(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000749
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】監視回路及び電力変換システム
(51)【国際特許分類】
G01R 19/165 20060101AFI20231226BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20231226BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20231226BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20231226BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G01R19/165 Q
H02J7/34 G
H02J7/35 K
H02J3/38 110
H02J9/06 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099628
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹下 幸一
(72)【発明者】
【氏名】綾井 直樹
【テーマコード(参考)】
2G035
5G015
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
2G035AB04
2G035AC13
2G035AD02
2G035AD10
2G035AD11
2G035AD23
2G035AD39
2G035AD43
2G035AD56
5G015GA05
5G015HA16
5G015JA52
5G066HB09
5G066JA02
5G066JA05
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503CA10
5G503DA05
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】 監視回路の信頼性を向上させる。
【解決手段】交流電圧を監視する監視回路であって、前記交流電圧が入力される1次側回路と、前記交流電圧に応じた周期のパルス信号が出力される2次側回路と、前記交流電圧を前記パルス信号に変換する複数の変換部と、を備え、複数の前記変換部は、前記1次側回路に含まれている部分と前記2次側回路に含まれている部分の両方において、互いに並列に接続されている、監視回路。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を監視する監視回路であって、
前記交流電圧が入力される1次側回路と、
前記交流電圧に応じた周期のパルス信号が出力される2次側回路と、
前記交流電圧を前記パルス信号に変換する複数の変換部と、
を備え、
複数の前記変換部は、前記1次側回路に含まれている部分と前記2次側回路に含まれている部分の両方において、互いに並列に接続されている、監視回路。
【請求項2】
複数の前記変換部は、第1変換部と、第2変換部と、を含み、
前記第1変換部は、
前記1次側回路に含まれ、第1閾値以上の正極性の前記交流電圧が印加された場合に出力を行う第1素子と、
前記2次側回路に含まれ、前記第1素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第1トランジスタと、
を含み、
前記第2変換部は、
前記1次側回路において前記第1素子と並列に接続され、第2閾値以下の負極性の前記交流電圧が印加された場合に出力を行う第2素子と、
前記2次側回路において前記第1トランジスタと並列に接続され、前記第2素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第2トランジスタと、
を含み、
前記パルス信号は、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのそれぞれのエミッタが互いに接続する第1接続点、又は、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのそれぞれのコレクタが互いに接続する第2接続点、から出力される、
請求項1に記載の監視回路。
【請求項3】
前記1次側回路は、
前記第1素子に直列に接続される1個又は複数の第1抵抗と、
前記第2素子に直列に接続され、1個又は複数の前記第1抵抗に並列に接続される1個又は複数の第2抵抗と、
を含む、
請求項2に記載の監視回路。
【請求項4】
前記1次側回路は、複数の前記第1抵抗と、複数の前記第2抵抗と、を含み、
前記第1素子の第1端は、前記1次側回路のうち非接地側電線に接続され、
前記第1素子の第2端は、前記1次側回路のうち接地側電線に接続され、
前記第2素子の第3端は、前記1次側回路のうち非接地側電線に接続され、
前記第2素子の第4端は、前記1次側回路のうち接地側電線に接続され、
複数の前記第1抵抗は、前記第1素子の前記第1端及び前記第2端の両方にそれぞれ少なくとも1個ずつ、直列に接続され、
複数の前記第2抵抗は、前記第2素子の前記第3端及び前記第4端の両方にそれぞれ少なくとも1個ずつ、直列に接続されている、
請求項3に記載の監視回路。
【請求項5】
前記第1素子及び前記第2素子は、それぞれ発光ダイオードであり、
前記第1トランジスタは、前記第1素子の発光によりコレクタとエミッタとが通電するフォトトランジスタであり、
前記第2トランジスタは、前記第2素子の発光によりコレクタとエミッタとが通電するフォトトランジスタである、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の監視回路。
【請求項6】
前記第1素子及び前記第2素子は、それぞれオペアンプであり、
前記第1トランジスタは、前記第1素子の出力によりコレクタとエミッタとが通電するトランジスタであり、
前記第2トランジスタは、前記第2素子の出力によりコレクタとエミッタとが通電するトランジスタである、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の監視回路。
【請求項7】
前記交流電圧は、第1交流電源、第2交流電源及び第3交流電源から供給される3相の電圧であり、
複数の前記変換部は、第1変換部と、第2変換部と、第3変換部と、を含み、
前記第1変換部は、
前記1次側回路に含まれ、前記第1交流電源により所定極性であり、かつ絶対値が所定の閾値以上の電圧が印加された場合に、出力を行う第1素子と、
前記2次側回路に含まれ、前記第1素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第1トランジスタと、
を含み、
前記第2変換部は、
前記1次側回路において前記第1素子と並列に接続され、前記第2交流電源により前記所定極性であり、かつ絶対値が前記所定の閾値以上の電圧が印加された場合に、出力を行う第2素子と、
前記2次側回路において前記第1トランジスタと並列に接続され、前記第2素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第2トランジスタと、
を含み、
前記第3変換部は、
前記1次側回路において前記第1素子及び前記第2素子と並列に接続され、前記第3交流電源により前記所定極性であり、かつ絶対値が前記所定の閾値以上の電圧が印加された場合に、出力を行う第3素子と、
前記2次側回路において前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタと並列に接続され、前記第3素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第3トランジスタと、
を含み、
前記パルス信号は、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタのそれぞれのエミッタが互いに接続する第1接続点、又は、
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタのそれぞれのコレクタが互いに接続する第2接続点、から出力される、
請求項1に記載の監視回路。
【請求項8】
前記パルス信号の周波数が前記交流電圧の周波数と等しい場合に、前記第1素子又は前記第2素子が故障していることを検出する検出部をさらに備える、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の監視回路。
【請求項9】
前記検出部は、前記パルス信号のデューティに基づいて、前記交流電圧の実効値を取得する、
請求項8に記載の監視回路。
【請求項10】
前記検出部は、前記パルス信号の周波数が前記交流電圧の周波数の1倍又は2倍であり、かつ前記実効値が、前記交流電圧が維持すべき下限値以上である場合に、前記交流電圧を提供する電力系統が正常であると判定する、
請求項9に記載の監視回路。
【請求項11】
前記検出部は、
前記交流電圧の周期よりも長い所定期間の間、前記パルス信号がハイレベル又はローレベルに維持される場合に、前記電力系統が停電していると判定し、
前記実効値が、前記下限値未満である場合に、前記電力系統が低電圧状態であると判定する、
請求項10に記載の監視回路。
【請求項12】
前記電力系統と負荷とを接続及び遮断するリレー回路を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記検出部が前記電力系統が正常であると判定した場合に、前記電力系統と前記負荷とを接続するように前記リレー回路を制御し、
前記検出部が前記電力系統が停電し又は低電圧状態であると判定した場合に、前記電力系統と前記負荷とを遮断するように前記リレー回路を制御する、
請求項11に記載の監視回路。
【請求項13】
請求項12に記載の監視回路と、
前記リレー回路と、
直流電源から提供される直流の電力を交流に変換して前記電力系統又は負荷に供給し、前記電力系統から提供される交流の電力を直流に変換して前記直流電源に供給する電力変換装置と、
を備え、
前記電力変換装置は、前記電力系統と前記負荷とが前記リレー回路によって遮断されている場合に、前記直流電源から提供される直流の電力を交流に変換して前記負荷に供給する、電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視回路及び電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商用電力系統等から提供される交流電圧を監視する監視回路が知られている。例えば、特許文献1には、入力電源の停電を検出する停電検出回路が開示されている。特許文献1の停電検出回路は、入力電源系の1次側回路と直流電源系の2次側回路とが、第1のフォトカプラによって絶縁された構成を有する。特許文献1において、入力電源が停電検出電圧レベル以上あるときは、第1のフォトカプラがONとなって2次側回路にローレベルの出力がなされる。入力電源が停電あるいは停電検出電圧レベルまで低下すると、第1のフォトカプラがOFFとなって2次側回路にハイレベルの出力がなされる。
【0003】
特許文献2には、交流電源の波形に同期したパルスを発生する電源周波数検出回路が開示されている。特許文献2の電源周波数検出回路において、2個のフォトカプラに含まれる発光ダイオードは並列に接続され、2個のフォトカプラに含まれるフォトトランジスタは直列に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-17111号公報
【特許文献2】特開2019-21959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
監視回路に含まれる素子が故障した場合、交流電源の監視の継続が困難となる場合がある。例えば、特許文献1の第1のフォトカプラが故障した場合、特許文献1の停電検出回路は停電の検出を継続することができない。また、特許文献2の電源周波数検出回路では、電源周波数検出回路に含まれる2個のフォトカプラのいずれが故障しても、電源周波数の検出を継続することができない。
【0006】
かかる課題に鑑み、本開示は、交流電源の監視をより確実に継続させるために、監視回路の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の監視回路は、交流電圧を監視する監視回路であって、前記交流電圧が入力される1次側回路と、前記交流電圧に応じた周期のパルス信号が出力される2次側回路と、前記交流電圧を前記パルス信号に変換する複数の変換部と、を備え、複数の前記変換部は、前記1次側回路に含まれている部分と前記2次側回路に含まれている部分の両方において、互いに並列に接続されている、監視回路である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、監視回路の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電力変換システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る監視回路の一例を示す回路図である。
【
図3】
図3は、
図2の監視回路の動作を説明する波形図である。
【
図4】
図4は、
図2の監視回路の動作を説明する波形図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る交流電圧とデューティの関係を例示するグラフである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る検出動作を例示するフローチャートである。
【
図7】
図7は、変形例に係る監視回路を示す回路図である。
【
図8】
図8は、変形例に係る監視回路を示す回路図である。
【
図9】
図9は、変形例に係る監視回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態には、その要旨として、少なくとも以下のものが含まれる。
【0011】
(1)本開示の監視回路は、交流電圧を監視する監視回路であって、前記交流電圧が入力される1次側回路と、前記交流電圧に応じた周期のパルス信号が出力される2次側回路と、前記交流電圧を前記パルス信号に変換する複数の変換部と、を備え、複数の前記変換部は、前記1次側回路に含まれている部分と前記2次側回路に含まれている部分の両方において、互いに並列に接続されている、監視回路である。
【0012】
このように構成することで、複数の変換部のうち少なくとも1つが故障しても、残りの正常な変換部においてパルス信号の出力を継続することができる。このため、監視回路は交流電圧の監視を継続することができ、監視回路の信頼性を向上させることができる。
【0013】
(2)前記(1)の監視回路において、複数の前記変換部は、第1変換部と、第2変換部と、を含んでもよい。この場合、前記第1変換部は、前記1次側回路に含まれ、第1閾値以上の正極性の前記交流電圧が印加された場合に出力を行う第1素子と、前記2次側回路に含まれ、前記第1素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第1トランジスタと、を含んでもよく、前記第2変換部は、前記1次側回路において前記第1素子と並列に接続され、第2閾値以下の負極性の前記交流電圧が印加された場合に出力を行う第2素子と、前記2次側回路において前記第1トランジスタと並列に接続され、前記第2素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第2トランジスタと、を含んでもよく、前記パルス信号は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのそれぞれのエミッタが互いに接続する第1接続点、又は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのそれぞれのコレクタが互いに接続する第2接続点、から出力されてもよい。
【0014】
このように構成することで、第1変換部及び第2変換部のうち一方の変換部が故障しても、他方の変換部においてパルス信号の出力を継続することができる。このため、例えば、監視回路の修理を待つ間も、監視回路は交流電圧の監視を継続することができる。このように、第1変換部及び第2変換部を冗長に設けることで、監視回路の信頼性を向上させることができる。
【0015】
(3)前記(2)に記載の監視回路において、前記1次側回路は、前記第1素子に直列に接続される1個又は複数の第1抵抗と、前記第2素子に直列に接続され、1個又は複数の前記第1抵抗に並列に接続される1個又は複数の第2抵抗と、を含んでもよい。
【0016】
1個又は複数の第1抵抗と、1個又は複数の第2抵抗と冗長に設けることで、監視回路の信頼性を向上させることができる。
【0017】
(4)前記(3)の監視回路において、前記1次側回路は、複数の前記第1抵抗と、複数の前記第2抵抗と、を含んでもよい。この場合、前記第1素子の第1端は、前記1次側回路のうち非接地側電線に接続し、前記第1素子の第2端は、前記1次側回路のうち接地側電線に接続しており、前記第2素子の第3端は、前記1次側回路のうち非接地側電線に接続し、前記第2素子の第4端は、前記1次側回路のうち接地側電線に第4端を接続しており、複数の前記第1抵抗は、前記第1素子の前記第1端及び前記第2端の両方にそれぞれ少なくとも1個ずつ、直列に接続されてもよく、複数の前記第2抵抗は、前記第2素子の前記第3端及び前記第4端の両方にそれぞれ少なくとも1個ずつ、直列に接続されてもよい。
【0018】
このように構成することで、正極性及び負極性の両方のサージ電流から第1素子及び第2素子を保護することができる。
【0019】
(5)前記(2)から前記(4)のいずれかの監視回路において、前記第1素子及び前記第2素子は、それぞれ発光ダイオードであり、前記第1トランジスタは、前記第1素子の発光によりコレクタとエミッタとが通電するフォトトランジスタであってもよく、前記第2トランジスタは、前記第2素子の発光によりコレクタとエミッタとが通電するフォトトランジスタであってもよい。
【0020】
このように構成することで、1次側回路と2次側回路とを絶縁した状態で、交流電圧の監視を行うことができる。
【0021】
(6)前記(2)から前記(4)のいずれかの監視回路において、前記第1素子及び前記第2素子は、それぞれオペアンプであり、前記第1トランジスタは、前記第1素子の出力によりコレクタとエミッタとが通電するトランジスタであってもよく、前記第2トランジスタは、前記第2素子の出力によりコレクタとエミッタとが通電するトランジスタであってもよい。
【0022】
このように構成することで、1次側回路と2次側回路とを非絶縁とした状態で、交流電圧の監視を行うことができる。
【0023】
(7)前記(1)の監視回路において、前記交流電圧は、第1交流電源、第2交流電源及び第3交流電源から供給される3相の電圧であり、複数の前記変換部は、第1変換部と、第2変換部と、第3変換部と、を含んでもよい。
この場合、前記第1変換部は、前記1次側回路に含まれ、前記第1交流電源により所定極性であり、かつ絶対値が所定の閾値以上の電圧が印加された場合に、出力を行う第1素子と、前記2次側回路に接続含まれ、前記第1素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第1トランジスタと、を含み、前記第2変換部は、前記1次側回路において前記第1素子と並列に接続され、前記第2交流電源により前記所定極性であり、かつ絶対値が前記所定の閾値以上の電圧が印加された場合に、出力を行う第2素子と、前記2次側回路において前記第1トランジスタと並列に接続され、前記第2素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第2トランジスタと、を含み、前記第3変換部は、前記1次側回路において前記第1素子及び前記第2素子と並列に接続され、前記第3交流電源により前記所定極性であり、かつ絶対値が前記所定の閾値以上の電圧が印加された場合に、出力を行う第3素子と、前記2次側回路において前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタと並列に接続され、前記第3素子の出力により、コレクタとエミッタとが通電する第3トランジスタと、を含んでもよい。
また、前記パルス信号は、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタのそれぞれのエミッタが互いに接続する第1接続点、又は、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタのそれぞれのコレクタが互いに接続する第2接続点、から出力されてもよい。
【0024】
このように構成することで、第1変換部、第2変換部及び第3変換部のうち1個又は2個の変換部が故障しても、残りの変換部においてパルス信号の出力を継続することができる。このため、例えば、監視回路の修理を待つ間も、監視回路は交流電圧の監視を継続することができる。このように、第1変換部、第2変換部及び第3変換部を冗長に設けることで、監視回路の信頼性を向上させることができる。
【0025】
(8)前記(2)から前記(6)のいずれかの監視回路において、前記パルス信号の周波数が前記交流電圧の周波数と等しい場合に、前記第1素子又は前記第2素子が故障していることを検出する検出部をさらに備えてもよい。
【0026】
このように構成することで、第1素子又は第2素子が故障していることを検出することができ、監視回路の保守点検をより円滑に行うことができる。
【0027】
(9)前記(8)の監視回路において、前記検出部は、前記パルス信号のデューティに基づいて、前記交流電圧の実効値を取得してもよい。
【0028】
このように構成することで、交流電圧の実効値を取得することができる。
【0029】
(10)前記(9)の監視回路において、前記検出部は、前記パルス信号の周波数が前記交流電圧の周波数の1倍又は2倍であり、かつ前記実効値が、前記交流電圧が維持すべき下限値以上である場合に、前記交流電圧を提供する電力系統が正常であると判定してもよい。
【0030】
このように構成することで、電力系統の状態をより好適に判定することができる。
【0031】
(11)前記(10)の監視回路において、前記検出部は、前記交流電圧の周期よりも長い所定期間の間、前記パルス信号がハイレベル又はローレベルに維持される場合に、前記電力系統が停電していると判定してもよく、前記実効値が、前記下限値未満である場合に、前記電力系統が低電圧状態であると判定してもよい。
【0032】
このように構成することで、電力系統が停電しているか否かだけでなく、電力系統が低電圧状態にあるか否かを加味して、電力系統の状態を判定することができる。
【0033】
(12)前記(11)の監視回路において、前記電力系統と負荷とを接続及び遮断するリレー回路を制御する制御部をさらに備えてもよい。この場合、前記制御部は、前記検出部が前記電力系統が正常であると判定した場合に、前記電力系統と前記負荷とを接続するように前記リレー回路を制御してもよく、前記検出部が前記電力系統が停電し又は低電圧状態であると判定した場合に、前記電力系統と前記負荷とを遮断するように前記リレー回路を制御してもよい。
【0034】
このように構成することで、電力系統の状態に応じて、リレー回路を制御することができる。
【0035】
(13)本開示の電力変換システムは、前記(12)の監視回路と、前記リレー回路と、直流電源から提供される直流の電力を交流に変換して前記電力系統又は負荷に供給し、前記電力系統から提供される交流の電力を直流に変換して前記直流電源に供給する電力変換装置と、を備え、前記電力変換装置は、前記電力系統と前記負荷とが前記リレー回路によって遮断されている場合に、前記直流電源から提供される直流の電力を交流に変換して前記負荷に供給する、電力変換システムである。
【0036】
このように構成することで、電力系統の状態に応じて、適宜、自立運転を行うことができる。
【0037】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の監視回路及び電力変換システムの具体例について、図面を参照して説明する。
【0038】
[1.実施形態が解決しようとする課題]
[1.1 従来の回路構成]
はじめに、実施形態が解決しようとする課題を
図11及び
図12を参照して説明する。
図11は、従来の監視回路90を示す回路図である。
図11の回路図は、特許文献2に示される電源周波数検出回路である。
図12は、
図11の監視回路90の動作を説明する波形図である。
【0039】
監視回路90は、入力端子T91,T92間に印加される交流電圧Vinをパルス信号Voutに変換する回路である。監視回路90は、2個の抵抗R91,R92と2個のフォトカプラPC91,PC92とで構成されている。
【0040】
2個のフォトカプラPC91,PC92に含まれる発光ダイオードD91,D92は、1次回路(交流電圧Vinが印加される回路)において極性を逆にした状態で並列に接続されている。
【0041】
2個のフォトカプラPC91,PC92に含まれるフォトトランジスタTr91,Tr92は2次回路(パルス信号Voutが出力される回路)において直列に接続されている。フォトトランジスタTr91のコレクタには電圧V1が印加され、フォトトランジスタTr91のエミッタはフォトトランジスタTr92のコレクタに接続されている。フォトトランジスタTr92のエミッタは共通電位点に接続されている。パルス信号Voutは、フォトトランジスタTr91のエミッタと、フォトトランジスタTr92のコレクタと、の接続点から出力される。
【0042】
図12において(a)は入力される交流電圧Vinを示し、(b)は出力されるパルス信号Voutを示す。例えば、入力端子T91,T92間に所定の第1閾値Th91以上の正極性の交流電圧Vinが印加されると、発光ダイオードD92に電流が流れずに発光ダイオードD91に電流が流れ、フォトトランジスタTr92はOFFの状態でフォトトランジスタTr91がONとなる。これにより、パルス信号Voutとして電圧V1が出力され、静電容量C9には電圧V1に基づく電荷が充電される。
【0043】
一方で、入力端子T91,T92間に所定の第2閾値Th92以下の負極性の交流電圧Vinが印加されると、発光ダイオードD91に電流が流れずに発光ダイオードD92に電流が流れ、フォトトランジスタTr91はOFFの状態でフォトトランジスタTr92がONとなる。これにより、パルス信号Voutとしてゼロ電圧(0V)が出力され、静電容量C9に充電された電荷が放電される。
【0044】
以上の動作により、監視回路90は、交流電圧Vinの極性に応じて2個のフォトカプラPC91,PC92が交互にONとなることで、交流電圧Vinの周波数と同じ周波数のパルス信号Voutを出力する。
【0045】
[1.2 従来回路の課題]
監視回路90に含まれる素子が故障すると、交流電圧Vinの監視を継続することができなくなる。2個のフォトカプラPC91,PC92は2次回路において直列接続されているため、2個のフォトカプラPC91,PC92の少なくとも一方が故障すると、パルス信号Voutは電圧V1又はゼロ電圧で一定となり、パルス出力がなされなくなる。
【0046】
また、2個の抵抗R91,R92の少なくとも一方が故障(例えば、開放故障)すると、2個のフォトカプラPC91,PC92のいずれにも交流電圧Vinが印加されないため、パルス信号Voutは電圧V1で一定となり、パルス出力がなされなくなる。
【0047】
このように、従来の監視回路90では、複数の素子(2個のフォトカプラPC91,PC92と、2個の抵抗R91,R92)のうち1個の素子が故障した場合に、交流電圧Vinの監視を継続することが困難となっていた。
【0048】
そこで、本実施形態の監視回路10では、2個のフォトカプラPC1,PC2を1次回路11及び2次回路12の両方において並列に接続するとともに、複数の抵抗R11,R12,R13,R21,R22,R23を1次回路11において並列に接続する。これにより、故障に対する素子の冗長性を高めることで、監視回路10の信頼性を向上させる。
【0049】
以下、本実施形態の電力変換システム1について説明する。
【0050】
[2.電力変換システム1]
[2.1 電力変換システム1の構成]
図1は、実施形態に係る電力変換システム1の構成例を示す図である。
電力変換システム1は、電力系統50から提供される交流電圧Vinを監視するシステムである。より具体的には、電力変換システムは電力系統50の状態(例えば、停電及び復電)を監視する。電力系統50は、例えば商用の電力系統であるが、その他の電力系統であってもよい。電力変換システム1は、監視回路10と、リレー回路20と、電力変換装置30と、直流電源40と、を備える。
【0051】
リレー回路20は、接点21と、コイル22とを有する。監視回路10はコイル22への電流供給によって、接点21の開閉を制御する。
【0052】
電力変換装置30は、例えば双方向インバータ回路を含む。電力変換装置30は、直流電源40から提供される直流の電力を系統連系可能な交流に変換する。また、電力変換装置30は、電力系統50から提供される交流の電力を直流に変換する。
【0053】
直流電源40は、例えば蓄電装置である。この場合、直流電源40は、リチウムイオン電池であってもよいし、その他の蓄電池であってもよい。なお、直流電源40は、太陽電池であってもよいし、蓄電装置と太陽電池の組合せであってもよい。直流電源40が蓄電装置を含む場合、電力変換装置30により変換された直流の電力又は太陽電池により発電された電力によって充電される。
【0054】
電力変換システム1は、需要家(例えば、一般家庭、工場)に設置されている負荷60へ、電力系統50の電力又は直流電源40の電力を供給する。監視回路10は、電力系統50の状態を監視し、電力系統50が正常に動作している場合には、リレー回路20を閉じることで電力系統50から負荷60へ電力を供給する。
【0055】
一方で、監視回路10は、電力系統50が停電している場合に、リレー回路20を開くことで負荷60から電力系統50を切り離す。この状態において、電力変換装置30は直流電源40の直流電力を交流電力に変換して負荷60に供給する。これにより、負荷60は電力系統50の停電時においても電力の供給を受けることができる(自立運転)。
【0056】
その後、監視回路10が電力系統50の復電を検出すると、監視回路10はリレー回路20を閉じることで、電力系統50から負荷60への電力供給を再開する。なお、電力系統50から負荷60への電力供給と並行して、直流電源40及び電力変換装置30から負荷60へ電力を供給してもよい。
【0057】
[2.2 監視回路10の構成]
図2は、実施形態に係る監視回路10の一例を示す回路図である。
監視回路10は、入力端子T1,T2間に印加される電力系統50の交流電圧Vinをパルス信号Voutに変換する回路である。監視回路10は、交流電圧Vinが印加される1次側回路11と、交流電圧Vinに応じた周期のパルス信号Voutを出力する2次側回路12と、交流電圧Vinをパルス信号Voutに変換する複数の変換部PC1,PC2と、を備える。後述するように、複数の変換部PC1,PC2は、1次側回路11に含まれている部分と2次側回路12に含まれている部分の両方において、互いに並列に接続されている。
【0058】
複数の変換部PC1,PC2は、第1変換部PC1と、第2変換部PC2と、を含む。第1変換部PC1及び第2変換部PC2は、それぞれフォトカプラである。この場合において、1次側回路11と2次側回路12は第1変換部PC1及び第2変換部PC2によって絶縁されている。
【0059】
第1変換部PC1(以下、「フォトカプラPC1」と称する。)は、1次側回路11に含まれている第1素子D12(本例では発光ダイオードであり、以下「発光ダイオードD12」と称する。)と、2次側回路12に含まれている第1トランジスタTr1(本例ではフォトトランジスタであり、以下「フォトトランジスタTr1」と称する。)とを含む。発光ダイオードD12への逆電圧の印加を抑制するために、発光ダイオードD11が発光ダイオードD12に対して逆並列に接続されている。
【0060】
第2変換部PC2(以下、「フォトカプラPC2」と称する。)は、1次側回路11に含まれている第2素子D22(本例では発光ダイオードであり、以下「発光ダイオードD22」と称する。)と、2次側回路12に含まれている第2トランジスタTr2(本例ではフォトトランジスタであり、以下「フォトトランジスタTr2」と称する。)とを含む。発光ダイオードD22への逆電圧の印加を抑制するために、発光ダイオードD21が発光ダイオードD22に対して逆並列に接続されている。
【0061】
フォトカプラPC2は、フォトカプラPC1に対して、1次側回路11及び2次側回路12の両方において並列に接続されている。具体的には、フォトカプラPC2の発光ダイオードD22は、フォトカプラPC1の発光ダイオードD12に対して極性を逆にした状態で並列に接続されている。すなわち、発光ダイオードD12のカソードが発光ダイオードD22のアノードに接続され、発光ダイオードD12のアノードが発光ダイオードD22のカソードに接続されている。
【0062】
また、フォトカプラPC2のフォトトランジスタTr2は、フォトカプラPC1のフォトトランジスタTr1に対して並列に接続されている。すなわち、フォトトランジスタTr2のコレクタがフォトトランジスタTr1のコレクタに接続され、フォトトランジスタTr2のエミッタがフォトトランジスタTr1のエミッタに接続されている。
【0063】
1次側回路11は、6個の抵抗R11,R12,R13,R21,R22,R23を含む。
図2の例において、発光ダイオードD12のアノード(第1素子の第1端)は1次側回路11の非接地側(入力端子T1側)の電線に接続され、発光ダイオードD12のカソード(第1素子の第2端)は1次側回路11の接地側(入力端子T2側)の電線に接続されている。抵抗R11は、発光ダイオードD12のアノードに直列に接続されている。抵抗R12は、発光ダイオードD12のカソードに直列に接続されている。このように発光ダイオードD12に直列に接続される2個の抵抗R11,R12は、電力系統50のサージ電流がフォトカプラPC1に流れることを抑制する「電流制限抵抗」であり、本開示の「第1抵抗」の一例である。このため、2個の抵抗R11,R12としては、フォトカプラPC1の特性に応じて、比較的高い抵抗値(例えば、200kΩ)の抵抗がそれぞれ選択される。
【0064】
抵抗R13は、発光ダイオードD12に対して並列に接続されている。抵抗R13は、フォトカプラPC1がONとなる(すなわち、発光ダイオードD12が発光する)閾値となる電圧を決定する「閾値決定抵抗」である。抵抗R13としては、フォトカプラPC1の特性及び交流電圧Vinの実効値に応じて、適宜の抵抗値(例えば、2.7kΩ)の抵抗が選択される。2個の抵抗R11,R12の抵抗値は、抵抗R13の抵抗値よりも高い。
【0065】
2個の抵抗R21,22はフォトカプラPC2の電流制限抵抗であり、本開示の「第2抵抗」の一例である。2個の抵抗R21,22は、2個の抵抗R11,R12(第1抵抗)に対して並列に接続されている。具体的には、
図2の例において、発光ダイオードD22のカソード(第2素子の第3端)は1次側回路11の非接地側(入力端子T1側)の電線に接続され、発光ダイオードD22のアノード(第2素子の第4端)は1次側回路11の接地側(入力端子T2側)の電線に接続されている。そして、抵抗R21は、発光ダイオードD22のカソードに直列に接続されている。抵抗R22は、発光ダイオードD22のアノードに直列に接続されている。2個の抵抗R21,R22としては、2個の抵抗R11,R12と同様に、比較的高い抵抗値の抵抗がそれぞれ選択される。
【0066】
抵抗R23は、フォトカプラPC2の閾値決定抵抗であり、抵抗R13に対して平行に接続されている。具体的には、抵抗R23は、発光ダイオードD22に対して並列に接続されている。抵抗R23としては、抵抗R13と同様に、適宜の抵抗値の抵抗が選択される。
【0067】
このように、監視回路10では、フォトカプラPC2はフォトカプラPC1に対して並列に接続されるとともに、フォトカプラPC2の電流制限抵抗(抵抗R21,R22)及び閾値決定抵抗(抵抗R23)は、フォトカプラPC1の電流制限抵抗(抵抗R11,R12)及び閾値決定抵抗(抵抗R13)に対して、それぞれ並列に接続されている。
【0068】
2次側回路12は、パルス信号Voutを検出する検出部13と、検出部13の検出結果に基づいてリレー回路20を制御する制御部14と、直流の電圧V1が印加される電源線15と、パルス信号Voutの電圧を調整するための抵抗R51を含む。
【0069】
2個のフォトトランジスタTr1,Tr2のそれぞれのコレクタは、電源線15に接続されている。2個のフォトトランジスタTr1,Tr2のそれぞれのエミッタは、第1接続点X1において接続している。第1接続点X1から検出部13へパルス信号Voutを出力する線が引き出され、当該線の途中に抵抗R51の第1端が接続されている。抵抗R51の第1端の反対の第2端は、共通電位点に接続されている。
【0070】
検出部13は、論理回路(例えばロジックIC)と記憶回路(例えばメモリIC)とを含む集積回路を有する。検出部13には、交流電圧Vin及びパルス信号Voutがそれぞれ入力される。検出部13は、交流電圧Vin及びパルス信号Voutに基づいて、電力系統50の停電及び復電を検出し、その検出信号を制御部14に出力する。
【0071】
制御部14は、検出部13と同様に、論理回路と記憶回路とを含む集積回路を有する。制御部14は、検出部13から送られる検出信号に基づいて、リレー回路20を制御する。
【0072】
[2.3 監視回路10による監視方法]
次に、監視回路10が実行する監視方法を説明する。監視回路10は、電力系統50の状態及び監視回路10の状態に応じたパルス信号Voutを生成する。監視回路10の検出部13は、パルス信号Voutに基づいて、電力系統50の状態及び監視回路10の状態を判定する。以下、監視回路10が生成するパルス信号Voutについて説明した後に、検出部13における判定動作及び制御部14における制御動作について説明する。
【0073】
[2.3.1 パルス信号Voutについて]
図3は、監視回路10の動作を説明する波形図である。
図3において(a)は入力端子T1,T2及び検出部13に入力される交流電圧Vinを示し、(b)から(d)はパルス信号Voutをそれぞれ示している。
【0074】
具体的には、
図3において(b)は電力系統50が正常に動作し、かつ監視回路10の各素子が正常に動作している「通常時」のパルス信号Voutを示し、(c)は電力系統50が正常に動作し、かつフォトカプラPC2が故障している「故障時」のパルス信号Voutを示し、(d)は電力系統50が停電している「停電時」のパルス信号Voutを示している。
【0075】
はじめに、通常時のパルス信号Voutについて説明する。入力端子T1,T2間に所定の第1閾値Th1(ここで、Th1は正の値)以上の正極性の交流電圧Vinが印加されると、発光ダイオードD22に電流が流れずに発光ダイオードD12に電流が流れ、フォトトランジスタTr2はOFFの状態でフォトトランジスタTr1がONとなる。すなわち、フォトカプラPC2がOFFの状態で、フォトカプラPC1がONとなる。これにより、パルス信号Voutとして電圧V1及び抵抗R51に基づく値(ハイレベル)が出力される。
【0076】
入力端子T1,T2間に所定の第2閾値Th2(ここで、Th2は負の値)以下の負極性の交流電圧Vinが印加されると、発光ダイオードD12に電流が流れずに発光ダイオードD22に電流が流れ、フォトトランジスタTr1はOFFの状態でフォトトランジスタTr2がONとなる。すなわち、フォトカプラPC1がOFFの状態で、フォトカプラPC2がONとなる。これにより、入力端子T1,T2間に第1閾値Th1以上の正極性の交流電圧Vinが印加される場合と同様に、パルス信号Voutとして電圧V1及び抵抗R51に基づく値(ハイレベル)が出力される。
【0077】
入力端子T1,T2間に第2閾値Th2より大きく第1閾値Th1未満の交流電圧Vinが印加されると、2個の発光ダイオードD12,D22のいずれにも電流が流れず、2個のフォトトランジスタTr1,Tr2はいずれもOFFとなる。すなわち、2個のフォトカプラPC1,PC2はいずれもOFFとなる。これにより、パルス信号Voutとして共通電位点の電圧(ローレベル)が出力される。
【0078】
このように、通常時において、交流電圧Vinが正極性である場合にフォトカプラPC1がONとなり、負極性である場合にフォトカプラPC2がONとなることで、パルス信号Voutとして2個のフォトカプラPC1,PC2が交互にハイレベルを出力する。すなわち、通常時において、監視回路10は交流電圧Vinの周波数の2倍の周波数のパルス信号Voutを出力する。例えば交流電圧Vinの周波数が60Hzの場合、パルス信号Voutの周波数は120Hzとなる。
【0079】
ここで、第1閾値Th1(Th1>0)はフォトカプラPC1の閾値決定抵抗(抵抗R13)に基づいて決定される値(検出電圧)である。具体的には、第1閾値Th1は、以下の式(1)により算出される。
【0080】
Th1=Ic1×Rx1/CTR1+Vf1×(1+Rx1/R13) ・・・(1)
【0081】
ここで、
Ic1 :フォトカプラPC1の出力電流(フォトトランジスタTr1を流れる電流)
CTR1:フォトカプラPC1の電流伝達率
Vf1 :発光ダイオードD12の順電圧
Rx1 :抵抗R11と抵抗R12の和
【0082】
また、第2閾値Th2(Th2<0)はフォトカプラPC2の閾値決定抵抗(抵抗R23)に基づいて決定される値である。具体的には、第2閾値Th2は、以下の式(2)により算出される。
【0083】
Th2=-Ic2×Rx2/CTR2+Vf2×(1+Rx2/R23)・・・(2)
【0084】
ここで、
Ic2 :フォトカプラPC2の出力電流(フォトトランジスタTr2を流れる電流)
CTR2:フォトカプラPC2の電流伝達率
Vf2 :発光ダイオードD22の順電圧
Rx2 :抵抗R21と抵抗R22の和
【0085】
2個の抵抗R13,R23としては、第1閾値Th1が第2閾値Th2の絶対値と等しくなるような(Th1=|Th2|)抵抗値の抵抗が選択される。これにより、交流電圧Vinが正極性である際のパルス信号Voutのデューティと、交流電圧Vinが負極性である際のパルス信号Voutのデューティとを揃えることができるため、より安定したパルス信号Voutを出力することができる。
【0086】
次に、故障時のパルス信号Voutについて説明する。本例において、フォトカプラPC1及び3個の抵抗R11,R12,R13は正常に動作する。このため、入力端子T1,T2間に第1閾値Th1以上の正極性の交流電圧Vinが印加される場合、通常時と同様にフォトカプラPC2がOFFの状態で、フォトカプラPC1がONとなる。これにより、パルス信号Voutとしてハイレベルが出力される。
【0087】
フォトカプラPC2の故障は、例えば発光ダイオードD22の短絡故障である。この場合、発光ダイオードD22は発光しなくなるため、フォトカプラPC2に第2閾値Th2以下の負極性の交流電圧Vinが印加されても、フォトカプラPC2はOFFの状態に維持される。このため、入力端子T1,T2間に第2閾値Th2以下の負極性の交流電圧Vinが印加される場合、2個のフォトカプラPC1,PC2のいずれもOFFとなる。これにより、パルス信号Voutとして共通電位点の電圧(ローレベル)が出力される。
【0088】
このように、故障時では、フォトカプラPC2がOFFの状態に維持されるため、交流電圧Vinが正極性である場合に限ってフォトカプラPC1がパルス信号Voutとしてハイレベルを出力する。すなわち、故障時において、監視回路10は交流電圧Vinの周波数と同じ周波数のパルス信号Voutを出力する。例えば交流電圧Vinの周波数が60Hzの場合、パルス信号Voutの周波数は60Hzとなる。
【0089】
なお、上記では故障時としてフォトカプラPC2の故障を例に挙げて説明したが、3個の抵抗R21,R22,R23の少なくとも1個が以下のように故障した場合にも、
図3の(c)に示すパルス信号Voutとなる。例えば、2個の抵抗R21,R22の少なくとも1個が開放故障した場合、フォトカプラPC2に電流が流れなくなるため、フォトカプラPC2はOFFの状態に維持される。また、抵抗R23が短絡故障した場合も、フォトカプラPC2に電流が流れなくなるため、フォトカプラPC2はOFFの状態に維持される。
【0090】
また、フォトカプラPC2及び3個の抵抗R21,R22,R23が正常に動作し、フォトカプラPC1及び3個の抵抗R11,R12,R13の少なくとも1個が故障した場合、フォトカプラPC1がOFFの状態に維持されるため、交流電圧Vinが負極性である場合に限ってフォトカプラPC2がパルス信号Voutとしてハイレベルを出力する。この場合も、監視回路10は交流電圧Vinの周波数と同じ周波数のパルス信号Voutを出力する。
【0091】
次に、停電時のパルス信号Voutについて説明する。電力系統50が停電している状態は、交流電圧Vinが全くのゼロ電圧となっている状態の他に、交流電圧Vinの実効値が所定値Z1よりも小さい状態(極低電圧状態)も含む。極低電圧状態は、具体的には、交流電圧Vinの正極性におけるピーク電圧が第1閾値Th1未満であり、かつ交流電圧Vinの負極性におけるピーク電圧が第2閾値Th2より大きい状態である。
【0092】
停電時において、2個のフォトカプラPC1,PC2はいずれもOFFの状態に維持される。これにより、
図3の(d)に示すように、パルス信号Voutとして共通電位点の電圧(ローレベル)が出力される。
【0093】
次に、交流電圧Vinが極低電圧状態の電圧よりも高い一方で、通常時の電圧に満たない状態(低電圧状態)におけるパルス信号Voutを説明する。
【0094】
図4は、低電圧状態における監視回路10の動作を説明する波形図である。
図4の(a)では、低電圧状態における交流電圧Vin(=Vin2)を実線により示し、通常時における交流電圧Vin(=Vin1)を破線により示している。日本国では、交流電圧Vinが維持すべき下限値Z2は、例えば電気事業法等の法律によって規定されている。例えば、交流電圧Vinの標準電圧が100Vである場合、下限値Z2は95Vであり、交流電圧Vinの標準電圧が200Vである場合、下限値Z2は182Vである。
【0095】
なお、余裕をみて、下限値Z2を法律の規定よりも高い値としてもよい。例えば、交流電圧Vinの標準電圧が100Vである場合に、下限値Z2を95Vよりも大きい値(例えば、97V)とし、交流電圧Vinの標準電圧が200Vである場合に、下限値Z2を182Vよりも大きい値(例えば、190V)としてもよい。
【0096】
本実施形態において、低電圧状態とは、交流電圧Vinの実効値が、下限値Z2よりも低く、所定値Z1(極低電圧状態における交流電圧Vinの実効値)以上である状態を意味する。例えば、通常時における交流電圧Vinの実効値が202Vである場合、低電圧状態における交流電圧Vinの実効値は182V未満かつ所定値Z1以上である。
【0097】
図4において(b)は、電力系統50が低電圧状態であり、かつ監視回路10の各素子が正常に動作している「低電圧時」のパルス信号Voutを示す。低電圧時の監視回路10の動作は、基本的には通常時の監視回路10の動作と同様である。但し、交流電圧Vinの実効値が通常時よりも低いため、正極性において交流電圧Vinが第1閾値Th1以上となる期間と、負極性において交流電圧Vinが第2閾値Th2以下となる期間とが、それぞれ通常時よりも短い。これにより、通常時と比べて、2個のフォトカプラPC1,PC2がそれぞれONとなる期間が短くなり、デューティが小さくなる。
【0098】
図5は、監視回路10に入力される交流電圧Vinの実効値と、監視回路10において出力されるパルス信号Voutのデューティとの関係を例示するグラフである。
図5において、横軸が交流電圧Vinの実効値であり、縦軸がパルス信号Voutのデューティである。
【0099】
図5に示すように、交流電圧Vinの実効値が大きくなるほど、パルス信号Voutのデューティは大きくなる。すなわち、パルス信号Voutのデューティに基づいて、交流電圧Vinの実効値を推定することができる。
【0100】
例えば、
図5のグラフに示す複数のプロットPLを試験により実測する。その後、複数のプロットPLを示す関数F1を算出する。関数F1は、複数のプロットPLを近似的に示していればよく、1次関数であってもよいし、2次関数であってもよいし、階段関数であってもよい。関数F1は、線形回帰によって算出されてもよいし、移動平均によって算出されてもよい。関数F1は、例えば検出部13の記憶回路に記憶される。
【0101】
[2.3.2 検出部13における判定動作]
次に、検出部13における判定動作を説明する。
図6は、検出部13(具体的には、検出部13の論理回路)が実行する検出動作を例示するフローチャートである。
【0102】
検出部13は、はじめにパルス信号Voutがハイレベル出力を含むか否か監視する(ステップS11)。例えば、検出部13は、通常時における交流電圧Vinの周期よりも充分に長い所定期間の間(例えば1秒間)、入力されたパルス信号Voutがローレベルのまま維持されている場合(ステップS11のNO)、電力系統50が停電している状態であると判定し(停電判定:ステップS12)、検出動作を終了する。
【0103】
入力されたパルス信号Voutにハイレベル出力が含まれる場合(ステップS11のYES)、検出部13はパルス信号Voutのデューティを取得する(ステップS13)。そして、検出部13は取得したデューティと関数F1とに基づいて、交流電圧Vinの実効値を取得する(ステップS14)。関数F1は、デューティを変数とし、交流電圧Vinの実効値を解とする。このため、検出部13は取得したデューティを関数F1に代入することで、交流電圧Vinの実効値を算出する。
【0104】
次に、検出部13は、取得した交流電圧Vinの実効値が、交流電圧Vinが維持すべき下限値Z2以上であるか否かを監視する(ステップS15)。交流電圧Vinの実効値が下限値Z2未満である場合(ステップS15のNO)、検出部13は電力系統50が低電圧状態であると判定して(低電圧判定:ステップS16)、次のステップS17に進む。交流電圧Vinの実効値が下限値Z2以上である場合(ステップS15のYES)、検出部13はステップS16をスキップして、次のステップS17に進む。
【0105】
続いて、検出部13は、パルス信号Voutの周波数FR2と、通常時における交流電圧Vinの周波数FR1とを比較する(ステップS17)。ここで、通常時における交流電圧Vinの周波数FR1は、検出部13の記憶回路に記憶されている。検出部13の論理回路は、記憶回路から周波数FR1を読み出して、入力されたパルス信号Voutの周波数FR2と比較する。
【0106】
パルス信号Voutの周波数FR2が交流電圧Vinの周波数FR1の2倍である場合(FR2=2×FR1)、検出部13は検出動作を終了する。
【0107】
パルス信号Voutの周波数FR2が交流電圧Vinの周波数FR1の1倍である場合(FR2=FR1)、検出部13は監視回路10に含まれる素子に故障があると判定して(故障判定:ステップS18)、検出動作を終了する。
【0108】
故障判定(ステップS18)において、検出部13は監視回路10のうち故障した素子を推定してもよい。例えば、検出部13は入力される交流電圧Vinが所定の極性となる期間と、パルス信号Voutがローレベルに維持される期間とを比較する。交流電圧Vinが負極性の際にパルス信号Voutがローレベルに維持される場合、通常時にはONとなるべきフォトカプラPC2がOFFとなっている。このため、検出部13は、監視回路10のうちフォトカプラPC2及び3個の抵抗R21,R22,R23の少なくともひとつが故障していると判定する。
【0109】
また、交流電圧Vinが正極性の際にパルス信号Voutがローレベルに維持される場合、通常時にはONとなるべきフォトカプラPC1がOFFとなっている。このため、検出部13は、監視回路10のうちフォトカプラPC1及び3個の抵抗R11,R12,R13の少なくともひとつが故障していると判定する。
【0110】
パルス信号Voutの周波数FR2が交流電圧Vinの周波数FR1の2倍でもなく、1倍でもない場合(FR2≠2×FR1かつFR2≠FR1)、検出部13は監視回路10又は電力系統50に異常が発生していると判定して(異常判定:ステップS19)、検出動作を終了する。例えば、2個のフォトトランジスタTr1,Tr2の少なくともひとつが常にONとなる故障が生じると、パルス信号Voutはハイレベル出力に維持されるため、パルス信号Voutの周波数FR2が測定不能となる。このような場合に、検出部13は異常判定を実行する。
【0111】
検出動作の終了の際に、停電判定、低電圧判定及び異常判定のいずれの判定もなされていない場合、検出部13は電力系統50が正常であると判定してもよい(正常判定)。
【0112】
以上により、検出部13は、電力系統50の状態(停電、低電圧、異常又は正常)と、監視回路10の状態(故障、異常、又は正常)とを検出することができる。検出部13は、これらの判定結果を制御部14に出力する。
【0113】
[2.3.3 制御部14における制御動作]
検出部13が停電判定、低電圧判定又は異常判定を実行した場合、制御部14はリレー回路20を開くことで、電力系統50と負荷60とを遮断する。検出部13が停電判定、低電圧判定及び異常判定のいずれも実行していない場合、又は検出部13が正常判定を実行した場合(すなわち、電力系統50が正常に動作している場合)、制御部14はリレー回路20を閉じることで、電力系統50を負荷60に接続する。
【0114】
検出部13が故障判定又は異常判定を実行した場合、制御部14は図示省略する通信部から判定結果を監視回路10の外部に送信する。例えば、制御部14は電力変換システム1の保守点検を担当する管理者、又は電力変換システム1を使用するユーザの端末(例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末)へ判定結果を送信する。管理者又はユーザは、端末において受信した判定結果に基づいて、監視回路10の保守点検を行う。
【0115】
[2.4 電力変換システム1の作用効果]
監視回路10では、フォトカプラPC2はフォトカプラPC1に対して1次側回路11及び2次側回路12の両方において並列に接続されているため、2個のフォトカプラPC1,PC2のうち一方のフォトカプラが故障しても、
図3の(c)に示すように、他方のフォトカプラにおいてパルス信号Voutの出力を継続することができる。このため、例えば、監視回路10の修理を待つ間も、監視回路10は電力系統50が停電しているか否かの監視を継続することができる。このように、2個のフォトカプラPC1,PC2を冗長に設けることで、監視回路10の信頼性を向上させることができる。
【0116】
また、監視回路10では、フォトカプラPC2の電流制限抵抗(抵抗R21,R22)及び閾値決定抵抗(抵抗R23)が、フォトカプラPC1の電流制限抵抗(抵抗R11,R12)及び閾値決定抵抗(抵抗R13)に対してそれぞれ並列に接続されている。このため、これら6個の抵抗R11,R12,R13,R21,R22,R23のうちいずれか1個が故障しても、一方のフォトカプラ(PC1又はPC2)においてパルス信号Voutの出力を継続することができる。すなわち、監視回路10では、2個のフォトカプラPC1,PC2だけでなく、6個の抵抗R11,R12,R13,R21,R22,R23にも冗長性を持たせている。この結果、電力系統50が停電しているか否かの監視をより確実に継続することができるため、監視回路10の信頼性をより向上させることができる。
【0117】
また、監視回路10では、2個の抵抗R11,R12が、発光ダイオードD12の両端(第1端及び第2端)にそれぞれ1個ずつ直列に接続されている。これにより、正極性及び負極性の両方のサージ電流から発光ダイオードD12を保護することができる。なお、発光ダイオードD12の両端にそれぞれ直列に接続される抵抗は、少なくとも1個ずつあればよく、2個以上であってもよい。例えば、抵抗R11に代えて、2個の抵抗が発光ダイオードD12のアノードに直列に接続されてもよい。
【0118】
また、監視回路10では、2個の抵抗R21,R22が、発光ダイオードD22の両端(第3端及び第4端)にそれぞれ1個ずつ直列に接続されている。これにより、正極性及び負極性の両方のサージ電流から発光ダイオードD22を保護することができる。なお、発光ダイオードD22の両端にそれぞれ直列に接続される抵抗は、少なくとも1個ずつであればよく、2個以上であってもよい。
【0119】
また、監視回路10では、第1素子PC1及び第2素子PC2として、それぞれフォトカプラを用いるため、1次側回路11と2次側回路12とを絶縁した状態で、交流電圧Vinの監視を行うことができる。
【0120】
ここで、電力系統50は一旦停電した後、復電する際に、正常動作に戻る前のある程度の期間、低電圧状態となる場合がある。この場合、低電圧状態の電力系統50に負荷60を接続すると、負荷60の動作が不安定となるおそれがある。このため、負荷60は電力系統50が正常に動作している状態で(すなわち、電圧が通常時に戻った状態で)電力系統50に接続することが好適である。
【0121】
監視回路10では、パルス信号Voutのデューティに基づいて、交流電圧Vinを算出することで、電力系統50の停電判定だけでなく、電力系統50が低電圧状態にあるか否かを判定することができる。このため、電力変換システム1によれば、電力系統50が復電し、かつ正常動作に戻った後に(すなわち、低電圧判定がなされなくなった後に)負荷60を電力系統50に接続することができるため、負荷60をより安定的に使用することができる。
【0122】
[3.変形例]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述した形態以外にも種々の変更を行うことが可能である。以下、本開示の実施形態に係る変形例について説明する。以下の変形例において、実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0123】
[3.1 変形例に係る監視回路10a]
実施形態に係る監視回路10では、2個のフォトカプラPC1,PC2を並列に接続することで2個のフォトカプラPC1,PC2に冗長性を持たせるとともに、2個のフォトカプラPC1,PC2の電流制限抵抗及び閾値決定抵抗をそれぞれ並列に接続することで、これらの抵抗にも冗長性を持たせている。
【0124】
しかしながら、2個のフォトカプラPC1,PC2は、電流制限抵抗及び閾値決定抵抗を共用してもよい。すなわち、監視回路10において、2個のフォトカプラPC1,PC2の電流制限抵抗及び閾値決定抵抗は、並列に接続されていなくてもよい。
【0125】
図7は、変形例に係る監視回路10aを示す回路図である。監視回路10aは、6個の抵抗R11,R12,R13,R21,R22,R23に代えて、3個の抵抗R1,R2,R3が1次側回路11aに設けられている点で、実施形態の監視回路10と相違し、その他の点は共通する。
【0126】
2個の抵抗R1,R2は、2個のフォトカプラPC1,PC2にそれぞれ直列に接続されている。2個の抵抗R1,R2は、フォトカプラPC1の電流制限抵抗として機能するとともに、フォトカプラPC2の電流制限抵抗として機能する。
【0127】
具体的には、抵抗R1の第1端は、入力端子T1に接続されている。抵抗R1の第1端の反対の第2端は、発光ダイオードD12のアノードに直列に接続されるとともに、発光ダイオードD22のカソードに直列に接続されている。
【0128】
また、抵抗R2の第1端は、入力端子T2に接続されている。抵抗R2の第1端の反対の第2端は、発光ダイオードD12のカソードに直列に接続されるとともに、発光ダイオードD22のアノードに直列に接続されている。
【0129】
抵抗R3は、2個のフォトカプラPC1,PC2にそれぞれ並列に接続されている。抵抗R3は、フォトカプラPC1の閾値決定抵抗として機能するとともに、フォトカプラPC2の閾値決定抵抗として機能する。
【0130】
具体的には、抵抗R3の第1端は、抵抗R1の第2端と、発光ダイオードD12のアノードと、発光ダイオードD22のカソードと、にそれぞれ接続されている。抵抗R3の第1端の反対の第2端は、抵抗R2の第2端と、発光ダイオードD12のカソードと、発光ダイオードD22のアノードと、にそれぞれ接続されている。
【0131】
監視回路10aでは、監視回路10と同様に、フォトカプラPC2はフォトカプラPC1に対して1次側回路11及び2次側回路12の両方において並列に接続されている。このため、2個のフォトカプラPC1,PC2のうち一方のフォトカプラが故障しても、監視回路10aは電力系統50が停電しているか否かの監視を継続することができる。
【0132】
また、監視回路10aでは、2個のフォトカプラPC1,PC2は、電流制限抵抗(抵抗R1,R2)及び閾値決定抵抗(抵抗R3)を共用するため、監視回路10と比べて使用する抵抗の個数を減らすことができる。このため、監視回路10aの製造コストを低減させることができる。
【0133】
一方で、3個の抵抗R1,R2,R3のいずれかひとつが故障した場合、監視回路10aにおける電力系統50の停電監視は停止することがある。しかしながら、一般に、フォトカプラと比べて抵抗の寿命は長く、抵抗はフォトカプラよりも故障しにくいため、2個のフォトカプラPC1,PC2に冗長性を持たせるだけでも充分に監視回路10aの信頼性を向上させることができる。
【0134】
[3.2 変形例に係る監視回路10b]
実施形態に係る監視回路10では、1次側回路11から2次側回路12へ信号を伝達する複数の変換部PC1,PC2の一例として、フォトカプラを用いた。しかしながら、変換部としてはフォトカプラ以外の素子を用いてもよい。例えば、変換部は、オペアンプを含む比較器(コンパレータ)であってもよい。
【0135】
図8は、変形例に係る監視回路10bを示す回路図である。監視回路10bは、1次側回路11bと、2次側回路12bと、複数の変換部CM1,CM2と、を備える。複数の変換部CM1,CM2は、第1変換部CM1と第2変換部CM2とを含む。第1変換部CM1及び第2変換部CM2はそれぞれ比較器であり、以下では「比較器CM1」、「比較器CM2」とそれぞれ称する。監視回路10bにおいて、1次側回路11bと2次側回路12bとの間は絶縁されていない。
【0136】
1次側回路11bは、4個の抵抗R31,R32,R33,R34と、2個の発光ダイオードD1,D2と、を含む。発光ダイオードD1、抵抗R31及び抵抗R32は、この順序で、入力端子T1,T2の間に並列に接続されている。発光ダイオードD1のカソードは入力端子T1に接続され、発光ダイオードD1のアノードは抵抗R31に接続されている。発光ダイオードD1は、比較器CM1への逆電圧の印加を抑制する機能を有する。
【0137】
発光ダイオードD2、抵抗R33及び抵抗R34は、この順序で、入力端子T1,T2の間に並列に接続されている。すなわち、発光ダイオードD2、抵抗R33及び抵抗R34のセットは、発光ダイオードD1、抵抗R31及び抵抗R32のセットに対して、並列に接続されている。発光ダイオードD2のカソードは入力端子T1に接続され、発光ダイオードD2のアノードは抵抗R33に接続されている。発光ダイオードD2は、比較器CM2への逆電圧の印加を抑制する機能を有する。
【0138】
比較器CM1は、1次側回路11bに含まれているオペアンプA1と、2次側回路12bに含まれているトランジスタTr3とを含む。オペアンプA1の非反転入力T11は、抵抗R31と抵抗R32の間に接続されている。オペアンプA1の反転入力T12は、第1閾値Th1(Th1>0)の電圧を供給する直流電源を経由して、共通電位点に接続されている。オペアンプA1の出力はトランジスタTr3のベースに接続されている。
【0139】
オペアンプA1の非反転入力T11に第1閾値Th1以上の正極性の電圧が印加されると、オペアンプA1は所定の電圧を出力し、トランジスタTr3がONとなる。印加される電圧が第1閾値Th1未満の場合、オペアンプA1は所定の電圧を出力せず、トランジスタTr3はOFFのまま維持される。
【0140】
2個の抵抗R31,R32は、電力系統50のサージ電流が比較器CM1に流れることを抑制する「電流制限抵抗」であり、本開示の第1抵抗の一例である。このため、2個の抵抗R31,R32としては、比較的高い抵抗値の抵抗がそれぞれ選択される。
【0141】
比較器CM2は、1次側回路11bに含まれているオペアンプA2と、2次側回路12bに含まれているトランジスタTr4とを含む。オペアンプA2の反転入力T21は、抵抗R33と抵抗R34の間に接続されている。
【0142】
2個の抵抗R33,R34は、電力系統50のサージ電流が比較器CM2に流れることを抑制する「電流制限抵抗」であり、本開示の第2抵抗の一例である。このため、2個の抵抗R33,R34としては、比較的高い抵抗値の抵抗がそれぞれ選択される。
【0143】
オペアンプA2の非反転入力T22は、第2閾値Th2(Th2<0)の電圧を供給する直流電源を経由して、共通電位点に接続されている。オペアンプA2の出力はトランジスタTr4のベースに接続されている。
【0144】
オペアンプA2の反転入力T21に第2閾値Th2以下の負極性の電圧が印加されると、オペアンプA2は所定の電圧を出力し、トランジスタTr4がONとなる。印加される電圧が第2閾値Th2より大きい場合、オペアンプA2は所定の電圧を出力せず、トランジスタTr4はOFFのまま維持される。
【0145】
このように、オペアンプA1の非反転入力T11が入力端子T1,T2間に接続されるとともに、オペアンプA2の非反転入力T22とは反対の反転入力T21が入力端子T1,T2間に接続されている。すなわち、オペアンプA2は、オペアンプA1に対して逆並列に接続されている。
【0146】
2次側回路12bは、検出部13と、制御部14と、電源線15と、パルス信号Voutの電圧を調整するための抵抗R52と、を含む。抵抗R52は電源線15に設けられている。抵抗R52の第1端は直流の電圧V1を供給する電源に接続されている。抵抗R52の第1端の反対の第2端は第2接続点X2を経由して検出部13に接続されている。
【0147】
比較器CM2のトランジスタTr4は、比較器CM1のトランジスタTr3に対して並列に接続されている。2個のトランジスタTr3,Tr4のそれぞれのコレクタは、第2接続点X2に接続されている。2個のトランジスタTr3,Tr4のそれぞれのエミッタは、共通電位点に接続されている。このように、比較器CM2は、比較器CM1に対して1次側回路11b及び2次側回路12bの両方において並列に接続されている。
【0148】
監視回路10bにおいて、出力するパルス信号Voutの周波数FR2は実施形態の監視回路10と同様であり、パルス信号Voutのハイレベル及びローレベルは監視回路10の反対になる。
【0149】
通常時において、1次側回路11bに印加される交流電圧Vinが第2閾値Th2より大きく、かつ第1閾値Th1未満である場合、2個のトランジスタTr3,Tr4はいずれもOFFの状態に維持され、第2接続点X2は電圧V1及び抵抗R52に基づく値となる。このため、パルス信号Voutとしてハイレベルが出力される。
【0150】
第1閾値Th1以上の正極性の交流電圧Vinが1次側回路11bに印加される場合、トランジスタTr4はOFFの状態のまま、トランジスタTr3がONとなる。これにより、第2接続点X2は共通電位点の電位となる。このため、パルス信号Voutとしてローレベルが出力される。
【0151】
第2閾値Th2以下の負極性の交流電圧Vinが1次側回路11bに印加される場合、トランジスタTr3はOFFの状態のまま、トランジスタTr4がONとなる。これにより、第2接続点X2は共通電位点の電位となる。このため、パルス信号Voutとしてローレベルが出力される。
【0152】
以上により、通常時において、出力するパルス信号Voutの周波数FR2は、交流電圧Vinの周波数FR1の2倍の値となる。
【0153】
次に、オペアンプA2が故障し、第2閾値Th2以下の交流電圧Vinが1次側回路11bに印加されてもトランジスタTr4がOFFの状態のまま維持される場合を考える。この場合、第1閾値Th1以上の交流電圧Vinが1次側回路11bに印加される場合に限り、パルス信号Voutはローレベルとなり、その他の場合にはハイレベルとなる。このため、出力するパルス信号Voutの周波数FR2は、交流電圧Vinの周波数FR1と等しい値となる。
【0154】
同様に、オペアンプA1が故障した場合にも、出力するパルス信号Voutの周波数FR2は、交流電圧Vinの周波数FR1と等しい値となる。また、2個のオペアンプA1,A2の電流制限抵抗(R31,R32,R33,R34)のいずれかひとつが故障した場合にも、出力するパルス信号Voutの周波数FR2は、交流電圧Vinの周波数FR1と等しい値となる。
【0155】
このように、監視回路10bに含まれる素子が故障しても、監視回路10bは電力系統50が停電しているか否かの監視を継続することができるため、監視回路10bの信頼性を向上させることができる。
【0156】
また、監視回路10bでは、複数の変換部CM1,CM2として比較器を用いるため、1次側回路11bと2次側回路12bとを非絶縁とした状態で、交流電圧Vinの監視を行うことができる。
【0157】
[3.3 変形例に係る監視回路10c]
実施形態に係る監視回路10は、単相の電力系統50を監視する。しかしながら、本開示は三相の電力系統50aの監視に用いることもできる。
【0158】
図9は、変形例に係る監視回路10cを示す回路図である。監視回路10bは、1次側回路11cと、2次側回路12cと、複数の変換部PC11,PC12,PC13と、を備える。複数の変換部PC11,PC12,PC13は、第1変換部PC11と、第2変換部PC12と、第3変換部PC13とを含む。第1変換部PC11、第2変換部PC12及び第3変換部PC13は、それぞれフォトカプラであり、以下では「フォトカプラPC11」、「フォトカプラPC12」、「フォトカプラPC13」とそれぞれ称する。監視回路10cにおいて、1次側回路11cと2次側回路12cとの間は絶縁されている。なお、複数の変換部PC11,PC12,PC13はそれぞれ比較器であってもよい。
【0159】
電力系統50aは、それぞれ位相が120度ずつずれた3個の交流電源L1,L2,L3を含む。交流電源L1は入力端子T31,T34間に交流電圧を印加する。交流電源L2は入力端子T32,T34間に交流電圧を印加する。交流電源L3は入力端子T33,T34間に交流電圧を印加する。
【0160】
3個のフォトカプラPC11,PC12,PC13は、それぞれ所定の閾値Th3以上の正極性の電圧が印加された場合に限り、ONとなる。閾値Th3は、所定の1相(例えば交流電圧L1)が他の2相(例えば)と正極性においてそれぞれクロスする電圧Vc1よりも高く、ピーク電圧よりも低い。
【0161】
フォトカプラPC11は、1次側回路11cのうち入力端子T31,T34間に接続されている発光ダイオードD32と、2次側回路12cに接続されているフォトトランジスタTr5とを含む。発光ダイオードD32への逆電圧の印加を抑制するために、発光ダイオードD31が発光ダイオードD32に対して逆並列に接続されている。また、発光ダイオードD32にサージ電流が流れることを抑制する電流制限抵抗として、抵抗R41が発光ダイオードD32に対して直列に接続されている。
【0162】
フォトカプラPC12は、1次側回路11cのうち入力端子T32,T34間に接続されている発光ダイオードD42と、2次側回路12cに接続されているフォトトランジスタTr6とを含む。発光ダイオードD42への逆電圧の印加を抑制するために、発光ダイオードD41が発光ダイオードD42に対して逆並列に接続されている。また、発光ダイオードD42の電流制限抵抗として、抵抗R42が発光ダイオードD42に対して直列に接続されている。
【0163】
フォトカプラPC13は、1次側回路11cのうち入力端子T33,T34間に接続されている発光ダイオードD52と、2次側回路12cに接続されているフォトトランジスタTr7とを含む。発光ダイオードD52への逆電圧の印加を抑制するために、発光ダイオードD51が発光ダイオードD52に対して逆並列に接続されている。また、発光ダイオードD52の電流制限抵抗として、抵抗R43が発光ダイオードD52に対して直列に接続されている。
【0164】
3個の発光ダイオードD32,D42,D52は、1次側回路11cにおいて並列に接続されている。3個の発光ダイオードD32,D42,D52は、それぞれアノードを入力端子T31,T32,T33に接続し、カソードを入力端子T34に接続している。
【0165】
2次側回路12cは、検出部13と、制御部14と、電源線15と、抵抗R52と、を含む。抵抗R52の第1端は直流の電圧V1を供給する電源に接続されている。抵抗R52の第1端の反対の第2端は第2接続点X3を経由して検出部13に接続されている。
【0166】
3個のフォトトランジスタTr5,Tr6,Tr7は、2次側回路12cにおいて並列に接続されている。3個のフォトトランジスタTr5,Tr6,Tr7のそれぞれのコレクタは、接続点X3に接続されている。3個のフォトトランジスタTr5,Tr6,Tr7のそれぞれのエミッタは、共通電位点に接続されている。このように、3個のフォトカプラPC11,PC12,PC13は、1次側回路11c及び2次側回路12cの両方においてそれぞれ並列に接続されている。
【0167】
図10は、
図9の監視回路の動作を説明する波形図である。
図10において(a)は三相の交流電圧Vinを示し、(b)は通常時のパルス信号Voutを示している。
図10において交流電源L1に起因する電圧は実線にて示し、交流電源L2に起因する電圧は1点鎖線にて示し、交流電源L3に起因する電圧は破線にて示している。
【0168】
通常時において、3個の交流電源L1,L2,L3がいずれも閾値Th3未満の電圧を印加する場合、3個の3個のフォトカプラPC11,PC12,PC13はいずれもOFFの状態に維持され、第2接続点X3は電圧V1及び抵抗R52に基づく値となる。このため、パルス信号Voutとしてハイレベルが出力される。
【0169】
通常時において、交流電源L1が閾値Th3以上の電圧を印加すると、2個のフォトカプラPC12,PC13はともにOFF状態のまま、フォトカプラPC11がONとなる。これにより、第2接続点X3は共通電位点の電位となり、パルス信号Voutとしてローレベルが出力される。
【0170】
同様に、交流電源L2が閾値Th3以上の電圧を印加すると、2個のフォトカプラPC11,PC13はともにOFF状態のまま、フォトカプラPC12がONとなる。また、交流電源L3が閾値Th3以上の電圧を印加すると、2個のフォトカプラPC11,PC12はともにOFF状態のまま、フォトカプラPC13がONとなる。これらの場合にも、第2接続点X3は共通電位点の電位となり、パルス信号Voutとしてローレベルが出力される。
【0171】
このように、通常時では、3個の交流電源L1,L2,L3が順に閾値Th3以上の電圧を印加すると、3個のフォトカプラPC11,PC12,PC13が順にONとなることで、パルス信号Voutをハイレベルからローレベルにする。これにより、通常時において2次側回路12cに出力されるパルス信号Voutの周波数FR2は、交流電圧Vinの周波数FR1の3倍の値となる。
【0172】
次に、フォトカプラPC13が故障し、交流電源L3が閾値Th3以上の電圧を印加してもフォトトランジスタTr7がOFFの状態のまま維持される場合を考える。この場合、
図10の(b)においてフォトカプラPC13に起因するローレベル出力(破線の矩形)のみがハイレベルに変わり、その他の出力は(b)に示すまま維持される。このため、出力するパルス信号Voutの周波数FR2は、交流電圧Vinの周波数FR1の約2倍となる。
【0173】
さらに、フォトカプラPC12が故障し、交流電源L2が閾値Th3以上の電圧を印加してもフォトトランジスタTr6がOFFの状態のまま維持される場合、
図10の(b)においてフォトカプラPC12に起因するローレベル出力(破線の矩形)もハイレベルに変わり、フォトカプラPC11に起因するローレベル出力のみが維持される。このため、出力するパルス信号Voutの周波数FR2は、交流電圧Vinの周波数FR1に等しい値となる。
【0174】
このように、監視回路10cに含まれる素子が故障しても、監視回路10cは電力系統50aが停電しているか否かの監視を継続することができるため、監視回路10cの信頼性を向上させることができる。
【0175】
なお、以上では所定の閾値Th3以上の正極性の電圧が印加された場合に限り、フォトカプラPC11,PC12,PC13がONとなる例にて説明したが、3個のフォトカプラPC11,PC12,PC13は、それぞれ所定の閾値Th4以下の負極性の電圧が印加された場合に限り、ONとなってもよい。この場合にも、監視回路10cは同様のパルス信号Voutを出力する。
【0176】
[3.4 変換部の極性の変形例]
実施形態の監視回路10では、第1変換部PC1の発光ダイオードD12と、第2変換部PC2の発光ダイオードD22とは、互いに極性を逆にした状態で接続されている。これにより、第1変換部PC1は正極性の交流電圧VinにてONとなり、第2変換部PC2は負極性の交流電圧VinにてONとなることで、第1変換部PC1及び第2変換部PC2に故障のない場合には、交流電圧Vinの周波数の2倍の周波数のパルス信号Voutが出力される。
【0177】
これに対し、第1変換部PC1の発光ダイオードD12と、第2変換部PC2の発光ダイオードD22とは、互いに極性を同じくした状態で接続されてもよい。例えば
図2において、発光ダイオードD22のアノードとカソードを逆にするとともに、発光ダイオードD21のアノードとカソードを逆にしてもよい。
【0178】
この場合、第1変換部PC1及び第2変換部PC2は、いずれも所定の極性(例えば、正極性)の交流電圧VinにてONとなることで、第1変換部PC1及び第2変換部PC2に故障のない場合には、交流電圧Vinの周波数と同じ周波数のパルス信号Voutが出力される(
図3の(c)と同様のパルス信号Voutとなる)。また、第1変換部PC1及び第2変換部PC2の一方に故障がある場合にも、交流電圧Vinの周波数と同じ周波数のパルス信号Voutが出力されるため、電力系統50の監視を継続することができる。
【0179】
[3.5 その他]
実施形態の監視回路10は、2個のフォトカプラPC1,PC2のいずれかがONのときにハイレベルのパルス信号Voutを出力し、2個のフォトカプラPC1,PC2の両方がOFFのときにローレベルのパルス信号Voutを出力する。しかしながら、監視回路10は、変形例の監視回路10bのように2個のフォトカプラPC1,PC2のいずれかがONのときにローレベルのパルス信号Voutを出力し、2個のフォトカプラPC1,PC2の両方がOFFのときにハイレベルのパルス信号Voutを出力する構成としてもよい。
【0180】
同様に、変形例の監視回路10b,10cは、監視回路10と同様に変換部がONのときにハイレベルのパルス信号Voutを出力し、変換部がOFFのときにローレベルのパルス信号Voutを出力する構成としてもよい。
【0181】
1次側回路11,11a,11b,11cにそれぞれ設けられている複数の抵抗R11,R12,R13,R21,R22,R23,R1,R2,R3,R31,R32,R33,R34,R41,R42,R43は、適宜省略されてもよい。
【0182】
《補記》
なお、上述の実施形態及び各種の変形例については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0183】
1 電力変換システム
10,10a,10b,10c 監視回路
11,11a,11b,11c 1次側回路
12,12b,12c 2次側回路
13 検出部
14 制御部
15 電源線
20 リレー回路
21 接点
22 コイル
30 電力変換装置
40 直流電源
50 電力系統
50a 電力系統
60 負荷
90 監視回路
T1,T2 入力端子
T31,T32,T33,T34 入力端子
T91,T92 入力端子
PC1 第1変換部(フォトカプラ)
PC2 第2変換部(フォトカプラ)
PC11 第1変換部(フォトカプラ)
PC12 第2変換部(フォトカプラ)
PC13 第3変換部(フォトカプラ)
PC91 フォトカプラ
PC92 フォトカプラ
CM1 第1変換部(比較器)
CM2 第2変換部(比較器)
D1 発光ダイオード
D2 発光ダイオード
D11 発光ダイオード
D12 発光ダイオード(第1素子)
D21 発光ダイオード
D22 発光ダイオード(第2素子)
D31 発光ダイオード
D32 発光ダイオード
D41 発光ダイオード
D42 発光ダイオード
D51 発光ダイオード
D52 発光ダイオード
D91 発光ダイオード
D92 発光ダイオード
A1 オペアンプ
A2 オペアンプ
T11 非反転入力
T12 反転入力
T21 反転入力
T22 非反転入力
Tr1 フォトトランジスタ
Tr2 フォトトランジスタ
Tr3 トランジスタ
Tr4 トランジスタ
Tr5 フォトトランジスタ
Tr6 フォトトランジスタ
Tr7 フォトトランジスタ
Tr91 フォトトランジスタ
Tr92 フォトトランジスタ
R1,R2,R3 抵抗
R11,R12 抵抗(第1抵抗)
R21,R22 抵抗(第2抵抗)
R13,R23 抵抗
R31,R32 抵抗(第1抵抗)
R33,R34 抵抗(第2抵抗)
R41,R42,R43 抵抗
R51,R52 抵抗
R91,R92 抵抗
X1 第1接続点
X2,X3 第2接続点
Ic1 フォトカプラPC1の出力電流
Ic2 フォトカプラPC2の出力電流
CTR1 フォトカプラPC1の電流伝達率
CTR2 フォトカプラPC2の電流伝達率
Vf1 発光ダイオードD12の順電圧
Vf2 発光ダイオードD22の順電圧
Rx1 抵抗R11と抵抗R12の和
Rx2 抵抗R21と抵抗R22の和
Th1 第1閾値
Th2 第2閾値
Th3 閾値
Th4 閾値
Th91 第1閾値
Th92 第2閾値
Z1 所定値
Z2 下限値
V1 電圧
Vin 交流電圧
Vin1 (通常時の)交流電圧
Vin2 (低電圧時の)交流電圧
Vout パルス信号
Vc1 電圧
F1 関数
PL プロット
FR1 (交流電圧Vinの)周波数
FR2 (パルス信号Voutの)周波数
L1 交流電源
L2 交流電源
L3 交流電源
C9 静電容量