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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075207
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】折り目付け装置
(51)【国際特許分類】
   D05B 35/00 20060101AFI20240527BHJP
   D05B 19/12 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
D05B35/00 Z
D05B19/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186480
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 典男
(72)【発明者】
【氏名】朝見 健
(72)【発明者】
【氏名】射越 悠
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150AA16
3B150CC03
3B150CE24
3B150EB01
3B150EB06
3B150EB13
3B150EC08
3B150EC10
3B150GD05
3B150GD25
3B150GE29
3B150QA06
(57)【要約】
【課題】生地の折り目付けを自動化すること。
【解決手段】折り目付け装置は、生地を支持する上面を有する天板と、ロボットマニピュレータと、ロボットマニピュレータに装着され、生地を上方から挟むことにより生地に折り目を付ける折りアセンブリと、ロボットマニピュレータ及び折りアセンブリを制御する制御装置と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地を支持する上面を有する天板と、
ロボットマニピュレータと、
前記ロボットマニピュレータに装着され、前記生地を上方から挟むことにより前記生地に折り目を付ける折りアセンブリと、
前記ロボットマニピュレータ及び前記折りアセンブリを制御する制御装置と、を備える、
折り目付け装置。
【請求項2】
前記ロボットマニピュレータに取り付けられ、前記生地を撮影可能なカメラを備え、
前記制御装置は、前記カメラにより取得された前記生地の画像データに基づいて、折り目を付ける前記生地の目標部位と前記折りアセンブリとが対向するように、前記ロボットマニピュレータを制御する、
請求項1に記載の折り目付け装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記生地の目標部位と前記折りアセンブリとが対向した後、前記折りアセンブリが前記生地の目標部位を挟むように、前記折りアセンブリを制御する、
請求項2に記載の折り目付け装置。
【請求項4】
前記天板を加熱する加熱装置を備え、
前記折りアセンブリは、前記天板を介して前記加熱装置により加熱された後の前記生地に折り目を付ける、
請求項1に記載の折り目付け装置。
【請求項5】
前記折りアセンブリは、
第1ハンドと、
前記第1ハンドとの間で前記生地を挟む第2ハンドと、を有する、
請求項1に記載の折り目付け装置。
【請求項6】
前記折りアセンブリは、
前記第1ハンドよりも下方に配置される山折り部材と、
前記第2ハンドよりも下方に配置され前記山折り部材に接近又は前記山折り部材から離隔するように移動可能な掻き込み部材と、を有し、
前記第1ハンドと前記第2ハンドとは、前記山折り部材と前記掻き込み部材とにより山折りされた部分の前記生地を挟む、
請求項5に記載の折り目付け装置。
【請求項7】
前記折りアセンブリは、
前記第1ハンドと前記第2ハンドとに挟まれた前記生地の端部を折り返す折り返し部材を有し、
前記生地の端部が折り返された後、前記第1ハンドと前記第2ハンドとによる前記生地の挟み付けが解除される、
請求項6に記載の折り目付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、折り目付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、衣服を製造する場合、生地に折り目を付けることが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-072371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、生地の折り目付けは、作業者によって行われていた。衣服を効率良く生産するために、折り目付けの自動化が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、折り目付け装置を開示する。折り目付け装置は、生地を支持する上面を有する天板と、ロボットマニピュレータと、ロボットマニピュレータに装着され、生地を上方から挟むことにより生地に折り目を付ける折りアセンブリと、ロボットマニピュレータ及び折りアセンブリを制御する制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本明細書で開示する技術によれば、生地の折り目付けが自動化される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る縫製装置を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る縫製装置を示す平面図である。
図3図3は、実施形態に係る第1ロボットマニピュレータの先端部に装着された折りアセンブリを示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る第2ロボットマニピュレータの先端部に装着された送りアセンブリを示す斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る第3ロボットマニピュレータの先端部に装着されたミシンアセンブリを示す斜視図である。
図6図6は、実施形態に係る縫製装置の制御装置を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係る折りアセンブリを示す斜視図である。
図8図8は、実施形態に係る折りアセンブリを示す側面図である。
図9図9は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図15図15は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図16図16は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図17図17は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図18図18は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
図19図19は、実施形態に係る折りアセンブリの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態においては、左、右、前、後、上、及び下の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、縫製装置1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0009】
[縫製装置]
図1は、実施形態に係る縫製装置1を示す斜視図である。図2は、実施形態に係る縫製装置1を示す平面図である。図1及び図2に示すように、縫製装置1は、架台2と、天板3と、ロボットマニピュレータ4と、折りアセンブリ5と、送りアセンブリ6と、ミシンアセンブリ7とを備える。
【0010】
架台2は、天板3及びロボットマニピュレータ4のそれぞれを支持する。天板3は、生地100を支持する上面を有する。ロボットマニピュレータ4の基端部は、天板3の周囲の架台2に固定される。折りアセンブリ5、送りアセンブリ6、及びミシンアセンブリ7のそれぞれは、ロボットマニピュレータ4の先端部に着脱される。折りアセンブリ5、送りアセンブリ6、及びミシンアセンブリ7のそれぞれは、ロボットマニピュレータ4の先端部に装着された状態で、生地100について所定の作業を実施可能である。
【0011】
ロボットマニピュレータ4は、多関節ロボットを含む。実施形態において、ロボットマニピュレータ4は、垂直多関節ロボットである。なお、ロボットマニピュレータ4は、水平多関節ロボットでもよい。ロボットマニピュレータ4は、ベース部材と、旋回部材と、第1アームと、第2アームと、第3アームと、旋回アクチュエータと、第1回動アクチュエータと、第2回動アクチュエータと、第3回動アクチュエータとを有する。ベース部材は、架台2に固定される。旋回部材は、ベース部材に旋回可能に支持される。旋回部材は、上下方向に延びる旋回軸を中心に旋回可能にベース部材に支持される。第1アームは、旋回部材に回動可能に連結される。第1アームは、第1回動軸を中心に回動可能に旋回部材に連結される。第1回動軸は、旋回軸に平行な軸と直交する。第2アームは、第1アームの先端部に回動可能に連結される。第2アームは、第2回動軸を中心に回動可能に第1アームに連結される。第2回動軸は、第1回動軸に平行である。第3アームは、第2アームの先端部に回動可能に連結される。第3アームは、第3回動軸を中心に回動可能に第2アームに連結される。第3回動軸は、第2回動軸に平行である。折りアセンブリ5、送りアセンブリ6、及びミシンアセンブリ7のいずれか一つのアセンブリが、第3アームの先端部に装着される。旋回アクチュエータは、旋回部材を旋回させる動力を発生する。第1回動アクチュエータは、第1アームを回動させる動力を発生する。第2回動アクチュエータは、第2アームを回動させる動力を発生する。第3回動アクチュエータは、第3アームを回動させる動力を発生する。
【0012】
ロボットマニピュレータ4は、複数設けられる。実施形態において、ロボットマニピュレータ4は、3台設けられる。ロボットマニピュレータ4は、第1ロボットマニピュレータ4Aと、第2ロボットマニピュレータ4Bと、第3ロボットマニピュレータ4Cとを含む。第1ロボットマニピュレータ4Aの構造と、第2ロボットマニピュレータ4Bの構造と、第3ロボットマニピュレータ4Cの構造とは、実質的に等しい。
【0013】
折りアセンブリ5は、第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部、第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部、及び第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部のそれぞれに着脱可能である。送りアセンブリ6は、第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部、第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部、及び第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部のそれぞれに着脱可能である。ミシンアセンブリ7は、第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部、第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部、及び第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部のそれぞれに着脱可能である。
【0014】
折りアセンブリ5は、生地100に折り目を付ける折り作業を実施する。送りアセンブリ6は、生地100に縫い目を付けるときに生地100を所定方向に送る送り作業を実施する。ミシンアセンブリ7は、生地100に縫い目を付ける縫い作業を実施する。
【0015】
天板3の上面の周囲の架台2に、支持台8、吊り下げ部材9、及び吊り下げ部材10が固定される。折りアセンブリ5は、ロボットマニピュレータ4に装着されないとき、支持台8に支持される。送りアセンブリ6は、ロボットマニピュレータ4に装着されないとき、吊り下げ部材9に吊り下げられる。ミシンアセンブリ7は、ロボットマニピュレータ4に装着されないとき、吊り下げ部材10に吊り下げられる。
【0016】
天板3は、針板11を含む。針板11は、天板3の中央部に固定される。針板11に開口12が設けられる。針板11の直下に釜が配置される。釜にボビンケースが収容される。ボビンケースは、下糸が巻かれたボビンを保持する。釜は、下糸を供給する。天板3の下方に釜ガイド機構13が配置される。釜は、釜ガイド機構13にガイドされながら、針板11の直下の縫製位置と、架台2よりも前側の交換位置との間を移動可能である。釜は、釜移動用アクチュエータが発生する動力により、釜ガイド機構13にガイドされながら縫製位置と交換位置との間を移動することができる。例えばボビンを交換する場合、釜が交換位置に移動される。
【0017】
[折りアセンブリ]
図3は、実施形態に係る第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に装着された折りアセンブリ5を示す斜視図である。図3に示すように、折りアセンブリ5は、第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に装着される。折りアセンブリ5は、第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に連結されるジョイント部5Aを有する。折りアセンブリ5は、ジョイント部5Aを介して第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に装着される。なお、折りアセンブリ5は、第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部に装着されてもよいし、第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部に装着されてもよい。
【0018】
折りアセンブリ5は、生地100を上方から挟むことにより生地100に折り目を付ける。折りアセンブリ5は、第1ハンド5Dと、第1ハンド5Dとの間で生地100を挟む第2ハンド5Eと、を有する。
【0019】
第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部にカメラ14が取り付けられる。カメラ14は、生地100を撮影可能である。カメラ14は、天板3に支持された生地100を上方から撮影する。カメラ14は、本体部14Aと、第1レンズ14Lと、第2レンズ14Rとを有する。本体部14Aは、第1レンズ14L及び第2レンズ14Rを介して入射する光を受光するイメージセンサを含む。イメージセンサは、CCD(Couple Charged Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含む。本体部14Aは、連結部材15を介して第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に固定される。第1レンズ14L及び第2レンズ14Rのそれぞれは、本体部14Aの下部に配置される。第2レンズ14Rは、第1レンズ14Lの隣に配置される。カメラ14が第1レンズ14Lと第2レンズ14Rとを有するので、カメラ14の撮影範囲が大きくなる。なお、第1レンズ14Lと第2レンズ14Rとを含むカメラ14が、ステレオカメラでもよい。
【0020】
[送りアセンブリ]
図4は、実施形態に係る第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部に装着された送りアセンブリ6を示す斜視図である。図4に示すように、送りアセンブリ6は、第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部に装着される。送りアセンブリ6は、第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部に連結されるジョイント部6Aを有する。送りアセンブリ6は、ジョイント部6Aを介して第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部に装着される。なお、送りアセンブリ6は、第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に装着されてもよいし、第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部に装着されてもよい。
【0021】
送りアセンブリ6は、生地100を上方から押さえる第1押さえ61及び第2押さえ62と、第1押さえ61に支持される第1ベルト6Lと、第2押さえ62に支持される第2ベルト6Rとを有する。第1ベルト6L及び第2ベルト6Rのそれぞれは、リング状である。第1ベルト6L及び第2ベルト6Rのそれぞれは、無端ベルトである。第1ベルト6Lの一部は、第1押さえ61と生地100との間に配置される。第2ベルト6Rの一部は、第2押さえ62と生地100との間に配置される。第1ベルト6L及び第2ベルト6Rのそれぞれは、不図示の送りモータにより回転する。第1押さえ61は、第1ベルト6Lを生地100に押し付ける。第2押さえ62は、第2ベルト6Rを生地100に押し付ける。生地100に押し付けられた第1ベルト6L及び第2ベルト6Rのそれぞれが回転することにより、生地100が所定方向に送られる。
【0022】
[ミシンアセンブリ]
図5は、実施形態に係る第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部に装着されたミシンアセンブリ7を示す斜視図である。図5に示すように、ミシンアセンブリ7は、第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部に装着される。ミシンアセンブリ7は、第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部に連結されるジョイント部7Aを有する。ミシンアセンブリ7は、ジョイント部7Aを介して第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部に装着される。なお、ミシンアセンブリ7は、第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に装着されてもよいし、第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部に装着されてもよい。
【0023】
ミシンアセンブリ7は、ミシンモータ7Cと、天秤7Dと、針棒7Eとを有する。針棒7Eは、ミシン針7Fを保持する。ミシンモータ7Cは、針棒7Eを上下方向に往復移動させる動力を発生する。天秤7Dは、ミシン針7Fに上糸を供給する。ミシンモータ7Cで発生した動力は、動力伝達機構を介して針棒7E及び天秤7Dのそれぞれに伝達される。針棒7Eと天秤7Dと釜とは連動する。ミシンモータ7Cで発生した動力が針棒7Eに伝達されることにより、針棒7E及び針棒7Eに保持されているミシン針7Fは、上下方向に往復移動する。ミシンモータ7Cで発生した動力が天秤7Dに伝達されることにより、天秤7Dは、針棒7Eに連動して上下方向に往復移動する。釜は、針棒7E及び天秤7Dに連動して回転する。ミシン針7Fは、針板11の開口12を通過可能である。釜は、針板11の直下に配置される。釜は、下糸を供給することにより、ミシン針7Fと協働して、生地100に縫い目を形成する。生地100に縫い目を形成する場合、ミシン針7Fが針板11の開口12を通過するように、ミシンアセンブリ7が針板11の直上に配置される。生地100に縫い目を形成する場合、第3ロボットマニピュレータ4Cは、ミシンアセンブリ7を針板11の直上に配置する。生地100に縫い目を形成する場合、送りアセンブリ6は、ミシンアセンブリ7の近傍に配置される。生地100に縫い目を形成する場合、第2ロボットマニピュレータ4Bは、送りアセンブリ6をミシンアセンブリ7の近傍に配置する。送りアセンブリ6により生地100が所定方向に送られながら、ミシンアセンブリ7の針棒7Eが上下方向に往復動される。ミシンアセンブリ7は、針棒7Eに保持されているミシン針7Fと釜との協働により生地100に縫い目を形成する。
【0024】
なお、図3を参照して説明したように、カメラ14は、折りアセンブリ5が装着される第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に取り付けられる。カメラ14は、送りアセンブリ6が装着される第2ロボットマニピュレータ4Bの先端部に取り付けられてもよい。カメラ14は、ミシンアセンブリ7が装着される第3ロボットマニピュレータ4Cの先端部に取り付けられてもよい。
【0025】
[制御装置]
図6は、実施形態に係る縫製装置1の制御装置16を示すブロック図である。制御装置16は、ロボットマニピュレータ4、ロボットマニピュレータ4に装着された折りアセンブリ5、ロボットマニピュレータ4に装着された送りアセンブリ6、及びロボットマニピュレータ4に装着されたミシンアセンブリ7を制御する。制御装置16は、コンピュータシステムを含む。制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリと、信号及びデータを入出力可能な入出力回路を含む入出力インターフェースとを有する。
【0026】
制御装置16は、画像データ取得部16Aと、画像処理部16Bと、ロボット制御部16Cと、折りアセンブリ制御部16Dと、送りアセンブリ制御部16Eと、ミシンアセンブリ制御部16Fとを有する。
【0027】
画像データ取得部16Aは、カメラ14により撮影された生地100の画像データを取得する。画像処理部16Bは、画像データ取得部16Aにより取得された生地100の画像データに基づいて、生地100の位置を算出する。実施形態において、画像処理部16Bは、カメラ14により取得された生地100の画像データに基づいて、折り目を付ける生地100の目標部位を算出する。画像処理部16Bは、生地100の端部の画像データに基づいて、生地100の目標部位の位置を算出してもよい。生地100に位置合わせ用のマークが設けられている場合、画像処理部16Bは、マークの画像データに基づいて、生地100の目標部位の位置を算出してもよい。生地100に柄(模様)が設けられている場合、画像処理部16Bは、柄(模様)の画像データに基づいて、生地100の目標部位の位置を算出してもよい。
【0028】
ロボット制御部16Cは、ロボットマニピュレータ4を制御する。生地100に折り目を付ける場合、ロボット制御部16Cは、画像処理部16Bにより算出された折り目を付ける生地100の目標部位と折りアセンブリ5とが対向するように、第1ロボットマニピュレータ4Aを制御する。
【0029】
ロボットマニピュレータ4の先端部に折りアセンブリ5を装着する場合、ロボット制御部16Cは、ロボットマニピュレータ4の先端部が支持台8に支持されている折りアセンブリ5に接近するように、ロボットマニピュレータ4を制御する。支持台8に支持されている折りアセンブリ5のジョイント部5Aとロボットマニピュレータ4の先端部とが連結されることにより、折りアセンブリ5がロボットマニピュレータ4に装着される。ロボットマニピュレータ4の先端部から折りアセンブリ5を外す場合、ロボット制御部16Cは、ロボットマニピュレータ4の先端部に装着されている折りアセンブリ5が支持台8に接近するように、ロボットマニピュレータ4を制御する。折りアセンブリ5が支持台8に支持された後、ロボットマニピュレータ4の先端部と折りアセンブリ5のジョイント部5Aとの連結が解除される。
【0030】
ロボットマニピュレータ4の先端部に送りアセンブリ6を装着する場合、ロボット制御部16Cは、ロボットマニピュレータ4の先端部が吊り下げ部材9に吊り下げられている送りアセンブリ6に接近するように、ロボットマニピュレータ4を制御する。吊り下げ部材9に吊り下げられている送りアセンブリ6のジョイント部6Aとロボットマニピュレータ4の先端部とが連結されることにより、送りアセンブリ6がロボットマニピュレータ4に装着される。ロボットマニピュレータ4の先端部から送りアセンブリ6を外す場合、ロボット制御部16Cは、ロボットマニピュレータ4の先端部に装着されている送りアセンブリ6が吊り下げ部材9に接近するように、ロボットマニピュレータ4を制御する。送りアセンブリ6が吊り下げ部材9に吊り下げられた後、ロボットマニピュレータ4の先端部と送りアセンブリ6のジョイント部6Aとの連結が解除される。
【0031】
ロボットマニピュレータ4の先端部にミシンアセンブリ7を装着する場合、ロボット制御部16Cは、ロボットマニピュレータ4の先端部が吊り下げ部材10に吊り下げられているミシンアセンブリ7に接近するように、ロボットマニピュレータ4を制御する。吊り下げ部材10に吊り下げられているミシンアセンブリ7のジョイント部7Aとロボットマニピュレータ4の先端部とが連結されることにより、ミシンアセンブリ7がロボットマニピュレータ4に装着される。ロボットマニピュレータ4の先端部からミシンアセンブリ7を外す場合、ロボット制御部16Cは、ロボットマニピュレータ4の先端部に装着されているミシンアセンブリ7が吊り下げ部材10に接近するように、ロボットマニピュレータ4を制御する。ミシンアセンブリ7が吊り下げ部材10に吊り下げられた後、ロボットマニピュレータ4の先端部とミシンアセンブリ7のジョイント部7Aとの連結が解除される。
【0032】
折りアセンブリ制御部16Dは、折りアセンブリ5を制御する。折りアセンブリ制御部16Dは、生地100の目標部位と折りアセンブリ5とが対向した後、折りアセンブリ5が生地100の目標部位を挟むように、折りアセンブリ5を制御する。
【0033】
送りアセンブリ制御部16Eは、送りアセンブリ6を制御する。ミシンアセンブリ制御部16Fは、ミシンアセンブリ7を制御する。
【0034】
実施形態においては、生地100を支持する天板3と、第1ロボットマニピュレータ4Aと、第1ロボットマニピュレータ4Aに装着される折りアセンブリ5と、制御装置16とにより、生地100に折り目を付ける折り目付け装置が構成される。
【0035】
[折りアセンブリ]
図7は、実施形態に係る折りアセンブリ5を示す斜視図である。図8は、実施形態に係る折りアセンブリ5を示す側面図である。図7及び図8に示すように、折りアセンブリ5は、ジョイント部5Aと、ベース部材5Bと、加圧シリンダ5Cと、第1ハンド5Dと、第2ハンド5Eと、山折り部材5Fと、固定部材5Gと、接続部材5Hと、固定部材5Jと、ヒンジ機構5Kと、折り返しシリンダ5Lと、折り返し部材5Mと、掻き込みシリンダ5Nと、掻き込み部材5Pと、押圧部材5Rとを有する。
【0036】
ジョイント部5Aは、第1ロボットマニピュレータ4Aの先端部に連結される。ベース部材5Bは、ジョイント部5Aを支持する。
【0037】
加圧シリンダ5Cは、例えばエアシリンダである。加圧シリンダ5Cのシリンダ部は、ベース部材5Bに固定される。加圧シリンダ5Cのロッド部は、固定部材5Gに固定される。
【0038】
第1ハンド5Dは、ベース部材5Bの下端部に固定される。第1ハンド5Dは、押圧部材5Rを含む。第2ハンド5Eは、第1ハンド5Dよりも前方に配置される。第2ハンド5Eは、第1ハンド5Dの押圧部材5Rと対向するように配置される。第2ハンド5Eは、固定部材5Jに固定される。
【0039】
山折り部材5Fの後端部は、ねじにより第1ハンド5Dの後面に固定される。山折り部材5Fの一部は、第1ハンド5Dよりも下方に配置される。山折り部材5Fは、薄い金属製の板である。山折り部材5Fは、弾性変形することができる。山折り部材5Fは、櫛歯状に形成されてもよい。山折り部材5Fの前端部は、下方に向かって屈曲する。
【0040】
固定部材5Gと固定部材5Jとは、接続部材5Hを介して接続される。固定部材5Gと接続部材5Hと固定部材5Jとは、固定される。固定部材5Gと接続部材5Hと固定部材5Jとは、一体(単一部材)とみなされてもよい。ベース部材5Bの前端部と固定部材5Jとは、ヒンジ機構5Kを介して連結される。ヒンジ機構5Kの回動軸は、左右方向に延びる。
【0041】
加圧シリンダ5Cが伸びると、固定部材5Gが上前方に移動し固定部材5Jが下後方に移動するように、固定部材5Gと接続部材5Hと固定部材5Jとがヒンジ機構5Kを中心に回動する。第2ハンド5Eは、固定部材5Jに固定されている。固定部材5Jが下後方に移動するように、固定部材5Gと接続部材5Hと固定部材5Jとがヒンジ機構5Kを中心に回動することにより、第2ハンド5Eは、第1ハンド5Dに接近するように後方に移動する。
【0042】
加圧シリンダ5Cが縮むと、固定部材5Gが下後方に移動し固定部材5Jが上前方に移動するように、固定部材5Gと接続部材5Hと固定部材5Jとがヒンジ機構5Kを中心に回動する。第2ハンド5Eは、固定部材5Jに固定されている。固定部材5Jが上前方に移動するように、固定部材5Gと接続部材5Hと固定部材5Jとがヒンジ機構5Kを中心に回動することにより、第2ハンド5Eは、第1ハンド5Dから離隔するように前方に移動する。
【0043】
生地100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとの間に配置されている状態で、第2ハンド5Eが第1ハンド5Dに接近するように移動することにより、生地100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれる。
【0044】
第2ハンド5Eが第1ハンド5Dから離隔するように移動することにより、第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれていた100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eから解放される。すなわち、第2ハンド5Eが第1ハンド5Dから離隔するように移動することにより、第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとによる生地100の挟み付けが解除される。
【0045】
折り返しシリンダ5Lは、例えばエアシリンダである。折り返しシリンダ5Lのシリンダ部は、ベース部材5Bの下部に固定される。折り返しシリンダ5Lのロッド部は、折り返し部材5Mの後端部に固定される。
【0046】
折り返し部材5Mは、第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれた生地100の後端部を前方に折り返す。折り返し部材5Mは、折り返しシリンダ5Lよりも前方に配置される。折り返し部材5Mの一部は、山折り部材5Fよりも下方に配置される。
【0047】
折り返しシリンダ5Lが伸びると、折り返し部材5Mが前方に移動する。折り返し部材5Mが縮むと、折り返し部材5Mが後方に移動する。折り返し部材5Mは、薄い金属製の板である。折り返し部材5Mは、弾性変形することができる。折り返し部材5Mの前端部は、下方に向かって屈曲する。
【0048】
掻き込みシリンダ5Nは、例えばエアシリンダである。掻き込みシリンダ5Nのシリンダ部は、ブラケットを介して第2ハンド5Eの上面に固定される。なお、掻き込みシリンダ5Nのシリンダ部は、例えば固定部材5Jに固定されてもよい。掻き込み部材5Pの一部は、掻き込みシリンダ5Nよりも前方に配置される。掻き込みシリンダ5Nのロッド部は、掻き込み部材5Pの前端部に固定される。
【0049】
掻き込み部材5Pの一部は、第2ハンド5Eよりも下方に配置される。掻き込み部材5Pは、山折り部材5F及び折り返し部材5Mよりも前方に配置される。掻き込み部材5Pは、山折り部材5Fに接近又は山折り部材5Fから離隔するように移動可能である。
【0050】
掻き込みシリンダ5Nが伸びると、掻き込み部材5Pが前方に移動する。掻き込みシリンダ5Nが縮むと、掻き込み部材5Pが後方に移動する。掻き込み部材5Pは、薄い金属製の板である。掻き込み部材5Pは、弾性変形することができる。掻き込み部材5Pの後端部は、下方に向かって屈曲する。
【0051】
押圧部材5Rは、第1ハンド5Dの前部に配置される。押圧部材5Rは、第2ハンド5Eの後面と対向する。第1ハンド5D及び第2ハンド5Eのそれぞれは、金属製でもよい。押圧部材5Rは、第1ハンド5Dよりも柔軟性である。押圧部材5Rは、例えばウレタン樹脂製又はシリコン樹脂製でもよい。
【0052】
[生地の折り目付け]
図9から図19のそれぞれは、実施形態に係る折りアセンブリ5の動作を示す図である。図8と同様、図9から図19においては、紙面右側を折りアセンブリ5の前方とし、紙面左側を折りアセンブリ5の後方とする。
【0053】
図9に示すように、生地100に折り目を付ける前に、生地100を加熱してもよい。実施形態において、縫製装置1は、天板3を加熱する加熱装置17を備える。加熱装置17は、天板3の下面の少なくとも一部に接触するように配置される。加熱装置17は、天板3を下方から加熱する。天板3の上面に配置されている生地100は、天板3を介して加熱装置17により加熱される。これにより、生地100に折り目を強くつけることが可能となる。
【0054】
生地100がカメラ14により生地100が撮影される。画像処理部16Bは、カメラ14により取得された生地100の画像データに基づいて、生地100の位置を算出する。画像処理部16Bは、生地100の画像データに基づいて、折り目を付ける生地100の目標部位の位置を算出する。画像処理部16Bは、生地100の端部の画像データに基づいて、生地100の目標部位の位置を算出してもよい。生地100に位置合わせ用のマークが設けられている場合、画像処理部16Bは、マークの画像データに基づいて、生地100の目標部位の位置を算出してもよい。生地100に柄(模様)が設けられている場合、画像処理部16Bは、柄(模様)の画像データに基づいて、生地100の目標部位の位置を算出してもよい。
【0055】
画像処理部16Bにより生地100の目標部位の位置が算出された後、ロボット制御部16Cは、生地100に対する折りアセンブリ5の位置を調整する。実施形態において、ロボット制御部16Cは、生地100の目標部位と折りアセンブリ5とが対向するように、第1ロボットマニピュレータ4Aを制御する。実施形態において、ロボット制御部16Cは、生地100の目標部位が山折り部材5Fと掻き込み部材5Pとの間に配置されるように、生地100に対する折りアセンブリ5の位置を調整する。
【0056】
生地100に対する折りアセンブリ5の位置が調整された後、図10に示すように、ロボット制御部16Cは、折りアセンブリ5が下降するように、第1ロボットマニピュレータ4Aを制御する。ロボット制御部16Cは、山折り部材5Fの前端部及び掻き込み部材5Pの後端部が生地100に接触するように、折りアセンブリ5を下降させる。
【0057】
山折り部材5Fの前端部及び掻き込み部材5Pの後端部が生地100に接触した後、図11に示すように、折りアセンブリ制御部16Dは、掻き込み部材5Pが後方に移動するように、掻き込みシリンダ5Nを制御する。掻き込み部材5Pが後方に移動することにより、生地100が掻き込み部材5Pに掻き込まれ、山折り部材5Fと掻き込み部材5Pとに挟まれる。生地100は、山折り部材5Fと掻き込み部材5Pとの間において山折りされる。山折りされた部分の生地100は、第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとの間に配置される。
【0058】
山折りされた部分の生地100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとの間に配置された後、図12に示すように、折りアセンブリ制御部16Dは、第2ハンド5Eが後方に移動するように、加圧シリンダ5Cを制御する。第2ハンド5Eが後方に移動することにより、生地100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれる。第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとは、山折り部材5Fと掻き込み部材5Pとにより山折りされた部分の生地100を挟む。加熱装置17により加熱された後の生地100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとにより強く挟まれることにより、生地100に折り目がしっかりと付けられる。
【0059】
山折りされた部分の生地100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれて生地100に折り目が付けられた後、図13に示すように、折りアセンブリ制御部16Dは、生地100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれた状態で、掻き込み部材5Pが前方に移動するように、掻き込みシリンダ5Nを制御する。掻き込み部材5Pが前方に移動することにより、掻き込み部材5Pによる生地100の掻き込みが解除される。
【0060】
掻き込み部材5Pによる生地100の掻き込みが解除された後、図14に示すように、ロボット制御部16Cは、生地100が第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれた状態で、折りアセンブリ5が上昇するように、第1ロボットマニピュレータ4Aを制御する。ロボット制御部16Cは、生地100の後端部が天板3から離れるように、折りアセンブリ5を上昇させる。
【0061】
折りアセンブリ5を上昇された後、図15に示すように、折りアセンブリ制御部16Dは、折り返し部材5Mが前方に移動するように、折り返しシリンダ5Lを制御する。折り返し部材5Mが前方に移動することにより、生地100の後端部が前方に折り返される。また、生地100を加熱した場合には、折りアセンブリ制御部16Dは、不図示の冷却装置により、生地100を冷却する。冷却装置は、例えば天板3の下面の空気を吸引するバキューム装置でもよいし、冷却用の空気を生地100に吹き付ける給気装置でもよい。折り目が付けられた生地100が冷却されることにより、折り目が長期間維持される。
【0062】
生地100の後端部が前方に折り返された後、図16に示すように、ロボット制御部16Cは、折りアセンブリ5が下降するように、第1ロボットマニピュレータ4Aを制御する。ロボット制御部16Cは、生地100の後端部が天板3の上面に接触して折り返された状態が維持されるように、折りアセンブリ5を下降させる。
【0063】
折りアセンブリ5が下降された後、図17に示すように、折りアセンブリ制御部16Dは、折り返し部材5Mが後方に移動するように、折り返しシリンダ5Lを制御する。折り返し部材5Mが後方に移動することにより、折り返し部材5Mによる生地100の折り返しが解除される。
【0064】
折り返し部材5Mによる生地100の折り返しが解除された後、図18に示すように、折りアセンブリ制御部16Dは、第2ハンド5Eが前方に移動するように、加圧シリンダ5Cを制御する。第2ハンド5Eが前方に移動することにより、第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとによる生地100の挟み付けが解除される。
【0065】
第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとによる生地100の挟み付けが解除された後、図19に示すように、ロボット制御部16Cは、折りアセンブリ5が生地100から退避するように、折りアセンブリ5を上昇させる。
【0066】
以上により、第1ロボットマニピュレータ4A及び折りアセンブリ5による生地100の折り目付けが終了する。
【0067】
生地100に折り目が付けられた後、折り目に沿って縫い目が形成されるように、送りアセンブリ6及びミシンアセンブリ7が制御される。
【0068】
[効果]
以上説明したように、実施形態において、縫製装置1(折り目付け装置)は、生地100を支持する上面を有する天板3と、ロボットマニピュレータ4と、ロボットマニピュレータ4に装着され、生地100を上方から挟むことにより生地100に折り目を付ける折りアセンブリ5と、ロボットマニピュレータ4及び折りアセンブリ5を制御する制御装置16と、を備える。
【0069】
実施形態によれば、生地100の折り目付けが自動化される。これにより、衣服が効率良く生産される。また、折りアセンブリ5がロボットマニピュレータ4に装着されるので、折りアセンブリ5は、天板3の任意の位置に移動ことができる。そのため、縫製装置1は、天板3の任意の位置において、生地100の折り目を付けることができる。
【0070】
縫製装置1は、ロボットマニピュレータ4に取り付けられたカメラ14を備える。カメラ14は、生地100を撮影可能である。制御装置16は、カメラ14により取得された生地100の画像データに基づいて、折り目を付ける生地100の目標部位を算出することができる。また、制御装置16は、生地100の目標部位と折りアセンブリ5とが対向するように、ロボットマニピュレータ4を制御することができる。これにより、制御装置16は、折りアセンブリ5を用いて、生地100の目標部位に折り目を付けることができる。
【0071】
制御装置16は、生地100の目標部位と折りアセンブリ5とが対向した後、折りアセンブリ5が生地100の目標部位を挟むように、折りアセンブリ5を制御する。これにより、制御装置16は、折りアセンブリ5を用いて、生地100の目標部位に折り目を付けることができる。
【0072】
縫製装置1は、天板3を加熱する加熱装置17を備える。折りアセンブリ5は、天板3を介して加熱装置17により加熱された後の生地100に折り目を付ける。これにより、生地100にしっかりと折り目が付けられる。また、加熱装置17が折りアセンブリ5に設けられるのではなく、天板3に設けられるので、折りアセンブリ5の軽量化及び簡易化が図られる。
【0073】
生地100に折り目が付けられた後、生地100が冷却されることにより、生地100に折り目がしっかりと付けられる。冷却装置は、例えば天板3の下面の空気を吸引するバキューム装置でもよいし、冷却用の空気を生地100に吹き付ける給気装置でもよい。折りアセンブリ5に保持された生地100が、加熱装置17により加熱される位置と冷却装置により冷却される位置とに移動されることにより、生地100に折り目がしっかりと付けられる。なお、折りアセンブリ5において生地100に触れる部材を熱伝導性が高い素材で形成することにより、加熱された生地100の熱が部材に逃げるので、部材により生地100を冷却することもできる。
【0074】
折りアセンブリ5は、第1ハンド5Dと、第1ハンド5Dとの間で生地100を挟む第2ハンド5Eと、を有する。第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとで生地100を挟むことにより、折りアセンブリ5は、生地100に折り目を付けることができる。
【0075】
折りアセンブリ5は、第1ハンド5Dよりも下方に配置される山折り部材5Fと、第2ハンド5Eよりも下方に配置され山折り部材5Fに接近又は山折り部材5Fから離隔するように移動可能な掻き込み部材5Pと、を有する。第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとは、山折り部材5Fと掻き込み部材5Pとにより山折りされた部分の生地100を挟む。第1ハンド5D及び第2ハンド5Eは、剛体であり、大きい押圧面を有する。第1ハンド5D及び第2ハンド5Eが剛体であり大きい押圧面を有するので、生地100にしっかりと折り目が付けられる。一方、第1ハンド5D及び第2ハンド5Eが剛体なので、天板3の上面に置かれた生地100を第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとで取り上げることが困難になる可能性がある。実施形態においては、天板3の上面に置かれた生地100は、山折り部材5Fと掻き込み部材5Pとにより取り上げられた後、第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれる。山折り部材5F及び掻き込み部材5Pのそれぞれは、弾性変形可能な薄い金属製の板により構成される。また、山折り部材5Fの前端部は、下方に向かって屈曲し、掻き込み部材5Pの後端部は、下方に向かって屈曲する。そのため、山折り部材5Fと掻き込み部材5Pとは、天板3の上面に置かれた生地100を円滑に取り上げることができる。
【0076】
折りアセンブリ5は、第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとに挟まれた生地100の後端部を前方に折り返す折り返し部材5Mを有する。生地100の後端部が前方に折り返された後、第1ハンド5Dと第2ハンド5Eとによる生地100の挟み付けが解除される。これにより、生地100にきれいな折り目が付けられる。
【0077】
縫製装置1は、第2ロボットマニピュレータ4Bに装着される送りアセンブリ6と、第3ロボットマニピュレータ4Cに装着されるミシンアセンブリ7とを備える。折りアセンブリ5により生地100に折り目が付けられた後、制御装置16は、折り目に沿って縫い目が形成されるように、第2ロボットマニピュレータ4B及び送りアセンブリ6と、第3ロボットマニピュレータ4C及びミシンアセンブリ7とを制御することができる。
【0078】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、縫製装置1は、生地100にスチームを吹き付けるスチーム装置を備えてもよい。折りアセンブリ5は、スチームが吹き付けられた生地100に折り目をしっかりと付けることができる。
【符号の説明】
【0079】
1…縫製装置、2…架台、3…天板、4…ロボットマニピュレータ、4A…第1ロボットマニピュレータ、4B…第2ロボットマニピュレータ、4C…第3ロボットマニピュレータ、5…折りアセンブリ、5A…ジョイント部、5B…ベース部材、5C…加圧シリンダ、5D…第1ハンド、5E…第2ハンド、5F…山折り部材、5G…固定部材、5H…接続部材、5J…固定部材、5K…ヒンジ機構、5L…折り返しシリンダ、5M…折り返し部材、5N…掻き込みシリンダ、5P…掻き込み部材、5R…押圧部材、6…送りアセンブリ、6A…ジョイント部、6L…第1ベルト、6R…第2ベルト、61…第1押さえ、62…第2押さえ、7…ミシンアセンブリ、7A…ジョイント部、7C…ミシンモータ、7D…天秤、7E…針棒、7F…ミシン針、8…支持台、9…吊り下げ部材、10…吊り下げ部材、11…針板、12…開口、13…釜ガイド機構、14…カメラ、14A…本体部、14L…第1レンズ、14R…第2レンズ、15…連結部材、16…制御装置、16A…画像データ取得部、16B…画像処理部、16C…ロボット制御部、16D…折りアセンブリ制御部、16E…送りアセンブリ制御部、16F…ミシンアセンブリ制御部、17…加熱装置、100…生地。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
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図19