(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007503
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】サスペンションシステムを有するスポーツボール
(51)【国際特許分類】
A63B 43/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A63B43/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023108140
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】17/856,302
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510204998
【氏名又は名称】アディダス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ウォルター ディベネデット
(72)【発明者】
【氏名】イアン マイケル マンソン
(72)【発明者】
【氏名】バリー グラント マニー
(72)【発明者】
【氏名】スコット トムリンソン
(57)【要約】
【課題】中空構造と、複数のコードによって中空構造内で吊るされるピットと、を備えるスポーツボール、例えば、サッカーボールを提供すること。
【解決手段】いくつかの実施形態において、複数のコードは、第1の位置で中空構造に結合される第1の端と、第2の位置で中空構造に結合される第2の端と、ピットに結合される中心部と、を備えてもよい。いくつかの実施形態において、ピットは、複数のコードによって中空構造内で吊るされてもよく、複数のコードの各々は、複数の離れた位置のうちの1つで中空構造に固定されるほぐされた端を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空構造と、
複数のコードによって前記中空構造内で吊るされるピットと、
を備えるスポーツボールであって、
前記複数のコードの各々は、
第1の位置で前記中空構造に結合される第1の端と、
第2の位置で前記中空構造に結合される第2の端と、
前記ピットに結合される中心部と、を備える、
スポーツボール。
【請求項2】
前記第1の位置は、前記中空構造の外面に接合される第1のパッドを備え、前記第2の位置は、前記中空構造の前記外面に接合される第2のパッドを備える、請求項1のスポーツボール。
【請求項3】
前記複数のコードの各々は、繊維状のコードであり、前記第1の端は、前記コードのほぐされた繊維を備え、前記ほぐされた繊維は、前記第1のパッドに接合される、請求項2のスポーツボール。
【請求項4】
前記第1のパッドは、第1のパッド層および第2のパッド層を備え、前記ほぐされた繊維は、前記第1のパッド層と前記第2のパッド層との間に挟まれている、請求項3のスポーツボール。
【請求項5】
前記第1のパッド層は、前記コードの前記第1の端が受け入れられる開口を備える、請求項4のスポーツボール。
【請求項6】
前記第1のパッド層は、第1の有効直径を備え、前記第2のパッド層は、前記第1の有効直径より大きい第2の有効直径を備える、請求項4のスポーツボール。
【請求項7】
前記複数のコードの各々の前記中心部は、前記ピットを通して環状にされる、請求項1のスポーツボール。
【請求項8】
前記複数のコードの各々の前記中心部は、前記ピットの外面に位置する複数の溝のうちの1つを通して環状にされる、請求項1のスポーツボール。
【請求項9】
前記複数の溝の各々は、第1の湾曲と、第2の湾曲と、前記第1の湾曲および前記第2の湾曲を接続するソケットと、を備える、請求項8のスポーツボール。
【請求項10】
前記複数のコードの各々は、前記複数の溝のうちの1つの溝の前記第1の湾曲から前記第1の位置のそれぞれ1つまで延在し、前記複数のコードの各々は、前記複数の溝のうちの1つの溝の前記第2の湾曲から前記第2の位置のそれぞれ1つまで延在する、請求項9のスポーツボール。
【請求項11】
前記ピットは、複数のソケットを備え、前記複数のソケットの各々は、壁によって包囲される凹部を備え、前記複数のコードの各々の前記中心部は、前記複数のソケットのうちの1つの前記凹部内に固定される、請求項1のスポーツボール。
【請求項12】
前記第1の位置および前記第2の位置は、前記中空構造の表面エリア周辺で等距離に離れている、請求項1のスポーツボール。
【請求項13】
前記複数のコードの各々は、前記第1の端から前記第2の端まで延在する連続コードである、請求項1のスポーツボール。
【請求項14】
前記ピットは、電子デバイスを備える、請求項1のスポーツボール。
【請求項15】
前記電子デバイスは、バッテリーおよび無線送信機を備える、請求項14のスポーツボール。
【請求項16】
前記電子デバイスは、圧力センサ、全地球測位システムセンサ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、ホールセンサ、温度センサ、携帯電話モジュール、およびこれらの組合せからなる群から選択されるセンサを備える、請求項14のスポーツボール。
【請求項17】
前記ピットは、50グラム以下の質量を備える、請求項1のスポーツボール。
【請求項18】
スポーツボールを作る方法であって、
複数のコードの各々が第1の端、第2の端、およびピットに結合される中心部を備えるように、複数のコードをピットに結合するステップと、
前記ピットを、複数の第1の開口および複数の第2の開口を備える中空構造内に配置するステップと、
前記複数の第1の開口のそれぞれ1つを通して各コードの第1の端を引っ張るステップと、
前記複数の第2の開口のそれぞれ1つを通して各コードの第2の端を引っ張るステップと、
複数の第1のパッドを、前記複数の第1の開口のそれぞれ1つを通して引っ張られた各コードの前記第1の端に取り付けるステップであって、各第1のパッドは、前記第1の端のそれぞれ1つに取り付けられる、ステップと、
複数の第2のパッドを、前記複数の第2の開口のそれぞれ1つを通して引っ張られた各コードの前記第2の端に取り付けるステップであって、各第2のパッドは、前記第2の端のそれぞれ1つに取り付けられる、ステップと、
前記第1のパッドの各々を前記中空構造に前記第1の開口のそれぞれ1つで接合するステップと、
前記第2のパッドの各々を前記中空構造に前記第2の開口のそれぞれ1つで接合するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
中空構造と、
複数のコードによって前記中空構造内で吊るされるピットであって、前記複数のコードの各々は、複数の離れた位置のうちの1つで前記中空構造に固定されるほぐされた端を備える、ピットと、
を備える、
スポーツボール。
【請求項20】
前記複数の離れた位置の各々は、前記中空構造の外面に接合されるパッドを備え、各コードの前記ほぐされた端は、各々の離れた位置で前記パッドに接合される、請求項19のスポーツボール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スポーツボール、特に、フットボール用のボールまたはサッカーボールに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ活動において用いられるスポーツボール、例えば、サッカーボールは、ブラダを含む中空構造を備えてもよい。中空構造は、空でもよいし、または、1つもしくは複数の電子デバイスを備え、スポーツ活動のさまざまなパラメータに関する情報を提供してもよい。情報は、スポーツ活動の間中のボールの位置、ボールのパラメータおよび/または個々のプレーヤのパフォーマンスを含んでもよい。情報は、ゲームを観戦する個人、レフェリ、およびルールの遵守のためにゲームを監視する他の人、またはパフォーマンスおよび医療監視のためにトレーナまたは運動選手にとって望ましい場合がある。
【0003】
情報を正確にかつ一貫して収集可能にするように中空構造内に電子デバイスを含めることは、特に、膨脹可能なブラダを有するより大きなボールにおいて課題である。中空構造内に電子デバイスを提供する際の課題を克服するための解決法は、達成するのが困難であり得、製造コストを著しく増加させ得る。これらの課題を克服する革新的な解決法のための要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,306,054号明細書
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の実施形態(1)は、中空構造と、複数のコードによって中空構造内で吊るされるピットと、を備えるスポーツボールに関するものであり、複数のコードの各々は、第1の位置で中空構造に結合される第1の端と、第2の位置で中空構造に結合される第2の端と、ピットに結合される中心部と、を備える。
【0006】
第2の実施形態(2)において、第1の実施形態(1)による第1の位置は、中空構造の外面に接合される第1のパッドを備え、第2の位置は、中空構造の外面に接合される第2のパッドを備える。
【0007】
第3の実施形態(3)において、第2の実施形態(2)による複数のコードの各々は、繊維状のコードであり、第1の端は、コードのほぐされた繊維を備え、ほぐされた繊維は、第1のパッドに接合される。
【0008】
第4の実施形態(4)において、第3の実施形態(3)による第1のパッドは、第1のパッド層および第2のパッド層を備え、第3の実施形態(3)によるほぐされた繊維は、第1のパッド層と第2のパッド層との間に挟まれている。
【0009】
第5の実施形態(5)において、第4の実施形態(4)による第1のパッド層は、コードの第1の端が受け入れられる開口を備える。
【0010】
第6の実施形態(6)において、第5の実施形態(5)によるほぐされた繊維は、開口から放射状に延在する。
【0011】
第7の実施形態(7)において、実施形態(4)から(6)のいずれか1つによる第1のパッド層は、第1の有効直径を備え、実施形態(4)から(6)のいずれか1つによる第2のパッド層は、第1の有効直径より大きい第2の有効直径を備える。
【0012】
第8の実施形態(8)において、実施形態(2)から(7)のいずれか1つによる第1のパッド、第2のパッドおよび中空構造は、同一材料を備える。
【0013】
第9の実施形態(9)において、実施形態(1)から(8)のいずれか1つによる複数のコードの各々の中心部は、ピットを通して環状にされる。
【0014】
第10の実施形態(10)において、実施形態(1)から(9)のいずれか1つによる複数のコードの各々の中心部は、ピットの外面に位置する複数のソケットのうちの1つに配置される結び目を備える。
【0015】
第11の実施形態(11)において、実施形態(1)から(9)のいずれか1つによる複数のコードの各々の中心部は、ピットの外面に位置する複数の溝のうちの1つを通して環状にされる。
【0016】
第12の実施形態(12)において、第11の実施形態(11)による複数のコードの各々の中心部は、複数の溝のうちの1つの溝内に配置されている結び目を備える。
【0017】
第13の実施形態(13)において、第12の実施形態(12)による複数の溝の各々は、第1の湾曲と、第2の湾曲と、第1の湾曲および第2の湾曲を接続するソケットと、を備える。
【0018】
第14の実施形態(14)において、第13の実施形態(13)による複数のコードの各々の結び目は、複数の溝のうちの1つの溝のソケット内に配置されている。
【0019】
第15の実施形態(15)において、第13の実施形態(13)または第14の実施形態(14)による複数のコードの各々は、複数の溝のうちの1つの溝の第1の湾曲から第1の位置のそれぞれ1つまで延在し、複数の溝のうちの1つの溝の第2の湾曲から第2の位置のそれぞれ1つまで延在する。
【0020】
第16の実施形態(16)において、実施形態(1)から(9)のいずれか1つによるピットは、複数のソケットを備え、ソケットの各々は、壁によって包囲される凹部を備える。
【0021】
第17の実施形態(17)において、第16の実施形態(16)による複数のコードの各々の中心部は、ソケットのうちの1つの凹部内に固定される。
【0022】
第18の実施形態(18)において、実施形態(1)から(16)のいずれか1つによる複数のコードの各々は、第1の軸に沿ってピットの外面から延在する第1のコードライン、および第2の軸に沿ってピットの外面から延在する第2のコードラインを備える。
【0023】
第19の実施形態(19)において、第18の実施形態(18)による第1の軸と第2の軸との間の角度(α)は、10度以上である。
【0024】
第20の実施形態(20)において、実施形態(1)から(19)のいずれか1つによる第1の位置および第2の位置は、中空構造の表面エリア周辺で等距離に離れている。
【0025】
第21の実施形態(21)において、実施形態(1)から(20)のいずれか1つによる複数のコードの各々は、第1の端から第2の端まで延在する連続コードである。
【0026】
第22の実施形態(22)において、実施形態(1)から(21)のいずれか1つによる中空構造は、膨張可能なブラダを備える。
【0027】
第23の実施形態(23)において、実施形態(1)から(22)のいずれか1つによるピットは、電子デバイスを備える。
【0028】
第24の実施形態(24)において、第23の実施形態(23)による電子デバイスは、バッテリーおよび無線送信機を備える。
【0029】
第25の実施形態(25)において、第23の実施形態(23)または第24の実施形態(24)による電子デバイスは、圧力センサ、全地球測位システムセンサ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、ホールセンサ、温度センサ、携帯電話モジュール、およびそれらの組合せからなる群から選択されるセンサを備える。
【0030】
第26の実施形態(26)において、実施形態(1)から(25)のいずれか1つによるピットは、22グラムから26グラムの範囲の質量を備える。
【0031】
第27の実施形態(27)において、実施形態(1)から(25)のいずれか1つによるピットは、50グラム以下の質量を備える。
【0032】
本開示の第28の実施形態(28)は、スポーツボールを作る方法に関するものであり、方法は、複数のコードの各々が第1の端、第2の端、およびピットに結合される中心部を備えるように、複数のコードをピットに結合するステップと、ピットを、複数の第1の開口および複数の第2の開口を備える中空構造内に配置するステップと、複数の第1の開口のそれぞれ1つを通して各コードの第1の端を引っ張るステップと、複数の第2の開口のそれぞれ1つを通して各コードの第2の端を引っ張るステップと、複数の第1のパッドを、複数の第1の開口のそれぞれ1つを通して引っ張られた各コードの第1の端に取り付けるステップであって、各第1のパッドは、第1の端のそれぞれ1つに取り付けられる、ステップと、複数の第2のパッドを、複数の第2の開口のそれぞれ1つを通して引っ張られた各コードの第2の端に取り付けるステップであって、各第2のパッドは、第2の端のそれぞれ1つに取り付けられる、ステップと、第1のパッドの各々を中空構造に第1の開口のそれぞれ1つで接合するステップと、第2のパッドの各々を中空構造に第2の開口のそれぞれ1つで接合するステップと、を含む方法。
【0033】
第29の実施形態(29)において、第28の実施形態(28)による第1のパッドおよび第2のパッドの各々を中空構造に接合するステップは、複数の第1の開口および複数の第2の開口を封止する。
【0034】
第30の実施形態(30)において、第28の実施形態(28)または第29の実施形態(29)による複数の第1のパッドを各コードの第1の端に取り付けるステップは、各コードの第1の端をほぐし、ほぐされた第1の端を、接着剤を用いて第1のパッドにグルー接着するステップを含む。
【0035】
第31の実施形態(31)において、第30の実施形態(30)による各コードの第1の端をほぐすステップは、コードの撚りをほどくステップを含む。
【0036】
第32の実施形態(32)において、第30の実施形態(30)または第31の実施形態(31)による複数の第1のパッドを各コードの第1の端に取り付けるステップは、接着剤を硬化させるステップをさらに含む。
【0037】
第33の実施形態(33)において、第32の実施形態(32)による接着剤は、ゴム接着剤を含む、接着剤を硬化させるステップは、ゴムを加硫するステップを備える。
【0038】
第34の実施形態(34)において、実施形態(28)から(33)のいずれか1つによる複数のコードの各々の中心部は、結び目を備える。
【0039】
第35の実施形態(35)において、実施形態(28)から(34)のいずれか1つによる方法は、複数のコードが、ピットの外面から延在し、外面から第1の端まで測定される第1の長さを有する第1のコードラインと、ピットの外面から延在し、外面から第2の端まで測定され、第1の長さに等しい第2の長さを有する第2のコードラインと、を備えるように、複数の第1の開口のそれぞれ1つを通して引っ張られた各コードの第1の端および複数の第2の開口のそれぞれ1つを通して引っ張られた各コードの第2の端を切断するステップをさらに含む。
【0040】
本開示の第36の実施形態(36)は、中空構造と、複数のコードによって中空構造内で吊るされるピットと、を備えるスポーツボールに関するものであり、複数のコードの各々は、複数の離れた位置のうちの1つにおいて中空構造に固定されるほぐされた端を備える。
【0041】
第37の実施形態(37)において、第36の実施形態(36)による離れた位置の各々は、中空構造の外面に接合されるパッドを備える。
【0042】
第38の実施形態(38)において、第37の実施形態(37)による各コードのほぐされた端は、各々の離れた位置でパッドに接合される。
【0043】
第39の実施形態(39)において、実施形態(36)から(38)のいずれか1つによる各コードのほぐされた端は、10ミリメートル以上の長さを備えるほぐされた繊維を備える。
【0044】
本明細書において組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を示す。説明と共に、図面は、開示された実施形態の原則を説明し、関連技術の当業者が開示された実施形態を作成および使用することを可能にするようにさらに機能する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】いくつかの実施形態によるボールを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態によるピットの斜視図である。
【
図4】いくつかの実施形態によるピットの概略図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、
図1のボールの中空構造を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態によるボールを示す図である。
【
図7A】いくつかの実施形態によるパッドの斜視図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、ボールを製造する方法の間の
図1のボールの斜視図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、
図1のボールを製造する方法を示す図である。
【
図10】いくつかの実施形態による、
図1のボールを製造する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示の実施形態は、添付の図面に示すように、その実施形態を参照して詳述される。「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などの参照は、記載されている実施形態が特定の特徴、構造または特性を含んでもよいことを示すが、すべての実施形態が、必ずしも特定の特徴、構造または特性を含むわけではない。さらに、この種のフレーズが、必ずしも同じ実施形態を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性が実施形態に関連して記載されるとき、明確に記載されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してこの種の特徴、構造または特性に影響を及ぼすことが当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0047】
本明細書において記載されているシステムおよび方法は、運動活動に用いられるスポーツボールを提供する。スポーツボールは、中空構造および中空構造内でピットを吊るすサスペンションシステムを有してもよい。中空構造は、ブラダを備えてもよい。特定の実施形態において、ブラダは、膨張可能なブラダでもよい。ボールのサスペンションシステムは、中空構造に結合された1つまたは複数のコードを備えてもよい。コードは、離れた位置で中空構造に結合される第1および第2の端を有する連続コードでもよい。コードがスポーツボール内で張力がかかるように、コードはピットおよび中空構造に結合されてもよい。コードの張力は、ピットを中空構造内に配置し、支持し、および、保護することができる。
【0048】
本明細書において記載されている実施形態によるスポーツボールは、スポーツボールの中空構造内で質量中心を支持するための改善されたシステムおよび方法を提供する。本明細書において記載されている実施形態によるサスペンションシステムの設計および構成は、サスペンションシステムによって吊るされるピットで、またはその周辺でサスペンションシステムの質量をボールの中心に集中させることができる。コードおよびコードが中空構造に結合される位置は、ボールの中心にシステムの質量の中心を配置する軽量設計を有することができる。いくつかの実施形態において、本明細書において記載されているサスペンションシステムおよびピットの設計および構成は、公式スポーツ規則、例えば、国際サッカー連盟(FIFA)のコンプライアンスのためのボールの重量特性を最適化することができる。
【0049】
加えて、1つまたは複数の電子デバイスは、本明細書において記載されているサスペンションシステムを用いて、中空構造内で吊るされ、デバイスを固定し、使用中のボールの変形または加速下で生ずる任意の機械的負荷のための保護を提供してもよい。スポーツ競技の間、例えば、ボールが蹴られたときを決定するために、加速度を検出することが重要となりうる。ボールが蹴られたときに関するこの情報は、さまざまなプレーヤの位置情報と相関し、例えば、プレーヤがオフサイドの位置にいるかを決定することができる。さらに、例えば、ボールがゴールラインを横切ったかを決定するために、ボールの正確な位置を知ることが重要となりうる。したがって、電子デバイスは、正確な位置情報を提供するために、最適に機能しなければならない。本明細書において記載されているサスペンションシステムは、電子デバイスがボールの中心の縦軸および横軸が交差するところに一貫して位置決めされるように、電子デバイスをボールの中心に固定することができる。ボールが変形および回転を受けるとき、電子デバイスは、このようにして固定可能であり、動作干渉および電子デバイスによって収集される情報の正確さに対するいかなる影響も制限または防止することができる。電子デバイスがボールの中心に固定されるので、サスペンションシステムはまた、電子デバイスの損傷を確実に制限または防止することができる。
【0050】
本明細書において記載されている実施形態によるスポーツボールを作る方法は、本明細書において記載されているように。1つまたは複数のコードをピットおよび中空構造に離れた位置で結合するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態において、間隔をおいた位置は、中空構造の表面エリア上で等距離でもよい。いくつかの実施形態において、コードは、2つの離れた位置でコードの対向端を中空構造に接合することによって、中空構造に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コードは、コードの対向端を別々のパッドに接合することによって、中空構造に結合されてもよく、別々のパッドは、離れた位置で中空構造に接合される。いくつかの実施形態において、サスペンションシステムおよびピットは、中空構造が裏返しになる必要なく製造されてもよい。
【0051】
本明細書において記載されている実施形態によるコードは、第1の位置で中空構造に結合される第1の端と、ピットに結合される中心部と、第1の端の反対側の第2の端であって、第2の位置で中空構造に結合される、第2の端と、を備えてもよい。したがって、1つのコードは、中空構造からピットに、そして中空構造に戻ってボールを通り抜けてもよい。コードが中空構造に結合される2つの位置は、ピットを吊るすためのアンカーポイントと称されてもよい。
【0052】
コードの中心部は、コードをピットに固定して結合する以下の締結機構のうちの1つまたは複数を用いて、ピットに結合されてもよい。締結機構は、ピットが、ボールの使用中、中空構造内でその所望の位置に維持されるように、コードをピットに結合してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、中心部は、接着剤を用いてピットに結合されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、中心部は、ピットの一部をコードの中心部上でオーバーモールドすることによって、ピットに結合されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、コードの中心部は、ピット内の溝を通して環状にすることによって、ピットに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コードは、ピット内の溝内でコードの中心部を固定することによって、ピットに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コードの中心部は、ピット内の溝内で固定されるかたまりを備えてもよい。いくつかの実施形態において、かたまりは、コードの結び目、コードの中心部に接合される分離片、またはそれらの組合せでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、コードは、ピット内のソケット内でコードの中心部を固定することによって、ピットに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コードの中心部は、ピット内のソケット内で固定されるかたまりを備えてもよい。いくつかの実施形態において、かたまりは、コードの結び目、コードの中心部に接合される分離片、または両方の組合せでもよい。いくつかの実施形態において、ソケットは、かたまりを適所に固定する壁を備えてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、コードは、ピット内の溝を通して環状にして、溝のソケット内でコードの中心部を固定することによって、ピットに結合されてもよい。このような実施形態では、溝は、ソケットによって接続される第1および第2の端を備えてもよい。第1の端と第2の端との間に配置されるソケットは、ピットの外面上に形成されてもよく、コードの中心部でかたまりを受け入れるように構成されてもよい。このような実施形態では、コードは、ソケットから延在し、それぞれ、溝の第1の端および第2の端でピットから出てもよい。
【0058】
コードの中心部に結び目を備える実施形態において、結び目は、コードをピットに結合する前に、例えば、空気圧システムによって、締め付けられてもよい。取り付ける前に結び目を締め付けることは、結び目がボールの使用中、締め付けられず、したがって、コードをゆるませることを確実にすることができる。
【0059】
コードの第1および第2の端は、中空構造上で、第1および第2の端をそれぞれ第1および第2の位置に固定して結合する以下の締結機構のうちの1つまたは複数を用いて、中空構造に結合されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、コードの第1および第2の端は、接着剤を用いて中空構造に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コードの第1および第2の端は、接着剤を用いて中空構造に接合されるパッドにより中空構造に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コードの第1および第2の端は、中空構造に直接接合されてもよい。例えば、コードの第1および第2の端は、直接、中空構造に熱接合されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、コードの第1および第2の端は、第1および第2の端の各々をパッドの2つのパッド層の間に挟むことによって、中空構造に結合されてもよい。このような実施形態では、パッド層を備えるパッドは、中空構造に接合されてもよく、それにより、第1および第2の端を中空構造に結合する。いくつかの実施形態において、パッドは、中空構造の外面に接合されてもよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の端は、パッド層にグルー接着されてもよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の端は、第1および第2の端の各々がパッド層の全有効直径の全部または一部に広がるように、パッド層上で平らにされてもよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の端は、ほぐされ、パッドに取り付けるための平らな部分を形成してもよい。このような実施形態では、ほぐされた端は、コードの有効直径を増加させ、コードをパッドに固定するための表面積を増加させてもよい。
【0062】
本明細書において記載されている1つまたは複数の連続コードを提供することは、ピットサスペンションを単純化することができ、かつ、製造コストを減少することができる。例えば、中空構造内でピットを吊るすために必要なコードの数を最小化することができ、したがって、材料費を最小化する。加えて、本明細書において記載されている1つまたは複数のコードは、サスペンションシステムによってボールに追加される重量を最小化することができる。いくつかの実施形態において、本明細書において記載されているコードは、高強度およびわずかな弾性を、より少ない重量で提供するパラコードでもよく、サスペンションシステムを含むことから追加される重量をさらに制限する。
【0063】
いくつかの実施形態において、ピットは、電子部品を何も有さない質量中心でもよい。このような実施形態では、ピットは、いかなる電子特徴にも寄与することなく、重量をスポーツボールに追加するように機能し得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、ピットは、1つまたは複数の電子デバイスを備えてもよい。いくつかの実施形態において、ピットは、1つまたは複数の電子デバイスを備え、運動活動のさまざまなパラメータに関する情報を提供するセンサケースを備えてもよい。電子デバイスは、バッテリー、無線送信機、1つもしくは複数のセンサ、または任意のこれらの組合せを備えてもよい。1つまたは複数のセンサを備える実施形態において、センサは、スポーツ活動のさまざまなパラメータに関する情報を提供してもよい。情報は、スポーツ活動の間中のボールの位置、ボールのパラメータ、例えば、ボールの加速度、速度および位置、および/または、個々のプレーヤのパフォーマンスを含んでもよい。無線送信機を備える実施形態において、送信機は、検知された情報を1つまたは複数の利害関係者に通信するのを容易にしてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、ピットおよび電子デバイスは、コードとは別々に組み立てられてもよい。いくつかの実施形態において、コードおよび中空構造は、ピットおよび電子デバイスとは別々に組み立てられてもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第1の治具を用いて、コードを適切な長さに切断してもよい。第1および第2のコードラインは、第1の治具に沿って延在し、第1の治具に固定され、コードを切断してもよい。これらの第1の治具は、組立ての後、例えば、コードを切断した後、ボールから除去されてもよい。いくつかの実施形態において、第2の治具を用いて、コードの第1の端および第2の端をパッチの1つまたは複数の層に接合してもよい。いくつかの実施形態において、中空構造の外面に接合されるパッチ上にコード端を支持する薄いプレートは、第2の治具のうちの1つの端に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、プレートは、パッチに接合されてもよい。いくつかの実施形態において、プレートは、パッチの層を形成してもよい。いくつかの実施形態において、コード端は、プレートの開口を通り抜けてもよい。したがって、プレートは、コード端周辺で延在してもよい。いくつかの実施形態において、プレートは、コード端周辺で部分的に延在する。組立ての間、第2の治具は、コード端がプレートを通り抜けてもよいように、プレートをしっかり固定してもよい。コード端は、端の長さが決められるように、プレート内の開口からプレート上に延在してもよい。このようにして、ピットからのコードの最終的な延在長が決められてもよい。いくつかの実施形態において、コード端は、ほぐされる。ほぐされた端は、外に折り畳まれ、プレートに接合されてもよい。プレートをパッチまたはパッチ層に接合することは、ほぐされた端を同じものに接合することができる。プレートは、任意の適切な形状、例えば、円形形状、長方形形状または三角形形状を有してもよい。加えて、いくつかの実施形態では、プレートは、プレートの開口周辺の全外周に沿って延在しなくてもよい。
【0066】
パッチ、中空構造およびプレートは、同一または異なる材料を含んでもよい。例えば、パッチは、中空構造と同一材料でもよい。いくつかの実施形態において、パッチおよび中空構造は、同一材料クラスの材料(例えば、ゴム材料)を含んでもよい。パッチおよびプレートは共に、プレートが第1のパッド層であり、パッチが第2のパッド層であるように、パッドを形成してもよい。開口は、中空構造内に形成され、コードが第1のパッド層および/または第2のパッド層に接合されてもよいように、コードが延在するのを可能にしてもよい。このような実施形態では、第1のパッド層および/または第2のパッド層は、第1のパッド層および/または第2のパッド層の内側が中空構造に接合することができる開口と比較して、より大きい有効直径を備えてもよい。
【0067】
図1は、いくつかの実施形態による、中空構造130内でピット140を吊るすサスペンションシステム110を備えるボール100を示す。ボール100は、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ラグビー、フットボール、テニスなどのようなスポーツ活動で用いられてもよい。いくつかの実施形態において、ボール100は、外部層120および中空構造130を備える。いくつかの実施形態において、中空構造130は、ブラダを備えてもよい。いくつかの実施形態において、中空構造130は、膨張可能なブラダを備えてもよい。いくつかの実施形態において、中空構造130は、外部層120内に配置されてもよい。
【0068】
サッカーボールの場合、外部層120は、複数のパネル(例えば、五角形または六角形)を備えてもよく、複数のパネルは、接着されるか、縫製されるか、または、共に溶接される。いくつかの実施形態において、カーカスは、外部層120と中空構造130との間に配置され、中空構造130を補強してもよい。このような実施形態では、カーカスは、外部衝撃から中空構造130への損傷を防止するのを助け、ボール100の形状復原性を改善するのを助け、またはその両方でもよい。いくつかの実施形態において、カーカスは、ブラダ周辺に巻回されているバンドなどを備えてもよい。いくつかの実施形態において、カーカスは、中空構造130に接着されてもよい。
【0069】
中空構造130は、外面132および内部134を備えてもよい。いくつかの実施形態において、外面132は、適切なコーティング、例えば、透明なフィルムを備えてもよく、その結果、別の外部層、例えば、外部層120を必要とすることなく、中空構造130自体をボールとして用いてもよい。内部134は、中空構造130内の中空部分または空所でもよい。サッカーボールの他の例示的な構造は、米国特許第6,306,054号明細書に開示され、その開示全体は本明細書において参照によって組み込まれる。
【0070】
中空構造130内のサスペンションシステム110は、中空構造130内に、すなわち、内部134内に配置される1つまたは複数のピット140の位置を位置決めし、支持し、保護し、および、復元するように機能してもよい。ピット140は、1つまたは複数のコード170によって中空構造130内で吊るされてもよい。いくつかの実施形態において、ピット140は、複数のコード170によって中空構造130内で吊るされてもよい。
【0071】
複数のコード170の各々は、第1の端172、中心部180および第2の端184を備えてもよい。第1の端172および第2の端184は、各コード170の対向する近位部でもよい。中心部180は、コード170の長さの中心のコード170の部分を備えてもよく、長さは、第1の端172から第2の端184まで測定される。いくつかの実施形態において、コード170の中心部180は、コード170の長さの中心点に位置するコードの部分を備えてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々は、第1の端172から第2の端184まで延在する連続コード170でもよい。このような実施形態では、1つの連続コード170は、中空構造130からピット140に、そして中空構造130に戻ってボール100を通り抜けてもよい。いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々は、第1の端172から第2の端184まで延在する連続コード170を形成するために接続された複数のコードセグメントを備えてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、1つまたは複数のパラコードを備えてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、パラコードでもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、ナイロンを備えてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、ポリエステルを備えてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、ナイロンおよびポリエステルを備えてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、ゴムを備えてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、KEVLAR(登録商標)(パラ系アラミド)を備えてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、共に成形されたゴムおよびKEVLAR(登録商標)を備えてもよい。
【0073】
各コード170の第1の端172は、第1の位置106で中空構造130に結合されてもよい。各コード170の第2の端184は、第1の位置から離れた第2の位置108で中空構造130に結合されてもよい。各コード170が中空構造130に結合される第1の位置106および第2の位置108は、ピット140を吊るすためのアンカーポイントと称されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の位置106および第2の位置108は、中空構造130の外面132上の位置でもよい。
【0074】
各コード170の中心部180は、ピット140に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、中心部180各コード170は、ピット140の外面142に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、中心部180各コード170は、ピット140の外面142に位置する締結機構に結合されてもよい。
【0075】
本明細書において述べられるように、中空構造130およびコード170は、サスペンションシステムをピット140に提供してもよい。いくつかの実施形態において、ピット140は、中空構造130の幾何中心に位置するように、吊るされてもよい。換言すれば、ピット140は、中空構造130の中心縦軸101および中心横軸103が交差するところに位置してもよい。ピット140は、本明細書において記載されている1つまたは複数のコード170によって、この中心位置に維持されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、各コード170は、ピット140の外面142から第1の軸178に沿って延在する第1のコードライン176を備えてもよい。このような実施形態では、第1のコードライン176は、第1の軸178に沿って延在するコード170の直線部でもよい。第1のコードライン176は、第1の位置106まで延在し、コード170の第1の端172を中空構造130に結合させてもよい。
【0077】
同様に、複数のコード170の各々は、ピット140の外面142から第2の軸190に沿って延在する第2のコードライン188を備えてもよい。このような実施形態では、第2のコードライン188は、第2の軸190に沿って延在するコード170の直線部でもよい。第2のコードライン188は、第2の位置108まで延在し、コード170の第2の端184を中空構造130に結合させてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、第1の軸178と第2の軸190との間の角度(α)は、5度から90度の間、5度から60度の間、または、5度から30度の間でもよい。いくつかの実施形態において、角度(α)は、10度以上でもよい。いくつかの実施形態において、角度(α)は、20度以上でもよい。いくつかの実施形態において、角度(α)は、30度以上でもよい。いくつかの実施形態において、角度(α)は、60度以上でもよい。いくつかの実施形態において、角度(α)は、10度から90度の間、10度から80度の間、10度から60度の間、20度から90度の間、20度から80度の間、20度から60度の間、30から90度の間、または、30度から80度の間でもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、角度(α)は、中空構造130上の離れた第1の位置106と第2の位置108との間の所望の距離を作成してもよい。いくつかの実施形態において、各コード170のための第1の軸と第2の軸との間の角度(α)は、第1の位置106および第2の位置108が中空構造130の表面エリア周辺で等距離に離れているように選択されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、第1の位置106および第2の位置108は、中空構造130上で半径方向距離109だけ等距離に離れていてもよい。このような実施形態では、特定の位置(例えば、第1の位置106または第2の位置108)間の半径方向距離109は、その最も近い半径方向に隣接したもの(例えば、隣接した第1の位置106および第2の位置108)から同じ半径方向距離109だけ離れていてもよい。このようにして、(第1の端172が中空構造130に結合される)各第1の位置106および(第2の端184が中空構造130に結合される)各第2の位置108は、ボール100上で等しく離れていてもよい。いくつかの実施形態において、距離109は、ボール100の直径に応じて、5センチメートルより大きいか、または、30センチメートルより大きくてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、ボール100は、2から15本のコード170、または、5から10本のコード170を備えてもよい。いくつかの実施形態において、ボール100は、6本のコード170を備えてもよい。一般的に、ボール100は、同数の、コード170、第1の位置106および第2の位置108を備えてもよい。例えば、ボール100は、6本のコード170と、各コード170の第1の端172が中空構造130に結合される6つの第1の位置106と、各コード170の第2の端184が中空構造130に結合される6つの第2の位置108と、を備えてもよい。
【0082】
本明細書において述べられるように、コード170は、中空構造130およびピット140の両方に結合することによって、中空構造130内でピット140を吊るすように機能する。いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々は、ピット140に結合され、ピット140を吊るしてもよい。いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々の中心部180は、ピット140に結合されてもよい。
【0083】
複数のコードの各々の中心部180は、それぞれの結合部141で中空構造130に結合されてもよい。各結合部141は、以下の締結機構のうちの1つまたは複数を利用して、コード170の中心部180をピット140に固定して結合してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、締結機構は、接着剤を備えてもよい。いくつかの実施形態において、締結機構は、ピット140内の開口を備えてもよい。いくつかの実施形態において、締結機構は、ピット140の一部をコード170の中心部180上でオーバーモールドすることによって、ピット140内に形成される空所を備えてもよい。いくつかの実施形態において、締結機構は、溝、例えば、溝146を備えてもよい。いくつかの実施形態において、締結機構は、ソケット、例えば、ソケット150を備えてもよい。いくつかの実施形態において、締結機構は、溝およびソケットの組合せ、例えば、ソケット150を備える溝146を備えてもよい。とはいえ、いくつかの実施形態において、締結機構は、ソケットのない溝または溝のないソケットを備えてもよい。いくつかの実施形態において、締結機構は、クランプまたは類似の摩擦による締結デバイスを備えてもよい。いくつかの実施形態において、締結機構は、フックを備えてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、締結機構は、ピット140内の溝またはスロットに摺動するコード170のオーバーモールドされた部分を備えてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、ピット140内に嵌入されるクリンプ部分を備え、コード170をピット140内に締結してもよい。いくつかの実施形態において、締結機構は、コード170に固定され、ピット140に取り付けられてもよい。例えば、コード170は、U字型のブラケットに固定されてもよく、その端は、ピット140内に嵌入されてもよい。このような実施形態では、ロックは、ピット140内に嵌入され、ブラケットの端をピット140内に固定し、それにより、コード170をピット140に固定してもよい。
【0086】
いくつかの実施形態において、コード170は、締結機構として機能するピット140内の開口を通り抜けてもよい。このような実施形態では、コード170は、コード170がピット140から離れるのを防止するための、ピット140内で開口の間に位置決めされる1つまたは複数の中間の拡大したかたまり(例えば結び目)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ピット140の外面142は、締結機構として機能する1つまたは複数のケーブル張力緩和機構を含んでもよい。このような実施形態では、コード170は、張力緩和機構の3つ以上の溝周辺で交互の方向に環状にされてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、ピット140の外面142は、コード170が環状にされてもよい締結機構を備えてもよい。このような実施形態では、締結機構は、ピット140に固定される端を有するU字型のブラケットでもよい。いくつかの実施形態において、クリンプ(例えば、金属クリンプ)は、締結機構に隣接してコード170周辺に固定され、コード170をピット140上に位置的にロックしてもよい。いくつかの実施形態において、オーバーモールドされた部分は、締結機構に隣接してコード170周辺で形成され、コード170を位置的にロックしてもよい。いくつかの実施形態において、Cクリップは、締結機構に隣接してコード170周辺に固定され、コード170を位置的にロックしてもよい。いくつかの実施形態において、熱収縮チューブは、締結機構に隣接してコード170周辺に固定され、コード170を位置的にロックしてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、各コード170は、同様に、すなわち、同じタイプの締結機構を用いてピット140に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、異なるコード170は、異なる方法で、すなわち、異なるタイプの締結機構を用いてピット140に結合されてもよい。例えば、1本のコード170は、外面142上の溝を通して環状にされてもよく、一方、別のコード170は、外面142上の構造的に異なった溝を通して環状にされてもよい。別の例では、1本のコード170は、外面142に接合されてもよく、一方、他のコード170は、外面142上の溝を通して環状にされてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々の中心部180は、ピット140を通して環状にされ、それぞれの結合部141で中心部180を固定して結合してもよい。いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々は、ピット140の外面142上の1つまたは複数の特徴を通して環状にされてもよい。いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々は、ピット140の内面143上の1つまたは複数の特徴を通して環状にされてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、外面142上の1つまたは複数の特徴は、溝146を備えてもよい。
図3に示すように、いくつかの実施形態において、ピット140は、複数の溝146を備えてもよい。いくつかの実施形態において、複数の溝146の各々は、1つまたは複数の湾曲を備えてもよい。いくつかの実施形態において、複数の溝147の各々は、コード170が環状にされる一連の湾曲を備えてもよい。いくつかの実施形態において、複数の溝147の各々は、第1の湾曲148、ソケット150および第2の湾曲152のうちの少なくとも1つを備えてもよい。いくつかの実施形態において、溝146は、外面142からピット140の内部144まで部分的に延在してもよい。いくつかの実施形態において、溝146は、外面142からピット140の内部144まで全体的に延在してもよい。内部144は、ピット140内の中空部分または空所でもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、溝146は、ピット140の内面143からピット140の外部の方に少なくとも部分的に延在してもよい。このような実施形態では、複数のコード170のうちの少なくとも1本は、ピット140の内面143上の1つまたは複数の特徴を通して環状にされてもよい。さらに、このような実施形態では、コード170は、ピット140内の開口を通り抜け、ピット140の内面143上の1つまたは複数の特徴を通して環状になってもよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、溝146は、外面142上のソケット150を備えてもよい。いくつかの実施形態において、複数の溝146の各々は、第1の湾曲148、第2の湾曲152および第1の湾曲148と第2の湾曲152とを接続するソケット150を備えてもよい。いくつかの実施形態において、第1の湾曲148および第2の湾曲152は、外面142から内部144まで延在する開口でもよい。いくつかの実施形態において、第1の湾曲148、ソケット150および第2の湾曲152は、S字型の溝146を形成してもよい。いくつかの実施形態において、第1の湾曲148、ソケット150および第2の湾曲152は、フック形状の溝146を形成してもよい。いくつかの実施形態において、ピット140は、1つまたは複数のS字型の溝146を備えてもよい。いくつかの実施形態において、ピット140は、1つまたは複数のフック形状の溝146を備えてもよい。いくつかの実施形態において、ピット140は、1つまたは複数のS字型の溝146および1つまたは複数のフック形状の溝146を備えてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態において、第1の湾曲148と第2の湾曲152との間に配置されるソケット150は、コード170の中心部180を受け入れてもよい。いくつかの実施形態において、ソケット150は、外面142上の凹部でもよい。いくつかの実施形態において、ソケット150は、第1の湾曲148および第2の湾曲152を接続するチャネルでもよい。いくつかの実施形態において、ソケット150は、囲まれたチャネルでもよい。例えば、ソケット150は、ピット140をコード160の中心部180上でオーバーモールドすることによって形成される囲まれたチャネルでもよい。いくつかの実施形態において、溝146は、ピット140の内面143上に位置するソケット150を備えてもよい。このような実施形態では、ソケット150は、ピット140の内面143上の凹部でもよい。さらに、このような実施形態では、コード170は、ピット140内の開口を通り抜け、ピット140の内面143上のソケット150を通して環状になってもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、ソケット150は、凹部153および1つまたは複数の壁151を備えてもよい。いくつかの実施形態において、壁151は、凹部153の側壁を形成してもよい。いくつかの実施形態において、凹部153は、壁151によって包囲されてもよい。いくつかの実施形態において、壁151は、ピット140に対してコード170の中心部180の動きを制限または防止するために、中心部180を保持してもよい。いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々の中心部180は、ソケット150の凹部153内に固定されてもよい。いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々の中心部180は、中心部180が、かたまり181とソケット150との間の干渉または摩擦嵌合によってソケット150内に固定されるように、拡大したかたまり181を備えてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々の中心部180の拡大したかたまり181は、結び目182を備えてもよい。このような実施形態では、結び目182は、複数の溝146のうちの1つの溝内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、結び目182は、ピット140の外面142上に位置する複数の溝146のうちの1つの溝の複数のソケット150のうちの1つのソケット内に配置されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々の中心部180の拡大したかたまり181は、中心部180に取り付けられる材料の分離片を備えてもよい。例えば、かたまり181は、コード170の中心部180に成形される樹脂または金属の一片でもよい。このような実施形態では、分離片は、複数の溝146のうちの1つの溝内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、分離片は、ピット140の外面142上に位置する複数の溝146のうちの1つの溝の複数のソケット150のうちの1つのソケット内に配置されてもよい。
【0097】
いくつかの実施形態において、溝146は、コード170の中心部180を固定するのを容易にするための1つまたは複数の特徴を備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、溝146は、かえしを備えてもよい。いくつかの実施形態において、第1の湾曲148および第2の湾曲152は、かえしを備え、コード170を溝146内にしっかり固定してもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、溝146は、1つまたは複数のフックを備えてもよい。いくつかの実施形態において、中心部180は、溝146内のフック上へ環状になり、中心部180をピット140に連結するのを容易にしてもよい。別の例として、いくつかの実施形態では、溝146は、中心部180が巻回可能な複数の湾曲を備え、中心部180をピット140に固定して結合してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々の中心部180は、ピット140の外面142上に位置する複数の溝146のうちの1つを通して環状にされてもよい。このような実施形態では、コード170は、ソケット150からピット140内に延在し、それぞれ、溝146の第1の湾曲148および第2の湾曲152でピット140から出てもよい。次に、コード170の対向する部分は、中空構造130に(例えば、
図1に示す軸178および190に沿って)、それぞれ、第1の位置106および第2の位置108に延在してもよい。このようにして、連続コード170は、中空構造130からピット140に、そして中空構造130に戻ってボール100を通り抜けてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、複数の連続コード170は、中空構造130からピット140上の複数の溝146のうちの1つに、そして中空構造130に戻ってボール100を通り抜けてもよい。このような実施形態では、複数のコード170の各々は、複数の溝146のうちの1つの第1の湾曲148から、中空構造130上のそれぞれの第1の位置106に延在してもよい。複数のコード170の各々の中心部180のかたまり(例えば、結び目182)は、複数の溝146のうちの1つの溝の複数のソケット150のうちの1つのソケット内に配置されてもよい。最後に、複数のコード170の各々は、複数の溝146のうちの1つの第2の湾曲152から、中空構造130上のそれぞれの第2の位置108に延在してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、ピット140は、中心のかたまりをボール100に提供してもよい。いくつかの実施形態において、ピット140は、50グラム以下のかたまりを備えてもよい。いくつかの実施形態において、ピット140は、30グラム以下のかたまりを備えてもよい。いくつかの実施形態において、ピット140は、22グラムから26グラムの間、例えば、24グラムのかたまりを備えてもよい。いくつかの実施形態において、ボール100は、410グラムから450グラムの間のかたまりを備えてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、ピット140は、単に、他の機能のない質量中心である。他の実施形態では、ピット140は、1つまたは複数の機能部品を備えてもよい。例えば、
図4に示すように、ピット140は、1つまたは複数の電子デバイス154を備えてもよい。いくつかの実施形態において、電子デバイス154は、バッテリー156および無線送信機158を備えてもよい。いくつかの実施形態において、電子デバイス154は、1つまたは複数のセンサ160を備えてもよい。センサ160は、バッテリー156によって給電されてもよい。センサ160は、スポーツ活動のさまざまなパラメータに関する情報を収集してもよい。いくつかの実施形態において、情報は、スポーツ活動の間中のボール100の位置、ボール100のパラメータ、例えば、ボール100の速度および位置、および/または、個々のプレーヤのパフォーマンスを含んでもよい。いくつかの実施形態において、センサ160は、圧力センサ、全地球測位システムセンサ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、ホールセンサ、温度センサ、携帯電話モジュール、またはそれらの組合せでもよい。いくつかの実施形態において、無線送信機158は、センサ160によって収集される情報を、1つまたは複数の外部装置(例えば、スマートフォンまたはコンピュータ)に送信してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、ピット140は、電子デバイス154を損傷から保護してもよい。例えば、ピット140は、堅い材料、例えば、軽量であるが、硬い樹脂材料を備え、電子デバイス154の損傷しやすい部品に対する保護を提供する。適切な樹脂材料は、例えば、熱可塑性ウレタン(TPU)およびアクリルニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)を備える。いくつかの実施形態において、カーカスを含むことは、電子デバイス154の保護を追加的にまたは代替的に容易にしてもよい。例えば、カーカスは、中空構造130のブラダを補強してもよく、中空構造130の内部134において吊るされる電子デバイス154の安定性を増加させてもよい。いくつかの実施形態において、内部134は、特に高い圧力を有するガスによって充填され、ボール100の変形を制限してもよく、それにより、内部134において吊るされる電子デバイス154の安定性を増加させる。電子デバイス154の安定性は、内部134における電子デバイス154の動きを最小化または防止することによって達成されてもよい。いくつかの実施形態において、電子デバイス154の安定性は、中空構造130の中心縦軸101および中心横軸103が交差するところにピット140を維持することによって達成されてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、ピット140は、電子デバイス154周辺で封止されてもよい。このようにして、ピット140は、電子デバイス154を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ピット140および電子デバイス154は、共に組み立てられ、中空構造130およびコード170とは別に組み立てられてもよい。いくつかの実施形態において、ピット140および電子デバイス154は、コード170と共に組み立てられてもよい。
【0104】
図5および
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、中空構造130にピット140を組み立てるために、中空構造130は、1つまたは複数の第1の開口136を備えてもよい。第1の開口136は、ピット140が中空構造130の内部134に配置されるのを可能にするために中空構造130内に開けられる穴でもよい。
【0105】
本明細書で用いられる「有効直径」という用語は、部品のサイズを記載するための非限定的な用語であるが、この用語は、部品が円の直径または形状を有することを必要とすると解釈されるべきではない。その代わりに、部品は、非円形形状を有してもよく、このような実施形態では、「有効直径」という用語は、形状の最大断面寸法を参照することを意図する。例えば、楕円断面形状を有する部品の「有効直径」は、楕円形の主軸の長さである。「有効半径」は、有効直径の半分として定義される。
【0106】
いくつかの実施形態において、中空構造130は、1つまたは複数の第2の開口138を備えてもよい。第2の開口138は、コード170が中空構造130の内部134から外面132を通り延在するのを可能にするために中空構造130内に開けられる穴でもよい。いくつかの実施形態において、第2の開口138は、有効直径139を備えてもよい。いくつかの実施形態において、第2の開口138の有効直径は、第1の開口136の有効直径より小さくてもよい。いくつかの実施形態において、第2の開口138の有効直径は、コード170の有効直径と同一でもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、2つの第2の開口138は、コード170の第1の端172および第2の端184をそれぞれ受け入れてもよい。このようにして、2つの第2の開口138は、複数のコード170の各々の第1および第2の自由端が中空構造130に結合される第1の位置106および第2の位置108に一致してもよい。このような実施形態では、2つの第2の開口138は、第1の端172が中空構造130に結合され、かつ第2の端184が中空構造130に結合されるアンカーポイントに一致してもよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、第2の開口138は、中空構造130上で半径方向距離192だけ等距離に離れていてもよい。このような実施形態では、特定の第2の開口138間の半径方向距離192は、その最も近い半径方向の隣接した第2の開口138から同じ半径方向距離192だけ離れていてもよい。このようにして、各第2の開口138は、ボール100上で等しく離れていてもよい。いくつかの実施形態において、距離192は、ボール100の直径に応じて、5センチメートルより大きいか、または、30センチメートルより大きくてもよい。いくつかの実施形態において、距離192は、距離109に等しくてもよい。
【0109】
コード170は、第1の位置106でそれぞれのコード170の第1の端172を結合し、第2の位置108でそれぞれのコード170の第2の端184を結合することによって、第1の位置106および第2の位置108で中空構造130に結合されてもよい。コード170の第1および第2の端172/184は、第1および第2の端がそれぞれ第1の位置106および第2の位置108で固定されるように、第1の位置106および第2の位置108に結合されてもよい。換言すれば、第1の位置106および第2の位置108は、ピット140を吊るすためのアンカーポイントでもよい。
【0110】
コード170の端172および184は、中空構造130上で、第1および第2の端172/184をそれぞれ第1および第2の位置106/108に固定して結合する以下の機構のうちの1つまたは複数を用いて、中空構造130に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172および184は、接着剤を用いて中空構造130に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172および184は、端172/184を中空構造130に直接接合することによって、例えば、端172/184を中空構造130に熱接合することによって、中空構造130に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172/184は、第1の端172および第2の端184を1つまたは複数のパッド200の1つまたは複数の層に接着接合(グルー接着)することによって、中空構造130に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172/184は、端172/184を中空構造130に縫い付けることによって、中空構造130に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172/184は、コード170の端172/184を中空構造130にクランプすることによって、中空構造130に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の端172および第2の端184は、同じ方法で中空構造130に結合されてもよい。例えば、第1の端172および第2の端184は、中空構造130に接着接合されてもよい。他の実施形態では、第1の端172および第2の端184は、異なる方法で中空構造130に結合されてもよい。例えば、第1の端172は、中空構造130に縫い付けられてもよく、一方、第2の端184は、中空構造130に接着接合される。
【0111】
いくつかの実施形態において、コード170の第1および第2の端172/184は、それぞれ、第1および第2の位置106および108で中空構造130の内面に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、中空構造130の外面132に延在してもよい。このような実施形態では、コード170の第1の端172は、第1の位置106で中空構造130の外面132に結合されてもよく、コード170の第2の端184は、第2の位置108で中空構造130の外面132に結合されてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、コード170の第1および第2の端172/184は、それぞれ、第1の位置106および第2の位置108で中空構造に接合される別々のパッド200によって、第1の位置106および第2の位置108に結合されてもよい。このような実施形態では、第1の位置106は、第1のパッド200を備えてもよく、第2の位置108は、第2のパッド200を備えてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態において、パッド200は、中空構造130に接着接合されてもよい。いくつかの実施形態において、パッド200は、例えば、パッド200を中空構造130に熱接合することによって、中空構造130に直接接合されてもよい。いくつかの実施形態において、パッド200は、中空構造130の内面に接合されてもよい。いくつかの実施形態において、パッド200は、中空構造130の外面132に接合されてもよい。このような実施形態では、2つの第2の開口138は、それぞれ、コード170の第1の端172および第2の端184を受け入れてもよい。このようにして、2つの第2の開口138は、複数のコード170の各々が中空構造130に延在する第1の位置106および第2の位置108に一致してもよい。
【0114】
例えば、
図6に示すように、第1の端172および第2の端184は、第2の開口138を通り延在し、パッド200に結合してもよい。いくつかの実施形態において、パッド200は、中空構造130における第2の開口138をカバーし、封入してもよい。このような実施形態では、封止は、気密封止でもよい。
【0115】
図6および
図7Aを参照すると、いくつかの実施形態では、パッド200は、有効直径210を有してもよい。いくつかの実施形態において、有効直径210は、5ミリメートルから40ミリメートルの間、10ミリメートルから40ミリメートルの間、または、20ミリメートルから40ミリメートルの間でもよい。いくつかの実施形態において、有効直径210は、第2の開口138の有効直径139より大きくてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、第1の端172および第2の端184は、第2の開口138を通して、かつ、パッド200を画定している2つのパッド層の間に延在してもよい。このような実施形態では、第1の端172および第2の端184は、第1の端172および第2の端184をパッド200の第1のパッド層と第2のパッド層との間に挟むことによって、パッド200に固定されてもよい。
【0117】
例えば、いくつかの実施形態では、パッド200は、
図7Aに示すように、第1のパッド層202および第2のパッド層208を備えてもよい。いくつかの実施形態において、第1のパッド層202および第2のパッド層208は、共に接合され、パッド200を形成する。いくつかの実施形態において、パッド200は、第1のパッド層202のみを備える。いくつかの実施形態において、パッドは、第2のパッド層208のみを備える。
【0118】
いくつかの実施形態において、第1のパッド層202は、1つまたは複数の開口206を備え、第1の端172または第2の端184が第1のパッド層202を通して延在することを可能にしてもよい。換言すれば、第1のパッド層202は、コード170の第1の端172または第2の端184が受け入れられてもよい開口206を備えてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、第1のパッド層202は、10ミリメートルから50ミリメートルの間、15ミリメートルから35ミリメートルの間、または、15ミリメートルから25ミリメートルの間の有効直径204を有してもよい。いくつかの実施形態において、有効直径204は、パッド200の有効直径210より小さくてもよい。いくつかの実施形態において、有効直径204は、有効直径210と同一でもよい。
【0120】
第1のパッド層202および第2のパッド層208を含む実施形態において、パッド200の有効直径210は、第2のパッド層208の有効直径でもよい。いくつかの実施形態において、第2のパッド層208は、第1のパッド層202の有効直径204より大きい有効直径210を備えてもよい。
【0121】
図6および
図7Aを参照すると、いくつかの実施形態では、第2のパッド層208の有効直径210は、第1のパッド層202の有効直径204より大きく、パッド200と中空構造130との間の取付けを容易にしてもよい。例えば、有効直径210が第2の開口138の有効直径139より大きいので、パッド200は、第2の開口138上で中空構造130に取り付けられてもよい。このような実施形態では、第2のパッド層208は、第2の開口138をカバーし、封止するパッチでもよい。いくつかの実施形態において、有効直径210は、少なくとも2ミリメートルだけ有効直径204より大きくてもよい。
【0122】
いくつかの実施形態において、第2のパッド層208および中空構造130は、同一材料を備えてもよい。いくつかの実施形態において、第2のパッド層208および中空構造130は、異なる材料を備える。いくつかの実施形態において、第2のパッド層208は、中空構造130より堅い材料を備える。いくつかの実施形態において、第2のパッド層208は、中空構造130と同じ材料を備えるが、中空構造130より厚いので、中空構造130より堅い。いくつかの実施形態において、第1のパッド層202、第2のパッド層208および中空構造130は、同一材料を備えてもよい。いくつかの実施形態において、第1のパッド層202および第2のパッド層208は、中空構造130とは異なるおよび/またはより堅い材料を備えてもよい。いくつかの実施形態において、第1のパッド層202、第2のパッド層208および中空構造130は、同一材料クラスの材料(例えば、ゴム材料)を備えてもよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、パッド200は、コード170を受け入れてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172および184は、開口206を通して適合するようにサイズ設定されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172および184は、第1のパッド層202に取り付けてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172および184は、外向きに曲げられ、開口206を通り抜けた後、第1のパッド層202に接合されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の端172および184は、第1のパッド層202上で平らになってもよい。このような実施形態では、平らな端172および184は、接着して、または、直接、第1のパッド層202に接合されてもよい。いくつかの実施形態において、コード170の平らな端172および184は、平らな形状に成形されるコード170の部分でもよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、コード170の平らな端172および184は、第1のパッド202上で平らになっているコード170のほぐされた部分でもよい。いくつかの実施形態において、コード170は、繊維状のコードでもよく、コード170の平らな端172および184は、第1のパッド202上で平らになっているコード170のほぐされた繊維部分でもよい。いくつかの実施形態において、繊維状のコード170を第1のパッド層202に取り付けるために、繊維状のコード170は、第1の端172および第2の端184で外向きにねじられてもよい。したがって、第1の端172は、第1のほぐされた端174を備えてもよい。同様に、(例えば、
図8に示されるように)第2の端184は、第2のほぐされた端186を備えてもよい。いくつかの実施形態において、第1のほぐされた端174は、第1のパッド層202に接合されてもよく、第2のほぐされた端186は、第1のパッド層202に接合されてもよく、または、その両方でもよい。
【0125】
いくつかの実施形態において、複数のコード170の各々は、1つまたは複数のほぐされた端を備える。コード170の第1の端172は、第1のほぐされた端174を備えてもよく、コード170の第2の端184は、第2のほぐされた端186を備えてもよく、または、その両方でもよい。各コード170のほぐされた端は、複数の離れた位置のうちの1つで中空構造130に固定されてもよい。例えば、第1のほぐされた端174は、第1の位置106に固定されてもよい。同様に、第2のほぐされた端186は、第2の位置108に固定されてもよい。いくつかの実施形態において、離れた位置は、各々、中空構造に接合されるパッド200、例えば、中空構造130の外面132に接合されるパッド200を備える。いくつかの実施形態において、各コード170のほぐされた端は、各々の離れた位置でパッド200に接合されてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態において、第1の端172の少なくとも第1のほぐされた端174は、第1のパッド層202に取り付けられてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、第2の端184の少なくとも第2のほぐされた端186は、第1のパッド層202に取り付けられてもよい。
【0127】
いくつかの実施形態において、第1のほぐされた端174および第2のほぐされた端186は、第1のパッド層202および第2のパッド層208の両方に接合されてもよい。いくつかの実施形態において、第1のほぐされた端174は、第1のパッド層202と第2のパッド層208との間に挟まれてもよい。同様に、第2のほぐされた端186は、第1のパッド層202と第2のパッド層208との間に挟まれてもよい。
【0128】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1のほぐされた端174のほぐされた繊維は、第1のパッド層202上で放射状に延在してもよい。いくつかの実施形態において、第1のほぐされた端174のほぐされた繊維は、第1のパッド層202の開口206から放射状に延在してもよい。いくつかの実施形態において、第2のほぐされた端186のほぐされた繊維は、第1のパッド層202上で放射状に延在してもよい。いくつかの実施形態において、第2のほぐされた端186のほぐされた繊維は、第1のパッド層202の開口206から放射状に延在してもよい。いくつかの実施形態において、第1のほぐされた端174のほぐされた繊維は、10ミリメートル以上、8ミリメートル以上または5ミリメートル以上の長さを有してもよい。いくつかの実施形態において、第2のほぐされた端186のほぐされた繊維は、10ミリメートル以上、8ミリメートル以上または5ミリメートル以上の長さを有してもよい。
【0129】
いくつかの実施形態において、ピット140のためのサスペンションシステム110は、中空構造130を裏返しにすることなく製造されてもよい。いくつかの実施形態において、ピット140およびコード170は、中空構造130内に配置される前に、共に組み立てられてもよい。いくつかの実施形態において、ピット140およびコード170は、第1の開口136を介して中空構造130内に挿入されてもよい。
【0130】
例えば、
図8に示されるように、いくつかの実施形態では、一旦ピット140およびコード170が中空構造130内に挿入されると、コード170は、所定の長さに切断されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の端172および第2の端184の各々は、同じ長さに切断されてもよい。したがって、第1の端172および第2の端184は、ピット140から同じ距離まで延在してもよい。
【0131】
いくつかの実施形態において、治具を用いて、第1の端172および第2の端184の切断長を画定してもよい。このような実施形態では、コード170は、例えば、クランプによって治具に固定されてもよい。いくつかの実施形態において、第2の治具300を用いて、コード170を第1のパッド層202に接合してもよい。第2の治具300を用いて、第1のコード端172および第2のコード端184をパッド200に接合してもよい。いくつかの実施形態において、第1のパッド層202は、第2の治具300の端に配置されてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態において、第1のパッド層202は、第1のコード端172または第2のコード端184を支持するプレートでもよい。このような実施形態では、第1のパッド層202からの支持は、第2のパッド層208への取付けを容易にしてもよい。したがって、コード170は、第1のパッド層202上に延在することによって、適所に固定されてもよい。例えば、本明細書において記載されているように、コード170は、第1のコード端172および第2のコード端184で第1のパッド層202上でほぐされ、折り畳まれ、または、それらを組み合わせてもよい。いくつかの実施形態において、第1のコード端172および第2のコード端184は、第1のパッド層202の開口206を通して、第1のパッド層202上に延在してもよい。プレートである第1のパッド層202は、開口206周辺で部分的にまたは全体的に延在してもよく、したがって、第1のコード端172または第2のコード端184。第1のパッド層202は、第2のパッド層208に接合され、パッド200を形成してもよい。いくつかの実施形態において、第1のコード端172および第2のコード端184は、第1のパッド層202内の開口206から第1のパッド層202上に延在するので、第1のコード端172および第2のコード端184の長さが決められる。このようにして、ピットからのコードの最終的な延在長が決定されてもよく、すなわち、第1のコードライン176および第2のコードライン188の、ピット140から中空構造130までの最終的な延在が決定されてもよい。
【0133】
図9は、実施形態によるボール100を作る例示的な方法900を示す。いくつかの実施形態において、方法900は、1つまたは複数のコードがピット140に結合170されるステップ902を含んでもよい。いくつかの実施形態において、複数のコード170は、ピット140に結合されてもよい。ステップ902において、各コード170は、本明細書において記載されている締結機構のうちの1つまたは複数を用いて、ピット140に結合されてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、方法900は、ピット140が第1の開口136を通して中空構造130内に配置されるステップ904を含んでもよい。いくつかの実施形態において、中空構造130は、ステップ906においてコード170の第1の端172および第2の端184が通り抜ける第1の開口136および複数の第2の開口138を備えてもよい。
【0135】
いくつかの実施形態において、方法900は、コード170の第1の端172および第2の端184がパッド200に取り付けられるステップ908を含んでもよい。このような実施形態では、ステップ910において、第1の端172に取り付けられるパッド200は、第2の開口138で中空構造130に取り付けられてもよい。同様に、ステップ910において、第2の端184に取り付けられるパッド200は、第2の開口138で中空構造130に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ910において、パッド200は、第2の開口138で中空構造130に接合されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ910において、パッド200は、第2の開口138が封入されるように、中空構造130に接合されてもよい。
【0136】
図10は、いくつかの実施形態による、コードの端172および184を中空構造130に結合し、ボール100を作る例示的な方法1000を示す。最初に、ステップ1002において、複数のコード170の第1の端172および第2の端184は、中空構造130の第2の開口138を通り抜けてもよい。いくつかの実施形態において、第1の端172および第2の端184は、それぞれの第2の開口138を通り抜けてもよいので、各コード170は、ピット140の外面142から延在する第1のコードライン176およびピット140の外面142から延在する第2のコードライン188を備える。
【0137】
次に、ステップ1004において、第1のコードライン176は、所定の長さに切断され、第2のコードライン188は、所定の長さに切断される。いくつかの実施形態において、第1のコードライン176および第2のコードライン188の長さは同一である。いくつかの実施形態において、ステップ1004は、ステップ1002の前に実行されてもよい。
【0138】
次に、ステップ1006において、コード170の第1の端172はほぐされ、第1のほぐされた端174を形成し、コード170の第2の端184はほぐされ、第2のほぐされた端186を形成する。いくつかの実施形態において、第1の端172および第2の端184をほぐすことは、第1の端172および第2の端184でコード170の撚りをほどくことを含んでもよい。
【0139】
次に、ステップ1008において、第1の端172および第2の端184は、パッド200に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、第1の端172および第2の端184を取り付けることは、第1のほぐされた端174および第2のほぐされた端186を、接着剤を用いてパッド200にグルー接着することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、接着剤は、ゴム接着剤でもよい。いくつかの実施形態において、ステップ1008は、第1のほぐされた端174および第2のほぐされた端186を第1のパッド層202に取り付けることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1のほぐされた端174および第2のほぐされた端186を第1のパッド層202に取り付けることは、端174および186を、接着剤を用いて第1のパッド層202にグルー接着することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、接着剤は、ゴム接着剤でもよい。
【0140】
次に、ステップ1010において、第1のパッド層202は、第2のパッド層208に取り付けられ、パッド200を形成してもよい。いくつかの実施形態において、第1のパッド層202および第2のパッド層208は、接着剤を用いて取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、接着剤は、ゴム接着剤でもよい。いくつかの実施形態において、第1のパッド層202および第2のパッド層208を取り付けることは、ほぐされた端174および186を、各パッド200のそれぞれの第1のパッド層202と第2のパッド層208との間に挟む。
【0141】
次に、ステップ1012において、パッド200は、中空構造130に取り付けられる。いくつかの実施形態において、パッド200を中空構造130に取り付けることは、接着剤を用いて、パッド200を中空構造130に接合することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、接着剤は、ゴム接着剤でもよい。いくつかの実施形態において、パッド200を中空構造130に取り付けることは、熱および圧力を印加し、方法1000において用いられる接着剤を硬化することを含んでもよい。ゴム接着剤を含む実施形態において、熱および圧力を印加することは、ゴム接着剤を加硫することができる。いくつかの実施形態において、ボール100が型内にある間、熱および圧力が印加されてもよい。いくつかの実施形態において、ステップ1012は、摂氏約160度の温度を約3分間約6キログラムの圧力で印加することを含んでもよい。
【0142】
本開示の幅および範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物に従ってのみ定義されなければならない。本明細書における語法または用語が説明のためであり、限定のためではないので、本明細書の用語または語法が教示および助言を考慮して当業者によって解釈されるべきであることを理解されたい。
【0143】
さらに、本発明は、以下の実施形態を含む。
[1]中空構造と、
複数のコードによって前記中空構造内で吊るされるピットと、
を備えるスポーツボールであって、
前記複数のコードの各々は、
第1の位置で前記中空構造に結合される第1の端と、
第2の位置で前記中空構造に結合される第2の端と、
前記ピットに結合される中心部と、を備える、
スポーツボール。
[2]前記第1の位置は、前記中空構造の外面に接合される第1のパッドを備え、前記第2の位置は、前記中空構造の前記外面に接合される第2のパッドを備える、[1]のスポーツボール。
[3]前記複数のコードの各々は、繊維状のコードであり、前記第1の端は、前記コードのほぐされた繊維を備え、前記ほぐされた繊維は、前記第1のパッドに接合される、[2]のスポーツボール。
[4]前記第1のパッドは、第1のパッド層および第2のパッド層を備え、前記ほぐされた繊維は、前記第1のパッド層と前記第2のパッド層との間に挟まれている、[3]のスポーツボール。
[5]前記第1のパッド層は、前記コードの前記第1の端が受け入れられる開口を備える、[4]のスポーツボール。
[6]前記第1のパッド層は、第1の有効直径を備え、前記第2のパッド層は、前記第1の有効直径より大きい第2の有効直径を備える、[4]のスポーツボール。
[7]前記複数のコードの各々の前記中心部は、前記ピットを通して環状にされる、[1]のスポーツボール。
[8]前記複数のコードの各々の前記中心部は、前記ピットの外面に位置する複数の溝のうちの1つを通して環状にされる、[1]のスポーツボール。
[9]前記複数の溝の各々は、第1の湾曲と、第2の湾曲と、前記第1の湾曲および前記第2の湾曲を接続するソケットと、を備える、[8]のスポーツボール。
[10]前記複数のコードの各々は、前記複数の溝のうちの1つの溝の前記第1の湾曲から前記第1の位置のそれぞれ1つまで延在し、前記複数のコードの各々は、前記複数の溝のうちの1つの溝の前記第2の湾曲から前記第2の位置のそれぞれ1つまで延在する、[9]のスポーツボール。
[11]前記ピットは、複数のソケットを備え、前記複数のソケットの各々は、壁によって包囲される凹部を備え、前記複数のコードの各々の前記中心部は、前記複数のソケットのうちの1つの前記凹部内に固定される、[1]のスポーツボール。
[12]前記第1の位置および前記第2の位置は、前記中空構造の表面エリア周辺で等距離に離れている、[1]のスポーツボール。
[13]前記複数のコードの各々は、前記第1の端から前記第2の端まで延在する連続コードである、[1]のスポーツボール。
[14]前記ピットは、電子デバイスを備える、[1]のスポーツボール。
[15]前記電子デバイスは、バッテリーおよび無線送信機を備える、[14]のスポーツボール。
[16]前記電子デバイスは、圧力センサ、全地球測位システムセンサ、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、ホールセンサ、温度センサ、携帯電話モジュール、およびこれらの組合せからなる群から選択されるセンサを備える、[14]のスポーツボール。
[17]前記ピットは、50グラム以下の質量を備える、[1]のスポーツボール。
[18]スポーツボールを作る方法であって、
複数のコードの各々が第1の端、第2の端、およびピットに結合される中心部を備えるように、複数のコードをピットに結合するステップと、
前記ピットを、複数の第1の開口および複数の第2の開口を備える中空構造内に配置するステップと、
前記複数の第1の開口のそれぞれ1つを通して各コードの第1の端を引っ張るステップと、
前記複数の第2の開口のそれぞれ1つを通して各コードの第2の端を引っ張るステップと、
複数の第1のパッドを、前記複数の第1の開口のそれぞれ1つを通して引っ張られた各コードの前記第1の端に取り付けるステップであって、各第1のパッドは、前記第1の端のそれぞれ1つに取り付けられる、ステップと、
複数の第2のパッドを、前記複数の第2の開口のそれぞれ1つを通して引っ張られた各コードの前記第2の端に取り付けるステップであって、各第2のパッドは、前記第2の端のそれぞれ1つに取り付けられる、ステップと、
前記第1のパッドの各々を前記中空構造に前記第1の開口のそれぞれ1つで接合するステップと、
前記第2のパッドの各々を前記中空構造に前記第2の開口のそれぞれ1つで接合するステップと、
を含む方法。
[19]中空構造と、
複数のコードによって前記中空構造内で吊るされるピットであって、前記複数のコードの各々は、複数の離れた位置のうちの1つで前記中空構造に固定されるほぐされた端を備える、ピットと、
を備える、
スポーツボール。
[20]前記複数の離れた位置の各々は、前記中空構造の外面に接合されるパッドを備え、各コードの前記ほぐされた端は、各々の離れた位置で前記パッドに接合される、[19]のスポーツボール。
【符号の説明】
【0144】
100 ボール
101 中心縦軸
103 中心横軸
106 第1の位置
108 第2の位置
109 半径方向距離、距離
110 サスペンションシステム
120 外部層
130 中空構造
132 外面
134 内部
136 第1の開口
138 第2の開口
139 有効直径
140 ピット
141 結合部
142 外面
143 内面
144 内部
146 溝
148 第1の湾曲
150 ソケット
151 壁
152 第2の湾曲
153 凹部
154 電子デバイス
156 バッテリー
158 無線送信機
160 センサ(コード)
170 コード
172 第1の端、端、平らな端、第1のコード端
174 第1のほぐされた端、端、ほぐされた端
176 第1のコードライン
178 第1の軸、軸
180 中心部
181 かたまり、拡大したかたまり
182 結び目
184 第2の端、端、平らな端、第2のコード端
186 第2のほぐされた端、端、ほぐされた端
188 第2のコードライン
190 第2の軸
192 半径方向距離、距離
200 パッド、第1のパッド、第2のパッド
202 第1のパッド層
204 有効直径
206 開口
208 第2のパッド層
210 有効直径
300 第2の治具
【外国語明細書】