(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075163
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240527BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240527BHJP
G05D 1/00 20240101ALI20240527BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240527BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20240527BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
G08B25/04 C
G08B25/10
G05D1/00 Z
G08G1/00 X
G08G1/123 A
H04N7/18 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186396
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【弁理士】
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 康昭
(72)【発明者】
【氏名】和田 錦一
(72)【発明者】
【氏名】前田 岩夫
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5C054CF08
5C054FC12
5C054FE28
5C054FF06
5C054HA14
5C054HA18
5C087AA11
5C087AA37
5C087AA44
5C087BB18
5C087DD02
5C087DD05
5C087DD13
5C087DD33
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG07
5C087GG09
5C087GG45
5C087GG66
5C087GG84
5H181AA07
5H181AA27
5H181BB08
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL07
5H181LL08
5H181MA41
5H181MB01
5H301AA01
5H301AA06
5H301AA10
5H301BB05
5H301BB10
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC04
5H301CC06
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD05
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301KK04
5H301KK08
5H301KK09
5H301KK18
5H301KK19
5H301LL02
5H301LL11
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】管理するロボット数の増加を抑制しつつ、基本行動モードによる省人化と、安心、および安全の観点から効率的に各ロボットが備える複数のモードを効率的に実行する。
【解決手段】第1ロボット群と、第2ロボット群に含まれるロボットを監視する監視システムは、第1ロボット群には、ロボットの外部環境情報に異常が含まれているかを判定する場合、もしくは、取得した外部環境情報を監視システムに送り監視システムで異常が含まれていると判定された場合には異常信号を出力する監視機能と、第1機能とを実行可能な複数のロボットが含まれ、第2ロボット群には、監視機能と、第2機能とを実行可能な複数のロボットが含まれ、監視システムは、第1ロボット群と第2ロボット群とに含まれる全ロボットのうちから、予め設定された条件に応じて、監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する選択部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1事業主体により監督される第1ロボット群と、前記第1事業主体とは異なる第2事業主体により監督される第2ロボット群とのそれぞれに含まれるロボットを監視する監視システムであって、
前記第1ロボット群には、移動可能な複数のロボットであって、それぞれ、前記ロボットの外部の環境に関する情報である外部環境情報を取得し、取得した前記外部環境情報に異常が含まれているかを判定する場合、もしくは、取得した前記外部環境情報を前記監視システムに送り前記監視システムで異常が含まれていると判定された場合には異常信号を出力する監視機能と、前記監視機能とは異なる予め設定された第1機能とを実行可能な複数のロボットが含まれ、
前記第2ロボット群には、前記第1ロボット群に含まれるロボットとは異なる移動可能な複数のロボットであって、それぞれ、前記監視機能と、前記監視機能とは異なる予め設定された第2機能とを実行可能な複数のロボットが含まれ、
前記監視システムは、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群とのそれぞれに含まれる全ロボットのうちから、予め設定された条件に応じて、前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する選択部を備える
監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視システムであって、
前記第1機能と前記第2機能とは異なる機能であり、
前記選択部は、各ロボットの位置情報と、前記各ロボットが前記第1機能を実行するロボットか前記第2機能を実行するロボットかに関する情報とを用いて、前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する
監視システム。
【請求項3】
請求項2に記載の監視システムであって、
前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラを有し、
前記選択部は、予め登録されているエリアから前記各ロボットまでの距離に関する情報と、前記各ロボットが前記エリアまで移動する際に使用するエネルギに関する情報と、を用いて、前記カメラを用いた前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する
監視システム。
【請求項4】
請求項2に記載の監視システムであって、
前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラと、音声を出力可能な音声出力部と、を有し、
前記選択部は、
予め登録されている不審者の発生率が高い要防犯エリアから所定の距離に位置するロボットを、前記カメラを用いた前記監視機能を優先的に実行させるロボットとして選択し、
不審者の画像認識および音声による注意喚起を行わせる
監視システム。
【請求項5】
請求項2に記載の監視システムであって、
前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラと、降雨量を測定する雨量センサと、音声を出力可能な音声出力部と、を有し、
前記選択部は、
前記雨量センサの測定値が予め設定された条件を満たした場合に、前記カメラを用い
て予め登録されている防災エリアを定点観測させ、
定点観測による観測値が危険閾値を超えた場合に、前記音声出力部により音声による注意喚起を行わせる
監視システム。
【請求項6】
請求項2に記載の監視システムであって、
前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、温度および湿度を検出する温湿度センサと、サイネージ機能を実行可能な画像表示部と、を有し、
前記選択部は、前記温湿度センサの検出値が予め設定された条件を満たした場合に、前記画像表示部に前記検出値に起因する危険告知の画像を表示させる
監視システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記監視機能を実行したロボットの数および実行した時間の少なくとも一方に応じて、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれの事業主体に提供されるインセンティブの大きさを決定する報酬設定部を備える
監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の行動モードを有するロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたロボットは、荷物を届ける基本行動モードと、特定の場所を監視する監視支援行動モードとを実行できる。特許文献1に記載のシステムでは、複数の当該ロボットが管理されており、所定の条件を満たすと、監視支援行動モードが実行され、監視すべき監視領域にロボットが出動する。監視領域に出動するロボットとして、監視領域に近いロボットや基本行動モードを実行していないロボットが選択される。特許文献1に記載された監視支援行動モードには、災害発生の監視に限られず、高齢者や子供をも見守る監視も含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
監視したい対象が増加すれば、監視支援行動モードを実行するロボットの必要な数も増加する可能性があり、管理するロボット数の増加を抑制しつつ、基本行動モードによる省人化と、安心、および安全の観点から効率的に各ロボットが備える複数のモード(機能)を効率的に実行するためには、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、管理するロボット数の増加を抑制しつつ、基本行動モードによる省人化と、安心、および安全の観点から効率的に各ロボットが備える複数のモード(機能)を効率的に実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、第1事業主体により監督される第1ロボット群と、前記第1事業主体とは異なる第2事業主体により監督される第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットを監視する監視システムが提供される。この監視システムは、前記第1ロボット群には、移動可能な複数のロボットであって、それぞれ、前記ロボットの外部の環境に関する情報である外部環境情報を取得し、取得した前記外部環境情報に異常が含まれているかを判定する場合、もしくは、取得した前記外部環境情報を前記監視システムに送り前記監視システムで異常が含まれていると判定された場合には異常信号を出力する監視機能と、前記監視機能とは異なる予め設定された第1機能とを実行可能な複数のロボットが含まれ、前記第2ロボット群には、前記第1ロボット群に含まれるロボットとは異なる移動可能な複数のロボットであって、それぞれ、前記監視機能と、前記監視機能とは異なる予め設定された第2機能とを実行可能な複数のロボットが含まれ、前記監視システムは、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群とのそれぞれに含まれる全ロボットのうちから、予め設定された条件に応じて、前記条件に対応付けられたエリアの外部の環境に対して前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する選択部を備える。
【0008】
この構成によれば、異なる事業主体により別々のシステムで制御され、かつ監視機能を含む複数の機能を備える第1ロボット群と第2ロボット群とに含まれるロボットに対し、予め設定された条件が満たされた場合に、監視を実行させる。したがって、第1ロボット群を監督する事業主体と、第2ロボット群を監督する事業主体とが異なっていても、いずれかのロボットにより監視が行われるため、監視機能を実行させるためだけのロボットを用意することなく、監視機能を含む複数の機能を備える複数のロボット各々の複数の機能を効率的に実行できる。
【0009】
(2)上記形態の監視システムおいて、前記第1機能と前記第2機能とは異なる機能であり、前記選択部は、各ロボットの位置情報と、前記各ロボットが前記第1機能を実行するロボットか前記第2機能を実行するロボットかに関する情報とを用いて、前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択してもよい。
この構成によれば、全ロボットの位置情報を用いて監視機能を実行するロボットを選択する。そのため、監視する監視エリアに近いロボットが優先的に選択されることで、監視機能を迅速に実行できる。また、本構成では、第1機能と第2機能とが異なる。監視機能を実行するロボットの選択に、各ロボットが実行する機能が第1機能または第2機能のいずれであるかが考慮される。すなわち、第1機能の重要性と第2機能の重要性とが考慮されて、監視機能を優先的に実行するロボットが選択されることが可能になる。そのため、重要性の高い機能を実行しているロボットが監視エリアに最も近い場合であっても、重要性の低い機能を実行していると共に監視エリアから遠い場所に位置するロボットに監視機能を実行させる場合がある。このような運用が行われることにより、各ロボットが実行する第1機能または第2機能を尊重でき、第1ロボット群と第2ロボット群とを合わせたシステム全体の最適化を実現できる。
【0010】
(3)上記形態の監視システムおいて、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラを有し、前記選択部は、予め登録されているエリアから前記各ロボットまでの距離に関する情報と、前記各ロボットが前記エリアまで移動する際に使用するエネルギに関する情報と、を用いて、前記カメラを用いた前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択してもよい。
この構成によれば、予め登録されたエリア(例えば、車両の交通量が多いエリア等)が、ロボットが有するカメラにより撮影される。撮影された外部環境から危険性のある状態が検出されることにより、予め登録されたエリアでの交通事故などの事故や災害の発生を抑制できる。また、本構成では、予め登録されてたエリアに移動するロボットが、予め登録されたエリアまでの距離の情報と、予め登録されてたエリアまで移動するためのエネルギの情報と用いて選択される。これにより、予め登録されてたエリアで監視機能を実行するロボットの移動時間と移動コストとを抑制でき、監視機能を実行するシステム全体を効率化できる。
【0011】
(4)上記形態の監視システムおいて、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラと、音声を出力可能な音声出力部と、を有し、前記選択部は、予め登録されている不審者の発生率が高い要防犯エリアから所定の距離に位置するロボットを、前記カメラを用いた前記監視機能を優先的に実行させるロボットとして選択し、不審者の画像認識および音声による注意喚起を行わせてもよい。
この構成によれば、不審者の発生率が多い要防犯エリアが、ロボットが有するカメラにより撮影される。要防犯エリアに近い場所に位置するロボットが、要防犯エリアに対して監視機能を実行する。撮影された外部環境から不審者が検出され、音声出力部による音声によって警告されることで、要防犯エリアでの犯罪の発生を抑制できる。
【0012】
(5)上記形態の監視システムおいて、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれ
ぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラと、降雨量を測定する雨量センサと、音声を出力可能な音声出力部と、を有し、前記選択部は、前記雨量センサの測定値が予め設定された条件を満たした場合に、前記カメラを用いて予め登録されている防災エリアを定点観測させ、定点観測による観測値が危険閾値を超えた場合に、前記音声出力部により音声による注意喚起を行わせてもよい。
この構成によれば、天候が荒れた場合などに雨量センサの測定値から、降雨量に関する条件を満たしたか否かが判定される。条件を満たした場合には、防災エリアが、ロボットが有するカメラにより定点観測される。さらに、定点観測の観測値が危険閾値を超えた場合に、音声出力部により注意喚起の警報が発せられることで、防災エリアの近くにいる人に災害の発生を伝えることができる。これにより、防災エリアでの災害の発生による被害を抑制できる。
【0013】
(6)上記形態の監視システムおいて、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、温度および湿度を検出する温湿度センサと、サイネージ機能を実行可能な画像表示部と、を有し、前記選択部は、前記温湿度センサの検出値が予め設定された条件を満たした場合に、前記画像表示部に前記検出値に起因する危険告知の画像を表示させてもよい。
この構成によれば、天候が荒れた場合などに温湿度センサの検出値から、温度および湿度に関する条件を満たしたか否かが判定される。条件を満たした場合には、ロボットが有する画像表示部に危険告知(例えば熱中症注意)の画像が表示されるため、画像表示部を見る人に対して将来的に予測される具体的な危険を認識させることができる。
【0014】
(7)上記形態の監視システムおいて、前記監視機能を実行したロボットの数および実行した時間の少なくとも一方に応じて、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれの事業主体に提供されるインセンティブの大きさを決定する報酬設定部を備えていてもよい。
この構成によれば、第1機能または第2機能を停止して監視機能を実行したロボットの数および実行した時間の対価としてのインセンティブが、第1ロボット群と第2ロボット群とのそれぞれの事業主体に提供される。インセンティブが事業主体にて提供されることにより、第1機能または第2機能を停止して監視機能を実行するロボットが多くなるため、システム全体として監視機能を効率的に行うことができる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、監視システムのほか、情報処理システム、制御システム、ロボットの制御、これら装置及びシステムの制御方法、これら装置及びシステムにおいて実行されるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態としての監視システムの概略ブロック図である。
【
図2】第1制御システムが備える第1制御装置の概略ブロック図である。
【
図3】第1ロボット群に含まれる一のロボットの概略ブロック図である。
【
図4】第2制御システムが備える第2制御装置の概略ブロック図である。
【
図5】第2ロボット群に含まれる一のロボットの概略ブロック図である。
【
図7】監視機能を実行するロボット選択の説明図である。
【
図8】監視機能を実行するロボット選択の説明図である。
【
図9】監視機能を実行するロボット選択の説明図である。
【
図10】監視機能を実行するロボット選択の説明図である。
【
図11】第2実施形態の第1ロボット群に含まれるロボットの概略ブロック図である。
【
図12】第2実施形態の中央制御装置の概略ブロック図である。
【
図13】第3実施形態の第1ロボット群に含まれるロボットの概略ブロック図である。
【
図14】第3実施形態の中央制御装置の概略ブロック図である。
【
図15】第4実施形態の第1ロボット群に含まれるロボットの概略ブロック図である。
【
図16】第4実施形態の中央制御装置の概略ブロック図である。
【
図17】第5実施形態の中央制御装置の概略ブロック図である。
【
図18】第6実施形態の監視システムの説明図である。
【
図19】第6実施形態の監視システムの説明図である。
【
図20】第6実施形態の監視システムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての監視システム500の概略ブロック図である。本実施形態の監視システム500は、
図1に示されるように、第1制御システム100と、第2制御システム200と、中央制御装置300と、を備えている。第1制御システム100は、移動可能な複数のロボットR11,R12,・・・を含む第1ロボット群G10と、第1ロボット群G10を制御する第1制御装置150と、を有する。第2制御システム200は、移動可能な複数のロボットR21,R22,・・・を含む第2ロボット群G20と、第2ロボット群G20を制御する第2制御装置250と、を有する。
【0018】
第1ロボット群G10に含まれるロボットR11,R12,・・・は、所定の監視エリアを監視する監視機能と、監視機能とは異なる配送機能とを実行可能である。また、第2ロボット群G20に含まれるロボットR21,R22,・・・は、所定の監視エリアを監視する監視機能と、監視機能とは異なる清掃機能とを実行可能である。第1制御システム100と、第2制御システム200との間では、情報が直接的に送受信されない。また、中央制御装置300は、第1制御システム100と、第2制御システム200とのそれぞれの間で情報を送受信する。
【0019】
本実施形態の中央制御装置300は、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とのそれぞれに含まれる全ロボットのうちから、災害発生等の予め設定された条件に応じて、条件に対応付けられている災害が発生した場所である監視エリアを監視する監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する。予め設定された条件としては、災害発生等に加えて、災害発生予測等の予測事象も含む。本明細書における災害とは、交通事故(予測)、治安が悪く誘拐等を含んでいる。中央制御装置300は、監視エリアに移動させるロボットを、ロボットの位置情報と、各ロボットが配送機能を実行するロボットか清掃機能を実行するロボットかに関する情報とを用いて優先的に選択する。そのため、本実施形態では、例えば、実行している機能の優先度が低いロボットや災害が発生した場所に近いロボットを、他のロボットよりも優先して監視すべき災害の発生場所へと送ることができる。この結果、監視機能を含む複数の機能を備える複数のロボット各々の複数の機能を効率的に実行できる。
【0020】
図2は、第1制御システム100が備える第1制御装置150の概略ブロック図である。本実施形態の第1制御システム100は、第1ロボット群G10を用いて、所定の場所に物品を配送する配送システムである。第1制御装置150が、第1ロボット群G10に含まれる各ロボットを制御することにより、各ロボットは所定の場所に移動して物品を配送する配送機能(第1機能)を実行する。
【0021】
本実施形態の第1制御装置150は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)
で構成されている。
図2に示されるように、第1制御装置150は、CPU(Central Processing Unit)150Cと、各種情報を記憶する記憶部160と、各種出力を行う出力
部172と、通信部173と、を備えている。
【0022】
本実施形態の出力部172は、画像を表示するモニタと、音声を出力するスピーカとを有している。通信部173は、第1ロボット群G10に含まれる各ロボットおよび中央制御装置300と情報を送受信する。
【0023】
記憶部160は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などで構成さ
れている。記憶部160は、配送情報データベース(配送情報DB)161と、位置情報データベース(位置情報DB)162と、センサ情報データベース(センサ情報DB)163とを備えている。
【0024】
配送情報DB161には、配送する物品と、物品の配送先と、各物品を配送しているロボットとが対応付けられた情報が記憶されている。位置情報DB162には、各ロボットから送信されたロボットの位置情報が記憶されている。センサ情報DB163には、ロボットと、各ロボットのセンサにより取得された環境情報とが対応付けられた情報が記憶されている。なお、各ロボットのセンサにより取得された環境情報については、後述する。
【0025】
CPU150Cは、図示されていないROM(Read Only Memory)から各種プログラムを読み込んでRAM(Random Access Memory)に展開することで、各種プログラムを実行する。CPU150Cは、
図2に示されるように、情報制御部151と、位置収集部152と、実行機能指示部153として機能する。
【0026】
情報制御部151は、記憶部160のセンサ情報DB163に記憶された後述のセンサ情報を、通信部173を介して、要求に応じて中央制御装置300(
図1)に送信する。位置収集部152は、第1ロボット群G10に含まれる全てのロボットの位置情報を取得して、位置情報DB162に記憶する。位置収集部152は、取得した全ロボットの位置情報を、通信部173を介して、要求に応じて中央制御装置300に送信する。なお、全てのロボットの位置情報が取得されなくてもよく、一部のロボットの位置情報が取得されてもよい。また、現時点でのロボットの位置情報が取得できない場合には、過去のロボットの位置情報から現時点の位置情報が推定されてもよい。実行機能指示部153は、第1ロボット群G10に含まれる各ロボットに対して実行する機能を指示する。具体的には、実行機能指示部153は、配送情報DB161に含まれる情報と、位置情報DB162に含まれる各ロボットの位置情報とを用いて、物品の配送を行う配送機能(第1機能)、または、中央制御装置300からの指示による後述の監視機能を実行させる。なお、各ロボットは、監視機能を実行させながら、配送機能も実行できる場合には、両機能を同時に実行してもよい。
【0027】
図3は、第1ロボット群G10に含まれる一のロボットR11の概略ブロック図である。ロボットR11は、第1制御装置150から送信される情報に基づいて、配送機能または監視機能を実行する。なお、第1ロボット群G10に含まれる各ロボットは、同じロボットである。そのため、ロボットR11について説明し、第1ロボット群G10に含まれる他のロボットについての説明を省略する。なお、第1ロボット群G10に含まれるロボットは、同じロボットでなくてもよく、配送機能および監視機能を実行できる範囲で、例えば種別の異なるロボットであってもよい。
【0028】
ロボットR11は、
図3に示されるように、CPU11と、各種情報を記憶する記憶部12と、ロボットR11の外部の環境情報を取得する第1センサ13と、発光可能なLE
D(Light-Emitting Diode)を有するライト14と、音声を出力するスピーカ15と、配送する物品を収納する収納部16と、通信部17と、ロボットR11を駆動するためのバッテリ18と、を備えている。
【0029】
本実施形態の第1センサ13は、周囲を撮影するカメラと、距離を測定可能なLidar(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)とを有している。ライト14の発光およびスピーカ15が出力する音声は、ロボットR11の周囲に存在する人などに対しての注意喚起を促すことができる。すなわち、第1センサ13と、ライト14と、スピーカ15とは、ロボットR11の外部の環境を監視する監視機能の少なくとも一部を実行できる。通信部17は、第1制御装置150と情報を送受信する。
【0030】
記憶部12は、配送情報データベース(配送情報DB)121と、経路情報データベース(経路情報DB)122と、移動情報データベース(移動情報DB)123と、センサ情報データベース(センサ情報DB)124と、仕様情報データベース(仕様情報DB)125とを備えている。
【0031】
配送情報DB121には、ロボットR11が配送する物品と、物品の配送先とが対応付けられた情報が記憶されている。経路情報DB122には、ロボットR11に関するの配送エリアに係る地図と、当該地図上で配送により走行する経路の情報とを含む経路情報が記憶されている。移動情報DB123には、ロボットR11の配送時における時系列に沿った移動軌跡についての情報が記憶されている。センサ情報DB124には、ロボットR11の配送時に第1センサ13により取得された環境情報が記憶されている。仕様情報DB125には、ロボットR11の仕様情報が記憶されている。仕様情報は、ロボットの種類(車両型、ドローン型など)と、ロボットが単位距離を移動するのに必要なコスト(電力)と、ロボットが単位距離を移動するに要する時間と、ロボットが有するセンサの種類とが対応付けられた情報である。
【0032】
CPU11は、図示されていないROMから各種プログラムを読み込んでRAMに展開することで、各種プログラムを実行する。CPU11は、
図3に示されるように、駆動制御部111と、位置収集部112と、第1機能部113と、充電監視部114として機能する。駆動制御部111は、記憶部12の配送情報DB121に記憶された各物品の配送先と、経路情報DB122に記憶された配送エリアの経路情報とを用いて、ロボットR11の駆動系を制御する。また、駆動制御部111は、中央制御装置300から監視機能の実行が指示された場合には、指示内容に沿ってロボットR11の駆動系を制御する。
【0033】
位置収集部112は、GPS(Global Positioning System)機能等を用いて、ロボッ
トR11の現在位置を収集する。位置収集部112は、継続して収集したロボットR11の現在位置から、ロボットR11の移動軌跡を作成して移動情報DB123に格納する。また、位置収集部112は、通信部17を介して、移動情報DB123に記憶された移動軌跡を第1制御装置150に送信する。充電監視部114は、バッテリ18の残量が閾値以下に変化したかを監視する。
【0034】
第1機能部113は、収納部16に収納された物品を配送する配送機能と、ロボットR11の外部の環境を監視する監視機能とをロボットR11に実行させる。第1機能部113は、所定の条件を満たし、第1制御装置150を介して中央制御装置300から指示が送信された場合に、ロボットR11に監視機能を実行させる。中央制御装置300から指示が送信されていない状態では、第1機能部113は、主として、配送機能をロボットR11に実行させる。ロボットR11が配送する物品が搭載されていない場合には、ロボットR11は、所定の経路を走行してもよい。なお、所定の条件および中央制御装置300からの指示の詳細については後述する。
【0035】
バッテリ18の残量が閾値以下に変化したことを充電監視部114が検出すると、駆動制御部111は、ロボットR11のバッテリ18を充電できる充電場所へと移動させる。
【0036】
図4は、第2制御システム200が備える第2制御装置250の概略ブロック図である。本実施形態の第2制御システム200は、第2ロボット群G20を用いて、歩道を清掃する清掃システムである。第2制御装置250が、第2ロボット群G20に含まれる各ロボットを制御することにより、各ロボットは予め設定された所定の歩道を移動しながら清掃する。
【0037】
第2制御装置250は、第1制御装置150と同じように、パーソナルコンピュータで構成されている。
図4に示されるように、第2制御装置250は、CPU250Cと、各種情報を記憶する記憶部260と、各種出力を行う出力部272と、通信部273と、を備えている。
【0038】
出力部272は、画像を表示するモニタと、音声を出力するスピーカとを有している。通信部273は、第2ロボット群G20に含まれる各ロボットおよび中央制御装置300と情報を送受信する。
【0039】
記憶部260は、ハードディスクドライブなどで構成されている。記憶部260は、清掃情報データベース(清掃情報DB)261と、位置情報データベース(位置情報DB)262と、センサ情報データベース(センサ情報DB)263とを備えている。
【0040】
清掃情報DB261には、第2ロボット群G20に含まれる各ロボットが清掃する歩道の場所の地図と、当該地図上での各ロボットの走行経路とを含む経路情報が記憶されている。位置情報DB262には、各ロボットから送信されたロボットの位置情報が記憶されている。センサ情報DB263には、ロボットと、各ロボットのセンサにより取得された環境情報とが対応付けられた情報が記憶されている。
【0041】
CPU250Cは、図示されていないROMから各種プログラムを読み込んでRAMに展開することで、各種プログラムを実行する。CPU250Cは、
図4に示されるように、情報制御部251と、位置収集部252と、実行機能指示部253として機能する。
【0042】
情報制御部251は、記憶部260のセンサ情報DB263に記憶されたセンサ情報を、通信部273を介して、要求に応じて中央制御装置300に送信する。位置収集部252は、位置情報DB262に記憶された第2ロボット群G20に含まれる全てのロボットの位置情報を取得する。位置収集部252は、取得した全ロボットの位置情報を、通信部273を介して、要求に応じて中央制御装置300に送信する。実行機能指示部253は、第2ロボット群G20に含まれる各ロボットに対して実行する機能を指示する。具体的には、実行機能指示部253は、清掃情報DB261に含まれる情報と、位置情報DB262に含まれる各ロボットの位置情報とを用いて、歩道の清掃を行う清掃機能(第2機能)または監視機能を実行させる。なお、各ロボットは、監視機能を実行させながら、清掃機能も実行できる場合には、両機能を同時に実行してもよい。
【0043】
図5は、第2ロボット群G20に含まれる一のロボットR21の概略ブロック図である。ロボットR21は、第2制御装置250から送信される情報に基づいて、清掃機能または監視機能を実行する。なお、第2ロボット群G20に含まれる各ロボットは、同じロボットである。そのため、ロボットR21について説明し、第2ロボット群G20に含まれる他のロボットについての説明を省略する。なお、第2ロボット群G20に含まれるロボットは、同じロボットでなくてもよく、清掃機能および監視機能を実行できる範囲で、例
えば種別の異なるロボットであってもよい。
【0044】
ロボットR21は、
図5に示されるように、CPU21と、記憶部22と、ロボットR21の外部の環境情報を取得する第2センサ23と、ライト24と、スピーカ25と、歩道を清掃するための清掃器具26と、通信部27と、ロボットR21を駆動するためのバッテリ28と、を備えている。
【0045】
本実施形態の第2センサ23は、カメラと、Lidarとを有している。ライト24の発光およびスピーカ25が出力する音声は、ロボットR21の周囲に存在する人などに対しての注意喚起を促すことができる。すなわち、第2センサ23と、ライト24と、スピーカ25とは、ロボットR21の外部の環境を監視する監視機能の少なくとも一部を実行できる。
【0046】
清掃器具は、歩道を磨くためのブラシと、一定期間が経過するごとにブラシに供給される洗剤と、ゴミを回収するゴミ回収部と、を有している。ゴミ回収部が、ロボットR21の移動軌跡上に存在するゴミを回収する。洗剤が供給されるブラシがロボットR21の移動と共に歩道を磨くことにより、歩道が清掃される。通信部27は、第1制御装置250と情報を送受信する。
【0047】
記憶部22は、清掃情報データベース(清掃情報DB)221と、経路情報データベース(経路情報DB)222と、移動情報データベース(移動情報DB)223と、センサ情報データベース(センサ情報DB)224と、仕様情報データベース(仕様情報DB)225とを備えている。清掃情報DB221には、ロボットR21が清掃する歩道の場所についての情報が記憶されている。経路情報DB222には、ロボットR21が清掃する経路情報が記憶されている。移動情報DB223には、ロボットR21の清掃時における時系列に沿った移動軌跡についての情報が記憶されている。センサ情報DB224には、ロボットR21の清掃時に第2センサ23により取得された環境情報が記憶されている。仕様情報DB225には、ロボットR21の仕様情報が記憶されている。仕様情報は、ロボットの種類(車両型、ドローン型など)と、ロボットが単位距離を移動するのに必要なコスト(電力)と、ロボットが単位距離を移動するに要する時間と、ロボットが有するセンサの種類とが対応付けられた情報である。
【0048】
CPU21は、図示されていないROMから各種プログラムを読み込んでRAMに展開することで、各種プログラムを実行する。CPU21は、
図5に示されるように、駆動制御部211と、位置収集部212と、第2機能部213と、充電監視部214として機能する。駆動制御部211は、記憶部22の清掃情報DB221に記憶された清掃場所と、経路情報DB222に記憶された清掃時の経路情報とを用いて、ロボットR21の駆動系を制御する。また、駆動制御部211は、中央制御装置300から監視機能の実行が指示された場合には、指示内容に沿ってロボットR21の駆動系を制御する。
【0049】
位置収集部212は、GPS機能等を用いて、ロボットR21の現在位置を収集する。位置収集部212は、継続して収集したロボットR21の現在位置から、ロボットR21の移動軌跡を作成して移動情報DB223に格納する。また、位置収集部212は、通信部27を介して、移動情報DB223に記憶された移動軌跡を第2制御装置250に送信する。充電監視部214は、バッテリ28の残量が閾値以下に変化したかを監視する。
【0050】
第2機能部213は、清掃器具26を用いて歩道を清掃する清掃機能と、ロボットR21の外部の環境を監視する監視機能とをロボットR21に実行させる。第2機能部213は、所定の条件を満たし、第2制御装置250を介して中央制御装置300から指示が送信された場合に、ロボットR21に監視機能を実行させる。中央制御装置300から指示
が送信されていない状態では、第2機能部213は、主として、配送機能をロボットR21に実行させる。
【0051】
バッテリ88の残量が閾値以下に変化したことを充電監視部214が検出すると、駆動制御部211は、ロボットR21のバッテリ28を充電できる充電場所へと移動させる。
【0052】
図6は、中央制御装置300の概略ブロック図である。本実施形態の中央制御装置300は、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とのそれぞれに含まれる全ロボットのうちから、撮影された外部環境に異常が含まれていると判定された場合には、予め設定された条件に応じて、監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する。
【0053】
中央制御装置300は、第1制御装置150および第2制御装置250と同じように、パーソナルコンピュータで構成されている。
図6に示されるように、中央制御装置300は、CPU310と、各種情報を記憶する記憶部320と、各種出力を行う出力部332と、通信部333と、を備えている。
【0054】
出力部332は、画像を表示するモニタと、音声を出力するスピーカとを有している。通信部333は、第1制御装置150と第2制御装置250とのそれぞれと情報を送受信する。
【0055】
記憶部320は、ハードディスクドライブなどで構成されている。記憶部320は、監視エリア情報データベース(監視エリア情報DB)321と、条件情報データベース(条件DB)322と、位置情報データベース(位置情報DB)323と、ロボット情報データベース(ロボット情報DB)324とを備えている。
【0056】
監視エリア情報DB321には、所定の条件が満たされた場合に、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とに含まれるロボットに監視機能を実行させて、監視する監視エリアについての情報が記憶されている。本実施形態の監視エリアとして、過去のデータから子供の飛び出しが多かったエリアおよび交通量が多いエリアが記憶されている。
【0057】
条件DB322には、ロボットに監視機能を実行させる条件と、監視機能としてロボットに実行される具体的な指示と、指示を実行するロボットの選択方法とが対応付けて記憶されている。本実施形態において、ロボットに監視機能を実行させる条件として、小学生の通学時間に関する条件と、交通量が多い時間帯に関する条件とが記憶されている。監視機能としてロボットに実行される具体的な指示としては、カメラによる監視エリアの撮影指示が記憶されている。その他の条件として、例えば、撮影された外部環境に歩道からはみ出している子供が検出された状態、かつ、自動車が子供に衝突する可能性がある状態などの交通事故の危険性のある状態が記憶されている。自動車が子供に衝突するか否かの推定は、時間軸に沿って撮影された外部環境から、自動車の速度を算出して行われる。また、カメラなどのセンサにより検出される条件として、撮影された外部環境に一部の駐車車両や看板が写っている場合に、写っていない部分の駐車車両や看板を推定して、カメラの撮影範囲以外の死角の発生が挙げられる。指示を実行するロボットの選択方法としては、ロボットの現在位置等によって算出される評価値に基づいて選択される方法が記憶されている。なお、ロボットの選択方法については、後述の解析部313の説明と共に説明する。
【0058】
位置情報DB323は、第1制御装置150と第2制御装置250とから送信される全ロボットの現在の位置情報が記憶されている。ロボット情報DB324には、第1制御装置150と第2制御装置250とから送信される全ロボットの仕様についての情報が記憶されている。
【0059】
CPU310は、図示されていないROMから各種プログラムを読み込んでRAMに展開することで、各種プログラムを実行する。CPU310は、
図6に示されるように、情報取得部311と、条件判断部312と、解析部313と、監視機能指示部314として機能する。
【0060】
情報取得部311は、第1制御装置150から送信された第1ロボット群G10に含まれるロボットの各種情報と、第2制御装置250から送信された第2ロボット群G20に含まれるロボットの各種情報とを取得する。情報取得部311は、取得した情報を位置情報DB323と、ロボット情報DB324とに格納する。
【0061】
条件判断部312は、条件DB322に記憶されている条件を満たしたか否かを監視する。条件判断部312は、小学校に小学生が登校する日時になると、条件を満たしたと判断する。また、条件判断部312は、条件DB322に記憶されている交通量が多い時間になると、条件を満たしたと判断する。
【0062】
解析部313は、条件判断部312により条件が満たされたと判断された場合に、監視エリアに移動させて監視機能を優先的に実行させるロボットを決定する。解析部313は、位置情報DB323に記憶された全ロボットの現在位置と、ロボット情報DB324に記憶されたロボットの仕様と、配送情報および清掃情報とを用いて、監視エリアに移動させるロボットを決定する。具体的には、解析部313は、監視エリアで監視機能を実行するために必要なセンサを有しているロボットのうち、監視エリアの少なくとも一部をロボットが物品を配送する領域または清掃する領域を通るロボットを選択する。さらに、解析部313は、これらのロボットのうち、ロボットが特定エリアまで移動するのに要する時間と、移動するために必要な到達エネルギと、ロボットが現時点で実行している機能の優先度とから評価値を算出する。本実施形態における到達エネルギとは、監視エリアまで移動するために要するエネルギの価格(例えば電力価格)である。解析部313は、算出した評価値の大小に応じて、監視エリアに優先的に移動させるロボットを決定する。なお、ロボットの選択方法として、初めに、解析部313は、必要な到達エネルギから監視エリアまで移動可能なロボットを特定する。その後、解析部313は、特定されたロボットのうち、監視エリアまで移動するのに要する時間が最小のロボットを、監視機能を実行するロボットとして決定する。
【0063】
監視機能指示部314は、解析部313により決定されたロボットが含まれる第1制御システム100または第2制御システム200に、監視機能を実行させるロボットを特定した情報を送信する。第1ロボット群G10および第2ロボット群G20に含まれるロボットのうち、監視機能指示部314から指示されたロボットは、現時点で実行している機能よりも優先して監視機能を実行する。なお、解析部313および監視機能指示部314は、選択部に相当する。
【0064】
図7から
図10までの各図は、監視機能を実行するロボット選択の説明図である。
図7から
図10までの各図には、複数の道路で構成された道路地
図MPと、道路地
図MP上のいずれかの道路を走行するロボットR11~R14,R21~R24が示されている。ロボットR11~R14は、第1ロボット群G10に含まれる配送機能および監視機能を実行可能なロボットである。ロボットR21~R24は、第2ロボット群G20に含まれる清掃機能および監視機能を実行可能なロボットである。
【0065】
図7には、道路地
図MPに含まれる道路を走行している全ロボットR11~R14,R21~R24と、4つの監視エリアAR1~AR4とが示されている。中央制御装置300は、ロボットR11~R14,R21~R24のうちから、監視エリアAR1~AR4
のそれぞれに1台のロボットを移動させて、当該監視エリアを監視させる。
【0066】
図8には、第1ロボット群G10に含まれるロボットR11~R14が配送機能を実行する際に、各ロボットのそれぞれの配送領域A11~A14が破線で囲まれた領域として示されている。
図9には、
図8と同じように、第2ロボット群G20に含まれるロボットR21~R24が清掃機能を実行する際に、各ロボットのそれぞれの清掃領域A21~A24が一点鎖線で囲まれた領域として示されている。
【0067】
図10には、監視エリアAR1~AR4のそれぞれで監視機能を実行するロボットR11,R14,R21,R23と、ロボットR11,R14の配送領域A11,A14と、ロボットR21,R23の清掃領域A21,A23と、が示されている。中央制御装置300(
図6)は、解析の結果、監視エリアAR1をロボットR11に監視させ、監視エリアAR2をロボットR14に監視させ、監視エリアAR3をロボットR21に監視させ、監視エリアAR4をロボットR23に監視させる。監視エリアAR1~AR4を監視しているロボットR11,R14,R21,R23は、状況に応じて、ライト14,24の発光により周辺に対して(例えば、自動車の運転手に対して)注意喚起を行ったり、通信部17,27を介して周辺に対して(例えば、運転手に対して)何らかの情報を伝える。
【0068】
以上のように、本実施形態の監視システム500の中央制御装置300では、解析部313が、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とのそれぞれに含まれる全ロボットのうちから、予め設定された条件DB322に記憶された条件の少なくとも一つに応じて、監視機能を優先的に実行するロボットを決定する。監視機能指示部314が、解析部313により決定された監視機能を実行させるロボットを特定した情報を、第1制御システム100および第2制御システム200に送信する。本実施形態の監視システム500によれば、予め設定された条件が満たされた場合に、配送機能または清掃機能を実行可能なロボットに監視機能を実行させる。そのため、監視機能のみを実行させるロボットを予め待機させておく必要がなく、監視システム500が保有する総ロボット数を抑制できる。さらに、監視システム500は、別々の第1制御システム100と第2制御システム200とで制御されている第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とに含まれるロボットに、同一の監視機能を実行させる。これにより、例えば、第1ロボット群G10を監督する事業主体と、第2ロボット群G20を監督する事業主体とが異なっていても、監視システム500が同一の監視機能をいずれかのロボットに実行させる。そのため、監視システム500は、監視機能を実行させるためだけの不要なロボットを用意しておく必要がなく、複数のロボットが実行する機能を効率的に指示できる。
【0069】
また、本実施形態の監視システム500では、解析部313は、全ロボットの現在位置と、ロボットの仕様と、ロボットの機能についての情報である配送情報および清掃情報とを用いて、監視エリアに移動させるロボットを決定する。本実施形態の監視システム500によれば、全ロボットの位置情報を用いて監視機能を実行するロボットを選択する。そのため、監視する監視エリアに近いロボットが優先的に選択されることで、監視機能を迅速に実行できる。また、本実施形態では、監視機能を実行するロボットの選択に、各ロボットが実行する配送機能または清掃機能が考慮される。すなわち、監視システム500では、各ロボットが実行する機能の重要性が考慮された上で、監視機能を実行する優先的に実行させるロボットを選択されることが可能になる。そのため、重要性の高い配達機能を実行しているロボットが監視エリアに最も近い場合であっても、重要性の低い清掃機能を実行していると共に監視エリアから遠い場所に位置するロボットに監視機能を実行させる場合がある。このような運用が行われることにより、各ロボットが実行する配送機能または清掃機能を尊重でき、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とを合わせた監視システム500全体の最適化を実現できる。
【0070】
また、本実施形態の監視システム500では、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とのそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラを有している。条件判断部312は、条件DB322に記憶されている小学生の通学時間に関する条件と、交通量が多い時間帯に関する条件との少なくとも一方を満たしたか否か判断する。解析部313は、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とに含まれるロボットのうち、ロボットが特定エリアまで移動するのに要する時間と、移動するために必要な到達エネルギと、ロボットが現時点で実行している機能の優先度とから評価値を算出する。解析部313は、算出した評価値の大小に応じて、監視エリアに優先的に移動させるロボットを決定する。本実施形態の監視システム500によれば、交通量の多い混雑エリアが、ロボットが有するカメラにより撮影される。撮影された外部環境から交通事故の危険性のある状態が検出されることにより、混雑エリアでの交通事故の発生を抑制できる。また、本実施形態では、混雑エリアに移動するロボットが、混雑エリアまでの距離と、混雑エリアまで移動するためのエネルギとによって選択される。これにより、混雑エリアで監視機能を実行するロボットの移動時間と移動コストとを抑制でき、監視機能を実行するシステム全体を効率化できる。
【0071】
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態の第1ロボット群G10に含まれるロボットR11aの概略ブロック図である。第2実施形態のロボットR11aは、車体の外周面に画像を表示可能な大型の画像表示部19を備える広告宣伝車である。第2実施形態では、第1ロボット群G10に含まれるロボットが実行する機能が、監視機能と広告画像を表示するサイネージ機能とである点、および、監視エリアと監視機能を実行する条件が第1実施形態と異なる。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる点について説明し、同じ点についての説明は省略する。
【0072】
図11に示されるように、ロボットR11aは、CPU11aと、記憶部12aと、第1センサ13と、ライト14と、スピーカ15と、画像表示部19と、通信部17と、バッテリ18と、を備えている。記憶部12aは、経路情報DB122aと、移動情報DB123と、センサ情報DB124と、仕様情報DB125と、広告画像データベース(広告画像DB)126と、を備えている。
図11に示されるように、第2実施形態の記憶部12aは、第1実施形態の配送情報DB121の代わりに、広告画像DB126を有している。広告画像DB126には、ロボットR11aが道路を走行している際に、画像表示部19に表示させる広告宣伝用の画像が記憶されている。経路情報DB122aには、サイネージ機能を実行するためにロボットR11aが走行する経路情報が記憶されている。
【0073】
CPU11aは、駆動制御部111と、位置収集部112と、第1機能部113aと、充電監視部114と、画像設定部115して機能する。画像設定部115は、広告画像DB126に記憶された画像を、経路情報DB122aに記憶された経路情報に合わせて、画像表示部19に表示させる。第1機能部113aは、サイネージ機能または監視機能をロボットR11aに実行させる。第1機能部113aは、所定の条件を満たした場合に、中央制御装置300a(
図12)から送信される指示に沿って監視機能を実行する。
【0074】
図12は、第2実施形態の中央制御装置300aの概略ブロック図である。中央制御装置300aは、CPU310aと、記憶部320aと、出力部332と、通信部333と、を備えている。記憶部320aは、監視エリア情報DB321aと、条件DB322aと、位置情報DB323と、ロボット情報DB324と、規制画像データベース(規制画像DB)325とを備えている。監視エリアDB321aには、通信部333を介して交通情報センターから送信された道路の規制情報が記憶されている。条件DB322aには、条件として道路の規制情報を新たに取得した場合が記憶されている。規制画像DB325には、監視機能を実行する際に、ロボットR11aの画像表示部19に表示させる画像
データが記憶されている。
【0075】
条件判断部312aが新たな道路の規制情報を取得したと判断すると、解析部313aは、サイネージ機能を有する第1ロボット群G10に含まれるロボットのうち、監視機能を実行するロボットを選択する。ロボットR11aが選択された場合に、監視機能指示部314aは、ロボットR11aを新たに規制された道路付近に移動させる。監視機能指示部314aは、規制画像DB325に記憶されて規制内容に合わせた画像を、ロボットR11aの画像表示部19に表示させるように指示する。ロボットR11aは、中央制御装置300aからの指示に基づき、監視機能を実行する。すなわち、道路の規制情報の発生という条件が満たされると、画像表示部19を有するロボットに、道路の規制情報に対応付けられた監視機能が実行される。これにより、監視機能実行用のロボットを予め用意しなくても、監視機能を含む複数の機能を備える複数のロボット各々の複数の機能を効率的に実行できる。
【0076】
<第3実施形態>
図13は、第3実施形態の第1ロボット群G10に含まれるロボットR11bの概略ブロック図である。第3実施形態のロボットR11bは、飛行可能なドローンである。第3実施形態では、第1ロボット群G10に含まれるロボットが実行する監視機能と、監視エリアと監視機能を実行する条件とが第1実施形態と異なる。そのため、第3実施形態では、第1実施形態と異なる点について説明し、同じ点についての説明は省略する。
【0077】
図13に示されるように、ロボットR11bは、CPU11と、記憶部12と、第1センサ13と、ライト14と、スピーカ15と、配送する物品を把持して保持する保持部16bと、通信部17と、バッテリ18と、を備えている。
【0078】
図14は、第3実施形態の中央制御装置300bの概略ブロック図である。中央制御装置300bは、CPU310bと、記憶部320bと、出力部332と、通信部333と、を備えている。記憶部320bは、要防犯エリア情報データベース(要防犯エリア情報DB)326と、条件DB322bと、位置情報DB323と、ロボット情報DB324とを備えている。要防犯エリアDB326には、過去のデータから不審者の発生率が高い要防犯エリアが記憶されている。条件DB322bには、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とのそれぞれに含まれるロボットのスケジュールに応じて、要防犯エリアを監視する条件が記憶されている。具体的には、監視機能以外の機能を実行しているロボットが、要防犯エリアから所定の距離以内に近づいた場合に、要防犯エリアで一定時間監視機能を実行する。さらに、条件DB322bには、あるロボットが要防犯エリアで監視機能を実行中に、不審者を発見した場合の条件についても記憶されている。なお、不審者か否かの判断は、パターンマッチングの画像認識により行われる。
【0079】
条件判断部312bが要防犯エリアから所定の距離以内にロボットが近づいたと判断した場合に、解析部313bは、要防犯エリアに近づいたロボットを、監視機能を実行させるロボットとして選択する。監視機能指示部314bは、選択されたロボットR11bを要防犯エリアへと移動させ、監視機能を実行させる。なお、中央制御装置300bは、監視機能実行中のロボットR11bのカメラの撮影データをリアルタイムで受信する。ロボットR11bは、撮影データの中に、条件DB322bに記憶された不審者と思われる人物が写っていた場合に、スピーカ15を用いて注意喚起の警告音やアナウンスによる注意喚起を発生させるたり、警察等に通報する。
【0080】
以上のように、第3実施形態の中央制御装置300bでは、監視機能以外の機能を実行しているロボットが、要防犯エリアから所定の距離以内に近づいた場合に、要防犯エリアで一定時間監視機能を実行する。解析部313bは、受信した撮影データの中に、条件D
B322bに記憶された不審者と思われる人物が写っていた場合に、監視機能を実行しているロボットR11bのスピーカ15を用いて注意喚起の警告音等を発生させる。そのため、第3実施形態では、不審者の発生率が多い要防犯エリアが、ロボットR11bが有するカメラを有する第1センサ13により撮影される。要防犯エリアに近い位置にいるロボットR11bが、要防犯エリアに対して監視機能を実行する。撮影された画像データのなかから不審者が検出されると、スピーカ15による音声によって警告されることで、要防犯エリアでの犯罪の発生を抑制できる。
【0081】
<第4実施形態>
図15は、第4実施形態の第1ロボット群G10に含まれるロボットR11cの概略ブロック図である。第4実施形態のロボットR11cでは、第2実施形態の広告宣伝車に対して、第1センサ13cが気象センサを有する。第4実施形態では、第2実施形態と比較して、第1センサ13cの気象センサの検出値を用いて監視機能を実行する点が異なる。そのため、第4実施形態では、第2実施形態と異なる点について説明し、同じ点についての説明は省略する。
【0082】
図15に示されるように、ロボットR11cは、CPU11cと、記憶部12cと、第1センサ13cと、ライト14と、スピーカ15と、画像表示部19と、通信部17と、バッテリ18と、を備えている。第1センサ13cが有する気象センサは、環境情報としての気温と、湿度と、風速と、風向きと、降雨量と、照度と、気圧とを検出できるセンサである。なお、第4実施形態の気象センサは、降雨量を測定できればよく、雨量センサであってもよい。
【0083】
記憶部12cは、経路情報DB122aと、移動情報DB123と、センサ情報DB124cと、仕様情報DB125と、広告画像データベース(広告画像DB)126と、を備えている。センサ情報DB124cには、カメラの撮影データおよびLidarの測距データに加えて、気象センサにより検出された気象データが記憶されている。
【0084】
CPU11cは、駆動制御部111と、位置収集部112と、第1機能部113cと、充電監視部114と、画像設定部115して機能する。第1機能部113cは、所定の条件を満たした場合に、中央制御装置300c(
図16)から送信される指示に沿って監視機能を実行する。
【0085】
図16は、第4実施形態の中央制御装置300cの概略ブロック図である。中央制御装置300cは、CPU310cと、記憶部320cと、出力部332と、通信部333と、を備えている。記憶部320cは、監視エリア情報DB321cと、条件DB322cと、位置情報DB323と、ロボット情報DB324と、警告音データベース(警告音DB)327とを備えている。
【0086】
監視エリアDB321cには、過去に台風や大雨により冠水した防災エリアが監視エリアとして記憶されている。条件DB322cには、監視エリアが過去に冠水したときの気象データを元に作成された条件として、降雨量に関する気象条件と、危険閾値とが記憶されている。気象条件は、ロボットに対して監視機能としての監視エリアのカメラによる定点観測の実行有無を判断するための気象データである。危険閾値(例えば河川の水位など)は、監視機能としての定点観測を実行中のロボットR11cのスピーカ15を用いて音声による注意喚起(警告音の出力)を行うか否かの判断のためのデータである。警告音DB327には、危険閾値を超えた場合に、監視機能実行中のロボットR11cが出力する警告音等の音声データが記憶されている。
【0087】
条件判断部312cが、1つのロボットにおける気象センサの検出値が条件DB322
cに記憶された気象条件を満たしたと判断すると、解析部313cは、カメラと、スピーカ15とを有するロボットから、位置情報等を用いて監視機能を実行するロボットを選択する。ロボットR11cが選択された場合に、監視機能指示部314cは、ロボットR11cを監視エリアに移動させ、監視機能として監視エリアの定点観測を実行させる。監視機能指示部314cは、ロボットR11cのカメラの撮影データから、条件DB322cに記憶された危険閾値を超えたと判断した場合には、監視機能を実行中のロボットR11cに、警告音DB327に記憶された警告音等を発生させる。
【0088】
以上のように、第4実施形態では、第1ロボット群G10に含まれるロボットR11cは、スピーカ15と、カメラおよび気象センサを有する第1センサ13cとを備えている。監視機能指示部314cは、気象センサの検出値が条件DB322cの気象条件を満たした場合に、ロボットR11cのカメラにより監視エリアである防災エリアをカメラにより定点観測させる。監視機能指示部314cは、定点観測による観測値が危険閾値を越えた場合に、スピーカ15による警告音等を発生させる。そのため、第4実施形態では、天候が荒れた場合などに気象センサの検出値から、予め設定された条件を満たしたか否かが判定される。条件を満たした場合には、防災エリアが定点観測される。さらに、定点観測の検出値(観測値)が危険閾値を超えた場合に、スピーカ15から注意喚起の警告音やアナウンスによる注意喚起が発せられることで、監視エリアの近くにいる人に災害の発生を伝えることできる。これにより、防災エリアでの災害の発生による被害を抑制できる。
【0089】
<第5実施形態>
図17は、第5実施形態の中央制御装置300dの概略ブロック図である。第5実施形態では、第4実施形態と同じ第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とを用いて、第4実施形態とは異なる条件および異なる監視機能を実行させる点が異なる。そのため、第5実施形態では、第4実施形態と異なる点について説明し、同じ点についての説明は省略する。
【0090】
中央制御装置300dは、CPU310dと、各種情報を記憶する記憶部320dと、出力部332と、通信部333と、を備えている。記憶部320dは、監視エリア情報DB321dと、条件DB322dと、位置情報DB323と、ロボット情報DB324と、告知画像データベース(告知画像DB)328とを備えている。監視エリアDB321dには、熱中症の発生を事前に抑制するために、直接日光が当たる繁華街などが監視エリアとして記憶されている。
【0091】
条件DB322dには、ロボットR11d(
図15)の気象センサにより検出される温度と湿度との気象閾値が記憶されている。温度と湿度との両検出値が気象閾値を超えた場合に、ロボットが監視エリアで告知画像を表示する監視機能が実行される。告知画像DB328には、熱中症リスクについて告知する告知画像の画像データが記憶されている。なお、第5実施形態の気象センサは、温度および湿度を検出できればよく、温湿度センサであってもよい。
【0092】
条件判断部312dが、1つのロボットにおける気象センサの検出値が条件DB322dに記憶された気象閾値を超えたと判断すると、画像表示部を用いてサイネージ機能を実行できるロボットから、位置情報等を用いて監視機能を実行するロボットを選択する。ロボットR11cが選択された場合に、監視機能指示部314dは、ロボットR11cを監視エリアに移動させ、監視機能として監視エリアで告知画像DB328に記憶された告知画像を画像表示部19(
図15)に表示させる。
【0093】
以上のように、第5実施形態では、第1ロボット群G10に含まれるロボットR11cは、画像表示部19と、カメラおよび気象センサを有する第1センサ13cとを備えてい
る。監視機能指示部314dは、気象センサの検出値である温度および湿度が条件DB322dの気象閾値を超えた場合に、ロボットR11cを監視エリアに移動させて、画像表示部19に告知画像を表示させる。すなわち、第5実施形態では、天候が荒れて温度や湿度が変化した場合に気象センサの検出値から、熱中症リスクを高めるリスクとして設定された気象閾値を超えたか否かが判定される。検出値が気象閾値を超えた場合には、ロボットR11cが有する画像表示部19に告知画像が表示されるため、画像表示部19を見る人に対して熱中症のリスクを低減するための行動を促すことができる。
【0094】
<第6実施形態>
図18から
図20までの各図は、第6実施形態の監視システムの説明図である。第6実施形態では、第1実施形態と比較し、監視機能の実行によりインセンティブとしてのポイントが発生し、第1制御装置150eと、第2制御装置250eと、中央制御装置300eとの間でポイントの授受が行われ点が異なる。そのため、第6実施形態では、第1実施形態と異なる点について説明し、同じ点についての説明を省略する。なお、ポイントの授受は、その時々で行われてもよいし、月次等で集約されて反映されてもよい。
【0095】
図18には、第6実施形態の中央制御装置300eの概略ブロック図が示されている。
図18に示されるように、中央制御装置300eは、CPU310eと、記憶部320eと、出力部332と、通信部333と、を備えている。記憶部320eは、監視エリア情報DB321と、条件DB322と、位置情報DB323と、ロボット情報DB324と、付与報酬データベース(付与報酬DB)329とを備えている。付与報酬DB329には、第1制御装置150eと第2制御装置250eとのそれぞれに付与した報酬と、監視機能を行った場合に付与する基本報酬と、監視機能を実行したロボットの数および実行した時間に応じて付与する追加報酬と、付与可能なポイントの上限である上限報酬と、が記憶されている。
【0096】
CPU310eは、情報取得部311と、条件判断部312と、解析部313と、監視機能指示部314と、報酬設定部315して機能する。報酬設定部315は、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とに含まれるロボットが監視機能を実行した場合に、監視機能を実行したロボットを制御する第1制御装置150eまたは第2制御装置250eに報酬として付与するポイントの大きさを決定する。報酬設定部315は、付与報酬DB329に記憶された基本報酬と追加報酬とを用いて、付与するポイントの大きさを決定する。付与ポイントが設定されると、監視機能指示部314は、解析部313により選択された監視機能を実行するロボットに、監視機能の実行を指示すると共に、実行により付与されたポイントを送信する。なお、設定した付与ポイントで監視機能を実行するロボットがいない場合についての処理については後述する。
【0097】
図19,20には、第6実施形態の第1制御装置150eと、第2制御装置250eとのそれぞれの概略ブロック図が示されている。
図19に示されるように、第1制御装置150eは、CPU150Ceと、記憶部160eと、出力部172と、通信部173とを備えている。
【0098】
記憶部160eは、配送情報DB161と、位置情報DB162と、センサ情報DB163と、報酬データベース(報酬DB)164と、を備えている。報酬DB164には、中央制御装置300eから付与された報酬と、第1ロボット群G10に含まれるロボットに監視機能を実行させる際に最低限必要な報酬と、が記憶されている。
【0099】
CPU150Ceは、情報制御部151と、位置収集部152と、実行機能指示部153と、報酬判断部154として機能する。報酬判断部154は、監視機能の実行に伴う報酬に応じて、監視機能を第1ロボット群G10に含まれるロボットに実行させるか否かを
判断する。中央制御装置300eから提示された報酬が報酬DB164に記憶された最低限必要な報酬以上であると報酬判断部154が判断した場合には、実行機能指示部153は、いずれかのロボットに監視機能を実行させる。一方で、報酬判断部154は、提示報酬が最低報酬未満であると判断した場合には、第1ロボット群G10に含まれるロボットに監視機能を実行させないことと、監視機能を実行させるために必要な最低報酬と、中央制御装置300eに送信する。
【0100】
図20に示される第2制御装置250eは、CPU250Ceと、記憶部260eと、出力部272と、通信部273とを備えている。記憶部260eは、清掃情報DB261と、位置情報DB262と、センサ情報DB263と、報酬データベース(報酬DB)264と、を備えている。報酬DB264には、中央制御装置300eから付与された報酬と、第2ロボット群G20に含まれるロボットに監視機能を実行させる際に最低限必要な報酬と、が記憶されている。なお、第2制御装置250eが制御する第2ロボット群G20に含まれるロボットが実行する機能は、清掃機能であり、第1制御装置150eが制御する第1ロボット群G10に含まれるロボットが実行する配送機能よりも緊急性が低い。そのため、報酬DB264に記憶されている監視機能を実行させる際に最低限必要な報酬は、第1制御装置150eの報酬DB164に記憶されている最低報酬よりも低く設定されている。
【0101】
CPU250Ceは、情報制御部251と、位置収集部252と、実行機能指示部253と、報酬判断部254として機能する。報酬判断部254は、第1制御装置150eと同じように報酬について判断するため、説明を省略する。
【0102】
中央制御装置300e(
図18)の報酬設定部315は、第1制御装置150eおよび第2制御装置250eから監視機能を実行するロボットがいない場合には、報酬としての付与ポイントを引き上げる。報酬設定部315は、付与報酬DB329に記憶されている上限報酬の範囲で、段階的に付与する報酬を引き上げて、再度、監視機能の実行を第1制御装置150eおよび第2制御装置250eに指示する。監視機能指示部314は、引き上げられた付与ポイントを第1制御装置150eおよび第2制御装置250e提示する共に、再び、第1制御装置150eおよび第2制御装置250eに監視機能の実行を指示する。なお、報酬設定部315が上限報酬まで付与ポイントを引き上げてもいずれのロボットが監視機能を実行しない場合には、中央制御装置300eは、監視機能の実行を諦める。
【0103】
以上のように、第6実施形態では、中央制御装置300eの報酬設定部315は、付与報酬DB329に記憶された監視機能を実行したロボットの数および実行した時間に応じて付与する追加報酬を用いて、監視機能を実行した第1制御装置150eまたは第2制御装置250eへの付与ポイントの大きさを決定する。そのため、第6実施形態では、配送機能または清掃機能を停止して監視機能を実行したロボットの数および実行した時間の対価としてのインセンティブが、第1制御システム100(
図1)または第2制御システム200の事業主体に提供される。インセンティブが事業主体にて提供されることにより、配送機能または清掃機能を停止して監視機能を実行するロボットが多くなるため、システム全体として監視機能を効率的に行うことができる。
【0104】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。そのほか、例えば次のような変形も可能である。
【0105】
[変形例1]
上記実施形態では、監視システム500の構成の一例を示した。しかし、監視システム500の構成は種々の変形が可能である。上記第1実施形態の監視システム500は、第1ロボット群G10を制御する第1制御システム100と、第2ロボット群G20を制御する第2制御システム200とを含むシステムであったが、中央制御装置300を監視システムとみなしてもよい。具体的には、中央制御装置300が監視システムとして機能し、監視システムには、第1制御システム100および第2制御システム200が含まれていなくてもよい。
【0106】
監視システム500は、3つ以上の事業主体により監督される制御システムが制御するロボットに監視機能を実行させてもよい。例えば、監視システム500は、第1実施形態の第1制御システム100および第2制御システム200に加えて、第3実施形態の飛行可能なドローンを含む第3ロボット群を制御するシステムを含んでいてもよい。道路を走行する車両型のロボットと、飛行可能なドローンとでは、搭載するセンサや、監視エリア前の移動に要する時間および移動コストが異なる。中央制御装置300は、異なるロボット群に含まれるロボットのセンサや移動コスト等を考慮して、監視機能を実行するロボットを選択すればよい。また、1つのロボット群に含まれるロボットの稼働率に応じて、監視機能を実行するロボットが選択されてもよい。また、ロボット群に含まれるロボットの形状に応じて、監視機能を実行するロボットが選択されてもよい。例えば、監視機能として小学生の登校を監視する場合に、小学生の関心を引くような形状である人型のロボットに監視機能を実行させる。監視機能を実行するロボットが歩道のうちの車道から離れた場所に位置することにより、小学生を車道から遠ざけて、小学生が巻き込まれる交通事故の発生を抑制できる。また、ロボット群に含まれるロボットの仕様情報に応じて、監視機能を実行するロボットが選択されてもよい。例えば、防災エリアである監視エリアに対して監視機能を実行するロボットは、仕様情報に記憶された情報として防水機能を有するロボットが選択されてもよい。
【0107】
図10に示される例では、監視エリアAR1~AR4のそれぞれに対して、1台のロボットにより監視機能が実行されていたが、監視エリアの数および監視機能を実行するロボットの台数については変形可能である。1つの監視エリアAR1が2台以上のロボットにより監視機能が実行されてもよい。また、監視機能を実行するロボットの種類に応じて、1つの監視エリアにおいて監視機能を実行するロボット数が変化してもよい。また、1台のロボットで複数の監視エリアを巡回するように監視機能が実行されてもよい。
【0108】
上記第1実施形態では、第1ロボット群G10に含まれるロボットが配送機能を実行し、第2ロボット群G20に含まれるロボットが配送機能とは異なる清掃機能を実行したが、第1ロボット群G10に含まれるロボットと、第2ロボット群G20に含まれるロボットとは、同じ機能を実行してもよい。例えば、第1実施形態の例で、第2ロボット群G20が清掃機能の代わりに配送機能を有してもよい。この場合に、中央制御装置300は、各ロボット群のロボットにより配送される物品の種類(例えば、常温と要冷蔵)、配送エリアの相違、各ロボット群の事業主体等を考慮して、監視機能を実行するロボットを選択してもよい。
【0109】
本明細書における監視機能の実行とは、ロボットの外部の環境に関する情報である外部環境情報を取得し、取得した外部環境情報に異常が含まれているかを判定し、異常が含まれていると判定された場合に異常信号を出力することである。異常の判定は、各ロボットにより行われてもよいし、ロボットから送信された外部環境情報を取得した中央制御装置300が行ってもよい。上記実施形態では、中央制御装置300がロボットから送信される撮影された外部環境を取得して外部環境に含まれる異常の有無を判定したが、各ロボッ
トが撮影した外部環境に含まれる異常の有無を判定してもよい。取得される外部環境情報としては、カメラによる外部の環境、Lidarにより測距された対象物との距離、および気象センサによる取得された気象データなどが挙げられる。判定される異常としては、撮影された外部環境からの交通事故の危険性の検出、道路の規制情報の受信、撮影データに含まれる不審者の検出、および検出値としての気象データが気象閾値を超えることなどが挙げられる。異常信号の出力としては、監視エリアとしての混雑エリアの撮影データの取得および出力、サイネージ機能を用いた規制内容に合わせた画像表示、および、スピーカ15を用いた注意喚起の警告音およびアナウンスによる注意喚起の発生などが挙げられる。
【0110】
[変形例2]
第6実施形態で説明したインセンティブとしての付与ポイントは、金銭であってもよいし、金銭に交換可能なマイルなどであってもよい。付与ポイントは、監視機能を実行するセンサや移動コストの異なるロボットに応じて差がつけられてもよい。第1制御装置150eと第2制御装置250eとは、第1ロボット群G10と第2ロボット群G20とのそれぞれに含まれるロボットの性能、ロボット数、およびロボットが実行する機能に応じて、月額のインセンティブが付与された上で、追加として監視機能を実行する付与ポイントが提供されてもよい。
【0111】
付与ポイントは、中央制御装置300eを介さずに、第1制御装置150eと第2制御装置250eとの間でやり取りされてもよい。例えば、配送機能を実行する第1ロボット群G10のロボットのうち、配送機能を実行せずに待機しているロボットが多い場合には、第1制御装置150eが中央制御装置300eから提示された付与ポイントの一部を第2制御装置250eへと付与する。これにより、第1ロボット群G10のロボットが優先的に監視機能を実行してもよい。また、第6実施形態において、第1制御装置150eや第2制御装置250eから、監視機能を実行するために必要な付与ポイントを中央制御装置300eに要求してもよい。また、配送機能を実行する第1ロボット群G10に含まれるロボットを制御する第1制御装置150eは、監視機能の実行に応じて、各ロボットが配送機能を実行するための経路情報を変更してもよい。この場合に、第1制御装置150eは、経路情報の変更により追加で発生する移動エネルギなどに基づく付与ポイントを、中央制御装置300eに要求してもよい。
【0112】
上記第1実施形態では、解析部313が、ロボットが監視エリアまで移動するのに要する時間と、移動に必要な到達エネルギと、ロボットが実行している機能の優先度とから算出される評価値を用いて監視機能を実行する決定した。しかし、監視機能を実行するロボットの選択方法については、変形可能であり、例えば、ロボットの位置情報と、ロボットが実行している機能とにより選択されてもよい。また、監視機能を実行するロボットは、単に、監視エリアに近いか否かの距離のみで選択されてもよい。また、監視機能を実行するロボットとして、インセンティブとしての付与ポイントが低い事業主体が監督するロボット群に含まれるロボットが選択されてもよい。
【0113】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【0114】
本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
第1事業主体により監督される第1ロボット群と、前記第1事業主体とは異なる第2事
業主体により監督される第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットを監視する監視システムであって、
前記第1ロボット群には、移動可能な複数のロボットであって、それぞれ、前記ロボットの外部の環境に関する情報である外部環境情報を取得し、取得した前記外部環境情報に異常が含まれているかを判定する場合、もしくは、取得した前記外部環境情報を監視システムに送り前記監視システムで異常が含まれていると判定された場合には異常信号を出力する監視機能と、前記監視機能とは異なる予め設定された第1機能とを実行可能な複数のロボットが含まれ、
前記第2ロボット群には、前記第1ロボット群に含まれるロボットとは異なる移動可能な複数のロボットであって、それぞれ、前記監視機能と、前記監視機能とは異なる予め設定された第2機能とを実行可能な複数のロボットが含まれ、
前記監視システムは、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群とのそれぞれに含まれる全ロボットのうちから、予め設定された条件に応じて、前記条件に対応付けられたエリアの外部の環境に対して前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する選択部を備える
監視システム。
[適用例2]
適用例1に記載の監視システムであって、
前記第1機能と前記第2機能とは異なる機能であり、
前記選択部は、各ロボットの位置情報と、前記各ロボットが前記第1機能を実行するロボットか前記第2機能を実行するロボットかに関する情報とを用いて、前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する
監視システム。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の監視システムであって、
前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラを有し、
前記選択部は、予め登録されているエリアから前記各ロボットまでの距離に関する情報と、前記各ロボットが前記エリアまで移動する際に使用するエネルギに関する情報と、を用いて、前記カメラを用いた前記監視機能を優先的に実行させるロボットを選択する
監視システム。
[適用例4]
適用例1から適用例3までのいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラと、音声を出力可能な音声出力部と、を有し、
前記選択部は、
予め登録されている不審者の発生率が高い要防犯エリアから所定の距離に位置するロボットを、前記カメラを用いた前記監視機能を優先的に実行させるロボットとして選択し、
不審者の画像認識および音声による注意喚起を行わせる
監視システム。
[適用例5]
適用例1から適用例4までのいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、外部の環境を撮影可能なカメラと、降雨量を測定する雨量センサと、音声を出力可能な音声出力部と、を有し、
前記選択部は、
前記雨量センサの測定値が予め設定された条件を満たした場合に、前記カメラを用いて予め登録されている防災エリアを定点観測させ、
定点観測による観測値が危険閾値を超えた場合に、前記音声出力部により音声による
注意喚起を行わせる
監視システム。
[適用例6]
適用例1から適用例5までのいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれに含まれるロボットは、温度および湿度を検出する温湿度センサと、サイネージ機能を実行可能な画像表示部と、を有し、
前記選択部は、前記温湿度センサの検出値が予め設定された条件を満たした場合に、前記画像表示部に前記検出値に起因する危険告知の画像を表示させる
監視システム。
[適用例7]
適用例1から適用例6までのいずれか一項に記載の監視システムであって、
前記監視機能を実行したロボットの数および実行した時間の少なくとも一方に応じて、前記第1ロボット群と前記第2ロボット群のそれぞれの事業主体に提供されるインセンティブの大きさを決定する報酬設定部を備える
監視システム。
【符号の説明】
【0115】
11,11a,11c…CPU
12,12a,12c…記憶部
13,13c…第1センサ
14…ライト
15…スピーカ
16…収納部
16b…保持部
17…通信部
18…バッテリ
19…画像表示部
21…CPU
22…記憶部
23…第2センサ
24…ライト
25…スピーカ
26…清掃器具
27…通信部
28…バッテリ
100…第1制御システム
111…駆動制御部
112…位置収集部
113,113a,113c…第1機能部
114…充電監視部
115…画像設定部
121…配送情報DB
122,122a…経路情報DB
123…移動情報DB
124,124c…センサ情報DB
125…仕様情報DB
126…広告画像DB
150,150e…第1制御装置
150C,150Ce…CPU
151…情報制御部
152…位置収集部
153…実行機能指示部
154…報酬判断部
160,160e…記憶部
161…配送情報DB
162…位置情報DB
163…センサ情報DB
164…報酬DB
172…出力部
173…通信部
200…第2制御システム
211…駆動制御部
212…位置収集部
213…第2機能部
214…充電監視部
221…清掃情報DB
222…経路情報DB
223…移動情報DB
224…センサ情報DB
225…仕様情報DB
250,250e…第2制御装置
250C,250Ce…CPU
251…情報制御部
252…位置収集部
253…実行機能指示部
254…報酬判断部
260,260e…記憶部
261…清掃情報DB
262…位置情報DB
263…センサ情報DB
264…報酬DB
272…出力部
273…通信部
300,300a,300b,300c,300d,300e…中央制御装置
310,310a,300b,300c,300d,300e…CPU
311…情報取得部
312,312a,312b,312c,312d…条件判断部
313,313,313b,313c…解析部
314,314a,314b,314c,314d…監視機能指示部
315…報酬設定部
320,320a,320b,320c,320d,320e…記憶部
321,321a,321c,321d…監視エリア情報DB
322,322a,322b,322c,322d…条件DB
323…位置情報DB
324…ロボット情報DB
325…規制画像DB
326…要防犯エリアDB
327…警告音DB
328…告知画像DB
329…付与報酬DB
332…出力部
333…通信部
500…監視システム
A11~A14…配送領域
A21~A24…清掃領域
AR1~AR4…監視エリア
G10…第1ロボット群
G20…第2ロボット群
MP…道路地図
R11,R11a,R11b,R11c,R12~R14…第1ロボット群に含まれるロボット
R21~R24…第2ロボット群に含まれるロボット