(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075308
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240527BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240527BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240527BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240527BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240527BHJP
H04N 9/31 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/00 E
G02F1/13 505
G02F1/1335
H04N5/74 A
H04N9/31 440
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186674
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】門谷 典和
(72)【発明者】
【氏名】内藤 悠樹
【テーマコード(参考)】
2H088
2H291
2K203
5C058
5C060
【Fターム(参考)】
2H088EA14
2H088HA13
2H088HA18
2H088HA21
2H088HA24
2H088HA28
2H088HA30
2H088MA03
2H088MA20
2H291FA11X
2H291FA11Z
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA31Z
2H291FA56X
2H291FA56Z
2H291FA71X
2H291FA87Z
2H291FA96X
2H291FB13
2H291LA40
2H291MA13
2H291NA74
2H291NA78
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA43
2K203FA44
2K203FA45
2K203FA62
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2K203FB03
2K203GB26
2K203GC07
2K203HA48
2K203KA63
2K203LA03
2K203LA12
2K203LA37
2K203LA46
2K203MA01
5C058BA25
5C058EA11
5C058EA26
5C058EA52
5C060DA03
5C060JA00
5C060JA27
5C060JB06
(57)【要約】
【課題】高速応答に対応して疑似的な解像度が高い画像を表示可能なプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、第1~第3パネルモジュールと、光合成素子と、投射光学モジュールと、光合成素子から投射光学モジュールに入射する投射画像光の光路をシフトする光路シフトモジュールと、を備え、光路シフトモジュールは、光路変更部材と、第1磁石及び第1コイルを有し、第1揺動軸を中心に光路変更部材を揺動させる第1アクチュエーターと、第2磁石及び第2コイルを有し、第2揺動軸を中心に光路変更部材を揺動させる第2アクチュエーターと、を有し、第1パネルモジュールは、第1光用液晶パネルと、第1光用熱拡散器と、第1光用熱電変換デバイスと、第1光用冷却器とを含み、第1アクチュエーター及び第2アクチュエーターのそれぞれは、第1光用熱電変換デバイスにおける光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置されている。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を変調した第1画像光を、第1軸を光軸として出射する第1パネルモジュールと、
第2光を変調した第2画像光を、前記第1軸に直交する第2軸を光軸として出射する第2パネルモジュールと、
第3光を変調した第3画像光を、前記第1軸を光軸として出射する第3パネルモジュールと、
前記第1画像光が入射する第1入射面と、前記第2画像光が入射する第2入射面と、前記第3画像光が入射する第3入射面と、前記第2軸を光軸として、前記第1画像光、前記第2画像光及び前記第3画像光を合成した投射画像光を出射する出射面と、を有する光合成素子と、
前記光合成素子から出射された前記投射画像光を投射する投射光学モジュールと、
前記光合成素子から前記投射光学モジュールに入射する前記投射画像光の光路をシフトする光路シフトモジュールと、を備え、
前記光路シフトモジュールは、
前記光合成素子と前記投射光学モジュールとの間の光路に配置された光路変更部材と、
第1磁石及び第1コイルを有し、前記第1軸に沿う第1揺動軸を中心に前記光路変更部材を揺動させる第1アクチュエーターと、
第2磁石及び第2コイルを有し、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸に沿う第2揺動軸を中心に前記光路変更部材を揺動させる第2アクチュエーターと、を有し、
前記第1パネルモジュールは、
前記第1画像光を出射する第1光用液晶パネルと、
前記第1光用液晶パネルから前記第3軸に沿って延在し、前記第1光用液晶パネルとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する第1光用熱拡散器と、
前記第1光用熱拡散器との間で熱を伝達する第1光用熱電変換デバイスと、
前記第1光用熱拡散器との間に前記第1光用熱電変換デバイスを挟み、前記第1光用熱電変換デバイスとの間で熱を伝達する第1光用冷却器と、を含み、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第1光用熱電変換デバイスにおける前記光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記第3パネルモジュールは、
前記第3画像光を出射する第3光用液晶パネルと、
前記第3光用液晶パネルから前記第3軸に沿って延在し、前記第3光用液晶パネルとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する第3光用熱拡散器と、
前記第3光用熱拡散器との間で熱を伝達する第3光用熱電変換デバイスと、
前記第3光用熱拡散器との間に前記第3光用熱電変換デバイスを挟み、前記第3光用熱電変換デバイスとの間で熱を伝達する第3光用冷却器と、を含み、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第3光用熱電変換デバイスにおける前記光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーターは、前記第2揺動軸上に配置される、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第1揺動軸に対して、前記第1光用熱拡散器が延在する方向とは反対方向に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記光路シフトモジュールは、
前記光路変更部材を保持する第1可動部と、
前記第1揺動軸を中心に揺動可能に前記第1可動部を保持する第2可動部と、
前記第2揺動軸を中心に揺動可能に前記第2可動部を保持するベースと、を備え、
前記第1アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第2揺動軸上で、かつ、前記第1可動部と前記第2可動部との間に配置されて、前記第1揺動軸を中心に前記第1可動部を揺動させ、
前記第2アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第1揺動軸に対して前記第1光用熱拡散器が延在する方向とは反対方向で前記第2可動部と前記ベースとの間に配置されて、前記第2揺動軸を中心に前記第2可動部を揺動させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記光路シフトモジュールは、
前記光路変更部材を保持する第1可動部と、
前記第1揺動軸を中心に揺動可能に前記第1可動部を保持する第2可動部と、
前記第2揺動軸を中心に揺動可能に前記第2可動部を保持するベースと、を備え、
前記第1アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第2揺動軸上で、かつ、前記第1可動部と前記第2可動部との間に配置されて、前記第1揺動軸を中心に前記第1可動部を揺動させ、
前記第2アクチュエーターは、前記第1揺動軸上で、かつ、前記第2可動部と前記ベースとの間に配置されて、前記第2揺動軸を中心に前記第2可動部を揺動させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1光用液晶パネルの温度を検出するパネル用温度センサーと、
前記光路シフトモジュールを制御するシフト制御部と、を備え、
前記シフト制御部は、前記パネル用温度センサーによって検出された前記第1光用液晶パネルの温度が閾値未満である場合、前記光合成素子から出射された前記投射画像光に含まれる画素の位置を第1位置から複数のシフト位置に順次シフトさせる第1シフト制御から、前記画素の位置を前記第1位置と前記複数のシフト位置のうち1つのシフト位置とに順次シフトさせる第2シフト制御に切り替える、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
請求項7に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1光用液晶パネルを制御するパネル制御部を備え、
前記パネル制御部は、前記パネル用温度センサーによって検出された前記第1光用液晶パネルの温度が前記閾値未満である場合、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記複数のシフト位置のそれぞれに投射される複数の前記第1画像光のそれぞれとを第1リフレッシュレートにて順次形成する第1パネル制御から、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記複数のシフト位置のうち1つのシフト位置に投射される前記第1画像光とを、前記第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートにて順次形成する第2パネル制御に切り替える、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項9】
請求項8に記載のプロジェクターにおいて、
前記複数のシフト位置は、
前記第1位置に対して第1方向に設定された第2位置と、
前記第2位置に対して前記第1方向に直交する第2方向に設定された第3位置と、
前記第1位置に対して前記第2方向に設定された第4位置と、を含み、
前記パネル制御部は、
前記第1パネル制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記第2位置に投射される前記第1画像光と、前記第3位置に投射される前記第1画像光と、前記第4位置に投射される前記第1画像光とを前記第1リフレッシュレートにて順次形成し、
前記第2パネル制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記第3位置に投射される前記第1画像光とを、前記第2リフレッシュレートにて順次形成し、
前記第2リフレッシュレートは、前記第1リフレッシュレートの1/2であり、
前記シフト制御部は、前記第2シフト制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光が形成されるタイミングにて前記投射画像光を前記第1位置にシフトさせ、前記第3位置に投射される前記第1画像光が形成されるタイミングにて前記投射画像光を前記第3位置にシフトさせる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項10】
請求項8に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2パネルモジュールは、前記第2画像光を出射する第2光用液晶パネルを有し、
前記第3パネルモジュールは、前記第3画像光を出射する第3光用液晶パネルを有し、
前記パネル用温度センサーは、
前記第1光用液晶パネルの温度を検出する第1パネル用センサーと、
前記第2光用液晶パネルの温度を検出する第2パネル用センサーと、
前記第3光用液晶パネルの温度を検出する第3パネル用センサーと、を含み、
前記第1光用液晶パネルの温度、前記第2光用液晶パネルの温度、及び、前記第3光用液晶パネルの温度のうち、少なくとも1つの温度が前記閾値未満である場合に、
前記シフト制御部は、前記第2シフト制御にて前記光路シフトモジュールを動作させ、
前記パネル制御部は、前記第2パネル制御にて、前記第1光用液晶パネル、前記第2光用液晶パネル及び前記第3光用液晶パネルのそれぞれを動作させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーターの温度及び前記第2アクチュエーターの温度を検出するアクチュエーター用温度センサーと、
前記第1光用熱電変換デバイスを制御する熱電変換デバイス用制御部と、を備え、
前記熱電変換デバイス用制御部は、前記アクチュエーター用温度センサーによって検出された前記第1アクチュエーターの温度及び前記第2アクチュエーターの温度のうち少なくとも一方の温度が所定値を超える場合、前記第1光用熱電変換デバイスの出力を低下させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学素子を揺動させて、入射光の光路をずらすことによって、被投射面にて表示される画像の解像度を高められるプロジェクターが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、光源、3つの液晶表示素子、ダイクロイックプリズム、光路シフトデバイス及び投射光学系を備える。ダイクロイックプリズムは、3つの液晶表示素子から入射する赤色光、緑色光及び青色光を合成した映像光を出射し、投射光学系は、入射する映像光をスクリーンに投射する。
【0003】
光路シフトデバイスは、ダイクロイックプリズムと投射光学系との間に配置されて、ダイクロイックプリズムから入射する映像光の光路をシフトさせることによって、投射光学系によって投射される画像の解像度を、各液晶表示素子の解像度よりも高くする。
光路シフトデバイスは、ガラス板と、ガラス板を保持する第1フレームと、第1フレームを第1揺動軸周りに揺動可能な状態で支持する第2フレームと、第2フレームを第2揺動軸周りに揺動可能な状態で支持するベース部材と、第1アクチュエーターと、第2アクチュエーターと、を備える。なお、第1揺動軸と第2揺動軸とは、互いに直交する。
第1アクチュエーターは、第1フレームに保持された磁石と、ベース部材に保持されたコイルと、を有する。第2アクチュエーターは、2つの振動部を備え、各振動部は、第2フレームに保持された磁石と、ベース部材に保持されたコイルと、を有する。
各アクチュエーターのコイルに通電すると、コイルに対応する磁石がコイルに対して相対移動する。これにより、第1揺動軸及び第2揺動軸のうち、対応する揺動軸周りにガラス板が揺動し、映像光の光路がシフトする。そして、ガラス板を第1揺動軸及び第2揺動軸のそれぞれの揺動軸周りに揺動させて、映像光に含まれる各画素を縦横4箇所にシフトさせることによって、映像光の解像度を疑似的に4倍に増加させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のプロジェクターでは、光路シフトデバイスによって映像光の解像度を増加させる場合、プロジェクターに入力する映像信号のフレームレートより高い周波数で、液晶表示素子及び光路シフトデバイスを動作させる必要がある。
例えば、入力する映像信号のフレームレートが60Hzである場合、液晶表示素子及び光路シフトデバイスは、240Hzで動作する必要がある。
一方、液晶の応答性は、温度特性に依存しており、240Hzの応答速度に液晶を対応させるには、環境温度に左右されないように、液晶パネルの温度を短時間で適切な温度に調節することが望まれている。
他方、磁石の温度が高くなると、減磁が発生して、240Hzで光路シフトデバイスを動作させることが難しくなる。
このように、2つの揺動軸を有する光路シフトデバイスを備えたプロジェクターにおいて、高速応答に対応して疑似的な解像度が高い画像を表示可能な構成が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るプロジェクターは、第1光を変調した第1画像光を、第1軸を光軸として出射する第1パネルモジュールと、第2光を変調した第2画像光を、前記第1軸に直交する第2軸を光軸として出射する第2パネルモジュールと、第3光を変調した第3画像光を、前記第1軸を光軸として出射する第3パネルモジュールと、前記第1画像光が入射する第1入射面と、前記第2画像光が入射する第2入射面と、前記第3画像光が入射する第3入射面と、前記第2軸を光軸として、前記第1画像光、前記第2画像光及び前記第3画像光を合成した投射画像光を出射する出射面と、を有する光合成素子と、前記光合成素子から出射された前記投射画像光を投射する投射光学モジュールと、前記光合成素子から前記投射光学モジュールに入射する前記投射画像光の光路をシフトする光路シフトモジュールと、を備え、前記光路シフトモジュールは、前記光合成素子と前記投射光学モジュールとの間の光路に配置された光路変更部材と、第1磁石及び第1コイルを有し、前記第1軸に沿う第1揺動軸を中心に前記光路変更部材を揺動させる第1アクチュエーターと、第2磁石及び第2コイルを有し、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸に沿う第2揺動軸を中心に前記光路変更部材を揺動させる第2アクチュエーターと、を有し、前記第1パネルモジュールは、前記第1画像光を出射する第1光用液晶パネルと、前記第1光用液晶パネルから前記第3軸に沿って延在し、前記第1光用液晶パネルとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する第1光用熱拡散器と、前記第1光用熱拡散器との間で熱を伝達する第1光用熱電変換デバイスと、前記第1光用熱拡散器との間に前記第1光用熱電変換デバイスを挟み、前記第1光用熱電変換デバイスとの間で熱を伝達する第1光用冷却器と、を含み、前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第1光用熱電変換デバイスにおける前記光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す模式図。
【
図2】第1実施形態に係るパネルモジュールを示す斜視図。
【
図3】第1実施形態に係るパネルモジュールを示す斜視図。
【
図4】第1実施形態に係るパネルモジュールを示す分解斜視図。
【
図5】第1実施形態に係るパネルモジュールを示す分解斜視図。
【
図6】第1実施形態に係るパネルモジュールを示す断面図。
【
図7】第1実施形態に係るパネルモジュールを示す図。
【
図8】第1実施形態に係る光路シフトモジュールを示す図。
【
図9】第1実施形態に係る投射画像光の光路シフトを説明する図。
【
図10】第1実施形態に係るパネルモジュールとアクチュエーターとの位置関係を示す図。
【
図11】第1実施形態に係るパネルモジュールとアクチュエーターとの位置関係を示す図。
【
図12】第1実施形態に係るパネルモジュールとアクチュエーターとの位置関係を示す図。
【
図13】第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図。
【
図14】第1実施形態に係る高解像度モードでの液晶パネル及び光路シフトモジュールの動作を説明する図。
【
図15】第1実施形態に係る低解像度モードでの液晶パネル及び光路シフトモジュールの動作を説明する図。
【
図16】第1実施形態に係る制御処理を示すフローチャート。
【
図17】第2実施形態に係るプロジェクターが備える画像形成ユニットを示す斜視図。
【
図18】第2実施形態に係る光路シフトモジュールを示す図。
【
図19】第2実施形態に係るパネルモジュールとアクチュエーターとの位置関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の概略構成を示す概略図である。
プロジェクター1は、
図1に示すように、光源31から出射された光束を変調して画像情報に応じた投射画像光を形成し、形成した投射画像光PLをスクリーン等の被投射面PSに拡大投射する。プロジェクター1は、外装筐体2と、外装筐体2内に収容された画像投射装置3及び制御装置6と、を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、冷却対象を冷却する冷却装置、及び、プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
【0009】
[画像投射装置の構成]
画像投射装置3は、上記した投射画像光PLを形成して投射する。画像投射装置3は、光源31、色分離モジュール32、画像形成ユニット33及び投射光学モジュール37を備える。
なお、以下の説明では、光源31が照明光WLを出射する方向を+S方向とし、+S方向に直交する方向を+T方向とする。+S方向とは反対方向を-S方向とし、+T方向とは反対方向を-T方向とする。+S方向に沿う軸をS軸とし、+T方向に沿う軸をT軸とする。
【0010】
[光源の構成]
光源31は、照明光WLを+S方向に出射する。光源31の構成としては、固体発光素子と、固体発光素子から出射された光の波長を変換する波長変換素子と、を備える構成を例示できる。或いは、光源31の構成としては、超高圧水銀ランプ等の放電発光ランプを備える構成を例示できる。
【0011】
[色分離モジュールの構成]
色分離モジュール32は、光源31から入射する照明光WLを青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRの3つの色光に分離する。色分離モジュール32は、ダイクロイックミラー321,322と、全反射ミラー323,324,325と、リレーレンズ326,327と、を備える。
ダイクロイックミラー321は、光源31から入射する照明光WLのうち、青色光LBを透過させ、緑色光LG及び赤色光LRを+T方向に反射する。
ダイクロイックミラー322は、ダイクロイックミラー321により分離された緑色光LG及び赤色光LRのうち、緑色光LGを+S方向に反射し、赤色光LRを+T方向に透過させる。ダイクロイックミラー322にて反射された緑色光LGは、画像形成ユニット33が備える緑色光変調モジュール35Gに入射する。
【0012】
全反射ミラー323は、ダイクロイックミラー321を透過した青色光LBを+T方向に反射する。全反射ミラー323にて反射された青色光LBは、画像形成ユニット33が備える青色光変調モジュール35Bに入射する。
全反射ミラー324は、ダイクロイックミラー322を透過した赤色光LRを+S方向に反射する。
全反射ミラー325は、全反射ミラー324にて反射された赤色光LRを-T方向に反射する。全反射ミラー325にて反射された赤色光LRは、画像形成ユニット33が備える赤色光変調モジュール35Rに入射する。
【0013】
リレーレンズ326は、赤色光LRの光路においてダイクロイックミラー322と全反射ミラー324との間に配置され、リレーレンズ327は、赤色光LRの光路において全反射ミラー324と全反射ミラー325との間に配置されている。リレーレンズ326,327は、赤色光LRの光路が青色光LBの光路及び緑色光LGの光路よりも長いことによる赤色光LRの光損失を補償する。
【0014】
[画像形成ユニットの構成]
画像形成ユニット33は、入射する青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRを個別に変調し、変調した色光LB,LG,LRを合成して、投射光学モジュール37によって投射される投射画像光PLを形成する。画像形成ユニット33は、フィールドレンズ34、光変調モジュール35、光合成素子36及び光路シフトモジュール5を備える。
【0015】
[フィールドレンズの構成]
フィールドレンズ34は、入射する光を平行化する。画像形成ユニット33は、3つのフィールドレンズ34を備える。3つのフィールドレンズ34は、青色光LBの光路に設けられるフィールドレンズ34Bと、緑色光LGの光路に設けられるフィールドレンズ34Gと、赤色光LRの光路に設けられるフィールドレンズ34Rと、を含む。各フィールドレンズ34R,34G,34Bを通過した色光LB,LG,LRは、色光に応じて設けられた光変調モジュール35に入射する。
【0016】
[光変調モジュールの構成]
光変調モジュール35は、入射する色光を変調して、画像情報に応じた画像光を形成し、形成した画像光を光合成素子36に出射する。画像形成ユニット33は、3つの光変調モジュール35を備える。3つの光変調モジュール35は、青色光LBを変調して青色画像光を出射する青色光変調モジュール35Bと、緑色光LGを変調して緑色画像光を出射する緑色光変調モジュール35Gと、赤色光LRを変調して赤色画像光を出射する赤色光変調モジュール35Rと、を含む。
【0017】
各光変調モジュール35は、パネルモジュール4、入射側偏光板351及び出射側偏光板352を有する。
具体的に、青色光変調モジュール35Bは、青色光LBを変調する青用パネルモジュール4Bと、青用パネルモジュール4Bに対する光入射側に配置される入射側偏光板351と、青用パネルモジュール4Bに対する光出射側に配置される出射側偏光板352と、を有する。青用パネルモジュール4Bは、T軸に沿う第1軸Ax1を光軸として青色画像光を+T方向に出射する。
緑色光変調モジュール35Gは、緑色光LGを変調する緑用パネルモジュール4Gと、入射側偏光板351と、出射側偏光板352と、を有する。緑用パネルモジュール4Gは、緑色画像光をS軸に沿う第2軸Ax2を光軸として+S方向に出射する。
赤色光変調モジュール35Rは、赤色光LRを変調する赤用パネルモジュール4Rと、入射側偏光板351と、出射側偏光板352と、を有する。赤用パネルモジュール4Rは、第1軸Ax1を光軸として赤色画像光を-T方向に出射する。
【0018】
本実施形態では、青用パネルモジュール4B及び赤用パネルモジュール4Rのうち、一方のパネルモジュール4は、第1パネルモジュールに相当し、他方のパネルモジュール4は、第2パネルモジュールに相当する。緑用パネルモジュール4Gは、第3パネルモジュールに相当する。
なお、パネルモジュール4の構成については、後に詳述する。
【0019】
[光合成素子の構成]
光合成素子36は、青色光変調モジュール35Bから入射する青色画像光と、緑色光変調モジュール35Gから入射する緑色画像光と、赤色光変調モジュール35Rから入射する赤色画像光とを合成して投射画像光PLを形成し、形成した投射画像光PLを光路シフトモジュール5に向けて出射する。すなわち、光合成素子36は、形成した投射画像光PLを投射光学モジュール37に向けて出射する。
【0020】
光合成素子36は、略直方体形状のクロスダイクロイックプリズムにより構成されている。光合成素子36は、青用入射面36B、緑用入射面36G、赤用入射面36R及び出射面36Sを有する。
青用入射面36Bは、光合成素子36において-T方向を向く面である。青用入射面36Bには、青色画像光が入射する。
緑用入射面36Gは、光合成素子36において-S方向を向く面である。緑用入射面36Gには、緑色画像光が入射する。
赤用入射面36Rは、光合成素子36において+T方向を向く面であり、青用入射面36Bとは反対側の面である。赤用入射面36Rには、赤色画像光が入射する。
出射面36Sは、光合成素子36において+S方向を向く面であり、緑用入射面36Gとは反対側の面である。出射面36Sは、第2軸Ax2を光軸として投射画像光PLを出射する。
【0021】
[光路シフトモジュールの概略構成]
光路シフトモジュール5は、光合成素子36と投射光学モジュール37との間に配置されている。光路シフトモジュール5は、光合成素子36から入射する投射画像光PLの光路をシフトさせて、被投射面PSに投射された投射画像光PLによって表示される投射画像の解像度を高める。光路シフトモジュール5の構成及び作用については、後に詳述する。
【0022】
[投射光学モジュールの構成]
投射光学モジュール37は、光路シフトモジュール5を介して光合成素子36から入射する投射画像光PLを被投射面PSに投射する。図示を省略するが、投射光学モジュール37としては、複数のレンズと、複数のレンズを保持する鏡筒と、を有する組レンズを例示できる。
【0023】
[パネルモジュールの構成]
図2は、光入射側から見たパネルモジュール4を示す斜視図であり、
図3は、光出射側から見たパネルモジュール4を示す斜視図である。
図4は、光入射側から見たパネルモジュール4を示す分解斜視図であり、
図5は、光出射側から見たパネルモジュール4を示す分解斜視図である。
パネルモジュール4は、
図2~
図5に示すように、液晶パネル41、熱拡散器42、保持部材43、熱電変換デバイス44及び冷却器45を備える。
【0024】
以下の説明では、互いに直交する三つの方向を、+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。本実施形態では、+Z方向を、パネルモジュール4に入射する光の進行方向とする。+Y方向が上方向と一致するようにパネルモジュール4を+Z方向に沿って見た場合の左方向を+X方向とする。図示を省略するが、+X方向の反対方向を-X方向とし、+Y方向の反対方向を-Y方向とし、+Z方向の反対方向を-Z方向とする。すなわち、パネルモジュール4に対する+Z方向は、パネルモジュール4に対する光出射側であり、パネルモジュール4に対する-Z方向は、パネルモジュール4に対する光入射側である。
また、+X方向又は-X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向又は-Y方向に沿う軸をY軸とし、+Z方向又は-Z方向に沿う軸をZ軸とする。
青用パネルモジュール4Bでは、+Z方向は+T方向であり、+X方向は+S方向である。緑用パネルモジュール4Gでは、+Z方向は+S方向であり、+X方向は-T方向である。赤用パネルモジュール4Rでは、+Z方向は-T方向であり、+X方向は-S方向である。
【0025】
[液晶パネルの構成]
図6は、パネルモジュール4のYZ平面に沿う断面を示す図である。
液晶パネル41は、入射する色光を変調し、変調した色光を画像光として、入射する色光の進行方向に沿って出射する透過型の液晶パネルである。液晶パネル41は、
図6に示すように、パネル本体411と、FPC(Flexible printed circuits)412と、保持枠413と、を備える。
パネル本体411は、入射する光が内部を通過する過程にて光を変調する。パネル本体411は、光学作用部4111と、光学作用部4111をZ軸において挟む入射側防塵基板4115及び出射側防塵基板4116と、を備える。
【0026】
光学作用部4111は、液晶層4112と、液晶層4112をZ軸において挟む対向基板4113及び画素基板4114と、を有する。
液晶層4112は、対向基板4113と画素基板4114との間に封入された液晶分子によって形成されている。
対向基板4113は、液晶層4112に対して光入射側に配置されている。対向基板4113には、液晶層4112と対向する面に対向電極が設けられている。
画素基板4114は、液晶層4112に対して光出射側に配置されている。画素基板4114には、液晶層4112と対向する面に複数の画素電極が設けられている。なお、光入射側である-Z方向から見て、光学作用部4111において複数の画素電極が配置された領域は、画素領域PAであり、画素領域PAにおいて各画素電極が配置された領域によって1つの画素が形成される。
対向基板4113及び画素基板4114は、FPC412と接続されており、FPC412から供給される画像信号に応じて、液晶層4112を形成する液晶分子の配列状態を変化させる。これにより、光学作用部4111は、入射する光を変調する。
【0027】
入射側防塵基板4115は、対向基板4113の光入射面において画素領域PAに応じた部分に設けられる透光性の基板である。-Z方向から液晶パネル41を見た場合、入射側防塵基板4115は、画素領域PAを覆うように、対向基板4113の光入射面に熱伝達可能に設けられる。入射側防塵基板4115は、対向基板4113の光入射面に塵埃等が付着して、画像光に塵埃等の影が入り込むことを抑制する。
なお、入射側防塵基板4115には、後述する熱拡散器42が接続される。詳述すると、入射側防塵基板4115における光入射面4115Aには、熱拡散器42の接触部424が熱伝達可能に接触する。光入射面4115Aは、光学作用部4111にて発生した熱を熱拡散器42に伝達する熱伝達面である。すなわち、液晶パネル41は、入射する光を出射するパネル本体411と、パネル本体411の熱を伝達する熱伝達面としての光入射面4115Aと、を有する。
【0028】
出射側防塵基板4116は、画素基板4114の光出射面において画素領域PAに応じた部分に設けられる透光性の基板である。+Z方向から液晶パネル41を見た場合、出射側防塵基板4116は、画素領域PAを覆うように、画素基板4114の光出射面に熱伝達可能に設けられる。出射側防塵基板4116は、画素基板4114の光出射面に塵埃等が直接付着して、画像光に塵埃等の影が入り込むことを抑制する他、画素基板4114から伝達された熱を液晶パネル41の外部に放熱する。
【0029】
FPC412は、
図6に示すように、対向基板4113及び画素基板4114から+Y方向に延出し、制御装置6と接続されている。FPC412は、光学作用部4111を駆動させるドライバー回路4121を有し、ドライバー回路4121は、制御装置6から入力する画像信号に応じた駆動信号を画素基板4114に出力する。
【0030】
保持枠413は、パネル本体411及びFPC412を保持する他、熱拡散器42、保持部材43、熱電変換デバイス44及び冷却器45を支持する。保持枠413は、
図3及び
図5に示すように、光出射側から見てY軸に長い矩形状に形成されている。保持枠413は、図示を省略するが、パネル本体411に入射する光、及び、パネル本体411から出射される光が通過する開口部を有する。
保持枠413は、Z軸に沿って保持枠413を貫通する4つの貫通口4131を有する。4つの貫通口4131のそれぞれには、図示を省略するが、光合成素子36に設けられた支持部材の腕部が挿入される。支持部材は、光合成素子36の青用入射面36B、緑用入射面36G及び赤用入射面36Rのそれぞれに設けられており、支持部材の腕部を貫通口4131に挿入することによって、光合成素子36と3つのパネルモジュール4B,4G,4Rとが一体化される。
【0031】
[熱拡散器の構成]
熱拡散器42は、入射側防塵基板4115の光入射面4115Aからパネル本体411の熱を受熱し、受熱した熱を熱拡散器42にて拡散させるものである。熱拡散器42は、
図4及び
図5に示すように、+Z方向から見てY軸に長い略矩形状に形成されており、液晶パネル41に対する光入射側に配置される。詳述すると、熱拡散器42は、パネル本体411と熱電変換デバイス44との間に配置されて熱を輸送する。すなわち、熱拡散器42は、液晶パネル41からY軸に沿って延在し、液晶パネル41との間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する。
熱拡散器42は、第1面421、第2面422、開口部423、接触部424、延在部425、2つの孔部426、及び、2つの孔部427を備える。
第1面421は、熱拡散器42において液晶パネル41のパネル本体411と対向する面である。換言すると、第1面421は、熱拡散器42において光出射側の面である。
第2面422は、熱拡散器42において第1面421とは反対側の面である。後述する保持部材43及び熱電変換デバイス44は、第2面422と接触する。
【0032】
開口部423は、熱拡散器42が保持枠413に取り付けられたときに、パネル本体411に入射する光を+Z方向に通過させる。すなわち、開口部423は、熱拡散器42を+Z方向に沿って貫通する貫通口である。開口部423は、光入射側から見て、画素領域PAに対応する略矩形状に形成されている。
接触部424は、第1面421において開口部423の周縁に設けられている。接触部424は、熱伝達面である光入射面4115Aと接触して、光入射面4115Aからパネル本体411の熱を受熱する。なお、接触部424がパネル本体411の熱を受熱可能であれば、パネル本体411における接触部424との接触部分はどこでもよい。例えば、接触部424は、入射側防塵基板4115においてZ軸を中心とする周方向に沿う周面と接触してもよい。
【0033】
延在部425は、熱拡散器42において接触部424からパネル本体411に対する光の入射方向と交差する方向に延在する部分である。詳述すると、延在部425は、液晶パネル41において画像光を出射する画素領域PAから離れる方向に接触部424から延出した部分である。具体的に、延在部425は、Z軸に交差する+Y方向に接触部424から延在した部分である。
熱拡散器42では、接触部424にて受熱されたパネル本体411の熱は、延在部425に拡散する。そして、延在部425に拡散された熱は、第2面422に設けられた熱電変換デバイス44によって吸熱される。
【0034】
2つの孔部426は、開口部423に対して+Y方向に設けられている。2つの孔部426のそれぞれには、保持枠413に固定されるねじSCが挿通する。
2つの孔部427は、開口部423に対して-Y方向に設けられている。2つの孔部427のそれぞれには、
図4に示すように、保持枠413に設けられた突起4132が挿入される。すなわち、突起4132は、位置決め突起であり、2つの孔部427は、位置決め孔である。
本実施形態では、熱拡散器42は、気相と液相とに変化可能な作動流体が内部に封入された密閉筐体を有するベイパーチャンバーである。しかしながら、これに限らず、熱拡散器42は、熱伝導率が高い金属によって形成された板状体であってもよい。
【0035】
[保持部材の構成]
保持部材43は、
図4及び
図5に示すように、略矩形枠状に形成されている。保持部材43は、ねじSCによって保持枠413に固定されて、
図1に示した入射側偏光板351をパネル本体411に対する光入射側にて保持する。保持部材43は、開口部431、2つの腕部432、2つの固定部433、突出部434、3つの孔部435、及び、2つの孔部436を有する。
【0036】
開口部431は、矩形状の開口部であり、保持部材43が保持枠413に固定されたときに、画素領域PAに対応する位置に設けられている。入射側偏光板351から+Z方向に出射された光は、開口部431を通過し、更に熱拡散器42の開口部423を通過して、パネル本体411の画素領域PAに入射する。
2つの腕部432のうち、一方の腕部432は、保持部材43における+X方向の端部から+Y方向に突出し、他方の腕部432は、保持部材43における-X方向の端部から+Y方向に突出している。
2つの固定部433のうち、一方の固定部433は、開口部431に対して+X方向に設けられ、他方の固定部433は、開口部431に対して-X方向に設けられている。各固定部433は、-Z方向に突出しており、光入射側にて入射側偏光板351が接着剤等によって固定される。
【0037】
突出部434は、保持部材43におけるX軸の中央から-Y方向に突出している。
3つの孔部435のうち、2つの孔部435は、2つの腕部432のそれぞれに設けられ、残りの1つの孔部435は、突出部434に設けられている。各孔部435には、保持枠413に固定されるねじSCが+Z方向に沿って挿入される。
2つの孔部436は、開口部431に対して-Y方向の隅部に設けられている。2つの孔部436のそれぞれには、保持枠413に設けられた位置決め突起である突起4132が挿入される。すなわち、2つの孔部436は、位置決め孔である。
このように、保持部材43は、熱拡散器42とともに保持枠413に固定され、入射側偏光板351を保持する。
【0038】
[熱電変換デバイスの構成]
熱電変換デバイス44は、熱拡散器42に接続され、熱拡散器42との間で熱を伝達する。具体的に、熱電変換デバイス44は、熱拡散器42から吸熱する他、熱拡散器42に伝熱する。熱電変換デバイス44は、
図4及び
図5に示すように、第1面441、第2面442及びリード線443を有する。
第1面441は、熱電変換デバイス44において熱拡散器42と対向する面である。詳述すると、第1面441は、熱電変換デバイス44において延在部425と接触する面である。換言すると、第1面441は、熱電変換デバイス44において+Z方向を向く面である。
第2面442は、熱電変換デバイス44において第1面441とは反対側の面である。換言すると、第2面442は、熱電変換デバイス44において-Z方向を向く面である。第2面442には、冷却器45が接触する。
リード線443は、熱電変換デバイス44における+Y方向の端部から+Y方向に延出している。リード線443は、後述する制御装置6に接続される。すなわち、熱電変換デバイス44の動作は、制御装置6によって制御される。
【0039】
このような熱電変換デバイス44は、リード線443から供給される電力によって、延在部425から伝達される熱を第1面441にて積極的に吸熱して、吸熱した熱を第2面442から冷却器45に放熱する。
本実施形態では、熱電変換デバイス44は、ペルチェ素子である。このため、熱電変換デバイス44の極性を反転させることによって、第1面441から延在部425に熱を供給可能である。すなわち、熱電変換デバイス44は、熱拡散器42を介して、液晶パネル41のパネル本体411を加温できる。なお、第1面441から熱拡散器42に熱を供給する場合、第2面442は、吸熱面となって冷却器45から吸熱する。冷却器45は、熱電変換デバイス44に接続されているものの、熱拡散器42及び液晶パネル41には接続されていない。そして、熱電変換デバイス44が断熱部材となることから、熱電変換デバイス44がパネル本体411を加温する場合には、熱電変換デバイス44による冷却効果はパネル本体411に作用しない。
【0040】
図7は、パネルモジュール4を光入射側から見た図である。
なお、
図2及び
図3に示すように、熱電変換デバイス44において+X方向の側端444と、-X方向の側端445とは、パネルモジュール4の外側に露出する。このことから、熱電変換デバイス44が熱拡散器42に伝達されたパネル本体411の熱を吸熱する場合、及び、熱電変換デバイス44が熱拡散器42を介してパネル本体411を加温する場合には、側端444,445から熱が放射される。
このため、
図7に示すように、側端444近傍でパネルモジュール4の外側の領域Ar1と、側端445近傍でパネルモジュール4の外側の領域Ar2とは、温度が比較的高い領域となる。
これに対し、詳しくは後述するが、光路シフトモジュール5の第1磁石552,556及び第2磁石562,566は、領域Ar1,Ar2から離れた位置に配置される。
【0041】
[冷却器の構成]
冷却器45は、熱拡散器42との間に熱電変換デバイス44を挟み、熱電変換デバイス44との間で熱を伝達する。具体的に、冷却器45は、熱電変換デバイス44の第2面442と接続され、熱電変換デバイス44から伝達される熱を放熱する。本実施形態では、冷却器45は、
図2及び
図4に示すように、複数のフィンFNを有するヒートシンクである。
【0042】
[光変調モジュールの各構成の対応関係]
上記のように、各パネルモジュール4は、液晶パネル41、熱拡散器42、保持部材43、熱電変換デバイス44及び冷却器45を有する。
すなわち、青色光変調モジュール35Bは、青用パネルモジュール4B、青色光用の入射側偏光板351及び青色光用の出射側偏光板352を備え、青用パネルモジュール4Bは、青色光を変調する液晶パネル41と、熱拡散器42と、保持部材43と、熱電変換デバイス44と、冷却器45と、を有する。
青用パネルモジュール4Bが第1パネルモジュールに相当する場合、青色光は、第1光に相当し、青用パネルモジュール4Bの液晶パネル41、熱拡散器42、熱電変換デバイス44及び冷却器45は、第1光用液晶パネル、第1光用熱拡散器、第1光用熱電変換デバイス及び第1光用冷却器に相当する。
【0043】
赤用パネルモジュール4Rが第3パネルモジュールに相当する場合、赤色光は、第3光に相当し、赤用パネルモジュール4Rの液晶パネル41、熱拡散器42、熱電変換デバイス44及び冷却器45は、第3光用液晶パネル、第3光用熱拡散器、第3光用熱電変換デバイス及び第3光用冷却器に相当する。
上記のように、緑用パネルモジュール4Gは、第2パネルモジュールに相当する。そして、緑色光は、第2光に相当し、緑用パネルモジュール4Gの液晶パネル41、熱拡散器42、熱電変換デバイス44及び冷却器45は、第2光用液晶パネル、第2光用熱拡散器、第2光用熱電変換デバイス及び第2光用冷却器に相当する。
【0044】
[光路シフトモジュールの構成]
図8は、光出射側から見た光路シフトモジュール5を示す図である。
光路シフトモジュール5は、光合成素子36から出射されて投射光学モジュール37に入射する投射画像光の光路をシフトさせる。光路シフトモジュール5は、
図8に示すように、光路変更部材51、第1可動部52、第2可動部53、ベース54、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56を有する。
【0045】
なお、
図8では、光路シフトモジュール5と同じく画像形成ユニット33を構成する青用パネルモジュール4Bにおける+X方向、+Y方向及び+Z方向を示している。具体的に、
図8の図面視で、+X方向は、紙面に垂直で紙面から離れる方向であり、+Y方向は、上方向であり、+Z方向は、左方向である。上記した第1軸Ax1は、+Z方向に沿う軸であり、第1軸Ax1に沿う揺動軸を第1揺動軸Rx1とする。上記した第2軸Ax2は、+X方向に沿う軸である。また、図示を省略するが、+Y方向に沿う軸を第3軸とする。第3軸は、第1軸Ax1及び第2軸Ax2のそれぞれに直交する軸であり、第3軸に沿う揺動軸を第2揺動軸Rx2とする。
【0046】
[光路変更部材の構成]
光路変更部材51は、ガラス等の透光性基板である。光路変更部材51は、光合成素子36と投射光学モジュール37との間の光路に配置されて、光合成素子36から投射画像光が入射する。光路変更部材51は、各アクチュエーター55,56が動作することによって、光合成素子36の投射画像光の出射光軸に直交する仮想面に対して傾斜して、屈折により投射画像光の光路をシフトさせる。
【0047】
[第1可動部の構成]
第1可動部52は、矩形枠状に形成されており、光路変更部材51を保持する。第1可動部52は、第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能に第2可動部53に支持される。第1可動部52は、枠部521、軸部522及び固定部523を有する。
枠部521は、光路変更部材51の周囲を囲んで支持する。
軸部522は、枠部521の外周部分から+Z方向に突出する軸部5221と、枠部521の外周部分から-Z方向に突出する軸部5222と、を含む。軸部5221,5222は、第2可動部53に挿入され、これにより、第1可動部52は、第2可動部53によって第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能に支持される。詳述すると、軸部5221の中心軸の延長線と、軸部5222の中心軸の延長線とは一致し、軸部5221,5222の中心軸の延長線が+Z方向に沿う第1揺動軸Rx1である。
【0048】
固定部523は、枠部521の外周部分から+Y方向に突出する固定部5231と、枠部521の外周部分から-Y方向に突出する固定部5232と、を含む。固定部5231の先端部には、第1アクチュエーター55の第1磁石552が固定される。固定部5232の先端部には、第1アクチュエーター55の第1磁石556が固定される。
なお、固定部5231,5232は、各第1磁石552,556に対するヨークとして機能する。
【0049】
[第2可動部の構成]
第2可動部53は、第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能に第1可動部52を保持する他、第1アクチュエーター55の第1コイル553,557を保持する。第2可動部53は、枠部531、開口部532、回転支持部533、支持部534、軸部535及び固定部536を有する。
枠部531は、枠状に形成されており、光出射側から見て中央には、開口部532が設けられている。枠部531は、-Y方向に突出する一対の腕部5311,5312を有する。
【0050】
開口部532は、投射画像光の通過方向である+X方向に沿って枠部531を貫通している。開口部532の内部には、光路変更部材51を保持した第1可動部52が配置される。
回転支持部533は、開口部532における+Z方向の内縁に設けられた回転支持部5331と、開口部532における-Z方向の内縁に設けられた回転支持部5332と、を含む。回転支持部5331は、軸部5221を回転可能に支持し、回転支持部5332は、軸部5222を回転可能に支持する。これにより、第2可動部53は、第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能に第1可動部52を支持する。
【0051】
支持部534は、開口部532における+Y方向の内縁に設けられた支持部5341と、開口部532における-Y方向の内縁に設けられた支持部5342と、を含む。支持部5341は、第1アクチュエーター55の第1コイル553を支持し、支持部5342は、第1アクチュエーター55の第1コイル557を支持する。
軸部535は、枠部531の外周部分から+Y方向に突出する軸部5351と、枠部531の外周部分から-Y方向に突出する軸部5352と、を含む。軸部5351,5352がベース54に挿入されることにより、第2可動部53は、第2揺動軸Rx2を中心に揺動可能にベース54に支持される。軸部5351の中心軸の延長線と、軸部5352の中心軸の延長線とは一致し、軸部5351,5352の中心軸の延長線が第2揺動軸Rx2である。
【0052】
固定部536は、枠部531において-Y方向の端部に設けられている。詳述すると、固定部536は、枠部531において第1揺動軸Rx1よりも-Y方向に配置されている。更に、固定部536は、支持部5342よりも-Y方向に配置されている。
固定部536は、一対の腕部5311,5312のうち、+Z方向の腕部5311に設けられた固定部5361と、-Z方向の腕部5312に設けられた固定部5362と、を含む。固定部5361には、第2アクチュエーター56の第2磁石562が固定される。固定部5362には、第2アクチュエーター56の第2磁石566が固定される。
なお、固定部5361,5362は、各第2磁石562,566に対するヨークとして機能する。
【0053】
[ベースの構成]
ベース54は、第2可動部53を第2揺動軸Rx2に対して揺動可能に保持する他、第2アクチュエーター56の第2コイル563,567を保持する。ベース54は、枠状に形成されており、第2可動部53が内部に配置される開口部541を有する。
ベース54は、開口部541の内縁と連続して形成されて-Y方向へ凹む凹部542,543を有する。凹部542と凹部543とは、第2揺動軸Rx2を基準とする線対称に設けられており、凹部542は、第2揺動軸Rx2に対して+Z方向に設けられ、凹部543は、第2揺動軸Rx2に対して-Z方向に設けられている。
【0054】
ベース54は、回転支持部544及び支持部545を更に有する。
回転支持部544は、開口部541における+Y方向の内縁に設けられた回転支持部5441と、開口部541における-Y方向の内縁に設けられた回転支持部5442と、を含む。回転支持部5441は、軸部5351を回転可能に支持し、回転支持部5442は、軸部5352を回転可能に支持する。これにより、第2可動部53は、第2揺動軸Rx2を中心に揺動可能にベース54に支持される。
支持部545は、凹部542における+Z方向の内縁に設けられた支持部5451と、凹部543における-Z方向の内縁に設けられた支持部5452と、を含む。支持部5451は、第2アクチュエーター56の第2コイル563を支持し、支持部5452は、第2アクチュエーター56の第2コイル567を支持する。
【0055】
[第1アクチュエーターの構成]
第1アクチュエーター55は、第1揺動軸Rx1を中心に第1可動部52を揺動させることによって、第1揺動軸Rx1を中心に光路変更部材51を揺動させる。
第1アクチュエーター55は、第2揺動軸Rx2上の位置で、かつ、第1揺動軸Rx1を基準として線対称に配置される第1駆動部551及び第2駆動部555を有する。すなわち、第1駆動部551及び第2駆動部555は、第1揺動軸Rx1を挟む位置に配置され、第1アクチュエーター55は、第2揺動軸Rx2上の位置に配置される。
【0056】
第1駆動部551は、第1揺動軸Rx1に対して+Y方向に配置され、第2駆動部555は、第1揺動軸Rx1に対して-Y方向に配置される。
第1駆動部551は、第1可動部52に固定された第1磁石552と、第2可動部53に支持された第1コイル553と、を有するボイスコイルモーターである。すなわち、第1駆動部551は、第1可動部52と第2可動部53との間に配置されている。
第2駆動部555は、第1可動部52に固定された第1磁石556と、第2可動部53に支持された第1コイル557と、を有するボイスコイルモーターである。すなわち、第2駆動部555は、第1可動部52と第2可動部53との間に配置されている。
後述する制御装置6が、第1コイル553と第1コイル557とに互いに逆位相の交流電流を供給することによって、第1可動部52に保持された光路変更部材51が第1揺動軸Rx1を中心に揺動される。
【0057】
[第2アクチュエーターの構成]
第2アクチュエーター56は、第2可動部53を揺動させることによって第2揺動軸Rx2を中心に光路変更部材51を揺動させる。
第2アクチュエーター56は、第1揺動軸Rx1に対して-Y方向に配置されて、第2揺動軸Rx2を基準として線対称に配置される第1駆動部561及び第2駆動部565を有する。すなわち、第1駆動部561及び第2駆動部565は、第2揺動軸Rx2を挟む位置に配置され、第2アクチュエーター56は、第1揺動軸Rx1に対して-Y方向に配置される。上記のように、-Y方向は、各パネルモジュール4B,4G,4Rにおいて熱拡散器42の延在部425がパネル本体411と接触する接触部424から延在する方向とは反対方向である。
【0058】
第1駆動部561は、第2揺動軸Rx2に対して+Z方向に配置され、第2駆動部565は、第2揺動軸Rx2に対して-Z方向に配置される。
第1駆動部561は、第2可動部53に固定された第2磁石562と、ベース54に支持された第2コイル563と、を有するボイスコイルモーターである。すなわち、第1駆動部561は、第2可動部53とベース54との間に配置されている。
第2駆動部565は、第1可動部52に固定された第2磁石566と、ベース54に支持された第2コイル567と、を有するボイスコイルモーターである。すなわち、第2駆動部565は、第2可動部53とベース54との間に配置されている。
後述する制御装置6が、第2コイル563,567に互いに逆位相の交流電流を供給することによって、ベース54に対して第2可動部53が第2揺動軸Rx2を中心に揺動し、これにより、光路変更部材51が第2揺動軸Rx2を中心に揺動される。
【0059】
[光路シフトモジュールによる光路シフト]
図9は、光路シフトモジュール5による投射画像光の光路シフトを説明する図である。
ここで、光路シフトモジュール5による投射画像の高解像度化について説明する。
上記のように、光路シフトモジュール5は、投射画像光PLが透過する光路変更部材51の姿勢を変更することによって、光路変更部材51での屈折を利用して投射画像光PLの光路をシフトさせる。
なお、
図9に示す+F1方向と+F2方向とは、被投射面PSにおいて互いに直交する方向であり、-F1方向は、+F1方向の反対方向であり、-F2方向は、+F2方向の反対方向である。+F1方向は第1方向に相当し、-F2方向は第2方向に相当する。
【0060】
具体的に、光路シフトモジュール5は、第1揺動軸Rx1周りの第1揺動方向と、第2揺動軸Rx2周りの第2揺動方向との2方向に光路変更部材51を揺動させることによって、
図9に示すように、投射画像光の光路を±F1方向及び±F2方向にシフトさせる。これにより、被投射面PSに表示される投射画像の画素Pxは、±F1方向及び±F2方向にずれる。
【0061】
後述する制御装置6は、光路シフトモジュール5によって、±F1方向への投射画像光の光路シフトと、±F2方向への投射画像光の光路シフトとを組み合わせることにより、見かけ上の画素を増加させ、投射画像を高解像度化する。
例えば、制御装置6は、投射画像光の光路をシフトさせることにより、±F1方向及び±F2方向のそれぞれに半画素ずれた位置に画素Pxを移動させる。なお、半画素とは、画素Pxの半分の大きさを示す。
これにより、被投射面PS上の画像表示位置が、第1位置P1から+F1方向に半画素ずれた第2位置P2と、第2位置P2から-F2方向に半画素ずれた第3位置P3と、第1位置P1から-F2方向に半画素ずれた第4位置P4とにシフトする。第2位置P2、第3位置P3及び第4位置P4は、第1位置P1からのシフト位置に相当する。
【0062】
そして、制御装置6は、光路シフトモジュール5によって、位置P1,P2,P3,P4のそれぞれに一定時間ずつ画素Pxを表示させるように投射画像光の光路をシフトし、光路シフトに同期して各パネルモジュール4B,4G,4Rによる表示内容を変化させる。これにより、見かけ上、画素Pxのサイズよりも小さいサイズの画素A,B,C,Dを表示させることができる。
【0063】
例えば、画素A,B,C,Dの表示を全体として60Hzの周波数で行う場合には、位置P1,P2,P3,P4に対応して、各液晶パネル41の表示を60Hzの4倍の速度で切り替える必要がある。この場合、各液晶パネル41のリフレッシュレートを240Hzとし、各液晶パネル41が、第1位置P1に表示される画素Aを含む投射画像光と、第2位置P2に表示される画素Bを含む投射画像光と、第3位置P3に表示される画素Cを含む投射画像光と、第4位置P4に表示される画素Dを含む投射画像光とを順次形成することによって、見かけ上の解像度が高い投射画像を表示できる。
【0064】
なお、
図9に示した光路シフトの例では、±F1方向及び±F2方向は、被投射面PSにマトリクス状に表示される画素Pxの配列方向である。しかしながら、±F1方向と±F2方向とは、互いに直交する方向でなくてもよく、画素Pxの配列方向に対して傾いた方向であってもよい。このようなシフト方向であっても、±F1方向及び±F2方向への光路シフトを適宜組み合わせることによって、各位置P1,P2,P3,P4に画素Pxを移動させることができる。また、第1位置P1に対する各位置P2~P4のずれ量は、半画素に限定されず、例えば画素Pxの1/4の大きさであってもよいし、3/4の大きさであってもよい。
【0065】
[画像形成ユニットにおける高温領域とアクチュエーターとの位置関係]
図10は、青色光の入射側から見たパネルモジュール4B,4Gとアクチュエーター55,56との位置関係を示す図である。
図11は、赤色光の入射側から見たパネルモジュール4R,4Gとアクチュエーター55,56との位置関係を示す図である。
図12は、光路シフトモジュール5の光出射側から見たパネルモジュール4B,4Rとアクチュエーター55,56との位置関係を示す図である。換言すると、
図10~
図12は、上記した領域Ar1,Ar2とアクチュエーター55,56との位置関係を示す図である。なお、
図10~
図12においては、青用パネルモジュール4Bにおける+X方向、+Y方向及び+Z方向を示している。
上記のように、パネルモジュール4の動作時には、パネルモジュール4の外側で熱電変換デバイス44の側端444,445近傍の領域Ar1,Ar2の温度が上昇しやすい。一方、磁石の温度が上昇すると、磁石の磁力が弱まる減磁と呼ばれる現象が発生する。
このため、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56を安定して動作させるためには、第1磁石552,556及び第2磁石562,566を、領域Ar1,Ar2から離す必要がある。以下、青用パネルモジュール4Bが有する熱電変換デバイス44の側端444近傍の領域Ar1を領域Ar1Bとし、赤用パネルモジュール4Rが有する熱電変換デバイス44の側端445近傍の領域Ar2を領域Ar2Rとする。上記のように、青用パネルモジュール4Bの熱電変換デバイス44の側端444は、青用パネルモジュール4Bの熱電変換デバイス44における光路シフトモジュール5側の端部である。赤用パネルモジュール4Rの熱電変換デバイス44の側端444は、赤用パネルモジュール4Rの熱電変換デバイス44における光路シフトモジュール5側の端部である。
【0066】
本実施形態では、
図10~
図12に示すように、各磁石552,556,562,566は、上記領域Ar1B,Ar2Rから離れた位置に配置されている。
具体的に、
図10及び
図12に示すように、第1磁石556及び第2磁石562,566は、領域Ar1Bに対して-Y方向にずれて配置されている。上記のように、-Y方向は、各パネルモジュール4B,4G,4Rにおいて延在部425が接触部424から延在する+Y方向とは反対方向である。
更に、
図12に示すように、第1磁石556及び第2磁石562,566は、領域Ar1Bに対して赤用パネルモジュール4R側にずれて配置されている。
【0067】
同様に、
図11及び
図12に示すように、第1磁石556及び第2磁石562,566は、領域Ar2Rに対して-Y方向にずれて配置されている。更に、
図12に示すように、第1磁石556及び第2磁石562,566は、領域Ar2Rに対して青用パネルモジュール4B側にずれて配置されている。
【0068】
一方、
図10及び
図11に示すように、第1磁石552の+Y方向における位置は、領域Ar1Bの+Y方向における位置、及び、領域Ar2Rの+Y方向における位置と略一致する。
しかしながら、
図12に示すように、第1磁石552は、領域Ar1Bに対して赤用パネルモジュール4R側にずれて配置され、領域Ar2Rに対して青用パネルモジュール4B側にずれて配置されている。
【0069】
このように。各磁石552,556,562,566が領域Ar1B,Ar2Rとから離れて配置されていることによって、各磁石552,556,562,566に各パネルモジュール4B,4Rから熱的な影響が及ぶことを抑制できる。
なお、緑用パネルモジュール4Gは、光合成素子36を挟んで光路シフトモジュール5とは反対側に設けられている。このため、緑用パネルモジュール4Gから熱的な影響が各磁石552,556,562,566に及ぶことが抑制される。
従って、各磁石552,556,562,566に減磁が発生することを抑制でき、光路シフトモジュール5の動作が熱によって阻害されることを抑制できる。
【0070】
[制御装置の構成]
図13は、制御装置6の構成を示すブロック図である。
制御装置6は、プロジェクター1の動作を制御する。例えば、制御装置6は、各パネルモジュール4B,4G,4Rの液晶パネル41の温度、並びに、各アクチュエーター55,56の温度に応じて、各パネルモジュール4及び光路シフトモジュール5の動作を制御する。
制御装置6は、
図13に示すように、アクチュエーター用温度センサー61、パネル用温度センサー62、記憶部63及び制御部64を有する。
なお、以下の説明では、
図13に示すように、青用パネルモジュール4Bの液晶パネル41及び熱電変換デバイス44を、青用液晶パネル41B及び青用熱電変換デバイス44Bとする。緑用パネルモジュール4Gの液晶パネル41及び熱電変換デバイス44を、緑用液晶パネル41G及び緑用熱電変換デバイス44Gとする。赤用パネルモジュール4Rの液晶パネル41及び熱電変換デバイス44を、赤用液晶パネル41R及び赤用熱電変換デバイス44Rとする。
【0071】
[アクチュエーター用温度センサーの構成]
アクチュエーター用温度センサー61は、各アクチュエーター55,56の温度を検出する。アクチュエーター用温度センサー61は、第1温度センサー611、第2温度センサー612、第3温度センサー613及び第4温度センサー614を含む。
第1温度センサー611は、第1磁石552の温度を検出する。
第2温度センサー612は、第1磁石556の温度を検出する。
第3温度センサー613は、第2磁石562の温度を検出する。
第4温度センサー614は、第2磁石566の温度を検出する。
各温度センサー611,612,613,614は、検出した温度を制御部64に出力する。
【0072】
[パネル用温度センサーの構成]
パネル用温度センサー62は、液晶パネル41の温度を検出する。パネル用温度センサー62は、青用温度センサー62B、緑用温度センサー62G及び赤用温度センサー62Rを含む。
青用温度センサー62Bは、青用液晶パネル41Bの温度を検出する。
緑用温度センサー62Gは、緑用液晶パネル41Gの温度を検出する。
赤用温度センサー62Rは、赤用液晶パネル41Rの温度を検出する。
各温度センサー62B,62G,62Rは、検出した温度を制御部64に出力する。
【0073】
[記憶部の構成]
記憶部63は、不揮発性メモリー等の記憶手段によって構成され、プロジェクター1の制御に必要なプログラム及びデータを記憶している。例えば、記憶部63は、後述する制御処理を制御部64が実行するための制御プログラムを記憶している。また例えば、記憶部63は、制御処理にて必要な各種閾値を記憶している。
【0074】
[制御部の概略構成]
制御部64は、記憶部63を参照して、プロジェクター1の各構成の動作を制御する。制御部64は、熱電変換デバイス用制御部65、パネル制御部66及びシフト制御部67を備える。
【0075】
[熱電変換デバイス用制御部の構成]
熱電変換デバイス用制御部65は、アクチュエーター用温度センサー61及びパネル用温度センサー62によって検出された温度に基づいて、熱電変換デバイス44を制御する。
例えば、青用液晶パネル41Bの温度が適温範囲の上限値を超える場合には、熱電変換デバイス用制御部65は、青用熱電変換デバイス44Bによって青用液晶パネル41Bから吸熱する。また例えば、青用液晶パネル41Bの温度が適温範囲の下限値未満である場合には、熱電変換デバイス用制御部65は、青用熱電変換デバイス44Bによって青用液晶パネル41Bを加温する。熱電変換デバイス用制御部65による緑用熱電変換デバイス44G及び赤用熱電変換デバイス44Rの吸熱制御及び加温制御も同様である。
【0076】
また例えば、熱電変換デバイス用制御部65は、磁石552,556,562,566うち少なくとも1つの磁石の温度が第1閾値を超えている場合に、各熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させる。すなわち、熱電変換デバイス用制御部65は、アクチュエーター用温度センサー61によって検出された第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56のうち少なくとも一方の温度が所定値を超えている場合、熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させる。この場合、熱電変換デバイス44B,44G,44Rが吸熱している場合、及び、熱電変換デバイス44B,44G,44Rが加温している場合のいずれの場合でも、上記少なくとも1つの磁石の温度が第1閾値を超えていると、熱電変換デバイス用制御部65は、熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させる。
なお、上記のように、パネルモジュール4Gは、各磁石552,556,562,566に熱的な影響を及ぼさない。このため、熱電変換デバイス用制御部65は、熱電変換デバイス44B,44Rの出力を低下させる場合でも、緑用熱電変換デバイス44Gの出力を低下させなくてもよい。
【0077】
[パネル制御部の構成]
パネル制御部66は、パネル用温度センサー62によって検出された温度に基づいて、液晶パネル41B,41G,41Rの動作を制御する。
具体的に、液晶パネル41B,41G,41Rのそれぞれの温度が第2閾値以上である場合には、パネル制御部66は、高解像度モードにて各液晶パネル41B,41G,41Rを動作させる。一方、液晶パネル41B,41G,41Rのうち少なくとも1つの液晶パネル41の温度が第2閾値未満である場合には、パネル制御部66は、低解像度モードにて各液晶パネル41B,41G,41Rを動作させる。第2閾値は、例えば上記適温範囲の下限値とすることができる。
【0078】
図14は、高解像度モードでの液晶パネル41及び光路シフトモジュール5の動作を説明する図である。
高解像度モードでは、パネル制御部66は、第1パネル制御を実行する。
第1パネル制御では、パネル制御部66は、第1リフレッシュレートにて各液晶パネル41B,41G,41Rを駆動させて、上記した画素Pxが第1位置P1に表示される投射画像光G1と、画素Pxが第2位置P2に表示される投射画像光G2と、画素Pxが第3位置P3に表示される投射画像光G3と、画素Pxが第4位置P4に表示される投射画像光G4とを順次形成する。
具体的に、第1パネル制御では、パネル制御部66は、
図14に示すように、各液晶パネル41B,41G,41Rを240Hzで駆動させて、投射画像光G1,G2,G3,G4を順次形成する。すなわち、高解像度モードでは、パネル制御部66は、1/240秒ごとに投射画像光G1,G2,G3,G4を順次形成する。
【0079】
図15は、低解像度モードでの液晶パネル41及び光路シフトモジュール5の動作を説明する図である。
低解像度モードでは、パネル制御部66は、第2パネル制御を実行する。
第2パネル制御では、パネル制御部66は、第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートにて各液晶パネル41B,41G,41Rを駆動させて、投射画像光G1と、投射画像光G2,G3,G4のうちの1つの投射画像光とを順次形成する。
具体的に、第2パネル制御では、パネル制御部66は、
図15に示すように、240Hzよりも低い120Hzにて各液晶パネル41B,41G,41Rを駆動させて、投射画像光G1,G3を順次形成する。すなわち、第2パネル制御では、パネル制御部66は、1/120秒ごとに投射画像光G1,G3を順次形成する。
液晶パネル41の温度が低い場合には、液晶の応答性が低下し、液晶パネル41によって高いリフレッシュレートでの画像形成を行うことが困難となる。
これに対し、液晶パネル41の温度が低い場合には、第1パネル制御から第2パネル制御に切り替えて、液晶パネル41のリフレッシュレートを240Hzから120Hzに切り替えることによって、投射画像光G1,G3を遅滞なく形成できる。
【0080】
[シフト制御部の構成]
シフト制御部67は、パネル用温度センサー62によって検出された温度に基づいて、光路シフトモジュール5の各アクチュエーター55,56の動作を制御する。
具体的に、液晶パネル41B,41G,41Rのそれぞれの温度が第2閾値以上である場合には、シフト制御部67は、高解像度モードにて各アクチュエーター55,56を動作させる。一方、液晶パネル41B,41G,41Rのうち少なくとも1つの液晶パネル41の温度が第2閾値未満である場合には、シフト制御部67は、低解像度モードにて各アクチュエーター55,56を動作させる。
【0081】
高解像度モードでは、シフト制御部67は、第1シフト制御を実行する。
第1シフト制御では、シフト制御部67は、各アクチュエーター55,56を動作させて、投射画像光の表示位置を第1リフレッシュレートに応じた周波数にて切り替える。
具体的に、第1シフト制御では、シフト制御部67は、
図14に示すように、光路シフトモジュール5を240Hzにて動作させて、投射画像光の表示位置を位置P1,P2,P3,P4に順次切り替える。すなわち、第1シフト制御では、シフト制御部67は、光路シフトモジュール5を動作させて、第1位置P1への投射画像光G1の表示と、第2位置P2への投射画像光G2の表示と、第3位置P3への投射画像光G3の表示と、第4位置P4への投射画像光G4の表示とを1/240秒ごとに順次切り替える。詳述すると、第1シフト制御では、シフト制御部67は、光路シフトモジュール5を動作させて、投射画像光G1が形成されるタイミングにて投射画像光G1を第1位置P1に表示させ、投射画像光G2が形成されるタイミングにて投射画像光G2を第2位置P2に表示させ、投射画像光G3が形成されるタイミングにて投射画像光G3を第3位置P3に表示させ、投射画像光G4が形成されるタイミングにて投射画像光G4を第4位置P4に表示させる。
【0082】
低解像度モードでは、シフト制御部67は、第2シフト制御を実行する。
第2シフト制御では、シフト制御部67は、第1シフト制御での光路シフトモジュール5の周波数よりも低い周波数にて光路シフトモジュール5を動作させて、液晶パネル41によって形成される投射画像光を、当該投射画像光に応じた位置に表示させる。
具体的に、第2シフト制御では、シフト制御部67は、
図15に示すように、光路シフトモジュール5を120Hzにて動作させて、第1位置P1への投射画像光G1の表示と、第3位置P3への投射画像光G3の表示とを順次切り替える。すなわち、第2シフト制御では、シフト制御部67は、第1位置P1への投射画像光G1の表示と、第3位置P3への投射画像光G3の表示とを1/120秒ごとに順次切り替える。詳述すると、第2シフト制御では、シフト制御部67は、光路シフトモジュール5を動作させて、投射画像光G1が形成されるタイミングにて投射画像光G1を第1位置P1に表示させ、投射画像光G3が形成されるタイミングにて投射画像光G3を第3位置P3に表示させる。
このように、光路シフトモジュール5を動作させることによって、投射画像光が投射されて被投射面PSに表示される投射画像の見かけ上の解像度を高めることができる。この他、液晶パネル41の温度が低い場合でも、投射画像光が投射されて被投射面PSにて表示される画像の解像度を、光路シフトモジュール5が動作しない場合に比べて高くすることができる。
【0083】
[制御処理]
図16は、制御部64によって実行される制御処理を示すフローチャートである。
制御部64は、記憶部63に記憶された制御プログラムを読み出して、
図16に示す制御処理を実行する。
制御処理では、制御部64は、まず、アクチュエーター用温度センサー61によって検出された各アクチュエーター55,56の温度が第1閾値を超えているか否かを判定する(ステップS1)。具体的に、ステップS1では、制御部64は、磁石552,556,562,566のそれぞれの磁石の温度が第1閾値を超えているか否かを判定する。
【0084】
ステップS1での判定処理にて、制御部64が上記少なくとも1つの磁石の温度が第1閾値を超えていると判定すると(ステップS1:YES)、熱電変換デバイス用制御部65が熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させる(ステップS2)。
ステップS2では、上記のように、熱電変換デバイス44B,44G,44Rが液晶パネル41B,41G,41Rから吸熱している場合、及び、液晶パネル41B,41G,41Rが加温している場合のいずれの場合でも、熱電変換デバイス用制御部65は、熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させる。
このようなステップS2により、磁石552,556,562,566の温度上昇を抑制でき、磁石552,556,562,566に減磁が発生することを抑制できる。
なお、上記のように、緑用熱電変換デバイス44Gは、光路シフトモジュール5に熱的な影響を及ぼさないので、ステップS2では、熱電変換デバイス用制御部65は、緑用熱電変換デバイス44Gの出力を低下させなくてもよい。
ステップS2の後、制御部64は、処理をステップS1に戻す。
【0085】
ステップS1の判定処理にて、制御部64が、磁石552,556,562,566のそれぞれの温度が第1閾値を超えていないと判定すると(ステップS1:NO)、制御部64は、パネル用温度センサー62によって検出された各液晶パネル41B,41G,41Rの温度が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0086】
ステップS3の判定処理にて、制御部64が、液晶パネル41B,41G,41Rのそれぞれの温度が第2閾値以上であると判定すると(ステップS3:YES)、パネル制御部66は、高解像度モードにて液晶パネル41B,41G,41Rを動作させ、シフト制御部67は、高解像度モードにて光路シフトモジュール5を動作させる(ステップS4)。ステップS4の後、制御部64は、処理をステップS1に戻す。
【0087】
ステップS3の判定処理にて、制御部64が、液晶パネル41B,41G,41Rのうち少なくとも1つの液晶パネル41の温度が第2閾値未満であると判定すると(ステップS3:NO)、パネル制御部66は、低解像度モードにて液晶パネル41B,41G,41Rを動作させ、シフト制御部67は、低解像度モードにて光路シフトモジュール5を動作させる(ステップS5)。ステップS5の後、制御部64は、処理をステップS1に戻す。
【0088】
このように、制御部64によって液晶パネル41B,41G,41R、熱電変換デバイス44B,44G,44R及び光路シフトモジュール5の動作が制御されることによって、見た目の上で高解像度の投射画像光PLを投射できる他、液晶の応答性が低い場合でも、光路シフトモジュール5が動作しない場合に比べて見た目の上で高解像度の投射画像光PLを投射できる。
【0089】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を奏する。
プロジェクター1は、青用パネルモジュール4B、緑用パネルモジュール4G、赤用パネルモジュール4R、光合成素子36、投射光学モジュール37及び光路シフトモジュール5を備える。
青用パネルモジュール4Bは、青色光を変調した青色画像光を、第1軸Ax1を光軸として出射する。緑用パネルモジュール4Gは、緑色光を変調した緑色画像光を、第1軸Ax1に直交する第2軸Ax2を光軸として出射する。赤用パネルモジュール4Rは、赤色光を変調した赤色画像光を、第1軸Ax1を光軸として出射する。
例えば、青色光は第1光に相当し、緑色光は第2光に相当し、赤色光は第3光に相当する。青色画像光は第1画像光に相当し、緑色画像光は第2画像光に相当し、赤色光は第3画像光に相当する。
【0090】
光合成素子36は、青用入射面36B、緑用入射面36G、赤用入射面36R及び出射面36Sを有する。
青用入射面36Bには、青色画像光が入射する。緑用入射面36Gには、緑色画像光が入射する。赤用入射面36Rには、赤色画像光が入射する。出射面36Sは、第2軸Ax2を光軸として、青色画像光、緑色画像光及び赤色画像光を合成した合成光である投射画像光を出射する。
青用入射面36Bは、第1入射面に相当し、緑用入射面36Gは、第2入射面に相当し、赤用入射面36Rは、第3入射面に相当する。
【0091】
投射光学モジュール37は、光合成素子36から出射された投射画像光を投射する。
光路シフトモジュール5は、光合成素子36から投射光学モジュール37に入射する投射画像光の光路をシフトする。光路シフトモジュール5は、光路変更部材51、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56を備える。
光路変更部材51は、光合成素子36と投射光学モジュール37との間の光路に配置されている。
第1アクチュエーター55は、第1磁石552及び第1コイル553を有する第1駆動部551と、第1磁石556及び第1コイル557を有する第2駆動部555と、を有する。第1アクチュエーター55は、第1軸Ax1に沿う第1揺動軸Rx1を中心に光路変更部材51を揺動させる。
第2アクチュエーター56は、第2磁石562及び第2コイル563を有する第1駆動部561と、第2磁石566及び第2コイル567を有する第2駆動部565と、を有する。第2アクチュエーター56は、第1軸Ax1及び第2軸Ax2のそれぞれに直交する第3軸に沿う第2揺動軸Rx2を中心に光路変更部材51を揺動させる。なお、第3軸は、+Y方向に沿う軸である。
【0092】
青用パネルモジュール4Bは、青用液晶パネル41B、熱拡散器42、青用熱電変換デバイス44B及び冷却器45を含む。
青用液晶パネル41Bは、青色画像光を出射する。
青用パネルモジュール4Bの熱拡散器42は、青用液晶パネル41Bから第3軸に沿って延在する。熱拡散器42は、青用液晶パネル41Bとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する。
青用熱電変換デバイス44Bは、青用パネルモジュール4Bの熱拡散器42との間で熱を伝達する。
青用パネルモジュール4Bの冷却器45は、熱拡散器42との間に青用熱電変換デバイス44Bを挟み、青用熱電変換デバイス44Bとの間で熱を伝達する。
第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56のそれぞれは、青用熱電変換デバイス44Bにおける+X方向の側端444から離れた位置に配置されている。すなわち、各アクチュエーター55,56の磁石552,556,562,566は、領域Ar1Bから離れた位置に配置されている。
【0093】
このような構成によれば、青用熱電変換デバイス44Bにおいて熱拡散器42と接触する面が発熱面となった場合、青用熱電変換デバイス44Bにて発生した熱は、熱拡散器42に伝達された後、熱拡散器42の内部にて拡散され、青用液晶パネル41Bに伝達される。このため、青用液晶パネル41Bの温度が低い場合に、青用液晶パネル41Bを加温できる。
一方、青用液晶パネル41Bにて発生した熱は、熱拡散器42に放熱された後、熱拡散器42の内部にて拡散される。このとき、青用熱電変換デバイス44Bが、熱拡散器42の熱を吸熱し、吸熱した熱を冷却器45に放熱することによって、青用液晶パネル41Bにて発生した熱を速やかに冷却器45に放熱できる。このため、青用液晶パネル41Bの温度が高い場合に、青用液晶パネル41Bを冷却できる。
このように、青用熱電変換デバイス44Bを用いることによって、青用液晶パネル41Bの温度を短時間で適切な温度に調節ができるので、青用液晶パネル41Bの応答性を短時間で良好な状態に維持できる。従って、第1揺動軸Rx1及び第2揺動軸Rx2のそれぞれに対して光路変更部材51を揺動させて、投射画像光に含まれる複数の画素の位置をシフトさせる光路シフトモジュール5による高速の画素シフトに対応できる。
【0094】
また、青用熱電変換デバイス44Bが比較的高い熱を発生しても、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56は、青用熱電変換デバイス44Bにおける光路シフトモジュール5側の側端444から離れた位置に配置される。これにより、青用熱電変換デバイス44Bによって輸送される熱が各アクチュエーター55,56の磁石552,556,562,566に影響を及ぼすことを抑制できる。従って、各アクチュエーター55,56の性能が熱によって低下することを抑制できる。
このように、青用液晶パネル41Bの液晶の応答性と、光路シフトモジュール5が有する各アクチュエーター55,56の動作性能とを良好な状態に維持できるので、画質が良く、かつ、疑似的解像度が高い画像を投射できる。
【0095】
プロジェクター1では、赤用パネルモジュール4Rは、第3パネルモジュールに相当する。赤用パネルモジュール4Rは、赤用液晶パネル41R、熱拡散器42、赤用熱電変換デバイス44R及び冷却器45を含む。
赤用液晶パネル41Rは、第3画像光である赤用画像光を出射する。赤用液晶パネル41Rは、第3光用液晶パネルに相当する。
赤用パネルモジュール4Rの熱拡散器42は、赤用液晶パネル41Rから第3軸に沿って延在し、赤用液晶パネル41Rとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する。
赤用熱電変換デバイス44Rは、赤用パネルモジュール4Rの熱拡散器42との間で熱を伝達する。
赤用パネルモジュール4Rの冷却器45は、赤用パネルモジュール4Rの熱拡散器42との間に赤用熱電変換デバイス44Rを挟み、赤用熱電変換デバイス44Rとの間で熱を伝達する。
第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56のそれぞれは、赤用熱電変換デバイス44Rにおける光路シフトモジュール5側の側端445から離れた位置に配置されている。すなわち、各アクチュエーター55,56の磁石552,556,562,566は、領域Ar2Rから離れた位置に配置されている。
【0096】
このような構成によれば、青用熱電変換デバイス44Bでの場合と同様に、赤用熱電変換デバイス44Rによって輸送される熱が、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56に影響を及ぼすことを抑制できる。従って、赤用熱電変換デバイス44Rによって輸送される熱によって各アクチュエーター55,56の性能が低下することを抑制できる。
【0097】
プロジェクター1では、第1アクチュエーター55は、第2揺動軸Rx2上に配置されている。
ここで、上記のように、第2揺動軸Rx2は、第1軸Ax1及び第2軸Ax2のそれぞれに直交する第3軸に沿う揺動軸である。このため、第1アクチュエーター55は、青用パネルモジュール4Bと赤用パネルモジュール4Rから離間した位置に配置される。従って、各アクチュエーター55,56に対して、青用熱電変換デバイス44B及び赤用熱電変換デバイス44Rによる熱の影響は抑制できる。
【0098】
プロジェクター1では、光路シフトモジュール5は、第1可動部52、第2可動部53及びベース54を備える。
第1可動部52は、光路変更部材51を保持する。
第2可動部53は、第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能に第1可動部52を保持する。
ベース54は、第2揺動軸Rx2を中心に揺動可能に第2可動部53を保持する。
第1アクチュエーター55は、光路シフトモジュール5の光出射側から見て、第2揺動軸Rx2上で、かつ、第1可動部52と第2可動部53との間に配置された第1駆動部551及び第2駆動部555を備える。第1アクチュエーター55は、第1揺動軸Rx1を中心に第1可動部52を揺動させる。
第2アクチュエーター56は、光路シフトモジュール5の光出射側から見て、第1揺動軸Rx1に対して-Y方向で第2可動部53とベース54との間に配置された第1駆動部561及び第2駆動部565を備える。第2アクチュエーター56は、第2揺動軸Rx2を中心に第2可動部53を揺動させる。
【0099】
このような構成によれば、上記のように配置された第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56によって、第1揺動軸Rx1及び第2揺動軸Rx2のそれぞれを中心に光路変更部材51を揺動させることができる。これにより、投射画像光に含まれる複数の画素を複数の位置にシフトさせることができる。
また、領域Ar1B,Ar2Rから離れた位置に各アクチュエーター55,56を配置できる。従って、各アクチュエーター55,56の性能が熱によって低下することを抑制できる。
【0100】
プロジェクター1は、青用液晶パネル41Bの温度を検出するパネル用温度センサー62と、光路シフトモジュール5を制御するシフト制御部67と、を備える。
シフト制御部67は、パネル用温度センサー62によって検出された青用液晶パネル41Bの温度が第2閾値未満である場合、光合成素子36から出射された投射画像光に含まれる画素Pxの位置を第1位置P1から複数のシフト位置である位置P2,P3,P4に順次シフトさせる第1シフト制御から、画素Pxの位置を第1位置P1と第3位置P3とに順次シフトさせる第2シフト制御に切り替える。
【0101】
ここで、青用液晶パネル41Bの温度が低い場合には、青用液晶パネル41Bの応答性が低下するため、青用液晶パネル41Bは、高いリフレッシュレートで画像形成を行うことができない。
これに対し、青用液晶パネル41Bの温度が低く、青用液晶パネル41Bの応答性が低い場合には、シフト制御部67は、第1シフト制御から第2シフト制御に切り替える。このように第1揺動軸Rx1及び第2揺動軸Rx2の2軸の画素シフトを疑似的な1軸シフトに切り替えることで、青用液晶パネル41Bによって低リフレッシュレートで画像形成を行っても、画質の低下を抑制できる。
一方、青用液晶パネル41Bの温度が適温になれば、第2シフト制御から第1シフト制御に戻すことも可能である。このため、青用液晶パネル41Bの温度に応じて、画質の低下を抑制しつつ、青用液晶パネル41B及び光路シフトモジュール5を動作させることができる。
【0102】
プロジェクター1は、青用液晶パネル41Bを制御するパネル制御部66を備える。
パネル制御部66は、パネル用温度センサー62によって検出された青用液晶パネル41Bの温度が第2閾値未満である場合、第1位置P1に投射される投射画像光G1と、第2位置P2に投射される投射画像光G2と、第3位置P3に投射される投射画像光G3と、第4位置P4に投射される投射画像光G4とを第1リフレッシュレートにて順次形成する第1パネル制御から、投射画像光G1と投射画像光G3とを第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートにて順次形成する第2パネル制御に切り替える。
青用液晶パネル41Bの制御について言えば、パネル制御部66は、青用液晶パネル41Bの温度が第2閾値未満である場合、第1位置P1に投射される青色画像光と、位置P2,P3,P4のそれぞれに投射される青色画像光とを第1リフレッシュレートにて順次形成する第1パネル制御から、第1位置P1に投射される第1画像光と第3位置P3に投射される第1画像光とを第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートにて順次形成する第2パネル制御に切り替える。上記のように、青色画像光は、第1画像光に相当する。
【0103】
このような構成によれば、パネル制御部66が、第1パネル制御を実行することによって、各位置に投射される第1画像光を高リフレッシュレートにて形成できる。
一方、パネル制御部66が、第2パネル制御を実行することによって、低リフレッシュレートで第1位置に投射される第1画像光と上記1つのシフト位置に投射される第1画像光とを順次形成できる。このため、液晶の応答性が低い場合でも、画質の低下を抑制しつつ、画像投射を継続できる。
【0104】
プロジェクター1では、光路シフトモジュール5によって画素Pxがシフトされる複数のシフト位置は、第2位置P2、第3位置P3及び第4位置P4を含む。
第2位置P2は、第1位置P1に対して+F1方向に設定されている。
第3位置P3は、第2位置P2に対して+F1方向に直交する+F2方向に設定されている。
第4位置P4は、第1位置P1に対して+F2方向に設定されている。
+F1方向は、第1方向に相当し、+F2方向は、第2方向に相当する。
パネル制御部66は、第1パネル制御では、第1位置P1に投射される投射画像光G1と、第2位置P2に投射される投射画像光G2と、第3位置P3に投射される投射画像光G3と、第4位置P4に投射される投射画像光G4とを第1リフレッシュレートにて順次形成する。
パネル制御部66は、第2パネル制御では、第1位置P1に投射される投射画像光G1と、第3位置P3に投射される投射画像光G3とを、第2リフレッシュレートにて順次形成する。
【0105】
青用液晶パネル41Bの制御について言えば、パネル制御部66は、第1パネル制御では、第1位置P1に投射される青色画像光と、第2位置P2に投射される青色画像光と、第3位置P3に投射される青色画像光と、第4位置P4に投射される青色画像光とを第1リフレッシュレートにて順次形成する。また、パネル制御部66は、第2パネル制御では、第1位置P1に投射される青色画像光と、第3位置P3に投射される青色画像光とを、第2リフレッシュレートにて順次形成する。
【0106】
第2リフレッシュレートは、第1リフレッシュレートの1/2である。
シフト制御部67は、第2シフト制御では、第1位置P1に投射される投射画像光G1が形成されるタイミングにて投射画像光G1を第1位置P1にシフトさせ、第3位置P3に投射される投射画像光G3が形成されるタイミングにて投射画像光G3を第3位置P3にシフトさせる。
すなわち、シフト制御部67は、第2シフト制御では、第1位置P1に投射される青色画像光が形成されるタイミングにて投射画像光G1を第1位置P1にシフトさせ、第3位置P3に投射される青色画像光が形成されるタイミングにて投射画像光G3を第3位置P3にシフトさせる。
【0107】
このような構成によれば、青用液晶パネル41Bの温度が第2閾値以上である場合には、光路シフトモジュール5が動作しない場合に比べて、4倍の解像度を有する高解像度の画像を表示できる。なお、緑用液晶パネル41G及び赤用液晶パネル41Rのそれぞれの温度が第2閾値以上である場合も同様である。
一方、青用液晶パネル41Bの温度が第2閾値未満である場合には、投射画像光G1と投射画像光G3とが交互に投射される。このときの青用液晶パネル41Bのリフレッシュレートは、第1パネル制御の実行時の第1リフレッシュレートの1/2である第2リフレッシュレートである。このため、青用液晶パネル41Bの応答性が低い場合でも、青用液晶パネル41Bのリフレッシュレートを低くすることによって、第1位置P1と第3位置P3とに投射画像光を順次投射できる。従って、投射画像の画質低下を抑制しつつ、画像投射を維持できる。なお、緑用液晶パネル41G及び赤用液晶パネル41Rのうち少なくとも一方の温度が第2閾値未満である場合も同様である。
【0108】
プロジェクター1では、緑用パネルモジュール4Gは、緑色画像光を出射する緑用液晶パネル41Gを有する。緑色画像光は、第2画像光に相当し、緑用液晶パネル41Gは、第2光用液晶パネルに相当する。
赤用パネルモジュール4Rは、赤色画像光を出射する赤用液晶パネル41Rを有する。赤色画像光は、第3画像光に相当し、赤用液晶パネル41Rは、第3光用液晶パネルに相当する。
パネル用温度センサー62は、青用温度センサー62B、緑用温度センサー62G及び赤用温度センサー62Rを含む。
青用温度センサー62Bは、第1パネル用センサーに相当し、青用液晶パネル41Bの温度を検出する。
緑用温度センサー62Gは、第2パネル用センサーに相当し、緑用液晶パネル41Gの温度を検出する。
赤用温度センサー62Rは、第3パネル用センサーに相当し、赤用液晶パネル41Rの温度を検出する。
青用液晶パネル41Bの温度、緑用液晶パネル41Gの温度、及び、赤用液晶パネル41Rの温度のうち、少なくとも1つの温度が第2閾値未満である場合に、シフト制御部67は、第2シフト制御にて光路シフトモジュール5を動作させる。また、当該少なくとも1つの温度が第2閾値未満である場合に、パネル制御部66は、第2パネル制御にて青用液晶パネル41B、緑用液晶パネル41G及び前記第3光用液晶パネルのそれぞれを動作させる。
【0109】
このような構成によれば、青用液晶パネル41Bの温度、緑用液晶パネル41Gの温度及び赤用液晶パネル41Rの温度のそれぞれが第2閾値以上である場合には、シフト制御部67は、第1シフト制御を実行し、パネル制御部は、第1パネル制御を実行する。
一方、液晶パネル41B,41G,41Rのうち、少なくとも1つの液晶パネル41の温度が第2閾値未満である場合には、シフト制御部67は、第2シフト制御を実施し、パネル制御部66は、第2パネル制御を実行する。
このため、各液晶パネル41B,41G,41Rの応答性に応じて、各液晶パネル41B,41G,41R及び光路シフトモジュール5を動作させることができる。
【0110】
プロジェクター1は、第1アクチュエーター55の温度及び第2アクチュエーター56の温度を検出するアクチュエーター用温度センサー61と、青用熱電変換デバイス44Bを制御する熱電変換デバイス用制御部65と、を備える。
熱電変換デバイス用制御部65は、検出された第1アクチュエーター55の温度及び第2アクチュエーター56の温度のうち少なくとも一方の温度が第1閾値を超える場合、青用熱電変換デバイス44Bの出力を低下させる。第1閾値は、所定値に相当する。
【0111】
ここで、第1アクチュエーター55は、第1磁石552及び第1コイル553を有する第1駆動部551と、第1磁石556及び第1コイル557を有する第2駆動部555と、を備える。このため、第1アクチュエーター55の温度が高くなって第1磁石552,556の温度が高くなると、第1磁石552,556に減磁が発生する。第2磁石562,566及び第2コイル563,567を有する第2アクチュエーター56も同様である。
これに対し、第1アクチュエーター55の温度及び第2アクチュエーター56の温度のうち少なくとも一方の温度が第1閾値を超える場合に、熱電変換デバイス用制御部65は、熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させる。青用熱電変換デバイス44Bについて言えば、上記少なくとも一方の温度が第1閾値を超える場合に、熱電変換デバイス用制御部65は、青用熱電変換デバイス44Bの出力を低下させる。これにより、各アクチュエーター55,56の更なる温度上昇を抑制できる。従って、各アクチュエーター55,56の性能が低下することを抑制できる。
【0112】
[第1実施形態の第1変形例]
上記した第1実施形態に係る光路シフトモジュール5が備える第1アクチュエーター55は、第1揺動軸Rx1に対して+Y方向に配置された第1駆動部551と、第1揺動軸Rx1に対して-Y方向に配置された第2駆動部555と、を備えるとした。上記のように、+Y方向は、接触部424から延在部425が延在する方向であり、-Y方向は、+Y方向の反対方向である。
しかしながら、これに限らず、光路シフトモジュール5の第1アクチュエーター55は、第1駆動部551及び第2駆動部555のうち一方の駆動部を備えなくてもよい。
例えば、第1アクチュエーター55は、第1磁石552及び第1コイル553を有する第1駆動部551を備えず、第1揺動軸Rx1に対して-Y方向に配置された第2駆動部555を備える構成としてもよい。この場合、上記した領域Ar1B,Ar2Rから、光路シフトモジュール5が備える磁石556,562,566を確実に離すことができる。従って、磁石556,562,566に減磁が発生することを抑制できる。
【0113】
このようなプロジェクター1では、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56のそれぞれは、第1揺動軸Rx1に対して、熱拡散器42の延在部425が接触部424から延在する+Y方向とは反対方向に配置されている。
このような構成によれば、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56を青用熱電変換デバイス44Bから一層離れた位置に配置できる。従って、各アクチュエーター55,56の性能が熱によって低下することを抑制できる。
【0114】
[第1実施形態の第2変形例]
上記した第1実施形態に係るパネルモジュール4は、ヒートシンクである冷却器45を備えるとした。しかしながら、これに限らず、冷却器45は、液体冷媒が内部を流通可能に構成され、冷却器45に伝達された熱を液体冷媒に放熱する冷却器であってもよい。
【0115】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の構成を備えるが、光路シフトモジュールの構成が異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0116】
[プロジェクターの概略構成]
図17は、本実施形態に係るプロジェクターが備える画像形成ユニット33Aを示す斜視図である。詳述すると、
図17は、青色光の入射側で、投射画像光の出射側から見た画像形成ユニット33Aを示す斜視図である。なお、
図17においては、青用パネルモジュール4Bにおける+X方向、+Y方向及び+Z方向を示している。
本実施形態に係るプロジェクターは、画像形成ユニット33に代えて、
図17に示す画像形成ユニット33Aを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の構成及び機能を備える。
画像形成ユニット33Aは、画像形成ユニット33と同様に、入射する青色光、緑色光及び赤色光を変調し、変調した色光を合成して投射画像光を形成し、形成した投射画像光を投射光学モジュール37に出射する。画像形成ユニット33Aは、光路シフトモジュール5に代えて光路シフトモジュール7を備える他は、画像形成ユニット33と同様の構成及び機能を備える。すなわち、画像形成ユニット33Aは、フィールドレンズ34、光変調モジュール35、光合成素子36及び光路シフトモジュール7を備える。
【0117】
[光路シフトモジュールの構成]
図18は、光出射側から見た光路シフトモジュール7を示す図である。
光路シフトモジュール7は、光路シフトモジュール5と同様に、制御装置6による制御の下、光合成素子36と投射光学モジュール37との間の光路に配置され、光合成素子36から出射された投射画像光の光路をシフトさせる。光路シフトモジュール7は、
図18に示すように、第1可動部52、第2可動部53及びベース54に代えて、第1可動部72、第2可動部73及びベース74を備える他は、光路シフトモジュール5と同様の構成及び機能を備える。すなわち、光路シフトモジュール7は、光路変更部材51、第1可動部72、第2可動部73、ベース74、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56を備える。
【0118】
なお、
図18では、画像形成ユニット33Aにおいて光路シフトモジュール5と組み合わされるパネルモジュール4Bの+X方向、+Y方向及び+Z方向を示している。具体的に、
図18の図面視で、+X方向は、紙面に垂直で紙面から離れる方向であり、+Y方向は、上方向であり、+Z方向は、左方向である。また、青用パネルモジュール4B及び赤用パネルモジュール4Rの光軸に沿う揺動軸を第1揺動軸Rx1とし、パネルモジュール4B,4Rの光軸と緑用パネルモジュール4Gの光軸とのそれぞれに直交する揺動軸を第2揺動軸Rx2とする。第1揺動軸Rx1は、Z軸に沿う軸であり、第2揺動軸Rx2は、Y軸に沿う軸である。
【0119】
[第1可動部の構成]
第1可動部72は、矩形枠状に形成されており、光路変更部材51を保持する他、第1アクチュエーター55の第1磁石552,556を保持する。第1可動部72は、第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能に第2可動部53に支持される。第1可動部72は、軸部522に代えて連結部722を備える他は、第1可動部52と同様の構成及び機能を有する。すなわち、第1可動部72は、枠部521と、第1磁石552,556が固定される固定部523と、連結部722と、を有する。
連結部722は、第2可動部73と連結される部分である。連結部722は、枠部721の外周部分から+Z方向に突出する連結部7221と、枠部521の外周部分から-Z方向に突出する連結部7222と、を含む。連結部7221,7222が撓むことによって、第1可動部72は、第2可動部73に対して第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能となる。なお、連結部7221,7222は、第1揺動軸Rx1上に配置されている。
【0120】
[第2可動部の構成]
第2可動部73は、第1可動部72を第1揺動軸Rx1に対して揺動可能に保持する他、第1アクチュエーター55の第1コイル553,557及び第2アクチュエーター56の第2磁石562,566を保持する。第2可動部73は、枠部731、開口部732、揺動支持部733、支持部734、軸部735及び固定部736を有する。
枠部731は、光出射側から見て略八角形の枠状に形成されている。枠部731の中央には、開口部732が設けられている。
開口部732は、投射画像光が通過する+X方向に沿って枠部731を貫通している。開口部732の内部には、第1可動部72が配置される。
揺動支持部733は、開口部732における+Z方向の内縁に設けられた揺動支持部7331と、開口部732における-Z方向の内縁に設けられた揺動支持部7332と、を含む。揺動支持部7331には、連結部7221が連結され、揺動支持部7332には、連結部7222が連結される。これにより、第1可動部72が第2可動部73によって支持される。
【0121】
支持部734は、開口部732における+Y方向の内縁に設けられた支持部7341と、開口部732における-Y方向の内縁に設けられた支持部7342と、を含む。支持部7341は、第1コイル553を支持し、支持部7342は、第1コイル557を支持する。
軸部735は、枠部731の外周部分から+Y方向に突出する軸部7351と、枠部731の外周部分から-Y方向に突出する軸部7352と、を含む。軸部7351,7352は、ベース74に支持され、これにより、第2可動部73は、ベース74によって第2揺動軸Rx2を中心に揺動可能に支持される。なお、軸部7351の中心軸の延長線と、軸部7352の中心軸の延長線とは一致し、軸部7351,7352の中心軸の延長線が第2揺動軸Rx2である。
【0122】
固定部736は、枠部731の外周部分から+Z方向に突出する固定部7361と、枠部731の外周部分から-Z方向に突出する固定部7362と、を含む。固定部7361には、第2磁石562が固定され、固定部7362には、第2磁石566が固定される。固定部7361,7362は、各磁石562,566に対するヨークとして機能する。
【0123】
[ベースの構成]
ベース74は、光路シフトモジュール7の光出射側から見て略矩形状に形成された枠体である。ベース74は、第2揺動軸Rx2を中心に揺動可能に第2可動部73を保持する他、第2アクチュエーター56の第2コイル563,567を保持する。
ベース74は、投射画像光が通過する開口部741を有する。開口部741は、第2可動部73の外形に応じた形状に形成されており、開口部741の内部には、第2可動部73が配置される。
【0124】
ベース74は、回転支持部744及び支持部745を更に有する。
回転支持部744は、開口部741における+Y方向の内縁に設けられた回転支持部7441と、開口部741における-Y方向の内縁に設けられた回転支持部7442と、を含む。回転支持部7441は、軸部7351を回転可能に支持し、回転支持部7442は、軸部7352を回転可能に支持する。これにより、第2可動部73が第2揺動軸Rx2を中心に揺動可能に支持される。
支持部745は、開口部741における+Z方向の内縁に設けられた支持部7451と、開口部741における-Z方向の内縁に設けられた支持部7452と、を含む。支持部7451は、第2コイル563を支持し、支持部7452は、第2コイル567を支持する。
【0125】
[第1アクチュエーターの構成]
光路シフトモジュール7では、第1アクチュエーター55は、第1可動部72を揺動させることによって、第1揺動軸Rx1を中心に光路変更部材51を揺動させる。
第1アクチュエーター55が備える第1駆動部551及び第2駆動部555のうち、第1駆動部551は、第2揺動軸Rx2上の位置で、かつ、第1揺動軸Rx1に対して+Y方向に配置され、第2駆動部555は、第2揺動軸Rx2上の位置で、かつ、第1揺動軸Rx1に対して-Y方向に配置されている。すなわち、光路シフトモジュール7においても、第1アクチュエーター55は、第2揺動軸Rx2上の位置に配置される。
第1駆動部551は、第1可動部72の固定部5231に固定された第1磁石552と、第2可動部73に支持された第1コイル553と、を有する。
第2駆動部555は、第1可動部72の固定部5232に固定された第1磁石556と、第2可動部73に支持された第1コイル557と、を有する。
【0126】
[第2アクチュエーターの構成]
光路シフトモジュール7では、第2アクチュエーター56は、第2可動部73を揺動させることによって、第2揺動軸Rx2を中心に光路変更部材51を揺動させる。
第2アクチュエーター56が備える第1駆動部561及び第2駆動部565のうち、第1駆動部561は、第1揺動軸Rx1上の位置で、かつ、第2揺動軸Rx2に対して+Z方向に配置され、第2駆動部565は、第1揺動軸Rx1上の位置で、かつ、第2揺動軸Rx2に対して-Z方向に配置されている。すなわち、光路シフトモジュール7では、第2アクチュエーター56は、第1揺動軸Rx1上の位置に配置される。
第1駆動部561は、第2可動部73に固定された第2磁石562と、ベース74に支持された第2コイル563と、を有する。
第2駆動部565は、第2可動部73に固定された第2磁石566と、ベース74に支持された第2コイル567と、を有する。
【0127】
[各アクチュエーターの配置]
図19は、光路シフトモジュール7の光出射側から見たパネルモジュール4B,4Rと各アクチュエーター55,56との位置関係を示す図である。換言すると、
図19は、領域Ar1B,Ar2Rと各アクチュエーター55,56との位置関係を示す図である。なお、
図19においては、青用パネルモジュール4Bにおける+X方向、+Y方向及び+Z方向を示している。
本実施形態においても、各磁石552,556,562,566は、
図19に示すように、領域Ar1B,Ar2Rから離れた位置に配置されている。
【0128】
具体的に、第1磁石552は、領域Ar1Bに対して-Y方向に離れた位置に配置され、領域Ar2Rに対して-Y方向かつ-Z方向に離れた位置に配置されている。
第1磁石556は、領域Ar1Bに対して-Y方向かつ+Z方向に離れた位置に配置され、領域Ar2Rに対して-Y方向に離れた位置に配置されている。
第2磁石562は、領域Ar1Bに対して+Z方向に離れた位置に配置され、領域Ar2Rに対して-Z方向に離れた位置に配置されている。
第2磁石566は、領域Ar1Bに対して-Y方向かつ+Z方向に離れた位置に配置され、領域Ar2Rに対して-Y方向かつ-Z方向に離れた位置に配置されている。
上記のように、-Y方向は、接触部424から延在部425が延在する方向とは反対方向である。
【0129】
このように。各磁石552,556,562,566が領域Ar1B,Ar2Rから離れて配置されていることによって、各磁石552,556,562,566に各熱電変換デバイス44B,44Rから熱的な影響が及ぶことを抑制できる。なお、第1実施形態と同様に、緑用パネルモジュール4Gは、光合成素子36を挟んで光路シフトモジュール5とは反対側に設けられている。このため、緑用熱電変換デバイス44Gから熱的な影響が各磁石552,556,562,566に及ぶことを抑制できる。
従って、各磁石552,556,562,566に熱による減磁が発生することを抑制でき、光路シフトモジュール5の動作が熱によって阻害されることを抑制できる。
【0130】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
光路シフトモジュール7は、第1可動部72、第2可動部73及びベース74を備える。
第1可動部72は、光路変更部材51を保持する。
第2可動部73は、第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能に第1可動部72を保持する。
ベース74は、第2揺動軸Rx2を中心に揺動可能に第2可動部73を保持する。
第1アクチュエーター55は、光路シフトモジュール7の光出射側から見て、第2揺動軸Rx2上で、かつ、第1可動部72と第2可動部73との間に配置されている。第1アクチュエーター55は、第1揺動軸Rx1を中心に第1可動部72を揺動させる。
第2アクチュエーター56は、第1揺動軸Rx1上で、かつ、第2可動部73とベース74との間に配置されている。第2アクチュエーター56は、第2揺動軸Rx2を中心に第2可動部73を揺動させる。
【0131】
このような構成によれば、第1実施形態に係る光路シフトモジュール5と同様に、各アクチュエーター55,56によって、第1揺動軸Rx1及び第2揺動軸Rx2のそれぞれを中心に光路変更部材51を揺動させることができる。これにより、投射画像光に含まれる複数の画素を複数の位置にシフトさせることができる。
また、青用熱電変換デバイス44Bの側端444に対応する領域Ar1Bから離れた位置に各アクチュエーター55,56を配置でき、赤用熱電変換デバイス44Rの側端445に対応する領域Ar2Rから離れた位置に各アクチュエーター55,56を配置できる。従って、アクチュエーター55,56の性能が熱によって低下することを抑制できる。
【0132】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、各パネルモジュール4B,4G,4Rは、同じ構成を有するとした。すなわち、各パネルモジュール4B,4G,4Rは、液晶パネル41、熱拡散器42、保持部材43、熱電変換デバイス44及び冷却器45を備えるとした。しかしながら、これに限らず、パネルモジュール4B,4G,4Rのうち、少なくとも1つのパネルモジュールの構成は、他のパネルモジュールの構成と異なっていてもよい。
例えば、パネルモジュール4B,4Gは、液晶パネル41、熱拡散器42、保持部材43、熱電変換デバイス44及び冷却器45を備え、赤用パネルモジュール4Rは、熱拡散器42及び熱電変換デバイス44のうち少なくとも1つを備えなくてもよい。また、保持部材43は無くてもよい。
【0133】
上記各実施形態では、第1アクチュエーター55は、第1駆動部551及び第2駆動部555を備え、第2アクチュエーター56は、第1駆動部561及び第2駆動部565を備えるとした。しかしながら、これに限らず、上記のように、第1アクチュエーター55は、第1駆動部551及び第2駆動部555のうち一方の駆動部を備えていればよく、第2アクチュエーター56は、第1駆動部561及び第2駆動部565のうち一方の駆動部を備えていればよい。
【0134】
上記各実施形態では、第1磁石552,556及び第2磁石562,566は、青用パネルモジュール4Bの外側の領域で、かつ、青用熱電変換デバイス44Bにおける光路シフトモジュール5,7側の端部である側端444に応じた領域Ar1Bから離れた位置に配置されているとした。しかしながら、第1磁石552,556及び第2磁石562,566は、青用熱電変換デバイス44Bの側端444から離れていればよい。このため、当該側端444から離れていれば、磁石の少なくとも一部が領域Ar1Bに配置されていてもよい。
同様に、第1磁石552,556及び第2磁石562,566は、赤用パネルモジュール4Rの外側の領域で、かつ、赤用熱電変換デバイス44Rにおける光路シフトモジュール5,7側の端部である側端445に応じた領域Ar2Rから離れた位置に配置されているとした。しかしながら、第1磁石552,556及び第2磁石562,566は、赤用熱電変換デバイス44Rの側端445から離れていればよい。このため、当該側端445から離れていれば、磁石の少なくとも一部が領域Ar2Rに配置されていてもよい。
更に、第1磁石552,556及び第2磁石562,566が側端444,445から離れる方向は、上記に限定されない。
【0135】
上記各実施形態では、第1アクチュエーター55は、第2揺動軸Rx2上に配置されているとした。しかしながら、これに限らず、第1アクチュエーター55は、第2揺動軸Rx2からずれて配置されていてもよい。例えば、第1アクチュエーター55は、第2揺動軸Rx2に対して投射画像光の出射側にずれていてもよく、投射画像光の入射側にずれていてもよい。更に、第1アクチュエーター55は、第2揺動軸Rx2に対して青用パネルモジュール4B側にずれていてもよく、赤用パネルモジュール4R側にずれていてもよい。
【0136】
上記各実施形態では、パネル用温度センサー62は、青用液晶パネル41Bの温度を検出する青用温度センサー62Bと、緑用液晶パネル41Gの温度を検出する緑用温度センサー62Gと、赤用液晶パネル41Rの温度を検出する赤用温度センサー62Rと、を含むとした。しかしながら、これに限らず、温度センサー62B,62G,62Rのうち、少なくとも1つの温度センサーは、無くてもよい。例えば、パネル用温度センサー62は、青用温度センサー62Bのみ備えていてもよい。
【0137】
上記各実施形態では、シフト制御部67は、液晶パネル41B,41G,41Rの温度に基づいて、第1シフト制御及び第2シフト制御のうち一方のシフト制御を実行するとした。しかしながら、これに限らず、シフト制御部67は、例えば青用液晶パネル41Bの温度のみに基づいて、一方のシフト制御を実行してもよい。
また、シフト制御部67は、液晶パネル41B,41G,41Rの温度に関わらず、第1シフト制御及び第2シフト制御のうち一方のシフト制御を実行してもよい。
更に、第2シフト制御では、シフト制御部67は、第1位置P1と第3位置P3とに投射画像光が投射されるように、投射画像光の光路をシフトさせるとした。しかしながら、これに限らず、シフト制御部67は、第1位置P1と第2位置P2又は第4位置P4とに投射画像光が投射されるように、投射画像光の光路をシフトさせてもよい。すなわち、シフト制御部67は、位置P1~P4のうち2つの位置に投射画像光が投射されるように、投射画像光の光路をシフトさせてもよい。
【0138】
上記各実施形態では、パネル制御部66は、液晶パネル41B,41G,41Rの温度に基づいて、第1パネル制御及び第2パネル制御のうち一方のシフト制御を実行するとした。しかしながら、これに限らず、パネル制御部66は、例えば青用液晶パネル41Bの温度のみに基づいて、一方のパネル制御を実行してもよい。
また、パネル制御部66は、液晶パネル41B,41G,41Rの温度に関わらず、第1パネル制御及び第2パネル制御のうち一方のパネル制御を実行してもよい。
【0139】
上記各実施形態では、パネル制御部66は、第1パネル制御において各液晶パネル41B,41G,41Rのリフレッシュレートを240Hzとし、第2パネル制御において各液晶パネル41B,41G,41Rのリフレッシュレートを120Hzとした。しかしながら、第1パネル制御における各液晶パネル41B,41G,41Rのリフレッシュレートは240Hzに限らず、他の周波数でもよい。同様に、第2パネル制御における各液晶パネル41B,41G,41Rのリフレッシュレートは120Hzに限らず、他の周波数でもよい。すなわち、第2パネル制御における各液晶パネル41B,41G,41Rのリフレッシュレートは、第1パネル制御における各液晶パネル41B,41G,41Rのリフレッシュレートよりも低ければよい。
【0140】
上記各実施形態では、第1アクチュエーター55の温度及び第2アクチュエーター56の温度を検出するアクチュエーター用温度センサー61は、第1磁石552の温度を検出する第1温度センサー611と、第1磁石556の温度を検出する第2温度センサー612と、第2磁石562の温度を検出する第3温度センサー613と、第2磁石566の温度を検出する第4温度センサー614と、を含むとした。しかしながら、これに限らず、アクチュエーター用温度センサー61は、第1磁石552,556のうち、領域Ar1B,Ar2Rに近い磁石の温度を検出する温度センサーと、第2磁石562,566のうち、領域Ar1B,Ar2Rに近い磁石の温度を検出する温度センサーと、を含むものであってもよい。また、アクチュエーター用温度センサー61は、磁石552,556,562,566のうち、領域Ar1B,Ar2Rに最も近い磁石の温度を検出する温度センサーのみを含むものであってもよい。更に、アクチュエーター用温度センサー61は、無くてもよい。
【0141】
上記各実施形態では、熱電変換デバイス用制御部65は、第1アクチュエーター55及び第2アクチュエーター56のうち少なくとも一方のアクチュエーターの温度が所定値を超える場合、各熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させるとした。すなわち、熱電変換デバイス用制御部65は、磁石552,556,562,566のうち少なくとも1つの磁石の温度が第1閾値を超える場合、各熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させるとした。しかしながら、これに限らず、熱電変換デバイス用制御部65は、磁石552,556,562,566のうち少なくとも1つの磁石の温度が第1閾値を超える場合でも、各熱電変換デバイス44B,44G,44Rの出力を低下させなくてもよい。
【0142】
上記各実施形態では、画像投射装置3は、光源31、色分離モジュール32、画像形成ユニット33及び投射光学モジュール37を備え、各構成は、
図1に示したレイアウトで配置されるとした。しかしながら、これに限らず、画像投射装置3の構成及びレイアウトは、適宜変更可能である。
【0143】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
第1光を変調した第1画像光を、第1軸を光軸として出射する第1パネルモジュールと、
第2光を変調した第2画像光を、前記第1軸に直交する第2軸を光軸として出射する第2パネルモジュールと、
第3光を変調した第3画像光を、前記第1軸を光軸として出射する第3パネルモジュールと、
前記第1画像光が入射する第1入射面と、前記第2画像光が入射する第2入射面と、前記第3画像光が入射する第3入射面と、前記第2軸を光軸として、前記第1画像光、前記第2画像光及び前記第3画像光を合成した投射画像光を出射する出射面と、を有する光合成素子と、
前記光合成素子から出射された前記投射画像光を投射する投射光学モジュールと、
前記光合成素子から前記投射光学モジュールに入射する前記投射画像光の光路をシフトする光路シフトモジュールと、を備え、
前記光路シフトモジュールは、
前記光合成素子と前記投射光学モジュールとの間の光路に配置された光路変更部材と、
第1磁石及び第1コイルを有し、前記第1軸に沿う第1揺動軸を中心に前記光路変更部材を揺動させる第1アクチュエーターと、
第2磁石及び第2コイルを有し、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸に沿う第2揺動軸を中心に前記光路変更部材を揺動させる第2アクチュエーターと、を有し、
前記第1パネルモジュールは、
前記第1画像光を出射する第1光用液晶パネルと、
前記第1光用液晶パネルから前記第3軸に沿って延在し、前記第1光用液晶パネルとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する第1光用熱拡散器と、
前記第1光用熱拡散器との間で熱を伝達する第1光用熱電変換デバイスと、
前記第1光用熱拡散器との間に前記第1光用熱電変換デバイスを挟み、前記第1光用熱電変換デバイスとの間で熱を伝達する第1光用冷却器と、を含み、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第1光用熱電変換デバイスにおける前記光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【0144】
このような構成によれば、第1光用熱電変換デバイスにおいて第1光用熱拡散器と接触する面が発熱面となった場合、第1光用熱電変換デバイスにて発生した熱は、第1光用熱拡散器に伝達された後、第1光用熱拡散器の内部にて拡散され、第1光用液晶パネルに伝達される。このため、第1光用液晶パネルの温度が低い場合に、第1光用液晶パネルを加温できる。
一方、第1光用液晶パネルにて発生した熱は、第1光用熱拡散器に放熱された後、第1光用熱拡散器の内部にて拡散される。このとき、第1光用熱電変換デバイスが、第1光用熱拡散器の熱を吸熱し、吸熱した熱を第1光用冷却器に放熱することによって、第1光用液晶パネルにて発生した熱を速やかに第1光用冷却器に放熱できる。このため、第1光用液晶パネルの温度が高い場合に、第1光用液晶パネルを冷却できる。
このように、第1光用熱電変換デバイスを用いることによって、第1光用液晶パネルの温度を短時間で適切な温度に調節ができるので、第1光用液晶パネルの応答性を短時間で良好な状態に維持できる。従って、第1揺動軸及び第2揺動軸のそれぞれを中心に光路変更部材を揺動させて、投射画像光に含まれる複数の画素の位置をシフトさせる光路シフトモジュールによる高速の画素シフトに対応できる。
【0145】
また、第1光用熱電変換デバイスが比較的高い熱を発生しても、第1アクチュエーター及び第2アクチュエーターは、第1光用熱電変換デバイスにおける光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置される。これにより、第1光用熱電変換デバイスによって輸送される熱が各アクチュエーターに影響を及ぼすことを抑制できる。従って、各アクチュエーターの性能が熱によって低下することを抑制できる。
このように、第1光用液晶パネルの液晶の応答性と、光路シフトモジュールが有する各アクチュエーターの動作性能とを良好な状態に維持できるので、画質が良く、かつ、疑似的解像度が高い画像を投射できる。
【0146】
[付記2]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記第3パネルモジュールは、
前記第3画像光を出射する第3光用液晶パネルと、
前記第3光用液晶パネルから前記第3軸に沿って延在し、前記第3光用液晶パネルとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する第3光用熱拡散器と、
前記第3光用熱拡散器との間で熱を伝達する第3光用熱電変換デバイスと、
前記第3光用熱拡散器との間に前記第3光用熱電変換デバイスを挟み、前記第3光用熱電変換デバイスとの間で熱を伝達する第3光用冷却器と、を含み、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第3光用熱電変換デバイスにおける前記光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【0147】
このような構成によれば、第1光用熱電変換デバイスでの場合と同様に、第3光用熱電変換デバイスによって輸送される熱が、第1アクチュエーター及び第2アクチュエーターに影響を及ぼすことを抑制できる。従って、第3光用熱電変換デバイスによって輸送される熱によって各アクチュエーターの性能が低下することを抑制できる。
【0148】
[付記3]
付記1又は付記2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーターは、前記第2揺動軸上に配置される、ことを特徴とするプロジェクター。
ここで、上記のように、第2揺動軸は、第1軸及び第2軸のそれぞれに直交する第3軸に沿う揺動軸である。このため、第1アクチュエーターは、第1パネルモジュールと第3パネルモジュールから離間した位置に配置される。従って、各アクチュエーターに対して、第1光用熱電変換デバイスによる熱の影響は抑制できる。第3パネルモジュールが第3光用熱電変換デバイスを有する場合も同様である。
【0149】
[付記4]
付記3に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第1揺動軸に対して、前記第1光用熱拡散器が延在する方向とは反対方向に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1アクチュエーター及び第2アクチュエーターを第1光用熱電変換デバイスから一層離れた位置に配置できる。従って、各アクチュエーターの性能が熱によって低下することを抑制できる。
【0150】
[付記5]
付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光路シフトモジュールは、
前記光路変更部材を保持する第1可動部と、
前記第1揺動軸を中心に揺動可能に前記第1可動部を保持する第2可動部と、
前記第2揺動軸を中心に揺動可能に前記第2可動部を保持するベースと、を備え、
前記第1アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第2揺動軸上で、かつ、前記第1可動部と前記第2可動部との間に配置されて、前記第1揺動軸を中心に前記第1可動部を揺動させ、
前記第2アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第1揺動軸に対して前記第1光用熱拡散器が延在する方向とは反対方向で前記第2可動部と前記ベースとの間に配置されて、前記第2揺動軸を中心に前記第2可動部を揺動させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【0151】
このような構成によれば、上記のように配置された第1アクチュエーター及び第2アクチュエーターによって、第1揺動軸及び第2揺動軸のそれぞれを中心に光路変更部材を揺動させることができる。これにより、投射画像光に含まれる複数の画素を複数の位置にシフトさせることができる。
また、光路シフトモジュールにおいて第1光用熱電変換デバイスの側端に対応する領域から離れた位置に各アクチュエーターを配置できる。従って、各アクチュエーターの性能が熱によって低下することを抑制できる。
【0152】
[付記6]
付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光路シフトモジュールは、
前記光路変更部材を保持する第1可動部と、
前記第1揺動軸を中心に揺動可能に前記第1可動部を保持する第2可動部と、
前記第2揺動軸を中心に揺動可能に前記第2可動部を保持するベースと、を備え、
前記第1アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第2揺動軸上で、かつ、前記第1可動部と前記第2可動部との間に配置されて、前記第1揺動軸を中心に前記第1可動部を揺動させ、
前記第2アクチュエーターは、前記第1揺動軸上で、かつ、前記第2可動部と前記ベースとの間に配置されて、前記第2揺動軸を中心に前記第2可動部を揺動させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【0153】
このような構成によれば、上記した光路シフトモジュールと同様に、第1アクチュエーター及び第2アクチュエーターによって、第1揺動軸及び第2揺動軸のそれぞれを中心に光路変更部材を揺動させることができる。これにより、投射画像光に含まれる複数の画素を複数の位置にシフトさせることができる。
また、光路シフトモジュールにおいて第1光用熱電変換デバイスの側端に対応する領域から離れた位置に各アクチュエーターを配置できる。従って、各アクチュエーターの性能が熱によって低下することを抑制できる。
【0154】
[付記7]
付記1から付記6のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1光用液晶パネルの温度を検出するパネル用温度センサーと、
前記光路シフトモジュールを制御するシフト制御部と、を備え、
前記シフト制御部は、前記パネル用温度センサーによって検出された前記第1光用液晶パネルの温度が閾値未満である場合、前記光合成素子から出射された前記投射画像光に含まれる画素の位置を第1位置から複数のシフト位置に順次シフトさせる第1シフト制御から、前記画素の位置を前記第1位置と前記複数のシフト位置のうち1つのシフト位置とに順次シフトさせる第2シフト制御に切り替える、ことを特徴とするプロジェクター。
【0155】
ここで、第1光用液晶パネルの温度が低い場合には、第1光用液晶パネルの応答性が低下するため、第1光用液晶パネルは、高いリフレッシュレートで画像形成を行うことができない。
これに対し、第1光用液晶パネルの温度が低く、第1光用液晶パネルの応答性が低い場合には、シフト制御部は、第1シフト制御から第2シフト制御に切り替える。このように第1揺動軸及び第2揺動軸の2軸の画素シフトを疑似的な1軸シフトに切り替えることで、第1光用液晶パネルによって低リフレッシュレートで画像形成を行っても、画質の低下を抑制できる。
一方、第1光用液晶パネルの温度が適温になれば、第2シフト制御から第1シフト制御に戻すことも可能である。このため、第1光用液晶パネルの温度に応じて、画質の低下を抑制しつつ、第1光用液晶パネル及び光路シフトモジュールを動作させることができる。
【0156】
[付記8]
付記7に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1光用液晶パネルを制御するパネル制御部を備え、
前記パネル制御部は、前記パネル用温度センサーによって検出された前記第1光用液晶パネルの温度が前記閾値未満である場合、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記複数のシフト位置のそれぞれに投射される複数の前記第1画像光のそれぞれとを第1リフレッシュレートにて順次形成する第1パネル制御から、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記複数のシフト位置のうち1つのシフト位置に投射される前記第1画像光とを、前記第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートにて順次形成する第2パネル制御に切り替える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、パネル制御部が、第1パネル制御を実行することによって、各位置に投射される第1画像光を高リフレッシュレートにて形成できる。
一方、パネル制御部が、第2パネル制御を実行することによって、低リフレッシュレートで第1画像光と上記1つのシフト位置に投射される第1画像光とを順次形成できる。このため、液晶の応答性が低い場合でも、画質の低下を抑制しつつ、画像投射を継続できる。
【0157】
[付記9]
付記8に記載のプロジェクターにおいて、
前記複数のシフト位置は、
前記第1位置に対して第1方向に設定された第2位置と、
前記第2位置に対して前記第1方向に直交する第2方向に設定された第3位置と、
前記第1位置に対して前記第2方向に設定された第4位置と、を含み、
前記パネル制御部は、
前記第1パネル制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記第2位置に投射される前記第1画像光と、前記第3位置に投射される前記第1画像光と、前記第4位置に投射される前記第1画像光とを前記第1リフレッシュレートにて順次形成し、
前記第2パネル制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記第3位置に投射される前記第1画像光とを、前記第2リフレッシュレートにて順次形成し、
前記第2リフレッシュレートは、前記第1リフレッシュレートの1/2であり、
前記シフト制御部は、前記第2シフト制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光が形成されるタイミングにて前記投射画像光を前記第1位置にシフトさせ、前記第3位置に投射される前記第1画像光が形成されるタイミングにて前記投射画像光を前記第3位置にシフトさせる、ことを特徴とするプロジェクター。
【0158】
このような構成によれば、第1光用液晶パネルの温度が閾値より高い場合には、光路シフトモジュールが動作しない場合に比べて、4倍の解像度を有する高解像度の画像を表示できる。
一方、第1光用液晶パネルの温度が閾値未満である場合には、第1位置に投射される投射画像光と、第3位置に投射される投射画像光とが、交互に投射される。このときの第1光用液晶パネルのリフレッシュレートは、第1パネル制御の実行時の第1リフレッシュレートの1/2である第2リフレッシュレートである。このため、第1光用液晶パネルの応答性が低い場合でも、第1光用液晶パネルのリフレッシュレートを低くすることによって、第1位置と第3位置とに投射画像光を順次投射できる。従って、投射画像の画質低下を抑制しつつ、画像投射を維持できる。
【0159】
[付記10]
付記8又は付記9に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2パネルモジュールは、前記第2画像光を出射する第2光用液晶パネルを有し、
前記第3パネルモジュールは、前記第3画像光を出射する第3光用液晶パネルを有し、
前記パネル用温度センサーは、
前記第1光用液晶パネルの温度を検出する第1パネル用センサーと、
前記第2光用液晶パネルの温度を検出する第2パネル用センサーと、
前記第3光用液晶パネルの温度を検出する第3パネル用センサーと、を含み、
前記第1光用液晶パネルの温度、前記第2光用液晶パネルの温度、及び、前記第3光用液晶パネルの温度のうち、少なくとも1つの温度が前記閾値未満である場合に、
前記シフト制御部は、前記第2シフト制御にて前記光路シフトモジュールを動作させ、
前記パネル制御部は、前記第2パネル制御にて、前記第1光用液晶パネル、前記第2光用液晶パネル及び前記第3光用液晶パネルのそれぞれを動作させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【0160】
このような構成によれば、第1光用液晶パネルの温度、第2光用液晶パネルの温度及び第3光用液晶パネルの温度のそれぞれが閾値以上である場合に、シフト制御部は、第1シフト制御を実行し、パネル制御部は、第1パネル制御を実行する。
一方、第1光用液晶パネルの温度、第2光用液晶パネルの温度及び第3光用液晶パネルの温度のうち、少なくとも1つの温度が閾値未満である場合に、シフト制御部は、第2シフト制御を実施し、パネル制御部は、各液晶パネルに対して第2パネル制御を実行する。
このため、各液晶パネルの応答性に応じて、各液晶パネル及び光路シフトモジュールを動作させることができる。
【0161】
[付記11]
付記1から付記10のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーターの温度及び前記第2アクチュエーターの温度を検出するアクチュエーター用温度センサーと、
前記第1光用熱電変換デバイスを制御する熱電変換デバイス用制御部と、を備え、
前記熱電変換デバイス用制御部は、前記アクチュエーター用温度センサーによって検出された前記第1アクチュエーターの温度及び前記第2アクチュエーターの温度のうち少なくとも一方の温度が所定値を超える場合、前記第1光用熱電変換デバイスの出力を低下させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【0162】
ここで、第1アクチュエーターは、第1磁石及び第1コイルを有する。このため、第1アクチュエーターの温度が高くなって第1磁石の温度が高くなると、第1磁石に減磁が発生する。第2磁石及び第2コイルを有する第2アクチュエーターも同様である。
これに対し、第1アクチュエーターの温度及び第2アクチュエーターの温度のうち少なくとも一方の温度が所定値を超える場合に、熱電変換デバイス用制御部が、第1光用熱電変換デバイスの出力を低下させることにより、各アクチュエーターの更なる温度上昇を抑制できる。従って、各アクチュエーターの性能が低下することを抑制できる。
【符号の説明】
【0163】
1…プロジェクター、2…外装筐体、3…画像投射装置、33,33A…画像形成ユニット、4…パネルモジュール、4B…青用パネルモジュール(第1パネルモジュール)、4G…緑用パネルモジュール(第2パネルモジュール)、4R…赤用パネルモジュール(第3パネルモジュール)、41…液晶パネル、41B…青用液晶パネル(第1光用液晶パネル)、41G…緑用液晶パネル(第2光用液晶パネル)、41R…赤用液晶パネル(第3光用液晶パネル)、42…熱拡散器、43…保持部材、44…熱電変換デバイス、44B…青用熱電変換デバイス(第1光用熱電変換デバイス)、44G…緑用熱電変換デバイス(第2光用熱電変換デバイス)、44R…赤用熱電変換デバイス(第3光用熱電変換デバイス)、444,445…側端(端部)、45…冷却器、5,7…光路シフトモジュール、51…光路変更部材、52,72…第1可動部、53,73…第2可動部、54,74…ベース、55…第1アクチュエーター、551…第1駆動部、552…第1磁石、553…第1コイル、555…第2駆動部、556…第1磁石、557…第1コイル、56…第2アクチュエーター、561…第1駆動部、562…第2磁石、563…第2コイル、565…第2駆動部、566…第2磁石、567…第2コイル、Ar1B,Ar2R…領域、Ax1…第1軸、Ax2…第2軸、Rx1…第1揺動軸、Rx2…第2揺動軸。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を変調した第1画像光を、第1軸を光軸として出射する第1パネルモジュールと、
第2光を変調した第2画像光を、前記第1軸に直交する第2軸を光軸として出射する第2パネルモジュールと、
第3光を変調した第3画像光を、前記第1軸を光軸として出射する第3パネルモジュールと、
前記第1画像光が入射する第1入射面と、前記第2画像光が入射する第2入射面と、前記第3画像光が入射する第3入射面と、前記第2軸を光軸として、前記第1画像光、前記第2画像光及び前記第3画像光を合成した投射画像光を出射する出射面と、を有する光合成素子と、
前記光合成素子から出射された前記投射画像光を投射する投射光学モジュールと、
前記光合成素子から前記投射光学モジュールに入射する前記投射画像光の光路をシフトする光路シフトモジュールと、を備え、
前記光路シフトモジュールは、
前記光合成素子と前記投射光学モジュールとの間の光路に配置された光路変更部材と、
第1磁石及び第1コイルを有し、前記第1軸に沿う第1揺動軸を中心に前記光路変更部材を揺動させる第1アクチュエーターと、
第2磁石及び第2コイルを有し、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸に沿う第2揺動軸を中心に前記光路変更部材を揺動させる第2アクチュエーターと、を有し、
前記第1パネルモジュールは、
前記第1画像光を出射する第1光用液晶パネルと、
前記第1光用液晶パネルから前記第3軸に沿って延在し、前記第1光用液晶パネルとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する第1光用熱拡散器と、
前記第1光用熱拡散器との間で熱を伝達する第1光用熱電変換デバイスと、
前記第1光用熱拡散器との間に前記第1光用熱電変換デバイスを挟み、前記第1光用熱電変換デバイスとの間で熱を伝達する第1光用冷却器と、を含み、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第1光用熱電変換デバイスにおける前記光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記第3パネルモジュールは、
前記第3画像光を出射する第3光用液晶パネルと、
前記第3光用液晶パネルから前記第3軸に沿って延在し、前記第3光用液晶パネルとの間で熱を伝達し、受熱した熱が内部にて拡散する第3光用熱拡散器と、
前記第3光用熱拡散器との間で熱を伝達する第3光用熱電変換デバイスと、
前記第3光用熱拡散器との間に前記第3光用熱電変換デバイスを挟み、前記第3光用熱電変換デバイスとの間で熱を伝達する第3光用冷却器と、を含み、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第3光用熱電変換デバイスにおける前記光路シフトモジュール側の端部から離れた位置に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーターは、前記第2揺動軸上に配置される、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーター及び前記第2アクチュエーターのそれぞれは、前記第1揺動軸に対して、前記第1光用熱拡散器が延在する方向とは反対方向に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーターは、前記第1揺動軸を挟み前記第2揺動軸上に位置する第1駆動部及び第2駆動部を有し、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部のそれぞれは、前記第1磁石及び前記第1コイルを有し、
前記第2アクチュエーターは、前記第2揺動軸を挟み前記第1揺動軸から離間した第3駆動部及び第4駆動部を有し、
前記第3駆動部及び前記第4駆動部のそれぞれは、前記第2磁石及び前記第2コイルを有し、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部のうち少なくとも一方と、前記第3駆動部及び前記第4駆動部とは、前記第1揺動軸に対して、前記第1光用熱拡散器が延在する方向とは反対方向に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーターは、前記第1揺動軸を挟み前記第2揺動軸上に位置する第1駆動部及び第2駆動部を有し、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部のそれぞれは、前記第1磁石及び前記第1コイルを有し、
前記第2アクチュエーターは、前記第2揺動軸を挟み前記第1揺動軸上に位置する第3駆動部及び第4駆動部を有し、
前記第3駆動部及び前記第4駆動部のそれぞれは、前記第2磁石及び前記第2コイルを有し、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部のうち一方の駆動部は、前記第1揺動軸に対して、前記第1光用熱拡散器が延在する方向に配置されている、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記光路シフトモジュールは、
前記光路変更部材を保持する第1可動部と、
前記第1揺動軸を中心に揺動可能に前記第1可動部を保持する第2可動部と、
前記第2揺動軸を中心に揺動可能に前記第2可動部を保持するベースと、を備え、
前記第1アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第2揺動軸上で、かつ、前記第1可動部と前記第2可動部との間に配置されて、前記第1揺動軸を中心に前記第1可動部を揺動させ、
前記第2アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第1揺動軸に対して前記第1光用熱拡散器が延在する方向とは反対方向で前記第2可動部と前記ベースとの間に配置されて、前記第2揺動軸を中心に前記第2可動部を揺動させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記光路シフトモジュールは、
前記光路変更部材を保持する第1可動部と、
前記第1揺動軸を中心に揺動可能に前記第1可動部を保持する第2可動部と、
前記第2揺動軸を中心に揺動可能に前記第2可動部を保持するベースと、を備え、
前記第1アクチュエーターは、前記光路シフトモジュールの光出射側から見て、前記第2揺動軸上で、かつ、前記第1可動部と前記第2可動部との間に配置されて、前記第1揺動軸を中心に前記第1可動部を揺動させ、
前記第2アクチュエーターは、前記第1揺動軸上で、かつ、前記第2可動部と前記ベースとの間に配置されて、前記第2揺動軸を中心に前記第2可動部を揺動させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1光用液晶パネルの温度を検出するパネル用温度センサーと、
前記光路シフトモジュールを制御するシフト制御部と、を備え、
前記シフト制御部は、前記パネル用温度センサーによって検出された前記第1光用液晶パネルの温度が閾値未満である場合、前記光合成素子から出射された前記投射画像光に含まれる画素の位置を第1位置から複数のシフト位置に順次シフトさせる第1シフト制御から、前記画素の位置を前記第1位置と前記複数のシフト位置のうち1つのシフト位置とに順次シフトさせる第2シフト制御に切り替える、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項10】
請求項9に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1光用液晶パネルを制御するパネル制御部を備え、
前記パネル制御部は、前記パネル用温度センサーによって検出された前記第1光用液晶パネルの温度が前記閾値未満である場合、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記複数のシフト位置のそれぞれに投射される複数の前記第1画像光のそれぞれとを第1リフレッシュレートにて順次形成する第1パネル制御から、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記複数のシフト位置のうち1つのシフト位置に投射される前記第1画像光とを、前記第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートにて順次形成する第2パネル制御に切り替える、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
請求項10に記載のプロジェクターにおいて、
前記複数のシフト位置は、
前記第1位置に対して第1方向に設定された第2位置と、
前記第2位置に対して前記第1方向に直交する第2方向に設定された第3位置と、
前記第1位置に対して前記第2方向に設定された第4位置と、を含み、
前記パネル制御部は、
前記第1パネル制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記第2位置に投射される前記第1画像光と、前記第3位置に投射される前記第1画像光と、前記第4位置に投射される前記第1画像光とを前記第1リフレッシュレートにて順次形成し、
前記第2パネル制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記第3位置に投射される前記第1画像光とを、前記第2リフレッシュレートにて順次形成し、
前記第2リフレッシュレートは、前記第1リフレッシュレートの1/2であり、
前記シフト制御部は、前記第2シフト制御では、前記第1位置に投射される前記第1画像光が形成されるタイミングにて前記投射画像光を前記第1位置にシフトさせ、前記第3位置に投射される前記第1画像光が形成されるタイミングにて前記投射画像光を前記第3位置にシフトさせる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項12】
請求項10に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2パネルモジュールは、前記第2画像光を出射する第2光用液晶パネルを有し、
前記第3パネルモジュールは、前記第3画像光を出射する第3光用液晶パネルを有し、
前記パネル用温度センサーは、
前記第1光用液晶パネルの温度を検出する第1パネル用センサーと、
前記第2光用液晶パネルの温度を検出する第2パネル用センサーと、
前記第3光用液晶パネルの温度を検出する第3パネル用センサーと、を含み、
前記第1光用液晶パネルの温度、前記第2光用液晶パネルの温度、及び、前記第3光用液晶パネルの温度のうち、少なくとも1つの温度が前記閾値未満である場合に、
前記シフト制御部は、前記第2シフト制御にて前記光路シフトモジュールを動作させ、
前記パネル制御部は、前記第2パネル制御にて、前記第1光用液晶パネル、前記第2光用液晶パネル及び前記第3光用液晶パネルのそれぞれを動作させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項13】
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1アクチュエーターの温度及び前記第2アクチュエーターの温度を検出するアクチュエーター用温度センサーと、
前記第1光用熱電変換デバイスを制御する熱電変換デバイス用制御部と、を備え、
前記熱電変換デバイス用制御部は、前記アクチュエーター用温度センサーによって検出された前記第1アクチュエーターの温度及び前記第2アクチュエーターの温度のうち少なくとも一方の温度が所定値を超える場合、前記第1光用熱電変換デバイスの出力を低下させる、ことを特徴とするプロジェクター。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
このように、各磁石552,556,562,566が領域Ar1B,Ar2Rとから離れて配置されていることによって、各磁石552,556,562,566に各パネルモジュール4B,4Rから熱的な影響が及ぶことを抑制できる。
なお、緑用パネルモジュール4Gは、光合成素子36を挟んで光路シフトモジュール5とは反対側に設けられている。このため、緑用パネルモジュール4Gから熱的な影響が各磁石552,556,562,566に及ぶことが抑制される。
従って、各磁石552,556,562,566に減磁が発生することを抑制でき、光路シフトモジュール5の動作が熱によって阻害されることを抑制できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を奏する。
プロジェクター1は、青用パネルモジュール4B、緑用パネルモジュール4G、赤用パネルモジュール4R、光合成素子36、投射光学モジュール37及び光路シフトモジュール5を備える。
青用パネルモジュール4Bは、青色光を変調した青色画像光を、第1軸Ax1を光軸として出射する。緑用パネルモジュール4Gは、緑色光を変調した緑色画像光を、第1軸Ax1に直交する第2軸Ax2を光軸として出射する。赤用パネルモジュール4Rは、赤色光を変調した赤色画像光を、第1軸Ax1を光軸として出射する。
例えば、青色光は第1光に相当し、緑色光は第2光に相当し、赤色光は第3光に相当する。青色画像光は第1画像光に相当し、緑色画像光は第2画像光に相当し、赤色画像光は第3画像光に相当する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
なお、
図18では、画像形成ユニット33Aにおいて光路シフトモジュール
7と組み合わされるパネルモジュール4Bの+X方向、+Y方向及び+Z方向を示している。具体的に、
図18の図面視で、+X方向は、紙面に垂直で紙面から離れる方向であり、+Y方向は、上方向であり、+Z方向は、左方向である。また、青用パネルモジュール4B及び赤用パネルモジュール4Rの光軸に沿う揺動軸を第1揺動軸Rx1とし、パネルモジュール4B,4Rの光軸と緑用パネルモジュール4Gの光軸とのそれぞれに直交する揺動軸を第2揺動軸Rx2とする。第1揺動軸Rx1は、Z軸に沿う軸であり、第2揺動軸Rx2は、Y軸に沿う軸である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
[第1可動部の構成]
第1可動部72は、矩形枠状に形成されており、光路変更部材51を保持する他、第1アクチュエーター55の第1磁石552,556を保持する。第1可動部72は、第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能に第2可動部53に支持される。第1可動部72は、軸部522に代えて連結部722を備える他は、第1可動部52と同様の構成及び機能を有する。すなわち、第1可動部72は、枠部521と、第1磁石552,556が固定される固定部523と、連結部722と、を有する。
連結部722は、第2可動部73と連結される部分である。連結部722は、枠部521の外周部分から+Z方向に突出する連結部7221と、枠部521の外周部分から-Z方向に突出する連結部7222と、を含む。連結部7221,7222が撓むことによって、第1可動部72は、第2可動部73に対して第1揺動軸Rx1を中心に揺動可能となる。なお、連結部7221,7222は、第1揺動軸Rx1上に配置されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0129】
このように、各磁石552,556,562,566が領域Ar1B,Ar2Rから離れて配置されていることによって、各磁石552,556,562,566に各熱電変換デバイス44B,44Rから熱的な影響が及ぶことを抑制できる。なお、第1実施形態と同様に、緑用パネルモジュール4Gは、光合成素子36を挟んで光路シフトモジュール7とは反対側に設けられている。このため、緑用熱電変換デバイス44Gから熱的な影響が各磁石552,556,562,566に及ぶことを抑制できる。
従って、各磁石552,556,562,566に熱による減磁が発生することを抑制でき、光路シフトモジュール7の動作が熱によって阻害されることを抑制できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0156
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0156】
[付記8]
付記7に記載のプロジェクターにおいて、
前記第1光用液晶パネルを制御するパネル制御部を備え、
前記パネル制御部は、前記パネル用温度センサーによって検出された前記第1光用液晶パネルの温度が前記閾値未満である場合、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記複数のシフト位置のそれぞれに投射される複数の前記第1画像光のそれぞれとを第1リフレッシュレートにて順次形成する第1パネル制御から、前記第1位置に投射される前記第1画像光と、前記複数のシフト位置のうち1つのシフト位置に投射される前記第1画像光とを、前記第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートにて順次形成する第2パネル制御に切り替える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、パネル制御部が、第1パネル制御を実行することによって、各位置に投射される第1画像光を高リフレッシュレートにて形成できる。
一方、パネル制御部が、第2パネル制御を実行することによって、低リフレッシュレートで第1位置に投射される第1画像光と上記1つのシフト位置に投射される第1画像光とを順次形成できる。このため、液晶の応答性が低い場合でも、画質の低下を抑制しつつ、画像投射を継続できる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】