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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075147
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/291 20210101AFI20240527BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240527BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240527BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/209
H01M50/293
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186364
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小村 哲司
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT02
5H040AY08
5H040AY10
5H040NN01
(57)【要約】
【課題】複数の電池セルの間に組み付けられる絶縁性部材のハンドリング性が高い電池モジュールを提供する。
【解決手段】絶縁性部材は、ベースと、ベースから第1の方向に突出し複数の電池セルのうち少なくとも1つに当接する複数の凸部とを含む。凸部は、第1凸部と、第1の方向に直交する第2の方向に沿って第1凸部と並ぶ第2凸部と、第1の方向に直交し第2の方向に交差する第3の方向に沿って第1凸部と並ぶ第3凸部とを含む。第1凸部と第2凸部との間、第1凸部と第3凸部との間にベースから第1の方向に突出するリブが設けられる。絶縁性部材を電池モジュールから取り外した状態において、リブの幅は凸部の幅よりも細い。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に配列された複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの間に設けられた絶縁性部材とを備えた電池モジュールであって、
前記絶縁性部材は、ベースと、前記ベースから前記第1の方向に突出し前記複数の電池セルのうち少なくとも1つに当接する複数の凸部とを含み、
前記凸部は、第1凸部と、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って前記第1凸部と並ぶ第2凸部と、前記第1の方向に直交し前記第2の方向に交差する第3の方向に沿って前記第1凸部と並ぶ第3凸部とを含み、
前記第1凸部と前記第2凸部との間、前記第1凸部と前記第3凸部との間に前記ベースから前記第1の方向に突出するリブが設けられ、
前記絶縁性部材を前記電池モジュールから取り外した状態において、前記リブの幅は前記凸部の幅よりも細い、電池モジュール。
【請求項2】
前記リブは、前記第1凸部および前記第2凸部、ならびに前記第1凸部および前記第3凸部を繋ぐように形成される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記絶縁性部材を前記電池モジュールから取り外した状態において、前記リブの突出高さは前記凸部の突出高さよりも低い、請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記ベースは前記第1の方向に対向する第1面および第2面を有し、
前記リブは前記第1面上に形成された第1リブと、前記第2面上に形成された第2リブとを含み、
前記第1リブおよび前記第2リブは、前記第2の方向または前記第3の方向において互いに異なる位置に形成される、請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記絶縁性部材は、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムからなる群から選択された素材を含む、請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記絶縁性部材を前記電池モジュールから取り外した状態において、前記第1凸部と前記第2凸部との間、または前記第1凸部と前記第3凸部との間において、前記リブの高さおよび幅は略一定であり、前記リブの高さは前記リブの幅の2倍以上である、請求項1または請求項2記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記絶縁性部材を前記電池モジュールから取り外した状態において、前記第1凸部と前記第2凸部との間、または前記第1凸部と前記第3凸部との間において、前記リブの先端から前記ベースに向かって前記リブの幅がテーパ状に太くなる、請求項1または請求項2に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、充電時には電池セルを弾性支持し、放電時にも確実に反力を付与することを意図した電池モジュール用緩衝シートが開示されている。この緩衝シートは、ベース部と、ベース部から電池セルに向かって突出する弾性突部とを含む。
【0003】
特許文献2には、ボディー部と、ボディー部の上面に接着され、上方に突出する突起とを含む二次電池用絶縁板が開示されている。
【0004】
電池とは異なる分野において上記と同様の構造を採用したものとして、たとえば特許文献3および特許文献4に記載されたものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-004556号公報
【特許文献2】特表2022-521195号公報
【特許文献3】特開2013-215312号公報
【特許文献4】特開2000-093487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電池モジュールを小型化する観点からは、上述の緩衝シートの厚みは薄いことが望ましい。他方、電池セルを確実に支持する観点からは、弾性突部の高さは高いことが望ましい。これらの要望を両立させようとすると、ベース部は薄く形成されることになる。しかし、ベース部が薄くなりすぎると、複数の電池セル間に緩衝シートを組み付けるときに、そのハンドリング性が悪化し得る。
【0007】
本技術の目的は、複数の電池セルの間に組み付けられる絶縁性部材のハンドリング性が高い電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術は、以下の電池モジュールを提供する。
【0009】
[1]第1の方向に配列された複数の電池セルと、複数の電池セルの間に設けられた絶縁性部材とを備えた電池モジュールであって、絶縁性部材は、ベースと、ベースから第1の方向に突出し複数の電池セルのうち少なくとも1つに当接する複数の凸部とを含み、凸部は、第1凸部と、第1の方向に直交する第2の方向に沿って第1凸部と並ぶ第2凸部と、第1の方向に直交し第2の方向に交差する第3の方向に沿って第1凸部と並ぶ第3凸部とを含み、第1凸部と第2凸部との間、第1凸部と第3凸部との間にベースから第1の方向に突出するリブが設けられ、絶縁性部材を電池モジュールから取り外した状態において、リブの幅は凸部の幅よりも細い、電池モジュール。
【0010】
[2]リブは、第1凸部および第2凸部、ならびに第1凸部および第3凸部を繋ぐように形成される、[1]に記載の電池モジュール。
【0011】
[3]絶縁性部材を電池モジュールから取り外した状態において、リブの突出高さは凸部の突出高さよりも低い、[1]または[2]に記載の電池モジュール。
【0012】
[4]ベースは第1の方向に対向する第1面および第2面を有し、リブは第1面上に形成された第1リブと、第2面上に形成された第2リブとを含み、第1リブおよび第2リブは、第2の方向または第3の方向において互いに異なる位置に形成される、[1]から[3]のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【0013】
[5]絶縁性部材は、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムからなる群から選択された素材を含む、[1]から[4]のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【0014】
[6]絶縁性部材を電池モジュールから取り外した状態において、第1凸部と第2凸部との間、または第1凸部と第3凸部との間において、リブの高さおよび幅は略一定であり、リブの高さはリブの幅の2倍以上である、[1]から[5]のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【0015】
[7]絶縁性部材を電池モジュールから取り外した状態において、第1凸部と第2凸部との間、または第1凸部と第3凸部との間において、リブの先端からベースに向かってリブの幅がテーパ状に太くなる、[1]から[5]のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【発明の効果】
【0016】
本技術によれば、複数の電池セルの配列方向(第1の方向)に直交する二方向(第2の方向および第3の方向)にリブを延在させることにより、ベースの剛性を向上させ、組み付け時における絶縁性部材のハンドリング性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】電池モジュールの斜視図である。
図2】電池セルを示す斜視図である。
図3】絶縁性部材の平面図である。
図4図3におけるA1-A1断面図である。
図5図3におけるA2-A2断面図である。
図6図3におけるA3-A3断面図である。
図7】第1の変形例に係る絶縁性部材の図3におけるA1-A1断面図である。
図8】第2の変形例に係る絶縁性部材の図3におけるA1-A1断面図である。
図9】第2の変形例に係る絶縁性部材の図3におけるA2-A2断面図である。
図10】第2の変形例に係る絶縁性部材の図3におけるA3-A3断面図である。
図11】第3の変形例に係る絶縁性部材の平面図である。
図12】第4の変形例に係る絶縁性部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0019】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0020】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0021】
また、本明細書において幾何学的な文言および位置・方向関係を表す文言、たとえば「平行」、「直交」、「斜め45°」、「同軸」、「沿って」などの文言が用いられる場合、それらの文言は、製造誤差ないし若干の変動を許容する。本明細書において「上側」、「下側」などの相対的な位置関係を表す文言が用いられる場合、それらの文言は、1つの状態における相対的な位置関係を示すものとして用いられるものであり、各機構の設置方向(たとえば機構全体を上下反転させる等)により、相対的な位置関係は反転ないし任意の角度に回動し得る。
【0022】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池およびナトリウムイオン電池などの他の電池を含み得る。
【0023】
本明細書において、「電池セル」は必ずしも角型のものに限定されず、円筒型、パウチ型、ブレード型など、他の形状のセルも含み得る。「電池セル」は、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、および電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)などに搭載可能である。ただし、「電池セル」の用途は、車載用に限定されるものではない。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る電池モジュールの斜視図である。図1に示すように、電池モジュール1は、電池セル100と、絶縁性部材200(セル間セパレータ)とを含む。電池セル100と絶縁性部材200とは、Y軸方向(第1の方向)に沿って交互に配列される。
【0025】
電池セル100は、角形の電池セルであって、Y軸方向に沿って複数設けられる。複数の電池セル100は、図示しないバスバーを介して互いに電気的に接続される。
【0026】
絶縁性部材200は、複数の電池セル100の間に設けられる。絶縁性部材200は、隣接する電池セル100の意図しない電気的導通を防止する。絶縁性部材200は、隣接する電池セル100の電気的絶縁性を確保する。
【0027】
図2は、電池セル100を示す斜視図である。図2に示すように、電池セル100は、角型形状を有する。電池セル100は、電極端子110と、筐体120と、ガス排出弁130とを有する。
【0028】
電極端子110は、筐体120上に形成されている。電極端子110は、Y軸方向(第1の方向)に直交するX軸方向(第2の方向)に沿って並ぶ正極端子111および負極端子112を有する。正極端子111および負極端子112は、X軸方向において、互いに離れて設けられている。
【0029】
筐体120は、直方体形状を有し、電池セル100の外観をなす。筐体120は、図示しない電極体および電解液を収容するケース本体120Aと、ケース本体120Aの開口を封止する封口板120Bとを含む。封口板120Bは、溶接によりケース本体120Aに接合される。
【0030】
筐体120は、上面121と、下面122と、第1側面123と、第2側面124と、2つの第3側面125とを有する。
【0031】
上面121は、Y軸方向およびX軸方向に直交するZ軸方向(第3の方向)に直交する平面である。上面121には、電極端子110が配置されている。下面122は、Z軸方向に沿って上面121に対向している。
【0032】
第1側面123および第2側面124の各側面は、Y軸方向に直交する平面からなる。第1側面123および第2側面124の各側面は、筐体120が有する複数の側面のうちで最も大きい面積を有する。第1側面123および第2側面124の各側面は、Y軸方向に見て、矩形形状を有する。第1側面123および第2側面124の各側面は、Y軸方向に見て、X軸方向が長手方向となり、Z軸方向が短手方向となる矩形形状を有する。
【0033】
複数の電池セル100は、Y軸方向に隣り合う電池セル100,100の間において、第1側面123どうし、第2側面124どうしが向かい合わせとなるように積層されている。これにより、複数の電池セル100が積層されるY軸方向において、正極端子111と負極端子112とが、交互に並んでいる。
【0034】
ガス排出弁130は、上面121に設けられている。ガス排出弁130は、電池セル100の温度が上昇し(熱暴走)、筐体120の内部で発生したガスにより筐体120の内圧が所定値以上となった場合に、そのガスを筐体120の外部に排出する。
【0035】
図3は、絶縁性部材200の平面図であり、図4ないし図6は、各々図3におけるA1-A1断面図、A2-A2断面図、およびA3-A3断面図である。なお、図3図6および後述の図7図12においては、絶縁性部材200を電池モジュール1から取り外した状態を示している。
【0036】
図3図6に示すように、絶縁性部材200は、ベース210と、ベース210からY軸方向に突出する複数の凸部220と、複数の凸部220の間を繋ぐようにベース210からY軸方向に突出するリブ230とを含む。ベース210、凸部220、およびリブ230を含む絶縁性部材200は、一体成形により形成され得る。
【0037】
絶縁性部材200は、たとえば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Si)、フッ素ゴムなど、電気的絶縁性かつ弾力性のある素材から構成され得る。
【0038】
図3に示す例では、凸部220は、X軸方向に7つの凸部(221A~227A,221B~227B,221C~227C)が均等に並ぶように、かつ、Z軸方向に3つの凸部(221A~221C,222A~222C,223A~223C,224A~224C,225A~225C,226A~226C,227A~227C)が均等に並ぶように、マトリクス配置されている。
【0039】
ただし、複数の凸部220の数、形状(矩形、その他の多角形、円形など)、突出高さ、配置(並ぶ方向ないし間隔など)、および大きさは適宜変更可能である。複数の凸部220のうち、一部の凸部220において形状、突出高さ、配置および大きさを異ならせてもよい。
【0040】
リブ230は、複数の凸部220の間に設けられている。図3の例では、リブ230は、複数の凸部220を繋ぐように形成されている。たとえば、X軸方向に並ぶ凸部221A(第1凸部)および凸部222A(第2凸部)を繋ぐようにX軸方向に延びるリブ230が形成され、Z軸方向に並ぶ凸部221A(第1凸部)および凸部221B(第3凸部)を繋ぐようにZ軸方向に延びるリブ230が形成されている。他の凸部220の間にも、上記と同様にX軸方向ないしZ軸方向に延びるリブ230が設けられている。
【0041】
図3に示すように、絶縁性部材200を電池モジュール1から取り外した状態において、リブ230の幅(B)は凸部220の幅(C)よりも細い。
【0042】
図4図6に示すように、絶縁性部材200を電池モジュール1から取り外した状態において、リブ230の突出高さ(H)は凸部220の突出高さよりも低い。
【0043】
図5および図6に示すように、リブ230は、その延在方向(X軸方向およびZ軸方向)から見て矩形の断面形状を有する。また、複数の凸部220の間において、リブ230の高さおよび幅は一定である。このとき、リブ230の高さ(H)は幅(B)の2倍以上程度(H/B≧2)であることが好ましい。
【0044】
電池モジュール1を小型化する観点からは、絶縁性部材200の厚みは薄いことが望ましい。しかし、ベース210が薄くなりすぎると、複数の電池セル100間に絶縁性部材200を組み付けるときに、絶縁性部材200のハンドリング性が悪化し得る。
【0045】
これに対し、本実施の形態に係る電池モジュール1においては、X軸方向およびZ軸方向の二方向にリブ230を延在させ、ベース210上において複数の凸部220を繋ぐことにより、ベース210の剛性を向上させることができる。この結果、電池モジュール1への組み付け時における絶縁性部材200のハンドリング性を向上させることができる。また、所定の剛性を確保しながらベース210を薄くする(たとえば厚みを0.5mm以下程度とする)ことができるので、絶縁性部材200の厚みを過度に厚くすることなく凸部220の突出高さを高く設定することができるので、凸部220の弾性変形による寸法吸収性(誤差吸収性ないし変形吸収性)を高めることができる。
【0046】
また、リブ230の突出高さ(H)を凸部220の突出高さよりも低くすることにより、凸部220およびリブ230で囲まれた空間が閉塞されない。したがって、閉塞空間の空気圧により凸部220の弾性が変動することが抑制され、凸部220の弾性定数を安定させることが可能である。
【0047】
図7は、第1の変形例に係る絶縁性部材の図3におけるA1-A1断面図である。図7の例では、絶縁性部材200の両面に凸部220が形成される。すなわち、リブ230は、ベース210の表面(第1面)上に形成されたリブ231(第1リブ)と、裏面(第2面)上に形成されたリブ232(第2リブ)とを含む。
【0048】
図7の例のように、絶縁性部材200の両面に凸部220を形成することにより、凸部の弾性変形による絶縁性部材200の寸法吸収性を高めることができる。
【0049】
図8図10は、各々、第2の変形例に係る絶縁性部材200の図3におけるA1-A1断面図、A2-A2断面図、およびA3-A3断面図である。図8図10の例では、絶縁性部材200を電池モジュール1から取り外した状態において、リブ230の頂点(先端)からベース210に向かってリブ230の幅がテーパ状に太くなる。図8図10の例では、リブ230の延在方向(X軸方向およびZ軸方向)から見て左右非対称(Y軸方向に関して非対称)なテーパ状の断面が形成されている。
【0050】
図8図10の例のように、リブ230の断面をテーパ状に拡幅する三角形形状とすることにより、リブ230の頂部を細く形成することができる。また、リブ230の延在方向(X軸方向およびZ軸方向)から見てリブ230の断面形状を左右非対称(Y軸方向に関して非対称)とすることにより、凸部220の変形に伴って変形するリブ230の変形方向を制御することができる。具体的は、リブ230を倒れやすくすることができる。この結果、リブ230が存在することで生じる凸部220の弾性特性への影響を小さくすることができるので、凸部220の弾性特性の変動を抑制することができる。
【0051】
リブ230の断面形状は上述の矩形ないし三角形に限定されず、たとえば輪郭の一部に曲線を含む断面形状であってもよい。またリブ230は、その先端に頂点を有しない(たとえば、上端が面状に形成される)形状であってもよい。
【0052】
次に、図11および図12を用いて、第3および第4の変形例に係る絶縁性部材200について説明する。具体的には、絶縁性部材200におけるリブ230の配置のさらなる変形例について説明する。
【0053】
図11図12の例においては、リブ230は、ベース210の表面上のリブ231と、ベース210の裏面上のリブ232とが、X軸方向またはZ軸方向において互いに異なる位置に形成されている。図11図12の例のように、リブ230の配置は適宜変更が可能である。
【0054】
なお、絶縁性部材200の両面で高さが異なる凸部220を形成し、どちらか片面のみにリブ230を設けることで絶縁性部材200のハンドリング性が十分であるときは、より高い凸部220が形成される面にリブ230を形成することができる。
【0055】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0056】
1 電池モジュール、100 電池セル、110 電極端子、111 正極端子、112 負極端子、120 筐体、120A ケース本体、120B 封口板、121 上面、122 下面、123 第1側面、124 第2側面、125 第3側面、130 ガス排出弁、200 絶縁性部材、210 ベース、220,221A~227A,221B~227B,221C~227C 凸部、230,231,232 リブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12