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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075058
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】食習慣分類システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20240527BHJP
【FI】
G16H20/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186204
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】播 さや香
(72)【発明者】
【氏名】青山 寛
(72)【発明者】
【氏名】松井 祐司
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】本発明は、ユーザの食習慣を適切に分類する食習慣分類システムに関する。
【解決手段】本発明の一形態に係る食習慣分類システムは、各分析対象ユーザの食習慣情報と生体指標に関するデータを複数の分析対象ユーザ分取得するデータ取得部と、データに対して因子分析を実行し、因子別に複数の食習慣分類を生成する食習慣分類生成部と、複数の食習慣分類間で生体指標に対する寄与率が大きい順に優先順位を決定する順位決定部と、提供対象ユーザ毎の食習慣情報に基づいて提供対象ユーザ毎の食習慣が各食習慣分類に該当するか否かを判定する食習慣分類判定部と、提供対象ユーザの食習慣が1つの食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣をその食習慣分類に分類し、提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を優先順位が最も高い食習慣分類に分類する食習慣分類決定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供対象ユーザの食習慣を体脂肪蓄積又は生活習慣病罹患の原因別に分類する食習慣分類システムであって、
各分析対象ユーザの食習慣に関する情報である食習慣情報と生体指標に関するデータを複数の分析対象ユーザ分取得するデータ取得部と、
前記データに対して因子分析を実行し、前記食習慣情報の前記生体指標に対する因子別に複数の食習慣分類を生成する食習慣分類生成部と、
前記複数の食習慣分類間で前記生体指標に対する寄与率が大きい順に優先順位を決定する順位決定部と、
提供対象ユーザ毎の前記食習慣情報に基づいて提供対象ユーザ毎の食習慣が前記複数の食習慣分類の各食習慣分類に該当するか否かを判定する食習慣分類判定部と、
提供対象ユーザの食習慣が前記複数の食習慣分類のうち1つの食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記1つの食習慣分類に分類し、提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記優先順位が最も高い食習慣分類に分類する食習慣分類決定部と、
を備える食習慣分類システム。
【請求項2】
前記食習慣情報は、食習慣に関する複数の質問項目への回答であり、
前記食習慣分類生成部は、前記複数の質問項目に含まれる各質問項目の因子負荷量を算出し、前記因子負荷量に応じて前記各質問項目を因子毎に選別し、選別結果に基づいて前記複数の食習慣分類を生成する
請求項1に記載の食習慣分類システム。
【請求項3】
前記食習慣分類生成部は、前記各質問項目を、前記因子負荷量が基準値以上の因子に選別する
請求項2に記載の食習慣分類システム。
【請求項4】
前記食習慣分類判定部は、前記各質問項目に対する回答に基づいて提供対象ユーザの食習慣が前記複数の食習慣分類の各食習慣分類に該当するか否かを判定する
請求項2または3に記載の食習慣分類システム。
【請求項5】
前記食習慣分類決定部は、提供対象ユーザの食習慣が前記複数の食習慣分類のいずれにも該当しない場合、その提供対象ユーザの食習慣分類を、因子別に生成された前記複数の食習慣分類とは別の分類に分類する
請求項1から4のいずれか一項に記載の食習慣分類システム。
【請求項6】
前記食習慣分類生成部は、バリマックス回転を伴う主因子法を用いた因子分析により前記寄与率を算出する
請求項1から5のいずれかに記載の食習慣分類システム。
【請求項7】
提供対象ユーザの食習慣を体脂肪蓄積又は生活習慣病罹患の原因別に分類する食習慣分類プログラムであって、情報処理装置に、
各分析対象ユーザの食習慣に関する情報である食習慣情報と生体指標に関するデータを複数の分析対象ユーザ分取得するステップと、
前記データに対して因子分析を実行し、前記食習慣情報の前記生体指標に対する因子別に複数の食習慣分類を生成するステップと、
前記複数の食習慣分類間で前記生体指標に対する寄与率が大きい順に優先順位を決定するステップと、
提供対象ユーザ毎の前記食習慣情報に基づいて提供対象ユーザ毎の食習慣が前記複数の食習慣分類の各食習慣分類に該当するか否かを判定するステップと、
提供対象ユーザの食習慣が前記複数の食習慣分類のうち1つの食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記1つの食習慣分類に分類し、提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記優先順位が最も高い食習慣分類に分類するステップと、
を実行させる食習慣分類プログラム。
【請求項8】
提供対象ユーザの食習慣を体脂肪蓄積又は生活習慣病罹患の原因別に分類する食習慣分類方法であって、
各分析対象ユーザの食習慣に関する情報である食習慣情報と生体指標に関するデータを複数の分析対象ユーザ分取得し、
前記データに対して因子分析を実行し、前記食習慣情報の前記生体指標に対する因子別に複数の食習慣分類を生成し、
前記複数の食習慣分類間で前記生体指標に対する寄与率が大きい順に優先順位を決定し、
提供対象ユーザ毎の前記食習慣情報に基づいて提供対象ユーザ毎の食習慣が前記複数の食習慣分類の各食習慣分類に該当するか否かを判定し、
提供対象ユーザの食習慣が前記複数の食習慣分類のうち1つの食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記1つの食習慣分類に分類し、提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記優先順位が最も高い食習慣分類に分類する
食習慣分類方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの食習慣を分類する食習慣分類システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの食事内容や活動内容を評価し、評価結果に応じて体脂肪低減又は生活習慣病予防のためのアドバイスを生成する技術が開発されている。例えば特許文献1には、ユーザの体重の増加率や歩数、食事摂取量等の生活習慣情報と天候や気温等の環境情報に基づいて生活習慣の改善を提案するメッセージを生成する生活習慣改善提案装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-160569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の発明では生活習慣情報と環境情報が所定の条件を満たす場合、その条件に応じた既定のメッセージをユーザに提示するものである。ここで、ユーザによって体脂肪蓄積原因や生活習慣病罹患原因は相違するため、ユーザ間で共通の条件に応じてアドバイスを提示しても体脂肪低減又は生活習慣病予防のための効果的なアドバイスとならない場合がある。一方、ユーザの食習慣を適切に分類することができれば、その分類を利用してユーザ毎に効果的なアドバイスを提供することが可能となる。
【0005】
本発明は、ユーザの食習慣を適切に分類する食習慣分類システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る食習慣分類システムは提供対象ユーザの食習慣を体脂肪蓄積又は生活習慣病罹患の原因別に分類する食習慣分類システムであって、
各分析対象ユーザの食習慣に関する情報である食習慣情報と生体指標 に関するデータを複数の分析対象ユーザ分取得するデータ取得部と、
前記データに対して因子分析を実行し、前記食習慣情報の前記生体指標に対する因子別に複数の食習慣分類を生成する食習慣分類生成部と、
前記複数の食習慣分類間で前記生体指標に対する寄与率が大きい順に優先順位を決定する順位決定部と、
提供対象ユーザ毎の前記食習慣情報に基づいて提供対象ユーザ毎の食習慣が前記複数の食習慣分類の各食習慣分類に該当するか否かを判定する食習慣分類判定部と、
提供対象ユーザの食習慣が前記複数の食習慣分類のうち1つの食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記1つの食習慣分類に分類し、提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記優先順位が最も高い食習慣分類に分類する食習慣分類決定部と、を備える。
【0007】
本発明の一形態に係る食習慣分類プログラムは、提供対象ユーザの食習慣を体脂肪蓄積又は生活習慣病罹患の原因別に分類する食習慣分類プログラムであって、情報処理装置に、
各分析対象ユーザの食習慣に関する情報である食習慣情報と生体指標に関するデータを複数の分析対象ユーザ分取得するステップと、
前記データに対して因子分析を実行し、前記食習慣情報の前記生体指標に対する因子別に複数の食習慣分類を生成するステップと、
前記複数の食習慣分類間で前記生体指標に対する寄与率が大きい順に優先順位を決定するステップと、
提供対象ユーザ毎の前記食習慣情報に基づいて提供対象ユーザ毎の食習慣が前記複数の食習慣分類の各食習慣分類に該当するか否かを判定するステップと、
提供対象ユーザの食習慣が前記複数の食習慣分類のうち1つの食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記1つの食習慣分類に分類し、提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記優先順位が最も高い食習慣分類に分類するステップと、を実行させる。
【0008】
本発明の一形態に係る食習慣分類方法は、提供対象ユーザの食習慣を体脂肪蓄積又は生活習慣病罹患の原因別に分類する食習慣分類方法であって、
各分析対象ユーザの食習慣に関する情報である食習慣情報と生体指標に関するデータを複数の分析対象ユーザ分取得し、
前記データに対して因子分析を実行し、前記食習慣情報の前記生体指標に対する因子別に複数の食習慣分類を生成し、
前記複数の食習慣分類間で前記生体指標に対する寄与率が大きい順に優先順位を決定し、
提供対象ユーザ毎の前記食習慣情報に基づいて提供対象ユーザ毎の食習慣が前記複数の食習慣分類の各食習慣分類に該当するか否かを判定し、
提供対象ユーザの食習慣が前記複数の食習慣分類のうち1つの食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記1つの食習慣分類に分類し、提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当する場合、その提供対象ユーザの食習慣を前記優先順位が最も高い食習慣分類に分類する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの食習慣を適切に分類することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係るアドバイス提供システムの構成を示すブロック図である。
図2】上記アドバイス提供システムが備えるアドバイス提供装置からユーザに提示される質問項目の提示画面の例である。
図3】上記アドバイス提供装置からユーザに提示される食習慣分類結果の提示画面の例である。
図4】上記アドバイス提供装置からユーザに提示されるアドバイスの例である。
図5】上記アドバイス提供装置からユーザに提示される提示情報の例である。
図6】上記アドバイス提供装置の動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の第2の実施形態に係るアドバイス提供システムの構成を示すブロック図である。
図8】上記アドバイス提供システムが備えるアドバイス提供装置による食習慣の分類方法を示す模式図である。
図9】上記アドバイス提供装置からユーザに提示されるアドバイスの例である。
図10】上記アドバイス提供装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るアドバイス提供システムについて説明する。なお、本実施形態に係るアドバイス提供システムは食習慣分類システムとしても機能するため、以下のアドバイス提供システムは食習慣分類システムと読み替えることもできる。
【0013】
[アドバイス提供システムの構成]
本実施形態に係るアドバイス提供システムの構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るアドバイス提供システム100は、食習慣分類生成装置10とアドバイス提供装置20を備える。
【0014】
アドバイス提供システム100は、ユーザに体脂肪低減又は生活習慣病予防のためのアドバイスを提供するシステムである。「体脂肪低減」には内臓脂肪低減、腹囲低減、体重低減、体脂肪率低減及びメタボリックシンドローム解消が含まれる。また、「生活習慣病予防」には高血圧改善、高血糖改善、脂質異常改善及び肥満解消が含まれる。
【0015】
アドバイス提供システム100は生体指標を利用してアドバイスを生成する。生体指標は腹囲、VFA(Visceral Fat Area:内臓脂肪面積)、FBS(Fasting blood sugar;空腹時血糖)、TG(Triglyceride:血中脂質(トリグリセライド))、HDL-C(High Density Lipoprotein Cholesterol:血中脂質(HDLコレステロール))、SBP(Systolic Blood Pressure:収縮時血圧)、DBP(Diastolic Blood Pressure:拡張期血圧)等の生体の状態を表す指標である。
【0016】
アドバイス提供システム100はアドバイス提供対象の症状に応じて特定の生体指標を利用する。以下、アドバイス提供システム100が利用する生体指標を「特定生体指標」とする。下記、表1は症状と特定生体指標の例を示す。なお、症状と特定生体指標はここに示すものに限られない。例えば内臓脂肪蓄積の特定生体指標は腹囲や体重であってもよい。
【0017】
【表1】
【0018】
食習慣分類生成装置10は食習慣分類を生成する情報処理装置である。食習慣分類生成装置10は特定生体指標が表1に示す基準値以上のユーザを分析対象として分析し、食習慣分類を生成する。以下、このユーザを「分析対象ユーザ」とする。分析対象ユーザの数は特に限定されないが、100人以上が好適である。
【0019】
食習慣分類生成装置10は図1に示すように、データ取得部11、食習慣分類生成部12及び順位決定部13を備える。データ取得部11は各分析対象ユーザの食習慣(食生活、食行動、生活行動、運動習慣及び性格を含む)に関する情報である「食習慣情報」と特定生体指標のデータを複数の分析対象ユーザ分取得する。
【0020】
食習慣情報は、以下に示すような食習慣に関する35項目の質問項目への回答である。なお、これらに限定されるわけではない。
Q01 空腹でなくても美味しそうな匂いがするとつい食べてしまう
Q02 周りで誰かが何か食べていると一緒に食べてしまう
Q03 ゆううつな気分のときは食べ過ぎる
Q04 太らないように意識的に食事量を控えている
Q05 一日中おなかがすいているような気がする
Q06 食べすぎに対する罪悪感があって食べる量を減らしている
Q07 低カロリーの食品を買うようにしている
Q08 人より食べるのが速いと思う
Q09 緑黄色野菜を積極的に食べている
Q10 ハンバーガー・ドーナツ・ポテトチップが好きだ
Q11 食物繊維が多い食品を積極的に選んでいる
Q12 肉より魚が好きだ
Q13 夕食後に夜食をよく食べる
Q14 動物性脂肪を控え、植物性脂肪や魚の脂肪をとるようにしている
Q15 自分は人よりも太りやすい体質だと思う
Q16 食べなければ元気が出ないと思う
Q17 食事の時間がでたらめだ
Q18 甘いものに目がない
Q19 夜食を食べる
Q20 果物やお菓子が置いてあるとついつい手が出てしまう
Q21 食べ物をもらうともったいないので食べてしまう
Q22 食料品は必要量よりも多めに買っておかないと気がすまない
Q23 仕事で夕食が遅くなることが多い
Q24 エレベーターやエスカレーターがあったら使う
Q25 寝る2時間以上前に夕食を済ませている
Q26 歩きも自転車も好きではない
Q27 運動はあまりしない
Q28 ほとんど噛まない
Q29 食べすぎというよりも運動不足だと思う
Q30 朝が弱い夜型人間だ
Q31 怠けものだ
Q32 洞察力がある
Q33 協力的だ
Q34 積極的だ
Q35 緊張しやすい
【0021】
分析対象ユーザは各質問項目について、「あてはまらない=1」、「あまりあてはまらない=2」、「どちらともいえない=3」、「ややあてはまる=4」、「あてはまる=5」のいずれかを選択して回答し、食習慣情報を生成する。なお、上記質問項目は一例であり他の質問項目であってもよい。また、質問項目の数も35項目に限られない。データ取得部11は取得した食習慣情報と生体指標のデータを食習慣分類生成部12に供給する。
【0022】
食習慣分類生成部12は、データ取得部11から供給されたデータに対して因子分析を実行し、食習慣情報の生体指標に対する因子別に複数の食習慣分類を生成する。食習慣分類は分析対象ユーザの食習慣を分類したものであり、例えば「低健康志向」、「間食」、「夜食」、「早食い」、「運動不足」、「夜遅い食事」、「その他(いずれの項目にも該当しない)」といった分類である。
【0023】
食習慣分類生成部12は複数の分析対象ユーザの食習慣情報と生体指標のデータについて因子分析を行う。因子分析の手法としては、限定されるものではないが、食習慣情報と生体指標に関するデータを統計的に調査したデータなどが好ましいものとして示される。例えば、統計データを用いた重回帰分析、ロジスティック回帰モデル、多層パーセプトロン、CNN(Convolutional Neural Network)及びRNN(Recurrent Neural Network)等のニューラルネットワーク、ガウシアンカーネル等の任意のカーネル関数を用いるサポートベクターマシーン、回帰木としてモデル化したランダムフォレスト、隠れマルコフモデルなどを利用したモデル、統計モデル、確率モデル、因子分析及びテーブルを活用した対応表など、種々のモデルを採用することもできる。また、種々のモデルを組み合わせて総合的な判定を行うモデルを採用することもできる。その中でも特に、バリマックス回転を伴う主因子法を用いた因子分析を用いることが好ましい。
【0024】
下記の表2及び表3では内臓脂肪蓄積の生体指標であるVFAについて「バリマックス回転を伴う主因子法」により算出した各質問項目の「因子負荷量」、因子毎の「固有値」、「寄与率」及び「累積寄与率」を示す。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
食習慣分類生成部12は表2及び表3に示すように各質問項目を因子負荷量に応じて因子毎に選別する。例えば、Q04,Q07,Q06,Q09、Q11は「因子1」に対する因子負荷量(黒四角内)が基準値を超えるため、「因子1」に選別される。基準値は例えば0.4である。同様にQ02,Q01,Q20は「因子2」に、Q19,Q13は「因子3」に、Q08,Q28は「因子4」にそれぞれ選別される。また、Q27,Q29は「因子5」に、Q25,Q23は「因子6」にそれぞれ選別される。食習慣分類生成部12は各因子に選別された質問項目の内容に応じて、因子毎に「低健康志向」等の食習慣分類を生成する。
【0028】
VFA以外の生体指標の場合も同様に、食習慣分類生成部12は各質問項目を因子負荷量に応じて因子毎に選別する。下記の表4は各症状についての因子毎の食習慣分類を示す。表4に示すように各症状について因子毎の食習慣分類と該当する質問事項は相違する。食習慣分類生成部12は、生成した食習慣分類と「寄与率」を順位決定部13に供給する。
【0029】
【表4】
【0030】
順位決定部13は、食習慣分類間で寄与率が大きい順に優先順位を決定する。表2及び表3の例では「低健康志向」の寄与率(0.12)が最も大きく、「間食」の寄与率(0.11)が次に大きい。以下、寄与率は「夜食」、「早食い」、「運動不足」、「夜遅い食事」の順で次第に小さくなる。このため、順位決定部13は「低健康志向」の優先順位を最も高くし、以下、「間食」、「夜食」、「早食い」、「運動不足」、「夜遅い食事」の順で優先順位を付する。
【0031】
表4には各症状について、寄与率による食習慣分類の優先順位を示す。表4に示すように、順位決定部13は、「脂質異常」については「夜食」の優先順位を最も高くし、以下、「過食」、「運動不足」、「低健康志向」の順で優先順位を付する。また「高血圧」については「夜食」の優先順位を最も高くし、以下、「間食」、「運動不足」、「低健康志向」、「早食い」の順で優先順位を付する。「高血糖」については「間食」の優先順位を最も高くし、以下、「夜食」、「運動不足」、「食事時間不規則」、「食事量制限」の順で優先順位を付する。順位決定部13は食習慣分類と優先順位をアドバイス提供装置20に供給する。なお、食習慣分類名、寄与率および優先順位は用いるデータによって得られる値は異なる。本明細書にて開示する結果は一例である。優先順位はユーザの求める改善目的に応じて変えてもよい。
【0032】
アドバイス提供装置20は体脂肪低減又は生活習慣病予防のためのアドバイスをユーザに提供する情報処理装置である。以下、アドバイスの提供対象とするユーザを「提供対象ユーザ」とする。アドバイス提供装置20は、図1に示すように提供対象ユーザ判定部21、食習慣情報取得部22、食習慣分類部23、記録情報取得部24、評価部25、アドバイス生成部26及び提示情報生成部27を備える。
【0033】
提供対象ユーザ判定部21は、提供対象ユーザを判定する。提供対象ユーザ判定部21は、上記特定生体指標が規定値を超えているユーザを提供対象ユーザとして判定することができる。規定値は例えばVFAの場合、男性は10cm以上、好ましくは50cm以上、より好ましくは80cm以上、さらに好ましくは100cm以上、女性は10cm以上、好ましくは30cm以上、より好ましくは50cm以上、さらに好ましくは80cm以上である。また、例えば腹囲の場合、男性は85cm≧、女性は90cm≧である。
【0034】
提供対象ユーザ判定部21は、ユーザが入力した自己の特定生体指標が規定値を超えているユーザを提供対象ユーザとして判定することができる。また、提供対象ユーザ判定部21は、ユーザが入力した情報から当該ユーザの特定生体指標を推定し、この推定値が上記規定値を超えているユーザを施対象ユーザとして判定することができる。
【0035】
例えば提供対象ユーザ判定部21は、ユーザが入力した身体情報、例えば性別、年齢、身長、体重、腹囲及びこれらの情報を推定できる画像データ等からVFA等の内臓脂肪蓄積量を推定し、推定値が規定値を超えているユーザを提供対象ユーザとして判定することができる。なお、提供対象ユーザ判定部21は特定生体指標以外の情報により提供対象ユーザを判定してもよく、全てのユーザを提供対象ユーザとして判定してもよい。
【0036】
食習慣情報取得部22は、提供対象ユーザの食習慣情報を取得する。食習慣情報は上述した、食習慣に関する35項目の質問項目への回答である。食習慣情報取得部22は図2に示すような質問項目の提示画面を生成することができ、1画面に1つの質問項目を表示することで回答しやすくすることができる。また食習慣情報取得部22は提供対象ユーザの性別、年齢、居住地、出身地、職業、所得等の食生活に影響を及ぼすパーソナルデータをさらに取得してもよい。
【0037】
食習慣分類部23は、食習慣情報に基づいて提供対象ユーザの食習慣を、食習慣分類生成部12が生成した食習慣分類のいずれかに分類する。図1に示すように食習慣分類部23は、食習慣分類判定部28と食習慣分類決定部29を備える。
【0038】
食習慣分類判定部28は、提供対象ユーザ毎の食習慣情報に基づいて提供対象ユーザ毎の食習慣が各食習慣分類に該当するか否かを判定する。食習慣分類判定部28は、各食習慣分類に選別された質問項目の回答点数に応じて提供対象ユーザの食習慣が各食習慣分類に該当するか否かを判定することができる。回転点数は上述した「あてはまらない=1」、「あまりあてはまらない=2」、「どちらともいえない=3」、「ややあてはまる=4」、「あてはまる=5」の点数である。
【0039】
例えば内臓脂肪蓄積について、食習慣分類判定部28は「低健康志向」に選別された質問項目(表4参照)であるQ04,Q07,Q06,Q09及びQ11の回答点数がいずれも「あてはまらない=1」または「ややあてはまらない=2」であれば、その提供対象ユーザの食習慣が「低健康志向」に該当すると判定する。また、食習慣分類判定部28は「間食」に選別された質問項目であるQ02,Q01及びQ20の回答点数がいずれも「あてはまる=5」または「ややあてはまる=4」であれば、その提供対象ユーザの食習慣が「間食」に該当すると判定する。以下同様に、食習慣分類判定部28は「夜食」、「早食い」、「運動不足」各食習慣に分類された質問項目の回答点数に応じて提供対象ユーザの食習慣がこれらに該当するか否かを判定する。さらに、食習慣分類判定部28は「夜遅い食事」に選別された質問項目であるQ25の回答点数が「あてはまらない=1」または「ややあてはまらない=2」、かつQ23の回答点数が「あてはまる=5」または「ややあてはまる=4」であれば、その提供対象ユーザの食習慣が「夜遅い食事」に該当すると判定する。
【0040】
ここで、食習慣分類判定部28は、複数の食習慣分類において回答点数が条件に該当すれば、その提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当すると判定する。また、食習慣分類判定部28はいずれの食習慣分類においても回答点数がいずれの条件にも該当しなければ、その提供対象ユーザの食習慣がいずれの食習慣分類にも該当しないと判定する。
【0041】
また、別の手法として、食習慣分類判定部28は「低健康志向」に選別された質問項目(表4参照)であるQ04,Q07,Q06,Q09及びQ11の回答点数の合計が閾値以上であれば、その提供対象ユーザの食習慣が「低健康志向」に該当すると判定する。また、食習慣分類判定部28は「間食」に選別された質問項目であるQ02,Q01及びQ20の回答点数の合計が閾値以上であれば、その提供対象ユーザの食習慣が「間食」に該当すると判定する。以下同様に、食習慣分類判定部28は「夜食」、「早食い」、「運動不足」、「夜遅い食事」の各食習慣に分類された質問項目の回答点数に応じて提供対象ユーザの食習慣がこれらに該当するか否かを判定する。
【0042】
この場合、食習慣分類判定部28は、複数の食習慣分類において回答点数が閾値以上であれば、その提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当すると判定する。また、食習慣分類判定部28はいずれの食習慣分類においても回答点数が閾値未満であれば、その提供対象ユーザの食習慣がいずれの食習慣分類にも該当しないと判定する。
【0043】
食習慣分類決定部29は、食習慣分類判定部28による判定結果を受けて、提供対象ユーザの食習慣分類を決定する。食習慣分類決定部29は、食習慣分類判定部28によって提供対象ユーザの食習慣が1つの食習慣分類に該当すると判定された場合、その提供対象ユーザの食習慣を当該食習慣分類とするように決定する。
【0044】
また、食習慣分類決定部29は、食習慣分類判定部28によって提供対象ユーザの食習慣が複数の食習慣分類に該当すると判定された場合、その提供対象ユーザの食習慣を、順位決定部13が決定した優先順位(表4参照)が最も高い食習慣分類に分類するように決定する。例えば、内臓脂肪蓄積について特定の提供対象ユーザの食習慣が、食習慣分類判定部28によって「間食」と「運動不足」に該当すると判定された場合、食習慣分類決定部29はその提供対象ユーザの食習慣を、より優先順位が高い「間食」の食習慣分類とするように決定する。
【0045】
また、食習慣分類決定部29は食習慣分類判定部28によって提供対象ユーザの食習慣がいずれの食習慣分類にも該当しないと判定された場合、その提供対象ユーザの食習慣を因子別に生成された食習慣分類とは別の分類とすることができる。例えば、内臓脂肪蓄積について提供対象ユーザの食習慣がいずれの食習慣分類にも該当しないと判定された場合、食習慣分類決定部29は当該提供対象ユーザの食習慣を「基礎代謝低下」に分類する。これは、提供対象ユーザの食習慣には問題がないにもかかわらず、内臓脂肪蓄積量が規定値を超えているため、基礎代謝低下によるものと判断できるためである。
【0046】
食習慣分類部23は、以上のようにして提供対象ユーザの食習慣をいずれか一つに分類する。食習慣分類部23は図3に示すような食習慣分類の提示画面を生成することができ、分類結果を提供対象ユーザにビジュアル的に通知することができる。レーダーチャートは各食習慣分類に対する回答点数である。なお、食習慣分類部23は提供対象ユーザから食習慣分類の選択を受け付け、提供対象ユーザが選択した食習慣分類を当該ユーザの食習慣分類としてもよい。これは提供対象ユーザが以前に通知された自己の食習慣分類を把握している場合等に有効である。食習慣分類部23は提供対象ユーザの食習慣分類を記録情報取得部24に供給する。
【0047】
記録情報取得部24は、提供対象ユーザが記録した食事内容及び活動内容に関する情報である記録情報を取得する。記録情報取得部24は、各提供対象ユーザに対して、その提供対象ユーザの食習慣分類に応じた記録項目を含む記録項目群を生成する。下記表5及び表6は記録情報取得部が生成する記録項目群の例である。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
なお、記録項目群にはオプションとして、体脂肪の蓄積抑制や生活習慣病罹患予防に寄与する機能性成分である茶カテキン、クロロゲン酸、ALA-DAG(αリノレン酸ジアシルグリセロール)等の摂取量を加えてもよい。
【0051】
表5及び表6に示すように記録情報取得部が生成する記録項目群は「食習慣分類別項目」を含む。「食習慣分類別項目」は食習慣分類部23によって分類された食習慣分類別の記録項目であり、表5及び表6では「低健康志向」用の記録項目が例示されている。下記表7は、他の食習慣分類別の記録項目を示す。これらの表に示すように、食習慣分類別の記録項目は食習慣分類毎に異なる内容である。また、食習慣分類別の記録項目には歩行以外の消費カロリーも入れてもよい。
【0052】
【表7】
【0053】
さらに、記録項目群は表5に示すように、「栄養素摂取量」を含むものであってもよい。「栄養素摂取量」はタンパク質、オメガ3脂肪酸及び食物繊維から選ばれる1種以上の栄養素の摂取量についての記録項目である。また、記録項目群は表6に示すように、「くらし方ポイント」、「1日摂取カロリー」、「歩数」、「身体計測値」等の記録項目を含むものであってもよい。記録項目群のうち「食習慣分類別項目」以外の項目は各提供対象ユーザにおいて共通である。以下、「食習慣分類別項目」、「タンパク質」、「食物繊維」、「オメガ3脂肪酸」及び「くらし方ポイント」のそれぞれを「大項目」とする。
【0054】
記録情報取得部24は生成した記録項目群を提供対象ユーザに提示する。提供対象ユーザが記録内容を入力することにより、記録情報取得部24は記録情報を取得する。提供対象ユーザによる記録内容の入力は1日毎又は1週間毎に実施される。記録情報取得部24は取得した記録情報を評価部25に供給する。
【0055】
評価部25は、記録情報に基づいて提供対象ユーザ毎に体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因を評価する。下記表8及び表9は評価部25による評価方法を示す。
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】
評価部25は各提供対象ユーザについて一定の評価期間、例えば1週間分の記録情報を集計し、各記録項目の肯定的回答数の平均値を当該記録項目の得点することができる。評価部25は例えば「低健康志向」の「栄養バランスを考慮して食事を食べた」の記録項目において1週間における「〇」の数の平均値を当該記録項目の得点とする。また、「どの食事も満腹までたべなかった」等の他の記録項目も同様に1週間における「〇」の数の平均値を当該記録項目の得点とする。
【0059】
評価部25は、各記録項目のうち得点が上位の記録項目(以下、上記記録項目)と下位の記録項目(以下、下位記録項目)を抽出することができる。上位記録項目は例えば、得点が上位1位~3位の記録項目であり、下位記録項目は例えば、得点が下位1位~3位の記録項目である。評価部25は、下位記録項目が体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因を解消するために改善を要する項目であると評価することができる。
【0060】
さらに、評価部25は、記録情報に基づいて提供対象ユーザ毎に栄養素の摂取量を評価することができる。評価部25は、「タンパク質」、「オメガ3脂肪酸」及び「食物繊維」の各記録項目の得点から、各栄養素の摂取比率および摂取状況を推定することができる。また、評価部25は、「タンパク質」、「オメガ3脂肪酸」及び「食物繊維」の各記録項目の得点から「タンパク質/脂質比」、「オメガ3脂肪酸/脂質比」、「食物繊維/糖質または炭水化物比」を推定することも可能である。
【0061】
加えて評価部25は、記録情報に基づいて提供対象ユーザ毎に「食生活行動」又は「パーソナル情報」を評価することもできる。「食生活行動」は提供対象ユーザの食事の質、量、時間、食べ方及び活動量のいずれか1つ又は複数であり、「パーソナル情報」は体重及び腹囲等の少なくともいずれか1つ又は複数である。評価部25による評価の優先順位は限定されないが、一例としては「食事の量」の優先順位を最も高くし、以下、「活動量」、「食事の時間」、「食事の質」、「食べ方」、「体重」の順で優先順位を付することが好ましい。評価部25は、評価結果をアドバイス生成部26に供給する。
【0062】
アドバイス生成部26は、食習慣の分類結果に応じた体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを生成する。アドバイス生成部26は、評価部25による体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の評価結果、即ち各記録項目の得点に応じてアドバイスを生成することができる。
【0063】
具体的にはアドバイス生成部26は、上位記録項目を称賛し、下位記録項目の改善提案をするアドバイスを生成することができる。アドバイス生成部26は、得点が下位記録項目の中から改善が見込める記録項目を選択し、改善が見込める記録項目について改善提案をするアドバイスを生成することも可能である。アドバイス生成部26は、毎回の記録において得点の低い項目を除外することによって下位記録項目の中から改善が見込める記録項目を選択することができる。さらに、アドバイス生成部26は次回以降の提供対象ユーザの食習慣を激励するアドバイスを生成することができる。
【0064】
例えば図4に示すように、アドバイス生成部26は評価期間において上位記録項目をほめるアドバイスS1、下位記録項目の改善提案を行うアドバイスS2及び次の評価期間について激励するアドバイスS3を含むアドバイスを生成することができる。
【0065】
アドバイス生成部26は、記録項目毎に準備されている定型文を用いてアドバイスを生成することも可能である。下記表10及び表11は記録項目毎の定型文の例である。アドバイス生成部26は、上位記録項目の定型文及び下位記録項目の定型文の少なくとも一方を含むアドバイスを生成することができる。定型文は具体的なメニュー提案を含むものであってもよく、メニューは手間をかけずに食べられる物が好適である。各記録項目の定型文は季節毎に異なる内容であってもよく、例えば季節毎に情報が入りやすく購入しやすい旬の食材や調理方法を提案するものとすることができる。アドバイス生成部26は、季節毎に準備された定型文を用いることでアドバイス生成時の季節に応じてアドバイスを生成することができる。
【0066】
【表10】
【0067】
【表11】
【0068】
また、アドバイス生成部26は、提供対象ユーザの栄養素の摂取量についての評価結果に応じてアドバイスを生成することができる。アドバイス生成部26は、評価部25により推定された「タンパク質」、「オメガ3脂肪酸」及び「食物繊維」の摂取量について、摂取量が多い栄養素の摂取を称賛し、摂取量が少ない栄養素の摂取を奨励するアドバイスを生成することができる。さらにアドバイス生成部26は提供対象ユーザの「食生活行動」又は「パーソナル情報」の評価結果に応じて評価が良好な点を称賛し、評価が良好でない点を奨励するアドバイスを生成することができる。
【0069】
さらにアドバイス生成部26は、評価部25により推定された「タンパク質/脂質比」、「オメガ3脂肪酸/脂質比」、「食物繊維/糖質または炭水化物比」が高い栄養素の摂取を称賛し、低い栄養素の摂取を奨励するアドバイスを生成することもできる。この際、アドバイス生成部26は、機能性食品や特定保健用食品、機能性成分を含む食品の摂取を提案するアドバイスを生成してもよい。なお、アドバイス生成部26は、栄養素摂取量についてのアドバイスを必ずしも生成しなくてもよい。
【0070】
アドバイス生成部26によるアドバイスの生成手法は特に限定されないが、アドバイス生成部26は上述した定型文の利用の他、得られたデータを集積して機械学習させ、その学習結果を利用してアドバイスを生成することができる。また、アドバイス生成部26は管理栄養士などの専門家による栄養指導に基づいてアドバイスを生成することができる。
【0071】
この他にもアドバイス生成部26は、提供対象ユーザ毎に食習慣分類に応じたアドバイスを生成するものであればよい。アドバイス生成部26は、評価部25による記録情報の評価結果に応じてアドバイスを生成するものに限られず、食習慣分類部23によって提供対象ユーザの食習慣分類が決定されると、食習慣分類に応じたアドバイスを生成することも可能である。アドバイス生成部26は生成したアドバイスを提示情報生成部27に供給する。
【0072】
提示情報生成部27はアドバイス生成部26から供給されたアドバイスを含む提示情報を生成する。提示情報生成部27は生成した提示情報を含む提示画像を生成し、提示情報をユーザに提示することができる。図5に示すように提示情報は「アドバイス」を含む。また、提示情報は星の数で視覚的に表示された「食事の質」、「食生活のリズム」及び「低健康志向」の各大項目の得点やレーダーチャートで視覚的に表示された各大項目の得点の推移を含むものとすることができる。提示情報はここに示すものに限られず、例えば提供対象ユーザの「ありたい姿」を含んでもよい。提供対象ユーザの「ありたい姿」は提供対象ユーザが自身で入力し、あるいはアドバイス提供装置20が提案する提供対象ユーザの目標とする姿である。
【0073】
アドバイス提供システム100は以上のような構成を有する。食習慣分類生成装置10及びアドバイス提供装置20の各構成は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等から構成される情報処理装置のハードウェアとソフトウェアの協働により実現される機能的構成である。ソフトウェアは情報処理装置によって実行可能なプログラムであり、情報処理装置によって読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムであってもよい。また、食習慣分類生成装置10及びアドバイス提供装置20は別の情報処理装置であってもよく、一つの情報処理装置であってもよい。
【0074】
[アドバイス提供システムの動作]
アドバイス提供システム100の動作について説明する。食習慣分類生成装置10は上述のように、複数の分析対象ユーザの食習慣情報と生体指標に関するデータに基づいて食習慣分類を生成する。食習慣分類の生成はアドバイス提供システム100の構築時に一度実行すればよいが、構築後に再度実行してもよい。
【0075】
アドバイス提供装置20は提供対象ユーザに対して体脂肪低減又は生活習慣病予防プログラムを提供する。アドバイス提供装置20は図6に示すように「プログラム実施前」と「プログラム実施中」においてそれぞれ動作する。下記表12は、プログラム実施前とプログラム実施中における「入力」、「判定」及び「出力」の内容を示す。
【0076】
【表12】
【0077】
プログラム実施前では図6に示すように、提供対象ユーザ判定部21が提供対象ユーザを判定する(St11)。提供対象ユーザ判定部21は表12に示すように、ユーザから身体情報の入力を受け付け、特定生体指標を算出することができる。さらに、提供対象ユーザ判定部21は特定生体指標に基づいて各ユーザがプログラムの実施対象である提供対象ユーザに該当するか否かを判定し、各ユーザにプログラムの実施対象であるか否かを出力することができる。
【0078】
続いて、食習慣情報取得部22が提供対象ユーザの食習慣情報を取得し、(St12)、食習慣分類部23が提供対象ユーザの食習慣分類を決定する(St13)。食習慣情報取得部22は表12に示すように提供対象ユーザから食習慣情報の入力を受け付け、食習慣分類部23が提供対象ユーザの食習慣分類を判定する。さらに、食習慣分類部23は各提供対象ユーザに該当する食習慣分類(図3参照)を出力することができる。
【0079】
この際、アドバイス生成部26は食習慣分類に応じた体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを生成し、各提供対象ユーザに生成したアドバイスを出力してもよい。また、提示情報生成部27は提供対象ユーザが入力した身体情報からプログラム実施後の提供対象ユーザの身体情報を予測し、予測した身体情報を提供対象ユーザに出力してもよい。
【0080】
プログラム実施中では記録情報取得部24が記録情報(表5参照)を取得し(St14)、評価部25が記録情報を評価する(St15)。記録情報取得部24は表12に示すように提供対象ユーザから記録情報の入力を受け付ける。評価部25は各記録項目及び各大項目の得点を算出し、上記記録項目及び下位記録項目を抽出する。また、評価部25は栄養素摂取量を評価してもよい。
【0081】
続いて、アドバイス生成部26が食習慣分類に応じた体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを生成し(St16)、提示情報生成部27がアドバイスを含む提示情報を生成する(St17)。提示情報生成部27は図5に示すように、アドバイス、大項目の得点及び経時推移、上位記録項目及び下位記録項目等を含む提示情報を生成し、各提供対象ユーザに出力する。
【0082】
アドバイス提供装置20は「プログラム実施前」の動作を実行した後、「プログラム実施中」の動作を評価期間毎に実行する。評価期間は例えば1週間である。プログラムの実施期間は例えば1月であり、アドバイス提供装置20はプログラムの実施期間内に「プログラム実施中」の動作を1回又は複数回実行する。
【0083】
アドバイス提供システム100はこのようにして、提供対象ユーザ毎に体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを提供する。上述したアドバイス提供システム100の動作は一例であり、アドバイス提供システム100は提供対象ユーザに、プログラム実施前と実施中の少なくともいずれか一方で食習慣分類に応じた体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを提供するものであればよい。なお、提供対象ユーザの食習慣分類は、アドバイス提供の他、商品推奨、サービス提供・連携、将来予測(体型、生活習慣病等、)、仲間の紹介(コミュニティー形成)等に利用可能である。
【0084】
[アドバイス提供システムによる効果]
以上のようにアドバイス提供システム100では、食習慣分類部23よる提供対象ユーザの食習慣分類に応じてアドバイス生成部26がアドバイスを生成するため、提供対象ユーザ毎に効果的な体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを提供することが可能である。
【0085】
この際、評価部25が提供対象ユーザにより入力された食事内容及び活動内容に関する記録情報に基づいて体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因を評価し、アドバイス生成部26がその評価結果に応じてアドバイスを生成することで、提供対象ユーザの食事内容及び活動内容に則したアドバイスの提供が可能である。また、記録情報取得部24が食習慣の分類結果に応じた記録項目を含む記録項目群を提供対象ユーザに提示するため、食習慣分類毎に有効な記録情報を取得し、アドバイス生成に利用することが可能となる。
【0086】
さらに、アドバイス生成部26は記録項目毎に準備されている定型文を用いてアドバイスを生成することにより、記録項目の評価結果に応じて自動的にアドバイスを生成することが可能であり、季節毎に定型文を準備しておくことで旬の食材等、季節毎に適したアドバイスを提供することが可能となる。
【0087】
また、評価部25が上記記録情報から栄養素の摂取量を評価し、アドバイス生成部26がその評価悔過に応じてアドバイスを生成することで、ユーザが摂取した栄養素の過不足に応じたアドバイスの提供が可能である。栄養素としてはタンパク質、オメガ3脂肪酸及び食物繊維が体脂肪蓄積及び生活習慣病罹患に対する影響が大きいため、これらの栄養素に関するアドバイスが特に有効である。
【0088】
さらに、提供対象ユーザ判定部21が、ユーザの内臓脂肪蓄積量を推定し、推定した内臓脂肪蓄積量に応じて提供対象ユーザを判定することで、体脂肪蓄積及び生活習慣病罹患に対するアドバイスの必要性が高いユーザにアドバイスを提供することが可能となる。
【0089】
食習慣分類の生成についても、食習慣分類生成部12が食習慣情報と生体指標に関するデータについて因子分析を実行することで因子別に複数の食習慣分類を生成することができ、因子分析により得られる寄与率によって優先順位を付することで提供対象ユーザの食習慣を適切に分類することが可能となる。この際、食習慣分類生成部12は提供対象ユーザへ提示される質問項目の因子負荷量を算出し、因子負荷量に応じて各質問項目を因子毎に選別することで、選別された質問項目の内容に基づいて食習慣分類を生成することができる。
【0090】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るアドバイス提供システムについて説明する。なお、本実施形態に係るアドバイス提供システムは食習慣分類システムとしても機能するため、以下のアドバイス提供システムは食習慣分類システムと読み替えることもできる。
【0091】
[アドバイス提供システムの構成]
本実施形態に係るアドバイス提供システムの構成について説明する。図7に示すように、本実施形態に係るアドバイス提供システム200は、アドバイス提供装置50を備える。
【0092】
アドバイス提供システム200は、ユーザに体脂肪低減又は生活習慣病予防のためのアドバイスを提供するシステムである。「体脂肪低減」には内臓脂肪低減、腹囲低減、体重
低減、体脂肪率低減及びメタボリックシンドローム解消が含まれる。また、「生活習慣病予防」には高血圧改善、高血糖改善、脂質異常改善及び肥満解消が含まれる。
【0093】
アドバイス提供装置50は、体脂肪低減又は生活習慣病予防のためのアドバイスをユーザに提供する情報処理装置である。以下、アドバイスの提供対象とするユーザを「提供対象ユーザ」とする。アドバイス提供装置50は、図7に示すように、食習慣情報取得部51、食習慣分類部52、記録情報取得部53、評価部54、アドバイス生成部55及び提示情報生成部56を備える。
【0094】
食習慣情報取得部51は、提供対象ユーザの食習慣情報を取得する。食習慣情報は図8に示すような食習慣に関する質問項目への回答である。また食習慣情報取得部51は提供対象ユーザの性別、年齢、居住地、出身地、職業、所得等の食生活に影響を及ぼすパーソナルデータをさらに取得してもよい。
【0095】
食習慣分類部52は、食習慣情報に基づいて提供対象ユーザの食習慣をいずれかの食習慣分類に分類する。図8に示すように食習慣分類部52は、7項目の質問項目への回答によって提供対象ユーザの食習慣を「低健康志向」、「間食」、「夜食」、「早食い」、「運動不足」、「夜遅い食事」及び「基礎代謝低下」のいずれかに分類することができる。なお、図8は内臓脂肪蓄積についての質問項目及び食習慣分類であり、他の症状については異なる質問項目及び食習慣分類とすることができる。
【0096】
提供対象ユーザの食習慣を分類した後、食習慣分類部52は図3に示すような食習慣分類の提示画面を生成することができ、分類結果をビジュアル的に表示することができる。食習慣分類部52は提供対象ユーザの食習慣分類を記録情報取得部53に供給する。
【0097】
記録情報取得部53は、提供対象ユーザが記録した食事内容及び活動内容に関する情報である記録情報を取得する。記録情報取得部53はまず、各提供対象ユーザに対して、その提供対象ユーザの食習慣分類に応じた記録項目を含む記録項目群を生成する。下記表13は記録情報取得部53が生成する記録項目群の例である。
【0098】
【表13】
【0099】
表13に示すように記録情報取得部53が生成する記録項目群は「食習慣分類別項目」を含む。「食習慣分類別項目」は食習慣分類部52によって分類された食習慣分類別の記録項目であり、表13では「低健康志向」用の記録項目が例示されている。食習慣分類別の記録項目は食習慣分類毎に異なる内容である。
【0100】
さらに、記録項目群は表13に示すように、「栄養素摂取量」を含むものであってもよい。「栄養素摂取量」はタンパク質、オメガ3脂肪酸及び食物繊維から選ばれる1種以上の栄養素の摂取量についての記録項目である。また、記録項目群は表13に示すように、「カテキン含有食品摂取」、「食事の量」、「体重」等の記録項目を含むものであってもよい。記録項目群のうち「食習慣分類別項目」以外の項目は各提供対象ユーザにおいて共通である。以下、「生活の質」、「カテキン含有食品摂取」、「食事の質」及び「食事の量」のそれぞれを「大項目」とする。
【0101】
記録情報取得部53は生成した記録項目群を提供対象ユーザに提示する。提供対象ユーザが記録内容を入力することにより、記録情報取得部53は記録情報を取得する。提供対象ユーザによる記録内容の入力は1日毎又は1週間毎に実施される。記録情報取得部53は取得した記録情報を評価部54に供給する。
【0102】
評価部54は、記録情報に基づいて提供対象ユーザ毎に体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因を評価する。評価部54は各提供対象ユーザについて一定の評価期間、例えば1週間分の記録情報を集計し、各記録項目の肯定的回答数の平均値を当該記録項目の得点することができる。評価部54は例えば、記録項目において1週間における「〇」の数の平均値を当該記録項目の得点とする。
【0103】
評価部54は、各記録項目のうち得点が上位の記録項目(以下、上記記録項目)と下位の記録項目(以下、下位記録項目)を抽出することができる。上位記録項目は例えば、得点が上位1位~3位の記録項目であり、下位記録項目は例えば、得点が下位1位~3位の記録項目である。評価部54は、下位記録項目が体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因を解消するために改善を要する項目であると評価することができる。
【0104】
さらに、評価部54は、記録情報に基づいて対象ユーザ毎に栄養素の摂取量を評価することができる。評価部54は、「食事の質」の各記録項目の得点から、各栄養素の摂取比率および摂取状況を推定することができる。また、評価部54は、「食事の質」の各記録項目の得点から「タンパク質/脂質比」、「オメガ3脂肪酸/脂質比」、「食物繊維/糖質または炭水化物比」を推定することも可能である。評価部54は、評価結果をアドバイス生成部55に供給する。
【0105】
アドバイス生成部55は、食習慣の分類結果に応じた体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを生成する。アドバイス生成部55は、評価部54による体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の評価結果、即ち各記録項目の得点に応じてアドバイスを生成することができる。
【0106】
具体的にはアドバイス生成部55は、上位記録項目を称賛し、下位記録項目の改善提案をするアドバイスを生成することができる。アドバイス生成部55は、得点が下位記録項目の中から改善が見込める記録項目を選択し、改善が見込める記録項目について改善提案をするアドバイスを生成することも可能である。アドバイス生成部55は、毎回の記録において得点の低い項目を除外することによって下位記録項目の中から改善が見込める記録項目を選択することができる。さらに、アドバイス生成部55は次回以降の提供対象ユーザの食習慣を激励するアドバイスを生成することができる。
【0107】
また、アドバイス生成部55は、提供対象ユーザ毎に、食習慣分類毎に準備されている定型文を用いて解消アドバイスを生成することができる。下記表14及び表15は食習慣分類毎の定型文を示す表である。アドバイス生成部55は提供対象ユーザの食習慣分類に応じて、表14及び表15の定型文を含む解消アドバイスを生成することができる。
【0108】
【表14】
【0109】
【表15】
【0110】
さらにアドバイス生成部55は、下記表16に示すように記録項目毎に準備されている定型文を用いてアドバイスを生成することができる。アドバイス生成部55は生成したアドバイスを提示情報生成部56に供給する。
【0111】
【表16】
【0112】
なお、表16における「カテキン含有食品」は好ましくは、カテキンを有効成分とする食品であり、カテキン含有食品中におけるカテキン含有量は、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.07質量%以上、さらに好ましくは0.10質量%以上、さらに好ましくは0.13質量%以上である。これらは、一日当たりの総摂取量に置き換えても良い。カテキン含有食品としては、例えば特開2006-77026号公報に開示されている容器詰め飲料などを用いることができる。これらは、一日当たりの摂取量に置き換えてもよい。
【0113】
また、アドバイス生成部55は、提供対象ユーザの栄養素の摂取量についての評価結果に応じてアドバイスを生成することができる。アドバイス生成部55は、評価部54により推定された「タンパク質」、「オメガ3脂肪酸」及び「食物繊維」の摂取量について、摂取量が多い栄養素の摂取を称賛し、摂取量が少ない栄養素の摂取を奨励するアドバイスを生成することができる。
【0114】
さらにアドバイス生成部55は、評価部54により推定された「タンパク質/脂質比」、「オメガ3脂肪酸/脂質比」、「食物繊維/糖質または炭水化物比」が高い栄養素の摂取を称賛し、低い栄養素の摂取を奨励するアドバイスを生成することもできる。この際、アドバイス生成部55は、機能性食品や特定保健用食品、機能性成分を含む食品の摂取を提案するアドバイスを生成してもよい。なお、アドバイス生成部55は、栄養素摂取量についてのアドバイスを必ずしも生成しなくてもよい。
【0115】
アドバイス生成部55によるアドバイスの生成手法は特に限定されないが、アドバイス生成部55は上述した定型文の利用の他、得られたデータを集積して機械学習させ、その学習結果を利用してアドバイスを生成することができる。また、アドバイス生成部55は管理栄養士などの専門家による栄養指導に基づいてアドバイスを生成することができる。
【0116】
この他にもアドバイス生成部55は、提供対象ユーザ毎に食習慣分類に応じたアドバイスを生成するものであればよい。アドバイス生成部55は、評価部54による記録情報の評価結果に応じてアドバイスを生成するものに限られず、食習慣分類部52によって提供対象ユーザの食習慣分類が決定されると、食習慣分類に応じたアドバイスを生成することも可能である。アドバイス生成部55は生成したアドバイスを提示情報生成部56に供給する。
【0117】
提示情報生成部56はアドバイス生成部26から供給されたアドバイスを含む提示情報を生成する。提示情報生成部56は生成した提示情報を含む提示画像を生成し、提示情報をユーザに提示することができる。図9に示すように提示情報は大項目毎のアドバイスを含むものとすることができる。なお、提示情報において「生活の質」の欄の内容は表14及び表15に示す食習慣分類毎に異なる内容であり、その他の欄の内容は表16に示す共通の内容である。なお、提示情報はアドバイスに加え、大項目毎の得点や経時推移等を含むものであってもよい。提示情報はここに示すものに限られず、例えば提供対象ユーザの「ありたい姿」を含んでもよい。提供対象ユーザの「ありたい姿」は提供対象ユーザが自身で入力し、あるいはアドバイス提供装置50が提案する提供対象ユーザの目標とする姿である。
【0118】
アドバイス提供システム200は以上のような構成を有する。アドバイス提供装置50の各構成は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等から構成される情報処理装置のハードウェアとソフトウェアの協働により実現される機能的構成である。ソフトウェアは例えば情報処理装置によって実行可能なプログラムであり、情報処理装置によって読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムであってもよい。
【0119】
[アドバイス提供システムの動作]
アドバイス提供システム200の動作について説明する。アドバイス提供装置50は提供対象ユーザに対して体脂肪低減又は生活習慣病予防プログラムを提供する。アドバイス提供装置20は図10に示すように「プログラム実施前」と「プログラム実施中」においてそれぞれ動作する。下記表17は、プログラム実施前とプログラム実施中における「入力」、「判定」及び「出力」の内容を示す。
【0120】
【表17】
【0121】
プログラム実施前では図10に示すように、食習慣情報取得部51が提供対象ユーザの食習慣情報を取得し、(St21)、食習慣分類部52が提供対象ユーザの食習慣分類を決定する(St22)。食習慣情報取得部51は表17に示すように提供対象ユーザから食習慣情報の入力を受け付け、食習慣分類部52が提供対象ユーザの食習慣分類を判定する。さらに、食習慣分類部52は各提供対象ユーザに該当する食習慣分類(図3参照)を出力することができる。この際、アドバイス生成部55は食習慣分類に応じた体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを生成し、各提供対象ユーザに生成したアドバイスを出力してもよい。
【0122】
プログラム実施中では記録情報取得部53が記録情報(表13参照)を取得し(St23)、評価部54が記録情報を評価する(St24)。記録情報取得部53は表17に示すように提供対象ユーザから記録情報の入力を受け付ける。評価部25は各記録項目及び各大項目の得点を算出し、上記記録項目及び下位記録項目を抽出することができる。また、評価部25は栄養素摂取量を評価してもよい。
【0123】
続いて、アドバイス生成部55が食習慣分類に応じた体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを生成し(St25)、提示情報生成部56がアドバイスを含む提示情報を生成する(St26)。提示情報生成部56は図9に示すように、アドバイスを含む提示情報を生成し、各提供対象ユーザに出力する。
【0124】
アドバイス提供装置50は「プログラム実施前」の動作を実行した後、「プログラム実施中」の動作を評価期間毎に実行する。評価期間は例えば1週間である。プログラムの実施期間は例えば1月であり、アドバイス提供装置50はプログラムの実施期間内に「プログラム実施中」の動作を1回又は複数回実行する。
【0125】
アドバイス提供システム200はこのようにして、提供対象ユーザ毎に体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを提供する。上述したアドバイス提供システム200の動作は一例であり、アドバイス提供システム200は提供対象ユーザに、プログラム実施前と実施中の少なくともいずれか一方で食習慣分類に応じた体脂肪蓄積原因又は生活習慣病罹患原因の解消のためのアドバイスを提供するものであればよい。
【0126】
なお、提供対象ユーザの食習慣分類は、アドバイス提供の他、商品推奨、サービス提供・連携、将来予測(体型、生活習慣病等、)、仲間の紹介(コミュニティー形成)等に利用可能である。アドバイス提供システム200による効果は第1の実施形態に係るアドバイス提供システム100と同様である。
【0127】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
い。
【符号の説明】
【0128】
11…データ取得部
12…食習慣分類生成部
13…順位決定部
28…食習慣分類判定部
29…食習慣分類決定部
100…アドバイス提供システム
図1
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