(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075170
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 30/10 20200101AFI20240527BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240527BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240527BHJP
H04N 13/305 20180101ALI20240527BHJP
H04N 13/31 20180101ALI20240527BHJP
H04N 13/125 20180101ALN20240527BHJP
【FI】
G02B30/10
G09F9/30 397
G09F9/00 313
H04N13/305
H04N13/31
H04N13/125
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186412
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 宗治
【テーマコード(参考)】
2H199
5C061
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H199BA20
2H199BA63
2H199BB04
2H199BB08
2H199BB10
2H199BB29
2H199BB30
2H199BB52
2H199BB59
5C061AA06
5C061AA07
5C061AA08
5C061AB14
5C061AB16
5C094AA01
5C094BA43
5C094CA21
5C094ED01
5C094ED15
5G435AA01
5G435BB12
5G435CC09
5G435GG02
5G435KK07
(57)【要約】
【課題】 多重像の発生を防ぐことが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 表示装置は、複数のレンズを有するレンズ素子と、複数の遮光層を有するバリア素子と、表示パネルと、を備え、前記レンズ素子は、前記表示パネル及び前記バリア素子の間に設けられ、前記複数の遮光層それぞれは、前記複数のレンズそれぞれの端部に重畳する。隣り合う前記遮光層の間の領域を、開口部とすると、前記バリア素子は、複数の前記開口部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズを有するレンズ素子と、
複数の遮光層を有するバリア素子と、
表示パネルと、
を備え、
前記レンズ素子は、前記表示パネル及び前記バリア素子の間に設けられ、
前記複数の遮光層それぞれは、前記複数のレンズそれぞれの端部に重畳する、表示装置。
【請求項2】
前記バリア素子は、
透明基材と、をさらに備え、
前記複数の遮光層は、前記透明基材の表面に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の遮光層のそれぞれは、前記複数のレンズのそれぞれの表面に接して設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記バリア素子は、
透明基材と、をさらに備え、
前記遮光層のそれぞれは、前記複数のレンズそれぞれ及び前記透明基材の間に設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数のレンズそれぞれの第1方向に沿う長さをWLN、前記複数のレンズそれぞれの頂点を含む平面と前記遮光層との距離をTLNとし、
前記距離TLNは、0≦TLN≦0.1×WLN×√3を満たす、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
隣り合う前記遮光層の間の領域を、開口部とし、
前記開口部の第1方向に沿う長さは、前記複数のレンズそれぞれの前記第1方向に沿う長さの50%以上である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
隣り合う前記遮光層の間の領域を、開口部とし、
前記複数のレンズは、複数のレンチキュラーレンズであり、
複数の前記開口部は、複数のスリットである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
隣り合う前記遮光層の間の領域を、開口部とし、
前記複数のレンズは、複数のマイクロレンズであり、
複数の前記開口部は、複数の円形状開口部である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
隣り合う前記遮光層の間の領域を、開口部とし、
前記複数の遮光層それぞれは、第1領域及び第2領域を有し、
前記第2領域は、前記第1領域及び前記開口部の間に設けられ、
前記第2領域は、前記第1領域よりも透過率が高い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2領域は、ハーフトーン処理がされている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2領域は、複数の三角形状の遮光パターンを有し、
前記複数の三角形状の遮光パターンは、それぞれ、前記開口部に近づくにつれ、幅が小さくなる、請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第2領域は、複数のストライプ形状の遮光パターンを有し、
前記複数のストライプ形状の遮光パターンは、それぞれ、前記開口部に近づくにつれ、幅が小さくなる、請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第2領域は、複数の円形形状の遮光パターンを有し、
前記複数の円形形状の遮光パターンは、それぞれ、前記開口部に近づくにつれ、直径が小さくなる、請求項9に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2領域は、複数の円形形状の遮光パターン、及び、複数の円形形状の開口パターンを有し、
前記複数の円形形状の遮光パターンは、それぞれ、前記開口部に近づくにつれ、直径が小さくなり、
前記複数の円形形状の開口パターンは、それぞれ、前記第1領域に近づくにつれ、直径が小さくなり、
前記複数の円形形状の遮光パターンそれぞれ、及び、前記複数の円形形状の開口パターンそれぞれは、互い違いに配置されている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項15】
前記レンズ素子の端部に接して、透明部材が設けられ、
前記透明部材に接して、接着剤が設けられ、
前記接着剤は、前記バリア素子の端部に接着され、
前記透明部材は、前記複数のレンズそれぞれと同じ材料で金型形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項16】
前記レンズ素子の端部及び前記バリア素子の端部の間に、シール剤が設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項17】
前記レンズ素子の端部に接して、ダミーレンズが設けられ、
前記レンズ素子の端部及び前記バリア素子の端部の外側に、接着剤が設けられ、
前記接着剤は、前記レンズ素子及び前記バリア素子の周辺を囲って覆われており、
前記ダミーレンズは、前記複数のレンズと同じ材料で同時に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記バリア素子の端部に接して、構造物が設けられ、
前記構造物は、両面テープ、ガラスシート及び接着剤の積層体、又はUV硬化樹脂で硬化されたビーズガラスのうちの1つである、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、裸眼で立体視を可能とする様々な表示装置が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、多重像の発生を防ぐことが可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、
複数のレンズを有するレンズ素子と、
複数の遮光層を有するバリア素子と、
表示パネルと、
を備え、
前記レンズ素子は、前記表示パネル及び前記バリア素子の間に設けられ、
前記複数の遮光層それぞれは、前記複数のレンズそれぞれの端部に重畳する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、表示装置の概略的な構成の一例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、比較例の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
【
図4】
図4は、比較例の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
【
図5】
図5は、比較例の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
【
図6】
図6は、
図3に示す光により形成される画像を示す図である。
【
図7】
図7は、
図4に示す光により形成される画像を示す図である。
【
図8】
図8は、
図5に示す光により形成される画像を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
【
図15】
図15は、レンズと遮光層の距離の関係を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図18】
図18は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図19】
図19は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図20】
図20は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図21】
図21は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図22】
図22は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図23】
図23は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図24】
図24は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図25】
図25は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図26】
図26は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
【
図27】
図27は、レンズ及び開口部の長さの関係を示す図である。
【
図28】
図28は、マイクロレンズの長さ(直径)と円形状開口部の長さ(直径)の関係を示す図である。
【
図29】
図29は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
【
図30】
図30は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
【
図31】
図31は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
【
図32】
図32は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
【
図33】
図33は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
【
図34】
図34は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。
【0008】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。なお第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zを、それぞれ、X方向、Y方向、及び、Z方向と呼ぶこともある。
【0009】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0010】
また、第3方向Zの矢印の先端側に表示装置を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面、あるいは第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置の断面を見ることを断面視という。
【0011】
[実施形態]
図1は、表示装置の概略的な構成の一例を示す断面図である。
図1に示す表示装置DSPは、照明装置ILDと、第1偏光板POL1と、表示パネルPNLと、第2偏光板POL2と、接着剤ADHと、レンズ素子LNSと、バリア素子BRRと、を備えている。
【0012】
表示装置DSPは、ライトフィールドディスプレイである。ある物体を視認する場合、視認者は、当該物体表面で反射した反射光が目に到達することで当該物体を視認することとなる。一方、ライトフィールドディスプレイは、画像を表示する表示画面からの出射光をコントロールすることで、上述の如き反射光を再現する。すなわち、平面ディスプレイに表示されたある物体の画像であっても、当該物体の実物が各方向に放出しているような反射光を表示画面からの出射光によって再現できるので、当該表示画面を視認する視認者は、当該表示画面に対する1又は複数視点において当該物体が実在しているように感じられる。
【0013】
一般的にディスプレイは、同一な光(輝度、色)をできるだけ全方位に拡散させ、広視野角を実現している。一方、ライトフィールドディスプレイは、画素ごとに光の取り出し方向を限定することで立体視を実現させる。光の取り出し方向を限定するには、遮光バリアで光の角度を限定したり、拡散した光をレンズで平行にしたりすることが挙げられる。本実施形態の表示装置DSPは、レンズにより光の取り出し方向を限定している。
【0014】
照明装置ILDは、例えば、光源素子と、導光板と、拡散板と、を備えるバックライトであればよい。光学素子は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)や、レーザダイオード等であればよい。また、導光板や拡散板以外に、光学素子を備えていてもよい。
【0015】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、第1基板SUB1及び第2基板SUB2との間に設けられる液晶層(図示しない)と、を備えている。第1基板SUB1には、液晶層を駆動する複数の画素回路が設けられている。第2基板SUB2又は第1基板SUB1には、複数のカラーフィルタが設けられている。複数の画素回路、液晶層、及び複数のカラーフィルタは、複数の画素PXを構成する。複数の画素PXは、赤色を発光する画素PXR、緑色を発光する画素PXG、青色を発光する画素PXBを含んでいる。画素PXR、画素PXG、及び画素PXBは、第1方向Xに沿って、この順に配置されている。表示パネルPNLは、第1偏光板POL1及び第2偏光板POL2との間に配置されている。
【0016】
レンズ素子LNSは、接着剤ADHにより、表示パネルPNLに接着されている。本実施形態のレンズ素子LNSは、複数のレンズLXを有している。レンズ素子LNSは、透明部材、例えば透明樹脂材料を用いて形成されて入ればよい。当該透明樹脂材料として、例えば、アクリル樹脂が挙げられる。また、レンズ素子LNSは、透明部材であり、通過する光の位相差が変わらない部材、例えばガラス材料を用いて形成されていてもよい。また、レンズ素子LNSとして液晶レンズを採用することも可能である。本実施形態において、複数のレンズLXそれぞれは、レンチキュラーレンズである。レンズLXは、X-Z平面での形状がレンズ形状であり、第2方向Yに沿って延伸している。
【0017】
本実施形態の表示装置DSPでは、レンズ素子LNSにより、画素PXから出射される映像光の取り出し方向を限定する。レンズ素子LNSのレンズLXは、映像光を遮光することがなく、取り出された光を効率よく利用することができる。これにより、輝度の高い表示装置を得ることが可能である。
【0018】
レンズ素子LNS上に空気層ARLを挟んで、バリア素子BRRが設けられている。バリア素子BRRは、基材BAと、複数の遮光層LBと、を備えている。複数の遮光層LBそれぞれは、複数のレンズLXの頂点の間に重畳して設けられている。換言すると、遮光層LBは、1つのレンズLXの端部に重畳して設けられている。隣り合う遮光層LBの間の領域を開口部OPとする。
【0019】
レンズ素子LNSは、表示パネルPNLの上方に設けられている。バリア素子BRRは、レンズ素子LNSの上方に設けられている。換言すると、レンズ素子LNSは、表示パネルPNL及びバリア素子BRRの間に設けられている。
【0020】
基材BAは、透明基材、例えば、ガラス基材や、上述の透明樹脂材料を用いた基材等であればよい。遮光層LBは、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、もしくは銀(Ag)などを含む金属材料層、または黒色の樹脂材料層を用いることができる。遮光層LBは、基材BAの表面に設けられている。
【0021】
照明装置ILDから出射された照明光は、表示パネルPNLに入射する。表示パネルPNLは、入射した照明光を、表示パネルPNLの画素PXで変調することにより、画像を表示する。表示画像は、映像光として上方に出射され、レンズ素子LNSにて平行光に調整される。
【0022】
図2は、比較例の表示装置の断面図である。比較例の表示装置DSPrは、
図1に示す表示装置DSPと比較して、バリア素子を設けないという点で異なっている。
【0023】
表示装置DSPrにおいて、例えば、1つのレンズLXの中心が、1つの緑色の画素PXGに対向しているものとする。換言すると、レンズLXの中心は、画素PXGの直上に位置している。第1方向Xに沿って、画素PXGの左隣には画素PXR、画素PXGの右隣には画素PXBが設けられている。
【0024】
照明装置ILDから出射され、画素PXR、画素PXG、及び画素PXBを通る光を、それぞれ、光LTR、光LTG、及び光LTBとする。光LTR、光LTG、及び光LTBは、それぞれ、画素PXR、画素PXG、及び画素PXBを通る際に、第3方向Zの軸を中心として±20°程度(全体で40°程度)広がる。レンズLXは、当該広がった光を集光して、平行光として出射する。光LTGは、画素PXGを通りレンズLXで集光され、レンズLXから平行光として出射される。光LTRは、左隣の画素PXRを通りレンズLXで集光され、レンズLXから紙面右斜め上に出射される。光LTBは、右隣の画素PXBを通りレンズLXで集光され、レンズLXから紙面左斜め上に出射される。
【0025】
図3は、比較例の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
図3に示す表示装置DSPrでは、光LTGは、緑色を発光する画素PXGを通り拡散する。当該拡散した光LTGがレンズLXを透過する際に集光される。集光された光LTGは、第3方向Zに平行な光として、レンズLXから出射される。
図3では、レンズLXから出射される光は、全て光LTGである。
【0026】
図4は、比較例の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
図4に示す表示装置DSPrでは、レンズLXの収差によって、集光位置がずれている。
図4においては、赤色を発光する画素PXR及び緑色を発光する画素PXGそれぞれを通る光、並びに、レンズLXの位置関係が示されている。
【0027】
レンズLXに収差があるので、レンズLXには、画素PXRを通過する光LTRだけでなく、隣接する画素PXGを通過する光LTGの一部も入射する。このように、レンズLXから出射される光には、目的とする画素PXを通る光だけでなく、周辺の画素PXを通る光が混合される。このような光から形成される画像は、情報のずれが画像の重ね合わせとなり、多重像となってしまう。
【0028】
なお本開示において、所望の画素を通る光を主光線といい、隣接する画素を通る光を隣接光線と呼ぶ。例えば、
図4に示す例では、画素PXRを通る光LTRが主光線であり、画素PXGを通る光LTGが隣接光線である。隣接光線の割合が増える、換言すると、主光線の割合が減ると、画像のずれが大きくなってしまう。
【0029】
主光線のみで構成される画像は、画像を見る角度が変わると共に切り替わってしまい、リアリティが下がる恐れがある。隣接光線が主光線に適度に混合され、緩やかに主光線と隣接光線の比率が切り替わると、画像の変化が自然なものと認識される。そのため、隣接光線はある程度混合されていることが好ましい。しかしながら、上述のように、主光線は画素の法線方向(第3方向Z)に対して広がるため、主光線に対する隣接光線の割合の上昇を抑えることが必要となる。
【0030】
図5は、比較例の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
図5に示す表示装置DSPrでは、製造バラツキにより、画素とレンズの間の距離が短くなっている。
図5においては、緑色を発光する画素PXGの直上に、レンズLXの中心が位置している。
【0031】
画素PXとレンズLXの距離が短いため、画素PXGを通る光LTGだけでなく、隣接する画素PXR及び画素PXBを通る光LTR及び光LTBもレンズLXに入射する。目的とする画素PXを通る光だけでなく、周辺の画素PXを通る光が混合される。このような光から形成される画像は、多重像となってしまう。
【0032】
図6乃至
図8は、それぞれ、
図3乃至
図5に示す光により形成される画像を示す図である。
図6は、
図3において方向DR1から見た画像を示している。
図6に示す画像は、レンズLXで集光された光LTGのみから構成される画像を含んでいる。また、光LTGで形成された画像の端部は、光が届かない非透過部NTRとなる。
【0033】
図7は、
図4において方向DR2から見た画像を示している。
図7に示す画像は、光LTRにより構成された画像を含んでいる。当該画像の左右には、光LTGから形成される画像が表示される。
図4に示すように、光LTGは紙面左から右に進む。
図7では光LTRによる画像の左右に形成される光LTGによる画像のうち、右側の画像の幅は、左側の画像の幅より長い。
【0034】
図8は、
図5において方向DR3から見た画像を示している。
図8に示す画像は、光LTGにより構成された画像を含んでいる。当該画像の左右には、それぞれ、光LTR及び光LTBから形成される画像が表示される。
【0035】
比較例に示すように、バリア素子を有さない表示装置では、隣接する画素を通る光が混合され、多重像となる恐れがある。
【0036】
図9乃至
図11は、それぞれ、実施形態の画素を通る光とレンズとの関係を示す図である。
図9に示す表示装置DSPでは、第3方向Zに沿ってレンズLXに隣接して、遮光層LBが設けられている。遮光層LBは、上述したように、複数のレンズLXの頂点の間に重畳して設けられている。換言すると、遮光層LBは、レンズLXの端部に重畳して設けられている。
【0037】
図9では、遮光層LBは、レンズLXの端部を通過する光LTGを遮光する。
図10では、遮光層LBは、レンズLXの端部を通過する光LTG及び光LTRの一部を遮光する。
図10に示す表示装置DSPでは、光LTRのみから構成される画像が形成されるため、異なる色の光の混合が生じない。よって、多重像が発生することを防ぐことが可能である。
【0038】
図11では、遮光層LBは、レンズLXの端部を通過する光LTR及び光LTBを遮光する。
図11に示す表示装置DSPでは、光LTGのみから構成される画像が得られる。
図11によっても、多重像が発生することを防ぐことができる。
【0039】
図12乃至
図14は、それぞれ、
図9乃至
図11に示す光により形成される画像を示す図である。
図12に示す画像では、
図6に示す画像と比較して、非透過部NTRは遮光層LBに覆われている。
【0040】
図13に示す画像では、
図7に示す画像と比較して、非透過部NTR及び光LTGがレンズLXに入射する領域が、遮光層LBに覆われている。よって、光LTGは画像を形成しない。光LTRにより形成される画像には、光LTGによる混色が生じない。よって多重像の発生を防ぐことができる。
【0041】
図14に示す画像では、
図8に示す画像と比較して、非透過部NTR並びに光LTR及び光LTBがレンズLXに入射する領域が、遮光層LBに覆われている。よって、光LTR及び光LTBは画像を形成しない。光LTGにより形成される画像には、光LTR及び光LTBによる混色が生じない。よって多重像の発生を防ぐことができる。
【0042】
図15は、レンズと遮光層の距離の関係を示す図である。レンズLXの幅を幅WLN、レンズLXの頂点を頂点VX、頂点VXを含むX-Y平面と遮光層LBとの距離を距離TLN、とする。隣り合う遮光層LBは、頂点VXから等距離に位置している。換言すると、開口部OPの中心は、頂点VXを通る法線(第3方向Zに沿う線)と一致する。
【0043】
距離TLNが長くなる、すなわち、レンズLX及び遮光層LBの距離が離れるほど、斜め方向の光は、頂点VXから見て左右非対称に遮光され、主光線の比率が下がる。これを制限するためには、距離TLNを、0以上((0.1×幅WLN/tan30°)=(0.1×幅WLN×√3))以下(0≦TLN≦0.1×WLN×√3(式1))とする。
【0044】
(式1)に示される距離TLNは、レンズLXの位置が幅WLNの10%の長さ分ずれたとしても、視野角が最大に留まる範囲である。視野角最大とは、レンズLXの頂点VXから出射される光が、頂点VXを通る法線に対して、±30°である場合を指す。
【0045】
図16は、比較例の表示装置を示す図である。表示装置DSPrは、
図10に示す表示装置DSPにおいて、距離TLNが0.1×WLN×√3を超えている場合(TLN>0.1×WLN×√3)を示している。
【0046】
図16に示す表示装置DSPrでは、紙面左側の光LTGは遮光層LBに遮光されていない。また紙面右側の光LTGも遮光層LBに遮光されていない上に、主光線である光LTRが遮光層LBに遮光されてしまっている。このように、表示装置DSPrから出射される光は、不要であるはずの光LTGが混合された上に、主光線であるLTRの一部が遮光され、比率が低下してしまっている。
【0047】
よって、レンズLXの頂点VXを含むX-Y平面と遮光層LBとの距離TLNは、(式1)を満たす距離であることが好ましい。
【0048】
本実施形態の表示装置DSPは、レンズ素子LNS上にバリア素子BRRを備えている。表示装置DSPは、隣り合う画素PXを通る光を、バリア素子BRRの遮光層LBが遮光することで、目的とする画素PXを通る光だけを出射することができる。これにより、表示装置DSPが表示する画像が多重像となるのを防ぐことが可能である。
【0049】
<構成例1>
図17は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図17に示す構成例では、
図1に示す構成例と比較して、遮光層がレンズの直上に設けられている、という点で異なっている。
【0050】
図17に示す表示装置DSPでは、遮光層LBは、レンズLXの表面に接して設けられている。レンズLXの端部周辺に遮光層LBは設けられているが、レンズLXの頂点VX周辺には設けられていない。すなわち、レンズLXの頂点VX周辺に開口部OPが設けられている。
【0051】
遮光層LBは、例えば、レンズLX表面に設けられた黒色の樹脂材料層であればよい。あるいは、レンズLX表面に金属材料層を形成可能であれば、上述と同様、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、もしくは銀(Ag)などを含む金属材料層であってもよい。
【0052】
図18は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図18に示す構成例では、
図17に示す構成例と比較して、遮光層がレンズ及び基材の間に設けられている、という点で異なっている。
【0053】
図18に示す表示装置DSPでは、遮光層LBの底面は、レンズLXの表面に接して設けられている。遮光層LBの上面は、基材BAの底面に接している。
図17と同様に、レンズLXの端部周辺に遮光層LBは設けられているが、レンズLXの頂点VX周辺には設けられていない。
【0054】
図18に示す遮光層LBは、例えば、黒色の樹脂材料層や黒色顔料を含む接着層等であればよい。遮光層LBにより、レンズLXと基材BAを接着していてもよい。
本構成例においても実施形態と同様の効果を奏する。
【0055】
<構成例2>
図19は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図19に示す構成例は、レンズ素子及びバリア素子の端部の構成の一例を示している。
【0056】
図19に示す表示装置DSPにおいて、レンズ素子LNSの端部に接して、透明部材TMBが設けられている。透明部材TMBは、レンズLXと同じ材料で同時に金型形成されている。透明部材TMBに接して、接着剤STCが設けられている、接着剤STCは、バリア素子BRRの基材BAの端部に接着されている。
【0057】
図20は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図20に示す構成例は、
図19に示す構成例と比較して、レンズ素子及びバリア素子の端部にシール剤を設ける、という点で異なっている。
【0058】
図20に示す表示装置DSPでは、レンズ素子LNSの端部及びバリア素子BRRの基材BAの端部の間に、シール剤SALが設けられている。シール剤SALは、例えば光硬化樹脂や熱硬化樹脂等を用いればよい。
【0059】
図21は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図21に示す構成例は、
図19に示す構成例と比較して、レンズ素子及びバリア素子の端部にダミーレンズを設ける、という点で異なっている。
【0060】
図21に示す表示装置DSPでは、レンズ素子LNSの端部に接して、ダミーレンズDMYが設けられている。ダミーレンズDMYは、レンズLXと同じ材料で同時に形成されている。ダミーレンズDMYは、レンズ素子LNSと一体形成されていてもよい。ダミーレンズDMYにより、レンズ素子LNS及びバリア素子BRRの間隔を維持することができる。
【0061】
レンズ素子LNS及びバリア素子BRRの基材BAの端部の外側には、接着剤BNDが設けられ、レンズ素子LNS及び基材BAを接着している。接着剤BNDは、レンズ素子LNS及び基材BAの周辺を囲って設ければよい。
【0062】
図22は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図22に示す構成例は、
図19に示す構成例と比較して、バリア素子の端部に構造物を設ける、という点で異なっている。
【0063】
図22の表示装置DSPでは、バリア素子BRRの基材BAに接して、構造物KZBが設けられている。構造物KZBは、例えば、両面テープ、ガラスシート及び接着剤の積層体、ビーズガラス
をUV硬化樹脂で硬化させたもの等であればよい。構造物KZBは、レンズ素子LNSの平坦部と基材BAとの間に設けられている。構造物KZBにより、レンズ素子LNS及びバリア素子BRRの間隔を維持することができる。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0064】
<構成例3>
図23及び
図24は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図23及び
図24に示す構成例は、それぞれ、レンズ素子及びバリア素子の形状の一例を示している。
【0065】
図23に示すレンズ素子LNSは、レンズLXとして、複数のレンチキュラーレンズを有している。レンチキュラーレンズは、X-Z平面での断面形状が円の一部であり、Y-Z平面での断面形状が長方形である。レンチキュラーレンズは、第2方向Yに沿って延伸している。
【0066】
図24に示すバリア素子BRRは、遮光層LBを有している。遮光層LBが設けられていない部分が開口部OPである。開口部OPは、複数のスリットを有している。当該スリットは、それぞれ、レンチキュラーレンズと同様に、第2方向Yに沿って延伸している。
【0067】
複数のレンチキュラーレンズそれぞれに、平面視で当該スリットのそれぞれが重畳している。スリットの幅は、レンチキュラーレンズの幅より短い。
【0068】
図25及び
図26は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す断面図である。
図25及び
図26に示す構成例は、
図23及び
図24に示す構成例と比較して、レンズ素子及びバリア素子の形状が円形形状である、という点で異なっている。
【0069】
図25に示すレンズ素子LNSは、レンズLXとして、複数のマイクロレンズを有している。複数のマイクロレンズそれぞれは、半球状の形状を有している。当該マイクロレンズは、X-Z平面での断面もY-Z平面での断面形状は半円形状である。当該マイクロレンズのX-Y平面での断面は、円形形状である。
【0070】
図26に示すバリア素子BRRは、遮光層LBを有している。遮光層LBが設けられていない部分が開口部OPである。開口部OPは、複数の円形状開口部を構成している。
【0071】
複数のマイクロレンズそれぞれに、平面視で当該円形状開口部のそれぞれが重畳している。円形形状開口部の直径は、マイクロレンズの直径より短い。
【0072】
図27は、レンズ及び開口部の長さの関係を示す図である。
図27は、
図1の部分拡大図であり、主にレンズLX及び開口部OPを示している。レンズLXは、
図23に示すレンチキュラーレンズ又は
図25に示すマイクロレンズ等であればよい。開口部OPは、
図24に示すスリットや
図25に示す円形状開口部等であればよい。
【0073】
図27において、開口部OPの第1方向Xに沿う長さ(幅)を長さWB、レンズLXの第1方向Xに沿う長さ(幅)を長さWLとする。上述の通り、長さWBは長さWLより短い(WB<WL)。なお
図27における長さWLは、レンズLXがレンチキュラーレンズの場合、上述の幅WLNに相当する。
【0074】
さらに長さWBは、長さWLの50%以上であることが好ましい(WB≧0.5×WL)。長さWBを長さWLの50%以上にすることにより、レンズ素子LNSの被写界深度を高めることが可能である。
【0075】
図28は、マイクロレンズの長さ(直径)と円形状開口部の長さ(直径)の関係を示す図である。
【0076】
マイクロレンズの中心及び円形形状開口部の中心は一致していることが好ましい。
図28に示す例では、マイクロレンズの中心及び円形状開口部の中心は、いずれも中心CRである。円形状開口部の端部からマイクロレンズの端部までの距離は、全て方向において等距離である。
【0077】
図28において、マイクロレンズであるレンズLXの第1方向Xに沿う長さをWLX、第2方向Yに沿う長さをWLYとする。円形形状開口部である開口部OPの第1方向Xに沿う長さをWBX、第2方向Yに沿う長さをWBYとする。
【0078】
第1方向X及び第2方向Yそれぞれにおいても、上述と同様に、長さWBXは、長さWLXの50%以上であることが好ましい(WBX≧0.5×WLX)。長さWBYは、長さWLYの50%以上であることが好ましい(WBY≧0.5×WLY)。これにより、レンズ素子LNSの被写界深度を高めることが可能である。
【0079】
マイクロレンズの平面視での形状が真円の場合、長さWLX及び長さWLYは等しい(WLX=WLY)。円形状開口部の平面視での形状が真円の場合、長さWBX及び長さWBYは等しい(WBX=WBY)。ただし、マイクロレンズ及び円形状開口部の平面視での形状が真円でなくても、第1方向X及び第2方向Yそれぞれにおいて、開口部OPの長さがレンズLXの長さの50%以上であることが好ましい。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0080】
<構成例4>
図29は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
図29に示す構成例は、バリア素子の形状の一例を示している。
図29に示すバリア素子BRRは、遮光層LBを有しており、遮光層LBが設けられていない領域が開口部OPである。
図29に示すバリア素子BRRは、
図24と同様に、開口部OPが複数のスリットを有している。
【0081】
図30は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
図30に示す構成例は、
図29に示す構成例と比較して、開口部に隣接する遮光層の境界領域が、ハーフトーン処理されている、という点で異なっている。
【0082】
図30において、遮光層LBは、開口部OPに隣接する領域LB2及び開口部OPに隣接しない領域LB1を有している。領域LB2は、開口部OP及び領域LB1との間に設けられている。なお領域LB1及び領域LB2を、それぞれ、第1領域及び第2領域ともいう。
【0083】
領域LB2は、ハーフトーン処理されており、透過率が領域LB1よりも高い。ハーフトーン処理されている領域LB2も含めて、1つのレンズLXに対する領域LB2及び開口部OPの透過率は、50%以上であることが好ましい。
【0084】
領域LB2において、ハーフトーン処理は一様にされていてもよいし、段階的にされていてもよい。すなわち、領域LB2の透過率は、一定であってもよいし、段階的であってもよい。領域LB2の透過率が段階的である場合は、開口部OPに近づくにつれ、透過率が上昇すればよい。以下に領域LB2の透過率が段階的に変化する例について説明する。
【0085】
図31は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
図31に示す構成例は、
図29に示す構成例と比較して、開口部に隣接する遮光層の境界領域に、段階的に透過率が変化するパターンを有している、という点で異なっている。
図31に示す表示装置DSPは、
図30に示す表示装置DSPの一例である。
【0086】
図31において、遮光層LBは、開口部OPに隣接する領域LB2及び開口部OPに隣接しない領域LB1を有している。領域LB2は、開口部OP及び領域LB1との間に設けられている。
【0087】
領域LB2には、領域LB1から第1方向Xに沿って延伸する、複数の三角形状の遮光パターンPTが設けられている。複数の三角形状の遮光パターンPTは、それぞれ、開口部OPに近づくにつれ、第2方向Yに沿う長さ(幅)が小さくなる。
【0088】
隣り合う2つの遮光パターンPT間の距離を、遮光パターンPTのピッチとする。遮光パターンPTのピッチは、画素PXのピッチ以下であることが好適である。これにより、遮光パターンPTが視認されなくなる。
図31においても、1つのレンズLXに対する領域LB2及び開口部OPの透過率は、50%以上であることが好ましい。
【0089】
図32は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
図32に示す構成例は、
図31に示す構成例と比較して、パターンがストライプ形状を有し、その幅が変化する、という点で異なっている。
図32に示す表示装置DSPは、
図30に示す表示装置DSPの一例である。
【0090】
図32に示す領域LB2は、第1方向Xに沿って延伸する、複数のストライプ形状の遮光パターンPTを有している。複数のストライプ形状の遮光パターンPTは、第1方向Xに沿って並んで配置されている。複数のストライプ形状の遮光パターンPTそれぞれの第1方向Xに沿う長さ(幅)は、開口部OPに近づくにつれ、短くなる。遮光パターンPTそれぞれの幅は、領域LB1に近づくほど長くなる。
【0091】
図33は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
図33に示す構成例は、
図31に示す構成例と比較して、パターンが円形状であり、パターンの直径が変化する、という点で異なっている。
図33に示す表示装置DSPは、
図30に示す表示装置DSPの一例である。
【0092】
図33に示す領域LB2は、複数の円形状の遮光パターンPTを有している。複数の円形状の遮光パターンPTのピッチは、領域LB2内で全て同じである。複数の円形状の遮光パターンPTそれぞれの直径は、開口部OPに近づくにつれ短くなり、領域LB1に近づくにつれ長くなる。
【0093】
図34は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す平面図である。
図34に示す構成例は、
図33に示す構成例と比較して、遮光パターンと同様に、開口パターンの直径が変化する、という点で異なっている。
図34に示す表示装置DSPは、
図30に示す表示装置DSPの一例である。
【0094】
図34に示す領域LB2には、遮光材料により形成される遮光パターンPT1と、遮光材料が設けられていない領域である開口パターンPT2が設けられている。遮光パターンPT1は、
図31乃至
図33に示す遮光パターンPTと同じものである。
【0095】
複数の遮光パターンPT1は、複数の円形状のパターンである。遮光パターンPT1のピッチは、領域LB2内で全て同じである。複数の遮光パターンPT1それぞれの直径は、開口部OPに近づくにつれ短くなり、領域LB1に近づくにつれ長くなる。
【0096】
複数の開口パターンPT2は、複数の円形状のパターンである。開口パターンPT2のピッチは、領域LB2内で全て同じである。複数の開口パターンPT2それぞれの直径は、開口部OPに近づくにつれ長くなり、領域LB1に近づくにつれ短くなる。
【0097】
複数の遮光パターンPT1それぞれは、複数の開口パターンPT2のそれぞれと隣り合っている。すなわち、複数の遮光パターンPT1それぞれ及び複数の開口パターンPT2それぞれは、第1方向X及び第2方向Yの両方において、互い違いに配置されている。
【0098】
図34に示す遮光パターンPT1及び開口パターンPT2は、円形状のパターンであるが、本発明はこれに限定されない。遮光パターンPT1及び開口パターンPT2は、例えば、三角形形状や四角形形状等の多角形形状であってもよい。
【0099】
図31乃至
図34に示す例は、
図30に示す例のうち、領域LB2の透過率が段階的に変化する例を示している。
図30において、領域LB2の透過率が一様な場合では、
図31乃至
図34それぞれに示した形状の遮光パターンPT(
図34においては開口パターンPT2も含む)が、一様に設けられていればよい。例えば、領域LB2中に、同じ直径を有する複数の円形状のパターンが設けられていることが挙げられる。
本構成例においても、実施形態と同様の構成を有する。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
BA…基材、BRR…バリア素子、DMY…ダミーレンズ、DSP…表示装置、LB…遮光層、LB1…領域、LB2…領域、LNS…レンズ素子、LX…レンズ、OP…開口部、PNL…表示パネル、PT…遮光パターン、PT1…遮光パターン、PT2…開口パターン、PX…画素、TLN…距離、TMB…透明部材、WLN…幅。