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特開2024-75162遊技システム、精算機及び取り忘れ報知方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075162
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】遊技システム、精算機及び取り忘れ報知方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
A63F7/02 352F
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186390
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】松本 浩平
(72)【発明者】
【氏名】下村 勇治
(72)【発明者】
【氏名】須貝 美咲
(72)【発明者】
【氏名】福田 俊介
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB07
2C088BC78
2C088CA02
2C088CA08
2C088CA28
(57)【要約】
【課題】貨幣の取り忘れを効率良く防止することを課題とする。
【解決手段】精算機70は、紙幣検知センサ72及び貨幣検知センサ73により、払い出した貨幣に対する取り忘れがないかどうかを検知する。取り忘れを検知したならば、その旨を音声及びランプで報知するとともに、従業員の装着するインカム90に対して報知する。例えば、紙幣の取り忘れはなく、硬貨の取り忘れを検知したならば、「硬貨をお取り下さい。」と音声で報知するとともに、硬貨残留ランプ75を点滅動作する。この場合、紙幣残留ランプ74は動作しない。また、従業員の装着するインカム90に対して、硬貨の取り忘れが発生した旨を報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体に関連付けられた有価価値を精算処理して貨幣を払い出す精算機と、前記記憶媒体に関連付けられた遊技媒体数の賞品交換処理を行う賞品管理装置とが通信可能に接続された遊技システムであって、
前記精算機は、
紙幣の取り忘れを検知する紙幣検知センサと、
硬貨の取り忘れを検知する硬貨検知センサと、
前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記精算機及び前記賞品管理装置と通信可能に接続され、
前記記憶媒体に記憶された遊技媒体数及び有価価値を管理する管理手段と、
前記報知に係る設定を前記精算機に指示する設定指示手段と
を有する所定の管理装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記報知手段は、
前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知されたならば、前記管理装置による設定指示と無関係に、所定の時間前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知することを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記報知手段は、
前記前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを示す音声メッセージを出力することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の遊技システム。
【請求項5】
前記精算機は、
前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記管理装置に対して前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを通知する通知手段をさらに備え、
前記管理装置は、
前記精算機から前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れの通知を受け付けたならば、遊技店の店員が所持する端末装置に対して前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを通知することを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記賞品管理装置は、
前記記憶媒体を受け付けたならば、前記賞品管理装置が前記精算機に対して前記有価価値の精算指示を行う精算指示手段と、
前記精算機による前記有価価値の精査処理後に、前記遊技媒体数の賞品交換処理を行う賞品交換処理手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項7】
前記精算機は、
前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを前記賞品管理装置に対して通知し、
前記賞品管理装置は、
前記精算機から前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れの通知を受け付けた場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知する
ことを特徴とする請求項6に記載の遊技システム。
【請求項8】
記憶媒体に関連付けられた有価価値を精算処理して貨幣を払い出す精算機であって、
紙幣の取り忘れを検知する紙幣検知センサと、
硬貨の取り忘れを検知する硬貨検知センサと、
前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする精算機。
【請求項9】
記憶媒体に関連付けられた有価価値を精算処理して貨幣を払い出す精算機と、前記記憶媒体に関連付けられた遊技媒体数の賞品交換処理を行う賞品管理装置とが通信可能に接続された遊技システムにおける取り忘れ報知方法であって、
前記精算機が、紙幣の取り忘れを紙幣検知センサで検知する第1の検知工程と、
前記精算機が、硬貨の取り忘れを硬貨検知センサで検知する第2の検知工程と、
前記精算機が、前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知する報知工程と
を含むことを特徴とする取り忘れ報知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣の取り忘れを効率良く防止することができる遊技システム、精算機及び取り忘れ報知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店などの遊技店には、カード等の記憶媒体に関連付けられたプリペイド価値を精算処理して貨幣を払い出す精算機が配設されている。例えば、特許文献1には、記憶媒体に関連付けられたプリペイド価値を精算処理する精算機が開示されている。
【0003】
かかる精算機は、記憶媒体に関連付けられたプリペイド価値に相当する貨幣(硬貨及び紙幣)を払い出すことになる。この際、紙幣の取り忘れを検知するために、紙幣払出口に紙幣検知センサが設けられ、紙幣の取り忘れを防止する仕組みが設けられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-141996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の精算機は、硬貨取出口への硬貨の落下音などで硬貨の払い出しに気付くことができるため、硬貨の取り忘れを検知する硬貨検知センサは設けられていない。
【0006】
最近は、賞品交換のセルフ運用に伴って、賞品を払い出す賞品保管機と精算機を近傍に設置する場合が増加しつつある。このような場合に、遊技客は、動線距離や視線の移動が多いため、紙幣のみを取り出して賞品交換に移行する可能性が高まる。その結果として、硬貨の取り忘れが生ずる可能性がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、貨幣の取り忘れを効率良く防止することができる遊技システム、精算機及び取り忘れ報知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、記憶媒体に関連付けられた有価価値を精算処理して貨幣を払い出す精算機と、前記記憶媒体に関連付けられた遊技媒体数の賞品交換処理を行う賞品管理装置とが通信可能に接続された遊技システムであって、前記精算機は、紙幣の取り忘れを検知する紙幣検知センサと、硬貨の取り忘れを検知する硬貨検知センサと、前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記精算機及び前記賞品管理装置と通信可能に接続され、前記記憶媒体に記憶された遊技媒体数及び有価価値を管理する管理手段と、前記報知に係る設定を前記精算機に指示する設定指示手段とを有する所定の管理装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記報知手段は、前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知されたならば、前記管理装置による設定指示と無関係に、所定の時間前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記報知手段は、前記前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを示す音声メッセージを出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記精算機は、前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記管理装置に対して前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを通知する通知手段をさらに備え、前記管理装置は、前記精算機から前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れの通知を受け付けたならば、遊技店の店員が所持する端末装置に対して前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを通知することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記賞品管理装置は、前記記憶媒体を受け付けたならば、前記賞品管理装置が前記精算機に対して前記有価価値の精算指示を行う精算指示手段と、前記精算機による前記有価価値の精査処理後に、前記遊技媒体数の賞品交換処理を行う賞品交換処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記精算機は、前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを前記賞品管理装置に対して通知し、前記賞品管理装置は、前記精算機から前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れの通知を受け付けた場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、記憶媒体に関連付けられた有価価値を精算処理して貨幣を払い出す精算機であって、紙幣の取り忘れを検知する紙幣検知センサと、硬貨の取り忘れを検知する硬貨検知センサと、前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、記憶媒体に関連付けられた有価価値を精算処理して貨幣を払い出す精算機と、前記記憶媒体に関連付けられた遊技媒体数の賞品交換処理を行う賞品管理装置とが通信可能に接続された遊技システムにおける取り忘れ報知方法であって、前記精算機が、紙幣の取り忘れを紙幣検知センサで検知する第1の検知工程と、前記精算機が、硬貨の取り忘れを硬貨検知センサで検知する第2の検知工程と、前記精算機が、前記紙幣検知センサ及び/又は前記硬貨検知センサにより前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れが検知された場合に、前記紙幣及び/又は前記硬貨の取り忘れを報知する報知工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、貨幣の取り忘れを効率良く防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態1に係る遊技システムの概要の説明図である。
図2図2は、実施形態1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
図3図3は、図2に示した台間カード処理機及び遊技機の外観構成を示す図である。
図4図4は、図2に示した台間カード処理機の構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、図4に示した自装置状態データ及びカードデータの一例を示す図である。
図6図6は、図2に示した遊技機の構成を示す機能ブロック図である。
図7図7は、図2に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図8図8は、図7に示したカード管理データ、装置管理データ、会員管理データ及び報知設定データの一例を示す図である。
図9図9は、図2に示した賞品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図10図10は、図9に示した保有価値データ及び賞品在庫データの一例を示す図である。
図11図11は、図2に示した精算機の構成を示す機能ブロック図である。
図12図12は、図11に示した報知設定データの一例を示す図である。
図13図13は、実施形態1に係る貨幣取り忘れに関する処理手順を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態2に係る遊技システムの概要の説明図である。
図15図15は、図14に示した賞品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図16図16は、図15に示した対応装置データの一例を示す図である。
図17図17は、図14に示した精算機の構成を示す機能ブロック図である。
図18図18は、図17に示した対応装置データの一例を示す図である。
図19図19は、実施形態2に係る貨幣取り忘れに関する処理手順を示すフローチャートである。
図20図20は、実施形態3に係る遊技システムの概要の説明図である。
図21図21は、実施形態3に係る精算機における処理手順を示すフローチャートである。
図22図22は、実施形態4に係る遊技システムの概要の説明図(その1)である。
図23図23は、実施形態4に係る遊技システムの概要の説明図(その2)である。
図24図24は、実施形態5に係る遊技システムの概要の説明図である。
図25図25は、実施形態5に係る精算機における処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態1]
以下に、本実施形態1に係る遊技システム、精算機及び取り忘れ報知方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中(遊技店の閉店時刻より前の時間)にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降(遊技店の閉店時刻より後の時間)も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。また、「遊技球数」とは、遊技客が遊技に使用可能な遊技可能数をいう。
【0021】
<実施形態1に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態1に係る遊技システムの概要について説明する。図1は、本実施形態1に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態1に係る遊技システムでは、精算機70は、紙幣検知センサ72及び硬貨検知センサ73により、払い出した貨幣に対する取り忘れがないかどうかを検知する。取り忘れを検知したならば、その旨を音声及びランプで報知するとともに、従業員の装着するインカム90に対して報知する。
【0023】
例えば、紙幣の取り忘れはなく、硬貨の取り忘れを検知したならば、「硬貨をお取り下さい。」と音声で報知するとともに、硬貨残留ランプ75を点滅動作する。この場合、紙幣残留ランプ74は動作しない。また、従業員の装着するインカム90に対して、硬貨の取り忘れが発生した旨を報知する。
【0024】
このように、本実施形態1に係る遊技システムでは、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知することにより、貨幣の取り忘れを効率良く防止することができる。
【0025】
<システム構成>
次に、本実施形態1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施形態1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。
【0026】
台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、管理装置50、賞品管理装置60、精算機70及び無線ルータ100が接続される。
【0027】
インカム90は、無線通信により無線ルータ100と接続され、該無線ルータ100を介して管理装置50と通信可能に接続される。
【0028】
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機20がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0029】
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検出するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技球数を示す遊技可能数メモリを有している。また、遊技機20の制御部は、遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。
【0030】
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードIDに関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を管理装置50に送信する。
【0031】
遊技機20は、遊技盤面に所定個数の遊技玉が打ち出されたならば、アウトデータを台間カード処理機10に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域を通過して(いわゆる入賞)所定個数の賞玉が遊技球に加算されたならば、セーフデータを台間カード処理機10に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生したならば、かかる状態の発生を示す特賞データを台間カード処理機10に送信する。
【0032】
アウトデータは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフデータは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞データは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。各データは、台間カード処理機10を介して管理装置50に送信され、管理装置50は、アウトデータ、セーフデータ及び特賞データを稼働情報として蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
【0033】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、管理装置50との通信並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知を管理装置50に送信することで、入金額相当のプリペイド価値を管理装置50が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0034】
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置50にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、管理装置50からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、管理装置50に対して持玉減算要求を送信することで、管理装置50が管理する持玉の残高(持玉数)をゼロにクリアする。
【0035】
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば、管理装置50に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0036】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求を管理装置50に送信し、管理装置50に持玉数を加算させた後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から計数操作を受け付けた場合には、遊技球数を持玉数に加算する。
【0037】
台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、管理装置50から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
【0038】
台間カード処理機10は、遊技機20の状態に基づいて各種表示制御を行なうとともに、遊技機20の状態を管理装置50に送信する。台間カード処理機10は、遊技機20から通知された遊技球数を記憶し、定期的に遊技球数及び持玉数を管理装置50に通知する。
【0039】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ね、各種情報を管理装置50に対して中継する装置である。
【0040】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0041】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。
【0042】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0043】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
【0044】
また、管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0045】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0046】
また、管理装置50は、報知設定を受け付けたならば、この設定を記憶するとともに、精算機70に通知する。管理装置50は、精算機70から貨幣残留通知を受け取ったならば、貨幣が残留している旨を報知するようインカム90に通知する。
【0047】
賞品管理装置60は、賞品交換を行う際に賞品選択の処理を行う装置である。賞品管理装置60は、カードIDを読み取ったならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を管理装置50に要求し、管理装置50からカードIDに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を受信したならば、このプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を記憶する。
【0048】
また、賞品管理装置60は、持玉及び貯玉の残高の範囲内で賞品の選択を受け付け、選択された賞品の払出指示を図示しない賞品払出装置に通知する。賞品管理装置60は、選択された賞品の種類及び個数、並びに、端玉数を交換レシートに印字し、交換レシートととして発行する。そして、カードに関連付けられたプリペイド価値、持玉及び貯玉の残高を管理装置50に通知する。
【0049】
精算機70は、カードに関連付けられたプリペイド価値の残高を精算する装置である。精算機70は、管理装置50から報知設定データを受信したならば、このデータを記憶する。精算機70は、カードIDを受け付けたならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値の要求を管理装置50に通知する。精算機70は、管理装置50からカードに関連付けられたプリペイド価値の残高を受け取ったならば、精算処理を行う。
【0050】
また、精算機70は、精算処理を行ったならば、カードを返却するとともに、カードの取出を促す音声を報知する。精算機70は、カード返却において、カードが取り出されずに所定時間(例えば、5秒)が経過したならば、カードの取出を促す音声を報知する。そして、カードが取り出されるまで、この処理を繰り返す。精算機70は、カードが取り出されたならば、精算金である貨幣を払い出すとともに、貨幣の受け取りを促す音声を報知する。
【0051】
また、精算機70は、報知設定データの区分「紙幣」において報知設定が「報知」である場合に、貨幣の払出から報知設定データの報知時間(例えば、4秒)が経過した時点において、紙幣の取り忘れを検知したならば、紙幣残留ランプを点滅動作させるとともに、紙幣取り忘れの旨を音声で報知する。そして、貨幣残留通知を管理装置50に通知する。更に、紙幣の取り忘れを検知してから報知設定データの報知時間が経過した時点において、再度、紙幣の取り忘れを検知したならば、上記の処理を繰り返す。この際、音声での報知に合わせてブザー音でも報知する。
【0052】
また、精算機70は、報知設定データの区分「紙幣」において報知設定が「非報知」である場合に、貨幣の払出から所定の時間(例えば、5秒)が経過した時点において、紙幣の取り忘れを検知したならば、紙幣残留ランプを点滅動作させるとともに、紙幣取り忘れの旨を音声で報知する。そして、貨幣残留通知を管理装置50に通知する。更に、紙幣の取り忘れを検知してから所定の時間が経過した時点において、再度、紙幣の取り忘れを検知したならば、上記の処理を繰り返す。この際、音声での報知に合わせてブザー音でも報知する。
【0053】
また、精算機70は、報知設定データの区分「硬貨」において報知設定が「報知」である場合に、貨幣の払出から報知設定データの報知時間(例えば、7秒)が経過した時点において、硬貨の取り忘れを検知したならば、硬貨残留ランプを点滅動作させるとともに、硬貨取り忘れの旨を音声で報知する。そして、貨幣残留通知を管理装置50に通知する。更に、硬貨の取り忘れを検知してから報知設定データの報知時間が経過した時点において、再度、硬貨の取り忘れを検知したならば、上記の処理を繰り返す。この際、音声での報知に合わせてブザー音でも報知する。
【0054】
また、精算機70は、報知設定データの区分「硬貨」において報知設定が「非報知」である場合に、貨幣の払出から所定の時間(例えば、5秒)が経過した時点において、硬貨の取り忘れを検知したならば、硬貨残留ランプを点滅動作させるとともに、硬貨取り忘れの旨を音声で報知する。そして、貨幣残留通知を管理装置50に通知する。更に、硬貨の取り忘れを検知してから所定の時間が経過した時点において、再度、硬貨の取り忘れを検知したならば、上記の処理を繰り返す。この際、音声での報知に合わせてブザー音でも報知する。
【0055】
無線ルータ100は、管理装置50とインカム90とのデータ通信を中継する装置である。無線ルータ100は、無線通信によりインカム90と通信可能に接続される。
【0056】
インカム90は、従業員が装着し、各種情報を音声で報知する装置である。インカム90は、管理装置50から受け取った各種情報を音声で報知する。
【0057】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行ったならば、台間カード処理機10は、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
【0058】
管理装置50は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1度数が1円である場合の500円分を示す500度数)を減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば「125」)の遊技球数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
【0059】
加算信号を受信した遊技機20は、遊技球数を加算し、加算後の遊技球数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技球数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技球数と比較して、遊技球数の加算が適切に行われたか否かを判定する。
【0060】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0061】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
【0062】
台間カード処理機10は、管理装置50から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文を管理装置50に送信する。管理装置50は、持玉減算要求を受信したならば、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0063】
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技球数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、管理移行要求に示された遊技球数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、管理装置50に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
【0064】
管理装置50は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高(持玉数)を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機10は、管理装置50にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
【0065】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを受け付けた場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報)と、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0066】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0067】
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば「125玉」)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。
【0068】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
【0069】
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
【0070】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0071】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技球数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
【0072】
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。管理装置50は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高を貯玉の残高に加算して更新する。その後、管理装置50は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
【0073】
<台間カード処理機10と遊技機20の外観構成>
次に、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。
【0074】
図3に示すように、台間カード処理機10には、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12a、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13及びカードIDが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口14aが設けられている。
【0075】
遊技機20には、遊技盤面、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21及び計数ボタン22が設けられている。
【0076】
計数ボタン22は、遊技機20の遊技球数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機20から台間カード処理機10に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機20では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
【0077】
<台間カード処理機10の構成>
次に、図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12、表示操作部13、リーダライタ14、通信部15、記憶部16、制御部17及び遊技管理部18を有する。
【0078】
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
【0079】
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、島コントローラ30を介して管理装置50との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
【0080】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a及びカードデータ16bを記憶する。
【0081】
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機ID、遊技機ID、遊技種等を含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、台間カード処理機10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、台間カード処理機10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
【0082】
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、暗証番号、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
【0083】
遊技管理部18は、認証や遊技機20との通信に係る処理を行なう処理部である。この遊技管理部18は、制御部17と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部18は、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0084】
認証処理部18aは、管理装置50から受信した認証鍵を使用して遊技機20の認証を実施する。認証処理部18aは、認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信する。認証処理部18aは、認証が失敗した場合には、遊技機20の使用を禁止する。なお、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機20への動作許可を送信し、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機20への動作許可を送信せず、遊技機20の使用を禁止するよう構成してもよい。
【0085】
認証鍵管理部18bは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機20の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部18bは、遊技管理部18が形成された基板の通電時間を遊技機20の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部18bは、管理装置50を介して店舗外の認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。
【0086】
遊技機状態管理部18cは、遊技機20と通信し、遊技機20の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部18cは、遊技機20からの遊技機IDの取得、玉貸による遊技球数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技球数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技球数への加算要求の送信、遊技機20における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技球数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。かかる台間カード処理機10と遊技機20との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0087】
また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の現在の遊技球数、スタート、大当り、大当り種別、抽選回数などの遊技に設定された状態をさらに取得する。遊技機状態管理部18cが遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも短く設定することが望ましい。また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20から遊技球数を取得したならば、該遊技球数を制御部17に受け渡す。
【0088】
なお、遊技機状態管理部18cが遊技機20から新たに遊技機IDを取得するタイミングは、開店前に限定されるものではない。台間カード処理機10の電源オンや電源オフを行なった場合、定期的な通信時、遊技球数に関する処理(玉貸、再プレイ、計数など)を行なった場合、オフライン状態からの復帰時などに遊技機IDの取得や遊技機20の入れ替えの判定を行なうことができる。また、これらのタイミングを組み合わせて用いてもよい。
【0089】
制御部17は、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部である。実際には、制御部17に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。データ管理部17aは、カードデータ16bを管理する処理部である。
【0090】
具体的には、データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含むカード挿入通知を管理装置50に送信する。また、データ管理部17aは、管理装置50から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)及び暗証番号を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値及び暗証番号によりカードデータ16bを更新する。
【0091】
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知を管理装置50に送信する。
【0092】
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む玉貸要求を管理装置50に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、カードデータ16bのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0093】
また、データ管理部17aは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ16bの持玉を減算して更新し、対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0094】
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求を管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
【0095】
また、データ管理部17aは、遊技管理部18が遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部18に指示された玉数をカードデータ16bの持玉に加算して更新する。
【0096】
また、データ管理部17aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、台間カード処理機ID、持玉の残高を含む持玉加算要求を管理装置50に送信する。そして、カードデータ16bをクリアした後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出する。
【0097】
次に、図4に示した台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの一例について説明する。図5は、図4に示した自装置状態データ16a及びカードデータ16bの一例を示す図である。
【0098】
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「A101」であり、接続されている遊技機20の遊技機IDが「B201」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
【0099】
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2015」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「1234」であり、プリペイド価値が「0」度数である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。
【0100】
また、カードデータ16bは、持玉として、玉1の持玉の残高が「990」玉であり、玉2の持玉の残高が「0」玉であり、玉3の持玉の残高が「0」玉であり、貯玉として、玉1の貯玉の残高が「0」玉であり、玉2の貯玉の残高が「0」玉であり、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を示している。
【0101】
<遊技機20の構成>
次に、図2に示した遊技機20の構成について説明する。図6は、図2に示した遊技機20の構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、遊技機20は、通信制御部23、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を有する。通信制御部23は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機10との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0102】
通信制御部23は、遊技機20の起動時に、遊技制御部25及び/又は遊技玉制御部26に設けられる制御CPUから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機10との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機10から動作許可を受信したならば、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を起動し、遊技可能な状態とする。
【0103】
遊技制御部25は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。実際には、遊技制御部25に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
【0104】
具体的には、遊技制御部25は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0~65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検出した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
【0105】
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
【0106】
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
【0107】
遊技制御部25は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
【0108】
演出制御部24は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0109】
演出図柄抽選部24aは、遊技制御部25での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
【0110】
演出抽選部24bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
【0111】
演出制御部24は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部24は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
【0112】
遊技玉制御部26は、遊技球数を制御する制御部である。実際には、遊技玉制御部26に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。遊技可能数管理部26aは、遊技可能数すなわち遊技球数を管理する管理部である。
【0113】
具体的には、遊技玉制御部26は、遊技球数を遊技可能数メモリに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技球数を「1」減算し、入賞により獲得される賞出玉数を遊技球数に加算する。また、台間カード処理機10より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技球数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技球数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部26は、遊技機20に封入された遊技玉(循環玉)のクリーニング制御を行うこともできる。
【0114】
また、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリに記憶された遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技球数の更新を継続しつつ、台間カード処理機10へデータ取得時点での遊技球数の送信を行う。
【0115】
また、遊技機20には、計数ボタン22が設けられており、この計数ボタン22が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部26に入力される。遊技玉制御部26は、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満あると、一定数ずつ(例えば1回の操作あたり100玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。また、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ(例えば5秒あたり200玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。遊技球数からの減算にあたっては、メモリに記憶した1の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。
【0116】
遊技制御部25と遊技玉制御部26とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部25が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部26が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
【0117】
<管理装置50の構成>
次に、図2に示した管理装置50の構成について説明する。図7は、図2に示した管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。図7に示すように、管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
【0118】
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部53は、外部ネットワークを介して図示しない認証鍵管理センタとデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、賞品管理装置60、精算機70及び無線ルータ100とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0119】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c及び報知設定データ55dを記憶する。
【0120】
カード管理データ55aは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ55bは、遊技店に設置された装置に関するデータである。会員管理データ55cは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対して、会員の氏名、貯玉の情報等を関連付けたデータである。
【0121】
報知設定データ55dは、精算機70において貨幣の取り忘れを検知した場合に、その旨を報知する時間等を示すデータである。報知設定データ55dは、紙幣及び硬貨の区分毎の報知設定及び報知時間を含む。
【0122】
制御部56は、管理装置50の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、設定管理部56d及び報知部56eを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、設定管理部56d及び報知部56eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0123】
カード管理部56aは、カード管理データ55aの管理を行う処理部である。カード管理部56aは、台間カード処理機10、賞品管理装置60及び精算機70と通信して、カードIDに対応付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。
【0124】
また、カード管理部56aは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合及び賞品管理装置60からカードに関連づけられた有価価値の要求を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値及び持玉の残高を通知する。
【0125】
また、カード管理部56aは、精算機70からカードに関連づけられた有価価値の要求を受信した場合には、該カードに関連づけられた有価価値の残高を通知する。
【0126】
装置管理部56bは、装置管理データ55bの管理を行う処理部である。装置管理部56bは、台間カード処理機10から取得した台間カード処理機ID、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ55bを生成及び更新する。
【0127】
会員管理部56cは、会員管理データ55cの管理を行う処理部である。会員管理部56cは、台間カード処理機10、賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。また、会員管理部56cは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55cに会員を追加する更新を行う。
【0128】
ここで、会員管理部56cによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部56cは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0129】
設定管理部56dは、報知設定データ55dを管理する処理部である。設定管理部56dは、入力部52から報知設定を受け付けたならば、この設定を報知設定データ55dに記憶するとともに、精算機70に通知する。なお、この報知設定には、紙幣及び貨幣の区分、報知を行うか行わないかの設定、報知する場合に払出から報知するまでの時間が含まれる。
【0130】
報知部56eは、精算機70において貨幣の残留が検知された場合に、その旨をインカム90に通知する処理部である。報知部56eは、精算機70から貨幣残留通知を受け取ったならば、貨幣が残留している旨を報知するようインカム90に通知する。
【0131】
次に、図7に示した管理装置50の記憶部55が記憶するデータの一例について説明する。図8は、図7に示したカード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c及び報知設定データ55dの一例を示す図である。
【0132】
図8(a)に示すカード管理データ55aでは、カードID「1001」に対して、プリペイド価値が「0」度数であり、各レートの持玉の残高が「0」玉であり、使用先IDが「A101」である状態を対応付けている。すなわち、カードID「1001」のカードは、装置ID「A101」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロとなる。
【0133】
また、カード管理データ55aでは、カードID「2015」に対して、プリペイド価値が「0」度数である状態を対応付けている。また、持玉として、玉1の持玉の残高が「990」玉であり、玉2の持玉の残高が「0」玉であり、玉3の持玉の残高が「0」玉である状態を対応付けている。ただし、使用先IDの対応付けはされていない。すなわち、カードID「2015」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理が管理装置50により行われている。
【0134】
図8(b)に示す装置管理データ55bは、ID「A101」の台間カード処理機10に対して、設置場所が「島1-1」であり、接続された遊技機20のIDが「B201」であり、遊技台番号が「11」であり、遊技種が「玉1」であり、遊技機20の機種が「EV01」であり、製造番号が「a」である状態を対応付けている。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0135】
また、装置管理データ55bは、ID「A201」の台間カード処理機10に対して、その設置場所が「島2-1」であり、接続された遊技機20のIDが「B506」であり、遊技台番号が「21」であり、遊技種が「玉3」であり、遊技機20の機種が「DX03」であり、製造番号が「g」である状態を対応付けている。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0136】
図8(c)に示す会員管理データ55cは、カードIDに対応付けられた、氏名、貯玉等を示している。具体的には、会員管理データ55cは、カードID「2015」に対して、氏名が「特許太郎」であり、玉1の貯玉の残高が「0」玉であり、玉2の貯玉の残高が「0」玉であり、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を対応付けている。
【0137】
図8(d)に示す報知設定データ55dは、区分「紙幣」に対して、報知設定が「報知」であり、報知時間が「4秒」である状態を対応付け、区分「硬貨」に対して、報知設定が「報知」であり、報知時間が「7秒」である状態を対応付けている。
【0138】
<賞品管理装置60の構成>
次に、図2に示した賞品管理装置60の構成について説明する。図9は、図2に示した賞品管理装置60の構成を示す機能ブロック図である。図9に示すように、賞品管理装置60は、カードリーダライタ61及びレシート発行部62と接続され、表示操作部64、通信部65、記憶部66及び制御部67を有する。
【0139】
カードリーダライタ61は、遊技客のカードからカードIDを読み取るデバイスであり、カードに何らかのデータを書き込む場合もある。レシート発行部62は、感熱式プリンタなどのデバイスであり、選択した賞品を特定する情報を印字したレシートなど各種レシートを発行処理する。
【0140】
表示操作部64は、液晶タッチパネル等の入出力デバイスである。通信部65は、賞品管理装置60が通信回線を経由して管理装置50及び図示しない賞品払出装置と通信するためのインタフェース部である。
【0141】
記憶部66は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、保有価値データ66a及び賞品在庫データ66bを記憶する。
【0142】
保有価値データ66aは、カードリーダライタ61で読み取ったカードに関連付けられた価値を示すデータである。賞品在庫データ66bは、併設された図示しない賞品払出装置の賞品の在庫を管理するためのデータである。
【0143】
制御部67は、賞品管理装置60を全体制御する制御部であり、保有価値管理部67a、賞品在庫管理部67b、賞品選択制御部67c及びレシート発行処理部67dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、保有価値管理部67a、賞品在庫管理部67b、賞品選択制御部67c及びレシート発行処理部67dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0144】
保有価値管理部67aは、保有価値データ66aを管理する処理部である。保有価値管理部67aは、カードリーダライタ61によりカードIDが読み取られたならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を管理装置50に要求する。保有価値管理部67aは、管理装置50からカードIDに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を受信したならば、このプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を保有価値データ66aに記憶する。
【0145】
賞品在庫管理部67bは、賞品在庫データ66bを管理する処理部である。賞品在庫管理部67bは、図示しない賞品払出装置から賞品在庫データを受信したならば、受信したデータを賞品在庫データ66bに記憶する。
【0146】
賞品選択制御部67cは、賞品交換の対象となる賞品の選択を行う処理部である。賞品選択制御部67cは、持玉及び貯玉の残高の範囲内で、賞品在庫データ66bに基づいて賞品の選択を受け付ける。
【0147】
また、賞品選択制御部67cは、賞品が選択されたならば、選択賞品の賞品コード及び個数を含む払出指示を図示しない賞品払出装置に通知するとともに、持玉及び貯玉の残高を端玉数として扱い、払い出された賞品の種類及び個数、並びに、端玉数をレシート発行処理部67dに受け渡す。そして、カードに関連付けられたプリペイド価値、持玉及び貯玉の残高を管理装置50に通知する。
【0148】
レシート発行処理部67dは、交換レシートを発行する処理部である。レシート発行処理部67dは、選択された賞品の種類及び個数、並びに、端玉数を賞品選択制御部67cから受け取ったならば、受け取ったデータを交換レシートに印字し、交換レシートととして発行する。
【0149】
次に、図9に示した賞品管理装置60の記憶部66が記憶するデータの一例について説明する。図10は、図9に示した保有価値データ66a及び賞品在庫データ66bの一例を示す図である。
【0150】
図10(a)に示す保有価値データ66aは、読み取ったカードに関連付けられた価値である持玉数、貯玉数、プリペイド価値等を示すデータである。保有価値データ66aは、玉1の持玉数が「990」玉であり、玉2の持玉数が「0」玉であり、玉3の持玉数が「0」玉であり、玉1の貯玉数が「0」玉であり、玉2の貯玉数が「0」玉であり、玉3の貯玉数が「0」玉であり、プリペイド価値が「0」度数である状態を示している。
【0151】
図10(b)に示す賞品在庫データ66bは、賞品コード「0001」に対して、賞品名が「大賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「100」個であり、在庫数が「20」個である状態を対応付け、賞品コード「0002」に対して、賞品名が「中賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「300」個であり、在庫数が「150」個である状態を対応付け、賞品コード「0003」に対して、賞品名が「小賞品」であり、群コードが「01」であり、収納可能数が「500」個であり、在庫数が「230」個である状態を対応付けていることを示している。
<精算機70の構成>
次に、図2に示した精算機70について説明する。図11は、図2に示した精算機70の構成を示す機能ブロック図である。図11に示すように、精算機70は、カードリーダ71、紙幣検知センサ72、硬貨検知センサ73、紙幣残留ランプ74、硬貨残留ランプ75、スピーカ76、表示操作部79、通信部80、記憶部77及び制御部78を有する。
【0152】
カードリーダ71は、遊技客のカードからカードIDを読み取るデバイスである。紙幣検知センサ72は、払い出した紙幣の取り忘れを検知するデバイスである。硬貨検知センサ73は、払い出した硬貨の取り忘れを検知するデバイスである。
【0153】
紙幣残留ランプ74は、紙幣の取り忘れを報知するためのLED等を用いた出力デバイスである。硬貨残留ランプ75は、硬貨の取り忘れを報知するためのLED等を用いた出力デバイスである。スピーカ76は、貨幣の取り忘れを音声で報知するための出力デバイスである。
【0154】
表示操作部79は、液晶タッチパネル等の入出力デバイスである。通信部80は、通信回線を経由して管理装置50と通信するためのインタフェース部である。
【0155】
記憶部77は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、報知設定データ77aを記憶する。報知設定データ77aは、貨幣の取り忘れを検知した場合に、その旨を報知する時間等を示すデータである。報知設定データ77aは、紙幣及び硬貨の区分毎の報知設定及び報知時間を含む。
【0156】
制御部78は、精算機70を全体制御する制御部であり、設定管理部78a、精算制御部78b、検知部78c、判定部78d及び報知部78eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、設定管理部78a、精算制御部78b、検知部78c、判定部78d及び報知部78eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0157】
設定管理部78aは、報知設定データ77aを管理する処理部である。設定管理部78aは、管理装置50から報知設定データを受信したならば、このデータを報知設定データ77aに記憶する。
【0158】
精算制御部78bは、カードに関連づけられたプリペイド価値の精算を行う処理部である。精算制御部78bは、カードリーダ71からカードIDを受け付けたならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値の要求を管理装置50に通知する。精算制御部78bは、管理装置50からカードに関連付けられたプリペイド価値の残高を受け取ったならば、精算処理を行う。
【0159】
また、精算制御部78bは、精算処理を行ったならば、カードを返却するとともに、カードの取出を促す音声をスピーカ76から報知する。例えば、「カードをお取りください。続いて紙幣、硬貨が出ます。」と音声で報知する。なお、払い出す貨幣が紙幣のみ又は硬貨のみである場合は、音声の内容を「カードをお取りください。続いて紙幣が出ます。」又は「カードをお取りください。続いて硬貨が出ます。」としてもよい。
【0160】
また、精算制御部78bは、カード返却において、カードが取り出されずに所定時間(例えば、5秒)が経過したならば、カードの取出を促す音声をスピーカ76から報知する。例えば、「カードをお取りください。」と音声で報知する。そして、カードが取り出されるまで、この処理を繰り返す。
【0161】
また、精算制御部78bは、カードが取り出されたならば、精算金である貨幣を払い出すとともに、貨幣の受け取りを促す音声をスピーカ76から報知する。例えば、「紙幣、硬貨が出ます。お取り忘れにご注意ください。」と音声で報知する。なお、払い出す貨幣が紙幣のみ又は硬貨のみである場合は、音声の内容を「紙幣が出ます。お取り忘れにご注意ください。」又は「硬貨が出ます。お取り忘れにご注意ください。」としてもよい。
【0162】
検知部78cは、払い出した貨幣の取り忘れを検知する処理部である。検知部78cは、紙幣検知センサ72により紙幣を検知したならば「紙幣あり」を、紙幣を検知しないならば「紙幣なし」を判定部78dに受け渡す。
【0163】
また、検知部78cは、硬貨検知センサ73により硬貨を検知したならば「硬貨あり」を、硬貨を検知しないならば「硬貨なし」を判定部78dに受け渡す。
【0164】
判定部78dは、払い出した貨幣の取り忘れを検知した場合に、その旨を報知する手順を判定する処理部である。判定部78dは、報知設定データ77aの区分「紙幣」において報知設定が「報知」である場合に、貨幣の払出から報知設定データ77aの報知時間(例えば、4秒)が経過した時点において、検知部78cから「紙幣あり」を受け取ったならば、「紙幣残留報知」を報知部78eに受け渡す。判定部78dは、「紙幣残留報知」を受け渡してから報知設定データ77aの報知時間が経過した時点において、検知部78cから「紙幣あり」を受け取ったならば、「紙幣残留報知」を報知部78eに受け渡す。
【0165】
また、判定部78dは、報知設定データ77aの区分「紙幣」において報知設定が「非報知」である場合に、貨幣の払出から所定の時間(例えば、5秒)が経過した時点において、検知部78cから「紙幣あり」を受け取ったならば、「紙幣残留報知」を報知部78eに受け渡す。判定部78dは、「紙幣残留報知」を受け渡してから所定の時間が経過した時点において、検知部78cから「紙幣あり」を受け取ったならば、「紙幣残留報知」を報知部78eに受け渡す。
【0166】
また、判定部78dは、報知設定データ77aの区分「硬貨」において報知設定が「報知」である場合に、貨幣の払出から報知設定データ77aの報知時間(例えば、7秒)が経過した時点において、検知部78cから「硬貨あり」を受け取ったならば、「硬貨残留報知」を報知部78eに受け渡す。判定部78dは、「硬貨残留報知」を受け渡してから報知設定データ77aの報知時間が経過した時点において、検知部78cから「硬貨あり」を受け取ったならば、「硬貨残留報知」を報知部78eに受け渡す。
【0167】
また、判定部78dは、報知設定データ77aの区分「硬貨」において報知設定が「非報知」である場合に、貨幣の払出から所定の時間(例えば、5秒)が経過した時点において、検知部78cから「硬貨あり」を受け取ったならば、「硬貨残留報知」を報知部78eに受け渡す。判定部78dは、「硬貨残留報知」を受け渡してから所定の時間が経過した時点において、検知部78cから「硬貨あり」を受け取ったならば、「硬貨残留報知」を報知部78eに受け渡す。
【0168】
報知部78eは、払い出した貨幣の取り忘れを検知した場合に、その旨を報知する処理部である。報知部78eは、判定部78dから「紙幣残留報知」を受け取ったならば、紙幣残留ランプ74を点滅動作させるとともに、スピーカ76から紙幣取り忘れの旨を音声で報知する。例えば、「紙幣をお取りください。」と音声で報知する。この音声の内容は、「現金をお取りください。」としてもよい。そして、「貨幣残留通知」を管理装置50に通知する。
【0169】
また、報知部78eは、判定部78dから「紙幣残留報知」を複数回続けて受け取ったならば、スピーカ76から注意を促すためのブザー音などをその都度音声で報知する。
【0170】
また、報知部78eは、判定部78dから「硬貨残留報知」を受け取ったならば、硬貨残留ランプ75を点滅動作させるとともに、スピーカ76から硬貨取り忘れの旨を音声で報知する。例えば、「硬貨をお取りください。」と音声で報知する。この音声の内容は、「現金をお取りください。」としてもよい。そして、「貨幣残留通知」を管理装置50に通知する。
【0171】
また、報知部78eは、判定部78dから「硬貨残留報知」を複数回続けて受け取ったならば、スピーカ76から注意を促すためのブザー音などをその都度音声で報知する。
【0172】
次に、図11に示した精算機70の記憶部77が記憶するデータの一例について説明する。図12は、図11に示した報知設定データ77aの一例を示す図である。
【0173】
図12に示す報知設定データ77aは、区分「紙幣」に対して、報知設定が「報知」であり、報知時間が「4秒」である状態を対応付け、区分「硬貨」に対して、報知設定が「報知」であり、報知時間が「7秒」である状態を対応付けている。
【0174】
<実施形態1に係る貨幣取り忘れに関する処理手順>
次に、本実施形態1に係る貨幣取り忘れに関する処理手順について説明する。図13は、本実施形態1に係る貨幣取り忘れに関する処理手順を示すフローチャートである。
【0175】
図13に示すように、精算機70は、カードを受け付けたならば(ステップS101;Yes)、該カードに関連付けられた価値を管理装置50に要求する(ステップS102)。管理装置50は、該カードに関連付けられた価値を精算機70に通知する(ステップS103)。
【0176】
精算機70は、精算処理を受け付けたならば(ステップS104;Yes)、精算取引要求を管理装置50に通知する(ステップS105)。管理装置50は、精算取引応答を精算機70に通知する(ステップS106)。
【0177】
精算機70は、カードを返却し(ステップS107)、カードを返却する旨をスピーカ76から音声で報知する(ステップS108)。カードが取り出されないならば(ステップS109;No)、ステップS108に移行する。
【0178】
カードが取り出されたならば(ステップS109;Yes)、貨幣を払い出すとともに(ステップS110)、払出の旨を音声で報知する(ステップS111)。
【0179】
貨幣が取り出されていないならば(ステップS112;No)、貨幣残留通知を管理装置50に通知するとともに(ステップS113)、ブザー音で報知し(ステップS114)、ステップS111に移行する。管理装置50は、貨幣残留通知を受け取ったならば、その旨をインカム90に通知する(ステップS115)。
【0180】
精算機70は、貨幣が取り出されたならば(ステップS112;Yes)、処理を終了する。
【0181】
上述してきたように、本実施形態1に係る遊技システムでは、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知することにより、貨幣の取り忘れを効率良く防止することができる。
【0182】
なお、上記の実施形態1では、硬貨の取り出しを硬貨取出口の硬貨の有無で検知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、硬貨取出口に手を入れたかどうかで検知するよう構成することもできる。
【0183】
また、上記の実施形態1では、報知設定が「非報知」の場合でも、所定時間経過後に貨幣が残留していれば報知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、報知設定が「非報知」の場合には、報知しないよう構成することもできる。
【0184】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、賞品管理装置及び精算機がそれぞれ単独で運用される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0185】
賞品管理装置及び精算機が1対1で対応付けられ、賞品管理装置において精算処理の操作を受け付ける連動運用が行われる場合がある。この賞品管理装置及び精算機の連動運用において、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知するとともに、遊技客が貨幣を受け取ることにより賞品交換を可能とするよう構成することもできる。
【0186】
本実施形態2では、賞品管理装置及び精算機の連動運用において、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知するとともに、遊技客が貨幣を受け取ることにより賞品交換を可能とすることができる遊技システムについて説明する。
【0187】
<実施形態2に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態2に係る遊技システムの概要について説明する。図14は、本実施形態2に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0188】
図14に示すように、本実施形態2に係る遊技システムでは、賞品管理装置200と連動運用されている精算機300において、精算されて払い出された硬貨の取り忘れを検知したならば(S1)、取り忘れを防止するための音声が報知される(S2)。
【0189】
遊技客が取り忘れた硬貨を取り出すことにより(S3)、賞品管理装置200において賞品交換が可能になる(S4)。なお、紙幣のみの取り忘れ、紙幣及び貨幣の取り忘れについても、同様に取り忘れを防止するための音声を報知し、遊技客が取り忘れた貨幣を取り出すことにより、賞品交換が可能になる。
【0190】
<賞品管理装置200の構成>
次に、図14に示した賞品管理装置200の構成について説明する。図15は、図14に示した賞品管理装置200の構成を示す機能ブロック図である。図15に示すように、賞品管理装置200は、カードリーダライタ61及びレシート発行部62と接続され、表示操作部64、通信部65、記憶部210及び制御部220を有する。なお、図9に示した賞品管理装置60と同様の機能部についての説明は省略する。
【0191】
記憶部210は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、対応装置データ211、保有価値データ66a及び賞品在庫データ66bを記憶する。対応装置データ211は、自装置及び自装置と対応付けられた精算機300を示すデータである。
【0192】
制御部220は、賞品管理装置200を全体制御する制御部であり、対応装置管理部221、保有価値管理部222、精算制御部223、賞品在庫管理部67b、賞品選択制御部224及びレシート発行処理部67dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、対応装置管理部221、保有価値管理部222、精算制御部223、賞品在庫管理部67b、賞品選択制御部224及びレシート発行処理部67dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0193】
対応装置管理部221は、対応装置データ211を管理する処理部である。対応装置管理部221は、表示操作部64から対応装置の設定を受け付けたならば、この設定を対応装置データ211に記憶するとともに、精算機300に通知する。
【0194】
保有価値管理部222は、保有価値データ66aを管理する処理部である。保有価値管理部222は、カードリーダライタ61によりカードIDが読み取られたならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を精算機300に要求する。
【0195】
また、保有価値管理部222は、精算機300からカードIDに関連付けられたプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を受信したならば、このプリペイド価値の残高、持玉数及び貯玉数を保有価値データ66aに記憶する。
【0196】
精算制御部223は、精算処理の受付を行う処理部である。精算制御部223は、表示操作部64から精算処理を受け付けたならば、この精算処理の内容を精算取引要求として精算機300に通知する。
【0197】
また、精算制御部223は、精算機300から精算取引応答を受け取ったならば、この精算取引応答の内容について実行するか否かの選択画面を表示操作部64に表示する。精算制御部223は、表示操作部64から精算取引を実行する選択を受け付けたならば、出金指示を精算機300に通知する。
【0198】
賞品選択制御部224は、賞品交換の対象となる賞品の選択を行う処理部である。賞品選択制御部224は、精算機300から取出完了通知を受け取ったならば、持玉及び貯玉の残高の範囲内で、賞品在庫データ66bに基づいて賞品の選択を受け付け、賞品交換処理を行う。
【0199】
次に、図15に示した賞品管理装置200の記憶部210が記憶するデータの一例について説明する。図16は、図15に示した対応装置データ211の一例を示す図である。図16に示す対応装置データ211は、賞品管理装置ID「SPOS001」に対して、精算機ID「SK001」を対応付けている。
【0200】
<精算機300の構成>
次に、図14に示した精算機300について説明する。図17は、図14に示した精算機300の構成を示す機能ブロック図である。図17に示すように、精算機300は、カードリーダ71、紙幣検知センサ72、硬貨検知センサ73、紙幣残留ランプ74、硬貨残留ランプ75、スピーカ76、表示操作部79、通信部80、記憶部310及び制御部320を有する。なお、図11に示した精算機70と同様の機能部についての説明は省略する。
【0201】
記憶部310は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、報知設定データ77a及び対応装置データ311を記憶する。対応装置データ311は、
自装置及び自装置と対応付けられた賞品管理装置200を示すデータである。
【0202】
制御部320は、精算機300を全体制御する制御部であり、設定管理部321、精算制御部322、検知部78c、判定部78d、報知部78e及び通知部323を有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM等の不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、設定管理部321、精算制御部322、検知部78c、判定部78d、報知部78e及び通知部323にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0203】
設定管理部321は、対応装置データ311を管理する処理部である。設定管理部321は、賞品管理装置200から対応装置データを受信したならば、このデータを対応装置データ311に記憶する。
【0204】
精算制御部322は、賞品管理装置200からカードIDに関連付けられた価値の要求を受け取ったならば、この要求を管理装置50に通知する。精算制御部322は、管理装置50からカードに関連付けられた価値を受け取ったならば、受け取った価値を賞品管理装置200に通知する。
【0205】
また、精算制御部322は、賞品管理装置200から精算取引要求を受け取ったならば、この精算取引要求を管理装置50に通知する。精算制御部322は、管理装置50から精算取引応答を受け取ったならば、この精算取引応答を賞品管理装置200に通知する。
【0206】
また、精算制御部322は、賞品管理装置200から出金指示を受け取ったならば、この出金指示に基づいて貨幣を払い出すとともに、貨幣の受け取りを促す音声をスピーカ76から報知する。
【0207】
通知部323は、払い出した貨幣の取出完了通知を通知する処理部である。通知部323は、検知部78cにおいて、「紙幣なし」かつ「硬貨なし」と判定されたならば、取出完了通知を賞品管理装置200に通知する。
【0208】
次に、図17に示した精算機300の記憶部310が記憶するデータの一例について説明する。図18は、図17に示した対応装置データ311の一例を示す図である。図18に示す対応装置データ311は、賞品管理装置ID「SPOS001」に対して、精算機ID「SK001」を対応付けている。
【0209】
<実施形態2に係る貨幣取り忘れに関する処理手順>
次に、本実施形態2に係る貨幣取り忘れに関する処理手順について説明する。図19は、本実施形態2に係る貨幣取り忘れに関する処理手順を示すフローチャートである。
【0210】
図19に示すように、賞品管理装置200は、カードを受け付けたならば(ステップS201;Yes)、該カードに関連付けられた価値を精算機300に要求する(ステップS202)。精算機300は、この要求を管理装置50に通知する(ステップS203)。
【0211】
管理装置50は、該カードに関連付けられた価値を精算機300に通知し(ステップS204)、精算機300は、受信したこの価値を賞品管理装置200に通知する(ステップS205)。
【0212】
賞品管理装置200は、精算処理を受け付けたならば(ステップS206;Yes)、受け付けた精算処理に基づいて精算取引要求を精算機300に通知し(ステップS207)、精算機300は、この精算取引要求を管理装置50に通知する(ステップS208)。
【0213】
管理装置50は、受信した精算取引要求に対して、精算取引応答を精算機300に通知し(ステップS209)、精算機300は、この精算取引応答を賞品管理装置200に通知する(ステップS210)。
【0214】
賞品管理装置200は、出金指示を精算機300に通知し(ステップS211)、精算機300は、出金指示に基づいて貨幣を払い出すとともに(ステップS212)、払出の旨を音声で報知する(ステップS213)。
【0215】
貨幣が取り出されていないならば(ステップS214;No)、貨幣残留通知を管理装置50に通知するとともに(ステップS215)、ブザー音で報知し(ステップS216)、ステップS213に移行する。管理装置50は、貨幣残留通知を受け取ったならば、その旨をインカム90に通知する(ステップS217)。
【0216】
精算機300は、貨幣が取り出されたならば(ステップS214;Yes)、取出完了通知を賞品管理装置200に通知する(ステップS218)。賞品管理装置200は、賞品交換処理を行い(ステップS219)、処理を終了する。
【0217】
上述してきたように、本実施形態2に係る遊技システムでは、賞品交換装置及び精算機の連動運用において、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知するとともに、遊技客が貨幣を受け取ることにより賞品交換を可能とするよう構成したので、貨幣の取り忘れを効率良く防止することができる。
【0218】
なお、上記の実施形態2では、賞品交換装置及び精算機の連動運用において、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。賞品交換装置及び精算機の連動運用の有無に関わらず、精算機において貨幣の取り忘れを検知した場合に、その旨を賞品交換装置に対して通知し、賞品交換装置において報知するよう構成することもできる。具体的には、精算機が貨幣の取り忘れを検知した場合に、管理装置に対して通知する貨幣残留通知を賞品交換装置に対しても同時に通知する。この貨幣残留通知を受け取った賞品交換装置が、貨幣の取り忘れを報知する。このことにより、精算機において貨幣の取り忘れを検知した場合に、その旨を賞品交換装置に対して通知し、賞品交換装置において報知するよう構成することができる。
【0219】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態1では、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、精算機の硬貨検知センサに異常があった場合に、硬貨検知機能をオフにして精算機を縮退動作で運用するよう構成することもできる。
【0220】
本実施形態3では、精算機の硬貨検知センサに異常があった場合に、硬貨検知機能をオフにして精算機を縮退動作で運用することができる遊技システムについて説明する。
【0221】
<実施形態3に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態3に係る遊技システムの概要について説明する。図20は、本実施形態3に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0222】
図20に示すように、本実施形態3に係る遊技システムでは、精算機400において、硬貨検知センサの異常が検知されたならば(S11)、従業員の操作により硬貨検知機能をOFFにして、縮退動作で運用する(S12)。
【0223】
また、硬貨検知センサ異常を管理装置500を介して、遊技店外に設置された情報管理装置600に通知する(S13)。遊技店の精算機400の保守を行う整備員は、情報管理装置600において硬貨検知センサ異常を認識することにより、該精算機400の整備を迅速に行うことが可能となる。
【0224】
なお、精算機400の電源をOFFにすることにより、縮退動作は自動的に解除される(S14)。このことにより、硬貨検知センサが正常に復帰した後の運用において、硬貨検知機能をOFFにしたまま運用することを防止することができる。
【0225】
<実施形態3に係る精算機400における処理手順>
次に、本実施形態3に係る精算機400における処理手順について説明する。図21は、本実施形態3に係る精算機400における処理手順を示すフローチャートである。
【0226】
図21に示すように、精算機400は、電源がONになった後(ステップS301)、硬貨検知センサの動作チェックを行う。硬貨検知センサのONチェックが正常であり(ステップS302;Yes)、かつ、硬貨検知センサのOFFチェックが正常であるならば(ステップS303;Yes)、正常動作で運用を開始する(ステップS308)。
【0227】
硬貨検知センサのONチェックが異常である(ステップS302;No)、又は、硬貨検知センサのOFFチェックが異常であるならば(ステップS303;No)、エラーダウンし、管理装置500に硬貨検知センサが異常である旨を通知し(ステップS304)、縮退運用への移行を選択する画面を表示する。
【0228】
縮退運用へ移行することを受け付けたならば(ステップS305;Yes)、エラーダウンを解除し、縮退動作で運用を開始する(ステップS307)。縮退運用へ移行しないことを受け付けたならば(ステップS305;No)、精算機400の運用を停止する(ステップS306)。
【0229】
上述してきたように、本実施形態3に係る遊技システムでは、精算機の硬貨検知センサに異常があった場合に、硬貨検知機能をオフにして精算機を縮退動作で運用することができる。
【0230】
なお、上記の実施形態3では、情報管理装置において、精算機の硬貨検知センサの異常を通知されるエラーコードで認識する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、精算機が縮退動作による運用中であることを整備員の所持する携帯端末装置等に対して通知するよう構成することもできる。
【0231】
また、上記の実施形態3では、硬貨検知センサのON、OFFそれぞれに異常の有無をチェックする構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、硬貨検知センサの受光レベルをAD変換で監視し、受光レベルが一定以上低下したことを検知する機能を追加することにより、故障の予兆を検知することができるよう構成することもできる。
【0232】
また、上記の実施形態3では、硬貨検知センサをチェックする構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、紙幣検知センサ及びカード排出センサに対してチェックを行うよう構成することもできる。
【0233】
[実施形態4]
ところで、上記の実施形態1では、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。精算機において紙幣を11枚以上払い出す場合、紙幣は10枚ずつ複数回に分けて払い出されるが、この複数回に分けて払い出される旨を事前に報知するよう構成することもできる。
【0234】
本実施形態4では、精算機において紙幣を11枚以上払い出す場合、複数回に分けて払い出される旨を事前に報知することができる遊技システムについて説明する。
【0235】
<実施形態4に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態4に係る遊技システムの概要について説明する。図22及び図23は、本実施形態4に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0236】
従来の遊技システムでは、精算機において11枚以上の紙幣を払い出す場合に、10枚ずつ複数回に分けて払い出されるが、複数回に分けて払い出される旨の報知はされていない。このため、遊技客は最初の10枚を受け取った後、残りの紙幣を受け取り忘れる虞があった。
【0237】
例えば、図22に示すように、12000円分の紙幣が払い出される場合には、最初に千円紙幣10枚が払い出され(S21)、遊技客はこの千円紙幣10枚を受け取る(S22)。続いて残りの千円紙幣2枚が払い出されるが(S23)、遊技客がこの千円紙幣を受け取り忘れたならば(S24)、係員を呼び出す旨が表示される(S25)。この場合、この精算機は一時的に運用停止になるとともに、紙幣を取り忘れた遊技客との間でトラブルが発生する虞がある。
【0238】
そこで、図23に示すように、本実施形態4に係る遊技システムでは、精算機において11枚以上の紙幣を払い出す場合に、出金を行う前に紙幣が複数回に分けて払い出される旨を音声で報知する。
【0239】
具体的には、12000円分の紙幣が払い出される場合には、紙幣を払い出す前に、紙幣が2回に分けて払い出されることを音声で報知する(S31)。例えば、「紙幣が2回に分けて出てきます。取り忘れにご注意下さい。」と報知する。千円紙幣10枚が払い出され(S32)、遊技客はこの千円紙幣10枚を受け取る(S33)。
【0240】
続いて残りの紙幣が払い出される前に、先ほどの音声の内容を変更して、取り忘れが無いように音声で報知する(S34)。例えば、「紙幣の取り忘れにご注意下さい。」と報知する。残りの千円紙幣2枚が払い出され(S35)、遊技客はこの千円紙幣2枚を受け取り(S36)、精算機は待機状態に移行する(S37)。
【0241】
上述してきたように、本実施形態4に係る遊技システムでは、精算機において紙幣を11枚以上払い出す場合、複数回に分けて払い出される旨を事前に報知することができる。
【0242】
なお、上記の実施形態4では、複数回に分けて払い出される旨を音声で報知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数回に分けて払い出される旨を画面に表示するよう構成することもできる。
【0243】
[実施形態5]
ところで、上記の実施形態1では、精算機における貨幣の取り忘れを検知してその旨を報知する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。精算機において払い出す硬貨の枚数に応じて、取り忘れを防止するために報知する音声の音量を変化させ、また、取り忘れがある場合に再度報知する時間間隔を変化させるよう構成することもできる。
【0244】
本実施形態5では、精算機において払い出す硬貨の枚数に応じて、取り忘れを防止するために報知する音声の音量を変化させ、また、取り忘れがある場合に再度報知する時間間隔を変化させることができる遊技システムについて説明する。
【0245】
<実施形態5に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態5に係る遊技システムの概要について説明する。図24は、本実施形態5に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0246】
本実施形態5に係る遊技システムでは、精算機700が、所定の枚数(例えば、3枚)より多い枚数の硬貨を払い出す場合には、取り忘れを防止するために報知する音量を小さくし、また、取り忘れがある場合に再度報知する時間間隔をやや長めに(例えば、5秒毎)に設定する。
【0247】
具体的には、図24(a)に示すように、紙幣、硬貨を払い出した場合に、払い出した硬貨が6枚であったならば(S41)、取り忘れ防止を小さな音量で報知する(S42)。硬貨の取り出しがない場合は、取り忘れ防止を5秒毎に繰り返して報知する(S43)。
【0248】
また、精算機700が、所定の枚数以下の枚数の硬貨を払い出す場合には、取り忘れを防止するために報知する音量を大きくし、また、取り忘れがある場合に再度報知する時間間隔を短めに(例えば、2秒毎)に設定する。
【0249】
具体的には、図24(b)に示すように、紙幣、硬貨を払い出した場合に、払い出した硬貨が3枚であったならば(S44)、取り忘れ防止を大きな音量で報知する(S45)。硬貨の取り出しがない場合は、取り忘れ防止を2秒毎に繰り返して報知する(S46)。
【0250】
<実施形態5に係る精算機700における処理手順>
次に、本実施形態5に係る精算機700における処理手順について説明する。図25は、本実施形態5に係る精算機700における処理手順を示すフローチャートである。
【0251】
図25に示すように、精算機700は、カードを返却して(ステップS401)、該カードが抜き取られたならば(ステップS402;Yes)、紙幣及び硬貨を払い出す(ステップS403)。
【0252】
払い出した硬貨の枚数が3枚以下であれば(ステップS404;Yes)、払出の旨を音量大の音声で報知する(ステップS405)。払い出した硬貨の枚数が4枚以上であれば(ステップS404;No)、払出の旨を音量小の音声で報知する(ステップS406)。
【0253】
紙幣及び硬貨が取り出されていない場合(ステップS407;No)、払い出した硬貨の枚数が3枚以下であれば(ステップS408;Yes)、2秒毎に、払出の旨を音量大の音声で報知する(ステップS409)。払い出した硬貨の枚数が4枚以上であれば(ステップS408;No)、5秒毎に、払出の旨を音量小の音声で報知する(ステップS410)。そして、ステップS407に移行する。
【0254】
紙幣及び硬貨が取り出されたならば(ステップS407;Yes)、処理を終了する。
【0255】
上述してきたように、本実施形態5に係る遊技システムでは、精算機において払い出す硬貨の枚数に応じて、取り忘れを防止するために報知する音声の音量を変化させ、また、取り忘れがある場合に再度報知する時間間隔を変化させることができる。
【0256】
なお、上記の実施形態5では、精算機において払い出す硬貨の枚数に応じて、取り忘れを防止するために行う報知の要領を変化させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、報知の時間間隔、音量についての設定を管理装置において設定できるよう構成することもできる。
【0257】
また、上記の実施形態5では、精算機において払い出す硬貨の枚数に応じて、取り忘れを防止するために行う報知の要領を変化させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貨幣の取り忘れが頻発する場合には、報知する音量を徐々に大きくするよう構成することもできる。
【0258】
また、上記の実施形態5では、精算機において払い出す硬貨の枚数に応じて、取り忘れを防止するために行う報知の要領を変化させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取り忘れを防止するために行う報知において、硬貨取出口のLEDランプの点滅や色を変化させるよう構成することもできる。
【0259】
また、上記の実施形態5では、精算機において払い出す硬貨の枚数に応じて、取り忘れを防止するために行う報知の要領を変化させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の媒体を返却、投出する賞品払出装置、再プレイ玉メダル貸機、自販機用会員カード・玉・メダル端末機にも適用するよう構成することもできる。
【0260】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0261】
本発明に係る遊技システム、精算機及び取り忘れ報知方法は、貨幣の取り忘れを効率良く防止する場合に適している。
【符号の説明】
【0262】
10 台間カード処理機
11 状態表示部
12 紙幣搬送部
12a 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 リーダライタ
14a カード挿入口
15 通信部
16 記憶部
16a 自装置状態データ
16b カードデータ
17 制御部
17a データ管理部
18 遊技管理部
18a 認証処理部
18b 認証鍵管理部
18c 遊技機状態管理部
20 遊技機
21 ハンドル
22 計数ボタン
23 通信制御部
24 演出制御部
24a 演出図柄抽選部
24b 演出抽選部
25 遊技制御部
26 遊技玉制御部
26a 遊技可能数管理部
30 島コントローラ
50 管理装置
51 表示部
52 入力部
53 外部ネットワーク通信部
54 店舗ネットワーク通信部
55 記憶部
55a カード管理データ
55b 装置管理データ
55c 会員管理データ
55d 報知設定データ
56 制御部
56a カード管理部
56b 装置管理部
56c 会員管理部
56d 設定管理部
56e 報知部
60 賞品管理装置
61 カードリーダライタ
62 レシート発行部
64 表示操作部
65 通信部
66 記憶部
66a 保有価値データ
66b 賞品在庫データ
67 制御部
67a 保有価値管理部
67b 賞品在庫管理部
67c 賞品選択制御部
67d レシート発行処理部
70 精算機
71 カードリーダ
72 紙幣検知センサ
73 硬貨検知センサ
74 紙幣残留ランプ
75 硬貨残留ランプ
76 スピーカ
77 記憶部
77a 報知設定データ
78 制御部
78a 設定管理部
78b 精算制御部
78c 検知部
78d 判定部
78e 報知部
79 表示操作部
80 通信部
90 インカム
100 無線ルータ
200 賞品管理装置
210 記憶部
211 対応装置データ
220 制御部
221 対応装置管理部
222 保有価値管理部
223 精算制御部
224 賞品選択制御部
300 精算機
310 記憶部
311 対応装置データ
320 制御部
321 設定管理部
322 精算制御部
323 通知部
400 精算機
500 管理装置
600 情報管理装置
700 精算機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25