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  • 特開-喫煙具用カートリッジ 図1
  • 特開-喫煙具用カートリッジ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075376
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】喫煙具用カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/17 20200101AFI20240527BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20240527BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240527BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240527BHJP
【FI】
A24D3/17
A24D1/20
A24F40/465
A24F40/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186782
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 凱鵬
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA37
4B045AA50
4B045AB11
4B045AB16
4B045BB07
4B045BC15
4B045BC24
4B162AC14
4B162AC22
(57)【要約】
【課題】被加熱基材の熱の外部への伝達を抑え、かつ良好な咥え心地を確保する。
【解決手段】本開示に係る喫煙具用カートリッジ10は、所定方向に延び、内側に内部空間18を区画する筒状の外郭材11と、外郭材11の内部空間18に配置される被加熱基材12と、外郭材11よりも上記所定方向の一側に配置されるフィルタ16と、フィルタ16の外周を覆う上記一側の第1領域24と、外郭材11の外周面19にオーバーラップして外郭材11に対して固定される上記所定方向の他側の第2領域25とを有し、フィルタ16を外郭材11に対して固定する筒状のフィルタ包装材17と、を備え、フィルタ包装材17は、外郭材11よりも薄肉である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に延び、内側に内部空間を区画する筒状の外郭材と、
前記外郭材の前記内部空間に配置される被加熱基材と、
前記外郭材よりも前記所定方向の一側に配置されるフィルタと、
前記フィルタの外周を覆う前記一側の第1領域と、前記外郭材の外周面にオーバーラップして前記外郭材に対して固定される前記所定方向の他側の第2領域とを有し、前記フィルタを前記外郭材に対して固定する筒状の包装材と、を備え、
前記包装材は、前記外郭材よりも薄肉である
ことを特徴とする喫煙具用カートリッジ。
【請求項2】
前記被加熱基材の径方向の内側に配置され、電磁誘導を利用して発熱する誘導加熱材を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項3】
前記外郭材の前記内部空間のうち、前記被加熱基材よりも前記一側に配置され、前記被加熱基材を支持する支持部材を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項4】
前記外郭材の前記内部空間のうち、前記被加熱基材よりも前記他側に配置され、前記内部空間の前記他側を閉止する閉止部材を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項5】
前記外郭材の厚みは、0.3mm以上0.5mm以下であり、
前記包装材の厚みは、0.04mm以上0.06mm以下である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項6】
前記包装材の前記第2領域の前記所定方向の長さは、2mm以上12mm以下である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の喫煙具用カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙具用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子タバコカートリッジが開示されている。この電子タバコカートリッジは、加熱要素の挿入される側から、すなわち、上流側から下流側に向かって、エアロゾル形成基材、支持要素、移送部材、マウスピースの順で隣接させ、タバコ紙等の包装部材で巻きロッドを形成する。この電子タバコカートリッジは、ユーザの使用時に電子タバコ本体に装着される。電子タバコ本体には、電子タバコカートリッジを差し込むための差し込み部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-145754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電子タバコカートリッジ(喫煙具用カートリッジ)では、エアロゾル形成基材(被加熱基材)、支持要素、移送部材、及びマウスピースが、タバコ紙等の包装部材で巻かれている。タバコ紙等の包装部材は、その厚みが比較的薄いので、喫煙具用カートリッジを電子タバコ本体の差し込み部に差し込んで使用するユーザの使用時に、被加熱基材に発生する熱が、電子タバコ本体に伝わってしまう。電子タバコ本体が高温化することは好ましくない。一方、包装部材の厚みを厚くすると、喫煙具用カートリッジが固くなり、喫煙具用カートリッジを咥えた際の咥え心地が低下する可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、被加熱基材の熱の外部への伝達を抑え、かつ良好な咥え心地を確保することが可能な喫煙具用カートリッジの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様の喫煙具用カートリッジは、所定方向に延び、内側に内部空間を区画する筒状の外郭材と、前記外郭材の前記内部空間に配置される被加熱基材と、前記外郭材よりも前記所定方向の一側に配置されるフィルタと、前記フィルタの外周を覆う前記一側の第1領域と、前記外郭材の外周面にオーバーラップして前記外郭材に対して固定される前記所定方向の他側の第2領域とを有し、前記フィルタを前記外郭材に対して固定する筒状の包装材と、を備え、前記包装材は、前記外郭材よりも薄肉である。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記被加熱基材の径方向の内側に配置され、電磁誘導を利用して発熱する誘導加熱材を備える。
【0008】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記外郭材の前記内部空間のうち、前記被加熱基材よりも前記一側に配置され、前記被加熱基材を支持する支持部材を備える。
【0009】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記外郭材の前記内部空間のうち、前記被加熱基材よりも前記他側に配置され、前記内部空間の前記他側を閉止する閉止部材を備える。
【0010】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記外郭材の厚みは、0.3mm以上0.5mm以下であり、前記包装材の厚みは、0.04mm以上0.06mm以下である。
【0011】
本発明の第6の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記包装材の前記第2領域の前記所定方向の長さは、2mm以上12mm以下である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、被加熱基材の熱の外部への伝達を抑え、かつ良好な咥え心地を確保することが可能な喫煙具用カートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示に係る喫煙具用カートリッジの使用態様の一例を示す図である。
図2】本開示に係る喫煙具用カートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。さらに、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。また、各図における右側を所定方向の一側とし、左側を所定方向の他側として説明する。
【0015】
また、本明細書において、「喫煙」とは、一般的に、ナス科タバコ属のタバコの葉又はタバコ成分を含む素材を燃焼又は加熱して生成するニコチンやタール等を含む煙を吸うことを意味することが多いが、ここでは、単に、「煙を楽しむ」、「煙を味わう」、「煙を堪能する」の意味であり、煙の元になる芳香成分は、タバコ材に限定されず、非タバコ材を使用するものにも適用される。
【0016】
図1は、本開示に係る喫煙具用カートリッジの使用態様の一例を示す図である。
【0017】
図1に示すように、本開示に係る喫煙具用カートリッジ10は、喫煙具100を使用して喫煙可能である。喫煙具100は、電磁誘導を利用して喫煙具用カートリッジ10を誘導加熱する喫煙具100である。喫煙具100は、喫煙具用カートリッジ10を挿入するための挿入部101と、挿入部101の内に配置される誘導加熱コイル102と誘導加熱コイル102の制御装置(図示省略)やバッテリ(図示省略)等を含む制御部103とを備える。誘導加熱コイル102は、挿入部101に挿入された喫煙具用カートリッジ10の周囲を囲むように配置され、電流が流れることによって磁界を生成する。
【0018】
図2は、本開示に係る喫煙具用カートリッジの断面図である。
【0019】
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10は、所定方向に延びる筒状の外郭材11と、外郭材11の内部に配置される被加熱基材12と、外郭材11の外部に配置されるフィルタ16と、フィルタ16を包装するフィルタ包装材17とを備え、柱状(例えば、円柱状)に形成される。本実施形態では、喫煙具用カートリッジ10は、外郭材11、被加熱基材12、フィルタ16、及びフィルタ包装材17に加えて、外郭材11の内部に配置される誘導加熱材13と、外郭材11の内部に配置される支持部材14と、外郭材11の内部に配置される閉止部材15とを備える。喫煙具用カートリッジ10の長さL1は、40mm以上50mm以下であることが好ましい。
【0020】
外郭材11は、喫煙具用カートリッジ10の主な外骨格を構成する筒状(例えば、円筒状)の部材であって、所定方向(以下、「長手方向」という場合がある。)に延び、内側に内部空間18を区画する。なお、外郭材11は、円筒状に限定されるものではなく、例えば、断面矩形状の筒状に形成されてもよい。
【0021】
外郭材11は、例えば、1枚或いは複数枚の厚紙シートを、平巻き或いは螺旋巻きに巻回することによって筒状に形成される。図2に示すように、本実施形態の外郭材11は、1枚の厚紙シート11aを螺旋巻きに巻回して形成される。外郭材11の製造方法は、例えば、柱状の仮芯部材(図示省略)に対し、厚紙シート11aを長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状に形成する。このとき、厚紙シート11aを仮芯部材に巻回しながら、厚紙シート11aの互いに重なる幅方向の両端部同士を互いに接着してもよい。そして、筒状に巻回された厚紙シート11aを、仮芯部材から取り外して、所望の長さに切断し、外郭材11を製造する。
【0022】
外郭材11の長さL2は、20mm以上40mm以下であることが好ましく、25mm以上30mm以下であることがより好ましい。例えば、本実施形態の外郭材11の長さL2は、27mmに設定される。外郭材11の直径は、4.0mm以上9.0mm以下であることが好ましく、ユーザの持ちやすさの観点から、5.0mm以上8.0mm以下であることがより好ましい。
【0023】
外郭材11は、被加熱基材12の熱の外部への伝達を抑えることが可能な厚みを有する。外郭材11の厚みt1(厚紙シート11aの厚みt1)は、外郭材11の外部への熱の伝達を抑制する観点から、0.1mm以上0.6mm以下であることが好ましく、0.2mm以上0.4mm以下であることがより好ましい。例えば、本実施形態の外郭材11の厚みt1は、0.3mmに設定される。外郭材11の厚みt1を、上記範囲に設定することによって、被加熱基材12の熱の外部への伝達を抑えることができるとともに、喫煙具用カートリッジ10の主な外骨格を構成するように、外郭材11に比較的高い強度を確保することができる。
【0024】
なお、外郭材11の内周面に、芳香材を塗布したり含侵したりしてもよい。芳香材としては、一般に喫煙具用カートリッジ10で使用されるものであれば特に限定はなく、例えば、タバコ抽出物、バニリン、チョコレート、ココア、メンソール等が挙げられる。
【0025】
図2に示すように、被加熱基材12は、加熱によりエアロゾルを発生させる部材であって、外郭材11の内部空間18(本実施形態では、内部空間18のうちの長手方向の上記他側)に充填され、外郭材11に支持される。被加熱基材12は、ペースト状のものを乾燥させたペースト体(以下、単に「ペースト体」という。)の形態、長手方向に延びる短冊状の形態、シート状の形態、チップ状の形態、木屑状の形態、又は粉体状(粉末状、微粒状、細粒状及び顆粒状を含む)の形態を有するものであってもよい。
【0026】
被加熱基材12が短冊状の形態の場合の幅は、0.5mm以上2.0mm以下が好ましく、0.8mm以上1.5mm以下であることがより好ましい。また、被加熱基材12がシート状の形態の場合の厚さは、0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。さらに、被加熱基材12が粒状の形態の場合、平均直径は0.1mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.4mm以上0.8mm以下であることがより好ましい。なお、本実施形態では、幅が1.0mmの短冊状の被加熱基材12を適用している。
【0027】
被加熱基材12は、タバコ材及び/又は非タバコ材に、エアロゾルを発生させるエアロゾルフォーマや、微結晶セルロース、風味を追加する添加剤、保存料、粘着剤、増粘剤等を混合し、加圧によりオリフィスやノズルを通過させ棒状に成形する方法、被加熱基材12用組成物を薄いシートに成形してから切断により成形する方法、又は被加熱基材12用組成物を乾燥させ粉砕等をして粒状にする方法等が例示できる。
【0028】
エアロゾルフォーマは、加熱によって気化又は霧化してエアロゾルを発生させる化合物又は化合物の混合物である。エアロゾルフォーマとしては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、植物性グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。これらエアロゾルフォーマは、単独でも又は2種以上混合しても用いることができる。
【0029】
なお、被加熱基材12を形成する非タバコ材(加熱の際に芳香を生じる芳香成分)としては、以下の物が挙げられるが、これらに限られない。
【0030】
本実施形態において使用できる非タバコ材は、タバコ以外の植物であれば特に制限はなく使用できる。植物の使用部位としては、例えば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根、等を含む)、茎(球茎、根茎、キクイモ担根体)、塊茎、皮(茎皮、樹皮等を含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊等を含む)、樹木の幹や枝等、様々な部位を使用できる。
【0031】
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ、球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャク、塊茎としては、コンニャク、シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)、根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ、塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)、その他として、カブ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、クズが挙げられる。茎としては、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコンが挙げられる。
【0032】
上記イモ類又は以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、被加熱基材12の少なくとも一部の材料として好ましく用いられる。例えば、澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)等があり、増粘剤、安定剤等として使用の例がある。これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、耐シェア性向上等、エステル化、エーテル化により保存安定性向上、糊化促進等、酸化により透明性向上、フィルム性向上、保存安定性向上等を図ることで可能である。
【0033】
植物種子からはタマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、樹液からはアラビアガム、カラヤガム、果実からはペクチン、その他の植物からは、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン、大豆多糖類を得ることができる。さらに、カチオン化グアーガム、のように変性して使用できる。
【0034】
海藻からは、カッパカラギナン、イオタカラギナン、ラムダカラギナンの3タイプに分類されるカラギナン、寒天、アルギン酸を得ることができ、カラギナン金属塩、アルギン酸Naなどの塩としても用いられる。
【0035】
ハーブやスパイスとして使用されている植物としては、例えば、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子などを使用できる。また、ミックススパイス(例えば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物を使用できる。
【0036】
また、例えば、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー豆、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などの食用果実(果肉部分)や種子を使用できる。
【0037】
また、茶類を使用できる。茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工方法によって異なるお茶になる。具体的には、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これらお茶については飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して有効活用できる。
【0038】
上記に、使用できる植物の具体例として、昆布(茶)を挙げたが、他にも植物として、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメも当然に使用することができる。
【0039】
上記に、使用できる植物の具体例として、玄米(茶)を挙げたが、米の他の品種として、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)も当然に使用することができ、粉又は糠としても使用することができる。
【0040】
さらに、使用できる植物の具体例として、麦(茶)を挙げたが、麦類の他の例として、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦ともいう)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)も当然に使用できる。
【0041】
さらに、使用できる植物の具体例として、黒豆(茶)を挙げたが、菽穀類(マメ科)としての他の例は、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウキマメクラスタマメグラスピー(英:Lathyrus sativus)ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、ハッショウマメ(英:Mucuna pruriens)、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホースグラム(英:Macrotyloma uniflorum)、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、レンズマメ(ヘントウ)も当然に使用できる。
【0042】
さらに、使用できる植物の具体例として、ソバ(茶)を挙げたが、その他の植物の例として、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバも当然に利用することができる。
【0043】
さらに、使用できる植物の具体例として、シイタケ(茶)を挙げたが、キノコ類としては、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マッシュルーム、ハラタケが挙げられる。
【0044】
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根なども使用できる。シダ類、コケ類等も非タバコ植物として使用することが可能である。植物としてまた、例えば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))なども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
【0045】
さらに、漢方薬として知られているものも好ましく用いられる。例えば、以下である。藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、茵陳蒿(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、槐花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、羌活(キョウカツ)、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡桃(クルミ)、苦楝皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジュ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五味子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、疾藜子(シツリシ)、柿蒂(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、秦ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、ソウ角子(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウ莢(ソウキョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシャ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウッジ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)、土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、薄荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンランコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)、白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボタンピ)、麻黄(マオウ)、麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木通(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、連銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)。
【0046】
さらに、上記に例示した非タバコ植物の抽出物、いわゆるエキスも使用することができる。抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
【0047】
図2に示すように、本実施形態の被加熱基材12は、ラッピング材23によって巻装されてもよい。ラッピング材23は、紙であってもよいし、或いは紙に相当する強度のプラスチックフィルムであってもよい。なお、本実施形態では、被加熱基材12をラッピング材23で巻装したが、これに限定されるものではなく、被加熱基材12をラッピング材23で巻装しなくてもよい。
【0048】
図2に示すように、被加熱基材12の径方向の内側には、電磁誘導を利用して発熱する誘導加熱材13が配置される。誘導加熱材13は、電磁誘導を利用して発熱するサセプタ材料によって形成される。すなわち、本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10は、喫煙具100の挿入部101に挿入して、径方向の内側の誘導加熱材13の発熱によってその径方向の外側に位置する被加熱基材12を加熱する喫煙具用カートリッジ10である。
【0049】
本実施形態の誘導加熱材13は、外郭材11の長手方向に延びる棒状に形成される。誘導加熱材13は、外郭材11の内部空間18の径方向の中央に配置されることが好ましい。本実施形態の誘導加熱材13は、電磁誘導を利用して発熱することによって、被加熱基材12を径方向の内側から加熱する。なお、外郭材11を円筒状に形成した場合には、外郭材11の外周面19から誘導加熱材13の外周面20までの径方向の距離Aが、均一であることが好ましい。また、誘導加熱材13は、被加熱基材12に対して上記所定方向に相対移動不能に一体化されることが好ましい。例えば、被加熱基材12の粘度等によって、誘導加熱材13と被加熱基材12とが互いに接着されてもよい。
【0050】
サセプタ材料としては、鉄、ステンレス鋼、ニッケル、真鍮、チタン、アルミニウム、銅、Co、クロム、FeOFe、NiOFe、CuOFe、MgOFe、MnBi、MnSb、MnOFe、YFe12、CrO、MnAs、Gd、Dy、炭素素材(例えば、カーボン、グラファイト)等が挙げられ、磁性を有する鉄、フェライト鉄、フェライト粉末,フェライト粒子、フェライト系ステンレス、強磁性鋼、ステンレス鋼、ニッケル、コバルト、またはこれらを組み合わせた金属材料などが好ましい。特に、強磁性体である鉄、常磁性体であるアルミニウム、反強磁性体であるクロムの合金またはそれら材料を複数層にしたものがより好ましい。
【0051】
図2に示すように、閉止部材15は、外郭材11の内部空間18のうち、被加熱基材12よりも長手方向の上記他側(図2における左側)に配置されて外郭材11に支持される。閉止部材15は、閉止部材15よりも上記他側への被加熱基材12の移動を規制し、内部空間18から上記他側への被加熱基材12の落下(例えば欠片の落下)を防止する。本実施形態の閉止部材15は、外郭材11の内部空間18の長手方向の上記他側の端部に配置されて外郭材11に支持され、被加熱基材12の上記他側の端に当接する。
【0052】
閉止部材15は、外郭材11の長手方向に貫通する通気孔21を有する。すなわち、閉止部材15は、外郭材11の長手方向(所定方向)への通気性を有する。閉止部材15は、耐熱性及び通気性に優れた材料であれば特に制限はなく、例えば、スポンジ、発泡体、繊維集合体、多孔質体、シリコーン等によって形成することができる。なお、図2には2つの通気孔21が図示されているが、通気孔21の数はこれに限定されるものではなく、喫煙時の通気性を確保可能な所望の数に設定することができる。また、本実施形態では、通気性を有する閉止部材15としたが、通気性を有しない閉止部材であってもよい。この場合、外郭材11の上記他側の端部に通気孔を設けるなどして、通気性を確保してもよい。
【0053】
図2に示すように、支持部材14は、被加熱基材12を長手方向の上記一側(図2における右側)から支持する部材であって、外郭材11の内部空間18のうち、被加熱基材12よりも上記一側に配置される。支持部材14は、支持部材14よりも上記一側への被加熱基材12の移動を規制する。本実施形態の支持部材14は、外郭材11の内部空間18のうち、被加熱基材12よりも上記一側の全域に配置される。すなわち、支持部材14は、上記他側の端が被加熱基材12に当接し、上記一側の端が後述するフィルタ16に当接することによって、外郭材11に対する被加熱基材12の上記一側への移動を規制する。なお、本実施形態では、支持部材14の上記一側の端をフィルタ16に当接させたが、これに限定されるものではない。例えば、支持部材14は、上記他側の端が被加熱基材12に当接し、支持部材14の外周面が外郭材11に支持されることによって、外郭材11に対する被加熱基材12の上記一側への移動を規制してもよい。
【0054】
支持部材14は、外郭材11の長手方向に貫通する通気孔22を有する。すなわち、支持部材14は、外郭材11の長手方向(所定方向)への通気性を有する。支持部材14の通気孔22は、被加熱基材12で発生したエアロゾルのフィルタ16側への流路として機能する。支持部材14は、耐熱性及び通気性に優れた材料であれば特に制限はなく、例えば、スポンジ、発泡体、繊維集合体、多孔質体、シリコーン等によって形成することができる。すなわち、支持部材14は、被加熱基材12で発生したエアロゾルを冷却する冷却部材として機能してもよい。なお、図2には1つの通気孔22が図示されているが、通気孔22の数はこれに限定されるものではなく、喫煙時の通気性を確保可能な所望の数に設定することができる。また、本実施形態では、通気性を有する支持部材14としたが、これに限定されるものではなく、例えば、外郭材11の内部空間18の径よりも細い支持部材を設けることによって、喫煙具用カートリッジ10に通気性を確保してもよい。
【0055】
図2に示すように、フィルタ16は、加熱された被加熱基材12からのエアロゾルの流通を許容しつつ、被加熱基材12からの脱落物や粉塵の流通を規制して脱落物等の吸引を防止するための部材であって、外郭材11よりも上記一側に配置され、後述するフィルタ包装材17に嵌装され、フィルタ包装材17を介して外郭材11に支持される。すなわち、フィルタ16は、外郭材11の内部空間18内ではなく、外郭材11の外部に配置され、被加熱基材12から上記一側へ離間して配置される。本実施形態では、被加熱基材12とフィルタ16との間には、支持部材14が配置される。フィルタ16は、例えば、セルロースアセテートフィルタ等を使用して形成することができる。エアロゾルの煙や芳香成分は、フィルタ16を介して吸引され、ユーザは、より快適な喫煙を楽しむことができる。なお、フィルタ16は、その形状を保持するための成形シート等を含んでいてもよい。
【0056】
フィルタ16の長さL3は、喫煙具用カートリッジ10の長さL1の18%以上45%以下であることが好ましい。具体的には、喫煙具用カートリッジ10の長さL1を45mmにした場合には、フィルタ16の長さL3は、8mm以上20mm以下であること好ましい。例えば、本実施形態のフィルタ16の長さL3は、18mmに設定される。このように、フィルタ16の長さを喫煙具用カートリッジ10の長さL1の18%以上45%以下にすることによって、フィルタ16の重さを抑えることができるので、フィルタ包装材17によってフィルタ16を良好に支持することができる。
【0057】
なお、ユーザがエアロゾルを一層吸引し易くなるように、外郭材11の長手方向に沿って貫通する通気孔を、フィルタ16に設けてもよい。また、内部に液体香料を含むカプセル(例えば球状のカプセル)をフィルタ16の内部に設けてもよい。フィルタ16の内部に液体香料を含むカプセルを設けた場合には、喫煙時にフィルタ16を噛んで、内部のカプセルを噛み潰すと、カプセル内の液体香料が溢れ出すので、被加熱基材12で発生したエアロゾルにカプセルからの液体香料を混合した状態で、喫煙することができる。
【0058】
図2に示すように、フィルタ包装材17は、フィルタ16を外郭材11に対して固定する部材であって、筒状に形成され、フィルタ16の外周の全域を径方向の外側から覆う。フィルタ包装材17は、外郭材11を形成する厚紙シート11aよりも薄肉(厚みが薄い)の薄紙シート17aによって形成される。例えば、フィルタ包装材17は、1枚の薄紙シート17aを、平巻きに巻回することによって筒状に形成される。フィルタ包装材17は、フィルタ16の外周を覆う上記一側の第1領域24と、外郭材11の外周面19にオーバーラップして外郭材11に対して固定される上記他側の第2領域25とを有する。フィルタ包装材17の第1領域24は、フィルタ16の外周面に接着されてもよい。フィルタ包装材17の第2領域25は、外郭材11の外周面19に接着される。
【0059】
フィルタ包装材17のうち外郭材11の外周面19にオーバーラップしている第2領域25の上記所定方向の長さL4は、フィルタ16の支持強度の観点から、2mm以上12mm以下であることが好ましく、2mm以上6mm以下であることがより好ましい。例えば、本実施形態の第2領域25の上記所定方向の長さL4は、4mmに設定される。フィルタ包装材17の第2領域25の上記所定方向の長さL4を上記範囲に設定することによって、外郭材11に対してフィルタ16を安定的に固定することができる。
【0060】
上述したように、フィルタ包装材17は、外郭材11よりも薄肉である。フィルタ包装材17の厚みt2(薄紙シート17aの厚みt2)は、フィルタ16の支持強度及び良好な咥え心地を確保する観点から、0.03mm以上0.08mm以下であることが好ましく、0.04mm以上0.07mm以下であることがより好ましい。例えば、本実施形態のフィルタ包装材17の厚みt2は、0.06mmに設定される。フィルタ包装材17の厚みt2を、0.03mm以上にすることによって、フィルタ16をしっかりと支持することができる。また、フィルタ包装材17の厚みt2を、0.08mm以下にすることによって、ユーザが咥える部分の柔らかさを確保することができ、良好な咥え心地を確保することができる。
【0061】
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ10では、被加熱基材12が筒状の外郭材11の内部空間18に配置される。外郭材11は、フィルタ包装材17よりも厚肉であるので、被加熱基材12の熱の外部への伝達を抑えることが可能な厚みを確保することができる。このため、喫煙時に被加熱基材12に発生する熱の外部への伝達を、厚肉の外郭材11によって抑えることができる。これにより、喫煙具100を保護することができる。
【0062】
また、外郭材11は、フィルタ包装材17よりも厚肉であるので、比較的高い強度を確保することができる。このため、ユーザが喫煙するために喫煙具用カートリッジ10を喫煙具100の挿入部101に挿入する際に、喫煙具用カートリッジ10の折れ曲がりを防止することができる。
【0063】
また、フィルタ16は、外郭材11よりも上記一側に配置され、外郭材11よりも薄肉であるフィルタ包装材17によって覆われて外郭材11に対して固定される。このため、フィルタ16を外郭材11の内部空間18に配置する場合とは異なり、ユーザが咥える部分を柔らかくすることができるので、良好な咥え心地を確保することができる。
【0064】
このように、本実施形態によれば、被加熱基材12の熱の外部への伝達を抑え、かつ良好な咥え心地を確保することが可能な喫煙具用カートリッジ10を提供することができる。
【0065】
また、薄紙シート17aであるフィルタ包装材17でフィルタ16を巻いているので、フィルタ16を外郭材11の内部空間18に配置する場合とは異なり、液体香料を含むカプセルをフィルタ16の内部に設けた場合に、内部のカプセルを容易に噛み潰すことができる。このため、カプセルを噛み潰す際の力を抑えることができるので、必要以上のフィルタ16部分の変形を抑えることができる。
【0066】
また、長手方向の上記一側のフィルタ16を薄肉のフィルタ包装材17で覆い、長手方向の上記他側の被加熱基材12を厚肉の外郭材11で覆うので、喫煙具用カートリッジ10の上記一側を上記他側よりも軽くすることができる。このため、喫煙具用カートリッジ10を手から誤って落下させた場合、喫煙具用カートリッジ10は上記他側(被加熱基材12側)を下側にして落下し易い。これにより、上記一側(フィルタ16側)からの喫煙具用カートリッジ10の落下を抑えることができるので、支持部材14を設けない場合であっても、喫煙具用カートリッジ10の落下時に、被加熱基材12のフィルタ16側への移動を抑えることができる。
【0067】
また、誘導加熱材13を被加熱基材12の径方向の内側に配置している。外郭材11は、フィルタ包装材17よりも厚肉であり、比較的高い強度を確保可能であるので、被加熱基材12を薄紙シートで巻いている場合とは異なり、被加熱基材12の密度を高めることができる。このため、喫煙具用カートリッジ10の製造時に、被加熱基材12の径方向の内側に配置される誘導加熱材13の位置を安定させることができる。例えば、誘導加熱材13を、外郭材11及び被加熱基材12の径方向の中央に安定的に配置することができる。
【0068】
また、被加熱基材12を支持する支持部材14を、外郭材11の内部空間18のうち被加熱基材12よりも上記一側に配置するので、外郭材11の内部空間18内での被加熱基材12の上記一側への移動を支持部材14によって規制することができる。
【0069】
また、外郭材11の内部空間18の上記他側を閉止する閉止部材15を、外郭材11の内部空間18のうち、被加熱基材12よりも上記他側に配置するので、閉止部材15よりも上記他側への被加熱基材12の移動を規制することができ、内部空間18から上記他側への被加熱基材12の落下(例えば欠片の落下)を防止することができる。
【0070】
また、外郭材11は、フィルタ包装材17よりも厚肉であり、比較的高い強度を確保することができるので、長尺に形成された状態(複数の外郭材11が連続している状態)の外郭材11を所望の長さの外郭材11に切断する際に、外郭材11の潰れが発生し難くなり、外郭材11を容易に切断することができる。
【0071】
また、外郭材11は、喫煙具用カートリッジ10の外骨格を構成する部材であって、比較的高い強度を有するので、潰れ難い。このため、薄いシート(例えば、薄紙シートなど)によって形成される筒状の外装材とは異なり、外郭材11の管理(保管、移動等)が容易である。
【0072】
なお、本実施形態では、喫煙具100の挿入部101に挿入して、径方向の内側の誘導加熱材13によってその径方向の外側に位置する被加熱基材12を加熱する喫煙具用カートリッジ10としたが、これに限定されるものではない。例えば、喫煙具の本体に内蔵された加熱ブレードを喫煙具用カートリッジの被加熱基材に刺して、喫煙具用カートリッジの加熱ブレードによって被加熱基材を加熱する喫煙具用カートリッジに、本開示に係る喫煙具用カートリッジを、適用してもよい。すなわち、本実施形態では、誘導加熱材13を設けたが、誘導加熱材13を設けなくてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、誘導加熱材13以外にも、支持部材14と閉止部材15とを設けたが、これに限定されるものではなく、喫煙具用カートリッジ10は、少なくとも外郭材11、被加熱基材12、フィルタ16、及びフィルタ包装材17を備えていればよい。支持部材14を設けない場合には、支持部材14に代えて被加熱基材12とフィルタ16との間の領域(外郭材11の内部空間18の上記一端側の領域)に、被加熱基材12で発生したエアロゾルを冷却する冷却部材を設けてもよいし、或いは何も配置することなく単なる空間としてもよい。
【0074】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0075】
10:喫煙具用カートリッジ
11:外郭材
12:被加熱基材
13:誘導加熱材
14:支持部材
15:閉止部材
16:フィルタ
17:フィルタ包装材
18:内部空間
19:外周面
24:第1領域
25:第2領域
図1
図2