(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075048
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】薬液注入装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/148 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
A61M5/148 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186186
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】522456545
【氏名又は名称】INAMI Space Laboratory株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】稲波 紀明
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD09
4C066EE04
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で長時間に亘り安定的に薬液を注入できる薬液注入装置を提供する。
【解決手段】この薬液注入装置S100は、薬液を収容した薬液バッグBを保持する薬液バッグ保持部10と、薬液バッグ保持部10を支持し、薬液バッグ保持部10を対象者の体の一部に取り付けるための取付部22が形成された装着部材20と、薬液バッグBに圧力を加えることで薬液を薬液バッグBから押し出す加圧手段である弾性部材30を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を収容した薬液バッグを保持する薬液バッグ保持部と、
前記薬液バッグ保持部を支持し、前記薬液バッグ保持部を対象者の体の一部に取り付けるための取付部が形成された装着部材と、
前記薬液バッグに圧力を加えることで前記薬液を前記薬液バッグから押し出す加圧手段と、
を備える、薬液注入装置。
【請求項2】
前記薬液バッグは所定の長さ方向に延在し、
前記加圧手段は、前記薬液バッグを前記長さ方向に縮める方向に力を付与する弾性部材である、
請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項3】
前記薬液バッグ保持部は、前記薬液バッグの両側に沿って延在する中空構造の複数の伸縮部を有し、
前記弾性部材は、各伸縮部の内部に配置されている、
請求項2に記載の薬液注入装置。
【請求項4】
前記装着部材は、
前記薬液バッグに接続された薬液チューブを外側から挟み込み、前記薬液チューブの内部の流路の断面積を変化させる流量調整機構をさらに有する、
請求項1又は2に記載の薬液注入装置。
【請求項5】
前記取付部は、
前記対象者の腕に取り付けられるようにリング型又はC字型の形状を有する、
請求項1又は2に記載の薬液注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スプリングの付勢力で薬液バッグを加圧し、薬液を被検者に注入する薬液注入ポンプが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、薬液注入ポンプが持ち運び可能であるため薬液の注入中でも被検者が移動することができるという利点があるが、薬液注入ポンプの位置が定まっていないため薬液チューブに不測の力が加わり、正常な薬液注入ができなくなるおそれがある。例えば、宇宙空間で薬液の注入を行う場合には、薬液注入ポンプが宙に浮いた状態となり、このような問題が顕在化しやすい。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で長時間に亘り安定的に薬液を注入できる薬液注入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様においては、薬液を収容した薬液バッグを保持する薬液バッグ保持部と、前記薬液バッグ保持部を支持し、前記薬液バッグ保持部を対象者の体の一部に取り付けるための取付部が形成された装着部材と、前記薬液バッグに圧力を加えることで前記薬液を前記薬液バッグから押し出す加圧手段と、を備える、薬液注入装置が提供される。
【0007】
前記薬液バッグは所定の長さ方向に延在し、前記加圧手段は、前記薬液バッグを前記長さ方向に縮める方向に力を付与する弾性部材であってもよい。
【0008】
前記薬液バッグ保持部は、前記薬液バッグの両側に沿って延在する中空構造の複数の伸縮部を有し、前記弾性部材は、各伸縮部の内部に配置されていてもよい。
【0009】
前記装着部材は、前記薬液バッグに接続された薬液チューブを外側から挟み込み、前記薬液チューブの内部の流路の断面積を変化させる流量調整機構をさらに有してもよい。
【0010】
前記取付部は、前記対象者の腕に取り付けられるようにリング型又はC字型の形状を有してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡素な構成で長時間に亘り安定的に薬液を注入できる薬液注入装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態の薬液注入装置を示す図である。
【
図2】薬液注入装置が対象者の体に取り付けられた状態を示す図である。
【
図3】薬液注入装置に薬液バッグが装着される様子を示す斜視図である。
【
図4】弾性部材の構成を説明するための模式図である。
【
図6】薬液バッグが押し縮められた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態の薬液注入装置を示す図である。
図2は、薬液注入装置が対象者の体に取り付けられた状態を示す図である。
図3は、薬液注入装置に薬液バッグが装着される様子を示す斜視図である。
【0014】
薬液注入装置S100は、
図1に示すように、薬液バッグ保持部10と、装着部材20と、弾性部材30と、薬液チューブ40と、穿刺パッド50とを備えている。薬液注入装置S100は、薬液バッグBがセットされた状態で、
図2に示すように、一例として対象者の腕に装着して使用される。
【0015】
本実施形態の薬液注入装置S100の特徴の1つは、弾性部材30の弾性力によって薬液バッグBを加圧して薬液を注入できる構造を、対象者の体に取り付けて使用することができる点にある。このような構成によれば、簡素な構成で薬液を注入できる。しかも、薬液を押し出すための機構が対象者の体から離れた位置に配置されるものではないため、薬液チューブに不測の力が加わり薬液チューブが折れ曲がって薬液が注入できなくなるといった不具合が生じにくく、長時間に亘り安定的に薬液を注入できる。
【0016】
(薬液バッグB)
薬液バッグBは、対象者に注入される薬液を収容する。薬液バッグBは、可撓性を有する材質で形成されたバッグであり、
図3に示すように、口先部Baを介して内部の薬液が外部に送出される。薬液バッグBに収容される薬液は特定のものに限定されず任意である。薬液は、例えば、疾患の治療に用いられる薬剤であってもよいし、栄養剤等であってもよい。
【0017】
薬液バッグBは、どのような輪郭形状を有していてもよいが、本実施形態では一例として四角形の輪郭形状を有する。具体的には、薬液バッグBは長方形の輪郭形状を有し、
図1では、薬液バッグBは、所定の長さ方向(
図1の上下方向)に延在している。
【0018】
(薬液バッグ保持部10)
薬液バッグ保持部10は、薬液バッグBを保持する構造部である。薬液バッグ保持部10には、薬液バッグBが交換可能に装着される。薬液バッグ保持部10は、薬液バッグBを保持できる形状であればどのような形状であってもよいが、本実施形態では、一例として、薬液バッグBの外周部分を保持する枠型の形状を有している。
【0019】
薬液バッグ保持部10は、具体的には、
図1及び
図3に示すように、後端支持部11と、伸縮部12Lと、伸縮部12Rとを含む。後端支持部11は、薬液バッグBの後端に対向するように延在している。伸縮部12L及び伸縮部12Rは、後端支持部11の両端部から折れ曲がるように延び出した部分であり、薬液バッグBの両側に沿って延在している。薬液バッグBは、
図3に示すように、後端支持部11、伸縮部12L及び伸縮部12Rによって形成されるスペース11sに配置される。
【0020】
なお、
図3では、スペース11s下方に部材が設けられていないが、この位置に、薬液バッグBの下面を支持する支持プレート(不図示)が設けられていてもよい。伸縮部12L及び伸縮部12Rが伸縮する構造については、弾性部材30の説明と併せて後述する。
【0021】
(装着部材20)
装着部材20は、
図1に示すように、薬液バッグ保持部10及び弾性部材30を支持している。装着部材20は、
図2に示すように、対象者の体の一部に取り付けることができる形状を有している。装着部材20は、本実施形態では具体的には、対象者の腕に取り付けられるようにリング型の形状を有している。
【0022】
装着部材20は、
図1に示すように、ベース部21と、取付部22と、流量調整機構35とを有している。装着部材20は、一例として、ベース部21と取付部22とが一体的に形成された樹脂部品である。
【0023】
ベース部21は、薬液バッグBの口先部Baと薬液チューブ40との接続部(不図示)を覆う部分である。ベース部21には、薬液バッグ保持部10の伸縮部12L及び伸縮部12Rの端部が接続されている。
【0024】
取付部22は、対象者の腕を取り囲む程度の大きさのリング状の形状を有する。取付部22は、薬液バッグ保持部10等を対象者の体の一部に取り付けるための部分である。取付部22は、ベース部21が延在する方向(
図1の左右方向)に部材をそのまま延ばした形状ではなく(
図2の符号22’で示される形状も参照)、ベース部21から斜めに傾斜し、対象者の腕の長さ方向に沿って延在しながら、対象者の腕を取り囲むような形状を有している。このような構成によれば、符号22’のように延在する形状と比較して、薬液バッグ保持部10を対象者の腕に安定的に保持させることができる。
【0025】
なお、装着部材20は、閉じたリング形状ではなく、C字型の形状に形成されていてもよい。具体的には、ベース部21の左側の端部及び右側の端部のそれぞれから、対象者の腕を取り囲む延出部が延び出していることにより、装着部材20の全体的な形状がC字型に形成されていてもよい。
【0026】
(弾性部材30)
図4は、弾性部材30の構成を説明するための模式図である。弾性部材30は、薬液バッグBに圧力を加えることで薬液を押し出させるための加圧手段である。弾性部材30として、本実施形態では、スプリングS1及びスプリングS2が設けられている。スプリングS1及びスプリングS2は、一例としてコイルスプリングである。スプリングS1は、薬液バッグ保持部10の伸縮部12Lに配置され、スプリングS2は、伸縮部12Rに配置されている。
【0027】
伸縮部12L及び伸縮部12Rは、複数の部材がその部材の長さ方向に互いに連結された中空構造であり、伸縮可能である。スプリングS1及びスプリングS2は、それぞれ、伸縮部12L及び伸縮部12Rの内部に配置されている。
【0028】
図4のように、伸縮部12L及び伸縮部12Rが延びた状態では、スプリングS1及びスプリングS2が引き延ばされ、その結果、後端支持部11に対して、後端支持部11をベース部21(
図1)の側に移動させる向きの力が加わる。このように、本実施形態の薬液注入装置S100は、弾性部材30の作用により後端支持部11が移動し、薬液バッグBに対して薬液バッグBを長さ方向に縮める方向に力が付与される。これにより、薬液が薬液バッグBから押し出される。
【0029】
なお、弾性部材30は、コイルスプリングに限らず、定荷重バネ又は発条であってもよい。弾性部材30が定荷重バネの場合、弾性部材30のストロークに影響されることなく一定の力が後端支持部11に加わるので、薬液バッグB内の薬液残量にかかわらず、一定の流量で薬液を押し出すことができる。
【0030】
図1の構成では、後端支持部11をベース部21から離れる側に移動させてスプリングS1及びS2を伸張させることで、薬液バッグBを押し縮める向きの力が生じ、薬液が注入可能な状態となる。
【0031】
(流量調整機構35)
流量調整機構35は、対象者へ向けて送り出される薬液の流量を調整する機構である。流量調整機構35は、
図4に示すように、一対のクランプ部材36と、調整ダイヤル37(
図1)とを有している。
【0032】
一対のクランプ部材36は、薬液バッグBに接続された薬液チューブ40を外側から挟み込む。クランプ部材36間の距離は、調整ダイヤル37を回転させることによって変更される。具体的には、調整ダイヤル37とクランプ部材36とが例えば不図示の伝達機構によって機械的に連結されており、調整ダイヤル37を回転させると、伝達機構によって力がクランプ部材36に伝達される。これにより、クランプ部材36が移動する。
【0033】
調整ダイヤル37は、その一部が装着部材20の外側に突出するように設けられており、これにより、対象者は調整ダイヤル37を回すことができるようになっている。調整ダイヤル37を操作することにより、一対のクランプ部材36が移動し、薬液チューブ40が押しつぶされて薬液チューブ40の内部の流路の断面積が変化し、これにより流量が調整される。
【0034】
流量調整機構35は、流量を調整するだけではなく、薬液が注入される状態と注入されない状態とを切り替えてもよい。あるいは、図示は省略するが、薬液が注入される状態と注入されない状態とを切り替える切替機構が流量調整機構35とは別に設けられていてもよい。
【0035】
(穿刺パッド50)
穿刺パッド50は、対象者の体に穿刺される注入針(詳細下記)を支持する部材であり、
図1に示すように、ベース部51と、取付部52とを有する。
【0036】
図5は、穿刺パッド50の一部を内側から見た図である。ベース部51は、注入針Nを交換可能に支持する。ベース部51は、注入針Nを穿刺する際に針先が視認しやすいように、例えば透明の材質で形成されていてもよい。
【0037】
取付部52は、ベース部51を対象者の体の所定の位置に固定するための部材である。取付部52は、一例として、リング状又はC字型に形成されている。なお、取付部52は、ベース部51を対象者の体の一部に固定できるものであれば、必ずしもこのような形状に限定されない。
【0038】
(使用方法)
上述のように構成された薬液注入装置S100の使用方法について説明する。
図6は、薬液バッグが押し縮められた状態を示す図である。まず、薬液注入装置S100を使用する対象者は、薬液バッグBが装着された状態の薬液バッグ保持部10を
図2に示すように自身の腕に取り付ける。
【0039】
流量調整機構35が、薬液の注入される状態と注入されない状態とを切り替える機能を有するものである場合、対象者は、血管に注入針Nの先端が穿刺された状態で、流量調整機構35の調整ダイヤル37を操作し、薬液の注入を開始する。
【0040】
弾性部材30の弾性力により薬液バッグBに圧力が加えられ、薬液バッグBの内部の薬液が薬液チューブ40及び注入針Nを通じて対象者の体内に注入される。
図6に示すように、薬液バッグBは薬液バッグ保持部10によって、薬液バッグBの長さ方向に沿って、徐々に押し縮められる。対象者が、例えば、調整ダイヤル37を、薬液が注入されない所定の位置まで戻すことにより、薬液の注入が終了する。
【0041】
(本実施形態の構成の効果)
以上説明したように、本実施形態の薬液注入装置S100によれば、弾性部材30による弾性力を利用して薬液バッグBを加圧するので、簡素な構成で薬液を注入することができる。しかも、薬液を押し出すための機構が対象者の体から離れた位置に配置されるものではなく、
図2に示したように、体の一部に取り付けられるため、薬液を押し出すための機構と注入針Nとをつなぐ薬液チューブ40に不測の力が加わり、例えば、薬液チューブ40が折れ曲がって薬液が注入できなくなるといった不具合が生じにくい。したがって、薬液注入装置S100によれば、長時間に亘り安定的に薬液が注入可能となる。
【0042】
薬液注入装置S100は宇宙空間でも使用可能である。宇宙空間では、例えば薬液ポンプが持ち運び可能に設けられていても、地球上のように、対象者のそばに薬液ポンプを置いておくといったことができない。一方、本実施形態のように薬液バッグBや薬液を押し出すための機構を対象者に取り付けることができる装置は、宇宙空間での使用に特に好適である。
【0043】
また、本実施形態では、薬液バッグBを長さ方向に縮める方向に力が付与され、薬液バッグBは長さ方向に押し縮められるように変形する。本発明においては、薬液バッグBを厚み方向に加圧する構成であってもよいが、
図1のような構成によれば、薬液バッグBの厚み方向に配置される構成要素を少なくできるので、例えば
図2のように対象者の体に薬液注入装置S100を取り付けた際に嵩張らないという利点がある。
【0044】
また、本実施形態では、中空構造の伸縮部12Lと伸縮部12Rの内部にスプリングS1及びスプリングS2が配置されている。このような構成によれば、左右の伸縮部で後端支持部11を引く力に偏りが生じにくく、薬液バッグBをバランス良く加圧できる。また、スプリングS1及びスプリングS2が外部に露出しないので、対象者に対する安全性が高まる。また、薬液がスプリングS1及びスプリングS2に付着することも防止される。
【0045】
また、本実施形態では、流量調整機構35が装着部材20の一部に設けられている。したがって、装着部材20から延び出した薬液チューブ40の途中に流量を調整するための機構が配置されるような構成と比較して、構成が簡素化し(すなわち、別体で構成される要素の数が少なくなり)、取扱性が向上する。
【0046】
また、本実施形態では、装着部材20に対象者の腕に取り付けられるようにリング型又はC字型の取付部22が設けられている。このような構成によれば、薬液バッグBが装着された薬液バッグ保持部10や弾性部材30等を含む構造体を、例えば、バンドやベルトなどで体に取り付ける方式と比べて、装着が容易である。
【0047】
<変形例>
本発明は以上の具体的な態様に限定されず、種々変更可能である。
図7は本発明の変形例の1つを示す模式図である。
図7に示すように、薬液バッグBに圧力を加える加圧手段60は、ローラ61及びローラ62を有していてもよい。
加圧手段60は、一例として、ローラ61及びローラ62を口先部Baの側に移動させるための弾性部材(不図示)を有していてもよい。弾性部材は、上述した実施形態と同様、コイルスプリング、発条、定荷重バネ等であってもよい。
【0048】
他の例として、加圧手段60は、ローラ61及びローラ62の一方又は両方を回転させる駆動機構(不図示)を有していてもよい。駆動機構は、例えばモータを含んでいてもよい。
【0049】
図7のようにローラを利用する構成ではなく、例えば、空気の圧力によって薬液バッグBを外部から加圧する機構が加圧手段として設けられていてもよい。このような加圧手段は、薬液バッグBを厚み方向に圧縮してもよいし、長さ方向に圧縮してもよい。
【0050】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0051】
10 薬液バッグ保持部
11 後端支持部
11s スペース
12L 伸縮部
12R 伸縮部
20 装着部材
21 ベース部
22 取付部
30 弾性部材
35 流量調整機構
36 クランプ部材
37 調整ダイヤル
40 薬液チューブ
50 穿刺パッド
51 ベース部
52 取付部
60 加圧手段
61 ローラ
62 ローラ
B 薬液バッグ
Ba 口先部
N 注入針
S1、S2 スプリング
S100 薬液注入装置