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特開2024-7495非接触入力デバイスを有する食品の製造のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007495
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】非接触入力デバイスを有する食品の製造のための装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 65/00 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
B65B65/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023108012
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】22182947
(32)【優先日】2022-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】503209940
【氏名又は名称】アルベルト ハントマン マシネンファブリク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ツィマーマン, ロベルト
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056FH20
(57)【要約】
【課題】 本発明は、機械を人間工学的、衛生的、及び省スペースな態様で操作できるようにする食品の製造のための装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、食品製造のための装置(1)、特に、装置(1)を動作させるための入力デバイス(10)に接続される制御デバイス(8)を有する充填機に関する。入力デバイス(10)は非接触入力デバイスとして構成されてもよい。また、入力デバイス(10)は、仮想ユーザインタフェース(4)を生成するためのプロジェクタ(3)を有してもよい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製造のための装置(1)、特に、当該装置を動作させるための入力デバイス(10)に接続される制御デバイス(8)を有する充填機(1)において、
前記入力デバイス(10)が非接触入力デバイス(10)として構成されていることを特徴とする、食品製造のための装置(1)。
【請求項2】
前記入力デバイス(10)が、仮想ユーザインタフェース(4)を生成するためのプロジェクタ(3)を有することを特徴とする、請求項1に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項3】
前記プロジェクタ(3)が、画像源(6)、特にディスプレイ、好ましくはLCDディスプレイと、前記画像源から拡散して放出された光線を集束させて前記仮想ユーザインタフェース画像(4)を形成するように構成されるプレート(5)とを有することを特徴とする、請求項2に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項4】
指又は物体による非接触入力及び/又はジェスチャ制御を検出することができるように構成され配置されたセンサデバイス(2)を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項5】
前記センサデバイスが、IRセンサデバイス又はビデオカメラ又はレーザセンサデバイスを備えることを特徴とする、請求項4に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項6】
前記制御デバイス(8)が、前記画像源(4)、特に前記ディスプレイ(4)に変更可能なビデオ信号を送信するための少なくとも1つのインタフェースを有することを特徴とする、請求項3に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項7】
前記制御デバイス(8)に接続される異なる位置にある幾つかの非接触入力デバイス(10)を有することを特徴とする、請求項1に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項8】
当該装置(1)が、少なくとも1つのアタッチメント、特に以下のグループ、すなわち、連結デバイス(9)、クリッパ、サスペンションデバイス(11)、計量デバイス、成形及び分離デバイス、移送デバイス、選別デバイス、包装デバイス、ロボットなどからの少なくとも1つのアタッチメントを有する充填機(1)であることを特徴とする、請求項1に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項9】
特に前記充填機の前記制御デバイス(8)に接続される非接触入力デバイス(10)を前記少なくとも1つのアタッチメントが有するように前記充填機が構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項10】
前記画像源(6)のそれぞれ、特に前記入力デバイス(10)の前記ディスプレイ(6)のそれぞれが同じビデオ信号を受信することにより同じユーザインタフェース(4)が当該装置の異なる位置又は異なるビデオ信号に存在するように当該装置が構成されていることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項11】
前記充填機及び/又は前記アタッチメントが、移送方向Tにおいて見て対向して配置される側面にそれぞれ入力デバイス(10)を有することを特徴とする、請求項8に記載の食品製造のための装置(1)。
【請求項12】
前記仮想ユーザインタフェースの傾斜角が、水平面に対して変更され得る及び/又は垂直軸線を中心に回転され得ることを特徴とする、請求項2に記載の食品製造のための装置(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る食品を製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品製造のためのそのような装置、例えば充填機は、多くの場合、容量性又は抵抗性タッチディスプレイを有する入力ユニットによって操作又は制御される。スケール、連結ライン、サスペンションデバイスなどのアタッチメントも、適切な入力ユニットを使用して操作され得る。そのような入力ユニットは、人間工学的でなければならず、リラックスした安全な作業のために明確に見えるように配置されなければならない。ディスプレイの傾斜設置は、多くの場合に必要な或いは更には別個の設置ハウジングである。両方の変形は、高価であり、それが結果として洗浄になる場合に不利である。異なる装置を伴ってさえ、それに対応して人間工学的構成の余地がないことが多い。
【0003】
操作は、オペレータが指でタッチディスプレイを作動させることによって行なわれる。特に食品製造の分野では、衛生上の理由又は労働安全上の理由から、オペレータは手袋を着用しなければならず、その場合、タッチディスプレイが不確実にしか反応しないことが多い。指の作動は、手袋を着用しているときでさえ、しばしば汚れ及び汚染をもたらす。特に、主にペースト状材料、例えばソーセージ肉が充填される充填機では、ペースト状材料及び例えば水に起因して汚れが生じ、ディスプレイが最終的に損傷を受ける。このようにして、病原体は、オペレータ間で及びオペレータを介して製品にも伝達され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこから進んで、本発明は、機械を人間工学的、衛生的、及び省スペースな態様で操作できるようにする食品の製造のための装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明によれば、請求項1の特徴によって達成される。
【0006】
本発明によれば、この目的は、食品を製造するための装置、特に装置を動作させるための非接触入力デバイスに接続される制御デバイスを有する充填機によって満たされる。
【0007】
非接触入力デバイスは、ディスプレイ又はキーボードに触れることなくその後に制御デバイスに転送されるコマンド及び値を入力できるようにする装置であると理解される。したがって、非接触入力デバイスは、スクリーン、すなわちディスプレイ、及び操作ユニット、すなわち入力端子として構成され得る。
【0008】
入力デバイスが非接触入力デバイスとして構成されるため、入力デバイスの汚れ及び汚染を効果的に防止することができ、これは特に食品製造部門において不可欠である。したがって、非接触入力デバイスは、仮想ユーザインタフェースが汚れ、水、及び機械的影響に反応にくいため、損傷することがない。入力デバイスは空間上の突起に過ぎないため、操作者はそれにぶつかって怪我をすることはない。
【0009】
病原体の伝播も防止することができる。加えて、利用可能なスペースが殆どない場合でも、入力デバイスを人間工学的に見やすい場所に取り付けることができるという利点がある。例えば、非接触入力デバイスは、例えば、喫煙スティックを持ち上げなければならない、ひだ付きケーシングスティックを交換しなければならない、又は機械的作業が必要であるため、例えばタッチディスプレイのための空間がない領域に配置することもできる。しかし、非接触入力デバイスは、機械的作業中に仮想ユーザインタフェースを介して自分自身又はツールを簡単に移動させることができるようにする。
【0010】
更に、特に嵩張る作業手袋を着用しなければならない場合、入力のより高いレベルの信頼性が生じる。
【0011】
入力デバイスが仮想ユーザインタフェースを生成するためのプロジェクタを備えることが特に有利である。この場合、オペレータは、この仮想ユーザインタフェース上で装置を操作及び制御することができ、例えばパラメータを入力及び照会することもできる。プロジェクタは、好適には、画像源、特にディスプレイ、例えばLCDディスプレイ、並びに画像源によって拡散して放出される光線を集束させてユーザインタフェースの虚像を形成するプレートを備える。
【0012】
仮想ユーザインタフェースは、画像源、すなわちディスプレイの再生であるため、変化するパラメータ及び設定を表示することができる。制御デバイスは、好ましくは、変更可能なビデオ信号を画像源、すなわちディスプレイ、特にLCDディスプレイに送信するための少なくとも1つのインタフェースを有する。
【0013】
このことは、制御デバイスがビデオ信号を出力するためのインタフェースを有する場合、仮想入力デバイスを容易に後付けできることを意味する。信号は、無線で又は例えばHDMIインタフェースにより有線接続を介して出力され得る。
【0014】
食品を製造するための装置は、好適には、指又は物体を使用する非接触入力及び/又はジェスチャ制御(例えば、「スワイプ」)を検出できるとともに対応する信号を制御デバイスに送信できるように構成及び配置されるセンサデバイスを有する。
【0015】
それぞれのセンサは、例えば、赤外線放出場を生成するIRセンサデバイスとして構成され得る。例えば、ビーム経路に導入された指及び/又は物体でのIR放出の反射を検出することによって、ビーム経路内の位置及び動きを検出することができる。
【0016】
この位置は、仮想ユーザインタフェースの特定の位置に対応する。しかしながら、センサデバイスは、例えば、非接触入力を記録するために使用され得るカメラを備えることも想定し得る。
【0017】
好ましい実施形態によれば、食品製造のための装置は、好ましくは制御デバイスに接続される異なる位置にある幾つかの非接触入力デバイスを有する。
【0018】
したがって、特により長い処理ラインの場合、非接触入力デバイスを異なる場所でオペレータが利用できるようにすることが可能である。この場合、オペレータは、様々な場所から進行中のプロセスの概要を把握し、必要に応じて直ちに行動し、次のディスプレイまで長い距離を移動する必要なく適切な入力を行なうことができる。入力デバイスは、好適には、装置の制御デバイスに接続され、全ての入力デバイスは、好ましくは、同じ仮想ユーザインタフェース、すなわち同じ「スクリーン」を示す。入力デバイスは、そこで、制御デバイスに直接に、又は例えば他の制御ユニットもしくは他の入力デバイスを介して接続され得る。また、ユーザインタフェースを、例えば、あなたの[原文のまま]位置に適合させることも可能である。
【0019】
好ましい実施形態によれば、装置は、特に以下のグループ、すなわち、連結デバイス、クリッパ、サスペンションデバイス、計量デバイス、成形及び分離デバイス、移送デバイス、選別デバイス、包装デバイス、ロボットなどからの少なくとも1つのアタッチメントを有する充填機である。
【0020】
好ましい典型的な実施形態によれば、充填機は、充填機における非接触入力デバイスに加えて、少なくとも1つのアタッチメントが充填機の制御デバイスに接続される非接触入力デバイスを有するように構成される。このことは、アタッチメントの非接触入力ユニットが装置の制御デバイスを介してビデオ信号を受信すること、すなわち、画像源がそれに応じて制御されることを意味する。しかしながら、アタッチメントの非接触入力ユニットは、充填機の制御デバイスに接続され得るそれ自体の制御デバイスを介してビデオ信号を受信することもできる。
【0021】
したがって、幾つかの入力デバイスが、それらの画像源、すなわちそれらのディスプレイ、特にLCDディスプレイのために同じビデオ信号を受信することを保証することができ、それにより、同一のユーザインタフェース又は装置の幾つかの位置で対応するアタッチメントのそれぞれの要件に適合されるユーザインタフェースが存在する。
【0022】
このことは、それぞれの画像源が同じビデオ信号又は異なるビデオ信号のいずれかを受信することを意味する。
【0023】
好ましい実施形態によれば、充填機及び/又はアタッチメントは、移送方向Tで見て対向して配置される側面にそれぞれ非接触入力デバイスを有する。このことは、対向して配置された2つの側面からアタッチメント、例えばサスペンションデバイスに対して作業を行なうことができることを意味する。
【0024】
好ましい実施形態によれば、仮想ユーザインタフェースの傾斜角は、水平面に対して変更することができる。適切な構成により、垂直軸線の周りの角度も、オペレータの位置に適合するように調整することができる。
【0025】
以下、以下の図に関連して、本発明を更に詳しく説明するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】充填機を使用する本発明に係る装置の基本原理を概略的に示す。
図1b】充填機を使用する本発明に係る装置の基本原理を概略的に示す。
図1c】充填機を使用する本発明に係る装置の基本原理を概略的に示す。
図1d】充填機を使用する本発明に係る装置の基本原理を概略的に示す。
図2】本発明に係る仮想ユーザインタフェースを生成するためのプロジェクタを概略的に示す。
図3】本発明に係る幾つかの非接触入力デバイスを有する充填機の斜視図を示す。
図4】幾つかの非接触入力デバイスを有する食品加工機の制御デバイスを概略的に示す。
図5】本発明に係るセンサデバイスを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1a~図1d及び図3は、ここでは充填機の形態を成す食品製造のための装置を簡略化した概略図で示す。図から分かるように、充填機は、例えば、充填されるべき食品を充填するためのホッパ7、並びに機械ハウジング13を有する。ホッパ7の下方には搬送機構12、例えばベーンポンプ12(図3も参照)が配置され、搬送機構12を介して充填材料を、例えば充填チューブ16(図3)を介して、例えばソーセージケーシング内に排出することができる。
【0028】
充填機は、装置1を操作するための入力デバイス10に接続される制御デバイス8を有する。本発明に係る入力デバイス10は、非接触入力デバイスである。
【0029】
この目的のために、入力デバイス10は、仮想ユーザインタフェース4を生成するための光学プロジェクタ3を有する。
【0030】
図2は、それぞれの仮想ユーザインタフェース画像4を生成するための想定し得る実施形態を示す。プロジェクタ3は、図2から明らかなように、例えば幾つかの入力オプション及びディスプレイなどを有するユーザインタフェースを示すディスプレイ、特にLCDディスプレイの形態の画像源6を備える。画像源又はディスプレイ6はそれぞれ、制御デバイス8に接続されるとともに、制御デバイス8から対応する画像信号を受信する。画像源によって拡散的に放出された光線は、ディスプレイが配置される平面に対して、例えばここでは45°だけ傾斜されるプレート15に当たる。プレートは、入射光をここでは更に45°偏向させ、拡散して放出された光線を集束させてユーザインタフェース4の虚像4を形成する。例えば、ヘッドアップディスプレイでも使用されるように、例えば、マイクロミラーの幾つかの層を有するホログラフィックプレートをプレートとして使用することができる。
【0031】
したがって、オペレータは、通常のディスプレイと同様に仮想的に表示されたキーパッドをタップすることによって又はスクリーンをスワイプするなどのジェスチャ制御を実行することによって非接触入力を行なうことができる。
【0032】
この目的のために、装置は、指又は物体による非接触入力及び/又はジェスチャ制御を検出することができるように構成及び配置されるセンサデバイス2を有する。
【0033】
図1aは、プロジェクタ3及びセンサデバイス2を簡略化した概略図で示し、仮想ユーザインタフェース4は、図1bに示されるように、プロジェクタ3によって生成される。センサデバイス2による「走査」が、図1cの簡略化された概略図に示される。図1dは、非接触入力デバイス10のオペレータを示し、仮想ユーザインタフェース4は、ディスプレイ及び操作ユニットとして機能する。センサデバイスは、例えば、IRセンサデバイス、レーザスキャナ、又はビデオカメラを備えることができる。
【0034】
図5は、赤外線センサデバイスの機能原理を示す。センサデバイス2は、赤外線放出場を生成する。例えば、仮想ユーザインタフェース4は、赤外線放出場と同じ平面及び同じ位置にある。指又は物体が仮想ユーザインタフェース4をタップする場合には、ビーム経路が切断され、すなわちIR光線が反射して戻され、IR光線を検出することができる。したがって、赤外線放出場における位置及び動きを検出することができる。その後、これらの信号を制御デバイス8に送ることができる。
【0035】
これは、入力がどのように取り込まれるかの一例に過ぎない。
【0036】
或いは、仮想ユーザインタフェースがタッチされる位置又はジェスチャ制御を記録することができ、対応する値を制御デバイスに転送することができるビデオカメラなどの他のセンサデバイスも考えられる。
【0037】
図1a~図1dに示される実施形態では、プロジェクタ3及びセンサデバイス2の配置は概略的にのみ示される。2つのデバイス2、3を充填機に組み込むことができ、すなわち、例えば、2つのデバイス2、3を、仮想ユーザインタフェース4が所望の位置、ここでは例えばホッパの前方にあるように、ハウジング13に又はハウジング13内に取り付けることができる。この場合、好適には、必要に応じて、オペレータは部屋に投影されるユーザインタフェース4を介して簡単に到達することができるため、ユーザインタフェース4に機械的制限がない。したがって、仮想ユーザインタフェース4は、オペレータの作業を妨げる特別なマウントなどを必要とせずに、有利であると思われる場所で空間内に自由に配置することができる。しかし、プロジェクタ3及びセンサデバイス2を天井又は別のデバイスに装着することも可能である。
【0038】
図3は、装置1が幾つかのいわゆるアタッチメントを有する充填機である想定し得る実施形態を示す。充填機1は、制御デバイス8と、搬送機構12と、仮想ユーザインタフェース4aを有する非接触入力デバイス10aとを有する。充填機は、充填材料を例えば充填チューブ内に搬送するために搬送機構12を使用し、充填チューブを介して、例えばペースト状材料をソーセージケーシング内に排出することができる。充填機の下流側の移送方向で連結デバイス9が接続され、該連結デバイス9を介して、分離ポイントで生成されたソーセージストランドを連結するために、充填チューブ16をその長手方向軸線を中心に回転させることができる。連結デバイス9は、ここでは、対向して配置されたコンベヤベルトを有する移送デバイス14も有し、コンベヤベルト間には、例えば、製造されたソーセージが移送方向Tに搬送される。
【0039】
また、連結デバイス9は、虚像、すなわち仮想ユーザインタフェース4bを生成する少なくとも1つの非接触入力デバイス10bも有する。仮想ユーザインタフェースを例えば充填チューブの真上に配置することができ、これは固定ディスプレイでは不可能である。一般に、空間は、連結デバイス9で作業するときにユーザインタフェースを介して到達することが容易であるため、仮想ユーザインタフェース4bによって遮られないという利点が生じる。
【0040】
移送方向Tにおいて見て、連結デバイス9の後方には、例えば個々のソーセージ又はソーセージのチェーンが吊り下げられて搬送される回転フックを有するサスペンションデバイス11が配置される。この場合、ソーセージのチェーンを上方に持ち上げて対応するソーセージループに係合するスモーキングスティックによって運び去ることができる。また、サスペンションデバイス11は、少なくとも1つの非接触入力デバイス10c、10d、ここではサスペンションデバイスの対向して配置される側の2つの入力デバイス10c、10dを有し、それにより、オペレータは各側から装置で作業することができ、視野内にユーザインタフェース4を有する。仮想ユーザインタフェースは空間に投影された単なる画像であるため、例えば、スモーキングスティックを取り外さなければならず、スモーキングスティックが画像平面を通じて移動する場合に干渉しない。これにより、入力デバイスの損傷も効果的に防止される。また、汚れがない。
【0041】
図4は、例えば図3との関連で説明したように、仮想入力デバイスの想定し得る制御を簡略化した概略図で示す。ビデオ信号は、充填機1の制御デバイス8を介して、例えば対応するインタフェースを介して、又は無線で仮想入力デバイス10a、特にその画像源、すなわちディスプレイ6に送信することができ、それにより、仮想ユーザインタフェース4aは、プロジェクタ3によって充填機1の領域内に生成される。また、仮想入力デバイス10bは、ビデオ信号が仮想ユーザインタフェース4bを生成するために対応する画像源6に送信されるように、充填機1の制御デバイス8に接続することもできる。同様のことが、対応する仮想ユーザインタフェース4c及び4dを生成するために充填機1の機械制御デバイス8からビデオ信号も受信するサスペンションデバイスの仮想入力デバイス10c及び10dにも当てはまる。
【0042】
好適には、入力デバイス10a、10b、10c、10dは、同じユーザインタフェース4を装置、すなわち生産ラインの異なる位置で見ることができるように、制御デバイス8から同じビデオ信号を受信する。また、このことは、例えば、仮想入力デバイス10で変更が入力される場合に、対応する変更を他のユーザインタフェース4でも認識できることを意味する。
【0043】
しかしながら、充填機1の制御デバイス8が、異なるビデオ信号を異なる仮想入力デバイス10a、10b、10c、10dに送信することも可能であり、これらのビデオ信号は、対応するアタッチメントの機能に適合される。図4に示される実施形態では、画像源6又はディスプレイ6が充填機の制御デバイス8に直接に接続されることは絶対に必要ではない。制御デバイス8をアタッチメントの対応する制御デバイスに接続することも可能であり、該制御デバイスを介して対応する画像源又はディスプレイ6がその後に対応するビデオ信号によって制御される。
【0044】
仮想ユーザインタフェース4の傾斜を水平面に対して調整可能にすることも想定し得る。この目的のために、プロジェクタ3及びセンサデバイス2は、水平軸線を中心に回動可能な共通の支持体上に装着され得る。
【0045】
対応する構成では、垂直軸線に対する角度も代替的に又は同時に設定することができる。
【0046】
例えば、動作機構、例えば、スプロケット、歯付きベルト、又はリンク機構の形態の機械的結合を設けることができ、この動作機構は、水平面に対する(及び/又は、例えば水平面に垂直な垂直面に対する)プロジェクタ3、すなわちここでは画像源6及びプレート5の傾斜を制御する。
【0047】
同時に、投影面と走査面とが一致したままであってそれらの共通の原点を保持するようにセンサデバイス2もそれに応じて同期して移動される。これは、同じ動作機構又は別個の動作機構によって行なうことができる。
【0048】
第2の動作機構を設けることができ(特に、例えば、スプロケット、歯付きベルト、又はリンク機構の形態の機械的結合部)、この第2の運動機構は、プロジェクタ3、すなわちここでは画像源6及びプレート5を垂直軸線の周りで回転させることができ、同時にそれに応じてセンサデバイス2も回転させることができる。
【0049】
例えば水平軸線又は垂直軸線の周りの角度変化は、例えばレンズ及び/又はミラーなどのビームガイド要素の適切な配置及び動きによっても得ることができる。
【0050】
ここでは、連結デバイス9及びサスペンションデバイス11との関連で本発明をより詳細に説明したが、充填機は、これに加えて又は代えて、例えば、クリッパ、計量デバイス、成形及び分離デバイス、移送デバイス、選別デバイス、包装デバイス、ロボットなどのアタッチメントを有することもできる。
【0051】
[例示的な実施形態]
既に説明したように、本明細書に記載する技術は、様々な態様で実施することができる。この点に関して、上記の開示は、以下の例示的な実施形態に記載される装置を含むことを意図しているが、これらに限定されない。好ましい実施形態は、以下のパラグラフに記載される。
【0052】
1.食品製造のための装置(1)、特に、この装置を動作させるための入力デバイス(10)に接続される制御デバイス(8)を有する充填機(1)において、入力デバイス(10)が非接触入力デバイス(10)として構成されることを特徴とする、食品製造のための装置(1)。
【0053】
2.入力デバイス(10)が、仮想ユーザインタフェース(4)を生成するためのプロジェクタ(3)を有することを特徴とする、パラグラフ1に記載の食品製造のための装置(1)。
【0054】
3.プロジェクタ(3)が、画像源(6)、特にディスプレイ、好ましくはLCDディスプレイと、画像源から拡散して放出された光線を集束させて仮想ユーザインタフェース画像(4)を形成するように構成されるプレート(5)とを有することを特徴とする、パラグラフ2に記載の食品製造のための装置(1)。
【0055】
4.指又は物体による非接触入力及び/又はジェスチャ制御を検出することができるように構成及び配置されるセンサデバイス(2)を有することを特徴とする、パラグラフ1~3のいずれか一つに記載の食品製造のための装置(1)。
【0056】
5.センサデバイスが、IRセンサデバイス又はビデオカメラ又はレーザセンサデバイスを備えることを特徴とする、パラグラフ4に記載の食品製造のための装置(1)。
【0057】
6.制御デバイス(8)が、画像源(4)、特にディスプレイ(4)に変更可能なビデオ信号を送信するための少なくとも1つのインタフェースを有することを特徴とする、パラグラフ3に記載の食品製造のための装置(1)。
【0058】
7.食品製造のための装置(1)が、制御デバイス(8)に接続される異なる位置にある幾つかの非接触入力デバイス(10)を有することを特徴とする、パラグラフ1~6のいずれか一つに記載の食品製造のための装置(1)。
【0059】
8.この装置(1)が、少なくとも1つのアタッチメント、特に以下のグループ、すなわち、連結デバイス(9)、クリッパ、サスペンションデバイス(11)、計量デバイス、成形及び分離デバイス、移送デバイス、選別デバイス、包装デバイス、ロボットなどからの少なくとも1つのアタッチメントを有する充填機(1)であることを特徴とする、パラグラフ1~7のいずれか一つに記載の食品製造のための装置(1):。
【0060】
9.特に充填機の制御デバイス(8)に接続される非接触入力デバイス(10)を少なくとも1つのアタッチメントが有するように充填機が構成されることを特徴とする、パラグラフ8に記載の食品製造のための装置(1)。
【0061】
10.それぞれの画像源(6)、特に入力デバイス(10)のそれぞれのディスプレイ(6)が同じビデオ信号を受信することにより同じユーザインタフェース(4)がこの装置の異なる位置又は異なるビデオ信号に存在するようにこの装置が構成されることを特徴とする、パラグラフ7~9のいずれか一つに記載の食品製造のための装置(1)。
【0062】
11.充填機及び/又はアタッチメントが、移送方向Tから見て対向して配置される側面にそれぞれ入力デバイス(10)を有することを特徴とする、パラグラフ8に記載の食品製造のための装置(1)。
【0063】
12.仮想ユーザインタフェースの傾斜角が、水平面に対して変更され得る及び/又は垂直軸線を中心に回転され得ることを特徴とする、パラグラフ1~11のいずれか一つに記載の食品製造のための装置(1)。
【符号の説明】
【0064】
1…食品製造のための装置、充填機、2…センサデバイス、3…光学プロジェクタ、デバイス、4…仮想ユーザインタフェース、仮想ユーザインタフェース画像、虚像、4a…仮想ユーザインタフェース、4b…仮想ユーザインタフェース、4c…仮想ユーザインタフェース、5…プレート、6…画像源、ディスプレイ、7…ホッパ、8…機械制御デバイス、9…連結デバイス、10…仮想入力デバイス、非接触入力デバイス、10a…仮想入力デバイス、非接触入力デバイス、10b…仮想入力デバイス、非接触入力デバイス、10c…仮想入力デバイス、非接触入力デバイス、10d…仮想入力デバイス、非接触入力デバイス、11…サスペンションデバイス、12…搬送機構、ベーンポンプ、13…機械ハウジング、14…移送デバイス、15…プレート、16…充填チューブ

図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】