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特開2024-75286店舗システム、管理システムおよび端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075286
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】店舗システム、管理システムおよび端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20240527BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186628
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】才木 天斗
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB29
5L055BB29
(57)【要約】
【課題】顧客自身が操作する複数台の処理装置が設置される店舗において、処理装置への誘導を行うシステムを提供する。
【解決手段】顧客にサービスを提供する複数のサービス提供装置300と、このサービス提供装置300を管理する管理装置100と、操作者の操作を受け付けて管理装置100へサービスを利用するための要求を送信する受付装置200と、を備え、管理装置100は、受付装置200から受信した要求に応じてこの要求に対するサービスを提供するサービス提供装置300を決定し、決定したサービス提供装置300の情報である誘導先情報を受付装置200へ送信し、受付装置200は、受け付けた要求に対するサービスを提供するサービス提供装置300として、管理装置100から受信した誘導先情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客にサービスを提供する複数のサービス提供装置と、
前記サービス提供装置を管理する管理装置と、
操作者の操作を受け付けて前記管理装置へサービスを利用するための要求を送信する受付装置と、を備え、
前記管理装置は、
前記受付装置から受信した前記要求に応じて当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定し、
決定した前記サービス提供装置の情報である誘導先情報を前記受付装置へ送信し、
前記受付装置は、受け付けた前記要求に対するサービスを提供するサービス提供装置として、前記管理装置から受信した前記誘導先情報を出力することを特徴とする、店舗システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置が複数ある場合、予め設定された優先順位に従って、当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定することを特徴とする、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項3】
複数の前記サービス提供装置は、予め定められた送信条件に従って、自装置の状態を示す状態情報を前記管理装置へ送信し、
前記管理装置は、複数の前記サービス提供装置に設定された優先順位および前記要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置の前記状態情報に基づいて、当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定することを特徴とする、請求項2に記載の店舗システム。
【請求項4】
前記サービス提供装置は、自装置において予め定められた事象が発生したことを前記送信条件として、当該事象の情報を含む前記状態情報を前記管理装置へ送信することを特徴とする、請求項3に記載の店舗システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記要求に対するサービスを提供可能な全てのサービス提供装置が当該サービスを提供できない状態である場合、前記受付装置に対し、当該サービスに係る要求の受け付けの停止を指示することを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の店舗システム。
【請求項6】
前記受付装置は、前記管理装置により前記要求の受け付けの停止を指示されたサービスに関して、前記操作者による当該サービスの利用に係る要求を送信するための操作を無効とすることを特徴とする、請求項5に記載の店舗システム。
【請求項7】
前記管理装置は、前記誘導先情報を、当該誘導先情報により示される前記サービス提供装置に送信し、
前記誘導先情報を取得しない前記サービス提供装置は、自装置に対してサービスを利用するための操作が行われた場合、操作者に対し、自装置が前記誘導先情報に示されるサービス提供装置ではないことを報知することを特徴とする、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項8】
前記管理装置は、前記誘導先情報を、前記サービス提供装置に送信し、
前記サービス提供装置は、自装置が前記誘導先情報に示されるサービス提供装置ではなく、自装置に対してサービスを利用するための操作が行われた場合、操作者に対し、当該誘導先情報に示されるサービス提供装置を報知することを特徴とする、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項9】
サービスを利用するための要求を取得する要求取得手段と、
前記要求に応じて当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定し、当該要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置が複数ある場合は、予め設定された優先順位に従って、当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定する決定手段と、
決定された前記サービス提供装置の情報を、前記要求を行った顧客に通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項10】
顧客にサービスを提供する複数のサービス提供装置から装置の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段をさらに備え、
前記決定手段は、複数の前記サービス提供装置に設定された優先順位および前記要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置の前記状態情報に基づいて、当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定することを特徴とする、請求項9に記載の管理システム。
【請求項11】
操作者の操作を受け付けてサービスを利用するための要求を作成する受け付け手段と、
前記要求に応じて当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定し、当該要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置が複数ある場合は、予め設定された優先順位に従って、当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定する決定手段と、
決定された前記サービス提供装置の情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする、端末装置。
【請求項12】
顧客にサービスを提供する複数のサービス提供装置から装置の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段をさらに備え、
前記決定手段は、複数の前記サービス提供装置に設定された優先順位および前記要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置の前記状態情報に基づいて、当該要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定することを特徴とする、請求項11に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗システム、管理システムおよび端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金融店舗において、係員の操作に従って顧客を受け付け、窓口へ誘導するシステムがある。特許文献1には、来店した顧客の呼び出しに用いる受付情報を作成する受付装置が、受付装置に対する操作が行われた場合に加え、ロビースタッフの携帯端末装置から受付要求を受信した場合にも受付情報を作成し、受付情報表示手段が受付情報を係員に対して表示する自動受付システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-185625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金融店舗には顧客が自身で操作する装置の設置が増えており、そのような顧客自身が操作する処理装置への誘導を行うシステムの実現が求められている。
【0005】
本発明は、顧客自身が操作する複数台の処理装置が設置される店舗において、処理装置への誘導を行うシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明は、顧客にサービスを提供する複数のサービス提供装置と、このサービス提供装置を管理する管理装置と、操作者の操作を受け付けて管理装置へサービスを利用するための要求を送信する受付装置と、を備え、管理装置は、受付装置から受信した要求に応じてこの要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定し、決定したサービス提供装置の情報である誘導先情報を受付装置へ送信し、受付装置は、受け付けた要求に対するサービスを提供するサービス提供装置として、管理装置から受信した誘導先情報を出力することを特徴とする、店舗システムである。
ここで、管理装置は、要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置が複数ある場合、予め設定された優先順位に従って、この要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定する構成としても良い。
また、複数のサービス提供装置は、予め定められた送信条件に従って、自装置の状態を示す状態情報を管理装置へ送信し、管理装置は、複数のサービス提供装置に設定された優先順位および要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置の状態情報に基づいて、この要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定する構成としても良い。
また、サービス提供装置は、自装置において予め定められた事象が発生したことを送信条件として、発生した事象の情報を含む状態情報を管理装置へ送信する構成としても良い。
また、管理装置は、要求に対するサービスを提供可能な全てのサービス提供装置がサービスを提供できない状態である場合、受付装置に対し、サービスに係る要求の受け付けの停止を指示する構成としても良い。
また、受付装置は、管理装置により要求の受け付けの停止を指示されたサービスに関して、操作者によるサービスの利用に係る要求を送信するための操作を無効とする構成としても良い。
また、管理装置は、誘導先情報を、この誘導先情報により示されるサービス提供装置に送信し、誘導先情報を取得しないサービス提供装置は、自装置に対してサービスを利用するための操作が行われた場合、操作者に対し、自装置が誘導先情報に示されるサービス提供装置ではないことを報知する構成としても良い。
また、管理装置は、誘導先情報を、サービス提供装置に送信し、サービス提供装置は、自装置が誘導先情報に示されるサービス提供装置ではなく、自装置に対してサービスを利用するための操作が行われた場合、操作者に対し、誘導先情報に示されるサービス提供装置を報知する構成としても良い。
上記の目的を達成する他の本発明は、サービスを利用するための要求を取得する要求取得手段と、要求に応じてこの要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定し、要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置が複数ある場合は、予め設定された優先順位に従って、要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定する決定手段と、決定されたサービス提供装置の情報を、要求を行った顧客に通知する通知手段と、を備えることを特徴とする、管理システムである。
ここで、この管理システムは、顧客にサービスを提供する複数のサービス提供装置から装置の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段をさらに備え、決定手段は、複数のサービス提供装置に設定された優先順位および要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置の状態情報に基づいて、要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定する構成としても良い。
さらに、他の本発明は、操作者の操作を受け付けてサービスを利用するための要求を作成する受け付け手段と、要求に応じてこの要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定し、要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置が複数ある場合は、予め設定された優先順位に従って、要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定する決定手段と、決定されたサービス提供装置の情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする、端末装置である。
ここで、この端末装置は、顧客にサービスを提供する複数のサービス提供装置から装置の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段をさらに備え、決定手段は、複数のサービス提供装置に設定された優先順位および要求に対するサービスを提供可能なサービス提供装置の状態情報に基づいて、要求に対するサービスを提供するサービス提供装置を決定する構成としても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、顧客自身が操作する複数台の処理装置が設置される店舗において、処理装置への誘導を行うシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態による店舗システムの構成を示す図である。
図2】管理装置の構成を示す図である。
図3】優先度テーブルの例を示す図である。
図4】受付装置の構成を示す図である。
図5】サービス提供装置の構成を示す図である。
図6】受付装置の表示部に表示される画面の例を示す図であり、図6(A)は操作画面の例を示す図、図6(B)は誘導先を示す画面の例を示す図である。
図7】管理装置による誘導先の決定および提示に関する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本実施形態による店舗システムの構成を示す図である。本実施形態の店舗システム10は、管理装置100と、受付装置200と、複数のサービス提供装置300とを備えて構成される。各装置は、ネットワーク400を介して接続されている。また、管理装置100は、受付装置200およびサービス提供装置300とは別に、係員用端末500に接続されている。ここでは、サービスとして金融サービスを想定し、店舗システム10が適用される店舗として金融サービスを提供する金融店舗を想定する。
【0010】
管理装置100は、サービス提供装置300および顧客に対するサービス提供装置300への誘導を管理する装置である。管理装置100は、ネットワーク400を介して管理対象である複数のサービス提供装置300から各装置の状態を示す状態情報を取得する。また、管理装置100は、受付装置200から顧客が利用しようとするサービスについての受付情報を取得する。そして、管理装置100は、サービス提供装置300から取得した状態情報に基づき、受付装置200から取得した受付情報に係るサービスを提供するサービス提供装置300を誘導先として決定し、誘導先のサービス提供装置300を示す誘導先情報を受付装置200へ送信する。また、管理装置100は、受付装置200から店舗内係員を呼ぶための呼び出し通知を受信し、係員用端末500に転送する。
【0011】
受付装置200は、顧客によるサービスの利用申請(言い換えれば、サービスを利用するための要求)を受け付ける装置である。受付装置200は、顧客や店舗内係員による操作を受け付けて、顧客が利用しようとするサービスの受付情報を作成し、管理装置100へ送信する。受付装置200は、通常は顧客により操作されることを想定するが、顧客に代わって店舗内係員等が操作しても良い。ただし、以下では、受付装置200を操作する者を顧客と呼ぶ。顧客は受付装置200の操作者の一例である。受付装置200は、管理装置100から誘導先情報を受信し、顧客に報知する。また、受付装置200は、予め定められた通知条件を満足すると、店舗内係員を呼び出すための呼び出し通知を管理装置100へ送信する。通知条件としては、例えば、受付装置200において店舗内係員を呼び出す操作が行われたこと、受付装置200において店舗内係員による対応が必要な誤操作が行われたこと等が挙げられる。受付装置200は、店舗に1または複数台設置される。図1に示す例では、2台の受付装置200が設けられている。
【0012】
サービス提供装置300は、受付装置200により受け付けられたサービスの利用申請に応じてサービスを提供する装置である。サービス提供装置300としては、顧客が自身でサービスを受けるための操作を行う、いわゆる「セルフ機」が想定される。サービス提供装置300においても受付装置200と同様に、顧客に代わって店舗内係員等が操作する場合があり得るが、以下では、サービス提供装置300を操作する者を顧客と呼ぶ。顧客はサービス提供装置300の操作者の一例である。サービス提供装置300としては、提供可能なサービスに応じて種々の装置が用意される。図1に示す例では、サービス提供装置300として、出納機301、2台のセルフキャッシャ302、大口入金機303、両替機304、税公金入金機305、リモート端末306が設けられている。ここでは、提供可能なサービスとして、入出金処理、両替処理等の金融サービスの他、リモート端末306を介して遠隔地の係員が相談を受け付ける顧客対応サービスが想定されている。なお、提供可能なサービスは、上記のサービスには限定されず、店舗に設置されるサービス提供装置300の種類に応じて種々のサービスを提供することができる。
【0013】
サービス提供装置300において、出納機301は、顧客の操作に応じて入出金処理を行う装置であり、大口現金および小口現金の何れも処理できるものとする。セルフキャッシャ302は、顧客の操作に応じて小口現金の入出金処理を行う装置である。大口入金機303は、顧客の操作に応じて大口現金の入金処理を行う装置である。両替機304は、顧客の操作に応じて両替処理を行う装置であり、大口現金および小口現金の何れも処理できるものとする。なお、大口現金と小口現金との区別は、例えば、セルフキャッシャ302が扱える量か否かで行われ、セルフキャッシャ302で扱える量の現金を小口現金、セルフキャッシャ302で扱えない量の現金を大口現金とする。税公金入金機305は、顧客の操作に応じて税公金の支払い処理を行う装置である。リモート端末306は、遠隔地の係員による対応を受けるための装置である。
【0014】
ネットワーク400は、管理装置100、受付装置200および各サービス提供装置300を接続してデータ交換を可能とする通信ネットワークである。ネットワーク400は、例えば、店舗内のローカルなネットワーク(LAN:Local Area Network)により構成される。なお、特に図示しないが、ネットワーク400は、ゲートウェイを介して外部のネットワークに接続可能であっても良い。
【0015】
係員用端末500は、店舗内係員が所持する情報端末である。係員用端末500は、管理装置100からの通知を受信し、店舗内係員に報知する。管理装置100は、サービス提供装置300から取得した状態情報や受付装置200から送信された呼び出し通知に基づき、係員用端末500への通知を行う。係員用端末500としては、例えば、スマートフォン等の携帯型情報端末が用いられる。図1に示す例では、係員用端末500と管理装置100との間の接続は、ネットワーク400とは別の通信手段で接続されている。この通信手段としては、例えば、移動通信システムを用いても良い。ただし、この接続構成は一例に過ぎず、係員用端末500と管理装置100とを、ネットワーク400を介して接続しても良い。
【0016】
<管理装置100の構成>
図2は、管理装置100の構成を示す図である。管理装置100は、送受信部110と、制御部120と、記憶部130とを備える。管理装置100は、例えば、コンピュータ等の情報機器により実現される。
【0017】
送受信部110は、外部装置と接続してデータ交換を行うための通信インターフェイスである。送受信部110は、ネットワーク400に接続するインターフェイスを含む。また、管理装置100と係員用端末500とがネットワーク400とは異なる通信手段で接続される場合、送受信部110は、係員用端末500と接続するためのインターフェイスを含む。
【0018】
制御部120は、管理装置100におけるデータ処理を制御する。具体的には、制御部120は、管理対象の各サービス提供装置300から状態情報を取得し、受付装置200から受付情報を取得して、これらの情報に基づいて顧客の誘導先を決定し、誘導先情報を受付装置200へ送信する。誘導先情報は、受付装置200を介して顧客に通知される。制御部120は、例えば、1または複数のプロセッサとRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリとで構成され、プログラムを実行することにより、管理装置100の各機能を実現する。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられる。制御部120は、状態情報取得手段の一例であり、要求取得手段の一例であり、決定手段の一例であり、通知手段の一例である。制御部120による誘導先を決定する処理の詳細については後述する。
【0019】
記憶部130は、制御部120による処理に用いられるプログラムや種々のデータを保持する。具体的には、記憶部130は、各サービス提供装置300から取得された状態情報を保持する。また、記憶部130は、制御部120が誘導先を決定するのに用いる優先度テーブル131を保持する。また、記憶部130は、制御部120が各サービス提供装置300の状態情報および優先度テーブル131に基づき顧客の誘導先を決定する処理を行うためのプログラムを保持している。
【0020】
図3は、優先度テーブル131の例を示す図である。優先度テーブル131は、顧客が利用しようとするサービスの種類に応じて、そのサービスを提供可能なサービス提供装置300が複数ある場合に、何れのサービス提供装置300から順に誘導先として決定するか(優先順位)を設定するテーブルである。図3に示す優先度テーブル131では、「小口入金」、「小口出金」、「大口入金」、「大口出金」、「小口両替」、「両替(新券)」、「大口両替(棒)」、「大口両替(束)」、「税公金処理」、「相談」の10種類のサービスについて、対応可能なサービス提供装置300と、サービスごとの優先順位とが設定されている。図示の例において、「両替(新券)」とは、小口、大口を問わず、両替において紙幣の新券への交換を含むことを示す。「大口両替(棒)」とは、大口現金の両替において、棒金(包装硬貨)による払い出しを含むことを示す。「大口両替(束)」とは、大口現金の両替において、束紙幣による払い出しを含むことを示す。また、図3に示す優先度テーブル131では、サービス提供装置300として、図1に示した出納機301、2台のセルフキャッシャ302、大口入金機303、両替機304、税公金入金機305、リモート端末306を管理している。2台のセルフキャッシャ302は、図3の優先度テーブル131において、「セルフキャッシャ1」、「セルフキャッシャ2」として区別されている。
【0021】
図3に示す優先度テーブル131では、例えば、小口入金に関して、第1候補がセルフキャッシャ1、第2候補がセルフキャッシャ2、第3候補が出納機となっている。したがって、利用するサービスを小口入金とする受付情報を受け付けた場合、顧客が入金を行うための誘導先として、まずセルフキャッシャ1が選択され、セルフキャッシャ1を選択できない場合にセルフキャッシャ2が選択され、セルフキャッシャ2も選択できない場合に出納機301が選択される。優先度テーブル131で誘導先の候補に設定されているサービス提供装置300において、誘導先として選択されない場合としては、例えば、他の顧客が使用中である場合や、装置が故障中である場合等が挙げられる。
【0022】
また、図3に示す優先度テーブル131では、税公金処理に関して、候補は第1候補として税公金入金機305のみが設定されている。したがって、利用するサービスを税公金の入力とする受付情報を受け付けた場合、顧客が入金を行うための誘導先としては税公金入金機305のみが選択される。言い換えれば、税公金入金機305が使用できない場合は、誘導先が決定されない。なお、受付情報に応じた誘導先の決定手法の詳細については後述する。
【0023】
なお、本実施形態では、提供するサービスの種類ごとに誘導先として決定するサービス提供装置300の順位を示す優先度を、優先度テーブル131で管理したが、優先度の管理は、必ずしも優先度テーブル131による方法に限定されない。優先度テーブル131を用いず、誘導先の決定方法を定める何らかのロジックにより、各サービスに応じた誘導先としてのサービス提供装置300を特定する構成であっても良い。
【0024】
<受付装置200の構成>
図4は、受付装置200の構成を示す図である。受付装置200は、送受信部210と、表示部220と、操作部230と、制御部240と、記憶部250とを備える。
【0025】
送受信部210は、管理装置100と接続してデータ交換を行うための通信インターフェイスである。送受信部210は、ネットワーク400に接続するインターフェイスを含む。
【0026】
表示部220は、顧客がサービスの利用申請を行うための操作画面や、顧客に誘導先を提示するための提示画面などの種々の画面を表示する表示装置である。表示部220は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等のディスプレイ装置により構成される。
【0027】
操作部230は、顧客がサービスの利用申請を行うための入力操作を行うデバイスである。操作部230は、例えば、表示部220と一体に構成されたタッチパネル等により構成される。この場合、顧客は、表示部220に表示された操作画面上でタッチ操作を行うことにより、所望のサービスの利用申請を行うことができる。なお、操作部230を実現するデバイスは、タッチパネルに限定されず、キーボード等を用いても良い。
【0028】
制御部240は、受付装置200におけるデータ処理を制御する。具体的には、制御部240は、顧客による操作部230の操作に基づき、サービスの利用申請を受け付けて受付情報を作成し、管理装置100へ送信する。また、制御部240は、管理装置100から誘導先情報を取得し、顧客に誘導先のサービス提供装置300を報知する。また、制御部240は、表示部220の操作画面や提示画面の表示を制御する。制御部240は、例えば、1または複数のプロセッサとRAMやROM等のメモリとで構成され、プログラムを実行することにより、受付装置200の各機能を実現する。プロセッサとしては、例えば、CPU、MPU、GPU、DSP等が用いられる。
【0029】
記憶部250は、制御部240による処理に用いられるプログラムや種々のデータを保持する。具体的には、記憶部250は、顧客の操作に応じて表示部220に表示される画面や、管理装置100から送られる誘導先情報を表示するための画面のイメージを保持する。また、記憶部250は、表示部220に画面を表示し、操作部230の操作による入力を受け付ける処理を行うためのプログラムを保持している。
【0030】
<サービス提供装置300の構成>
図5は、サービス提供装置300の構成を示す図である。サービス提供装置300は、送受信部310と、表示部320と、操作部330と、制御部340と、記憶部350と、サービス機能部360とを備える。
【0031】
送受信部310は、管理装置100と接続してデータ交換を行うための通信インターフェイスである。送受信部310は、ネットワーク400に接続するインターフェイスを含む。
【0032】
表示部320は、顧客がサービスを利用するための操作画面や、サービスにおける情報を顧客に提示するための提示画面などの種々の画面を表示する表示装置である。表示部320は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等のディスプレイ装置により構成される。
【0033】
操作部330は、顧客がサービスを利用するための入力操作を行うデバイスである。操作部330は、例えば、表示部320と一体に構成されたタッチパネル、キーボード、装置が提供するサービスや機能に応じて用意されたスイッチ類等で構成される。顧客は、表示部320に表示された操作画面上でタッチ操作を行ったり、キーボードやスイッチ類を操作したりすることにより、操作対象のサービス提供装置300が提供するサービスを利用することができる。
【0034】
制御部340は、サービス提供装置300におけるデータ処理を制御する。具体的には、制御部340は、顧客による操作部330の操作に基づき、サービス機能部360によるサービスの実行を制御する。また、制御部340は、自装置の状態を検知して状態情報を作成し、管理装置100へ送信する。状態情報には、自装置が誘導先となるか否かに影響する情報が含まれる。具体的には、自装置が顧客に使用されている状態(サービスを実行中)か、顧客に使用されていない状態(操作待ち)か、故障が発生したか等の情報が含まれる。なお、これらの情報は、状態情報に含まれる情報の例示に過ぎず、実際のシステムの仕様や運用等に応じて、状態情報に含まれる情報を設定しても良い。制御部340は、例えば、1または複数のプロセッサとRAMやROM等のメモリとで構成され、プログラムを実行することにより、サービス提供装置300の各機能を実現する。プロセッサとしては、例えば、CPU、MPU、GPU、DSP等が用いられる。
【0035】
記憶部350は、制御部340による処理に用いられるプログラムや種々のデータを保持する。具体的には、記憶部350は、顧客の操作に応じて表示部320に表示される画面のイメージを保持する。また、記憶部350は、表示部320に画面を表示し、操作部330の操作による入力を受け付ける処理や、受け付けた入力操作に応じてサービス機能部360を制御するためのプログラムを保持している。
【0036】
サービス機能部360は、顧客に対して提供されるサービスを実行する。サービス機能部360の機能は、サービス提供装置300の種類に応じて異なる。図1に示した構成例では、サービス提供装置300として、出納機301、セルフキャッシャ302、大口入金機303、両替機304、税公金入金機305、リモート端末306を示した。サービス提供装置300には、これらの装置の種類ごとに異なる機能のサービス機能部360が実装されている。
【0037】
出納機301のサービス機能部360は、入出金処理を行うための機能および機構を備える。具体的には、出納機301のサービス機能部360は、例えば、バラ紙幣の入金および出金、バラ硬貨の入金および出金、束紙幣の出金等に対応する機能および機構を有する。出納機301のサービス機能部360は、セルフキャッシャ302で扱えない大口現金の入出金や、新券、棒金、束紙幣での払い出しにも対応している。また、出納機301のサービス機能部360は、在高が少なくなった貨幣の補充、貨幣の回収等に対応する機能および機構を有する。
【0038】
入出金処理を行うための機能には、例えば、入金処理において入金口から投入された紙幣や硬貨の種類を区別し、金額を計算するためのデータ処理機能、出金処理において要求に応じた金額および種類の紙幣や貨幣を払い出すためのデータ処理機能、装置内に保持されている貨幣の種類ごとの在高を管理するためのデータ処理機能などが含まれる。入出金処理を行うための機構には、例えば、入金された紙幣や硬貨を搬送して収納庫へ収納する機構、出金する紙幣や硬貨を収納庫から搬送して払い出し口から払い出す機構などが含まれる。
【0039】
セルフキャッシャ302のサービス機能部360は、入出金処理を行うための機能および機構を備える。具体的には、セルフキャッシャ302のサービス機能部360は、例えば、バラ紙幣の入金および出金、バラ硬貨の入金および出金等に対応する機能および機構を有する。セルフキャッシャ302のサービス機能部360による入出金処理は、紙幣および硬貨の枚数が制限された小口現金の入出金に限定されている。また、セルフキャッシャ302のサービス機能部360は、在高が少なくなった貨幣の補充、貨幣の回収等に対応する機能および機構を有する。入出金処理を行うための機能および機構は、出納機301のサービス機能部360について説明した入出金処理に要する機能および機構と同様である。
【0040】
大口入金機303のサービス機能部360は、入金処理を行うための機能および機構を備える。具体的には、大口入金機303のサービス機能部360は、例えば、バラ紙幣の入金、バラ硬貨の入金等に対応する機能および機構を有する。大口入金機303のサービス機能部360は、セルフキャッシャ302で扱えない大口現金の入金にも対応している。また、大口入金機303のサービス機能部360は、在高が少なくなった貨幣の補充、貨幣の回収等に対応する機能および機構を有する。入金処理を行うための機能および機構は、出納機301のサービス機能部360について説明した入出金処理に要する機能および機構のうちの入金処理に用いられる機能および機構と同様である。
【0041】
両替機304のサービス機能部360は、両替処理を行うための機能および機構を備える。具体的には、両替機304のサービス機能部360は、例えば、紙幣の入金を受け付けて、同額の異なる種類の紙幣や硬貨による払い出しを行う両替に対応する機能および機構を有する。両替機304のサービス機能部360は、両替における新券や棒金での払い出しにも対応している。また、出納機301のサービス機能部360は、在高が少なくなった貨幣の補充、貨幣の回収等に対応する機能および機構を有する。両替処理を行うための機能および機構は、出納機301のサービス機能部360について説明した入出金処理に要する機能および機構と同様である。
【0042】
税公金入金機305のサービス機能部360は、納付書に基づく税公金の支払いを受け付けるための機能および機構を備える。具体的には、税公金入金機305のサービス機能部360は、例えば、納付書の読み取りおよび受け付け、紙幣および硬貨による入金、釣銭の払い出し等に対応する機能および機構を有する。
【0043】
納付書の読み取りには、例えばOCR(Optical Character Recognition/Reader:光学的文字認識)やコード画像の読み取り装置等が用いられる。納付書の受け付けには、押印のための印刷装置、納付書における領収書部分を切り離す機構、切り離した領収書部分を搬送して返却のために排出する機構、領収書部分が切り離された納付書を搬送して収納庫へ収納する機構等が用いられる。また、入金の受け付けおよび釣銭の払い出しに要する機能および機構は、出納機301のサービス機能部360について説明した入出金処理に要する機能および機構と同様である。
【0044】
リモート端末306のサービス機能部360は、遠隔地の係員と対話するための機能を備える。具体的には、リモート端末306のサービス機能部360は、遠隔対応する係員の画像や遠隔対応時に発生したイベントに応じたメッセージ等の表示、遠隔対応する係員の音声の出力、リモート端末306を操作する顧客の画像および音声の取得、遠隔対応する係員の端末装置(以下、「遠隔地端末」と呼ぶ)との間で行われるこれらの画像および音声の送受信等に対応する機能を有する。
【0045】
画像の表示には、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置が用いられ、画像の取得には、カメラが用いられ、音声の出力には、スピーカが用いられ、音声の取得には、マイクロフォンが用いられる。また、これらの画像および音声の送受信には、リモート端末306と遠隔地端末とを接続してデータ交換を行うための通信インターフェイスが用いられる。通信インターフェイスとしては、リモート端末306と遠隔地端末とがネットワーク400および外部のネットワークを介して接続される場合は、ネットワーク400に対応する送受信部310が用いられ、ネットワーク400を介さずに接続される場合は、リモート端末306と遠隔地端末とを接続するネットワークに対応した通信インターフェイスが用いられる。
【0046】
<受付装置200の画面>
図6は、受付装置200の表示部220に表示される画面の例を示す図であり、図6(A)は操作画面の例を示す図、図6(B)は誘導先を示す画面の例を示す図である。図6(A)には、初期的に表示される操作画面221の例が表示されている。図6(A)に示す例では、顧客が選択できるサービスとして、「入金」、「出金」、「両替」、「相談」(図では「ご相談 新規お手続き 変更お手続き」と記載)の4種類が表示されている。顧客は、利用しようとするサービスに応じて項目を選択する。選択操作は、例えば、操作画面221上で顧客が所望する項目の表示にタッチする操作等とすることができる。項目によっては、選択の後、さらに詳細な項目選択が行われる場合がある。例えば、図3の優先度テーブルに示したように、入金、出金、両替の場合、小口取引と大口取引とでは使用できる装置の種類や優先度が異なる。そこで、受付装置200は、これらの項目が選択された後、小口取引か大口取引かを選択する操作画面に移行し、顧客の選択を受け付けても良い。
【0047】
顧客が受付装置200を操作すると、受付装置200の表示部220には、初期的に図6(A)に示すような操作画面221が表示される。操作画面221上の操作により顧客が利用するサービスを申請すると、受付装置200は、受付情報を作成し、管理装置100へ送信する。管理装置100は、受付装置200から受信した受付情報に応じて、この受付情報により要求されたサービスを提供可能なサービス提供装置300のうち、この受付情報に応じてサービスを提供するサービス提供装置300を決定する。そして、決定したサービス提供装置300を示す誘導先情報を受付装置200へ送信する。受付装置200は、受信した誘導先情報に基づき、図6(B)に示すような誘導先のサービス提供装置300の提示画面222を表示部220に表示する。
【0048】
図6(B)に示す提示画面222には、誘導先のサービス提供装置300の位置を示す画像222aと、誘導先のサービス提供装置300の外観を示す画像222bとが表示されている。図示の例では、サービス提供装置300が設置された4つのブースのうち、2番目のブースが誘導先として示されている。顧客は、受付装置200の表示部220に表示された提示画面222を参照し、画像222aにより所望するサービスを利用するための誘導先のサービス提供装置300の位置を確認することができる。また、顧客は、画像222bにより、誘導先のサービス提供装置300が設置されたブースの様子を確認することができる。
【0049】
<管理装置100の動作>
図7は、管理装置100による誘導先の決定および提示に関する動作を示すフローチャートである。管理装置100の制御部120は、受付装置200から受付情報を取得すると(S701)、取得した受付情報に基づき、要求されたサービスを特定する(S702)。次に、制御部120は、S702で特定したサービスを提供可能なサービス提供装置300の状態情報を取得する(S703)。状態情報は、予め定められた送信条件に応じて各サービス提供装置300から送信され、管理装置100の記憶部130に保持されている。送信条件は、例えば、サービス提供装置300において特定の事象が発生した場合とすることができる。具体的には、サービス提供装置300の操作が開始されたとき、サービス提供装置300の操作が行われない状態が一定時間継続したとき、装置内の貨幣の在高が後述する第1の閾値よりも少なくなったり、後述する第2の閾値よりも多くなったりしたとき、装置内センサ等により故障が検出されたとき等が挙げられる。状態情報には、発生した事象の情報が含まれる。また、サービス提供装置300は、このような特定の事象に基づく送信条件に加えて、または替えて、定期的に状態情報を管理装置100へ送信しても良い。制御部120は、記憶部130に保持されている状態情報のうち、受付情報により要求されたサービスを提供可能なサービス提供装置300の状態情報を記憶部130から読み出す。
【0050】
次に、管理装置100の制御部120は、取得した状態情報に基づき、使用できないサービス提供装置300があるか否かを判断する。例えば、故障が発生した装置、特定の貨幣または全ての貨幣の在高が不足して出金処理ができなくなる可能性がある装置、特定の貨幣または全ての貨幣の収納量が多すぎて入金処理ができなくなる可能性がある装置、他の顧客による使用中または使用を待っている顧客がいるために直ちに使用できない装置等が使用できないサービス提供装置300とされる。ここで、貨幣の在高が不足して出金処理ができなくなる可能性がある場合とは、例えば、貨幣の在高が貨幣の種類ごとに予め定められた閾値(第1の閾値)よりも少なくなった場合とすることができる。また、貨幣の収納量が多すぎて入金処理ができなくなる可能性がある場合とは、例えば、貨幣の在高が貨幣の種類ごとに予め定められた閾値(第2の閾値)よりも多くなった場合とすることができる。第1の閾値および第2の閾値は、例えば、装置ごとの収納量や使用頻度等に応じて具体的に設定される。どのような事象が発生した場合に使用できないサービス提供装置300と判断するかについては、実際のシステムの仕様や運用等に応じて具体的に設定しても良い。
【0051】
使用できないサービス提供装置300がある場合(S704でYES)、管理装置100の制御部120は、該当する装置を誘導先の候補から除外する(S705)。使用できないサービス提供装置300がない場合(S704でNO)およびS705で使用できないサービス提供装置300を除外した後、制御部120は、図3に示した優先度テーブル131において設定された優先度順にしたがって、使用可能なサービス提供装置300の中から誘導先の装置を決定する(S706)。そして、制御部120は、処理結果である誘導先として決定したサービス提供装置300を示す誘導先情報を受付装置200へ送信する(S707)。
【0052】
図3を参照して、誘導先の決定方法についてさらに説明する。例えば、管理装置100が、利用するサービスを小口入金とする受付情報を取得した場合を考える。この場合、小口入金に使用可能なサービス提供装置300は、出納機301と、2台のセルフキャッシャ302である。2台のセルフキャッシャ302は、図3に示す優先度テーブル131において、「セルフキャッシャ1」、「セルフキャッシャ2」と区別されている。以下では、これら2台のセルフキャッシャ302を「セルフキャッシャ302(1)」、「セルフキャッシャ302(2)」と記載して区別する。
【0053】
優先度テーブル131において設定された優先度順によれば、小口入金において誘導先に決定される順は、第1候補がセルフキャッシャ302(1)であり、第2候補がセルフキャッシャ302(2)であり、第3候補が出納機301である。したがって、これら全てのサービス提供装置300が使用可能である場合、セルフキャッシャ302(1)が誘導先として決定される。セルフキャッシャ302(1)が使用できない場合、第2候補であるセルフキャッシャ302(2)が誘導先として決定される。セルフキャッシャ302(1)およびセルフキャッシャ302(2)が使用できない場合、第3候補である出納機301が誘導先として決定される。
【0054】
さらに具体的な例を示すと、小口入金を行う顧客が4人いる場合を考える。この場合、1番目の顧客は、第1候補であるセルフキャッシャ302(1)へ誘導される。2番目の顧客は、セルフキャッシャ302(1)が使用中であるため、第2候補であるセルフキャッシャ302(2)へ誘導される。3番目の顧客は、セルフキャッシャ302(1)およびセルフキャッシャ302(2)が使用中であるため、第3候補である出納機301へ誘導される。
【0055】
4番目以降の顧客に対しては、小口入金に対応可能なサービス提供装置300が全て使用中であるため、再び第1候補であるセルフキャッシャ302(1)が誘導先に決定される。セルフキャッシャ302(1)、セルフキャッシャ302(2)および出納機301のうち、前の顧客による使用が終了したサービス提供装置300がある場合は、そのサービス提供装置300が誘導先に決定される。複数のサービス提供装置300の使用が終了している場合は、それらの複数のサービス提供装置300のうち優先度の高いものから順に誘導先に決定される。
【0056】
また、小口入金を行う顧客が7人以上おり、全てのサービス提供装置300において、1人以上の顧客が自身の順番を待っている場合、7番目以降の顧客に対しては、順番待ちの顧客の数が最も少ないサービス提供装置300が誘導先に決定される。複数のサービス提供装置300において順番待ちの顧客の数が最も少ない同数である場合、それらの複数のサービス提供装置300のうち優先度の高いものから順に誘導先に決定される。
【0057】
なお、図7のS707において、管理装置100は、誘導先として決定したサービス提供装置300を示す誘導先情報を受付装置200へ送信した。これに加えて、管理装置100は、誘導先のサービス提供装置300に対しても誘導先情報を送信しても良い。このようにすれば、誘導先とされたサービス提供装置300は、自装置が誘導先となったことを知ることができる。このため、例えば、顧客が誤って誘導先とは異なるサービス提供装置300(言い換えれば、誘導先情報を取得していないサービス提供装置300)でサービスを受けるための操作を行った場合、操作されたサービス提供装置300は、自装置が対象のサービスを提供する装置ではないことを顧客に報知することができる。顧客への報知は、例えば、表示部320にテキストメッセージを表示したり、音声メッセージを出力したりすることにより行うことができる。
【0058】
また、管理装置100は、サービス提供装置300から取得した状態情報に基づき、そのサービス提供装置300が処理を実行できず、復旧までに時間を要する状態である場合は、そのサービス提供装置300が提供するサービスの利用の受け付けを停止する。この場合、管理装置100は、対象のサービス提供装置300が提供するサービスを利用しようとする受付情報を取得した場合、対象のサービス提供装置300を誘導先の候補から除外する(S705参照)。サービス提供装置300が処理を実行できず、復旧までに時間を要する状態である場合としては、例えば、故障が発生した場合、装置内の貨幣の在高が第1の閾値よりも少なくなって貨幣を補充する必要がある場合、装置内の貨幣の在高が第2の閾値よりも多くなって収納されている貨幣を回収する必要がある場合などがある。また、この場合、管理装置100は、対象のサービス提供装置300の情報を係員用端末500へ送信する。
【0059】
あるサービスを提供可能な全てのサービス提供装置300が処理を実行できず、復旧までに時間を要する状態となった場合、管理装置100は、このサービスの利用の受け付けを停止する指示を受付装置200へ送信する。受付装置200は、この指示を受け付けると、該当するサービスの受け付けを停止する。この場合、受付装置200は、図6(A)に示した操作画面221において、受け付けを停止した項目への操作を無効とする。また、図6(A)に示した操作画面221から該当するサービスを消去しても良い。さらに、受付装置200は、受け付けを停止した項目を選択する操作が行われた場合に、係員用端末500へ通知しても良い。
【0060】
<変形例>
(1)
図1に示した構成例では、管理装置100がサービスの利用を要求する受付情報とサービス提供装置300の状態情報とを取得し、要求に応じたサービス提供装置300を誘導先として決定した。これに対し、管理装置100を用いずに店舗システム10を構成しても良い。この場合、例えば、受付装置200が誘導先のサービス提供装置300を決定する。
【0061】
このようなシステムにおいて、受付装置200は、図4に示した構成と同様である。ただし、送受信部210は、ネットワーク400を介して各サービス提供装置300と接続する。制御部240は、顧客による操作部230の操作に基づいてサービスの利用申請を受け付ける他、各サービス提供装置300から状態情報を取得し、優先度テーブルおよび状態情報に基づいて利用申請に応じた誘導先のサービス提供装置300を決定する。そして、制御部240は、誘導先に決定したサービス提供装置300を提示する提示画面を表示部220に表示して、誘導先を顧客に報知する。記憶部250は、優先度テーブルを保持する他、上記の誘導先を決定する処理を行うためのプログラムを保持している。かかる構成においては、制御部240は、状態情報取得手段の一例であり、受け付け手段の一例であり、決定手段の一例であり、出力手段の一例である。
【0062】
店舗に複数台の受付装置200が設定されている場合、受付装置200どうしの間で受付情報をやり取りし、各受付装置200において、受け付けた要求や誘導先の決定結果等の情報を共有しても良い。このような構成とすることで、複数台の受付装置200の各々で顧客が操作を行った場合でも、各受付装置200による誘導先の衝突を防止することができる。また、何れかの受付装置200を親機として、各受付装置200における受け付けた要求や誘導先の決定結果等の情報を親機に集約し、複数の受付装置200により一のサービス提供装置300を誘導先とする決定が同時発生した場合に、予め定められた規則に基づいて一の受付装置200による誘導先の決定を有効とするような制御を行っても良い。
【0063】
(2)
受付装置200は、図6(B)に示すような提示画面により誘導先のサービス提供装置300を顧客に報知した。ここで、誘導先の報知に加え、顧客による受付装置200の操作で取得された取引内容の情報を含むコード情報を出力して顧客に提供しても良い。コード情報は、例えば、用紙に印刷して出力される。そして、サービス提供装置300にコード情報を読み取る読み取り装置を設けておき、誘導先のサービス提供装置300においてコード情報を読み取ることで、顧客による入力操作等の手間を軽減することができる。コード情報としては、例えば、2次元コード等を用いることができる。コード情報には、例えば、入金、出金、両替等の取引の種別や、税公金入金処理における納付書の内容等の情報を含めることができる。
【0064】
(3)
顧客が受付装置200で提示された誘導先とは異なるサービス提供装置300で操作を行おうとした場合、誤って操作されたサービス提供装置300において、自装置が対象のサービスを提供する装置ではないことを顧客に報知する他、正しい誘導先のサービス提供装置300を提示しても良い。この場合、管理装置100は、誘導先となったサービス提供装置300だけでなく、全てのサービス提供装置300に対して誘導先情報を送信する。これにより、各サービス提供装置300は、自装置に対して操作が行われた場合に、自装置が正しい誘導先か否かを判断することができると共に、自装置が正しい誘導先でない場合に、正しい誘導先のサービス提供装置300を特定することができる。
【0065】
また、顧客による操作が行われたサービス提供装置300において、自装置が正しい誘導先でないと判断した場合であっても、操作に係る処理内容が自装置で対応可能である場合、操作が行われたサービス提供装置300は、正しい誘導先のサービス提供装置300に代わって操作に係る処理を行っても良い。例えば、入金を行おうとした顧客が誘導先として提示されたセルフキャッシャ302ではなく出納機301で操作を行った場合、出納機301は、セルフキャッシャ302で行われる小口現金の入金処理を実行可能なので、そのまま出納機301で処理を行っても良い。ただし、この場合、誘導先として決定されたサービス提供装置300は使用されず、異なるサービス提供装置300が使用状態となる。このため、その後の誘導先の決定を正しく行うために、使用されなかった正しい誘導先のサービス提供装置300および使用状態となったサービス提供装置300から状態情報を管理装置100へ送信し、管理装置100が各サービス提供装置300の状態を把握する必要がある。
【0066】
(4)
図1に示した構成例では、管理装置100としてネットワーク400に接続されたコンピュータ等の装置を想定した。これに対し、管理装置100を店舗外のサーバにより実現しても良い。例えば、ネットワーク400がゲートウェイを介してインターネットに接続し、管理装置100の機能をいわゆるクラウドサーバにより実現される管理システムとして構成しても良い。
【0067】
(5)
図4および図6を参照して説明した受付装置200は、表示部220に提示画面222を表示することにより誘導先のサービス提供装置300を顧客に報知したが、これに加えて、誘導先情報を音声メッセージにより出力しても良いし、用紙に印刷して出力しても良い。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態には限定されない。本発明の技術思想の範囲から逸脱しない様々な変更や構成の代替は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
10…店舗システム、100…管理装置、110…送受信部、120…制御部、130…記憶部、131…優先度テーブル、200…受付装置、210…送受信部、220…表示部、221…操作画面、222…提示画面、230…操作部、240…制御部、250…記憶部、300…サービス提供装置、310…送受信部、320…表示部、330…操作部、340…制御部、350…記憶部、360…サービス機能部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7