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特開2024-75325情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075325
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/903 20190101AFI20240527BHJP
【FI】
G06F16/903
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186701
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀彰
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 泰
(72)【発明者】
【氏名】丸山 信一郎
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
(57)【要約】
【課題】居住者にとって快適な住戸を提供する。
【解決手段】住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶されたデータベース200と、設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶されたデータベース300と、住戸の空間に関する要求情報を取得し、取得した要求情報に基づいて設計情報をデータベース200から検索し、検索した設計情報に基づいて要素情報をデータベース300から検索し、検索した設計情報と要素情報とを出力する情報提供装置400とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供装置と、
住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースと、
前記設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースとを有し、
前記情報提供装置は、
前記住戸の空間に関する要求情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記要求情報に基づいて、前記設計情報を前記設計情報データベースから検索する設計情報検索部と、
前記設計情報検索部が検索した前記設計情報に基づいて、前記要素情報を前記要素情報データベースから検索する要素情報検索部と、
前記設計情報検索部が検索した前記設計情報と、前記要素情報検索部が検索した前記要素情報とを出力する出力部とを有する情報提供システム。
【請求項2】
前記サードプレイスを示す情報として複数の機能情報が記憶された機能情報データベースを有し、
前記情報提供装置は、前記取得部が取得した前記要求情報に基づいて、前記機能情報を前記機能情報データベースから検索する機能情報検索部を有し、
前記設計情報検索部は、前記機能情報検索部が検索した前記機能情報に基づいて、前記設計情報を検索する、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記要求情報と、前記住戸が立地する地域を示す地域情報とを取得し、
前記設計情報検索部は、前記取得部が取得した前記要求情報と前記地域情報とに基づいて、前記設計情報を前記設計情報データベースから検索する、請求項1または請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記取得部が取得した前記要求情報に基づいて要求度合を判定する度合判定部を有し、
前記設計情報検索部は、前記度合判定部が判定した要求度合に基づいて、前記設計情報を検索する、請求項1または請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報提供装置は、前記設計情報データベースに記憶されている前記設計情報および前記要素情報データベースに記憶されている前記要素情報を更新する更新部を有し、
前記取得部は、前記情報提供装置の外部から評価情報を取得し、
前記更新部は、前記取得部が取得した前記評価情報に基づいて、前記設計情報データベースに記憶されている前記設計情報および前記要素情報データベースに記憶されている前記要素情報を更新する、請求項1または請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記住戸内または該住戸に居住する居住者の状態を測定するセンサを有し、
前記設計情報検索部は、前記センサが測定した状態に基づいて、前記設計情報の変更の要否を判定し、
前記要素情報検索部は、前記センサが測定した状態に基づいて、前記要素情報の変更の要否を判定する、請求項1または請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記設計情報検索部は、前記設計情報の変更が必要であると判定した場合、現在設定されている設計情報とは別の設計情報を前記設計情報データベースから検索し、
前記要素情報検索部は、前記要素情報の変更が必要であると判定した場合、現在設定されている要素情報とは別の要素情報を前記要素情報データベースから検索する、請求項6記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記機能情報は都市機能を示す情報である、請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記設計情報は前記住戸の空間内のレイアウト情報である、請求項1または請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項10】
住戸の空間に関する要求情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記要求情報に基づいて、前記住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースから前記設計情報を検索する設計情報検索部と、
前記設計情報検索部が検索した前記設計情報に基づいて、前記設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースから前記要素情報を検索する要素情報検索部と、
前記設計情報検索部が検索した前記設計情報と、前記要素情報検索部が検索した前記要素情報とを出力する出力部とを有する情報提供装置。
【請求項11】
住戸の空間に関する要求情報を取得する処理と、
前記取得した前記要求情報に基づいて、前記住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースから前記設計情報を検索する処理と、
前記検索した前記設計情報に基づいて、前記設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースから前記要素情報を検索する処理と、
前記検索した設計情報と前記検索した要素情報とを出力する処理とを行う情報提供方法。
【請求項12】
コンピュータに、
住戸の空間に関する要求情報を取得する手順と、
前記取得した前記要求情報に基づいて、前記住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースから前記設計情報を検索する手順と、
前記検索した前記設計情報に基づいて、前記設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースから前記要素情報を検索する手順と、
前記検索した設計情報と前記検索した要素情報とを出力する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な注文住宅は、施主が希望する間取りが反映された住宅である。近年では、一戸建てに限らず、集合住宅においても施主が住戸の間取りを決定する建て方が考えられている。また、施主が間取りを容易に設計可能とするために、1つのフロアを複数の空間に分割し、分割した複数の空間から選択された空間の組み合わせで所望の空間を形成する設計方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-336406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような技術においては、完成した住戸は施主が動線や使い勝手を考慮した間取りが反映されたものに過ぎない。そのため、希望通りの間取りの住戸を設計したとしても、居住者にとって必ずしも快適な場所を提供したとは言えないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、居住者にとって快適な住戸を提供することができる情報提供システム、情報提供装置、情報提供方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報提供システムは、
情報提供装置と、
住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースと、
前記設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースとを有し、
前記情報提供装置は、
前記住戸の空間に関する要求情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記要求情報に基づいて、前記設計情報を前記設計情報データベースから検索する設計情報検索部と、
前記設計情報検索部が検索した前記設計情報に基づいて、前記要素情報を前記要素情報データベースから検索する要素情報検索部と、
前記設計情報検索部が検索した前記設計情報と、前記要素情報検索部が検索した前記要素情報とを出力する出力部とを有する。
【0007】
また、本発明の情報提供装置は、
住戸の空間に関する要求情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記要求情報に基づいて、前記住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースから前記設計情報を検索する設計情報検索部と、
前記設計情報検索部が検索した前記設計情報に基づいて、前記設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースから前記要素情報を検索する要素情報検索部と、
前記設計情報検索部が検索した前記設計情報と、前記要素情報検索部が検索した前記要素情報とを出力する出力部とを有する。
【0008】
また、本発明の情報提供方法は、
住戸の空間に関する要求情報を取得する処理と、
前記取得した前記要求情報に基づいて、前記住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースから前記設計情報を検索する処理と、
前記検索した前記設計情報に基づいて、前記設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースから前記要素情報を検索する処理と、
前記検索した設計情報と前記検索した要素情報とを出力する処理とを行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
住戸の空間に関する要求情報を取得する手順と、
前記取得した前記要求情報に基づいて、前記住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースから前記設計情報を検索する手順と、
前記検索した前記設計情報に基づいて、前記設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースから前記要素情報を検索する手順と、
前記検索した設計情報と前記検索した要素情報とを出力する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明において、居住者にとって快適な住戸を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の情報提供システムにおける住戸の領域の分割の一例を示す図である。
図2】本発明の情報提供システムの第1の実施の形態を示す図である。
図3図2に示した第1のデータベースが記憶している機能情報の一例を示す図である。
図4図2に示した第2のデータベースが記憶している設計情報の一例を示す図である。
図5図2に示した第3のデータベースが記憶している要素情報の一例を示す図である。
図6図2に示した情報提供装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
図7図2に示した情報提供装置における情報提供方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図8】利用者が所持する通信端末に表示される要求情報の入力画面の一例を示す図である。
図9】利用者が所持する通信端末に表示される要求情報の入力画面の他の例を示す図である。
図10】ステップS6にて出力されたレイアウト情報の一例を示す図である。
図11】本発明の情報提供システムの第2の実施の形態を示す図である。
図12図11に示した情報提供装置が具備する構成要素の一例を示す図である。
図13図11に示した情報提供装置における情報提供方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図14】利用者が所持する通信端末に表示される地域情報の入力画面の一例を示す図である。
図15】本発明の情報提供システムの第3の実施の形態を示す図である。
図16図15に示した情報提供装置が具備する構成要素の一例を示す図である。
図17図15に示した情報提供システムにおける情報提供方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
図18】ステップS29における通信端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
近年、自宅や職場ではない、居心地の良い居場所として、サードプレイスという場所が話題に上がっている。サードプレイスは、例えば、カフェや公園、ホテル等、個人的に現在社会のストレスから解放された気分が味わえるような場所、あるいはリラックスできるような場所である。本発明では、住戸に居ながら、サードプレイスのような個人にとって快適な場所に居るような気分を味わうことができる手段を提供する。以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明は、1つの住戸が複数の領域に分割されており、それぞれの領域に適した都市機能が実現される。以下の説明においては、住戸がゾーン1~3の3つの領域に分割される場合を例に挙げて説明する。
【0013】
図1は、本発明の情報提供システムにおける住戸の領域の分割の一例を示す図である。図1に示すように、1つの住戸が3つの領域(ゾーン1~3)に分割されている。ゾーン1は、住戸の外とのつながり方を選択するための領域であって、ゾーン2およびゾーン3と住戸の外とをつなぐための領域である。ゾーン1は、例えば、外出するための準備として、気象情報や、ショッピングおすすめ情報、お気に入りお出かけスポットの情報を得る機能や、居住者自身の健康状態をチェックできる機能、服装や行先、持ち物など、外をどのように楽しむか、どのように繋がるかの選択をアシストしてくれる機能、外出から戻った際に外との関係を一度リセットする機能等を有する領域である。ゾーン2は、ゾーン1を介して住戸の外とのつながりを深め、居住する家族で住戸の外を共有する領域である。ゾーン2は、例えば、外が良い環境にある時にはその環境(音、風、光など)を室内に取り入れる機能、外が必ずしも快適でない場合には、映像、空調、調光などによりその悪条件を補うように環境制御する機能を有する領域である。さらに、ゾーン2は、それらの機能と併せて、居住する家族同士が同時に空間共有する場合に、各個人にとって好ましい環境をスポット的に制御する機能、または空間を仕切る機能を有する。ゾーン3は、居住者自身の心身のメンテナンスを行い、住戸の外と居住者自身とのリズムを合わせるための領域である。ゾーン3は、例えば、朝・昼・夜という外のリズムに合わせて、居住者の心身のバイオリズムを整えるための、調光、音再生、映像、香りなど、主にリラクゼーション面において居住者個人の好みに合わせたパーソナルな環境を演出する機能を有する。さらに、ゾーン3は、オンラインあるいはバーチャルな外を室内に再現し、その外に没入するリズムに合わせるための機能や、外部の人とのコミュニケーションにより他者とリズムを合せるための機能を有する。
【0014】
また、以下の説明において、それぞれの領域に設定される都市機能が以下に示すものである場合を例に挙げて説明する。
・ポート:ゾーン1に設定
・クリニック:ゾーン1に設定
・パーク:ゾーン2に設定
・ホテル:ゾーン3に設定
・オフィス:ゾーン3に設定
・カルチャセンタ:ゾーン3に設定
(第1の実施の形態)
【0015】
図2は、本発明の情報提供システムの第1の実施の形態を示す図である。本形態における情報提供システムは図2に示すように、データベース100,200,300と、情報提供装置400とを有する。データベース100,200,300と、情報提供装置400とは、通信ネットワーク500を介して、情報提供装置400からデータベース100,200,300へ通信可能に接続されている。通信ネットワーク500は、一般的なインターネットでも良いし、企業内ネットワーク等の特定の場所に閉じられたと通信ネットワークであっても良い。また、データベース100,200,300と、情報提供装置400とは、互いが直接接続されていても良い。
【0016】
データベース100は、サードプレイスを示す情報として複数の機能情報があらかじめ記憶されている機能情報データベースである。サードプレイスは、上述したように、コミュニティ社会において、自宅や職場とは隔離された居心地の良い居場所であって、例えば、カフェや公園、クラブ、ホテル等のことを意味する。つまり、サードプレイスは、ストレスから解放された気分が味わえたり、軽い息抜きができたり、リラックスできたりする場所である。図3は、図2に示したデータベース100が記憶している機能情報の一例を示す図である。図2に示したデータベース100は図3に示すように、要求情報キーワードと機能情報とが対応付けられて記憶されている。要求情報キーワードは、図2に示した情報提供装置400が、例えば、通信端末(不図示)から取得する要求情報に含まれるキーワードである。通信端末は、外部からの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいた要求情報を当該通信端末に入力して情報提供装置400へ送信しても良い。通信端末への要求情報の入力方法については、後述する。要求情報キーワードは、情報提供装置400が取得した要求情報から所定のアルゴリズムを用いて抽出されたキーワードである。機能情報は、いわゆる都市機能の分類を示す情報である。具体的には、機能情報は、ポート(港)、クリニック、パーク(公園)、ホテル、オフィス、カルチャセンタ等、一般的な住戸内には存在し得ない空間を示す情報である。
【0017】
データベース200は、住戸にサードプレイスを実現する空間の設計情報があらかじめ記憶された設計情報データベースである。図4は、図2に示したデータベース200が記憶している設計情報の一例を示す図である。図2に示したデータベース200は図4に示すように、機能情報と設計情報であるレイアウト情報とが対応付けられて記憶されている。機能情報は、データベース100に記憶されているものと同じものである。レイアウト情報は、機能情報が示す都市機能を住戸内に実現するためのレイアウトを示す情報であり、機能情報に応じた空間におけるレイアウトを示す情報である。レイアウト情報は、各機能情報に複数対応付けられていても良い。1つの機能情報と複数のレイアウト情報とが対応付けられている場合、それぞれのレイアウト情報にレベルがそれぞれ設定されていても良い。このレベルは、機能情報が示す都市機能をどれだけ反映したレイアウトであるかを示す情報である。つまり、レベルが高いほど、そのレイアウトは都市機能を多く反映したものであり、レベルが低いほど、そのレイアウトは都市機能を少なく反映したものである。機能情報「ポート」と対応付けられているレイアウト情報は、例えば、玄関や、玄関に通じる廊下のレイアウト(例えば、外出用の衣服を収納するためのスペースや、外出から戻った際に除菌を行うためのスペースを有するレイアウト)を示す情報である。機能情報「クリニック」と対応付けられているレイアウト情報は、例えば、洗面所のレイアウト(例えば、自身の健康状態のチェックを行うためのスペースを有するレイアウト)を示す情報である。機能情報「パーク」と対応付けられているレイアウト情報は、例えば、リビングやダイニング、バルコニーのレイアウト(例えば、外気や外光を感じることができるスペースを有するレイアウト)を示す情報である。機能情報「ホテル」と対応付けられているレイアウト情報は、例えば、寝室のレイアウト(例えば、1人でくつろぐことができるスペースを有するレイアウト)を示す情報である。機能情報「カルチャセンタ」と対応付けられているレイアウト情報は、例えば、洋室のレイアウト(例えば、仲間とともに趣味に勤しむことができるスペースを有するレイアウト)を示す情報である。
【0018】
データベース300は、設計情報を用いた設計に必要な要素技術を示す要素情報があらかじめ記憶された要素情報データベースである。図5は、図2に示したデータベース300が記憶している要素情報の一例を示す図である。図2に示したデータベース300は図5に示すように、設計情報であるレイアウト情報と要素情報とが対応付けられて記憶されている。要素情報は、レイアウト情報が示すレイアウトの設計に必要な要素技術を示す情報である。要素情報は、例えば、太陽光を採光する天窓や、所定の映像を映し出すスクリーン、スクリーンに映す映像コンテンツ(映像コンテンツを映すプログラムを含む)、壁一面を開放可能な窓(開閉を制御するプログラムを含む)、除菌剤を噴霧するシャワー、健康状態をチェックするための器具、空調設備(室内温度や湿度、風向、風の強さ等を制御するプログラムを含む)、音響設備(音量を制御するプログラムや音楽コンテンツを含む)、調光(照明)設備(明るさや色を制御するプログラムを含む)、壁紙や床材の種類、室内を簡易に間仕切り可能な設備、その他の必要な装飾品や備品等を示す情報である。
【0019】
情報提供装置400は、利用者からの要求情報に基づいて、サードプレイスを実現する住戸の情報を提供する装置である。図6は、図2に示した情報提供装置400が具備する構成要素の一例を示す図である。図2に示した情報提供装置400は図6に示すように、取得部410と、検索部420,430,440と、出力部450と、度合判定部460と、更新部470とを有する。なお、図6には、図2に示した情報提供装置400が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0020】
取得部410は、住戸の空間に関する要求情報を取得する。取得部410は、評価情報を取得する。取得部410が要求情報や評価情報を取得する方法は、例えば、利用者が通信端末に入力して、通信端末から送信されてきた要求情報や評価情報を受信して取得する方法でも良いし、取得部410自体が入力機能を具備し、外部から入力された要求情報や評価情報を取得する方法でも良く、特に限定しない。取得部410は、取得した要求情報を検索部420および度合判定部460へ出力する。取得部410は、取得した評価情報を更新部470へ出力する。取得部410は、1つの住戸に居住する家族を構成する個人それぞれの要求を最適化する機能を具備しても良い。つまり、取得部410は、1つの住戸に居住する家族を構成する個人それぞれの要求が異なるものである場合、1つの要求にまとめる機能を具備しても良い。この場合、取得部410は、例えば、家族内での個人の相互関係や、住戸内の各空間の使用頻度(使用時間)、年齢等に基づいて、それぞれの要求を最適化しても良い。
【0021】
度合判定部460は、取得部410から出力されてきた要求情報に基づいて要求度合を判定する。具体的には、取得部410から出力されてきた要求情報があらかじめ設定された選択項目の中から選択された項目を示す情報である場合、度合判定部460は、選択された項目の数が多いほど要求度合を高い値として判定しても良い。また、取得部410から出力されてきた要求情報がテキスト(文字)情報である場合、度合判定部460は、当該テキストについて自然言語解析を行い、解析の結果に基づいて、要求の強さを要求度合として判定して数値化しても良い。例えば、度合判定部460は、自然言語解析の結果、テキスト情報に同意の表現が含まれる数が多いほど、要求度合が高いと判定しても良い。度合判定部460は、判定した要求度合を示す値を検索部430へ出力する。
【0022】
検索部420は、取得部410から出力されてきた要求情報に応じた機能情報をデータベース100から検索する機能情報検索部である。具体的には、検索部420は、取得部410から出力されてきた要求情報に含まれているキーワードと対応付けられている機能情報をデータベース100から検索して読み出す。なお、上述したように、取得部410から出力されてきた要求情報があらかじめ設定された選択項目の中から選択された項目を示す情報である場合、その項目が機能情報であれば、検索部420は、当該要求情報として出力されてきた機能情報をデータベース100から読み出す。検索部420は、データベース100から検索して読み出した機能情報を検索部430へ出力する。
【0023】
検索部430は、検索部420から出力されてきた機能情報に応じた設計情報をデータベース200から検索する設計情報検索部である。このとき検索部430は、度合判定部460から出力されてきた要求度合を示す値に基づいて、設計情報をデータベース200から検索する。具体的には、検索部430は、検索部420から出力されてきた機能情報と対応付けられている設計情報(図4に示した例では、レイアウト情報)をデータベース200から検索して読み出す。このとき検索部430は、度合判定部460から出力されてきた要求度合を示す値に応じたレベルが設定されている設計情報をデータベース200から検索して読み出す。この場合、検索部430は、度合判定部460から出力されてきた要求度合を示す値が高い要求度を示すものであるほど、より高いレベルが設定された設計情報をデータベース200から検索して読み出す。より高いレベルが設定された設計情報とは、都市機能をより強調して実現するためのレイアウトを示す情報である。検索部430は、データベース200から検索して読み出した設計情報を検索部440および出力部450へ出力する。
【0024】
検索部440は、検索部430から出力されてきた設計情報に基づいて、要素情報をデータベース300から検索する要素情報検索部である。具体的には、検索部440は、検索部430から出力されてきた設計情報(図4に示した例では、レイアウト情報)と対応付けられている要素情報をデータベース300から検索して読み出す。検索部440は、データベース300から検索して読み出した要素情報を出力部450へ出力する。
【0025】
出力部450は、検索部430から出力されてきた設計情報と検索部440から出力されてきた要素情報とを出力する。出力部450の設計情報および要素情報の出力態様は、これらの情報の表示でも良いし、これらの情報を他の装置(例えば、利用者が所持する通信端末)への送信でも良い。
【0026】
更新部470は、データベース200に記憶されている設計情報およびデータベース300に記憶されている要素情報を更新する。このとき更新部470は、取得部410が取得した評価情報に基づいて、データベース200に記憶されている設計情報およびデータベース300に記憶されている要素情報を更新する。評価情報は、出力部450が出力した設計情報および要素情報に対する評価として、取得部410が取得した情報である。例えば、出力部450が出力した設計情報および要素情報に対して、取得部410が利用者から設計情報および要素情報の変更の要求を評価情報として取得した場合、更新部470は、データベース200に記憶されている設計情報および要素情報を、当該利用者から取得した要求情報との対応付けから検索できるものから排除するようにデータベース200およびデータベース300における対応付けを更新しても良い。また、データベース200およびデータベース300において、複数の対応付けに優先順位を設定しておいた場合、取得部410が利用者から設計情報および要素情報の変更の要求を評価情報として取得した場合、更新部470はその優先順位を変更する更新を行っても良い。例えば、更新部470は、データベース300に記憶されている設計情報と要素情報との対応付けを更新する場合、図5に示した例では、レイアウト情報であるレイアウト1-1と対応付けられている要素情報である要素bを、レイアウト情報であるレイアウト1-3と対応付けられるように更新しても良い。
【0027】
以下に、図2に示した情報提供装置400における情報提供方法について説明する。図7は、図2に示した情報提供装置400における情報提供方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0028】
まず、取得部410が要求情報を取得すると(ステップS1)、度合判定部460が要求情報の要求度合を判定する(ステップS2)。要求情報の取得方法は、上述した通りである。要求情報の取得方法は、例えば、利用者が所持する通信端末に要求情報を入力して、通信端末から送信されてきた要求情報を取得部410が受信して取得する方法でも良い。その場合の通信端末への入力について説明する。
【0029】
図8は、利用者が所持する通信端末に表示される要求情報の入力画面の一例を示す図である。図8に示すように、利用者が所持して操作する通信端末600の表示部610に、要求情報の入力を促す表示と、要求情報(テキスト情報)の入力欄とが表示される。この表示にしたがって、利用者が通信端末600を操作して要求情報を入力する。図9は、利用者が所持する通信端末に表示される要求情報の入力画面の他の例を示す図である。図9に示すように、利用者が所持して操作する通信端末600の表示部610に、複数の要求情報が表示され、所望の要求情報の選択を促す表示がなされる。図9に示した例では、各要求情報(機能情報)にラジオボタンが対応付けられて表示され、ラジオボタンの選択を促す表示がなされる。
【0030】
また、要求度合の判定方法は、上述した通りである。また、検索部420が、取得部410が取得した要求情報に基づいて、機能情報をデータベース100から検索する(ステップS3)。ステップS2の処理とステップS3の処理とは、どちらが先に行われても良い。
【0031】
続いて、検索部430は、検索部420が検索した機能情報と、度合判定部460が判定した要求度合とに基づいて、レイアウト情報(設計情報)をデータベース200から検索する(ステップS4)。なお、図9に示したような表示がなされて、取得部410が取得した要求情報が機能情報そのものである場合は、ステップS2の処理の後にステップS3の処理は行われず、ステップS4の処理が行われる。続いて、検索部440は、検索部430が検索したレイアウト情報(設計情報)に基づいて、要素情報をデータベース300から検索する(ステップS5)。すると、出力部450は、検索部430が検索したレイアウト情報(設計情報)と、検索部440が検索した要素情報とを出力する(ステップS6)。なお、出力部450は、レイアウト情報と要素情報との組み合わせを複数出力し、利用者が選択可能としても良い。
【0032】
図10は、ステップS6にて出力されたレイアウト情報の一例を示す図である。図10は、利用者が所持する通信端末600へ出力部450がレイアウト情報を送信し、通信端末600の表示部610が受信したレイアウト情報を表示した場合の例を示す。図10に示すように、住戸の空間がどのような都市機能(機能情報)が割り当てられた空間になっているかを示す設計情報が提供される。なお、要素情報についても、出力部450から通信端末600へ送信され、通信端末600の表示部610に表示されているレイアウト図面上に表示されても良いし、別途リスト表示されても良い。
【0033】
その後、出力したレイアウト情報および要素情報に対して、変更の要求があるかどうかが判定される(ステップS7)。これは、例えば、図10に示したような表示が行われた後に、通信端末600から変更の要求を示す変更要求が送信されてきた場合、変更の要求があったと判定される。変更の要求がある場合、ステップS4の処理が行われ、他のレイアウト情報の検索が行われる。この検索は、例えば、変更前に提示したレイアウト情報の次に高い優先順位やレベルが設定されたレイアウト情報の検索であっても良い。一方、変更の要求がない場合は、設計情報および要素情報が確定される(ステップS8)。設計情報および要素情報が確定すると、それまでに変更の要求があった場合、変更に応じて上述した更新部470によるデータベース200に記憶されている設計情報やデータベース300に記憶されている要素情報の更新が行われる。また、確定された設計情報および要素情報は、当該住戸を識別する住戸識別情報と対応付けられて、情報提供装置400または情報提供装置400からアクセス可能な装置等に記録される。記録された情報は、当該住戸の情報として管理され、設計情報や要素情報に変更が生じたときに書き換えられる。
【0034】
このように本形態においては、住戸に居住する居住者からの要求に応じて、住戸内には一般的には存在し得ないサードプレイス空間を住居内に実現するための設計情報および要素情報をデータベースから検索して、居住者に提供する。これにより、住戸に居ながら、外を感じることができる。また、住戸が居住者にとっての快適な環境となるため、製品単位での環境要素の制御と異なり、住戸内の様々な活動シーンに対して快適な居心地の良い空間を提供することができる。住戸に居住する家族の個人個人の要求を最適化した要求を要求情報とすることで、個人限りの快適な環境ではなく、家族全員にとっての快適な空間を提供することができる。また、要求に対して提供した設計情報を変更可能とし、変更に基づいてデータベースの記憶情報を更新していくため、より良い空間を提供することができる。また、例えば、映像コンテンツや備品等、居住後に変更可能なアイテムも含まれ、居住後の要求に対してアイテムを変更することで、居住者にとってさらに快適な環境を提供することができる。なお、都市機能としては、上述したもののほか、レストラン等の飲食店や、娯楽施設、温泉等も挙げられる。
(第2の実施の形態)
【0035】
図11は、本発明の情報提供システムの第2の実施の形態を示す図である。本形態における情報提供システムは図11に示すように、データベース100,200,300と、情報提供装置401とを有する。データベース100,200,300と、情報提供装置401とは、通信ネットワーク500を介して、情報提供装置401からデータベース100,200,300へ通信可能に接続されている。また、データベース100,200,300と、情報提供装置401とは、互いが直接接続されていても良い。データベース100,200,300および通信ネットワーク500のそれぞれは、第1の実施の形態におけるものと同じもので良い。
【0036】
図12は、図11に示した情報提供装置401が具備する構成要素の一例を示す図である。図11に示した情報提供装置401は図12に示すように、取得部411と、検索部420,431,440と、出力部450と、度合判定部460と、更新部470とを有する。なお、図12には、図11に示した情報提供装置401が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。検索部420,440、出力部450、度合判定部460および更新部470のそれぞれは、第1の実施の形態におけるものと同じもので良い。
【0037】
取得部411は、第1の実施の形態における取得部410が具備する機能に加えて、要求情報とともに、住戸が立地する地域を示す地域情報とを取得する機能を具備する。取得部411が要求情報や地域情報を取得する方法は、第1の実施の形態における取得部410が要求情報や評価情報を取得する方法と同じで良い。取得部411は、取得した要求情報を検索部420および度合判定部460へ出力し、取得した地域情報を検索部431へ出力する。
【0038】
検索部431は、検索部420から出力されてきた機能情報と、取得部411から出力されてきた地域情報とに基づいて、設計情報をデータベース200から検索する設計情報検索部である。検索部431は、検索部420から出力されてきた機能情報に基づいて、設計情報をデータベース200から検索し、検索した設計情報の中から取得部411から出力されてきた地域情報が示す地域の都市機能を補填する機能またはその地域の都市機能と整合する機能に適合する設計情報を選択する。例えば、取得部411から出力されてきた地域情報が示す地域には公園が存在しない場合、検索部431は、検索部420から出力されてきた機能情報に基づいてデータベース200から検索した設計情報の中から、公園の空間をできるだけ多く実現できる設計情報を選択しても良い。なお、検索部431は、インターネット上に開示されている地図情報や所定の地図データベースに格納されている地図情報等を用いて、取得部411から出力されてきた地域情報が示す地域の状況を把握し、その状況に適合する設計情報を選択しても良い。また、検索部431は、第1の実施の形態における検索部430と同様に、度合判定部460から出力されてきた要求度合を示す値に基づいて、設計情報をデータベース200から検索する。
【0039】
以下に、図11に示した情報提供装置401における情報提供方法について説明する。図13は、図11に示した情報提供装置401における情報提供方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0040】
まず、取得部411が要求情報および地域情報を取得すると(ステップS11)、度合判定部460が要求情報の要求度合を判定する(ステップS12)。要求情報の取得方法は、第1の実施の形態におけるものと同じである。また、地域情報の取得方法は、例えば、利用者が所持する通信端末に地域情報を入力して、通信端末から送信されてきた地域情報を取得部411が受信して取得する方法でも良い。その場合の通信端末への入力について説明する。
【0041】
図14は、利用者が所持する通信端末に表示される地域情報の入力画面の一例を示す図である。図14に示すように、利用者が所持して操作する通信端末600の表示部610に、地域情報の入力を促す表示と、地域情報(テキスト情報)の入力欄とが表示される。地域情報は、居住する住戸の位置(場所)であって、例えば、市町村名でも良いし、著名な建物等の名称を用いた情報(河口湖周辺や、横浜駅から徒歩10分圏内、〇〇球場から半径1km以内等)でも良い。この表示にしたがって、利用者が通信端末600を操作して地域情報を入力する。または、地域を示す複数の情報が表示部610に選択可能に表示され、表示された複数の情報から選択を促す表示がなされても良い。
【0042】
また、要求度合の判定方法は、第1の実施の形態における方法と同じである。また、検索部420が、取得部411が取得した要求情報に基づいて、機能情報をデータベース100から検索する(ステップS13)。ステップS12の処理とステップS13の処理とは、どちらが先に行われても良い。
【0043】
続いて、検索部431は、取得部411が取得した地域情報と、検索部420が検索した機能情報と、度合判定部460が判定した要求度合とに基づいて、レイアウト情報(設計情報)をデータベース200から検索する(ステップS14)。具体的な検索方法は、上述した通りである。なお、図9に示したような表示がなされて、取得部411が取得した要求情報が機能情報そのものである場合は、ステップS12の処理の後にステップS13の処理は行われず、ステップS14の処理が行われる。続いて、検索部440は、検索部431が検索したレイアウト情報(設計情報)に基づいて、要素情報をデータベース300から検索する(ステップS15)。すると、出力部450は、検索部431が検索したレイアウト情報(設計情報)と、検索部440が検索した要素情報とを出力する(ステップS16)。なお、出力部450は、レイアウト情報と要素情報との組み合わせを複数出力し、利用者が選択可能としても良い。レイアウト情報および要素情報の出力態様は、第1の実施の形態と同じで良い。
【0044】
その後、出力したレイアウト情報および要素情報に対して、変更の要求があるかどうかが判定される(ステップS17)。これは、例えば、図10に示したような表示が行われた後に、通信端末600から変更の要求を示す変更要求が送信されてきた場合、変更の要求があったと判定される。変更の要求がある場合、ステップS14の処理が行われ、他のレイアウト情報の検索が行われる。この検索は、例えば、変更前に提示したレイアウト情報の次に高い優先順位やレベルが設定されたレイアウト情報の検索であっても良い。一方、変更の要求がない場合は、設計情報および要素情報が確定される(ステップS18)。設計情報および要素情報が確定すると、それまでに変更の要求があった場合、変更に応じて上述した更新部470によるデータベース200に記憶されている設計情報やデータベース300に記憶されている要素情報の更新が行われる。また、確定された設計情報および要素情報は、当該住戸を識別する住戸識別情報と対応付けられて、情報提供装置401または情報提供装置401からアクセス可能な装置等に記録される。記録された情報は、当該住戸の情報として管理され、設計情報や要素情報に変更が生じたときに書き換えられる。
【0045】
このように本形態においては、第1の実施の形態に加えて、指定された地域情報が示す地域に応じた都市機能を実現できる空間(レイアウト)を提供する。これにより、第1の実施の形態における効果に加えて、住戸の地域に適合した快適な居心地の良い空間を提供することができる。
(第3の実施の形態)
【0046】
図15は、本発明の情報提供システムの第3の実施の形態を示す図である。本形態における情報提供システムは図15に示すように、データベース100,200,300と、情報提供装置402と、通信端末600と、センサ702とを有する。データベース100,200,300と、情報提供装置402と、通信端末600とは、通信ネットワーク500を介して、情報提供装置402からデータベース100,200,300および通信端末600へ通信可能に接続されている。また、情報提供装置402と、通信端末600と、センサ702とは、通信ネットワーク500を介して互いに通信可能に接続されている。また、データベース100,200,300と、情報提供装置402とは、互いが直接接続されていても良い。また、情報提供装置402と、通信端末600と、センサ702とは、互いが直接接続されていても良い。データベース100,200,300および通信ネットワーク500のそれぞれは、第1の実施の形態におけるものと同じもので良い。通信端末600は、第1の実施の形態にて説明したものと同じもので良い。
【0047】
センサ702は、住戸内の状態や住戸に居住する居住者の状態を測定する測定器である。センサ702は、例えば、住戸内を撮像するカメラ、住戸内の音声を集音するマイク、住戸内の温度を測定する温度計、住戸内の湿度を測定する湿度計、住戸内の風速を測定する風速計、住戸内の照度を測定する照度計でも良いし、居住者に装着された生体情報測定器でも良い。生体情報測定器が測定する生体情報として、例えば、体温、呼吸、呼吸数、脈拍、脈拍数、心拍、脈拍変動、脈拍間隔、脈周期、心拍数、心拍変動、心拍間隔、心拍周期、心電、脳波、血圧、顔の表情、皮膚電位、眼球運動、血中酸素濃度、表皮温度、音声等が挙げられる。生体情報測定器は、例えば、腕時計等の個人にあらかじめ取り付けられているウェラブルな物に具備されていても良い。また、生体情報測定器は、個人に接触または接近させてバイタルサインを検知するものであっても良い。また、生体情報測定器は、個人を撮像して撮像画像に基づいて生体情報を検知するものであっても良い。また、生体情報測定器は、個人に接触せずにマイクロ波等を用いて、当該個人から生体情報を検知するものであっても良い。センサ702は、検知(測定)した検知情報を情報提供装置402へ送信する。センサ702には、センサ702固有のセンサ識別情報があらかじめ付与されており、センサ702は検知情報を情報提供装置402へ送信する際に、センサ識別情報も送信する。また、このセンサ識別情報は、当該センサ識別情報が付与されたセンサが、どの住戸またはどの住戸の居住者の状態を検知しているのかを識別できるように管理されている。例えば、センサ識別情報と住戸識別情報とが対応付けられて記憶されていても良い。
【0048】
図16は、図15に示した情報提供装置402が具備する構成要素の一例を示す図である。図15に示した情報提供装置402は図16に示すように、取得部412と、検索部420,432,442と、出力部450と、度合判定部460と、更新部470とを有する。なお、図16には、図15に示した情報提供装置402が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。検索部420、出力部450、度合判定部460および更新部470のそれぞれは、第1の実施の形態におけるものと同じもので良い。
【0049】
取得部412は、第1の実施の形態における取得部410または第2の実施の形態における取得部111が具備する機能に加えて、センサ702から送信されてきた検知情報とセンサ識別情報とを取得する機能を具備する。取得部412は、取得した検知情報とセンサ識別情報とを検索部432および検索部442へ出力する。
【0050】
検索部432は、取得部412から出力されてきた検知情報とセンサ識別情報とに基づいて、設計情報の変更の要否を判定する。このとき、検索部432は、取得したセンサ識別情報と対応付けられて記憶されている住戸識別情報を取得し、住戸識別情報と対応付けられて記録されている設計情報を取得する。検索部432は、取得部412から出力されてきた検知情報と取得した設計情報とに基づいて、設計情報の変更の要否を判定する。例えば、取得部412から出力されてきた検知情報である居住者の顔の表情が芳しくないものである場合、現在設定されている設計情報とは異なる設計情報への変更が必要であると判定する。この判定は、検知情報に対する変更の要否について機械学習を行なって学習モデルを生成し、生成した学習モデルに検知情報を入力することで変更の要否を学習モデルから取得するものでも良い。また、この判定は、検知情報と検知情報について住戸ごとまたは住戸の居住者ごとにあらかじめ設定されている閾値とを比較し、比較の結果に基づいて変更の要否を判定するものでも良い。検索部432は、設計情報の変更が必要であると判定した場合、データベース200から他の設計情報を検索して読み出す。検索部432は、読み出した設計情報を出力部450へ出力する。
【0051】
検索部442は、取得部412から出力されてきた検知情報とセンサ識別情報とに基づいて、要素情報の変更の要否を判定する。このとき、検索部442は、取得したセンサ識別情報と対応付けられて記憶されている住戸識別情報を取得し、住戸識別情報と対応付けられて記録されている要素情報を取得する。検索部442は、取得部412から出力されてきた検知情報と取得した要素情報とに基づいて、要素情報の変更の要否を判定する。例えば、取得部412から出力されてきた検知情報である温度情報が示す温度が芳しくないものである場合、現在設定されている要素情報とは異なる要素情報への変更が必要であると判定する。この判定は、検知情報に対する変更の要否について機械学習を行なって学習モデルを生成し、生成した学習モデルに検知情報を入力することで変更の要否を学習モデルから取得するものでも良い。また、この判定は、検知情報と検知情報について住戸ごとまたは住戸の居住者ごとにあらかじめ設定されている閾値とを比較し、比較の結果に基づいて変更の要否を判定するものでも良い。検索部442は、要素情報の変更が必要であると判定した場合、データベース200から他の要素情報を検索して読み出す。検索部442は、読み出した設計情報を出力部450へ出力する。
【0052】
以下に、図15に示した情報提供システムにおける情報提供方法について説明する。図17は、図15に示した情報提供システムにおける情報提供方法の一例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、センサ702が居住者の生体情報を測定する場合を例に挙げて説明する。また、出力部450が、検索部432が検索して読み出したレイアウト情報および検索部442が検索して読み出した要素情報を、通信端末600へ送信する場合を例に挙げて説明する。
【0053】
センサ702が生体情報の測定を開始する(ステップS21)。センサ702が測定した生体情報を情報提供装置402へ送信する(ステップS22)。センサ702からの生体情報の送信タイミングは、特に規定しない。この送信タイミングは、例えば、あらかじめ設定されたタイミングでも良いし、周期的なタイミングでも良いし、生体情報の変化量が所定の閾値を超えたときのタイミングでも良い。センサ702から送信されてきた生体情報を取得部112が取得すると、検索部432はレイアウト情報の変更の要否を判定し、検索部442は要素情報の変更の要否を判定する(ステップS23)。検索部432および検索部442における具体的な判定方法は、上述した通りである。変更が必要であると判定されると(ステップS24のYes)、検索部432は、設定されているレイアウト情報とは別のレイアウト情報をデータベース200から検索して読み出す(ステップS26)。また、検索部442は、設定されている要素情報とは別の要素情報をデータベース300から検索して読み出す(ステップS27)。続いて、出力部450は、検索部432が検索して読み出したレイアウト情報および検索部442が検索して読み出した要素情報を、通信端末600へ送信する(ステップS28)。すると、通信端末600は、出力部450から送信されてきたレイアウト情報および要素情報を表示する(ステップS29)。ここで、レイアウト情報や要素情報の変更が必要である場合、出力部450は、検知情報および変更の提案を出力しても良い。この出力(提案)は、当該住戸に居住している居住者だけではなく、住戸を提供した提供事業者を対象とするものでも良い。
【0054】
図18は、ステップS29における通信端末600に表示される表示画面の一例を示す図である。図18に示すように、通信端末600の表示部610には、検知情報が示す検知の内容と、要素情報が示す要素技術の変更の提案とが表示される。これにより、居住者は要素技術をどのように変更すれば良いかを認識することができる。
【0055】
その後、居住者から変更の要求があれば、第1の実施の形態において説明した、設計情報や要素情報の変更の処理が行われる。なお、変更した設計情報および要素情報は、当該住戸を識別する住戸識別情報と対応付けられて記録される。つまり、当該住戸を識別する住戸識別情報とすでに対応付けられて記録されている設計情報および要素情報それぞれが、変更後の設計情報および要素情報それぞれに書き換えられる。
【0056】
このように、本形態においては、第1および第2の実施の形態に加えて、住戸に居住後に住戸内または居住者の状態を測定するセンサ702を設ける。センサ702は、測定した結果を情報提供装置402へ送信する。情報提供装置402は、センサ702から送信されてきた測定結果に基づいて、現在のレイアウトや要素技術に変更が必要であるかどうかを判定する。情報提供装置402は、現在のレイアウトや要素技術に変更が必要であると判定した場合、他のレイアウトや要素技術を提示する。これにより、住戸に居住してからであっても、レイアウトの変更やリフォームの提案等を行い、居住者に合わせた居心地の良い快適な空間を提供することができる。
【0057】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。また、各実施の形態を組み合わせたものであっても良い。
【0058】
情報提供装置400,401,402それぞれが行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を情報提供装置400,401,402それぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報提供装置400,401,402それぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。情報提供装置400,401,402それぞれにて読取可能な記録媒体とは、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカードなどの移設可能な記録媒体の他、情報提供装置400,401,402それぞれに内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、情報提供装置400,401,402それぞれに設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0059】
100,200,300 データベース
400,401,402 情報提供装置
410,411,412 取得部
420,430,431,432,440,442 検索部
450 出力部
460 度合判定部
470 更新部
500 通信ネットワーク
600 通信端末
610 表示部
702 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18