(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075280
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】抗体等接種設備と抗体等接種方法
(51)【国際特許分類】
A61M 11/00 20060101AFI20240527BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20240527BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240527BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20240527BHJP
C07K 16/00 20060101ALN20240527BHJP
【FI】
A61M11/00 D
A61K9/12
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K39/00 H
C07K16/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186619
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】514293008
【氏名又は名称】株式会社東亜産業
(72)【発明者】
【氏名】劉 凱鵬
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA24
4C076AA25
4C076BB25
4C076BB27
4C076CC06
4C076CC07
4C076FF68
4C085AA03
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085BB23
4C085EE01
4C085GG10
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
【課題】
本発明は、ウイルス性呼吸器感染症向けの抗体等接種設備と接種方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
抗体等接種設備1は、液体からミストを発生させるミスト発生器2と、その一部または別構成としてミスト発生器2に接続し、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納する抗体等収納容器22と、ミスト状抗体等Mを捕集して保管する抗体等保管容器3と、を備え、抗体等保管容器3は、鼻腔または口腔用の吸引部位32を有する、ことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体からミストを発生させるミスト発生器と、
前記ミスト発生器の一部または別構成として前記ミスト発生器に接続し、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納する抗体等収納容器と、を備える、
ことを特徴とする、抗体等接種設備。
【請求項2】
液体からミストを発生させるミスト発生器と、
前記ミスト発生器の一部または別構成として前記ミスト発生器に接続し、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納する抗体等収納容器と、
ミスト状抗体等を捕集して保管する抗体等保管容器と、を備え、
前記抗体等保管容器は、鼻腔または口腔用の吸引部位を有する、
ことを特徴とする、抗体等接種設備。
【請求項3】
前記ミスト発生器は携帯型である、
ことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の抗体等接種設備。
【請求項4】
抗体等収納容器に、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納するステップと、
前記抗体等収納容器を、携帯型ミスト発生器に接続するステップと、
前記携帯型ミスト発生器で、ミスト状抗体等を生成するステップと、
前記ミスト状抗体等を、鼻腔または口腔から吸引するステップと、
を含むことを特徴とする、抗体等接種方法。
【請求項5】
抗体等収納容器に、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納するステップと、
前記抗体等収納容器を、携帯型ミスト発生器に接続するステップと、
前記携帯型ミスト発生器で、ミスト状抗体等を生成するステップと、
前記ミスト状抗体等を、抗体等保管容器に捕集するステップと、
前記ミスト状抗体等を、鼻腔または口腔から吸引するステップと、
を含むことを特徴とする、抗体等接種方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス性呼吸器感染症向けの抗体等接種設備と接種方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウイルス性呼吸器感染症をはじめとした、感染症の予防対策としてワクチンや抗原、抗体(以下「抗体等」という)を接種する方法が挙げられる。ここで、現状抗体等の接種方法としては、腕などに注射することにより人体に取り込む方法が一般的である(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかし、この場合、呼吸器感染症のような、気管支や上気道、肺のような呼吸器系の感染症の場合、直接的に作用しないため、効果の発現が遅く、また弱いといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、効率的で効果が高い抗体等接種設備と抗体等接種方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、液体からミストを発生させるミスト発生器と、前記ミスト発生器の一部または別構成として前記ミスト発生器に接続し、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納する抗体等収納容器と、を備える、ことを特徴とする、抗体等接種設備である。
請求項2に記載の発明は、液体からミストを発生させるミスト発生器と、前記ミスト発生器の一部または別構成として前記ミスト発生器に接続し、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納する抗体等収納容器と、ミスト状抗体等を捕集して保管する抗体等保管容器と、を備え、前記抗体等保管容器は、鼻腔または口腔用の吸引部位を有する、ことを特徴とする、抗体等接種設備である。
請求項3に記載の発明は、前記ミスト発生器は携帯型である、ことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の抗体等接種設備である。
請求項4に記載の発明は、抗体等収納容器に、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納するステップと、前記抗体等収納容器を、携帯型ミスト発生器に接続するステップと、前記携帯型ミスト発生器で、ミスト状抗体等を生成するステップと、前記ミスト状抗体等を、鼻腔または口腔から吸引するステップと、を含むことを特徴とする、抗体等接種方法である。
請求項5に記載の発明は、抗体等収納容器に、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれかを収納するステップと、前記抗体等収納容器を、携帯型ミスト発生器に接続するステップと、前記携帯型ミスト発生器で、ミスト状抗体等を生成するステップと、前記ミスト状抗体等を、抗体等保管容器に捕集するステップと、前記ミスト状抗体等を、鼻腔または口腔から吸引するステップと、を含むことを特徴とする、抗体等接種方法である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、鼻腔または口腔からミスト状抗体等を吸引し、上気道の粘膜を介して抗体等を接種するので、短時間で気管支や肺に効果が及ぶので、ウイルス性呼吸器感染症の予防に効果がある。
【0008】
また、携帯型ミスト発生器を用いているため、可搬性や取扱性に優れ、抗体等接種効率の向上に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る、抗体等接種設備の概略の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図面におい て、図面中の各部の構成の大きさ、間隔、数、その他詳細は、視認と理解の助けのために 、実際の物に比べて大幅に簡略化して表現している。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る、抗体等接種設備1の概略の構成図である。抗体等接種設備1は、液体からミストを発生させるミスト発生器2と、ミスト発生器2に接続し、液体状ワクチンを収納する抗体等収納容器22と、ミスト状抗体等Mを捕集して保管する抗体等保管容器3とを備える。ここで、本実施の形態において抗体等とは、前述と同様に、ワクチン、抗原、抗体のいずれかを意味する。
【0012】
ミスト発生器2は、本体21と、ミスト噴出口23を備える。また、抗体等収納容器22は、
図1の様にミスト発生器2の一部分として、直接接続されてもいいし、別構成として、ホースのような液体を通過できる部材を介して接続されても良い。
【0013】
本体21は、液体を超音波やベンチュリ効果を利用してミスト状に気化させる機能を備える。また、本体21の一部に、本体21で生成したミストを外部に噴出するためのミスト噴出口23を備える。また、本体21には、抗体等収納容器22を接続させるための部材が形成されている(図示略)。ミスト発生装置2は、可搬性や取扱性に優れる携帯型であることが好ましい。
【0014】
抗体等収納容器22は、プラスチックまたは紙製または金属製のカップ状の容器であり。カップ状の本体31の開口部に設置された蓋には、吸引部位32が形成されている。吸引部位32は、鼻腔または口腔に挿入できる形状と大きさであることが好ましく、ミスト噴出口23に嵌合できる形状と大きさであることがさらに好ましい。
【0015】
次に、本実施の形態に係る抗体等接種設備を使用した、抗体等接種方法について説明する。先ず、抗体等収納容器22に、液体状ワクチン、液体状抗原、液体状抗体のいずれか(以下、「液状抗体等」という)を収納する。ここで、収納するものが抗原の場合は、弱毒化または無毒化したものを用いることが好ましい。また、収納する液状抗体等は、もとから液状のものを使用しても良いし、粉状抗体等を水または生理食塩水で溶解して液状にしたものを用いてもよい。また、抗体等の種類について限定はないが、特に、ウイルス性呼吸器感染症(インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症等)用の抗体等が好ましい。
【0016】
次に、抗体等収納容器22を、ミスト発生器2に、その一部分として、直接または別構成として、ホースのような液体を通過できる部材を介して接続する。次に、ミスト発生器2で、ミスト状抗体等Mを生成する。次に、ミスト状抗体等Mをミスト噴出口23から噴出し、吸引部位32を介して、抗体等保管容器3に捕集する。
【0017】
次に、ミスト状抗体等Mを、鼻腔または口腔から吸引することで、ワクチンを接種する。
【0018】
この発明によれば、鼻腔または口腔からミスト状抗体等Mを吸引し、上気道の粘膜を介して抗体等を接種するので、短時間で気管支や肺に効果が及ぶので、ウイルス性呼吸器感染症の予防に効果がある。
【0019】
また、携帯型ミスト発生器2を用いているため、可搬性や取扱性に優れ、抗体等接種効率の向上に効果がある。
【0020】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本願発明の範囲は以上の実施の形態に
限られるものではなく、これと同視しうる他の形態に対しても及ぶ。
【0021】
例えば、抗体等保管容器3を用いずに、ミスト噴出口23から直接的に鼻腔または口腔で抗体等を吸引してもよい。この場合、衛生上に観点からミスト噴出孔23に使い捨てのアダプタを用いることが好ましい。
【0022】
また、ミスト発生器2は、必ずしも携帯型ではなく、設置式であってもよい。
【0023】
また、抗体等は、一種類ではなく、複数の感染症用の抗体等を混合してしようしてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 抗体等接種設備
2 ミスト発生装置
21 本体
22 液状抗体等収納容器
23 噴出口
3 液状抗体等保管容器
31 本体
32 吸引部位