(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075221
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】歩行型管理機
(51)【国際特許分類】
A01B 33/08 20060101AFI20240527BHJP
F16H 7/12 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A01B33/08 Z
A01B33/08 A
F16H7/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186498
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】富久 聡
(72)【発明者】
【氏名】原 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】宮内 正男
(72)【発明者】
【氏名】米田 彩美
(72)【発明者】
【氏名】黒田 恭正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠太
(72)【発明者】
【氏名】沖本 章
【テーマコード(参考)】
2B033
3J049
【Fターム(参考)】
2B033AA07
2B033AB01
2B033AB11
2B033CA37
2B033ED20
3J049AA01
3J049BD01
3J049BH13
3J049CA07
(57)【要約】
【課題】
メンテナンス性と安全性を確保する伝動機構を備える歩行型管理機を提供する。
【解決手段】
機体(1)にはエンジン(E)を備え、前記エンジン(E)の下方には前記エンジン(E)の動力を伝達する駆動部(K)を備え、前記駆動部(K)には動力伝達を入り切りするテンションアーム(T)を備え、前記駆動部(K)の機体外側には前記駆動部(K)を保護するカバー(C)を備え、前記カバー(C)の下方には開放部(C1)を備え、前記テンションアーム(T)には前記テンションアーム(T)の動きに追従して前記開放部(C1)を開閉するカバープレート(C2)を備え、前記カバープレート(C2)には緩衝材(Cd)を備えることを特徴とする歩行型管理機。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体(1)にはエンジン(E)を備え、前記エンジン(E)の下方には前記エンジン(E)の動力を伝達する駆動部(K)を備え、前記駆動部(K)には動力伝達を入り切りするテンションアーム(T)を備え、前記駆動部(K)の機体外側には前記駆動部(K)を保護するカバー(C)を備え、前記カバー(C)の下方には開放部(C1)を備え、前記テンションアーム(T)には前記テンションアーム(T)の動きに追従して前記開放部(C1)を開閉するカバープレート(C2)を備え、前記カバープレート(C2)には緩衝材(Cd)を備えることを特徴とする歩行型管理機。
【請求項2】
請求項2に係る発明は、前記駆動部(K)には、前記開放部(C1)の上方かつ、前記テンションアーム(T)より前方に保護部材(La)を備えることを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項3】
前記機体(1)を操作する操作ハンドル(5)を備え、前記操作ハンドル(5)はハンドルブラケット(H)を介して前記機体(1)に接続されており、前記ハンドルブラケット(H)には取付部材(Ha)を備え、前記取付部材(Ha)には、スペーサー(Hb)を介して変速表示部(Hc)を接続することを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型管理機の伝動機構と伝動機構を覆うカバーの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される技術のように、従来、圃場を耕耘し、畝立作業等を行う歩行型管理機が知られている。
【0003】
従来の歩行型管理機においては、エンジンからの出力軸や走行部や作業部への入力軸はカバーに覆われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の歩行型管理機の構成によれば、カバーを機体に取り付けた状態ではベルト伝動機構の状態を確認できず、点検や注油の際にはカバーを着脱する必要があった。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の歩行型管理機のこの様な課題に鑑みて、メンテナンス性と安全性を確保する伝動機構を備える歩行型管理機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0008】
請求項1に係る発明は、機体(1)にはエンジン(E)を備え、前記エンジン(E)の下方には前記エンジン(E)の動力を伝達する駆動部(K)を備え、前記駆動部(K)には動力伝達を入り切りするテンションアーム(T)を備え、前記駆動部(K)の機体外側には前記駆動部(K)を保護するカバー(C)を備え、前記カバー(C)の下方には開放部(C1)を備え、前記テンションアーム(T)には前記テンションアーム(T)の動きに追従して前記開放部(C1)を開閉するカバープレート(C2)を備え、前記カバープレート(C2)には緩衝材(Cd)を備えることを特徴とする歩行型管理機である。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記駆動部(K)には、前記開放部(C1)の上方かつ、前記テンションアーム(T)より前方に保護部材(La)を備えることを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機である。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記機体(1)を操作する操作ハンドル(5)を備え、前記操作ハンドル(5)はハンドルブラケット(H)を介して前記機体(1)に接続されており、前記ハンドルブラケット(H)には取付部材(Ha)を備え、前記取付部材(Ha)には、スペーサー(Hb)を介して変速表示部(Hc)を接続することを特徴とする請求項2に記載の歩行型管理機である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の本発明によれば、開放部(C1)によってカバー(C)を取り外すことなく駆動部(K)のメンテナンスが可能であることに加え、クラッチが「入」状態の時、即ち駆動部(K)が動いているときは開放部(C1)をカバープレート(C2)で塞ぐため作業者が駆動部(K)に触れることを防止し、また、緩衝材(Cd)によって開放部(C1)への侵入をより防止できるため、メンテナンス性と安全性が向上し、テンションアーム(T)とカバープレート(C2)および緩衝材(Cd)が一体化しているため、機体(1)側の構成を変更することなく取り付けることができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明によれば、保護部材(La)がテンションアーム(T)より上方かつ前方に位置することにより、テンションアーム(T)の回動に伴ってカバープレート(C2)が回動した際にカバープレート(C2)と緩衝材(Cd)と保護部材(La)によって開放部(C1)が塞がれ、駆動部(K)への侵入を防止できる。
【0013】
請求項3に記載の本発明によれば、操作ハンドル(5)のハンドルブラケット(H)に変速表示部(Hc)を取り付けるにあたって、取付部材(Ha)とスペーサー(Hb)を介していることで、位置調整ができ、変速表示部(Hc)の表示を視認しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図5】(a)本発明の歩行型管理機のテンションアームの平面図、(b)本発明の歩行型管理機のテンションアームの側面図。
【
図9】本発明の歩行型管理機のフードブラケットの平面図。
【
図12】本発明の歩行型管理機のスタンドの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を、1実施の形態である歩行型管理作業機の機体1の基本構成について、その構成と動作を具体的に説明する。
【0016】
なお、実施例の説明においては、機体1の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後というが、本発明の構成を限定するものではない。
【0017】
【0018】
歩行型管理機の機体1は機体フレーム3を備え、機体フレーム3上にエンジンE等を備え、エンジンEより下方側にはエンジンEの駆動を各部に伝える伝動ケースDを備え、伝動ケースDの下方側には耕耘装置2を備える。エンジンE付近には、エンジンEに燃料を供給する燃料タンクNを備え、エンジンE等を上部から覆うフード4を備える。
【0019】
伝動ケースDの上部には、作業者が機体1の操作をする操作ハンドル5を備える。より詳細には、伝動ケースDの上部に、操作ハンドル5を機体1に取り付けるハンドルフレームHを取り付け、ハンドルフレームHの上部に操作ハンドル5を取り付ける。操作ハンドル5には、機体1の操作に関するクラッチレバー6等の操作装置を備える。
【0020】
エンジンEの駆動は、駆動部Kから各部に伝わる。エンジンEの出力軸K1に備えられる出力プーリP1が回転する。出力プーリP1と、伝動ケースDへの入力軸K2に備えられる入力プーリP2にベルトVが巻きかけられており、ベルトVを介して動力が入力軸K2に伝わり、入力軸K2から、伝動ケースD内で変速されて耕耘装置2に動力を伝える。駆動部Kは伝動部の一部であり、駆動部Kの下方に伝動ケースDを備える。
【0021】
前述した、駆動部K(以下、ベルト伝動機構Kという)の詳細について説明する。
図3から
図6に示すように、エンジンEの動力を走行車輪2等に伝動するベルト伝動機構Kには、エンジンEの駆動によって回転する出力軸K1と、伝動ケースDに駆動を伝える入力軸K2を備える。出力軸K1には出力プーリP1を備え、入力軸K2には入力プーリP2を備える。出力プーリP1と入力プーリP2には、ベルトVが巻きかけられる。ベルトVによって、入力プーリP2は出力プーリP1と共に回転する。
【0022】
ベルトVの張り具合によって、入力プーリP2が共に回転するかどうかを入り切りすることができ、この入り切りの操作は、操作ハンドル5に備えられるクラッチレバー6によって行う。ベルト伝動機構KにはテンションアームTを備える。
【0023】
テンションアームTは、
図3から
図6に示すようにクランク状の部材である。
【0024】
テンションアームTは、機体1側に取り付けられる内側面Taと、内側面Taより機体1外側かつ前方に位置する外側面Tbと、内側面Taの前方と外側面Tbの後方から屈曲した中間部である中間面Tcの3つの面を持つ。
【0025】
テンションアームTには、クラッチレバー6の操作によって伸縮するクラッチケーブル部60と接続される。詳細には、
図6のようにクラッチケーブル部60は、クラッチレバー6から機体1下方に向かうケーブル61、ベルト伝動機構K付近から下方に向かうワイヤー62、クラッチレバー6の操作で伸縮するスプリング63、テンションアームTに引っ掛けられるフック64から構成される。
【0026】
テンションアームTの中間面Tcには、フック64が入る穴Tiを備える。これにより、クラッチレバー6が操作されるとテンションアームTが回動する。
【0027】
ベルト伝動機構K付近には、機体1のスタートスイッチ50の通電状態を切り替えるリミットスイッチ55を備える。
【0028】
リミットスイッチ55はクラッチの「入」状態と「切」状態を検出して通電状態を切り替えるものであり、クラッチレバー6の操作によってテンションアームTが回動した際に、リミットスイッチ55の入り切りが行われる。
【0029】
詳細には、テンションアームTと連動するリミットワイヤー部51を備え、リミットワイヤー部51はテンションアームTの回動で伸縮するスプリング52,テンションアームTに引っ掛けられるフック53、リミットスイッチ55の通電非通電を切り替えるリミットプレート54から成る。
【0030】
テンションアームTの内側面Taには、フック53が入る穴Tjを備える。これにより、テンションアームTが回動すると、リミットワイヤー部51が伸縮し、リミットプレート54がリミットスイッチ55に接触しているか否かでスタートスイッチ50の通電状態を切り替えることができる。
【0031】
電気式のスタートスイッチでは、非通電状態では始動できないため、クラッチが「入」状態になったまま始動することによる急発進を防止することができる。
【0032】
テンションアームTには、回動支点となる支点TSを挿入する穴Thを備え、テンションプーリTPを取り付けるテンションピンTNを挿入する穴Tgを備える。
【0033】
穴Tgは外側面Tbに、穴Thと穴Tjは内側面Taに、穴Tiは中間面Tcに備えられる。
【0034】
テンションアームTは、クラッチレバー6を操作することによって支点TSを支点に上下方向に回動し、上方に回動した際にはテンションプーリTPがベルトVを押し上げ、入力軸K2に動力が伝わるようにする。
【0035】
ベルト伝動機構Kは、カバーCによって機体外側から覆われ、作業者が間違ってベルト伝動機構Kに触れることがないようにする。
図3から
図6に示すように、カバーCの下方には、メンテナンス作業用の開放部C1を備える。
図3はクラッチが「切」状態になっている時で、
図4はクラッチが「入」状態になっている時を示すものである。
図5のように、テンションアームTにはL字型のプレートであるカバープレートC2を備え、テンションアームTの動きに追従するようにする。
【0036】
より詳細には、
図5のようにカバープレートC2は、3つの面を持つ部材である。カバープレートC2の説明において、以下のような表現を使用する。
【0037】
機体前後方向をX方向とし、機体上下方向をY方向とし、機体左右方向をZ方向とする。
【0038】
カバープレートC2は、X方向とY方向に辺を持つ面である側面Caと、Y方向とZ方向に辺を持つ面である前面Cbと、X方向とZ方向の辺を持つ面である上面Ccから成る。
【0039】
側面Caは、上面Ccの左辺から上方に向かう面であり、テンションアームTに溶接される。
【0040】
前面Cbは、上面Ccの前辺から下方に向かう面であり、クラッチ「切」状態の際は、耕耘装置2を覆う外装部品であるフェンダFより前方に位置する。即ち、カバープレートC2はテンションアームTに追従して回動した際も、フェンダFに干渉しない。詳細には、前面Cbはクラッチ「切」状態の時にはフェンダFの前方かつ下方に位置し、クラッチ「入」状態の時にはフェンダFの前方かつ上方に位置する。
【0041】
また、側面Caは、切欠部CTを備える形状とする。
【0042】
切欠部CTは、テンションアームTを機体1側に一体化させるため溶接されるテンションピンTNおよび溶接ビード等に接触しないように備えられる。なお、切欠部CTを備えない場合は、側面Caに穴を開け、穴Tgと同様にテンションピンTNが挿入される構成として、テンションアームTに接続する。
【0043】
テンションアームTが上方向に動き、クラッチが「入」状態になった際にはカバープレートC2によって開放部C1を覆う。この構成によって、クラッチが「入」状態の際には開放部C1を覆うことができ、安全性を向上させることができると共に、クラッチが「切」状態の際にはメンテナンス作業も可能となる。なお、カバープレートC2はテンションアームTの機体内側に溶接する構成が望ましいが、着脱可能な構成であっても良い。
【0044】
カバープレートC2は、
図3から
図6では3つの面を持つ部材であるが、別の形状であっても良い。例示するなら、側面Caの後部の辺と上面Ccの後部の辺と共通の辺を持ち、Y方向とZ方向に辺を持つ面である後面Cbといった面を備えても良い。
【0045】
図6は、ベルト伝動機構Kとその周辺部分をより詳細に示す図である。
【0046】
カバープレートC2の前面Cbに、緩衝材Cdを追加する。緩衝材Cdを追加することによって、振動や部材の劣化があっても前面CbにカバーCが接触することを予防でき、開放部C1からの侵入をより規制できる。また、カバーCや開放部C1の形状が異なる別機種においても、緩衝材Cdの大きさや形状を変更することで対応できる。
【0047】
ベルト伝動機構Kには、ベルトストッパーV1,V2を備え、ベルトVの弛みを防止する。また、ベルト伝動機構Kには機体内側に裏カバーを備え、裏カバーには、L字状の部材La,Lb,Lcを備える。部材La,Lb,Lcは同一形状である。部材Lb,Lcはベルト伝動機構Kの支持と振動防止のために備えられ、部材LaはカバープレートC2とともに開放部C1からの侵入を防止するために備えられるため、ベルト伝動機構Kの安定性と安全性を向上させることができる。
【0048】
【0049】
ハンドルブラケットHには、変速レバー7の位置を示す変速ラベルが貼り付けられた変速パネルHc(請求項における変速表示部Hc)を備える。詳細には、ハンドルブラケットHには変速パネルHcを取り付けるための取付ステーHa(請求項における取付部材Ha)を備え、取付ステーHaにスペーサーHbを取り付け、スペーサーHbに変速パネルHcを取り付ける。
【0050】
従来の構成では、変速パネルを直接ハンドルブラケットHの後部に取り付けており、ハンドルの向きを変更すると、変速パネルがフード後部に遮られて視認性が悪かった。
【0051】
本発明の構成では、変速パネルの位置が従来より上方かつ後方に位置しており、ハンドル5の向きを変更して機体前方側から変速パネルHcを確認する場合においても、容易に視認できる。また、スペーサーHbには複数の取付穴を備え、取付位置を調整できるものとしても良く、他機種と互換性を持たせるものであっても良い。
【0052】
以下、エンジンE周辺の構成に係る発明について説明する。
【0053】
【0054】
図8に示すように、エンジンEの上部はフード4F(
図1の機体1やそのフード4とは異なる)に覆われている。フード4Fは、エンジンEへの取付部材であるフードブラケット40によって、エンジンEの上部に取り付けられる。フードブラケット40は、エンジンEの上部に取り付けられ、ボルトで留められる。
【0055】
フードブラケット40はクランク状の部材であり、折曲部40Dより前方の前ブラケット40Aと、折曲部40Dより後方の後ブラケット40Bから成る。
【0056】
前ブラケット40Aは、ガイド機能を持つ。
【0057】
図10に示すように、フードブラケット40には、右前ステー40Mを備え、右後ステー40Rを備え、左前ステー40Lを備え、前ステー44Fを備え、遮熱カバーステー46を備え、これらはフードブラケット40に溶接されることによって一体化している。
【0058】
右後ステー40Rは、後ブラケット40Bに溶接されている。
【0059】
また、前ブラケット40の前側には切欠部40Cを備え、切欠部40Cにはステー凸部47を備える。ステー凸部47の先端は、前ブラケット40Aの前端より、前方側に突出している。
【0060】
また、後ブラケット40Bの後部には、燃料タンクブラケットNBと接続する接続穴40Nを有する。後ブラケット40Bの接続穴40Nと、燃料タンクブラケットNB側の接続穴NHが重ねられ、ボルトで留められる。なお、接続穴NHは長穴になっており、ボルトを留める際に取り付け位置を機体前後方向に調整可能である。
【0061】
図9に示すように、前ステー44Fは、前ブラケット40A上に備えられる。前ステー44Fは凹字状の部材であり、前ステー44Fの前端は、前ブラケット40Aの前端より前側に突出している。
【0062】
左前ステー40Lには、エンジンEへの取付穴を2個設ける。右前ステー40MのエンジンEへの取付穴を長穴にしても良く、右後ステー40RのエンジンEへの取付穴を長穴にしても良い。取付穴を長穴にすることによって、エンジンEへの取り付け位置の調整が可能になる。
【0063】
また、機体へのフードの取り付け構成については、
図11のようにしても良い。なお、
図10と
図11の機体については、前述のまで機体とは別形態のため、エンジンEの上方を覆うフードはフード4iとする。
【0064】
図10と
図11に示すように、フード4iは、エンジンEの上方を覆うフロントフード4iaと、燃料タンクNiを上方から覆うタンクフード4ibと、機体後方側から燃料タンクNi等を覆うリアフード4icから構成される。
【0065】
フード4iは、取付部材であるフードブラケット40iによって、エンジンEの上部に取り付けられる。フードブラケット40iは、エンジンEの上部に取り付けられ、ボルトで留められる。
【0066】
フードブラケット40iの左側には、遮熱カバー46iを備える。遮熱カバー46iエンジンEからの排気ガスを機外に排出するマフラーを覆うためのマフラーカバーMCiと、エンジンE間に、遮熱カバー46iは備えられる。遮熱カバー46iはフードブラケット40iと溶接によって一体化していることが望ましく、遮熱カバー46iの右端部とフードブラケット40iの左端部が重ねられる。
【0067】
また、フードブラケット40iの後方側には燃料タンクブラケットNBiを備え、燃料タンクブラケットNBiの備えられる接続穴に、燃料タンクNiをボルト留めする。
【0068】
遮熱カバー46iによって、高温化するエンジンEと、マフラーカバーMCiの間を覆うことができ、作業者の誤接触や、フードブラケット40iが高温化する事態を防止することができ、安全性が向上する。
【0069】
フードブラケット40iには、エンジンEに対するフード4iの取り付け位置を調整できるよう、位置決めの調整穴45iを備える。
【0070】
調整穴45iは、前後方向の長穴にしても良く、左右方向の長穴にしても良い。また、前後方向あるいは左右方向、または両方向に複数個ある構成でも良い。これによって、調整可能になる。
【0071】
調整穴45iは、フロントフード4ia側に備えらえるブラケット取付部4iafより前方にあっても後方にあっても良く、両方にあっても良い。
【0072】
フロントフード4iaは、フードブラケット40i側に備えられる前ステー44iに引っ掛けることで固定できる。詳細には、ブラケット取付部4iafに、前ステー44iが嵌まる隙間を備え、隙間に前ステー44iを差し込むことでフード4iを固定する。
【0073】
タンクフード4ibの前方にはフード取付部4ibfを備え、フード取付部4ibfがブラケット取付部4iaに差し込まれることでタンクフード4ibは取り付けられる。
【0074】
前ステー44iはフードブラケット4iと遮熱カバー46i溶接され、一体化している。
【0075】
マフラーカバーMCiは、ボルト留めによってフードブラケット40iに留められる。遮熱カバー46iは、前後いずれかまたは両方でボルト留めされることでフードブラケット40iに接続される。
【0076】
以下は、機体後方に畝の両側を耕耘可能な耕耘装置を備える歩行型管理機についての構成である。
【0077】
機体後方には複数の耕耘装置を備え、各耕耘装置には耕耘深さを調節する尾輪を備え、各尾輪の後方には、畝側に向くL字形状のソイラーを備える。なお、ソイラーは尾輪の前方に備える構成であっても良い。
【0078】
L字形状のソイラーは、尾輪とは別に上下自在に位置調整できる構成であっても良い。この構成によって、耕耘深さを維持したままソイラーをマルチ裾下に位置させる調整が容易である。
【0079】
畦にマルチを張って栽培する作物において、作物収穫後のマルチ剥ぎ作業時には畝間床面が硬くなり、マルチ剥ぎ作業でマルチが剥ぎにくいことが多いが、マルチ剥ぎ作業の前に、マルチの裾下面にソイラーを通すことで簡単にマルチを剥ぎ取ることが可能となる。
【0080】
ソイラーの長さを、耕耘幅より広く構成する。ソイラーを耕耘幅より広くすることで、耕耘装置を畝近傍まで寄せることなくマルチを剥ぎ取る作業が可能になり、調整も容易である。
【0081】
ソイラーの長さを、左右方向に調節自在に構成する。左右方向に長さ調節できることで畦の左右幅にバラつきがある場合においても、耕耘装置の幅を変更せずにマルチの裾下面にソイラーを通すことができ、快適に作業を行うことができる。
【0082】
機体1にはスタンドを備える。スタンドは長さ調節可能に構成される。
【0083】
図12に示すように、内部に空洞を備える機体側角状部材と、角状部材に挿入される接地側角状部材から構成され、機体側角状部材と接地側角状部材にはそれぞれ上下方向の接続穴を備える。任意の位置にピンを挿入して接続することで、スタンドの高さ調整を可能にしている。機体フレーム3に、複数の接続穴を備えるスタンド用ステーを備え、任意の接続穴にピンを挿入することでスタンド高さを調整できる構成であっても良い。
【符号の説明】
【0084】
1 機体
2 耕耘装置
3 機体フレーム
4 フード
5 操作ハンドル
6 クラッチレバー
C カバー
C1 開放部
C2 カバープレート
Ca 側面
Cb 前面
Cc 上面
Cd 緩衝材
CT 切欠部
D 伝動ケース
E エンジン
F フェンダ
H ハンドルフレーム
Ha 取付部材
Hb スペーサー
Hc 変速表示部
K 駆動部(ベルト伝動機構)
K1 出力軸
K2 入力軸
La 保護部材
N 燃料タンク
P1 出力プーリ
P2 入力プーリ
T テンションアーム
Ta 内側面
Tb 外側面
Tc 中間面
Tg 穴
Th 穴
Ti 穴
Tj 穴
TN テンションピン
TS 支点
TP テンションプーリ
V ベルト