(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075079
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20240527BHJP
A61H 33/02 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A47K3/28
A61H33/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186252
(22)【出願日】2022-11-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】512083883
【氏名又は名称】株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100173668
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 吉之助
(72)【発明者】
【氏名】小星 重治
【テーマコード(参考)】
2D132
4C094
【Fターム(参考)】
2D132FA17
2D132FB02
2D132FC04
2D132FJ11
2D132FJ22
4C094AA01
4C094DD06
4C094EE07
4C094GG03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容易に炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができ、炭酸マイクロバブル混合水中のマイクロバブル量を任意に変更することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器を提供する。
【解決手段】鉢状の硬質体から成る外装体1が、シャワーヘッドの湯水噴出孔の一部を被冠するように湯水噴出孔に対面させた状態で装着することにより、湯水噴出孔より噴出した後に外装体を通過してからシャワー放出する構成と、湯水噴出孔から直接シャワー放出する構成と、の2系統のシャワー放出構成を有し、外装体の内側に錠剤収容部が設けられ、外装体の少なくとも湯水噴出孔と対面する部分が、重合する2枚構成の一方が第1外装体2、他方が第2外装体3であり、第1外装体と第2外装体の重合する部分の各々に複数の孔群が設けられ、重合位置を変位させることにより孔群の重なり面積を変動させて湯水の通過量を調整可能な構成である炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースと該ホースに接続されるシャワーヘッドの湯水の経路中に錠剤状の炭酸入浴剤を留置させる錠剤収容部を有し、該錠剤収容部を通過する湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解して炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水をシャワー放出する構成であって、
鉢状の硬質体から成る外装体が、シャワーヘッドの湯水噴出孔の一部を被冠するように該湯水噴出孔に対面させた状態で装着することにより、前記湯水噴出孔より噴出した後に前記外装体を通過してからシャワー放出する構成と、前記湯水噴出孔から直接シャワー放出する構成と、の2系統のシャワー放出構成を有し、
前記外装体の内側に錠剤収容部が設けられており、
更に、前記外装体の少なくとも湯水噴出孔と対面する部分が、重合する2枚構成の一方が第1外装体、他方が第2外装体であると共に、この第1外装体と第2外装体の重合する部分の各々に複数の孔群が設けられており、重合位置を変位させることにより孔群の重なり面積を変動させて湯水の通過量を調整可能な構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項2】
第1外装体と第2外装体との重合位置の変位が、第1外装体と第2外装体のいずれか一方又は両方が回動することにより変位する構成であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項3】
第1外装体と第2外装体との重合位置の変位が、第1外装体と第2外装体のいずれか一方がスライド移動することにより変位する構成であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項4】
第1外装体と第2外装体に設けられている孔群の細孔分布が同一である又は相違することを特徴とする請求項1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項5】
外装体のシャワーヘッドへの装着方法が、網状体又は弾性体をシャワーヘッドに被冠し、該網状体又は該弾性体とシャワーヘッドとの間に、シャワーヘッドの湯水噴出孔に当接するように外装体を収容することであることを特徴とする請求項1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項6】
外装体のシャワーヘッドへの装着方法、ゴムバンドを用いて外装体をシャワーヘッドに巻き付け装着することであることを特徴とする請求項1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【請求項7】
ホースと該ホースに接続されるシャワーヘッドの湯水の経路中に錠剤状の炭酸入浴剤を留置させる錠剤収容部を配設して、該錠剤収容部を通過する湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水をシャワー放出する構成であって、
鉢状の硬質体から成る外装体が、シャワーヘッドの湯水噴出孔の一部を被冠するように該湯水噴出孔に対面させた状態で装着し、前記湯水噴出孔より噴出した後に前記外装体を通過してからシャワー放出する構成と、前記湯水噴出孔から直接シャワー放出する構成と、の2系統のシャワー放出構成を有し、
前記錠剤収容部を前記外装体の内側に設け、
更に、前記外装体の少なくとも湯水噴出孔と対面する部分が、重合する2枚構成の一方が第1外装体、他方が第2外装体であると共に、この第1外装体と第2外装体の重合する部分の各々に複数の孔群が設けられており、重合位置を変位させることにより孔群の重なり面積を変動させて湯水の通過量を調整すること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項8】
第1外装体と第2外装体との重合位置の変位が、第1外装体と第2外装体のいずれか一方又は両方が回動することにより変位する構成であることを特徴とする請求項7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項9】
第1外装体と第2外装体との重合位置の変位が、第1外装体と第2外装体のいずれか一方がスライド移動することにより変位する構成であることを特徴とする請求項7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項10】
第1外装体と第2外装体に設けられている孔群の細孔分布が同一である又は相違することを特徴とする請求項7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製方法。
【請求項11】
外装体のシャワーヘッドへの装着方法が、網状体又は弾性体をシャワーヘッドに被冠し、該網状体又は該弾性体とシャワーヘッドとの間に、シャワーヘッドの湯水噴出孔に当接するように外装体を収容することであることを特徴とする請求項7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【請求項12】
外装体のシャワーヘッドへの装着方法が、ゴムバンドを用いて外装体をシャワーヘッドに巻き付け装着することであることを特徴とする請求項7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び炭酸マイクロバブル混合水の製造方法に関する。詳しくは、血行促進などの炭酸泉入浴効果を著しく向上させると共にマイクロバブル効果を併せ持ち、更には湯水中のマイクロバブルの量を任意に変更することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び炭酸マイクロバブル混合水の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)と、有機酸とを含む混合物を打錠等によって成型し、発泡性組成物(固形物)とすることは、洗浄剤、入浴剤、風呂水清浄剤、プール用殺菌剤等の製品に適用されている。これらの製品(固形物)は、水に投入すると、その成分が反応して炭酸ガスを発生しつつ速やかに溶解する利点を有すると同時に、消費者に快適な使用感を与えるので商品価値を高める効果があり、特に浴剤(入浴剤ということもある。)においては、発生する炭酸ガスの血行促進効果が積極的に利用されている。
【0003】
一方、マイクロバブルと称される、例えば直径0.05mm以下の微細気泡は、シャワー機器等において高い洗浄能力を有すると言われ広く利用されてきた。また、湖沼や養殖池等の閉鎖水域でマイクロバブルを発生させた場合には、水中への酸素の溶解を促進し、水へのガスの溶解を促すことができる等の効果を増進することが利用されてきた。
【0004】
特許文献1には、シャワー機器を改良することで炭酸ガス発生剤等の錠剤と水流の接触量を変化させる技術が開示されている。この技術により、長時間にわたり錠剤の健康促進作用を維持させることが可能となる。
【0005】
しかしこの技術を利用するには、シャワーヘッド中の構造を変更する必要があり、その構造も複雑で、コストが高くつく割にはマイクロバブル量のコントロールは容易ではなかった。
【0006】
また本発明者も、炭酸ガス発生成分を湯水に溶解させマイクロバブルを発生させ、快適かつ健康効果を高めたシャワー水を提供する技術として、特許文献2に記載の技術を提案している。
【0007】
しかしさらなる研究の結果、得られる炭酸マイクロバブル混合水の、湯水とマイクロバブルとの比率は変更することができないことが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014-50543号公報
【特許文献2】特開2019-187898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術においては、炭酸マイクロバブルの混合比率が常に一定であるため、たとえば汗を多くかく夏場での使用においては炭酸マイクロバブルの量を多くして汗のにおいを取りたい等の調整や、炭酸マイクロバブル混合水をできるだけ長時間かけて使いたい、あるいは短時間で済ませたい等の細かい要請に対応することができなかった。
【0010】
以上のことから本発明の課題は、炭酸入浴剤を入れ込むことができないシャワーヘッドであっても、容易に炭酸マイクロバブルシャワーを浴することができ、かつシャワーをするに際し、炭酸マイクロバブル混合水中のマイクロバブル量を任意に変更することができる炭酸マイクロバブル混合水の製造器及び製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1.ホースと該ホースに接続されるシャワーヘッドの湯水の経路中に錠剤状の炭酸入浴剤を留置させる錠剤収容部を有し、該錠剤収容部を通過する湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解して炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水をシャワー放出する構成であって、
鉢状の硬質体から成る外装体が、シャワーヘッドの湯水噴出孔の一部を被冠するように該湯水噴出孔に対面させた状態で装着することにより、前記湯水噴出孔より噴出した後に前記外装体を通過してからシャワー放出する構成と、前記湯水噴出孔から直接シャワー放出する構成と、の2系統のシャワー放出構成を有し、
前記外装体の内側に錠剤収容部が設けられており、
更に、前記外装体の少なくとも湯水噴出孔と対面する部分が、重合する2枚構成の一方が第1外装体、他方が第2外装体であると共に、この第1外装体と第2外装体の重合する部分の各々に複数の孔群が設けられており、重合位置を変位させることにより孔群の重なり面積を変動させて湯水の通過量を調整可能な構成であること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0012】
2.第1外装体と第2外装体との重合位置の変位が、第1外装体と第2外装体のいずれか一方又は両方が回動することにより変位する構成であることを特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0013】
3.第1外装体と第2外装体との重合位置の変位が、第1外装体と第2外装体のいずれか一方がスライド移動することにより変位する構成であることを特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0014】
4.第1外装体と第2外装体に設けられている孔群の細孔分布が同一である又は相違することを特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0015】
5.外装体のシャワーヘッドへの装着方法が、網状体又は弾性体をシャワーヘッドに被冠し、該網状体又は該弾性体とシャワーヘッドとの間に、シャワーヘッドの湯水噴出孔に当接するように外装体を収容することであることを特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0016】
6.外装体のシャワーヘッドへの装着方法が、ゴムバンドを用いて外装体をシャワーヘッドに巻き付け装着することであることを特徴とする上記1に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造器。
【0017】
7.ホースと該ホースに接続されるシャワーヘッドの湯水の経路中に錠剤状の炭酸入浴剤を留置させる錠剤収容部を配設して、該錠剤収容部を通過する湯水によって前記炭酸入浴剤を溶解させて炭酸マイクロバブルを発生させると共に湯水と混合して炭酸マイクロバブル混合水をシャワー放出する構成であって、
鉢状の硬質体から成る外装体が、シャワーヘッドの湯水噴出孔の一部を被冠するように該湯水噴出孔に対面させた状態で装着し、前記湯水噴出孔より噴出した後に前記外装体を通過してからシャワー放出する構成と、前記湯水噴出孔から直接シャワー放出する構成と、の2系統のシャワー放出構成を有し、
前記錠剤収容部を前記外装体の内側に設け、
更に、前記外装体の少なくとも湯水噴出孔と対面する部分が、重合する2枚構成の一方が第1外装体、他方が第2外装体であると共に、この第1外装体と第2外装体の重合する部分の各々に複数の孔群が設けられており、重合位置を変位させることにより孔群の重なり面積を変動させて湯水の通過量を調整すること、
を特徴とする炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0018】
8.第1外装体と第2外装体との重合位置の変位が、第1外装体と第2外装体のいずれか一方又は両方が回動することにより変位する構成であることを特徴とする上記7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0019】
9.第1外装体と第2外装体との重合位置の変位が、第1外装体と第2外装体のいずれか一方がスライド移動することにより変位する構成であることを特徴とする上記7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0020】
10.第1外装体と第2外装体に設けられている孔群の細孔分布が同一である又は相違することを特徴とする上記7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0021】
11.外装体のシャワーヘッドへの装着方法が、網状体又は弾性体をシャワーヘッドに被冠し、該網状体又は該弾性体とシャワーヘッドとの間に、シャワーヘッドの湯水噴出孔に当接するように外装体を収容することであることを特徴とする上記7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【0022】
12.外装体のシャワーヘッドへの装着方法が、ゴムバンドを用いて外装体をシャワーヘッドに巻き付け装着することであることを特徴とする上記7に記載の炭酸マイクロバブル混合水の製造方法。
【発明の効果】
【0023】
前記1及び7に示す発明によれば、孔群の重なり面積を変動させることで、入浴剤と接触・通過する量を変更することが可能であり、ひいてはシャワー中のマイクロバブル量を変更することが可能となる。
【0024】
前記2、3、8及び9に示す発明によれば、孔群の重なり面積を手早く簡単に使用者の好みに調整することが可能となる。
【0025】
前記4及び10に示す発明によれば、第1外装体及び第2外装体に設けられている孔群の細孔分布が同一であれ相違であれ、どちらか一方を動かすだけで細孔の重なり具合は変異し、ひいては錠剤と接する流水量やマイクロバブル量を変動させることが可能となる。
【0026】
前記5、6、11及び12に示す発明によれば、シャワーヘッドの形状のいかんを問わず、広汎なシャワーヘッドに巻き付け装着することが可能となる。
【0027】
本発明において、「湯水」とは、いわゆる水、若しくは加温乃至は加熱してある湯又はこの両者の混合物をいう。また、「マイクロバブル」とは、いわゆる微細気泡と称されるものをいう。なお、本発明において、「量」は特に断りのない限り「質量」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表し、「部」は特に断りのない限り「質量部」を表す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明にかかる炭酸マイクロバブル混合水の製造器に用いる外装体を示す5面図(正面図、平面図、底面図、左側面図、A-A線断面図)。
【
図2】上記外装体において、第1外装体と第2外装体との重合位置が回動により変位する様子を示す分解斜視図。
【
図3】網状体を用いて上記外装体を装着したシャワーヘッドの側面図。
【
図4】上記外装体を巻き付け装着したシャワーヘッドの側面図。
【
図5】巻き付け装着可能な上記外装体の実施形態を示す斜視図。
【
図6】上記外装体において、第1外装体と第2外装体との重合位置がスライド移動により変位する様子を示す斜視図。
【
図7】上記外装体のさらに別の実施形態を示す斜視図。
【0029】
以下、本発明に係る炭酸マイクロバブル混合水の製造器(以下、単に製造器ということもある。)、及び炭酸マイクロバブル混合水の製造方法(以下、単に製造方法ということもある。)について図面に基づき説明する。
【0030】
本発明は炭酸泉入浴効果とマイクロバブル効果を併せ持つマイクロバブル混合水の製造方法と、前記マイクロバブル混合水を簡易に得られる製造器であり、炭酸ガス成分とマイクロバブルとを混合した湯水を製造器の吐出口から吐出(シャワー吐出)させることによって洗浄効果と血行促進等の健康増進効果をも期待できる技術である。
【0031】
特に、本発明は、炭酸入浴剤収納部を有さない通常のシャワーヘッドであっても、炭酸マイクロバブル混合水をシャワー吐出させ、従前の炭酸入浴剤収納部を有するシャワーヘッドと同等又はそれ以上の洗浄効果と血行促進等の健康増進効果を発揮できる技術である。
【0032】
このような本発明の効果は、本発明者の研究によれば、従前の炭酸入浴剤収納部を有するシャワーヘッドの場合、炭酸入浴剤が接触する湯水は、水道における流水と同等であり、気泡が混在するマイクロバブル混合水ではないのに対し、本発明における炭酸入浴剤が接触する湯水は、シャワーヘッドにおける湯水噴出口から得られる気泡が混在するマイクロバブル混合水であり、このマイクロバブル混合水に炭酸入浴剤を接触させ溶解させることによって、炭酸マイクロバブル混合水を得るためであると推察している。
【0033】
しかも本発明は、通常のシャワーヘッドさえあれば、旅行中であっても炭酸入浴剤による炭酸マイクロバブル混合水を気軽に浴びることができる利点がある。
【0034】
以下、本発明の実施例において本発明の炭酸マイクロバブル混合水の製造器が装着されるシャワー機器は、湯水噴出孔を有するシャワーヘッドと、使用時に持ち手の柄となるシャワー胴部とを有している構成のものを例示し、シャワー胴部に接続されるホースから湯水が供給されるものとする。
【0035】
ただし、シャワーヘッドとシャワー胴部とは一体的に形成された一体型構成であってもよいし、さらに別体で形成されたものを一体となるように接続又は結合したものであってもよいし、シャワーヘッド3がシャワー胴部4に対して向きや角度が変えられるように直接又は間接的に接続されたものであってもよく、少なくとも湯水噴出孔を有するシャワーヘッドさえ備えていればよい。
【0036】
本発明にかかる炭酸マイクロバブル混合水の製造器は、外装体1をシャワーヘッド5に装着する構成であり、外装体1は
図1に示されるように第1外装体2、第2外装体3及び蓋体4から構成されている。
【0037】
図1及び
図2に示されるように、第1外装体2には多数のシャワー細孔21及び係止フック22が、第2外装体3には多数のシャワー細孔31及び係止孔32が、蓋体4には多数のシャワー細孔41が、それぞれ設けられている。また、第2外装体3の内部には炭酸入浴剤Tを収容する収容部35が設けられている。
【0038】
第2外装体3の係止孔32は、円筒形を成す第2外装体3の側壁に沿うように弧を描いて形成されており、第1外装体2の係止フック22は第2外装体3の係止孔32の上部口33に挿入され、係止フック22の鉤先部23が係止孔32の下部口34から突出する構成となっているため、係止孔32に合わせて第1外装体2及び/又は第2外装体3が回動し、第1外装体2のシャワー細孔21と第2外装体3のシャワー細孔31の細孔分布を変位させることが可能となる。
【0039】
シャワー細孔21及びシャワー細孔31並びに係止フック22及び係止孔32は、細孔分布を変位させることにより細孔が完全に一致又は完全に塞がれる位置取りが可能であるように配置しても良いし、細孔が完全に一致又は完全に塞がれる位置取りが不可能であるように配置しても良い。
【0040】
図2(a)においては、係止フック22が係止孔32の一端に当接し、細孔分布が一致する位置取りとなっており、
図2(b)においては、係止フック22が係止孔32の他端に当接し、細孔分布が相違するが完全に塞がれるわけではない位置取りとなっている。
【0041】
また、回動位置を調節することにより、細孔の重なり具合がさらに異なる状態でのシャワー浴を得ることもできる。細孔の重なり面積が変動することにより、通過水量も変動し、湯水中のマイクロバブル量もまた変動する。
【0042】
細孔が完全に一致又は完全に塞がれる位置取りが可能である場合、係止フック22が係止孔32の一端に当接した際には細孔が完全に一致する位置取りになり、係止フック22が係止孔32の他端に当接した際には細孔が完全に塞がれる位置取りになるよう、係止孔32を配置することが好ましい。この構造により、外装体1をシャワーヘッド5に装着したまま、細孔分布がどのような位置取りをした状態からでも、繊細な観察や操作を必要とすることなく、係止フック22が係止孔32に当接するまで第1外装体2及び/又は第2外装体3を回動させるだけで細孔を完全に一致又は完全に塞がれる状態にさせることが容易になる。
【0043】
細孔が完全に塞がれる状態において、炭酸入浴剤Tの溶解は止まり、シャワーを作動させても通常の湯水によるシャワー浴を得ることとなる。
【0044】
蓋体4は開閉可能な構成となっており、本発明にかかる製造器を使用する際は、蓋体4を開き第2外装体3内の収容部35に炭酸入浴剤Tを収容し、蓋体4を閉めた後、シャワーヘッド5に外装体1を装着する。蓋体4の開閉については完全に取り外しできる構成でも良いし、ヒンジ等で一部が第2外装体3と連結していても良い。
【0045】
外装体1をシャワーヘッドに装着する方法の一例として、
図3に示されるように、網状体6を使用する方法が挙げられる。
【0046】
かかる網状体6は、開口部61の周囲に伸縮自在の締付けゴム62を有しており、シャワーヘッド5に被冠可能な構成となっている。ただし、かかる締付けゴム62は締付け紐等に代替可能であるし、併用してもよい。
【0047】
炭酸入浴剤Tを収容した外装体1を、シャワーヘッド5の湯水噴出孔51に第1外装体2が当接するように配置した状態で、網状体6をシャワーヘッドに被冠することで、外装体1を保持する。
【0048】
網状体6を使用する際は、蓋体がなくとも網状体6の網部63で炭酸入浴剤Tが保持されるため、蓋体のない構成にしてもよい。
【0049】
外装体1が網状体6に収容され見えにくい状態にあっても、又はシャワー使用者が目を閉じた状態であっても、第2外装体3の側壁から突出した係止フック22の鉤先部23を手探りで操作することで、第1外装体2及び/又は第2外装体3を回動させ、細孔分布を容易に変位させることが可能となる。
【0050】
外装体1をシャワーヘッドに装着する別の方法の一例として、
図4に示されるように、ゴムバンド7を用いてシャワーヘッド5に巻き付け装着する方法が挙げられる。
【0051】
即ち、
図5に示されるように、第1外装体2の側壁23に取付部24を設け、取付部24にバンド部71を取り付け、該バンド部71の先端にいわゆるマジックテープ雄型72Aと同雌型72Bを配置する構成で、シャワーヘッド5の湯水噴出孔51に第1外装体2を当接させた上でバンド部71をシャワーヘッド5の後頭部に巻き付け、マジックテープ72によって固着することにより装着する。
【0052】
なお、バンド部71、71の取付部24に対する取り付け手段は公知のいずれを採用してもよい。例えば、バンド部71、71の端部を取付部24に通してバンド部71、71同士を縫い合わせることや、バンド部71,71の端部に嵌入部材を設けて取付部24に嵌入固定する等の手段が挙げられる。
【0053】
本発明に係る製造器の別の実施形態として、外装体1を、
図6に示されるように、第1外装体2又は第2外装体3のいずれか一方がスライド移動することにより、第1外装体2と第2外装体3との重合位置が変位する構成にしてもよい。
【0054】
即ち、第2外装体3の係止孔32を直線状に設けることにより、係止孔32に合わせて第1外装体2及び/又は第2外装体3がスライド運動をし、第1外装体2のシャワー細孔21と第2外装体3のシャワー細孔31の細孔分布を変位させることが可能となる。
【0055】
シャワー細孔21及びシャワー細孔31並びに係止フック22及び係止孔32は、細孔分布を変異させることにより細孔が完全に一致又は完全に塞がれる位置取りが可能であるように配置しても良いし、細孔が完全に一致又は完全に塞がれる位置取りが不可能であるように配置しても良い。
【0056】
また、スライド位置を調節することにより、細孔の重なり具合がさらに異なる状態でのシャワー浴を得ることもできる。細孔の重なり具合が変動することにより、通過水量も変動し、湯水中のマイクロバブル量もまた変動する。
【0057】
細孔が完全に一致又は完全に塞がれる位置取りが可能である場合、係止フック22が係止孔32の一端に当接した際には細孔分布が完全に一致する位置取りになり、係止フック22が係止孔32の他端に当接した際にはるよう細孔分布が完全に塞がれる位置取りになるよう、係止孔32を配置することが好ましい。この構造により、外装体1をシャワーヘッドに装着したまま、細孔分布がどのような位置取りをした状態からでも、繊細な観察や操作を必要とすることなく、係止フック22が係止孔32に当接するまで第1外装体2及び/又は第2外装体3を回動させるだけで細孔分布を完全に一致又は完全に塞がれる状態にさせ、好みのシャワー浴を得ることが可能となる。
【0058】
本発明に係る製造器のまた別の実施形態として、外装体1を、
図7に示されるように、第2外装体3とは別に炭酸入浴剤Tを収容する収容体8を設け、第1外装体2と第2外装体3をまとめて収容体8から取り外し可能とする構成にしてもよい。
【0059】
この炭酸マイクロバブル混合水のシャワー浴は、炭酸入浴剤Tが溶解され尽くすまで続き、シャワー浴を一時停止しても炭酸入浴剤Tが収容部35に残存する限り、再度シャワーを作動させて、炭酸マイクロバブル混合水によるシャワー浴を得ることができる。
【0060】
本発明における炭酸入浴剤は、公知公用のいずれのものであってもよい。
【0061】
本発明に好ましく用いられる炭酸入浴剤は、本発明者が先に提案した特許第6268332号公報に記載のものを挙げることができ、以下に例示する。
【0062】
本発明に好ましい炭酸入浴剤は、重炭酸塩をポリエチレングリコール(以下「PEG」ということもある。)等で造粒した後、有機酸(クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸等が挙げられ、クエン酸が最も好ましい)等をPEGと混合してもしくは造粒し、それぞれを一定比率内の条件で混合し、下記賦形剤を加えて錠剤を圧縮成形によって成形し、錠剤の溶解直後のpHが下記範囲となるよう設計することで、錠剤に水が浸透するとき激しく均一にかつ持続的に炭酸ガスを発泡するよう反応させ、かつ発生する炭酸ガス泡はミクロサイズの微細炭酸ガスとして長時間発生させることができ、錠剤は溶解し終わるまでミクロサイズの泡を発泡し続け、泡が空気中に揮散するまえに水中で中和され重炭酸イオンに解離して高濃度の重炭酸イオンが溶存するよう水のpHは5.5から9.0であるよう設計され、好ましくは6.0から8.5、特に6.3から8.0である際、本発明の効果が最大限に発揮される。
【0063】
さらに本発明では、重炭酸塩の混合物が流動層を用いて、PEGで、コーテイングして作成された造粒物であることにより、錠剤中での継続的で均一な反応など、本発明の効果の発現が大きく発揮される。
【0064】
また本発明では、錠剤硬度が15kg以上、好ましく25kg以上、特に好ましくは30kg以上に高硬度とされるほど、塩素中和化合物の継続的で安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応を抑え錠剤が溶解した部分が湯中で塩素を迅速に除去するよう高硬度に成形されることが好ましい。
塩素除去効果が高いほど、シャワー入浴時の場合でも血行促進や体温上昇等の健康増進が大きい効果が発揮される。
【0065】
また本発明では、錠剤摩損度が10.0wt%以下、特に好ましくは5.0wt%以下、さらに好ましくは3.0wt%以下であるほど、塩素中和化合物の継続的安定な反応が得られ、錠剤内部での塩素中和反応効率を最大にできるだけでなく、シャワー入浴時の場合でさえも血行促進及び体温上昇等の健康増進効果を発揮できる。
【0066】
本発明に用いられる有機酸としてはクエン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸などが挙げられるが、特にクエン酸を有機酸として用いる場合に錠剤中の中和反応を抑え湯中での塩素除去能力を高め、微細な炭酸ガス発泡を実現することができ、好ましい化合物として本発明の効果をより顕著に発揮する。
【0067】
なお、重炭酸塩又は有機酸の少なくともいずれか一方を流動層で造粒し造粒物を得る場合、実質的に空気を攪拌作用として使用しない機械式流動層造粒機を用いると、錠剤中の反応を効率的に高められる。機械式撹拌方式の流動層としては、撹拌に空気を用いた流動を行わず、プロペラなどの機械式羽などを用いて粉体を流動させる。この場合、造粒中に湿気のある空気から持ち込まれる水分を吸湿することもなく、造粒中に減圧ポンプで真空にすることも可能となり、PEGの量を下げて造粒できるため、中和反応をより活発にしながら、発泡する泡の径を極めて小さくできる効果が発揮できるため好ましく用いられる。
【0068】
本発明に用いられる炭酸入浴剤のもっとも好ましい製造方法は、重炭酸ナトリウムをPEGと機械式撹拌方式を用いた流動層造粒機によって造粒し、この造粒物に一定比率の量の有機酸と無水炭酸ナトリウム及びPEGを加え、混合後、高圧で圧縮成形し錠剤として得ることである。
【0069】
重炭酸塩(炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム)の混合物A(造粒物Aであることもある。)100質量部に対するPEGの比率は、1/100から1/5、特に好ましくは1/100から1/8であり、PEGの比率が上記量よりも少ないと、十分高い硬度を得ることが困難となり、または十分低い摩損度を得ることが困難となり、炭酸ガス泡の径が大きくなり発泡時間も短くなり、水に溶解する重炭酸イオン濃度を大きくできないことがあり、一方、PEGの量が上記よりも多くなると、発生する炭酸ガス泡の量が抑えられ、同じように水に溶解する重炭酸イオンの量が小さくなってしまうことがある。
【0070】
また、重炭酸塩の造粒物AもしくはPEG混合物Aを得たのち、有機酸もしくは有機酸造粒物BあるいはPEG有機酸混合物Bを添加する工程で、無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウムなどの無水物を添加することにより、本発明の効果をより顕著に発揮させることができ、炭酸ガスの泡径をミクロサイズの小さなものとしながら、発泡量をより多く、且つ長時間持続させる効果が得られる。
【0071】
また、有機酸を造粒物とせず、C6からC18のアルカンスルホン酸塩、オレフィン酸スルホン酸塩及びショ糖脂肪酸エステル、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1つと有機酸にPEGを加え混合するだけで、混合物Aと圧縮成形して錠剤とする場合に、本発明のミクロサイズの泡を長時間発泡させ、湯水の中に溶解する炭酸ガス成分を多くできる。
【0072】
一方、有機酸をPEG及びC6から18のアルカンスルホン酸塩、オレフィン酸スルホン酸塩及びショ糖脂肪酸エステル、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1つの賦形剤とを混合し、または造粒し、混合物Aと一定温度で混合、圧縮成形する場合にも、本発明のミクロサイズの泡を長時間発泡させ、水中に溶解する炭酸ガス成分を最大にし、塩素除去能力を安定に最後まで維持できる錠剤を得ることができる。
【0073】
上記製造方法における有機酸に対するPEGの使用比率は、有機酸100質量部に対し5から15質量部であることが好ましい。
【0074】
重炭酸塩の造粒物A又は混合物Aに対する造粒物B又は混合物Bの添加量は、1/100から2/3、好ましくは1/50から2/3、特に好ましくは1/10から1/3である。
【0075】
更に、前記造粒物Aもしくは混合物Aを作成する工程や、又は造粒物Aと混合物B若しくは造粒物Bを混合する工程など、圧縮成形時のいずれかの工程に上記無水物を添加することが好ましい。
【0076】
本発明において、粉剤混合時や錠剤成形のため使用される賦形剤は、炭素数6~18のアルカンスルホン酸ナトリウム、炭素数6~18のオレフィンスルホン酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等である。使用することが望ましい化合物として、n-(ノルマル)オクタンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、C6からC18のアルカンスルホン酸ナトリウム混合物、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル硫酸ナトリウム硫酸マグネシウムが用いられる。これらの中でも、n-(ノルマル)オクタンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、n-ヘプタンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
上記、本発明のn-(ノルマル)オクタンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、n-ヘプタンスルホン酸ナトリウムの添加量は、本発明に係る錠剤に用いられる有機酸に対し1/10から1/1000量であることが好ましい。その他の賦形剤の添加量についても同様の量でよい。
【0077】
特に望ましいアルカンスルホン酸ナトリウムやオレフィンスルホン酸ナトリウムは、C6からC18のアルカンスルホン酸ナトリウム混合物、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ノルマルオクタンスルホン酸ナトリウムの少なくとも1つを含むものである。
【0078】
混合物Bや造粒物Bには、塩化ナトリウム、塩化カリウム、乾燥硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、無水ケイ酸、水酸化ナトリウム、デキストリン、ケイ酸カルシウムが、本発明の効果を奏する添加物であり、その他、香料、色素、界面活性剤などが添加物として挙げられる。
【0079】
本発明に好ましく用いられる錠剤を作製する圧縮成形には、公知の圧縮成形機を特別の制限なく使用でき、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンなどを用いることができる。この打錠機などに用いる杵の大きさは、杵が円形である場合は直径が7mm以上であることが好ましく、杵が三角形や四角形の場合、円形杵に換算して直径が7mm以上となるものが好ましい。そして杵の厚みについても同様である。円形の打錠品を得る場合、錠剤の直径は7mm以上が望ましく、より望ましくは10mm以上とし、厚みも7mm以上、好ましくは10mm以上とし、三角形や四角形等の錠剤とされる場合、円形錠剤に換算して、直径及び厚みの各々が7mm以上、特に10mm以上とすることが好ましい。
【0080】
上記のように、本発明に好ましく用いられる錠剤は、必ずしも平面を持つ円形でなくてもよく、7mm以上の固形物であれば、楕円形でもいわゆるタブレット状でも球体でも、形は何ら制限されない。
【0081】
本発明は、本発明の硬度及び摩損度並びに一定サイズ以上の錠剤中でミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、湯水中への炭酸ガスの溶解をより効率的に行うことが好ましく、そのため硬度は15kg以上、望ましくは25kg以上、特に好ましくは35kg以上であり、また摩損度は10.0wt%以下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%以下であり、直径や厚みは10mm以上が特に好ましく、錠剤中での炭酸ガスの発生がより効果的に起こり、水中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、本発明の目的を効果的に達成できる。
【0082】
以下、本発明に係る錠剤の硬度について説明する。
【0083】
本発明を実現するため、多くの特許明細書の実施例で用いている直径方向からの錠剤破壊強度としての硬度を測定してみた。
【0084】
この方法では、錠剤の破壊強度を測定することになるが、直径方向の硬度測定方法として岡田精工社製デジタル錠剤硬度計ニュー・スピードチェッカーTS75NLを用いて錠剤の硬度[kg]を4回測定した。この場合、硬度に再現性があり、値の大きなばらつきは見られなかった。
【0085】
本発明の好ましい錠剤の条件である、湯水中で発生する炭酸ガスの泡径を目視で測定すると、錠剤径が7mm以上、特に10mm以上でかつ泡の合併がなく均一に発生し、中和反応が終わり錠剤が解けきるまで錠剤は反応し、炭酸ガスが中和され重炭酸イオンが効率的に湯水中に溶解できるように、試験生産した錠剤の7ロットのサンプル12種を用いて、錠剤硬度を測定してみても、4回測定の平均値であれば、測定値の振れ幅は無視でき、平均硬度が15kg以上、特に25kg以上の錠剤となっていることが確認できた。
【0086】
以下、本発明に好ましく用いられる錠剤の摩損度について説明する。摩損度は、錠剤摩損度試験器(萱垣医理科工業株式会社製)に錠剤重量が31g以上となるように錠剤を入れる。例えば、1錠剤の重量が15gの場合は、錠剤を3ヶ入れ、2分間回転する(回転速度は、25回転/分)。終了後の各錠剤の表面の粉をブラシ(例えば化学天秤の清掃用に使用される)で払い(摩損)、下記式で求める。
[(摩損前浴剤重量(g)総和-摩損後の浴剤重量(g)総和)/摩損前浴剤重量(g)総和]×100=浴剤摩損度(wt%)
なお、例えば、1錠の錠剤重量が40gの場合は、1錠入れ、また60gの場合も、1錠入れ、1錠剤が16.5gの場合は、2ケ入れる。
【0087】
錠剤摩損度が10.0wt%以下では、錠剤中のミクロサイズの発泡をゆっくり起こさせ、液中への炭酸ガスの溶解を効率的にコントロールできる。そのため摩損度は、10.0wt%以下とされ、さらに5.0wt%以下が好ましく、3.0wt%以下が特に好ましい。本発明内の摩損度は、特に錠剤の溶解が開始した後の錠剤中での炭酸ガスの発生がより効率的に起こり、水中への炭酸ガスの溶解が効率的に行われ、泡の径が細かくなり、本発明の効果を良好に奏する。
【0088】
本発明においては、上記以外の化合物はできるだけ添加しないことが望ましいが、酸性成分やアルカリ成分、香り成分、必要に応じてにごり温泉成分等を1又は2以上添加することもできる。
【0089】
上記成分を好ましい量比で添加した上で、pH調整剤を添加して、溶解後の水中のpHを上記範囲にすることが好ましい。
【0090】
用いられるpH調整剤としては、炭酸ナトリウムや有機酸が好ましく用いられるが、その他公知公用のいずれのものも特別の制限なく使用でき、特に食品添加物としてのpH調整剤を用いることが、錠剤は目や口に入る可能性が有ることからも、安全上好ましく、例えば、クエン酸三ナトリウム(クエン酸ナトリウム)、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0091】
本発明に用いられる炭酸入浴剤としては、例えば、重炭酸塩、有機酸及びポリエチレングリコールの存在下、圧縮成形して直径及び厚みが7mm以上、硬度が15kg以上であり、錠剤を湯水に溶かした直後のpHが5.5から8.5の範囲となる錠剤が挙げられ、好ましくはn-(ノルマル)オクタンスルホン酸ナトリウムのごとき賦活剤を含有し、更にL-アスコルビン酸等の塩素中和化合物を含有するものである。
【0092】
本発明者が先に提案した特許第6727249号及び特許第6744890号に比べ、本発明は炭酸マイクロバブル混合水中のマイクロバブル量を任意に変更することができ、季節やその日の事情に合わせて容易にマイクロバブル量を調整することが可能となる。
【付合の説明】
【0093】
1 外装体
2 第1外装体
21 シャワー細孔
22 係止フック
23 鉤先部
24 取付部
3 第2外装体
31 シャワー細孔
32 係止孔
33 上部口
34 下部口
35 収容部
4 蓋体
41 シャワー細孔
5 シャワーヘッド
51 湯水噴出孔
6 網状体
61 開口部
62 締付けゴム
63 網部
7 ゴムバンド
71 バンド部
72 マジックテープ
72A マジックテープ雄型
72B マジックテープ雌型
8 収容体
T 炭酸入浴剤