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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075027
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】弾性波デバイス、モジュール
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/145 20060101AFI20240527BHJP
   H03H 9/25 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
H03H9/145 D
H03H9/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186136
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161827
【弁理士】
【氏名又は名称】竹田 淳
(72)【発明者】
【氏名】桑原 英司
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097AA21
5J097AA29
5J097BB02
5J097BB11
5J097BB14
5J097BB15
5J097DD19
5J097DD24
5J097DD25
5J097EE08
5J097FF03
5J097FF04
5J097HA02
5J097HA04
5J097JJ04
5J097JJ06
5J097JJ09
5J097KK10
(57)【要約】
【課題】チップ基板の放熱性を向上することができる弾性波デバイスを提供する。
【解決手段】弾性波デバイスは、チップ基板と、前記チップ基板に形成された配線パターンと、前記チップ基板に形成され、前記配線パターンにより電気的に接続された複数の直列共振器と、金属で形成され、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から前記チップ基板の外縁部に向かって延びた第1延設部と、前記第1延設部から前記チップ基板の外縁部に沿って延びた第2延設部と、を備えた。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ基板と、
前記チップ基板に形成された配線パターンと、
前記チップ基板に形成され、前記配線パターンにより電気的に接続された複数の直列共振器と、
金属で形成され、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から前記チップ基板の外縁部に向かって延びた第1延設部と、
前記第1延設部から前記チップ基板の外縁部に沿って延びた第2延設部と、
を備えた弾性波デバイス。
【請求項2】
前記第1延設部と前記第2延設部とは、前記チップ基板の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有した請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記第1延設部と前記第2延設部とは、前記配線パターンと一体に形成された請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記第1延設部は、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域と隣接し、
前記第2延設部は、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域から離れる方向に延びた請求項3に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記第2延設部は、高熱伝導性絶縁体で形成された請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記第2延設部は、前記配線パターンのグランド用バンプパッドと直接的につながった領域と接合した請求項5に記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記第2延設部は、前記チップ基板の外縁部から離れて形成された請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
前記第2延設部は、前記チップ基板の外縁部から60μmまでの領域に形成された請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項9】
高熱伝導性絶縁体で形成され、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から前記チップ基板の外縁部に向かって延び、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域よりも前記チップ基板の外縁部の側に形成されて前記配線パターンのグランド用バンプパッドと直接的につながった領域と接合した補助延設部、
を備えた請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項10】
前記チップ基板と対向した配線基板と、
前記配線基板とともに前記チップ基板を気密封止した封止部と、
を備え、
前記第2延設部は、前記封止部と接触した請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項11】
前記封止部は、前記チップ基板と前記配線基板との間に前記チップ基板の外縁部から回り込み、
前記第2延設部は、前記封止部において前記チップ基板と前記配線基板との間に回り込んだ領域と接触した請求項10に記載の弾性波デバイス。
【請求項12】
チップ基板と、
前記チップ基板に形成された配線パターンと、
前記チップ基板に形成され、前記配線パターンにより電気的に接続された複数の直列共振器と、
高熱伝導性絶縁体で形成され、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から前記チップ基板の外縁部に向かって延び、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域よりも前記チップ基板の外縁部の側に形成されて前記配線パターンのグランド用バンプパッドと直接的につながった領域と接合した補助延設部と、
を備えた弾性波デバイス。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の弾性波デバイスを備えるモジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、弾性波デバイスおよびその弾性波デバイスを備えたモジュールに関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、弾性波デバイスを開示する。当該弾性波デバイスは、耐電力およびボンダビリティに優れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-028566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の弾性波デバイスにおいては、チップ基板からの熱が逃げにくい。このため、チップ基板の放熱性が低い。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、チップ基板の放熱性を向上することができる弾性波デバイスおよびその弾性波デバイスを備えるモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る弾性波デバイスは、
チップ基板と、
前記チップ基板に形成された配線パターンと、
前記チップ基板に形成され、前記配線パターンにより電気的に接続された複数の直列共振器と、
金属で形成され、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から前記チップ基板の外縁部に向かって延びた第1延設部と、
前記第1延設部から前記チップ基板の外縁部に沿って延びた第2延設部と、
を備えた。
【0007】
前記第1延設部と前記第2延設部とは、前記チップ基板の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有したことが、本開示の一形態とされる。
【0008】
前記第1延設部と前記第2延設部とは、前記配線パターンと一体に形成されたことが、本開示の一形態とされる。
【0009】
前記第1延設部は、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域と隣接し、
前記第2延設部は、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域から離れる方向に延びたことが、本開示の一形態とされる。
【0010】
前記第2延設部は、高熱伝導性絶縁体で形成されたことが、本開示の一形態とされる。
【0011】
前記第2延設部は、前記配線パターンのグランド用バンプパッドと直接的につながった領域と接合したことが、本開示の一形態とされる。
【0012】
前記第2延設部は、前記チップ基板の外縁部から離れて形成されたことが、本開示の一形態とされる。
【0013】
前記第2延設部は、前記チップ基板の外縁部から60μmまでの領域に形成されたことが、本開示の一形態とされる。
【0014】
高熱伝導性絶縁体で形成され、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から前記チップ基板の外縁部に向かって延び、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域よりも前記チップ基板の外縁部の側に形成されて前記配線パターンのグランド用バンプパッドと直接的につながった領域と接合した補助延設部、
を備えたことが、本開示の一形態とされる。
【0015】
前記チップ基板と対向した配線基板と、
前記配線基板とともに前記チップ基板を気密封止した封止部と、
を備え、
前記第2延設部は、前記封止部と接触したことが、本開示の一形態とされる。
【0016】
前記封止部は、前記チップ基板と前記配線基板との間に前記チップ基板の外縁部から回り込み、
前記第2延設部は、前記封止部において前記チップ基板と前記配線基板との間に回り込んだ領域と接触したことが、本開示の一形態とされる。
【0017】
本開示に係る弾性波デバイスは、
チップ基板と、
前記チップ基板に形成された配線パターンと、
前記チップ基板に形成され、前記配線パターンにより電気的に接続された複数の直列共振器と、
高熱伝導性絶縁体で形成され、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から前記チップ基板の外縁部に向かって延び、前記配線パターンにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域よりも前記チップ基板の外縁部の側に形成されて前記配線パターンのグランド用バンプパッドと直接的につながった領域と接合した補助延設部と、
を備えた。
【0018】
前記弾性波デバイスを備えるモジュールが、本開示の一形態とされる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、チップ基板の放熱性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態1における弾性波デバイスの断面図である。
図2】実施の形態1における弾性波デバイスにおいて配線基板を除いた後にチップ基板を下方から見た図である。
図3図2における領域Aの拡大図である。
図4図2における領域Bの拡大図である。
図5図2における領域Cの拡大図である。
図6図2における領域Dの拡大図である。
図7】実施の形態1における弾性波デバイスの弾性波素子の第1例を示す図である。
図8】実施の形態1における弾性波デバイスの弾性波素子の第2例を示す図である。
図9】実施の形態1における弾性波デバイスにおいて配線基板を除いた後にチップ基板を下方から見た図である。
図10図9のB-B線における断面に対応した弾性波デバイスの断面図である。
図11図9のC-C線における断面に対応した弾性波デバイスの断面図である。
図12】実施の形態2における図2相当図である。
図13図12における領域Aの拡大図である。
図14図12における領域Bの拡大図である。
図15図12における領域Cの拡大図である。
図16図12における領域Dの拡大図である。
図17】実施の形態3における図2相当図である。
図18図17における領域Bの拡大図である。
図19図17における領域Cの拡大図である。
図20図17における領域Bと領域Dとの近傍の拡大図である。
図21】実施の形態4における図2相当図である。
図22図21における補助延設部の近傍の拡大図である。
図23】実施の形態5における弾性波デバイスが適用されるモジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0022】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における弾性波デバイスの断面図である。
【0023】
図1に示されるように、弾性波デバイス1は、配線基板2とチップ基板3と複数のバンプ4と封止部5とを備える。
【0024】
例えば、配線基板2は、樹脂を含む多層基板である。例えば、配線基板2は、複数の誘電体層からなる低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics:LTCC)多層基板である。例えば、配線基板2は、コンデンサまたはインダクタ等の受動素子(図示されず)を内蔵する。配線基板2は、PCB(Printed Circuit Board)であることもある。配線基板2は、複数の誘電体層からなる高温同時焼成セラミックス(High Temperature Co-fired Ceramics:HTCC)多層基板であることもある。
【0025】
図1において、配線基板2の上面は、部品実装面である。複数の導電性パッド2Aは、配線基板2の上面に形成される。例えば、複数の導電性パッド2Aは、銅で形成される。配線基板2の下面は、マザー基板等への取付面である。複数の導電性パッド2Bは、配線基板2の下面に形成される。例えば、複数の導電性パッド2Bは、銅で形成される。複数の内部導体2Cは、配線基板2に内蔵される。例えば、複数の内部導体2Cは、銅で形成される。内部導体2Cの各々は、互いに対応した導電性パッド2Aと導電性パッド2Bとを電気的に接続する。
【0026】
チップ基板3は、配線基板2と対向する。例えば、チップ基板3は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムまたは水晶等の圧電単結晶で形成された基板である。例えば、チップ基板3は、圧電セラミックスで形成された基板である。例えば、チップ基板3は、圧電基板と支持基板とが接合された基板である。例えば、支持基板は、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスで形成された基板である。
【0027】
例えば、チップ基板3の主面(図1においては下面)において、受信フィルタと送信フィルタとが形成される。
【0028】
受信フィルタは、所望の周波数帯域の電気信号が通過し得るように形成される。例えば、受信フィルタは、複数の直列共振器と複数の並列共振器からなるラダー型フィルタである。
【0029】
送信フィルタは、所望の周波数帯域の電気信号が通過し得るように形成される。例えば、送信フィルタは、複数の直列共振器と複数の並列共振器からなるラダー型フィルタである。
【0030】
チップ基板3は、配線パターン3Aと複数の電極3Bとを備える。例えば、複数の電極3Bは、櫛歯状の電極指であるInterdigital Transducer(IDT)電極である。IDT電極は、給電側のリード端子から配線パターン3Aを介して高周波電界を受けることで弾性表面波を励起し、弾性表面波を圧電作用によって高周波電界に変換することで所望のフィルタ特性を得る。
【0031】
複数のバンプ4の各々は、金、導電接着剤、半田等である。例えば、バンプ4の高さは、10μmから50μmである。複数のバンプ4の各々は、対応した位置において導電性パッド2Aと配線パターン3Aとを電気的に接続する。
【0032】
封止部5は、配線基板2とチップ基板3との間に空間6を残しつつ、配線基板2とともにチップ基板3を気密封止する。例えば、封止部5は、合成樹脂等の絶縁体で形成される。当該合成樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド等である。
【0033】
例えば、チップ基板3が配線基板2に実装された後、樹脂シートがチップ基板3にまたがるように載せられることで仮固定される。例えば、樹脂シートは、液状のエポキシ樹脂からシート化される。例えば、樹脂シートは、エポキシ樹脂とは異なるポリイミド等などの合成樹脂で形成される。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)を材料とする保護フィルムが樹脂シートの上面に設けられる。例えば、ポリエステルを材料とするベースフィルムが樹脂シートの下面に設けられる。その後、樹脂シートが軟化温度まで加熱される。その結果、樹脂シートがチップ基板3の側面と配線基板2の上面とに充填される。この方法は、熱ローララミネート法と呼ばれる。この際、樹脂は、チップ基板3と配線基板2との間にチップ基板3の外縁部からある程度の量だけ回り込む。その後、樹脂シートは、硬化温度まで加熱されることで完全に硬化する。
【0034】
次に、図2を用いて、チップ基板3の構成を説明する。
図2は実施の形態1における弾性波デバイスにおいて配線基板を除いた後にチップ基板を下方から見た図である。図3図2における領域Aの拡大図である。図4図2における領域Bの拡大図である。図5図2における領域Cの拡大図である。図6図2における領域Dの拡大図である。
【0035】
図2において、R1は、チップ基板3が切り出される際に確保される領域である。例えば、R1は、チップ基板3の外縁部からチップ基板3の中央側に向かって30μmまでの領域である。R2は、封止部5がチップ基板3と配線基板2との間にチップ基板3の外縁部から回り込む領域を示す。例えば、R2は、チップ基板3の外縁部からチップ基板3の中央側に向かって60μmまでの領域である。
【0036】
図2に示されるように、配線パターン3Aと複数の弾性波素子8とは、チップ基板3の主面に形成される。
【0037】
配線パターン3Aは、領域R1に侵入しないように形成される。例えば、配線パターン3Aは、銀、アルミニウム、銅、チタン、パラジウム等の金属または合金で形成される。例えば、配線パターン3Aは、複数の金属層を積層して形成される。例えば、配線パターン3Aの厚みは、1.0μmから5.0μmである。
【0038】
配線パターン3Aは、アンテナ用バンプパッドANTと送信用バンプパッドTxと受信用バンプパッドRxと4つのグランド用バンプパッドGNDとを含む。これらのバンプパッドは、バンプ4と電気的に接続する部分である。
【0039】
複数の弾性波素子8は、複数の直列共振器S1-Rx、S2-Rxと複数の並列共振器P1-Rx、P2-Rxと多重モード共振器DMSとを含む。複数の直列共振器S1-Rx、S2-Rxと複数の並列共振器P1-Rx、P2-Rxと多重モード共振器DMSとは、配線パターン3Aを介して電気的に接続される。複数の直列共振器S1-Rx、S2-Rxとは、いずれのグランド用バンプパッドGNDとも直接的に電気的に接続されない。複数の並列共振器P1-Rx、P2-Rxと多重モード共振器DMSとは、いずれかのグランド用バンプパッドGNDと直接的に電気的に接続される。
【0040】
複数の直列共振器S1-Rx、S2-Rxと複数の並列共振器P1-Rx、P2-Rxと多重モード共振器DMSとは、受信フィルタとして機能する。具体的には、電気信号がアンテナ用バンプパッドANTに入力されると、当該電気信号は、複数の直列共振器S1-Rx、S2-Rxと複数の並列共振器P1-Rx、P2-Rxと多重モード共振器DMSとを通過する。この際、所望の周波数帯域の電気信号のみが受信用バンプパッドRxに到達する。その結果、所望の周波数帯の電気信号のみが受信用バンプパッドRxから出力される。
【0041】
複数の弾性波素子8は、複数の直列共振器S1-Tx、S2-Tx、S3-Tx、S4-Txと複数の並列共振器P1-Tx、P2-Tx、P3-Tx、P4-Txとを含む。複数の直列共振器S1-Tx、S2-Tx、S3-Tx、S4-Txと複数の並列共振器P1-Tx、P2-Tx、P3-Tx、P4-Txとは、配線パターン3Aを介して電気的に接続される。複数の直列共振器S1-Tx、S2-Tx、S3-Tx、S4-Txは、いずれのグランド用バンプパッドGNDとも直接的に電気的に接続されない。複数の並列共振器P1-Tx、P2-Tx、P3-Tx、P4-Txは、いずれかのグランド用バンプパッドGNDと直接的に電気的に接続される。
【0042】
複数の直列共振器S1-Tx、S2-Tx、S3-Tx、S4-Txと複数の並列共振器P1-Tx、P2-Tx、P3-Tx、P4-Txとは、送信フィルタとして機能する。具体的には、電気信号が送信用バンプパッドTxに入力されると、当該電気信号は、複数の直列共振器S1-Tx、S2-Tx、S3-Tx、S4-Txと複数の並列共振器P1-Tx、P2-Tx、P3-Tx、P4-Txとを通過する。この際、所望の周波数帯域の電気信号のみがアンテナ用バンプパッドANTに到達する。その結果、所望の周波数帯域の電気信号のみがアンテナ用バンプパッドANTから出力される。
【0043】
チップ基板3は、複数の延設部9を備える。例えば、複数の延設部9は、配線パターン3Aと一体的に同時に形成される。延設部9は、第1延設部9Aと第2延設部9Bとを備える。
【0044】
例えば、1つ目の延設部9は、チップ基板3の右側の領域Aに形成される。領域Aは、図3において拡大して示される。領域Aにおいて、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいて直列共振器S1-Tx、S2-Tx同士を直接的に電気的に接続した領域からチップ基板3の右外縁部に向かって延びる。例えば、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいて直列共振器S1-Tx、S2-Tx同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域と隣接する。具体的には、第1延設部9Aは、チップ基板3の右側かつ下側のグランド用バンプパッドGNDと隣接する。第2延設部9Bは、第1延設部9Aの端部からチップ基板3の右外縁部に沿って延びる。この際、第2延設部9Bは、配線パターン3Aにおいて直列共振器S1-Tx、S2-Tx同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域から離れる方向に延びる。具体的には、第2延設部9Bは、チップ基板3の右側かつ下側のグランド用バンプパッドGNDから離れる方向(図2においては下方向)に延びる。
【0045】
例えば、2つ目の延設部9は、チップ基板3の左側の領域Bに形成される。領域Bは、図4において拡大して示される。領域Bにおいて、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいて直列共振器S2-Tx(図4においては図示されず)、S3-Tx同士を直接的に電気的に接続した領域からチップ基板3の左外縁部に向かって延びる。第2延設部9Bは、第1延設部9Aの端部からチップ基板3の左外縁部に沿って上下方向に延びる。
【0046】
例えば、3つ目の延設部9は、チップ基板3の右側の領域Cに形成される。領域Cは、図5において拡大して示される。領域Cにおいて、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいて直列共振器S3-Tx、S4-Tx同士(図5においては共に図示されず)を直接的に電気的に接続した領域からチップ基板3の右外縁部に向かって延びる。例えば、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいて直列共振器S3-Tx、S4-Tx同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域と隣接する。具体的には、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいてチップ基板3の右側かつ上側のグランド用バンプパッドGND(図5においては図示されず)と直接的に電気的に接続された領域と隣接する。第2延設部9Bは、第1延設部9Aの端部からチップ基板3の右外縁部に沿って延びる。第2延設部9Bは、配線パターン3Aにおいて直列共振器S3-Tx、S4-Tx同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域から離れる方向に延びる。具体的には、第2延設部9Bは、配線パターン3Aにおいてチップ基板3の右側かつ上側のグランド用バンプパッドGNDと直接的に電気的に接続された領域から離れる方向(図2においては下方向)に延びる。
【0047】
例えば、4つ目の延設部9は、チップ基板3の左側の領域Dに形成される。領域Dは、図6において拡大して示される。領域Dにおいて、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいて直列共振器S3-Tx、S4-Tx(図6においては図示されず)同士を直接的に電気的に接続した領域からチップ基板3の左外縁部に向かって延びる。第2延設部9Bは、第1延設部9Aの端部からチップ基板3の左外縁部に沿って上下方向に延びる。
【0048】
複数の延設部9において、第2延設部9Bは、領域R1に侵入しないように形成される。第2延設部9Bは、封止部5と接触するように形成される。具体的には、封止部5においてチップ基板3と配線基板2との間に回り込んだ領域と接触するように形成される。より具体的には、第2延設部9Bは、少なくとも一部が領域R2に侵入するように形成される。
【0049】
次に、図7を用いて、弾性波素子8の第1例を説明する。
図7は実施の形態1における弾性波デバイスの弾性波素子の第1例を示す図である。
【0050】
図7において、弾性波素子8は、SAW(Surface Acoustic Wave)共振器である。図7に示されるように、IDT(Interdigital Transducer)8Aと一対の反射器8Bとは、チップ基板3の主面に形成される。IDT8Aと一対の反射器8Bとは、弾性表面波を励振し得るように設けられる。
【0051】
例えば、IDT8Aと一対の反射器8Bとは、アルミニウムと銅の合金で形成される。例えば、IDT8Aと一対の反射器8Bとは、チタン、パラジウム、銀などの適宜の金属もしくはこれらの合金で形成される。例えば、IDT8Aと一対の反射器8Bとは、複数の金属層が積層した積層金属膜で形成される。例えば、IDT8Aと一対の反射器8Bとの厚みは、150nmから400nmである。
【0052】
IDT8Aは、一対の櫛形電極8Cを備える。一対の櫛形電極8Cは、互いに対向する。櫛形電極8Cは、複数の電極指8Dとバスバー8Eとを備える。複数の電極指8Dは、長手方向を合わせて配置される。バスバー8Eは、複数の電極指8Dを接続する。一対の反射器8Bの一方は、IDT8Aの一側に隣接する。一対の反射器8Bの他方は、IDT8Aの他側に隣接する。例えば、IDT8Aと一対の反射器8Bは、配線パターン3A(図3においては図示されず)と同じプロセスで成膜およびパターニングされる。
【0053】
次に、図8を用いて、弾性波素子8の第2例を説明する。
図8は実施の形態1における弾性波デバイスの弾性波素子の第2例を示す図である。
【0054】
.
図8において、弾性波素子8は、音響薄膜共振器である。例えば、チップ基板3は、シリコン等の半導体基板、または、サファイア、アルミナ、スピネルもしくはガラス等の絶縁基板である。圧電膜8Fは、チップ基板3の主面に設けられる。例えば、圧電膜8Fは、窒化アルミニウムで形成される。下部電極8Gと上部電極8Hとは、圧電膜8Fを挟むように設けられる。例えば、下部電極8Gと上部電極8Hとは、ルテニウム等の金属で形成される。空隙8Jは、下部電極8Gとチップ基板3との間に形成される。音響薄膜共振器において、下部電極8Gと上部電極8Hとは、圧電膜8Fの内部に厚み縦振動モードの弾性波を励振する。
【0055】
次に、図9から図11を用いて、チップ基板3の放熱を説明する。
図9は実施の形態1における弾性波デバイスにおいて配線基板を除いた後にチップ基板を下方から見た図である。図10図9のB-B線における断面に対応した弾性波デバイスの断面図である。図11図9のC-C線における断面に対応した弾性波デバイスの断面図である。ただし、図10図11とは、図1との向きを合わせるために上下が反転されて示される。図10図11とにおいて、説明に不要な構成は適宜省略される。
【0056】
図9から図11において、チップ基板3は、タンタル酸リチウムで形成される。25℃におけるタンタル酸リチウムの熱伝導率は、4.6W/m・K程度である。配線パターン3Aと延設部9とは、アルミニウムで一体に形成される。25℃におけるアルミニウムの熱伝導率は、204W/m・K程度である。封止部5は、高熱伝導性樹脂で形成される。25℃における高熱伝導性樹脂の熱伝導率は、3.0W/m・K程度である。図10図11とにおいて、導電性パッド2Aと導電性パッド2Bと内部導体2Cとは、銅で形成される。25℃における銅の熱伝導率は、403W/m・K程度である。バンプ4は、金で形成される。25℃における金の熱伝導率は、295W/m・K程度である。25℃における空気の熱伝導率は、0.025W/m・K程度である。
【0057】
弾性波デバイス1が動作すると、複数の弾性波素子8が熱を発する。弾性波素子8の各々の周囲において、当該熱は、チップ基板3と配線パターン3Aと空気とに伝わる。ここで、配線パターン3Aの熱伝導率は、チップ基板3の熱伝導率と空気の熱伝導率とよりも高い。このため、より多くの熱が配線パターン3Aに伝わる。
【0058】
配線パターン3Aにおいていずれかのバンプパッドに直接的に電気的に接続されている領域からは、より多くの熱がいずれかのバンプパッドとバンプ4とを介して配線基板2に伝わる。これに対し、配線パターン3Aにおいていずれのバンプパッドにも直接的に電気的に接続されてない領域からは、ごく少量の熱がチップ基板3と空気とを介していずれかのバンプパッドに伝わる。このため、配線パターン3Aにおいていずれのバンプパッドにも直接的に電気的に接続されてない領域からは、少量の熱のみが配線基板2に伝わる。
【0059】
ただし、配線パターン3Aにおいて4つの延設部9に対応した領域からは、多くの熱が延設部9と封止部5とを介していずれかのバンプパッドに伝わる。例えば、図9の領域Aからは、多くの熱が1つ目の延設部9と封止部5とを介してチップ基板3の右側かつ下側のグランド用バンプパッドGNDと送信用バンプパッドTxとに伝わる。例えば、図9の領域Bからは、多くの熱が2つ目の延設部9と封止部5とを介してチップ基板3の左側かつ下側のグランド用バンプパッドGNDに伝わる。例えば、図9の領域Cからは、多くの熱がチップ基板3の右側かつ下側のグランド用バンプパッドGNDと上側のグランド用バンプパッドGNDとに伝わる。例えば、図9の領域Dにおいては、多くの熱が4つ目の延設部9と封止部5とを介してチップ基板3の左側のアンテナ用バンプパッドANTに伝わる。これらのバンプパッドは、バンプ4を介して配線基板2に熱を放出する。これらの熱は、弾性波デバイス1の外部に放出される。
【0060】
例えば、図10において、送信用バンプパッドTxは、バンプ4と導電性パッド2Aと内部導体2Cと導電性パッド2Bとを介して領域Aの第2延設部9Bからの熱を弾性波デバイス1の外部に放出する。例えば、図10において、右側のグランド用バンプパッドGNDは、バンプ4と導電性パッド2Aと内部導体2Cと導電性パッド2Bとを介して領域Aの第2延設部9Bからの熱を弾性波デバイス1の外部に放出する。例えば、図10において、右側のグランド用バンプパッドGNDは、バンプ4と導電性パッド2Aと内部導体2Cと導電性パッド2Bとを介して領域Cの第2延設部9Bからの熱を弾性波デバイス1の外部に放出する。例えば、図10において、左側のグランド用バンプパッドGNDは、バンプ4と導電性パッド2Aと内部導体2Cと導電性パッド2Bとを介して領域Cの第2延設部9Bからの熱を弾性波デバイス1の外部に放出する。
【0061】
例えば、図11の左側のグランド用バンプパッドGNDは、バンプ4と導電性パッド2Aと内部導体2Cと導電性パッド2Bとを介して領域Bの第2延設部9Bからの熱を弾性波デバイス1の外部に放出する。例えば、図11のアンテナ用バンプパッドANTは、バンプ4と導電性パッド2Aと内部導体2Cと導電性パッド2Bとを介して領域Dの第2延設部9Bからの熱を弾性波デバイス1の外部に放出する。
【0062】
以上で説明された実施の形態1によれば、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域からチップ基板3の外縁部に向かって延びる。第2延設部9Bは、第1延設部9Aからチップ基板3の外縁部に沿って延びる。このため、延設部9が存在しない場合に比べ、配線パターン3Aにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から第1延設部9Aと第2延設部9Bとを介してより多くの熱を逃がすことができる。その結果、チップ基板3の放熱性を向上することができる。
【0063】
また、延設部9は、チップ基板3の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する。このため、延設部9を介してチップ基板3の放熱性をより確実に向上することができる。
【0064】
また、延設部9は、配線パターン3Aと一体に形成される。このため、延設部9を形成するためだけのプロセスを付加することなく、チップ基板3の放熱性を向上することができる。
【0065】
また、領域Aと領域Cとにおいては、第1延設部9Aは、配線パターン3Aにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域と隣接する。第2延設部9Bは、配線パターン3Aにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域とは異なる領域から離れる方向に延びる。このため、弾性波デバイス1の小型化を維持しつつ、チップ基板3の放熱性を向上することができる。
【0066】
また、第2延設部9Bは、チップ基板3の外縁部から離れて形成される。このため、チップ基板3がウエハから切り出される際に第2延設部9Bがダイシングブレードと接触することを回避できる。
【0067】
また、第2延設部9Bは、封止部5においてチップ基板3と配線基板2との間に回り込んだ領域と接触する。このため、配線パターン3Aにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域から第2延設部9Bと封止部5とを介してより多くの熱を放出することができる。
【0068】
また、第2延設部9Bは、チップ基板3の外縁部から60μmまでの領域に形成される。このため、第2延設部9Bをより確実に封止部5に接触させることができる。
【0069】
また、延設部9は、送信フィルタの一部として機能する複数の直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域に対応して形成される。このため、特に、発熱が大きい送信フィルタにおいて、直列共振器で発生した熱の放熱性を高めることができる。
【0070】
実施の形態2.
図12は実施の形態2における図2相当図である。図13図12における領域Aの拡大図である。図14図12における領域Bの拡大図である。図15図12における領域Cの拡大図である。図16図12における領域Dの拡大図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0071】
図12から図16の延設部9において、第1延設部9Aは、配線パターン3Aと一体的に同時に形成される。第2延設部9Bは、第1延設部9Aと直接的に接合する。第2延設部9Bは、高熱伝導性絶縁体で形成される。例えば、第2延設部9Bは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン、ソルダーレジスト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛または酸化シリコンで形成される。
【0072】
以上で説明された実施の形態2によれば、第2延設部9Bは、高熱伝導性絶縁体で形成される。このため、実施の形態1と同様に、チップ基板3の放熱性を向上することができる。特に、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムにおいては、熱伝導率が高い。具体的には、窒化ホウ素の熱伝導率は、60W/m・K程度である。窒化アルミニウムの熱伝導率は、150W/m・K程度である。酸化アルミニウムの熱伝導率は、29W/m・K程度である。このため、窒化ホウ素と窒化アルミニウムと酸化アルミニウムとのうちのいずれかが第2延設部9Bとして用いられれば、チップ基板3の放熱性をより確実に向上することができる。
【0073】
実施の形態3.
図17は実施の形態3における図2相当図である。図18図17における領域Bの拡大図である。図19図17における領域Cの拡大図である。図20は、図17における領域Bと領域Dとの近傍の拡大図である。なお、実施の形態2の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0074】
図17図18とに示されるように、領域Bの延設部9において、第2延設部9Bは、高熱伝導性絶縁体で形成される。第2延設部9Bは、配線パターン3Aにおいてチップ基板3の左側かつ下側のグランド用バンプパッドGND(図18においては図示されず)と直接的につながった領域と直接的に接合する。図17図19とに示されるように、領域Cの延設部9において、第2延設部9Bは、高熱伝導性絶縁体で形成される。第2延設部9Bは、配線パターン3Aにおいてチップ基板3の右側かつ上側のグランド用バンプパッドGND(図19においては図示されず)と直接的につながった領域と直接的に接合する。
【0075】
図17図20とに示されるように、領域Bの延設部9と領域Dの延設部9とにおいて、互いの第2延設部9Bは、つながるように形成される。例えば、領域Bの延設部9と領域Dの延設部9は、一体に形成される。
【0076】
以上で説明された実施の形態3によれば、第2延設部9Bは、配線パターン3Aにおいてグランド用バンプパッドGNDと直接的につながった領域と接合する。このため、第2延設部9Bからの熱を効率的にグランド用バンプパッドGNDに伝えることができる。その結果、チップ基板3の放熱性をより確実に向上することができる。
【0077】
実施の形態4.
図21は実施の形態4における図2相当図である。図22図21における補助延設部の近傍の拡大図である。なお、実施の形態3の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0078】
図21図22とにおいて、補助延設部10は、第2延設部9B(図22においては図示されず)と同等の高熱伝導性絶縁体で形成される。例えば、補助延設部10は、配線パターン3Aにおいて直列共振器S2-Tx、S3-Tx(図22においては図示されず)同士を直接的に電気的に接続した領域の右側からチップ基板3の右外縁部に向かって延びるように形成される。補助延設部10は、配線パターン3Aにおいて直列共振器S2-Tx、S3-Tx同士を直接的に電気的に接続した領域よりもチップ基板3(図22においては図示されず)の右外縁部の側に形成された領域と接合する。当該領域は、チップ基板3の右側かつ下側のグランド用バンプパッドGND(図22においては図示されず)と直接的につながった領域である。
【0079】
以上で説明された実施の形態4によれば、補助延設部10は、配線パターン3Aにおいて直列共振器同士を直接的に電気的に接続した領域からチップ基板3の外側に延びる。補助延設部10は、配線パターン3Aにおいてグランド用バンプパッドGNDと直接的につながった領域と接合する。このため、例えば、配線パターン3Aにおいて直列共振器S2-Tx、S3-Tx同士を直接的に電気的に接続した領域からの熱の放出が不十分でも、補助延設部10を介して当該領域から効率的に放熱することができる。
【0080】
実施の形態5.
図23は実施の形態5における弾性波デバイスが適用されるモジュールの断面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0081】
図23において、モジュール100は、配線基板101と集積回路部品102と弾性波デバイス1とインダクタ103と封止部104とを備える。
【0082】
配線基板101は、実施の形態1の配線基板2と同等である。集積回路部品102は、配線基板101の内部に実装される。集積回路部品102は、スイッチング回路とローノイズアンプとを含む。弾性波デバイス1は、配線基板101の主面に実装される。インダクタ103は、配線基板101の主面に実装される。インダクタ103は、インピーダンスマッチングのために実装される。例えば、インダクタ103は、Integrated Passive Device(IPD)である。封止部104は、弾性波デバイス1を含む複数の電子部品を封止する。
【0083】
以上で説明された実施の形態5によれば、モジュール100は、弾性波デバイス1を備える。このため、放熱性が高い弾性波デバイス1を備えたモジュール100を実現することができる。
【0084】
少なくとも一つの実施形態のいくつかの側面が説明されたが、様々な改変、修正および改善が当業者にとって容易に想起されることを理解されたい。かかる改変、修正および改善は、本開示の一部となることが意図され、かつ、本開示の範囲内にあることが意図される。
【0085】
理解するべきことだが、ここで述べられた方法および装置の実施形態は、上記説明に記載され又は添付図面に例示された構成要素の構造および配列の詳細への適用に限られない。方法および装置は、他の実施形態で実装し、様々な態様で実施又は実行することができる。
【0086】
特定の実装例は、例示のみを目的としてここに与えられ、限定されることを意図しない。
【0087】
本開示で使用される表現および用語は、説明目的であって、限定としてみなすべきではない。ここでの「含む」、「備える」、「有する」、「包含する」およびこれらの変形の使用は、以降に列挙される項目およびその均等物並びに付加項目の包括を意味する。
【0088】
「又は(若しくは)」の言及は、「又は(若しくは)」を使用して記載される任意の用語が、当該記載の用語の一つの、一つを超える、およびすべてのものを示すように解釈され得る。
【0089】
前後左右、頂底上下、横縦、表裏への言及は、いずれも、記載の便宜を意図する。当該言及は、本開示の構成要素がいずれか一つの位置的又は空間的配向に限られるものではない。したがって、上記説明および図面は、例示にすぎない。
【符号の説明】
【0090】
1 弾性波デバイス、 2 配線基板、 2A 導電性パッド、 2B 導電性パッド、 2C 内部導体、 3 チップ基板、 3A 配線パターン、 3B 電極、 4 バンプ、 5 封止部、 6 空間、 8 弾性波素子、 8A IDT、 8B 反射器、 8C 櫛形電極、 8D 電極指、 8E バスバー、 8F 圧電膜、 8G 下部電極、 8H 上部電極、 8J 空隙、 9 延設部、 9A 第1延設部、 9B 第2延設部、 10 補助延設部、 100 モジュール、 101 配線基板、 102 集積回路部品、 103 インダクタ、 104 封止部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23