(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074930
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】方向付けられた繊維を備えた移動パッドを含む電子ベイピング装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240524BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240524BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
【審査請求】有
【請求項の数】34
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060939
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2020517203の分割
【原出願日】2018-10-11
(31)【優先権主張番号】15/729,895
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】クロウ ウィリアム ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン ジェフリー ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】キーン ジャレット
(72)【発明者】
【氏名】パティル ビピン アール
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】タッカー クリストファー エス
(57)【要約】
【課題】電子ベイピング装置またはeベイピング装置を提供する。
【解決手段】電子ベイピング装置(10)のためのカートリッジ(15)は、長軸方向に延びる外側ハウジング(30)と、プレベイパー製剤を収容するように構成された貯蔵部(95)と、を含む。貯蔵部(95)は外側ハウジング(30)内にある。貯蔵部(95)は、第一の貯蔵部端および第二の貯蔵部端を有する。カートリッジ(15)はまた、第一の貯蔵部端におけるシールと、第二の貯蔵部端における移動パッド(200)と、移動パッド(200)と接触する芯(90)とを含む。移動パッド(200)は複数の繊維を含む。複数の繊維のそれぞれは、実質的に長軸方向に平行である。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ベイピング装置のためのカートリッジであって、
長軸方向に延びる外側ハウジングと、
プレベイパー製剤を収容するように構成された貯蔵部であって、前記貯蔵部が前記外側ハウジング内にあり、前記貯蔵部が第一の貯蔵部端および第二の貯蔵部端を有する、貯蔵部と、
前記第一の貯蔵部端におけるシールと、
前記第二の貯蔵部端における移動パッドであって、前記移動パッドが複数の繊維を含み、前記複数の繊維のそれぞれが実質的に長軸方向に平行である、移動パッドと、
前記移動パッドと接触する芯と、を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記貯蔵部が大気圧下にある、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記移動パッドが、約0.08グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの範囲の密度を有する、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記移動パッドが、約5.0ミリメートル~約10.0ミリメートルの長さ、および約0.08グラム/立方センチメートル~約0.1グラム/立方センチメートルの密度を有する、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記移動パッドが、約0.5ミリメートル~約10.0ミリメートルの長さ、および約0.1グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの密度を有する、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記移動パッドが約3.0ミリメートルの長さを有し、前記移動パッドが丸みのある角部を備えた概して正方形の断面を有する、請求項1~5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記移動パッドが複数のチャネルを含み、前記複数のチャネルのそれぞれが前記複数の繊維の隣接した繊維間にある、請求項1~6のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記移動パッドが、外側壁を含み、前記外側壁がその上に被覆を有する、請求項1~7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記外側ハウジング内の内側管であって、前記貯蔵部が、前記内側管の外表面と前記外側ハウジングの内表面との間にある、内側管をさらに備える、請求項1~8のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記移動パッドが、前記移動パッドを通って延びる空気チャネルを画定し、前記空気チャネルが前記貯蔵部の前記第二の端において前記内側管の前記外表面の周りに嵌合するようにサイズが決められ、構成される、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記複数の繊維がポリプロピレンおよびポリエステルのうちの少なくとも一つを含む、請求項1~10のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記芯と流体連通する少なくとも一つのヒーターをさらに備える、請求項1~11のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記少なくとも一つのヒーターが前記移動パッドと接触しない、請求項12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記複数の繊維の約50パーセント~約100パーセントが実質的に前記長軸方向に延びる、請求項1~13のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記複数の繊維の約75パーセント~約95パーセントが実質的に前記長軸方向に延びる、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
電子ベイピング装置であって、
長軸方向に延びる外側ハウジングと、
プレベイパー製剤を収容するように構成された貯蔵部であって、前記貯蔵部が前記外側ハウジング内にあり、前記貯蔵部が第一の貯蔵部端および第二の貯蔵部端を有する、貯蔵部と、
前記第一の貯蔵部端におけるシールと、
前記第二の貯蔵部端における移動パッドであって、前記移動パッドが複数の繊維を含み、前記複数の繊維が実質的に長軸方向に平行である、移動パッドと、
前記移動パッドと接触する芯と、
前記芯と流体連通する少なくとも一つのヒーターと、
前記少なくとも一つのヒーターと電気的に接続可能である電源と、を備える、電子ベイピング装置。
【請求項17】
前記貯蔵部が大気圧下にある、請求項16に記載の電子ベイピング装置。
【請求項18】
前記移動パッドが、約0.08グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの範囲の密度を有する、請求項16または17に記載の電子ベイピング装置。
【請求項19】
前記移動パッドが、約5.0ミリメートル~約10.0ミリメートルの長さ、および約0.08グラム/立方センチメートル~約0.1グラム/立方センチメートルの密度を有する、請求項16または17に記載の電子ベイピング装置。
【請求項20】
前記移動パッドが、約0.5ミリメートル~約5.0ミリメートルの長さ、および約0.1グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの密度を有する、請求項16または17に記載の電子ベイピング装置。
【請求項21】
前記移動パッドが、複数のチャネルを含み、前記複数のチャネルのそれぞれが前記複数の繊維の隣接した繊維間にある、請求項16~20のいずれかに記載の電子ベイピング装置。
【請求項22】
前記移動パッドが、外側壁を含み、前記外側側壁がその上に被覆を有する、請求項16~21のいずれかに記載の電子ベイピング装置。
【請求項23】
前記移動パッドが約3.0ミリメートルの長さを有し、前記移動パッドが丸みのある角部を備えた概して正方形の断面を有する、請求項16~22のいずれかに記載の電子ベイピング装置。
【請求項24】
前記外側ハウジング内の内側管であって、前記貯蔵部が、前記内側管の外表面と前記外側ハウジングの内表面との間にある内側管をさらに備え、
前記移動パッドが、前記内側管の前記外表面と前記外側ハウジングの前記内表面との間にある、請求項16~23のいずれかに記載の電子ベイピング装置。
【請求項25】
前記移動パッドが、前記移動パッドを通って延びる空気チャネルを画定し、前記チャネルが前記貯蔵部の前記第二の端において前記内側管の前記外表面の周りに嵌合するようにサイズが決められ、構成される、請求項24に記載の電子ベイピング装置。
【請求項26】
前記複数の繊維がポリプロピレンおよびポリエステルのうちの少なくとも一つを含む、請求項16~25のいずれかに記載の電子ベイピング装置。
【請求項27】
前記少なくとも一つのヒーターが前記移動パッドと接触しない、請求項16~26のいずれかに記載の電子ベイピング装置。
【請求項28】
前記複数の繊維の約50パーセント~約100パーセントが実質的に前記長軸方向に延びる、請求項16~27のいずれかに記載の電子ベイピング装置。
【請求項29】
前記複数の繊維の約75パーセント~約95パーセントが実質的に前記長軸方向に延びる、請求項28に記載の電子ベイピング装置。
【請求項30】
電子ベイピング装置のカートリッジを形成する方法であって、前記方法が、
内側管を外側ハウジング内に位置付けて、前記内側管の外表面と前記外側ハウジングの内表面との間に貯蔵部を確立することであって、前記内側管がそれを通る空気通路を画定する、位置付けることと、
前記内側管の第一の端にガスケットを挿入することであって、前記ガスケットが前記空気通路と連通するチャネルを画定し、前記ガスケットが第一の貯蔵部端をシールする、挿入することと、
前記内側管の第二の端に移動パッドを位置付けることであって、前記移動パッドが複数の繊維を含み、前記複数の繊維が実質的に長軸方向に平行である、位置付けることと、を含む、方法。
【請求項31】
前記移動パッドが、前記外側ハウジングの内径よりも大きな外径を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記移動パッドが溶融吹き付けによって形成される、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記外側ハウジングの第一の端に口側端インサートを位置付けることをさらに含む、請求項30、31または32に記載の方法。
【請求項34】
芯を前記移動パッドと接触させて位置付けることと、
ヒーターを前記芯と接触させて位置付けることであって、前記ヒーターが前記移動パッドと物理的に接触しない、位置付けることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ベイピング装置またはeベイピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
eベイピング装置は、プレベイパー製剤を気化して「ベイパー(蒸気)」を生成するヒーター要素を含む。
【0003】
eベイピング装置は、装置内に配置された電源(再充電可能電池など)を含む。電池はヒーターに電気的に接続され、これによってヒーターはプレベイパー製剤をベイパーに変えるのに十分な温度まで加熱する。ベイパーは、少なくとも一つの出口を含むマウスピースを通って、eベイピング装置から出る。
【発明の概要】
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のカートリッジに関する。
【0005】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置のためのカートリッジは、長軸方向に延びる外側ハウジングと、プレベイパー製剤を収容するように構成された貯蔵部と、を備える。貯蔵部は外側ハウジング内にある。貯蔵部は、第一の貯蔵部端および第二の貯蔵部端を有する。カートリッジはまた、第一の貯蔵部端におけるシールと、第二の貯蔵部端における移動パッドと、移動パッドと接触する芯とを含む。移動パッドは複数の繊維を含む。複数の繊維のそれぞれは、実質的に長軸方向に平行である。
【0006】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部は大気圧下にある。
【0007】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは、約0.08グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの範囲の密度を有する。
【0008】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは約5.0ミリメートル~約10.0ミリメートルの長さ、および約0.08グラム/立方センチメートル~約0.1グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0009】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは約0.5ミリメートル~約5.0ミリメートルの長さ、および約0.1グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0010】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは複数のチャネルを含む。複数のチャネルのそれぞれは、複数の繊維の隣接した繊維間にある。
【0011】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは外側壁を含む。外側壁はその上に被覆を有する。
【0012】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは、約0.5ミリメートル~約10.0ミリメートルの範囲の長さを有する。
【0013】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジはさらに、外側ハウジング内に内側管を含む。貯蔵部は、内側管の外表面と外側ハウジングの内表面との間にある。
【0014】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは移動パッドを通って延びるチャネルを画定する。チャネルは、貯蔵部の第二の端において内側管の外表面の周りに嵌合するようにサイズが決められ、構成される。
【0015】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数の繊維はポリプロピレンおよびポリエステルのうちの少なくとも一つを含む。
【0016】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、カートリッジはさらに、芯と流体連通する少なくとも一つのヒーターを含む。少なくとも一つのヒーターは移動パッドと接触しない。
【0017】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数の繊維の約50パーセント~約100パーセントは、実質的に長軸方向に延びる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数の繊維の約75パーセント~約95パーセントは、実質的に長軸方向に延びる。
【0018】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置に関する。
【0019】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置は、長軸方向に延びる外側ハウジングと、プレベイパー製剤を収容するように構成された貯蔵部と、を備える。貯蔵部は外側ハウジング内にあり、貯蔵部は第一の貯蔵部端および第二の貯蔵部端を有する。電子ベイピング装置はまた、第一の貯蔵部端におけるシールと、第二の貯蔵部端における移動パッドと、移動パッドと接触する芯と、芯と流体連通する少なくとも一つのヒーターと、少なくとも一つのヒーターに電気的に接続可能な電源と、を含む。移動パッドは複数の繊維を含む。複数の繊維は、実質的に長軸方向に平行である。
【0020】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部は大気圧下にある。
【0021】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは、約0.08グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの範囲の密度を有する。
【0022】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは約5.0ミリメートル~約10.0ミリメートルの長さ、および約0.08グラム/立方センチメートル~約0.1グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0023】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは約0.5ミリメートル~約5.0ミリメートルの長さ、および約0.1グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0024】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは複数のチャネルを含む。複数のチャネルのそれぞれは、複数の繊維の隣接した繊維間にある。
【0025】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは外側壁を含む。外側壁はその上に被覆を有する。
【0026】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは、約0.5ミリメートル~約10.0ミリメートルの範囲の長さを有する。
【0027】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピングはさらに、外側ハウジング内に内側管を備える。貯蔵部は、内側管の外表面と外側ハウジングの内表面との間にある。移動パッドは、内側管の外表面と外側ハウジングの内表面との間にある。
【0028】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは、移動パッドを通って延びるチャネルを画定し、チャネルは貯蔵部の第二の端において内側管の外表面の周りに嵌合するようにサイズが決められ、構成される。
【0029】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数の繊維はポリプロピレンおよびポリエステルのうちの少なくとも一つを含む。
【0030】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つのヒーターは移動パッドと接触しない。
【0031】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数の繊維の約50パーセント~約100パーセントは、実質的に長軸方向に延びる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数の繊維の約75パーセント~約95パーセントは、実質的に長軸方向に延びる。
【0032】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のカートリッジを形成する方法に関する。
【0033】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置のカートリッジを形成する方法は、内側管を外側ハウジング内に位置付けて、それを通る空気通路を画定する内側管の外表面と外側ハウジングの内表面との間に貯蔵部を確立することと、内側管の第一の端に、空気通路と連通するチャネルを画定する、第一の貯蔵部端をシールするガスケットを挿入することと、内側管の第二の端に実質的に長軸方向に平行である複数の繊維を含む移動パッドを位置付けることと、を含む。
【0034】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは、外側ハウジングの内径よりも大きな外径を有する。
【0035】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッドは溶融吹き付け工程によって形成される。
【0036】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法はさらに、外側ハウジングの第一の端に口側端インサートを位置付けることを含む。
【0037】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法はまた、芯を移動パッドと接触させて位置付けること、および移動パッドと物理的に接触しないヒーターを、芯と接触させて位置付けることを含む。
【0038】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面図である。
【
図2】
図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、線II-IIに沿った、
図1の電子ベイピング装置の断面図である。
【
図3A】
図3Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートリッジの断面図である。
【
図3B】
図3Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による
図3Aのカートリッジの発熱体および芯の斜視図である。
【
図4】
図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、異なる密度、長さ、またはその両方を有する移動パッドを含む電子ベイピング装置を比較したグラフである。
【
図5】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、異なる密度、長さ、またはその両方を有する移動パッドを含む電子ベイピング装置を比較したグラフである。
【
図6】
図6は、少なくとも一つの例示的な実施形態による移動パッドの断面の写真である。
【
図7】
図7は、少なくとも一つの例示的な実施形態による移動パッドの拡大写真である。
【
図8】
図8は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面図である。
【
図9】
図9は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、カートリッジのハウジングを透明とした、カートリッジ内の移動パッドの斜視図である。
【
図10】
図10は、少なくとも一つの例示的な実施形態による
図9の移動パッドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0041】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるすべての修正、均等物、代替物を網羅するものである。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0042】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、またはそれを直接的に覆う場合があり、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0043】
第一の、第二の、第三のなどの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されないことが理解されるべきである。これらの用語は、一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、以下で説明されている第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0044】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に描写されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0045】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、およびこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0046】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。
【0047】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0048】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベイピング装置の側面図である。
【0049】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図1に示す通り、電子ベイピング装置(eベイピング装置)10は、交換可能なカートリッジ(または第一のセクション)15および再利用可能な電池セクション(または第二のセクション)20を含んでもよく、これらは、ねじ付きコネクター25でまとめて連結されうる。当然のことながら、コネクター25は、滑り嵌め、戻り止め、クランプ、差込みピン、または留め金のうちの少なくとも一つなどの、任意のタイプのコネクターであってもよい。空気吸込み口55は、コネクター25の一部分を通って延在する。
【0050】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、コネクター25は米国出願第15/154,439号(2016年5月13日出願)に記載されているコネクターでもよく、その内容全体を参照することによって本明細書に組み込む。米国出願第15/154,439号に記載の通り、コネクター25は深絞り加工処理によって形成されうる。
【0051】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は第一のハウジング30を含んでもよく、また第二のセクション20は第二のハウジング30’を含んでもよい。eベイピング装置10は、第一の端45で口側端インサート35を含む。
【0052】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のハウジング30および第二のハウジング30’は、概して円筒状の断面を有する。その他の例示的な実施形態において、ハウジング30および30’は、第一のセクション15および第二のセクション20のうちの一つ以上に沿う概して三角形の断面を有しうる。その上、ハウジング30および30’は、同一もしくは異なる断面形状、または同一もしくは異なるサイズを有しうる。本明細書で考察した通り、ハウジング30、30’はまた、外側またはメインのハウジングと呼ばれうる。
【0053】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、eベイピング装置10の第二の端50でエンドキャップ40を含みうる。eベイピング装置10はまた、エンドキャップ40とeベイピング装置10の第一の端45との間にライト60を含む。
【0054】
図2は、
図1のeベイピング装置の線II~IIに沿った断面図である。
【0055】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図2に示す通り、第一のセクション15は、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部95と、プレベイパー製剤を気化しうる気化器80とを含みうる。気化器80は、発熱体85および芯90を含む。芯90は、貯蔵部95からプレベイパー製剤を引き出し得る。発熱体85は、フィラメント部分を含む平面の発熱体であってもよく、また芯90は、米国特許出願公開第2016/0309786号(Holtz et al.2016年4月22日出願)に記載される芯材料のディスクであってもよく、その内容全体を参照することによって本明細書に組み込む。
【0056】
eベイピング装置10は、米国特許出願公開第2013/0192623号(Tucker et al. 2013年1月31日出願)に記載の特徴を含んでもよく、その内容全体をそれを参照することによって本明細書に組み込む。他の例示的な実施形態において、eベイピング装置は、米国特許出願公開第2016/0309785号(2016年4月22日出願)、および米国特許第9,289,014号(2016年3月22日交付)のうちの少なくとも一つに記載の特徴を含むことができ、そのそれぞれの全内容を参照することによって本明細書に組み込む。
【0057】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、プレベイパー製剤は、ベイパーへと変形されうる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、植物材料、天然風味または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。植物材料は、たばこおよび非たばこ植物材料のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0058】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は、長手方向に延在するハウジング30と、ハウジング30の中に同軸に位置付けられた内側管(またはチムニー)70とを含んでもよい。内側管70は第一の端240および第二の端260を有する。
【0059】
移動パッド200は、内側管70の第二の端260に隣接する。移動パッド200の外周は、ハウジング30の内表面とのシールを提供しうる。移動パッド200は、内側管70とハウジング30との間に確立された貯蔵部95からの液体の漏れを減少または防止する。
【0060】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は、その中に画定される長軸方向の中央空気通路235を含む。空気通路235は、内側管70によって画定される内側通路(中央チャネルまたは中央内側通路とも称される)120と流体連通する。
【0061】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は複数の繊維を含む。複数の繊維のそれぞれは、実質的に長軸方向に平行である。移動パッド200は、ポリプロピレンおよびポリエステルのうちの少なくとも一つで形成されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200はポリオレフィンで形成されうる。その他のポリマーを使用して、移動パッド200を形成しうる。
【0062】
移動パッド200は、溶融吹き付け工程によって形成されてもよく、溶融吹き付け工程では、マイクロ繊維、ナノ繊維、またはその両方が、高速吹き付けガス、空気、またはその両方によって囲まれた小さなノズルを通して溶融および押出成形された少なくとも一つのポリマーから形成される。
【0063】
溶融吹き付け工程で使用されるポリマーは、帯電防止剤、潤滑剤、結合剤、または界面活性剤などの加工助剤を含まない。従って、ポリマーは実質的に純粋であり、移動パッド200はプレベイパー製剤に対して不活性である。他の例示的な実施形態では、ポリマーは、帯電防止剤、潤滑剤、結合剤、および界面活性剤のうちの少なくとも一つなど、加工助剤と混合されてもよい。移動パッド200は、Essentra PLCから入手されうる。
【0064】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は外側壁を含む。外側壁は、その上にある被覆を有してもよく、被覆は、漏れを減少する、または移動パッド200とハウジング30の内表面との間のシールを形成するのを助ける。被覆は、疎水性または親水性の表面性状を含みうる。被覆はパリレン被覆であってもよい。
【0065】
理論に束縛されるものではないが、移動パッド200を形成するための溶融吹き付けポリマーは、溶融された外表面を提供し、これもまた、漏れの減少を助ける。
【0066】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は複数のチャネルを含む。複数のチャネルのそれぞれは、複数の繊維の隣接した繊維間にある。チャネルは、約0.01ミリメートル~約0.3ミリメートル(例えば、約0.02ミリメートル~約0.2ミリメートル、約0.03ミリメートル~約0.1ミリメートル、約0.04ミリメートル~約0.09ミリメートル、または約0.05ミリメートル~約0.08ミリメートル)の範囲の直径を有してもよい。
【0067】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数の繊維の約50パーセント~約100パーセント(例えば、約55パーセント~約95パーセント、約60パーセント~約90パーセント、約65パーセント~約85パーセント、または約70パーセント~約75パーセント)が実質的に長軸方向に延びる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数の繊維の約75パーセント~約95パーセント(例えば、約80パーセント~約90パーセント、または約82パーセント~約88パーセント)が実質的に長軸方向に延びる。
【0068】
移動パッドは概して円筒形状またはディスク形状であってもよいが、移動パッドは円筒形状またはディスク形状の形態に限定されず、移動パッドの形状は貯蔵部およびハウジングの形状に依存しうる。移動パッド200の外径は、約3.0ミリメートル~約20.0ミリメートル(例えば、約5.0ミリメートル~約18.0ミリメートル、約7.0ミリメートル~約15.0ミリメートル、約9.0ミリメートル~約13.0ミリメートル、または約10.0ミリメートル~約12.0ミリメートル)の範囲としうる。移動パッド200内の空気通路235は、内側管70の内径と実質的に同一の内径を有してもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気通路235の内径は、約1.0ミリメートル~約10.0ミリメートル(約2.0ミリメートル~約8.0ミリメートル、または約4.0ミリメートル~約8.0ミリメートル)の範囲である。
【0069】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は、チャネルがハウジング30の長軸方向に対してほぼ横断するように方向付けられる。その他の例示的な実施形態では、移動パッド200は、チャネルがハウジング30の長軸方向に対して横断方向に延びないように方向付けられる。
【0070】
理論に束縛されるものではないが、プレベイパー製剤は、チャネルを通して移動し、チャネルの直径は、液体表面張力および貯蔵部内の加圧が、プレベイパー製剤を漏れることなくチャネル内に移動させる、および保持するようなものであると考えられる。
【0071】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は、閉じたシステム内にある、または大気圧における貯蔵部を含まないベイピング装置内にあってもよい。
【0072】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部はその第一の端でシールされ、移動パッド200はその第二の端にある。
【0073】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は、約0.08グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートル(例えば、約0.01グラム/立方センチメートル~約0.25グラム/立方センチメートル、または約0.1グラム/立方センチメートル~約0.2グラム/立方センチメートル)の範囲の密度を有する。移動パッド200は、約0.5ミリメートル~約10.0ミリメートル(例えば、約1.0ミリメートル~約9.0ミリメートル、約2.0ミリメートル~約8.0ミリメートル、約3.0ミリメートル~約7.0ミリメートル、または約4.0ミリメートル~約6.0ミリメートル)の範囲の長さを有する。少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200の密度が増加するにつれて、移動パッドの長さが減少する。従って、上記で参照した範囲内の低密度を有する移動パッド200は、高い密度を有する移動パッド200よりも長くなりうる。
【0074】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は、約5.0ミリメートル~約10.0ミリメートルの長さ、および約0.08グラム/立方センチメートル~約0.1グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0075】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200は、約0.5ミリメートル~約5.0ミリメートルの長さ、および約0.1グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0076】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、移動パッド200の密度、長さ、またはその両方は、それらを通って流れる液体の粘度に基づいて選ばれる。さらに、移動パッド200の密度は、所望の蒸気質量、プレベイパー製剤流量の望ましい流量等に基づいて選ばれる。
【0077】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、第一の接続部品155は、第一のセクション15と第二のセクション20の間の接続を達成するように、雄型のねじ状のセクションを含みうる。
【0078】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも二つの空気吸込み口55はハウジング30内に含まれうる。別の方法として、単一の空気吸込み口55は、ハウジング30内に含まれうる。こうした配置は、第一のコネクター部品155の存在による塞がりなく、空気吸込み口55をコネクター25の近くに定置することを可能にする。この配置はまた、空気吸込み口55の領域を強化して、空気吸込み口55の精密なドリル加工を容易にしうる。
【0079】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、外側ハウジング30の代わりにコネクター25内に提供されうる。その他の例示的な実施形態において、コネクター25はねじ部分を含まなくてもよい。
【0080】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つの空気吸込み口55は、成人ベイパー吸引者の指がポートのうちの一つを塞ぐ可能性を減少または最小限にするために、およびベイピング中の引き出し抵抗(RTD)を制御するために、コネクター25に隣接してハウジング30内に形成されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、それらの直径が製造中に正確に制御されて、一つのeベイピング装置10から次のものへと複製されるように、精密な工具を用いてハウジング30内に機械加工されうる。
【0081】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、eベイピング装置10が約60ミリメートル水柱~約150ミリメートル水柱の範囲内の引き出し抵抗(RTD)を有するようにサイズが決められ、構成されてもよい。
【0082】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、下流ガスケット65のノーズ部分110は、内側管70の第一の端部分105に嵌合されうる。ガスケット65の外周は、ハウジング30の内表面125との実質的な気密シールを提供しうる。ガスケット65は、内側管70の内部通路120と口側端インサート35の内側との間に配置された中央チャネル115を含んでもよく、これは内部通路120から口側端インサート35にベイパーを移動してもよい。口側端インサート35は少なくとも二つの出口100を含み、これらはeベイピング装置10の長軸方向軸の軸から離れて位置してもよい。出口100は、eベイピング装置10の長軸方向軸に対して、外向きに角度付けられてもよい。出口100は、ベイパーを実質的に均一に分配するように、口側端インサート35の周囲に実質的に均一に分配されてもよい。
【0083】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ガスケット65と、移動パッド200と、ハウジング30と、内側管70との間に画定された空間は、貯蔵部95の閉鎖空間を確立してもよい。貯蔵部95は、プレベイパー製剤を含んでもよく、またプレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵媒体(図示せず)を随意に含んでもよい。貯蔵媒体は、コットンガーゼまたは他の繊維状材料を内側管70を中心として巻いたものを含んでもよい。貯蔵部は大気圧下にある。
【0084】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部95は、内部通路120を少なくとも部分的に囲みうる。従って、貯蔵部95は内部通路120を少なくとも部分的に囲みうる。発熱体85は、横断方向に内部通路120を横切って貯蔵部95の反対側の部分間を延在していてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、ヒーター85は、内部通路120の長軸方向軸に平行に延びうる。
【0085】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10が少なくとも約200秒間のベイピング用に構成されうるように、貯蔵部95は十分なプレベイパー製剤を保持するようにサイズが決められ、かつ構成されてもよい。さらに、eベイピング装置10は、毎回の吸煙が最大約5秒間継続することを可能にするように構成されてもよい。
【0086】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵媒体は綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6マイクロメートル~約15マイクロメートル(例えば、約8マイクロメートル~約12マイクロメートル、または約9マイクロメートル~約11マイクロメートル)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は吸入できないようにサイズが決められてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部95は、いかなる貯蔵媒体も含まず、プレベイパー製剤のみを収容する充填されたタンクを含んでもよい。
【0087】
ベイピングの間、プレベイパー製剤は、プレベイパー製剤を移動パッド200から引き込む芯90の毛細管作用によって、貯蔵部95および貯蔵媒体のうちの少なくとも一つから発熱体85の近位に移動されうる。芯90は概して管状であってもよく、それを通る空気チャネル270を画定しうる。発熱体85は、芯90の一方の端に隣接する。他の例示的な実施形態において、発熱体は芯90の一部分を少なくとも部分的に囲んでもよい。発熱体85が作動すると、芯90内のプレベイパー製剤は、発熱体85によって気化されて、ベイパーを形成しうる。
【0088】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯90は移動パッド200と直接、物理的に接触するが、発熱体85は移動パッド200と直接接触しない。その他の例示的な実施形態では、発熱体85は、芯90および移動パッド200に接触してもよい(図示せず)。
【0089】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯90は芯材料のシートの一つ以上の層を含む。芯材料のシートは、ホウケイ酸繊維またはガラス繊維で形成されてもよい。芯材料のシートは折り畳まれてもよく、また芯90は、芯材料のシートの二つ以上の層を含んでもよく、またはその両方である。芯材料のシートは、約0.2ミリメートル~約2.0ミリメートル(例えば、約0.3ミリメートル~約1.75ミリメートル、約0.5ミリメートル~約1.5ミリメートル、または約0.75ミリメートル~約1.0ミリメートル)の範囲の厚さを有しうる。
【0090】
別の例示的な実施形態では、芯90は、プレベイパー製剤を引き出す能力を有するフィラメント(またはスレッド)を含みうる。例えば、芯90は、ガラス(または、セラミック)フィラメントの束、および巻かれたガラスフィラメントの一群などを含む束などであってもよく、そのすべての配置では、フィラメント間の隙間間隔による毛細管作用を介してプレベイパー製剤を引き出すことが可能でありうる。フィラメントは、eベイピング装置10の長軸方向に対して直角を成す(横断する)方向に概して整列していてもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯90は、一本~八本のフィラメントストランドを含んでもよく、各ストランドは、一緒に捻られた複数のガラスフィラメントを含む。芯90の端部は、可撓性であってもよく、貯蔵部95の境界内に折り畳まれ得る。フィラメントは、概して十字形、クローバー形、Y字形、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。
【0091】
少なくとも一つの例示的な実施形態では、芯90は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、ガラス、セラミック系材料、または黒鉛系材料でありうるが、これらに限定されない。芯90は密度、粘度、表面張力、および蒸気圧などの異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に合うように、任意の適切な毛細管引き出し作用を有してもよい。芯90は、非伝導性であってもよい。
【0092】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、芯90に隣接する金属の平面のシートを含みうる。平面のシートは、芯90の長さに沿って完全にまたは部分的に延びてもよい。一部の例示的な実施形態において、発熱体85は、芯90と接触しなくてもよい。
【0093】
他の例示的な実施形態では、図示しないが、発熱体85は、ワイヤーコイル、セラミック本体、単一ワイヤー、抵抗線のケージの形態、またはその他任意の適切な形態としうる。発熱体85は、プレベイパー製剤を気化するように構成された任意のヒーターでありうる。
【0094】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、任意の適切な電気抵抗性材料で形成されてもよい。適切な電気抵抗性材料の例には、銅、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられうるが、これらに限定されない。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、発熱体85は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層を有する材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて、随意に断熱材料に包埋されて、断熱材料に封入されて、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。発熱体85は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含んでもよい。一つの例示的な実施形態において、発熱体85はニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成されうる。別の例示的な実施形態では、発熱体85は、その外側表面上に電気的抵抗性層を有するセラミックヒーターとしてもよい。
【0095】
内側管70は、一対の対向するスロットを含んでもよく、そのため芯90ならびに第一および第二の電気リード線225および225’または発熱体85の先端は、それぞれの対向するスロットから延出してもよい。内側管70内で対向するスロットの提供により、スロットの端および発熱体85のコイル状セクションが影響し合うことなく、内側管70内の位置へと発熱体85および芯90を配置するのを容易にしうる。従って、スロットの端は、別のやり方では、潜在的な熱点の源を形成することがある発熱体85のコイル間隔に影響を与え、またそれを変えることができなくなる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、内側管70は、約4ミリメートルの直径を有してもよく、対向するスロットのそれぞれは、約2ミリメートル~約4ミリメートルの大きい寸法、および小さい寸法を有してもよい。
【0096】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のリード225は、オスねじ付きコネクター部分品155に物理的および電気的に接続されている。図示の通り、オスねじ付き第一のコネクター部分品155は、外部側表面の一部分にオスねじを備えた中空の円筒である。コネクター部分品は導電性であり、また導電性材料で形成または被覆されてもよい。第二のリード線225’は、第一の伝導性のポスト130に物理的かつ電気的に接続される。第一の導電性支柱130は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼、銅など)で形成されてもよく、また
図2に示す通りT字形状の断面を有しうる。第一の導電性支柱130は、第一のコネクター部分品155の中空部分内に入れられ、かつ絶縁シェル135によって第一のコネクター部分品155から電気的に絶縁されている。第一の導電性支柱130は図示の通り、中空でもよく、および中空部分は空気通路120と流体連通しうる。従って、第一のコネクター部分品155および第一の導電性支柱130はそれぞれ、発熱体85への外部的な電気的接続を形成する。
【0097】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、熱伝導によって芯90内のプレベイパー製剤を加熱してもよい。あるいは、発熱体85からの熱は、熱伝導要素によってプレベイパー製剤へと伝導されてもよく、または発熱体85は、ベイピングの間にeベイピング装置10を通して引き出される入ってくる周囲空気へと熱を伝達してもよく、その結果プレベイパー製剤を対流によって加熱する。
【0098】
当然のことながら、芯90を使用する代わりに、発熱体85は、迅速に熱を生成する能力を有する高い電気抵抗を有する材料で形成された抵抗ヒーターを組み込む多孔性材料を含みうる。
【0099】
図2に示す通り、第二のセクション20は電源145、制御回路185、およびセンサー190を含む。図示の通り、制御回路185およびセンサー190は、ハウジング30’内に配置される。メスねじ付き第二のコネクター部分品160は、第二の端を形成する。図示の通り、第二のコネクター部分品160は、内部側表面上にねじ山を備えた中空の円筒形状を有する。二つのコネクター部分品155、160が互いにねじ込まれて接続25を形成しうるように、第二のコネクター部分品160の内径は、第一のコネクター部分品155の外径と一致する。その上、第二のコネクター部分品160、または少なくともその他の側表面は導電性であり、例えば導電性材料で形成されるか、もしくはそれを含む。そのため、電気的および物理的接続は、接続時に第一のコネクター部分品155と第二のコネクター部分品160との間で起こる。
【0100】
図示の通り、第一のリード165は、第二のコネクター部分品160を制御回路185に電気的に接続する。第二のリード170は、制御回路185を電源145の第一の端子180に電気的に接続する。第三のリード175は、電源145の第二の端子140を制御回路185の電力端子に電気的に接続して、制御回路185に電力を供給する。電源145の第二の端子140はまた、第二の導電性支柱150に物理的および電気的に接続されている。第二の導電性支柱150は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼、銅など)で形成されてもよく、また
図2に示す通りT字形状の断面を有しうる。第二の導電性支柱150は、第二のコネクター部分品160の中空部分内に入れられ、かつ第二の絶縁シェル215によって、第二のコネクター部分品160から電気的に絶縁されている。第二の導電性支柱150はまた、図示の通り中空でもよい。第一および第二のコネクター部分品155、160が嵌合した時、第二の導電性支柱150は、第一の導電性支柱130に物理的および電気的に接続する。また、第二の導電性支柱150の中空部分は、第一の導電性支柱130の中空部分と流体連通しうる。
【0101】
第一のセクション15は、オスコネクター部分品を有するものとして図示・説明され、および第二のセクション20は、メスコネクター部分品を有するものとして図示・説明されている一方、代替的な実施形態はその反対を有し、第一のセクション15はメスコネクター部分品を有し、および第二のセクション20はオスコネクター部分品を有する。
【0102】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源145はeベイピング装置10内に配置された電池を含む。電源145は、リチウムイオン電池またはその別形のうちの一つ、例えばリチウムイオンポリマー電池であってもよい。別の方法として、電源145は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。eベイピング装置10は、電源145のエネルギーが枯渇されるまで、またはリチウムポリマー電池の場合には、最小の電圧カットオフレベルが達成されるまで、成人ベイパー吸引者によってベイピング可能であってもよい。
【0103】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源145は再充電可能である。第二のセクション20は、外部充電装置による電池の充電を可能にするように構成された回路を含んでもよい。下記に説明されている通り、eベイピング装置10を再充電するために、USB充電器または他の適切な充電器組立品が使用されてもよい。
【0104】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、センサー190は、eベイピング装置10内の気流の大きさおよび方向を示す出力を生成するように構成されている。制御回路185はセンサー190の出力を受信し、(1)口側端インサート8での引き出し(吹き出しに対する)を示すかどうか、および(2)引き出しの大きさが閾値レベルを超えるかどうかを判定する。これらのベイピング条件が満たされる場合、制御回路185は電源145を発熱体85に電気的に接続し、それ故に発熱体85を起動する。すなわち、発熱体85が電源145に電気的に接続されるように、制御回路185は、第一および第二のリード165、170を電気的に接続する(例えば、制御回路185の部品を形成するヒーター電力制御トランジスタを起動することによって)。代替的な実施形態において、センサー190は圧力降下を示すことができ、制御回路185はそれに応答して発熱体85を起動する。
【0105】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路185はまた、灯60を含んでもよく、この灯は発熱体85が起動された時に、または電池145が再充電された時に、またはその両方の時に、制御回路185によって起動されて光る。灯60は、一つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。LEDは一つ以上の色(例えば、白色、黄色、赤色、緑色、青色など)を含んでもよい。さらに、灯60は、ベイピング中に成人ベイパー吸引者に見えるように配置されてもよく、またeベイピング装置10の第一の端45と第二の端50の間に位置付けられてもよい。加えて、灯60は、eベイピングシステムの診断のために、または再充電が進行中であることを示すために利用されてもよい。灯60はまた、成人ベイパー吸引者がプライバシーのためにヒーター起動灯60を点灯する、消灯する、または点灯および消灯できるように構成されてもよい。
【0106】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路185は時間リミッターを含んでもよい。別の例示的な実施形態において、制御回路185は、成人ベイパー吸引者が加熱を開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。発熱体85への電流供給の時間は、気化させたいプレベイパー製剤の所望の量に応じて設定もしくは予め設定されてもよい。
【0107】
次に、ベイパーを発生するためのeベイピング装置の操作について説明する。例えば、空気は主に、口側端インサート35を吸うことに対応して、少なくとも一つの空気吸込み口55を通して第一のセクション15に引き出される。空気は、空気吸込み口55を通って、空間250に入り、空気チャネル270を通り、中央通路235を通って、内部通路120内へ、さらに口側端インサート35の出口100を通過する。制御回路185が上述のベイピング条件を検出した場合、制御回路185は発熱体85が芯90の中のプレベイパー製剤を加熱するように、発熱体85への電源供給を開始する。内部通路120を通して流れるベイパーおよび空気は組み合わされて、口側端インサート35の出口100を経由してeベイピング装置10を出る。
【0108】
発熱体85は起動された時、約10秒未満の間、芯90の一部分を加熱してもよい。
【0109】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は交換可能であってもよい。言い換えれば、カートリッジのプレベイパー製剤が枯渇したら、第一のセクション15のみを交換しうる。代替的な配置は、貯蔵部95が枯渇したら、eベイピング装置10全体が廃棄されてもよい例示的な実施形態を含んでもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は一体型のeベイピング装置でもよい。
【0110】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、約80ミリメートル~約110ミリメートルの長さ、および約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径としうる。例えば、一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、約84ミリメートルの長さであってもよく、約7.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0111】
図3Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートリッジの断面図である。
【0112】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図3Aに示すように、第一のセクション15は、芯90に隣接する移動パッド200を含み、ヒーター85は芯90の三つの側の周りに折り畳まれる。
【0113】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯90は、ホウケイ酸繊維で形成されたシートなどの一つ以上の材料シートを含みうる。材料シートは、芯90を形成するために、一緒に折り畳まれる、編組みされる、捻じられる、接着されるなどされうる。材料シートは、一つ以上の材料の層を含みうる。材料シートは、折り畳まれる、捻じられる、または折り畳まれて捻じられうる。材料の複数の層が含まれる場合、各層はその他の層と同一の密度または異なる密度を有しうる。層は、同一の厚さまたは異なる厚さを有してもよい。芯90は、約0.2ミリメートル~約2.0ミリメートル(例えば、約0.5ミリメートル~約1.5ミリメートル、または約0.75ミリメートル~約1.25ミリメートル)の範囲の厚さを有してもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯90は編組みされた非晶質シリカ繊維を含む。
【0114】
厚い芯90は、多くの量のベイパーを生成するように、大量のプレベイパー製剤を発熱体85に送達し、薄い芯90は、少ない量のベイパーを生成するように、少量のプレベイパー製剤を発熱体85に送達しうる。
【0115】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯90は、堅い構造層と、少なくとも一つの追加的な剛性の小さな層を含みうる。堅い構造層を追加することにより、カートリッジの自動製造が促進されうる。堅い構造層は、セラミックまたはその他の実質的に耐熱性の材料で形成されうる。
【0116】
図3Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による
図3Aのカートリッジの発熱体および芯の斜視図である。
【0117】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図3Bに示すように、発熱体85は、芯90を少なくとも部分的に囲む、折り畳まれた金属シートを含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、折り畳まれた発熱体85は、芯90の少なくとも一部分の周りに折り畳まれる、金属のシートから切り取られた、レーザーエッチングされた、または切り取られてレーザーエッチングされた、単一の一体型の部材である。折り畳まれた発熱体85は、三つの側上で芯90に接触する。
【0118】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、折り畳まれた発熱体85は、第一の方向に配置され、発熱体85の第一の側を画定する第一の複数のU字型セグメントを含む。折り畳まれた発熱体85はまた、第一の方向に配置され、発熱体85の第二の側を画定する第二の複数のU字型セグメントを含む。第二の側は第一の側に実質的に平行である。
【0119】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、折り畳まれた発熱体85はまた、第一のリード部分および第二のリード部分を形成する端を含む。
【0120】
図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、異なる密度、長さ、またはその両方を有する移動パッドを含む電子ベイピング装置を比較したグラフである。
【0121】
三つの異なる電子ベイピング装置のエアロゾル質量を比較した。第一の電子ベイピング装置(第一の装置)は、約0.9gのプレベイパー製剤を有するMARK TEN(登録商標)電子ベイピング装置である。第二の電子ベイピング装置(第二の装置)は、
図3Aおよび3Bに示す構成を有するカートリッジを含み、また本明細書に記述した1.6ミリメートルの内径を有する内側管および移動パッド200を含む。移動パッドの長さは約5ミリメートルであり、密度は約0.152グラム/立方センチメートルであった。第三の電子ベイピング装置(第三の装置)は、
図3Aおよび3Bに示す構成を有するカートリッジを含み、本明細書に記述した移動パッド200を含む。第三の電子ベイピング装置の移動パッドの長さは約3ミリメートル、密度は約0.152グラム/立方センチメートルであった。三つの装置のそれぞれのヒーターの抵抗は、約3.5オームであった。第一の装置の引き出し抵抗(RTD)は、約103ミリメートルH
20、第二の装置のRTDは約128ミリメートル水柱であり、第三の装置のRTDは約129ミリメートル水柱であった。
【0122】
エアロゾル質量を判定するために、機械喫煙パラメータを検証した。試験の前に、吸煙プロフィール、吸煙容積、吸煙期間、吸煙時間、吸煙頻度、および吸煙数の全てについて精度をチェックした。一般的な設定は、正方形波の吸煙プロフィール[08]、吸煙容積55.0ミリリットル[64]パーセント、吸煙期間5秒[50]、吸煙時間4.9秒[49]、吸煙頻度25秒[10]、および事前設定された吸煙数[10]である。
【0123】
図3に示すように、第三のベイピング装置は、長い長さの移動パッドを含む第二の装置よりも大きなエアロゾル質量を経時的に提供する。従って、プレベイパー製剤の送達は、移動パッドが短いベイピング装置内で改善される。さらに、第三の装置のエアロゾル質量は、約150回の吸煙に対する第一の装置のエアロゾル質量よりも大きかった。
【0124】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、異なる密度、長さ、またはその両方を有する移動パッドを含む電子ベイピング装置を比較したグラフである。
【0125】
四つの異なる電子ベイピング装置のエアロゾル質量を比較した。電子ベイピング装置A(装置A)は、約0.9gのプレベイパー製剤を有するMARK TEN(登録商標)電子ベイピング装置であり、これは制御装置である。電子ベイピング装置B(装置B)は、
図3Aおよび3Bに示す構成を有するカートリッジを含むが、本明細書に記述した1.6ミリメートルの内径を有する内側管および移動パッド200を含む。装置Bの移動パッドの長さは、約4ミリメートル、密度は約0.100グラム/立方センチメートルであった。電子ベイピング装置C(装置C)は、
図3Aおよび3Bに記載の構成を有するカートリッジを含むが、本明細書に記述した移動パッド200を含む。装置Cの移動パッドの長さは約3ミリメートルであり、密度は約0.144グラム/立方センチメートルであった。電子ベイピング装置D(装置D)は、
図3Aおよび3Bに記載の構成を有するカートリッジを含むが、本明細書に記述した移動パッド200を含む。装置Dの移動パッドの長さは約3ミリメートルであり、密度は約0.144グラム/立方センチメートルであった。三つの装置のそれぞれのヒーターの抵抗は、約3.5オームであった。
【0126】
各装置のエアロゾル質量を、上記に示す通りに試験した。
【0127】
図5に示すように、装置Bは、短い長さおよび高い密度を有する装置Dと同様に機能する。さらに、装置Bおよび装置Dは共に、制御装置よりもより大きなエアロゾル質量を140回の吸煙にわたって提供する。
【0128】
したがって、理論に束縛されるものではないが、短い長さおよび高い密度を有する移動パッドを含めることは、長い長さおよび低い密度を有する移動パッドを含む電子ベイピング装置と同様に機能しうると考えられる。
【0129】
図6は、少なくとも一つの例示的な実施形態による移動パッドの断面の写真である。
【0130】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図6に示すように、移動パッド200は複数の繊維を含む。移動パッド200を見ると、複数の繊維は実質的に平行である。
【0131】
図7は、少なくとも一つの例示的な実施形態による移動パッドの拡大写真である。
【0132】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図7に示すように、移動パッド200は複数の繊維を含む。移動パッド200の拡大図を見ると、複数の繊維が複数の繊維の隣接した繊維間にチャネルを形成するように、複数の繊維が実質的に平行であることが示されている。
【0133】
図8は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面図である。
【0134】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図8に示すように、電子ベイピング装置は、発熱体85が芯90の一部分を囲む加熱コイルであることを除いて、
図2と同じである。
【0135】
図9は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、カートリッジのハウジングを透明とした、カートリッジ内の移動パッドの斜視図である。
【0136】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図9に示すように、カートリッジ15は、カートリッジ15のハウジング30および移動パッド200それぞれが概して丸みのある角部(「スクワークル」)を備えた概して正方形の断面を有することを除いて、
図8と同じである。移動パッド200は、移動パッド200がプレベイパー製剤で飽和された時に移動パッド200の重量が重くなり過ぎることを実質的に防ぐ、または減少するように、またその重量から生じるカートリッジ15内の移動パッド200の移動を実質的に回避または減少させるように、長さが約3.0ミリメートルである。
【0137】
図10は、少なくとも一つの例示的な実施形態による
図9の移動パッドの斜視図である。
【0138】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図10に示すように、移動パッド200は
図89と同じであるが、約3.0ミリメートルの長さLtを有するものとして示されている。移動パッド200は、それを通る空気通路235を画定する。示されるように、空気通路235は概して円形断面を有し、移動パッド200の外表面の断面は空気通路235の断面とは異なる。
【0139】
その他の例示的な実施形態では、図示しないが、ハウジング30および移動パッド200は、三角形、長方形、楕円、またはその他の任意の適切な形状を含むその他の断面形状を有しうる。
【0140】
漏れに対してカートリッジを試験するために、以下の手順に従ってt0(インキュベーション前の時間)、tend(インキュベーション後の時間)、Δ重量(ミリグラム)=wt0(mg)-wtend(mg)、およびΔ重量(パーセント)=((wt0(mg)-tend(mg))/ 充填重量)*100を判定した。試験では、真空オーブン(VO-200 Memmertまたは真空ポンプを備えた同等物)および化学天秤(OHAUS PA214Cまたは同等物)を利用した。
【0141】
漏れを判定するために、空のカートリッジと、必要に応じて組立のために使用される部品(例えば、マウスピース、シールリング)とを一緒に秤量した。各カートリッジを、プレベイパー製剤で充填した。必要に応じてフルカートリッジを組み立てて(例えば、マウスピース、シールリング)秤量する。フルカートリッジは、少なくとも分析前に約30分間立てる。その後、フルカートリッジを箔袋内にシールし、周囲/500ミリバールの真空オーブンに挿入する。カートリッジを約24時間インキュベートする。その後、箔袋を開き、液滴を目視点検する。その後、各カートリッジを拭き、秤量する。各カートリッジをその後、50回吸煙した(5秒の引き出し/55ミリリットル、合計30秒)。次いで、カートリッジを水平位置で一晩、約55℃でインキュベートする。その後、カートリッジを拭いた後に秤量する。
【0142】
上記の通り漏れを試験したところ、0.100グラム/立方センチメートルの密度を有する移動パッドを含み、液体貯蔵部および発熱体との間にガスケットを有さず、さらに芯を含む、
図3Aおよび3Bのカートリッジは漏れを示さなかった。移動パッドを含まないが、貯蔵部および発熱体との間にシール/ガスケットを含む、対照カートリッジと比較して、
図3Aおよび3Bのカートリッジは、以下の表1に示す通り、この対照カートリッジと実質的に同一に機能した。
【0143】
【0144】
例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、当然のことながら他の変形が可能である場合がある。こうした変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者にとって明らかであろうすべてのかかる修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。