(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075029
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】銛
(51)【国際特許分類】
A01K 81/00 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
A01K81/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186139
(22)【出願日】2022-11-22
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】517254891
【氏名又は名称】株式会社ファンクストレーディング
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤野 克裕
【テーマコード(参考)】
2B105
【Fターム(参考)】
2B105AG21
(57)【要約】
【課題】従来のチョッキ部を備えた銛よりも操作性に優れる新しい銛を提供する。
【解決手段】 銛1の柄部2の先端部3aに着脱自在に取付けられたチョッキ部4と、チョッキ部4に取付けられたチョッキライン5と、一端が柄部2に取付けられ、他端がチョッキライン5に接続されるテンションライン7と、チョッキライン5に接続され、チョッキ部4を引っ張るロープ部6と、を備えた銛であって、テンションライン7に設けられ、チョッキライン5にかかる張力に応じて磁力によりテンションライン7の接続を維持した接続状態と、離隔状態とを取る磁石連結具9を有することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銛の柄部の先端部に着脱自在に取付けられたチョッキ部と、
前記チョッキ部に取付けられたチョッキラインと、
一端が前記柄部に取付けられ、他端が前記チョッキラインに接続されるテンションラインと、
前記チョッキラインに接続され、前記チョッキ部を引っ張るロープ部と、を備えた銛であって、
前記テンションラインに設けられ、前記チョッキラインにかかる張力に応じて磁力により前記テンションラインの接続を維持した接続状態と、離隔状態とを取る磁石連結具を有することを特徴とする銛。
【請求項2】
前記磁石連結具は、複数の磁石を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の銛。
【請求項3】
前記磁石連結具は、磁石と強磁性体を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の銛。
【請求項4】
前記チョッキラインが、前記テンションラインを着脱自在に接続する輪形係止部を有していることを特徴とする請求項1に記載の銛。
【請求項5】
前記磁石連結具が、前記輪形係止部に係止できる連結具側輪形部を有していることを特徴とする請求項4に記載の銛。
【請求項6】
前記磁石連結具は、磁石を収納する磁石収納部と、前記磁石が吸着する吸着面部と、前記吸着面部の反対側に設けられるフック部を有し、
前記フック部が前記輪形係止部に着脱自在に係止されることを特徴とする請求項4に記載の銛。
【請求項7】
前記磁石連結具の表面に塩害ガード層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の銛。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚等の水中などの生物を突き刺す銛に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からチョッキ部を有した銛が公知である。
例えば、特許文献1に例示されるように、銛本体の先端部にチョッキ部である矢じりを設けるとともに、その矢じりに繋がる紐体を設け、魚を突き刺した後に、紐体によって魚を引き寄せ取り込むことが行われている。
【0003】
一般に、この種のチョッキ部を有する銛は、チョッキ部からはチョッキライン(ワイヤー)が伸びており、そのチョッキラインはロープ部に接続されている。また、チョッキラインはゴム紐などで構成されたテンションラインにも接続されている。そして、銛の柄部に設けられた突起などにテンションラインの基端側の輪部(リング部)を掛けて係止するように構成されている。
【0004】
銛で魚を狙っている間は、チョッキ部は銛本体の先端部から外れないようにテンションラインによって、チョッキ部を下方に引っ張っている。
一方、チョッキ部が魚に刺さった後は、チョッキ部は銛本体から速やかに外れることが望まれ、釣り人はロープ部を引っ張って魚を水揚げする。
【0005】
従来の銛の構成では、チョッキ部が魚に刺さったタイミングで、使用者(釣り人)が、テンションラインの基端側の輪部を突起から外すように操作して、ロープを引っ張って魚を取り込む(水揚げ)することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術に係る銛には、魚などの水中生物を狙っている間に、チョッキ部が銛の先端部から釣り人の意図に反して不用意に外れてしまうことが生じていた。また、魚等にチョッキ部が刺さったのにチョッキラインの輪部が柄部の突起からなかなか外れないなど使いにくい課題があった。
【0008】
本発明は、上記各課題を解決して、操作性に優れる銛を提供するためになされたものである。
本発明の目的は、銛を動かして魚等を狙っている時に、意図せずにチョッキ部が銛先端部から外れてしまう課題又は柄部の突起等からテンションラインが外れるという課題を解決できる銛を提供することにある。
本発明の他の目的は、魚が刺さったのにチョッキ部がなかなか外れないという課題を解決できる銛を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様に係る銛は、
銛の柄部の先端部に着脱自在に取付けられたチョッキ部と、
前記チョッキ部に取付けられたチョッキラインと、
一端が前記柄部に取付けられ、他端が前記チョッキラインに接続されるテンションラインと、
前記チョッキラインに接続され、前記チョッキ部を引っ張るロープ部と、を備えた銛であって、
前記テンションラインに設けられ、前記チョッキラインにかかる張力に応じて磁力により前記テンションラインの接続を維持した接続状態と、離隔状態とを取る磁石連結具を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2態様は、前記第1態様に記載の銛であって、前記磁石連結具は、複数の磁石を含んで構成されていることを特徴とする。
本発明の第3態様は、前記第1態様に記載の銛であって、磁石と強磁性体を含んで構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の第4態様は、前記第1態様に記載の銛であって、前記チョッキラインが、前記テンションラインを着脱自在に接続する輪形係止部を有していることを特徴とする。
本発明の第5態様は、前記第4に記載の銛であって、前記磁石連結具が、前記輪形係止部に係止できる連結具側輪形部を有していることを特徴とする。
【0012】
本発明の第6態様は、前記第4態様に記載の銛であって、
前記磁石連結具は、磁石を収納する磁石収納部と、前記磁石が吸着する吸着面部と、前記吸着面部の反対側に設けられるフック部を有し、
前記フック部が前記輪形係止部に着脱自在に係止されることを特徴とする。
【0013】
本発明の第7態様は、前記第1態様に記載の銛であって、前記磁石連結具の表面に塩害ガード層が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明であれば、銛を動かして魚等を狙っている時に、意図せずにチョッキ部が銛先端部から外れてしまう課題又は柄部の突起等からテンションラインが外れるという課題を解決できる銛を提供できる。
また、本発明であれば、魚が刺さったのにチョッキ部がなかなか外れないという課題を解決できる銛を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る銛の全体図を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る銛の模式的な要部拡大図である。
【
図3】本実施形態において磁石連結具の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は吸着面部から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る第1実施形態である銛について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は銛の全体を描いた図、
図2はチョッキライン、磁石連結具を備えたテンションライン、ロープ部などの接続の形態を説明するための模式的な要部拡大図、
図3は磁石連結具の一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は吸着面部から見た正面図である。
【0017】
本実施形態に係る銛1は、釣り人などの使用者(図示せず)が手などで持つ柄部2と、柄部2から先端側に延びる押し棒部3と、押し棒部3の先端部3aに着脱自在に取り付けられたチョッキ部4を有している。なお、押し棒部3の先端部3aは、銛1の柄部2の先端部を構成する。
【0018】
チョッキ部4は銛先部と言える部材であり、銛1の柄部2の先端部3aに着脱自在に取付けられている。チョッキ部4にはチョッキライン5という線材又は紐材などが取り付けてある。チョッキ部4は魚の体に刺さり、チョッキ部4に設けられた戻り部4mによって、魚から抜けにくく構成されている。なお、
図2に示されているチョッキ部4は模式的な図であり、チョッキ部4の構成は
図2に示されている構成以外にも、銛で刺す魚等の種類や、使用者の好みで各種のチョッキ部4を適宜、採用できる。
押し棒部3は柄部2の先端側の部分であり、魚体に刺さる棒材であって強度の強い部材、例えばステンレス棒などで構成される。
【0019】
また、銛1は、前記したチョッキライン5と接続されるロープ部6と、チョッキライン5に接続されるテンションライン7とを有している。柄部2にはテンションライン7の基端側の端部を固定する固定部8を有している。なお、本明細書において「接続」とは輪形係止部10などの間接部材を用いて接続されている構成も含む。
【0020】
ロープ部6は後述するように、テンションライン7が磁石連結具9によってチョッキライン5と離隔された状態において、魚に刺さったチョッキ部4を使用者が引っ張って魚を取り込むための線材又は紐部である。
【0021】
テンションライン7は伸び縮みするゴム紐やバネ線材等の各種の弾性部材で構成され、一端(基端側)が柄部2の固定部8に取付けられ、他端(先端側)がチョッキライン5に接続されるものである。テンションライン7は、チョッキライン5で繋がれたチョッキ部4を柄部2側(基端側)に常時、引っ張って押し棒部3の先端部3aからチョッキ部4が外れないように支持する機能を持たせる部材である。
【0022】
なお、本実施形態の記載において、テンションライン7とは、磁石連結具9を備えたテンションライン7全体を指す場合と、磁石連結具9に接続される弾性体としてのテンションのあるゴム紐、線材等を指す場合とがある。
【0023】
図1及び
図2に示す第1実施形態の構成では、チョッキライン5とロープ部6、及びチョッキライン5とテンションライン7をそれぞれ接続する間接部材として、輪形係止部10を設けた構成となっている。
【0024】
輪形係止部10は、チョッキライン5の基端側に設けられる部材であり、ロープ部6の先端部6sやテンションライン7の先端部7sを着脱自在に係止する部材である。
輪形係止部10は、例えば、輪形内にそれぞれの先端部6s,7sを入れる取り入れ部11を有している。取り入れ部11は開閉自在のスライド部やヒンジ部などで構成される。
【0025】
輪形係止部10の一例としては、カラビナ15などが例示できる。
図1に示すように、柄部2は手で掴みやすい位置にグリップ部13を設けている。また、使用者が操作しやすいように、柄部2の長さを調節できる伸縮部(図示せず)を柄部2に設けてもよい。
【0026】
<磁石連結具9>
磁石連結具9は、チョッキ部4が刺さった魚によるチョッキライン5にかかる張力の大きさに応じて、磁力によるテンションライン7の接続を維持した接続状態と、前記張力が磁力による吸引力を上回って離隔状態と、になる2つの状態を取ることが可能な、磁力を利用した連結具である。
【0027】
磁石連結具9はテンションライン7の一部に設けた構成が例示されている。つまり、輪形係止部10に直接に連結する磁石連結具9を設け、柄部2側にテンションライン7を設ける構成や、輪形係止部10側にテンションライン7を設け、柄部2の固定部8に直接に連結する磁石連結具9を設ける構成や、2個のテンションライン7を設け、それらのテンションライン7の中間位置に磁石連結具9を設ける構成などが採用できる。
【0028】
本実施形態に係る銛1は、マグロやカジキなどの大型魚などを対象とすることが多いので、磁石連結具9に使用される磁石は強力なものが好ましい。そのような磁石18として、例えば、ネオジム磁石が好適に使用できる。
【0029】
磁石連結具9に使用する磁石18は、S極、N極として機能する複数の磁石18を含んで構成され、通常は一対の磁石18を使用することが簡単で好ましい。但し、一方を磁石18とし、他方を鉄などの強磁性体の金属で構成することを除外するものではない。他方を強磁性体で構成する場合は、例えば
図3に示す構成を例にして説明すれば、磁石18のいずれか一方だけを強磁性体の金属で構成すればよい。
【0030】
図3に示す構成に基づいて磁石連結具9を説明すると、磁石連結具9は2個の磁石単位具20を有している。2個の磁石単位具20を対向させて配置することで磁石連結具9を構成している。
磁石単位具20は、磁石固定部21と、磁石収納部22と、S極とN極として機能する2個の磁石18と、吸着面部23と、吸着面部23の反対側に設けられる摘み部24と、吸着面部23の反対側に設けられるフック部25とを有している。
【0031】
磁石固定部21は、磁石18を収納できる凹部などで構成される。
図3に示す構成では、扁平な円板形のネオジム磁石18を扁平な円柱形の凹部内に収納している。なお、磁石固定部21は平面で構成することも可能である。その場合は、接合手段、例えば接着剤などで磁石18を前記平面に固定してもよい。
【0032】
吸着面部23は磁石単位具20において、2個の磁石18の磁力が作用して、吸着する面部である。
図3(a)に示すように吸着面部23は2つの平面が対向して吸着する構成だけでなく、一方が凹型、他方が凸型のように他の係合形状も採用できる。
【0033】
磁石収納部22は、磁石18を支持するとともに、吸着面部23回りを磁気的に遮蔽するために磁石18を覆う部材である。磁石収納部22としては、磁界遮蔽性合成樹脂、ステンレス等の磁界が漏れにくい材質のものが採用される。本実施形態ではステンレスが採用されている。
【0034】
摘み部24は、磁石収納部22から吸着面部23の反対側に向かって延びる部分であり、実質的に円板形状の磁石18を指で持ちやすい形状に形成できれば、その形状や構成は特に限定されない。
【0035】
フック部25は、摘み部24又は磁石収納部22から、磁石18の吸着面部23とは反対側に突出されて設けられる接続のための係合手段であり、連結具側輪形部17に構成されることが多い。
【0036】
図3に示すように、フック部25が切れ目のない完全な輪形の場合はチョッキライン5に設けられる輪形係止部10は、取り入れ部11を有していることが好ましい。
一方、チョッキライン5に設けられる輪形係止部10が取り入れ部11を有していない単純な輪形部の構成であれば、磁石連結具9のフック部25は開口やスライド部などの連結具側取り入れ部(図示せず)があるものが好ましい。
【0037】
磁石連結具9に設けられるフック部25は、磁石連結具9に繋がるテンションライン7の軸芯方向である回転軸27に対して回動又は回転できる回転支持部26を有していることが好ましい。回転支持部26を有していることで、テンションライン7又はチョッキライン5が過度に捻じれてしまうなどの不都合を抑制できる。
【0038】
また、磁石連結具9の表面には海水の塩分による劣化を防止する塩害ガード層を形成することが好ましい。そのような塩害ガード層を形成する方法として、塩害ガード塗料をスプレー等の手段で磁石連結具9の表面にコートする方法がある。
【0039】
磁石連結具9を設けることで、魚を刺す前の使用者が行う銛1の大きな操作においても外れないように、かなり強いチョッキ部4の引っ張り力を維持するように設定することができる。
また、魚等を突き刺した後は、魚等の動きによる抵抗(張力)に対応して速やかに磁石連結具9が離隔状態になるように磁石18の吸着力を設定できる。
【0040】
この磁石の吸着力の数値範囲は、対象とする魚等の大きさ、使用者の銛1の使用方法などの各種要因によって所定範囲に設定することができる。
【0041】
また、例えば、銛1の対象とする魚の大きさ、魚種類による引きの強さなどに応じて、離隔状態となる磁石連結具9を複数レベルにおいて用意することも可能である。例えば、使用者の要望に対応して、小さい張力によって離脱状態になる感度が高いシリーズ(製品ラインナップ)や、大きな張力が掛からないと離脱状態にならない感度が低いシリーズを用意することもできる。
【0042】
<作用>
以下、本実施形態における銛1の作用と利点について簡単に説明する。
魚等を狙って銛1を投げる場合、使用者の操作によって、銛1は大きく動くこともあるが、テンションライン7でチョッキ部4を下方(柄部2側)に引っ張るように設定しておけば、外れることはほとんど無くなる。
【0043】
一方、銛1を投げて魚体を突き刺して、魚を取り込む操作において、魚が逃げようとしてチョッキライン5に所定の大きさの張力がかかった時には、磁石連結具9の接続状態が自動的に外れ、テンションライン7は離隔状態になる。
【0044】
したがって、釣り人は従来のようにテンションライン7の基端部側の輪部が柄部2に設けられた突起からいつ離脱すればよいか?、及び釣り人がテンションライン7の基端部側の輪部を突起から外す操作に気を使う必要がなく、ロープ部6を引っ張る等の魚の取り込み操作などに集中できることになる。
【0045】
また、魚にロープ部6が刺さってチョッキライン5に力がかかり、魚を捕獲できる状態の時には、自動的にテンションライン7がチョッキライン5から離隔するので、釣り人は魚の力がかかった状態を即座に知ることができる。したがって、テンションライン7の柄部2からの離脱について注意を向ける必要がないので、魚の取り込みに失敗することが少なる利点がある。
【0046】
このように、本実施形態の構成であれば、チョッキ部4が押し棒部3の先端部3aに保持される安定性をかなり高く設定できるとともに、魚に刺さった後、所定の張力がかかれば、自動的に速やかに外れる利点を有しており、従来の銛が有していた操作しにくいという課題を解決できる。
【0047】
[変形例1]
柄部2の材質は押し棒部3と同じステンレス等の金属で構成することもできる。又は適度の弾性を有するグラスファイバー等で構成することもできる。柄部2をグラスファイバー等の軽量で弾性変形できる素材で構成すれば、使用者の疲労が軽減できることも予想される。
【0048】
なお、柄部2の材質をステンレス等の金属で構成すること、又はグラスファイバー等の軽量で弾性変形できる素材で構成することのどちらが好ましいかは、使用者の好みに左右される点も多いので、本発明の実施形態(個々の製品)としては、いずれの構成も採用できる。
【0049】
なお、本発明は、魚等の引っ張り力によるチョッキライン5を経てテンションライン7に伝わる張力と、磁石連結具9が有する磁力吸着力との大小関係による自動的な離脱を技術的な特徴としている。したがって、本発明は、チョッキライン5の基端側に設けられる輪形係止部10(間接部材)の構成・材質や、魚等の捕獲時における輪形係止部10とチョッキライン5の基端部との切り離しの構成等において、適宜、必要により変形することが可能である。
また、前記実施形態では水中に生きる魚等の生物の捕獲を例に取って説明したが、本発明銛は、必要に応じて、陸上の生物の捕獲に使用することを除外するものではない。
【0050】
以上、実施形態を例示して本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の構成には限定されない。本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて判断されるべきであり、その範囲内であれば、多様な変形や構成の追加、又は改良が行えることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0051】
1:銛
2:柄部
3:押し棒部
4:チョッキ部
5:チョッキライン
6:ロープ部
7:テンションライン
8:固定部
9:磁石連結具
10:輪形係止部
11:取り入れ部
15:カラビナ(輪形係止部10の一例)
17:連結具側輪形部
18:磁石
22:磁石収納部
23:吸着面部
25:フック部(連結具側輪形部17の一例)