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  • 特開-コンクリート部材の補強構造 図1
  • 特開-コンクリート部材の補強構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075089
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】コンクリート部材の補強構造
(51)【国際特許分類】
   E04C 5/07 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
E04C5/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186278
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000112196
【氏名又は名称】株式会社ピーエス三菱
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(72)【発明者】
【氏名】堀内 達斗
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 美子
【テーマコード(参考)】
2E164
【Fターム(参考)】
2E164AA05
2E164CA01
2E164CA02
2E164CB11
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素吸収・固定型のコンクリートを用いた場合であっても主筋や配力筋等の補強部材が腐食することなく、且つ、高いせん断抵抗が発揮されるコンクリート部材の補強構造の提供。
【解決手段】このコンクリート部材の補強構造は、主補強筋2,2…が非腐食性の連続繊維補強材によって構成されるとともに、互いに交差する方向に向けて傾斜した一対の傾斜部4a,4aが連続して波形を成す非腐食性の連続繊維補強材からなる複数のせん断補強筋4,4…を備え、せん断補強筋4,4…がコンクリート部材1の両表面部に配置された主補強筋2,2間方向に波高方向を向けて配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート部材の両表面部にそれぞれ表面より所定の距離を隔てた位置に複数の主補強筋が並列に埋設されているコンクリート部材の補強構造において、
前記主補強筋が非腐食性の連続繊維補強材によって構成されるとともに、
互いに交差する方向に向けて傾斜した一対の傾斜部が連続して波形を成す非腐食性の連続繊維補強材からなる複数のせん断補強筋を備え、
該せん断補強筋が前記コンクリート部材の両表面部に配置された主補強筋間方向に波高方向を向けて配置されていることを特徴とするコンクリート部材の補強構造。
【請求項2】
前記主補強筋に対し直角方向に向けて並列配置された複数の副補強筋を備え、該副補強筋が非腐食性の連続繊維補強材によって構成されている請求項1に記載のコンクリート部材の補強構造。
【請求項3】
前記コンクリート部材は、二酸化炭素吸収型コンクリート又は二酸化炭素固定型コンクリートによって構成されている請求項1又は2に記載のコンクリート部材の補強方法。
【請求項4】
前記連続繊維補強材は、連続繊維体に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性連続繊維線材により構成されている請求項1又は2に記載のコンクリート部材の補強構造。
【請求項5】
前記連続繊維補強材は、連続繊維体に熱可塑性樹脂を含浸させた熱可塑性連続繊維線材により構成されている請求項1又は2に記載のコンクリート部材の補強構造。
【請求項6】
前記連続繊維補強材は、繊維材料からなる素線により棒状、帯状又は撚り線状に形成されている請求項1又は2に記載のコンクリート部材の補強構造。
【請求項7】
前記繊維材料が炭素繊維である請求項6に記載のコンクリート部材の補強構造。
【請求項8】
前記繊維材料がアラミド繊維である請求項6に記載のコンクリート部材の補強構造。
【請求項9】
前記繊維材料がガラス繊維である請求項6に記載のコンクリート部材の補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非腐食性の連続繊維補強材を用いたコンクリート部材の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
厚みが幅の数分の一程度である版状や板状のコンクリート部材では、部材厚み方向の上部及び下部に並列配置された複数の主筋と、主筋と直角方向に向けて並列配置された複数の配力筋とを備えた補強構造が一般に広く知られている。
【0003】
この補強構造は、曲げモーメントによるひび割れと直交する方向に鉄筋が配置されるため曲げに対する高い補強効果が得られるとともに、せん断力によるひび割れが厚さ方向に斜めに生じるため、せん断力に対し鉄筋のダウエル作用により対抗するようになっている(ダウエル効果)。
【0004】
一方、近年では、地球温暖化に対応するため、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を大幅に減らし、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの実現が求められ、二酸化炭素(CO)を炭素資源と捉え、これを回収し、多様な炭素化合物として再利用するカーボンリサイクルが推進されている。
【0005】
コンクリート・セメント関連産業は、このカーボンリサイクルの重要分野に位置づけられ、カーボンリサイクルを実現するための技術開発が盛んに行われており、その一例として、コンクリートに二酸化炭素(CO)を吸収・固定する技術等が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
しかしながら、コンクリートに取り込まれた二酸化炭素は、コンクリート(セメント)に含まれる水酸化カルシウムと化学反応し、中性の炭酸カルシウムを生成するため、コンクリートが中性化される原因となり、当該中性化がコンクリート内部に埋設された鉄筋等の補強鋼材の腐食を招くおそれがあることから、このような腐食に対する対策が求められる。
【0007】
従来、鉄筋等の補強鋼材に対する腐食対策は、塩害や化学的劣化因子の影響等のコンクリートを取り巻く周辺環境に合わせて鉄筋等とコンクリート表面との間に適切な距離(かぶり)を確保し、鉄筋等の補強鋼材の酸化を防止することが基本となっている。
【0008】
また、この種の腐食対策には、コンクリートの表面に塗装を施し、劣化因子がコンクリート内部に侵入することを防ぐことによって、鉄筋等の補強鋼材の腐食を防止する方法も知られている。
【0009】
さらに、他の対策としては、劣化因子によって腐食する鋼製の鉄筋等(以下、通常鉄筋という)を中性化された環境下においても腐食しない材料、例えば、エポキシ樹脂塗装で被覆した鉄筋(以下、塗装鉄筋という)や亜鉛メッキ等によって被覆された鉄筋(以下、メッキ鉄筋)等を使用する方法や、鉄筋等をステンレス等の腐食し難い材料からなる補強材に置き換えることで腐食を防止する方法も行われている。
【0010】
また、補強材に用いられる中性化された環境下でも腐食しない材料としては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等からなる連続繊維補強材の使用も検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2020-131076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、コンクリートに二酸化炭素(CO)を吸収・固定させる場合、炭酸化によってコンクリートが中性化するため、強アルカリ性の環境下で鉄筋等が保護されていた場合に比べ、鉄筋等が腐食し易くなり、コンクリート構造物の安全性が早期に損なわれるおそれがあった。
【0013】
また、コンクリート表面を塗装する場合では、塗装に耐用年数があり、定期的に検査や再塗装が必要となるという問題があった。
【0014】
一方、通常鉄筋を塗装鉄筋に置き換える場合には、塗装鉄筋を運搬する際や施工時の扱い方によって塗装が傷つくことで所定の耐久年数が得られなくなるおそれがあった。
【0015】
さらには、連続繊維補強材は、所定の方向の引張りに対し高い抵抗性を具備するが、せん断剛性が期待できず、通常鉄筋を連続繊維補強材に置き換える場合には、終局荷重時に曲げ破壊より押し抜きせん断破壊が先行し、脆弱な構造となるおそれがあった。
【0016】
更にまた、連続繊維補強材は、弾性係数が小さいため、通常鉄筋を用いたRC部材(鉄筋コンクリート部材)に比べて変形量も大きくなるという問題があった。
【0017】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、二酸化炭素吸収・固定型のコンクリートを用いた場合であっても補強部材が腐食することなく、且つ、高いせん断抵抗が発揮されるコンクリート部材の補強構造の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、コンクリート部材の両表面部にそれぞれ表面より所定の距離を隔てた位置に複数の主補強筋が並列に埋設されているコンクリート部材の補強構造において、前記主補強筋が非腐食性の連続繊維補強材によって構成されるとともに、互いに交差する方向に向けて傾斜した一対の傾斜部が連続して波形を成す非腐食性の連続繊維補強材からなる複数のせん断補強筋を備え、該せん断補強筋が前記コンクリート部材の両表面部に配置された主補強筋間方向に波高方向を向けて配置されていることにある。
【0019】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記主補強筋に対し直角方向に向けて並列配置された複数の副補強筋を備え、該副補強筋が非腐食性の連続繊維補強材によって構成されていることにある。
【0020】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記コンクリート部材は、二酸化炭素吸収型コンクリート又は二酸化炭素固定型コンクリートによって構成されていることにある。
【0021】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記連続繊維補強材は、連続繊維体に熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性連続繊維線材により構成されていることにある。
【0022】
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記連続繊維補強材は、連続繊維体に熱可塑性樹脂を含浸させた熱可塑性連続繊維線材により構成されていることにある。
【0023】
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記連続繊維補強材は、繊維材料からなる素線により棒状、帯状又は撚り線状に形成されていることにある。
【0024】
請求項7に記載の発明の特徴は、請求項6の構成に加え、前記繊維材料が炭素繊維であることにある。
【0025】
請求項8に記載の発明の特徴は、請求項6の構成に加え、前記繊維材料がアラミド繊維であることにある。
【0026】
請求項9に記載の発明の特徴は、請求項6の構成に加え、前記繊維材料がガラス繊維であることにある。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るコンクリート部材の補強構造は、請求項1に記載の構成を具備することによって、コンクリートの中性化に伴う補強部材の腐食を防止することができるとともに、せん断耐力及び変形性能の向上を図ることができる。
【0028】
また、本発明において、請求項2の構成を具備することによって、コンクリート部材が高い曲げ耐力を得ることができる。
【0029】
さらに、本発明において、請求項3の構成を具備することによって、セメントの製造時の脱炭酸によって排出された二酸化炭素を間接的に回収し、二酸化炭素の総排出量を低減できる。
【0030】
また、本発明において、請求項4の構成を具備することによって、せん断補強筋を予め工場等で精密に形成することができる。
【0031】
また、本発明において、請求項5の構成を具備することによって、施工現場において状況に合わせてせん断補強筋を加工することができる。
【0032】
さらに、本発明において、請求項6の構成を具備することによって、状況に応じた態様を適宜選択することができ、高い強度を得ることができる。
【0033】
また、本発明において、請求項7乃至9の構成を具備することによって、アルカリ性及び中性の環境下において補強材の腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係るコンクリート部材の補強構造の一例を示す縦断面図である。
図2】同上の補強構造を構成する主補強筋、副補強筋及びせん断補強筋を組み立てた状態を示す斜視図である。
図3】同上のせん断補強筋を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、本発明に係るコンクリート部材の補強構造の実施態様を図1図3に示した実施例に基づいて説明する。
【0036】
尚、本実施例では、コンクリート部材として厚みが幅の数分の一程度であるコンクリート版1を例に説明し、図中符号1はコンクリート版である。
【0037】
コンクリート版1は、二酸化炭素吸収型コンクリート又は二酸化炭素固定型コンクリートによって構成され、セメントの製造時の脱炭酸によって排出された二酸化炭素を間接的に回収し、二酸化炭素の総排出量を低減できるようにしている。
【0038】
二酸化炭素吸収コンクリートは、炭酸カルシウムや二酸化炭素を可逆的に吸収する多孔質材料等を多く含み、一般的なコンクリートよりも二酸化炭素の吸収が促進されるようにしたものをいう。
【0039】
二酸化炭素固定コンクリートは、二酸化炭素の存在下でセメントと水とを反応(水和反応)させることによって、コンクリート中に二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定化したものをいう。
【0040】
また、このコンクリート版1には、両表面部にそれぞれ表面より所定の距離(かぶり)を隔てた位置に並列に埋設された非腐食性の連続繊維補強材からなる複数の主補強筋2,2…と、主補強筋2,2…に対し直角方向に向けて並列配置された非腐食性の連続繊維補強材からなる複数の副補強筋3,3…とを備え、曲げに対する高い補強効果が得られる補強構造が具備されている。
【0041】
主補強筋2,2…及び副補強筋3,3…を構成する連続繊維補強材は、繊維材料からなる素線により棒状、帯状又は撚り線状に形成され、それぞれコンクリート版1に作用する曲げモーメントによるひび割れと直交する方向に配置されている。
【0042】
繊維素材は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等のコンクリートが中性化されていない環境(アルカリ性)下及び中性化された環境の何れにおいても腐食しない材質又は腐食し難い材質によって構成されている。
【0043】
更に、このコンクリート版1には、コンクリート版1の両表面部にそれぞれ配置された主補強筋2,2間方向に波高方向を向けて配置された腐食性の連続繊維補強材からなる波形状の複数のせん断補強筋4,4…を備え、コンクリート版1の厚み方向に対し斜めに作用するせん断力に対抗できるようにしている。
【0044】
このせん断補強筋4,4…は、図3に示すように、互いに交差する方向に向けて傾斜した一対の傾斜部4a,4aが一方向に連続した波形状に形成され、コンクリート版1の幅方向に間隔をおいてそれぞれ波高方向をコンクリート版1の表面部に配置された主補強筋2,2間方向に向けて配置される。
【0045】
より詳しくは、波形の頂部の下側に上側の副補強筋3,3…が挿通された状態で各主補強筋2,2…の側部に配置され、各せん断補強筋4,4…が副補強筋3,3…に支持された状態となっている。
【0046】
尚、波形の谷部側は、下側の主補強筋2,2…から一定の高さを隔てた位置になるよう形成されていてもよく、下側の主補強筋2,2…の位置に到達するような形状に形成されていてもよい。
【0047】
各傾斜部4a,4aは、水平方向に対し所定の角度θを成すように傾斜し、コンクリート版1に対し斜め方向に作用するせん断力と交差、より望ましくは直交するように配置される。
【0048】
尚、本実施例では、各波形のピッチ及び傾斜部の傾斜角度θが一定の波形によって形成された場合を例示したが、コンクリート部材(コンクリート版1)の使用態様や状況に応じて、部分的にピッチや傾斜角度θが異なるものであってもよい。例えば、コンクリート版1の主補強筋2の軸方向両端部が支持されている場合等では、両端部側の波形のピッチを広く、中央側を狭くするようにしてもよい。
【0049】
このせん断補強筋4,4…を構成する連続繊維補強材は、連続繊維体にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた熱硬化性連続繊維線材により構成され、せん断補強筋4,4…を工場等で予め所定の波4形状に形成しておく。
【0050】
尚、せん断補強筋4,4…を構成する連続繊維補強材は、連続繊維体にエポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を含浸させた熱可塑性連続繊維線材により構成されたものであってもよく、その場合、施工現場において部分加熱による曲げ加工ができ、施工性が向上する。
【0051】
せん断補強筋4,4…を構成する連続繊維補強材は、繊維材料からなる素線により棒状、帯状又は撚り線状に形成されたものを波形に成形する。
【0052】
繊維素材は、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等のコンクリートが中性化されていない環境(アルカリ性)下及び中性化された環境下の何れにおいても腐食しない材質又は腐食し難い材質によって構成されている。
【0053】
このように構成されたコンクリート部材(コンクリート版1)の補強構造では、主補強筋2,2…、副補強筋3,3…及びせん断補強筋4,4…が非腐食性の連続繊維補強材によって構成されているので、コンクリート部材(コンクリート版1)が二酸化炭素吸収型コンクリート又は二酸化炭素固定型コンクリートによって構成され、炭酸化により中性化した場合であっても、主補強筋2,2…、副補強筋3,3…及びせん断補強筋4,4…が腐食しないようになっている。
【0054】
一方、コンクリート版に連続繊維補強材によって構成された主補強筋2,2…、副補強筋3,3…を用いた場合、所定の方向の引張りに対し高い抵抗性を具備するが、主補強筋2,2…、副補強筋3,3…のみの補強では、せん断剛性が期待できず、連続繊維補強材の弾性係数が小さいので、変化量も大きくなるおそれがある。
【0055】
これに対し、このコンクリート版1の補強構造では、波形状のせん断補強筋4,4…を設けたことによって、せん断力が作用する方向と交差する方向に向けた傾斜部4a,4aがせん断力に対抗するので、終局荷重時に曲げ破壊より押し抜きせん断破壊が先行するようなことがなく、変形性能の向上が期待できる。
【0056】
尚、上述の実施例では、コンクリート部材としてコンクリート版1を例に説明したが、コンクリート部材の態様は、これに限定されず、コンクリート梁、コンクリート柱等の多様な態様のコンクリート部材に適用することができる。
【0057】
また、上述の実施例では、二酸化炭素吸収型又は二酸化炭素固定型コンクリートを用いた場合について、説明したが、通常のコンクリートにも適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 コンクリート版
2 主補強筋
3 副補強筋
4 せん断補強筋
図1
図2
図3