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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075210
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/08 20060101AFI20240527BHJP
   B65H 29/58 20060101ALI20240527BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B65H5/08 H
B65H29/58 C
G03G15/00 446
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186483
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久家 秀喜
(72)【発明者】
【氏名】下平 善樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 真登
(72)【発明者】
【氏名】鵜川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】新井 和彦
(72)【発明者】
【氏名】木内 豊
(72)【発明者】
【氏名】後藤 康孝
【テーマコード(参考)】
2H072
3F053
3F101
【Fターム(参考)】
2H072CA02
2H072CB06
3F053CA04
3F053CA22
3F053LA01
3F053LB03
3F101CA17
3F101CC01
3F101CD02
3F101LA01
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】周回する保持手段が記録媒体の前端部を幅方向に間隔をあけて保持する構成において、記録媒体の前端部を平らな状態で保持手段に保持させる場合と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制する。
【解決手段】搬送装置は、回転する複数の回転手段と、環状に形成され、前記複数の回転手段に巻き掛けられ、前記回転手段の回転に伴って周回する周回手段と、前記周回手段に取り付けられ、前記周回手段と共に周回し、記録媒体の前端部が保持位置に到達すると前記前端部を幅方向に間隔をあけて保持する保持手段と、前記前端部が前記保持位置に到達するまでに前記前端部を幅方向全域に亘って厚み方向に変形させる変形手段と、を備える。
【選択図】図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する複数の回転手段と、
環状に形成され、前記複数の回転手段に巻き掛けられ、前記回転手段の回転に伴って周回する周回手段と、
前記周回手段に取り付けられ、前記周回手段と共に周回し、記録媒体の前端部が保持位置に到達すると前記前端部を幅方向に間隔をあけて保持する保持手段と、
前記前端部が前記保持位置に到達するまでに前記前端部を幅方向全域に亘って厚み方向に変形させる変形手段と、
を備える搬送装置。
【請求項2】
前記変形手段は、前記記録媒体と接して前記前端部を変形させる接触部材を有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記接触部材は、前記記録媒体の前端部を前記保持位置に案内しながら変形させる案内部を有する、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記接触部材は、送出部から送り出される前記記録媒体を支持する支持部と、前記支持部の前記記録媒体の送り出し方向の端部につながる前記案内部と、を有する、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、
前記案内部は、前記軸方向に延びており、
前記案内部における前記保持位置側の端部には、前記保持部が通過する切欠きが形成されている、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、
前記案内部は、前記軸方向に間隔をあけて配置されており、
前記保持部が前記軸方向に隣接する前記案内部の間を通過する、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記接触部材は、前記回転手段の軸方向を回転軸方向として回転可能なロール部材であり、
前記案内部としての前記ロール部材の外周面に前記記録媒体の前端部が接する、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ロール部材は、前記記録媒体の送り出し方向に複数配置されている、請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記ロール部材は、前記記録媒体の送り出し方向に回転駆動する、請求項7に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、
前記ロール部材は、前記保持部が通過する領域を避けて前記軸方向に複数配置されている、請求項7に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記変形手段は、前記記録媒体に気体を吹き付けて前記前端部を変形させる吹付部を有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の搬送装置と、
前記搬送装置の周回手段の周回経路における画像形成位置において、保持手段に保持された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記周回経路における定着位置において、前記記録媒体に前記画像を定着させる定着部と、
を備える画像形成装置。
【請求項13】
前記搬送装置の変形手段を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体の片面に画像が形成されている場合、前記変形手段で前記記録媒体の前端部を幅方向全域に亘って厚み方向に変形させ、
前記記録媒体に画像が形成されていない場合、前記変形手段を機能させないように制御を行う、請求項12に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、用紙を搬送経路に沿って搬送しながら乾燥処理する用紙乾燥装置において、無端状のチェーンに取り付けられ、前記チェーンを回転駆動させることにより、前記搬送経路に沿って走行する、前記用紙の先端を把持する先端把持手段と、前記チェーンに対して一定の間隔をもって前記搬送経路に沿って配置され、前記用紙の裏面を吸着する吸着板と、前記用紙の先端から前記吸着板に向かって斜め方向に配置され、前記吸着板で吸着されるまでの前記用紙の裏面に接触する先端ガイドと、前記搬送経路に沿って搬送される前記用紙に、前記用紙の表面から乾燥処理を施す乾燥手段と、を備える用紙乾燥装置が開示されている。また、特許文献1には、用紙に水性紫外線硬化型インクを吐出するインクジェットヘッドを備える画像記録部と、前記画像記録部で画像が記録された前記用紙を所定の搬送経路に沿って搬送しながら乾燥処理をする上記の用紙乾燥装置と、前記用紙乾燥装置で乾燥処理された前記用紙に定着処理を行うUV照射処理部と、前記UV照射処理部で定着処理を行った前記用紙を排紙する排紙部と、を備えるインクジェット記録装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、弾性部材からなる第1のローラと、硬質部材からなり、前記第1のローラとの間でニップを形成する第2のローラと、該第2のローラより用紙搬送方向上流側に配設されたテンションローラと、前記第2のローラと前記テンションローラ間に所定の張力をもって配設され、複数の孔が穿孔されるとともに、前記第2のローラとともに前記ニップを形成する無端ベルトと、前記無端ベルトの孔から前記用紙搬送側のエアーを吸引する吸引手段と、を備え、前記吸引手段により前記無端ベルトに用紙を吸着させた状態で用紙を前記ニップ部まで搬送し、前記ニップ部の通過によって搬送中の用紙にカールを付けることを特徴とする用紙搬送装置が開示されている。また、特許文献2には、上記の用紙搬送装置を備えていることを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、記録材を搬送し、当該記録材に対して画像を形成する画像形成装置において、前記記録材に対して搬送力を付与して当該記録材を搬送する搬送力付与手段と、前記搬送力付与手段により搬送力が付与された前記記録材の先端位置を案内するガイド手段と、搬送力が付与された前記記録材の搬送速度と略同一の速度で前記ガイド手段を移動させる移動手段とを具備することを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-151520号公報
【特許文献2】特開2009-292631号公報
【特許文献3】特開2000-247493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、周回する保持手段が記録媒体の前端部を幅方向に間隔をあけて保持する構成において、記録媒体の前端部を平らな状態で保持手段に保持させる場合と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様の搬送装置は、回転する複数の回転手段と、環状に形成され、前記複数の回転手段に巻き掛けられ、前記回転手段の回転に伴って周回する周回手段と、前記周回手段に取り付けられ、前記周回手段と共に周回し、記録媒体の前端部が保持位置に到達すると前記前端部を幅方向に間隔をあけて保持する保持手段と、前記前端部が前記保持位置に到達するまでに前記前端部を幅方向全域に亘って厚み方向に変形させる変形手段と、を備える。
【0008】
本開示の第2態様の搬送装置は、第1態様の搬送装置であって、前記変形手段は、前記記録媒体と接して前記前端部を変形させる接触部材を有する。
【0009】
本開示の第3態様の搬送装置は、第2態様の搬送装置であって、前記接触部材は、前記記録媒体の前端部を前記保持位置に案内しながら変形させる案内部を有する。
【0010】
本開示の第4態様の搬送装置は、第3態様の搬送装置であって、前記接触部材は、送出部から送り出される前記記録媒体を支持する支持部と、前記支持部の前記記録媒体の送り出し方向の端部につながる前記案内部と、を有する。
【0011】
本開示の第5態様の搬送装置は、第3態様の搬送装置であって、前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、 前記案内部は、前記軸方向に延びており、前記案内部における前記保持位置側の端部には、前記保持部が通過する切欠きが形成されている。
【0012】
本開示の第6態様の搬送装置は、第3態様の搬送装置であって、前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、前記案内部は、前記軸方向に間隔をあけて配置されており、前記保持部が前記軸方向に隣接する前記案内部の間を通過する。
【0013】
本開示の第7態様の搬送装置は、第3態様の搬送装置であって、前記接触部材は、前記回転手段の軸方向を回転軸方向として回転可能なロール部材であり、前記案内部としての前記ロール部材の外周面に前記記録媒体の前端部が接する。
【0014】
本開示の第8態様の搬送装置は、第7態様の搬送装置であって、前記ロール部材は、前記記録媒体の送り出し方向に複数配置されている。
【0015】
本開示の第9態様の搬送装置は、第7態様の搬送装置であって、前記ロール部材は、前記記録媒体の送り出し方向に回転駆動する。
【0016】
本開示の第10態様の搬送装置は、第7態様の搬送装置であって、前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、前記ロール部材は、前記保持部が通過する領域を避けて前記軸方向に複数配置されている。
【0017】
本開示の第11態様の搬送装置は、第1態様の搬送装置であって、前記変形手段は、前記記録媒体に気体を吹き付けて前記前端部を変形させる吹付部を有する。
【0018】
本開示の第12態様の画像形成装置は、第1態様~第11態様のいずれか一態様に記載の搬送装置と、前記搬送装置の周回手段の周回経路における画像形成位置において、保持手段に保持された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記周回経路における定着位置において、前記記録媒体に前記画像を定着させる定着部と、を備える。
【0019】
本開示の第13態様の画像形成装置は、第12態様の画像形成装置であって、前記搬送装置の変形手段を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記記録媒体の片面に画像が形成されている場合、前記変形手段で前記記録媒体の前端部を幅方向全域に亘って厚み方向に変形させ、前記記録媒体に画像が形成されていない場合、前記変形手段を機能させないように制御を行う。
【発明の効果】
【0020】
第1態様の搬送装置では、周回する保持手段が記録媒体の前端部を幅方向に間隔をあけて保持する構成において、記録媒体の前端部を平らな状態で保持手段に保持させる場合と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
【0021】
第2態様の搬送装置では、記録媒体と非接触で前端部を変形させる構成と比べて、前端部の変形量のバラつきを抑制することができる。
【0022】
第3態様の搬送装置では、記録媒体の前端部の変形と保持位置への案内を別々に行う構成と比べて、省スペース化を図ることができる。
【0023】
第4態様の搬送装置では、支持部と案内部を別体とする構成と比べて、部品点数を低減することができる。
【0024】
第5態様の搬送装置では、案内部における保持位置側の端部が回転手段の軸方向に平坦な構成と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
【0025】
第6態様の搬送装置では、案内部における保持位置側の端部が保持部の通過領域よりも送り出し方向の手前側に配置される構成と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
【0026】
第7態様の搬送装置では、ロール部材が回転しない構成と比べて、記録媒体の保持位置までの送り出しをスムーズにできる。
【0027】
第8態様の搬送装置では、記録媒体の送り出し方向にロール部材が一つのみ配置される構成と比べて、記録媒体の保持位置までの送り出しをスムーズにできる。
【0028】
第9態様の搬送装置では、ロール部材が自由回転する構成と比べて、記録媒体の保持位置までの送り出しをスムーズにできる。
【0029】
第10態様の搬送装置では、ロール部材が保持部の通過領域よりも送り出し方向の手前側に配置される構成と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
【0030】
第11態様の搬送装置では、記録媒体の変形量が決定された部材を用いる構成と比べて、記録媒体の種類に応じて前端部の変形量を設定することができる。
【0031】
第12態様の画像形成装置では、記録媒体の前端部を平らな状態で保持手段に保持させる場合と比べて、定着部において記録媒体にしわが発生するのを抑制することができる。
【0032】
第13態様の画像形成装置では、記録媒体の画像の有無に関わらず前端部を変形させる構成と比べて、保持位置で保持した記録媒体を周回させやすい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の一実施形態の搬送装置及び画像形成装置を示す正面図である。
図2図1の画像形成装置の要部の構造を示す斜視図である。
図3図1の画像形成装置のグリッパによる用紙保持の状態を示す拡大図である。
図4A図1の画像形成装置のグリッパの開状態を示す断面図である。
図4B図1の画像形成装置のグリッパの閉状態を示す断面図である。
図5図1の画像形成装置の送出部を示す拡大図である。
図6図1の画像形成装置の要部の正面図である。
図7図1の画像形成装置の接触部材の正面図である。
図8図1の画像形成装置の接触部材の平面図である。
図9A図1の画像形成装置において、用紙の先端部をクリップが保持する前の状態を示す拡大図である。
図9B図1の画像形成装置において、用紙の先端部をクリップが持ち上げた状態を示す拡大図である。
図9C図1の画像形成装置において、用紙の先端部をクリップが保持した状態を示す拡大図である。
図10図1の画像形成装置における接触部材の第一変形例の平面図である。
図11図1の画像形成装置における接触部材の第二変形例の正面図である。
図12図1の画像形成装置における接触部材の第三変形例の正面図である。
図13図1の画像形成装置における接触部材の第四変形例の正面図である。
図14図1の画像形成装置における接触部材の第五変形例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の実施形態に係る搬送装置及び画像形成装置の一例について説明する。
【0035】
なお、各図に示された矢印UPは、鉛直方向であって装置上方向を指す。また、矢印RHは、図1に示されるように、水平方向であって装置に正対した際の右側を指す。また、矢印FRは、図2に示されるように、水平方向であって装置に正対した際の手前側を指す。
また、以下説明中において前提なく上下方向を指定した場合は、図1に示す装置の上下方向を意味する。また、以下説明中において前提なく左右方向を指定した場合は、図1に示された装置に正対した際の左及び右方向を意味する。さらに、以下説明中において前提なく奥行方向を指定した場合は、図1に示す装置に正対した際の奥行方向を意味する。
【0036】
また各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一又は同様の構成要素であることを意味する。なお、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。また、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0037】
本開示の一実施形態に係る画像形成装置について図1図9を用いて説明する。
【0038】
[画像形成装置の全体構成]
まず、画像形成装置10の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置10の概略を示した正面図である。
【0039】
図1に示されるように、搬送装置70は、搬送胴31に設けられたスプロケット(図示省略)、転写胴36に設けられたスプロケット35及び受渡胴60に設けられたスプロケット37と、周回手段の一例としてのチェーン49と、保持手段の一例としてのグリッパ42と、変形手段の一例としての用紙変形部80と、を有している。なお、本実施形態の搬送胴31に設けられたスプロケット、転写胴36に設けられたスプロケット35及び受渡胴60が備えるスプロケット37は、本開示の回転手段の一例である。
【0040】
また、図1に示されるように、画像形成装置10は、上記の搬送装置70と、画像形成部11と、定着部40とを備えている。また、画像形成装置10は、転写部30と、給紙トレイ18と、送出部の一例としての送出部50と、制御部16とを備えている。
【0041】
画像形成部11は、後述するチェーン49の周回経路Dにおける画像形成位置において、記録媒体の用紙Pに画像を形成する機能を有する。具体的には、後述する転写ベルト22の表面(外周面)に画像を形成し、形成した画像を画像形成位置としての二次転写位置Tで用紙Pに転写することで用紙Pに画像を形成する機能を有する。この画像形成部11は、一例として、4つの画像形成ユニット12を有している。4つの画像形成ユニット12は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の互いに異なる色のトナー画像を形成する。
【0042】
画像形成ユニット12は、感光体ドラム20を有する。感光体ドラム20は、像保持体の一例であって、記録媒体に転写されるトナー画像を外周面に保持して回転する。画像形成ユニット12は、各色の感光体ドラム20にトナー画像を形成し、該トナー画像を感光体ドラム20と一次転写ロール26との間に形成される一次転写位置で転写ベルト22に転写する機能を有する。
【0043】
また、画像形成ユニット12は、感光体ドラム20を帯電する帯電装置23と、帯電した感光体ドラム20に潜像を形成する露光装置24と、潜像をトナーにより現像する現像装置25とを有する。
【0044】
転写部30は、転写ベルト22の表面に形成された画像(トナー画像)を用紙Pに転写する機能を有する。具体的には、転写部30は、転写体の一例としての転写ベルト22と、一次転写ロール26と、複数のロール32と、二次転写ロール33と、胴の一例としての転写胴36と、クリーナ15とを備えている。
【0045】
転写ベルト22は、無端状とされ、正面視で(装置奥行方向手前側から見て)逆三角形状の姿勢となるように、複数のロール32及び二次転写ロール33に巻き掛けられて張架されている。転写ベルト22は、複数のロール32の少なくとも1個が回転駆動されることで、矢印X方向へ周回する。転写ベルト22の外周部には、各色の画像形成ユニット12とクリーナ15とが配置されている。
【0046】
一次転写ロール26は、転写ベルト22の内側に複数配置されている。各一次転写ロールは、画像の各色に対応している。すなわち、本実施形態では、一次転写ロール26は各色に対応して4つ配置されている。各一次転写ロール26は、各色の感光体ドラム20に対して転写ベルト22を挟んでそれぞれ反対側に配置されている。
【0047】
二次転写ロール33は、転写ベルト22の内側に配置されている。
【0048】
転写胴36は、転写ベルト22を挟んで二次転写ロール33の反対側に配置されている。そして、転写胴36は、図2に示されるように、装置奥行方向に延びている。
【0049】
転写胴36は、図2に示されるように、装置奥行方向に延びる軸部36Aと、軸部36Aの軸方向中間部に設けられた円筒部としてのロール部36Bと、を有している。軸部36Aの軸方向両端側には、前述したスプロケット35がそれぞれ取り付けられている。言い換えると、一対のスプロケット35の間に転写胴36のロール部36Bが配置されている。
【0050】
転写胴36のスプロケット35には、チェーン49が巻き掛けられている。このため、転写胴36は、チェーン49の周回に従動して回転する。
【0051】
転写胴36のロール部36Bには、グリッパ42を内側に収容可能な凹部(図示省略)が形成されている。この凹部は、ロール部36Bの一端から他端まで軸方向(装置奥行方向と同じ方向)に延びる溝状の形状を有する。
【0052】
転写胴36は、転写ベルト22を押し出して転写胴36に押し付けている二次転写ロール33との間にニップ領域を形成する。換言すると、ニップ領域は、転写胴36と転写ベルト22との間に形成される。チェーン49の周回に従動して回転する転写胴36は、ニップ領域で転写ベルト22を連れ回す。転写胴36は、ニップ領域で、チェーン49及びグリッパ42によって搬送される用紙Pを、外周部と転写ベルト22とで挟んだ状態で、転写ベルト22を連れ回しながら転写ベルト22に形成されたトナー画像を用紙Pに転写させる。なお、転写胴36と転写ベルト22との間に形成されるニップ領域が画像形成位置の一例としての二次転写位置Tである。すなわち、本実施形態の画像形成装置10では、二次転写位置Tにおいて、画像形成部11によって転写ベルト22の表面に形成されたトナー画像が、転写胴36に巻き付けられた用紙Pの表面に転写されるようになっている。
【0053】
クリーナ15は、二次転写位置Tよりも転写ベルト22の周回方向下流側に配置されている。クリーナ15は、転写ベルト22の外周面に接触しているブレードを備えている。このクリーナ15は、転写ベルト22の周回に伴って、二次転写位置T(ニップ領域)を通過した転写ベルト22の部位に残留したトナー及びその他の異物(例えば、用紙Pが紙である場合における紙粉等)をブレードで除去するように機能する。
【0054】
図1に示されるように、用紙搬送経路Aは、給紙トレイ18から供給された用紙Pを搬送する機能を有する。本実施形態における画像形成装置10では、給紙トレイ18から供給された用紙Pは、用紙搬送経路Aを搬送される。そして、二次転写位置Tを通過し、排紙トレイ(図示省略)へと排出される構成となっている。
【0055】
また用紙搬送経路Aは、後述する受取位置D2よりも下流側において、用紙の搬送方向を転換するための方向転換経路Bへと分岐されている。この方向転換経路Bは、さらに搬送方向における下流側において、用紙搬送経路Aへと合流するように構成されている。なお、用紙搬送経路Aにおける、方向転換経路Bと周回経路Dとの間の経路は、用紙Pの表面の搬送経路と裏面の搬送経路とが合流する合流経路とされる。なお、周回経路Dについての説明は後述する。また、各搬送経路は、図示しない複数の用紙搬送用のロールによって構成されている。これらのロールにより、用紙Pは各搬送経路に沿って搬送される。
【0056】
また、画像形成装置10は、用紙Pの搬送方向における二次転写位置Tよりも下流側に定着部40を備えている。この定着部40は、転写部30によって用紙Pに転写されたトナー画像を用紙Pに定着させる機能を有する。具体的には、定着部40は、搬送される用紙Pと接触して用紙Pを加熱する加熱部としての加熱ロール43と、加熱ロール43とで用紙Pを挟んで加熱ロール43に向けて用紙Pを加圧する加圧部としての搬送胴31と、を備えている。搬送胴31及び加熱ロール43は、前述した用紙搬送経路Aを挟んで対向するように設置されている。すなわち、定着対象となる用紙Pは、搬送胴31と加熱ロール43との間を通過するように搬送される。
【0057】
搬送胴31は、加熱ロール43との間に用紙Pを挟んで用紙Pを加圧する機能を有する。具体的には、搬送胴31は、装置奥行方向に延びる軸部(図示省略)と、この軸部の軸方向中間部に設けられた円筒部としてのロール部(図示省略)と、このロール部の外面に設けられた凹部(図示省略)と、を有している。搬送胴31の軸部の軸方向両端側には、チェーン49が巻き掛けられる図示しないスプロケットがそれぞれ取り付けられている。言い換えると、一対のスプロケットの間に搬送胴31のロール部が配置されている。
【0058】
搬送胴31は、スプロケットにチェーン49が巻き掛けられている。このため、搬送胴31は、チェーン49の周回に従動して回転する。
【0059】
搬送胴31のロール部には、グリッパ42を内側に収容可能な凹部(図示省略)が形成されている。この凹部は、搬送胴31のロール部の一端から他端まで軸方向(装置奥行方向と同じ方向)に延びる溝状の形状を有する。
【0060】
加熱ロール43は、用紙Pを加熱する機能を有する。具体的には、搬送胴31は、装置奥行方向に延びる図示しない軸部と、軸部の軸方向中間部に設けられた円筒部としての図示しないロール部と、を有している。
【0061】
加熱ロール43は、ロール部の外周面が、搬送胴31のロール部の外周面に接触することで、搬送胴31とで用紙Pを挟むニップ領域を形成している。この搬送胴31と加熱ロール43との間に形成されるニップ領域が画像受取位置の一例としての受取位置D2である。
【0062】
(基本画像の画像形成動作)
次に、画像形成装置10における、用紙Pへの基本的な画像形成動作の概要を説明する。
【0063】
画像形成装置10における種々の動作は、装置内に内蔵された制御部16によって実施される。制御部16は、外部から画像形成指令を受けると、画像形成部11の画像形成部11を作動させる。また、制御部16は、画像信号処理部(図示省略)において画像処理が施された画像データを、画像形成部11に送る。画像形成部11では、転写ベルト22の表面にトナー画像を一次転写する。そして二次転写位置Tにおいて転写ベルト22から用紙Pにトナー画像が二次転写され、用紙Pに画像が形成される。
【0064】
両面印刷時においては、後述する受取位置D2を通過した用紙Pは、さらに、搬送経路に設けられた方向転換経路Bにおいて、搬送方向が転換される。そして、用紙Pは複数のローラ(図示省略)を含んで構成された搬送経路Cを搬送され、再び用紙搬送経路Aへと搬送される。
【0065】
(スプロケット)
搬送胴31のスプロケット、転写胴36のスプロケット35、及び、受渡胴60のスプロケット37には、チェーン49が巻き掛けられている。これらのスプロケットに巻き掛かることで、チェーン49に予め設定された張力が付与される。スプロケット37は、図2に示されるように、装置奥行方向に延びる連結軸61の軸方向両端側にそれぞれ設けられている。受渡胴60は、連結軸61と一対のスプロケット37とを備えている。また、用紙搬送方向の上流から順にスプロケット37、スプロケット35、搬送胴31のスプロケットが配置されている。
【0066】
(チェーン)
チェーン49は、該チェーン49に取り付けられたグリッパ42を介して、該グリッパ42が保持する用紙Pを該チェーン49の周回方向(図中矢印Dで示す方向)に搬送する機能を有する。具体的には、チェーン49は、環状に形成されており、搬送胴31のスプロケット、スプロケット35及びスプロケット37に巻き掛けられて張架されている。より具体的には、奥行方向の手前側に配置される搬送胴31のスプロケット、スプロケット35、及び、スプロケット37に一つのチェーン49が巻き掛けられ、奥行方向の奥側に配置される搬送胴31のスプロケット、スプロケット35、及び、スプロケット37に他のチェーン49が巻き掛けられている。
【0067】
なお、以下において、単にチェーン49として説明するときは、奥行方向の手前側及び奥側の一対のチェーン49を指す。また、チェーン49は、搬送胴31のスプロケット、スプロケット35、及び、スプロケット37のいずれかのスプロケットの駆動回転に伴って周回するように構成されている。なお、駆動回転するスプロケットは、搬送胴31のスプロケット、スプロケット35、及び、スプロケット37のいずれでも構わず、駆動回転しないスプロケットは、チェーン49の周回に伴い従動回転する。
【0068】
図3に示されるように、チェーン49は、自由に回転するローラをはめたブッシュとリンクプレートとで組立てたローラリンク59をピンリンク57で繋いだ構造となっている。このチェーン49には、複数のグリッパ42が予め設定された間隔で取り付けられている。
【0069】
(グリッパ)
グリッパ42は、図3図4A及び図4Bに示されるように、チェーン49に取り付けられており、チェーン49と共に周回し、用紙Pを保持する機能を有する。具体的には、グリッパ42は、図6に示されるように、チェーン49におけるグリッパ42が取り付けられた取付部位がスプロケット37と接触する領域において搬送される用紙Pの先端部P1(図3参照)を保持し、チェーン49と共に周回することで用紙Pの搬送を補助する。また、グリッパ42は、用紙Pの先端部P1が後述する保持位置に到達すると先端部P1を該用紙Pの幅方向に間隔をあけて保持する。なお、用紙Pの先端部P1は、用紙Pの搬送方向の前端部とも言う。グリッパ42は、チェーン49に該チェーン49の周回方向に予め設定された間隔をあけて複数取り付けられている。なお、チェーン49は、スプロケット37に対して噛み合うことで、スプロケット37に接触している。すなわち、チェーン49における上記取付部位もスプロケット37に対して噛み合うことで、スプロケット37に接触している。したがって、チェーン49における取付部位のスプロケット37に対する噛み合いは、この取付部位のスプロケット37に対する接触とも言え、噛合領域は、接触領域とも言える。
【0070】
グリッパ42は、クリップ44と、このクリップ44を覆う矩形状のケース46と、奥行方向に延びるシャフト48と、を備えている。
【0071】
クリップ44は、シャフト48に固定されており、シャフト48と共に回転するように構成されている。また、クリップ44は、シャフト48に該シャフト48の軸方向(装置奥行方向と同じ方向)に間隔をあけて複数設けられている(図3参照)。なお、用紙Pを挟んだ状態では、複数のクリップ44は用紙Pを該用紙Pの幅方向に複数個所で保持する。
【0072】
ケース46は、装置奥行方向が長手方向であり、シャフト48によって保持されている。このケース46は、クリップ44の回転に対して独立して回転するように構成されている。また、ケース46は、クリップ44に対して、用紙搬送方向における上流側及び下流側の2方向と用紙の裏面方向を覆うように構成されている。なお、ここでいう「裏面」とは用紙Pにおける非画像形成面のことである。このような構造において、クリップ44における先端部45とケース46の後端の固定爪部47とは、用紙Pの搬送方向における先端部P1を挟持可能に構成されている。なお、図4A及び図4Bに示す符号47Aは固定爪部47の先端部である。
【0073】
シャフト48は、奥行方向の両端部が、一対のチェーン49によって保持されている。これらのチェーン49が周回することで、一対のチェーン49に固定されたシャフト48も併せて周回するように構成されている。これにより、グリッパ42は、一対のチェーン49によって保持され、予め設定された周回経路D(図1参照)に沿って周回する。
【0074】
図1に示されるように、チェーン49の周回経路Dは、画像形成装置10の正面視で、用紙搬送経路Aに一部がオーバーラップするように設けられている。具体的には、周回経路Dは、スプロケット37の外周において、用紙搬送経路Aとの接点を通過してから、後述する受取位置D2を通過するまでの間、用紙搬送経路Aとオーバーラップするように構成されている。
【0075】
グリッパ42は、用紙搬送経路Aと周回経路Dとのオーバーラップの開始点において、クリップ44における先端部45とケース46における固定爪部47とが近接し、用紙Pの先端部P1が挟持される。周回経路Dにおける、グリッパ42の用紙Pの保持位置は、用紙搬送経路Aからグリッパ42へ用紙Pが受け渡される受渡位置D1とされる。
【0076】
また、周回経路Dと用紙搬送経路Aとのオーバーラップの終点において、クリップ44における先端部45とケース46における固定爪部47とが離間し、用紙Pの先端部P1が開放される。周回経路Dにおける、グリッパ42の用紙Pの開放位置は、グリッパ42から用紙搬送経路Aへと用紙Pが受け取られる受取位置D2とされる。
【0077】
なお、本実施形態では、グリッパ42の周回速度と各スプロケットの回転速度は同じ速度である。
【0078】
(送出部)
送出部50は、グリッパ42が用紙Pを保持する保持位置としての受渡位置D1に用紙Pを送り出す機能を有する。具体的には、送出部50は、図1に示されるように、用紙搬送経路Aにおける、方向転換経路Bと受渡位置D1との間に設けられた合流経路に配置されている。送出部50は、図5に示されるように、搬送ロール51、52と、レジストロール55、56とを備えている。各ロールは、用紙搬送経路Aの上側又は下側に配置される。上側の搬送ロール51及び下側の搬送ロール52と、上側のレジストロール55及び下側のレジストロール56とが、それぞれ一対となって回転し、用紙Pを搬送する。
【0079】
送出部50から送り出された用紙Pは、図9A図9B及び図9Cに示されるように、グリッパ42におけるケース46の固定爪部47とクリップ44の先端部45とによって、図5におけるスプロケット37の円周上にて挟持される。グリッパ42は、用紙Pにおける先端部P1の搬送タイミングに合わせて、周回経路Dに沿って移動しながら供給される。このとき、図9Aに示されるように、ケース46とクリップ44とは、開かれた状態となっている。また、図9Bに示されるように、グリッパ42は、送出部50から用紙Pを受渡位置D1へ送り出すタイミングに合わせて周回経路Dを移動しつつ、ケース46とクリップ44との間が徐々に接近するようになっている。そして用紙搬送経路Aから、クリップ44の先端部45が、用紙Pの先端部P1を持ち上げる。図9Cに示されるように、用紙Pの先端部P1は、クリップ44によってさらに持ち上げられ、ケース46の固定爪部47とクリップ44の先端部45とによって挟持された状態で、用紙搬送経路Aから周回経路Dへと受け渡される。その後、グリッパ42によって、用紙Pは周回経路Dに沿って搬送される。
【0080】
図1に示されるように、用紙Pは、周回経路Dへと受け渡されたのち、転写胴36の外周に沿って表裏を反転される。そして、用紙Pは、転写胴36の外周上に設けられた二次転写位置Tへと搬送される。すなわち、用紙Pが周回経路及び転写胴36の外周上に沿って反転される過程において、二次転写位置Tを通過するように構成されている。
【0081】
用紙Pが二次転写位置Tを通過する際に二次転写ロール33側に向けられた面が、画像形成面であり、表面とされる。言い換えると、送出部50及び受渡位置D1において、用紙Pは非画像形成面である裏面が上方に向けられた状態で搬送される。
【0082】
二次転写位置Tを通過した用紙Pは、周回経路Dから用紙搬送経路Aへ受け取られる。この周回経路Dと用紙搬送経路Aとの分岐点は、受取位置D2とされる。受取位置D2では、用紙Pの先端部P1を保持したグリッパ42が開放されることによって、用紙Pが周回経路Dから用紙搬送経路Aへ受け取られる。
【0083】
[要部の構成]
次に、本実施形態の要部構成について説明する。
本実施形態の搬送装置70は、用紙Pを搬送する装置であり、上記したように用紙Pを受渡位置D1から受取位置D2へ搬送する機能を有する。この搬送装置70は、搬送胴31に設けられたスプロケット、スプロケット35及びスプロケット37と、チェーン49と、グリッパ42と、用紙変形部80と、を有している。
【0084】
用紙変形部80は、用紙Pの先端部P1がグリッパ42によって保持される保持位置に到達するまでに先端部P1を用紙Pの幅方向全域に亘って厚み方向に変形させる機能を有する。なお、ここでいう用紙Pの先端部P1を厚み方向に変形させるとは、用紙Pにおいて先端部P1以外の部分、すなわち、用紙Pの搬送方向中間部及び後端部に対して、先端部P1を厚み方向に変形させることを意味する。また、用紙Pの先端部P1を変形させる方向は、上方(用紙Pの厚み方向の一方側)でも下方(用紙Pの厚み方向の下方側)でも構わないが、本実施形態では用紙Pの先端部P1を上方へ向けて変形させている。
【0085】
図7及び図9Aに示されるように、用紙変形部80は、用紙Pと接して用紙Pの先端部P1を変形させる接触部材82を有している。この接触部材82は、用紙Pの先端部P1を保持位置に案内しながら先端部P1を変形させる案内部84を有している。さらに接触部材82は、送出部50から送り出される用紙Pを支持する支持部86を有している。本実施形態の案内部84及び支持部86は各々板状である。接触部材82における案内部84は、支持部86の用紙Pの送り出し方向(搬送方向)の端部につながっている。言い換えると、支持部86の用紙Pの搬送方向の端部から案内部84が延びている。ここで、支持部86の表面86Aと案内部84の表面84Aは連続している。支持部86の表面86Aは、平坦面であり、用紙Pの搬送方向に沿って延びている。一方、案内部84の表面84Aは、支持部86の表面86Aの用紙Pの搬送方向の端部から斜め上方に向けて延びている。本実施形態では、案内部84の表面84Aは円弧状に湾曲する曲面とされているが本開示はこれに限定されない。案内部84の表面84Aは斜めに延びる斜面でもよい。
【0086】
図8に示されるように、案内部84の先端部84Bには、グリッパ42のクリップ44が通過する切欠き88が形成されている。なお、案内部84の先端部84Bは、案内部84における用紙Pの搬送方向の端部を意味する。また、切欠き88は、案内部84の先端部84Bにおいて複数のクリップ44がそれぞれ通過する通過領域PAに形成されている。
【0087】
また本実施形態では、図9A図9Cに示されるように、用紙Pの用紙搬送経路Aを挟んで接触部材82と対向する位置にガイド部材100が設けられている。具体的にはガイド部材100は、接触部材82の上方に配置されている。このガイド部材100も接触部材82と同様に、用紙Pの搬送方向の端部に切欠き(図2参照)が形成されている。ガイド部材100の切欠きをクリップ44が通過する。
【0088】
<作用>
次に本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の搬送装置70では、図9Aに示されるように、送出部50から送り出された用紙Pが接触部材82の支持部86で支持される。用紙Pの先端部P1が案内部84上(表面84A)を通過すると、用紙Pの先端部P1が案内部84に沿って持ち上がる(図9B参照)。すなわち、用紙Pの先端部P1が上方に向けて反る(反り変形する)。ここで、案内部84は保持位置よりも用紙Pの搬送方向下流側に位置するため、用紙Pの先端部P1がクリップ44による用紙Pの保持位置に到達する前に用紙Pの先端部P1が用紙Pの幅方向全域に亘って厚み方向に反り変形する。このように用紙Pの先端部P1が反り変形することで、先端部P1における幅方向剛性が向上する。本実施形態の搬送装置70では、用紙Pの先端部P1が反り変形した状態、すなわち、先端部P1における幅方向剛性が向上した状態で、先端部P1が保持位置に到達し、グリッパ42の複数のクリップ44によって保持される(図9C参照)。このため、本実施形態の搬送装置70によれば、例えば、用紙Pの先端部P1を平らな状態でグリッパ42の複数のクリップ44に保持させる場合と比べて、グリッパ42の複数のクリップ44によって保持された用紙Pの先端部P1に幅方向のたわみが生じるのが抑制される。
【0089】
また搬送装置70では、用紙Pと接する接触部材82によって用紙Pを支持しながら先端部P1を反り変形させるため、例えば、用紙Pと非接触で先端部P1を変形させる構成と比べて、先端部P1の変形量のバラつきを抑制することができる。
【0090】
また搬送装置70では、接触部材82が、用紙Pの先端部P1を案内しながら反り変形させる機能を有する案内部84を有するため、例えば、用紙Pの先端部P1の変形と保持位置への案内を別々に行う構成と比べて、省スペース化を図ることができる。
【0091】
また搬送装置70では、接触部材82が、送出部50から送り出される用紙Pを支持する支持部86と、支持部86の用紙Pの搬送方向の端部につながる案内部84と、を有する。このため、搬送装置70によれば、例えば、支持部86と案内部84とがそれぞれ別体である構成と比べて、部品点数を低減することができる。
【0092】
また搬送装置70では、案内部84の先端部84Bには、クリップ44が通過する切欠き88が形成されている。このため、案内部84の先端部84Bをより保持位置へ近づけられる。よって搬送装置70によれば、案内部84における用紙Pの先端部84Bに切欠き88を形成しない構成、すなわち、用紙Pの先端部84Bをクリップ44の周回軌跡から離した構成と比べて、グリッパ42の複数のクリップ44で保持された用紙Pに幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
【0093】
本実施形態の画像形成装置10では、搬送装置70を用いるため、例えば、用紙Pの先端部P1を平らな状態でグリッパ42に保持させる場合と比べて、用紙Pに幅方向のたわみが生じるのが抑制される。この状態で用紙Pが定着部40に到達し、定着部40においてトナー画像が用紙Pに定着される。このとき、用紙Pに幅方向のたわみが生じるのが抑制されていることから、定着時に用紙Pにしわが発生するのが抑制される。
【0094】
前述の実施形態では、案内部84の先端部84Bに切欠き88が形成されているが、本開示はこれに限定されない。例えば、図10に示される接触部材92のように、支持部86の端部に、クリップ44がそれぞれ通過する通過領域PAを避けるように複数の案内部94を装置奥行き方向に間隔をあけて設けてもよい。この場合には、クリップ44が装置奥行き方向に隣接する案内部94の間を通過する。この構成によれば、案内部94における用紙Pの送り出し方向の先端部94Bがクリップ44の通過領域PAよりも用紙Pの搬送方向の手前側(下流側)に配置される構成と比べて、グリッパ42で保持された用紙Pに幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。なお、図10における符号94Aは案内部94の表面を指す。
【0095】
前述の実施形態では、接触部材82が有する案内部84及び支持部86が一体とされているが本開示はこの構成に限定されない。例えば、図11に示される接触部材102のように、接触部材102が有する案内部104及び支持部86が別体でもよい。具体的には、接触部材102は、支持部86が画像形成装置10の筐体又は該筐体に連結されたブラケットに固定されており、案内部104が固定状態の支持部86に対して接した状態(図11における実線)と離隔した状態(図11における二点鎖線)とを切り替えられるように画像形成装置10の筐体又は該筐体に連結されたブラケットに取り付けられている。この案内部104の状態切り替え(言い換えると、位置切り替え)は、移動装置106によって行われる。移動装置106としては、例えば、駆動源にモータやシリンダ等を用いた従来公知の移動装置が用いられてもよい。この移動装置106による案内部104の移動は制御部16によって制御される。ここで制御部16は、用紙Pの片面に画像が形成されている場合(言い換えると、定着部40を通過して用紙Pの片面に画像が定着されている場合)、移動装置106を制御し、案内部104を支持部86に接した状態にさせて、用紙Pの先端部P1を幅方向全域に亘って反り変形させる。一方、制御部16は、用紙Pに画像が形成されていない場合、移動装置106を制御し、案内部104を支持部86から離隔させて、用紙Pの先端部P1を反り変形させない。このように制御部16で接触部材102を機能させるか否かを選択可能なため、例えば、用紙Pの画像の有無に関わらず先端部P1を反り変形させる構成と比べて、保持位置で保持した記録媒体を周回させやすい。
【0096】
前述の実施形態では、用紙Pの先端部P1を厚み方向に変形させる変形手段の一例として用紙変形部80を用いているが本開示はこの構成に限定されない。例えば、図12に示される用紙変形部110を用いてもよい。この用紙変形部110は、接触部材112を有している。この接触部材112は装置奥行き方向を回転軸方向として回転するロール部材である。この接触部材112は送出部50と保持位置との間に配置されており、用紙Pの先端部P1が外周面112Aに接する。この接触部材112の外周面112Aは案内部の一例であり、外周面112Aに接した先端部P1を斜め上方へと案内する。また、接触部材112は、用紙Pの搬送方向に複数配置されてもよい。複数の接触部材112を配置することにより、用紙Pの先端部P1を幅方向全域で厚み方向に反り変形させやすくなる。また接触部材112は、クリップ44の通過する通過領域PAを避けるように装置奥行き方向に間隔をあけて配置されてもよい。上記のように接触部材112としてロール部材を用いた場合、用紙Pの先端部P1が接触部材112の外周面112Aに接すると、接触部材112が回転して先端部P1が斜め上方に持ち上げられる。すなわち、先端部P1が反り変形する。そして、反り変形した先端部P1は、クリップ44で保持される。ここで用紙変形部110は、ロール部材が回転しない構成と比べて、送出部50から保持位置まで用紙Pをスムーズに送り出すことができる。また、複数の接触部材112を用紙Pの搬送方向に複数配置する場合、例えば、用紙Pの搬送方向に接触部材112が一つのみ配置される構成と比べて、用紙Pの保持位置までの送り出しをスムーズにできる。さらに、装置奥行き方向に隣接する接触部材112間をクリップ44が通過する場合、接触部材112がクリップ44の通過領域PAよりも用紙Pの送り出し方向の手前側に配置される構成と比べて、グリッパ42で保持された用紙Pに幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
【0097】
また前述のように接触部材112を複数配置した場合、いずれか一つを回転駆動させる構成としてもよい。図13に示されるように接触部材112の軸部に回転駆動部114を連結し、回転駆動部114からの駆動力を接触部材112に入力することで接触部材112を回転させることが可能となる。なお、回転駆動部114は制御部16によって制御される。具体的には、回転駆動部114から接触部材112へ入力される駆動力が制御部16によって制御される。ここで、接触部材112の一つが回転駆動する場合、すべての接触部材112が自由回転する構成と比べて、用紙Pの保持位置までの送り出しをスムーズにできる。さらに接触部材112を用紙Pの搬送経路上から退避できるように構成してもよい。用紙Pの片面に画像が形成されている場合、接触部材112で用紙Pの先端部P1を反り変形させ、用紙Pに画像が形成されていない場合、接触部材112を退避させて用紙Pの先端部P1を反り変形させない構成としてもよい。接触部材112の退避は制御部16によって制御される。
【0098】
前述の実施形態では、用紙Pの先端部P1を厚み方向に変形させる変形手段の一例として用紙変形部80を用いているが本開示はこの構成に限定されない。例えば、図14に示される用紙変形部120を用いてもよい。この用紙変形部120は、用紙Pに気体を吹き付けて先端部P1を変形させる吹付部122を有する。吹付部122は制御部16によって気体の吹付量(あるいは吹付速度)が制御されており、用紙Pを支持する板状の支持部124に設けられた貫通孔124Aから、支持部124上を通過する用紙Pに対して気体を吹き付ける。なお、支持部124に設けられる貫通孔124Aは、図14では用紙Pの搬送方向に2つ形成されているがこれに限定されず、用紙Pの搬送方向に1つ又は3つ以上形成されてもよい。また貫通孔124Aは、装置奥行き方向に複数形成されてもよいし、連続したスリット状に形成されてもよい。このように吹付部122を用いる場合、用紙Pの変形量が決定された部材、例えば、用紙Pを反り変形させる角度が決定されている部材を用いる場合と比べて、用紙Pに対する気体の吹付量を調整することで用紙Pの先端部P1の反り変形量を調整することができる。例えば、用紙Pの種類に応じて先端部P1に反り変形量を設定することもできる。また、吹付部122からの気体の吹き付けは、印刷ジョブの開始から終了まで連続して行ってもよいし、用紙Pが送出部50から送り出され、グリッパ42に保持されるまで連続して行ってもよい。さらに、少なくとも片面に画像が形成されている場合に吹付部122を機能させ、画像が形成されていない白紙の場合に吹付部122を機能させないように制御部16で吹付部122を制御してもよい。
【0099】
また前述の実施形態では、吹付部122からの気体の吹き付けで用紙Pの先端部P1を反り変形させているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、吸引部を設けて、吸引部からの吸引で用紙Pの先端部P1を反り変形させてもよい。
【0100】
本実施形態では、周回手段の一例として、チェーンを用い、回転手段の一例として、スプロケットを用いたが、本開示はこれに限定されない。例えば、周回手段の一例として、内周に凹凸を有するタイミングベルトを用い、回転手段の一例として、タイミングプーリ(すなわち、外周に凹凸を有するプーリ)を用いてもよい。また、周回手段の一例として、ベルトを用い、回転手段の一例として、ベルトを摩擦により周回させるプーリを用いてもよい。当該構成では、プーリが、ベルトに対して噛み合うのではなく、接触した状態で回転することで、ベルトが周回する。
【0101】
本実施形態では、画像形成部11としてトナーを用いて記録媒体に画像を形成する電子写真式の画像形成部を用いているが、本開示はこれに限定されない。例えば、画像形成部としてインクを用いて記録媒体に画像を形成するインクジェット式の画像形成部を用いてもよい。
【0102】
本開示は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0103】
<付記>
(((1)))
回転する複数の回転手段と、
環状に形成され、前記複数の回転手段に巻き掛けられ、前記回転手段の回転に伴って周回する周回手段と、
前記周回手段に取り付けられ、前記周回手段と共に周回し、記録媒体の前端部が保持位置に到達すると前記前端部を幅方向に間隔をあけて保持する保持手段と、
前記前端部が前記保持位置に到達するまでに前記前端部を幅方向全域に亘って厚み方向に変形させる変形手段と、
を備える搬送装置。
(((2)))
前記変形手段は、前記記録媒体と接して前記前端部を変形させる接触部材を有する、(((1)))に記載の搬送装置。
(((3)))
前記接触部材は、前記記録媒体の前端部を前記保持位置に案内しながら変形させる案内部を有する、(((2)))に記載の搬送装置。
(((4)))
前記接触部材は、送出部から送り出される前記記録媒体を支持する支持部と、前記支持部の前記記録媒体の送り出し方向の端部につながる前記案内部と、を有する、(((3)))に記載の搬送装置。
(((5)))
前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、
前記案内部は、前記軸方向に延びており、
前記案内部における前記保持位置側の端部には、前記保持部が通過する切欠きが形成されている、(((3)))又は(((4)))に記載の搬送装置。
(((6)))
前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、
前記案内部は、前記軸方向に間隔をあけて配置されており、
前記保持部が前記軸方向に隣接する前記案内部の間を通過する、(((3)))又は(((4)))に記載の搬送装置。
(((7)))
前記接触部材は、前記回転手段の軸方向を回転軸方向として回転可能なロール部材であり、
前記案内部としての前記ロール部材の外周面に前記記録媒体の前端部が接する、(((3)))に記載の搬送装置。
(((8)))
前記ロール部材は、前記記録媒体の送り出し方向に複数配置されている、(((7)))に記載の搬送装置。
(((9)))
前記ロール部材は、前記記録媒体の送り出し方向に回転駆動する、(((7)))又は(((8)))に記載の搬送装置。
(((10)))
前記保持手段は、前記回転手段の軸方向に間隔をあけて配置され、前記前端部を保持する複数の保持部を有し、
前記ロール部材は、前記保持部が通過する領域を避けて前記軸方向に複数配置されている、(((7)))~(((9)))のいずれか1項に記載の搬送装置。
(((11)))
前記変形手段は、前記記録媒体に気体を吹き付けて前記前端部を変形させる吹付部を有する、(((1)))に記載の搬送装置。
(((12)))
(((1)))~(((11)))のいずれか1項に記載の搬送装置と、
前記搬送装置の周回手段の周回経路における画像形成位置において、保持手段に保持された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記周回経路における定着位置において、前記記録媒体に前記画像を定着させる定着部と、
を備える画像形成装置。
(((13)))
前記搬送装置の変形手段を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体の片面に画像が形成されている場合、前記変形手段で前記記録媒体の前端部を幅方向全域に亘って厚み方向に変形させ、
前記記録媒体に画像が形成されていない場合、前記変形手段を機能させないように制御を行う、(((12)))に記載の画像形成装置。
【0104】
(((1)))の搬送装置では、周回する保持手段が記録媒体の前端部を幅方向に間隔をあけて保持する構成において、記録媒体の前端部を平らな状態で保持手段に保持させる場合と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
(((2)))の搬送装置では、記録媒体と非接触で前端部を変形させる構成と比べて、前端部の変形量のバラつきを抑制することができる。
(((3)))の搬送装置では、記録媒体の前端部の変形と保持位置への案内を別々に行う構成と比べて、省スペース化を図ることができる。
(((4)))の搬送装置では、支持部と案内部を別体とする構成と比べて、部品点数を低減することができる。
(((5)))の搬送装置では、案内部における保持位置側の端部が回転手段の軸方向に平坦な構成と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
(((6)))の搬送装置では、案内部における保持位置側の端部が保持部の通過領域よりも送り出し方向の手前側に配置される構成と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
(((7)))の搬送装置では、ロール部材が回転しない構成と比べて、記録媒体の保持位置までの送り出しをスムーズにできる。
(((8)))の搬送装置では、記録媒体の送り出し方向にロール部材が一つのみ配置される構成と比べて、記録媒体の保持位置までの送り出しをスムーズにできる。
(((9)))の搬送装置では、ロール部材が自由回転する構成と比べて、記録媒体の保持位置までの送り出しをスムーズにできる。
(((10)))の搬送装置では、ロール部材が保持部の通過領域よりも送り出し方向の手前側に配置される構成と比べて、保持手段で保持された記録媒体に幅方向のたわみが生じるのを抑制することができる。
(((11)))の搬送装置では、記録媒体の変形量が決定された部材を用いる構成と比べて、記録媒体の種類に応じて前端部の変形量を設定することができる。
(((12)))の画像形成装置では、記録媒体の前端部を平らな状態で保持手段に保持させる場合と比べて、定着部において記録媒体にしわが発生するのを抑制することができる。
(((13)))の画像形成装置では、記録媒体の画像の有無に関わらず前端部を変形させる構成と比べて、保持位置で保持した記録媒体を周回させやすい。
【符号の説明】
【0105】
10 画像形成装置
11 画像形成部
16 制御部
35 スプロケット(回転手段の一例)
37 スプロケット(回転手段の一例)
40 定着部
42 グリッパ(保持手段の一例)
44 クリップ(保持部の一例)
50 送出部
70 搬送装置
80 用紙変形部(用紙変形手段の一例)
82 接触部材
84 案内部
84B 先端部(保持位置側の端部の一例)
86 支持部
92 接触部材
94 案内部
94B 先端部(保持位置側の端部の一例)
100 ガイド部材
102 接触部材
104 案内部
110 用紙変形部(用紙変形手段の一例)
112 接触部材
112A 外周面
120 用紙変形部(用紙変形手段の一例)
122 吹付部
PA 通過領域
P 用紙(記録媒体)
P1 先端部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14