(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075349
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/34 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
B65D1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186738
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓
【テーマコード(参考)】
3E033
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033CA20
3E033DA08
3E033DD09
3E033DE08
3E033EA08
3E033GA03
(57)【要約】
【課題】収容物のサイズに対する制約が小さく、かつ容器内での収容物の移動が抑制される容器を提供すること。
【解決手段】本開示技術に係る容器は、底部2と、底部2の縁辺から上方に延びて設けられた側壁部とを有している。本容器では、底部2は、側壁部の上端より低く上方から見て格子状をなすリブ4を有するとともに、リブ4により複数のマス5に区画されており、リブ4に高リブ40と低リブ41とが含まれており、少なくとも一部のマス5が、隣り合う2つの高リブ40と隣り合う2つの低リブ41とに囲まれている片高片低マス50である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、前記底部の縁辺から上方に延びて設けられた側壁部とを有する容器であって、
前記底部は、
前記側壁部の上端より低く上方から見て格子状をなすリブを有するとともに、
前記リブにより複数のマスに区画されており、
前記リブに、第1の高さの高リブと、前記第1の高さより低い第2の高さの低リブとが含まれており、
前記複数のマスの少なくとも一部のものが、隣り合う2つの前記高リブと隣り合う2つの前記低リブとに囲まれている片高片低マスである容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器であって、
隣り合う2つの前記片高片低マスが前記低リブを共有している特定隣接マスが存在する容器。
【請求項3】
請求項2に記載の容器であって、
前記特定隣接マスを構成する前記片高片低マスにおける前記低リブ同士の交点が、前記高リブと同じ高さの高交点である容器。
【請求項4】
請求項3に記載の容器であって、
前記特定隣接マスを構成する前記片高片低マスにおける、前記低リブと前記高リブとの継ぎ目、および前記低リブと前記高交点との継ぎ目に、上端が傾斜している傾斜部が形成されている容器。
【請求項5】
請求項2に記載の容器であって、
前記特定隣接マスを構成する前記片高片低マスにおける前記低リブ同士の交点が、前記低リブと同じ高さの低交点であり、
前記低リブと前記高リブとの継ぎ目に、上端が傾斜している傾斜部が形成されている容器。
【請求項6】
請求項5に記載の容器であって、
2組の前記特定隣接マスが前記低リブを共有して隣り合い十字状の十字低リブを構成している箇所が存在する容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、底板の上面に縦横に交差する仕切り片が突設された仕切り付き運搬用容器が記載されている。同文献の容器では、仕切り片の高さが、縦横の交差部分で低く、交差部分と交差部分との間の中間部分で高くされている。これにより、仕切り片の上端が波形を呈するようにされている。この容器は、仕切り片による各区画に1個ずつ、区画に合ったサイズの収容物を収容するのに適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の容器では、収容する収容物の大きさが、仕切り片の区画サイズにより限定されてしまうという問題点があった。仕切り片の中間部分における高さが高いので、区画を跨ぐ大きな収容物を収容すると、収容物に仕切り片が食い込むことがあるためである。このため、当該容器の区画サイズに合った特定の物品以外の収容物には使いにくかった。
【0005】
本開示技術の課題とするところは、収容物のサイズに対する制約が小さく、かつ容器内での収容物の移動が抑制される容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示技術の一態様における容器は、底部と、底部の縁辺から上方に延びて設けられた側壁部とを有するものであって、底部は、側壁部の上端より低く上方から見て格子状をなすリブを有するとともに、リブにより複数のマスに区画されており、リブに、第1の高さの高リブと、第1の高さより低い第2の高さの低リブとが含まれており、複数のマスの少なくとも一部のものが、隣り合う2つの高リブと隣り合う2つの低リブとに囲まれている片高片低マスであるものである。
【0007】
上記態様における容器では、高リブが、底部の上方であって側壁部に囲まれている収納スペースを仕切るほどではないが、容器に収容された収容物の底部上での移動を抑制する。また、リブにより区画されたマスには、片高片低マスに該当するものが含まれている。これにより、収容物のサイズに対する制約が小さく、かつ容器内での収容物の移動が抑制される容器となっている。
【0008】
上記態様の容器ではさらに、隣り合う2つの片高片低マスが低リブを共有している特定隣接マスが存在することが望ましい。このようになっていると、高リブのない低い領域が1マスの範囲を超えて広がることになる。このため、収容物に対する高リブの食い込み箇所はさほど多くない。
【0009】
特定隣接マスが存在する態様の容器ではさらに、特定隣接マスを構成する片高片低マスにおける低リブ同士の交点が、高リブと同じ高さの高交点である箇所が存在することが望ましい。このようになっていると、多数の高リブが高交点を介してジグザグ状に一方向に繋がった配置となる。高リブのない低い領域も一方向に繋がった配置となる。これにより収容物の底部上での移動が効果的に抑制される。
【0010】
特定隣接マスに高交点がある態様の容器ではさらに、特定隣接マスを構成する片高片低マスにおける、低リブと高リブとの継ぎ目、および低リブと高交点との継ぎ目に、上端が傾斜している傾斜部が形成されていることが望ましい。このようになっていると、高リブの食い込みによる収容物への攻撃性が緩和される。
【0011】
特定隣接マスが存在する態様の容器ではあるいは、特定隣接マスを構成する片高片低マスにおける低リブ同士の交点が、低リブと同じ高さの低交点である箇所が存在することもまた望ましい。この構成もまた、高リブのない低い領域が1マスの範囲を超えて広がる構成の一例である。この場合でも、低リブと高リブとの継ぎ目に、上端が傾斜している傾斜部が形成されていることが望ましい。
【0012】
特定隣接マスに低交点がある態様の容器ではさらに、2組の特定隣接マスが低リブを共有して隣り合い十字状の十字低リブを構成している箇所が存在することが望ましい。このようになっていると、2行×2列の計4つのマスを1単位とする領域が高リブで囲まれるとともに、高リブのない低い領域がその4つのマスに跨がって広がっていることになる。
【発明の効果】
【0013】
本開示技術によれば、収容物のサイズに対する制約が小さく、かつ容器内での収容物の移動が抑制される容器が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】
図1の容器を逆さに伏せた状態を示す斜視図である。
【
図3】第1の形態の容器の一部分を上方から見た平面図である。
【
図4】第1の形態の容器の底部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図5】
図4に示される底部の一部分の平面図(その1)である。
【
図6】第1の形態における特定隣接マスを示す平面図である。
【
図7】
図4に示される底部の一部分の平面図(その2)である。
【
図8】底部全体での低い領域の繋がり方の例を示す平面図である。
【
図9】第2の形態の容器の一部分を上方から見た平面図である。
【
図10】第2の形態の容器の底部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図11】
図10に示される底部の一部分の平面図(その1)である。
【
図12】第2の形態における特定隣接マスを示す平面図である。
【
図13】
図10に示される底部の一部分の平面図(その2)である。
【
図14】変形例に係る容器を一部切断して示す斜視図である。
【
図15】底部における高リブと低リブとの配置についての変形例(その1)を示す平面図である。
【
図16】底部における高リブと低リブとの配置についての変形例(その2)を示す平面図である。
【
図17】底部における高リブと低リブとの配置についての変形例(その3)を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の形態]
第1の形態に係る容器1は、
図1および
図2に示すように、底部2と、底部2の縁辺から上方に延びて設けられた側壁部3とを有する全体形状のものである。底部2は、上方から見てほぼ長方形状である。側壁部3は底部2の全周にわたり設けられている。底部2は
図3に示すように、縦横のリブ4により格子状に構成されている。
図1、
図2では底部2の一部を白抜き状に描いているが、これは作図上の都合による省略であり実際の容器1では底部2の全体が格子状である。
【0016】
図3に示すようにリブ4には、長辺(水平方向)の側壁部3と平行なものと短辺(上下方)の側壁部3と平行なものとの2方向のものがある。これにより底部2は、多数の正方形のマス5に区画されている。容器1では、各マス5の中に底板はなく、各マス5は貫通状である。容器1は、各マス5に小寸の収容物を1つずつ収容するのではなく、複数のマス5に跨がる程度の大きさである程度の柔軟性のある収容物を格子状の底部2の上に載せて収容することを想定したものである。以下、このような収容物を想定収容物という。
【0017】
本形態の容器1における格子状の底部2の詳細を
図4により説明する。
図4に示されるようにリブ4には、高リブ40と低リブ41との2種類がある。高リブ40と低リブ41との違いはその上端の高さにある。高リブ40の高さを第1の高さとし、低リブ41の高さを第2の高さとすると、第1の高さは第2の高さより高い。つまり、高リブ40の上端は低リブ41の上端より高い。ただし、高い方の高リブ40であっても側壁部3の上端よりは低い。低リブ41は高リブ40よりさらに低い。
【0018】
このように高さの異なる2種類のリブ4があることにより、底部2上での収容物の移動が抑制される。収容物が前述の想定収容物であれば、高リブ40が収容物にある程度食い込んだ状態となるからである。ただしその食い込み量は、最大でも高リブ40と低リブ41との高さの差の分程度である。このため高リブ40は、容器1の収容スペース(底部2の上方であって側壁部3に囲まれているスペース)を仕切るというほどのものではない。したがって収容物のサイズに特段の限定はない。
【0019】
高リブ40と低リブ41との区別は、前述の方向の区別とは別の概念である。したがって、高リブ40にも長辺と平行なものと短辺と平行なものとの両方があり、低リブ41にも長辺と平行なものと短辺と平行なものとの両方がある。
【0020】
図4に示される底部2のさらに一部を上方から見ると
図5のようになっている。
図5の範囲内には、完全なマス5が9つ含まれている。
図5中では、高リブ40を黒塗りして示している。これは、高リブ40と低リブ41との区別を図上で分かりやすくしたものであり、実際の容器1にて高リブ40と低リブ41とが別の色に塗り分けられていることを示すものではない。ただし塗り分けられていてもよい。
【0021】
個々のマス5に着目する。
図5中の中央のマス5は、四方を、2つの高リブ40と2つの低リブ41とにより囲まれている。当該マス5に対して、2つの高リブ40および2つの低リブ41はそれぞれ、隣り合って配置されている。このように隣り合う2つの高リブ40と隣り合う2つの低リブ40とに囲まれているマス5を、片高片低マス50と呼ぶ。
図5中に現れているマス5はすべて、符号付けは省略しているが片高片低マス50である。容器1の底部2に含まれるマス5のうち大多数のものは片高片低マス50である。
【0022】
図5の中央の片高片低マス50は、その上隣の片高片低マス50と低リブ41を共有している。このように低リブ41を共有して隣接している2つの片高片低マス50を、特定隣接マス8(
図6)と呼ぶ。
図5の中央の片高片低マス50とその左隣の片高片低マス50も特定隣接マス8である。容器1の底部2には特定隣接マス8が多数存在する。つまり底部2では、多数の片高片低マス50が特定隣接マス8を構成しつつ分布している。
【0023】
特定隣接マス8が存在することにより底部2では、高リブ40のない低い領域が、マス5の1区画分を超える領域に広がっている。低い領域には、低リブ41とマス5が含まれる。低い領域がある程度広がっているので、前述の想定収容物に対して高リブ40の食い込み箇所はさほど多くない。
【0024】
図5の中央の片高片低マス50にさらに着目する。当該片高片低マス50の左上の頂点6は、当該片高片低マス50から見れば低リブ41同士の交点である。しかしながらこの交点は、高リブ40と同じ高さである。当該片高片低マス50の左上のマス5(これも片高片低マス50である。)から見れば高リブ40同士の交点だからである。当該片高片低マス50からみたこの交点を高交点6と呼ぶ。
【0025】
このように片高片低マス50における低リブ41同士の交点が高交点6となっているということは、格子状の底部2を広域的に見れば、多数の高リブ40が高交点6を介してジグザグ状に繋がっているということである。
図5でもそのことを見て取ることができる。
図5では、高リブ40同士が右上-左下方向にジグザグ状に繋がっているといえる。
【0026】
このことはまた、高リブ40のない低い領域も右上-左下の斜め方向に繋がっていることを意味する。
図5に低い領域7を破線とハッチングで書き加えたものを
図7に示す。低い領域7は
図7中で、斜めの方向に繋がっている。これにより、想定収容物の底部2上での移動が効果的に抑制される。想定収容物が
図5および
図7中での左上-右下方向に移動しようとすると、想定収容物は
図5の多数繋がった高リブ40を乗り越える必要があり、抵抗が大きい。右上-左下方向の移動に対しては、高リブ40の繋がり方がジグザグ状であることが抵抗要因となる。このため、底部2上の想定収容物はどの方向へも移動しにくい。この低い領域7は、底部2の全体について見れば、縦および横の中心線のところで向きが変わりV字状をなすようにすることができる(
図8)。
【0027】
図4および
図5についてさらに説明する。
図4および
図5に示される例では、低リブ41の両端は必ず高リブ40と繋がっている。低リブ41の両端の高リブ40との継ぎ目の位置には、傾斜部11が設けられている。傾斜部11では、リブ4の上端が傾斜している。これにより傾斜部11の高さは、低リブ41側ほど低く高リブ40側ほど高くなっている。
【0028】
前述の片高片低マス50に着目すると、傾斜部11は、1つの片高片低マス50の周囲に4箇所存在する。そのうち2つは、「隣り合う2つの高リブ40」と「隣り合う2つの低リブ40」との境目の2箇所である。残る2つは、「隣り合う2つの低リブ40」における低リブ40同士の交点にある。つまり、低リブ40と高交点6との継ぎ目の2箇所である。傾斜部11が設けられていることにより、高リブ40の肩部による想定収容物への攻撃性が緩和されている。このため、容器1に収容された想定収容物が高リブ40によりダメージを受けることはほとんどない。
【0029】
[第2の形態]
第2の形態も、容器の全体形状に関しては、
図1等に示したものとほぼ同様で第1の形態と大きく変わるところはない。第2の形態の第1の形態に対する相違点は、格子状の底部2における高リブ40と低リブ41との配置にある。
【0030】
本形態の容器21における底部22について
図9~
図13により説明する。
図9は
図3に、
図10は
図4に、
図11は
図5に、
図12は
図6に、
図13は
図7に、それぞれ相当する図である。ただし
図11、
図13では、
図5、
図7よりやや広く、16個の完全なマス5を含む範囲を描いている。本形態でも、高リブ40それ自体、低リブ41それ自体は、第1の形態におけるものと同様である。高リブ40を黒塗りで示している意味も第1の形態と同様である。本形態でも、低リブ41と高リブ40との継ぎ目に傾斜部11が形成されている箇所はある。
【0031】
図11に示すように、本形態の底部22も格子状であり、隣り合う2つの高リブ40と隣り合う2つの低リブ40とに囲まれているマス5、つまり片高片低マス50が含まれている。さらに、
図11中に「50」の符号を付した2つの片高片低マス50は、低リブ41を共有して隣接している。つまり特定隣接マス9(
図12)である。実際には
図11中に現れているすべてのマス5が、片高片低マス50であり、かつ、特定隣接マス9を構成している。
図11中では、低リブ41を挟んで上下に隣接している2つのマス5を特定隣接マス9と認識することもできるし、低リブ41を挟んで左右に隣接している2つのマス5を特定隣接マス9と認識することもできる。
【0032】
本形態では第1の形態と比較して、高リブ40同士の繋がり方が異なっている。本形態では、2行×2列の計4つのマス5(いずれも片高片低マス50)を1単位とし、その周囲に高リブ40が存在する配置となっている。この配置では
図11中で、上下方向にも左右方向にも、高リブ40が直線状に繋がっている。この配置によりさらに、次の相違点がある。
【0033】
第1に、高交点6が存在しないことである。本形態の片高片低マス50における低リブ41同士の交点は、前述の「1単位」の4つの片高片低マス50のいずれから見ても低リブ41同士の交点だからである。つまりこの交点は低リブ41と同じ高さであり、低交点12と呼ぶ。前述の「1単位」の中心が低交点12である。
【0034】
そして、本形態では第1の形態の場合よりも、傾斜部11が形成されている箇所が少なくなっている。本形態の片高片低マス50に着目してみると、傾斜部11が形成されている箇所は、「隣り合う2つの高リブ40」と「隣り合う2つの低リブ40」との境目の2箇所だけである。高交点6が存在しないため、低リブ40と高交点6との継ぎ目の傾斜部11というものはない。傾斜部11の利点そのものは第1の形態の場合と同様である。
【0035】
さらに、前述の「1単位」は、2組の特定隣接マス9が低リブ41を共有して隣り合っているものと認識することができる。このため、前述の低交点12を中心に4本の低リブ41が集中して、十字状の十字低リブ10を構成している。
【0036】
本形態の底部22でも、高リブ40のない低い領域が、マス5の1区画分を超える領域に広がっている。ただしその広がり方は第1の形態の場合とは異なっている。
図13に示すように、本形態の場合における低い領域7は、前述の「1単位」の高リブ40に囲まれた4つのマス5に跨がる領域である。本形態の容器1は、「1単位」の4つのマス5に1つずつ想定収容物を収容する用途に向いているものである。そのように収容された想定収容物は、高リブ40に囲まれており移動が抑制された状態にある。また、高リブ40の想定収容物への食い込みがほとんどない。ただし、2単位以上に跨がる想定収容物を収容することもできる。
【0037】
以上詳細に説明したように本実施の形態によれば、底部(2、22)と側壁部3とを有する容器(1、21)において、底部(2、22)を低リブ41と高リブ40とで構成される格子状のものとしている。これにより、収容物のサイズに対する制約が小さく、かつ容器内での収容物の移動が抑制される容器(1、21)が実現されている。
【0038】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示技術を何ら限定するものではない。したがって本開示技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。
【0039】
例えば、前述の第1の形態および第2の形態ではいずれも、リブ4として、長辺の側壁部3と平行なものと短辺の側壁部3と平行なものとがあることとした。また、各マス5は貫通状であることとした。しかしこれには限られない。リブ4として、長辺の側壁部3と短辺の側壁部3とのいずれにも傾斜している2方向のものを有するようにしてもよい。また、各マス5が非貫通であってもよい。
図14にこのような変形例に係る容器31を示す。
図14の容器31では、底部32が、いずれも斜め方向の2方向のリブ4で構成されている。また、底板13を有しており各マス5は貫通していない。このようなものでも本開示技術に含まれる。また、適宜の箇所に傾斜部11を形成することができる。
【0040】
図14の容器13における前述の低リブ41と高リブ40との配置については、第1の形態のタイプ(
図5等)でもよいし第2の形態のタイプ(
図11等)でもよい。第1の形態のタイプのものである場合、高リブ40同士のジグザグ状の繋がり、および高リブ40のない低い領域の繋がりの方向を、長辺の側壁部3と短辺の側壁部3とのいずれか一方と平行な方向とすることができる。この場合、長辺の側壁部3と短辺の側壁部3とのいずれか一方と平行な方向に対しては、高リブ40同士のジグザグ状の繋がりと、高リブ40のない低い領域の繋がりとが交互に配置されることとなる。リブ4の方向は傾斜方向だが底板13のないものであってもよい。あるいは、リブ4の方向は側壁部3と平行だが底板13のあるものであってもよい。
【0041】
前述の第1の形態および第2の形態で説明したものはいずれも、マス5のほとんどが片高片低マス50であるものであった。しかし、片高片低マス50の定義に該当しないマス5が存在していてもよい。
図15に示すのは、第1の形態(
図5)に基づいて、片高片低マス50ではないマス5をある程度含むようにした例である。この例でも、多数の高リブ40が高交点6を介してジグザグ状に、全体としては斜め方向に繋がっている。「低い領域」も斜め方向に繋がっている。この例でも、2つの片高片低マス50が特定隣接マス8(
図6)を構成している箇所はある。
【0042】
図16に示すのは、第2の形態(
図11)に基づいて、片高片低マス50ではないマス5をある程度含むようにした例である。この例では、前述の「1単位」を、2行×3列の計6つのマス5で構成している。この例の1単位には、片高片低マス50が4つ、片高片低マス50ではないマス5が2つ含まれている。この例でも、「低い領域」が、「1単位」の高リブ40に囲まれた範囲内に広がっている。この例でも、2つの片高片低マス50が特定隣接マス9(
図12)を構成している箇所はある。この例でも、「1単位」の範囲内には低交点12および十字低リブ10が存在する。
【0043】
図17に示すのは、片高片低マス50ではないマス5を含ませることを意図したものではないが、第2の形態の変形例のもう1つの例である。この例では、「1単位」を4つのマス5で構成しているが、「1単位」の配置を行ごとに1マス分ずらしている。このため高リブ40が図中で、左右方向には直線状に多数繋がっているが、上下方向には断続状となっている。この例でも、「1単位」の範囲内には低交点12および十字低リブ10が存在する。
図15~
図17では、作図上、高リブ40を単純な太線で、低リブ41を単純な細線で、それぞれ示している。
図15~
図17の各例でも、リブ4の方向と側壁部3の方向との関係は任意である。また、底板13の有無もどちらでもよい。また、適宜の箇所に傾斜部11を形成することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 容器
2 底部
3 側壁部
4 リブ
5 マス
6 高交点
7 低い領域
8 特定隣接マス
9 特定隣接マス
10 十字低リブ
11 傾斜部
12 低交点
21 容器
22 底部
31 容器
32 底部
40 高リブ
41 低リブ
50 片高片低マス