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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074982
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】検査システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
H05K13/00 G
H05K13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063730
(22)【出願日】2024-04-11
(62)【分割の表示】P 2022036288の分割
【原出願日】2018-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星川 和美
(72)【発明者】
【氏名】村上 浩
(57)【要約】
【課題】構成装置を対象としたメンテナンス処理の利便性および管理性を向上できる検査システムを提供することを目的とする。
【解決手段】検査システムは、作業者による操作を受け付ける端末装置と、部品装着機から取り外された装着ヘッドが取り付けられ、端末装置に対して直接的に通信可能に接続されずに装着ヘッドの駆動部を動作させるヘッドベンチと、端末装置およびヘッドベンチにインターネットを介して通信可能に接続されるサーバであり、ヘッドベンチに対して端末装置からの要求に応じた種別の検査の実行を指令するサーバと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者による操作を受け付ける端末装置と、
部品装着機から取り外された装着ヘッドが取り付けられ、前記端末装置に対して直接的に通信可能に接続されずに前記装着ヘッドの駆動部を動作させるヘッドベンチと、
前記端末装置および前記ヘッドベンチにインターネットを介して通信可能に接続されるサーバであり、前記ヘッドベンチに対して前記端末装置からの要求に応じた種別の検査の実行を指令するサーバと、
を備える検査システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記ヘッドベンチまたは前記端末装置に対する作業者の操作記録をトレースログとして記録するログ記録部を備える、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記装着ヘッドは、前記駆動部の動作により、部品を採取するとともに、前記部品の上下方向位置および角度を調整し、
前記ヘッドベンチは、前記検査の種別に応じて前記装着ヘッドの前記駆動部を動作させ、前記駆動部の動作状態を検出するセンサまたはカメラを用いて検査を行う、請求項1または2に記載の検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板製品の製造に用いられる対基板作業機には、供給された部品を採取して基板に装着する部品装着機が含まれる。例えば部品装着機を構成する複数の構成装置は、適正な動作を維持するためにメンテナンスを必要とする。特許文献1には、構成装置としての装着ヘッドを対象として、メンテナンス処理を行うメンテナンス装置が開示されている。メンテナンス装置には、検査用の動作プログラムや、良否判定の基準となる判定基準データなどが予め記憶されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2013/153598号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対基板作業機の構成装置のメンテナンスが必要となった場合に、対基板作業機に対してメンテナンス装置が遠隔地に設置されていると、構成装置を輸送する必要が生じ、構成装置を運用可能とするまでに要する時間が増加する。これに対して、対基板作業機の設置場所までメンテナンス装置を輸送することが考えられる。しかしながら、メンテナンス装置には検査用の動作プログラムや判定基準データなどの重要な情報が記憶されており、メンテナンス装置を作業現場まで持ち出すことは、情報の流出の観点からは管理性を低減させるおそれがある。
【0005】
本明細書は、構成装置を対象としたメンテナンス処理の利便性および管理性を向上できる構成装置良否判定サーバ、構成装置良否判定方法、検査システム、検査システム用の端末装置、および検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、基板製品の製造に用いられる対基板作業機を構成する構成装置の良否判定方法であって、前記対基板作業機に組み込まれて前記対基板作業機による対基板作業に用いられる設備による所定種別の検査によって得られた検査データをインターネットを介してサーバにより取得する工程と、取得した前記検査データに基づいて前記構成装置の良否を判定する工程と、判定した良否判定結果を、インターネットを介して通信可能に接続された端末装置に送信する工程と、を備える構成装置良否判定方法を開示する。
本明細書は、対基板作業機を構成する構成装置を対象とした検査の種別に応じて前記構成装置を動作させて検査を行う検査装置にインターネットを介して通信可能に接続されるサーバであって、前記検査装置による所定種別の検査によって得られた検査データを取得する検査データ取得部と、取得した前記検査データに基づいて前記構成装置の良否を判定する判定部と、前記判定部が判定した良否判定結果を、インターネットを介して通信可能に接続された端末装置に送信する送信部と、を備え、前記対基板作業機は、供給された部品を採取して基板に装着する部品装着機であり、前記構成装置は、前記部品を採取するとともに、前記部品の上下方向位置および角度を調整して前記基板に装着する装着ヘッドであり、前記部品装着機は、前記装着ヘッドに保持された前記部品を撮像する部品カメラを備え、前記検査装置は、前記部品装着機に組み込まれ、前記部品カメラの撮像により取得された画像データに基づいて前記装着ヘッドを検査する構成装置良否判定サーバを開示する。
【0007】
本明細書は、各種情報を表示する端末装置と、対基板作業機を構成する構成装置を対象とした検査の種別に応じて前記構成装置を動作させて検査を行う検査装置と、前記端末装置および前記検査装置にインターネットを介して通信可能に接続されるサーバであり、前記検査装置による検査によって得られた検査データを取得し、取得した前記検査データに基づいて前記構成装置の良否を判定し、インターネットを介して良否判定結果を前記端末装置に送信する構成装置良否判定サーバと、を備え、前記対基板作業機は、供給された部品を採取して基板に装着する部品装着機であり、前記構成装置は、前記部品を採取するとともに、前記部品の上下方向位置および角度を調整して前記基板に装着する装着ヘッドであり、前記部品装着機は、前記装着ヘッドに保持された前記部品を撮像する部品カメラを備え、前記検査装置は、前記部品装着機に組み込まれ、前記部品カメラの撮像により取得された画像データに基づいて前記装着ヘッドを検査する検査システムを開示する。
【0008】
本明細書は、対基板作業機を構成する構成装置を対象とした検査システムに適用され、各種情報を表示する端末装置であって、前記検査システムは、前記構成装置を対象とした検査の種別に応じて前記構成装置を動作させて検査を行う検査装置と、前記端末装置および前記検査装置にインターネットを介して通信可能に接続されるサーバであり、前記検査装置に所定種別の検査を指定し、前記検査装置による検査によって得られた検査データを取得し、取得した前記検査データに基づいて前記構成装置の良否を判定する構成装置良否判定サーバと、を備え、前記端末装置は、インターネットを介して前記構成装置良否判定サーバより送信された前記構成装置の良否判定結果を表示し、前記対基板作業機は、供給された部品を採取して基板に装着する部品装着機であり、前記構成装置は、前記部品を採取するとともに、前記部品の上下方向位置および角度を調整して前記基板に装着する装着ヘッドであり、前記部品装着機は、前記装着ヘッドに保持された前記部品を撮像する部品カメラを備え、前記検査装置は、前記部品装着機に組み込まれ、前記部品カメラの撮像により取得された画像データに基づいて前記装着ヘッドを検査する、検査システム用の端末装置を開示する。
【0009】
本明細書は、対基板作業機を構成する構成装置を対象とした検査システムに適用され、検査の種別に応じて前記構成装置を動作させて検査を行う検査装置であって、前記検査システムは、各種情報を表示する端末装置と、前記検査装置および前記端末装置にインターネットを介して通信可能に接続されるサーバであり、前記検査装置による検査によって得られた検査データを取得し、取得した前記検査データに基づいて前記構成装置の良否を判定し、インターネットを介して良否判定結果を前記端末装置に送信する構成装置良否判定サーバと、を備え、前記検査装置は、前記構成装置良否判定サーバより指定された所定種別の検査を行うとともに、前記検査による前記検査データを前記構成装置良否判定サーバに送信し、前記対基板作業機は、供給された部品を採取して基板に装着する部品装着機であり、前記構成装置は、前記部品を採取するとともに、前記部品の上下方向位置および角度を調整して前記基板に装着する装着ヘッドであり、前記部品装着機は、前記装着ヘッドに保持された前記部品を撮像する部品カメラを備え、前記検査装置は、前記部品装着機に組み込まれ、前記部品カメラの撮像により取得された画像データに基づいて前記装着ヘッドを検査する、検査システム用の検査装置を開示する。
【発明の効果】
【0010】
このような構成によると、検査システムにおける構成装置良否判定サーバは、検査を行う検査装置、および良否判定結果を表示する端末装置にインターネットを介して接続された別装置として構成される。これにより、検査装置を対基板作業機の設置場所まで輸送するか、構成装置を検査装置の設置場所まで輸送することによりメンテナンス処理が可能となり利便性を向上できる。一方で、良否判定は構成装置良否判定サーバにて行われるので、検査装置や端末装置は、検査用の重要な情報から切り離されている。そのため、このような情報の流出を確実に防止することができ、構成装置を対象としたメンテナンス処理の管理性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態における生産ラインおよび検査システムを示す模式図である。
図2図1の生産ラインにおける部品装着機の構成を示す模式図である。
図3】装着ヘッドの外観および機能ブロックを示す説明図である。
図4】ヘッドベンチの外観を示す説明図である。
図5】構成装置の動作履歴が含まれるトレースログを示す図である。
図6】メンテナンス処理を示すフローチャートである。
図7】アクセス制限処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.検査システム30の概要
以下、検査システム30を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。検査システム30は、対基板作業機を構成する構成装置を対象として、検査を含むメンテナンス処理を可能とする。本実施形態において、検査システム30が対基板作業機としての部品装着機3の装着ヘッド20を検査の対象として適用された態様を例示する。
【0013】
2.生産ライン1の構成
生産ライン1は、図1に示すように、工場(A)において、複数の対基板作業機を基板90(図2を参照)の搬送方向に複数設置して構成される。複数の対基板作業機のそれぞれは、生産ライン1を統括して制御するホストコンピュータ(図示しない)に通信可能に接続される。生産ライン1は、複数の対基板作業機としての印刷機2、複数の部品装着機3、リフロー炉4、および検査機5を備える。
【0014】
印刷機2は、搬入された基板90における部品の装着位置にペースト状のはんだを印刷する。複数の部品装着機3のそれぞれは、生産ライン1の上流側から搬送された基板90に部品を装着する。部品装着機3の構成については後述する。リフロー炉4は、生産ライン1の上流側から搬送された基板90を加熱して、基板90上のはんだを溶融させてはんだ付けを行う。検査機5は、生産ライン1により生産された基板製品の機能が正常であるか否かを検査する。
【0015】
なお、生産ライン1は、例えば生産する基板製品の種別などに応じて、その構成を適宜追加、変更され得る。具体的には、生産ライン1には、搬送される基板90を一時的に保持するバッファ装置や基板供給装置や基板反転装置、各種検査装置、シールド装着装置、接着剤塗布装置、紫外線照射装置などの対基板作業機が適宜設置され得る。
【0016】
3.部品装着機3の構成
部品装着機3は、基板90に部品を装着する装着処理を実行する。部品装着機3は、図2に示すように、基板搬送装置11、部品供給装置12、部品移載装置13、部品カメラ14、および基板カメラ15を備える。基板搬送装置11は、ベルトコンベアおよび位置決め装置などにより構成される。基板搬送装置11は、基板90を搬送方向へと順次搬送するとともに、基板90を機内の所定位置に位置決めする。基板搬送装置11は、装着処理が終了した後に、基板90を部品装着機3の機外に搬出する。
【0017】
部品供給装置12は、基板90に装着される部品を供給する。部品供給装置12は、複数のスロット121にセットされたフィーダ122を備える。フィーダ122は、多数の部品が収納されたキャリアテープを送り移動させて、部品を採取可能に供給する。また、部品供給装置12は、例えば比較的大型の部品を、パレット124に載置されたトレイ125上に並べた状態で供給する。部品供給装置12の収納装置123は、複数のパレット124を収納し、装着処理に応じて所定のパレット124を引き出して部品を供給する。
【0018】
部品移載装置13は、部品供給装置12により供給された部品を、基板搬送装置11により機内に搬入された基板90上の所定の装着位置まで移載する。部品移載装置13のヘッド駆動装置131は、直動機構により移動台132を水平方向(X軸方向およびY軸方向)に移動させる。移動台132には、図示しないクランプ部材により装着ヘッド20が交換可能に固定されている。装着ヘッド20は、部品装着機3を構成する構成装置の一つである。装着ヘッド20は、部品を採取するとともに、部品の上下方向位置および角度を調整して基板90に装着する。装着ヘッド20の構成については後述する。
【0019】
部品カメラ14、および基板カメラ15は、CMOSなどの撮像素子を有するデジタル式の撮像装置である。部品カメラ14、および基板カメラ15は、制御信号に基づいて撮像を行い、当該撮像により取得した画像データを送出する。部品カメラ14は、装着ヘッド20の吸着ノズル25に保持された部品を下方から撮像可能に構成される。基板カメラ15は、基板90を上方から撮像可能に構成される。
【0020】
上記のような構成からなる部品装着機3は、部品を基板90に装着する装着処理を実行する。装着処理において、部品装着機3は、複数設けられた各種センサから出力される情報や画像処理の結果、予め記憶された制御プログラムなどに基づき、部品移載装置13に制御信号を送出する。これにより、装着ヘッド20に支持された複数の吸着ノズル25の位置および角度が制御される。
【0021】
4.装着ヘッド20の構成
装着ヘッド20は、図3に示すように、部品移載装置13の移動台132にクランプされるヘッド本体21を有する。ヘッド本体21には、ノズルツール22、ツール駆動装置23、およびエア供給装置24が設けられている。ノズルツール22は、R軸と同心の円周上において周方向に等間隔に複数の吸着ノズル25を、Z軸方向に摺動可能に且つθ軸周りに回転可能に保持する。装着ヘッド20には、ノズルツール22を着脱可能なタイプと、一体的に固定されたタイプとがある。なお、上記のθ軸は、R軸に平行で且つそれぞれの吸着ノズル25の軸心を通る吸着ノズル25の自転軸である。
【0022】
ツール駆動装置23は、サーボモータや減速装置、直動機構などにより構成され、吸着ノズル25のθ軸周りに角度決めするとともにZ軸方向に位置決めする。ツール駆動装置23は、R軸駆動部231、θ軸駆動部232、およびZ軸駆動部233を備える。R軸駆動部231は、ヘッド本体21に対してノズルツール22をR軸周りに回転させる。θ軸駆動部232は、複数の吸着ノズル25のそれぞれをθ軸周りに回転させる。Z軸駆動部233は、複数の吸着ノズル25のうちヘッド本体21における規定位置に割り出された1つをZ軸方向に昇降させる。
【0023】
エア供給装置24は、装着ヘッド20の内部に形成されたエア流路を介して、図示しないエアポンプによって生成された負圧エアまたは正圧エアを吸着ノズル25に供給する。エア供給装置24は、負圧流路241、正圧流路242、およびバルブ243を備える。負圧流路241は、吸着ノズル25に負圧エアを供給する際に使用されるエア流路である。正圧流路242は、吸着ノズル25に正圧エアを供給する際に使用されるエア流路である。
【0024】
バルブ243は、例えばステッピングモータ(図示しない)により動作し、エア流路における負圧エアの供給、正圧エアの供給、および遮断を切り換える。吸着ノズル25は、バルブ243の切り換えによりエア供給装置24から負圧エアを供給されると、先端部において部品を吸着して保持する。また、吸着ノズル25は、バルブ243の切り換えによりエア供給装置24から正圧エアを供給されると、先端部において吸着していた部品を解放する。
【0025】
5.検査システム30の構成
検査システム30は、図1に示すように、構成装置良否判定サーバ(以下、単に「サーバ」と称する)40と、ヘッドベンチ50と、端末装置60とを備える。サーバ40は、ヘッドベンチ50および端末装置60に対してインターネットを介して通信可能に接続される。なお、本実施形態において、ヘッドベンチ50は、端末装置60に対して直接的に通信可能には接続されていない。サーバ40は、ヘッドベンチ50または端末装置60に対する作業者の操作に応じて所定の検査を行い、検査結果に基づく装着ヘッド20の良否判定結果を端末装置60に表示させる。
【0026】
本実施形態において、サーバ40は、クラウドサーバであり、複数のクライアント(例えば、複数のヘッドベンチ50や複数の端末装置60)と通信可能に接続される。ここで、ヘッドベンチ50は、部品装着機3を構成する装着ヘッド20を対象とした検査の種別に応じて装着ヘッド20を動作させて検査を行う検査装置である。
【0027】
ヘッドベンチ50は、クランプ機構により装着ヘッド20が取り付けられ、装着ヘッド20を動作可能に保持する。ヘッドベンチ50は、保持する装着ヘッド20のツール駆動装置23を動作させ、またエア供給装置24のエア流路にエア等を流通させることが可能である。ヘッドベンチ50は、図4に示すように、検査ユニット51、および制御装置52を備える。検査ユニット51は、専用のセンサやカメラを用いて、装着ヘッド20を対象とした各種の検査を行う。
【0028】
本実施形態において、検査ユニット51による検査には、装着ヘッド20の機械的精度の検査が含まれる。上記の「機械的精度の検査」は、装着ヘッド20の駆動部(R軸駆動部231、θ軸駆動部232、Z軸駆動部233)が機械的に正確に動作するかの検査である。検査ユニット51は、例えば、装着ヘッド20に取り付けられた検査用ノズルをθ軸周りに回転させた後に逆回転させ、検査用ノズルの回転角度を測定する。これにより、θ軸駆動部232におけるバックラッシが検出される。また、Z軸駆動部233の駆動の前後における検査用ノズルの位置を測定することにより、吸着ノズル25を保持するホルダの傾きが検出される。
【0029】
また、検査ユニット51による検査には、装着ヘッド20の駆動部(R軸駆動部231、θ軸駆動部232、Z軸駆動部233)の動作時間の検査が含まれる。上記の「動作時間の検査」は、装着ヘッド20の駆動部に対して規定の動作を行うように指令し、当該動作の所要時間を測定する。駆動部の動作時間は、駆動部の適正に潤滑されているかや汚れの度合いなどによって駆動負荷とともに変動する。検査ユニット51は、例えば、装着ヘッド20の駆動部について規定の距離だけ移動、または規定の角度だけ回転させ、サーボモータに供給したパルス電力を測定する。このパルス電力の量に応じて、装着ヘッド20の駆動部の動作時間や駆動負荷が検出される。
【0030】
また、検査ユニット51による検査には、装着ヘッド20が備えるサーボ軸の動作波形の検査が含まれる。上記の「動作波形の検査」は、装着ヘッド20の駆動部(R軸駆動部231、θ軸駆動部232、Z軸駆動部233)がサーボモータを駆動源である場合に、装着ヘッド20の駆動部に対して規定の動作を行うように指令し、当該動作においてサーボモータに組み込まれたエンコーダの出力パルス(動作波形)を測定する。サーボモータは、構成部品の劣化や汚れの度合い応じて、同じ動作に対して出力パルスが変動する。そこで、検査ユニット51は、エンコーダによる検出位置と、規定動作において収束する出力パルスの波形とを検出する。
【0031】
その他に、検査ユニット51は、装着ヘッド20のエア流路に負圧エアまたは正圧エアを供給して、図示しない流量測定センサにより負圧流路241および正圧流路242におけるエアの流量を測定する。検査ユニット51は、検査処理において、負圧エアまたは正圧エアを流通させた状態でノズルツール22をR軸周りに回転させたり、吸着ノズル25を保持するホルダをθ軸周りに回転させたりZ軸方向に昇降させたりして、種々の状態における流量を測定する。装着ヘッド20のエア流路における流量が低下している場合には、エア流路に汚れがあったり、可動部の潤滑性が低下していたりすることが想定される。
【0032】
制御装置52は、主として、CPUや各種メモリ、制御回路により構成されるコントローラである。制御装置52は、サーバ40と通信可能に接続される。制御装置52は、サーバ40より指定された所定種別の検査が行われるように、装着ヘッド20および各種のセンサの動作を制御する。また、制御装置52は、装着ヘッド20と通信することにより、装着ヘッド20に記憶された識別符号(ID)を取得する。
【0033】
また、制御装置52は、上記のように検査の種別に応じて装着ヘッド20を動作し、後の良否判定に必要な測定値を取得して検査データM1を生成する。この検査データM1の測定値には、ノズルなどの位置、角度、可動部の所要時間、パルス電力、エアの流量、圧力などの各種センサにより測定された値が含まれ得る。さらに、検査データM1には、ノズルなどの位置や角度を割り出すために用いられた画像データが含まれ得る。
【0034】
さらに、検査データM1には、上記の測定値に換えて、または加えて、検査に準ずるデータとしてもよい。具体的には、吸着ノズル25を支持するホルダの傾きを検査する場合に、制御装置52は、検査用ノズルの昇降の前後における位置を示す測定値に基づいてホルダの傾き角度を割り出す。そして、制御装置52は、その傾き角度を検査データM1に記録してもよい。
【0035】
また、ヘッドベンチ50は、各種の検査の何れにおいても測定値の取得、または検査に準ずるデータの割り出しを行うに留まり、測定値などを用いた良否判定や不調のある箇所の特定などは行わない。そのため、ヘッドベンチ50には、各種の検査において良否の判定に必要な判定基準データなどの重要な情報が記憶されていない。
【0036】
端末装置60は、各種情報を表示する表示装置である。また、端末装置60は、装着ヘッド20を対象とした調整案内を行う案内装置としても機能する。本実施形態において、端末装置60は、図1に示すように、タッチスクリーン61を備える。タッチスクリーン61は、各種情報を表示するとともに、作業者による操作を受け付ける。端末装置60は、サーバ40と通信可能に接続される。また、端末装置60は、サーバ40から良否判定の結果や調整案内に係る情報を受け取り、タッチスクリーン61に表示させる。端末装置60は、固有の識別符号(ID)が付されており、必要に応じてサーバ40に識別符号を送出する。
【0037】
端末装置60は、例えばヘッドベンチ50にセットされた装着ヘッド20を対象としたメンテナンス処理の種別を選択可能にタッチスクリーン61に表示させる。上記の「メンテナンス処理」には、部品装着機3の構成装置の一つである装着ヘッド20を対象とする各種の検査、および検査結果に基づく調整案内が含まれる。そして、端末装置60は、タッチスクリーン61に対する操作により所定種別のメンテナンス処理が選択された場合に、サーバ40に対してメンテナンス処理の種別を送出する。
【0038】
サーバ40は、インストールされたソフトウェアにより構成装置良否判定サーバとして機能する。サーバ40は、図1に示すように、処理制御部41、検査データ取得部42、判定部43、送信部44、アクセス制限部45、調整部46、ログ記録部47、および記憶装置48を備える。処理制御部41は、メンテナンス処理における各部の動作を制御するとともに、通信により外部装置の識別符号(ID)の取得などを行う。検査データ取得部42は、ヘッドベンチ50による所定種別の検査によって得られた検査データM1を取得する。検査データ取得部42は、取得した検査データM1を記憶装置48に記憶する。
【0039】
ここで、記憶装置48は、ハードディスク装置などの光学ドライブ装置、またはフラッシュメモリなどにより構成される。この記憶装置48には、上記の検査データM1の他に、判定基準データM2、および調整基準データM3が予め記憶される。上記の「判定基準データM2」は、正常な装着ヘッド20がヘッドベンチ50による検査において示す検査データM1の範囲に対応する。つまり、判定基準データM2には、検査データM1に基づいて、検査対象の装着ヘッド20が検査項目において正常であるための範囲や閾値が含まれる。
【0040】
また、上記の「調整基準データM3」は、検査データM1に対応する装着ヘッド20における調整箇所および調整量が設定される。つまり、調整基準データM3には、検査データM1に含まれる複数の測定値などに対応して、多数の部品により構成される装着ヘッド20のうち調整すべき箇所を特定し、且つ調整箇所に対する調整量を算出可能な情報が予め設定されている。判定基準データM2および調整基準データM3は、多くの実績や試験などに基づいて設定され、外部への流出を防止すべき重要なデータである。
【0041】
判定部43は、取得した検査データM1に基づいて装着ヘッド20の良否を判定するとともに、良否判定結果を記憶装置48に記憶する。判定部43は、検査データM1および判定基準データM2に基づいて装着ヘッド20の良否を判定する。つまり、判定部43は、例えば検査データM1に含まれる測定値が判定基準データM2により示される正常範囲に含まれる場合に、装着ヘッド20が正常であると判定する。
【0042】
また、判定部43は、良否判定において、例えば測定値が正常範囲のうち中央付近にあるのか、境界付近にあるのか、正常範囲からどの程度外れているのかに基づいて、良否の程度を判定する。判定部43は、検査項目における良否の程度を良否判定結果に関連付けて記憶装置48に記憶する。
【0043】
送信部44は、判定部43が判定した良否判定結果を、インターネットを介して通信可能に接続された端末装置60に送信する。また、送信部44は、後述する調整部46により特定された調整箇所および算出された調整量を示す調整案内情報を端末装置60に送信する。端末装置60は、良否判定結果や調整案内情報を受け取り、タッチスクリーン61に表示する。
【0044】
アクセス制限部45は、端末装置60から判定基準データM2または調整基準データM3へのアクセスを制限する。具体的には、アクセス制限部45は、例えば端末装置60がサーバ40に通信可能に接続する際に、端末装置60の識別符号やIPアドレスなどを用いたクライアント機器の特定することにより、アクセス可能な情報を制限する。アクセス制限部45は、管理権限を有する機器からのアクセスに対しては判断基準データM2や調整基準データM3の更新を許容する。
【0045】
また、アクセス制限部45は、上記の方法に換えて、または加えて、ユーザ認証によるアクセス可能な情報を制限してもよい。アクセス制限部45は、何れの方法により端末装置60との通信を許容した場合でも、管理権限を有しないクライアント機器からの判定基準データM2および調整基準データM3へのアクセスを制限する。これにより、送信部44が端末装置60に対して検査データM1、判定基準データM2、および調整基準データM3を送信することはない。
【0046】
調整部46は、検査データM1および調整基準データM3に基づいて、装着ヘッド20の調整箇所を特定するとともに調整量を算出する。具体的には、調整部46は、例えば判定部43による良否判定において装着ヘッド20が不良と判定された場合に、判定部43が検査データM1に基づいて算出した検査項目における良否の程度、および調整基準データM3に基づいて、検査項目に関する調整箇所の特定および調整量の算出を行う。調整部46は、特定した調整箇所および算出した調整量を示す調整案内情報として、記憶装置48に記憶する。
【0047】
ログ記録部47は、サーバ40が装着ヘッド20の良否を判定する場合に、検査および調整案内をトレース可能とするトレースログM4を記録する。上記の「トレースログM4」には、検査における装着ヘッド20の動作履歴が含まれる。本実施形態において、ログ記録部47は、図5に示すように、装着ヘッド20の動作履歴に装着ヘッド20の識別符号(ID)、検査データM1、および端末装置60の識別情報(ID)の少なくとも一つを関連付けてトレースログM4として記録する。
【0048】
トレースログM4は、検査システム30が所定の検査や調整案内を行った場合に、例えば装着ヘッド20に対する指令信号、装着ヘッド20におけるツール駆動装置23およびエア供給装置24の制御信号、装着ヘッド20の動作完了の通知情報などを動作履歴として、時刻とともに記録したものである。ログ記録部47は、さらに、サーバ40とヘッドベンチ50の通信記録、サーバ40と端末装置60の通信記録、ヘッドベンチ50または端末装置60に対する作業者の操作記録などをトレースログM4として記録してもよい。
【0049】
6.検査システム30を用いたメンテナンス処理
検査システム30によるメンテナンス処理について図6を参照して説明する。メンテナンス処理の対象となる装着ヘッド20は、例えば前回のメンテナンス処理からの稼働時間が一定以上経過したものや、部品交換などの修理がなされた後のものなどが想定される。メンテナンス処理に際して、例えば部品装着機3の設置場所までヘッドベンチ50が輸送されるか、ヘッドベンチ50の設置場所まで装着ヘッド20が輸送される。
【0050】
ヘッドベンチ50に装着ヘッド20がセットされ、端末装置60からメンテナンス処理の開始が要求されると、図6に示すように、サーバ40がメンテナンス処理を実行する。なお、サーバ40は、国や地域などに対応して複数稼働するものとしてもよい。この場合には、複数のサーバ40のうち、例えばヘッドベンチ50の設置場所から通信負荷が最小となるものが選択され、メンテナンス処理を実行する。
【0051】
サーバ40の処理制御部41は、先ずメンテナンス処理の開始を要求した端末装置60の識別符号を取得する(S11)。次に、処理制御部41は、処理対象として指定された装着ヘッド20がセットされたヘッドベンチ50の識別符号、および指定の装着ヘッド20の識別符号を取得する(S12)。これにより、処理制御部41は、ヘッドベンチ50と通信可能であるかを確認する。また、処理制御部41は、S11およびS12にてそれぞれ取得した識別符号に基づいて、メンテナンス処理の実行要求が正規ユーザによるものでないと判断した場合には、メンテナンス処理を中断してもよい。
【0052】
続いて、処理制御部41は、端末装置60からの要求に応じた検査の種別を指定して、ヘッドベンチ50に当該種別の検査の実行を指令する(S13)。より詳細には、処理制御部41は、端末装置60において作業者により選択されたメンテナンス処理に応じて、機械的精度の検査、および装着ヘッド20の駆動部の動作時間の検査が必要と判定し、各検査を実行するようにヘッドベンチ50に指令する。このように、ヘッドベンチ50に対して実行を指令される検査の種別は、選択されたメンテナンス処理の種別により変動する。
【0053】
ヘッドベンチ50は、指定された1または複数の種類の検査を行う(S14)。ヘッドベンチ50の制御装置52は、検査データM1を生成する。検査データ取得部42は、ヘッドベンチ50による所定種別の検査によって得られた検査データM1を取得し(S15)、記憶装置48に記憶する。判定部43は、取得した検査データM1および判定基準データM2に基づいて、装着ヘッド20の良否を判定する(S16)。
【0054】
続いて、送信部44は、S16において判定部43が判定した良否判定結果を、インターネットを介して端末装置60に送信する(S17)。端末装置60は、受け取った良否判定結果をタッチスクリーン61に表示する(S18)。これにより、作業者は、装着ヘッド20の良否判定結果に基づいて、当該装着ヘッド20を装着処理に用いることが適正であるか否かを判断することができる。
【0055】
なお、端末装置60には、選択したメンテナンス処理における装着ヘッド20の良否についての判定結果が表示され、一方でメンテナンス処理に応じてヘッドベンチ50が実行した所定種別の検査の結果については表示されない。また、メンテナンス処理には、上記のような検査のみを行う検査モードと、検査結果を用いて調整を行う調整モードとが含まれる。処理制御部41は、端末装置60においてメンテナンス処理について調整モードが選択されているか否かを判定する(S21)。
【0056】
調整モードが選択されている場合に(S21:Yes)、調整部46は、検査データM1および調整基準データM3に基づいて、装着ヘッド20の調整箇所を特定するとともに調整量を算出し(S22)、調整案内情報として記憶装置48に記憶する。続いて、送信部44は、S22において調整部46が生成した調整案内情報を、インターネットを介して端末装置60に送信する(S23)。端末装置60は、受け取った調整案内情報をタッチスクリーン61に表示する(S24)。これにより、作業者は、調整案内情報に基づいて、装着ヘッド20における何れの箇所を調整の対象とし、且つどの程度の調整量とすべきかを認識することができる。
【0057】
一方で、メンテナンス処理について検査モードが選択されている場合には(S21:No)、上記のような調整に関する処理(S22-S24)が省略される。その後に、ログ記録部47は、装着ヘッド20の識別符号、検査データM1、および端末装置60の識別情報を装着ヘッド20の動作履歴に関連付けてトレースログM4として記録する(S25)。さらに、ログ記録部47は、サーバ40と外部装置(ヘッドベンチ50、端末装置60)との通信記録、および外部装置に対する操作記録をトレースログM4として記録する。
【0058】
7.サーバ40へのアクセス制限処理
アクセス制限部45によるアクセス制限処理について図7を参照して説明する。アクセス制限部45は、外部装置より各種のデータへのアクセスがあった場合に、図7に示すように、アクセス制限処理を実行する。ここで、上記の外部装置には、ヘッドベンチ50や端末装置60などのクライアント機器が含まれる。また、クライアント機器には、管理権限を有する管理機器が含まれる。
【0059】
アクセス制限部45は、先ずアクセスのあった外部装置のアクセス権限を特定する(S31)。アクセス権限は、外部装置の識別符号などを用いてクライアント機器を特定するか、ユーザ認証により特定される。次に、アクセス制限部45は、S31にて特定したアクセス権限によりデータへのアクセスを許可するか判定する(S32)。アクセス制限部45は、データへのアクセスを許可する場合には(S32:Yes)、外部装置に対してそのデータの出力や更新を許容する(S33)。
【0060】
一方で、アクセス制限部45は、データへのアクセスを許可しない場合には(S32:No)、外部装置に対してそのデータへのアクセスを制限する(S34)。具体的には、例えば外部装置がヘッドベンチ50または端末装置60であり、且つアクセス要求のあったデータが判定基準データM2や調整基準データM3である場合に、アクセス制限部45は、これらのデータへのアクセスを制限し、外部装置への送信を行わない。
【0061】
8.実施形態の構成による効果
本実施形態におけるサーバ40は、部品装着機3を構成する装着ヘッド20を対象とした検査の種別に応じて装着ヘッド20を動作させて検査を行うヘッドベンチ50にインターネットを介して通信可能に接続されるサーバである。サーバ40は、ヘッドベンチ50に所定種別の検査を指定し、ヘッドベンチ50による検査によって得られた検査データM1を取得する検査データ取得部42と、取得した検査データM1に基づいて装着ヘッド20の良否を判定する判定部43と、判定部43が判定した良否判定結果を、インターネットを介して通信可能に接続された端末装置60に送信する送信部44と、を備える。
【0062】
このような構成によると、検査システム30におけるサーバ40は、検査を行うヘッドベンチ50、および良否判定結果を表示する端末装置60にインターネットを介して接続された別装置として構成される。これにより、ヘッドベンチ50を部品装着機3の設置場所まで輸送するか、装着ヘッド20をヘッドベンチ50の設置場所まで輸送することによりメンテナンス処理が可能となり利便性を向上できる。一方で、良否判定はサーバ40にて行われるので、ヘッドベンチ50や端末装置60は、判定基準データM2などの検査用の重要な情報から切り離されている。そのため、このような情報の流出を確実に防止することができ、装着ヘッド20を対象としたメンテナンス処理の管理性を向上できる。
【0063】
また、実施形態にて例示したような構成からなる検査システム30の場合には、管理権限を有する機器からサーバ40へのアクセスが可能である。そのため、検査システム30の管理者は、例えば多数の検査装置(ヘッドベンチ50)による検査の結果を集計するとともに分析することができる。さらに、検査システム30の管理者は、上記の分析の結果に基づいて、判定基準データM2や調整基準データM3をより適正なものに更新することができる。これにより、以降のメンテナンス処理においては更新された判定基準データM2や調整基準データM3が反映され、より適正なメンテナンス処理を実行することができる。
【0064】
9.実施形態の変形態様
9-1.検査装置について
実施形態において、検査システム30は、検査装置としてのヘッドベンチ50を備える構成とした。これに対して、検査装置は、ヘッドベンチ50である他に、構成装置を用いて対基板作業を行う対基板作業機に組み込まれる態様を採用し得る。例えば、検査装置は、部品装着機3に組み込まれ、部品カメラ14の撮像により取得された画像データに基づいて装着ヘッド20を検査してもよい。
【0065】
このような構成によると、部品装着機3の検査装置は、装着ヘッド20に所定の動作をさせて、その動作の前後の状態を部品カメラ14などにより撮像する。そして、検査装置は、撮像により取得した画像データに基づいて装着ヘッド20の動作量や所要時間などを測定し、実施形態と同様に検査データM1を生成する。サーバ40は、検査データM1および判定基準データM2に基づいて、装着ヘッド20の良否を判定する。
【0066】
ここで、部品装着機3には、既存の設備である部品カメラ14などを用いて装着ヘッド20の検査を行い、例えば検査結果を装着ヘッド20の動作の校正に用いる構成を採用し得る。しかしながら、上記のように部品装着機3に装着ヘッド20を検査可能な構成とすると、判定基準データなどの検査用の重要な情報が流出するおそれがある。これに対して、上記のような構成によると、部品装着機3に組み込まれた検査装置から良否判定を行う機能が切り離されるので、部品装着機3における検査装置の管理性を向上できる。これにより、部品装着機3に検査装置を組み込むことができ、メンテナンスの利便性を向上できる。なお、検査装置は、調整案内を行う機能を省略した構成としてもよい。
【0067】
9-2.対基板作業機および構成装置について
実施形態において、検査システム30が検査対象とする構成装置は、装着ヘッド20であるものとして説明した。これに対して、検査システム30は、部品装着機3を構成する種々の構成装置を検査の対象としてもよい。具体的には、検査システム30は、基板搬送装置11、部品供給装置12、フィーダ122、収納装置123、および部品移載装置13の何れか一つとしてもよい。
【0068】
また、実施形態において、構成装置を備える対基板作業機は、部品装着機3であるものとして説明した。これに対して、検査システム30は、生産ライン1を構成する種々の対基板作業機の構成装置を検査の対象としてもよい。具体的には、対基板作業機としては、印刷機、リフロー炉、検査機、バッファ装置などの生産ライン1を構成する装置の一つとしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
3:部品装着機(対基板作業機)、 20:装着ヘッド(構成装置)、 30:検査システム、 40:サーバ(構成装置良否判定サーバ)、 41:処理制御部、 42:検査データ取得部、 43:判定部、 44:送信部、 45:アクセス制限部、 46:調整部、 47:ログ記録部、 48:記憶装置、 50:ヘッドベンチ(検査装置)、 51:検査ユニット、 52:制御装置、 60:端末装置、 61:タッチスクリーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7