(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075176
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】計測方法、計測システムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20240527BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240527BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240527BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20240527BHJP
G06T 7/521 20170101ALN20240527BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/00 530H
G09G5/37 300
G09G5/00 X
G03B21/14 Z
G06T7/521
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186428
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仙敷 大樹
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
5L096
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203FA64
2K203FA82
2K203FA93
2K203FB03
2K203GC22
2K203KA44
2K203KA56
2K203MA23
5C058BA27
5C058BA35
5C058BB25
5C058EA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA29
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CB12
5C182CB23
5C182CB42
5C182CB44
5C182CC26
5C182DA70
5L096AA09
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA12
5L096FA38
5L096FA69
(57)【要約】 (修正有)
【課題】同一平面に含まれる複数の点の座標を変換するための三次元射影変換行列を生成する。
【解決手段】平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、第1の座標系において、複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、第2の座標系において、複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、第1座標情報と、第2座標情報と、第3座標情報と、第4座標情報と、に基づいて、第2の座標系における複数の第1の点の座標を第1の座標系における複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、を含む。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、前記第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、
前記複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、
前記第1の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、
前記第2の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、
前記第1座標情報と、前記第2座標情報と、前記第3座標情報と、前記第4座標情報と、に基づいて、前記第2の座標系における前記複数の第1の点の座標を前記第1の座標系における前記複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、
前記三次元射影変換行列に基づいて、前記スクリーンに含まれる四つの設定点の前記第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、
前記第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、前記第3座標情報および前記第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、前記第1の更新の結果に基づいて前記三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、前記第2の更新によって更新された前記三次元射影変換行列に基づいて前記第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、
を含み、
前記四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、
前記四つの設定点のうちの少なくとも一つは、前記第2の面に含まれる、
計測方法。
【請求項2】
撮像装置を制御することで、前記第1領域を含む範囲を撮像した撮像画像を取得することを更に含み、
前記第1座標情報および前記第2座標情報の少なくとも一方は、前記撮像画像に基づいて生成される、
請求項1に記載の計測方法。
【請求項3】
前記第2の点は、前記第1の座標系において、前記撮像装置の位置を示す点と、前記複数の第1の点を含む平面に含まれる第4の点と、を結ぶ第1の直線上に位置し、
前記第3の点は、前記第2の座標系において、前記撮像装置の位置を示す点と、前記複数の第1の点を含む平面に含まれる点であって、前記第4の点と対応する第5の点と、を結ぶ第2の直線上に位置する、
請求項2に記載の計測方法。
【請求項4】
前記第1の更新が前記第3座標情報を更新することを含む場合、前記第3座標情報を更新することは、前記第2の点の座標を、前記第1の直線上の他の座標へ変更することを含み、
前記第1の更新が前記第4座標情報を更新することを含む場合、前記第4座標情報を更新することは、前記第3の点の座標を、前記第2の直線上の他の座標へ変更することを含む、
請求項3に記載の計測方法。
【請求項5】
前記第5座標情報を生成することは、前記スクリーンに画像を投射する投射装置から、前記四つの設定点と一対一で対応する四つの第6の点を含む第1のパターン画像を投射させることで、前記スクリーン上に第1投射画像を表示させることを含み、
前記四つの設定点は、前記第1投射画像に含まれる、
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の計測方法。
【請求項6】
前記スクリーンに画像を投射する投射装置から、前記複数の第1の点と一対一で対応する複数の第7の点を含む第2のパターン画像を投射させることで、前記スクリーン上に第2投射画像を表示させることを更に含み、
前記撮像画像は、前記複数の第1の点と一対一で対応する複数の第8の点を含み、
前記第1座標情報および前記第2座標情報のどちらか一方は、前記撮像画像と、前記第2のパターン画像と、に基づいて生成される、
請求項2から請求項4のうちのいずれか一項に記載の計測方法。
【請求項7】
前記第1座標情報を生成することは、第1レンズを備え、前記第1レンズに関する内部パラメーターが既知である第1の装置に入力された画像および前記第1の装置から出力される画像のいずれか一方である第1の画像と、第2レンズを備え、前記第2レンズに関する内部パラメーターが既知である第2の装置に入力された画像および前記第2の装置から出力される画像のいずれか一方である第2の画像と、に基づいて、前記第1座標情報を生成することを含み、
前記第2座標情報を生成することは、第3レンズを備え、前記第3レンズに関する内部パラメーターが未知である第3の装置に入力された画像および前記第3の装置から出力される画像のいずれか一方である第3の画像と、前記第1の画像と、に基づいて、前記第2座標情報を生成することを含み、
前記第1の装置、前記第2の装置および前記第3の装置のうちの少なくとも一つは、前記スクリーンを撮像する撮像装置である、
請求項1に記載の計測方法。
【請求項8】
平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、前記第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、
前記複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、
前記第1の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、
前記第2の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、
前記第1座標情報と、前記第2座標情報と、前記第3座標情報と、前記第4座標情報と、に基づいて、前記第2の座標系における前記複数の第1の点の座標を前記第1の座標系における前記複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、
前記三次元射影変換行列に基づいて、前記スクリーンに含まれる四つの設定点の前記第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、
前記第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、前記第3座標情報および前記第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、前記第1の更新の結果に基づいて前記三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、前記第2の更新によって更新された前記三次元射影変換行列に基づいて前記第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、
を実行する処理装置を備え、
前記四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、
前記四つの設定点のうちの少なくとも一つは、前記第2の面に含まれる、
計測システム。
【請求項9】
平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、前記第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、
前記複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、
前記第1の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、
前記第2の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、
前記第1座標情報と、前記第2座標情報と、前記第3座標情報と、前記第4座標情報と、に基づいて、前記第2の座標系における前記複数の第1の点の座標を前記第1の座標系における前記複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、
前記三次元射影変換行列に基づいて、前記スクリーンに含まれる四つの設定点の前記第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、
前記第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、前記第3座標情報および前記第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、前記第1の更新の結果に基づいて前記三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、前記第2の更新によって更新された前記三次元射影変換行列に基づいて前記第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、
を実行する処理装置を備え、
前記四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、
前記四つの設定点のうちの少なくとも一つは、前記第2の面に含まれる、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測方法、計測システムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体に画像を投射する技術、および、物体を撮像することで撮像画像を取得する技術等において、座標変換のための行列演算が広く実施されている。当該行列演算は、具体的には、パノラマ画像の生成、投射装置によって表示された投射画像の形状および表示位置の補正、カメラの校正、並びに、物体の三次元形状の計測等に利用されている。
【0003】
特許文献1には、二次元空間から二次元空間への変換であるホモグラフィ変換を実施するためのホモグラフィ変換行列を生成する情報処理装置が開示されている。更に、当該情報処理装置は、三次元空間から三次元空間への三次元射影変換を実施するための三次元射影変換行列を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
三次元射影変換行列は、複数の点の座標に基づいて算出される。しかしながら、当該複数の点が同一平面上に存在する場合、計算の性質上、三次元射影変換行列は正しく推定されないことが知られている。特許文献1の情報処理装置は、三次元射影変換行列の算出に用いられる複数の点の平面性を判定し、当該複数の点が平面性を有していると判定された場合には、三次元射影変換行列の算出に係る処理を中断する。このため、当該情報処理装置は、同一平面上に存在する複数の点の座標を変換する三次元射影変換行列を生成することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る計測方法の一態様は、平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、第1の座標系において、複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、第2の座標系において、複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、第1座標情報と、第2座標情報と、第3座標情報と、第4座標情報と、に基づいて、第2の座標系における複数の第1の点の座標を第1の座標系における複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、三次元射影変換行列に基づいて、スクリーンに含まれる四つの設定点の第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、第3座標情報および第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、第1の更新の結果に基づいて三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、第2の更新によって更新された三次元射影変換行列に基づいて第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、を含み、四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、四つの設定点のうちの少なくとも一つは、第2の面に含まれる。
【0007】
本発明に係る計測システムの一態様は、平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、第1の座標系において、複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、第2の座標系において、複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、第1座標情報と、第2座標情報と、第3座標情報と、第4座標情報と、に基づいて、第2の座標系における複数の第1の点の座標を第1の座標系における複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、三次元射影変換行列に基づいて、スクリーンに含まれる四つの設定点の第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、第3座標情報および第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、第1の更新の結果に基づいて三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、第2の更新によって更新された三次元射影変換行列に基づいて第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、を実行する処理装置を備え、四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、四つの設定点のうちの少なくとも一つは、第2の面に含まれる。
【0008】
本発明に係る情報処理装置の一態様は、平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、第1の座標系において、複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、第2の座標系において、複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、第1座標情報と、第2座標情報と、第3座標情報と、第4座標情報と、に基づいて、第2の座標系における複数の第1の点の座標を第1の座標系における複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、三次元射影変換行列に基づいて、スクリーンに含まれる四つの設定点の第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、第3座標情報および第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、第1の更新の結果に基づいて三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、第2の更新によって更新された三次元射影変換行列に基づいて第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、を実行する処理装置を備え、四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、四つの設定点のうちの少なくとも一つは、第2の面に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】投射画像GP1が表示される様子を図示した模式図である。
【
図2】投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。
【
図3】投射画像GP3が表示される様子を図示した模式図である。
【
図4】実施形態に係る計測システムSysの構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係る記憶装置10の構成を示すブロック図である。
【
図6】第1投射画像情報103の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図7】第1撮像画像情報106の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図8】第2撮像画像情報107の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図9】第2投射画像情報104の示す画像の一例を図示した模式図である。
【
図10】第2投射画像情報104の示す画像の他の例を図示した模式図である。
【
図11】座標系FYにおける複数の点の位置関係を模式的に示した説明図である。
【
図12】座標系FXにおける複数の点の位置関係を模式的に示した説明図である。
【
図13】第5座標情報115の示す複数の点の座標について説明するための模式図である。
【
図14】実施形態に係る計測システムSysの動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と異なる場合があり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0011】
1.実施形態
実施形態では、物体を撮像することで得られる撮像画像等の二次元の画像を用いて、当該物体の三次元形状を計測する、換言すれば、当該物体の表面上に位置する複数の点の三次元座標を取得する計測システムを例示して、本発明に係る計測方法、計測システムおよび情報処理装置について説明する。実施形態に係る計測システムは、平面上に位置する複数の点の三次元座標を変換するための三次元射影変換行列を生成し、生成した三次元射影変換行列を用いて、物体の形状を計測する。
【0012】
二次元の画像を用いて物体の表面上に位置する点の三次元座標を取得する場合、当該点の三次元座標を取得するために用いられる装置に由来するパラメーターを示す「内部パラメーター」と、当該装置の位置や姿勢に由来するパラメーターを示す「外部パラメーター」とが必要となる。本明細書において、二次元の画像を用いた物体の三次元形状の計測に用いられる装置の中に、内部パラメーターが未知の装置が含まれる場合、当該計測の方法を「射影復元」と称する。また、二次元の画像を用いた物体の三次元形状の計測に用いられる装置の中に、内部パラメーターが未知の装置が含まれない場合、換言すれば、当該計測に用いられるすべての装置の内部パラメーターが既知の場合、当該計測の方法を「ユークリッド復元」と称する。
【0013】
また、射影復元による物体の三次元形状の計測結果、換言すれば、射影復元によって取得された物体の表面上に位置する点の三次元座標を「射影復元結果」と称する。「射影復元結果」の示す点の三次元座標は、射影変換の不定性が含まれる。このため、射影復元によって得られた物体の形状は、実物と異なる場合がある。また、ユークリッド復元による物体の三次元形状の計測結果、換言すれば、ユークリッド復元によって取得された物体の表面上に位置する点の三次元座標を「ユークリッド復元結果」と称する。「ユークリッド復元結果」の示す点の三次元座標は、射影変換の不定性が含まれない、もしくは、射影変換の不定性を無視できる。すなわち、ユークリッド復元によって得られた物体の形状は、実物と相似な形状となる。また、物体の三次元形状の計測によって取得された点の三次元座標において、射影変換の不定性が含まれない場合、もしくは、射影変換の不定性を無視できる場合、当該点の三次元座標は「ユークリッド復元結果」であると見做す。
【0014】
1.1.計測システムの概要
以下、
図1~
図3を参照しつつ、実施形態に係る計測システムSysの概要について説明する。
図1は、投射画像GP1が表示される様子を図示した模式図である。
図2は、投射画像GP2が表示される様子を図示した模式図である。
図3は、投射画像GP3が表示される様子を図示した模式図である。
【0015】
計測システムSysは、プロジェクター1と、プロジェクター2とを含む。プロジェクター1は、プロジェクター2と通信可能に接続され、各種情報の送受信を行う。プロジェクター1は、撮像装置14と、投射装置16とを備える。プロジェクター2は、撮像装置24と、投射装置26とを備える。
【0016】
投射装置16および投射装置26は、スクリーンSC1に画像を投射することで、スクリーンSC1上に投射画像を表示する。また、投射装置16および投射装置26は、内部パラメーターが未知である。
【0017】
スクリーンSC1は、面SC11と、面SC12と、面SC13とを含む。面SC11は、平面である。面SC12および面SC13は、曲面である。より正確には、面SC12および面SC13は、柱面である。なお、投射装置16によって表示される投射画像の少なくとも一部は、面SC11上に表示される。
【0018】
撮像装置14は、投射装置16によってスクリーンSC1上に表示された投射画像の少なくとも一部を含む範囲を撮像する。具体的には、撮像装置14は、投射装置16によって面SC11上に表示された投射画像の少なくとも一部を含む範囲を撮像する。また、撮像装置14は、投射装置26によってスクリーンSC1上に表示された投射画像の少なくとも一部を含む範囲を撮像する。また、撮像装置14は、内部パラメーターが既知である。
【0019】
撮像装置24は、スクリーンSC1の領域R2を含む範囲を撮像する。領域R2は、面SC11の一部と、面SC13の一部とを含む。また、撮像装置24は、投射装置16によってスクリーンSC1上に表示された投射画像の少なくとも一部を含む範囲を撮像する。具体的には、撮像装置24は、投射装置16によって面SC11上に表示された投射画像の少なくとも一部を含む範囲を撮像する。また、撮像装置24は、投射装置26によってスクリーンSC1上に表示された投射画像の少なくとも一部を含む範囲を撮像する。また、撮像装置24は、内部パラメーターが既知である。なお、撮像装置14の撮像範囲の少なくとも一部と、撮像装置24の撮像範囲の少なくとも一部とは、面SC11において重畳する。換言すれば、撮像装置14の撮像範囲と、撮像装置24の撮像範囲との重畳部分は、面SC11に含まれる。
【0020】
投射装置16は、スクリーンSC1に後述する画像GF1を投射することで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示する。撮像装置14は、投射画像GP1が表示されたスクリーンSC1の領域R1を含む範囲を撮像する。領域R1は、面SC11の一部と、面SC12の一部とを含む。なお、領域R1の一部と、領域R2の一部とは、領域R3において重畳する。換言すれば、領域R1および領域R2は、領域R3を含む。すなわち、領域R3には、投射画像GP1の一部が表示される。また、領域R3は、面SC11に含まれる。撮像装置24は、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R2を含む範囲を撮像する。
【0021】
投射画像GP1は、面SC11と、面SC12とに跨って表示される。投射画像GP1は、複数の点を含む。また、当該複数の点は、複数の点DP1を含む。複数の点DP1は、面SC11の領域R3に含まれる。
【0022】
投射装置16は、スクリーンSC1に後述する画像GF2を投射することで、スクリーンSC1上に投射画像GP2を表示する。投射画像GP2は、投射画像GP1と同様、スクリーンSC1の領域R1に表示される。投射画像GP2は、点DP21と、点DP22と、点DP23と、点DP24とを含む。なお、点DP23および点DP24は、面SC12上に表示される。換言すれば、点DP23および点DP24は、面SC12に含まれる。
【0023】
計測システムSysのユーザーは、投射画像GP2に含まれる点DP21~DP24の位置を調整する操作を実行することで、点DP21~DP24を頂点とする四角形の形状を長方形に調整する。以下、投射画像GP2に含まれる点DP21~DP24の位置を調整する操作を「位置調整操作」と称する。プロジェクター1は、ユーザーから、点DP21~DP24を頂点とする四角形の形状を長方形に調整するための位置調整操作を受け付ける。なお、位置調整操作が実行される間、ユーザーは、例えば、所謂レーザー墨出し器を用いて、点DP21~DP24の位置調整を補助するためのガイドラインを表示してもよい。これにより、ユーザーは、点DP21~DP24の位置を、容易かつ正確に調整することができる。
【0024】
ユーザーが位置調整操作を実行することで、点DP21~DP24を頂点とする四角形の形状を長方形に調整した場合、投射装置16は、スクリーンSC1に後述する画像GF3を投射することで、スクリーンSC1上に投射画像GP3を表示する。投射画像GP3は、投射画像GP1および投射画像GP2と同様、スクリーンSC1の領域R1に表示される。プロジェクター1は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、投射画像GP2を投射画像GP3へ更新する。
【0025】
投射画像GP3は、点DP31と、点DP32と、点DP33と、点DP34とを含む。プロジェクター1は、位置調整操作に基づいて、点DP21を点DP31へ移動する。換言すれば、点DP31は、点DP21の位置が調整された結果を表す点である。同様に、プロジェクター1は、位置調整操作に基づいて、点DP22を点DP32へ、点DP23を点DP33へ、点DP24を点DP34へ、それぞれ移動する。すなわち、点DP31~DP34を頂点とする四角形は、長方形となる。なお、点DP31および点DP32は、面SC11上に表示される。また、点DP33および点DP34は、面SC12上に表示される。換言すれば、点DP31および点DP32は、面SC11に含まれる。また、点DP33および点DP34は、面SC12に含まれる。
【0026】
プロジェクター1は、内部パラメーターが既知である撮像装置14によって取得された撮像画像と、内部パラメーターが既知である撮像装置24によって取得された撮像画像とに基づいて、領域R3のユークリッド復元結果を取得する。また、プロジェクター1は、撮像装置14によって取得された撮像画像と、内部パラメーターが未知である投射装置16から投射される画像GF1とに基づいて、領域R1の射影復元結果を取得する。なお、領域R1の射影復元結果は、領域R3の射影復元結果を含む。また、領域R1の射影復元結果は、点DP31~DP34の座標を示す。
【0027】
プロジェクター1は、領域R3のユークリッド復元結果と、領域R1の射影復元結果とに基づいて、領域R3の射影復元結果を領域R3のユークリッド復元結果へ変換する三次元射影変換行列を生成する。なお、前述の通り、三次元射影変換行列は複数の点の座標に基づいて算出されるが、当該複数の点が同一平面上に存在する場合は正しく算出されない。領域R3は平面である面SC11に含まれることから、プロジェクター1は、面SC11およびその延長上に含まれない仮想的な点を設定し、当該仮想的な点の座標と、領域R3のユークリッド復元結果と、領域R1の射影復元結果とに基づいて、領域R3の射影復元結果を領域R3のユークリッド復元結果へ変換する三次元射影変換行列を生成する。すなわち、プロジェクター1は、領域R3の射影復元結果を領域R3のユークリッド復元結果へ変換する三次元射影変換行列を生成する場合に用いられる複数の点の座標を、同一平面上に存在しない複数の点の座標とすることで、当該三次元射影変換行列を生成することができる。
【0028】
また、プロジェクター1は、当該三次元射影変換行列を用いて領域R1の射影復元結果を変換する。すなわち、プロジェクター1は、射影復元によって得られた点DP31~DP34の座標を、当該三次元射影変換行列を用いて変換する。
【0029】
プロジェクター1は、三次元射影変換行列を用いて変換された点DP31~DP34の座標が所定の条件を充足するまで、三次元射影変換行列を更新し、更新された三次元射影変換行列を用いて、射影復元によって得られた点DP31~DP34の座標を変換する。三次元射影変換行列を用いて変換された点DP31~DP34の座標が所定の条件を充足する場合、当該三次元射影変換行列は、領域R1の射影復元結果を、領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができる。
【0030】
すなわち、計測システムSysは、内部パラメーターが既知である撮像装置14と、内部パラメーターが既知である撮像装置24と、内部パラメーターが未知である投射装置16とを用いて、投射装置16の内部パラメーターを把握するための校正作業を実施することなく、スクリーンSC1における領域R1のユークリッド復元結果を取得することができる。換言すれば、計測システムSysは、内部パラメーターが既知である撮像装置14と、内部パラメーターが既知である撮像装置24と、内部パラメーターが未知である投射装置16とを用いることで、撮像装置14の撮像範囲と、撮像装置24の撮像範囲との両方に含まれる領域R3のユークリッド復元結果に加えて、撮像装置24の撮像範囲外である、領域R3を除いた領域R1のユークリッド復元結果を取得することができる。
【0031】
1.2.計測システムの構成および機能
以下、
図4~
図13を参照しつつ、実施形態に係る計測システムSysの構成および機能について説明する。
【0032】
図4は、実施形態に係る計測システムSysの構成を示すブロック図である。計測システムSysは、前述の通り、プロジェクター1と、プロジェクター2とを含む。
【0033】
プロジェクター1は、各種情報を記憶する記憶装置10と、計測システムSysの動作を制御する処理装置12と、物体の三次元形状を計測するために用いられる撮像画像を取得する撮像装置14と、投射面に画像を投射する投射装置16と、プロジェクター2との間で各種情報の送受信を行う通信装置18と、ユーザーからの入力操作を受け付ける操作装置30とを備える。処理装置12は、投射制御部120と、撮像制御部121と、画像解析部122と、三次元座標管理部123と、入力管理部124と、画像編集部125としての機能を有する。撮像装置14は、集光のための撮像レンズ142と、撮像レンズ142によって集光された光を電気信号に変換することで撮像画像を生成する撮像素子140とを備える。投射装置16は、不図示の光源と、当該光源から発せられた光を、投射面上に投射画像を表示するための投射光に変調する光変調器160と、光変調器160によって変調された投射光を投射面に投射する投射レンズ162とを備える。
【0034】
プロジェクター2は、物体の三次元形状を計測するために用いられる撮像画像を取得する撮像装置24と、投射面に画像を投射する投射装置26とを備える。撮像装置24は、集光のための撮像レンズ242と、撮像レンズ242によって集光された光を電気信号に変換することで撮像画像を生成する撮像素子240とを備える。投射装置26は、不図示の光源と、当該光源から発せられた光を、投射面上に投射画像を表示するための投射光に変調する光変調器260と、光変調器260によって変調された投射光を投射面に投射する投射レンズ262とを備える。
【0035】
記憶装置10は、例えば、RAM等の揮発性メモリーおよびROM等の不揮発性メモリーを含んで構成される。ここで、RAMとは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMとは、Read Only Memoryの略称である。
【0036】
図5は、実施形態に係る記憶装置10の構成を示すブロック図である。記憶装置10の有する不揮発性メモリーは、プロジェクター1の動作を規定するプログラム100と、領域R3の射影復元結果を領域R3のユークリッド復元結果へ変換する三次元射影変換行列101と、投射面上に投射される画像を表す投射画像情報102と、三次元形状の計測対象となる物体を撮像した結果を表す撮像画像情報105と、撮像画像情報105の示す撮像画像を用いて物体の三次元形状を計測した結果を表す三次元座標情報110と、各種画像に含まれる点の座標を表す二次元座標情報130と、光変調器160の備える複数の画素および撮像素子140の備える複数の画素の対応関係を示す関係情報116とを記憶する。
【0037】
投射画像情報102は、投射画像GP1が表示される場合に投射される画像を表す第1投射画像情報103と、投射画像GP2または投射画像GP3が表示される場合に投射される画像を表す第2投射画像情報104とを含む。
【0038】
撮像画像情報105は、撮像装置14によって取得された撮像画像を表す第1撮像画像情報106と、撮像装置24によって取得された撮像画像を表す第2撮像画像情報107とを含む。
【0039】
三次元座標情報110は、領域R3のユークリッド復元結果を表す第1座標情報111と、領域R1の射影復元結果を表す第2座標情報112と、面SC11およびその延長上に含まれない仮想的な点の座標を表す第3座標情報113および第4座標情報114と、射影復元によって得られた点DP31~DP34の座標が三次元射影変換行列101によって変換された結果を表す第5座標情報115とを含む。なお、説明の便宜上、三次元座標情報110の示す複数の点の座標を表す場合に用いられる座標系は、撮像装置14の位置を示す点を原点とする。
【0040】
二次元座標情報130は、第1撮像画像情報106の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第6座標情報131と、第2撮像画像情報107の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第7座標情報132と、第1投射画像情報103の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第8座標情報133と、第2投射画像情報104の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第9座標情報134とを含む。
【0041】
記憶装置10の有する揮発性メモリーは、プログラム100を実行する際のワークエリアとして処理装置12によって利用される。
【0042】
なお、記憶装置10の一部または全部は、外部記憶装置または外部サーバー等に設けられてもよい。また、記憶装置10に記憶される各種情報の一部または全部は、予め記憶装置10に記憶されてもよいし、外部記憶装置または外部サーバー等から取得されてもよい。
【0043】
図6は、第1投射画像情報103の示す画像の一例を図示した模式図である。本実施形態において、第1投射画像情報103は、画像GF1を表す。プロジェクター1は、第1投射画像情報103に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示させる。換言すれば、プロジェクター1は、投射装置16から画像GF1を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示させる。
【0044】
画像GF1は、複数の点を含む。また、当該複数の点は、複数の点DF1を含む。複数の点DF1は、投射画像GP1に含まれる複数の点DP1と一対一で対応する。
図6において、複数の点DF1は、破線で囲われた範囲内に含まれる点である。
【0045】
図7は、第1撮像画像情報106の示す画像の一例を図示した模式図である。本実施形態において、第1撮像画像情報106は、撮像画像GS1を表す。撮像装置14は、投射画像GP1が表示されたスクリーンSC1の領域R1を含む範囲を撮像することで、撮像画像GS1を取得する。換言すれば、撮像装置14は、投射画像GP1が表示されたスクリーンSC1の領域R1を含む範囲を撮像することで、撮像画像GS1を表す第1撮像画像情報106を生成する。
【0046】
撮像画像GS1は、画像GS11を含む。画像GS11は、スクリーンSC1の一部を示す画像である。画像GS11は、画像GS111と、画像GS112とからなる。画像GS111は、面SC11の少なくとも一部を示す画像である。画像GS112は、面SC12の少なくとも一部を示す画像である。画像GS11は、画像GV1を含む。画像GV1は、投射画像GP1を示す画像である。画像GV1は、画像GV11と、画像GV12とからなる。画像GV11は、面SC11上に表示された投射画像GP1の一部を示す画像である。画像GV11は、画像GS111に含まれる。画像GV12は、面SC12上に表示された投射画像GP1の一部を示す画像である。画像GV12は、画像GS112に含まれる。
【0047】
画像GV1は、複数の点を含む。また、当該複数の点は、複数の点DV1を含む。複数の点DV1は、投射画像GP1に含まれる複数の点DP1と一対一で対応する。また、複数の点DV1は、画像GF1に含まれる複数の点DF1と一対一で対応する。
図7において、複数の点DV1は、破線で囲われた範囲内に含まれる点である。
【0048】
図8は、第2撮像画像情報107の示す画像の一例を図示した模式図である。本実施形態において、第2撮像画像情報107は、撮像画像GS2を表す。撮像装置24は、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R2を含む範囲を撮像することで、撮像画像GS2を取得する。換言すれば、撮像装置24は、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R2を含む範囲を撮像することで、撮像画像GS2を表す第2撮像画像情報107を生成する。
【0049】
撮像画像GS2は、画像GS21を含む。画像GS21は、スクリーンSC1の一部を示す画像である。画像GS21は、画像GS211と、画像GS213とからなる。画像GS211は、面SC11の少なくとも一部を示す画像である。画像GS213は、面SC13の少なくとも一部を示す画像である。画像GS211は、画像GV21を含む。画像GV21は、領域R3に表示された投射画像GP1の一部を示す画像である。
【0050】
画像GV21は、複数の点DV2を含む。複数の点DV2は、投射画像GP1に含まれる複数の点DP1と一対一で対応する。また、複数の点DV2は、画像GF1に含まれる複数の点DF1と一対一で対応する。また、複数の点DV2は、撮像画像GS1に含まれる複数の点DV1と一対一で対応する。
図8において、複数の点DV2は、破線で囲われた範囲内に含まれる点である。
【0051】
図9は、第2投射画像情報104の示す画像の一例を図示した模式図である。例えば、第2投射画像情報104は、画像GF2を表す。プロジェクター1は、第2投射画像情報104に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP2を表示させる。換言すれば、プロジェクター1は、投射装置16から画像GF2を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP2を表示させる。
【0052】
画像GF2は、点DF21と、点DF22と、点DF23と、点DF24とを含む。点DF21は、点DP21と対応する。点DF22は、点DP22と対応する。点DF23は、点DP23と対応する。点DF24は、点DP24と対応する。
【0053】
図10は、第2投射画像情報104の示す画像の他の例を図示した模式図である。具体的には、
図10は、スクリーンSC1に投射画像GP2が表示された状態で、プロジェクター1がユーザーから位置調整操作を受け付けた場合の、第2投射画像情報104の示す画像を図示した模式図である。換言すれば、
図10は、位置調整操作に基づいて更新された第2投射画像情報104の示す画像を図示した模式図である。位置調整操作に基づいて更新された第2投射画像情報104は、画像GF3を表す。プロジェクター1は、位置調整操作に基づいて更新された第2投射画像情報104に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP3を表示させる。換言すれば、プロジェクター1は、投射装置16から画像GF3を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP3を表示させる。
【0054】
画像GF3は、点DF31と、点DF32と、点DF33と、点DF34とを含む。点DF31は、位置調整操作に基づいて、点DF21の位置が調整された結果を表す点である。点DF31は、点DP31と対応する。点DF32は、位置調整操作に基づいて、点DF22の位置が調整された結果を表す点である。点DF32は、点DP32と対応する。点DF33は、位置調整操作に基づいて、点DF23の位置が調整された結果を表す点である。点DF33は、点DP33と対応する。点DF34は、位置調整操作に基づいて、点DF24の位置が調整された結果を表す点である。点DF34は、点DP34と対応する。
【0055】
図4に戻り、処理装置12は、1または複数のCPUを含んで構成される。但し、処理装置12は、CPUの代わりに、または、CPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを備えるものでもよい。ここで、CPUとはCentral Processing Unitの略称であり、FPGAとはField-Programmable Gate Arrayの略称である。
【0056】
処理装置12は、処理装置12が有するCPU等がプログラム100を実行することで、
図4に示す投射制御部120、撮像制御部121、画像解析部122、三次元座標管理部123、入力管理部124および画像編集部125として機能する。
【0057】
投射制御部120は、投射装置を制御することで、三次元形状の計測対象となる物体の有する投射面に対して、投射画像を表示するための投射光を投射させる。具体的には、投射制御部120は、投射画像情報に基づく投射光を投射装置に投射させることで、当該投射面上に投射画像を表示させる。
【0058】
本実施形態において、投射制御部120は、投射装置16を制御することで、スクリーンSC1に対して投射画像を表示するための投射光を投射させる。具体的には、投射制御部120は、第1投射画像情報103に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示させる。換言すれば、投射制御部120は、投射装置16から、第1投射画像情報103の示す画像GF1を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示させる。
【0059】
また、投射制御部120は、第2投射画像情報104に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP2を表示させる。換言すれば、投射制御部120は、投射装置16から、第2投射画像情報104の示す画像GF2を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP2を表示させる。
【0060】
また、投射制御部120は、位置調整操作に基づいて更新された第2投射画像情報104に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP3を表示させる。換言すれば、投射制御部120は、投射装置16から、位置調整操作に基づいて更新された第2投射画像情報104の示す画像GF3を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP3を表示させる。
【0061】
撮像制御部121は、撮像装置を制御することで、三次元形状の計測対象となる物体を撮像させる。また、撮像制御部121は、当該撮像装置から、当該物体の三次元形状を計測するために用いられる撮像画像を取得する。また、撮像制御部121は、取得した撮像画像を表す撮像画像情報105を記憶装置10に記憶させる。
【0062】
本実施形態において、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1が表示されたスクリーンSC1の領域R1を含む範囲を撮像させる。すなわち、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R3を含む範囲を撮像させる。換言すれば、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1に含まれる複数の点DP1を撮像させる。また、撮像制御部121は、当該撮像の結果を表す撮像画像GS1を取得する。また、撮像制御部121は、撮像画像GS1を表す第1撮像画像情報106を記憶装置10に記憶させる。
【0063】
また、撮像制御部121は、撮像装置24を制御することで、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R2を含む範囲を撮像させる。すなわち、撮像制御部121は、撮像装置24を制御することで、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R3を含む範囲を撮像させる。換言すれば、撮像制御部121は、撮像装置24を制御することで、投射画像GP1に含まれる複数の点DP1を撮像させる。また、撮像制御部121は、当該撮像の結果を表す撮像画像GS2を取得する。また、撮像制御部121は、撮像画像GS2を表す第2撮像画像情報107を記憶装置10に記憶させる。
【0064】
画像解析部122は、各種画像情報の示す画像に対して画像処理を実行することで、当該画像に含まれる点を検出する。すなわち、画像解析部122は、検出された点の座標を表す二次元座標情報130を取得する。また、画像解析部122は、取得した二次元座標情報130を記憶装置10に記憶させる。
【0065】
本実施形態において、画像解析部122は、第1撮像画像情報106の示す撮像画像GS1に対して画像処理を実行することで、撮像画像GS1に含まれる複数の点を検出する。すなわち、画像解析部122は、撮像画像GS1に含まれる複数の点の座標を表す第6座標情報131を取得する。また、画像解析部122は、取得した第6座標情報131を記憶装置10に記憶させる。第6座標情報131は、複数の点DV1の座標を示す。
【0066】
また、画像解析部122は、第2撮像画像情報107の示す撮像画像GS2に対して画像処理を実行することで、撮像画像GS2に含まれる複数の点を検出する。すなわち、画像解析部122は、撮像画像GS2に含まれる複数の点の座標を表す第7座標情報132を取得する。また、画像解析部122は、取得した第7座標情報132を記憶装置10に記憶させる。第7座標情報132は、複数の点DV2の座標を示す。
【0067】
また、画像解析部122は、第1投射画像情報103の示す画像GF1に対して画像処理を実行することで、画像GF1に含まれる複数の点を検出する。すなわち、画像解析部122は、画像GF1に含まれる複数の点の座標を表す第8座標情報133を取得する。また、画像解析部122は、取得した第8座標情報133を記憶装置10に記憶させる。第8座標情報133は、複数の点DF1の座標を示す。
【0068】
点の検出に係る機能において、公知の画像処理技術が用いられてもよい。点の検出に係る公知の画像処理技術として、例えば、テンプレートマッチング、重心検出、および、「AKAZE」と呼ばれるアルゴリズム等が挙げられる。本明細書において、点の検出に係る詳細な技術的説明は省略する。
【0069】
また、画像解析部122は、投射画像情報102と、撮像画像情報105とに基づいて、投射画像情報102の示す画像を投射する投射装置が有する光変調器の備える複数の画素と、撮像画像情報105を生成する撮像装置が有する撮像素子の備える複数の画素との対応関係を示す関係情報を生成する。換言すれば、画像解析部122は、投射画像情報102の示す画像と、撮像画像情報105の示す画像とに基づいて、関係情報を生成する。また、画像解析部122は、生成した関係情報を記憶装置10に記憶させる。
【0070】
本実施形態において、画像解析部122は、第1投射画像情報103と、第1撮像画像情報106とに基づいて、第1投射画像情報103の示す画像GF1を投射する投射装置16が有する光変調器160の備える複数の画素と、第1撮像画像情報106を生成する撮像装置14が有する撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を示す関係情報116を生成する。換言すれば、画像解析部122は、第1投射画像情報103の示す画像GF1と、第1撮像画像情報106の示す撮像画像GS1とに基づいて、関係情報116を生成する。具体的には、画像解析部122は、画像GF1に含まれる複数の点の座標を表す第8座標情報133と、撮像画像GS1に含まれる複数の点の座標を表す第6座標情報131とに基づいて、関係情報116を生成する。また、画像解析部122は、生成した関係情報116を記憶装置10に記憶させる。
【0071】
入力管理部124は、操作装置30を制御することで、ユーザーから受け付けた操作の内容を表す操作データを取得する。また、入力管理部124は、取得した操作データに基づいて、各種判定を実行する。
【0072】
本実施形態において、入力管理部124は、ユーザーから受け付けた位置調整操作の内容を表す操作データを取得する。
【0073】
また、入力管理部124は、ユーザーから、点DP21~DP24の位置調整を終了する操作の内容を表す操作データを取得したか否かを判定する。
【0074】
画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、投射画像情報102を更新する。換言すれば、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、投射画像情報102の示す画像を更新する。また、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、投射画像情報102の示す画像に含まれる点の座標を表す二次元座標情報130を更新する。
【0075】
本実施形態において、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、第2投射画像情報104を更新する。換言すれば、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、第2投射画像情報104の示す画像を更新する。具体的には、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、画像GF2を画像GF3へ更新する。すなわち、位置調整操作に基づいて更新された第2投射画像情報104は、画像GF3を表す。また、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、第2投射画像情報104の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第9座標情報134を更新する。位置調整操作に基づいて更新された第9座標情報134は、画像GF3に含まれる点DF31~DF34の座標を示す。
【0076】
三次元座標管理部123は、各種画像情報の示す画像に基づいて、物体の三次元形状を計測した結果を表す三次元座標情報110を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した三次元座標情報110を記憶装置10に記憶させる。
【0077】
本実施形態において、三次元座標管理部123は、内部パラメーターが既知である撮像装置14によって取得された撮像画像GS1と、内部パラメーターが既知である撮像装置24によって取得された撮像画像GS2とに基づいて、領域R3のユークリッド復元結果を表す第1座標情報111を生成する。具体的には、三次元座標管理部123は、撮像画像GS1に含まれる複数の点の座標を表す第6座標情報131と、撮像画像GS2に含まれる複数の点の座標を表す第7座標情報132とに基づいて、第1座標情報111を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第1座標情報111を記憶装置10に記憶させる。
【0078】
また、三次元座標管理部123は、内部パラメーターが既知である撮像装置14によって取得された撮像画像GS1と、内部パラメーターが未知である投射装置16から投射される画像GF1とに基づいて、領域R1の射影復元結果を表す第2座標情報112を生成する。具体的には、三次元座標管理部123は、撮像画像GS1に含まれる複数の点の座標を表す第6座標情報131と、画像GF1に含まれる複数の点の座標を表す第8座標情報133とに基づいて、第2座標情報112を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第2座標情報112を記憶装置10に記憶させる。
【0079】
なお、第2座標情報112の示す複数の点の座標は、点DP31~DP34の射影復元結果を含む。点DP31~DP34の射影復元結果は、関係情報116と、位置調整操作に基づいて更新された第2投射画像情報104に基づいて生成される。具体的には、点DP31~DP34の射影復元結果は、関係情報116と、第2投射画像情報104の示す画像GF3に含まれる点DF31~DF34の座標を表す第9座標情報134とに基づいて生成される。すなわち、本実施形態において、第2座標情報112は、第6座標情報131と、第8座標情報133と、第9座標情報134と、関係情報116とに基づいて生成される。三次元座標管理部123は、第6座標情報131と、第8座標情報133と、第9座標情報134と、関係情報116とに基づいて、第2座標情報112を生成する。
【0080】
ユークリッド復元結果および射影復元結果を生成する方法として、例えば、エピポーラ幾何を活用した公知の三角測量法を用いてもよい。また、三角測量を実施する場合、Essential行列の分解による公知の外部パラメーターの推定を行ってもよい。また、ユークリッド復元結果および射影復元結果を生成する方法として、公知のステレオマッチングを用いてもよい。また、ステレオマッチングを実施する場合、事前に公知のステレオ平行化処理を行ってもよい。
【0081】
また、三次元座標管理部123は、三次元座標情報110の示す複数の点の座標のうちの、平面に含まれる複数の点の座標と、撮像装置14の位置を示す点の座標とに基づいて、当該平面に含まれない仮想的な点の座標を表す情報を生成する。具体的には、三次元座標管理部123は、三次元座標情報110の示す複数の点の座標のうちの、平面に含まれる複数の点の座標と、撮像装置14の位置を示す点の座標とに基づいて、当該平面に含まれる点と、撮像装置14の位置を示す点とを結んだ直線上に位置する仮想的な点であって、当該平面に含まれない仮想的な点の座標を表す情報を生成する。
【0082】
本実施形態において、三次元座標管理部123は、ユークリッド復元によって取得された、面SC11の領域R3に含まれる複数の点の座標を表す第1座標情報111に基づいて、面SC11およびその延長上に含まれない仮想的な点の座標を表す第3座標情報113を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第3座標情報113を記憶装置10に記憶させる。
【0083】
また、三次元座標管理部123は、射影復元によって取得された、スクリーンSC1の領域R1に含まれる複数の点の座標を表す第2座標情報112に基づいて、スクリーンSC1の有する面SC11およびその延長上に含まれない仮想的な点の座標を表す第4座標情報114を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第4座標情報114を記憶装置10に記憶させる。
【0084】
図11は、座標系FYにおける複数の点の位置関係を模式的に示した説明図である。座標系FYは、第1座標情報111の示す複数の点の座標と、第3座標情報113の示す点の座標とを表す場合に用いられる座標系である。
【0085】
複数の点DY1の各々は、第1座標情報111の示す座標、換言すれば領域R3のユークリッド復元結果の示す座標に位置する。すなわち、複数の点DY1は、領域R3に含まれる複数の点DP1と一対一で対応する。また、第1座標情報111は、複数の点DP1の座標系FYにおける座標を表す。領域R3は平面である面SC11に含まれることから、座標系FYにおいて、複数の点DY1は、平面SV1に含まれる。また、複数の点DY1は、点DY11を含む。すなわち、点DY11は、平面SV1に含まれる。
【0086】
点DY21は、座標系FYにおいて、撮像装置14の位置を示す点である。直線L1は、点DY11と、点DY21とを結んだ直線である。直線L1上には、点DY31が位置する。点DY31は、第3座標情報113の示す座標に位置する点である。換言すれば、第3座標情報113は、点DY31の座標を表す。また、点DY31は、平面SV1に含まれない。
【0087】
図12は、座標系FXにおける複数の点の位置関係を模式的に示した説明図である。座標系FXは、第2座標情報112の示す複数の点の座標と、第4座標情報114の示す点の座標とを表す場合に用いられる座標系である。
【0088】
複数の点DX1の各々は、第2座標情報112の示す座標のうちの、領域R3の射影復元結果の示す座標に位置する。すなわち、複数の点DX1は、領域R3に含まれる複数の点DP1と一対一で対応する。また、第2座標情報112は、複数の点DP1の座標系FXにおける座標を表す。座標系FXにおいて、複数の点DX1は、平面SV2に含まれる。また、複数の点DX1は、点DX11を含む。すなわち、点DX11は、平面SV2に含まれる。また、点DX11は、点DY11と対応する。
【0089】
点DX21は、座標系FXにおいて、撮像装置14の位置を示す点である。直線L2は、点DX11と、点DX21とを結んだ直線である。直線L2上には、点DX31が位置する。点DX31は、第4座標情報114の示す座標に位置する点である。換言すれば、第4座標情報114は、点DX31の座標を表す。また、点DX31は、平面SV2に含まれない。
【0090】
図4に戻り、三次元座標管理部123は、第1座標情報111と、第2座標情報112と、第3座標情報113と、第4座標情報114とに基づいて、複数の点DX1の座標を複数の点DY1の座標へ変換するための三次元射影変換行列101を生成する。なお、三次元射影変換行列101は、第4座標情報114の示す点DX31の座標を、第3座標情報113の示す点DY31の座標へ変換する。すなわち、三次元射影変換行列101は、座標系FXにおける点の座標を、座標系FYにおける点の座標へ変換する。また、三次元射影変換行列101は、領域R3の射影復元結果を領域R3のユークリッド復元結果へ変換する。また、三次元座標管理部123は、生成した三次元射影変換行列101を記憶装置10に記憶させる。
【0091】
三次元射影変換行列101は、4行4列の行列である。例えば、座標系FXにおける点Sの座標を(x
S,y
S,z
S)、座標系FYにおける点の座標であって、点Sと対応する点Eの座標を(x
E,y
E,z
E)、三次元射影変換行列101を行列Hとする場合、点Sの座標を点Eの座標へ変換する三次元射影変換は、同次座標を用いることで、次に示す(1)式で表される。
【数1】
対応関係にある複数の点の組に対して(1)式を適用することで、行列Hの成分が導かれる。行列Hの成分を求める場合、(1)式を適用する点の組の数は、5組以上であることが好ましい。
【0092】
また、三次元座標管理部123は、三次元射影変換行列101を用いて、射影復元によって得られた点DP31~DP34の座標、すなわち座標系FXにおける点DP31~DP34の座標を変換することで、座標系FYにおける点DP31~DP34の座標を取得する。具体的には、三次元座標管理部123は、三次元射影変換行列101を用いて、点DP31~DP34の射影復元結果を含む第2座標情報112の示す複数の点の座標を変換することで、座標系FYにおける点DP31~DP34の座標を取得する。換言すれば、三次元座標管理部123は、第2座標情報112と、三次元射影変換行列101とに基づいて、座標系FYにおける点DP31~DP34の座標を表す第5座標情報115を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第5座標情報115を記憶装置10に記憶させる。
【0093】
図13は、第5座標情報115の示す複数の点の座標について説明するための模式図である。第5座標情報115は、点DY41、点DY42、点DY43および点DY44の座標を示す。
【0094】
点DY41は、座標系FYにおける点DP31の座標に位置する点である。すなわち、点DY41は、点DP31と対応する。また、点DY41は、点DF31と対応する。
【0095】
点DY42は、座標系FYにおける点DP32の座標に位置する点である。すなわち、点DY42は、点DP32と対応する。また、点DY42は、点DF32と対応する。
【0096】
点DY43は、座標系FYにおける点DP31の座標に位置する点である。すなわち、点DY43は、点DP33と対応する。また、点DY43は、点DF33と対応する。
【0097】
点DY44は、座標系FYにおける点DP31の座標に位置する点である。すなわち、点DY44は、点DP34と対応する。また、点DY44は、点DF34と対応する。
【0098】
四角形SV3は、点DY41~DY44を頂点とする四角形である。すなわち、四角形SV3は、点DP31~DP34を頂点とする四角形と対応する。四角形SV3は、角T11と、角T12と、角T13と、角T14とを備える。
【0099】
角T11は、点DY41および点DY42を結んだ線分と、点DY41および点DY44を結んだ線分とがなす角である。
【0100】
角T12は、点DY41および点DY42を結んだ線分と、点DY42および点DY43を結んだ線分とがなす角である。
【0101】
角T13は、点DY42および点DY43を結んだ線分と、点DY43および点DY44を結んだ線分とがなす角である。
【0102】
角T14は、点DY43および点DY44を結んだ線分と、点DY41および点DY44を結んだ線分とがなす角である。
【0103】
前述の通り、三次元射影変換行列101は、領域R3の射影復元結果を領域R3のユークリッド復元結果へ変換することができる。他方、三次元射影変換行列101は、領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができるか否かは定かではない。このため、処理装置12は、三次元射影変換行列101が領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができるか否かを判定する。以下、三次元射影変換行列101が領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができるか否か判定することを「三次元射影変換行列101の評価」ということがある。三次元射影変換行列101の評価は、四角形SV3の内角の角度のうち、角T11の角度をθ
1、角T12の角度をθ
2、角T13の角度をθ
3、角T14の角度をθ
4とする場合、次に示す(2)式の値Qを用いて実施される。
【数2】
値Qは、第5座標情報115の示す複数の点の座標に基づいて変化する。三次元射影変換行列101が領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができる場合、三次元射影変換行列101を用いて領域R1の射影復元結果を変換することで得られる複数の点の座標、すなわち領域R1の形状は、実物であるスクリーンSC1の領域R1と相似な形状となる。従って、三次元射影変換行列101が領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができる場合、三次元射影変換行列101に基づいて生成された第5座標情報115の示す座標に位置する点DY41~DY44を頂点とする四角形SV3の形状は、スクリーンSC1上に位置する点DP31~DP34を頂点とする長方形と相似な形状となる。つまり、三次元射影変換行列101が領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができる場合、θ
1、θ
2、θ
3およびθ
4が90°となることから、値Qは、0となる。
【0104】
なお、実際には、測定誤差および点DP31~DP34の調整誤差等に起因して、値Qが0にならない場合がある。このため、三次元射影変換行列101の評価において、値Qが所定の値以下になる場合、三次元射影変換行列101は領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができると見做してもよい。本実施形態では、値Qが所定の値以下になる場合、三次元射影変換行列101は領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換することができると見做す。
【0105】
値Qが所定の値よりも大きい場合、三次元座標管理部123は、第3座標情報113を更新する。具体的には、三次元座標管理部123は、第3座標情報113の示す点DY31の座標を、直線L1上の他の座標へ変更することで、第3座標情報113を更新する。以下、第3座標情報113を更新することを「第1の更新」ということがある。また、第1の更新が実行された場合、三次元座標管理部123は、更新された第3座標情報113と、第1座標情報111と、第2座標情報112と、第4座標情報114とに基づいて、三次元射影変換行列101を更新する。以下、三次元射影変換行列101を更新することを「第2の更新」ということがある。また、第2の更新が実行された場合、三次元座標管理部123は、更新された三次元射影変換行列101と、第2座標情報112とに基づいて、第5座標情報115を更新する。以下、第5座標情報115を更新することを「第3の更新」ということがある。すなわち、値Qが所定の値よりも大きい場合、処理装置12は、値Qが所定の値以下になるまで、第1の更新と、第2の更新と、第3の更新とを繰り返し実行する。これにより、処理装置12は、領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換する三次元射影変換行列101を生成することができる。
【0106】
撮像素子140および撮像素子240は、例えば、CCDまたはCMOS等を一例とするイメージセンサーである。ここで、CCDとはCharge Coupled Deviceの略称であり、CMOSとはComplementary Metal Oxide Semiconductorの略称である。撮像素子140および撮像素子240は、各々、複数の画素を備える。撮像装置14は、撮像制御部121の制御により、投射画像GP1が表示されたスクリーンSC1の領域R1を含む範囲を撮像する。撮像素子140は、投射画像GP1が表示されたスクリーンSC1の領域R1を含む範囲を撮像した結果を表す第1撮像画像情報106を処理装置12へ出力する。換言すれば、撮像素子140は、第1撮像画像情報106の示す撮像画像GS1を処理装置12へ出力する。撮像装置24は、撮像制御部121の制御により、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R2を含む範囲を撮像する。撮像素子240は、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R2を含む範囲を撮像した結果を表す第2撮像画像情報107を処理装置12へ出力する。換言すれば、撮像素子240は、第2撮像画像情報107の示す撮像画像GS2を処理装置12へ出力する。
【0107】
光変調器160および光変調器260は、例えば、1または複数のDMDまたは液晶パネル等を含む。光変調器160および光変調器260は、各々、複数の画素を備える。光変調器160および光変調器260は、処理装置12から入力される信号に基づいて、光源から発せられた光を、投射面上に投射画像を表示するための投射光に変調する。光源は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LEDまたはレーザー光源等を含む。ここで、LEDとはLight Emitting Diodeの略称であり、DMDとはDigital Mirror Deviceの略称である。
【0108】
投射装置16は、投射制御部120の制御により、投射面上に投射画像を表示するための投射光を投射する。換言すれば、投射装置16は、処理装置12から入力された画像を投射面へ投射する。本実施形態において、投射装置16は、投射制御部120の制御により、スクリーンSC1上に投射画像を表示するための投射光を投射する。具体的には、投射装置16は、処理装置12から入力された画像GF1をスクリーンSC1に投射することで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示する。また、投射装置16は、処理装置12から入力された画像GF2をスクリーンSC1に投射することで、スクリーンSC1上に投射画像GP2を表示する。また、投射装置16は、処理装置12から入力された画像GF3をスクリーンSC1に投射することで、スクリーンSC1上に投射画像GP3を表示する。
【0109】
内部パラメーターは、具体的には、物体の形状を計測するために用いられる装置の光学系に関するパラメーターである。より具体的には、内部パラメーターは、物体の形状を計測するために用いられる装置の備えるレンズに関するパラメーターを含む。例えば、撮像装置14において、内部パラメーターは、撮像レンズ142に関するパラメーターと、撮像素子140に関するパラメーターとを含む。また、撮像装置24において、内部パラメーターは、撮像レンズ242に関するパラメーターと、撮像素子240に関するパラメーターとを含む。また、投射装置16において、内部パラメーターは、投射レンズ162に関するパラメーターと、光変調器160に関するパラメーターとを含む。また、投射装置26において、内部パラメーターは、投射レンズ262に関するパラメーターと、光変調器260に関するパラメーターとを含む。
【0110】
通信装置18は、例えば、コネクターおよびインターフェース回路を有するインターフェース基板を含み、外部端末、外部記憶装置または外部サーバー等から各種情報を受信する機能と、外部端末、外部記憶装置または外部サーバー等へ各種情報を送信する機能とを有する。通信装置18は、有線通信を利用して各種情報を送受信してもよいし、無線通信を利用して各種情報を送受信してもよい。無線通信が利用される場合、通信装置18は、所定の通信規格に準拠した無線通信に対応するアンテナを含んで構成される。本実施形態において、通信装置18は、プロジェクター2と通信可能に接続され、プロジェクター2との間で各種情報を送受信する。
【0111】
操作装置30は、プロジェクター1のユーザーから、プロジェクター1に対する入力操作を受け付ける。操作装置30は、例えば、プロジェクター1の筐体に設けられたタッチパネルまたは操作ボタン等を含んで構成される。操作装置30がタッチパネルを含んで構成される場合、操作装置30は、検出したタッチ位置を示すデータを処理装置12へ出力する。また、操作装置30が操作ボタンを含んで構成される場合、操作装置30は、押下されたボタンを識別するデータを処理装置12へ出力する。これにより、プロジェクター1に対する入力操作の内容が処理装置12へ伝達される。本実施形態において、操作装置30は、ユーザーから位置調整操作を受け付ける。また、操作装置30は、位置調整操作の内容を表す操作データを処理装置12へ出力する。
【0112】
1.3.計測システムの動作
図14は、実施形態に係る計測システムSysの動作について説明するためのフローチャートである。当該フローチャートに示す一連の動作は、例えば、プロジェクター1およびプロジェクター2の電源がONになり、プロジェクター1がユーザーから動作開始に関する入力操作を受け付けた際に開始される。
【0113】
ステップS101において、投射制御部120は、第1投射画像情報103に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示させる。換言すれば、投射制御部120は、投射装置16から、第1投射画像情報103の示す画像GF1を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示させる。
【0114】
ステップS102において、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1が表示されたスクリーンSC1の領域R1を含む範囲を撮像させる。すなわち、撮像制御部121は、撮像装置14を制御することで、投射画像GP1に含まれる複数の点DP1を撮像させる。また、撮像制御部121は、当該撮像の結果を表す撮像画像GS1を取得する。また、撮像制御部121は、撮像画像GS1を表す第1撮像画像情報106を記憶装置10に記憶させる。
【0115】
ステップS103において、撮像制御部121は、撮像装置24を制御することで、投射画像GP1の一部が表示されたスクリーンSC1の領域R2を含む範囲を撮像させる。すなわち、撮像制御部121は、撮像装置24を制御することで、投射画像GP1に含まれる複数の点DP1を撮像させる。また、撮像制御部121は、当該撮像の結果を表す撮像画像GS2を取得する。また、撮像制御部121は、撮像画像GS2を表す第2撮像画像情報107を記憶装置10に記憶させる。
【0116】
ステップS104において、画像解析部122は、第1撮像画像情報106の示す撮像画像GS1に対して画像処理を実行することで、撮像画像GS1に含まれる複数の点を検出する。すなわち、画像解析部122は、撮像画像GS1に含まれる複数の点の座標を表す第6座標情報131を取得する。また、画像解析部122は、取得した第6座標情報131を記憶装置10に記憶させる。
【0117】
また、画像解析部122は、第2撮像画像情報107の示す撮像画像GS2に対して画像処理を実行することで、撮像画像GS2に含まれる複数の点を検出する。すなわち、画像解析部122は、撮像画像GS2に含まれる複数の点の座標を表す第7座標情報132を取得する。また、画像解析部122は、取得した第7座標情報132を記憶装置10に記憶させる。
【0118】
また、画像解析部122は、第1投射画像情報103の示す画像GF1に対して画像処理を実行することで、画像GF1に含まれる複数の点を検出する。すなわち、画像解析部122は、画像GF1に含まれる複数の点の座標を表す第8座標情報133を取得する。また、画像解析部122は、取得した第8座標情報133を記憶装置10に記憶させる。
【0119】
ステップS105において、画像解析部122は、第1投射画像情報103と、第1撮像画像情報106とに基づいて、第1投射画像情報103の示す画像GF1を投射する投射装置16が有する光変調器160の備える複数の画素と、第1撮像画像情報106を生成する撮像装置14が有する撮像素子140の備える複数の画素との対応関係を示す関係情報116を生成する。換言すれば、画像解析部122は、第1投射画像情報103の示す画像GF1と、第1撮像画像情報106の示す撮像画像GS1とに基づいて、関係情報116を生成する。具体的には、画像解析部122は、画像GF1に含まれる複数の点の座標を表す第8座標情報133と、撮像画像GS1に含まれる複数の点の座標を表す第6座標情報131とに基づいて、関係情報116を生成する。また、画像解析部122は、生成した関係情報116を記憶装置10に記憶させる。
【0120】
ステップS106において、投射制御部120は、第2投射画像情報104に基づく投射光を投射装置16に投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP2を表示させる。換言すれば、投射制御部120は、投射装置16から、第2投射画像情報104の示す画像GF2を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP2を表示させる。
【0121】
スクリーンSC1上に投射画像GP2が表示された場合、ユーザーは、位置調整操作を実行することで、点DP21~DP24を頂点とする四角形の形状を長方形に調整する。操作装置30は、ユーザーから、点DP21~DP24を頂点とする四角形の形状を長方形に調整するための位置調整操作を受け付ける。
【0122】
ステップS107において、入力管理部124は、操作装置30を制御することで、ユーザーから受け付けた位置調整操作の内容を表す操作データを取得する。
【0123】
ステップS108において、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、第2投射画像情報104を更新する。換言すれば、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、第2投射画像情報104の示すGF2を画像GF3へ更新する。投射装置16は、処理装置12から入力された画像GF3をスクリーンSC1に投射することで、スクリーンSC1上に表示される投射画像を、投射画像GP2から投射画像GP3へ更新する。また、画像編集部125は、ユーザーから受け付けた位置調整操作に基づいて、第2投射画像情報104の示す画像に含まれる複数の点の座標を表す第9座標情報134を更新する。
【0124】
ステップS109において、入力管理部124は、ユーザーから、点DP21~DP24の位置調整を終了する操作の内容を表す操作データを取得したか否かを判定する。点DP21~DP24の位置調整を終了する操作の内容を表す操作データを取得した場合、すなわち、ステップS109でYESの場合、入力管理部124は処理をステップS107へ進める。また、点DP21~DP24の位置調整を終了する操作の内容を表す操作データを取得していない場合、すなわち、ステップS109でNOの場合、入力管理部124は処理をステップS107へ進める。
【0125】
ステップS110において、三次元座標管理部123は、内部パラメーターが既知である撮像装置14によって取得された撮像画像GS1と、内部パラメーターが既知である撮像装置24によって取得された撮像画像GS2とに基づいて、領域R3のユークリッド復元結果を表す第1座標情報111を生成する。具体的には、三次元座標管理部123は、第6座標情報131と、第7座標情報132とに基づいて、第1座標情報111を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第1座標情報111を記憶装置10に記憶させる。
【0126】
ステップS111において、三次元座標管理部123は、内部パラメーターが既知である撮像装置14によって取得された撮像画像GS1と、内部パラメーターが未知である投射装置16から投射される画像GF1とに基づいて、領域R1の射影復元結果を表す第2座標情報112を生成する。具体的には、三次元座標管理部123は、撮像画像GS1に含まれる複数の点の座標を表す第6座標情報131と、画像GF1に含まれる複数の点の座標を表す第8座標情報133と、位置調整操作に基づいて更新された第9座標情報134と、関係情報116とに基づいて、第2座標情報112を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第2座標情報112を記憶装置10に記憶させる。
【0127】
ステップS112において、三次元座標管理部123は、第1座標情報111に基づいて、平面SV1に含まれない点DY31の座標を表す第3座標情報113を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第3座標情報113を記憶装置10に記憶させる。
【0128】
ステップS113において、三次元座標管理部123は、第2座標情報112に基づいて、平面SV2に含まれない点DX31の座標を表す第4座標情報114を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第4座標情報114を記憶装置10に記憶させる。
【0129】
ステップS114において、三次元座標管理部123は、第1座標情報111と、第2座標情報112と、第3座標情報113と、第4座標情報114とに基づいて、複数の点DX1の座標を複数の点DY1の座標へ変換するための三次元射影変換行列101を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した三次元射影変換行列101を記憶装置10に記憶させる。
【0130】
すなわち、処理装置12は、面SC11に含まれる複数の点DP1の座標系FYにおける座標を表す第1座標情報111、および、複数の点DP1の座標系FXにおける座標を表す第2座標情報112に加え、面SC11およびその延長上に含まれない仮想的な点の座標を表す第3座標情報113および第4座標情報114を用いることで、同一平面上に存在する複数の点の座標を変換する三次元射影変換行列101を生成することができる。
【0131】
ステップS115において、三次元座標管理部123は、第2座標情報112と、三次元射影変換行列101とに基づいて、座標系FYにおける点DP31~DP34の座標を表す第5座標情報115を生成する。また、三次元座標管理部123は、生成した第5座標情報115を記憶装置10に記憶させる。
【0132】
ステップS116において、三次元座標管理部123は、三次元射影変換行列101の評価を実施する。すなわち、三次元座標管理部123は、値Qが所定の値以下であるか否かを判定する。値Qが所定の値以下である場合、すなわち、ステップS116でYESの場合、三次元座標管理部123を備える処理装置12は
図14のフローチャートに示す一連の動作を終了させる。また、値Qが所定の値よりも大きい場合、すなわち、ステップS116でNOの場合、三次元座標管理部123は処理をステップS117へ進める。
【0133】
ステップS117において、三次元座標管理部123は、第3座標情報113を更新する第1の更新を実行する。具体的には、三次元座標管理部123は、第3座標情報113の示す点DY31の座標を、直線L1上の他の座標へ変更することで、第1の更新を実行する。
【0134】
ステップS118において、三次元座標管理部123は、第1の更新によって更新された第3座標情報113と、第1座標情報111と、第2座標情報112と、第4座標情報114とに基づいて、三次元射影変換行列101を更新する第2の更新を実行する。
【0135】
ステップS119において、三次元座標管理部123は、第2の更新によって更新された三次元射影変換行列101と、第2座標情報112とに基づいて、第5座標情報115を更新する第3の更新を実行する。
【0136】
処理装置12は、値Qが所定の値以下になるまで、換言すれば、ステップS116の判定結果がYESになるまで、第1の更新と、第2の更新と、第3の更新とを繰り返し実行する。これにより、処理装置12は、領域R1の射影復元結果を領域R1のユークリッド復元結果へ変換する三次元射影変換行列101を生成することができる。
【0137】
以上より、実施形態によれば、計測システムSysは、同一平面上に存在する複数の点の座標に加え、当該平面上に存在しない仮想的な点の座標を用いて、三次元射影変換行列を生成する。すなわち、計測システムSysは、同一平面上に存在する複数の点の座標を変換する三次元射影変換行列を生成することができる。
【0138】
また、実施形態によれば、計測システムSysは、同一平面上に存在する複数の点の座標を変換する三次元射影変換行列を用いて、当該平面を含む領域の射影復元結果を変換することで、当該平面を含む領域のユークリッド復元結果を取得することができる。すなわち、計測システムSysは、計測対象となる物体に、平面の領域と、非平面の領域とが含まれる場合であっても、物体の形状を正確に計測することができる。
【0139】
以上に説明したように、実施形態に係る計測方法は、平面である面SC11と、非平面である面SC12と、を含むスクリーンSC1において、面SC11の領域R3に含まれる複数の点DP1の座標系FYにおける座標を表す第1座標情報111を生成することと、複数の点DP1の座標系FXにおける座標を表す第2座標情報112を生成することと、座標系FYにおいて、平面SV1に含まれない点DY31の座標を表す第3座標情報113を生成することと、座標系FXにおいて、平面SV2に含まれない点DX31の座標を表す第4座標情報114を生成することと、第1座標情報111と、第2座標情報112と、第3座標情報113と、第4座標情報114と、に基づいて、座標系FXにおける複数の点DP1の座標を座標系FYにおける複数の点DP1の座標へ変換するための三次元射影変換行列101を生成することと、三次元射影変換行列101に基づいて、スクリーンSC1に含まれる点DP31~DP34の座標系FYにおける座標を表す第5座標情報115を生成することと、第5座標情報115の示す座標が所定の条件を充足しない場合、第3座標情報113および第4座標情報114の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、第1の更新の結果に基づいて三次元射影変換行列101を更新する第2の更新を実行し、第2の更新によって更新された三次元射影変換行列101に基づいて第5座標情報115を更新する第3の更新を実行することと、を含み、点DP31~DP34を頂点とする四角形は、所定の形状となり、点DP31~DP34のうちの少なくとも一つは、面SC12に含まれる。
【0140】
また、実施形態に係る計測システムSysは、平面である面SC11と、非平面である面SC12と、を含むスクリーンSC1において、面SC11の領域R3に含まれる複数の点DP1の座標系FYにおける座標を表す第1座標情報111を生成することと、複数の点DP1の座標系FXにおける座標を表す第2座標情報112を生成することと、座標系FYにおいて、平面SV1に含まれない点DY31の座標を表す第3座標情報113を生成することと、座標系FXにおいて、平面SV2に含まれない点DX31の座標を表す第4座標情報114を生成することと、第1座標情報111と、第2座標情報112と、第3座標情報113と、第4座標情報114と、に基づいて、座標系FXにおける複数の点DP1の座標を座標系FYにおける複数の点DP1の座標へ変換するための三次元射影変換行列101を生成することと、三次元射影変換行列101に基づいて、スクリーンSC1に含まれる点DP31~DP34の座標系FYにおける座標を表す第5座標情報115を生成することと、第5座標情報115の示す座標が所定の条件を充足しない場合、第3座標情報113および第4座標情報114の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、第1の更新の結果に基づいて三次元射影変換行列101を更新する第2の更新を実行し、第2の更新によって更新された三次元射影変換行列101に基づいて第5座標情報115を更新する第3の更新を実行することと、を実行する処理装置12を備え、点DP31~DP34を頂点とする四角形は、所定の形状となり、点DP31~DP34のうちの少なくとも一つは、面SC12に含まれる。
【0141】
また、実施形態に係るプロジェクター1は、平面である面SC11と、非平面である面SC12と、を含むスクリーンSC1において、面SC11の領域R3に含まれる複数の点DP1の座標系FYにおける座標を表す第1座標情報111を生成することと、複数の点DP1の座標系FXにおける座標を表す第2座標情報112を生成することと、座標系FYにおいて、平面SV1に含まれない点DY31の座標を表す第3座標情報113を生成することと、座標系FXにおいて、平面SV2に含まれない点DX31の座標を表す第4座標情報114を生成することと、第1座標情報111と、第2座標情報112と、第3座標情報113と、第4座標情報114と、に基づいて、座標系FXにおける複数の点DP1の座標を座標系FYにおける複数の点DP1の座標へ変換するための三次元射影変換行列101を生成することと、三次元射影変換行列101に基づいて、スクリーンSC1に含まれる点DP31~DP34の座標系FYにおける座標を表す第5座標情報115を生成することと、第5座標情報115の示す座標が所定の条件を充足しない場合、第3座標情報113および第4座標情報114の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、第1の更新の結果に基づいて三次元射影変換行列101を更新する第2の更新を実行し、第2の更新によって更新された三次元射影変換行列101に基づいて第5座標情報115を更新する第3の更新を実行することと、を実行する処理装置12を備え、点DP31~DP34を頂点とする四角形は、所定の形状となり、点DP31~DP34のうちの少なくとも一つは、面SC12に含まれる。
【0142】
すなわち、計測システムSysは、同一平面上に存在する複数の点の座標に加え、当該平面上に存在しない仮想的な点の座標を用いて、三次元射影変換行列101を生成する。これにより、計測システムSysは、同一平面上に存在する複数の点の座標を変換する三次元射影変換行列101を生成することができる。また、三次元射影変換行列101は、平面部と、非平面部とを含む領域の複数の点の座標系を変換することができる。このため、計測システムSysは、計測対象となる物体に、平面の領域と、非平面の領域とが含まれる場合であっても、物体の形状を計測することができる。
【0143】
なお、実施形態において、計測システムSysは「計測システム」の一例であり、プロジェクター1は「情報処理装置」の一例であり、面SC11は「第1の面」の一例であり、面SC12は「第2の面」の一例であり、スクリーンSC1は「スクリーン」の一例であり、領域R3は「第1領域」の一例であり、複数の点DP1は「複数の第1の点」の一例であり、座標系FYは「第1の座標系」の一例であり、第1座標情報111は「第1座標情報」の一例であり、座標系FXは「第2の座標系」の一例であり、第2座標情報112は「第2座標情報」の一例であり、点DY31は「第2の点」の一例であり、第3座標情報113は「第3座標情報」の一例であり、点DX31は「第3の点」の一例であり、第4座標情報114は「第4座標情報」の一例であり、三次元射影変換行列101は「三次元射影変換行列」の一例であり、点DP31~DP34は「四つの設定点」の一例であり、第5座標情報115は「第5座標情報」の一例であり、処理装置12は「処理装置」の一例である。また、「第1の座標系において、複数の第1の点を含む平面」は平面SV1を一例とする。また、「第2の座標系において、複数の第1の点を含む平面」は平面SV2を一例とする。また、「所定の形状」は長方形を一例とする。また、「所定の条件」は値Qが所定の値以下になることを一例とする。
【0144】
また、実施形態に係る計測方法は、撮像装置14を制御することで、領域R3を含む範囲を撮像した撮像画像GS1を取得することを更に含み、第1座標情報111および第2座標情報112の少なくとも一方は、撮像画像GS1に基づいて生成される。
【0145】
すなわち、計測システムSysは、撮像装置を用いて、物体の形状を計測する。これにより、計測システムSysは、物体の形状を正確に計測することができる。
【0146】
なお、実施形態において、撮像装置14は「撮像装置」の一例であり、撮像画像GS1は「撮像画像」の一例である。
【0147】
また、実施形態に係る計測方法において、点DY31は、座標系FYにおいて、撮像装置14の位置を示す点DY21と、平面SV1に含まれる点DY11と、を結ぶ直線L1上に位置し、点DX31は、座標系FXにおいて、撮像装置14の位置を示す点DX21と、平面SV2に含まれる点であって、点DY11と対応する点DX11と、を結ぶ直線L2上に位置する。
【0148】
すなわち、計測システムSysは、平面上に存在しない仮想的な点の座標を、撮像装置の位置を示す点と、当該平面に含まれる点とを結んだ直線上に設定する。これにより、計測システムSysは、三次元射影変換行列101を生成する精度を高めることができる。
【0149】
なお、実施形態において、点DY11は「第4の点」の一例であり、点DX11は「第5の点」の一例であり、直線L1は「第1の直線」の一例であり、直線L2は「第2の直線」の一例である。また、「第1の座標系において、撮像装置の位置を示す点」は点DY21を一例とする。また、「第2の座標系において、撮像装置の位置を示す点」は点DX21を一例とする。
【0150】
また、実施形態に係る計測方法において、第1の更新が第3座標情報113を更新することを含む場合、第3座標情報113を更新することは、点DY31の座標を、直線L1上の他の座標へ変更することを含み、第1の更新が第4座標情報114を更新することを含む場合、第4座標情報114を更新することは、点DX31の座標を、直線L2上の他の座標へ変更することを含む。
【0151】
すなわち、計測システムSysは、平面上に存在しない仮想的な点の座標を、撮像装置の位置を示す点と、当該平面に含まれる点とを結んだ直線上において変更する。これにより、計測システムSysは、三次元射影変換行列101の更新を、高精度かつ高速に行うことができる。
【0152】
また、実施形態に係る計測方法において、第5座標情報115を生成することは、スクリーンSC1に画像を投射する投射装置16から、点DP31~DP34と一対一で対応する点DF31~DF34を含む画像GF3を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP3を表示させることを含み、点DP31~DP34は、投射画像GP3に含まれる。
【0153】
すなわち、計測システムSysは、点DP31~DP34の位置を簡便に表示することができる。これにより、ユーザーは、点DP31~DP34の位置調整を容易に行うことができる。
【0154】
なお、実施形態において、投射装置16は「投射装置」の一例であり、点DF31~DF34は「四つの第6の点」の一例であり、画像GF3は「第1のパターン画像」の一例であり、投射画像GP3は「第1投射画像」の一例である。
【0155】
また、実施形態に係る計測方法は、スクリーンSC1に画像を投射する投射装置16から、複数の点DP1と一対一で対応する複数の点DF1を含む画像GF1を投射させることで、スクリーンSC1上に投射画像GP1を表示させることを更に含み、撮像画像GS1は、複数の点DP1と一対一で対応する複数の点DV1を含み、第1座標情報111および第2座標情報112のどちらか一方は、撮像画像GS1と、画像GF1と、に基づいて生成される。
【0156】
すなわち、計測システムSysは、撮像装置および投射装置を用いて、物体の形状を計測する。これにより、計測システムSysは、物体の形状を正確に計測することができる。
【0157】
なお、実施形態において、複数の点DF1は「複数の第7の点」の一例であり、画像GF1は「第2のパターン画像」の一例であり、投射画像GP1は「第2投射画像」の一例であり、複数の点DV1は「複数の第8の点」の一例である。
【0158】
また、実施形態に係る計測方法において、第1座標情報111を生成することは、撮像レンズ142を備え、撮像レンズ142に関する内部パラメーターが既知である撮像装置14に入力された画像および撮像装置14から出力される画像のいずれか一方である撮像画像GS1と、撮像レンズ242を備え、撮像レンズ242に関する内部パラメーターが既知である撮像装置24に入力された画像および撮像装置24から出力される画像のいずれか一方である撮像画像GS2と、に基づいて、第1座標情報111を生成することを含み、第2座標情報112を生成することは、投射レンズ162を備え、投射レンズ162に関する内部パラメーターが未知である投射装置16に入力された画像および投射装置16から出力される画像のいずれか一方である画像GF1と、撮像画像GS1と、に基づいて、第2座標情報112を生成することを含み、撮像装置14、撮像装置24および投射装置16のうちの少なくとも一つは、スクリーンSC1を撮像する撮像装置である。
【0159】
すなわち、第1座標情報111は、平面上に設定された領域R3のユークリッド復元結果を表す。また、第2座標情報112は、領域R3の射影復元結果を表す。従って、三次元射影変換行列101は、領域R3を含む領域の射影復元結果を、当該領域R3を含む領域のユークリッド復元結果へ変換することができる。これにより、計測システムSysは、計測対象となる物体に、平面の領域と、非平面の領域とが含まれる場合であっても、物体の形状を正確に計測することができる。
【0160】
なお、実施形態において、撮像レンズ142は「第1レンズ」の一例であり、撮像装置14は「第1の装置」の一例であり、撮像画像GS1は「第1の画像」の一例であり、撮像レンズ242は「第2レンズ」の一例であり、撮像装置24は「第2の装置」の一例であり、撮像画像GS2は「第2の画像」の一例であり、投射レンズ162は「第3レンズ」の一例であり、投射装置16は「第3の装置」の一例であり、画像GF1は「第3の画像」の一例である。
【0161】
2.変形例
以上の実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。また、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が前述の実施形態と同等である要素については、以上の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜省略する。
【0162】
2.1.変形例1
前述の実施形態では、内部パラメーターが既知である二つの撮像装置と、内部パラメーターが未知である投射装置とを含む計測システムにおいて、当該内部パラメーターが未知である投射装置の校正作業を実施することなく、当該内部パラメーターが未知である投射装置を用いてユークリッド復元結果を取得する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、計測システムは、内部パラメーターが既知である撮像装置と、内部パラメーターが既知である投射装置と、内部パラメーターが未知である撮像装置とを含むものであってもよい。内部パラメーターが既知である撮像装置と、内部パラメーターが既知である投射装置と、内部パラメーターが未知である撮像装置とを含む計測システムにおいて、当該内部パラメーターが未知である撮像装置の校正作業を実施することなく、当該内部パラメーターが未知である撮像装置を用いてユークリッド復元結果を取得することができる。
【0163】
また、本発明に係る計測システムは、上記のような態様に限らず、例えば、内部パラメーターが既知である二つの撮像装置と、内部パラメーターが未知である撮像装置とを含む計測システムであってもよいし、内部パラメーターが既知である撮像装置と、内部パラメーターが既知である投射装置と、内部パラメーターが未知である投射装置とを含む計測システムであってもよい。本発明に係る計測システムは、少なくとも一つの撮像装置を含んでいればよい。
【0164】
2.2.変形例2
前述の実施形態および変形例において、複数の第1の点の一例である複数の点DP1と、四つの設定点の一例である点DP31~DP34とを異なるタイミングで表示する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。複数の第1の点、および、四つの設定点は、同時に表示してもよい。これにより、例えば、投射画像を切り替える時間を削減することができる。
【0165】
2.3.変形例3
前述の実施形態および変形例において、点DY11が複数の点DY1に含まれる場合を例示したが、点DY11は、複数の点DY1に含まれなくてもよい。点DY11は、複数の点DY1を含む平面である、平面SV1に含まれていればよい。
【0166】
2.4.変形例4
前述の実施形態および変形例では、第1の更新において、第3座標情報113が更新される場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。第1の更新において、第3座標情報113の代わりに、第4座標情報114が更新されてもよい。例えば、第1の更新において、本発明に係る計測システムの備える処理装置は、第4座標情報114の示す点DX31の座標を、直線L2上の他の座標へ変更することで、第4座標情報114を更新してもよい。また、本発明に係る計測システムの備える処理装置は、第1の更新において、第3座標情報113および第4座標情報114の両方を更新してもよい。
【0167】
3.付記
以下、付記として本発明のまとめを記載する。
【0168】
3.1.付記1
平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、前記第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、前記複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、前記第1の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、前記第2の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、前記第1座標情報と、前記第2座標情報と、前記第3座標情報と、前記第4座標情報と、に基づいて、前記第2の座標系における前記複数の第1の点の座標を前記第1の座標系における前記複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、前記三次元射影変換行列に基づいて、前記スクリーンに含まれる四つの設定点の前記第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、前記第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、前記第3座標情報および前記第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、前記第1の更新の結果に基づいて前記三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、前記第2の更新によって更新された前記三次元射影変換行列に基づいて前記第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、を含み、前記四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、前記四つの設定点のうちの少なくとも一つは、前記第2の面に含まれる、計測方法。
【0169】
すなわち、付記1に記載の計測方法を実現する計測システムは、同一平面上に存在する複数の点の座標に加え、当該平面上に存在しない仮想的な点の座標を用いて、三次元射影変換行列を生成する。これにより、付記1に記載の計測方法を実現する計測システムは、同一平面上に存在する複数の点の座標を変換する三次元射影変換行列を生成することができる。また、付記1に記載の計測方法を実現する計測システムによって生成された三次元射影変換行列は、平面部と、非平面部とを含む領域の複数の点の座標系を変換することができる。このため、付記1に記載の計測方法を実現する計測システムは、計測対象となる物体に、平面の領域と、非平面の領域とが含まれる場合であっても、物体の形状を計測することができる。
【0170】
3.2.付記2
撮像装置を制御することで、前記第1領域を含む範囲を撮像した撮像画像を取得することを更に含み、前記第1座標情報および前記第2座標情報の少なくとも一方は、前記撮像画像に基づいて生成される、付記1に記載の計測方法。
【0171】
すなわち、付記2に記載の計測方法を実現する計測システムは、撮像装置を用いて、物体の形状を計測する。これにより、付記2に記載の計測方法を実現する計測システムは、物体の形状を正確に計測することができる。
【0172】
3.3.付記3
前記第2の点は、前記第1の座標系において、前記撮像装置の位置を示す点と、前記複数の第1の点を含む平面に含まれる第4の点と、を結ぶ第1の直線上に位置し、前記第3の点は、前記第2の座標系において、前記撮像装置の位置を示す点と、前記複数の第1の点を含む平面に含まれる点であって、前記第4の点と対応する第5の点と、を結ぶ第2の直線上に位置する、付記2に記載の計測方法。
【0173】
すなわち、付記3に記載の計測方法を実現する計測システムは、平面上に存在しない仮想的な点の座標を、撮像装置の位置を示す点と、当該平面に含まれる点とを結んだ直線上に設定する。これにより、付記3に記載の計測方法を実現する計測システムは、三次元射影変換行列を生成する精度を高めることができる。
【0174】
3.4.付記4
前記第1の更新が前記第3座標情報を更新することを含む場合、前記第3座標情報を更新することは、前記第2の点の座標を、前記第1の直線上の他の座標へ変更することを含み、前記第1の更新が前記第4座標情報を更新することを含む場合、前記第4座標情報を更新することは、前記第3の点の座標を、前記第2の直線上の他の座標へ変更することを含む、付記3に記載の計測方法。
【0175】
すなわち、付記4に記載の計測方法を実現する計測システムは、平面上に存在しない仮想的な点の座標を、撮像装置の位置を示す点と、当該平面に含まれる点とを結んだ直線上において変更する。これにより、付記4に記載の計測方法を実現する計測システムは、三次元射影変換行列の更新を、高精度かつ高速に行うことができる。
【0176】
3.5.付記5
前記第5座標情報を生成することは、前記スクリーンに画像を投射する投射装置から、前記四つの設定点と一対一で対応する四つの第6の点を含む第1のパターン画像を投射させることで、前記スクリーン上に第1投射画像を表示させることを含み、前記四つの設定点は、前記第1投射画像に含まれる、付記1から付記4のうちのいずれか一項に記載の計測方法。
【0177】
すなわち、付記5に記載の計測方法を実現する計測システムは、四つの設定点の位置を簡便に表示することができる。これにより、ユーザーは、四つの設定点の位置調整を容易に行うことができる。
【0178】
3.6.付記6
前記スクリーンに画像を投射する投射装置から、前記複数の第1の点と一対一で対応する複数の第7の点を含む第2のパターン画像を投射させることで、前記スクリーン上に第2投射画像を表示させることを更に含み、前記撮像画像は、前記複数の第1の点と一対一で対応する複数の第8の点を含み、前記第1座標情報および前記第2座標情報のどちらか一方は、前記撮像画像と、前記第2のパターン画像と、に基づいて生成される、付記2から付記4のうちのいずれか一項に記載の計測方法。
【0179】
すなわち、付記6に記載の計測方法を実現する計測システムは、撮像装置および投射装置を用いて、物体の形状を計測する。これにより、付記6に記載の計測方法を実現する計測システムは、物体の形状を正確に計測することができる。
【0180】
3.7.付記7
前記第1座標情報を生成することは、第1レンズを備え、前記第1レンズに関する内部パラメーターが既知である第1の装置に入力された画像および前記第1の装置から出力される画像のいずれか一方である第1の画像と、第2レンズを備え、前記第2レンズに関する内部パラメーターが既知である第2の装置に入力された画像および前記第2の装置から出力される画像のいずれか一方である第2の画像と、に基づいて、前記第1座標情報を生成することを含み、前記第2座標情報を生成することは、第3レンズを備え、前記第3レンズに関する内部パラメーターが未知である第3の装置に入力された画像および前記第3の装置から出力される画像のいずれか一方である第3の画像と、前記第1の画像と、に基づいて、前記第2座標情報を生成することを含み、前記第1の装置、前記第2の装置および前記第3の装置のうちの少なくとも一つは、前記スクリーンを撮像する撮像装置である、付記1に記載の計測方法。
【0181】
すなわち、第1座標情報は、平面上に設定された第1領域のユークリッド復元結果を表す。また、第2座標情報は、第1領域の射影復元結果を表す。従って、三次元射影変換行列は、第1領域を含む領域の射影復元結果を、当該第1領域を含む領域のユークリッド復元結果へ変換することができる。これにより、付記7に記載の計測方法を実現する計測システムは、計測対象となる物体に、平面の領域と、非平面の領域とが含まれる場合であっても、物体の形状を正確に計測することができる。
【0182】
3.8.付記8
平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、前記第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、前記複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、前記第1の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、前記第2の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、前記第1座標情報と、前記第2座標情報と、前記第3座標情報と、前記第4座標情報と、に基づいて、前記第2の座標系における前記複数の第1の点の座標を前記第1の座標系における前記複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、前記三次元射影変換行列に基づいて、前記スクリーンに含まれる四つの設定点の前記第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、前記第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、前記第3座標情報および前記第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、前記第1の更新の結果に基づいて前記三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、前記第2の更新によって更新された前記三次元射影変換行列に基づいて前記第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、を実行する処理装置を備え、前記四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、前記四つの設定点のうちの少なくとも一つは、前記第2の面に含まれる、計測システム。
【0183】
すなわち、付記8に記載の計測システムは、同一平面上に存在する複数の点の座標に加え、当該平面上に存在しない仮想的な点の座標を用いて、三次元射影変換行列を生成する。これにより、付記8に記載の計測システムは、同一平面上に存在する複数の点の座標を変換する三次元射影変換行列を生成することができる。また、付記8に記載の計測システムによって生成された三次元射影変換行列は、平面部と、非平面部とを含む領域の複数の点の座標系を変換することができる。このため、付記8に記載の計測システムは、計測対象となる物体に、平面の領域と、非平面の領域とが含まれる場合であっても、物体の形状を計測することができる。
【0184】
3.9.付記9
平面である第1の面と、非平面である第2の面と、を含むスクリーンにおいて、前記第1の面の第1領域に含まれる複数の第1の点の第1の座標系における座標を表す第1座標情報を生成することと、前記複数の第1の点の第2の座標系における座標を表す第2座標情報を生成することと、前記第1の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第2の点の座標を表す第3座標情報を生成することと、前記第2の座標系において、前記複数の第1の点を含む平面に含まれない第3の点の座標を表す第4座標情報を生成することと、前記第1座標情報と、前記第2座標情報と、前記第3座標情報と、前記第4座標情報と、に基づいて、前記第2の座標系における前記複数の第1の点の座標を前記第1の座標系における前記複数の第1の点の座標へ変換するための三次元射影変換行列を生成することと、前記三次元射影変換行列に基づいて、前記スクリーンに含まれる四つの設定点の前記第1の座標系における座標を表す第5座標情報を生成することと、前記第5座標情報の示す座標が所定の条件を充足しない場合、前記第3座標情報および前記第4座標情報の少なくとも一方を更新する第1の更新を実行し、前記第1の更新の結果に基づいて前記三次元射影変換行列を更新する第2の更新を実行し、前記第2の更新によって更新された前記三次元射影変換行列に基づいて前記第5座標情報を更新する第3の更新を実行することと、を実行する処理装置を備え、前記四つの設定点を頂点とする四角形は、所定の形状となり、前記四つの設定点のうちの少なくとも一つは、前記第2の面に含まれる、情報処理装置。
【0185】
すなわち、付記9に記載の情報処理装置を備える計測システムは、同一平面上に存在する複数の点の座標に加え、当該平面上に存在しない仮想的な点の座標を用いて、三次元射影変換行列を生成する。これにより、付記9に記載の情報処理装置を備える計測システムは、同一平面上に存在する複数の点の座標を変換する三次元射影変換行列を生成することができる。また、付記9に記載の情報処理装置を備える計測システムによって生成された三次元射影変換行列は、平面部と、非平面部とを含む領域の複数の点の座標系を変換することができる。このため、付記9に記載の情報処理装置を備える計測システムは、計測対象となる物体に、平面の領域と、非平面の領域とが含まれる場合であっても、物体の形状を計測することができる。
【符号の説明】
【0186】
1…プロジェクター、2…プロジェクター、10…記憶装置、12…処理装置、14…撮像装置、16…投射装置、18…通信装置、30…操作装置、100…プログラム、101…三次元射影変換行列、102…投射画像情報、105…撮像画像情報、110…三次元座標情報、116…関係情報、130…二次元座標情報、120…投射制御部、121…撮像制御部、122…画像解析部、123…三次元座標管理部、124…入力管理部、125…画像編集部、140…撮像素子、142…撮像レンズ、160…光変調器、162…投射レンズ、GP1…投射画像、GF1…画像、GS1…撮像画像、DP1…点、R1…領域、SC1…スクリーン、FY…座標系、Sys…計測システム。