化したデンプンの一部を、適切なミキサー中でブレンドし、プレミックスを製造する。プレミックスを造粒液体で湿らせ、次いで造粒する。湿った粒を任意で1.6-3.0mmのメッシュサイズを有するふるいを通してふるいにかけても良い。乾燥における2-5%の質量減少に対応する残留水分含量になるまで粒を55℃の適切な乾燥機中で乾燥する。乾燥した粒を、1.0mmのメッシュサイズを有するふるいをとおしてふるいにかける。粒を適切なミキサー中でアルファ化したデンプンの一部とブレンドする。細かくするために1.0mmふるいを通した後に、ステアリン酸マグネシウムをこのブレンドに添加する。次いで、最終ブレンドを適切なミキサー中で最終ブレンドすることにより製造し、錠剤に圧縮する。以下の錠剤組成物を得ることができる:
【0027】
【表5】
【0028】
実施例4-被覆錠剤
コポビドンを室温で精製水中に溶解させ、造粒液体を製造する。第一級アミノ基を有する活性DPP IVインヒビター成分、マンニトール、アルファ化したデンプン及びトウモロコシデンプンを適切なミキサー中でブレンドし、プレミックスを製造する。プレミックスを造粒液体で湿らせて、次いで高剪断力のミキサーを用いて造粒する。湿った粒を任意で、1.6-3.0mmのメッシュサイズを有するふるいを通してふるいにかける。粒を約60℃の流動床乾燥機中で、2-4%の乾燥値の質量減少が得られるまで乾燥する。最終ブレンドを錠剤コアに圧縮する。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を、室温で適切なミキサー中で精製水中で懸濁し、コーティング懸濁液を製造する。錠剤コアをコーティング懸濁液を用いて、約3%質量が増加するまで被覆して、フィルム被覆錠剤を製造する。以下の錠剤組成物を得ることができる:
【0029】
【表6】
【0030】
実施例5-錠剤
コポビドンを室温で精製水中に溶解させ、造粒液体を製造する。第一級アミノ基を有する活性DPP IVインヒビター成分、マンニトール及びアルファ化したデンプンを適切なミキサー中でブレンドし、プレミックスを製造する。プレミックスを造粒液体で湿らせて、次いで造粒する。湿った粒を任意で適切なふるいを通してふるいにかけても良い。粒を約50℃の適切な乾燥機中で3-5%の乾燥値の質量減少が得られるまで乾燥する。乾燥した粒を、1.0mmのメッシュサイズを有するふるいを通してふるいにかける。
ステアリン酸マグネシウムを1.0mmふるいに通し、粒に添加する。次いで、最終ブレンドを、適切なブレンダー中で最終ブレンドする事により製造し、最終ブレンドを錠剤に圧縮する。以下の錠剤組成物を得ることができる:
【0031】
【表7】
【0032】
実施例6-錠剤のバリエーション
コポビドンを室温で精製水中に溶解させ、造粒液体を製造する。第一級アミノ基を有する活性DPP IVインヒビター成分、マンニトールの一部、アルファ化したデンプン及びトウモロコシデンプンを、適切なミキサー中でブレンドし、プレミックスを製造する。プレミックスを造粒液体で湿らせ次いで造粒する。湿った粒を適切なふるいを通してふるいにかける。1-4%の乾燥値の質量減少が得られるまで、粒を約60℃の内部大気温度の流動床乾燥機中で乾燥する。乾燥した粒を、1.0mmメッシュサイズを有するふるいを通してふるいにかける。
ステアリン酸マグネシウムを細かくするためにふるいに押し通して、粒に添加する。更に、賦形剤の残りの部分をこの工程で錠剤の外側に添加する。次いで、最終ブレンドを、適切なブレンダー中で最終ブレンドすることにより製造し、錠剤コアに圧縮する。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を、室温で適切なミキサー中で精製水中で懸濁し、コーティング懸濁液を製造する。錠剤コアをコーティング懸濁液を用いて、約3%質量が増加するまで被覆して、フィルム被覆錠剤を製造する。以下の錠剤組成物のバリエーションを得ることができる:
【0033】
実施例6.1- 錠剤の外側に賦形剤を有する製剤のバリエーション
【表8】
【0034】
実施例6.2-付加的な錠剤の外側の錠剤分解物質を有する製剤のバリエーション
【0035】
実施例6.3-高投与量の製剤D
【表9】
【0036】
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕
活性成分としてアミノ基を有するDPP IVインヒビター化合物又はその塩、第一の希釈剤、第二の希釈剤、結合剤、錠剤分解物質及び滑剤を含む医薬組成物。
〔2〕
付加的な錠剤分解物質を含む、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕
付加的な流動促進剤を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の医薬組成物。
〔4〕
希釈剤が、セルロースパウダー、第二カルシウムホスフェート無水物、第二カルシウムホスフェート二水和物、エリスリトール、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アルファ化したデンプン又はキシリトールである、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔5〕
滑剤がタルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、水素化したキャスター油又はステアリン酸マグネシウムである、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔6〕
結合剤が、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体のコポリマー)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はポリビニルピロリドン(ポビドン)である、〔2〕に記載の医薬組成物。
〔7〕
錠剤分解物質がトウモロコシデンプンである、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔8〕
付加的な錠剤分解物質がクロスポビドンである、〔2〕に記載の医薬組成物。
〔9〕
任意の流動促進剤がコロイダル二酸化ケイ素である、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔10〕
第一の希釈剤がマンニトールであり、第二の希釈剤がアルファ化したデンプンであり、結合剤がコポビドンであり、錠剤分解物質がトウモロコシデンプンであり、及び滑剤がステアリン酸マグネシウムである、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔11〕
0.5-20% 活性成分、
40-88% 希釈剤1、
3-40% 希釈剤2
1-5% 結合剤、
5-15% 錠剤分解物質、及び
0.1-4% 滑剤
を含んだ、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔12〕
0.5-7% 活性成分、
50-75% 希釈剤1、
5-15% 希釈剤2
2-4% 結合剤、
8-12% 錠剤分解物質、及び
0.5-2% 滑剤
を含んだ〔1〕に記載の医薬組成物。
〔13〕
カプセル、錠剤又はフィルム被覆錠剤の投与形態にある、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔14〕
2-4%のフィルムコートを含む、〔13〕に記載の医薬組成物。
〔15〕
フィルムコートが、フィルム形成剤、可塑剤、流動促進剤及び任意で1以上の顔料を含む、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔16〕
フィルムコートが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を含む、〔15〕に記載の医薬組成物。
〔17〕
以下の工程を含んだ〔1〕に記載の医薬組成物の調製方法:
a.結合剤を溶媒に溶解させて造粒液体を製造する工程;
b.DPP IVインヒビター、希釈剤及び錠剤分解物質をブレンドして、プレミックスを製造する工程;
c.プレミックスを造粒液体で湿らせ、次いで湿らせたプレミックスを造粒する工程;
d.少なくとも1.0mmのメッシュサイズを有するふるいを通して造粒したプレミックスをふるいにかけても良い任意の工程;
e.1-5%の範囲の乾燥値における所望の質量減少が得られるまで、約40-75℃で粒を乾燥する工程;
f.少なくとも0.6mmのメッシュサイズを有するふるいを通して乾燥した粒をふるいにかける工程;
g.粒に滑剤を添加して最終ブレンドを行う工程。
〔18〕
更に以下を含む、〔17〕に記載の方法:
h.最終ブレンドを錠剤コアに圧縮する行程;
i.コーティング懸濁液を調製する工程;
j.錠剤コアをコーティング懸濁液を用いて約2-4%質量が増加するまでコーティングし、フィルム被覆錠剤を製造する工程。
〔19〕
賦形剤の一部を、工程gの最終ブレンドの前に錠剤の外側に添加する、〔17〕に記載の方法。
〔20〕
工程a-eで製造された粒を、ワンポット高剪断力造粒法で生成し次いでワンポット造粒機中で乾燥する、〔17〕に記載の方法。
【0037】
本発明のさらなる別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕活性成分として、
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)キサンチン、
・1-[([1,5]ナフチリジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン、
・1-[(キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン、
・2-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-3-(ブタ-2-イニル)-5-(4-メチル-キナゾリン-2-イルメチル)-3,5-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-d]ピリダジン-4-オン、
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-[(2-アミノ-2-メチル-プロピル)-メチルアミノ]-キサンチン、
・1-[(3-シアノ-キノリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン、
・1-(2-シアノ-ベンジル)-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン、
・1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-[(S)-(2-アミノ-プロピル)-メチルアミノ]-キサンチン、
・1-[(3-シアノ-ピリジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン、
・1-[(4-メチル-ピリミジン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン、
・1-[(4,6-ジメチル-ピリミジン-2-イル)-メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン、及び
・1-[(キノキサリン-6-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-((R)-3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-キサンチン、
から選択されるDPP IVインヒビター化合物又はその塩、第一の希釈剤、第二の希釈剤、結合剤、錠剤分解物質及び滑剤を含む医薬組成物であって、前記DPP IVインヒビターが0.5mg~10mgの量で存在し、及び、前記希釈剤が、セルロースパウダー、第二カルシウムホスフェート無水物、第二カルシウムホスフェート二水和物、エリスリトール、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アルファ化したデンプン及びキシリトールから選択され、但し前記医薬組成物は、DPP IVインヒビター化合物又はその塩と、マンニトールである第一の希釈剤、アルファ化したデンプンである第二の希釈剤、コポビドンである結合剤、トウモロコシデンプンである錠剤分解物質及びステアリン酸マグネシウムである滑剤とを共に含むものではない、医薬組成物。
〔2〕付加的な錠剤分解物質を含む、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕付加的な流動促進剤を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の医薬組成物。
〔4〕希釈剤が、エリスリトール、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、アルファ化したデンプン及びキシリトールから選択される、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔5〕滑剤がタルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、水素化したキャスター油又はステアリン酸マグネシウムである、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔6〕結合剤が、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体のコポリマー)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)又はポリビニルピロリドン(ポビドン)である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔7〕錠剤分解物質がトウモロコシデンプンである、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔8〕付加的な錠剤分解物質がクロスポビドンである、前記〔2〕に記載の医薬組成物。
〔9〕任意の流動促進剤がコロイダル二酸化ケイ素である、前記〔3〕に記載の医薬組成物。
〔10〕第一の希釈剤がマンニトールであり、及び第二の希釈剤がアルファ化したデンプンである、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔11〕
0.5-20% 活性成分、
40-88% 希釈剤1、
3-40% 希釈剤2
1-5% 結合剤、
5-15% 錠剤分解物質、及び
0.1-4% 滑剤
を含む、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔12〕
0.5-7% 活性成分、
50-75% 希釈剤1、
5-15% 希釈剤2
2-4% 結合剤、
8-12% 錠剤分解物質、及び
0.5-2% 滑剤
を含む、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔13〕カプセル、錠剤又はフィルム被覆錠剤の投与形態にある、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔14〕2-4%のフィルムコートを含む、前記〔13〕に記載の医薬組成物。
〔15〕フィルムコートが、フィルム形成剤、可塑剤、流動促進剤及び任意で1以上の顔料を含む、前記〔14〕に記載の医薬組成物。
〔16〕フィルムコートが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタン及び酸化鉄を含む、前記〔15〕に記載の医薬組成物。
〔17〕以下の工程を含んだ前記〔1〕に記載の医薬組成物の調製方法:
a.結合剤を溶媒に溶解させて造粒液体を製造する工程;
b.DPP IVインヒビター、希釈剤及び錠剤分解物質をブレンドして、プレミックスを製造する工程;
c.プレミックスを造粒液体で湿らせ、次いで湿らせたプレミックスを造粒する工程;
d.少なくとも1.0mmのメッシュサイズを有するふるいを通して造粒したプレミックスをふるいにかけても良い任意の工程;
e.1-5%の範囲の乾燥値における所望の質量減少が得られるまで、約40-75℃で粒を乾燥する工程;
f.少なくとも0.6mmのメッシュサイズを有するふるいを通して乾燥した粒をふるいにかける工程;
g.粒に滑剤を添加して最終ブレンドを行う工程。
〔18〕更に以下を含む、前記〔17〕に記載の方法:
h.最終ブレンドを錠剤コアに圧縮する行程;
i.コーティング懸濁液を調製する工程;
j.錠剤コアをコーティング懸濁液を用いて約2-4%質量が増加するまでコーティングし、フィルム被覆錠剤を製造する工程。
〔19〕賦形剤の一部を、工程gの最終ブレンドの前に錠剤の外側に添加する、前記〔17〕に記載の方法。
〔20〕工程a-eで製造された粒を、ワンポット高剪断力造粒法で生成し次いでワンポット造粒機中で乾燥する、前記〔17〕に記載の方法。
〔21〕前記結合剤が、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体のコポリマー)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、アルファ化したデンプン、及び置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)から選択され、前記錠剤分解物質が、トウモロコシデンプン、クロスポビドン、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)及びアルファ化したデンプンから選択され、及び/又は、前記滑剤が、タルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、水素化したキャスター油及びステアリン酸マグネシウムから選択される、前記〔1〕~〔16〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔22〕前記DPP IVインヒビターが、1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)キサンチンである、前記〔1〕~〔16〕及び〔21〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔23〕前記結合剤が、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体のコポリマー)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、アルファ化したデンプン、及び置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)から選択され、前記錠剤分解物質が、トウモロコシデンプン、クロスポビドン、置換度の低いヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)及びアルファ化したデンプンから選択され、及び/又は、前記滑剤が、タルク、ポリエチレングリコール、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、水素化したキャスター油及びステアリン酸マグネシウムから選択される、前記〔17〕~〔20〕のいずれかに記載の方法。
〔24〕前記DPP IVインヒビターが、1-[(4-メチル-キナゾリン-2-イル)メチル]-3-メチル-7-(2-ブチン-1-イル)-8-(3-(R)-アミノ-ピペリジン-1-イル)キサンチンである、前記〔17〕~〔20〕及び〔23〕のいずれかに記載の方法。
〔25〕前記DPP IVインヒビターが、0.5mg、1mg、2.5mg、5mg又は10mgの量で存在する、前記〔1〕~〔16〕、〔21〕及び〔22〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔26〕前記DPP IVインヒビターが、0.5mg、1mg、2.5mg、5mg又は10mgの量で存在する、前記〔17〕~〔20〕、〔23〕及び〔24〕のいずれかに記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載された発明。
【外国語明細書】