(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075290
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】光拡散シート、バックライトユニット、液晶表示装置、及び情報機器
(51)【国際特許分類】
G02B 5/02 20060101AFI20240527BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240527BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240527BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240527BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240527BHJP
【FI】
G02B5/02 C
G02F1/13357
F21S2/00 481
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186634
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000165088
【氏名又は名称】恵和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 賢一
(72)【発明者】
【氏名】蔡 承亨
(72)【発明者】
【氏名】植野 博暉
(72)【発明者】
【氏名】古田 旭
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H042BA04
2H042BA05
2H042BA10
2H042BA12
2H042BA20
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB08
2H391AC04
2H391AC10
2H391AC13
2H391AC25
2H391AC26
2H391EA05
3K244BA08
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA02
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA04
3K244GC03
3K244GC13
(57)【要約】
【課題】輝度均一性を向上させることができる光拡散シートを提供する。
【解決手段】光拡散シート43は、光出射面又は光入射面の一方となる第1面43aと、光出射面又は光入射面の他方となる第2面43bとを有する。第1面43aには、略逆四角錐状の複数の凹部22が設けられる。第2面43bの算術平均粗さは、1.5μm以下である。複数の凹部22の転写率は、87%以上である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出射面又は光入射面の一方となる第1面と、光出射面又は光入射面の他方となる第2面とを有する光拡散シートであって、
前記第1面には、略逆四角錐状の複数の凹部が設けられ、
前記第2面の算術平均粗さは、1.5μm以下であり、
前記複数の凹部の転写率は、87%以上である、
光拡散シート。
【請求項2】
前記転写率は、90%以上である、
請求項1に記載の光拡散シート。
【請求項3】
前記算術平均粗さは、1.0μm以下である
請求項1に記載の光拡散シート。
【請求項4】
液晶表示装置に組み込まれ、複数の光源から発せられた光を表示画面に導くバックライトユニットであって、
前記表示画面と前記複数の光源との間に、請求項1に記載の光拡散シートを備える、
バックライトユニット。
【請求項5】
前記光拡散シートは、複数枚積層して前記表示画面と前記複数の光源との間に配置される、
請求項4に記載のバックライトユニット。
【請求項6】
前記複数の光源は、白色光源であり、
前記算術平均粗さは、1.0μm以下である、
請求項5に記載のバックライトユニット。
【請求項7】
前記複数の光源は、青色光源であり、
前記光の波長を変換する色変換シートをさらに備え、
前記転写率は、90%以上である、
請求項5に記載のバックライトユニット。
【請求項8】
前記色変換シートは、前記表示画面と、複数枚積層された前記光拡散シートとの間に配置される、
請求項7に記載のバックライトユニット。
【請求項9】
複数枚積層された前記光拡散シートにおいて、前記第1面は光入射面である、
請求項8に記載のバックライトユニット。
【請求項10】
請求項4~9のいずれか1項に記載のバックライトユニットと、
液晶表示パネルとを備える
液晶表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の液晶表示装置を備える情報機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光拡散シート、バックライトユニット、液晶表示装置、及び情報機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット端末などの各種情報機器の表示装置として、液晶表示装置が広く利用されている。液晶表示装置のバックライトとしては、光源が液晶パネルの背面に配置される直下型方式が主流となっている。
【0003】
直下型バックライトを採用する場合、表示画面においてLED(Light Emitting Diode)等の光源のイメージを消して輝度均一性を上げるために、光拡散シートが使用される(特許文献1参照)。
【0004】
ノートパソコンやタブレット端末などの薄型ディスプレイにおいては、光拡散シートとして、例えば、逆ピラミッド状の凹部が形成されたシートが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
直下型バックライトでは光源が表示画面の直下に配置されるため、ディスプレイの薄型化に伴って、光源から光拡散シートまでの距離や、光拡散シートの厚みが削減されると、光拡散シートによって光を十分に拡散させることが難しくなる。その結果、表示画面内での輝度均一性が悪化するという問題が生じている。
【0007】
本開示は、輝度均一性を向上させることができる光拡散シート、並びに、当該光拡散シートを用いたバックライトユニット、液晶表示装置及び情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本開示に係る光拡散シートは、光出射面又は光入射面の一方となる第1面と、光出射面又は光入射面の他方となる第2面とを有する。前記第1面には、略逆四角錐状の複数の凹部が設けられる。前記第2面の算術平均粗さは、1.5μm以下である。前記複数の凹部の転写率は、87%以上である。
【0009】
本開示に係る光拡散シートによると、転写率が87%以上である略逆四角錐状の複数の凹部を光出射面又は光入射面となる第1面に有するため、出射又は入射される光を凹部によって均一に拡散させることができる。また、第2面の算術平均粗さが1.5μm以下であるため、当該第2面での光拡散に起因して凹部による輝度均一化効果が損なわれることを抑制できる。従って、本開示に係る光拡散シートによって、輝度均一性を向上させることができる。
【0010】
本開示において、「凹部の転写率」とは、「(実際に形成された凹部の深さ)/(幾何学的に真正の逆四角錐に形成された場合の凹部の深さ)」を百分率(%)で表したものである。
【0011】
本開示に係る光拡散シートにおいて、前記転写率が90%以上であると、凹部による輝度均一化効果をさらに増大させることができる。
【0012】
本開示に係る光拡散シートにおいて、前記算術平均粗さが1.0μm以下であると、凹部による輝度均一化効果が損なわれることをより一層抑制することができる。
【0013】
本開示に係るバックライトユニットは、液晶表示装置に組み込まれ、複数の光源から発せられた光を表示画面に導くバックライトユニットであって、前記表示画面と前記複数の光源との間に、前述の本開示に係る光拡散シートを備える。
【0014】
本開示に係るバックライトユニットによると、前述の本開示に係る光拡散シートを備えるため、液晶表示装置のさらなる薄型化に対しても、輝度均一性を向上させることができる。
【0015】
本開示に係るバックライトユニットにおいて、前記光拡散シートは、複数枚積層して前記表示画面と前記複数の光源との間に配置されてもよい。このようにすると、複数枚の光拡散シートによって、輝度均一性をさらに向上させることができる。この場合、前記複数の光源は白色光源であり、前記算術平均粗さは1.0μm以下であってもよい。或いは、前記複数の光源は青色光源であり、前記光の波長を変換する色変換シートをさらに備え、前記転写率は90%以上であってもよい。前記色変換シートは、前記表示画面と、複数枚積層された前記光拡散シートとの間に配置されてもよく、その場合、複数枚積層された前記光拡散シートにおいて、前記第1面は光入射面であってもよい。
【0016】
本開示に係る液晶表示装置は、前述の本開示に係るバックライトユニットと、液晶表示パネルとを備える。
【0017】
本開示に係る液晶表示装置によると、前述の本開示に係るバックライトユニットを備えるため、さらなる薄型化に対しても、輝度均一性を向上させることができる。
【0018】
本開示に係る情報機器は、前述の本開示に係る液晶表示装置を備える。
【0019】
本開示に係る情報機器によると、前述の本開示に係る液晶表示装置を備えるため、さらなる薄型化に対しても、輝度均一性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によると、輝度均一性を向上させることができる光拡散シート、並びに、当該光拡散シートを用いたバックライトユニット、液晶表示装置及び情報機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【
図2】実施形態に係るバックライトユニットの断面構成の第1例を示す図である。
【
図3】実施形態に係るバックライトユニットの断面構成の第2例を示す図である。
【
図4】実施形態に係るバックライトユニットの断面構成の第3例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る光拡散シートの斜視図である。
【
図6】実施形態に係る光拡散シートを、隣り合う凹部の各中心と当該凹部間に位置する稜線の中間点とを通り且つシート面に垂直な面で切断した場合の断面構成の一例を示す模式図である。
【
図7】第1試験(色変換シートを配置しない構成)における輝度及び輝度均一性の評価結果を示す図である。
【
図8】第2試験(色変換シートを光拡散シートの上側に配置した構成)における輝度及び輝度均一性の評価結果を示す図である。
【
図9】第2試験(色変換シートを光拡散シートの下側に配置した構成)における輝度及び輝度均一性の評価結果を示す図である。
【
図10】第3試験(色変換シートを光拡散シートの上側に配置した構成)における輝度及び輝度均一性の評価結果を示す図である。
【
図11】第3試験(色変換シートを光拡散シートの下側に配置した構成)における輝度及び輝度均一性の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施形態)
以下、実施形態に係る光拡散シート、バックライトユニット、液晶表示装置、及び情報機器について、図面を参照しながら説明する。尚、本開示の範囲は、以下の実施形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0023】
<液晶表示装置>
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の断面図の一例である。
【0024】
図1に示すように、液晶表示装置50は、液晶表示パネル5と、液晶表示パネル5の下面に貼付された第1偏光板6と、液晶表示パネル5の上面に貼付された第2偏光板7と、液晶表示パネル5の背面側に第1偏光板6を介して設けられたバックライトユニット40とを備えている。液晶表示パネル5は、互いに対向するように設けられたTFT基板1及びCF基板2と、TFT基板1とCF基板2との間に設けられた液晶層3と、TFT基板1とCF基板2との間に液晶層3を封入するために枠状に設けられたシール材(図示省略)とを備える。
【0025】
液晶表示装置50の表示画面50aを正面(
図1の上方)から見た形状は、原則、長方形又は正方形であるが、これに限らず、長方形の角が丸くなった形状、楕円形、円形、台形、又は、自動車のインストルメントパネルなどの任意の形状であってもよい。
【0026】
液晶表示装置50では、各画素電極に対応する各サブ画素において、液晶層3に所定の大きさの電圧を印加して液晶層3の配向状態を変える。これにより、バックライトユニット40から第1偏光板6を介して入射した光の透過率が調整される。透過率が調整された光は第2偏光板7を介して出射されて画像が表示される。
【0027】
本実施形態の液晶表示装置50は、種々の情報機器(例えばカーナビゲーション等の車載装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コピー機、券売機、現金自動預け払い機など)に組み込まれる表示装置として用いられる。
【0028】
TFT基板1は、例えば、ガラス基板上にマトリクス状に設けられた複数のTFTと、各TFTを覆うように設けられた層間絶縁膜と、層間絶縁膜上にマトリクス状に設けられ且つ複数のTFTにそれぞれ接続された複数の画素電極と、各画素電極を覆うように設けられた配向膜とを備える。CF基板2は、例えば、ガラス基板上に格子状に設けられたブラックマトリクスと、ブラックマトリクスの各格子間にそれぞれ設けられた赤色層、緑色層及び青色層を含むカラーフィルターと、ブラックマトリクス及びカラーフィルターを覆うように設けられた共通電極と、共通電極を覆うように設けられた配向膜とを備える。液晶層3は、電気光学特性を有する液晶分子を含むネマチック液晶材料等により構成される。第1偏光板6及び第2偏光板7は、例えば、一方向の偏光軸を有する偏光子層と、その偏光子層を挟持するように設けられた一対の保護層とを備える。
【0029】
<バックライトユニット>
図2は、本実施形態に係るバックライトユニット40の断面構成の第1例を示す。
【0030】
バックライトユニット40は、
図2に示すように、反射シート41と、反射シート41上に2次元状に配置された複数の光源42と、複数の光源42の上側に設けられた光拡散シート43と、光拡散シート43の上側に設けられた色変換シート44と、色変換シート44の上側に順に設けられた第1プリズムシート45及び第2プリズムシート46と、第2プリズムシート46の上側に設けられた上用光拡散シート47とを備える。
【0031】
図2に示す例では、光拡散シート43を三層積層してバックライトユニット40に設けているが、光拡散シート43は単層で用いてもよいし、又は、二層若しくは四層以上積層して用いてもよい。
【0032】
反射シート41は、例えば、白色のポリエチレンテレフタレート樹脂製のフィルム、銀蒸着フィルム等により構成される。
【0033】
光源42の種類は特に限定されないが、例えばLED素子やレーザー素子等であってもよく、コスト、生産性等の観点からLED素子を用いてもよい。
図2に示す例では、光源42として、青色LED素子を用いている。青色LED素子は、例えば、CIE1931の色度座標においてx<0.24、y<0.18の光を発する。光源42は、平面視した場合に長方形状を有していてもよく、その場合、一辺の長さは10μm以上(好ましくは50μm以上)10mm以下(好ましくは5mm以下)であってもよい。光源42としてLED素子を用いる場合、複数のLED素子を一定の間隔をもって反射シート41上に配置してもよい。光源42となるLED素子の出光角度特性を調節するために、LED素子にレンズを装着してもよい。光源42の配置数も特に限定されないが、複数の光源42を分散配置する場合は、反射シート41上に規則的に配置することが好ましい。規則的に配置するとは、一定の法則性をもって配置することを意味し、例えば、光源42を等間隔で配置する場合が該当する。等間隔で光源42を配置する場合、隣り合う2つの光源42の中心間距離は、0.5mm以上(好ましくは2mm以上)20mm以下であってもよい。
【0034】
光拡散シート43は、光源42から入射される光を拡散させて出射する。光拡散シート43を構成するマトリックス樹脂は、光を透過させる材料で構成されていれば、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリスチレン、MS(メチルメタクリレート・スチレン共重合)樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロールアセテート、ポリイミド等であってもよい。光拡散シート43の厚さも、特に限定されないが、例えば、50μm以上3mm以下であってもよい。光拡散シート43の厚さが3mmを超えると、液晶ディスプレイの薄型化の達成が難しくなる一方、光拡散シート43の厚さが50μmを下回ると、十分な光拡散効果を得ることが難しくなる。
図2に示すように、光拡散シート43を複数枚積層する場合、積層したシートの総厚さが数百μm~数mm程度であってもよい。光拡散シート43は、フィルム状であってもよいし、プレート(板)状であってもよい。光拡散シート43の詳細な構成や製法については後述する。
【0035】
色変換シート44は、光源42からの光(
図2に示す例では青色の光)を、任意の色(例えば緑色や赤色)の波長をピーク波長とする光に変換する波長変換シートである。色変換シート44は、例えば、波長450nmの青色光を、波長540nmの緑色光と波長650nmの赤色光に変換する。この場合、波長450nmの青色光を発する光源42を用いると、色変換シート44によって青色光が部分的に緑色光と赤色光に変換されるので、色変換シート44を透過した光は白色光になる。色変換シート44としては、例えば、QD(量子ドット)シートや蛍光シート等を用いてもよい。
【0036】
第1プリズムシート45及び第2プリズムシート46は、色変換シート44から入射される光線を法線方向側に屈折させる輝度向上シートである。プリズムシート45、46のそれぞれの光出射面側には、例えば、横断面が二等辺三角形の複数の溝条が互いに隣り合うように設けられ、隣り合う一対の溝条に挟まれた三角柱部分によってプリズムが構成される。プリズムの頂角は、例えば90°程度である。第1プリズムシート45に形成された各溝条と、第2プリズムシート46に形成された各溝条とは、互いに直交するように配置されてもよい。このようにすると、色変換シート44から入射される光線を第1プリズムシート45によって法線方向側に屈折させ、さらに第1プリズムシート45から出射される光線を第2プリズムシート45によって上用光拡散シート47の光入射面に対して略垂直に進むように屈折させることができる。プリズムシート45、46は、別体で積層されてもよいし、或いは、一体に形成されてもよい。プリズムシート45、46の合計厚さは、例えば100~400μm程度であってもよい。プリズムシート45、46としては、例えば、PET(polyethylene terephthalate)フィルムにUV硬化型アクリル系樹脂を用いてプリズム形状をつけたものを用いてもよい。
【0037】
尚、輝度向上シートとして、プリズムシート45、46に代えて、単層のプリズムシートを用いてもよいし、或いは、光源42から発せられた光の輝度を増大させることができる他の種類の光学シートを用いてもよい。
【0038】
上用光拡散シート47は、第2プリズムシート46側から入射される光線を若干程度拡散させてプリズムシート45、46のプリズム部の形状等に起因する輝度ムラを抑制する。上用光拡散シート47は、第2プリズムシート46の表面に直接積層されてもよい。光拡散シート47の厚さは、特に限定されないが、例えば、50μm以上3mm以下であってもよい。上用光拡散シート47の厚さが3mmを超えると、液晶ディスプレイの薄型化の達成が難しくなる一方、上用光拡散シート47の厚さが50μmを下回ると、十分な光拡散効果を得ることが難しくなる。上用光拡散シート47は、フィルム状であってもよいし、プレート(板)状であってもよい。上用光拡散シート47は、基材層と、基材層の光出射面に積層され且つ樹脂マトリックス及び樹脂ビーズを有する光拡散層とを備えた構成としてもよい。或いは、上用光拡散シート47としては、例えば、PETフィルムの少なくとも一面にUV硬化型アクリル系樹脂を用いて凹凸形状をつけたものを用いてもよい。
【0039】
<バックライトユニットの変形例>
図2に示すバックライトユニット40の構成例では、光拡散シート43の上側に、詳しくは、最上層の光拡散シート43と第1プリズムシート45との間に色変換シート44を設けた。これに代えて、
図3に示すように、光拡散シート43の下側に、詳しくは、最下層の光拡散シート43と複数の光源42との間に色変換シート44を設けてもよい。
【0040】
また、
図2又は
図3に示すバックライトユニット40の構成例では、光源42として青色光源を用いると共に色変換シート44を用いた。これに代えて、
図4に示すように、光源42として白色光源を用いて色変換シートを配置しない構成としてもよい。この場合、
図4に示す例のように、上用光拡散シート47も配置しなくてもよい。白色光源は、ピーク波長が青色領域のLED素子と、ピーク波長が緑色領域のLED素子と、ピーク波長が赤色領域のLED素子とから構成され、例えばCIE1931の色度座標において0.24<x<0.42、0.18<y<0.48の光を発してもよい。
【0041】
<光拡散シート>
図5は、本実施形態に係る光拡散シート43の斜視図の一例である。
【0042】
光拡散シート43は、
図5に示すように、光出射面又は光入射面の一方となる第1面43aと、光出射面又は光入射面の他方となる第2面43bとを有する。第1面43aには、略逆四角錐状(逆ピラミッド状)の複数の凹部22が設けられる。第2面43bは、平坦面又はマット面である。光拡散シート43を複数枚用いる場合、第1面43aが光出射面となるシートと、第1面43aが光入射面となるシートとが混在してもよいし、凹部22の寸法、形状、配列ピッチや第2面43bの表面形状が異なる複数種類のシートを用いてもよい。
【0043】
複数の凹部22は第1面43aにおいて2次元マトリクス状に配列されてもよい。言い換えると、複数の凹部22は、互いに直交する2方向に沿って配列されてもよい。隣り合う凹部22同士は、稜線23によって区画される。稜線23は、凹部22が配列される2方向に沿って延びる。凹部22の配列ピッチは、例えば50μm程度以上500μm程度以下であってもよい。凹部22の中心(逆ピラミッドの頂点)は、凹部22の最深部である。凹部22の壁面(略逆四角錐の斜面)が光拡散シート43のシート面(凹部22のない仮想鏡面)となす角度は、例えば40度以上65度以下、好ましくは45度以上60度以下であってもよい。言い換えると、凹部22の頂角は、例えば50度以上100度以下、好ましくは60度以上90度以下であってもよい。
【0044】
図5に示す例では、簡単のため、凹部22が5×5のマトリクス状に配置された様子を例示しているが、凹部22の実際の配列数ははるかに多い。複数の凹部22の2次元配列において、各凹部22は、第1面21aに隙間無く設けられてもよいし、所定の間隔をあけて設けられてもよい。また、光拡散効果が損なわれない程度に、一部の凹部22がランダムに配列されてもよい。
【0045】
本開示では、通常の形状転写技術により幾何学的に厳密な逆四角錐の凹部を形成することが難しいことを考慮して、「略逆四角錐」との表記を用いているが、これらの表記は、真正の又は実質的に逆四角錐とみなせる形状を含むことは言うまでもない。すなわち、「略」とは、近似可能であることを意味し、「略四角錐」とは、四角錐に近似可能な形状をいう。また、工業生産上の加工精度に起因する不可避的な形状のばらつきの範囲内で「逆四角錐」から変形した形状も、「略逆四角錐」に包含される。
【0046】
光拡散シート43は、基材層21を加工して形成される。基材層21は、光線を透過させる必要があるので、透明(例えば無色透明)の合成樹脂を主成分として形成される。基材層21の主成分は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等を用いてもよい。尚、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。基材層21は、拡散剤その他の添加剤を含有してもよいし、或いは、実質的に添加剤を含有しなくてもよい。含有可能な添加剤は、特に限定されないが、例えば、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機粒子であってもよいし、例えば、アクリル、アクリルニトリル、シリコーン、ポリスチレン、ポリアミド等の有機粒子であってよい。光拡散シート43は、基材層21の一層構造としてもよいし、或いは、凹部22が形成された層を含む2層以上の構造としてもよい。
【0047】
光拡散シート43の製造方法は、特に限定されないが、例えば、押し出し成型法、射出成型法などを用いてもよい。
【0048】
押し出し成型法を用いて、凹凸形状を表面に持つ単層の光拡散シートを製造する手順は次の通りである。まず、ペレット状のプラスチック粒子(拡散剤が添加されていてもよい)を単軸押し出し機に投入し、加熱しながら溶融、混錬する。その後、T-ダイスにより押し出された溶融樹脂を2本の金属ロールで挟んで冷却した後、ガイドロールを用いて搬送し、シートカッター機により枚葉平板に切り落とすことによって、光拡散シートを作製する。ここで、所望の凹凸形状を反転した形状を表面に持つ金属ロールを使用して溶融樹脂を挟むことにより、ロール表面の反転形状が樹脂に転写されるので、所望の凹凸形状を光拡散シート表面に賦形することができる。また、樹脂に転写された形状は、必ずしもロール表面の形状が100%転写されたものとはならないので、転写度合いから逆算して、ロール表面の形状を設計してもよい。
【0049】
押し出し成型法を用いて、凹凸形状を表面に持つ2層構造の光拡散シートを製造する場合は、例えば、2つの単軸押し出し機のそれぞれに、各層の形成に必要なペレット状のプラスチック粒子を投入した後、各層毎に前述の単層の光拡散シートと同様の手順を実施し、作製された各シートを積層してもよい。或いは、以下のように、凹凸形状を表面に持つ2層構造の拡散シートを作製してもよい。まず、2つの単軸押し出し機のそれぞれに、各層の形成に必要なペレット状のプラスチック粒子を投入し、加熱しながら溶融、混錬する。その後、各層となる溶融樹脂を1つのT-ダイスに投入し、当該T-ダイス内で積層し、当該T-ダイスにより押し出された積層溶融樹脂を2本の金属ロールで挟んで冷却する。その後、ガイドロールを用いて積層溶融樹脂を搬送し、シートカッター機により枚葉平板に切り落とすことによって、凹凸形状を表面に持つ2層構造の拡散シートを作製してもよい。
【0050】
その他、UV(紫外線)を用いた賦形転写によって、以下のように光拡散シート43を製造してもよい。まず、転写したい凹凸形状の反転形状を有するロールに未硬化の紫外線硬化樹脂を充填し、当該樹脂に基材を押し当てる。次に、紫外線硬化樹脂が充填されたロールと基材とが一体になっている状態で、紫外線を照射して樹脂を硬化させる。次に、樹脂によって凹凸形状が賦形転写されたシートをロールからはく離させる。最後に、再度シートに紫外線照射を行って樹脂を完全硬化させ、凹凸形状を表面に持つ光拡散シートを作製する。
【0051】
<光拡散シートの凹部の転写率と第2面の算術平均粗さ>
本実施形態の光拡散シート43では、光出射面又は光入射面の一方となる第1面43aに設けられる略逆四角錐状(逆ピラミッド状)の複数の凹部22の転写率が87%以上に設定され、光出射面又は光入射面の他方となる第2面43bの算術平均粗さが1.5μm以下に設定される。
【0052】
図6は、本実施形態の光拡散シート43を、凹部22の配列方向(A-B線)において隣り合う凹部22の各中心(頂点)22aと当該凹部22の間に位置する稜線23の中間点とを通り且つシート面に垂直な面で切断した場合の断面構成の一例を示す。
【0053】
本開示において、「凹部22の転写率」とは、「(実際に形成された凹部22の深さH)/(幾何学的に真正の逆四角錐に形成された場合の凹部22の深さ(目標深さ)H0)を百分率(%)で表したものである。「凹部22の転写率」として、例えば、統計的に定めた所定数の凹部の転写率の平均値を用いてもよい。
【0054】
凹部22の深さHは、レーザー顕微鏡等により実測する。凹部22の目標深さH0は、凹部22の製造金型の寸法を用いてもよい。例えば押し出し成形により凹部22を形成する場合において、成形に用いる押し出しロールに形成されたピラミッド形状(凹部22の反転形状)の高さを用いてもよい。凹部22の製造金型の寸法が分からない場合は、レーザー顕微鏡等による実測データを用いて、稜線23を挟んで隣り合う凹部22の各壁面(斜面)22bの直線部分を延長した仮想線L同士の交点Rの位置を特定し、交点Rと稜線23との高さの差分を算出し、当該差分に凹部22の深さHを加算して目標深さH0を求めてもよい。或いは、レーザー顕微鏡等を用いて、稜線23を挟んで隣り合う凹部22の各斜面22bの直線部分同士がなす角度θと、凹部22の配列ピッチPとを測定し、H0=(P/2)/tan(θ/2)の算出式に基づいて凹部22の目標深さH0を求めてもよい。
【0055】
尚、凹部22の頂角が同じであれば、凹部22の配列ピッチが大きいほど、金型に対する樹脂の充填率が向上して凹部22の転写率が高くなりやすい。また、金型に形成されたピラミッド形状(凹部22の反転形状)の高さが同じであれば、凹部22の頂角が大きいほど、金型に対する樹脂の充填率が向上して凹部22の転写率が高くなりやすい。
【0056】
凹部22の転写率は、光拡散シート43の機械強度(凹部形成面の傷つき性)の観点では、99%以下、より好ましくは98%以下にしてもよい。また、凹部22の転写率が高くなるに従って、言い換えると、金型への樹脂充填率が高くなるに従って、光拡散シート43の量産は難しくなる。このため、従来は、凹部の転写率が80%程度以下の光拡散シートが用いられている。
【0057】
本願発明者らは、凹部22の転写率が高くなるに従って、光拡散シート43による輝度均一化効果が顕著に増大することを見出した。また、本願発明者らは、第2面43bでの光拡散に起因して凹部22による輝度均一化効果が損なわれないように第2面43bの算術平均粗さRaを1.5μm以下にした方が良いことを見出した。但し、第2面43bの算術平均粗さRaを0にすると、つまり、第2面43bを鏡面にすると、当該鏡面に欠陥が生じて光拡散シート43の製造歩留まりが悪くなると共に輝度が低下する傾向がある。また、バックライトユニットの製造において種々の光学シートを積層する際に鏡面シートは他の光学シートとくっつきやすく、製造効率の低下の要因となりやすい。従って、第2面43bの算術平均粗さRaは0.01μm以上にしてもよい。
【0058】
<実施形態の特徴>
以上に説明した本実施形態の光拡散シート43によると、転写率が87%以上である略逆四角錐状の複数の凹部22を光出射面又は光入射面となる第1面43aに有するため、出射又は入射される光を凹部22によって均一に拡散させることができる。また、第2面43bの算術平均粗さが1.5μm以下であるため、第2面43bでの光拡散に起因して凹部22による輝度均一化効果が損なわれることを回避できる。従って、ディスプレイのさらなる薄型化に対しても、本実施形態の光拡散シート43によって、輝度均一性を向上させることができる。
【0059】
具体的には、後述の比較例で凹部の転写率が87%、第2面の算術平均粗さRaが1.8μmの光拡散シートを3枚積層した構成と比較して、後述の実施例で凹部の転写率が95%、第2面の算術平均粗さRaが0.3μmの光拡散シートを3枚積層した構成では、輝度均一性が約8~61%も向上した。
【0060】
本実施形態の光拡散シート43において、凹部22の転写率が90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは94%以上であると、凹部22による輝度均一化効果をさらに増大させることができる。
【0061】
本実施形態の光拡散シート43において、第2面43bの算術平均粗さRaが1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下であると、凹部22による輝度均一化効果が損なわれることをより一層抑制することができる。
【0062】
本実施形態のバックライトユニット40は、液晶表示装置50に組み込まれ、複数の光源42から発せられた光を表示画面50aに導く。バックライトユニット40は、表示画面50aと光源42との間に、本実施形態の光拡散シート43を備える。このため、液晶表示装置50のさらなる薄型化に対しても、輝度均一性を向上させることができる。
【0063】
本実施形態のバックライトユニット40において、複数の光源42は、光拡散シート43から見て表示画面50aの反対側に設けられた反射シート41の上に配置されてもよい。このようにすると、光拡散シート43と反射シート41との間での多重反射によって光がさらに拡散されるので、輝度均一性がより一層向上する。
【0064】
本実施形態のバックライトユニット40において、光拡散シート43は、複数枚積層して表示画面50aと複数の光源42との間に配置されてもよい。このようにすると、複数枚の光拡散シート43によって、輝度均一性をさらに向上させることができる。この場合、複数の光源42は白色光源であり、第2面43bの算術平均粗さRaは1.0μm以下であってもよい。或いは、複数の光源42は青色光源であり、凹部22の転写率は90%以上であってもよい。複数の光源42が青色光源である場合、色変換シート43は、表示画面50aと、複数枚積層された光拡散シート43との間に配置されてもよく、その場合、複数枚積層された光拡散シート43において第1面43aは光入射面であってもよい。
【0065】
本実施形態のバックライトユニット40において、複数の光源42と光拡散シート43との間の距離が0mm以上1mm以下であってもよい。このようにすると、薄型化のために光源・シート間距離を十分に確保できない場合でも、本実施形態の光拡散シート43の拡散性能によって、輝度均一性の悪化を抑制することができる。
【0066】
本実施形態の液晶表示装置50は、本実施形態のバックライトユニット40と、液晶表示パネル5とを備える。このため、さらなる薄型化に伴う光拡散シート43の厚みや積層枚数の削減などに対しても、輝度均一性を向上させることができる。本実施形態の液晶表示装置50が組み込まれた情報機器(パーソナルコンピュータ、携帯電話など)においても同様の効果を得ることができる。
【0067】
尚、本実施形態においては、バックライトユニット40として、液晶表示装置50の表示画面50aの背面側に複数の光源42を分散配置させた直下型のバックライトユニットを用いている。このため、液晶表示装置50を小型化するためには、光源42と光拡散シート43との距離を小さくする必要がある。しかしながら、この距離を小さくすると、例えば、分散配置された光源42同士の間の領域上に位置する部分の表示画面50aの輝度が他の部分よりも小さくなる現象(輝度ムラ)が生じやすくなる。
【0068】
それに対して、本実施形態の光拡散シート43を用いることは、輝度ムラの抑制に有用である。特に、今後の中小型液晶ディスプレイの薄型化をにらみ、光源42と光拡散シート43との距離を15mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは2mm以下、究極的には0mmとした場合に、本実施形態の光拡散シート43の有用性はより一層顕著になると考えられる。
【0069】
(実施例及び比較例)
以下、実施例及び比較例について説明する。
【0070】
実施例及び比較例には、クリアポリカーボネートを母材とする厚さ110μmの基材層21を有する光拡散シート43を用いた。実施例及び比較例ともに、基材層21には拡散剤を添加せず、目標深さ50μm、頂角90°の略逆四角錐状(逆ピラミッド状)の複数の凹部22を第1面43aに配列ピッチ100μmで2次元配列した。
【0071】
実施例及び比較例の光拡散シート43の製造方法は、以下の通りである。まず、ペレット状の母材樹脂(プラスチック樹脂)を押出成形機によって樹脂フィルム化した。その後、2本の金属ロールのうち一方のロールとして、表面が凸ピラミッド形状を持つロール、他方のロールとして、ランダムなマット形状を有するエンボスロール、又は鏡面ロールを使用し、当該両ロールを樹脂フィルムに圧着(熱プレス)して、第1面43aに逆ピラミッド形状の凹部22が設けられ且つ第2面43bにマット面又は鏡面を持つ単層の光拡散シート43を作製した。凹部22の転写率は、ロールの圧着条件等によって制御し、第2面43b(マット面場合)の算術平均粗さRaは、エンボスロール表面の粗さによって制御した。
【0072】
詳しくは、実施例の光拡散シート43として、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ0μm、0.3μm、1.3μmのサンプル、凹部22の転写率が94%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ0μm、0.3μm、1.3μmのサンプル、凹部22の転写率が100%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ0μm、0.3μm、1.3μmのサンプルを用意した。
【0073】
また、比較例の光拡散シート43として、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ1.8μm、4.2μmのサンプル、凹部22の転写率が77%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプル、凹部22の転写率が94%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ1.8μm、4.2μmのサンプル、凹部22の転写率が100%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ1.8μm、4.2μmのサンプルを用意した。
【0074】
実施例及び比較例の光拡散シート43の第2面43bの算術平均粗さRaは、ミツトヨ社製SJ-210を使用し、JIS B 0601-1994に準拠して、測定速度を0.5mm/s、測定距離を4mm、カットオフ値λcを0.8mmに設定して測定した。
【0075】
後述する第1~第4試験において、実施例及び比較例の光拡散シート43の輝度及び輝度均一性の評価は、以下のように行った。まず、2次元配列された複数の光源42の上側に、同じ構造の光拡散シート43を同じ向きに3枚積層して配置し、その上側にプリズムシート45、46を配置し、さらにその上側にシート類の浮きを抑えるために透明ガラス板を載せて、トプコンテクノハウス社製の2次元分光放射計SR-5000HSを用いて、鉛直方向上向き(光源42からガラス板に向かう方向)の輝度を測定した。次に、輝度ムラ測定器を用いて40mm四方の範囲の2次元輝度分布を取得し、全体の輝度バランスの補正を行った上で、輝度の平均値と標準偏差とを算出した。このように算出された輝度の平均値を光拡散シート43の輝度とし、光拡散シート43の輝度均一性については「(輝度の平均値)/(輝度の標準偏差)」と定義して、それぞれ評価を行った。
【0076】
<第1試験>
第1試験では、光源42として白色光源を用い、色変換シート44及び上用光拡散シート47を配置しない、
図4に示すバックライトユニット40の構成で、光拡散シート43の輝度及び輝度均一性の評価を行った。
【0077】
その結果、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ98%、96%、99%、99%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ83%、91%、91%、99%であった。
【0078】
また、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ85%、92%、98%、82%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ122%、101%、99%、76%であった。
【0079】
すなわち、凹部22の転写率が87%の実施例では、第1面43aを光出射面として第2面43bの算術平均粗さRaを0μmとした場合に、輝度均一性が大きく向上した。
【0080】
また、凹部22の転写率が77%の比較例について、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ101%、101%、100%、101%、101%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ91%、97%、96%、102%、102%であった。
【0081】
また、凹部22の転写率が77%の比較例について、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ89%、95%、92%、98%、98%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ101%、99%、84%、95%、92%であった。
【0082】
すなわち、凹部22の転写率が77%の比較例では、第2面43bの算術平均粗さRaを小さくしても、輝度均一性は向上しなかった。
【0083】
また、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ99%、99%、99%、100%、100%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ74%、88%、87%、98%、98%であった。
【0084】
また、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ85%、94%、103%、99%、89%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ117%、103%、93%、102%、80%であった。
【0085】
すなわち、凹部22の転写率が94%の実施例では、第1面43aを光出射面として第2面43bの算術平均粗さRaを0μmとした場合に、輝度均一性が大きく向上した。
【0086】
また、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ91%、96%、97%、99%、99%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ61%、81%、85%、96%、97%であった。
【0087】
また、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ78%、108%、97%、102%、99%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ107%、117%、88%、102%、79%であった。
【0088】
すなわち、凹部22の転写率が100%の実施例では、第1面43aを光出射面として第2面43bの算術平均粗さRaを0.3μmとした場合に、輝度均一性が大きく向上した。
【0089】
以上に説明した第1試験での輝度及び輝度均一性の評価結果を
図7にまとめて示す。
図7において、白丸、白三角、白逆三角、白四角はそれぞれ、第1面43aを光入射面とした場合(ピラ下)の結果であり、黒丸、黒三角、黒逆三角、黒四角はそれぞれ、第1面43aを光出射面とした場合(ピラ上)の結果である。また、グラフ内の数値は、第2面43bの算術平均粗さRa(μm)を示す。また、+印は、ピラ下の評価基準(Reference)として用いた、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの評価結果(輝度及び輝度均一性がそれぞれ100%)を示す。一方、*印は、ピラ上の評価基準(Reference)として用いた、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの評価結果を示すが、ピラ上の評価基準は、ピラ下の評価基準と比べて、輝度が6.4%低く、輝度均一性が39%高かったので、
図7において、ピラ上の各評価結果については、ピラ下の評価基準を100%とする数値に換算して示している。
【0090】
図7に示すように、光源42として白色光源を用い、色変換シート44及び上用光拡散シート47を配置しない、
図4に示すバックライトユニット40の構成では、光拡散シート43の凹部22の転写率を87%以上に設定すると共に第2面43bの算術平均粗さRaを1.5μm以下、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0μmに近づけて設定すると、輝度均一性を向上させられることが分かった。また、第1面43aを光入射面とした場合(ピラ下)と比べて、第1面43aを光出射面とした場合(ピラ上)の方が、全体的に輝度均一性が良いことが分かった。
【0091】
<第2試験>
第2試験では、光源42として青色光源を用い、色変換シート44及び上用光拡散シート47を配置した、
図2及び
図3に示す各バックライトユニット40の構成で、光拡散シート43の輝度及び輝度均一性の評価を行った。尚、第2試験では、複数の光源42として、3.5mmピッチ及び4.5mmピッチで正方配列した青色LED素子を用いた。
【0092】
その結果、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ90%、95%、94%、99%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ94%、97%、96%、99%であった。
【0093】
一方、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ92%、93%、94%、99%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ90%、93%、94%、99%であった。
【0094】
また、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ110%、108%、105%、86%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ100%、103%、99%、89%であった。
【0095】
一方、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ95%、101%、98%、89%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ116%、117%、111%、82%であった。
【0096】
すなわち、凹部22の転写率が87%の実施例では、第2面43bの算術平均粗さRaを0μmに近づけると、輝度均一性が向上した。
【0097】
また、凹部22の転写率が77%の比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ98%、101%、100%、104%、104%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ100%、101%、101%、102%、102%であった。
【0098】
一方、凹部22の転写率が77%の比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ96%、98%、97%、100%、100%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ95%、98%、97%、100%、100%であった。
【0099】
また、凹部22の転写率が77%の比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ91%、92%、92%、93%、93%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ89%、89%、89%、94%、95%であった。
【0100】
一方、凹部22の転写率が77%の比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ86%、92%、92%、102%、105%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ106%、105%、106%、103%、101%であった。
【0101】
すなわち、凹部22の転写率が77%の比較例では、第2面43bの算術平均粗さRaを小さくしても、輝度均一性は向上しなかった。
【0102】
また、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ84%、91%、90%、97%、96%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ90%、94%、94%、98%、98%であった。
【0103】
一方、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ90%、94%、93%、99%、98%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ87%、94%、94%、99%、99%であった。
【0104】
また、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ142%、132%、135%、120%、103%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ125%、119%、121%、116%、101%であった。
【0105】
一方、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ108%、112%、114%、114%、100%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ127%、126%、127%、115%、93%であった。
【0106】
すなわち、凹部22の転写率が94%の実施例では、第2面43bの算術平均粗さRaを0μmに近づけると、輝度均一性が大きく向上した。
【0107】
また、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ76%、84%、86%、94%、93%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ83%、89%、92%、95%、96%であった。
【0108】
一方、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ82%、89%、92%、98%、97%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ80%、90%、92%、97%、98%であった。
【0109】
また、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ161%、152%、150%、125%、110%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ136%、134%、137%、119%、108%であった。
【0110】
一方、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ120%、125%、126%、114%、103%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ126%、132%、129%、107%、92%であった。
【0111】
すなわち、凹部22の転写率が100%の実施例では、第2面43bの算術平均粗さRaを0μmに近づけると、輝度均一性が大きく向上した。
【0112】
以上に説明した第2試験での輝度及び輝度均一性の評価結果について、
図2に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の上側に配置した構成)での評価結果を
図8に示し、
図3に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の下側に配置した構成)での評価結果を
図9に示す。
図8、
図9において、白丸、白三角、白逆三角、白四角はそれぞれ、第1面43aを光入射面とした場合(ピラ下)の結果であり、黒丸、黒三角、黒逆三角、黒四角はそれぞれ、第1面43aを光出射面とした場合(ピラ上)の結果である。また、グラフ内の数値は、第2面43bの算術平均粗さRa(μm)を示す。また、
図8において、+印は、ピラ下の評価基準(Reference)として用いた、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの評価結果(輝度及び輝度均一性がそれぞれ100%)を示す。一方、
図8において、*印は、ピラ上の評価基準(Reference)として用いた、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの評価結果を示すが、ピラ上の評価基準は、ピラ下の評価基準と比べて、輝度が約5%高く、輝度均一性が約20%低かったので、
図8、
図9において、ピラ上の各評価結果については、ピラ下の評価基準を100%とする数値に換算して示している。
【0113】
図8及び
図9に示すように、光源42として青色光源(3.5mmピッチ及び4.5mmピッチで正方配列した青色LED素子)を用い、色変換シート44及び上用光拡散シート47を配置した、
図2及び
図3に示すバックライトユニット40の構成では、光拡散シート43の凹部22の転写率を87%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは100%に近づけて設定すると共に第2面43bの算術平均粗さRaを1.5μm以下、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0μmに近づけて設定すると、輝度均一性を向上させられることが分かった。また、
図3に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の下側に配置した構成)と比べて、
図2に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の上側に配置した構成)の方が、全体的に輝度均一性が良いことが分かった。特に、
図8に示すように、
図2に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の上側に配置した構成)で第1面43aを光入射面とした場合(ピラ下の場合)に、顕著な輝度均一性向上効果が得られた。
【0114】
<第3試験>
第3試験では、光源42として青色光源を用い、色変換シート44及び上用光拡散シート47を配置した、
図2及び
図3に示す各バックライトユニット40の構成で、光拡散シート43の輝度及び輝度均一性の評価を行った。尚、第3試験では、複数の光源42として、2.8mmピッチ及び2.8mmピッチで正方配列した青色LED素子を用いた。
【0115】
その結果、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ91%、95%、95%、100%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ94%、97%、97%、99%であった。
【0116】
一方、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ92%、93%、95%、99%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ90%、93%、94%、99%であった。
【0117】
また、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ96%、94%、97%、89%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ94%、96%、94%、87%であった。
【0118】
一方、凹部22の転写率が87%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ80%、87%、87%、93%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ101%、102%、104%、81%であった。
【0119】
すなわち、凹部22の転写率が87%の実施例では、第2面43bの算術平均粗さRaが輝度均一性に及ぼす影響は小さかった。
【0120】
また、凹部22の転写率が77%の比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ98%、101%、100%、104%、103%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ100%、101%、101%、102%、102%であった。
【0121】
一方、凹部22の転写率が77%の比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ96%、98%、97%、101%、101%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ94%、98%、97%、101%、100%であった。
【0122】
また、凹部22の転写率が77%の比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ80%、79%、79%、87%、90%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ79%、80%、80%、89%、90%であった。
【0123】
一方、凹部22の転写率が77%の比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ74%、79%、78%、97%、104%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ96%、93%、94%、97%、100%であった。
【0124】
すなわち、凹部22の転写率が77%の比較例では、第2面43bの算術平均粗さRaを小さくしても、輝度均一性は向上しなかった。
【0125】
また、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ84%、91%、90%、96%、97%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ90%、95%、94%、98%、98%であった。
【0126】
一方、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ90%、94%、94%、99%、100%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ87%、94%、93%、99%、100%であった。
【0127】
また、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ129%、126%、129%、130%、117%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ119%、121%、122%、125%、109%であった。
【0128】
一方、凹部22の転写率が94%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ92%、105%、105%、117%、107%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ121%、126%、122%、126%、103%であった。
【0129】
すなわち、凹部22の転写率が94%の実施例では、第2面43bの算術平均粗さRaに依存せず、輝度均一性が全体的に向上した。
【0130】
また、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ77%、85%、86%、94%、95%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ84%、89%、92%、96%、96%であった。
【0131】
一方、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ82%、90%、92%、98%、98%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度はそれぞれ80%、90%、92%、98%、98%であった。
【0132】
また、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ147%、153%、151%、143%、135%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ135%、147%、146%、140%、127%であった。
【0133】
一方、凹部22の転写率が100%の実施例及び比較例について、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ109%、122%、120%、124%、119%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μm、0.3μm、1.3μm、1.8μm、4.2μmのサンプルの輝度均一性はそれぞれ108%、128%、127%、118%、105%であった。
【0134】
すなわち、凹部22の転写率が100%の実施例では、第2面43bの算術平均粗さRaに依存せず、輝度均一性が全体的に向上した。
【0135】
以上に説明した第3試験での輝度及び輝度均一性の評価結果について、
図2に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の上側に配置した構成)での評価結果を
図10に示し、
図3に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の下側に配置した構成)での評価結果を
図11に示す。
図10、
図11において、白丸、白三角、白逆三角、白四角はそれぞれ、第1面43aを光入射面とした場合(ピラ下)の結果であり、黒丸、黒三角、黒逆三角、黒四角はそれぞれ、第1面43aを光出射面とした場合(ピラ上)の結果である。また、グラフ内の数値は、第2面43bの算術平均粗さRa(μm)を示す。また、
図10において、+印は、ピラ下の評価基準(Reference)として用いた、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの評価結果(輝度及び輝度均一性がそれぞれ100%)を示す。一方、
図10において、*印は、ピラ上の評価基準(Reference)として用いた、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmのサンプルの評価結果を示すが、ピラ上の評価基準は、ピラ下の評価基準と比べて、輝度が約5%高く、輝度均一性が約20%低かったので、
図10、
図11において、ピラ上の各評価結果については、ピラ下の評価基準を100%とする数値に換算して示している。
【0136】
図10及び
図11に示すように、光源42として青色光源(2.8mmピッチ及び2.8mピッチで正方配列した青色LED素子)を用い、色変換シート44及び上用光拡散シート47を配置した、
図2及び
図3に示すバックライトユニット40の構成では、光拡散シート43の凹部22の転写率を87%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは100%に近づけて設定すると共に第2面43bの算術平均粗さRaを1.5μm以下、好ましくは1.0μm前後に設定すると、輝度均一性を向上させられることが分かった。また、
図3に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の下側に配置した構成)と比べて、
図2に示すバックライトユニット構成(色変換シート44を光拡散シート43の上側に配置した構成)の方が、全体的に輝度均一性が良いことが分かった。
【0137】
<第1~3試験での光源の影響>
第1試験で用いた光源42は、光源42の直上方向に出射する光成分は少なく、斜め上方向に出射する光成分が多い。第2試験で用いた光源42は、光源42の直上方向に出射する光成分がやや多く、斜め上方向に出射する光成分がやや少ない。第3試験で用いた光源42は、光源42の直上方向に出射する光成分が多く、斜め上方向に出射する光成分が少ない。
【0138】
斜め上方向に出射する光成分(以下、斜め光という)と比べて、直上方向に出射する光成分(以下、直上光という)が多い光源42を用いる場合、凹部22の転写率が低いと、直上光が光拡散シート43をそのまま透過しやすいので、第2面43bの算術平均粗さRaをやや大きくして第2面43bでの光散乱性を増大させた方が良いと考えられる。また、斜め光と比べて直上光が多い光源42を用いる場合、凹部22の転写率を高くするときは、輝度均一性を促進する凹部22での全反射を阻害しないように、第2面43bの算術平均粗さRaを小さくした方が良いと考えられる。尚、斜め光と比べて直上光が多い光源42を用いた第3試験では、第2面43bの算術平均粗さRaを大きめに設定することによって、輝度及び輝度均一性の両方が向上する場合があった。
【0139】
一方、斜め光と比べて直上光が少ない光源42を用いる場合、凹部22の転写率の増大に対する輝度均一性の増大の度合いが小さくなるので、斜め光成分が増大しないように、第2面43bの算術平均粗さRaを小さくした方が良いと考えられる。尚、直上光は、基材層21の厚さによる影響を受けにくいが、斜め光は基材層21の厚さの影響を受けやすいことから、基材層21の厚さの増減は、斜め光に対して、第2面43bの算術平均粗さRaの増減と同様の作用を生じると考えられる。
【0140】
以上に説明したことから、斜め光と比べて直上光が多い光源42を用いたバックライトユニット40で輝度均一性を向上させるためには、(1)凹部22の転写率をなるべく100%に近づけ、(2)凹部22の転写率が100%に近いほど第2面43bの算術平均粗さRaを小さくし、(3)凹部22の転写率及び光拡散シート43の配置数に制限がある場合には第2面43bの算術平均粗さRaを大きくすると共に基材層21の厚さを増やせば良いと考えられる。
【0141】
また、斜め光と比べて直上光が少ない光源42を用いたバックライトユニット40で輝度均一性を向上させるためには、(1)凹部22の転写率を87%以上とし、(2)第2面43bの算術平均粗さRaをなるべく小さくすれば良いと考えられる。
【0142】
また、直上光及び斜め光の両方を出射する光源42を用いたバックライトユニット40で輝度均一性を向上させるためには、(1)凹部22の転写率を100%に近づけ、(2)第2面43bの算術平均粗さRaを1.5μm以下とすれば良いと考えられる。
【0143】
<第4試験>
第4試験が第2及び第3試験と異なる点は、光拡散シート43の基材層21の厚さを90μmと薄くしたことである。第4試験では、実施例の光拡散シート43として、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ0μmのサンプル、凹部22の転写率が100%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ0μmのサンプルを用意した。また、比較例の光拡散シート43として、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ1.8μmのサンプル、凹部22の転写率が100%で第2面43bの算術平均粗さRaがそれぞれ1.8μmのサンプルを用意した。
【0144】
第4試験では、まず、光源42として、第2試験と同じ青色光源を用い、色変換シート44及び上用光拡散シート47を配置した、
図2及び
図3に示す各バックライトユニット40の構成で、光拡散シート43の輝度及び輝度均一性の評価を行った。
【0145】
その結果、凹部22の転写率が87%の場合、
図2に示すバックライトユニット構成では、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は93%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は96%であった。一方、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は94%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は92%であった。
【0146】
また、凹部22の転写率が87%の場合、
図2に示すバックライトユニット構成では、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は111%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は104%であった。一方、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は98%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は115%であった。
【0147】
また、凹部22の転写率が100%の場合、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は81%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度は96%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は86%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度は96%であった。一方、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成において凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は89%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度は101%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は88%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度は102%であった。
【0148】
また、凹部22の転写率が100%の場合、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は158%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度均一性は122%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は137%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度均一性は118%であった。一方、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成において凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は130%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度均一性は114%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は139%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度均一性は112%であった。
【0149】
次に、第4試験では、光源42として、第3試験と同じ青色光源を用い、色変換シート44及び上用光拡散シート47を配置した、
図2及び
図3に示す各バックライトユニット40の構成で、光拡散シート43の輝度及び輝度均一性の評価を行った。
【0150】
その結果、凹部22の転写率が87%の場合、
図2に示すバックライトユニット構成では、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は93%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は96%であった。一方、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は94%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は92%であった。
【0151】
また、凹部22の転写率が87%の場合、
図2に示すバックライトユニット構成では、第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は97%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は93%であった。一方、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は87%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は103%であった。
【0152】
また、凹部22の転写率が100%の場合、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は81%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度は96%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は87%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度は97%であった。一方、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成において凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は88%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度は100%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度は87%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度は101%であった。
【0153】
また、凹部22の転写率が100%の場合、
図2に示すバックライトユニット構成では、凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は152%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度均一性は142%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は138%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度均一性は133%であった。一方、
図3に示すバックライトユニット構成では、
図2に示すバックライトユニット構成において凹部22の転写率が87%で第2面43bの算術平均粗さRaが1.8μmの比較例の輝度均一性を100%として、第1面43aを光入射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は117%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度均一性は124%であり、第1面43aを光出射面とした場合、Raが0μmの実施例の輝度均一性は134%であり、Raが1.8μmの比較例の輝度均一性は117%であった。
【0154】
以上に説明したように、第2及び第3試験と比べて光拡散シート43の基材層21の厚さを薄くした第4試験でも、第2試験と同じ光源42を用いた場合には、第2試験と同様の評価結果が得られ、第3試験と同じ光源42を用いた場合には、第3試験と同様の評価結果が得られた。
【0155】
(その他の実施形態)
以上、本開示についての実施形態(実施例を含む。以下同じ。)を説明したが、本開示は前述の実施形態のみに限定されず、開示の範囲内で種々の変更が可能である。すなわち、前述の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0156】
1 TFT基板
2 CF基板
3 液晶層
5 液晶表示パネル
6 第1偏光板
7 第2偏光板
21 基材層
22 凹部
22a 中心(頂点)
22b 壁面(斜面)
23 稜線
40 バックライトユニット
41 反射シート
42 光源
43 光拡散シート
43a 第1面
43b 第2面
44 色変換シート
45 第1プリズムシート
46 第2プリズムシート
47 上用光拡散シート
50 液晶表示装置
50a 表示画面