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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075135
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】無人走行体
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20240527BHJP
   G01S 17/931 20200101ALI20240527BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S17/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186348
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓輔
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA01
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB07
5J084AB17
5J084AC02
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA11
5J084BA49
5J084BB20
5J084BB38
5J084CA03
5J084CA31
5J084DA02
5J084DA04
5J084EA19
5J084EA20
(57)【要約】
【課題】レーザー式測距装置の汚れや故障による異常の判別に加え、データの改ざん、データの一部消失およびデータの置換といったレーザー点群のデータ異常の有無を判別できる無人走行体の提供にある。
【解決手段】走行体本体と、レーザー式測距装置20と、レーザー式測距装置20を制御するコントローラと、を有する無人走行体である。コントローラは、レーザー走査部23と距離を空けて対向して走行体本体に遮光体を設けた状態でレーザー式測距装置20により遮光体を測距してレーザー点群Pを取得するとともに、遮光体の遮光を無効化した状態でレーザー式測距装置20により走行体本体の周囲の測距対象物を測距してレーザー点群を取得し、遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が、測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の距離値より大きいと判別されたとき、取得されたレーザー点群のデータ異常と判別する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体本体と、
前記走行体本体に備えられ、レーザー光を走査するレーザー走査部を備えるレーザー式測距装置と、
前記レーザー式測距装置を制御するコントローラと、を有する無人走行体であって、
前記コントローラは、前記レーザー走査部と距離を空けて対向して前記走行体本体に遮光体を設けた状態で前記レーザー式測距装置により前記遮光体を測距してレーザー点群を取得するとともに、前記遮光体の遮光を無効化した状態で前記レーザー式測距装置により前記走行体本体の周囲の測距対象物を測距してレーザー点群を取得し、
前記遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が、前記測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の距離値より大きいと判別されたとき、取得されたレーザー点群のデータ異常と判別することを特徴とする無人走行体。
【請求項2】
前記コントローラは、前記遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が、予め設定した上限距離値および下限距離値の範囲内であるか否かを判別し、
前記遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が前記上限距離値および前記下限距離値の範囲内でないと判別されたとき、レーザー点群のデータ異常と判別することを特徴とする請求項1記載の無人走行体。
【請求項3】
前記コントローラは、前記レーザー式測距装置による測距開始後にランダム時間で待機した後にレーザー点群を取得することを特徴とする請求項1又は2記載の無人走行体。
【請求項4】
前記遮光体は、通電の有無により透明状態と不透明状態を切り換え可能な調光ガラス体であり、
前記コントローラは、前記遮光体の測距のとき前記調光ガラス体を不透明状態とし、前記走行体本体の周囲の測距のとき前記調光ガラス体を透明状態とすることを特徴とする請求項1又は2記載の無人走行体。
【請求項5】
前記コントローラは、取得されたレーザー点群のデータ異常の判別に、前記遮光体の測距により取得されたレーザー点群の一部の距離値を用いるとともに、前記測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の一部の距離値を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の無人走行体。
【請求項6】
前記遮光体および前記レーザー式測距装置の少なくとも一方は、前記レーザー走査部と前記遮光体が互いに対向しない位置へ変位可能であり、
前記遮光体および前記レーザー式測距装置の少なくとも一方が変位することにより前記遮光体の遮光機能を無効化することを特徴とする請求項1記載の無人走行体。
【請求項7】
前記レーザー式測距装置の前記遮光体に対する変位を可能とする変位機構を有することを特徴とする請求項6記載の無人走行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーザー式測距装置を備える無人走行体に関する。
【背景技術】
【0002】
無人走行体に関連する従来技術として、例えば、特許文献1に開示された車両用センシングシステム及び車両が知られている。特許文献1に開示された車両用センシングシステムは、車両に設けられた車両用灯具のアウターカバーに付着した汚れを検出するように構成されている。具体的には、車両用センシングシステムは、LiDARユニットと、灯具クリーナーと、灯具クリーナー制御部と、を備える。
【0003】
LiDARユニットは、車両用灯具のハウジングとアウターカバーとによって形成された空間内に配置されるとともに、車両の周辺環境を示す点群データを取得するように構成されている。灯具クリーナーは、アウターカバーに付着した汚れを除去するように構成されている。灯具クリーナー制御部は、LiDARユニットから出射された後に道路面によって反射された複数の反射光の強度に関連する反射光強度情報を取得する。そして、灯具クリーナー制御部は、取得された反射光強度情報に基づいて、アウターカバーに汚れが付着しているかどうかを判定し、アウターカバーに汚れが付着しているとの判定に応じて灯具クリーナーを駆動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/170679号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、レーザー式測距装置を備える無人走行体では、レーザー式測距装置が取得するレーザー点群のデータに基づいて走行時に無人走行体の周囲の障害物を検出するほか、自己位置を推定する。しかしながら、例えば、無人走行体が悪意のある行為を受けると、レーザー点群のデータ異常を生じることになる。悪意ある行為としては、例えば、レーザー式測距装置を異なる別のレーザー測距装置にすり替えるという行為や、レーザー式測距装置とコントローラを繋ぐ配線の間に別のコンピュータを介在させる行為である。これらの行為によって、例えば、特定の方位の障害物が消失されたレーザー点群のデータが送信されたり、無人走行体の周囲の偽のレーザー点群の送信が行われたりする。さらに言うと、過去に取得したレーザー点群のデータが再送信される場合も考えられる。しかしながら、特許文献1に開示された車両用センシングシステムでは、単にアウターカバーに汚れが付着しているかどうかを判定することに止まり、データの改ざん、データの一部消失およびデータの置換といったレーザー点群のデータ異常の有無を判別できないという問題がある。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、レーザー式測距装置の汚れや故障による異常の判別に加え、データの改ざん、データの一部消失およびデータの置換といったレーザー点群のデータ異常の有無を判別できる無人走行体の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、走行体本体と、前記走行体本体に備えられ、レーザー光を走査するレーザー走査部を備えるレーザー式測距装置と、前記レーザー式測距装置を制御するコントローラと、を有する無人走行体であって、前記コントローラは、前記レーザー走査部と距離を空けて対向して前記走行体本体に遮光体を設けた状態で前記レーザー式測距装置により前記遮光体を測距してレーザー点群を取得するとともに、前記遮光体の遮光を無効化した状態で前記レーザー式測距装置により前記走行体本体の周囲の測距対象物を測距してレーザー点群を取得し、前記遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が、前記測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の距離値より大きいと判別されたとき、取得されたレーザー点群のデータ異常と判別することを特徴とする。
【0008】
本発明では、コントローラは、レーザー式測距装置により遮光体を測距してレーザー点群を取得するとともに、レーザー式測距装置により走行体本体の周囲の測距対象物を測距してレーザー点群を取得する。遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が、測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の距離値より大きいと判別されたとき、コントローラは取得されたレーザー点群のデータ異常と判別する。このため、レーザー式測距装置の汚れや故障による異常の判別に加え、データの改ざん、データの一部消失およびデータの置換といったレーザー点群のデータ異常の有無を判別できる。
【0009】
また、上記の無人走行体において、前記コントローラは、前記遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が、予め設定した上限距離値および下限距離値の範囲内であるか否かを判別し、前記遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が前記上限距離値および前記下限距離値の範囲内でないと判別されたとき、レーザー点群のデータ異常と判別する構成としてもよい。
この場合、コントローラは、遮光体を測距してレーザー点群の距離値を取得することにより、遮光体の測距により取得されたレーザー点群のデータ異常を判別することができる。
【0010】
また、上記の無人走行体において、前記コントローラは、前記レーザー式測距装置による測距開始後にランダム時間で待機した後にレーザー点群を取得する構成としてもよい。
この場合、レーザー式測距装置による測距開始後にレーザー点群を取得するまでにランダム時間で待機するので、レーザー点群を決まったタイミングで取得する場合と比較して例えば、悪意ある行為によるレーザー点群のデータ異常を防止することができる。
【0011】
また、上記の無人走行体において、前記遮光体は、通電の有無により透明状態と不透明状態を切り換え可能な調光ガラス体であり、前記コントローラは、前記遮光体の測距のとき前記調光ガラス体を不透明状態とし、前記走行体本体の周囲の測距のとき前記調光ガラス体を透明状態とする構成としてもよい。
この場合、遮光体は調光ガラス体であるので、通電することにより調光ガラス体を透明状態とすることができる。よって、レーザー式測距装置が、遮光体を測距するときに調光ガラス体を不透明状態とし、測距対象物を測距してレーザー点群を取得するときに、調光ガラス体の透明状態により遮光体の着脱が不要となる。
【0012】
また、上記の無人走行体において、前記コントローラは、取得されたレーザー点群のデータ異常の判別に、前記遮光体の測距により取得されたレーザー点群の一部の距離値を用いるとともに、前記測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の一部の距離値を用いる構成としてもよい。
この場合、コントローラが、遮光体および測距対象物の測距により取得したレーザー点群の一部の距離値を取得されたレーザー点群のデータ異常の判別に用いることで、全てのレーザー点群の距離値を用いる必要がなく、コントローラの制御の負荷を軽減することができる。
【0013】
また、上記の無人走行体において、前記遮光体および前記レーザー式測距装置の少なくとも一方は、前記レーザー走査部と前記遮光体が互いに対向しない位置へ変位可能であり、前記遮光体および前記レーザー式測距装置の少なくとも一方が変位することにより前記遮光体の遮光機能を無効化する構成としてもよい。
この場合、遮光体およびレーザー式測距装置の少なくとも一方が変位するので、遮光体としての調光ガラス体を用いる必要がなく、遮光体の製作コストを低減できる。
【0014】
また、上記の無人走行体において、前記レーザー式測距装置の前記遮光体に対する変位を可能とする変位機構を有する構成としてもよい。
この場合、変位機構は、レーザー測距装置を遮光体に対して変位させることで、遮光体を測距するときと、走行体本体の周囲の測距対象物を測距するときと、レーザー測距装置の位置を切り換えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、レーザー式測距装置の汚れや故障による異常の判別に加え、データの改ざん、データの一部消失およびデータの置換といったレーザー点群のデータ異常の有無を判別できる無人走行体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係る無人走行体の斜視図である。
図2】第1の実施形態に係る無人走行体の概略構成図である。
図3】(a)は不透明状態の調光ガラス体を示す側面図であり、(b)は透明状態の調光ガラス体を示す側面図である。
図4】第1の実施形態に係るレーザー点群の異常の有無を確認するための手順を示すフロー図である。
図5】第2の実施形態に係る無人走行体の要部を示す側面図である。
図6】(a)は下降した状態のレーザー式測距装置の側面図であり、(b)は上昇した状態のレーザー式測距装置の側面図である。
図7】第2の実施形態に係るレーザー点群の異常の有無を確認するための手順を示すフロー図である。
図8】(a)は別例1に係る無人走行体の側面図であり、(b)は別例2に係る無人走行体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る無人走行体ついて図面を参照して説明する。本実施形態の無人走行体は、電動走行する電動式無人走行体である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る電動式無人走行体(以下、「無人走行体」と表記する)10の走行体本体11は、駆動輪12および操舵輪13を備えている。駆動輪12は、走行用モータ14の回転力の伝達を受けて駆動される車輪であり、走行体本体11の後部に備えられている。操舵輪13は操舵機構15により操舵される車輪であり、走行体本体11の前部に備えられている。操舵機構15は、操舵輪13を操舵するための操舵用モータ16を備えている。走行用モータ14、操舵機構15および操舵用モータ16は走行体本体11の内部に収容されている。
【0019】
走行体本体11には、蓄電装置としてのバッテリ17が搭載されている。バッテリ17は放電可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池である。バッテリ17は、走行用モータ14等の電力を必要とする各部と電力配線(図示せず)により接続されている。したがって、バッテリ17の電力は電力配線を通じて走行体本体11の各部に供給される。
【0020】
走行体本体11には、無線通信装置18、コントローラ19およびレーザー式測距装置20が備えられている。無線通信装置18は、無人走行体10の運行を管理する運行管理システム(図示せず)との無線による双方向の送受信を行うための通信装置である。本実施形態では、無線通信装置18は走行体本体11の後部に備えられている。
【0021】
図2に示すように、コントローラ19は、CPU21と、RAMおよびROM等からなる記憶部22と、を備えている。コントローラ19は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)を備えていてもよい。コントローラ19は、コンピュータプログラムにしたがって動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。
【0022】
記憶部22には、無人走行体10の各部を制御するための種々のプログラムが記憶されている。コントローラ19は、例えば、走行用モータ14を制御することで、無人走行体10の進行方向および走行速度を制御することが可能である。また、走行体本体11の移動を行なう移動空間に関する環境地図が記憶されている。環境地図は、走行体本体11が移動空間を移動しながら作成する地図である。無人走行体10の自己位置推定と環境地図の構築を同時に行なう技術は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)と称される。記憶部22は、RAMおよびROMに限らず、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆるコンピュータ可読媒体を含む。
【0023】
レーザー式測距装置20は、走行体本体11の周囲にレーザー光を照射して走行体本体11の周囲に存在する物体の表面から反射された反射光を受光し、その物体の位置を検出する測距センサである。本実施形態では、レーザー式測距装置20は、円柱状であって走行体本体11の上面に備えられている。レーザー式測距装置20は、無人走行体10の自己位置の推定と障害物の検出のために設けられている。
【0024】
レーザー式測距装置20は、レーザー光を照射する発光部と、反射されたレーザー光を受光する受光部と、を有している。本実施形態では、説明の便宜上、発光部および受光部をまとめてレーザー走査部23とする。レーザー式測距装置20は、レーザー走査部23を支持する基台部24を有している。なお、本実施形態は、レーザー式測距装置20として、レーザー光やミリ波を照射してその反射波を受波するレーザー光を照射してその反射波を受波するLiDAR(Light Detection and Ranging)を用いる。
【0025】
レーザー走査部23は、無人走行体10の全周囲である360度の範囲にわたり、レーザー光を走査する。前進方向を0度とし、物体を検出したときの前進方向に対する角度に関連付けて物体までの距離が測定される。上下方向へのレーザー光の走査の範囲は一定の角度で設定されている。レーザー式測距装置20は、コントローラ19と接続されており、レーザー式測距装置20の測距により検出される物体がレーザー点群として取得され、コントローラ19は、レーザー点群の距離値および物体を検出した時の角度を取得する。
【0026】
本実施形態では、走行体本体11の上面に調光ガラス体25が備えられている。図3(a)、図3(b)に示すように、調光ガラス体25は、外周面26Aと内周面26Bを有する筒状のガラス本体部26と、ガラス本体部26を支持する支持台部27と、ガラス本体部26の上端を覆う蓋部28と、通電部(図示せず)と、を有する。調光ガラス体25の内部にレーザー式測距装置20が収容されている。レーザー走査部23から調光ガラス体25の内周面26Bまでの距離が等しくなるように、調光ガラス体25とレーザー式測距装置20とは同心円状に配置されている。通電部はガラス本体部26に電圧を印加する。ガラス本体部26は、通電部が電圧を印加することによりレーザー光Lの透過が可能な透明状態となり、通電を解除することでレーザー光Lの透過が不可能な不透明状態となる。通電部は電力の供給を受けられるようにバッテリ17と電力線(図示せず)で接続されている。また、ガラス本体部26はコントローラ19と接続されており、ガラス本体部26の通電はコントローラ19により制御される。
【0027】
調光ガラス体25が透明状態では、レーザー走査部23から照射されるレーザー光Lおよび反射されたレーザー光Lはガラス本体部26を通過できる。ガラス本体部26が不透明状態では、レーザー光Lはガラス本体部26を通過できない。つまり、調光ガラス体25は、遮光体としての機能を有する。
【0028】
ところで、本実施形態では、コントローラ19は、レーザー式測距装置20の故障や汚れによる異常の有無を判別するほか、例えば、悪意のある行為による偽のレーザー点群によるレーザー点群の異常の有無を判別する制御を行う。悪意のある行為としては、例えば、レーザー式測距装置20のすり替えのほか、レーザー式測距装置20とコントローラ19を繋ぐ配線の間に別のコンピュータを介在させ、偽のレーザー点群をコントローラ19へ送信することが挙げられる。
【0029】
悪意のある行為による偽のレーザー点群によるレーザー点群の異常の有無を判別する制御は、図4に示すフロー図の一連の手順に従う。予めコントローラ19は、調光ガラス体25を不透明状態となるように調光ガラス体25を制御しておく。具体的には、コントローラ19は、ガラス本体部26に対する通電を行わない。
【0030】
図4に示すように、コントローラ19は、まず、レーザー式測距装置20による調光ガラス体25に対する測距を開始する(ステップS001)。測距の開始後であってレーザー点群を取得する前に待機時間を設けているのでコントローラ19は待機する(ステップS002)。待機時間は数秒程度であるが、調光ガラス体25を測距する毎に待機時間が異なるように設定されているので、ランダム時間である。
【0031】
待機時間が経過すると、コントローラ19はレーザー式測距装置20が検出した有効範囲におけるレーザー点Pを全て取得する(ステップS003)。本実施形態の有効範囲は、全周である角度360度の範囲となる。コントローラ19は、レーザー式測距装置20により全てのレーザー点Pである全てのレーザー点群の距離値Anが、下記の範囲内であるか否かを判別する(ステップS004)。
(Rn-α)≦An≦(Rn+α)
Rn:予め取得したレーザー走査部23から内周面26Bまでの距離値
α:測距誤差
n:レーザー点の番号
つまり、コントローラ19は、レーザー点群の距離値Anが測距誤差αを考慮して設定された上限距離値(Rn+α)と測距誤差αを考慮して設定された下限距離値(Rn-α)との範囲内であるか否かを判別する。
【0032】
コントローラ19は、全てのレーザー点である全てのレーザー点群の距離値An が上限距離値(Rn+α)と下限距離値(Rn-α)との範囲内であると判別すると、ガラス本体部26が透明状態になっているか否かを判別する(ステップS005)。コントローラ19は、全てのレーザー点である全てのレーザー点群の距離値Anが上限距離値(Rn+α)と下限距離値(Rn-α)との範囲内でないと判別すると、レーザー点群のデータが異常であると判別する(ステップS006)。
【0033】
ステップS005において、ガラス本体部26が透明状態でない判別されると、コントローラ19は、ガラス本体部26に電圧を印加する(ステップS007)。ステップS005において、ガラス本体部26が透明状態である判別されると、コントローラ19は、レーザー式測距装置20が透明状態のガラス本体部26を通じて走行体本体11の周囲を測距し、有効範囲におけるレーザー点Pを全て取得する(ステップS008)。
【0034】
次に、コントローラ19は、レーザー式測距装置20により全てのレーザー点である全てのレーザー点群の距離値Bnが、下記の範囲内であるか否かを判別する(ステップS009)。
Bn>(Rn+α)
つまり、コントローラ19は、レーザー点群の距離値Bnが上限距離値(Rn+α)より大きいか否かを判別する。
【0035】
ステップS009において、レーザー式測距装置20により全てのレーザー点Pであるレーザー点群の全ての距離値Bnが上限距離値(Rn+α)より大きいと判別されると、コントローラ19はレーザー点群のデータは正常であると判別する(ステップS010)。一方、レーザー式測距装置20により全てのレーザー点である全てのレーザー点群の距離値Bnが上限距離値(Rn+α)以下であると判別されると、コントローラ19はレーザー点群のデータは異常であると判別する(ステップS011)。
【0036】
そして、コントローラ19は、ステップS006、S010、S011の判別結果を運行管理サーバへ通知する(ステップS012)。運行管理サーバでは、レーザー点群のデータが異常であるとする判別結果が通知されると、無人走行体10の運行を停止する等の指令を出す。
【0037】
次に、本実施形態の無人走行体10に搭載されているレーザー式測距装置20の異常の有無を確認する場合について説明する。無人走行体10を運行する前に、コントローラ19は異常の有無を確認するためのプログラムを実行する。調光ガラス体25のガラス本体部26は不透明状態として、レーザー式測距装置20による測距を開始する。ガラス本体部26は不透明状態であるので、レーザー式測距装置20は調光ガラス体25を測距する。ただし、コントローラ19は、測距開始後に直ちに全てのレーザー点P(レーザー点群)のデータを取得せず、ランダムに設定された待機時間を経たタイミングでレーザー点群のデータを取得する。
【0038】
取得された全てのレーザー点群の距離値Anが、予め計測された上限距離値(Rn+α)と下限距離値(Rn-α)との範囲内であれば、この測距により調光ガラス体25の形状が正しく捉えられている。そして、コントローラ19は通電部を制御してガラス本体部26に通電により電圧を印加する。ガラス本体部26が電圧の印加により透明状態になると、レーザー式測距装置20による測距を開始する。このとき、レーザー光はガラス本体部26を通過するので、走行体本体11の周囲の測距対象物を測距する。測距対象物としては、例えば、壁や柱の障害物等である。
【0039】
走行体本体11の周囲の測距対象物を測距することにより、測距対象物のレーザー点群のデータを取得する。測距対象物のレーザー点群における全てのレーザー点の距離値Bnが、上限距離値(Rn+α)よりも大きいとき、測距対象物のレーザー点群は調光ガラス体25のレーザー点群よりも十分に遠くなるように変化している。レーザー点群はコントローラ19によりデータ正常と判別される。正常とする判別結果は、無線通信装置18を介して運行管理サーバへ通知される。運行管理サーバでは、無人走行体10の運行を許可する指令を出す。
【0040】
ところで、取得されたレーザー点群の距離値Anが、予め計測された上限距離値(Rn+α)と下限距離値(Rn-α)との範囲外であれば、点群データの異常ありと判別される。また、走行体本体11の周囲の測距対象物のレーザー点群における全てのレーザー点の距離値Bnが、上限距離値(Rn+α)よりも小さいときも、点群データの異常ありと判別される。異常の原因としては、レーザー式測距装置20の故障や汚れを原因とするほか、悪意ある行為による場合が考えられる。
【0041】
悪意ある行為は、例えば、レーザー式測距装置20を異なるレーザー測距装置にすり替えるという行為や、レーザー式測距装置20とコントローラ19を繋ぐ配線の間に別のコンピュータを介在させる行為である。これらの行為によって、例えば、特定の方位の障害物が消失されたレーザー点群のコントローラ19への送信や、無人走行体10の周囲の偽のレーザー点群のコントローラ19への送信が行われる可能性がある。
【0042】
本実施形態は、レーザー点群の全ての距離値Anが調光ガラス体25の形状を正しく捉えた距離値であるか否かを判別することで、特定の障害物が消失されたレーザー点群の送信や無人走行体10の周囲の偽のレーザー点群の送信によるデータ異常を判別できる。また、調光ガラス体25を透明状態として測距したレーザー点群の全ての距離値Bnが調光ガラス体25より遠い距離を示すか否かを判別することで、過去に取得した無人走行体10の周囲のレーザー点群のデータの再送信によるデータ異常を判別できる。
【0043】
本実施形態に係る無人走行体10は以下の効果を奏する。
(1)コントローラ19は、レーザー式測距装置20により調光ガラス体25を測距してレーザー点群を取得するとともに、レーザー式測距装置20により走行体本体11の周囲の測距対象物を測距してレーザー点群を取得する。調光ガラス体25の測距により取得されたレーザー点群の距離値が、測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の距離値より大きいと判別されたとき、コントローラ19は取得されたレーザー点群のデータ異常と判別する。このため、レーザー式測距装置20の汚れや故障による異常の判別に加え、データの改ざん、データの一部消失およびデータの置換といったレーザー点群のデータ異常の有無を判別できる。
【0044】
(2)コントローラ19は、調光ガラス体25の測距により取得されたレーザー点群の距離値が、予め設定した上限距離値および下限距離値の範囲内であるか否かを判別する。コントローラ19は、遮光体の測距により取得されたレーザー点群の距離値が上限距離値(Rn+α)および下限距離値(Rn-α)の範囲内でないと判別されたとき、レーザー点群のデータ異常と判別する。このため、コントローラ19は、調光ガラス体25を測距してレーザー点群の距離値を取得することにより、調光ガラス体25の測距により取得されたレーザー点群のデータ異常を判別することができる。
【0045】
(3)コントローラ19は、レーザー式測距装置20による測距開始後にランダム時間で待機した後にレーザー点群を取得する。このため、レーザー式測距装置20による測距開始後にレーザー点群を取得するまでにランダム時間で待機することになり、レーザー点群を決まったタイミングで取得する場合と比較して悪意ある行為によるレーザー点群のデータ異常を防止することができる。
【0046】
(4)遮光体は調光ガラス体25であるので、通電することにより調光ガラス体25を透明状態とすることができる。レーザー式測距装置20が、調光ガラス体25を測距するときに調光ガラス体25を不透明状態とし、走行体本体11の周囲の測距対象物を測距してレーザー点群を取得するときに、調光ガラス体25の透明状態とするので、測距のための遮光体の着脱が不要となる。
【0047】
(5)コントローラ19は、取得されたレーザー点群のデータ異常の判別に、調光ガラス体25の測距により取得されたレーザー点群の全ての距離値が用いられるとともに、走行体本体11の測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の全ての距離値が用いられる。調光ガラス体25および走行体本体11の周囲の測距対象物の測距により取得したレーザー点群の全ての距離値を用いることで、一部のレーザー点群の距離値を用いる場合と比較して、取得されたレーザー点群のデータ異常の判別の精度を高めることができる。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る無人走行体について説明する。本実施形態では、遮光体として筒状体を用い、筒状体に収容されたレーザー式測距装置を昇降可能としている点で第1の実施形態と相違する。本実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については、第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
【0049】
図5に示すように、本実施形態の無人走行体30は、レーザー式測距装置20を収容する筒状体31と、レーザー式測距装置20を支持し、昇降する昇降機構32と、有している。筒状体31は、走行体本体11の上面に設置されている。本実施形態の筒状体31の断面は矩形であり、筒状体31の両端は開口されている。
【0050】
図6(a)に示すように、昇降機構32は、変位機構に相当し、上下方向に伸縮可能なパンタグラフ部33と、パンタグラフ部33を伸縮させるアクチュエータ34と、レーザー式測距装置20を支持する支持板35と、を有する。パンタグラフ部33は、パンタグラフ式の複数のアームを備えており、パンタグラフ部33の上部に支持板35が備えられている。アクチュエータ34は、流体シリンダや電動シリンダを用いてもよいほか、シリンダ以外の電動モータを用いてもよい。図6(b)に示すように、アクチュエータ34がパンタグラフを伸長したときレーザー式測距装置20は筒状体31から露出される。したがって、無人走行体30において、レーザー式測距装置20は、レーザー走査部23と筒状体31が互いに対向しない位置へ変位可能であり、レーザー式測距装置20が変位することにより筒状体31の遮光機能を無効化する。
【0051】
図7は、悪意のある行為による偽のレーザー点群によるレーザー点群の異常の有無を判別する制御の手順を示すフロー図である。図7に示す一連のステップS101~S112のうち、ステップS101~S104、S106、S108~S112は、第1の実施形態のステップS001~S004、S006、S008~S012と同じである。ステップS105では、コントローラ19はレーザー式測距装置20が上昇完了したか否かを判別する。ステップS105でコントローラ19はレーザー式測距装置20が上昇完了したと判別すると、ステップS108へ進む。ステップS105でコントローラ19はレーザー式測距装置20が上昇完了していないと判別すると、アクチュエータ34の伸長を行う。
【0052】
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)~(3)と同等の効果を奏する。また、本実施形態では、遮光体としての筒状体31およびレーザー式測距装置20を昇降機構32が用いられているので、遮光体としての調光ガラス体を用いる必要が無い。
【0053】
(変形例1)
次に、変形例に係る無人走行体について説明する。図8(a)に示す無人走行体40では、レーザー式測距装置20が走行体本体11の上面に設置され、レーザー式測距装置20を収容可能とする遮光体としての筒状体41が走行体本体11に対して着脱可能に設けられている。筒状体41は、着脱可能である点を除き、第2の実施形態の筒状体31と同じ構成である。
【0054】
レーザー式測距装置20により筒状体41を測距してレーザー点群を取得するとき、作業者が筒状体41を走行体本体11に装着する。一方、レーザー式測距装置20により走行体本体11の周囲の測距対象物を測距してレーザー点群を取得するとき、作業者が筒状体41を走行体本体11から取り外し、遮光体としての筒状体41の機能を無効化する。なお、筒状体41が取り外されたことをコントローラ19に伝達できるように、操作パネル等の操作部(図示せず)を走行体本体11に設けてもよい。
【0055】
(変形例2)
次に、次に、変形例に係る無人走行体について説明する。図8(b)に示す無人走行体50では、レーザー式測距装置20が走行体本体11の上面に設置され、遮光体としてのシート状部材51がレーザー式測距装置20および走行体本体11を覆う。シート状部材51は着脱可能である。レーザー式測距装置20によりシート状部材51を測距してレーザー点群を取得するとき、作業者がシート状部材51をレーザー式測距装置20および走行体本体11をカバーする。一方、レーザー式測距装置20により走行体本体11の周囲の測距対象物を測距してレーザー点群を取得するとき、作業者がシート状部材51を走行体本体11から取り外し、遮光体としてのシート状部材51の機能を無効化する。
【0056】
本変形例では、シート状部材51を測距するので、レーザー点群の距離値Anの上限距離値(Rn+α)と下限距離値(Rn-α)を調光ガラス体25および筒状体31、41の場合と比較して大きく設定しているほか、値自体に幅を持たせている。また、変形例1、2によれば、無人走行体に調光ガラス体や昇降機構を設ける必要がなく、無人走行体の製作コストを抑制できる。また、遮光体を人手により着脱するので、遮光体の無効化による故障のおそれは殆どない。
【0057】
本発明は、上記の実施形態(変形例を含む)に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
【0058】
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、遮光体の測距により取得されたレーザー点群の全ての距離値が用いられるとともに、走行体本体の周囲の測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の全ての距離値が用いられたが、これに限らない。例えば、レーザー走査範囲における周方向の特定の範囲(例えば、前方の範囲)のレーザー点群の距離値を用いるようにしてもよい。
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、遮光体の測距の開始後であってレーザー点群を取得する前にランダム時間による待機時間を設けたがこれに限定されない。例えば、ランダム時間による待機時間を設けずに、遮光体の測距開始後に遮光体のレーザー点群のデータを決まったタイミングで取得するようにしてもよい。
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、遮光体の測距により検出されたレーザー点群のうち一つでも距離値が上限距離値~下限距離値の範囲外のときや、走行体本体の周囲のレーザー点群のうち一つでも上限距離値を超えないとき、レーザー点群の異常と判別した。しかし、この限りではなく、例えば、条件から外れるレーザー点群の上限数を設定し、レーザー点群のデータ異常と判別する許容範囲を緩和してもよい。
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、レーザー式測距装置が遮光体に対して変位される例を説明したが、これに限らない。例えば、レーザー式測距装置を走行体本体に設置しておき、遮光体(筒状体)がレーザー式測距装置に対して変位するようにしてもよい。あるいは、レーザー式測距装置および遮光体が互いに変位してもよい。
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、変位機構としてパンタグラフ式の昇降機構を例示して説明したが、変位機構はこれに限らない。ピニオンギヤとラックの組み合わせによる変位機構でもよい。
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、レーザー式測距装置によるレーザー走査の範囲を全周である360度としたが、これに限らない。レーザー光の走査範囲は、例えば、前方を0度とし、左右に所定角度(例えば、135度)の範囲としてもよい。
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、遮光体としての筒状体の断面は矩形としたがこれに限らない。筒状体の形状は、例えば、円筒形や多角筒形であってもよく、特に形状について制限はない。
○ 上記の実施形態(変形例を含む)では、遮光体の測距により検出したレーザー点群が上限距離値と下限距離値の範囲内であるか否かを判別した後に、走行体本体の周囲の測距により検出したレーザー点群が上限距離値を超えているか否かを判別した。しかし、この限りではなく、例えば、走行体本体の周囲の測距により検出したレーザー点群が上限距離値を超えているか否かを判別した後、遮光体の測距により検出したレーザー点群が上限距離値と下限距離値の範囲内であるか否かを判別してもよい。
〇 上記の実施形態(変形例を含む)では、遮光体の測距により取得されたレーザー点群の全ての距離値が用いられるとともに、走行体本体の測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の全ての距離値が用いたが、この限りではない。例えば、遮光体の測距により取得されたレーザー点群の一部の距離値を用いるとともに測距対象物の測距により取得されたレーザー点群の一部の距離値を用いてもよい。この場合、全てのレーザー点群の距離値を用いる必要がなく、コントローラの制御の負荷を軽減することができる。
〇 上記の実施形態(変形例を含む)では、レーザー式測距装置が走行体本体の上面に備えられたが、これに限定されない。レーザー式測距装置は、スリットが設けられた走行体本体の内部に収容されてもよく、この場合、走行体本体が遮光体として機能する。また、レーザー式測距装置は、走行体本体の側面に横向きとなるように備えられてもよく、レーザー式測距装置の走行体本体に対する設置位置や設置方向は、特に制限されない。
【符号の説明】
【0059】
10、30、40、50 無人走行体
11 走行体本体
19 コントローラ
20 レーザー式測距装置
23 レーザー走査部
25 調光ガラス体
26 ガラス本体部
26A 外周面
26B 内周面
30 無人走行体
31、41 筒状体(遮光体)
32 昇降機構(変位機構)
33 パンタグラフ部
34 アクチュエータ
35 支持板
41 筒状体
51 シート状部材
An 距離値(ガラス本体部の測距により取得)
Bn 距離値(走行体本体の周囲の測距により取得)
Rn 距離(予め取得したもの)
α 測距誤差
(Rn-α) 下限距離値
(Rn+α) 上限距離値
L レーザー光
P レーザー点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8