(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075049
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法
(51)【国際特許分類】
G01D 5/353 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
G01D5/353 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186188
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】松浦 聡
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】手塚 信一郎
【テーマコード(参考)】
2F103
【Fターム(参考)】
2F103BA37
2F103BA41
2F103CA06
2F103CA07
2F103CA09
2F103EB02
2F103EB11
2F103EB19
2F103EC09
2F103EC10
2F103ED36
(57)【要約】
【課題】従来よりも測定誤差が小さく、測定距離を長くすることができる光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ特性測定装置1は、光源11から出力される一定周波数の光を測定光LMと参照光LRとに分岐する光分岐器12と、周波数が順次変化する信号S10を用いて、測定光LMの周波数を順次シフトさせる周波数シフト部13と、測定光LMを被測定光ファイバFUTの一端から入射させ、被測定光ファイバFUT内で生じたレイリー散乱光LSを出力する光サーキュレータ15と、参照光LRとレイリー散乱光LSとの干渉光を検出する光検出器17と、周波数が順次変化する信号S20を用いて、光検出器17から出力される検出信号S1の周波数を変換する周波数変換部18と、周波数変換部18から出力される信号S2を用いて被測定光ファイバFUTの特性を測定する測定部19とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定周波数の光を出力する光源と、
前記光源から出力される光を測定光と参照光とに分岐する第1分岐部と、
周波数が順次変化する第1信号を用いて、前記測定光の周波数を順次シフトさせる周波数シフト部と、
周波数が順次シフトする前記測定光を被測定光ファイバの一端から入射させ、前記被測定光ファイバ内で生じたレイリー散乱光を出力する第2分岐部と、
前記参照光と前記レイリー散乱光との干渉光を検出する検出部と、
周波数が順次変化する第2信号を用いて、前記検出部から出力される検出信号の周波数を変換する周波数変換部と、
前記周波数変換部から出力される信号を用いて前記被測定光ファイバの特性を測定する測定部と、
を備える光ファイバ特性測定装置。
【請求項2】
前記第1信号の周波数変化率と前記第2信号の周波数変化率とは同じであり、
前記第2信号の周波数範囲は、前記第1信号の周波数範囲よりも広い、
請求項1記載の光ファイバ特性測定装置。
【請求項3】
前記第1信号は、予め規定された基準時間で一度の周波数変化が終わる信号であり、
前記周波数シフト部から出力される前記測定光を、前記基準時間だけのパルス幅を有する光パルスにするパルス化部を備える請求項1又は請求項2記載の光ファイバ特性測定装置。
【請求項4】
前記測定部は、前記周波数変換部から出力される信号から、前記被測定光ファイバに設定された測定点に応じた部分を切り出す切出部と、
前記切出部で切り出された部分に対してフーリエ変換を行って、前記測定点に対応する周波数成分の大きさを求めるフーリエ変換部と、
を備える請求項3記載の光ファイバ特性測定装置。
【請求項5】
前記切出部によって切り出される部分は、前記基準時間と同じ時間幅を有する、請求項4記載の光ファイバ特性測定装置。
【請求項6】
前記周波数変換部は、前記第2信号を発生する信号発生器を備えており、
前記信号発生器は、前記第2信号の発生開始タイミングを調整可能である、
請求項4記載の光ファイバ特性測定装置。
【請求項7】
前記周波数変換部は、複数設けられており、
前記測定部は、複数の前記周波数変換部に対応する複数の前記切出部及び前記フーリエ変換部をそれぞれ備えており、
複数の前記周波数変換部に設けられる前記信号発生器における前記第2信号の発生開始タイミングは互いに異なる、
請求項6記載の光ファイバ特性測定装置。
【請求項8】
一定周波数の光を出力する第1ステップと、
前記光を測定光と参照光とに分岐する第2ステップと、
周波数が順次変化する第1信号を用いて、前記測定光の周波数を順次シフトさせる第3ステップと、
周波数が順次シフトする前記測定光を被測定光ファイバの一端から入射させ、前記被測定光ファイバ内で生じたレイリー散乱光を出力する第4ステップと、
前記参照光と前記レイリー散乱光との干渉光を検出する第5ステップと、
周波数が順次変化する第2信号を用いて、前記第5ステップで検出された検出信号の周波数を変換する第6ステップと、
前記第6ステップで周波数が変換された信号を用いて前記被測定光ファイバの特性を測定する第7ステップと、
を有する光ファイバ特性測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ特性測定装置は、連続光又はパルス光を被測定光ファイバに入射させ、被測定光ファイバ内において生ずる散乱光又は反射光を検出して被測定光ファイバの長さ方向における温度分布、歪み分布、その他の特性を測定する装置である。この光ファイバ特性測定装置では、検出される散乱光又は反射光が被測定光ファイバに影響を及ぼす物理量(例えば、温度や歪み)に応じて変化するため、被測定光ファイバそのものがセンサとして用いられる。
【0003】
このような光ファイバ特性測定装置の1つに、OFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry:光周波数領域リフレクトメトリ)方式のものがある。このOFDR方式の光ファイバ特性測定装置は、周波数掃引された光を測定光と参照光とに分岐し、測定光を被測定光ファイバの一端から入射させ、被測定光ファイバの一端から射出されるレイリー散乱光と参照光とを干渉させたものを検出する。そして、得られた検出信号を解析することによって、被測定光ファイバの長さ方向における特性を測定する。尚、OFDR方式の光ファイバ特性測定装置については、例えば、以下の非特許文献1を参照されたい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Brian J. Soller et al.,“High resolution optical frequency domain reflectometry for characterization of components and assemblies”,Optics Express Vol.13,No.2,p.666-674
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のOFDR方式の光ファイバ特性測定装置は、周波数掃引された光を得るために周波数可変光源を用いている。この周波数可変光源は、周波数掃引特性に非線形性があるとともに、一定周波数の光を出力する光源に比べて線幅が広いため、測定誤差が大きいという欠点を有する。また、従来のOFDR方式の光ファイバ特性測定装置は、周波数掃引された光を測定光と参照光とに分岐し、測定光を被測定光ファイバの一端から入射させて得られるレイリー散乱光と参照光とを干渉させたものを検出しているため、測定距離が制限される。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも測定誤差が小さく、測定距離を長くすることができる光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による光ファイバ特性測定装置(1、2)は、一定周波数の光を出力する光源(11)と、前記光源から出力される光を測定光(LM)と参照光(LR)とに分岐する第1分岐部(12)と、周波数が順次変化する第1信号(S10)を用いて、前記測定光の周波数を順次シフトさせる周波数シフト部(13)と、周波数が順次シフトする前記測定光を被測定光ファイバ(FUT)の一端から入射させ、前記被測定光ファイバ内で生じたレイリー散乱光(LS)を出力する第2分岐部(15)と、前記参照光と前記レイリー散乱光との干渉光を検出する検出部(17)と、周波数が順次変化する第2信号(S20、S20a、S20b)を用いて、前記検出部から出力される検出信号(S1)の周波数を変換する周波数変換部(18、18A、18B)と、前記周波数変換部から出力される信号(S2、S2a、S2b)を用いて前記被測定光ファイバの特性を測定する測定部(19、19A)と、を備える。
【0008】
また、本発明の第2の態様による光ファイバ特性測定装置は、本発明の第1の態様による光ファイバ特性測定装置において、前記第1信号の周波数変化率と前記第2信号の周波数変化率とが同じであり、前記第2信号の周波数範囲が、前記第1信号の周波数範囲よりも広い。
【0009】
また、本発明の第3の態様による光ファイバ特性測定装置は、本発明の第1又は第2の態様による光ファイバ特性測定装置において、前記第1信号が、予め規定された基準時間(tscan)で一度の周波数変化が終わる信号であり、前記周波数シフト部から出力される前記測定光を、前記基準時間だけのパルス幅を有する光パルスにするパルス化部(14)を備える。
【0010】
また、本発明の第4の態様による光ファイバ特性測定装置は、本発明の第3の態様による光ファイバ特性測定装置において、前記測定部が、前記周波数変換部から出力される信号から、前記被測定光ファイバに設定された測定点に応じた部分を切り出す切出部(21、21a、21b)と、前記切出部で切り出された部分に対してフーリエ変換を行って、前記測定点に対応する周波数成分の大きさを求めるフーリエ変換部(22、22a、22b)と、を備える。
【0011】
また、本発明の第5の態様による光ファイバ特性測定装置は、本発明の第4の態様による光ファイバ特性測定装置において、前記切出部によって切り出される部分が、前記基準時間と同じ時間幅を有する。
【0012】
また、本発明の第6の態様による光ファイバ特性測定装置は、本発明の第4の態様による光ファイバ特性測定装置において、前記周波数変換部が、前記第2信号を発生する信号発生器(18a)を備えており、前記信号発生器が、前記第2信号の発生開始タイミングを調整可能である。
【0013】
また、本発明の第7の態様による光ファイバ特性測定装置は、本発明の第6の態様による光ファイバ特性測定装置において、前記周波数変換部が、複数設けられており、前記測定部が、複数の前記周波数変換部に対応する複数の前記切出部及び前記フーリエ変換部をそれぞれ備えており、複数の前記周波数変換部に設けられる前記信号発生器における前記第2信号の発生開始タイミングは互いに異なる。
【0014】
また、本発明の第1の態様による光ファイバ特性測定方法は、一定周波数の光を出力する第1ステップと、前記光を測定光(LM)と参照光(LR)とに分岐する第2ステップと、周波数が順次変化する第1信号(S10)を用いて、前記測定光の周波数を順次シフトさせる第3ステップと、周波数が順次シフトする前記測定光を被測定光ファイバ(FUT)の一端から入射させ、前記被測定光ファイバ内で生じたレイリー散乱光(LS)を出力する第4ステップと、前記参照光と前記レイリー散乱光との干渉光を検出する第5ステップと、周波数が順次変化する第2信号(S20、S20a、S20b)を用いて、前記第5ステップで検出された検出信号(S1)の周波数を変換する第6ステップと、前記第6ステップで周波数が変換された信号(S2、S2a、S2b)を用いて前記被測定光ファイバの特性を測定する第7ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来よりも測定誤差が小さく、測定距離を長くすることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態による光ファイバ特性測定装置の要部構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による光ファイバ特性測定装置の動作を説明するための図である。
【
図3】本発明の第2実施形態による光ファイバ特性測定装置の動作を説明するための図である。
【
図4】本発明の第3実施形態による光ファイバ特性測定装置の要部構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第3実施形態による光ファイバ特性測定装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法について詳細に説明する。以下では、まず、本発明の実施形態の概要について説明し、続いて本発明の各実施形態の詳細について説明する。
【0018】
〔概要〕
本発明の実施形態は、光ファイバ特性測定装置において、従来よりも測定誤差が小さく、測定距離を長くするものである。具体的には、OFDR方式の光ファイバ特性測定装置において、周波数可変光源よりも線幅が狭い一定周波数の光を出力する光源を用いることで測定誤差を小さくする。そして、被測定光ファイバに入射させる測定光の周波数を変化させる方法、及びレイリー散乱光の検出方法を工夫することで、従来よりも測定距離を長くするものである。
【0019】
従来のOFDR方式の光ファイバ特性測定装置は、周波数掃引された光を得るために周波数可変光源を用いている。この周波数可変光源は、周波数掃引特性に非線形性があることから測定誤差が生ずる。このような周波数掃引特性の非線形性を補償する方法も考案されているが、補償が十分に行われる条件が限られることから、測定誤差を十分に小さくすることは困難である。
【0020】
また、従来のOFDR方式の光ファイバ特性測定装置は、周波数可変光源から出力された光(周波数掃引された光)を測定光と参照光とに分岐し、測定光を被測定光ファイバの一端から入射させて得られるレイリー散乱光と参照光とを干渉させたものを検出している。このため、非測定光ファイバの他端近傍で生じたレイリー散乱光と参照光とが干渉する時間幅が短くなり、フーリエ変換後のスペクトル幅が広くなることから、測定精度が得にくくなる。これを回避するためには、被測定光ファイバの長さを短くしなければならず、測定距離が制約されてしまう。
【0021】
更に、従来のOFDR方式の光ファイバ特性測定装置で用いられている周波数可変光源は、一定周波数の光を出力する光源に比べて線幅が広く、コヒーレント時間が短いことが多い。これにより、測定距離或いはフーリエ変換後の測定精度で不利となる。
【0022】
本実施形態では、まず、光源から出力される一定周波数の光を測定光と参照光とに分岐する。次に、周波数が順次変化する第1信号を用いて、測定光の周波数を順次シフトさせ、周波数が順次シフトする測定光を被測定光ファイバの一端から入射させ、被測定光ファイバ内で生じたレイリー散乱光を出力する。次いで、参照光とレイリー散乱光との干渉光を検出し、周波数が順次変化する第2信号を用いて、検出された検出信号の周波数を変換する。そして、周波数が変換された信号を用いて被測定光ファイバの特性を測定する。これにより、従来よりも測定誤差が小さく、測定距離を長くすることができる。
【0023】
〔第1実施形態〕
〈光ファイバ特性測定装置〉
図1は、本発明の第1実施形態による光ファイバ特性測定装置の要部構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態の光ファイバ特性測定装置1は、光源11、光分岐器12(第1分岐部)、周波数シフト部13、光スイッチ14(パルス化部)、光サーキュレータ15(第2分岐部)、光合波器16、光検出器17(検出部)、周波数変換部18、及び測定部19を備える。このような光ファイバ特性測定装置1は、被測定光ファイバFUTの長さ方向(z方向)における特性(例えば、温度分布や歪み分布等)を測定する。
【0024】
光源11は、コヒーレンス(可干渉性)が高い一定周波数f0の光を射出する。この光源11としては、例えば、被測定光ファイバFUTでの吸収が少ない波長(例えば、1.55μm)のレーザ光を射出する半導体レーザを用いることができる。光源11から射出される光は、光ファイバ特性測定装置1の測定精度を高めるために、線幅(スペクトル線幅)が極力狭いことが望ましい。
【0025】
光分岐器12は、光源11から射出された光を、測定光LMと参照光LRとに分岐する。測定光LMと参照光LRとの強度比は、例えば、1対1である。尚、測定光LMと参照光LRとの強度比は、1対1に制限される訳ではなく、任意の強度比にすることが可能である。
【0026】
周波数シフト部13は、周波数発生器13aと光周波数シフタ13bとを備えており、測定光LMの周波数を順次シフトさせる。周波数発生器13aは、周波数が順次変化する信号S10(第1信号)を出力する。具体的に、周波数発生器13aは、周波数f11~f12の周波数範囲(例えば、250~350MHzの範囲)で周波数が一定の割合で順次変化する信号S10を出力する。尚、周波数発生器13aが、信号S10の周波数をf11からf12まで変化させるのに要する時間はtscan(基準時間)である。つまり、信号S10は、時間tscanで一度の周波数変化が終わる信号であり、このような周波数変化が繰り返される信号である。
【0027】
光周波数シフタ13bは、周波数発生器13aから出力される信号S10を用いて、測定光LMの周波数を順次シフトさせる。光源11から射出される光の周波数はf0であるため、光周波数シフタ13bは、測定光LMの周波数をf0+f11からf0+f12まで順次シフトさせる。この光周波数シフタ13bとしては、例えば、市販のAO(Acousto-Optics:音響光学)素子等を用いることができる。
【0028】
光スイッチ14は、周波数シフト部13と光サーキュレータ15との間の光路を切断状態又は導通状態にする。このような光スイッチ14を設けるのは、測定光LMをパルス化するためである。具体的に、光スイッチ14は、周波数シフト部13によって測定光LMの周波数が順次シフトされている間だけ、周波数シフト部13と光サーキュレータ15との間の光路を導通状態にする。つまり、光スイッチ14は、周波数シフト部13から出力される測定光LMを、時間tscanだけのパルス幅を有する光パルスにする。尚、必要に応じて、光スイッチ14と光サーキュレータ15との間に光増幅器を設けてもよい。
【0029】
光サーキュレータ15は、第1ポート、第2ポート、及び第3ポートを備える。第1ポートは、光スイッチ14と接続される。第2ポートは、被測定光ファイバFUTと接続される。第3ポートは、光合波器16と接続される。光サーキュレータ15は、第1ポートから入力される測定光LMを第2ポートに出力する。また、光サーキュレータ15は、第2ポートから入力される被測定光ファイバFUTからのレイリー散乱光LSを第3ポートに出力する。
【0030】
光合波器16は、光サーキュレータ15から出力されるレイリー散乱光LSと、光分岐器12で分岐された参照光LRとを合波させる。このような光合波器16としては、例えば、光カプラを用いることができる。光検出器17は、光合波器16で合波された光の光ヘテロダイン検出を行って検出信号S1を出力する。
【0031】
ここで、レイリー散乱光LSは、被測定光ファイバFUTに入射した測定光LMが弾性散乱されたもの(波長変化を伴わずに散乱されたもの)である。このため、被測定光ファイバFUT内の各点で生ずるレイリー散乱光LSは、一定時間(時間tscan)に亘って周波数がf0+f11からf0+f12まで順次変化するものになる。このようなレイリー散乱光LSは、参照光LRと合波されて光ヘテロダイン検出されることで、周波数がf11からf12まで順次変化する成分となる。光検出器17から出力される検出信号S1は、このような被測定光ファイバFUT内の各点で生ずるレイリー散乱光LSに起因し、周波数がf11からf12まで順次変化する成分が含まれるものになる。
【0032】
周波数変換部18は、周波数発生器18a(信号発生器)と周波数変換器18bとを備えており、光検出器17から出力される検出信号S1の周波数を変換する。周波数発生器18aは、周波数が順次変化する信号S20(第2信号)を出力する。具体的に、周波数発生器18aは、周波数f21~f22の周波数範囲(例えば、360~560MHzの範囲)で周波数が順次変化する信号S20を出力する。
【0033】
ここで、周波数発生器18aが発生する信号S20の周波数変化率と、周波数シフト部13に設けられた周波数発生器13aが発生する信号S10の周波数変化率とは同じである。また、周波数発生器18aが発生する信号S20の周波数範囲は、周波数シフト部13に設けられた周波数発生器13aが発生する信号S10の周波数範囲よりも広い。尚、本実施形態では、信号S20の周波数範囲は、信号S10の周波数範囲よりも2倍広い。このため、周波数発生器18aが、信号S20の周波数を周波数f21から周波数f22まで変化させるのに要する時間は、周波数発生器13aが、信号S10の周波数を周波数f11から周波数f12まで変化させるのに要する時間tscanよりも長い。つまり、信号S20は、時間tscanよりも長い時間で一度の周波数変化が終わる信号であり、このような周波数変化が繰り返される信号である。
【0034】
周波数変換器18bは、周波数発生器18aから出力される信号S20を用いて、光検出器17から出力される検出信号S1の周波数を変換する。具体的に、周波数変換器18bは、被測定光ファイバFUT内の各点で生ずるレイリー散乱光LSに起因する成分が、互いに異なる周波数になるように検出信号S1の周波数を変換する。例えば、
図1に示す点z1で生ずるレイリー散乱光LSに起因する成分が一定の周波数f31となり、点z2で生ずるレイリー散乱光LSに起因する成分が一定の周波数f32となるよう検出信号S1の周波数を変換する。
【0035】
測定部19は、切出部21、フーリエ変換部22、及び信号処理部23を備えており、周波数変換部18から出力される信号S2を用いて被測定光ファイバFUTの特性(例えば、長さ方向における温度分布や歪み分布等)を測定する。切出部21は、周波数変換部18から出力される信号S2から、被測定光ファイバFUTに設定された測定点(特性を測定しようとする点)に応じた部分を切り出す。ここで、切出部21によって切り出される部分は、測定点の位置に拘わらず時間tscanと同じ時間幅を有する。
【0036】
フーリエ変換部22は、周波数変換部18から出力される信号S2のうち、切出部21によって切り出された部分に対してフーリエ変換を行って、測定点に対応する周波数成分の大きさを求める。信号処理部23は、フーリエ変換部22で求められた周波数成分の大きさを用いて予め規定された信号処理を行うことで、被測定光ファイバFUTの特性(例えば、長さ方向における温度分布や歪み分布等)を測定する。
【0037】
〈光ファイバ特性測定方法〉
測定が開始されると、一定周波数f0の光が光源11から射出される(第1ステップ)。光源11から射出された光は、光分岐器12で測定光LMと参照光LRとに分岐される(第2ステップ)。光分岐器12で分岐された測定光LMは、周波数シフト部13に入射し、周波数が順次シフトされる(第3ステップ)。具体的に、測定光LMは、周波数シフト部13に設けられた周波数発生器13aから出力される信号S10を用いて、周波数シフト部13に設けられた光周波数シフタ13bにより、周波数がf0+f11からf0+f12まで一定の割合で順次変化される。
【0038】
周波数がシフトされた測定光LMは、光スイッチ14によってパルス化される。具体的に、測定光LMは、光スイッチ14によって、周波数が順次シフトされている間だけ、周波数シフト部13と光サーキュレータ15との間の光路が導通状態になることにより、時間tscanだけのパルス幅を有する光パルスにされる。
【0039】
パルス化された測定光LMは、光サーキュレータ15を介して被測定光ファイバFUTの一端から被測定光ファイバFUT内に入射する。パルス化された測定光LMが被測定光ファイバFUT内を伝播するに従って、被測定光ファイバFUTの各点でレイリー散乱光LSが生ずる。被測定光ファイバFUTの各点で生じたレイリー散乱光LSの一部は、被測定光ファイバFUTの一端から光サーキュレータ15に入射し、光合波器16に出力される(第4ステップ)。
【0040】
図2は、本発明の第1実施形態による光ファイバ特性測定装置の動作を説明するための図である。尚、
図2(a)は、測定光LM及びレイリー散乱光LSが被測定光ファイバFUT内を進行する様子を示す図である。
図2(b)は、光検出器17から出力される検出信号S1を示す図であり、
図2(c)は、周波数発生器18aから出力される信号S20を示す図であり、
図2(d)は、周波数変換部18から出力される信号S2を示す図である。
図2(a)に示すグラフは、横軸に時間をとり、縦軸に被測定光ファイバFUTの長さ方向の位置をとってある。また、
図2(b)~
図2(d)に示すグラフは何れも、横軸に時間をとり、縦軸に周波数をとってある。
【0041】
図2(a)に示す通り、時刻0で周波数がf0+f11の測定光LMが被測定光ファイバFUTに入射され、時刻tsで周波数がf0+f12の測定光LMが被測定光ファイバFUTに入射されるとする。尚、時刻tsは、時刻0から時間t
scanが経過した時刻である。また、説明の便宜上、時刻0で被測定光ファイバFUTに入射された測定光LMを測定光LM1とし、時刻tsで被測定光ファイバFUTに入射された測定光LMを測定光LM2とする。
【0042】
被測定光ファイバFUTに入射された測定光LM1が、被測定光ファイバFUT内を伝播するに従って、被測定光ファイバFUTの各点でレイリー散乱光LSが生ずる。例えば、測定光LM1が時刻t1で
図1に示す点z1に達すると、レイリー散乱光LS11が生ずる。このレイリー散乱光LS11は、測定光LM1の伝播方向とは逆方向に伝播し、時刻t2で被測定光ファイバFUTの一端に達する。また、測定光LM1が時刻t3で
図1に示す点z2に達すると、レイリー散乱光LS12が生ずる。このレイリー散乱光LS12は、測定光LM1の伝播方向とは逆方向に伝播し、時刻t6で被測定光ファイバFUTの一端に達する。
【0043】
同様に、被測定光ファイバFUTに入射された測定光LM2が、被測定光ファイバFUT内を伝播するに従って、被測定光ファイバFUTの各点でレイリー散乱光LSが生ずる。例えば、測定光LM2が時刻t7で
図1に示す点z1に達すると、レイリー散乱光LS21が生ずる。このレイリー散乱光LS21は、測定光LM2の伝播方向とは逆方向に伝播し、時刻t8で被測定光ファイバFUTの一端に達する。また、測定光LM2が時刻t9で
図1に示す点z2に達すると、レイリー散乱光LS22が生ずる。このレイリー散乱光LS22は、測定光LM2の伝播方向とは逆方向に伝播し、時刻t10で被測定光ファイバFUTの一端に達する。
【0044】
被測定光ファイバFUTの一端に達したレイリー散乱光LSは、光サーキュレータ15を介して光合波器16に入射され、光分岐器12で分岐された参照光LRと合波された後に、光検出器17で光ヘテロダイン検出される(第5ステップ)。つまり、被測定光ファイバFUTの一端に達したレイリー散乱光LSと光分岐器12で分岐された参照光LRとの干渉光が光検出器17で検出される。
【0045】
ここで、レイリー散乱光LSは、前述した通り、被測定光ファイバFUTに入射した測定光LMが弾性散乱されたもの(波長変化を伴わずに散乱されたもの)である。このため、被測定光ファイバFUT内の各点で生ずるレイリー散乱光LSは、一定時間(時間tscan)に亘って周波数がf0+f11からf0+f12まで順次変化するものになる。このようなレイリー散乱光LSは、参照光LRと合波されて光ヘテロダイン検出されることで、周波数がf11からf12まで順次変化する成分となる。光検出器17から出力される検出信号S1は、このような被測定光ファイバFUT内の各点で生ずるレイリー散乱光LSに起因し、周波数がf11からf12まで順次変化する成分が含まれるものになる。
【0046】
例えば、被測定光ファイバFUTの一端の近傍で生じたレイリー散乱光が参照光LRと合波されて光ヘテロダイン検出されることで得られる成分は、
図2(b)において、時刻0~tsの間(時間t
scanの間)において、周波数がf11からf12まで順次変化する成分A0である。また、
図1に示す点z1で生じたレイリー散乱光が参照光LRと合波されて光ヘテロダイン検出されることで得られる成分は、
図2(b)において、時刻t2~t8の間(時間t
scanの間)において、周波数がf11からf12まで順次変化する成分A1である。また、
図1に示す点z2で生じたレイリー散乱光が参照光LRと合波されて光ヘテロダイン検出されることで得られる成分は、
図2(b)において、時刻t6~t10の間(時間t
scanの間)において、周波数がf11からf12まで順次変化する成分A2である。
【0047】
光検出器17から出力された検出信号S1は、周波数変換部18に入力されて周波数が変換される(第6ステップ)。具体的に、検出信号S1は、周波数発生器18aから出力される信号S20を用いて周波数変換器18bにより、被測定光ファイバFUT内の各点で生ずるレイリー散乱光LSに起因する成分が、互いに異なる周波数になるように周波数が変換される。
【0048】
ここで、前述した通り、周波数発生器18aが発生する信号S20の周波数変化率と、周波数シフト部13に設けられた周波数発生器13aが発生する信号S10の周波数変化率とは同じである。レイリー散乱光LSは、前述の通り、被測定光ファイバFUTに入射した測定光LMが弾性散乱されたもの(波長変化を伴わずに散乱されたもの)であるから、被測定光ファイバFUT内の各点で生ずるレイリー散乱光LSの周波数変化率は、信号S10の周波数変化率と同じである。
【0049】
このため、
図2(b),(c)に示す通り、信号S20の周波数変化率は、検出信号S1に含まれる被測定光ファイバFUT内の各点で生ずるレイリー散乱光LSに起因する成分の周波数変化率と同じになる。よって、
図2(b)に示す検出信号S1が、
図2(c)に示す信号S20を用いて周波数変換されると、
図2(d)に示す信号S2が得られる。例えば、信号S2に含まれる時刻0~tsの間(時間t
scanの間)において一定の周波数f30を有する成分B0は、
図2(b)に示す成分A0の周波数が変換されたものである。また、信号S2に含まれる時刻t2~t8の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f31を有する成分B1は、
図2(b)に示す成分A1の周波数が変換されたものである。また、信号S2に含まれる時刻t6~t10の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f32を有する成分B2は、
図2(b)に示す成分A2の周波数が変換されたものである。
【0050】
周波数変換部18で得られた信号S2は、測定部19に入力される。そして、測定部19において、被測定光ファイバFUTの特性(例えば、長さ方向における温度分布や歪み分布等)を測定する処理が行われる(第7ステップ)。信号S2が測定部19に入力されると、まず、信号S2から被測定光ファイバFUTに設定された測定点に応じた部分を切り出す処理が切出部21によって行われる。
【0051】
例えば、測定点が
図1に示す点z1に設定されている場合には、切出部21は、
図2(d)に示す信号S2の時刻t2~t8の間の部分を切り出す。また、測定点が
図1に示す点z2に設定されている場合には、切出部21は、
図2(d)に示す信号S2の時刻t6~t10の間の部分を切り出す。尚、切出部21によって切り出される部分は、測定点の位置に拘わらず時間t
scanと同じ時間幅を有する。
【0052】
次に、測定部19に入力された信号S2のうち、切出部21によって切り出された部分の各々に対してフーリエ変換を行って、測定点の各々に対応する周波数成分の大きさを求める処理がフーリエ変換部22によって行われる。続いて、フーリエ変換部22で求められた周波数成分の大きさを用いて予め規定された信号処理を行って、測定点の各々における被測定光ファイバFUTの特性(例えば、温度や歪み等)を測定する処理が信号処理部23によって行われる。以上説明した処理が繰り返し行われることによって、例えば、被測定光ファイバFUTの一端から点z2までの特性が連続的に測定される。
【0053】
以上の通り、本実施形態では、まず、光源11から出力される一定周波数の光を測定光LMと参照光LRとに分岐する。次に、周波数が順次変化する信号S10を用いて、測定光LMの周波数を順次シフトさせ、周波数が順次シフトする測定光LMを被測定光ファイバFUTの一端から入射させ、被測定光ファイバFUT内で生じたレイリー散乱光LSを出力する。次いで、参照光LRとレイリー散乱光LSとの干渉光を検出し、周波数が順次変化する信号S20を用いて、検出された検出信号S1の周波数を変換する。そして、周波数が変換された信号S2を用いて被測定光ファイバFUTの特性を測定している。
【0054】
ここで、本実施形態では、測定光LMの周波数をシフトさせる際に、周波数発生器13aから出力される信号S10を用いている。一般的に、精度が良く、高い線形性をもって周波数が変化する電気信号を生成するのは容易である。本実施形態は、このような精度が良く、高い線形性をもって周波数が変化する電気信号(信号S10)を用いて測定光LMの周波数をシフトさせているため、測定誤差を小さくすることができる。
【0055】
また、本実施形態では、被測定光ファイバFUTの他端側における測定点で生じたレイリー散乱光LSの取り込み時間を、被測定光ファイバFUTの一端側における測定点で生じたレイリー散乱光LSの取り込み時間と同じ長さにすることができる。尚、ここにいう「取り込み時間」とは、レイリー散乱光LSと参照光LRとが干渉する時間幅をいう。これにより、測定精度を向上させることができるとともに、測定距離を長くすることができる。
【0056】
また、本実施形態では、光源11から出力される一定周波数の光を用いている。周波数波長光源よりも一定周波数の光を射出する光源の方が、射出される光の線幅が狭いため、フーリエ変換後の周波数の精度を高くすることができる。加えて、周波数シフト部13で用いられる信号S10及び周波数変換部18で用いられる信号S20の周波数を適切に選定することで、光検出器17の検出信号S1及び周波数変換部18から出力される信号S2の周波数を扱いやすい周波数にすることもできる。
【0057】
このように、本実施形態では、これにより、従来よりも測定誤差が小さく、測定距離を長くすることができる。例えば、従来のOFDR方式の光ファイバ特性測定装置は、空間分解能が数十μm程度と極めて高いものの、測定距離が数十m程度に制限されていた。これに対し、本実施形態の光ファイバ特性測定装置1は、従来に比べて空間分解能は劣るものの、測定距離を1km以上にすることができる。
【0058】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の光ファイバ特性測定装置は、基本的には、
図1に示す光ファイバ特性測定装置1と同様の構成である。このため、光ファイバ特性測定装置の構成及び動作の詳細な説明は省略する。本実施形態の光ファイバ特性測定装置は、周波数変換部18に設けられた周波数発生器18aが、信号S2の発生開始タイミングを調整可能である。そして、周波数発生器18aから出力される信号S20のタイミングを、第1実施形態とは異ならせることで、被測定光ファイバFUTの測定範囲をシフトさせるようにしたものである。
【0059】
図3は、本発明の第2実施形態による光ファイバ特性測定装置の動作を説明するための図である。尚、
図3(a)~(d)は、
図2(a)~(d)と同様の図である。つまり、
図2(a)は、測定光LM及びレイリー散乱光LSが被測定光ファイバFUT内を進行する様子を示す図である。
図3(b)は、光検出器17から出力される検出信号S1を示す図であり、
図3(c)は、周波数発生器18aから出力される信号S20を示す図であり、
図3(d)は、周波数変換部18から出力される信号S2を示す図である。尚、
図3(a)~(d)においては、
図2(a)~(d)に示したものと同じものについては同じ符号を付してある。
【0060】
図3(a)に示す通り、時刻0で周波数がf0+f11の測定光LM(測定光LM1)が被測定光ファイバFUTに入射され、時刻tsで周波数がf0+f12の測定光LM(測定光LM2)が被測定光ファイバFUTに入射されるとする。これは、第1実施形態と同様である。
【0061】
被測定光ファイバFUTに入射された測定光LM1が、被測定光ファイバFUT内を伝播するに従って、被測定光ファイバFUTの各点でレイリー散乱光LSが生ずる。例えば、測定光LM1が、
図1に示す点z1に達するとレイリー散乱光LS11が生じ、
図1に示す点z2に達するとレイリー散乱光LS12が生じ(時刻t3)、
図1に示す点z2よりも遠方の点z3に達するとレイリー散乱光LS13が生ずる。尚、点z3は、点z2から、被測定光ファイバFUTの一端から点z1までの距離だけ遠方の点である。これらレイリー散乱光LS11,LS12,LS13は、測定光LM1の伝播方向とは逆方向に伝播する。そして、レイリー散乱光LS11は、時刻t2で被測定光ファイバFUTの一端に達し、レイリー散乱光LS12は、時刻t6で被測定光ファイバFUTの一端に達し、レイリー散乱光LS13は、時刻t31で被測定光ファイバFUTの一端に達する。
【0062】
同様に、被測定光ファイバFUTに入射された測定光LM2が、被測定光ファイバFUT内を伝播するに従って、被測定光ファイバFUTの各点でレイリー散乱光LSが生ずる。例えば、測定光LM2が、
図1に示す点z1に達するとレイリー散乱光LS21が生じ、
図1に示す点z2に達するとレイリー散乱光LS22が生じ(時刻t9)、点z3に達するとレイリー散乱光LS23が生ずる。これらレイリー散乱光LS21,LS22,LS23は、測定光LM2の伝播方向とは逆方向に伝播する。そして、レイリー散乱光LS21は、時刻t8で被測定光ファイバFUTの一端に達し、レイリー散乱光LS22は、時刻t10で被測定光ファイバFUTの一端に達し、レイリー散乱光LS23は、時刻t32で被測定光ファイバFUTの一端に達する。
【0063】
被測定光ファイバFUTの一端に達したレイリー散乱光LSが、光サーキュレータ15を介して光合波器16に入射され、参照光LRと合波された後に光検出器17で光ヘテロダイン検出されると、
図3(b)に示す検出信号S1が得られる。検出信号S1に含まれる成分A1は、
図1に示す点z1で生じたレイリー散乱光に起因する成分である。検出信号S1に含まれる成分A2は、
図1に示す点z2で生じたレイリー散乱光に起因する成分である。検出信号S1に含まれる成分A3は、
図1に示す点z2よりも遠方の点z3で生じたレイリー散乱光に起因する成分である。
【0064】
光検出器17から出力された検出信号S1は、周波数変換部18において、周波数発生器18aから出力される信号S20を用いて周波数変換器18bによって周波数変換される。ここで、本実施形態では、
図3(c)に示す通り、周波数変換器18bから信号S20が出力されるタイミングが、時刻t2に設定されている。つまり、測定光LM1が
図1に示す点z1に達したときに生じたレイリー散乱光LS11が被測定光ファイバFUTの一端に達した時刻t2で信号S20の出力が開始される。信号S20の周波数は、時刻t2においてf21であり、時刻t32においてf22である。尚、時刻t32は、時刻t10から、時刻0から時刻t2までの時間が経過した時刻である。
【0065】
図3(b)に示す検出信号S1が、
図3(c)に示す信号S20を用いて周波数変換されると、
図3(d)に示す信号S2が得られる。例えば、信号S2に含まれる時刻t2~t8の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f30を有する成分B1は、
図3(b)に示す成分A1の周波数が変換されたものである。また、信号S2に含まれる時刻t6~t10の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f31を有する成分B2は、
図3(b)に示す成分A2の周波数が変換されたものである。また、信号S2に含まれる時刻t31~t32の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f32を有する成分B3は、
図3(b)に示す成分A3の周波数が変換されたものである。
【0066】
周波数変換部18で得られた信号S2は、測定部19に入力される。そして、第1実施形態と同様の処理が行われて、測定点の各々における被測定光ファイバFUTの特性(例えば、長さ方向における温度分布や歪み分布等)が測定される。以上説明した処理が繰り返し行われることによって、例えば、被測定光ファイバFUTの点z1から点z3までの特性が連続的に測定される。
【0067】
以上の通り、本実施形態では、第1実施形態と同様に、まず、光源11から出力される一定周波数の光を測定光LMと参照光LRとに分岐する。次に、周波数が順次変化する信号S10を用いて、測定光LMの周波数を順次シフトさせ、周波数が順次シフトする測定光LMを被測定光ファイバFUTの一端から入射させ、被測定光ファイバFUT内で生じたレイリー散乱光LSを出力する。次いで、参照光LRとレイリー散乱光LSとの干渉光を検出し、周波数が順次変化する信号S20を用いて、検出された検出信号S1の周波数を変換する。そして、周波数が変換された信号S2を用いて被測定光ファイバFUTの特性を測定している。これにより、第1実施形態と同様に、従来よりも測定誤差が小さく、測定距離を長くすることができる。
【0068】
また、本実施形態では、周波数変換部18に設けられた周波数発生器18aが、信号S20の周波数範囲を変えることなく、信号S2の発生開始タイミングを調整可能である。本実施形態では、周波数発生器18aから出力される信号S20のタイミングを、第1実施形態とは異ならせるだけで、被測定光ファイバFUTの測定範囲をシフトさせることができる。具体的に、第1実施形態の光ファイバ特性測定装置1の測定範囲は、例えば、被測定光ファイバFUTの一端から点z2までの範囲であったが、本実施形態の光ファイバ特性測定装置の測定範囲は、例えば、点z1から点z3までの範囲である。
【0069】
〔第3実施形態〕
〈光ファイバ特性測定装置〉
図4は、本発明の第3実施形態による光ファイバ特性測定装置の要部構成を示すブロック図である。尚、
図4においては、
図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付してある。
図4に示す通り、本実施形態の光ファイバ特性測定装置2は、
図1に示す光ファイバ特性測定装置1とは、周波数変換部18に替えて周波数変換部18A,18B,18Cが設けられており、測定部19に替えて測定部19Aが設けられている点が異なる。このような光ファイバ特性測定装置2は、
図1に示す光ファイバ特性測定装置1よりも測定距離を長くしたものである。尚、本実施形態では、被測定光ファイバFUTの長さが、第1実施形態における被測定光ファイバFUTの長さの約3倍となっている点に注意されたい。
【0070】
周波数変換部18A,18B,18Cは、
図1に示す周波数変換部18と同様の構成である。つまり、周波数変換部18A,18B,18Cは、周波数発生器18aと周波数変換器18bとを備えており、光検出器17から出力される検出信号S1の周波数を変換する。ここで、周波数変換部18Aから出力される信号S2と、周波数変換部18Bから出力される信号S2とを区別するために、前者を「信号S2a」といい、後者を「信号S2b」という。同様に、周波数変換部18Cから出力される信号S2を「信号S2c」という。
【0071】
また、周波数変換部18Aに設けられた周波数発生器18aから出力される信号S20と、周波数変換部18Bに設けられた周波数発生器18aから出力される信号S20とを区別するために、前者を「信号S20a」といい、後者を「信号S20b」という。同様に、周波数変換部18Cに設けられた周波数発生器18aから出力される信号S20を「信号S20c」という。信号S20a,S20b,S20cは何れも、周波数f21~f22の周波数範囲(例えば、360~560MHzの範囲)で周波数が順次変化する信号である。但し、詳細は後述するが、信号S20aの発生開始タイミング、信号S20bの発生開始タイミング、及び信号S20cの発生開始タイミングは互いに異なるように調整されている。
【0072】
測定部19Aは、切出部21a,21b,21c、フーリエ変換部22a,22b,22c、及び信号処理部23Aを備えており、周波数変換部18から出力される信号S2a,S2b,S2cを用いて被測定光ファイバFUTの特性を測定する。つまり、測定部19Aは、周波数変換部18Aに対応する切出部21a及びフーリエ変換部22aと、周波数変換部18Bに対応する切出部21b及びフーリエ変換部22bと、周波数変換部18Cに対応する切出部21c及びフーリエ変換部22cとを備える構成である。
【0073】
切出部21a,21b,21cは、
図1に示す切出部21と同様のものであり、フーリエ変換部22a,22b,22cは、
図1に示すフーリエ変換部22と同様のものである。このため、これらの詳細な説明は省略する。信号処理部23Aは、基本的には、
図1に示す信号処理部23と同様の処理を行うことで、被測定光ファイバFUTの特性(例えば、長さ方向における温度分布や歪み分布等)を測定する。但し、信号処理部23Aは、上記の処理を、フーリエ変換部22a,22b,22cの各々で求められた周波数成分の大きさを用いて行う点が信号処理部23とは異なる。
【0074】
〈光ファイバ特性測定方法〉
図5は、本発明の第3実施形態による光ファイバ特性測定装置の動作を説明するための図である。尚、
図5(a)は、測定光LM及びレイリー散乱光LSが被測定光ファイバFUT内を進行する様子を示す図である。
図5(b)は、光検出器17から出力される検出信号S1を示す図である。
図5(c)は、周波数変換部18Aに設けられた周波数発生器18aから出力される信号S20aを示す図であり、
図5(d)は、周波数変換部18Aから出力される信号S2aを示す図である。
図5(e)は、周波数変換部18Bに設けられた周波数発生器18aから出力される信号S20bを示す図であり、
図5(f)は、周波数変換部18Bから出力される信号S2bを示す図である。
図5(g)は、周波数変換部18Cに設けられた周波数発生器18aから出力される信号S20cを示す図であり、
図5(h)は、周波数変換部18Cから出力される信号S2cを示す図である。尚、
図5(a),(b)においては、
図2(a),(b)に示したものと同じものについては同じ符号を付してある。
【0075】
図5(a)に示す通り、時刻0で周波数がf0+f11の測定光LM(測定光LM1)が被測定光ファイバFUTに入射され、時刻tsで周波数がf0+f12の測定光LM(測定光LM2)が被測定光ファイバFUTに入射されるとする。これは、第1,第2実施形態と同様である。
【0076】
被測定光ファイバFUTに入射された測定光LM1が、被測定光ファイバFUT内を伝播するに従って、被測定光ファイバFUTの各点でレイリー散乱光LSが生ずる。例えば、測定光LM1が、
図4に示す点z2に達するとレイリー散乱光LS12が生じ(時刻t3)、
図4に示す点z4に達するとレイリー散乱光LS14が生じ(時刻t6)、
図4に示す点z6に達するとレイリー散乱光LS16が生ずる。これらレイリー散乱光LS12,LS14,LS16は、測定光LM1の伝播方向とは逆方向に伝播する。そして、レイリー散乱光LS12は、時刻t6で被測定光ファイバFUTの一端に達し、レイリー散乱光LS14は、時刻t41で被測定光ファイバFUTの一端に達し、レイリー散乱光LS16は、時刻t61で被測定光ファイバFUTの一端に達する。
【0077】
同様に、被測定光ファイバFUTに入射された測定光LM2が、被測定光ファイバFUT内を伝播するに従って、被測定光ファイバFUTの各点でレイリー散乱光LSが生ずる。例えば、測定光LM2が、
図4に示す点z2に達するとレイリー散乱光LS22が生じ(時刻t9)、
図4に示す点z4に達するとレイリー散乱光LS24が生じ(時刻t10)、点z6に達するとレイリー散乱光LS26が生ずる。これらレイリー散乱光LS22,LS24,LS26は、測定光LM2の伝播方向とは逆方向に伝播する。そして、レイリー散乱光LS22は、時刻t10で被測定光ファイバFUTの一端に達し、レイリー散乱光LS24は、時刻t42で被測定光ファイバFUTの一端に達する。尚、レイリー散乱光LS26は、時刻t61から時間t
scanだけ経過した時刻t62に被測定光ファイバFUTの一端に達する。
【0078】
被測定光ファイバFUTの一端に達したレイリー散乱光LSが、光サーキュレータ15を介して光合波器16に入射され、参照光LRと合波された後に光検出器17で光ヘテロダイン検出されると、
図5(b)に示す検出信号S1が得られる。検出信号S1に含まれる成分A0は、被測定光ファイバFUTの一端の近傍で生じたレイリー散乱光に起因する成分である。検出信号S1に含まれる成分A2は、
図4に示す点z2で生じたレイリー散乱光に起因する成分である。検出信号S1に含まれる成分A4は、
図4に示す点z4で生じたレイリー散乱光に起因する成分である。検出信号S1に含まれる成分A6は、
図4に示す点z6で生じたレイリー散乱光に起因する成分である。
【0079】
光検出器17から出力された検出信号S1は、周波数変換部18A,18B,18Cに入力されて周波数変換される。具体的に、周波数変換部18Aに入力された検出信号S1は、周波数発生器18aから出力される信号S20aを用いて周波数変換器18bによって周波数変換される。また、周波数変換部18Bに入力された検出信号S1は、周波数発生器18aから出力される信号S20bを用いて周波数変換器18bによって周波数変換される。同様に、周波数変換部18Cに入力された検出信号S1は、周波数発生器18aから出力される信号S20cを用いて周波数変換器18bによって周波数変換される。
【0080】
ここで、
図5(c),(e),(g)に示す通り、周波数変換部18Aで用いられる信号S20aと、周波数変換部18Bで用いられる信号S20bと、周波数変換部18Cで用いられる信号S20cとは、互いに異なるタイミングで発生するように調整されている。
図5(c)に例示する通り、周波数変換部18Aで用いられる信号S20aは、時刻0で発生するようにタイミングが調整されている。また、
図5(e)に例示する通り、周波数変換部18Bで用いられる信号S20bは、時刻t6で発生するようにタイミングが調整されている。尚、時刻t6は、測定光LM1が点z2に達したときに生じたレイリー散乱光LS12が、被測定光ファイバFUTの一端に達する時刻である。同様に、
図5(g)に例示する通り、周波数変換部18Cで用いられる信号S20cは、時刻t41で発生するようにタイミングが調整されている。尚、時刻t41は、測定光LM1が点z4に達したときに生じたレイリー散乱光LS14が、被測定光ファイバFUTの一端に達する時刻である。
【0081】
図5(b)に示す検出信号S1が、
図5(c)に示す信号S20aを用いて周波数変換されると、
図5(d)に示す信号S2aが得られる。例えば、信号S2aに含まれる時刻0~tsの間(時間t
scanの間)において一定の周波数f41を有する成分B10は、
図5(b)に示す成分A0の周波数が変換されたものである。また、信号S2aに含まれる時刻t6~t10の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f42を有する成分B12は、
図5(b)に示す成分A2の周波数が変換されたものである。
【0082】
図5(b)に示す検出信号S1が、
図5(e)に示す信号S20bを用いて周波数変換されると、
図5(f)に示す信号S2bが得られる。例えば、信号S2bに含まれる時刻t6~t10の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f41を有する成分B22は、
図5(b)に示す成分A2の周波数が変換されたものである。また、信号S2bに含まれる時刻t41~t42の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f42を有する成分B24は、
図5(b)に示す成分A4の周波数が変換されたものである。
【0083】
図5(b)に示す検出信号S1が、
図5(g)に示す信号S20cを用いて周波数変換されると、
図5(h)に示す信号S2cが得られる。例えば、信号S2cに含まれる時刻t41~t42の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f41を有する成分B34は、
図5(b)に示す成分A4の周波数が変換されたものである。また、信号S2cに含まれる時刻t61~t62の間(時間t
scanの間)において一定の周波数f42を有する成分B36は、
図5(b)に示す成分A6の周波数が変換されたものである。
【0084】
周波数変換部18Aで得られた信号S2a及び周波数変換部18Bで得られた信号S2b、周波数変換部18Cで得られた信号S2cは測定部19Aに入力される。信号S2aについては、切出部21a及びフーリエ変換部22aによって、切り出し及びフーリエ変換の処理が行われ、信号S2bについては、切出部21b及びフーリエ変換部22bによって、切り出し及びフーリエ変換の処理が行われ、信号S2cについては、切出部21c及びフーリエ変換部22cによって、切り出し及びフーリエ変換の処理が行われる。そして、フーリエ変換部22a,22b,22cによって求められた測定点に対応する周波数成分の大きさが信号処理部23Aに入力され、測定点の各々における被測定光ファイバFUTの特性(例えば、長さ方向における温度分布や歪み分布等)が測定される。以上説明した処理が繰り返し行われることによって、例えば、被測定光ファイバFUTの一端から点z6までの特性が連続的に測定される。
【0085】
以上の通り、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、まず、光源11から出力される一定周波数の光を測定光LMと参照光LRとに分岐する。次に、周波数が順次変化する信号S10を用いて、測定光LMの周波数を順次シフトさせ、周波数が順次シフトする測定光LMを被測定光ファイバFUTの一端から入射させ、被測定光ファイバFUT内で生じたレイリー散乱光LSを出力する。次いで、参照光LRとレイリー散乱光LSとの干渉光を検出し、周波数が順次変化する信号S20を用いて、検出された検出信号S1の周波数を変換する。そして、周波数が変換された信号S2を用いて被測定光ファイバFUTの特性を測定している。これにより、第1実施形態と同様に、従来よりも測定誤差が小さく、測定距離を長くすることができる。
【0086】
また、本実施形態では、3つの周波数変換部18A,18B,18Cを設け、周波数変換部18Aに対応する切出部21a及びフーリエ変換部22aと、周波数変換部18Bに対応する切出部21b及びフーリエ変換部22bと、周波数変換部18Cに対応する切出部21c及びフーリエ変換部22cとを備える測定部19Aを設けている。そして、周波数変換部18Aで用いられる信号S20aの発生開始タイミングと、周波数変換部18Bで用いられる信号S20bの発生開始タイミングと、周波数変換部18Cで用いられる信号S20cの発生開始タイミングとを異ならせている。これにより、信号S20a,S20b,S20cの周波数範囲を変えることなく、第1,第2実施形態よりも測定距離を長くすることができる。
【0087】
以上、本発明の実施形態による光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した第1~第3実施形態において、レイリー散乱光LSと参照光LRとの偏波面が一致しないと感度が低下するため、偏波ダイバーシティ等によってレイリー散乱光LSと参照光LRとの偏波面を一致させるのが望ましい。
【0088】
また、上記第1~第3実施形態においては、光検出器17と周波数変換部18(周波数変換部18A,18B,18C)との間にA/D変換器を設け、光検出器17から検出信号S1をディジタル信号に変換しても良い。この構成の場合には、周波数変換部18(周波数変換部18A,18B,18C)及び測定部19(測定部19A)はディジタル回路で構成される。或いは、周波数変換部18(周波数変換部18A,18B,18C)と測定部19(測定部19A)の間にA/D変換器を設け、周波数変換部18(周波数変換部18A,18B,18C)から出力される信号S2(信号S2a,S2b,S2c)をディジタル信号に変換しても良い。この構成の場合には、測定部19(測定部19A)はディジタル回路で構成される。
【0089】
また、上記第1~第3実施形態においては、周波数変換部18(周波数変換部18A,18B,18C)で用いられる信号S20(信号S20a,S20b,S20c)の周波数範囲が、一定(周波数f21~f22)である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、周波数シフト部13で用いられる信号S10の周波数をf11からf12まで変化させるのに要する時間tscanとは独立に、信号S20(信号S20a,S20b,S20c)の周波数範囲を拡げてもよい。信号S20(信号S20a,S20b,S20c)の周波数範囲を拡げることによっても測定距離を長くすることができる。
【0090】
また、上記第3実施形態においては、被測定光ファイバFUTの長さが、例えば、被測定光ファイバFUTの一端から点z6までの範囲である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、時刻t62以降も、
図5(c),(e),(g)に示すタイミングで信号S20a,S20b,S20cを繰り返し発生させることで、更に測定距離範囲を長くすることができる。
【符号の説明】
【0091】
1,2 光ファイバ特性測定装置
11 光源
12 光分岐器
13 周波数シフト部
14 光スイッチ
15 光サーキュレータ
17 光検出器
18 周波数変換部
18A,18B,18C 周波数変換部
18a 周波数発生器
19,19A 測定部
21 切出部
21a,21b,21c 切出部
22 フーリエ変換部
22a,22b,22c フーリエ変換部
23,23A 信号処理部
FUT 被測定光ファイバ
LM 測定光
LR 参照光
LS レイリー散乱光
S1 検出信号
S2 信号
S2a,S2b,S2c 信号
S10 信号
S20 信号
S20a,S20b,S20c 信号
tscan 時間