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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074873
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】求人者と求職者とのマッチング方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/1053 20230101AFI20240524BHJP
【FI】
G06Q10/1053
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024058359
(22)【出願日】2024-03-30
(62)【分割の表示】P 2023519792の分割
【原出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】319005833
【氏名又は名称】ミイダス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138221
【弁理士】
【氏名又は名称】影山 剛士
(72)【発明者】
【氏名】後藤 喜悦
(57)【要約】
【課題】求職者が求人者に就職後も適切に活躍できることが予測可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】
求人者に関連する求人者端末と、前記求人者端末にネットワークを介して接続する、求職者に関連する求職者端末と、サーバ端末とを有するシステムによって提供される求人者と求職者とのマッチング方法であって、サーバ端末は、求職者端末及び求人者端末に対し、適性試験を提供し、前記求人者端末及び前記求職者端末から、前記適性試験に対する回答情報を受信し、前記回答情報を基に、前記求人者端末に関連する求人者及び前記求職者端末に関連する求職者のスコアを各々算出し、前記求人者端末からの求職者に対する検索要求に応じて、前記求人者のスコア及び評価情報を基準として、前記求職者の活躍予測を決定する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人者に関連する求人者端末と、前記求人者端末にネットワークを介して接続する、求職者に関連する求職者端末と、サーバ端末とを有するシステムによって提供される求人者と求職者とのマッチング方法であって、サーバ端末は、
求職者端末及び求人者端末に対し、適性試験を提供し、
前記求人者端末及び前記求職者端末から、前記適性試験に対する回答情報を受信し、
前記回答情報を基に、前記求人者端末に関連する求人者及び前記求職者端末に関連する求職者のスコアを各々算出し、
前記求人者端末からの求職者に対する検索要求に応じて、
前記求人者のスコア及び評価情報を基準として、前記求職者の活躍予測を決定する、
マッチング方法。
【請求項2】
前記求人者のスコアは、前記求人者の特定の部署に属する社員のスコアである、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項3】
前記求人者のスコアは、前記求人者の特定の部署に属する社員のうちハイパフォーマのスコアである、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項4】
前記活躍予測を決定することに先立って、前記求人者のうち、所望の求人者の選択要求を受け付け、前記選択された求人者のスコア及び評価情報に基づいて、前記求職者の活躍予測を決定する、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項5】
前記決定された活躍予測が高評価の求職者に関する情報を、前記求職者端末に提供する、請求項1に記載のマッチング方法。
【請求項6】
求人者に関連する求人者端末と、前記求人者端末にネットワークを介して接続する、求職者に関連する求職者端末と、サーバ端末とを有するシステムによって提供される求人者と求職者とのマッチング方法であって、サーバ端末は、
求職者端末及び求人者端末に対し、適性試験を提供し、
前記求人者端末及び前記求職者端末から、前記適性試験に対する回答情報を受信し、
前記回答情報を基に、前記求人者端末に関連する求人者及び前記求職者端末に関連する求職者のスコアを各々算出し、
前記求人者端末からの求職者に対する検索要求に応じて、
前記求人者のスコア及び評価情報を基準として、前記求職者の評価予測を決定する、
マッチング方法。
【請求項7】
前記求人者のスコアは、前記求人者の特定の部署に属する社員のスコアである、請求項6に記載のマッチング方法。
【請求項8】
前記求人者のスコアは、前記求人者の特定の部署に属する社員のうちハイパフォーマのスコアである、請求項6に記載のマッチング方法。
【請求項9】
前記評価予測を決定することに先立って、前記求人者のうち、所望の求人者の選択要求を受け付け、前記選択された求人者のスコア及び評価情報に基づいて、前記求職者の評価予測を決定する、請求項6に記載のマッチング方法。
【請求項10】
前記決定された評価予測が高評価の求職者に関する情報を、前記求職者端末に提供する、請求項6に記載のマッチング方法。














































【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求職者と求人者とのマッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、適性試験を利用した、求職者(採用候補者)と求人者(求人企業)とのマッチングに関するサービスが普及しており、適性試験においては、求職者の性格や能力といった特性を評価することが一般的となっている。
【0003】
例えば、特許文献1において、求人者の社員に適性試験を実施し、適性試験結果を基に、社内の高評価者社員が過去に受けた適性試験の試験結果を基に、求職者の適性試験の目標を設定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2010-015289号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、適性試験を用いることにより求職者と求人者とのジョブマッチング精度の向上を図ることを可能にするものの、実際求職者がその求人者に就職後活躍できない等の事象が散見される。
【0006】
そこで、本発明は、求職者が求人者に就職後も適切に活躍できることが予測可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、求人者に関連する求人者端末と、前記求人者端末にネットワークを介して接続する、求職者に関連する求職者端末と、サーバ端末とを有するシステムによって提供される求人者と求職者とのマッチング方法であって、サーバ端末は、求職者端末及び求人者端末に対し、適性試験を提供し、前記求人者端末及び前記求職者端末から、前記適性試験に対する回答情報を受信し、 前記回答情報を基に、前記求人者端末に関連する求人者及び前記求職者端末に関連する求職者のスコアを各々算出し、前記求人者端末からの求職者に対する検索要求に応じて、前記求人者のスコア及び評価情報を基準として、前記求職者の活躍予測または評価予測を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、求職者が求人者に就職後も適切に活躍できることが予測可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態に係る、マッチングシステムを示すブロック構成図である。
図2図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
図3図1の求職者端末200を示す機能ブロック構成図である。
図4】サーバ100に格納される求職者データの一例を示す図である。
図5】サーバ100に格納される求人者データの一例を示す図である。
図6】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートの一例である。
図7】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートの他の一例である。
図8】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートのさらに他の一例である。
図9】本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートのさらに他の一例である。
図10】求人者端末各々に表示される、求職者に係る情報を示す画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係るマッチングシステムを示すブロック構成図である。本システム1は、様々なバックグラウンドを有する求職者に関連する求職者端末200と、企業等の、採用活動を行う求人者に関連する求人者端末300と、を仲介するサーバ端末100と、により構成される。
【0012】
サーバ端末100と、求職者端末200及び求人者端末300とは、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
サーバ端末100は、求人者企業の社員及び求職者に対して適性試験を提供し、得られた回答から求人者企業の社員及び求職者の適性を分析し、また、求人者から、求人者端末300を通じて求人者に関連する情報を受け付け、求職者から、求職者端末200を通じて受け付けられる、求職者に関連する情報に基づいて、求人者と求職者とのマッチング処理を行う装置であり、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0014】
求職者端末200は、就職または転職を希望する求職者であって、サーバ端末100により提供されるサービスを利用する求職者が所有する、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0015】
求人者端末300は、上述の通り、企業等の、人材の採用活動を行い、求人者に関連する情報を提供する求人者(例えば、採用担当者)であって、サーバ端末100により提供されるサービスを利用する求人者が所有する、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。求人者企業には、一または複数の部署(例えば、部署A、部署B、部署C等)が存在し、各部署には一または複数の社員が所属している。このような各部署の社員の各々の端末に対して、サーバ端末100により、場合によって求人者端末300を介して、適性試験が提供される。なお、適性試験について、サーバ端末100とは別のサーバにより提供することもできる。
【0016】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100と、求職者端末200及び求人者端末300とを備え、求職者または求人者が各々、求職者端末200、求人者端末300を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、求職者または求人者が操作を行う機能を備えても良い。
【0017】
図2は、図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0018】
通信部110は、ネットワークNWを介して求職者端末200及び求人者端末300と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0019】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、求職者に関連する各種データを格納する、求職者データ格納部121、求人者に関連する各種データを格納する、求人者データ格納部122等を有する。さらに、記憶部120は、求職者端末200、求人者端末300と通信を行ったデータを一時的に記憶することもできる。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0020】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、求職者端末200または求人者端末300からの入力を受け付ける指示受付部131と、求職者に関連する各種データを参照し、処理する、求職者データ管理部132と、求人者に関連する各種データを参照し、処理する、求人者データ管理部133と、求職者及び求人者企業の社員により入力された、適性試験の回答を分析し、評価予測を決定する予測決定部134等を有する。この指示受付部131、求職者データ管理部132、求人者データ管理部133、予測決定部134は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0021】
指示受付部131は、サーバ端末100が提供し、求職者端末200または求人者端末300において、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して表示される画面等のユーザインターフェースを介して、求職者または求人者であるユーザが、(クリック、タップ、スワイプしたり、キーワードを入力したり、アイコンを押下する等して)所定の入力を行ったとき、求職者端末200または求人者端末300から通信部110を介して指示を受付ける。
【0022】
求職者データ管理部132は、求職者に関連する各種データ(例えば、求職者ID、求職者の基本情報、経歴情報、資格情報、希望条件情報、及び適性情報等)を管理し、処理を行う。
【0023】
求人者データ管理部133は、求人者に関連する各種データ(例えば、求人者ID、基本情報、求人情報、適性情報等)を管理し、処理を行う。
【0024】
予測決定部134は、提供された適性試験に対して、求職者端末200及び求人者端末300(もしくは求人者企業の社員の端末)から入力された、求職者及び求人者企業の社員の回答内容に基づいて、求職者及び求人者企業の社員の適性分析し、評価予測を決定する処理を行う。
【0025】
図3は、図1の求職者端末200を示す機能ブロック構成図である。求職者端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0026】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0027】
表示操作部220は、求職者が指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、求職者端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、求職者端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)である求職者端末200により実行される。表示操作部を介して、求職者は、提供される適性試験に対して、キーボードの場合は、キーボードの押下、マウスの場合は、マウスによりカーソルの移動、タッチパネルの場合は、タップ、スワイプ、ピンチ操作等を行うことができる。
【0028】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0029】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、求職者端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0030】
なお、サーバ端末100に表示操作部の機能を備える構成としても良く、この場合、求職者端末200を備えない構成としても良い。
【0031】
なお、求人者端末300の機能構成についても、求職者端末200と実質同一であるので、説明を省略する。
【0032】
図4は、サーバ100に格納される求職者データの一例を示す図である。
【0033】
図4に示す求職者データ1000は、求職者に関連する各種データを格納する。図4において、説明の便宜上、一求職者(求職者ID「10001」で識別される求職者)の例を示すが、複数の求職者の情報を格納することができる。求職者に関連する各種データとして、例えば、求職者の基本情報(求職者の氏名、住所、Eメールアドレス等の連絡先、その他SNSアカウント情報等)、経歴情報(求職者の学歴、職歴、直近の年収等)、資格情報(資格、語学、スキル、自己PR)、希望情報(希望年収、希望する就職時期、希望勤務地、希望業界、希望業種等)、適性情報(適性試験のスコア、適性試験によって測られる特性(問題解決力、創造的思考力、状況適応力、マネジメント資質、ストレス要因等)別のスコア)、評価予測情報(求人者の企業に就職後の評価予測、求人者企業のハイパフォーマのスコアとの類似度、高低の評価、部署別、業種別の評価等)等の情報を格納することができる。
【0034】
図5は、サーバ100に格納される求人者データの一例を示す図である。
【0035】
図5に示す求人者データ2000は、求人者に関連する各種データを格納する。図5において、説明の便宜上、一求人者(求人者ID「20001」で識別される求人者)の例を示すが、複数の利用者の情報を格納することができる。求人者に関連する各種データとして、例えば、求人者の基本情報(会社名、業種、設立年月日、所在地、授業員数、会社HPのURL、その他会社紹介文等)、求人情報(給与、求める人物像、勤務時間、待遇、福利厚生、勤務地、雇用形態(正社員(新卒・中途)、契約社員、インターン、アルバイト等)等)、適性情報(求人者企業に属する社員の(企業全体、部署別等の)適性試験のスコア、適性試験によって測られる特性(問題解決力、創造的思考力、状況適応力、マネジメント資質、ストレス要因等)別のスコア)、評価情報(求人者企業に属する社員の評価に関する情報)等の情報を格納することができる。
【0036】
<処理の流れ>
図6を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行する求職者と求人者とのマッチング方法の処理の流れについて説明する。図6は、本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートの一例である。
【0037】
ここで、本システム1を利用するために、求職者及び/または求人者(もしくは求人者企業の社員)は、求職者端末200、求人者端末300(もしくは求人者企業のいずれかの部署に属する社員の各々の端末)の各々のウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用してサーバ端末100にアクセスし、初めてサービスを利用する場合は、前述の求職者基本情報等、求人者基本情報等を各々入力し、既に求職者、求人者のアカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能となる。この認証後、ウェブサイト、アプリケーション等を介して所定のユーザインターフェースが提供され、図6に示すステップS101へ進む。なお、以下、説明の便宜のため、求人者企業の採用担当者の端末及び求人者企業のいずれかの部署に属する社員の各々を総称して、特に説明の無い限り、「求人者」として説明し、各者の端末を総称して「求人者端末」として説明する。
【0038】
まず、ステップS101の処理として、サーバ端末100は、通信部110を介して、求人者端末300に対し、適性試験を送信する。例えば、求人者端末300の、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して提供されるユーザインターフェースにおいて、適性試験として提供される設問が表示される。
【0039】
適性試験として提供される設問として、例えば回答者の適性を測るためのゲームが挙げられる。ゲーム課題を通じて、回答者は、適性試験に関する設問と関連して、ユーザインターフェースに表示されるオブジェクトに対して、表示操作部がキーボードの場合は、キーボードを押下したり、マウスの場合は、マウスによってオブジェクトを選択し、移動させたり、タッチパネルの場合は、オブジェクトをタップして選択し、タップしたまま移動させたり、スワイプ操作により移動させたりすることができる。また、回答者は、設問と関連して、表示操作部を介して、テキスト入力または音声入力を行うことができる。適性試験は、回答者の複数の特性(問題解決力、創造的思考力、状況適応力、マネジメント資質、ストレス要因等)を測るために設計され、複数の設問から構成することができる。ここで、一の設問が、特定の特性に紐づけられたり、複数の特性に紐づけられたりすることができる。適性試験により、回答者の操作の速さ、精度及び/または特徴を測ることで上記特性を評価することができる。また、適性試験を回答者に対して紙媒体により提供することもできる。なお、適性試験として、ゲームに限らず、回答者にHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等を介して仮想現実空間上を提供し、回答者の適性を測るものであったり、その他行動指標等により適性を測る方法、性格や能力等の適性を筆記試験の回答結果による測る方法等も挙げられ、一の例に限定されない。
【0040】
次に、ステップS102の処理として、サーバ端末100は、求人者端末300から、送信した所定の設問に対する回答情報を受信する。例えば、サーバ端末100の制御部130の指示受付部131は、求人者端末300から通信部110を介して、回答情報を受信する。
【0041】
ここで、回答情報として、回答者による、キーボード、マウス及び/またはタッチパネル上の操作情報、及び/またはテキストもしくは音声による入力情報を含むことができる。さらに、回答情報として、操作情報、回答情報のほか、回答者が、複数の設問を連続して回答した等の行動情報を含むこともできる。
【0042】
次に、ステップS103の処理として、サーバ端末100は、適性試験の設問に対して、求人者端末300から受信した回答情報に基づいて、求人者の適性についてスコアを算出する。例えば、サーバ端末100の制御部130の予測決定部134は、各設問に対して求人者が入力した回答情報について、求人者の(一または複数の特性で構成される)適性に関するスコアを算出する。
【0043】
例えば、回答者の回答情報に基づき、予測決定部134は、複数の設問の各々につき、操作情報の正否及び/または特徴量等に基づいて、スコアを算出し、総合点及び/または特性別にスコアを算出することができる。例えば、ある回答者について、「問題解決力」について80点/100点、「マネジメント資質」について60点/100点といったスコアを特性毎に算出することができる。また、回答者のスコアについて、求人者企業全体及び求人者企業の特定の部署の社員の各々の平均、最高点、最低点を統計情報として算出することもできる。さらに、特定の部署の社員(または任意のグループの社員)について、求人者データ2000の評価情報に基づき、ハイパフォーマ(その部署または任意のグループで評価の高い社員)とローパフォーマ(その部署で評価の低い社員)とにグループを分け、グループ別の上記統計情報を算出することもできる。
【0044】
次に、ステップS104の処理として、サーバ端末100の求人者データ管理部133は、上記のように、予測決定部134によって分析された適性について、記憶部120の求人者データ格納部122に格納される求人者データ2000を更新する処理を行う。
【0045】
以上により、求職者と求人者とのマッチングを実施するにあたり、前処理として、求人者の適性に関する情報を管理、更新することができる。
【0046】
図7は、本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートの他の一例である。
【0047】
他の一例として、サーバ端末100により求職者端末200に対して、適性試験を提供し、求職者の適性に関する情報を管理、更新する処理について、以下、説明する。
【0048】
まず、ステップS201の処理として、サーバ端末100は、通信部110を介して、求職者端末200に対し、適性試験を送信する。例えば、求職者端末200の、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して提供されるユーザインターフェースにおいて、適性試験として提供される設問が表示される。
【0049】
適性試験として提供される設問として、求人者に対して提供された適性試験と同様に、例えば回答者の適性を測るためのゲームが挙げられる。ゲームに対して、回答者は、適性試験に関する設問と関連して、ユーザインターフェースに表示されるオブジェクトに対して、表示操作部がキーボードの場合は、キーボードを押下したり、マウスの場合は、マウスによってオブジェクトを選択し、移動させたり、タッチパネルの場合は、オブジェクトをタップして選択し、タップしたまま移動させたり、スワイプ操作により移動させたりすることができる。また、回答者は、設問と関連して、表示操作部を介して、テキスト入力または音声入力を行うことができる。適性試験は、回答者の複数の特性(問題解決力、創造的思考力、状況適応力、マネジメント資質、ストレス要因等)を測るために設計され、複数の設問から構成することができる。ここで、一の設問が、特定の特性に紐づけられたり、複数の特性に紐づけられたりすることができる。適性試験により、回答者の操作の速さ、精度及び/または特徴を測ることで上記特性を評価することができる。また、適性試験を回答者に対して紙媒体により提供することもできる。
【0050】
次に、ステップS202の処理として、サーバ端末100は、求職者端末200から、送信した所定の設問に対する回答情報を受信する。例えば、サーバ端末100の制御部130の指示受付部131は、求職者端末200から通信部110を介して、回答情報を受信する。
【0051】
ここで、回答情報として、上記同様に、回答者による、キーボード、マウス及び/またはタッチパネル上の操作情報、及び/またはテキストもしくは音声による入力情報を含むことができる。さらに、回答情報として、操作情報のほか、回答者が、複数の設問を連続して回答した等の行動情報を含むこともできる。
【0052】
次に、ステップS203の処理として、サーバ端末100は、適性試験の設問に対して、求職端末200から受信した回答情報に基づいて、求職者の適性についてスコアを算出する。例えば、サーバ端末100の制御部130の予測決定部134は、各設問に対して求人者が入力した回答情報について、求職者の(一または複数の特性で構成される)適性に関するスコアを算出する。
【0053】
例えば、回答者の回答情報に基づき、予測決定部134は、複数の設問の各々につき、操作情報の正否及び/または特徴量等に基づいて、スコアを算出し、総合点及び/または特性別にスコアを算出することができる。例えば、ある回答者について、「問題解決力」について80点/100点、「マネジメント資質」について60点/100点といったスコアを算出することができる。また、各々の特性のスコアの合計した総合スコアを算出することができる。
【0054】
次に、ステップS204の処理として、サーバ端末100の求職者データ管理部132は、上記のように、予測決定部134によって分析された適性について、記憶部120の求職者データ格納部121に格納される求職者データ1000を更新する処理を行う。
【0055】
以上により、求職者と求人者とのマッチングを実施するにあたり、前処理として、求職者の適性に関する情報を管理、更新することができる。
【0056】
図8は、本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートのさらに他の一例である。
【0057】
さらに他の一例として、サーバ端末100による、求人者端末300に対して、特定の部署に対する求職者の類似度に関する情報を提供する処理について、以下、説明する。
【0058】
まず、ステップS301の処理として、サーバ端末100の指示受付部131は、通信部110を介して、求人者端末300から、求職者について検索する要求を受信する。例えば、求人者端末300のユーザインターフェースを介して、求人者は、求人者の特定の部署名を入力し、当該部署にマッチする求職者を検索する要求を所定の操作により行う。
【0059】
次に、ステップS302の処理として、サーバ端末100の予測決定部134は、求職者について、求人者の特定の部署の社員に対する、評価予測に関する類似度を算出する処理を行う。例えば、予測決定部134は、求人者データ格納部122の求人者データ2000に格納された、特定の部署の社員に関する評価情報に基づき、求人者端末300に対して、その部署のハイパフォーマを選択させるために必要な情報(社員と評価情報の組合せとなる情報等)を提供し、求人者端末300から、一または複数の所望の求人者(企業に所属する社員)の選択要求を受け付けることができる。続いて、予測決定部134は、選択された適性情報を、求人者データ格納部122の求人者データ2000から参照し、当該部署の社員の適性情報を抽出する。ここで、抽出される適性情報には、当該部署の社員の各々のスコアが含まれ、また、特性別のスコア、または、特性別のスコアの合計値もしくは平均値としての総合スコアが含まれ得る。ここで、スコアは、部署の平均、最高、及び/または最低スコアであってもよい。適性情報には、ハイパフォーマ及びローパフォーマ各々のグループについてのスコアも含まれる。同様に、例えば、予測決定部134は、全ての、または一部の求職者に関する適性情報を、求職者データ格納部121の求職者データ1000から参照し、求職者の各々の適性情報を抽出する。ここで、抽出される適性情報には、求職者の、特性別のスコア、または、特性別のスコアの合計値としての総合スコアが含まれ得る。そして、予測決定部134は、例えば、上記部署のハイパフォーマの、特性別の平均スコアと、各々の求職者の、特性別のスコアとを対比し、各々の特性のスコアについて類似度を算出する。例えば、「問題解決力」という特性について、企業Xの部署Aの平均スコアが100点であり、当該特性についてのある求職者のスコアが60であった場合は、類似度は60%として算出される。または、予測決定部134は、例えば、上記部署の総合スコアと各々求職者の総合スコアを対比し、総合スコアの類似度を算出することもできる。
【0060】
次に、ステップS303の処理として、サーバ端末100の予測決定部134は、算出された類似度に関する情報を、求人者端末300に対して送信する。
【0061】
図9は、本発明の第一実施形態に係る、マッチング方法に係るフローチャートのさらに他の一例である。
【0062】
さらに他の一例として、サーバ端末100による、求人者端末300に対して、特定の部署に対する求職者の評価予測情報を提供する処理について、以下、説明する。
【0063】
まず、ステップS401の処理として、サーバ端末100の指示受付部131は、通信部110を介して、求人者端末300から、求職者について検索する要求を受信する。例えば、求人者端末300のユーザインターフェースを介して、求人者は、求人者の特定の部署名を入力し、当該部署にマッチする求職者を検索する要求を所定の操作により行う。
【0064】
次に、ステップS402の処理として、サーバ端末100の予測決定部134は、求職者について、求人者の特定の部署の社員に対する、評価予測に関する情報を算出する処理を行う。例えば、予測決定部134は、求人者データ格納部122の求人者データ2000に格納された、特定の部署の社員に関する評価情報に基づき、求人者端末300に対して、その部署のハイパフォーマを選択させるために必要な情報(社員と評価情報の組合せとなる情報等)を提供し、求人者端末300から、一または複数の所望の求人者(企業に所属する社員)の選択要求を受け付けることができる。ここで、求人者は、特定のハイパフォーマと思われる社員をバイネームで指定または選択することもできる。続いて、予測決定部134は、選択された適性情報を、求人者データ格納部122の求人者データ2000から参照し、当該部署の社員の適性情報を抽出する。ここで、抽出される適性情報には、当該部署の社員の各々のスコアが含まれ、また、特性別のスコア、または、特性別のスコアの合計値もしくは平均値としての総合スコアが含まれ得る。ここで、スコアは、部署の平均、最高、及び/または最低スコアであってもよい。適性情報には、ハイパフォーマ及びローパフォーマ各々のグループについてのスコアも含まれる。同様に、例えば、予測決定部134は、全ての、または一部の求職者に関する適性情報を、求職者データ格納部121の求職者データ1000から参照し、求職者の各々の適性情報を抽出する。ここで、抽出される適性情報には、求職者の、特性別のスコア、または、特性別のスコアの合計値としての総合スコアが含まれ得る。そして、予測決定部134は、例えば、上記部署のハイパフォーマの、特性別の平均スコアと、各々の求職者の、特性別のスコアとを対比し、各々の特性のスコアについて類似度を算出する。例えば、「問題解決力」という特性について、企業Xの部署Aの平均スコアが100点であり、当該特性についてのある求職者のスコアが60であった場合は、類似度は60%として算出される。または、予測決定部134は、例えば、上記部署の総合スコアと各々求職者の総合スコアを対比し、総合スコアの類似度を算出することもできる。類似度を算出したうえで、予測決定部134は、ハイパフォーマの適性に関するスコアと、求職者の適性に関するスコアとの類似性が高い社員の評価予測を「高」とし、類似性の低い社員の評価予測を「低」または、評価「無」として、評価の高い社員のみを決定することもできる。
【0065】
ここで、図9の評価予測処理について、以下の処理を行うことも可能である。例えば、手順として、求人企業毎に、所属社員の適性試験結果データ及び評価情報を取得し、適性試験結果データに基づいて、tSNE法等の手法により、求人企業社員の適性パターンの分布推定を行い、分布推定結果と求職者の適性パターンを比較することで、求職者の求人企業に対するフィッティング度を推定する。続いて、上記分布推定結果に対して上記求人企業の所属社員の評価情報を用いて、最近傍法等の手法により、適性パターンの色分けを行い、当該企業における求職者の評価予測を行う。続いて、求人企業の社員の適性試験結果と評価情報との間で相関係数を計算し、相関係数結果を用いて求人企業毎に重要とされる、少数のコンピテンシーを選択し、選択結果を用いて、求職者の評価予測を行うことができる。
【0066】
また、求職者の評価予測を行うに際し、求人者の特定の部署の、一または複数のハイパフォーマを基準とした評価予測を行うことのほか、求人者の会社全体、求人者の会社を含む業種全体(例えば、IT/ソフトウェア業、製造業等)のハイパフォーマのグループを基準とした評価予測を行うことも可能である。
【0067】
次に、ステップS403の処理として、サーバ端末100の予測決定部134は、算出された評価予測に関する情報を、求人者端末300に対して送信する。
【0068】
図10は、求人者端末に表示される、求職者に係る情報を示す画面例を示す図である。
【0069】
図10(a)に示すように、求人者端末300のユーザインターフェースに、企業(求人者)別に、その企業で活躍可能な求職者人材を表示させることができる。例えば、「活躍予測」として、図8において説明した、類似度を基に、類似度の高い求職者を表示させることができる。ここで、求人者は、求職者を、新着順、類似度順、業種別、(図示しないが)部署別、会社全体の基準に基づく活躍予測でソートして表示させることができる。
【0070】
図10(b)に示すように、求人者端末300のユーザインターフェースに、企業(求人者)別に、その企業で活躍可能な求職者人材を表示させることができる。例えば、「活躍予測」として、図9において説明した、評価予測を基に、評価予測の高い求職者を表示させることができる。ここで、求人者は、高い評価者のみを表示させることができるほか、求職者を、新着順、高低順、業種別、(図示しないが)部署別、会社全体の基準に基づく活躍予測でソートして表示させることができる。なお、図10に示す本例においては、「活躍予測」に基づいた求職者人材の表示例について示しているが、上述の「評価予測」に基づいた求職者人材についても同様に表示させることも可能である。
【0071】
ここで、「活躍予測」について、いわゆる社内評価とは別の基準を含むこともできる。例えば、営業成績が高いものの、社内調整が苦手な社員は、いわゆる活躍はしているが、社内評価が低いことが考えられる。このように、評価情報において、上述した、いわゆる社内評価に替え、営業成績等の一定の基準に関する活躍有無に関する情報を含み、活躍情報として考慮したり、または、社内評価に関する情報と活躍有無に関する情報とを組み合わせて活躍情報として考慮したりすることができる。
【0072】
以上のように、本実施形態によれば、求職者が求人者に就職の活躍予測または評価予測を適切に行うことができるほか、求人者端末のユーザインタフェースを介して活躍が予測できる求職者、高評価が予測できる求職者をわかりやすく表示させることができる。
【0073】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 マッチングシステム 100 サーバ端末、110 通信部、120 記憶部、130 制御部、200 求職者端末、300 求人者端末、NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10