(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074942
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】手術用ステープラ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061741
(22)【出願日】2024-04-05
(62)【分割の表示】P 2022050458の分割
【原出願日】2016-05-06
(31)【優先権主張番号】62/159,191
(32)【優先日】2015-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512315175
【氏名又は名称】ボルダー サージカル,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ ディー.ブッチャグリア
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エヌ.グレンジャー
(72)【発明者】
【氏名】アリソン ビー.ライル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート イー.シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジェイ.スミス
(57)【要約】
【課題】本明細書においては、手術用ステープラ、手術用ステープラ用のカートリッジ、手術用ステープラ用の切断機構、及び、患者の体内に手術用ステープルを適用する方法が開示される。
【解決手段】上記ステープラは、クランプ形態と閉じ形態との間において移動可能であるべく支持顎部に対して連結されたアンビルを有し得る。上記カートリッジは、包絡径内に収まるべく、且つ、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成され得、上記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは基部長及び脚長を有し、上記脚長は上記包絡径の少なくとも53%である。上記カートリッジは、上記複数のステープルの内の第1ステープルに対して傾斜した角度にて、上記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを収容すべく形状化されたスロットを有し得る。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラであって、
複数のステープルを収容するように構成されたカートリッジを有する支持顎部と、
前記支持顎部に連結されたアンビルであって、閉じ形態であって、該閉じ形態にあるときに前記アンビルにおける第1の組織クランプインターフェースが、前記カートリッジの第2の組織クランプインターフェースに当接するという閉じ形態を形成するように、前記支持顎部に対して移動可能であるアンビルと、
第1の部材および第2の部材を有する切断機構であって、前記第1の部材が前記支持顎部に対して長手方向に移動可能であり、前記切断機構の高さを変更するように直線状の経路に沿って前記第2の部材に対して摺動可能である、切断機構と、
を具備し、
前記カートリッジは、前記切断機構の少なくとも一部を受容すべく形状化された第1のスロットと、前記複数のステープルの少なくとも第1のステープルを収容すべく形状化された第2のスロットと、前記複数のステープルの少なくとも第2のステープルを収容すべく形状化された第3のスロットとをさらに有する、
外科用ステープラ。
【請求項2】
前記アンビルと前記支持顎部は、前記外科用ステープラが閉じ形態にあるとき、包絡径を有し、
前記複数のステープルのうちの少なくとも1つのステープルの脚長は、包絡径の少なくとも53%である、
請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項3】
前記脚長は、3.42mm以上である、請求項2に記載の外科用ステープラ。
【請求項4】
前記包絡径は、5.6mm以下である、請求項3に記載の外科用ステープラ。
【請求項5】
前記脚長は、4.72mm以上である、請求項2に記載の外科用ステープラ。
【請求項6】
前記包絡径は、8.6mm以下である、請求項5に記載の外科用ステープラ。
【請求項7】
前記切断機構は、前記支持顎部に対して摺動可能である、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項8】
前記ステープルは、B形ステープルを含む、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項9】
前記第3のスロットは、前記複数のステープルの内の第2のステープルを、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容するように構成される、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項10】
前記角度は、4°~30°である、請求項9に記載の外科用ステープラ。
【請求項11】
前記切断機構の第1の部材は、前記アンビルの外側面に係合するように構成される、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項12】
前記切断機構は、前記第1の部材と前記第2の部材との間にカッタ刃を有する、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【請求項13】
前記第1の部材は第1のフランジを含み、前記第2の部材は第2のフランジを含み、前記切断機構は、前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間に切断表面を含む、請求項1に記載の外科用ステープラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、2015年5月8日に出願されて“手術用ステープラ”と称された米国仮出願第62/159,191号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は言及したことにより、全ての適切な目的のために本明細書中に援用される。
手術用ステープラ(surgical stapler)は、手術用ステープル(surgical staples)を患者の体内に載置し、腸切除部から皮膚切開口などまでにわたる創傷を閉じるべく使用される医療デバイスである。
【背景技術】
【0002】
組織に対して適用されるべきステープルは、ステープル綴じされるべき組織の厚みに基づいて選択されねばならない。概略的に、大寸のステープルは、同様に大寸である手術用ステープラの使用を必要とする。例えば、JustRight(登録商標)の商標名で販売されている一つの5mmステープラは、約5mmの呼びシャフト径を有すると共に、現在は、約2mmの呼び脚長を有するステープルを適用すると表示されている。換言すると、上記5mmのJustRight(登録商標)手術用ステープラは、組織がステープラの顎部同士の間で約1mm以下までクランプ(clamp)され得る、という処置において使用されると表示されている。JustRight(登録商標)は、本出願の譲受人に属する商標である。
【0003】
Cardica(登録商標)MicroCutter XchangeR 30の商標名で販売されているステープラの如き、現在において入手可能な幾つかのステープラは、脚長により定義されたステープルを使用しないが、これらのステープラも同様に、組織が一定厚みまでクランプされ得ないのであれば、ステープラは組織をステープル綴じし得ない、という点において制限されている。医師が、組織を例えば2mmまでクランプする必要があるなら、医師は、直径が約12mmのステープラを使用する必要がある。
【0004】
幾つかの製造業者は、上述のCardica(登録商標)ステープラの如き、比較的に厚寸の組織をステープル綴じし得る比較的に小寸のステープラの提供を試行してきた。しかし、これらのステープラは、
図35Cから
図35Dに示された更に一般的なB形ステープルの代わりに、
図35Aから
図35Bに示されたD形状ステープルとして知られるものを使用している。上記D形状ステープルは、脚部の一方が貫通用特定形状を有さないという比較的に厚寸の脚部を有すると共に、広範囲な現場使用には委ねられてこなかった。本発明者等によれば、与えられた組織厚みに対し、D形状ステープルは、患者に対してB形ステープルよりも多くの外傷を導入すると確信される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大寸のステープルを載置するために大寸のステープラを使用することは、容認可能であることが多いが、小さな子供、または、肉体的もしくは疾病的な外傷を有する患者の如き、小さなまたは脆弱な患者に対して実施される処置における如く、一定の医療処置においては、B形ステープルを用いて、比較的に厚寸である組織をステープル綴じすべく、比較的に小寸シャフトの手術デバイスを使用することが好適であり得る。
【0006】
更に、医師が、与えられたステープル脚長または表示された使用に対し、大きすぎる組織上へとクランプするとしても、現在において入手可能なステープラは、依然として、ステープルを発射すると共に、組織を不適切に切断することがあり得ることが知られている。すなわち、現在において入手可能なステープラは、ステープルを発射し、その後で組織を切断して、その部位を開放したままとすることがあり得る。故に、ステープルが適切に載置されないならば、当該部位を開放せずもしくは非密封のままとはしない、というステープラを提供することが好適であり得る。
【0007】
また、現在において入手可能な手術デバイスを用いて可能である所定のクランプされた組織厚みに対し、更に広幅な袖部(cuff)(すなわち、ステープルと、離断ラインとの間における大寸の組織余裕部分)を生成する機能を医師に対して提供することも好適であり得る。
【0008】
故に、B形ステープルを用いて比較的に厚寸の組織をステープル綴じし得、且つ/又は、患者に対して更に少ない影響を以て比較的に広幅の袖部、ならびに、他の新規で革新的な特徴を提供し得る、比較的に小寸の手術用ステープラに対する要望が在る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示内容は、概略的に、手術器具に関し、更に詳細には、患者の体内に手術用ステープルを載置する体内手術用ステープラ及び/または方法に関する。
【0010】
幾つかの実施例においては、手術用ステープラのためのカートリッジが提供される。代表的なカートリッジは、包絡径(envelope diameter)内に収まるべく、且つ、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成された長寸本体(elongated body)を有する。上記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有し、上記脚長は上記包絡径の少なくとも53%である。上記代表的なカートリッジはまた、組織クランプインターフェイス(tissue clamping interface)と、平行移動式切断機構(translating cutting mechanism)を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、を有する。上記代表的なカートリッジはまた、上記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットも有する。
【0011】
幾つかの実施例においては、手術用ステープラが提供される。代表的な手術用ステープラは、クランプ形態(clamped configuration)と、当該アンビルにおける組織クランプインターフェイスがカートリッジにおける組織クランプインターフェイスに当接するという閉じ形態(closed configuration)との間で移動可能であるべく、支持顎部に対して連結されたアンビルを有する。代表的な支持顎部は、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成された長寸本体を有するカートリッジを有する。上記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有する。代表的なカートリッジは更に、平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、上記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットと、を更に備える。上記アンビル、及び、上記カートリッジを備える上記支持顎部は、上記閉じ形態に在るとき、包絡径内に収まるべく形状化される。上記複数のB形ステープルの内の上記少なくとも一つのステープルの上記脚長は、幾つかの実施例において、上記包絡径の少なくとも53%である。
【0012】
一定の実施例においては、手術用ステープルを患者の体内に載置する方法が提供される。代表的な方法は、手術用ステープラを閉じ形態で配備する段階であって、上記ステープラは、クランプ形態と、当該アンビルにおける組織クランプインターフェイスがカートリッジにおける組織クランプインターフェイスに当接するという閉じ形態と、の間において移動可能であるべく、支持顎部に対して連結されたアンビルを備える、という段階を含む。代表的な支持顎部は、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成されたカートリッジを備え、上記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有する。代表的なカートリッジは、平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、上記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットと、を有する。代表的なアンビル、及び、上記カートリッジを備える上記支持顎部は、上記閉じ形態に在るとき、包絡径内に収まるべく形状化される。上記複数のB形ステープルの内の上記少なくとも一つのステープルの上記脚長は、上記包絡径の少なくとも53%である。代表的な方法はまた、上記閉じ形態において上記ステープラの少なくとも一部分を、包絡径に通過させる段階、及び、上記アンビルと上記支持顎部との間に組織を位置させる段階も含む。代表的な方法はまた、上記アンビルを、該アンビル及び上記支持顎部が上記組織をクランプするという上記クランプ形態まで移動させる段階も含む。代表的な方法はまた、上記ステープラにより、上記組織の回りで複数のステープルを成形する段階も含む。
【0013】
幾つかの実施例においては、手術用ステープラが提供される。代表的なステープラは、切断部分を有する第1部材と、第2部材と、を有する平行移動式切断機構を有する。代表的な切断機構は、該切断機構が上記包絡径内に収まるべく形状化されるという折畳み構成(collapsed configuration)と、該切断機構が上記包絡径内に収まらないという拡開構成(expanded configuration)との間で移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】アクチュエータに対して連結された手術用ステープラの斜視図である。
【
図2】
図1Bにおける手術用ステープラの分解斜視図である。
【
図3】
図1Bにおけるステープラのカートリッジの斜視図である。
【
図5】
図3におけるカートリッジの別の断面図である。
【
図7】
図3におけるカートリッジの回転された平面図である。
【
図8】
図1Bにおけるステープラにおけるアンビルの斜視図である。
【
図12】
図8におけるアンビルにおける特定構造の斜視図である。
【
図13】
図8におけるアンビルにおける特定構造の斜視図である。
【
図14】
図1Bにおけるステープラに適したカートリッジ及びアンビルの断面図である。
【
図15】
図1Bにおけるステープラの特定構造の側面図である。
【
図16】
図1Bにおけるステープラの特定構造の側面図である。
【
図17】
図1Bにおけるステープラの特定構造の側面図である。
【
図18】
図1Bにおけるステープラにおける切断機構の斜視図である。
【
図19】
図1Bにおけるステープラにおける切断機構の斜視図である。
【
図21】ステープラに適したクランプの断面図である。
【
図22】
図1Bにおけるステープラにおけるステープル押圧器の斜視図である。
【
図23】
図22におけるステープル押圧器の第1の側面図である。
【
図24】
図22におけるステープル押圧器の第2の側面図である。
【
図25】
図1Bにおけるステープラにおける下側アンビル位置決め器の斜視図である。
【
図26】
図1Bにおけるステープラの幾つかの構成要素の斜視図である。
【
図27】ステープラの幾つかの構成要素の側断面図である。
【
図29】カートリッジ、ステープル押圧器、及び、ステープルの断面図である。
【
図31】カートリッジ、ステープル押圧器、及び、ステープルの断面図である。
【
図33】クランプ及び他の構成要素の断面図である。
【
図34】クランプ及び他の構成要素の断面斜視図である。
【
図35A】載置に先立つ手術用D形状ステープルの側面図である。
【
図35B】載置された形態における
図35AにおけるD形状ステープルの側面図である。
【
図35C】載置に先立つ手術用B形ステープルの側面図である。
【
図35D】載置された形態における
図35CにおけるB形ステープルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
前述の要望を満足し、且つ/又は、他の新規で有用な特徴を提供するために、手術用ステープラ及び方法が提供され得ると共に、この段落は、追随する詳細な説明の更に良好な理解を読者に対して与えるために、概念的な概要であることが意図される。幾つかの実例においては、比較的に小寸のサイズを有すると共に、患者の体内に比較的に大寸のステープルを載置すべく構成された手術用ステープラが提供される。このことは、ステープルを、相互に対し、または、長手軸心もしくは離断ラインの如き共通基準点に対し、傾斜角度にて収容することにより達成され得る。すなわち、当業界で公知である如く、相互に対して平行に(且つ/又は、平坦な組織クランプインターフェイスに対して直交させて)ステープルを収容する代わりに、本発明者等は、幾つかの実例において、ステープルが、相互に対してもしくは共通基準点に対して非ゼロ角度にて収容されると共に、湾曲顎部/カートリッジと湾曲アンビルとの間にクランプされた組織をステープル綴じすべく指向される、というシステムを提供する。この構成は医師に対し、比較的に小寸のステープラを用いて比較的に大寸のステープルを載置するという、従来は利用できなかった選択肢を与える。換言すると、この構成は医師に対し、5mmステープラ(呼び)を用いて1.0mm超のデバイス間隙を用いて組織をステープル綴じするという、従来は利用できなかった選択肢を与える。
【0016】
本明細書に対し“呼び”という語句は、発明の時点で、または、製造の時点で、いずれの範囲が大きいかに関わらず、医療デバイス及び/または手術用ステープラの業界において通常的である寸法の範囲を指すものとする。例えば、現在において入手可能な5mmステープラ(呼び)は、製造者毎に5.0~6.0mm、または、5.5±0.5mmで変動することは知られている。別の例として、5.5mmの呼び内径を有するカニューレは、本稿の時点で、少なくとも5.59mmの実際の内径を有することが知られているが、製造の時点では更に大きくなり得る。3.5mmの呼び脚長を有するステープルは、本稿の時点で、約±0.08mmだけ変動する実際の脚長を有することが知られている。更に、本明細書に対し、例えば、平坦、平行、直交、円形などの如き全ての絶対的語句、ならびに、全ての寸法は、“いずれが大きいかに関わらず、発明の時点または製造の時点における合理的な製造許容差内”の限定を包含すると理解されるものとする。本明細書に対し、“基端”という語句は、医師の如き意図されたユーザに対して更に接近して位置された器具の部分もしくは領域を指すものとし、且つ、“末端”という語句は、ユーザもしくは医師から離間した端部もしくは領域を指すものとする。
【0017】
次に
図1に移ると、同図は、公知様式にてカニューレ400を貫通通過すると共に、ステープラ・アクチュエータ800に対して連結された代表的な体内手術用ステープラ100を示している。カニューレ400の内径は、5.0mmまたは5.5mmの呼び径であり得、これは、当業界で公知である製造許容差を以て、6.0mm以下であり得る。当業者であれば、カニューレ400は患者の体内に載置されて、医師がステープラ100を用いて患者体内に貫通アクセスし得るポートを提供することを理解し得よう。ステープラ100は、支持顎部103に対して開成もしくは閉成すべく構成されたアンビル102を有し得る。支持顎部103は、カートリッジ106を収容するカートリッジ・ハウジング104を含み得る。幾つかの実施例において、ハウジング104及びカートリッジ106は、支持顎部103として称される単体的な特定構造であり得る。アンビル102及び支持顎部103は、実質的に業界公知の手法でアクチュエータ及び/または他の制御機構を収容するシャフト116により、基端領域に対して連結され、または、其処で操作され得る。
【0018】
アンビル102を作動させるために、上側アンビル位置決め器110及び下側アンビル位置決め器112が配備され得る。アンビル位置決め器110、112は、連携調整様式にて、開き位置、クランプ位置、及び、閉じ位置の間でアンビル102を移動させるべく動作し得ると共に、本明細書の後続段落において更に詳細に記述される(例えば、
図15から
図17を参照)。
【0019】
図1を継続すると、ステープラ100の末端部分に対しては、切断機構108が配備され且つ移動可能とされて、アンビル102と支持顎部103との間に保持されてステープル綴じされた組織を、後続段落において更に詳細に記述されるべき様式で切断する。
【0020】
当業者であれば、
図1におけるステープラ100の構成要素は、任意種類の適切な材料から製造され得ること、及び、更に詳細には、材料は、比較的に小寸の特定構造を用いて比較的に大寸の組織の帯状領域をクランプしてステープル綴じするために必要な力に耐えるべく適切な強度を以て選択されるべきであることを容易に理解し得よう。例えば、限定的なものとしてで無く、高強度の手術用の鋼、セラミックス、及び/または、ポリマなどの任意種類の工学材料が選択され得る。
【0021】
幾つかの実施例において、手術用ステープラ100はハウジング104を有し得、その一部は、約5.5ミリメートルの包絡径を有するか、または、5.5mmのカニューレ400を貫通すべく構成される。
【0022】
幾つかの実施例において、5.5mm呼びのハウジング104は、本明細書において先に記述された様式で3.0mmの呼び脚長を有するステープルを収容もしくは担持し得る。幾つかの実施例において、上記ステープルは、4.8mmの呼び脚長を有する。幾つかの実施例において、上記ステープルは、2.0mmの呼び脚長を有する。幾つかの実施例において、上記ステープルは、2.5mmの呼び脚長を有する。
【0023】
次に
図2に移ると、
図1におけるステープラ100の更なる詳細が分解斜視図において示される。理解され得る如く、カートリッジ106は、一つ以上のカム128、130により起動されると同時に、一つ以上のステープル押圧器132が(
図2においては示されない)一つ以上のステープルをカートリッジ106から外方に且つアンビル102に向けて案内し得ることから、ステープルはアンビル102とカートリッジ106/支持顎部103との間にクランプされた組織の回りで形状化される如く、ステープル押圧器132を収容すべく構成され得る。
【0024】
カム128、130は、当業者に公知の様式で起動され得る。すなわち、幾つかの実施例においては、現在において利用可能である標準的なステープル押圧器及びステープラ駆動の概念が使用される。幾つかの実施例においては、延長されたカム、及び、減少サイズのステープル押圧器が配備され得る。延長されたカムとは、同等のサイズの手術用ステープラを用いて従来的に使用されたよりも背高のカムである。故に、延長されたカムは3.0mm以上の脚長を有するステープルの如き比較的に大寸のステープルを駆動すべく更に背高であるが、ステープル押圧器のサイズは、
図5に示された如く、ステープルの脚長が押圧器の高さよりも大きい様に、減少サイズである。当業者であれば、ステープル150またはステープル押圧器132が、相互に対し、または、離断ラインに対して傾斜角度θにて収容される場合、カム128、130は同様に定義された角度に在ることを理解し得よう。
【0025】
図2に戻ると、切断機構108は、相互に対して移動可能または拡開可能な第1部材118及び第2部材120であって、ステープラ100の基端領域からステープラ100の末端領域に向けて移動することで、ステープラ100によりクランプされた組織を切断すべく構成されたという第1部材118及び第2部材120を有し得る。切断機構108の第1部材118は、第1アクチュエータ122により起動、制御、及び/または、縮動され得ると共に、切断機構108の第2部材120は、第2アクチュエータ124により起動、制御、及び/または、縮動され得る。
【0026】
上側アンビル位置決め器110は、上側アンビル・アクチュエータ126を用いて起動され得ると共に、下側アンビル位置決め器112は、(不図示の)下側アンビル・アクチュエータを用いて起動され得る。下側アンビル位置決め器112は、アンビル102の複数の表面に係合して、上側アンビル位置決め器110と連携し、アンビル102を開き、クランプし、または、閉じるべく構成された一つ以上のフランジ112a、112bを有し得る。
【0027】
医師がステープラ100を倒立して回転させたとしても、アンビル102を閉じ位置に向けて付勢して維持するために、スプリング113が配備され得る。すなわち、スプリング113は、意図的な起動に先立ってアンビル102が開くことを阻止し得ると共に、当業界において実質的に公知の様式にて、その様に行い得る。
【0028】
次に
図3を参照すると、カートリッジ106は、末端136と基端138とを有する長寸本体134を有する。カートリッジ106は、(
図3においては示されない)複数のステープルを取出し可能に収容すべく構成され得る。(例えば、
図2における切断機構108などの)切断機構を受容すべく、且つ/又は、クランプもしくは平行移動機構を接続もしくは受容すべく、第1スロット140が配備され且つ形状化され得る。
図1B及び
図21を簡単に参照すると、クランプ機構は、該クランプ機構502が末端方向に進行するにつれてアンビル102に対し移動支点力を付与すべく構成された第1部材118または上側フランジ506を含み得る。幾つかの実施例において、クランプ機構502は、切断機構108であり、または、切断部分206を備える。少なくとも、複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロット142、及び、少なくとも、複数のステープルの内の第2のステープルを収容すべく形状化された第3スロット144も配備され得る。
【0029】
図4に示された如く、第2及び第3のスロット142、144は、第2のスロットもしくはステープルに対して傾斜する角度θにて第1ステープルを収容すべく、形状化、構成、または、位置決めされ得る。幾つかの実施例において、スロット142と第3スロット144との間の角度θは、約4°~約30°である。幾つかの実施例において、上記角度θは、約10°~約20°である。幾つかの実施例において、上記角度θは、約10°~約15°である。幾つかの実施例において、上記角度θは、約15°~約20°である。幾つかの実施例において、上記角度θは、約15°±適切な製造許容差である。幾つかの実施例において、上記角度θは、約12°~約18°である。
【0030】
図5に示された如く、幾つかの実施例において、第2スロット142は、少なくとも、第1ステープル押圧器146を平行移動可能(translatably)に収容すべく形状化され、且つ、第3スロット144は、少なくとも、第2ステープル押圧器148を平行移動可能に収容すべく形状化される。第2スロット142及び第3スロット144は、第1ステープル押圧器146を、第2ステープル押圧器148の平行移動(translation)に対して傾斜した角度θにおける平行移動に制限すべく構成され得る。
【0031】
図5において同様に明らかである如く、幾つかの実施例において、ステープル押圧器146は、第1のステープル150及び第3のステープル154を支持すべく構成され得る一方、第2ステープル押圧器148は、第2のステープル152及び第4のステープル156を支持すべく構成され得る。第1及び第3のステープル150、154は、相互に対して実質的に平行に保持され得る一方、第2及び第4のステープル152、156は、相互に対して実質的に平行に保持され得る。第1及び第2のステープル押圧器146、148は、相互に対して傾斜角度θにて収容され得ると共に、カートリッジ106は、ステープル押圧器146、148の平行移動を、相互に対して傾斜した相対経路に沿う様に制限すべく構成され得る。
【0032】
ハウジング104または支持顎部103は、5.6mmまたは5.5mmの包絡径Dを有し得ると共に、3.0mmの呼び脚長を有するステープルを収容もしくは担持し得る。
図5に示された如く、幾つかの実施例において、ハウジング104または支持顎部103は、3.5mmの呼び脚長を有する複数のステープル150、152、154、156を収容もしくは担持し得る。ステープル150、152、154、156は、第1のステープル150及び第2のステープル152が、ハウジング104、カートリッジ106、または、支持顎部103、もしくは、
図5に示された如く、切断機構108に対するスロット140により画成される長手軸心の対立側(opposing sides)にて担持される如く、収容され得る。第1及び第2のステープル150、152は、第1のステープル150の脚部及び第2のステープル152の脚部が相互に対して角度θを形成する如く、相互に対して角度付けられ得る。角度θは、幾つかの実施例においては鋭角θであり得る。幾つかの実施例において、角度θは、約4°~約30°であり得る。幾つかの実施例において、ステープル150、152は、第1のステープル150は、垂直配向から、もしくは、スロット140から、約2°~約15°だけ回転され、且つ、第2のステープル152は、垂直配向もしくはスロット140から、逆方向に約2°~約15°だけ回転され得る如く、上記長手軸心またはスロット140の両側(either side)にて鏡面配置され得る。幾つかの実施例において、第1のステープル150と第2のステープル152との間の角度θは、約90°までであり得る。第3のステープル154は、第1のステープル150に対して平行であり得ると共に、第4のステープル156は、第2のステープル152に対して平行であり得る。第3及び第4のステープル154、156は、第1及び第2のステープル150、152よりも上記長手軸心に対して接近され得る。
【0033】
手術用ステープラ100は、4個より多いステープルを担持もしくは収容し得ることを理解すべきである。第1及び第2のステープル(及び、該当するなら、第3及び第4のステープル)150、152、154、156、は、手術用ステープラ100の末端もしくは作用端の近傍であり得る一方、別の一群のステープルは、ユーザに対して更に基端方向であり得る。ステープル150、152、154、156は、組織の適切な閉成を提供するために、交互配置形態で複数のB形ステープルを含み得る。すなわち、ステープルは、基端側ステープル及び末端側ステープルの一部が相互に隣接し、且つ、一部はそうでない様に、基端側ステープルの末端側脚部が末端側ステープルの基端側脚部よりも末端側に位置される、という形態であり得る。任意の適切な群数のステープルが配備され得る。
【0034】
次に
図5から
図7を同時に参照すると、幾つかの実施例において、ステープル150、152、154、156の内の一つ以上は、第2または第3のスロット142、144における角隅部または特定構造166、168、170により、部分的に受容または支持される。すなわち、ステープル押圧器146、148における受容化領域158、160、162、164が、ステープル150、152、154、156を部分的に支持し得る。幾つかの実施例において、第1ステープル押圧器146は、カートリッジ106の長寸本体134における壁部170及び受容化領域166、168と一致して作用することで、第1のステープル150が、(
図2におけるカム128などの)カム、及び、(例えば
図5における第1ステープル押圧器146などの)第1ステープル押圧器により押圧されるときに、該第1のステープル150を実質的に平行移動に制限し得る。換言すると、幾つかの実施例において、カートリッジ106における壁部170及び受容化領域166、168は、ステープル150、152、154、156の基本的な支持もしくは案内を提供し得る。
【0035】
ステープル150、152、154、156を平行移動に制限すると称するとき、一定の横方向もしくは回転的な遊びまたは運動が概略的に容認可能であることを理解すべきである。本明細書においては、2つのみのステープル押圧器146、148が記述されるが、当業者であれば、切れ目の両側において組織が相互にステープル綴じされることを確実とするために、当該スロット140に沿って組織が切断されるというスロット140の対立側における2つのスロット142、144の如き2つの経路に概略的に沿い、任意数のステープル押圧器146、148が配備され得ることは理解し得よう。ステープル押圧器146、148、スロット142、144、及び、カートリッジ106は、ステープル150、152、154、156を2列の交互配置されたステープル150、152、154、156にて載置し、組織のステープル綴じされた部分が、離断長さ全体にわたり適切にクランプされ且つステープル綴じして閉塞されることを確実とすべく、構成され得る。
【0036】
図3から
図7を概略的に参照し続けると、カートリッジ106及び/またはステープラ100は、患者の体内にステープル150、152、154、156を収容もしくは載置すべく構成され得、その場合にステープル150、152、154、156の内の少なくとも一つのステープルは、3.42mm以上の脚長、もしくは、3.5mm以上の呼び脚長を有し、且つ、アンビル102及び支持顎部103は、5.6mm以下の内径、もしくは、5mm以下の呼び内径を有するカニューレ400を貫通通過すべく構成される。幾つかの実施例において、ステープル150、152、154、156の内の少なくとも一つのステープルは、4.8mm以上の呼び脚長、もしくは、4.72mm以上の脚長を有し、且つ、アンビル102及び支持顎部103は、8mm以下の呼び内径、もしくは、8.6mm以下の内径を有するカニューレ400を貫通通過すべく構成される。
【0037】
幾つかの実施例において、ステープラ100は、内径402を有するカニューレ400を貫通通過すべく構成され、且つ、該ステープラ100は同時に、患者の体内への載置のために、少なくとも、第1及び第2のステープル150、152を担持すべく構成され、ステープル150、152の少なくとも一つは、上記ステープラが閉じ形態(例えば、
図1Bを参照)であるときに、カニューレ400の内径402の少なくとも53%、または、該ステープラ100の包絡径Dの少なくとも53%である脚長Lを有する。
【0038】
幾つかの実施例において、脚長Lは、内径402または包絡径Dの少なくとも58%である。幾つかの実施例において、上記脚長Lは、カニューレ400の内径402、または、包絡径Dの少なくとも60%である。幾つかの実施例において、脚長Lは、カニューレ400の内径402、または、包絡径Dの少なくとも61%である。例えば、4.8mmの呼び脚長を有するステープル150、及び、8.0の呼び内径を有するカニューレ400は、製造許容差を考慮した後、4.72/8.6の比率を有し得る。例えば、4.8mmの呼び脚長を有するステープル150、及び、8.0の呼び内径を有するカニューレ400は、理想的とは言えない許容差累積にて、4.88/8.0の比率を有し得る。
【0039】
幾つかの実施例において、脚長Lは、カニューレ400の内径、または、包絡径Dの62%までである。幾つかの実施例において、脚長Lは、カニューレ400の内径402、または、包絡径Dの66%までである。例えば、3.5mmの呼び脚長を有するステープル150、及び、5mmの呼び径を有するカニューレ400は、理想的とは言えない許容差累積にて、3.58/5.0の比率を有し得る。幾つかの実施例において、脚長Lは内径402の55%~67%である。
【0040】
幾つかの実施例において、ステープラ100は、(a)内径402を有するカニューレ400を貫通通過し、(b)少なくとも、カニューレ400の内径402の55%~67%である第1脚長L1を各々が有する第1及び第2のステープル150、152を患者の体内に載置し、且つ、(c)第1及び第2のステープル150、152の第1脚長L1とは異なる第2脚長L2を有する少なくとも第3及び第4のステープル154、156を患者の体内に載置すべく、構成される。幾つかの実施例において、第1脚長L1は内径402の少なくとも57%である。幾つかの実施例において、上記第1脚長は内径402の少なくとも58%である。幾つかの実施例において、上記第1脚長は、内径402の少なくとも61%である。
【0041】
幾つかの実施例において、ステープラ100は、第1脚長L1を有する第1のステープル150、及び、異なる脚長L2を有する別のステープル156を載置すべく構成される。幾つかの実施例において、ステープラ100は、第1脚長L1を有するステープルを組織切れ目の第1側に、且つ、第2脚長L2を有するステープルを組織切れ目の第2側に載置すべく構成される。幾つかの実施例において、ステープラ100は、第1脚長L1を有する第1ステープル、及び、第2脚長L2を有する第2ステープルを、組織切れ目の同一側に載置すべく構成される。
【0042】
幾つかの実施例において、ステープラ100は、該ステープラ100が、湾曲インターフェイス202、204が相互に当接するという閉じ形態(例えば、
図15参照)に在るときに、内径402を有するカニューレを貫通通過すべくサイズ設定された外側包絡径D(例えば、
図1B参照)を以て構成される。ステープラ100は、アンビル102と支持顎部103との間に位置された組織をクランプして該組織を特定厚みまで圧縮すべく、且つ/又は、組織を、アンビル102とカートリッジ106との間において(例えば、
図14参照)、本明細書においてはデバイス間隙Gと称される最大の特定厚みまで制限すべく、構成され得る。当業者であれば、手術用ステープラ100、及び、付随するステープルは、概略的に、ステープル綴じされるべき組織の意図された厚みに従ってサイズ設定されることを理解し得よう。
【0043】
本明細書に対し、デバイス間隙Gは、上記デバイスがステープル150を組織内へと発射する時点にて、支持顎部103もしくはカートリッジ106とアンビル102との間に許容される最大間隔として定義される。
【0044】
一つの実例において、ステープラ100は、非常に薄寸の組織の回りに位置されたなら、アンビル102と支持顎部103との間の接触に向けて“フロート(float)”すべく構成され、または、それを行うことが許容され得ると共に、その後、ステープル150が組織内へと発射されるにつれ、ステープラ100は、ステープル150が、アンビル102をカートリッジ106から離間させて最大デバイス間隙Gまで付勢もしくは押圧することを許容すべく構成され得る。最大デバイス間隙Gは、平行移動切断機構108(例えば、
図14、
図20Cを参照)により画成される距離に制限され得る。切断機構108は、ステープル150が発射されたときなどにおいて、ステープラ100が最大デバイス間隙Gを超えて開くことを阻止すべく、一つ以上のカム128、130と実質的に同時的もしくは略々同時的に、または、それらと連携して、末端方向に移動し得る。
【0045】
関連して、且つ、別の実例として、ステープラ100は、比較的に厚寸の組織の回りに位置されたなら、平行移動切断機構108が末端方向に移動するにつれ、組織を最大デバイス間隙Gまで圧縮すべく構成され得る。例えば、ステープラ100が2.0mmのデバイス間隙Gにて組織をクランプすべく構成され、且つ、該ステープラ100間に位置された組織が2.0mmより大きいなら、該ステープラ100及び/または切断機構108は、その組織を適切に圧縮し得る。注目すべきこととして、もし、アンビル102と支持顎部103との間に位置された組織が、適切なデバイス間隙Gまで圧縮可能でない様に厚寸であるなら、切断機構108は、適切にはクランプされていない組織内への平行移動を中止もしくは停止すべく構成され得る。
【0046】
例えば、最も最近に入手可能な5mm(呼び)ステープラは、1.0mm未満までクランプされ得る組織をステープル綴じすると表示される一方、Cardicaの5mmステープラ(呼びであり、実際のサイズは5mm超、約5.8mm以上である)は1.5mm以下まで容易にクランプされ得る組織をステープル綴じすると表示されると共に、D形ステープルを使用する。両方の場合において、医師が、更に大きな厚みを有する組織をステープル綴じすることを意図するなら、更に大寸のステープラが使用されねばならない。関連して、現在において利用可能な3.5mmの呼び脚長を有するB形ステープルは、1.5mm~2.0mmへとクランプされ得る組織をステープル綴じすると表示される。現在において利用可能な4.8mmの呼び脚長を有するB形ステープルは、2.0mmへとクランプされ得る組織をステープル綴じすると表示される。
【0047】
幾つかの実施例において、包絡径Dは約5.5mmもしくは約5.6mmであり、且つ、デバイス間隙Gは約0.75mm~約1.0mmである。幾つかの実施例において、包絡径Dは約5.5mmもしくは5.6mmであり、且つ、デバイス間隙Gは約1.0mm~約1.5mmである。幾つかの実施例において、包絡径Dは約5.5mmもしくは5.6mmであり、且つ、デバイス間隙Gは約1.5mm超~約2.0mmまでである。幾つかの実施例において、包絡径Dは約8.5mmもしくは8.6mmであり、且つ、デバイス間隙Gは約2.0mm以上である。
【0048】
幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの13%以上である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの17%以上である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの20%以上である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの22%以上である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの26.8%以上である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの27.3%以上である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの37%以下である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの約18%~約37%である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの約22%~約37%である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの約26.8%~約35.7%である。幾つかの実施例において、デバイス間隙Gは、包絡径Dの27.3%~約36.4%である。
【0049】
幾つかの実施例において、ステープラ100は、
図2または
図6に示された如く、モジュール式である。すなわち、一つ以上の互換的なカートリッジ・キット105が配備され得る。例えば、カートリッジ106と、一つ以上のステープル押圧器132と、第1脚長を有する(不図示の)一つ以上のステープルとを有する第1のカートリッジ・キット105が、カートリッジ106と、一つ以上のステープル押圧器132と、上記第1脚長と異なる第2脚長を有する(不図示の)一つ以上のステープルとを有する第2のカートリッジ・キット105と互換的であり得る。幾つかの実施例において、カートリッジ・キット105は、ハウジング104または支持顎部103から取外し可能である。幾つかの実施例において、ハウジング104、支持顎部103、及び/または、カートリッジ106には、整列用特定構造が配備されることで、適切な整列が可能とされる。幾つかの実施例において、カートリッジ・キット105は、工具の使用なしで、支持顎部103から取外し可能である。幾つかの実施例においては、工具の使用なしでの取り外しを阻止するために、繋止用特定構造がカートリッジ・キット105内に配備され得る。幾つかの実施例において、カートリッジ・キット105、ハウジング104、アンビル102、切断機構108、上側及び/または下側のアンビル位置決め器110、112、及び、シャフト116は、ステープラ・アクチュエータ800からユニットとして取外し可能である。
【0050】
次に
図8から
図11に移ると、
図1に示された如く、ステープラ100はアンビル102を有し得る。アンビル102は、例えば、リンク結合機構172により、支持顎部103に対して移動可能であるべく形状化もしくは構成され得る。リンク結合機構172は、アンビル102または支持顎部103(もしくは支持顎部103におけるハウジング104)の他方における一つ以上の対応突出部176(
図2参照)と係合すべく構成された、アンビル102または支持顎部103(もしくは、支持顎部103におけるハウジング104)の一方における一つ以上の凹所もしくは通路174を含み得る。リンク結合機構172は、アンビル102を、支持顎部103もしくはハウジング104に対する回動及び平行移動に制限すべく構成され得る。リンク結合機構172は、アンビル102が支持顎部103もしくはハウジング104に対して回動されるときに、アンビル102の枢動点を調節すべく構成され得る。
図8A及び
図8Bは、リンク結合機構172が、支持顎部103における一つ以上の凹所または通路174、及び、アンビル102における一つ以上の突出部176を如何に含み得るかを示している。
【0051】
リンク結合機構172は、アンビル102の運動を、開き位置、クランプ位置、及び、閉じ位置(例えば、
図15から
図17を参照)の間における移動へと実現し、可能とし、且つ/又は、制限すべく、上側及び/または下側のアンビル位置決め器110、112と連携調整様式にて作用し得る。当業者であれば、リンク結合機構172は、アンビル102における通路174と、支持顎部103もしくはハウジング104における突出部176とを有するものとして示されるが、任意数のリンク結合機構172が採用され得ることを理解し得よう。
【0052】
幾つかの実施例において、リンク結合機構172は、アンビル102の弾性領域と、支持顎部103もしくはハウジング104との間に弾性嵌合機構を含む。例えば、アンビル102は、支持顎部103もしくはハウジング104におけるピット、通路もしくは凹所に対応する一側もしくは両側上に、僅かな突出部を有し得る。組立ての間、アンビル102は、支持顎部103またはハウジング104に対して弾性嵌合するために、僅かに撓曲され得る。幾つかの実施例において、上記弾性領域は、アンビル102における薄寸壁区画により構成され得る。
【0053】
幾つかの実施例においては、アンビル102及び/または支持顎部103には(不図示の)一つ以上のデテントが配備され得ると共に、該デテントは、アンビル102と支持顎部103との間の緊密な嵌合での組立てを可能とするために、アンビル102及び/または支持顎部103の他方における一つ以上の凹所もしくは通路に係合すべく構成され得る。デテント/凹所/通路は、ユーザ、再資源業者、及び/または、製造業者が、支持顎部103からアンビル102を取り外すことを許容すべく構成され得る。
【0054】
図8を継続すると、幾つかの実施例において、アンビル102またはリンク結合機構172は、組織停止機構178を含み得る。組織停止機構178は、アンビル102及び/または支持顎部103(或いは、カートリッジ106もしくはハウジング104)における特定構造であって、アンビル102と支持顎部103との間におけるステープル綴じ領域を越えて組織が位置されることを阻止すべく構成されたという特定構造であり得る。すなわち、組織停止機構178は、ステープラ100が、ステープル綴じされていない組織を切断することを阻止すべく構成される。幾つかの実施例において、組織停止機構178は、アンビル102における表面180であって、該アンビルが開き位置からクランプ位置に向けて移動されるときにカートリッジ106における表面182(例えば、
図14から
図15を参照)に係合し、且つ、支持顎部103とアンビル102との間にクランプされた組織を損傷することが無い様に選択かつ形状化されたという表面180を含む。
【0055】
アンビル102はまた、切断機構108が末端方向に進行して、支持顎部103と該アンビル102との間にクランプされた組織を切断するときに、切断機構108、または、該切断機構108の部材118、120を受容もしくは案内すべく形状化かつ構成されたスロット184も有し得る。該スロット184は、アンビル102の基端領域186から、該アンビル102の末端188に至らない位置まで延在し得る。スロット184は、切断機構108もしくはそれの部材118、120を平行移動に制限すべく、且つ/又は、切断機構108または部材118、120がアンビル102の末端188を越えて延在することを阻止すべく形状化され得る。
【0056】
幾つかの実施例において、アンビル102は、切断機構108が該アンビル102を下り進行するときに(例えば、
図20Aから
図20Cを参照)、切断機構108または該切断機構108の部材118、120を案内すべく構成された一つ以上の案内部190を有する(例えば、
図9を参照)。アンビル102における案内部190は、切断機構108における案内部192に対応し、または、それと係合し得る。幾つかの実施例において、アンビル102における案内部190は、図示された如く、切断機構108の上側部材118において対応する一つ以上の隆起部または突出部192に係合する一つ以上の凹所190であり得る。
【0057】
幾つかの実施例において、切断機構108における案内部192は、切断機構108もしくは部材118、120とアンビル102との間の摩擦を減少すべく、切断機構108もしくは部材118、120の全長までは延在しない突出部であり得る。
【0058】
幾つかの実施例において、切断機構108における案内部192は、(不図示の)凹所であり得る。幾つかの実施例において、アンビル102における案内部190は、アンビル102における(不図示の)突出部であり得る。幾つかの実施例において、アンビル102は、凹所もしくは溝である第1案内部190、及び、(不図示の)突出部またはフランジである第2案内部190を有し得る。当業者であれば、ステープラ100の末端領域に向けて切断機構108が進行するときに、それを案内する第1及び/または第2の案内部190を提供する任意数の手段を容易に想起し得ると共に、本明細書においては、それらの手段の全てが企図される。
【0059】
幾つかの実施例において、アンビル102は、8.0mmの呼び内径を有するカニューレ400に貫通嵌合すべくサイズ設定される。幾つかの実施例において、アンビル102は、8.6mm以下の内径を有するカニューレ400に貫通嵌合すべくサイズ設定される。幾つかの実施例において、アンビル102は、5.5mmの呼び内径を有するカニューレ400に貫通嵌合すべくサイズ設定される。幾つかの実施例において、アンビル102は、5.6mm以下の内径を有するカニューレ400に貫通嵌合すべくサイズ設定される。
【0060】
図9から
図13を継続すると、アンビル102は、第1及び/または第2のカム案内部194、196を有し得る。カム案内部194、196は、カム128、130が支持顎部103もしくはハウジング104内へと長手方向に移動もしくは平行移動して、ステープル押圧器132及び/またはステープル132、146、148の運動を引き起こすときに、一つ以上のカム128、130(
図2を参照)を案内すべく構成された、アンビル102の部分におけるスロットであり得る。カム案内部194、196は、相互に対して角度θにて位置されたカム128、130の維持を支援し得、例えば、カートリッジ106及びカム案内部194、196における第2及び/または第3のスロット142、144は、相互に対して傾斜角度θにてステープル押圧器132、146、148の運動を達成すべく、平行移動カム128、130を相互に対して傾斜角度θにて案内し得る。換言すると、カム案内部1974、196は、第1ステープル押圧器146上での第1進行経路、及び、第2ステープル押圧器148上での第2進行経路を達成し得、第1進行経路は、第2進行経路に対して傾斜角度θである。
【0061】
図11及び
図13を簡単に参照すると、アンビル102は、湾曲された組織クランプインターフェイス202を有し得ると共に、カートリッジ106は、ステープラ100がクランプ形態もしくは閉じ形態(例えば、
図15及び
図17を参照)に在るときにアンビル102の湾曲された組織クランプインターフェイス202に対向すべく構成された、湾曲された組織クランプインターフェイス204(例えば、
図3を参照)を有し得る。すなわち、幾つかの実施例において、アンビル102は湾曲されることで、屈曲した湾曲ビーム材を提供すると共に、逆側からのステープル成形力に抗して反応すべく材料の圧縮強度を利用し得る。更に詳細には、上記湾曲ビーム材は、アンビル102を不都合な変形から回避し得る一方、該湾曲ビーム材は、適切なステープル成形を支援し得る。当業者であれば、“湾曲された組織クランプインターフェイス”という語句は、概略的に湾曲されたクランプ表面であって、一つ以上の凹所、突出部、及び/または、平坦領域により中断されても良く、されなくても良いというクランプ表面を指すことが意図されることを理解し得よう。
【0062】
協働して、湾曲された組織クランプインターフェイス202、204は、アンビル102が(
図17に示された)クランプ位置に在るときに、それらの間に組織をクランプすべく構成され得る。湾曲された組織クランプインターフェイス202、204は、アンビル102が(
図15に示された)閉じ位置に在るとき、相互に当接し、または、組重なるべく構成され得る。幾つかの実施例において、湾曲された組織クランプインターフェイス202、204の一方もしくは両方の一部は、包絡径Dの40%~60%の曲率半径Rを有し得る。例えば、5.6mmの包絡径に対し、曲率半径Rは2.24mm~3.36mmであり得る。幾つかの実施例において、包絡径Dは約5.6mmであり得ると共に、曲率半径Rは約2.6mm~約2.8mmであり得る。幾つかの実施例において、上記曲率半径は包絡径Dの約48%であり得、または、包絡径Dが5.6mmであるときに約2.69mmであり得る。
【0063】
アンビル102における湾曲された組織クランプインターフェイス202の一部は、ステープラ100の包絡径Dの半分未満の曲率半径Rを有し得る。カートリッジ106における湾曲された組織クランプインターフェイス204の一部は、アンビル102と組重なり、または、それと共に組織をクランプすべく、対応する、または、同様に制約された曲率半径を有し得る。幾つかの実施例において、湾曲された組織クランプインターフェイス202、204の一方もしくは両方の一部は、上記包絡径の45%~55%の曲率半径を有する。幾つかの実施例において、上記曲率半径は、上記包絡径の47%~52%である。
【0064】
湾曲された組織クランプインターフェイス202、204は、(例えば包絡径などの)同様の呼びサイズを有するステープラにより通常的に達成される袖部よりも大寸である袖部を提供すべく構成され得る。当業者であれば、ステープル綴じされ且つ離断された組織における袖部は、離断された組織の縁部から、第1の内側のステープル列までの距離として定義されることを理解し得よう。袖部幅(cuff width)は重要である、と言うのも、更に大寸の袖部は、組織がステープルを通り抜ける可能性、または、ステープルが脱落する可能性を減少するからである。幾つかの実施例において、袖部幅Wは0.5mm超である。幾つかの実施例において、袖部幅Wは0.6mm超である。幾つかの実施例において、袖部幅Wは約0.7mm以上である。幾つかの実施例において、袖部幅Wは0.8mm以上である。幾つかの実施例において、袖部幅Wは0.9mm以上である。幾つかの実施例において、袖部幅Wは約1.6mmである。幾つかの実施例において、袖部幅Wは0.5mm超~約1.6mmまでである。幾つかの実施例において、包絡径Dは5.6mm以下であり、且つ、袖部幅Wは0.5mm超である。幾つかの実施例において、包絡径Dは5.6mm以下であり、且つ、袖部幅Wは約0.7mmである。幾つかの実施例において、袖部幅Wは、角度θと、湾曲された組織クランプインターフェイス202、204の曲率半径と、ステープル150のサイズとの関数である。ステープル150及び角度θは、現在において知られる標準的な脚サイズ、または、例えば、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、3.8mm、4.1mm、4.8mmなどの如き、未だ開発されていない標準的サイズに基づいて構成され得る。
【0065】
次に
図12を参照すると、アンビル102は、ステープル150、152、154、156がカートリッジ106から外方に、組織を貫通してアンビル102内へと押し出されるときにステープル150、152、154、156を成形及び/または折返すべく構成された一つ以上の成形ポケット198を有し得る。成形ポケット198は、実質的に公知様式で構成され得る。但し、ステープル150、152、154、156及びステープル押圧器132が相互に対して角度θで平行移動するという実施例、または、アンビル102及びカートリッジ106が、湾曲された組織クランプインターフェイス202、204を有するという実施例において、成形ポケット198は、ステープル150、152、154、156を適切に成形するに適した様式で角度付けられ、または、位置決めされ得る。成形ポケット198は、湾曲された組織クランプインターフェイス202による組織の係合を中断し得る。
【0066】
次に
図14に移ると、幾つかの実施例において、ステープラ100は、ステープル発射及び/または組織クランプの間において、組織の横断方向断面、及び/または、組織の長手方向断面にわたり、実質的に一貫して固定された最大デバイス間隙Gを提供し得る。幾つかの実施例において、アンビル102における成形ポケット184は、アンビル102とカートリッジ106または支持顎部103との間にクランプされた組織に対して直交する方向にステープル150、152、154、156を案内もしくは駆動することを支援すべく形状化かつ位置決めされる。幾つかの実施例において、ステープラ100は、閉じ形態において5.6mm以下の包絡径Dを有すると共に、湾曲された組織クランプインターフェイス202、204間における1.5mm超~2.0mmまでの最大デバイス間隙Gを許容すべく構成される。幾つかの実施例において、ステープラ100は、閉じ形態において8.6mm以下の包絡径を有すると共に、2.0mm以上の最大デバイス間隙Gを許容すべく構成される。
【0067】
幾つかの実施例において、ステープラ100は、閉じ形態において、5.6mm以下の内径402を有するカニューレ400を貫通嵌合すべく、且つ、湾曲された組織クランプインターフェイス202、204間における1.5mm超の最大デバイス間隙Gを許容し乍ら患者の体内に3.5mmの呼び脚長Lを有するステープルを載置すべく、構成される。幾つかの実施例において、ステープラ100は、閉じ形態において、8.6mm以下の内径402を有するカニューレ400を貫通嵌合すべく、且つ、患者の体内に4.8mmの呼び脚長Lを有するステープルを載置すると共に、湾曲された組織クランプインターフェイス202、204間における少なくとも2.0mmの最大デバイス間隙Gを許容すべく、構成される。
【0068】
幾つかの実施例において、第1群のステープル150、154と第2群のステープル152、156との間の角度θは、本明細書において前述された如く、比較的に広幅な袖部を提供する。5.5mmのカニューレ400に対して構成されたステープラ100を用いて達成された更に広幅な袖部は、12mm直径のカニューレ400に対して構成された標準的なステープラを用いて達成された袖部に匹敵し得ると共に、約0.7mm以下であり得る。幾つかの実施例において、湾曲されたカートリッジ106、及び、回転されもしくは角度付けられたステープルは、カッタ/切断機構と、内側のステープル列との間に付加的なスペースを生成することで、ステープルの成形及び組織の離断に続いて生成される組織の“袖部”の幅を増大させる。
【0069】
図14を継続すると、成形ポケット184の引込み特定構造185は、カートリッジ106内におけるステープルの回転角度θに一致し得る。
図10も参照されたい。すなわち、引込み特定構造185は、相互から約4°~約30°であり、または、幾つかの実施例においては、相互から約90°未満、もしくは、約90°までとされ得る。引込み特定構造185は、斜端面、面取り、逃げ部、または、業界公知であると共に、成形ポケット184内へのステープルの案内を支援すべく構成された他の任意の特定構造などの任意の引き込み手段を含み得る。
【0070】
次に
図15から
図17に移ると、先に記述された如く、アンビル102は、
図15に示された閉じ位置、
図16に示された開き位置、及び、
図17に示されたクランプ位置の間で、支持顎部103に対して移動可能であり得る。上記閉じ位置において、アンビル102及び支持顎部103は、圧縮された包絡寸法または直径Dを有し得る。すなわち、アンビル102及び支持顎部103は、協働して、特定の呼びサイズの内側寸法を有する通路を貫通通過すべく構成され得る。例えば、閉じ包絡寸法は、幾つかの実施例において、8.6mmまたは5.6mmの如き特定の呼びサイズの内側寸法もしくは直径402を有するカニューレ400を貫通通過すべく構成された閉じ包絡径Dを有し得る。
【0071】
幾つかの実施例において、ステープラ100は、先端付勢式であり得る。すなわち、アンビル102及び/または支持顎部103は、ステープラ100が閉じ形態へと移動されるときに、該ステープラ100の末端が先ず接触し易い様に形状化され得る。先端付勢されたステープラ100は、アンビル102及び/または支持顎部103の僅かな撓曲は、アンビル102及びカートリッジ106がクランプインターフェイス202、204の相当なもしくは大半の部分に沿って接触するという閉じ形態への完全な圧縮を許容する如く、構成され得る。
【0072】
カニューレ400を貫通し、または、部分的に貫通した後、アンビル102は、
図16に示された開き位置の如き開き位置へと移動すべく起動され得る。上記開き位置において、アンビル102は、該アンビル102の末端部分188が、基端部分186である支持顎部103から更に離間して位置される如く、回動され、回動かつ平行移動され、または、移動され得る。ステープラ100を開き形態(open configuration)として、医師は、組織の手術的な切断及び/またはステープル綴じに備えて、該組織を支持顎部103とアンビル102との間に載置し得る。
【0073】
図17に示された如く、アンビル102はクランプ位置へと移動可能であり得る。上記クランプ位置は、発射の間において、且つ、本明細書において前述された如く、アンビル102とカートリッジ106もしくは支持顎部103との間、または、それらのクランプインターフェイス202、204の間において実質的に一貫した最大デバイス間隙G(例えば、
図10、
図14を参照)を達成すべく選択または設計され得る。幾つかの実施例において、上記クランプ位置は、アンビル102及び支持顎部103がクランプ形態において、閉じ形態における圧縮された包絡寸法または直径Dよりも大きな包絡寸法または直径D2を有する如く、選択または設計され得る。幾つかの実施例において、上記クランプ形態は、ステープラ100が貫通通過されたカニューレ400の内径402もしくは寸法よりも大きい包絡寸法または直径Dに帰着する。
【0074】
幾つかの実施例においては、支持顎部103に対するアンビル102の運動を達成するために、上側アンビル位置決め器110及び下側アンビル位置決め器112が配備かつ構成され得る。すなわち、上側アンビル位置決め器110及び/または下側アンビル位置決め器112は、アンビル102が閉じ位置及び/またはクランプ位置の間で移動されるときに、該アンビル102の枢動点を操作しまたは移動させるべく構成され得る。
【0075】
次に
図18から
図20Cに移ると、先に記述された如く、ステープラ100は、折畳み構成と拡開構成との間で移動すべく構成された拡開可能な切断機構108及び/またはクランプ部材を有し得る。
図18は、折畳み構成における切断機構108を示し、且つ、
図19は、拡開構成における切断機構を示している。
【0076】
折畳み構成(例えば
図18)において、切断機構108は、アンビル102と支持顎部103(または、概略的に、ステープラ100の残部)との組み合わせ高さより小さいか、または、包絡径Dよりも小さい高さHまたは包絡径を有し得る。拡開構成(例えば
図19)において、切断機構108は、アンビル102がクランプ形態に在るときにおけるアンビル102と支持顎部103との組み合わせ高さよりも大きい高さHを有し得るか、それに近づき得る。換言すると、折畳み構成における切断機構108の高さHは、ステープラ100が閉じ形態及び/またはクランプ形態に在るときの該ステープラ100の包絡径Dより小さくされ得る。幾つかの実施例において、折畳み構成における切断機構108の高さHは、ステープラ100またはアンビル102が閉じ及び/またはクランプ構成もしくは位置に在るときにおけるアンビル102と支持顎部103との組み合わせ包絡径より小さくされ得る。幾つかの実施例において、拡開構成における切断機構108の高さHは、ステープラ100またはアンビル102が閉じ及び/またはクランプ構成もしくは位置に在るときにおけるアンビル102と支持顎部103との組み合わせ包絡径Dより大きくされ得る。折畳み構成における切断機構108の高さHは、カニューレ400の内径402より小さくされ得る。拡開構成における切断機構108の高さHは、カニューレ400の内径402より大きくされ得る。
【0077】
拡開可能な切断機構108は、相互に対して拡開可能、平行移動可能、または、移動可能である第1部材118及び第2部材120を有し得る。幾つかの実施例において、部材118、120の内の第1のものは、支持顎部103またはカートリッジ106に対して長手方向及び横断方向の両方に移動可能であり、且つ、部材118、120の内の第2のものは、支持顎部103またはカートリッジ106に対して長手方向移動に制限される。幾つかの実施例においては、部材118、120の両方が、支持顎部103またはカートリッジ106に対して長手方向及び横断方向の両方に移動可能である。幾つかの実施例において、部材118、120の内の第1のものは、部材118、120の内の第2のものに対して回動可能である。すなわち、例えば、第1の部材118、120は、切断部材108が拡開してアンビル102及び支持顎部103へと乗り上がるときに、僅かに回動し得る。僅かな回動は、部材118、120におけるフランジ及び/または脚部により制限され得る。
【0078】
部材118、120の一方は、カッタ刃もしくは切断部分206を有し得ると共に、該部材は、アンビル102と支持顎部103との間にクランプされた組織を切断すべく、カートリッジ106におけるスロット140及び/またはアンビル102におけるスロット184を貫通し、または、部分的に貫通して進行すべく構成され得る。部材118、120の他方は、協働して、第1及び第2の部材118、120がステープラ100に対する強化効果を提供し得る如く、第1の部材118、120と共に進行すべく構成され得る。更に詳細には、
図20Cに示された如く、切断機構108は、該切断機構108が末端位置に在り、且つ/又は、末端方向に移動し、且つ、アンビル102及び支持顎部103の回りに拡開されたときに、アンビル102と支持顎部103との間にクランプされた組織に対して支持的なクランプ力を付与すべく構成され得る。
【0079】
幾つかの実施例において、上側アンビル位置決め器110は、支持顎部103に対して回動し、切断機構108の案内を支援すべく構成される。
【0080】
幾つかの実施例において、拡開可能な切断機構108は、第1部材118の如き部材118、120の一方に対して連結された第1アクチュエータ122と、第2部材120の如き部材118、129の他方に対して連結された第2アクチュエータとに対して連結され、または、それらを備える。幾つかの実施例において、アクチュエータ122、124の一方もしくは両方は、撓曲的である。幾つかの実施例において、第1アクチュエータ122は、起動されたときに(例えば、切断機構108を、ユーザ、または、ステープラ100の基端領域に向けて引き寄せるなどの)縮動力を付与すべく構成され、且つ、第2アクチュエータ124は、起動されたときに(例えば、切断機構108を、ユーザから離間して、または、ステープラ100の末端領域に向けて押し進めるなどの)伸張力を付与すべく構成される。幾つかの実施例において、撓曲的なアクチュエータ122、124は、他方の部材118、120に対して配向されてアクチュエータ122、124が連結される部材118、120を維持するための適切な剛性を以て構成され得る。換言すると、第1アクチュエータ122の如きアクチュエータ122、124は、切断機構108に対し、制限された押圧力または伸張力と、縮動が必要とされたときにおける大きな縮動力とを提供し得る。
【0081】
幾つかの実施例において、切断機構108は、切断部分206が、アンビル102及び支持顎部103により画成された組織切断領域と整列してないという折畳み構成と、切断部分206が上記組織切断領域と整列するという拡開構成との間で移動すべく構成され、上記組織切断領域は、アンビル102と支持顎部103との間のデバイス間隙Gにより画成されている(例えば、
図19及び
図20Aから
図20Cを参照)。
【0082】
アクチュエータ122、124の一方もしくは両方(示された如く、第1アクチュエータ122)は、拡開可能な切断機構108が末端方向に進行するにつれて該拡開可能な切断機構108が拡開することを許容するに十分なほど撓曲可能である(すなわち、第1部材118が上方に移動し得、且つ/又は、第2部材120が下方に移動し得る)べく、且つ、アクチュエータ122、124が取付けられた部材118、120を末端方向に移動させ、もしくは、少なくとも他の部材に対して配向されたままとするに十分に強い力を付与するに十分なほど堅固であるべく、構成され得る。故に、幾つかの実施例において、第1アクチュエータ122は第2部材120に対して第1部材118を配向させ得る一方、第2アクチュエータ124は基本的に、切断機構108を末端方向に移動させる。
【0083】
第1及び第2のアクチュエータ122、124は、業界公知の任意の手段であって、第1及び第2の部材118、120の信頼し得る制御を確実とするに適するという手段を用いて、第1及び第2の部材118、120に対して連結され得ることを理解すべきである。幾つかの実施例において、一方もしくは両方のアクチュエータ122、124は、相互に融着された多数枚の層を有し、または、積層化されたビーム材を備え得る。例えば、高強度鋼を備える複数枚の層122a、122b、122c、122dが配備されると共に、これらの層は、接着剤を用いて相互に連結されて、アクチュエータ122、124における適切な可撓性と、部材118、120における伸張力とを達成し得る。幾つかの実施例において、アクチュエータ122、124のいずれもが積層化ビーム材を有さないが、切断機構108または部材118、120を位置決めするに適した可撓性及び強度に対して選択された材料を備え得る。すなわち、アクチュエータ122、124は、切断機構108または部材118、120を末端方向に押し進めるに十分なほど強固であるべく、且つ、切断機構108が包絡径Dの外側へと拡開するときに切断機構108または部材118、120と共に移動するに十分なほど撓曲可能であるべく、選択されるべきである。
【0084】
図18から
図19を継続すると、当業者であれば、切断機構108は、業界公知の任意の適切な材料であって、アンビル102と支持顎部103もしくはカートリッジ106との間にクランプされた組織を切断するに適するという材料で作成され得ることを理解し得よう。例えば、第1部材118は、鋭利な切断部分206を有すべく、手術用鋼で形成されると共に、研磨もしくは機械加工され得る。幾つかの実施例において、第1部材118は、第1及び第2の部材118、120間にて可能な拡開の量を制限すべく、第2部材120における一つ以上の脚部212における一つ以上のフランジ214に係合すべく構成されたフランジ部分210を備えた一つ以上の脚部208を有する。幾つかの実施例において、脚部208、212は、一方の部材118、120が他方の部材118、120に対して所定量だけ回動することを許容すべく構成される。幾つかの実施例において、カートリッジ106、スロット140、及び/または、アンビル102は、切断機構108の垂直配向を維持すべく構成される。
【0085】
切断機構108は、例えば、最大拡開において、該切断機構108が、アンビル102が組織をクランプし乍ら変形することを阻止することを支援すべく構成される如く、第1及び第2の部材118、120の間の拡開を所定の拡開高さHに制限する手段を有し得る。幾つかの実施例において、切断機構108は、アンビル102と支持顎部103との間の組織クランプ間隙を、組織のクランプ、切断、及び/または、ステープル綴じに適したデバイス間隙Gに制限すべく構成される。例えば、幾つかの実施例において、切断機構108は、該切断機構108が基端位置から末端位置に向けて進行するにつれ、アンビル102を支持顎部103に向けて所定量だけ圧迫すべく構成される。
図19において更に明確に示された如く、幾つかの実施例において、第1部材118の前端部分119、及び/または、第2部材120の前端部分121は、ユーザに対して切断表面206よりも更に末端側である領域にて、切断機構108上に位置され得る。前端部分119、121は、組織切断に先立ちデバイス間隙Gに到達することを確実とすべく、且つ/又は、組織切断の間に最大デバイス間隙Gが超過されないことを確実とするために、アンビル102及び支持顎部103に圧縮力を付与すべく構成され得る。
【0086】
幾つかの実施例において、切断機構108は、最大デバイス間隙Gが達成されない領域を詰まらせ、または、其処へと進行しないように構成される。例えば、ステープラ100が2.0mmの最大デバイス間隙Gを達成すべく構成されるが、組織の一部が2.0mmまで圧縮され得ないなら、切断機構108は、厚寸すぎる組織の領域内には進行しない。この場合において、ステープラ100が偶発的に上記組織内へとステープルを発射し、且つ、これらのステープルが適切に成形されないとしても、切断部材108は、適切にステープル綴じされていない組織の部分を切断しない。医師はその後、切断機構108を手動的に縮動させると共に、不適切に成形されたステープルを組織から引き抜き得る。
【0087】
図19に示された如く、当業者であれば、第1部材118または第2部材120の任意の部分は、単体的とされ得るか、または、任意の部分は、切断機構108の他の構成要素に対して連結された別体的な構成要素であり得ることを理解し得よう。幾つかの実施例において、部材118、120の脚部208、212は、部材118、120の湾曲案内部分118a、120aに連結された独立的な特定構造であり得る。
【0088】
次に
図21を参照すると、幾つかの実施例において、手術用ステープラ500は、本明細書において前述された如く、切断表面206を備えて繋留されたクランプ機構502を有し得る。繋留されたクランプ機構502は、現在において入手可能な設計態様においてそうである如く、当該改変Iビーム材がエンド・エフェクタの直径の全体を貫通しては延在しないように、相互に連結された第1もしくは下側フランジ504及び第2または上側フランジ506を有する改変Iビーム材を含み得る。代わりに、上記Iビーム材は、例えば、ステープルの角度により生成されたスペースにおいて、カートリッジ508内に、第1フランジ504にて繋留され得る。幾つかの実施例において、上記Iビーム材は、カートリッジ508におけるフランジもしくは凹所に対して摺動的に係合すべく形状化された第1フランジ504を含み得る。上記Iビーム材は、フランジ504、506の一つ以上において、手術用ステープラ500のクランプまたはエンド・エフェクタの外側面に摺動的に係合すべく形状化された表面を含み得る。
【0089】
幾つかの実施例において、繋留されたクランプ機構502、切断機構108、または、Iビーム材は、摺動してカム128、130を追尾すべく、且つ、切断機構108に関して実質的に前述された如き様式で移動支点として作用すべく、形状化され得る。幾つかの実施例において、繋留されたクランプ機構502、切断機構108、または、Iビーム材は、末端方向に摺動もしくは進行すべく形状化され得る。
【0090】
図21に示された如く、第1フランジ504は、上記繋留されたクランプ機構が上記カートリッジにおける凹所もしくはチャネル切欠きを通り摺動することを許容する一方、切断機構108に関して実質的に前述された如き様式で最大デバイス間隙Gを許容もしくは制限し得る。
【0091】
次に
図22から
図24に移ると、ステープル押圧器148が更に詳細に示される。ステープル押圧器148は、本明細書において実質的に前述された如く、2つのステープルを支持すべく構成された第1受容化領域160及び第2受容化領域164を備え得る。幾つかの実施例において、受容化領域160、164は、ステープル綴じされた組織がシールされることを確実とするために、ステープルを、交互配置されるが平行であるという配向にて支持すべく構成される。
図22に示された如く、ステープル押圧器148は第1カム化表面216及び/または第2カム化表面218を有し得、これらは、平行移動カム128、130及びカートリッジ106と連携して、平行移動カム128、130の長手方向運動を、別のステープル押圧器132に対して傾斜した角度θにおける如き横断方向運動へと変換して、ステープルを、アンビル102と支持顎部103との間にクランプされた組織内へと駆動すべく構成される。
【0092】
図25は、アンビル102の位置決めを支援するために、先に記述された如く、フランジ112a、112bを有する下側アンビル位置決め器112を示しているが、当業者であれば、単一のフランジ112a、112bが適切であり、または、導入され得ることを理解し得よう。幾つかの実施例において、フランジ112a、112bは、ブリッジ112cにより相互に連結されることで、(不図示の)単一のアクチュエータが、下側アンビル位置決め器112及び/またはフランジ112a、112bの運動を達成することを可能とする。幾つかの実施例において、下側アンビル位置決め器112は、フランジ112a、112bを連結するブリッジ112dを有する。
【0093】
図26は、切断機構108、スプリング113、及び、上側アンビル位置決め器110の間の関係を示している。
【0094】
図27から
図28に示された如く、幾つかの実施例において、カートリッジ・ハウジングは配備されない。すなわち、カートリッジ106及びカートリッジ・ハウジング104は、一体化されて、一体片、すなわち、一体化されたステープル・ハウジング107となることで、外側ケーシングを形成する。一体化されたステープル・ハウジング107は、ステープルがカム128、130(及び、ステープル押圧器132)により駆動されるときに、それらをハウジング107から外方へと適切に案内する特定構造を有し得る。一体化されたステープル・ハウジング107を有する実施例においては、該一体化ハウジング107の中央へと、インサート109が連結され、載置され、または、弾性嵌合されて、ステープル・ポケット111の医学的特定構造を完成し得る。付加的に、ステープル押圧器132は、強度のためにハウジングの壁厚を増大するスペースを生成すべく、改変され(切り詰められ)、または、適切にサイズ設定され得る。
【0095】
幾つかの実施例において、
図5、及び/または、
図29から
図30に示された如く、ハウジング壁部により案内されたステープルを提供すべく一体化されたステープル・ハウジングは、カートリッジ508またはハウジングの壁厚の増大を許容することで、押圧器がステープルを受容し得るというステープラと比較して、手術用ステープラの大きな強度を許容し得る。
図29から
図30を
図31から
図32と対比されたい。
【0096】
幾つかの実施例において、本明細書中に開示されたステープラは、撓曲可能なカテーテル内で使用され得る。幾つかの実施例において、本明細書中に開示されたステープラ100は、関節運動継手に対して連結されるべく、または、それと共に使用されるべく構成される。
【0097】
図20Aから
図20C、及び/または、
図33から
図34に示された如く、繋留されたクランプ機構502または切断機構108は、安全ロック特定構造を提供し得る。幾つかの実施例において、機構502、108は、多すぎる組織がクランプされた(ことにより、本明細書において前述された必要な間隙を達成しない)なら、機構502、108はアンビル102に対して下り進行し得ずに、自己停止し、発射手順が継続されることを阻止する如く、進行し得る。
【0098】
次に
図36に移ると、幾つかの実施例において、患者に対してステープル綴じ処置を実施する方法3600が提供される。方法3600は、閉じ位置における手術用ステープラを配備3602する段階、上記ステープラの少なくとも一部分をカニューレを通して挿入3604する段階、及び、上記ステープラを閉じ位置からクランプ位置へと移動3606する段階を含み得る。
【0099】
手術用ステープラを閉じ形態で配備3602する段階は、
図1から
図35Bに関して本明細書において前述された特徴の任意のものを有する手術用ステープラを配備する段階を含み得る。幾つかの実施例において、配備段階3602は、支持顎部に対して移動可能に連結されたアンビルを備えるステープラを配備する段階を含み、その場合、上記支持顎部は、末端及び基端を有する長寸本体を有するカートリッジであって、複数のステープルを取出し可能に収容すべく構成されたというカートリッジを備える。上記長寸本体は、切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、上記複数のステープルの内の上記第1ステープルに対して傾斜した角度にて上記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを収容すべく形状化された第3スロットとを有し得る。
【0100】
手術用ステープラの少なくとも一部分をカニューレに貫通通過させる段階3604は、ステープラの少なくとも一部分を、内径を有するカニューレに貫通通過させる段階を含み得る。上記カニューレは、
図1から
図35Bに関して本明細書において実質的に前述された如きであり得る。
【0101】
手術用ステープラを閉じ形態からクランプ形態へと移動させる段階3606は、ステープラを、該手術用ステープラが上記アンビルと上記支持顎部との間の間隙を維持すると共に、該手術用ステープラが上記カニューレを貫通通過し得ないというクランプ形態へと移動させる段階を含み得る。ステープラをクランプ形態へと移動させる段階3606は、
図1から
図35Bに関して前述されたステープラを用いて達成され得る。
【0102】
方法3600は、5.6mm以下の内径を有するカニューレ400を貫通通過すべく構成されたステープラを用いて3.0mm以上の脚長を有するステープルを使用して組織をステープル綴じする段階を含み得る。該方法3600は、閉じ位置において5.6mm以下の包絡径を有するステープラを用いて、1.5mm超である厚みまでクランプされた組織をステープル綴じする段階を含み得る。
【0103】
幾つかの実施例において、方法3600は更に、少なくとも一つのカムを長手方向に平行移動させ、第1ステープル押圧器または第2ステープル押圧器の少なくとも一つを、上記第1ステープル押圧器または上記第2ステープル押圧器の他方に対して傾斜した方向に付勢する段階を含む。
【0104】
幾つかの実施例において、方法3600は更に、手術用ステープラにおける第1のカートリッジ・キットを、第2のカートリッジ・キットと交換する段階を含む。方法3600は更に、第1のカートリッジ・キットを有するステープラを用いて、第1の脚長を有する第1群の複数のステープルを患者の体内に載置する段階と、上記カートリッジ・キットを交換する段階と、第2のカートリッジ・キットを有する上記ステープラを用いて、上記第1の脚長とは異なる第2の脚長を有する第2群の複数のステープルを患者の体内に載置する段階とを含み得る。幾つかの実施例においては、同一の患者が、両方の群のステープルを受容する。
【0105】
上記の記述に加え、本明細書においては種々の特定例が開示される。
【0106】
実施例1:包絡径内に収まるべく、且つ、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成された長寸本体であって、上記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有し、上記脚長は上記包絡径の少なくとも53%であるという長寸本体と、平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、上記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットと、を備える、手術用ステープラのためのカートリッジ。
【0107】
実施例2:当該カートリッジは、湾曲された組織クランプインターフェイスを更に備え、且つ、上記傾斜角度は、約4°~約30°である、実施例1のカートリッジ。
【0108】
実施例3:上記第2スロットは、少なくとも、第1のステープル押圧器を平行移動可能に収容すべく形状化され、上記第3スロットは、少なくとも、第2のステープル押圧器を平行移動可能に収容すべく形状化され、且つ、上記第2スロット及び上記第3スロットは、上記第1ステープル押圧器を、上記第2ステープル押圧器の平行移動に対して傾斜した角度における平行移動に制限すべく構成される、実施例1または2のカートリッジ。
【0109】
実施例4:上記第2スロットは少なくとも、少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1ステープルと、該複数のステープルの内の上記第1ステープルに対して平行に該複数のステープルの内の第3のステープルとを支持すべく形状化された第1のステープル押圧器を、平行移動可能に収容すべく形状化され、上記第3スロットは少なくとも、上記第1のステープル押圧器に対して傾斜した第2のステープル押圧器であって、少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第2ステープルと、該複数のステープルの内の上記第2ステープルに対して平行に該複数のステープルの内の第4のステープルとを支持すべく形状化されたという第2のステープル押圧器を、平行移動可能に収容すべく形状化される、実施例1のカートリッジ。
【0110】
実施例5:上記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは、3.42mm以上の脚長を有すると共に、上記包絡径は5.6mm以下である、または、上記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは、4.72mm以上の呼び脚長を有すると共に、上記包絡径は8.6mm以下である、の内の一つである、先行実施例のいずれか一つの実施例のカートリッジ。
【0111】
実施例6:上記第2スロットは、第1の長手方向平行移動カムを摺動可能に受容して上記第1ステープル押圧器の摺動運動を達成すべく形状化され、且つ、上記第3スロットは、第2の長手方向平行移動カムを摺動可能に受容して、上記第1ステープル押圧器の上記摺動運動に対して傾斜した上記第2ステープル押圧器の摺動運動を達成すべく形状化される、実施例3または4のカートリッジ。
【0112】
実施例7:上記カートリッジは、湾曲された組織クランプインターフェイスを備え、且つ、上記カートリッジは、上記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルを、上記湾曲された組織クランプインターフェイスに対して垂直の角度にて位置決めすべく構成される、先行実施例のいずれか一つのカートリッジ。
【0113】
実施例8:上記湾曲された組織クランプインターフェイスは、上記長寸本体の基端と末端との間に延伸する長手軸心の回りに湾曲され、且つ、上記湾曲された組織クランプインターフェイスは、上記包絡径の約40%~60%の半径を有する、実施例7のカートリッジ。
【0114】
実施例9:上記包絡径は5.6mm以下であり、且つ、少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルは、3.42mm以上の脚長を有する、または、少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルは、1.5mm超の厚みへとクランプされた組織の回りで成形されるべく構成される、の内の少なくとも一方である、実施例8のカートリッジ。
【0115】
実施例10:少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルは、3.42mm以上の脚長を有すると共に、上記包絡径は5.6mm以下である、または、少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルは、4.72mm以上の脚長を有すると共に、上記包絡径は8.6mm以下である、の内の一つである、実施例1のカートリッジ。
【0116】
実施例11:少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルは、組織厚みまでクランプされた組織の回りをステープル綴じすべく構成され、且つ、上記組織厚みは、上記包絡径の少なくとも20%である、先行実施例のいずれか一つのカートリッジ。
【0117】
実施例12:上記組織厚みは、上記包絡径の約22%~約36%である、実施例11のカートリッジ。
【0118】
実施例13:当該カートリッジは、カートリッジ支持顎部に対して連結するための凹所を更に備え、且つ、当該カートリッジ及び上記支持顎部は、5.6mm以下の包絡径内に収まるべく形状化される、または、当該カートリッジ及び上記支持顎部は、8.6mm以下の包絡径内に収まるべく形状化される、の内の一つである、実施例1のカートリッジ。
【0119】
実施例14:湾曲された組織クランプインターフェイスを更に備える、実施例1のカートリッジ。
【0120】
実施例15:上記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは、上記包絡径の少なくとも61%である脚長を有する、先行実施例のいずれか一つのカートリッジ。
【0121】
実施例16:アンビル及び支持顎部が、それらの間に位置された組織をクランプすべく構成されるというクランプ形態と、当該アンビルにおける組織クランプインターフェイスがカートリッジにおける組織クランプインターフェイスに当接するという閉じ形態と、の間において移動可能であるべく、支持顎部に対して連結されたアンビルを備える手術用ステープラであって、上記支持顎部は、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成された長寸本体を有するカートリッジを備え、上記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有し、上記カートリッジは更に、平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第2のステープルを、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットと、を更に備え、上記アンビル、及び、上記カートリッジを備える上記支持顎部は、上記閉じ形態に在るとき、包絡径内に収まるべく形状化され、且つ、上記複数のB形ステープルの内の上記少なくとも一つのステープルの上記脚長は、上記包絡径の少なくとも53%である、手術用ステープラ。
【0122】
実施例17:上記第3スロットは、上記複数のステープルの内の上記第2のステープルを、該複数のステープルの内の上記第1ステープルに対して約4°~約30°の角度にて収容すべく形状化される、実施例16のステープラ。
【0123】
実施例18:上記第2スロットは、少なくとも、第1のステープル押圧器を平行移動可能に収容すべく形状化され、上記第3スロットは、少なくとも、第2のステープル押圧器を平行移動可能に収容すべく形状化され、且つ、上記第2スロット及び上記第3スロットは、上記第1ステープル押圧器を、上記第2ステープル押圧器の平行移動に対して傾斜した角度における平行移動に制限すべく構成される、実施例16または17のステープラ。
【0124】
実施例19:上記第2スロットは少なくとも、少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1ステープルと、該複数のステープルの内の上記第1ステープルに対して平行に該複数のステープルの内の第3のステープルとを支持すべく形状化された第1のステープル押圧器を、平行移動可能に収容すべく形状化され、上記第3スロットは少なくとも、上記第1のステープル押圧器に対して傾斜した第2のステープル押圧器であって、少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第2ステープルと、該複数のステープルの内の第4のステープルとを支持すべく形状化されたという第2のステープル押圧器を、平行移動可能に収容すべく形状化される、実施例16のステープラ。
【0125】
実施例20:上記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは3.42mm以上の脚長を有し、且つ、上記包絡径は5.6mm以下である、または、上記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは4.72mm以上の脚長を有し、且つ、上記包絡径は8.6mm以下である、または、上記包絡径は5.6mm以下であり、且つ、当該ステープラは、0.5mm超の袖部幅に帰着する組織をステープル綴じして切断すべく構成される、の内の一つである、実施例16から19のいずれか一つのステープラ。
【0126】
実施例21:当該ステープラは、第1の長手方向平行移動カムと、上記第1の長手方向平行移動カムに対して傾斜して位置された第2の長手方向平行移動カムとを更に備え、且つ、上記第2スロットは、上記第1の長手方向平行移動カムを摺動可能に受容して、上記第1ステープル押圧器の摺動運動を達成すべく形状化され、且つ、上記第3スロットは、上記第2の長手方向平行移動カムを摺動可能に受容して、上記第1ステープル押圧器の上記摺動運動に対して傾斜した上記第2ステープル押圧器の摺動運動を達成すべく形状化される、実施例19のステープラ。
【0127】
実施例22:当該切断機構が上記包絡径内に収まるべく形状化されるという折畳み構成と、当該切断機構が上記包絡径よりも大きい寸法を有するという拡開構成との間で移動すべく構成された拡開可能な切断機構を更に備える、実施例16から21のいずれか一つのステープラ。
【0128】
実施例23:当該ステープラは、切断部分を備えた第1部材と、第2部材とを有する拡開可能な切断機構を更に備え、上記切断機構は、上記切断部分が、上記カートリッジの上記組織クランプインターフェイスにより画成された長手軸心と交錯しないという折畳み構成と、上記切断部分が、上記カートリッジの上記組織クランプインターフェイスにより画成された上記長手軸心と交錯するという拡開構成との間で移動すべく構成される、実施例16から21のステープラ。
【0129】
実施例24:少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルは3.42mm以上の脚長を有し、且つ、上記包絡径は5.6mm以下である、または、少なくとも、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルは4.72mm以上の脚長を有し、且つ、上記包絡径は8.6mm以下である、の内の一つである、実施例16から23のいずれか一つのステープラ。
【0130】
実施例25:当該手術用ステープラは、所定の組織厚みまでの組織をステープル綴じして切断すべく構成され、上記組織厚みは、ステープル綴じの間における上記アンビルと上記カートリッジとの間の距離として定義され、且つ、上記組織厚みは、当該ステープラが上記閉じ形態に在るときにおける上記包絡径の少なくとも20%である、実施例16または24の手術用ステープラ。
【0131】
実施例26:上記アンビルは、湾曲された組織クランプインターフェイスを有し、且つ、上記カートリッジは、当該ステープラが上記閉じ形態に在るときに上記アンビルの上記湾曲された組織クランプインターフェイスに係合すべく形状化された、湾曲された組織クランプインターフェイスを有する、実施例16から25のいずれか一つのステープラ。
【0132】
実施例27:上記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは、上記包絡径の少なくとも61%である脚長を有する、実施例16から26のいずれか一つのステープラ。
【0133】
実施例28:手術用ステープラを閉じ形態で配備する段階であって、上記ステープラは、アンビル及び支持顎部が、それらの間に位置された組織をクランプすべく構成されるというクランプ形態と、当該アンビルにおける組織クランプインターフェイスがカートリッジにおける組織クランプインターフェイスに当接するという閉じ形態と、の間において移動可能であるべく、支持顎部に対して連結されたアンビルを備え、上記支持顎部は、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成されたカートリッジを備え、上記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有し、上記カートリッジは更に、平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、上記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを、上記複数のステープルの内の上記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットと、を更に備え、上記アンビル、及び、上記カートリッジを備える上記支持顎部は、上記閉じ形態に在るとき、包絡径内に収まるべく形状化され、且つ、上記複数のB形ステープルの内の上記少なくとも一つのステープルの上記脚長は、上記包絡径の少なくとも53%である、という段階と、上記閉じ形態において上記ステープラの少なくとも一部分を、包絡径に通過させる段階と、上記アンビルと上記支持顎部との間に組織を位置させる段階と、上記アンビルを、該アンビル及び上記支持顎部が上記組織をクランプするという上記クランプ形態まで移動させる段階と、上記ステープラにより、上記組織の回りで複数のステープルを成形する段階と、を有する、手術用ステープルを患者の体内に載置する方法。
【0134】
実施例29:当該方法は、上記複数のステープルの内の上記第1ステープルに対して平行に、上記複数のステープルの内の第3ステープルを収容する段階と、上記複数のステープルの内の上記第2ステープルに対して平行に、上記複数のステープルの内の第4ステープルを収容する段階とを更に有し、且つ、上記手術用ステープラは5.6mm以下の包絡径を有し、または、上記手術用ステープラは8.6mm以下の包絡径を有する、の内の一つである、実施例28の方法。
【0135】
実施例30:上記支持顎部における湾曲された組織クランプインターフェイスと、上記アンビルにおける湾曲された組織クランプインターフェイスとの間に組織をクランプする段階を更に備える、実施例28の方法。
【0136】
実施例31:アンビル及び支持顎部が、それらの間に位置された組織をクランプすべく構成されるというクランプ形態と、当該アンビルにおける組織クランプインターフェイスがカートリッジにおける組織クランプインターフェイスに当接するという閉じ形態と、の間において移動可能であるべく、支持顎部に対して連結されたアンビルであって、該アンビル及び上記支持顎部は、該アンビルが上記閉じ形態に在るときに包絡径を画成するというアンビルと、切断部分を有する第1部材と、第2部材と、を有する平行移動式切断機構であって、該切断機構が上記包絡径内に収まるべく形状化されるという折畳み構成と、該切断機構が上記包絡径内に収まらないという拡開構成との間で移動可能であるという平行移動式切断機構と、を備える手術用ステープラであって、上記支持顎部は、上記平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、少なくとも、上記複数のステープルの内の第2のステープルを収容すべく形状化された第3スロットと、を有するカートリッジを備える、手術用ステープラ。
【0137】
実施例32:上記第1部材または上記第2部材の少なくとも一つは少なくとも一つの案内部を有し、該少なくとも一つの案内部は、上記アンビル上の対応案内部と係合して上記切断機構を上記対応案内部に対する平行移動に制限すべく構成される、実施例31の手術用ステープラ。
【0138】
実施例33:上記包絡径は5.6mm以下である、または、上記包絡径は8.6mm以下である、の内の一つである、実施例31または32の手術用ステープラ。
【0139】
実施例34:上記第1部材に対して連結された第1アクチュエータであって、該第1部材は上記第1部材を末端方向に且つ上記アンビル上に移動させるべく構成されるという第1アクチュエータと、上記第2部材に対して連結された第2アクチュエータであって、該アクチュエータは上記第2部材を末端方向に且つ上記支持顎部上に移動させるべく構成されるという第2アクチュエータと、を更に備える、実施例31から33のいずれか一つの手術用ステープラ。
【0140】
実施例35:上記第1アクチュエータは可撓部材を備える、実施例34の手術用ステープラ。
【0141】
実施例36:上記第1部材は、第1フランジを有する少なくとも一つの脚部を備え、且つ、上記第2部材は、第2フランジを有する少なくとも一つの脚部を備え、上記第1フランジ及び上記第2フランジは、上記切断機構の拡開を制限すべく形状化される、実施例31から35のいずれか一つの手術用ステープラ。
【0142】
実施例37:上記切断機構は、該切断機構が当該手術用ステープラの末端に向けて平行移動するにつれ、上記アンビル及び上記支持顎部を相互に向けて且つ上記クランプ形態へと圧縮すべく構成される、実施例31から36のいずれか一つの手術用ステープラ。
【0143】
実施例38:当該ステープラは、上記閉じ形態において5.6mmの包絡径を有し、且つ、該ステープラは、切断された組織が0.5mm超の袖部幅を有する如く、上記アンビルと上記支持顎部との間にクランプされた組織をステープル綴じして切断すべく構成される、実施例31から37のいずれか一つの手術用ステープラ。
【0144】
本明細書中に開示された種々の要素の各々は、種々の様式で達成され得る。本開示内容は、任意の装置実施例、方法もしくはプロセス実施例の変更例、または、これらの任意の要素の単なる変更例であっても、斯かる変更例の各々を包含すると理解されるべきである。特に、各要素に対する語句は、機能もしくは結果のみが同一であるとしても、等価的な装置語句または方法語句により表現され得ることを理解すべきである。斯かる等価的な、更に広範囲な、または、更に包括的でさえある語句は、各要素もしくは動作の説明に包含されるものと考えられるべきである。斯かる語句は、望まれる場合、本発明が権利付与される暗黙的に広範囲な包含範囲を明示すべく、置き換えられ得る。
【0145】
単なる一例として、全ての動作は、その動作を行う手段として、または、その動作を引き起こす要素として表現され得ることを理解すべきである。同様に、開示された物理的要素の各々は、その物理的要素が促進する動作の開示内容を包含すると理解されるべきである。この最後の見地に関し、例示的にのみ、クランプの開示内容は、明示的に論じられたか否かに関わらず、クランプの作用の開示内容を包含すると理解されるべきであり、また逆に、クランプの作用の開示のみがあるなら、斯かる開示内容は、“クランプ機構”の開示内容を包含すると理解されるべきである。斯かる変更及び代替的な語句は、上記説明中に明示的に含まれると理解されるべきである。
【0146】
開示された実施例に関する先の説明は、当業者が本発明を構成もしくは使用し得るべく提供される。当業者であれば、これらの実施例に対する種々の改変は容易に明らかであり、且つ、本明細書において定義された包括的な原理は、発明の精神もしくは有効範囲から逸脱せずに、他の実施例に対して適用され得る。故に、本発明は、本明細書中に示された実施例に限定されることが意図されるのではなく、本明細書中に開示された原理及び新規な特徴に一致する最も広範囲な有効範囲に従うものとする。
本明細書に開示される発明は以下の態様を含む。
〔態様1〕
包絡径内に収まるべく、且つ、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成された長寸本体であって、前記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有し、前記脚長は前記包絡径の少なくとも53%であるという長寸本体と、
平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、
少なくとも、前記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、
前記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットと、
を備える、手術用ステープラのためのカートリッジ。
〔態様2〕
当該カートリッジは、湾曲された組織クランプインターフェイスを更に備え、
前記傾斜角度は、約4°~約30°である、態様1に記載のカートリッジ。
〔態様3〕
前記第2スロットは、少なくとも、第1のステープル押圧器を平行移動可能に収容すべく形状化され、
前記第3スロットは、少なくとも、第2のステープル押圧器を平行移動可能に収容すべく形状化され、
前記第2スロット及び前記第3スロットは、前記第1ステープル押圧器を、前記第2ステープル押圧器の平行移動に対して傾斜した角度における平行移動に制限すべく構成される、態様1または2に記載のカートリッジ。
〔態様4〕
前記第2スロットは少なくとも、少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1ステープルと、該複数のステープルの内の前記第1ステープルに対して平行に該複数のステープルの内の第3のステープルとを支持すべく形状化された第1のステープル押圧器を、平行移動可能に収容すべく形状化され、
前記第3スロットは少なくとも、前記第1のステープル押圧器に対して傾斜した第2のステープル押圧器であって、少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第2ステープルと、該複数のステープルの内の前記第2ステープルに対して平行に該複数のステープルの内の第4のステープルとを支持すべく形状化されたという第2のステープル押圧器を、平行移動可能に収容すべく形状化される、態様1に記載のカートリッジ。
〔態様5〕
前記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは、3.42mm以上の脚長を有すると共に、前記包絡径は5.6mm以下である、または、
前記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは、4.72mm以上の呼び脚長を有すると共に、前記包絡径は8.6mm以下である、
の内の一つである、先行態様のいずれか一項に記載のカートリッジ。
〔態様6〕
前記第2スロットは、第1の長手方向平行移動カムを摺動可能に受容して前記第1ステープル押圧器の摺動運動を達成すべく形状化され、
前記第3スロットは、第2の長手方向平行移動カムを摺動可能に受容して、前記第1ステープル押圧器の前記摺動運動に対して傾斜した前記第2ステープル押圧器の摺動運動を達成すべく形状化される、態様3または4に記載のカートリッジ。
〔態様7〕
前記カートリッジは、湾曲された組織クランプインターフェイスを備え、
前記カートリッジは、前記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルを、前記湾曲された組織クランプインターフェイスに対して垂直の角度にて位置決めすべく構成される、先行態様のいずれか一項に記載のカートリッジ。
〔態様8〕
前記湾曲された組織クランプインターフェイスは、前記長寸本体の基端と末端との間に延伸する長手軸心の回りに湾曲され、
前記湾曲された組織クランプインターフェイスは、前記包絡径の約40%~60%の半径を有する、態様7に記載のカートリッジ。
〔態様9〕
前記包絡径は5.6mm以下であり、
(a)少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルは、3.42mm以上の脚長を有する、または、
(b)少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルは、1.5mm超の厚みへとクランプされた組織の回りで成形されるべく構成される、
の内の少なくとも一方である、態様8に記載のカートリッジ。
〔態様10〕
少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルは、3.42mm以上の脚長を有すると共に、前記包絡径は5.6mm以下である、または、
少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルは、4.72mm以上の脚長を有すると共に、前記包絡径は8.6mm以下である、
の内の一つである、態様1に記載のカートリッジ。
〔態様11〕
少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルは、組織厚みまでクランプされた組織の回りをステープル綴じすべく構成され、
前記組織厚みは、前記包絡径の少なくとも20%である、先行態様のいずれか一項に記載のカートリッジ。
〔態様12〕
前記組織厚みは、前記包絡径の約22%~約36%である、態様11に記載のカートリッジ。
〔態様13〕
当該カートリッジは、カートリッジ支持顎部に対して連結するための凹所を更に備え、
当該カートリッジ及び前記支持顎部は、5.6mm以下の包絡径内に収まるべく形状化される、または、
当該カートリッジ及び前記支持顎部は、8.6mm以下の包絡径内に収まるべく形状化される、
の内の一つである、態様1に記載のカートリッジ。
〔態様14〕
湾曲された組織クランプインターフェイスを更に備える、態様1に記載のカートリッジ。
〔態様15〕
前記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは、前記包絡径の少なくとも61%である脚長を有する、先行態様のいずれか一項に記載のカートリッジ。
〔態様16〕
アンビル及び支持顎部が、それらの間に位置された組織をクランプすべく構成されるというクランプ形態と、当該アンビルにおける組織クランプインターフェイスがカートリッジにおける組織クランプインターフェイスに当接するという閉じ形態と、の間において移動可能であるべく、支持顎部に対して連結されたアンビルを備える手術用ステープラであって、
前記支持顎部は、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成された長寸本体を有するカートリッジを備え、
前記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有し、
前記カートリッジは更に、平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、前記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、少なくとも、前記複数のステープルの内の第2のステープルを、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットと、を更に備え、
前記アンビル、及び、前記カートリッジを備える前記支持顎部は、前記閉じ形態に在るとき、包絡径内に収まるべく形状化され、且つ、
前記複数のB形ステープルの内の前記少なくとも一つのステープルの前記脚長は、前記包絡径の少なくとも53%である、
手術用ステープラ。
〔態様17〕
前記第3スロットは、前記複数のステープルの内の前記第2のステープルを、該複数のステープルの内の前記第1ステープルに対して約4°~約30°の角度にて収容すべく形状化される、態様16に記載のステープラ。
〔態様18〕
前記第2スロットは、少なくとも、第1のステープル押圧器を平行移動可能に収容すべく形状化され、
前記第3スロットは、少なくとも、第2のステープル押圧器を平行移動可能に収容すべく形状化され、
前記第2スロット及び前記第3スロットは、前記第1ステープル押圧器を、前記第2ステープル押圧器の平行移動に対して傾斜した角度における平行移動に制限すべく構成される、態様16または17に記載のステープラ。
〔態様19〕
前記第2スロットは少なくとも、少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1ステープルと、該複数のステープルの内の前記第1ステープルに対して平行に該複数のステープルの内の第3のステープルとを支持すべく形状化された第1のステープル押圧器を、平行移動可能に収容すべく形状化され、
前記第3スロットは少なくとも、前記第1のステープル押圧器に対して傾斜した第2のステープル押圧器であって、少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第2ステープルと、該複数のステープルの内の第4のステープルとを支持すべく形状化されたという第2のステープル押圧器を、平行移動可能に収容すべく形状化される、態様16に記載のステープラ。
〔態様20〕
前記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは3.42mm以上の脚長を有し、且つ、前記包絡径は5.6mm以下である、または、
前記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは4.72mm以上の脚長を有し、且つ、前記包絡径は8.6mm以下である、または、
前記包絡径は5.6mm以下であり、且つ、当該ステープラは、0.5mm超の袖部幅に帰着する組織をステープル綴じして切断すべく構成される、
の内の一つである、態様16から19のいずれか一項に記載のステープラ。
〔態様21〕
当該ステープラは、
第1の長手方向平行移動カムと、
前記第1の長手方向平行移動カムに対して傾斜して位置された第2の長手方向平行移動カムとを更に備え、
前記第2スロットは、前記第1の長手方向平行移動カムを摺動可能に受容して、前記第1ステープル押圧器の摺動運動を達成すべく形状化され、
前記第3スロットは、前記第2の長手方向平行移動カムを摺動可能に受容して、前記第1ステープル押圧器の前記摺動運動に対して傾斜した前記第2ステープル押圧器の摺動運動を達成すべく形状化される、態様19に記載のステープラ。
〔態様22〕
切断機構が前記包絡径内に収まるべく形状化されるという折畳み構成と、当該切断機構が前記包絡径よりも大きい寸法を有するという拡開構成との間で移動すべく構成された拡開可能な切断機構を更に備える、態様16から21のいずれか一項に記載のステープラ。
〔態様23〕
当該ステープラは、切断部分を備えた第1部材と、第2部材とを有する拡開可能な切断機構を更に備え、
前記切断機構は、前記切断部分が、前記カートリッジの前記組織クランプインターフェイスにより画成された長手軸心と交錯しないという折畳み構成と、前記切断部分が、前記カートリッジの前記組織クランプインターフェイスにより画成された前記長手軸心と交錯するという拡開構成との間で移動すべく構成される、態様16から21のいずれか一項に記載のステープラ。
〔態様24〕
少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルは3.42mm以上の脚長を有し、且つ、前記包絡径は5.6mm以下である、または、
少なくとも、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルは4.72mm以上の脚長を有し、且つ、前記包絡径は8.6mm以下である、
の内の一つである、態様16から23のいずれか一項に記載のステープラ。
〔態様25〕
当該手術用ステープラは、所定の組織厚みまでの組織をステープル綴じして切断すべく構成され、
前記組織厚みは、ステープル綴じの間における前記アンビルと前記カートリッジとの間の距離として定義され、
前記組織厚みは、当該ステープラが前記閉じ形態に在るときにおける前記包絡径の少なくとも20%である、態様16または24に記載の手術用ステープラ。
〔態様26〕
前記アンビルは、湾曲された組織クランプインターフェイスを有し、
前記カートリッジは、当該ステープラが前記閉じ形態に在るときに前記アンビルの前記湾曲された組織クランプインターフェイスに係合すべく形状化された、湾曲された組織クランプインターフェイスを有する、態様16から25のいずれか一項に記載のステープラ。
〔態様27〕
前記複数のステープルの内の少なくとも一つのステープルは、前記包絡径の少なくとも61%である脚長を有する、態様16から26のいずれか一項に記載のステープラ。
〔態様28〕
手術用ステープラを閉じ形態で配備する段階であって、前記ステープラは、アンビル及び支持顎部が、それらの間に位置された組織をクランプすべく構成されるというクランプ形態と、当該アンビルにおける組織クランプインターフェイスがカートリッジにおける組織クランプインターフェイスに当接するという閉じ形態と、の間において移動可能であるべく、支持顎部に対して連結されたアンビルを備え、前記支持顎部は、複数のB形ステープルを取出し可能に収容すべく構成されたカートリッジを備え、前記複数のB形ステープルの内の少なくとも一つのステープルは、基部長及び脚長を有し、前記カートリッジは更に、平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、前記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、前記複数のステープルの内の少なくとも第2のステープルを、前記複数のステープルの内の前記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容すべく形状化された第3スロットと、を更に備え、前記アンビル、及び、前記カートリッジを備える前記支持顎部は、前記閉じ形態に在るとき、包絡径内に収まるべく形状化され、且つ、前記複数のB形ステープルの内の前記少なくとも一つのステープルの前記脚長は、前記包絡径の少なくとも53%である、という段階と、
前記閉じ形態において前記ステープラの少なくとも一部分を、包絡径に通過させる段階と、
前記アンビルと前記支持顎部との間に組織を位置させる段階と、
前記アンビルを、該アンビル及び前記支持顎部が前記組織をクランプするという前記クランプ形態まで移動させる段階と、
前記ステープラにより、前記組織の回りで複数のステープルを成形する段階と、
を有する、手術用ステープルを患者の体内に載置する方法。
〔態様29〕
当該方法は、
前記複数のステープルの内の前記第1ステープルに対して平行に、前記複数のステープルの内の第3ステープルを収容する段階と、
前記複数のステープルの内の前記第2ステープルに対して平行に、前記複数のステープルの内の第4ステープルを収容する段階とを更に有し、且つ、
前記手術用ステープラは5.6mm以下の包絡径を有し、または、
前記手術用ステープラは8.6mm以下の包絡径を有する、
の内の一つである、態様28に記載の方法。
〔態様30〕
前記支持顎部における湾曲された組織クランプインターフェイスと、前記アンビルにおける湾曲された組織クランプインターフェイスとの間に組織をクランプする段階を更に有する、態様28に記載の方法。
〔態様31〕
アンビル及び支持顎部が、それらの間に位置された組織をクランプすべく構成されるというクランプ形態と、当該アンビルにおける組織クランプインターフェイスがカートリッジにおける組織クランプインターフェイスに当接するという閉じ形態と、の間において移動可能であるべく、支持顎部に対して連結されたアンビルであって、該アンビル及び前記支持顎部は、該アンビルが前記閉じ形態に在るときに包絡径を画成するというアンビルと、
切断部分を有する第1部材と、第2部材と、を有する平行移動式切断機構であって、該切断機構が前記包絡径内に収まるべく形状化されるという折畳み構成と、該切断機構が前記包絡径内に収まらないという拡開構成との間で移動可能であるという平行移動式切断機構と、
を備える手術用ステープラであって、
前記支持顎部は、前記平行移動式切断機構を受容すべく形状化された第1スロットと、少なくとも、前記複数のステープルの内の第1のステープルを収容すべく形状化された第2スロットと、少なくとも、前記複数のステープルの内の第2のステープルを収容すべく形状化された第3スロットと、を有するカートリッジを備える、
手術用ステープラ。
〔態様32〕
前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一つは少なくとも一つの案内部を有し、該少なくとも一つの案内部は、前記アンビル上の対応案内部と係合して前記切断機構を前記対応案内部に対する平行移動に制限すべく構成される、態様31に記載の手術用ステープラ。
〔態様33〕
前記包絡径は5.6mm以下である、または、
前記包絡径は8.6mm以下である、
の内の一つである、態様31または32に記載の手術用ステープラ。
〔態様34〕
前記第1部材に対して連結された第1アクチュエータであって、該第1部材は前記第1部材を末端方向に且つ前記アンビル上に移動させるべく構成されるという第1アクチュエータと、
前記第2部材に対して連結された第2アクチュエータであって、該アクチュエータは前記第2部材を末端方向に且つ前記支持顎部上に移動させるべく構成されるという第2アクチュエータと、
を更に備える、態様31から33のいずれか一項に記載の手術用ステープラ。
〔態様35〕
前記第1アクチュエータは可撓部材を備える、態様34に記載の手術用ステープラ。
〔態様36〕
前記第1部材は、第1フランジを有する少なくとも一つの脚部を備え、
前記第2部材は、第2フランジを有する少なくとも一つの脚部を備え、前記第1フランジ及び前記第2フランジは、前記切断機構の拡開を制限すべく形状化される、態様31から35のいずれか一項に記載の手術用ステープラ。
〔態様37〕
前記切断機構は、該切断機構が当該手術用ステープラの末端に向けて平行移動するにつれ、前記アンビル及び前記支持顎部を相互に向けて且つ前記クランプ形態へと圧縮すべく構成される、態様31から36のいずれか一項に記載の手術用ステープラ。
〔態様38〕
当該ステープラは、前記閉じ形態において5.6mmの包絡径を有し、且つ、該ステープラは、切断された組織が0.5mm超の袖部幅を有する如く、前記アンビルと前記支持顎部との間にクランプされた組織をステープル綴じして切断すべく構成される、態様31から37のいずれか一項に記載の手術用ステープラ。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ステープラの構成要素であって、
複数のB形ステープルを含むカートリッジを有する支持顎部と、
前記支持顎部に連結されたアンビルであって、閉じ形態であって、前記アンビルにおける第1の組織クランプインターフェースが、前記カートリッジの第2の組織クランプインターフェースに当接するという閉じ形態を形成するように、前記支持顎部に対して移動可能であるアンビルと、
第1の部材および第2の部材を有する切断機構であって、前記第1の部材が前記支持顎部に対して長手方向に移動可能であり、前記切断機構が、前記アンビルと前記支持顎部が前記閉じ形態にあるときの包絡径よりも大きい寸法を有する拡開構成と、前記切断機構の寸法が、前記アンビルと前記支持顎部が前記閉じ形態にあるときの前記包絡径よりも小さい折畳み構成との間で、前記切断機構の高さを変更するように前記第2の部材に対して移動可能である、切断機構と、
を具備し、
前記カートリッジは、前記切断機構の少なくとも一部を受容すべく形状化された第1のスロットと、前記複数のB形ステープルの少なくとも第1のステープルを収容すべく形状化された第2のスロットと、前記複数のB形ステープルの少なくとも第2のステープルを収容すべく形状化された第3のスロットとをさらに有する、
外科用ステープラの構成要素。
【請求項2】
前記複数のB形ステープルのうちの少なくとも1つのステープルの脚長は、前記包絡径の少なくとも53%である、
請求項1に記載の外科用ステープラの構成要素。
【請求項3】
前記脚長は、3.42mm以上である、請求項2に記載の外科用ステープラの構成要素。
【請求項4】
前記脚長は、4.72mm以上である、請求項2に記載の外科用ステープラの構成要素。
【請求項5】
前記包絡径は、5.6mm以下である、請求項1に記載の外科用ステープラの構成要素。
【請求項6】
前記包絡径は、8.6mm以下である、請求項1に記載の外科用ステープラの構成要素。
【請求項7】
前記第3のスロットは、前記複数のB形ステープルの内の第2のステープルを、前記複数のB形ステープルの内の前記第1のステープルに対して傾斜した角度にて収容するように構成される、請求項1に記載の外科用ステープラの構成要素。
【請求項8】
前記角度は、4°~30°である、請求項7に記載の外科用ステープラの構成要素。
【請求項9】
前記切断機構の第1の部材は、前記アンビルの外側面に係合するように構成される、請求項1に記載の外科用ステープラの構成要素。
【請求項10】
前記切断機構は、前記第1の部材と前記第2の部材との間にカッタ刃を有する、請求項1に記載の外科用ステープラの構成要素。