(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075117
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】おりん
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20240527BHJP
G10K 1/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A47G33/00 L
G10K1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186324
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
(57)【要約】
【課題】りん棒等にて打りんすると、音が鳴るりん本体部を揺動可能に支持したタイプのおりんにおいて、りん本体部の揺れが安定し、その大きさ等の制御ができるおりんの提供を目的とする。
【解決手段】下側が開口したりん本体部と、前記りん本体部の内側にて当該りん本体部を支持する台座部を備え、前記りん本体部は内側に支持部を有し、前記台座部は立設した支柱部と前記支柱部の先端側に載置部を有し、前記載置部にて前記りん本体部側の支持部を載置支持してあり、前記支持部と載置部とはりん本体部の静止時にリング状又は複数の突部で相互に接触していることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側が開口したりん本体部と、前記りん本体部の内側にて当該りん本体部を支持する台座部を備え、
前記りん本体部は内側に支持部を有し、前記台座部は立設した支柱部と前記支柱部の先端側に載置部を有し、
前記載置部にて前記りん本体部側の支持部を載置支持してあり、
前記支持部と載置部とはりん本体部の静止時にリング状又は複数の突部で相互に接触していることを特徴とするおりん。
【請求項2】
前記支持部と載置部は一方が凸形状部で他方が凹形状部であることを特徴とする請求項1記載のおりん。
【請求項3】
前記凹形状部は段差状の凹形状であることを特徴とする請求項2記載のおりん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、りん棒等にて打りんすることで音が鳴るおりんに関する。
【背景技術】
【0002】
おりんは、仏具の1つであり、邪気を払いのける、荘厳な雰囲気を醸し出す、読経の音程やリズムを合せる等のいろいろな場面にて使用されている。
【0003】
この種のおりんとして、従来のりん座布団等の上に載置する、おわん型のおりんの替わりに揺動することで、長い余韻を得ることができるタイプも提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかし、おりんは単に長く鳴ればよいというものではなく、揺動する大きさを抑えたり、りん本体の回転を抑制することも必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、りん棒等にて打りんすると、音が鳴るりん本体部を揺動可能に支持したタイプのおりんにおいて、りん本体部の揺れが安定し、その大きさ等の制御ができるおりんの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るおりんは、下側が開口したりん本体部と、前記りん本体部の内側にて当該りん本体部を支持する台座部を備え、前記りん本体部は内側に支持部を有し、前記台座部は立設した支柱部と前記支柱部の先端側に載置部を有し、前記載置部にて前記りん本体部側の支持部を載置支持してあり、前記支持部と載置部とはりん本体部の静止時にリング状又は複数の突部で相互に接触していることを特徴とする。
ここで、支持部と載置部は一方が凸形状部で他方が凹形状部であると、接触支持部が安定し、さらに凹形状部は段差状の凹形状であると、凸形状部が凹形状部に納まりやすくなる。
【0008】
また、下側が開口したりん本体部とは、この下側の開口部から内側の中央部に向けて支柱部を挿入し、このりん本体部を揺動支持できるものをいい、代表例としては逆さおわん形状等がある。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るおりんにあっては、台座部から立設した支柱部の上端部に設けた載置部に、りん本体部の内側に設けた支持部を介して、このりん本体部を載置するように支持させたものであり、このりん本体部側の支持部と台座部の支柱部側の載置部との当接部が、リング状又は複数の突部にて形成されているので、りん本体部が揺動する際には、このりん本体部が点で支持されるものの、この広さや大きさを調整することで揺動の動きを制御できる。
【0010】
りん本体部が揺動する際にりん本体部が傾くと、リング形状の円周の一部で点当たりするように左右,前後に揺動したり、回転することになる。
複数の突部の場合には一部の突部で点又は線状に当接するように傾く。
これにより、従来の1点支持では、点当たり部が前後,左右にスリップする恐れがあったのを抑える。
なお、本発明において、支持部と載置部とが相互に球面接触するように面接触させ、その接触面の大きさを0.5~5mm2の範囲に調整しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るおりんの構造例を示し、(a)は外観、(b)は断面図を示す。
【
図2】台座部側の載置部とりん本体部側の支持部との当接部の拡大図を示す。(a)は載置部側に凹面状の球面、支持部側に凸形状部を形成した例を示し、(b)は段差状の凹形状部にした例を示し、(c)は支持部側を凹面にした例を示す。
【
図3】(a)は支持部側に3つの突部を形成した例、(b)は載置部側に3つの突部を形成した例を示す。
【
図4】支持部側にリング状の接触部を形成した例を示す。
【
図5】(a)はリング状の接触部の平面図、(b)は3つの突部からなる接触部の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るおりんの構造例を以下図に基づいて説明する。
【0013】
本実施例に係るおりんは、
図1(a)に示すように全体として球形状であり、底部側の台座部11を有し、台座部11の上面中央部から立設した支柱部13を有する。
本実施例では、支柱部13を台座部11と一体的に設けた例になっているが、別部材からなる支柱部13を台座部側に螺着,溶着してあってもよい。
また、台座部11の底部は、平坦部11aにした例になっているが、緩やかな凸面であってもよい。
【0014】
支柱部13の上端部には、載置部13aを有し、この載置部13aの上に下側が開口した逆さおわん形状のりん本体部12の内側の中央部に設けた支持部12aを載置支持した構造になっている。
このように、りん本体部12が略半球形状であり、内側の中央部にてやじろうべえのように支持したことにより、打りんした際にりん本体部11が揺動しつつ、共鳴音が鳴る。
これにより、余韻が長く、澄みきった音色になる。
【0015】
本発明は、揺動時には当接部が1点当たりになるものの、静止時にはリング状又は複数の突部で当接するので、揺動時にスリップするのを防止でき、この揺動の大きさや揺動時間の長さを調整可能にした点に特徴がある。
図1(b)の一点鎖線部分を
図2(a)に拡大図として示す。
台座部11側の支柱部13の上端部に形成した載置部13aは、半球面状の凹面に形成してあり、りん本体部12側の支持部12aは、りん本体部12の内側の中央部から垂下した突部であって、先端部は平坦な円形になっている。
なお、先端部は、載置部の曲率よりも大きければ緩やかな曲面でもよい。
これにより、支持部12aは、載置部13aの凹面にリング状に当接した状態で載置され、揺動するとリング状のどこか一点で支えるように傾く。
図2(b)は、載置部113aの凹面が下段側にて支持部が納まる段差状に形成されている。
これにより、支持部12aは所定位置に納まりやすくなっている。
【0016】
図2(c)は、りん本体部12側の支持部12bを凹面状にし、台座部11側の載置部13bを
図5(a)に示したようなリング形状の接触部とした例である。
図3(a)は、支持部12cを
図5(b)に示したような3つの突部形状に形成し、載置部13を緩やかな凹面した例、
図4(b)は逆に載置部13d側を3つの突部形状にし、支持部12dを緩やかな凹面にした例を示す。
突部は、2つ以上であればその数に制限はない。
図4は、支持部12eをリング形状の接触部にし、載置部13eをゆるやかな凹面にした例を示す。
【符号の説明】
【0017】
11 台座部
12 りん本体部
12a 支持部
13 支柱部
13a 載置部