(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075178
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】麦芽の製造方法、麦芽製造の効率化方法、及びビールテイスト飲料の製造方法
(51)【国際特許分類】
C12C 1/00 20060101AFI20240527BHJP
C12C 1/027 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
C12C1/00
C12C1/027
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186430
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木原 誠
(72)【発明者】
【氏名】時園 佳朗
(72)【発明者】
【氏名】周 天甦
(72)【発明者】
【氏名】保木 健宏
【テーマコード(参考)】
4B128
【Fターム(参考)】
4B128CP02
4B128CP03
4B128CP21
(57)【要約】
【課題】要する時間及び/又はコストを効果的に低減できる麦芽の製造方法、麦芽製造の効率化方法、及びビールテイスト飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】麦芽の製造方法は、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させる。麦芽製造の効率化方法は、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることにより、前記搗精処理が施されていない未発芽麦類を発芽させる場合に比べて、麦芽の製造に要する時間及び/又はコストを低減する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させる、
麦芽の製造方法。
【請求項2】
搗精処理が施された搗精度が4.9重量%以下の前記未発芽麦類を発芽させる、
請求項1に記載の麦芽の製造方法。
【請求項3】
前記搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施す浸麦工程と、
前記浸麦処理が施された麦類の発芽を進行させて麦芽を得る発芽工程と、
を含む、
請求項1又は2に記載の麦芽の製造方法。
【請求項4】
前記浸麦工程において、前記搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施すことにより、前記搗精処理が施されていない未発芽麦類に浸麦処理を施して所定の浸麦度を有する麦類を得る場合に比べて短い浸麦処理時間で前記所定の浸麦度を有する麦類を得る、
請求項3に記載の麦芽の製造方法。
【請求項5】
搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることにより、前記搗精処理が施されていない未発芽麦類を発芽させる場合に比べて、麦芽の製造に要する時間及び/又はコストを低減する、麦芽製造の効率化方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の方法により製造された麦芽を用いる、
ビールテイスト飲料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麦芽の製造方法、麦芽製造の効率化方法、及びビールテイスト飲料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、麦芽アルコール飲料に使用する麦芽の製造方法において、緑麦芽を乾燥させる焙燥工程における吹込み温風の絶対湿度を0.010kg/kg以下とし、又は当該吹込み温風の風量を麦芽1トンあたり4500立方メートル/時間以上とすることや、当該焙燥初期工程の少なくとも、その1/3以上の工程期間にて、吹込み温風の温度を40℃以下とすることを特徴とする麦芽の製造方法が記載されている。
【0003】
特許文献2には、麦汁を得る工程において精麦した未発芽麦類を用いることを含む、ビールテイスト飲料の製造方法において、精麦度が95%以下の未発芽麦類を用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-102690号公報
【特許文献2】特開2018-068228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、本発明の発明者らは、従来の麦芽製造工程に要する時間及びコストを低減するための技術的手段について検討を行ってきた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、要する時間及び/又はコストを効果的に低減できる麦芽の製造方法、麦芽製造の効率化方法、及びビールテイスト飲料の製造方法を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る麦芽の製造方法は、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させる。本発明によれば、要する時間及び/又はコストを効果的に低減できる麦芽の製造方法が提供される。
【0008】
[2]前記[1]の方法においては、搗精処理が施された搗精度が4.9重量%以下の前記未発芽麦類を発芽させることとしてもよい。[3]前記[1]又は[2]の方法は、前記搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施す浸麦工程と、前記浸麦処理が施された麦類の発芽を進行させて麦芽を得る発芽工程と、を含むこととしてもよい。
【0009】
[4]前記[3]の方法では、前記浸麦工程において、前記搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施すことにより、前記搗精処理が施されていない未発芽麦類に浸麦処理を施して所定の浸麦度を有する麦類を得る場合に比べて短い浸麦処理時間で前記所定の浸麦度を有する麦類を得ることとしてもよい。
【0010】
[5]上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る麦芽製造の効率化方法は、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることにより、前記搗精処理が施されていない未発芽麦類を発芽させる場合に比べて、麦芽の製造に要する時間及び/又はコストを低減する。本発明によれば、麦芽製造に要する時間及び/又はコストを効果的に低減できる方法が提供される。
【0011】
[6]上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、前記[1]乃至[4]のいずれかの方法により製造された麦芽を用いる。本発明によれば、要する時間及び/又はコストを効果的に低減できるビールテイスト飲料の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、要する時間及び/又はコストを効果的に低減できる麦芽の製造方法、麦芽製造の効率化方法、及びビールテイスト飲料の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る実施例における麦芽の製造を評価した結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
【0015】
本実施形態の一側面に係る麦芽の製造方法(以下、「本麦芽製法」という。)においては、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させる。すなわち、本発明の発明者らは、麦芽の製造に要する時間及び/又はコストを低減するための技術的手段について鋭意検討を行った結果、発芽させる未発芽麦類に予め搗精処理を施しておくことにより、当該時間及び/又はコストを効果的に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
したがって、本実施形態は、他の側面として、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることにより、当該搗精処理が施されていない未発芽麦類を発芽させる場合に比べて、麦芽の製造に要する時間及び/又はコストを低減する、麦芽製造の効率化方法を包含する。
【0017】
また、麦芽の製造を効率化することにより、当該麦芽を使用するビールテイスト飲料の製造方法も効率化することができる。このため、本実施形態は、さらに他の側面として、本麦芽製法により製造された麦芽を用いる、ビールテイスト飲料の製造方法(以下、「本飲料製法」という。)をも包含する。
【0018】
本麦芽製法で用いる未発芽麦類は、未だ発芽していない麦類である。すなわち、未発芽麦類は、例えば、収穫されてから、後述する浸麦処理及び/又は発芽処理が未だ施されていない麦類である。
【0019】
未発芽麦類の種類は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、未発芽大麦、未発芽小麦、未発芽燕麦及び未発芽ライ麦からなる群より選択される1以上であることが好ましく、未発芽大麦であることが特に好ましい。
【0020】
本麦芽製法においては、予め搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させる。未発芽麦類に施される搗精処理は、当該未発芽麦類の穀粒の一部(特に、穀粒の表面の一部)を削り取ることにより、搗精後の当該未発芽麦類の重量を、搗精前の当該未発芽麦類の重量に比べて低減させる処理である。
【0021】
搗精処理の具体的な方法は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、摩擦式搗精装置及び/又は研削式搗精装置を用いる方法が好ましく採用される。例えば、研削式搗精装置としては、未発芽麦類と接触することにより、当該未発芽麦類の穀粒の一部を削り取る研削部(例えば、研削用ロール)を備えた搗精装置が特に好ましく用いられる。摩擦式搗精装置及び研削式搗精装置としては、市販の装置を用いることもできる。
【0022】
搗精処理による未発芽麦類の搗精の程度は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、当該搗精の程度は、用途に応じた所望の範囲内であることが好ましい。ここで、搗精処理における未発芽麦類の搗精の程度は、例えば、搗精度によって評価される。
【0023】
未発芽麦類の搗精度(重量%)は、搗精処理に供した未発芽麦類の重量から、当該搗精処理後の未発芽麦類の重量を減じて得られる減少重量を、当該搗精処理に供した未発芽麦類の重量で除して、さらに100を乗じて得られる重量割合であり、次の式から算出される:搗精度(重量%)=(「搗精処理に供した未発芽麦類の重量」-「搗精処理後の未発芽麦類の重量」)÷「搗精処理に供した未発芽麦類の重量」×100。したがって、搗精処理が進行するにつれて、搗精度は増加する。
【0024】
本麦芽製法においては、搗精処理が施された搗精度が4.9重量%以下の未発芽麦類を発芽させることが好ましい。未発芽麦類の搗精度は、例えば、4.7重量%以下であることがより好ましく、4.5重量%以下であることがさらに好ましく、4.3重量%以下であることがさらに好ましく、4.1重量%以下であることがさらに好ましく、4.0重量%以下であることがさらに好ましく、3.9重量%以下であることが特に好ましい。未発芽麦類の搗精度が上述した上限値以下の範囲内であることにより、当該未発芽麦類の発芽率を効果的に維持することができる。
【0025】
また、未発芽麦類の搗精度は、例えば、0.1重量%以上であることが好ましく、0.2重量%以上であることがより好ましく、0.3重量%以上であることがさらに好ましく、0.4重量%以上であることがさらに好ましく、0.5重量%以上であることがさらに好ましく、0.7重量%以上であることがさらに好ましく、1.0重量%以上であることがさらに好ましく、1.5重量%以上であることがさらに好ましく、2.0重量%以上であることが特に好ましい。未発芽麦類の搗精度が上述した下限値以上の範囲内であることにより、本発明の効果がより顕著に得られる。搗精処理が施された未発芽麦類の搗精度は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組み合わせて特定されてもよい。
【0026】
未発芽麦類の搗精度は、搗精処理の条件によって調整することができる。すなわち、例えば、未発芽麦類に搗精処理を施す時間(例えば、研削式搗精装置を用いて搗精処理を行う場合には、当該装置内で未発芽麦類に搗精処理を施す時間)によって、当該未発芽麦類の搗精度を調整することができる。
【0027】
なお、本麦芽製法においては、予め搗精処理が施された未発芽麦類を入手して用いてもよく、この場合、本麦芽製法は、未発芽麦類に搗精処理を施すことを含まなくてもよいが、本麦芽製法は、未発芽麦類に搗精処理を施すことを含んでもよい。
【0028】
本麦芽製法において、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させる方法は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、本製麦方法は、当該搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施す浸麦工程と、当該浸麦処理が施された麦類(以下、「浸麦麦類」という。)の発芽を進行させて麦芽を得る発芽工程と、を含むことが好ましい。
【0029】
この場合、浸麦工程においては、未発芽麦類に浸麦処理を施して、発芽に適した所定範囲内の浸麦度を有する浸麦麦類を得る。ここで、浸麦度は、浸麦麦類の水分含有量であり、次の式で算出される:浸麦度(重量%)=(浸麦処理後の重量-浸麦処理前の重量+浸麦処理前の水分重量)÷浸麦処理後の重量×100。
【0030】
浸麦工程において得られる浸麦麦類の浸麦度は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、30重量%以上であってもよく、31重量%以上であることが好ましく、32重量%以上であることがより好ましく、33重量%以上であることがさらに好ましく、34重量%以上であることが特に好ましい。
【0031】
また、浸麦工程において得られる浸麦麦類の浸麦度は、例えば、60重量%以下であってもよく、58重量%以下であることが好ましく、56重量%以下であることがより好ましく、54重量%以下であることがさらに好ましく、52重量%以下であることがさらに好ましく、50重量%以下であることがさらに好ましく、48重量%以下であることがさらに好ましく、46重量%以下であることが特に好ましい。浸麦工程において得られる浸麦麦類の浸麦度は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組み合わせて特定されてもよい。
【0032】
浸麦処理の具体的な方法は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、未発芽麦類に給水して当該麦類を水中で所定時間保持(浸漬)し、その後、排水して当該麦類を大気中で所定時間保持するという操作(水の張り/切り)を、所定範囲内の浸麦度が達成されるまで繰り返す方法が好ましく採用される。
【0033】
この場合、水の張り/切り操作を繰り返す回数は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、1回以上であってもよく、2回以上であってもよく、3回以上であってもよい。また、この回数は、例えば、20回以下であってもよく、19回以下であってもよい。水の張り/切り操作を繰り返す回数は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組み合わせて特定されてもよい。
【0034】
浸麦処理で用いる水の温度は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、5℃以上であってもよく、6℃以上であることが好ましく、7℃以上であることがより好ましく、8℃以上であることが特に好ましい。また、浸麦処理に用いる水の温度は、例えば、30℃以下であってもよく、29℃以下であることが好ましく、28℃以下であることがより好ましく、27℃以下であることが特に好ましい。浸麦処理に用いる水の温度は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組み合わせて特定されてもよい。
【0035】
本麦芽製法の浸麦工程においては、搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施すことにより、当該搗精処理が施されていない未発芽麦類(以下、「対照未発芽麦類」という。)に浸麦処理を施して所定の浸麦度を有する麦類(以下、「対照浸麦麦類」という。)を得る場合に比べて短い浸麦処理時間で当該所定の浸麦度を有する麦類を得ることができる。
【0036】
すなわち、より具体的に、本麦芽製法の浸麦工程においては、搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施すことにより、浸麦処理の対象として対照未発芽麦類を用いる点及び浸麦処理時間が異なる点以外は同一条件の浸麦処理を当該対照未発芽麦類に施して所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得る場合に比べて、より短い浸麦処理時間で、当該搗精処理が施された未発芽麦類から当該所定の浸麦度を有する浸麦麦類を得ることができる。
【0037】
なお、本実施形態において浸麦処理時間とは、浸麦工程において浸麦処理を開始した時点から、当該浸麦処理を終了する時点までに要する時間である。すなわち、例えば、上述した水の張り/切りを繰り返す場合、浸麦処理時間は、最初の水張りを開始した時点から、発芽工程に移行するまでに要する時間である。
【0038】
具体的に、例えば、浸麦工程においては、搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施すことにより、対照未発芽麦類に浸麦処理を施して所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得る場合に比べて1時間以上、好ましくは2時間以上、より好ましくは5時間以上、特に好ましくは10時間以上、短い浸麦処理時間で、当該所定の浸麦度を有する浸麦麦類を得ることとしてもよい。
【0039】
この点、本麦芽製法においては、浸麦工程において、対照未発芽麦類に浸麦処理を施して所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得る場合に比べて1時間以上、好ましくは2時間以上、より好ましくは5時間以上、特に好ましくは10時間以上、短い浸麦処理時間で、当該所定の浸麦度を有する浸麦麦類を得ることができる搗精度で搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることとしてもよい。
【0040】
また、例えば、浸麦工程においては、搗精処理が施された未発芽麦類に浸麦処理を施すことにより、対照未発芽麦類に浸麦処理を施して所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得る場合に比べて1%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上、特に好ましくは30%以上、短い浸麦処理時間で、当該所定の浸麦度を有する浸麦麦類を得ることとしてもよい。
【0041】
この点、本麦芽製法においては、浸麦工程において、対照未発芽麦類に浸麦処理を施して所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得る場合に比べて1%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上、特に好ましくは30%以上、短い浸麦処理時間で、当該所定の浸麦度を有する浸麦麦類を得ることができる搗精度で搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることとしてもよい。
【0042】
なお、上述した浸麦処理時間の低減率は、対照未発芽麦類から所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得るための浸麦処理時間から、搗精処理が施された未発芽麦類から当該所定の浸麦度を有する浸麦麦類を得るための浸麦処理時間を減じて得られる低減時間を、当該対照未発芽麦類から所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得るための浸麦処理時間で除して、さらに100を乗じた値として、次の式で算出される:浸麦処理時間の低減率(%)=(「対照未発芽麦類から所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得るための浸麦処理時間(時間)」-「搗精処理が施された未発芽麦類から当該所定の浸麦度を有する浸麦麦類を得るための浸麦処理時間(時間)」)÷「対照未発芽麦類から所定の浸麦度を有する対照浸麦麦類を得るための浸麦処理時間(時間)」×100。
【0043】
浸麦処理時間の低減率の上限値は特に限られないが、例えば、80%以下であってもよく、70%以下であってもよく、65%以下であってもよく、60%以下であってもよい。本麦芽製法における浸麦処理時間の低減率は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組み合わせて特定されてもよい。
【0044】
本麦芽製法の発芽工程においては、浸麦工程で得られた浸麦麦類を、発芽に適した環境に置くことにより、その発芽を進行させ、最終的に麦芽を得る。
【0045】
発芽工程において発芽を進行させるために浸麦麦類を保持する雰囲気(大気)の温度(発芽温度)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、5℃以上であってもよく、6℃以上であることが好ましく、7℃以上であることがより好ましく、8℃以上であることが特に好ましい。また、発芽温度は、例えば、30℃以下であってもよく、29℃以下であることが好ましく、28℃以下であることがより好ましく、27℃以下であることが特に好ましい。発芽温度は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組み合わせて特定されてもよい。
【0046】
発芽工程において発芽を進行させるために浸麦麦類を保持する時間(発芽時間)は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、10時間以上であってもよく、11時間以上であってもよく、12時間以上であってもよく、13時間以上であってもよい。また、発芽時間は、例えば、240時間以下であってもよく、230時間以下であってもよく、220時間以下であってもよい。発芽時間は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組み合わせて特定されてもよい。
【0047】
なお、本実施形態において発芽時間とは、浸麦工程の終了後、浸麦麦類を発芽に適した環境に置いて発芽の進行を開始した時点から、得られた麦芽を当該環境から回収し始める時点までに要する時間である。
【0048】
発芽工程においては、所定値以上の発芽率で麦芽を得ることが好ましい。すなわち、発芽工程においては、例えば、70%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、さらに好ましくは94%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは96%以上の発芽率で麦芽を得ることとしてもよい。
【0049】
なお、発芽率は、発芽工程において発芽に供した浸麦麦類の穀粒数に対する、最終的に得られる発芽した浸麦麦類の穀粒数の割合(%)として算出される。ここで、麦類が発芽しているか否かは、当該麦類の穀粒の胚が生長を開始しているか否かを目視で判断し、当該穀粒の胚が生長を開始している場合には、発芽している(麦芽が得られている)と判断する。
【0050】
本麦芽製法によれば、麦芽の製造に要する時間及び/又はコストを効果的に低減することができる。すなわち、例えば、上述のとおり、浸麦工程において所定の浸麦度を有する麦芽を得るための浸麦処理時間を効果的に低減することにより、麦芽の製造に要する時間及び/又はコストを効果的に低減することができる。この結果、本麦芽製法によれば、麦芽の製造に要するエネルギー量を効果的に低減することができる。
【0051】
本麦芽製法は、発芽工程で得られた麦芽に焙燥処理を施す焙燥工程をさらに含んでもよい。焙燥処理は、麦芽を加熱することを含み、公知の方法により好ましく実施できる。
【0052】
本麦芽製法においては、対照未発芽麦類を発芽させて得られる麦芽(以下、「対照麦芽」という。)に比べて、コングレス麦汁の色度(°EBC)が大きい麦芽を製造することとしてもよい。
【0053】
すなわち、本発明の発明者らは、発芽させる麦類として、搗精処理が施された未発芽麦類を用いるだけで、意外にも、当該搗精処理が施されていない未発芽麦類を用いる場合に比べて、コングレス麦汁の色度(°EBC)が大きい麦芽を製造できることを見出した。
【0054】
具体的に、本麦芽製法においては、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることにより、発芽の対象として対照未発芽麦類を用いる点(及び浸麦処理時間が異なる点)以外は同一条件で当該対照未発芽麦類を発芽させて得られた対照麦芽のコングレス麦汁の色度(°EBC)に比べて、より大きな当該色度(°EBC)を有する麦芽を得ることができる。
【0055】
より具体的に、本麦芽製法においては、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることにより、コングレス麦汁の色度(°EBC)が対照麦芽よりも0.01(°EBC)以上、好ましくは0.05(°EBC)以上、より好ましくは0.1(°EBC)以上、さらに好ましくは0.5(°EBC)以上、さらに好ましくは1.0(°EBC)以上、さらに好ましくは1.5(°EBC)以上、さらに好ましくは2.0(°EBC)以上、さらに好ましくは2.5(°EBC)以上、さらに好ましくは3.0(°EBC)以上、特に好ましくは3.5(°EBC)以上大きい麦芽を得ることとしてもよい。
【0056】
なお、麦芽のコングレス麦汁の色度は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.8 色度」の「8.8.2 吸光度法」に記載の方法により測定される。
【0057】
また、本麦芽製法においては、搗精処理が施された未発芽麦類を発芽させることにより、コングレス麦汁の色度(°EBC)が対照麦芽よりも、0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上以上、さらに好ましくは10%以上以上、さらに好ましくは15%以上以上、特に好ましくは20%以上、大きい麦芽を得ることとしてもよい。
【0058】
なお、この色度の増加率は、本麦芽製法において搗精処理が施された未発芽麦類から得られた麦芽の色度(°EBC)から、対照麦芽の色度(°EBC)を減じて得られる増加量を当該対照麦芽の色度(°EBC)で除して、さらに100を乗じた値として、次の式で算出される:色度の増加率(%)=(「搗精処理が施された未発芽麦類から得られた麦芽の色度(°EBC)」-「対照麦芽の色度(°EBC)」)÷「対照麦芽の色度(°EBC)」×100。
【0059】
したがって、発芽させる未発芽麦類として、搗精処理が施された未発芽麦類を用いることにより、所望の色度を達成するために使用する麦芽の量を効果的に低減することができ、及び/又は、所望の色度を達成するための焙燥処理及び/又は焙煎処理に要する時間及び/又はコストを効果的に低減することができる。
【0060】
本麦芽製法により製造された麦芽(以下、「本麦芽」という。)は、例えば、ビールテイスト飲料の製造に好ましく用いられる。そこで、本飲料製法においては、原料の少なくとも一部として、本麦芽を用いる。
【0061】
具体的に、本飲料製法は、例えば、原料液を用いてビールテイスト飲料を製造する方法であって、本麦芽を含む原料を用いて当該原料液を調製することを含む。原料液は、本麦芽を含む原料と水とを混合して調製する。
【0062】
原料は、本麦芽以外の植物原料を含んでもよい。植物原料は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、穀類、豆類及びイモ類からなる群より選択される1以上を含むことが好ましい。穀類、豆類及びイモ類は、発芽させたものであってもよいし、発芽させていないものであってもよいし、これら両方であってもよい。
【0063】
穀類は、例えば、麦類、米類、とうもろこし及びこうりゃんからなる群より選択される1以上であることが好ましく、麦類であることが特に好ましい。麦類は、例えば、大麦、小麦、燕麦及びライ麦からなる群より選択される1以上であることが好ましく、大麦及び小麦からなる群より選択される1以上であることがより好ましく、大麦であることが特に好ましい。
【0064】
原料100重量部に対する、当該原料に含まれる本麦芽の重量は、本発明の効果が得られれば特に限られない。
【0065】
原料液は、糖化を行って調製してもよい。糖化は、本麦芽と、消化酵素(例えば、多糖類分解酵素及び/又はタンパク質分解酵素)とを含む原料液を、当該消化酵素が働く温度(例えば、30℃以上、80℃以下)に加熱することにより行う。消化酵素としては、原料に含まれるもの(例えば、本麦芽に含まれるもの)、及び/又は、外的に添加されるもの(例えば、微生物に由来するもの)が好ましく使用される。
【0066】
原料液は、煮沸を行って調製してもよい。この場合、原料液は、糖化を行い、その後、煮沸を行って調製してもよい。また、これらの場合、本麦芽及びホップ原料を含む原料液を煮沸してもよい。すなわち、例えば、本麦芽を含む原料液にホップ原料を添加し、当該ホップ原料を含む原料液を煮沸してもよい。
【0067】
ホップ原料は、本発明の効果が得られれば特に限られないが、例えば、ホップペレット、ホップパウダー、プレスホップ、生ホップ、ホップエキス、イソ化ホップ、ローホップ、テトラホップ、ヘキサホップ及びホップ由来苦味料(例えば、ホップに由来するイソα酸及び/又はα酸を含む、苦味料として使用される組成物)からなる群より選択される1以上であることが好ましい。
【0068】
ビールテイスト飲料の製造方法は、アルコール発酵を行うことを含んでもよい。この場合、原料液に酵母を添加して、当該酵母によるアルコール発酵を行う。すなわち、原料液に酵母を添加して発酵液を調製し、当該発酵液を所定の温度で所定時間保持することにより、当該発酵液のアルコール発酵を行う。
【0069】
原料液に添加する酵母は、アルコール発酵を行う生きた酵母であれば特に限られないが、例えば、ビール酵母、ワイン酵母、焼酎酵母及び清酒酵母からなる群より選択される1以上であることが好ましい。アルコール発酵開始時の原料液における酵母の密度は、例えば、1×106個/mL以上、3×109個/mL以下であることが好ましい。
【0070】
アルコール発酵を行う温度は、例えば、30℃以下(例えば、0℃超、30℃以下)であってもよく、25℃以下であってもよく、20℃以下であってもよく、15℃以下であってもよい。アルコール発酵を行う時間は、例えば、1日以上、14日以下であってもよい。
【0071】
また、アルコール発酵を行うことなくビールテイスト飲料を製造してもよい。この場合、例えば、原料液と他の成分と混合して飲料を得る。原料液と混合する他の成分は特に限られないが、例えば、糖類、食物繊維、色素、香料、酸味料、甘味料、苦味料及びアルコール(例えば、エタノール)からなる群より選択される1以上であることが好ましい。
【0072】
本飲料製法によれば、製造に要する時間及び/又はコストが効果的に低減された本麦芽を用いることにより、ビールテイスト飲料の製造に要する時間及び/又はコストも効果的に低減することができる。また、その結果、本飲料製法によれば、ビールテイスト飲料の製造に要するエネルギー量を効果的に低減することができる。
【0073】
本飲料製法において製造されるビールテイスト飲料は、ビール様の香味を有する飲料である。ビールテイスト飲料は、その製造時の条件(例えば、ホップの使用の有無、及び/又は、アルコール発酵の有無等)に関わらず、ビール様の香味を有する飲料であれば特に限られない。
【0074】
ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよい。アルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の飲料である。アルコール飲料のアルコール含有量は、例えば、2体積%以上であってもよく、3体積%以上であってもよく、4体積%以上であってもよい。また、アルコール飲料のアルコール含有量は、例えば、20体積%以下であってもよく、15体積%以下であってもよく、10体積%以下であってもよく、9体積%以下であってもよい。アルコール飲料のアルコール含有量は、上述した下限値のいずれかと、上述した上限値のいずれかとを任意に組み合わせて特定されてもよい。なお、アルコール発酵を行うことなくアルコール飲料を製造する場合、例えば、原料液にエタノール、スピリッツ、発酵液等のアルコール含有組成物を添加することにより、当該アルコール飲料を得ることができる。
【0075】
ビールテイスト飲料は、ノンアルコール飲料であってもよい。ノンアルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%未満の飲料である。ノンアルコール飲料のアルコール含有量は、例えば、0.5体積%未満であってもよく、0.05体積%未満であってもよく、0.005体積%未満であってもよい。なお、アルコール発酵を行ってノンアルコール飲料を製造する場合には、例えば、当該アルコール発酵後の発酵液に、アルコール含有量を低減する処理を施すことにより、ノンアルコール飲料を得ることができる。
【0076】
ビールテイスト飲料は、発泡性飲料であってもよい。発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を有する飲料である。なお、アルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造する場合、例えば、炭酸ガスの吹き込み及び炭酸水の使用からなる群より選択される1以上により、飲料に発泡性を付与することができる。
【0077】
発泡性飲料は、そのNIBEM値が50秒以上であってもよく、80秒以上であることが好ましく、150秒以上であることがより好ましく、200秒以上であることが特に好ましい。発泡性飲料のNIBEM値は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.29 泡-NIBEM-Tを用いた泡持ち測定法-」に記載の方法により測定される。
【0078】
発泡性飲料は、その炭酸ガス圧が1.0kg/cm2以上であってもよく、2.0kg/cm2以上であってもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧の上限値は、特に限られないが、当該炭酸ガス圧は、3.0kg/cm2以下であってもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.21 ガス圧」に記載の方法により測定される。
【0079】
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
【実施例0080】
[未発芽麦類の搗精処理]
未発芽麦類として、市販の二条皮麦である2品種の未発芽大麦(以下、区別する場合には「未発芽大麦A」及び「未発芽大麦B」という。)を用意した。そして、研削式搗精装置として、市販の研削式精米機(テストミルTM05C、株式会社サタケ製)を用いて、互いに異なる複数の条件にて、未発芽大麦に搗精処理を施した。また、搗精処理後の未発芽大麦の搗精度(重量%)を上述の方法により評価した。
【0081】
[麦芽の製造]
上述のようにして搗精処理が施された未発芽大麦を発芽させて、麦芽を製造した。すなわち、浸麦工程においては、搗精処理が施された未発芽大麦を15℃の水中に5~7時間浸漬し、その後、排水して、当該大麦を15℃の大気中で5~7時間保持するという、水の張り/切り操作を複数回繰り返すことにより、浸麦度が43.2重量%~43.7重量%の大麦(浸麦大麦)を得た。
【0082】
次いで、発芽工程においては、浸麦工程で得られた浸麦処理後の浸麦大麦に発芽処理を施した。具体的に、発芽室の温度を15℃に設定し、浸麦大麦を138時間~147時間発芽させた。さらに、発芽工程で得られた麦芽に焙燥処理を施した。
【0083】
こうして、搗精処理が施された未発芽大麦から麦芽を製造した。なお、対照として、搗精処理が施されていない未発芽大麦(未発芽大麦A及び未発芽大麦B)を用いて、同様に麦芽を製造した。また、得られた麦芽について、発芽率(%)、及びコングレス麦汁の色度(°EBC)を上述した方法により評価した。
【0084】
[結果]
図1には、未発芽大麦A及び未発芽大麦Bのそれぞれについて、搗精処理時間(秒)、搗精度(重量%)、浸麦工程において達成された浸麦度(重量%)、当該浸麦度の達成に要した浸麦処理時間(時間)、当該浸麦処理時間の低減量(時間)及び低減率(%)、発芽工程で得られた麦芽の発芽率(%)、色度(°EBC)、当該色度の増加量(°EBC)及び増加率(%)を示す。
【0085】
図1に示すように、未発芽大麦に対する搗精処理時間が増加するにつれて、当該未発芽大麦の搗精度も増加した。
【0086】
また、浸麦工程において、所定範囲内の浸麦度(43.2重量%~43.7重量%)を達成するために要した浸麦処理時間は、未発芽大麦に対する搗精処理時間が増加するにつれて、効果的に低減された。
【0087】
すなわち、品種Aについては、搗精処理が施されていない(すなわち、搗精処理時間がゼロ秒の)未発芽大麦を用いた例1-1では、浸麦処理時間は40時間であったのに対し、搗精度がそれぞれ0.92重量%、2.20重量%、3.15重量及び5.06重量%の未発芽大麦を用いた例1-2、例1-3、例1-4及び例1-5においては、浸麦処理時間が当該例1-1のそれより2時間、10時間、13時間及び20時間低減され、浸麦処理時間の低減率4%、24%、34%及び51%が達成された。
【0088】
また、品種Bについては、搗精処理が施されていない未発芽大麦を用いた例2-1では、浸麦処理時間は53時間であったのに対し、搗精度がそれぞれ0.39重量%、1.28重量%及び3.51重量%の未発芽大麦を用いた例2-2、例2-3及び例2-4においては、浸麦処理時間が当該例2-1のそれより9時間、18時間及び28時間低減され、浸麦処理時間の低減率17%、35%及び54%が達成された。
【0089】
また、全ての例において、92%~100%の発芽率が得られた。特に、搗精度が5.06重量%未満であった例1-2~例1-4及び例2-2~例2-4においては、96%~100%という顕著に高い発芽率が達成された。
【0090】
また、麦芽のコングレス麦汁の色度は、搗精度が増加するにつれて増加する傾向が確認された。すなわち、品種Aについては、例1-3、例1-4及び例1-5で得られた麦芽のコングレス麦汁の色度(°EBC)が、それぞれ例1-1で得られた麦芽のそれより3.62(°EBC)、3.77(°EBC)及び15.13(°EBC)大きく、当該色度の増加率87.5%、91.1%及び365.5%が達成された。また、品種Bについては、例2-3及び例2-4で得られた麦芽のコングレス麦汁の色度(°EBC)が、それぞれ例2-1で得られた麦芽のそれより0.05(°EBC)及び1.13(°EBC)大きく、当該色度の増加率1.2%及び29.1%が達成された。