(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075206
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】陳列棚および陳列方法
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
A47F5/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186478
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】瀬田 亮
(72)【発明者】
【氏名】益田 裕介
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA16
(57)【要約】
【課題】陳列棚の正面に顧客を誘導して、表示画面の情報を知らせることができる陳列棚および陳列方法を提供する。
【解決手段】物品を陳列可能な棚部2と、棚部2の上部に設けられ前方を向く第1表示画面3と、棚部2の側部に設けられ側方を向く第2表示画面4と、を有し、第1表示画面3は、第2表示画面4よりも後方に位置し前方かつ第2表示画面4が設けられる側の側方となる斜め前方から見ると、第2表示画面4と、第1表示画面3の少なくとも一部とが視認可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を陳列可能な棚部と、
前記棚部の上部に設けられ前方を向く第1表示画面と、
前記棚部の側部に設けられ側方を向く第2表示画面と、を有し、
前記第1表示画面は、前記第2表示画面よりも後方に位置し
前方かつ前記第2表示画面が設けられる側の側方となる斜め前方から見ると、前記第2表示画面と、前記第1表示画面の少なくとも一部とが視認可能である陳列棚。
【請求項2】
前記第1表示画面の上端部は、前記第2表示画面の上端部よりも上方に位置する請求項1に記載の陳列棚。
【請求項3】
前記第1表示画面は、前記第2表示画面よりも大きい形状である請求項1又は2に記載の陳列棚。
【請求項4】
請求項1に記載の陳列棚の前記第1表示画面および前記第2表示画面に同一の情報を表示する陳列方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列棚および陳列方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニストアなどの店舗に設置され商品を陳列する陳列棚として、正面の上部に画像や動画を表示する表示画面が設けられた陳列棚が知られている(例えば、特許文献1参照)。表示画面には、例えば陳列棚に陳列された商品の情報などの販売促進を目的とした情報が表示される。このような陳列棚は、表示画面に表示された情報を陳列棚の正面にいる顧客に知らせるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再公表WO2020/246596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような陳列棚では、陳列棚の正面にいる顧客にしか表示画面の情報を知らせることができず、陳列棚の側方にいる顧客には表示画面の情報を知らせることができない。このため、顧客を陳列棚の正面に誘導する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、陳列棚の正面に顧客を誘導して、表示画面の情報を知らせることができる陳列棚および陳列方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る陳列棚は、物品を陳列可能な棚部と、前記棚部の上部に設けられ前方を向く第1表示画面と、前記棚部の側部に設けられ側方を向く第2表示画面と、を有し、前記第1表示画面は、前記第2表示画面よりも後方に位置し、前方かつ前記第2表示画面が設けられる側の側方となる斜め前方から見ると、前記第2表示画面と、前記第1表示画面の少なくとも一部とが視認可能である。
【0007】
本発明では、店舗などに陳列棚が設置される場合、陳列棚の前方かつ第2表示画面が設けられる側の側方となる斜め前方にいる人(顧客)は、陳列棚が設置されている方を見て、第2表示画面を見ると、第1表示画面の少なくとも一部も斜め前方から視認できる。すなわち、顧客は、第2表示画面を見ると、第1表示画面の存在を認知できる。このとき、顧客が第1表示画面の表示内容に興味を持つと、第1表示画面を見やすい陳列棚の正面に移動することが想定される。このように、本発明では、陳列棚の正面に顧客を誘導して、第1表示画面の情報を知らせることができる。
【0008】
本発明に係る陳列棚では、前記第1表示画面の上端部は、前記第2表示画面の上端部よりも上方に位置していてもよい。
【0009】
このような構成とすることにより、陳列棚の前方かつ第2表示画面が設けられる側の側方となる斜め前方にいる顧客が、第2表示画面を見たときに、第1表示画面を認知しやすい構成とすることができる。
【0010】
本発明に係る陳列棚では、前記第1表示画面は、前記第2表示画面よりも大きい形状であってもよい。
【0011】
このような構成とすることにより、陳列棚の前方かつ第2表示画面が設けられる側の側方となる斜め前方にいる顧客が、第2表示画面を見たときに、第1表示画面を認知しやすい構成とすることができる。
【0012】
本発明に係る陳列方法は、上記の陳列棚の前記第1表示画面および前記第2表示画面に同一の情報を表示する。
【0013】
本発明では、顧客が第2表示画面を見て、その内容に興味を持ち、第2表示画面を見たときに見える第1表示画面においても同一の情報が表示されていることを認知すると、第1表示画面を見やすい陳列棚の正面に移動することが想定される。このように、本発明では、陳列棚の正面に顧客を誘導して、第1表示画面の情報を知らせることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、陳列棚の正面に顧客を誘導して、表示画面の情報を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】陳列棚の幅方向の一方側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態による陳列棚および陳列方法について、
図1から
図6に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態による陳列棚1は、例えば、コンビニストアなどの店舗に設置され、商品などの物品が陳列される。
図1から
図4に示すように、陳列棚1は、棚部2と、第1表示画面3と、第2表示画面4と、を有している。棚部2は、商品が陳列される。第1表示画面3および第2表示画面4には、店舗側が顧客(
図4参照)に周知したい情報の画像や動画が表示される。
【0017】
本実施形態の陳列棚1は、陳列棚1の正面にいる顧客13が商品にアクセスできるように商品が陳列される。陳列棚1に対して顧客13がいる側を前側、顧客13に対して陳列棚1が設置されている側を後側、と表記し、前側と後側とを結ぶ水平方向を前後方向と表記する。前後方向に交差する水平方向を幅方向と表記する。図面では、幅方向を矢印Xで示し、前後方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。上下方向の寸法を高さ方向と表記することがある。特許請求の範囲の側方は、幅方向に相当する。
第1表示画面3は、棚部2の上部に設けられている。第2表示画面4は、棚部2の幅方向の一方側の側部に設けられている。
【0018】
図1、
図4および
図5を示すように、棚部2は、底板21と、一対の支柱22と、背板23と、側板24と、棚板25と、棚受26と、を有する。棚受26は、
図4および
図5に示す。
【0019】
底板21は、平面視矩形の板状である。底板21は、床面11に設置される。底板21には、キャスタ211(
図4参照)が取り付けられていて、床面11を走行可能である。底板21には、床面11に設置されて高さを調整するためのアジャスタ212が取り付けられている。
一対の支柱22は、一方が底板21の後側の幅方向の一方側の角部から上方に延び、他方が底板21の後側の幅方向の他方側の角部から上方に延びている。支柱22は、上下方向に所定のピッチで棚板25を取り付けるための棚受26を着脱可能である。一対の支柱22の間には、棚部2の強度を補強するための梁材が架設されていてもよい。
【0020】
背板23は、板状や、商品をかけるフックを着脱可能なメッシュなどの網目のある板状である。背板23は、板面が前後方向を向く姿勢で一対の支柱22の間に設けられている。背板23は、幅方向の両端部が支柱22に着脱可能に固定されている。
側板24は、板状や、商品をかけるフックを着脱可能なメッシュなどの網目のある板状である。背板23は、板面が幅方向を向く姿勢で棚部2の幅方向の他方側の側部に設けられている。側板24は、後端部が支柱22に着脱可能に固定されている。
【0021】
図2に示すように、背板23の上端部23aおよび側板24の上端部24aは、一対の支柱22それぞれの上端部22aと略同じ高さに配置されている。背板23の下端部23bは、底板21の上面とわずかな隙間をあけて配置されている。側板24の高さ寸法は、背板23の高さ寸法よりも短い。側板24の下端部24bは、背板23の下端部23bよりも上方に配置されている。
図4に示すように、側板24の前端部24cは、底板21の前端部21cよりも後方に配置されている。
【0022】
棚板25は、上下方向に間隔をあけて複数設けられている。本実施形態では、2つの棚板25が設けられている。棚板25は、一対の支柱22それぞれに取り付けられた棚受26の上に載置されている。例えば、一対の支柱22には、棚受26を挿し込み可能な孔部が上下方向に間隔をあけて複数形成されている。支柱22に対する棚受26の取り付け高さを調整することによって、その上に載置される棚板25を任意の高さに設置できる。
図4に示すように、棚板25の前端部25cは、側板24の前端部24cよりもやや後方に配置されている。
【0023】
本実施形態では、棚板25の前端部25cには、棚札を表示可能な第3表示画面251を備える第3表示装置252が取り付けられている。第3表示装置252は、液晶やELなどのディスプレイ装置などである。棚札は、電子棚札である。第3表示画面251には、棚札とともに他の動画や画像を表示可能である。
【0024】
第3表示装置252は、第3表示画面251の動画や画像を逐一更新可能に構成されていてもよい。このようにすることによって、棚札を逐一更新できることができ、棚札の貼り替え作業を不要にできる。
第3表示装置252は、棚板25に陳列される商品に合わせて設置位置を変更可能である。
【0025】
第1表示画面3は、第1表示装置31に設けられている。第1表示装置31は、液晶やELなどのディスプレイ装置である。
第1表示装置31は、板状に形成され、一方の面に第1表示画面3が設けられている。第1表示装置31は、第1表示画面3が前方を向く姿勢で棚部2の上部側に設けられている。
【0026】
本実施形態では、第1表示装置31は、枠部32に取り付けられている。
図5に示すように、枠部32は、第1表示装置31の上縁部に沿って幅方向に延びる上枠部321と、第1表示装置31の幅方向の両縁部に沿って上下方向に延びる一対の縦枠部322と、を有するC字形状の枠体である。枠部32は、背板23の前側において一対の支柱22に架設された梁材33に支持されている。
【0027】
第1表示装置31は、背板23の前方かつ側板24の幅方向の一方側に配置されているとともに、複数の棚板25のうちの一番上に設置された棚板25の上方に配置されている。
図2に示すように、第1表示装置31の上端部31aは、背板23の上端部23aよりも上方に配置されている。第1表示装置31の下端部31bは、背板23の上端部23aよりも下方に配置されている。
第1表示装置31の幅寸法は、背板23の幅寸法よりもやや小さい。第1表示装置31は、幅方向の中心が背板23の幅方向の中心と重なるように設置されている。
図3に示すように、第1表示装置31の前面、すなわち第1表示画面3は、棚部2の幅方向の一方側に設けられる側壁部42の前端部42cよりも後方に配置されている。側壁部42の詳細は、後述する。
第1表示装置31には、電源コードなどの配線が接続されている。配線は、支柱22や背板23の後方、側壁部42の内部の空部423などを通って下方に延び、電源や各種装置に接続されている。
【0028】
第2表示画面4は、第2表示装置41に設けられている。第2表示装置41は、液晶やELなどのディスプレイ装置である。
第2表示装置41は、板状に形成され、一方の面に第2表示画面4が設けられている。
第2表示装置41は、第2表示画面4が幅方向の一方側を向く姿勢で棚部2の幅方向の一方側に設けられている。本実施形態では、第2表示装置41は、側壁部42に固定されている。
【0029】
側壁部42は、上述しているように、棚部2の幅方向の一方側に設けられている。側壁部42は、壁面が幅方向を向いている。側壁部42の幅方向の一方側の面に第2表示画面4が配置されている。
側壁部42は、床面11に設置されるとともに、後端部42b近傍が幅方向の一方側の支柱22に固定されている。
図2に示すように、側壁部42の上端部42aは、背板23の上端部23aと略同じ高さに配置される。側壁部42の前端部42cは、側板24の前端部24cと前後方向の位置が略同じであり、底板21の前端部21cの後方に配置されている。第2表示画面4は、側壁部42の上部側に配置されている。
【0030】
図5に示すように、本実施形態の側壁部42は、幅方向の他方側の面を構成し支柱22に固定される第1部材421と、幅方向の一方側の面、上端面、前端面および後端面を構成し第1部材421に着脱可能に固定される第2部材422と、を有している。第1部材421と第2部材422との間には、空部423が形成されている。第2表示装置41は、第1部材421と第2部材422との間の空部423に設置されている。第2部材422には、側壁部42の幅方向の一方側に第2表示画面4を露出するための開口部424が形成されている。
側壁部42には、床面11に設置されて高さを調整するためのアジャスタ425が取り付けられている。
【0031】
第2表示装置41には、電源コードなどの配線が接続されている。配線は、側壁部42の内部の空部423などを通って下方に延び、側壁部42の外部に引き出されて電源や各種装置に接続されている。配線は、側壁部42の後方を通って下方に延び、電源や各種装置に接続されていてもよい。
【0032】
側板24および側壁部42は、支柱22に対して着脱可能である。本実施形態では、幅方向の一方側の支柱22に側壁部42に固定し、幅方向の他方側の支柱22に側壁部42を固定しているが、幅方向の一方側の支柱22に側板24に固定し、幅方向の他方側の支柱22に支柱22を固定することも可能である。側板24および側壁部42の第1部材421は、一対の支柱22のいずれにも着脱可能に構成されている。
【0033】
コンビニストアなどの店舗に設置されることを想定した陳列棚1のサイズは、例えば、幅寸法が50cmから200cm、高さ寸法が100cmから200cm、奥行き寸法(前後方向の寸法)が50cmから100cmである。棚板25の枚数は、2枚から8枚程度である。第1表示画面3のサイズは、例えば、対角10インチから40インチである。第2表示画面4のサイズは、例えば、対角10インチから20インチである。
なお、陳列棚1のサイズは、上記に限定されず、適宜設定されてよい。
【0034】
本実施形態の陳列棚1は、
図6に示すように、前方および幅方向の両側方には、他の什器や設備が設置されず、後方に他の什器や設備が設置されるように想定されている。
図6では、本実施形態による陳列棚1の後方に設置される他の陳列棚は、本実施形態による陳列棚12の幅方向を向くように設置されている。
【0035】
図1から
図3および
図6に示すように、第1表示画面3は、第2表示画面4よりも上方かつ後方に配置されている。第1表示画面3の上端部3aは、第2表示画面4の上端部4aよりも上方に配置されている。第1表示画面3の下端部3bは、第2表示画面4の上下方向の中間部の高さに配置されている。第1表示画面3の上部側は、側壁部42の上端部42aよりも上方に配置されている。
このため、陳列棚1の幅方向の一方側で第1表示画面3よりも前方にいる顧客13は、陳列棚1が設置されている方を向き、第2表示画面4を視認すると、第2表示画面4の後側に第1表示画面3の存在を認識でき、第1表示画面3の上部側も斜め前方から視認できる。
なお、第1表示画面3を、第2表示画面4の前後方向の中央よりも後方に設けると、陳列棚1の幅方向の一方側にいる顧客13が第1表示画面3を視認しやすい。
【0036】
陳列棚1を店舗に設置する際に、例えば、陳列棚1の幅方向の一方側かつ第1表示画面3の前方に店舗の出入口など来店した顧客13が通る場所が配置されるように設置する。このようにすることによって、来店した顧客13は、陳列棚1の幅方向の一方側の側部にある第2表示画面4を視認し、その上方にある第1表示画面3を認識して視認することが想定される。
陳列棚1の幅方向の一方側かつ前方であり、陳列棚1の前側かつ幅方向の一方側の角部の斜め45°の位置にいる顧客13が第2表示画面4を視認すると第1表示画面3も視認できるように第1表示画面3および第2表示画面4を配置するとともに、側壁部42の形状を設計することが好ましい。
【0037】
本実施形態の陳列棚1の陳列方法では、第1表示画面3および第2表示画面4それぞれに、陳列棚1に陳列される商品の特徴を示すコンテンツを表示する。このようにすることによって、来店した顧客13は、第2表示画面4を視認して、第2表示画面4に表示された商品について興味があると、第1表示画面3について前側から(正面から)視認しようとして、陳列棚1の前側に誘導されることが想定される。これにより、顧客13が第1表示画面3を視認するとともに、陳列棚1に陳列された商品を手に取りやすくなり、販売促進に繋げることができる。
【0038】
第1表示画面3に表示される画像や動画と第2表示画面4に表示される画像や動画とは、同一であってもよいし、同一商品に関する異なる画像や動画であってもよい。
棚板25の前端部25cに設けられる第3表示画面251にも第1表示画面3および第2表示画面4と同一または関連する画像や動画が表示されてもよい。
【0039】
例えば、陳列棚1に、新商品が陳列される場合、第2表示画面4には、「新商品はこちら」などのように、新商品が陳列されていること周知するための画像や動画を表示し、第1表示画面3には、新商品の情報を周知するための画像や動画を表示するようにしてもよい。陳列棚1に、新商品に代わってキャンペーン商品、季節商品などが陳列される場合も同様にしてもよい。
【0040】
第1表示画面3および第2表示画面4には、商品以外の情報の画像や動画が表示されてもよい。第1表示画面3および第2表示画面4には、互いに異なる情報の画像や動画が表示されてもよい。
例えば、第1表示画面3には、陳列棚1に陳列される商品についての画像や動画が表示され、第2表示画面4には、後に行われるキャンペーンの告知や、後に販売される商品の宣伝となる画像や動画が表示されてもよい。
例えば、陳列棚1の前方に顧客がいるかどうかを検知できるセンサが設けられ、陳列棚1の前方に顧客がいると判断した場合には、第1表示画面3および第2表示画面4に同一または関連する画像や動画を表示し、陳列棚1の前方に顧客がいないと判断した場合には、第1表示画面3と第2表示画面4に互いに異なる画像や動画を表示するようにしてもよい。
【0041】
複数の店舗が各地に設けられた多店舗経営の複数の店舗それぞれに陳列棚1が設置される場合、各店舗の陳列棚1の第1表示画面3および第2表示画面4に表示されるコンテンツを、複数の店舗を統括する本部が管理するようにしてもよい。このようにすることによって、各店舗における第1表示画面3および第2表示画面4の管理にかかる負荷を軽減できる。
店舗ごとに第1表示画面3および第2表示画面4に表示されるコンテンツを配信できるクラウドシステムを設置してもよい。このようにすることによって、店舗ごとに第1表示画面3および第2表示画面4に表示されるコンテンツの配信や時間を操作することができる。
【0042】
次に、本実施形態による陳列棚1および陳列方法の作用・効果について説明する。
本実施形態による陳列棚1では、店舗などに陳列棚1が設置される場合、陳列棚1の前方かつ幅方向の一方側となる斜め前方にいる顧客13は、陳列棚1が設置されている方を向き第2表示画面4を見ると、第1表示画面3の少なくとも一部を斜め前方から視認できる。すなわち、顧客13は、第2表示画面4を視認すると、第1表示画面3の存在を認知できる。このとき、顧客13が第1表示画面3の表示内容に興味を持つと、第1表示画面3を見やすい陳列棚1の正面に移動することが想定される。このように、本実施形態の陳列棚1は、正面に顧客13を誘導して、顧客13に第1表示画面3が表示する情報を知らせることができる。
【0043】
本実施形態による陳列棚1では、第1表示画面3の上端部3aは、第2表示画面4の上端部4bよりも上方に位置している。
このような構成とすることにより、陳列棚1の前方かつ幅方向の一方側となる斜め前方にいる顧客13が、第2表示画面4を視認した際に、第1表示画面3を認知しやすい構成とすることができる。
【0044】
本実施形態による陳列棚1では、第1表示画面3は、第2表示画面4よりも大きい形状である。
このような構成とすることにより、陳列棚1の前方かつ幅方向の一方側となる斜め前方にいる顧客13が、第2表示画面4を視認した際に、第1表示画面3を認知しやすい構成とすることができる。
【0045】
本実施形態による陳列方法は、陳列棚1の第1表示画面3および第2表示画面に同一の情報を表示する。
陳列棚1の前方かつ幅方向の一方側となる斜め前方にいる顧客13が第2表示画面4を見て、その内容に興味を持ち、第1表示画面3においても同一の情報が表示されていることを認知すると、第1表示画面3を見やすい陳列棚1の正面に移動することが想定される。このように、本実施形態による陳列方法では、陳列棚1の正面に顧客13を誘導して、第1表示画面3の情報を知らせることができる。
【0046】
以上、本発明による陳列棚および陳列方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、第1表示画面3の上端部3aは、第2表示画面4の上端部4aよりも上方に位置しているが、前方かつ第2表示画面4が設けられる側の側方となる斜め前方いる顧客などの人から見て、第2表示画面4と、第1表示画面の少なくとも一部とが視認可能であれば、第1表示画面3の上端部3aは、第2表示画面4の上端部4aよりも低い位置に配置されていてもよい。例えば、陳列棚1の前方かつ第2表示画面4が設けられる側の側方となる斜め前方いる人から見て、第2表示画面4の側方に第1表示画面3の少なくとも一部が視認できるように配置されていてもよい。
また、第2表示画面4の上方にメッシュや、開口部のある板材などが設けられ、陳列棚1の前方かつ第2表示画面4が設けられる側の側方となる斜め前方いる人が第2表示画面4を視認すると、メッシュの開口部や、板材の開口部を介して第1表示画面3も視認できるように構成されていてもよい。メッシュや、板材の開口部の周りには、商品が陳列されていてもよい。
【0047】
上記の実施形態では、第1表示画面3は、第2表示画面4よりも大きい形状であるが、第2表示画面4よりも小さい形状であってもよい。第1表示画面3は、第2表示画面4よりも高さ寸法が同じまたは小さく幅寸法が大きい形状であってもよいし、幅寸法が同じまたは小さく高さ寸法が大きい形状であってもよい。
【0048】
上記の実施形態では、第2表示画面4は、陳列棚1の幅方向の一方側に設けられているが、幅方向の他方側や幅方向の両側それぞれに設けられていてもよい。
上記の実施形態では、第2表示画面4が側壁部42に支持される構造であるが、第2表示画面4を支持する構造は、上記以外であってもよい。側壁部42に代わって側板24と同様の部材に第2表示装置41が取り付けられていてもよい。
【0049】
棚部2の幅方向の他方側に側壁部42が設けられ、第2表示画面4が幅方向の一方側を向くように第2表示装置41が設置され、陳列棚1の前方かつ幅方向の一方側となる斜め前方にいる顧客13が、陳列棚1が設置されている方を向くと第2表示画面4および第1表示画面3を視認できるように、第2表示画面4および第1表示画面3が配置されていてもよい。同様に、棚部2の幅方向の一方側に側壁部42が設けられ、第2表示画面4が幅方向の他方側を向くように第2表示装置41が設置されていてもよい。
【0050】
上記の実施形態では、第1表示装置31は、枠部32に取り付けられ、枠部32が棚部2の一対の支柱22に架設された梁材33に支持されている構造であるが、第1表示装置31が陳列棚1に設置される構造は、上記以外であってもよい。
陳列棚1の形状や、商品を陳列する形態は、上記以外であってもよい。
【0051】
陳列棚1は、第1表示装置31および第2表示装置41が棚部2に着脱可能であり、第1表示装置31および第2表示装置41を棚部2から取り外すことで、表示装置の無い陳列棚として使用できるように構成されていてもよい。このような構成にすることによって、第1表示装置31や第2表示装置41を取り付けたり、外したりすることで、店舗のレイアウト変更を容易に行うことができる。
既存の陳列棚に対して、第1表示装置31および第2表示装置41を取り付けて、本実施形態の陳列棚1を構成してもよい。
【0052】
第1表示画面3、第2表示画面4および第3表示画面251には、LEDが使用されていてもよい。このようにすることによって、電気代を削減することができる。
【0053】
陳列棚1には、陳列棚1の前側に来た顧客13が第1表示装置31を視認しているかどうかの検知や、視認している時間の計測、顧客13の情報を分析するためのAIカメラ5が設置されていてもよい。AIカメラ5は、例えば、第1表示装置31が取り付けられている枠部32の上枠部321に設置されていてもよい。また、陳列棚1にBeaconシステムを設け、顧客13の情報を分析してもよい。第1表示装置31の視認状況や、顧客13の情報を分析することによって、販売促進につなげることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 陳列棚
2 棚部
3 第1表示画面
3a 上端部
4 第2表示画面
4b 上端部
31 第1表示装置
41 第2表示装置