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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075208
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】回転装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240527BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20240527BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240527BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240527BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20240527BHJP
   B65H 5/08 20060101ALI20240527BHJP
   B65H 5/02 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B65H5/06 B
G03G15/16 103
G03G21/16 180
G03G15/00 550
B65H5/00 B
B65H5/08 H
B65H5/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186481
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 友宏
(72)【発明者】
【氏名】宮本 陽子
(72)【発明者】
【氏名】馬場 俊彰
(72)【発明者】
【氏名】萩原 和義
(72)【発明者】
【氏名】重崎 聡
(72)【発明者】
【氏名】江澤 聡史
(72)【発明者】
【氏名】楳内 滉
【テーマコード(参考)】
2H171
2H200
3F049
3F101
【Fターム(参考)】
2H171FA15
2H171FA30
2H171GA40
2H171JA08
2H171JA42
2H171QA04
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB32
2H171QC04
2H171QC05
2H171QC06
2H171XA01
2H171XA16
2H200FA16
2H200GA12
2H200GA23
2H200JA02
2H200JB08
2H200JB24
2H200JB39
2H200JB42
2H200JC04
2H200KA03
2H200LA38
2H200LB01
3F049BA00
3F049CA02
3F049DA04
3F049LA01
3F101AB01
3F101AB07
3F101CA17
3F101CB02
3F101LA01
(57)【要約】
【課題】接触部又は回転体が変形状態から急激に復原することを抑制する。
【解決手段】回転装置は、外周面に凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する回転体と、前記凹部の回転方向の上流端から下流端までの前記外周面の範囲に対して予め定められた食い込み量を有して接触する接触部と、前記範囲における回転方向の上流端部に形成され、当該上流端部に対する下流側の部分における第一食い込み量よりも小さい第二食い込み量にて前記接触部が接触する被接触面と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する回転体と、
前記凹部の回転方向の上流端から下流端までの前記外周面の範囲に対して予め定められた食い込み量を有して接触する接触部と、
前記範囲における回転方向の上流端部に形成され、当該上流端部に対する下流側の部分における第一食い込み量よりも小さい第二食い込み量にて前記接触部が接触する被接触面と、
を備える回転装置。
【請求項2】
前記被接触面は、
前記回転体の回転中心からの径が、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に小さくなっている
請求項1に記載の回転装置。
【請求項3】
前記被接触面は、
前記回転方向の上流端において、前記下流側の部分との前記径の差が、前記第一食い込み量よりも大きい
請求項2に記載の回転装置。
【請求項4】
前記回転体は、
円筒面に前記凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する回転体本体と、
前記範囲において前記円筒面に巻き付けられ、前記被接触面が形成された巻付部と、
を有する
請求項1に記載の回転装置。
【請求項5】
前記巻付部は、
当該巻付部の外周面の前記円筒面との距離が、前記被接触面が形成された領域において、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に短くなっている
請求項4に記載の回転装置。
【請求項6】
前記回転体本体は、
前記被接触面が形成された領域において、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に径が小さくなっている
請求項4に記載の回転装置。
【請求項7】
前記回転体本体は、
円筒面に前記凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する胴体と、
前記被接触面が形成された領域において前記胴体に対して着脱可能に設けられ、前記巻付部における前記被接触面が形成された部分が取り付けられる着脱体と、
を有する
請求項6に記載の回転装置。
【請求項8】
前記凹部は、記録媒体を保持した保持部が収容される凹部である
請求項1に記載の回転装置。
【請求項9】
前記回転体は、前記保持部が保持した記録媒体を前記接触部とで挟んで、当該記録媒体に画像を転写する
請求項8に記載の回転装置。
【請求項10】
前記接触部は、前記外周面に付着した異物を除去する除去部である
請求項1に記載の回転装置。
【請求項11】
請求項8又は9に記載の回転装置と、
前記記録媒体に転写される画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、転写材を把持する転写材把持機構を備えた2次転写ローラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5278687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転装置としては、外周面に凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する回転体と、前記凹部の回転方向の上流端から下流端までの前記外周面の範囲に対して予め定められた食い込み量を有して接触する接触部と、を備え、前記範囲に対する前記食い込み量が全範囲において一定である回転装置が考えられる。
【0005】
当該回転装置では、接触部が、回転体の外周面に対し予め定められた食い込み量を有して接触した状態から、凹部において当該接触が解除された際に、接触部又は回転体が変形状態から急激に復原することになる。
【0006】
本開示は、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、接触部又は回転体が変形状態から急激に復原することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様は、外周面に凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する回転体と、前記凹部の回転方向の上流端から下流端までの前記外周面の範囲に対して予め定められた食い込み量を有して接触する接触部と、前記範囲における回転方向の上流端部に形成され、当該上流端部に対する下流側の部分における第一食い込み量よりも小さい第二食い込み量にて前記接触部が接触する被接触面と、を備える。
【0008】
第2態様では、第1態様において、前記被接触面は、前記回転体の回転中心からの径が、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に小さくなっている。
【0009】
第3態様では、第2態様において、前記被接触面は、前記回転方向の上流端において、前記下流側の部分との前記径の差が、前記第一食い込み量よりも大きい。
【0010】
第4態様では、第1態様において、前記回転体は、円筒面に前記凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する回転体本体と、前記範囲において前記円筒面に巻き付けられ、前記被接触面が形成された巻付部と、を有する。
【0011】
第5態様では、第4態様において、前記巻付部は、当該巻付部の外周面の前記円筒面との距離が、前記被接触面が形成された領域において、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に短くなっている。
【0012】
第6態様では、第4態様において、前記回転体本体は、前記被接触面が形成された領域において、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に径が小さくなっている。
【0013】
第7態様では、第6態様において、前記回転体本体は、円筒面に前記凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する胴体と、前記被接触面が形成された領域において前記胴体に対して着脱可能に設けられ、前記巻付部における前記被接触面が形成された部分が取り付けられる着脱体と、を有する。
【0014】
第8態様では、第1態様において、前記凹部は、記録媒体を保持した保持部が収容される凹部である。
【0015】
第9態様では、第8態様において、前記回転体は、前記保持部が保持した記録媒体を前記接触部とで挟んで、当該記録媒体に画像を転写する。
【0016】
第10態様では、第1態様において、前記接触部は、前記外周面に付着した異物を除去する除去部である。
【0017】
第11態様は、第8態様又は第9態様の回転装置と、前記記録媒体に転写される画像を形成する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
第1態様の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、接触部又は回転体が変形状態から急激に復原することが抑制される。
【0019】
第2態様の構成によれば、回転体の回転中心から被接触面までの径が、一定である場合に比べ、第二食い込み量を徐々に又は段階的に小さくできる。
【0020】
第3態様の構成によれば、回転方向の上流端において、下流側の部分との前記径の差が、第一食い込み量より小さい場合に比べ、接触部が凹部の回転方向の下流端に接触することが抑制される。
【0021】
第4態様の構成によれば、回転体が単一の部材で構成されている場合に比べ、被接触面における第二食い込み量が経時的に変化した場合でも、第二食い込み量を元の状態に復原させやすい。
【0022】
第5態様の構成によれば、巻付部の外周面の円筒面との距離が一定である場合に比べ、回転体本体の径に関わらず、第二食い込み量を小さくできる。
【0023】
第6態様の構成によれば、回転体本体の径が前記領域において一定である場合に比べ、巻付部の厚みに関わらず、第二食い込み量を小さくできる。
【0024】
第7態様の構成によれば、回転体本体が単一の部材で構成されている場合に比べ、被接触面の角度を変更しやすい。
【0025】
第8態様の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、保持部へ伝播しうる振動が抑制される。
【0026】
第9態様の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、転写不良が抑制される。
【0027】
第10態様の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、異物の飛散が抑制される。
【0028】
第11態様の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、画像不良が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。
図2】本実施形態に係る転写胴周辺の構成を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係るグリッパを示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る清掃ブラシ及び転写胴を示す概略図である。
図5】本実施形態に係る転写ベルト、対向ロール及び転写胴を拡大して示す概略図である。
図6】本実施形態に係る清掃ブラシ及び転写胴を拡大して示す概略図である。
図7】第一変形例の構成を拡大して示す概略図である。
図8】第二変形例の構成を拡大して示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0031】
<画像形成装置10>
本実施形態に係る画像形成装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置10の構成を示す概略図である。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向であって装置上下方向を示し、矢印Wは、水平方向であって装置幅方向を示し、矢印Dは、水平方向であって装置奥行方向(装置前後方向)を示す。各図に示す各部分同士のH方向、W方向、及びD方向の寸法比は、実際の寸法比と異なる場合がある。
【0032】
図1に示される画像形成装置10は、記録媒体Pにトナー像(画像の一例)を形成する画像形成装置である。具体的には、画像形成装置10は、画像形成部12と、定着装置15と、搬送機構16と、を備えている。以下、画像形成装置10の各部(画像形成部12、定着装置15、及び搬送機構16)について説明する。
【0033】
<画像形成部12>
画像形成部12は、電子写真方式により記録媒体Pにトナー像を形成する構成部である。具体的には、画像形成部12は、図1に示されるように、トナー像を形成するトナー像形成部20と、トナー像形成部20で形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写装置13と、を有している。
【0034】
<トナー像形成部20>
図1に示されるトナー像形成部20は、色ごとにトナー像を形成するように複数備えられている。本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計4色のトナー像形成部20が設けられている。図1に示す(Y)、(M)、(C)、(K)は、上記各色に対応する構成部分を示している。
【0035】
なお、各色のトナー像形成部20は、用いるトナーを除き同様に構成されているので、各色のトナー像形成部20を代表して、図1ではトナー像形成部20(K)の各部に符号を付している。
【0036】
各色のトナー像形成部20は、具体的には、一方向(例えば図1における反時計回り方向)に回転する感光体22を有している。また、各色のトナー像形成部20は、帯電器23と、露光装置24と、現像装置25と、を有している。
【0037】
各色のトナー像形成部20では、帯電器23が、感光体22を帯電させる。さらに、露光装置24が、帯電器23によって帯電された感光体22を露光して、感光体22に静電潜像を形成する。また、現像装置25が、露光装置24によって感光体22に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0038】
<転写装置13>
図1に示される転写装置13は、回転装置の一例であり、トナー像形成部20で形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する装置である。具体的には、転写装置13は、各色の感光体22のトナー像を、中間転写体としての転写ベルト30に重ねて一次転写し、当該重ねられたトナー像を記録媒体Pに二次転写する。転写装置13は、図1に示されるように、転写ベルト30と、一次転写ロール32と、転写胴40と、清掃ブラシ70と、を備えている。なお、転写胴40は、回転体の一例であり、転写ベルト30及び清掃ブラシ70は、接触部の一例である。
【0039】
一次転写ロール32は、各色の感光体22のトナー像を、感光体22と一次転写ロール32との間の一次転写位置T1にて転写ベルト30に転写させるロールである。本実施形態では、一次転写ロール32と感光体22との間に一次転写電界が印加されることで、感光体22に形成されたトナー像が、一次転写位置T1にて転写ベルト30に転写される。
【0040】
転写ベルト30は、各色の感光体22からトナー像が外周面に転写される。この転写ベルト30は、図1に示されるように、無端状を成すと共に、正面視にて(装置奥行方向に見て)逆三角形状の姿勢となるように、複数のロール33及び対向ロール34に巻き掛けられている。転写ベルト30は、複数のロール33の少なくとも1個が回転駆動されることで、矢印A方向へ周回する。
【0041】
転写胴40は、回転体の一例であり、図1及び図2に示されるように、外周面40Aに凹部41が形成され、回転方向Bへ回転する。回転方向Bは、予め定められた回転方向の一例である。凹部41は、転写胴40の軸方向に沿って長くされると共に、転写胴40の径方向に沿った深さを有している。
【0042】
この転写胴40は、図1に示されるように、転写ベルト30に対する下方側に転写ベルト30に対向して配置されている。さらに、転写胴40は、凹部41の回転方向の上流端41Aから下流端41Bまでの外周面40Aの範囲(以下、接触範囲46という)において、転写ベルト30と接触する(図4参照)。上流端41A及び下流端41Bは、具体的には、凹部41の開口側(すなわち転写胴40の径方向外側)における端部である。
【0043】
転写胴40は、具体的には、図4に示されるように、胴本体42と、弾性層44と、を有している。胴本体42は、回転体本体の一例であり、弾性層44は、巻付部の一例である。
【0044】
胴本体42は、円筒面42Aに凹部41が形成されている。具体的には、胴本体42は、側面視にて略円形状をしており、周方向の一部において凹部41が形成されている。この凹部41には、図2に示されるように、搬送機構16における後述のグリッパ60及び取付部材63が収容される。胴本体42は、例えば、ステンレス、アルミニウムなどの金属材料で形成されている。
【0045】
弾性層44は、図4に示されるように、接触範囲46において、胴本体42の円筒面42Aに巻き付けられている。弾性層44の外周面44Aによって、転写胴40の外周面40Aが形成されている。弾性層44としては、例えば、発泡ゴム等からなる弾性層が用いられる。本実施形態では、弾性層44は、胴本体42に対して着脱可能に設けられている。
【0046】
また、転写胴40の軸方向両端側には、図2に示されるように、一対のスプロケット64が設けられている。この一対のスプロケット64は、転写胴40の同軸上に配置されている。そして、転写胴40は、胴本体42が駆動部(図示省略)によって回転駆動されて回転方向Bへ回転することで、一対のスプロケット64と一体に回転方向Bへ回転する。
【0047】
本実施形態では、転写ベルト30と転写胴40とが、二次転写位置T2にて記録媒体Pを挟み込んだ状態で搬送する(図1参照)。そして、対向ロール34と転写胴40との間に二次転写電界が印加されることで、転写ベルト30に転写されたトナー像が、二次転写位置T2にて当該記録媒体Pに転写される。なお、記録媒体Pを保持する後述のグリッパ60及び取付部材63は、二次転写位置T2を通過する際に、凹部41に収容され、転写ベルト30との接触が回避される。
【0048】
ここで、転写ベルト30は、転写胴40の接触範囲46に対して予め定められた食い込み量を有して接触する(図5参照)。これにより、転写胴40(具体的には弾性層44)と、転写ベルト30及び対向ロール34と、が弾性変形する。当該食い込み量とは、転写ベルト30、対向ロール34及び転写胴40に弾性変形を生じていないと仮定した場合において、装置奥行方向に見て、転写ベルト30及び対向ロール34と転写胴40とが重なる長さである(図5参照)。当該長さは、転写胴40の径方向に沿った長さである。
【0049】
なお、本実施形態では、転写ベルト30及び対向ロール34における変形量よりも、転写胴40(具体的には弾性層44)における変形量が大きくなっている。
【0050】
転写胴40の凹部41が二次転写位置T2に位置する状態(凹部41が転写ベルト30と対向する状態)では、転写ベルト30及び対向ロール34は、変形状態から元の状態へ復原する。
【0051】
なお、転写胴40は、接触範囲46において、転写ベルト30が接触する被接触面47を有している。被接触面47の具体的な構成については、後述する。また、清掃ブラシ70の具体的な構成については、後述する。
【0052】
<定着装置15>
本実施形態では、定着装置15は、転写胴40によって記録媒体Pに転写されたトナー像を当該記録媒体Pに定着する装置である。具体的には、定着装置15は、図1に示されるように、定着胴50と、加熱ロール52と、を有している。
【0053】
定着装置15では、加熱ロール52が、定着胴50に対する上方側に配置されている。この加熱ロール52は、ロール内部にハロゲンランプ等の加熱源54を有している。
【0054】
定着胴50は、外周面に凹部51を有している。この凹部51は、定着胴50の外周面における周方向の一部に設けられている。さらに、凹部51は、定着胴50の軸方向に沿って長くされると共に、定着胴50の径方向に沿った深さを有している。凹部51は、後述のグリッパ60及び取付部材63が収容される。これにより、当該グリッパ60及び取付部材63が、図1に示される定着位置NPを通過する際に、加熱ロール52との接触が回避される。
【0055】
定着胴50の軸方向両端側には、一対のスプロケット65が設けられている。この一対のスプロケット65は、定着胴50の同軸上に配置されており、定着胴50と一体に回転する構成とされている。
【0056】
そして、定着装置15では、加熱ロール52と定着胴50とで記録媒体Pを定着位置NPで挟み込んだ状態で搬送しつつ、記録媒体Pを加熱及び加圧することで、記録媒体Pに転写されたトナー像を当該記録媒体Pに定着する。
【0057】
<搬送機構16>
図1に示される搬送機構16は、記録媒体Pを搬送する機構である。搬送機構16は、図1及び図2に示されるように、一対のチェーン66と、保持部の一例としてのグリッパ60と、を有している。なお、図1では、一対のチェーン66のうちの一方を示し、且つ、チェーン66及びグリッパ60を簡略化して示している。
【0058】
一対のチェーン66は、図1に示されるように、環状に形成されている。この一対のチェーン66は、図2に示されるように、装置奥行方向(図中のD方向)に間隔をおいて配置されている。この一対のチェーン66の各々は、転写胴40の軸方向両端側に設けられた一対のスプロケット64の各々と、定着胴50の軸方向両端側に設けられた一対のスプロケット65(図1参照)の各々と、に巻き掛けられている。そして、転写胴40と一対のスプロケット64とが一体に回転方向B(矢印B方向)へ回転駆動されることで、チェーン66が周回方向C(矢印C方向)へ周回する。
【0059】
一対のチェーン66には、図2に示されるように、グリッパ60が取り付けられた取付部材63が装置奥行方向に沿って掛け渡されている。取付部材63はチェーン66の周回方向Cに沿って予め定められた間隔で複数が一対のチェーン66に固定されている。
【0060】
グリッパ60は、図2に示されるように、装置奥行方向に沿って予め定められた間隔で複数が取付部材63に取り付けられている。このグリッパ60は、記録媒体Pの先端部を保持する保持部として機能する。具体的には、グリッパ60は、図3に示されるように、爪61と爪台62とを有している。グリッパ60では、爪61と爪台62との間に記録媒体Pの先端部を挟むことで記録媒体Pを保持する構成とされている。なお、グリッパ60は、例えば、爪61が爪台62に対してバネ等により押し付けられる共に、カム等の作用により爪61が爪台62に対して開閉される。
【0061】
搬送機構16では、記録媒体Pが収容された収容部(図示省略)から送られた記録媒体Pの先端部を、図3に示されるように、グリッパ60で保持する。記録媒体Pの先端部を保持したグリッパ60は、チェーン66が周回方向Cへ周回することで、記録媒体Pを搬送し、二次転写位置T2及び定着位置NPを通過させる。そして、各色の一次転写位置T1で転写ベルト30に重ねて一次転写されたトナー像が、二次転写位置T2にて記録媒体Pに二次転写される。記録媒体Pに二次転写されたトナー像が定着位置NPにて記録媒体Pに定着される。
【0062】
なお、グリッパ60は、二次転写位置T2を通過する際には、転写胴40の外周面に形成された凹部41に、取付部材63と共に収容され、定着位置NPを通過する際には、定着胴50の外周面に形成された凹部51に、取付部材63と共に、収容される。
【0063】
<清掃ブラシ70>
図4に示される清掃ブラシ70は、接触部及び除去部の一例であり、転写胴40の外周面40Aを清掃する構成部である。具体的には、清掃ブラシ70は、転写胴40の外周面40Aに付着した異物(例えばトナー、及び記録媒体Pの粉など)を除去する構成部である。
【0064】
清掃ブラシ70は、具体的には、軸部72と、軸部72の外周に設けられたブラシ部74と、を有している。ブラシ部74は、軸部72の全周にわたって配置されており、軸部72から径方向外側へ放射状に延びる繊維により構成されている。当該繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂繊維が用いられる。ブラシ部74の周方向の一部が転写胴40の外周面40Aに接触する接触部分とされている。
【0065】
清掃ブラシ70では、ブラシ部74が転写胴40の外周面40Aに接触した状態で、転写胴40が回転することにより、転写胴40の外周面40Aに付着した異物を除去する。
【0066】
ここで、清掃ブラシ70は、転写胴40の接触範囲46に対して予め定められた食い込み量を有して接触する(図6参照)。これにより、清掃ブラシ70のブラシ部74が弾性変形する。転写胴40の凹部41が、清掃ブラシ70に対向する状態では、清掃ブラシ70のブラシ部74は、変形状態から元の状態へ復原する。当該食い込み量とは、清掃ブラシ70及び転写胴40に弾性変形を生じていないと仮定した場合において、装置奥行方向に見て、清掃ブラシ70と転写胴40とが重なる長さである(図5参照)。当該長さは、転写胴40の径方向に沿った長さである。
【0067】
<被接触面47>
被接触面47は、図4に示されるように、接触範囲46における回転方向の上流端部に形成されている。この被接触面47に対して、当該上流端部に対する下流側の部分(以下、下流側部分48という)における第一食い込み量48L(図5参照)よりも小さい第二食い込み量47L(図5参照)にて転写ベルト30が接触する。さらに、被接触面47に対して、下流側部分48における第一食い込み量48M(図6参照)よりも小さい第二食い込み量47M(図6参照)にて清掃ブラシ70が接触する。
【0068】
被接触面47は、転写胴40の回転中心40Sからの径40R(図4参照)が、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に小さくなっている。なお、本実施形態では、接触範囲46における下流側部分48では、径40R(図4参照)は一定とされている。
【0069】
また、被接触面47は、回転方向Bの上流端47Aにおいて、下流側部分48との径の差47Xが、第一食い込み量48L、48Mよりも大きい。したがって、被接触面47は、少なくとも上流端47Aにおいて、転写ベルト30及び清掃ブラシ70に対して非接触となる。本実施形態では、上流端47Aに対する回転方向Bの下流側において、被接触面47は、転写ベルト30及び清掃ブラシ70に対して非接触となる。
【0070】
さらに、弾性層44は、被接触面47が形成された領域において、外周面44Aの円筒面42Aとの距離47Qが、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に短くなっている。具体的には、弾性層44の厚みが、被接触面47が形成された領域において、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に薄くなっている。
【0071】
したがって、被接触面47は、胴本体42の円筒面42Aに対して、回転方向Bの上流側に向かって下り勾配となるように傾斜する傾斜面とされる。被接触面47の円筒面42Aに対する傾斜角度は、例えば、5°以上、20°以下の範囲で設定される。なお、距離47Qは、転写胴40の径方向に沿った距離である。
【0072】
<本実施形態の作用>
本実施形態では、前述のように、転写ベルト30及び清掃ブラシ70が、被接触面47に対して、接触範囲46の下流側部分48における第一食い込み量48L、48Mよりも小さい第二食い込み量47L、47Mにて接触する。
【0073】
このため、転写ベルト30及び清掃ブラシ70の接触範囲46に対する食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、転写ベルト30、清掃ブラシ70及び転写胴40が変形状態から急激に復原することが抑制される。すなわち、本実施形態によれば、転写ベルト30、清掃ブラシ70及び転写胴40における、転写胴40の回転角度(回転時間)あたりの復原量が小さくなる。
【0074】
これにより、転写ベルト30、清掃ブラシ70及び転写胴40における振動の発生が抑制される。この結果、一次転写位置T1及び二次転写位置T2における転写不良、清掃ブラシ70に付着した異物の飛散、及び、グリッパ60への振動の伝播などが抑制され、画像形成装置10における画像不良が抑制される。
【0075】
また、本実施形態では、被接触面47は、転写胴40の回転中心40Sからの径40Rが、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に小さくなっている。
【0076】
このため、径40Rが一定である場合に比べ、第二食い込み量47L、47Mを徐々に小さくすることが可能となる。
【0077】
また、本実施形態では、被接触面47は、回転方向Bの上流端47Aにおいて、下流側部分48との径の差47Xが、第一食い込み量48L、48Mよりも大きい。
【0078】
このため、回転方向Bの上流端47Aにおいて、下流側部分48との径の差47Xが、第一食い込み量48L、48Mよりも小さい場合に比べ、転写ベルト30及び清掃ブラシ70が凹部41の下流端41Bに接触することが抑制される。
【0079】
また、本実施形態では、転写胴40は、胴本体42と、胴本体42の円筒面42Aに巻き付けられ、被接触面47が形成された弾性層44と、を有している。
【0080】
これにより、弾性層44を交換することで、転写胴40において被接触面47が形成された一部の交換が可能となる。このため、転写胴40が単一の部材で構成されている場合に比べ、弾性層44が経時的にへたるなどして、被接触面47における第二食い込み量47L、47Mが経時的に変化した場合でも、弾性層44の交換により、第二食い込み量47L、47Mを元の状態に復原させやすい。
【0081】
また、本実施形態では、弾性層44は、被接触面47が形成された領域において、外周面44Aの円筒面42Aとの距離47Qが、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に短くなっている。
【0082】
このため、弾性層44の外周面44Aの円筒面42Aとの距離が一定である場合に比べ、胴本体42の径に関わらず、第二食い込み量47L、47Mを小さくすることが可能となる。
【0083】
<被接触面47を形成する形態の第一変形例>
前述の実施形態では、弾性層44の厚みが、被接触面47が形成された領域において、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に薄くなっていたが、これに限られない。例えば、図7に示されるように、弾性層44が表面層44Eを有する場合には、表面層44Eを凹部41の下流端41Bへ向けて延長し、表面層44Eにおける回転方向Bの上流端部を、円筒面42Aに取り付ける構成としてもよい。
【0084】
これにより、弾性層44は、被接触面47が形成された領域において、外周面44Aの円筒面42Aとの距離47Qが、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に短くなる。なお、表面層44Eは、例えば、ゴム層により構成されている。
【0085】
<被接触面47を形成する形態の第二変形例>
さらに、胴本体42の径42R(図4参照)が、被接触面47が形成された領域において、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に小さくなる構成であってもよい。この場合では、例えば、図8に示されるように、弾性層44は、外周面44Aの円筒面42Aとの距離47Qが、被接触面47が形成された領域を含めて、一定とされる。なお、弾性層44は、被接触面47が形成された領域において、外周面44Aの円筒面42Aとの距離47Qが、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に短くなっていてもよい。
【0086】
さらに、胴本体42は、図8に示されるように、円筒面44Zに凹部41が形成され回転方向Bへ回転する胴体42Xと、被接触面47が形成された領域において胴体42Xに対して着脱可能に設けられ着脱体42Yと、を有する構成であってもよい。着脱体42Yは、弾性層44における被接触面47が形成された部分が取り付けられる。
【0087】
第二変形例によれば、胴本体42の径が、被接触面47が形成された領域において一定である場合に比べ、弾性層44の厚みに関わらず、第二食い込み量47L、47Mを小さくすることが可能となる。
【0088】
また、第二変形例によれば、着脱体42Yを交換することが可能であるため、胴本体42が単一の部材で構成されている場合に比べ、被接触面47の角度などを変更しやすい。
【0089】
なお、第二変形例では、胴本体42は、図8に示されるように、胴体42Xと、着脱体42Yと、を有していたが、これに限られない。胴本体42は、単一の部材で構成されていてもよい。
【0090】
<回転体、除去部及び接触部の変形例>
本実施形態では、回転体の一例として、転写胴40を用いたが、これに限られない。回転体の一例としては、定着胴50、転写ロール、及び搬送ロール等であってもよい。
【0091】
また、本実施形態では、除去部の一例として、清掃ブラシ70を用いたが、これに限られない。除去部の一例としては、異物をかき取るブレード、及び清掃ロール等であってもよい。
【0092】
また、本実施形態では、接触部の一例として、転写ベルト30及び清掃ブラシ70を用いたが、これに限られない。接触部の一例としては、搬送ロール、搬送ベルト等であってもよい。
【0093】
<他の変形例>
本実施形態では、被接触面47は、転写胴40の回転中心40Sからの径40Rが、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に小さくなっていたが、これに限られない。例えば、当該径40Rが、回転方向Bの上流側に向かって、段階的に小さくなっている構成であってもよい。
【0094】
また、本実施形態では、弾性層44は、被接触面47が形成された領域において、外周面44Aの円筒面42Aとの距離47Qが、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に短くなっていたが、これに限られない。例えば、当該距離47Qが、回転方向Bの上流側に向かって、段階的に短くなる構成であってもよい。
【0095】
また、本実施形態では、弾性層44の厚みが、被接触面47が形成された領域において、回転方向Bの上流側に向かって、徐々に薄くなっていたが、これに限られない。例えば、弾性層44の厚みが、被接触面47が形成された領域において、回転方向Bの上流側に向かって、段階的に薄くなる構成であってもよい。
【0096】
また、本実施形態では、被接触面47は、回転方向Bの上流端47Aにおいて、下流側部分48との径の差47Xが、第一食い込み量48L、48Mよりも大きくなっていたが、これに限られない。例えば、回転方向Bの上流端47Aにおいて、下流側部分48との径の差47Xが、第一食い込み量48L、48Mと同じ、又は、第一食い込み量48L、48Mよりも小さい構成であってもよい。
【0097】
また、本実施形態では、転写胴40は、胴本体42と、胴本体42の円筒面42Aに巻き付けられ、被接触面47が形成された弾性層44と、を有していたが、これに限られない。例えば、転写胴40は、単一の部材で構成されていてもよい。
【0098】
また、本実施形態では、被接触面47は、図4に示されるように、接触範囲46における回転方向の上流端部に形成されていたが、これに加えて、接触範囲46における回転方向の下流端部に対して形成されていてもよい。この場合では、被接触面47に対して、当該下流端部に対する上流側の部分における第一食い込み量よりも小さい第二食い込み量にて転写ベルト30が接触する。さらに、被接触面47に対して、当該下流端部に対する上流側の部分における第一食い込み量よりも小さい第二食い込み量にて清掃ブラシ70が接触する。
【0099】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0100】
<付記>
(((1)))
外周面に凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する回転体と、
前記凹部の回転方向の上流端から下流端までの前記外周面の範囲に対して予め定められた食い込み量を有して接触する接触部と、
前記範囲における回転方向の上流端部に形成され、当該上流端部に対する下流側の部分における第一食い込み量よりも小さい第二食い込み量にて前記接触部が接触する被接触面と、
を備える回転装置。
【0101】
(((2)))
前記被接触面は、
前記回転体の回転中心からの径が、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に小さくなっている
(((1)))に記載の回転装置。
【0102】
(((3)))
前記被接触面は、
前記回転方向の上流端において、前記下流側の部分との前記径の差が、前記第一食い込み量よりも大きい
(((2)))に記載の回転装置。
【0103】
(((4)))
前記回転体は、
円筒面に前記凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する回転体本体と、
前記範囲において前記円筒面に巻き付けられ、前記被接触面が形成された巻付部と、
を有する
(((1)))~(((3)))のいずれか1つに記載の回転装置。
【0104】
(((5)))
前記巻付部は、
当該巻付部の外周面の前記円筒面との距離が、前記被接触面が形成された領域において、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に短くなっている
(((4)))に記載の回転装置。
【0105】
(((6)))
前記回転体本体は、
前記被接触面が形成された領域において、前記回転方向の上流側に向かって、徐々に又は段階的に径が小さくなっている
(((4)))又は(((5)))に記載の回転装置。
【0106】
(((7)))
前記回転体本体は、
円筒面に前記凹部が形成され、予め定められた回転方向へ回転する胴体と、
前記被接触面が形成された領域において前記胴体に対して着脱可能に設けられ、前記巻付部における前記被接触面が形成された部分が取り付けられる着脱体と、
を有する
(((6)))に記載の回転装置。
【0107】
(((8)))
前記凹部は、記録媒体を保持した保持部が収容される凹部である
(((1)))~(((7)))のいずれか1つに記載の回転装置。
【0108】
(((9)))
前記回転体は、前記保持部が保持した記録媒体を前記接触部とで挟んで、当該記録媒体に画像を転写する
(((8)))に記載の回転装置。
【0109】
(((10)))
前記接触部は、前記外周面に付着した異物を除去する除去部である
(((1)))~(((9)))のいずれか1つに記載の回転装置。
【0110】
(((11)))
(((1)))~(((10)))に記載の回転装置と、
前記記録媒体に転写される画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【0111】
(((1)))の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、接触部又は回転体が変形状態から急激に復原することが抑制される。
【0112】
(((2)))の構成によれば、回転体の回転中心から被接触面までの径が、一定である場合に比べ、第二食い込み量を徐々に又は段階的に小さくできる。
【0113】
(((3)))の構成によれば、回転方向の上流端において、下流側の部分との前記径の差が、第一食い込み量より小さい場合に比べ、接触部が凹部の回転方向の下流端に接触することが抑制される。
【0114】
(((4)))の構成によれば、回転体が単一の部材で構成されている場合に比べ、被接触面における第二食い込み量が経時的に変化した場合でも、第二食い込み量を元の状態に復原させやすい。
【0115】
(((5)))の構成によれば、巻付部の外周面の円筒面との距離が一定である場合に比べ、回転体本体の径に関わらず、第二食い込み量を小さくできる。
【0116】
(((6)))の構成によれば、回転体本体の径が前記領域において一定である場合に比べ、巻付部の厚みに関わらず、第二食い込み量を小さくできる。
【0117】
(((7)))の構成によれば、回転体本体が単一の部材で構成されている場合に比べ、被接触面の角度を変更しやすい。
【0118】
(((8)))の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、保持部へ伝播しうる振動が抑制される。
【0119】
(((9)))の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、転写不良が抑制される。
【0120】
(((10)))の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、異物の飛散が抑制される。
【0121】
(((11)))の構成によれば、凹部の回転方向の上流端から下流端までの外周面の範囲に対する接触部の食い込み量が全範囲において一定である場合に比べ、画像不良が抑制される。
【符号の説明】
【0122】
10 画像形成装置
12 画像形成部
13 転写装置(回転装置の一例)
15 定着装置
16 搬送機構
20 トナー像形成部
22 感光体
23 帯電器
24 露光装置
25 現像装置
30 転写ベルト(接触部の一例)
32 一次転写ロール
33 ロール
34 対向ロール
40 転写胴(回転体の一例)
40A 外周面
41 凹部
41A 上流端
41B 下流端
42 胴本体(回転体本体の一例)
42A 円筒面
42X 胴体
42Y 着脱体
44 弾性層(巻付部の一例)
44A 外周面
44E 表面層
44Z 円筒面
46 接触範囲
47 被接触面
47A 上流端
48 下流側部分
50 加圧ロール
51 凹部
52 加熱ロール
54 加熱源
60 グリッパ
61 爪
62 爪台
63 取付部材
64 スプロケット
65 スプロケット
66 チェーン
70 清掃ブラシ(接触部の一例、除去部の一例)
72 軸部
74 ブラシ部
P 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8