(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075387
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186804
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC02
2C088BC10
2C088CA13
2C088EA41
2C333AA11
2C333FA05
2C333FA08
2C333FA17
2C333GA04
(57)【要約】
【課題】遊技者の好みに応じた適切な音量変更を可能とする遊技機を提供する。
【解決手段】最大音量レベル「10」に対応する音量と、レベルメータMの段階数が増減するにつれて増減させるピッチ幅とを遊技者による操作ボタン36の操作によって任意の音量に設定可能とした。最大音量レベル「10」に対応する音量とピッチ幅を設定すると、レベルメータMを構成する各音量レベルに対応する音量が特定されることになる。また、最大音量レベル「10」に対応する音量とピッチ幅とを、遊技者の任意の音量に設定することで、たとえ、レベルメータ画面G2で同じ音量レベルが示されていたとしても、設定された最大音量レベル「10」に対応する音量とピッチ幅が異なっていれば、その音量レベルが示す音量が異なることになる。これにより、遊技者の好みに応じた主体的な音量調整が実現可能となる。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
音を出力する音出力手段と、
前記操作手段の操作によって音量の段階数を段階的に変更する変更手段と、
前記変更手段によって変更された段階数に対応する音量で音を出力させる音制御手段と、
各段階に対応する音量を、前記操作手段の操作に基づいて設定する音量設定手段と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記音出力手段から出力される音の音量を段階的に示す段階表示手段を有し、
前記音量設定手段は、
前記段階表示手段で示される各段階のうち最高段階に対応する任意の音量又は前記段階表示手段で示される各段階のうち最低段階に対応する任意の音量と、段階数が増減するにつれて増減させる音量の増減幅と、を前記操作手段の操作に基づいて設定することで、前記段階表示手段で示される各段階に対応する音量を設定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技者が操作可能な操作手段と、
音を出力する音出力手段と、
前記操作手段の操作によって音量の段階数を段階的に変更する変更手段と、
前記変更手段によって変更された段階数に対応する音量で音を出力させる音制御手段と、
各段階のうち最高段階に対応する任意の音量及び各段階のうち最低段階に対応する任意の音量の少なくとも何れか一方を、前記操作手段の操作に基づいて設定する音量設定手段と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記音出力手段から出力される音の音量を段階的に示す段階表示手段を有し、
前記音量設定手段は、
前記段階表示手段で示される各段階のうち最高段階に対応する任意の音量及び前記段階表示手段で示される各段階のうち最低段階に対応する任意の音量を、前記操作手段の操作に基づいて設定し、
設定された最高段階に対応する音量と設定された最低段階に対応する音量に基づいて段階数が増減するにつれて増減させる音量の増減幅を設定することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記操作手段の操作に基づいて設定可能な前記最高段階に対応する音量及び前記最低段階に対応する音量は、予め定められた規定範囲内の音量であることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記規定範囲を構成する音量の範囲は、遊技者が操作不能な音量範囲変更手段によって変更可能であることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技者を飽きさせないために、図柄変動中や大当たり遊技中などにおいて、スピーカから出力される音、ディスプレイに表示される画像、枠に設置されたランプの光等を用いた各種の演出が行われる。
【0003】
大きな音や強い光による演出を好む遊技者もいれば、その逆に大きな音や強い光による演出を好まない遊技者もいる。このため、パチンコ遊技機では、出力する音量や光量の大きさを遊技者のボタン操作に基づいて変更可能に構成している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のパチンコ遊技機では、音量調整ボタンを遊技者が操作することによって、出力される音量を調整できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1における音量調整は、あくまでパチンコ遊技機で設定された範囲内での音量変更であり、その変更態様に関し改善の余地があった。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者の好みに応じた適切な音量変更を可能とする遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段と、音を出力する音出力手段と、前記操作手段の操作によって音量の段階数を段階的に変更する変更手段と、前記変更手段によって変更された段階数に対応する音量で音を出力させる音制御手段と、各段階に対応する音量を、前記操作手段の操作に基づいて設定する音量設定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、遊技者の好みに応じた適切な音量変更をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1に示すパチンコ遊技機の打球供給皿周辺の上面図を示した図である。
【
図3】主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図4】サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図5】特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
【
図6】メイン側主制御処理のフローチャートである。
【
図7】メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
【
図10】特図大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図11】特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図13】特別図柄変動処理のフローチャートである。
【
図14】サブ側主制御処理のフローチャートである。
【
図15】1msタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図16】10msタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図17】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図18】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図19】(a)~(c)は、各種設定画面を示す模式図である。
【
図21】(a),(b)は、それぞれ異なる最大音量とピッチ幅を設定したときのレベルメータ画面を示す模式図である。
【
図22】(a)~(c)は、第2実施形態における各種設定画面を示す模式図である。
【
図23】(a),(b)は、第2実施形態において、それぞれ異なる最大音量と最小音量を設定したときのレベルメータ画面を示す模式図である。
【
図24】第3実施形態における予告演出選択テーブルの説明図である。
【
図25】第3実施形態における予告演出内容選択処理のフローチャートである。
【
図26】第4実施形態において、変更後の音量レベルとアンペア数との対応関係を説明する説明図である。
【
図27】第5実施形態における入賞音決定テーブルの説明図である。
【
図28】第5実施形態における第1音声データと第2音声データを示す模式図である。
【
図29】第5実施形態における報知演出の流れを示す模式図である。
【
図30】第5実施形態における別の報知演出の流れを示す模式図である。
【
図31】変更例としてのレベルメータ画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠18、内枠(図示せず)、外枠(図示せず)によって構成される。前面枠18は、ハンドル4と、演出レバー6と、音出力手段としてのスピーカ8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とを備えている。
【0011】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(
図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであ
り、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0012】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(
図4)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0013】
スピーカ8は、前面枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前面枠18のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前面枠18のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前面枠18のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(
図4)と、演出ボタンランプ9c(
図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
【0014】
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0015】
前面枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前面枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0016】
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠18のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(
図3)及び賞球払出装置400(
図3)から払い出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(
図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0017】
また、打球供給皿24の周辺には演出ボタン9の他、操作ボタン36が配置されている
。
図2に示すように、操作ボタン36は、例えば上下左右の方向指示を行う十字キー等から構成され、パチンコ遊技機1に関する各種設定を行う場合等に操作される。本実施形態では、例えばレベルメータ画面G2(
図19(a)参照)の表示中、操作ボタン36の操作によってスピーカ8から出力される音の音量値(音量レベル)を変更可能としている。なお、他のレベルメータ(演出表示装置7のバックライトの明るさ、枠ランプの光の強さ、BGMの種類、演出に用いるキャラクタの選択、ボタンの振動の強弱、役物の動作有無等)についても、操作ボタン36の操作によって変更可能としてもよい。レベルメータ画面G2におけるレベルメータMの変更操作の詳細については後述する。なお、操作ボタン36としては操作レバーやタッチパネルを用いてもよい。また、操作ボタン36は必ずしも打球供給皿24周辺に設ける必要はなく、遊技者に操作可能な位置であれば他の位置に設けられていてもよい。本実施形態では、操作ボタン36が、本発明における「操作手段」の一例である。また、以下の説明では、操作ボタン36を構成する各種方向ボタンのうち、上方向に対応するボタンを「上操作ボタン36x」と、下方向に対応するボタンを「下操作ボタン36y」と示す場合がある。
【0018】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
【0019】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、
図4では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0020】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
【0021】
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
【0022】
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。
図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0023】
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(
図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
【0024】
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、
図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、固定入賞装置10の下方に配置してもよい。
【0025】
特別入賞手段としての大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
【0026】
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。
【0027】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。
図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。第1特図保留表示器51aは、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する。第2特図保留表示器52aは、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する。普図保留表示器53aは、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0028】
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
【0029】
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
【0030】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0031】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
【0032】
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期させるように、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0033】
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
【0034】
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0035】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄の組み合わせを大当たり演出図柄の組み合わせといい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄の組み合わせをハズレ演出図柄の組み合わせという。大当たり演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、
図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。
【0036】
また、演出表示装置7では、演出図柄の変動表示が特別図柄の変動表示と同期して行われることに伴い、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。
【0037】
図1に示すように、演出表示装置7には、第1演出保留表示領域51Bと、第2演出保留表示領域52Bとが設定されている。第1演出保留表示領域51B及び第2演出保留表示領域52Bは、演出表示装置7の作動保留数を画像の数で表すための演出保留画像を表示する領域である。遊技者は、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数を知ることができる。同様に、遊技者は、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像の数を数えることにより、第2特図保留数を知ることができる。ちなみに、第1特別保留数又は第2特図保留数が「0」である場合、第1演出保留表示領域51B又は第2演出保留表示領域52Bにおいて、演出保留画像は表示されない。以下、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像を「第1演出保留画像51b」と示す場合がある。同様に、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像を「第2演出保留画像52b」と示す場合がある。
【0038】
第1演出保留表示領域51Bは、演出表示装置7における左下方に設定され、第2演出保留表示領域52Bは、演出表示装置7における右下方に設定される。また、演出表示装置7において、第1演出保留表示領域51Bと第2演出保留表示領域52Bの間には、当該変動表示領域54Bが設定されている。当該変動表示領域54Bは、演出保留画像を当該変動画像54bとして表示するための領域である。
【0039】
第1演出保留表示領域51Bでは、作動保留数が増えると、その増加個数に応じて演出表示装置7の右方から左方に向けて第1演出保留画像51bが増加する。つまり、第1演出保留表示領域51Bにおいて最も右方に位置する第1演出保留画像51bが最も古い情報であり、最も左方に位置する第1演出保留画像51bが最も新しい情報である。そして、図柄変動が開始されると、最も右方に位置する第1演出保留画像51bが当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されるとともに、第1演出保留画像51bが1つずつ右方にシフトされる。
【0040】
第2演出保留表示領域52Bでは、作動保留数が増えると、その増加個数に応じて演出
表示装置7の左方から右方に向けて第2演出保留画像52bが増加する。つまり、第2演出保留表示領域52Bにおいて最も左方に位置する第2演出保留画像52bが最も古い情報であり、最も右方に位置する第2演出保留画像52bが最も新しい情報である。そして、図柄変動が開始されると、最も左方に位置する第2演出保留画像52bが当該変動表示領域54Bに移動して当該変動画像54bとして表示されるとともに、第2演出保留画像52bが1つずつ左方にシフトされる。
【0041】
なお、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知してもよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種遊技演出が該当する。予告演出とは、大当たり判定の結果が大当たりとなることを示唆する遊技演出の一種である。予告演出は、本発明における「示唆演出」の一例である。
【0042】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、
図3及び
図4に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(
図3)と、払出制御基板73(
図4)と、サブ制御基板100(
図4)と、画像制御基板200(
図4)と、音声制御基板78(
図4)と、ランプ制御基板79(
図4)とを備えている。
【0043】
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64とを備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65と、RAMクリアスイッチ66と、を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生させる。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
【0044】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。
【0045】
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0046】
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された
大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0047】
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0048】
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0049】
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。また、RAMクリアスイッチ66は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態でパチンコ遊技機1を起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120(
図4)を初期化する。RAMクリアスイッチ66は、遊技者が操作不能な位置(例えば機裏)に設けられている。
【0050】
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aとが電気的に接続されている。同様に、主制御基板60には、中継基板74を介して大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
【0051】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。検知手段としての大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
【0052】
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払い出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払い出し可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払い出される。
【0053】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払い出した賞球数を計数する。
【0054】
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0055】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、払出制御基板73、及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。また、電源基板70は、サブ制御基板100に電気的に接続された各基板(画像制御基板200、音声制御基板78、ランプ制御基板79)に対して、サブ制御基板100を介して電力を供給する。
【0056】
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0057】
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0058】
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120とを備えている。また、サブ制御基板10
0は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
【0059】
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から送信される第1始動入賞コマンド等を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
【0060】
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から送信される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
【0061】
当該変動用演出記憶部123は、当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
【0062】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203とが実装されている。さらに、画像制御基板200には、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0063】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
【0064】
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0065】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用マイコン78aと、音声データ記憶部78bと、音源IC78cと、音声合成回路78dと、アンプ78eと、音量レベル設定回路78fとが搭載されている。音声制御用マイコン78aには、音声制御を行うためのコンピュータプログラム等が記憶されたROM、ワークメモリ等として使用されるRAM、ROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行するCPUが含まれている。音声データ記憶部78bには、各スピーカ8が楽曲や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。
【0066】
音声制御用マイコン78aは、入出力回路103を介してサブ制御基板100とデータ(各種のコマンド等)の送受信を行う。音声制御用マイコン78aは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声選択信号を音源IC78cに出力するとともに、音量レベル設定回路78fに音量レベル信号を出力する。音源IC78cは、受信した音声選択信号に対応する音声データを音声データ記憶部78bから読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路78dに出力する。音声合成回路78dは、受信した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプ78eに出力する。アンプ78eは、受信した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、受信した音声信号により示される音を出力(再生)する。つまり、音声制御用マイコン78aは、演出制御用マイコン101からの指示に基づいて音声データ記憶部78bから音声データを読み出し、読み出した音声データに基づいて音声制御を実行する。
【0067】
音量レベル設定回路78fは、音声制御用マイコン78aから入力した音量レベル信号に基づいて、アンプ78eによる音信号の増幅率を設定する。アンプ78eは、音量レベル設定回路78fで設定された増幅率に基づいて、音源IC78cから入力した音信号を増幅させ、増幅した音信号をスピーカ8から出力する。
【0068】
例えば音声制御用マイコン78aは、サブ制御基板100から音量レベル「9」を示す音量レベルコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音量レベル信号を音量レベル設定回路78fに出力する。これにより、音量レベル設定回路78fは、アンプ78eによる音信号の増幅率を、音量レベル「9」に対応する増幅率に設定する。この状態で音源IC78cが、音声データ記憶部78bから読み出した音声データを音信号としてアンプ78eに出力すると、アンプ78eは入力した音信号を音量レベル「9」に対応する増幅率で増幅させる。その結果、スピーカ8から音量レベル「9」に相当する音量で遊技音が出力されることになる。つまり、音声制御用マイコン78aは、演出制御用マイコン101からの指示に基づいて音量レベルの増幅率を設定し、その音量で音声制御を実行する。
【0069】
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、操作ボタン検出スイッチ36aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
【0070】
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。操作ボタン検出スイッチ36aは、操作ボタン36が操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、操作ボタン検出スイッチ36aから入力した信号に基づいて、例えば画像制御基板200に対してレベルメータ画面G2におけるレベルメータMの増減を実行させる等、各種制御を実行させる。
【0071】
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
【0072】
またサブ制御基板100には、音量調整つまみ37が接続されている。音量調整つまみ37は、ホール関係者等が音量に関する選択操作を行うためのもので、複数段階(例えば3段階)に切り換え可能なロータリースイッチにより構成されている。音量調節つまみ37は、パチンコ遊技機1の機裏に設けられており、機裏から操作可能な状態でサブ制御基板100に装着されている。つまり、音量調節つまみ37を操作するためには解錠して前面枠18を開放する必要があるため、ホール関係者等以外は操作することができない。また、音量調節つまみ37は、音量を複数段階に切り換えられるものであればよく、ディップスイッチ等でもよい。
【0073】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1の特別図柄表示器及び普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
【0074】
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化
ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
【0075】
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
【0076】
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
【0077】
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。また、電サポ制御が行われている状態を「高ベース状態」といい、電サポ制御が行われていない状態を「低ベース状態」という。なお、「高ベース状態」は、所謂、電サポ制御が実行されている状態であるため、「高ベース状態」を「電サポ制御状態」や「入球容易状態」ということがある。一方、「低ベース状態」を「非電サポ制御状態」や「非入球容易状態」ということがある。また、「高ベース状態」は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器53の確率変動機能、変動時間短縮機能、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能、開放回数増加機能のうち1つ以上の機能が作動することによって、その機能が作動していないときよりも普通可変入賞装置20が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるものであってもよい。
【0078】
パチンコ遊技機1では、後述する確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。本実施形態においてこの遊技状態は、次回大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されるまで継続する。「大当たり遊技」は、大当たり判定で大当たりと判定された場合に、確定表示された特図の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンで大入賞口32を開放させるものである。
【0079】
また、パチンコ遊技機1では、後述する通常大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。この遊技状
態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」である。以下、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「高確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「低確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」を「低確低ベース状態」又は「通常遊技状態」という。
【0080】
「高確高ベース状態」や「低確高ベース状態」のような「高ベース状態」では、電サポ制御によって普通可変入賞装置20が開放され易くなっており、第1始動口11よりも第2始動口22の方が入賞し易い。このため、右打ちにより右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射させた方が遊技を有利に進行することができる。
【0081】
一方、「低ベース状態」では、電サポ制御が実行されず、普通可変入賞装置20が開放され難いため、第2始動口22よりも第1始動口11の方が入賞し易い。このため、左打ちにより左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射させた方が、遊技が進行し易い。
【0082】
[大当たり判定テーブル]
大当たり判定テーブル(図示せず)は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルは、遊技状態と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1では遊技状態が高確率状態のときの大当たり乱数と通常確率状態のときの大当たり乱数とを設定している。大当たりと判定される大当たり乱数は、通常確率状態よりも高確率状態の方が多く設定されている。これにより、高確率状態では大当たりと判定される確率が通常確率状態よりも高くなる。また、大当たりと判定されなかった場合、遊技制御用マイコン61は、ハズレと判定する。大当たり判定テーブルは第1特図の抽選と第2特図の抽選で共通とする。
【0083】
[大当たり種別判定テーブル]
大当たり種別判定テーブル(図示せず)は、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)に応じ、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)をそれぞれ対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1では、大当たりの種別として「10R通常大当たり」と「10R確変大当たり」が設定されている。
【0084】
10R通常大当たりは、大当たり遊技を構成するラウンド数が「10」であって、大当たり遊技終了後の遊技状態を、通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態とする大当たり種別である。ただし、時短状態かつ高ベース状態とされる特別図柄の変動表示の上限回数は「100回」とされ、当該上限回数を超えると、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態となる。10R確変大当たりは、大当たり遊技を構成するラウンド数が「10
」であって、大当たり遊技終了後の遊技状態を、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態とする大当たり種別である。10R確変大当たりが決定された場合、次回大当たり抽選に当選するまで、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態とされる。
【0085】
パチンコ遊技機1では、第1特図大当たり判定又は第2特図大当たり判定かによって、特定の大当たり種に対応付ける大当たり種別乱数の個数を異ならせることも可能である。また、大当たりに関し、大入賞口32が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口32が開口してから次回開口するまでの期間をラウンド又はラウンド遊技という。また、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。なお、大当たりの種類、ラウンド遊技数、電サポ制御が行われる上限回数等は、遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
【0086】
[リーチ判定テーブル]
リーチ判定テーブル(図示せず)は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
【0087】
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が確定表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が確定表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄7Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
【0088】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルは、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。パチンコ遊技機1では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数と、時短状態のときのリーチ乱数とを設定している。
【0089】
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、パチンコ遊技機1におけるリーチ判定テーブルは、第1特図の抽選と第2特図の抽選で同一としてもよいし、異ならせてもよい。
【0090】
[特図変動パターン選択テーブル]
図5に示す特図変動パターン選択テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テー
ブルT1は、遊技状態と、判定(大当たり判定及びリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数値(変動パターン判定値)と、特図変動パターンと、変動時間と、を対応付けて構成されている。大当たり種別について対応付けてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT1に示す「変動演出パターン」は、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7等で行われる演出内容を特定する変動演出パターン(サブ制御基板100側で決定)を指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
【0091】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、SP(スーパー)リーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。スーパーリーチ演出は、通常変動とノーマルリーチ演出を経て発展的にリーチ演出が実行される演出であり、ノーマルリーチ演出よりもリーチ後の変動時間が長い。また、大当たり期待度がノーマルリーチ演出よりも高くなるよう、当該テーブルにおいて乱数の振分率が設定されている。ノーマルリーチ演出は、複数列で変動する演出図柄のうち所定列の演出図柄が一旦停止してリーチを形成した後、当該リーチを形成する演出図柄が一旦停止した状態で、残り1つの演出図柄が変動する演出である。また、ノーマルリーチ演出は、リーチ形成後に大当たりとなる可能性があることを示唆する演出でもある。ただし、ノーマルリーチ演出の大当たり期待度がスーパーリーチ演出よりも低くなるよう、当該テーブルにおいて乱数の振分率が設定されている。
【0092】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP3が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP4が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP4の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0093】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。特図変動パターンP5の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP6の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP5,P6に対応する変動演出パターンに
は、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
【0094】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定で大当たりと判定された場合、取得した変動
パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP7の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP7に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0095】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP8の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP8に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0096】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP9が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP10
の変動時間は2,500msである。特図変動パターンP9,P10に対応する変動演出パター
ンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。なお、この特図変動パターン選択テーブルT1は、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。
【0097】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、
図6に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
【0098】
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセ
ット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に到達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
【0099】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始
される。
【0100】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、
図7に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた送信バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、大入賞口センサ32a、ゲートセンサ12a等)が検出した各検知信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検知信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の送信バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して送信されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、
図6のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0101】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、その他の処理(S19)を実行して、本処理を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理(
図6)のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の送信バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ送信される。
【0102】
(センサ検出処理)
次に、
図8に従って、センサ検出処理(S15)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S20)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S20:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0103】
S21の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S20:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S22)。遊技球が第2始動口22に入賞したことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合(S22:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S23)。第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合(S23:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。これにより、第2特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0104】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の送信バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に送信され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0105】
S27の終了後、遊技球が第2始動口22に入賞していないと判定した場合(S22:No)、又は第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合(S23:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11に入賞したか否かを判定する(S28)。遊技球が第1始動口11に入賞したことは第1始動口センサ11aによって検出される。遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合(S28:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S29)。第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合(S29:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。これにより、第1特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0106】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の送信バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に送信され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。S33の終了後、遊技
球が第1始動口11に入賞していないと判定した場合(S28:No)、又は第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合(S29:Yes)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0107】
(普通動作処理)
次に、普通動作処理(S16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作等の処理を行う。
【0108】
(特別図柄待機処理)
次に、
図9に従って、特別図柄待機処理(S17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する(S40)。「0」ではないと判定した場合(S40:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(
図10)を実行する(S41)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(
図11,
図12)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S43)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S44)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S45)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
【0109】
この第2特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の送信バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の送信バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(
図10)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(
図11,
図12)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。S45の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0110】
また、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S40:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S46)。「0」ではないと判定した場合(S46:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(
図10)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(
図11,
図12)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S49)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
【0111】
この第1特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の送信バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の送信バッファにセッ
トする特図用の変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(
図10)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(
図11,
図12)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。S51の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0112】
また、遊技制御用マイコン61は、S46において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S46:Yes)、待機状態中であるか否かを判定する(S52)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中であると判定した場合(S52:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了し、待機状態中ではないと判定した場合(S52:No)、待機画面設定処理を実行する(S53)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間(前述の一定時間に相当)の経過を待って、客待ち用のデモ画面である待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の送信バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は本処理を終了する。なお、遊技制御用マイコン61は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって待機状態であるか否かを判定するようにしてもよい。また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S40:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
【0113】
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、
図10に従って、第2特図大当たり判定処理(S41)及び第1特図大当たり判定処理(S47)の内容について説明する。なお、第2特図大当たり判定処理(S41)と第1特図大当たり判定処理(S47)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0114】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S60)、大当たり判定テーブルを参照する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONであるか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S62)。確変フラグは、本実施形態においては10R確変大当たりに当選したときにONにされ、10R通常大当たりに当選したときにOFFにされる。ここで、確変フラグがONではない、つまり、通常確率状態であると判定した場合(S62:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S63)。
【0115】
一方、S62において確変フラグがONである、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S62:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S64)。
【0116】
S63で大当たりと判定した場合(S63:Yes)又はS64で大当たりと判定した場合(S64:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、大当たり種別判定テーブルを参照して大当たりの種別を判定する(S65)。
【0117】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S66)。S63で大当たりと判定しなかった場合
(S63:No)、S66の終了後、又はS64で大当たりと判定しなかった場合(S64:No)、遊技制御用マイコン61は、S67に移行する。大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S65で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし、本処理を終了する。また、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし、本処理を終了する。本実施形態では、「大当たり」が、本発明における「遊技者に有利な特別状態」に相当する。よって、S63及びS64の処理、及びS63,S64の処理を実行する遊技制御用マイコン61は、本発明における「判定手段」及び「当たり判定手段」の一例である。
【0118】
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、
図11及び
図12に従って、第2特図変動パターン選択処理(S42)及び第1特図変動パターン選択処理(S48)の内容について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(S42)と第1特図変動パターン選択処理(S48)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0119】
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定する(S70)。時短状態中であるか否かは、時短状態中であるか否かを特定可能な情報(時短フラグ)がONである否かによって判定することができる。時短フラグは、時短状態に制御されるときにONにされる一方、時短状態が終了するときにOFFにされる。
【0120】
時短フラグがONではない、つまり、時短状態中ではないと判定した場合(S70:No)、遊技制御用マイコン61は、S71に移行する。一方、時短フラグがONである、つまり、時短状態中であると判定した場合(S70:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S77に移行する。S71又はS77に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S71,S77)。大当たりフラグがONであると判定した場合(S71,S77:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブル(この例では特図変動パターン選択テーブルT1)を参照して特図変動パターンを選択する(S72,S78)。例えば、非時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。同様に、時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
【0121】
また、S71又はS77において大当たりフラグがONではない、つまり、ハズレと判定した場合(S71,S77:No)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S73,S79)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルのうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S73:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数がリーチ判定テーブルのうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S79:Yes)。
【0122】
その後、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S74)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の
特図変動パターンを選択する(S80)。
【0123】
また、S73又はS79においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S73,S79:No)、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S75)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S81)。
【0124】
S72,S74,S75,S78,S80,S81の終了後、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S76)、本処理を終了する。S76において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS45,S51においてセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ送信される。
【0125】
(特別図柄変動処理)
次に、
図13に従って、特別図柄変動処理(S18)の内容について説明する。なお、第2特図の特別図柄変動処理と第1特図の特別図柄変動処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0126】
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(S42,S48で選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間)が終了したか否かを判定する(S90)。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための特図用の変動停止コマンドをRAM64に設けた送信バッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、特図大当たり判定処理でセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄又は特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。
【0127】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する(S93)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっていると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算し、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の送信バッファにセットし、遊技状態管理処理を終了する。なお、パチンコ遊技機1では、確変大当たりに当選した場合、次回大当たりに当選するまで高確率状態が継続されるため、遊技状態管理処理として、確変フラグをOFFにしたり、確変状態中における特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタを設ける必要はない。
【0128】
その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S94)、ONであると判定した場合(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。一方、大当たりフラグがOFFであると判定した場合(S94:No)、遊技制御用マイコン61
は、本処理を終了する。
【0129】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
【0130】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニングが終了すると、特別電動役物処理を実行する(S98)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理において、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技を構成するラウンド遊技数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の送信バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで大入賞口32を開閉させる。そして、1回のラウンド遊技中、大入賞口センサ32aで検知された遊技球の個数が上限個数に到達するか、あるいは所定の上限開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は、開閉部材31の閉動作により大入賞口32を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、大入賞口32の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングを実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の送信バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。大当たりエンディングの終了により大当たり遊技が終了すると、その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFとする。
【0131】
S98の終了後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態設定処理(S99)を実行する。遊技状態設定処理において遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別として通常大当たり(実施形態の例では「10R通常大当たり」)を決定している場合、時短フラグをONにし、時短カウンタに大当たり種別に応じた回数(実施形態の例では100)をセットする。遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の送信バッファにセットして、本処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)に関する情報が含まれている。一方、大当たりの種別として確変大当たり(実施形態の例では「10R確変大当たり」)を決定している場合、遊技制御用マイコン61は、確変フラグ及び時短フラグをONにする。なお、本実施例における確変大当たりでは、大当たり遊技終了後、次回大当たりに当選するまで時短状態に制御されるため、時短回数として時短カウンタに特定の値をセットしなくてもよい。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の送信バッファにセットして、遊技状態設定処理を終了する。本実施形態では、S96~S98の処理、及びS96~S98の処理を実行する遊技制御用マイコン61が、本発明における「当たり遊技実行手段」の一例である。
【0132】
(サブ側主制御処理)
次に、
図14に従って、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S100)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer
Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ
等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S101)、否定判定した場合(S101:No)、RAM120を初期化し(S102)、S103に進む。また、S101において肯定判定した場合(S101:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS103に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S101:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S101:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS100~S102は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0133】
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S103)、乱数更新処理を実行する(S104)。この乱数更新処理では、種々の演出選択乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出選択乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S105)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の送信バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S106)。以降、S103~S106を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S107)、1msタイマ割込処理(S108)及び10msタイマ割込処理(S109)の実行が可能となる。
【0134】
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S107)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S108,S109)に優先して実行される処理である。
【0135】
(1msタイマ割込処理)
次に、
図15に従って、1msタイマ割込処理(S108)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S110)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、演出ボタン検出スイッチ9a、及び操作ボタン検出スイッチ36aからの検知信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0136】
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S111)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理(
図18)においてRAM120の送信バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に送信する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発
光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S123)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S124)等で作成した音声や音量レベルに係るデータ(各種コマンド)を音声制御基板78に出力する。つまり、音声や音量レベルに係る各種データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
【0137】
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S112)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理(
図18)においてRAM120の送信バッファにセットされ、S111において画像制御基板200に送信される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを送信したと判定した場合(S112:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S113)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S114)。S114の終了後、又は変動演出開始コマンドを送信していないと判定した場合(S112:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
【0138】
(10msタイマ割込処理)
次に、
図16に従って、10msタイマ割込処理(S109)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(
図17)を実行し(S120)、スイッチ状態取得処理を実行する(S121)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S110)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータ、即ち演出ボタン9、操作ボタン36、演出レバー6の各操作手段の操作に基づいて、対応する各種処理(例えば演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定する)を行うスイッチ処理を実行する(S122)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S123)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
【0139】
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S124)。この音声制御処理では、音声や音量レベルに係るデータ(各種コマンド)の作成、その作成したデータ(各種コマンド)の音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S125)、本処理を終了する。その他の処理(S125)では、演出選択乱数である変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。
【0140】
(受信コマンド解析処理)
次に、
図17に従って、受信コマンド解析処理(S120)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S130)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S130:Yes)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S1
31)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグなど)を示す情報等が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態を特定し、特定した遊技状態を記憶する。例えば、遊技状態指定コマンドに含まれる情報に基づき、RAM120に記憶されている時短演出カウンタの値などが更新される。具体的には、時短状態で行われる特別図柄の残り変動回数が時短演出カウンタにセットされる。これにより、主制御基板60側だけでなく、サブ制御基板100側でも時短回数等の情報を保持することができる。
【0141】
S131の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S130:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S132)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S132:Yes)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を実行する(S133)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の送信バッファにセットする。
【0142】
S133の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S132:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S134)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S134:Yes)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行する(S135)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の送信バッファにセットする。
【0143】
S135の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S134:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S136)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S136:Yes)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S137)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の送信バッファにセットする。
【0144】
S137の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S136:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判
定する(S138)。始動入賞コマンドを受信したと判定した場合(S138:Yes)、演出制御用マイコン101は、先読み演出判定処理を実行する(S139)。先読み演出判定処理は、先読み演出を実行するか否か、及び先読み演出の演出内容を定めた予告パターンを決定する処理である。S139の実行後、又は始動入賞コマンドを受信したと判定していない場合(S138:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S140)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S140:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出開始処理(
図18)を実行する(S141)。
【0145】
S141の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S140:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S142)。主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S142:Yes)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S143)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の送信バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S105)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを所定の停止パターンを経て確定表示する。
【0146】
S143の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S142:No)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S144)、本処理を終了する。その他の処理(S144)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普図用の変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
【0147】
(変動演出開始処理)
次に、
図18に従って、変動演出開始処理(S141)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図用の変動開始コマンドを解析する(S150)。特図用の変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S150において解析した特図用の変動開始コマンドが第1特図用の変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図用の変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S151)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S152)。詳しくは、S150にて解析した変動開始コマンドが第2特図変動開始コマンドである場合、演出制御用マイコン101は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする。同様に、S150にて解析した変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合、演出制御用マイコン101は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第1特図保留演出記憶部121に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする。続いて、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rの組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S153)。
【0148】
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S154)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(図示せず)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。
【0149】
その後、演出制御用マイコン101は、後述する予告演出内容選択処理を実行し(S155)、選択した演出図柄と変動演出パターンと予告演出の表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の送信バッファにセットする(S156)。変動演出開始コマンドには、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データも含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の送信バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S111)において、演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
【0150】
(音量変更について)
本実施形態では、
図19(a)に示すような設定変更画面G1が演出表示装置7に表示されているときに操作ボタン36を操作して「音量調整」という項目を選択すると、音量レベルを段階的に表すレベルメータ画面G2が表示されるようになっている。そして、レベルメータ画面G2が表示されているときに上操作ボタン36xを押下するとレベルメータMの音量レベルを増加させることができ、下操作ボタン36yを押下するとレベルメータMの音量レベルを減少させることができる。
【0151】
本実施形態では、「1」~「10」までの10段階の音量レベルが設定されている。音量レベル「10」は、音量レベル「1」~「10」に対応する音量のうち最大音量に対応する。一方、音量レベル「1」は、音量レベル「1」~「10」に対応する音量のうち最小音量を指す。つまり、レベルメータ画面G2では、音量レベルの数値が大きくなるほどスピーカ8から出力される音量が大きくなり、音量レベルの数値が小さくなるほどスピーカ8から出力される音量が小さくなる。なお、音量レベル「0」は、無音を指す。
【0152】
ちなみに、操作ボタン36の操作によって音量レベルが変更されると、
図19(a)に示すように、レベルメータMを構成する各ゲージの点灯状態が変化し、点灯しているゲージの個数によって現在の音量レベルが示されるようになっている。
図19(a)の例では、音量レベル「1」~「6」に対応するゲージが点灯しているため、音量レベルが「6」であることが示されている。この状態で上操作ボタン36xを1回押下すれば音量レベルが「7」となる一方、この状態で下操作ボタン36yを1回押下すれば音量レベルが「5」となる。なお、どのゲージも点灯していない状態は、音量レベルが「0」、すなわち無音であることを示す。そして、操作ボタン36の操作を受けて演出制御用マイコン101が、音量レベルコマンドを音声制御基板78に送信することで、そのコマンドを受信した音声制御用マイコン78aが、そのコマンドに対応する音量レベルでスピーカ8から音声を出力させることができる。
【0153】
なお、音量レベルの段階数は10段階に限定されない。また、遊技者に対して現在の音量レベルを認識させることができれば、演出表示装置7でレベルメータMを表示させる必要はなく、単に音量レベルを示す数字だけを表示するようにしてもよい。また、音量レベルの段階数と同一数だけランプを設け、現在の音量レベルと同数のランプを点灯させるようにしてもよい。本実施形態では、音量レベルを段階的に示すレベルメータ画面G2を表示させる演出表示装置7が、本発明における「段階表示手段」の一例である。
【0154】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、操作ボタン36の操作によって音量レベルを変更可能としているが、それに加えて、レベルメータMを構成する各段階のうち最高段階である音量レベル「10」に対応する音量を、遊技者の任意の音量に設定できるようになっている。また、音量レベルが増減するにつれて増減する音量の増減幅(ピッチ幅)についても、遊技者の任意の数値に設定できるようになっている。
【0155】
つまり、従来のパチンコ遊技機では、仮に遊技者が音量レベル「10」に対応する音量が小さいと感じても、音量レベル「10」に対応する音量は遊技機側で既に定められた値であるため、それ以上音量を大きくすることができなかった。同様に、音量レベルが増減するにつれて増減する音量のピッチ幅も、遊技機側で既に定められた数値であった。このため、例えば音量レベル「4」と音量レベル「5」の中間に位置するような音量を設定したいとしても、ピッチ幅が固定されているため、操作ボタン36の操作によってその中間値に相当するような音量を設定することはできず、音量レベル「4」又は音量レベル「5」の何れかに対応する音量しか出力されなかった。
【0156】
しかしながら、本実施形態のパチンコ遊技機1では、レベルメータMを構成する各段階のうち最高段階である音量レベル「10」に対応する音量を任意の音量に変更することが可能となる。同様に、音量レベルが増減するにつれて増減する音量のピッチ幅も、遊技者の好みに応じて任意の範囲に設定することが可能となる。以下の説明では、レベルメータMを構成する各段階のうち最高段階である音量レベル(この例では音量レベル「10」)を、単に「最大音量レベル」を示す場合がある。
【0157】
なお、最大音量レベルに対応する音量やピッチ幅を設定する際に表示される設定変更画面G1は、待機状態中のみ表示されるものとしてもよいし、待機状態であるか否かを問わず、遊技者による操作手段の操作によって適宜表示されるものとしてもよい。つまり、図柄変動中や大当たり遊技中であっても遊技者による操作手段の操作によって設定変更画面G1が表示され、図柄変動中や大当たり遊技中にも最大音量レベルに対応する音量やピッチ幅を設定できるようにしてもよい。ただし、図柄変動や大当たり遊技の視認性を低下させないよう、図柄変動や大当たり遊技中の表示画面に重ねて表示させる場合には、例えば設定変更画面G1を半透過性画像とする等が好ましい。これにより、例えばある遊技者が特定の音量設定事項(最大音量レベル「10」に対応する音量、ピッチ幅)を設定したとしても、次に遊技を行う遊技者は、自分の好みに応じて変更することが可能である。また、この音量設定事項は、予め定めたリセット条件の成立によって、デフォルト値にリセットされてもよい。リセット条件の一例とは、例えば、パチンコ遊技機1の電源OFF、RAMクリアスイッチ66の押下等である。
【0158】
以下、最大音量レベルに対応する音量及びピッチ幅を変更するための制御内容について詳しく説明する。
(最大音量レベル「10」に対応する音量の変更)
図19(b)に示すような設定変更画面G1が表示されているときに操作ボタン36を操作して「最大音量の変更」という項目を選択すると、最大音量レベル「10」に対応する音量を設定するための音量設定画面G3が表示される。
【0159】
音量設定画面G3では、最大音量レベル「10」に対応する音量として、十の位の音量と一の位の音量とを、それぞれ「0」~「9」の中から設定可能となっている。具体的には、音量設定画面G3は、十の位に対応する音量設定マスG3aと一の位に対応する音量設定マスG3bとを構成要素に含む。そして、音量設定マスG3aをカーソルCで選択した状態で上操作ボタン36xを1回押下する度に音量設定マスG3aの数値が1つずつ上昇する。この操作により、最大音量レベル「10」に対応する音量が10dBずつ増加する。同様に、音量設定マスG3aをカーソルCで選択した状態で下操作ボタン36yを1
回押下する度に音量設定マスG3aの数値が1つずつ低下する。この操作により、最大音量レベル「10」に対応する音量が10dB減少する。
【0160】
また、音量設定マスG3bをカーソルCで選択した状態で上操作ボタン36xを1回押下する度に音量設定マスG3bの数値が1つずつ上昇する。この操作により、最大音量レベル「10」に対応する音量が1dBずつ増加する。同様に、音量設定マスG3bをカーソルCで選択した状態で下操作ボタン36yを1回押下する度に音量設定マスG3bの数値が1つずつ低下する。この操作により、最大音量レベル「10」に対応する音量が1dB減少する。
【0161】
そして、遊技者による操作ボタン36の操作によって、音量設定マスG3a,G3bにて任意の数値を設定した後、「決定」という項目を選択・決定することで、遊技者が設定した任意の音量が最大音量レベル「10」に対応する音量として決定されたことになる。
【0162】
なお、本実施形態では、最大音量レベル「10」に対応する音量のデフォルト値として、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量値(この例では「90dB」)が定められている。このため、演出制御用マイコン101は、操作ボタン36の操作回数より、つまり、操作ボタン36から出力される操作信号の入力回数より設定すべき最大音量値を特定し、その音量値を最大音量レベル「10」に対応する音量値とすることを音声制御基板78に指示することが可能となる。
【0163】
例えば、音量設定マスG3aが選択されている状態で下操作ボタン36yが3回操作され、かつ上操作ボタン36xが1回操作されたとする。同様に、音量設定マスG3bが選択されている状態で下操作ボタン36yが4回操作され、かつ上操作ボタン36xが2回操作されたとする。この場合、演出制御用マイコン101は、デフォルト値「90dB」から「22dB」減算した「68dB」が、最大音量レベル「10」に対応する音量となることを認識する。そして、演出制御用マイコン101は、最大音量レベル「10」に対応する音量を変更すること、及び具体的な音量値を指示する音量変更指示コマンドを音声制御基板78に送信する(例えば、
図16の音声制御処理)。
【0164】
ただし、最大音量レベル「10」に対応する音量として、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量値(この例では「90dB」)よりも大きい値を選択した場合、この最大音量値よりも大きな音量を設定することはできない。つまり、最大音量レベル「10」に対応する音量は、予め定められた規定範囲内の音量(この例では90dB以下)の中からしか設定することができない。よって、例えば、
図19(b)に示す音量設定画面G3において、「最大音量値を変更してください」のような警告画面を表示させて、再度、最大音量レベル「10」に対応する音量を選択させるようにしてもよい。
【0165】
本実施形態では、最大音量レベル「10」に対応する音量を操作ボタン36の操作に基づいて変更する演出制御用マイコン101が、本発明における「音量設定手段」の一例である。また、最大音量レベル「10」に対応する音量のデフォルト値は、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量値に限られず、90dB以下の値としてもよいし、「0dB」をデフォルト値として対応付けてもよい。
【0166】
(ピッチ幅の変更)
次に、
図19(c)に示すような設定変更画面G1が表示されているときに操作ボタン36を操作して「ピッチ幅の変更」という項目を選択すると、レベルメータMの音量レベルが1段階増減するにつれて増減する音量のピッチ幅を設定するピッチ幅設定画面G4が表示される。
【0167】
ピッチ幅設定画面G4では、レベルメータMの音量レベルが1段階増減するにつれて増減する音量のピッチ幅として、十の位の音量と一の位の音量とを、それぞれ「0」~「9」の中から設定可能となっている。具体的には、ピッチ幅設定画面G4は、十の位に対応するピッチ幅設定マスG4aと一の位に対応するピッチ幅設定マスG4bとを構成要素に含む。そして、ピッチ幅設定マスG4aをカーソルCで選択した状態で上操作ボタン36xを1回押下する度にピッチ幅設定マスG4aの数値が1つずつ上昇する。同様に、ピッチ幅設定マスG4aをカーソルCで選択した状態で下操作ボタン36yを1回押下する度にピッチ幅設定マスG4aの数値が1つずつ低下する。この1操作により、レベルメータMの音量レベルの増減に合わせて音量が10dB単位で増減する。
【0168】
また、ピッチ幅設定マスG4bをカーソルCで選択した状態で上操作ボタン36xを1回押下する度にピッチ幅設定マスG4bの数値が1つずつ上昇する。同様に、ピッチ幅設定マスG4bをカーソルCで選択した状態で下操作ボタン36yを1回押下する度にピッチ幅設定マスG4bの数値が1つずつ低下する。この1操作により、レベルメータMの音量レベルの増減に合わせて音量が1dB単位で増減する。
【0169】
そして、遊技者による操作ボタン36の操作によって、ピッチ幅設定マスG4a,G4bにて任意の数値を設定した後、「決定」という項目を選択・決定することで、遊技者が設定した任意のピッチ幅が、レベルメータMの音量レベルが1段階増減するにつれて増減する音量のピッチ幅として決定されたことになる。
【0170】
なお、本実施形態では、ピッチ幅のデフォルト値として「1dB」が定められている。このため、演出制御用マイコン101は、操作ボタン36の操作回数より、つまり、操作ボタン36から出力される操作信号の入力回数より設定すべきピッチ幅を特定し、そのピッチ幅を、レベルメータMが1段階増減するにつれて増減する音量のピッチ幅とすることを音声制御基板78に指示することが可能となる。
【0171】
例えば、ピッチ幅設定マスG4aが選択されている状態で上操作ボタン36xが1回操作されたとする。同様に、ピッチ幅設定マスG4bが選択されている状態で上操作ボタン36xが2回操作されたとする。この場合、演出制御用マイコン101は、デフォルト値「1dB」に「12dB」を加算し、ピッチ幅が「13dB」となることを認識する。そして、演出制御用マイコン101は、ピッチ幅を変更すること、及び具体的なピッチ幅を指示するピッチ幅変更指示コマンドを音声制御基板78に送信する(例えば、
図16の音声制御処理)。
【0172】
本実施形態では、段階数が増減するにつれて増減させる音量の増減幅を、操作ボタン36の操作に基づいて変更する演出制御用マイコン101が、本発明における「音量設定手段」の一例である。また、ピッチ幅のデフォルト値は、前述した例に限られない。
【0173】
そして、演出制御用マイコン101から音量変更指示コマンド及びピッチ幅変更指示コマンドを受信した音声制御用マイコン78aは、これらのコマンドに従ってレベルメータMを構成する各音量レベルに対応する音量を特定する。
【0174】
図20は、音声制御用マイコン78aのROMに記憶されている音量対応テーブルT2である。音量対応テーブルT2では、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量(この例では90dB)をテーブルT2における最大値とし、パチンコ遊技機1で設定可能な最小音量(0dBを除く)をテーブルT2における最小値とし、これらの最大値と最小値の間に位置する音量値を所定間隔で抽出している。この例では、最大値を「90dB」、最小値を「0.5dB」とし、「90dB」「89.5dB」「89dB」「88.5dB」「88dB」…「1.5dB」「1dB」「0.5dB」のように、0.5dB間隔で複数
の音量値がマトリクス状に定められている。なお、音量対応テーブルT2に定められている音量は、0.5dB間隔に限定される必要はなく、0.1dB間隔や0.3dB間隔、1dB間隔等であってもよい。
【0175】
そして、音声制御用マイコン78aは、音量変更指示コマンドで指示された内容に従って、音量対応テーブルT2を参照して最大音量レベル「10」に対応する音量を特定する。それと同時に、音声制御用マイコン78aは、ピッチ幅変更指示コマンドで指示された内容に従って、音量対応テーブルT2を参照し、レベルメータMを構成する各音量レベルに対応する音量を特定する。この時点では、最大音量レベル「10」に対応する音量と、各音量レベル間のピッチ幅は決まっているが、各音量レベルに対応する音量は特定できていない状態であるためである。
【0176】
例えば、音量変更指示コマンドで指示される最大音量レベル「10」に対応する音量が「85dB」である場合、音声制御用マイコン78aは、音量対応テーブルT2より「85dB」を特定し、音量レベル「10」に対応する音量として「85dB」を特定する。また、ピッチ幅変更指示コマンドで指示されるピッチ幅が「8dB」である場合、音声制御用マイコン78aは、音量対応テーブルT2より、ピッチ幅「8dB」に従って、各音量レベルに対応する音量を特定する。この例では、音声制御用マイコン78aは、音量対応テーブルT2より、音量レベル「9」に対応する音量として「85-8=77dB」を特定する。同様に、音量レベル「8」に対応する音量として「77-8=69dB」を特定する。音量レベル「7」に対応する音量として「69-8=61dB」を特定する。音量レベル「6」に対応する音量として「61-8=53dB」を特定する。音量レベル「5」に対応する音量として「53-8=45dB」を特定する。音量レベル「4」に対応する音量として「45-8=37dB」を特定する。音量レベル「3」に対応する音量として「37-8=29dB」を特定する。音量レベル「2」に対応する音量として「29-8=21dB」を特定する。音量レベル「1」に対応する音量として「21-8=13dB」を特定する。特定した各音量レベルに対応する音量は、例えば音声制御用マイコン78aのRAMに一時的に記憶しておくことが望ましい。
【0177】
その後、
図19(a)に示すレベルメータ画面G2が表示された状態で操作ボタン36の操作により音量レベルが変更され、サブ制御基板100から音量レベルコマンドが送信されると、音声制御用マイコン78aは、指示された音量レベルに対応する音量で音声を出力させるよう、アンプ78eを制御することになる。具体的には、音声制御用マイコン78aは、受信した音量レベルコマンドより指示された音量レベルを特定し、その音量レベルに対応する音量をRAMの記憶内容を読み出して特定する。そして、特定した音量で音声を出力するよう、音声制御用マイコン78aが音量レベル信号を音量レベル設定回路78fに出力することで、音量レベル設定回路78fで設定された増幅率に基づいてスピーカ8から音声が出力される。なお、音量レベル信号には、音量レベルとその音量レベルに対応する音量値の両方が含まれていてもよい。
【0178】
このように、音声制御用マイコン78aは、操作ボタン36が操作されたことでサブ制御基板100より指示されたピッチ幅に従って、各音量レベルに対応する音量を特定している。これにより、本実施形態では、音声制御用マイコン78aが、本発明における「音量設定手段」の一例である。また、
図19(a)に示すレベルメータ画面G2が表示された状態で操作ボタン36が操作されると、サブ制御基板100から音声制御基板78に対して音量レベルコマンドが送信される。そして、音量レベルコマンドを受信した音声制御用マイコン78aは、スピーカ8から出力する音量を変更させる。これにより、本実施形態では、音量の段階数を段階的に変更する演出制御用マイコン101が、本発明における「変更手段」の一例である。同様に、本実施形態では、音量の段階数を段階的に変更する音声制御用マイコン78aが、本発明における「変更手段」の一例である。また、音声制
御基板78が、本発明における「音制御手段」の一例である。
【0179】
また、音声制御基板78での制御とは別に、操作ボタン36の操作によって音量レベルが変更されると、画像制御基板200は、演出制御用マイコン101からの指示コマンド(音量レベルコマンドでも可)に従って、現在の音量レベルに対応する数のゲージを点灯させるよう、演出表示装置7を制御する。
【0180】
なお、音量対応テーブルT2を持たず、音声制御用マイコン78aが、決定されたピッチ幅に従って各音量レベルに対応する音量を演算で特定するようにしてもよい。また、最大音量レベル「10」に対応する音量よりも、「ピッチ幅×9(音量レベル「10」を除いた残りの段階数に相当)」の値が大きくなる場合、決定したピッチ幅では全音量レベルに対応する音量を特定できないことになる。このような場合、例えば、
図19(c)に示すピッチ幅設定画面G4において、ピッチ幅を決定した後に「ピッチ幅を変更してください」のような警告画面を表示させて、再度、ピッチ幅を選択させるようにしてもよい。または、最大音量レベル「10」に対応する音量をベースとし、必ず全音量レベルに音量を対応付けることができるよう、決定されたピッチ幅を採用することなく、音声制御用マイコン78a側でピッチ幅が新たに決定されるようにしてもよい。
【0181】
ところで、パチンコ遊技機1では、設定可能な最大音量値を「90dB」としているが、この最大音量値は、特定の設定画面上や特定の操作手段の操作によって変更できるようにしてもよい。例えば、各種条例や法律、規則等に従って、特定の音量値をパチンコ遊技機1の最大音量値として設定し、当該機種の仕様を確定したが、その後に各種条例や法律、規則等が改正され、確定した仕様の音量を最大音量値として使用できなくなったとする。このような場合、仕様確定後であるが、条例、法律、規則等に則するように最大音量値を設定しなければならないということになる。
【0182】
そこで、例えば、特定の操作手段の操作によって、パチンコ遊技機1の最大音量値や最小音量値を適宜変更できるような設定を採用してもよい。例えば、遊技者が操作不能なRAMクリアスイッチ66の操作によって、パチンコ遊技機1の最大音量値や最小音量値を変更するための操作画面が表示されるようにしてもよい。また、遊技機メーカーの従業員やホール関係者のみ知り得る特別なパスワードを入力した場合のみ、パチンコ遊技機1の最大音量値や最小音量値を変更するための操作画面が表示されるようにしてもよい。また、遊技機メーカーの従業員やホール関係者のみ知り得る特別な操作方法で演出ボタン9や操作ボタン36が操作された場合のみ、パチンコ遊技機1の最大音量値や最小音量値を変更するための操作画面が表示されるようにしてもよい。また、RAMクリアスイッチ66の代わりに、専用の変更スイッチを機裏に設けてもよい。そして、RAMクリアスイッチ66等の操作によって表示された操作画面において、最大音量値や最小音量値を変更・設定することで、パチンコ遊技機1で設定可能な音量の規定範囲を構成する音量の範囲を変更することが可能となる。
【0183】
このような操作を経て最大音量値や最小音量値を再設定できるようにすることで、仕様確定後や工場出荷のタイミング、又はホール導入後等においても、最大音量値や最小音量値を変更することが可能となる。これにより、パチンコ遊技機1で設定可能な音量の規定範囲を構成する音量の範囲を変更することが可能となる。この規定範囲を構成する音量の範囲変更は、RAMクリアスイッチ66の操作によって表示される操作画面上で実行されるため、本実施形態では、RAMクリアスイッチ66が、本発明における「音量範囲変更手段」の一例である。
【0184】
(音量変更の流れ)
以下、
図21に従って、最大音量レベル「10」に対応する音量とピッチ幅とをそれぞ
れ遊技者の任意の数値に変更したときの作用について説明する。
【0185】
図21(a)は、最大音量レベル「10」に対応する音量として「84dB」を、ピッチ幅として「4dB」を設定した例を示している。この例では、音量レベル「10」に対応する音量が「84dB」、音量レベル「9」に対応する音量が「84-4=80dB」、音量レベル「8」に対応する音量が「80-4=76dB」、音量レベル「7」に対応する音量が「76-4=72dB」となる。音量レベル「6」に対応する音量が「72-4=68dB」、音量レベル「5」に対応する音量が「68-4=64dB」、音量レベル「4」に対応する音量が「64-4=60dB」となる。音量レベル「3」に対応する音量が「60-4=56dB」、音量レベル「2」に対応する音量が「56-4=52dB」、音量レベル「1」に対応する音量が「52-4=48dB」となる。
【0186】
図21(b)は、最大音量レベル「10」に対応する音量として「50dB」を、ピッチ幅として「5dB」を設定した例を示している。この例では、音量レベル「10」に対応する音量が「50dB」、音量レベル「9」に対応する音量が「50-5=45dB」、音量レベル「8」に対応する音量が「45-5=40dB」、音量レベル「7」に対応する音量が「40-5=35dB」となる。音量レベル「6」に対応する音量が「35-5=30dB」、音量レベル「5」に対応する音量が「30-5=25dB」、音量レベル「4」に対応する音量が「25-5=20dB」となる。音量レベル「3」に対応する音量が「20-5=15dB」、音量レベル「2」に対応する音量が「15-5=10dB」、音量レベル「1」に対応する音量が「10-5=5dB」となる。
【0187】
図21(a)の例と
図21(b)の例では、どちらも音量レベルが「6」であるが、最大音量レベル「10」に対応する音量とピッチ幅がそれぞれ異なるため、同じ音量レベル「6」であっても、出力される音の音量が異なることになる。すなわち、レベルメータ画面G2での表示態様は同じであるが、
図21(a)の例では68dBで音が出力される一方、
図21(b)の例では30dBで音が出力されることになる。
【0188】
[第1実施形態の効果]
(1)第1実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、レベルメータMを構成する各段階に対応する音量を、遊技者による操作ボタン36(操作手段)の操作によって任意の音量に設定することができるようになる。その結果、遊技者の好みに応じた主体的な音量調整が実現可能となる。
【0189】
(2)また、演出表示装置7(段階表示手段)で示される各段階のうち最大音量レベル「10」(最高段階)に対応する任意の音量と、段階数が増減するにつれて増減させるピッチ幅(音量の増減幅)と、を操作ボタン36の操作に基づいて設定することで、各段階に対応する音量を設定できるようにした。その結果、各段階に対応する音量が能動的に決定されることになる。また、遊技者の好みに応じた音量とピッチ幅の設定により、遊技者による主体的な音量調整が実現可能となる。
【0190】
(3)また、操作ボタン36の操作に基づいて設定可能な最大音量レベル「10」に対応する音量は、予め定められた規定範囲内の音量である。操作ボタン36によって遊技者が任意の音量を設定可能であるとしても、その設定可能な音量は遊技機で予め定められた範囲内で収まるため、設定値に対応する音量を出力できないという事態が発生しない。
【0191】
(4)また、規定範囲を構成する音量の範囲を、遊技者が操作不能なRAMクリアスイッチ66(音量範囲変更手段)の操作によって変更可能とした。その結果、仕様確定後や工場出荷のタイミングで各種条例や法律、規則等が改正され、確定した仕様の音量を最大音量値として使用できなくなったとしても、これらの改正に左右されることなく、自由に
規定範囲を構成する音量の範囲を変更することができるようになる。
【0192】
(5)規定範囲を構成する音量の範囲を変更するために操作可能な物理的手段である音量スイッチが設けられていなくても、RAMクリアスイッチ66のような既存の装置を音量範囲変更手段として使用できるようにすることで、音量スイッチの操作に頼ることなく規定範囲を構成する音量の範囲を変更することができるため、利便性の向上に繋がる。
【0193】
(6)RAMクリアスイッチ66のように遊技者が操作不能な音量範囲変更手段を設けたことで、ホールの盛況具合などに応じて規定範囲を構成する音量の範囲を変更することができるようになるので、結果的にホール主体による音量調整を行うことが可能となる。
【0194】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明する。また、第1実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
【0195】
第1実施形態では、最小音量レベルに対応する音量とピッチ幅と、を遊技者の任意の数値に設定可能とした。これに代えて、第2実施形態では、最小音量レベルに対応する音量と最大音量レベルに対応する音量を遊技者の任意の音量に設定可能とし、これらの音量に基づいてパチンコ遊技機1側でピッチ幅を設定させるようにしている。以下、詳細に説明する。
【0196】
(最大音量レベル「10」に対応する音量の変更)
図22(a)に示す設定変更画面G1及びレベルメータ画面G2については、第1実施形態で説明した設定変更画面G1及びレベルメータ画面G2(
図19(a))と同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0197】
図22(b)に示すような設定変更画面G1が表示されているときに操作ボタン36を操作して「最大音量の変更」という項目を選択すると、最大音量レベル「10」に対応する音量を設定するための音量設定画面G3が表示される。
【0198】
第1実施形態で説明した音量設定画面G3(
図19(b))と同じく、第2実施形態における音量設定画面G3においても、最大音量レベル「10」に対応する音量として、十の位の音量と一の位の音量とを、それぞれ「0」~「9」の中から設定可能である。
【0199】
そして、遊技者による操作ボタン36の操作によって、音量設定マスG3a,G3bにて任意の数値を設定した後、「決定」という項目を選択・決定することで、遊技者が設定した任意の音量が最大音量レベル「10」に対応する音量として決定されたことになる。
【0200】
また、第1実施形態と同じく、最大音量レベル「10」に対応する音量として、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量値(この例では「90dB」)よりも大きい値を選択した場合、この最大音量値よりも大きな音量を設定することはできない。つまり、最大音量レベル「10」に対応する音量は、予め定められた規定範囲内の音量(この例では90dB以下)の中からしか設定することができない。
【0201】
(最小音量レベル「1」に対応する音量の変更)
図22(c)に示すような設定変更画面G1が表示されているときに操作ボタン36を操作して「最小音量の変更」という項目を選択すると、最小音量レベル「1」に対応する音量を設定するための音量設定画面G5が表示される。
【0202】
音量設定画面G5では、最小音量レベル「1」に対応する音量として、十の位の音量と一の位の音量とを、それぞれ「0」~「9」の中から設定可能となっている。具体的には、音量設定画面G5は、十の位に対応する音量設定マスG5aと一の位に対応する音量設定マスG5bとを構成要素に含む。そして、音量設定マスG5aをカーソルCで選択した状態で上操作ボタン36xを1回押下する度に音量設定マスG5aの数値が1つずつ上昇する。この操作により、最小音量レベル「1」に対応する音量が10dBずつ増加する。同様に、音量設定マスG5aをカーソルCで選択した状態で下操作ボタン36yを1回押下する度に音量設定マスG5aの数値が1つずつ低下する。この操作により、最小音量レベル「1」に対応する音量が10dB減少する。
【0203】
また、音量設定マスG5bをカーソルCで選択した状態で上操作ボタン36xを1回押下する度に音量設定マスG5bの数値が1つずつ上昇する。この操作により、最小音量レベル「1」に対応する音量が1dBずつ増加する。同様に、音量設定マスG5bをカーソルCで選択した状態で下操作ボタン36yを1回押下する度に音量設定マスG5bの数値が1つずつ低下する。この操作により、最小音量レベル「1」に対応する音量が1dB減少する。
【0204】
そして、遊技者による操作ボタン36の操作によって、音量設定マスG5a,G5bにて任意の数値を設定した後、「決定」という項目を選択・決定することで、遊技者が設定した任意の音量が最小音量レベル「1」に対応する音量として決定されたことになる。
【0205】
なお、本実施形態では、最小音量レベル「1」に対応する音量のデフォルト値として、パチンコ遊技機1で設定可能な最小音量値(この例では「1dB」)が定められている。このため、演出制御用マイコン101は、操作ボタン36の操作回数より、つまり、操作ボタン36から出力される操作信号の入力回数より設定すべき最小音量値を特定し、その音量値を最小音量レベル「1」に対応する音量値とすることを音声制御基板78に指示することが可能となる。
【0206】
例えば、音量設定マスG5aが選択されている状態で上操作ボタン36xが3回操作され、かつ下操作ボタン36yが1回操作されたとする。同様に、音量設定マスG5bが選択されている状態で上操作ボタン36xが4回操作され、かつ下操作ボタン36yが2回操作されたとする。この場合、演出制御用マイコン101は、デフォルト値「1dB」に「22dB」を加算し、「23dB」が最小音量レベル「1」に対応する音量となることを認識する。そして、演出制御用マイコン101は、最小音量レベル「1」に対応する音量を変更すること、及び具体的な音量値を指示する音量変更指示コマンドを音声制御基板78に送信する(例えば、
図16の音声制御処理)。
【0207】
ただし、最小音量レベル「1」に対応する音量として、パチンコ遊技機1で設定可能な最小音量値(この例では「1dB」)よりも小さい値を選択した場合、この最小音量値よりも小さな音量を設定することはできない。つまり、最小音量レベル「1」に対応する音量は、予め定められた規定範囲内の音量(この例では1dB以上)の中からしか設定することができない。よって、例えば、
図22(c)に示す音量設定画面G5において、「最小音量値を変更してください」のような警告画面を表示させて、再度、最小音量レベル「1」に対応する音量を選択させるようにしてもよい。
【0208】
本実施形態では、最大音量レベル「10」に対応する音量を操作ボタン36の操作に基づいて変更する演出制御用マイコン101が、本発明における「音量設定手段」の一例である。同様に、最小音量レベル「1」に対応する音量を操作ボタン36の操作に基づいて変更する演出制御用マイコン101が、本発明における「音量設定手段」の一例である。
【0209】
また、最大音量レベル「10」に対応する音量のデフォルト値は、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量値に限られず、90dB以下の値としてもよいし、「0dB」をデフォルト値として対応付けてもよい。同様に、最小音量レベル「1」に対応する音量のデフォルト値は、パチンコ遊技機1で設定可能な最小音量値に限られず、2dB以上の値としてもよいし、「0dB」をデフォルト値として対応付けてもよい。
【0210】
(ピッチ幅の設定)
演出制御用マイコン101から最大音量レベルに対応する音量に係る音量変更指示コマンド、及び最小音量レベルに対応する音量に係る音量変更指示コマンドを受信した音声制御用マイコン78aは、これらのコマンドに従って、ピッチ幅を設定するとともにレベルメータMを構成する各音量レベルに対応する音量を特定する。ちなみに、本実施形態では、第1実施形態で説明した音量対応テーブルT2のようなテーブルを有しておらず、音声制御用マイコン78aが、演算によってピッチ幅とレベルメータMを構成する各音量レベルに対応する音量を算出する。
【0211】
ピッチ幅は、次の式によって算出することができる。
ピッチ幅=(最大音量レベルに対応する音量値-最小音量レベルに対応する音量値)/(N-1(N:レベルメータを構成する段階数))
したがって、例えば、最大音量レベル「10」に対応する音量が「90dB」で、最小音量レベル「1」に対応する音量が「9dB」であるとすると、ピッチ幅は「(90-9)/(10-1)=9dBとなる。なお、ピッチ幅を算出することができれば、ピッチ幅の算出方法はこの例に限られない。
【0212】
そして、ピッチ幅を算出した音声制御用マイコン78aは、最大音量レベルに対応する音量、最小音量レベルに対応する音量、及び算出したピッチ幅に従って、レベルメータMを構成する各音量レベルに対応する音量を特定する。
【0213】
この例では、最大音量レベルに対応する音量が「90dB」、最小音量レベルに対応する音量が「9dB」、ピッチ幅が「9dB」であるため、音声制御用マイコン78aは、音量レベル「2」に対応する音量として「9+9=18dB」を特定する。また、音量レベル「3」に対応する音量として「18+9=27dB」を特定する。同様に、音量レベル「4」に対応する音量として「27+9=36dB」を特定する。音量レベル「5」に対応する音量として「36+9=45dB」を特定する。音量レベル「6」に対応する音量として「45+9=54dB」を特定する。音量レベル「7」に対応する音量として「54+9=63dB」を特定する。音量レベル「8」に対応する音量として「63+9=72dB」を特定する。音量レベル「9」に対応する音量として「72+9=81dB」を特定する。特定した各音量レベルに対応する音量は、例えば音声制御用マイコン78aのRAMに一時的に記憶しておくことが望ましい。
【0214】
その後、
図22(a)に示すレベルメータ画面G2が表示された状態で操作ボタン36の操作により音量レベルが変更され、サブ制御基板100から音量レベルコマンドが送信されると、音声制御用マイコン78aは、指示された音量レベルに対応する音量で音声を出力させるよう、アンプ78eを制御することになる。具体的には、音声制御用マイコン78aは、受信した音量レベルコマンドより指示された音量レベルを特定し、その音量レベルに対応する音量をRAMの記憶内容を読み出して特定する。そして、特定した音量で音声を出力するよう、音声制御用マイコン78aが音量レベル信号を音量レベル設定回路78fに出力することで、音量レベル設定回路78fで設定された増幅率に基づいてスピーカ8から音声が出力される。なお、音量レベル信号には、音量レベルとその音量レベルに対応する音量値の両方が含まれていてもよい。
【0215】
このように、音声制御用マイコン78aは、操作ボタン36が操作されたことでサブ制御基板100より指示された最大音量レベルに対応する音量と、最小音量レベルに対応する音量とに従って、ピッチ幅を算出する。そして、音声制御用マイコン78aは、算出したピッチ幅に従って、各音量レベルに対応する音量を特定している。これにより、本実施形態では、音声制御用マイコン78aが、本発明における「音量設定手段」の一例である。また、
図22(a)に示すレベルメータ画面G2が表示された状態で操作ボタン36が操作されると、サブ制御基板100から音声制御基板78に対して音量レベルコマンドが送信される。そして、音量レベルコマンドを受信した音声制御用マイコン78aは、スピーカ8から出力する音量を変更させる。これにより、本実施形態では、音量の段階数を段階的に変更する演出制御用マイコン101が、本発明における「変更手段」の一例である。同様に、本実施形態では、音量の段階数を段階的に変更する音声制御用マイコン78aが、本発明における「変更手段」の一例である。また、音声制御基板78が、本発明における「音制御手段」の一例である。
【0216】
また、最大音量レベル「10」に対応する音量よりも、最小音量レベル「1」に対応する音量として大きい数値を選択した場合等には、例えば、
図22(c)に示す音量設定画面G5において、「音量値を変更してください」のような警告画面を表示させて、再度、最小音量レベルに対応する音量を選択させるようにしてもよい。または、遊技者が決定した最大音量レベル「10」に対応する音量をベースとし、音声制御用マイコン78a側で最小音量レベルに対応する音量が決定されるようにしてもよい。逆に、遊技者が決定した最小音量レベル「1」に対応する音量をベースとし、音声制御用マイコン78a側で最大音量レベルに対応する音量が決定されるようにしてもよい。
【0217】
また、先の実施形態で説明したように、図柄変動中や大当たり遊技中であっても遊技者による操作手段の操作によって設定変更画面G1が表示され、図柄変動中や大当たり遊技中にも最大音量レベルに対応する音量、最小音量レベルに対応する音量、ピッチ幅を設定できるようにしてもよい。
【0218】
(音量変更の流れ)
以下、
図23に従って、最大音量レベル「10」に対応する音量と、最小音量レベル「1」に対応する音量とを、それぞれ遊技者の任意の数値に変更したときの作用について説明する。
【0219】
図23(a)は、最大音量レベル「10」に対応する音量として「84dB」を、最小音量レベル「1」に対応する音量として「3dB」を設定した例を示している。この例では、ピッチ幅は「(84-3)/(10-1)=9dBとなる。よって、音量レベル「9」に対応する音量が「84-9=75dB」、音量レベル「8」に対応する音量が「75-9=66dB」、音量レベル「7」に対応する音量が「66-9=57dB」となる。音量レベル「6」に対応する音量が「57-9=48dB」、音量レベル「5」に対応する音量が「48-9=39dB」、音量レベル「4」に対応する音量が「39-9=30dB」となる。音量レベル「3」に対応する音量が「30-9=21dB」、音量レベル「2」に対応する音量が「21-9=12dB」となる。
【0220】
図23(b)は、最大音量レベル「10」に対応する音量として「50dB」を、最小音量レベル「1」に対応する音量として「5dB」を設定した例を示している。この例では、ピッチ幅は「(50-5)/(10-1)=5dBとなる。よって、音量レベル「9」に対応する音量が「50-5=45dB」、音量レベル「8」に対応する音量が「45-5=40dB」、音量レベル「7」に対応する音量が「40-5=35dB」となる。音量レベル「6」に対応する音量が「35-5=30dB」、音量レベル「5」に対応する音量が「30-5=25dB」、音量レベル「4」に対応する音量が「25-5=20
dB」となる。音量レベル「3」に対応する音量が「20-5=15dB」、音量レベル「2」に対応する音量が「15-5=10dB」となる。
【0221】
図23(a)の例と
図23(b)の例では、どちらも音量レベルが「6」であるが、最大音量レベル「10」に対応する音量、最小音量レベル「1」に対応する音量、及びピッチ幅がそれぞれ異なるため、同じ音量レベル「6」であっても、出力される音の音量が異なることになる。すなわち、レベルメータ画面G2での表示態様は同じであるが、
図23(a)の例では48dBで音が出力される一方、
図23(b)の例では30dBで音が出力されることになる。
【0222】
[第2実施形態の効果]
(1)第2実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、レベルメータMを構成する各段階のうち最大音量レベル10(最高段階)に対応する音量を、遊技者による操作ボタン36(操作手段)の操作によって任意の音量に設定することができるようになる。その結果、遊技者の好みに応じた主体的な音量調整が実現可能となる。
【0223】
(2)また、演出表示装置7(段階表示手段)で示される各段階のうち最大音量レベル「10」(最高段階)に対応する任意の音量及び最小音量レベル「1」(最低段階)に対応する任意の音量を、遊技者による操作ボタン36の操作に基づいて設定するようにした。そして、設定された最大音量レベル「10」に対応する音量と設定された最小音量レベル「1」に対応する音量に基づいてピッチ幅(段階数が増減するにつれて増減させる音量の増減幅)を設定するようにした。つまり、最大音量レベル「10」及び最小音量レベル「1」に対応する音量を、遊技者の好みに応じて任意に設定すると、その範囲内で各段階におけるピッチ幅が必然的に決まることになる。また、最大音量レベル「10」及び最小音量レベル「1」に対応する音量として遊技者が異なる音量を設定する度に、各段階における新たなピッチ幅が必然的に決まることになる。つまり、遊技者による主体的な音量調整が実現可能となる。
【0224】
<第3実施形態>
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態では、主に第1,第2実施形態と異なる点について説明する。また、第1,第2実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
【0225】
第3実施形態では、例えば
図19(a)や
図22(a)で示すようなレベルメータ画面M2が表示されているときに操作ボタン36の操作によってスピーカ8から出力される音量を変化させると、音量変化に合わせて特定の予告演出の発生頻度も変更されるようになっている。以下、詳細に説明する。
【0226】
本実施形態では、特図変動中に予告演出が実行可能とされており、予告演出の実行を決定した場合には、予告演出内容選択処理(S155)にて予告演出の演出内容が決定される。
【0227】
(予告演出選択テーブルT3)
図24に示す予告演出選択テーブルT3は、予告演出内容選択処理(S155)において予告演出の演出内容を決定するために参照されるテーブルである。
【0228】
予告演出選択テーブルT3には、特図変動パターン毎に選択可能な予告演出パターンが対応付けられている。予告演出選択テーブルT3では、指示された特図変動パターンの種類に従って、何れかの予告演出パターンを選択できるよう、各予告演出パターンに対して
所定個数の予告演出乱数値が対応付けられている(具体的な数値は図示せず)。
【0229】
予告演出パターンY1は、予告演出の演出内容として「第1演出」を特定するパターンである。予告演出パターンY2は、予告演出の演出内容として「第2演出」を特定するパターンである。予告演出パターンY3は、予告演出の演出内容として「第3演出」を特定するパターンである。予告演出パターンY4は、予告演出の演出内容として「第4演出」を特定するパターンである。予告演出パターンY5は、予告演出の演出内容として「第5演出」を特定するパターンである。予告演出パターンY6は、予告演出の演出内容として「第6演出」を特定するパターンである。
【0230】
大当たり用の特図変動パターンP1(SPリーチ)が指示された場合、予告演出パターンY1、予告演出パターンY2、予告演出パターンY3、予告演出パターンY4、予告演出パターンY5のうち何れかが選択されるよう、予告演出乱数値が対応付けられている。
【0231】
大当たり用の特図変動パターンP2(ノーマルリーチ)が指示された場合、予告演出パターンY1、予告演出パターンY2、予告演出パターンY3、予告演出パターンY4、予告演出パターンY5のうち何れかが選択されるよう、予告演出乱数値が対応付けられている。ただし、予告演出パターンY1,Y2,Y3の選択割合は、特図変動パターンP1が指示された場合におけるこれらの選択割合に比して低くなるよう、予告演出乱数値が対応付けられている。
【0232】
リーチ有りハズレ用の特図変動パターンP3(SPリーチ)が指示された場合、予告演出パターンY2、予告演出パターンY3、予告演出パターンY4、予告演出パターンY5、予告演出パターンY6のうち何れかが選択されるよう、予告演出乱数値が対応付けられている。
【0233】
リーチ有りハズレ用の特図変動パターンP4(ノーマルリーチ)が指示された場合、予告演出パターンY2、予告演出パターンY3、予告演出パターンY4、予告演出パターンY5、予告演出パターンY6のうち何れかが選択されるよう、予告演出乱数値が対応付けられている。ただし、予告演出パターンY2,Y3の選択割合は、特図変動パターンP3が指示された場合におけるこれらの選択割合に比して低くなるよう、予告演出乱数値が対応付けられている。
【0234】
また、大当たり用の特図変動パターンP1,P2が指示された場合には予告演出パターンY1が選択可能とされていたが、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンP3,P4が指示された場合には予告演出パターンY1が選択されることがないよう、予告演出乱数値を対応付けていない。同様に、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンP3,P4が指示された場合には予告演出パターンY6が選択可能とされているが、大当たり用の特図変動パターンP1,P2が指示された場合には予告演出パターンY6が選択されることがないよう、予告演出乱数値を対応付けていない。
【0235】
リーチ無しハズレ用の特図変動パターンP5(通常変動)が指示された場合、予告演出パターンY4、予告演出パターンY5、予告演出パターンY6のうち何れかが選択されるよう、予告演出乱数値が対応付けられている。
【0236】
リーチ無しハズレ用の特図変動パターンP6(通常変動)が指示された場合、予告演出パターンY4、予告演出パターンY5、予告演出パターンY6のうち何れかが選択されるよう、予告演出乱数値が対応付けられている。リーチ無しハズレ用の特図変動パターンP5,P6においては、予告演出パターンY4~Y6の選択割合が同じとなるように予告演出乱数値が対応付けられていてもよい。
【0237】
大当たり用の特図変動パターンP1,P2が指示された場合には予告演出パターンY1~Y3が選択可能とされていたが、リーチ無しハズレ用の特図変動パターンP5,P6が指示された場合には予告演出パターンY1~Y3が選択されることがないよう、予告演出乱数値を対応付けていない。同様に、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンP3,P4が指示された場合には予告演出パターンY2,Y3が選択可能とされていたが、リーチ無しハズレ用の特図変動パターンP5,P6が指示された場合には予告演出パターンY2,Y3が選択されることがないよう、予告演出乱数値を対応付けていない。
【0238】
このような乱数値の設定によりハズレ時に第1演出が選択されることがないため、第1演出の大当たり期待度(信頼度)は、100%となる。また、第2演出は、ハズレ時にも選択されることがあるが、第2演出が実行されたときの大当たり期待度が90%となるよう、特図変動パターンP1~P4毎に予告演出乱数値が対応付けられている。また、第3演出は、ハズレ時にも選択されることがあるが、第3演出が実行されたときの大当たり期待度が70%となるよう、特図変動パターンP1~P4毎に予告演出乱数値が対応付けられている。また、第4演出は、ハズレ時にも選択されることがあるが、第4演出が実行されたときの大当たり期待度が50%となるよう、特図変動パターンP1~P6毎に予告演出乱数値が対応付けられている。また、第5演出は、大当たり時よりもハズレ時に実行される確率が高く、第5演出が実行されたときの大当たり期待度が30%となるよう、特図変動パターンP1~P6毎に予告演出乱数値が対応付けられている。また、第6演出は、ハズレ時のみ選択されるようになっており、大当たり期待度が0%となる。
【0239】
第2~第5演出は、大当たり時とハズレ時において同一の内容で展開される。つまり、大当たり期待度(信頼度)は、大当たり時における予告演出の実行回数と、ハズレ時における予告演出との比率によって算出される。なお、第1演出は大当たり期待度が100%であるため、第1演出が実行されたにもかかわらずハズレとなることはないが、第2演出及び第3演出に関しては、大当たり期待度が高いにもかかわらずその確率は100%ではないので、第2演出又は第3演出が実行されたにもかかわらずハズレとなる場合がある。このため、ハズレ時に実行され得る第2演出、第3演出、第4演出、及び第5演出が、大当たりとなることを遊技者に期待させる演出を行った上で最終的に大当たりとならないことを報知するガセ演出、すなわち「特定示唆演出」に相当する。
【0240】
本実施形態では、第1演出、第2演出及び第3演出が、大当たり期待度(信頼度)の高い高信頼度演出に分類される。また、第4演出及び第5演出が、中信頼度演出に分類される。また、第6演出が低信頼度演出に分類される。そして、第6演出<第5演出<第4演出<第3演出<第2演出<第1演出の順に、演出強度の高い内容で予告演出が展開される。すなわち、低信頼度演出<中信頼度演出<高信頼度演出の順に、演出強度の高い内容で予告演出が展開される。本実施形態では、第2演出及び第3演出が、高信頼度で大当たりとなることを遊技者に期待させる演出を行った上で最終的に大当たりとならないことを報知するとともに演出強度の高い「第1特定示唆演出」に相当する。また、第4演出及び第5演出が、第1特定示唆演出よりも演出強度の低い「第2特定示唆演出」に相当する。
【0241】
なお、本実施形態における「演出強度が高い」とは、遊技演出が行われるスピーカ8、盤ランプ2a等のランプ類、可動体15等の出力量を増加させることで賑やかな態様で遊技演出が実行されている状態を指す。例えば、スピーカ8で行われる遊技演出については、スピーカ8から出力される音量が大きいほど「演出強度が高い」ということになる。逆に、スピーカ8から出力される音量が小さいほど「演出強度が低い」ということになる。
【0242】
盤ランプ2a等のランプ類で行われる遊技演出については、盤ランプ2a等の光量が多いほど「演出強度が高い」ということになる。逆に、盤ランプ2a等の光量が少ないほど
「演出強度が低い」ということになる。また、可動体15で行われる遊技演出については、例えば可動体15の回転量が増加したり、振動強度が強いほど「演出強度が高い」ということになる。逆に、可動体15の回転量が減少したり振動強度が弱いほど「演出強度が低い」ということになる。なお、ランプ類に関しては、例えば暖色系の発光色を「演出強度が高い」と定義し、寒色系の発光色を「演出強度が低い」と定義してもよい。
【0243】
また、本実施形態の第1演出~第6演出は、演出表示装置7で実行される表示演出の他、スピーカ8から音声を出力させる音出力演出を含む。その他、第1演出~第6演出は、発光演出や可動体演出を含んでもよい。また、この例では、特図変動パターンの種類に従って予告演出パターンを対応付けていたが、1つの特図変動パターンに対して複数個の変動演出パターンを対応付け、変動演出パターンの種別毎に予告演出パターンの選択割合を異ならせてもよい。また、ここで説明した大当たり期待度はあくまで一例である。
【0244】
そして、予告演出内容選択処理(S155)において、演出制御用マイコン101は、特定の予告演出パターンを選択した場合、操作ボタン36の操作に基づいて変更された演出強度(この例では音量レベルの大小)に合わせて、予告演出の発生頻度を調整するようになっている。本実施形態における特定の予告演出パターンは、演出強度が相対的に高い第2,第3演出を特定する「予告演出パターンY2,Y3」である。
【0245】
(予告演出内容選択処理)
以下、
図25に従って予告演出内容選択処理(S155)について説明する。
まず、演出制御用マイコン101は、指示された特図変動パターンに従い、予告演出選択テーブルT3(
図24)の中から予告演出パターンを選択する(S160)。次に、演出制御用マイコン101は、指示された特図変動パターンがリーチ有りハズレ用の特図変動パターンであるか否かを確認する(S161)。指示された特図変動パターンが、特図変動パターンP3又は特図変動パターンP4である場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、選択した予告演出パターンが、予告演出パターンY2又は予告演出パターンY3であるか否かを確認する(S162)。前述したように、予告演出パターンY2,Y3で特定される第2演出及び第3演出は、相対的に大当たり期待度の高い予告演出である。同様に、予告演出パターンY2,Y3で特定される第2演出及び第3演出は、相対的に演出強度の高い予告演出である。
【0246】
予告演出パターンY2又は予告演出パターンY3であった場合(S162:Yes)、演出制御用マイコン101は、操作ボタン36の操作に基づいて変更された音量レベルに合わせて第2,第3演出の発生頻度を調整すべく、現在の音量レベルを確認する(S163)。前述したように、本実施形態では、
図19(a)に示すようなレベルメータ画面G2が表示されているときに操作ボタン36を操作すると、スピーカ8から出力される音量の音量レベルが増減されるようになっている。これにより、現在の音量レベルとは、S163の判定時点で設定されている音量レベルを指す。そして、現在の音量レベルは、例えば、音声制御基板78に送信するために作成した音量レベルコマンドを確認すること等によって確認可能である。また、操作ボタン36から操作信号を入力したときに、その入力回数より音量レベルを特定し、RAM120における所定の記憶領域で音量レベルをフラグ管理し、フラグを読み出すこと等によっても確認可能である。
【0247】
そして、演出制御用マイコン101は、現在の音量レベルに従って、予告演出パターンY2,Y3に基づく予告演出の発生頻度を変更し得るよう、以下の制御を実行する。本実施形態では、音量レベル「1」~「3」を「小音量グループ」、音量レベル「4」~「6」を「中音量グループ」、音量レベル「7」~「10」を「大音量グループ」と分類するものとする。そして、これらの音量グループ毎に第2演出及び第3演出の発生頻度を異ならせるよう、それぞれ異なる抽選確率にて予告演出の実行可否を決定するようになってい
る。
【0248】
現在の音量レベルが「1」~「3」であった場合(S164:Yes)、演出制御用マイコン101は、第2,第3演出の発生頻度を低下させるべく、第2,第3予告演出を実際に実行させるか否かを抽選で決定する(S165及び
図24参照)。S165において演出制御用マイコン101は、70/100の確率で予告演出の実行可を決定し、30/100の確率で予告演出の実行否を決定する。すなわち、演出制御用マイコン101は、事前に予告演出の実行を決定したにもかかわらず、30/100の確率で予告演出の実行否を決定する場合がある。
【0249】
その後、演出制御用マイコン101は、予告演出の「実行否」を決定していないか否かを判定する(S166)。予告演出の「実行否」を決定していない場合(S166:Yes)、演出制御用マイコン101は、当初の決定内容どおり、予告演出を実行させることになる。これにより、演出制御用マイコン101は、選択した予告演出パターンの内容を示すデータをRAM120の送信バッファにセットし(S167)、本処理を終了する。送信バッファにセットされたデータは、S156の変動演出開始コマンドに含められる。
【0250】
一方、特図変動パターンP3又は特図変動パターンP4ではない場合(S161:No)、演出制御用マイコン101は、S165のような実行可否抽選を行うことなく、S167に移行する。すなわち、大当たり用の特図変動パターンやリーチ無しハズレ用の特図変動パターンが指示されていた場合には、予告演出の実行を取り止めることなく、かつ現在の音量レベルで第1~第6演出を通常どおり実行させることになる。
【0251】
また、特図変動パターンP3又は特図変動パターンP4が指示されたが、予告演出パターンY2又は予告演出パターンY3でなければ(S162:No)、演出制御用マイコン101は、S165のような実行可否抽選を行うことなく、S167に移行する。すなわち、特図変動パターンP3,P4が指示されていたとしても、第2,第3演出以外の予告演出の実行を決定していた場合には、予告演出の実行を取り止めることなく、かつ現在の音量レベルで通常どおり実行させることになる。
【0252】
一方、現在の音量レベルが「1」~「3」ではないと判定した場合(S164:No)、演出制御用マイコン101は、現在の音量レベルが「4」~「6」であるか否かを判定する(S168)。現在の音量レベルが「4」~「6」であった場合(S168:Yes)、演出制御用マイコン101は、第2,第3演出の発生頻度を低下させるべく、第2,第3予告演出を実際に実行させるか否かを抽選で決定する(S169及び
図24参照)。S169において演出制御用マイコン101は、85/100の確率で予告演出の実行可を決定し、15/100の確率で予告演出の実行否を決定する。すなわち、演出制御用マイコン101は、事前に予告演出の実行を決定したにもかかわらず、15/100の確率で予告演出の実行否を決定する場合がある。なお、音量レベルが「4」~「6」であった場合、音量レベルが「1」~「3」の場合に比して、予告演出の実行否を決定する可能性が低く設定されている。つまり、音量レベルが低いほど、実行可否抽選で「実行否」が決定される可能性が高いため、結果的に音量レベルの低下に伴って第2,第3演出の発生頻度が低下し得ることになる。その後、演出制御用マイコン101は、S166の処理に移行する。
【0253】
一方、現在の音量レベルが「4」~「6」ではないと判定した場合(S168:No)、現在の音量レベルが「7」~「10」の何れかであるということになる。この場合、演出制御用マイコン101は、S164,S169のような実行可否抽選を行うことなく、S167に移行する。すなわち、特図変動パターンP3,P4が指示されていた場合であっても、音量レベルが「7」~「10」であれば、予告演出の実行が取り消されることが
なく、第2,第3演出を通常どおり実行させることになる。つまり、音量レベルが高いほど、実行可否抽選で「実行否」が決定される可能性が低いため、音量レベルの上昇に伴ってハズレ時における第2,第3演出の発生頻度が上昇し得ることになる。ただし、予告演出選択テーブルT3に定められた第2,第3演出の選択値が上限であり、音量レベルが上昇したからといってハズレ時における第2,第3演出の発生頻度が前述の上限を超えるわけではない。つまり、「第2,第3演出の発生頻度の上昇」とは、低音量レベル時の発生頻度と比較して相対的に高い状態を指す。
【0254】
このように、本実施形態では、大当たりやリーチ無しハズレの場合には、予告演出の実行を決定した後に、再度、実行可否抽選を行うことがない。つまり、予告演出の発生頻度が音量レベルに左右されない。同様に、リーチ有りハズレの場合であっても、演出強度が相対的に低い第4~第6演出が決定された場合には、予告演出の実行を決定した後に実行可否抽選を行わないので、予告演出の発生頻度が音量レベルに左右されない。
【0255】
一方、リーチ有りハズレで第2,第3演出の実行を決定した場合、現在の音量レベルが低いほど実行可否抽選で「実行否」を決定する確率が高いため、結果的に第2,第3演出の発生頻度が低下し得ることになる。
【0256】
前述したように、第2演出及び第3演出は、相対的に演出強度の高い予告演出として定義されている。つまり、第2演出及び第3演出は、第4演出~第6演出に比してスピーカ8から大きな音が出力されたり、盤ランプ2aの光量が強かったり、可動体15の振動強度が強かったり、というように相対的に賑やかな演出態様で実行されることになる。また、第2演出及び第3演出は、相対的に大当たり期待度(信頼度)の高い予告演出でもある。
【0257】
音量レベルが高い状態を好む遊技者は、様々な演出が賑やかな態様で実行されることを好むため、賑やかな第2,第3演出が実行されたが結果的に大当たりとならなかったとしてもさほど気にならない場合が多い。しかし、音量レベルを下げる遊技者というのは、様々な演出が賑やかな態様で実行されることを疎ましく感じるからこそ音量レベルを下げるのである。この音量レベルを下げる行為に伴って各種遊技演出の演出強度(特に音量)を下げると、各種演出が小さな音で実行されるため、遊技者に不快感を与え難い。しかしながら、音量レベルを下げる行為に伴って、演出強度が相対的に高く設定された第2,第3演出の演出強度(特に音量)も低下することになる。つまり、第2,第3演出は、高い演出強度で演出を実行させて大当たりとなるまでの過程を盛り上げたり、大当たりに期待を持たせるという役割があるにもかかわらず、音量レベルを下げるという行為により、本来の役割を果たすことができなくなってしまう。
【0258】
そこで、本実施形態のように音量レベルを下げるという遊技者の行為に連動して、演出強度の高い第2,第3演出のハズレ時における発生頻度が低下し得るようにすることで、本来の役割を果たすことができなくなってしまった第2,第3演出が遊技者の目に触れる機会を減らすことができ、遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
【0259】
予告演出の一種である第1演出~第6演出は、演出表示装置7で実行される表示演出とスピーカ8から音声を出力させる音出力演出を含むため、画像制御基板200及び音声制御基板78に対して予告演出の実行指示を行う演出制御用マイコン101は、本発明における「演出制御手段」の一例である。演出制御用マイコン101からの指示を受けて演出表示装置7に予告演出を表示させる画像制御基板200、及び演出制御用マイコン101からの指示を受けてスピーカ8から音声を出力させる音声制御基板78も、本発明における「演出制御手段」の一例である。また、表示演出を行う演出表示装置7及び音出力演出を行うスピーカ8は、本発明における「演出実行手段」の一例である。また、レベルメー
タ画面G2が表示された状態で操作ボタン36が操作されると、サブ制御基板100から音声制御基板78に対して音量レベルコマンドが送信される。そして、音量レベルコマンドを受信した音声制御用マイコン78aは、スピーカ8から出力する音量を変更させる。これにより、本実施形態では、演出強度を変更する演出制御用マイコン101が、本発明における「演出強度変更手段」の一例である。同様に、音声制御用マイコン78aも、本発明における「演出強度変更手段」の一例である。また、操作ボタン36の操作によって変更された音量レベルに従ってハズレ時における第2,第3演出の発生頻度を変更する演出制御用マイコン101は、本発明における「発生頻度変更手段」の一例である。なお、各音量グループに分類される音量レベルは適宜変更してもよいし、実行可否抽選の確率も適宜変更してもよい。
【0260】
また、この例では、現在の音量レベルに従って、ハズレ時における第2,第3演出の発生頻度を変更し得るようにしていたが、第1実施形態のように、最大音量レベル「10」に対応する音量として決定された音量に従って、ハズレ時における第2,第3演出の発生頻度を変更するようにしてもよい。例えば、最大音量レベル「10」に対応する音量として「90dB」~「80dB」の範囲内の音量を決定した場合には、ハズレ時における第2,第3演出の発生頻度を変更させることがないよう、実行可否抽選を行わないようにしてもよい。一方、最大音量レベル「10」に対応する音量として「79dB」~「60dB」の範囲の音量を決定した場合には、85/100の確率で第2,第3演出の実行可を決定し、15/100の確率で第2,第3演出の実行否を決定するようにしてもよい。また、最大音量レベル「10」に対応する音量として「59dB」以下の音量を決定した場合には、70/100の確率で第2,第3演出の実行可を決定し、30/100の確率で第2,第3演出の実行否を決定するようにしてもよい。つまり、最大音量レベル「10」に対応する音量値が大きいほど、実行可否抽選で「実行否」が決定される可能性が低いため、最大音量レベル「10」に対応する音量値の上昇に伴って、ハズレ時における第2,第3演出の発生頻度が上昇し得ることになる。ただし、予告演出選択テーブルT3に定められた第2,第3演出の選択値が上限であり、最大音量レベル「10」に対応する音量値として大きな音量値が決定されたからといってハズレ時における第2,第3演出の発生頻度が前述の上限を超えるわけではない。つまり、この例における「第2,第3演出の発生頻度の上昇」とは、最大音量レベル「10」に対応する音量値が小さいときの発生頻度と比較して相対的に高い状態を指す。この場合、第1実施形態のように、最大音量レベル「10」に対応する音量を操作ボタン36の操作に基づいて変更する演出制御用マイコン101が、本発明における「強度変更手段」の一例である。同様に、音声制御用マイコン78aも、本発明における「強度変更手段」の一例である。
【0261】
また、予告演出の一種として先読み演出を実行可能とし、音量レベルの変更に合わせてハズレ時における演出強度の高い内容の先読み演出(例えば保留変化演出)の発生頻度を変更するようにしてもよい。
【0262】
先読み演出は、特図保留の消化に伴って実行される大当たり判定の結果を事前に示唆する演出である。大当たり判定の事前判定は、前述したように、特図用の変動開始コマンド(S141)の解析前に始動入賞コマンド(S139)の解析を行うことで、大当たり判定が行われるタイミングよりも前に、大当たり判定の結果や選択され得る特図変動パターンの種類を事前に把握することができる。また、先読み演出の一種である保留変化演出は、例えば、
図1で説明した演出保留画像51b,52bの表示態様を、通常とは異なる表示態様に変化させる態様で実行される。例えば、大当たりと事前判定される特図保留、又は大当たり期待度の高いハズレリーチ(「SPリーチハズレ」など)と事前判定される特図保留が存在する場合、これらの特図保留に対応する演出保留画像51b,52bを赤色や金色としたり、星や動物の形にする等、通常の表示内容とは異なる演出強度の高い表示態様とし、大当たりとなることを期待させるようになっている。前述したように、演出強
度の高い予告演出は大当たり期待度(信頼度)が高い演出とされているため、これらの内容で保留変化演出が実行された場合、大当たりとなることを遊技者に期待させる演出を行った上で最終的に大当たりとならないことを報知するガセ演出となり得る。
【0263】
このような保留変化演出においても、音量レベルの低下に合わせてハズレとなる場合における演出強度の高い表示態様の選択確率を低下させるようにしてもよい。このとき、上述した予告演出選択テーブルT3(
図24)のように保留変化演出の内容を定めたテーブルから予告演出パターンを選択するが、保留変化演出の実行を決定した場合であっても、音量レベルに応じて実行可否抽選を行うことで、ハズレ時における保留変化演出のガセ演出の発生頻度を変更させるようにしてもよい。
【0264】
事前判定の結果が「大当たり期待度の高いハズレリーチ」となる場合、本来、大当たり期待度の高い演出内容(演出強度が高い演出内容)が選択される確率が高くなっている。音量レベルの低下に合わせて演出強度の高い表示態様の選択率を低下させるということは、事前判定の結果が「大当たり期待度の高いハズレリーチ」となる場合の選択対象が減少することになるので、結果的に先読み演出のガセ演出の減少にも繋がる。予告演出の一種として保留変化演出を実行させる場合、演出強度の高い表示態様で実行される内容が「第1特定示唆演出」に相当する。もちろん、保留変化演出においても、演出保留画像51b,52bが演出強度の高い表示態様に変化するタイミングで演出強度の高い音演出(音量を大きくする等)も同時に実行させるようにしてもよい。
【0265】
[第3実施形態の効果]
(1)第3実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、スピーカ8(演出実行手段)から出力される音量(演出強度)を、遊技者による操作ボタン36(操作手段)の操作によって変更すると、その強度変更に合わせて大当たり(特別状態)となることを遊技者に期待させた上で最終的に大当たりとならないことを報知するガセ演出(特定示唆演出)の発生頻度も変更されることになる。これにより、スピーカ8から出力される音量の変化に連動してガセ演出の発生頻度も変更されるようになり、バランスの取れた演出態様を実現することが可能となる。その結果、遊技興趣の向上に繋がる。
【0266】
(2)また、ガセ演出は、第2,第3演出(第1特定示唆演出)と第4,第5演出(第2特定示唆演出)とを含む。第2,第3演出は、第4,第5演出よりも演出強度が高い演出である。そして、操作ボタン36の操作に基づく演出強度の低下に伴って第2,第3演出の発生頻度を低下させ、操作ボタン36の操作に基づく演出強度の上昇に伴って第2,第3演出の発生頻度を上昇させるようにした。第2,第3演出は、第4,第5演出よりも演出強度の高い演出とされている。これにより、第2,第3演出は、第4,第5演出に比して、例えばより大きな音が出力されたり、ランプが激しく点滅する。それを前提とし、演出強度が高い状態を好む遊技者は、様々な演出が高演出強度で実行されることを望んでいるので、たとえ演出強度の高い第2,第3演出が実行され、結果的に大当たりとならなかったとしてもあまり気にならない傾向にある。一方、演出強度が低い状態を好む遊技者は、そもそも大きい音や激しいランプ点滅に苦手意識があるからこそ操作ボタン36の操作によって演出強度を下げているのである。しかし、演出強度を下げるという行為に連動して、第2,第3演出のような演出強度の高い予告演出の演出強度を下げてしまうと、強度の高い演出態様により遊技を盛り上げるという第2,第3演出の本来の役割を果たせなくなってしまう。そこで、遊技者による操作ボタン36の操作に基づく演出強度の低下に伴って第2,第3演出そのものの発生頻度を低下させてしまえば、演出強度を下げた状況下において第2,第3演出が出現し難くなるため、演出強度が下がった第2,第3演出が遊技者の目に触れる機会が少なくなり、第2,第3演出の本来の役割を保つことができる。
【0267】
(3)第2,第3演出は、遊技者に対して高信頼度で大当たりを期待させるために、大きな音を出力したり、ランプを激しく点滅させたりといったように高い演出強度で実行される。それを前提とし、演出強度が高い状態を好む遊技者は、様々な演出が高演出強度で実行されることを望んでいるので、たとえ高演出強度で第2,第3演出が実行され、結果的に大当たりとならなかったとしてもあまり気にならない傾向にある。一方、演出強度が低い状態を好む遊技者は、そもそも大きい音や激しいランプ点滅に苦手意識があるからこそ操作ボタン36の操作によって演出強度を下げているのである。しかし、演出強度を下げるという行為に連動して、第2,第3演出の演出強度を下げてしまうと、高信頼度で大当たりを期待させる第2,第3演出そのものの演出強度も下がってしまうことになり、第2,第3演出の本来の役割を果たせなくなってしまう。そこで、遊技者による操作ボタン36の操作に基づく演出強度の低下に伴って第2,第3演出そのものの発生頻度を低下させてしまえば、演出強度を下げた状況下において第2,第3演出が出現し難くなるため、高信頼度で大当たりに期待させることができるものの演出強度が低下してしまった第2,第3演出が遊技者の目に触れる機会が少なくなり、第2,第3演出の本来の役割を保つことができる。
【0268】
(4)また、操作ボタン36の操作に基づいて最大音量レベル「10」に対応する音量が低く変更された場合、最大音量レベル「10」に対応する音量の低下に伴って第2,第3演出の発生頻度を低下させ、操作ボタン36の操作に基づいて最大音量レベル「10」に対応する音量が高く変更された場合、最大強度の上昇に伴って第2,第3演出の発生頻度を上昇させるようにした。遊技者の好みに従って最大音量レベル「10」に対応する音量を低めの数値に設定した場合にも、その設定を受けて第2,第3演出の発生頻度が下がることで、パチンコ遊技機1における各種演出の最大強度(この例では音量)を変更した場合にも、第2,第3演出の本来の役割を保つことができる。
【0269】
(5)また、演出強度の変更対象を「音量」とした。ランプの点滅や可動体の動作は、高い演出強度で実行されたとしても、遊技者が視線をずらすことで体感を避けることができる。つまり、高演出強度が苦手な遊技者であっても、演出強度を変更することなく演出体感を回避することが可能である。しかし、大音量で出力された音については、遊技者が簡単に回避することができないため、高演出強度が苦手な遊技者は、演出強度を変更して演出体感を回避する必要がある。このような理由によって音の演出強度を変更したとしても、その演出強度の変更に合わせて第2,第3演出の発生頻度が変更されることで、第2,第3演出の本来の役割を保つことができる。
【0270】
<第4実施形態>
次に、本発明に係る第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態では、主に第1~第3実施形態と異なる点について説明する。また、第1~第3実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
【0271】
第4実施形態では、音量レベルの変更に合わせて、音声制御基板78(特にアンプ78e)に供給する電流量を調整するようにしている。以下、詳細に説明する。
音声制御基板78(音声制御用マイコン78a)は、サブ制御基板100を介して電源基板70から供給された電力に基づいて、アンプ78eに電流を供給するようになっている。そのときのアンペア数は、最大で4.5アンペアである。ただし、操作ボタン36の操作によって音量レベルが変更されたことを認識すると、音声制御基板78は、変更後の音量レベルに合わせたアンペア数の電流をアンプ78eに供給するようになっている。
【0272】
図26に示すように、変更後の音量レベルが「10」~「7」である場合、音声制御用マイコン78aは、アンプ78eに供給する電流量を「4.5アンペア」とする。すなわ
ち、音声制御用マイコン78aは、アンプ78eに供給可能な電流量を最大値「4.5アンペア」から変更しない。一方、変更後の音量レベルが「6」~「4」である場合、音声制御用マイコン78aは、アンプ78eに供給する電流量を「4.25アンペア」に減流する。また、変更後の音量レベルが「3」~「1」である場合、音声制御用マイコン78aは、アンプ78eに供給する電流量を「4.0アンペア」に減流する。
【0273】
すなわち、音声制御用マイコン78aは、音量レベルの変更の有無を問わず、常に一定量の電流をアンプ78eに供給するのではなく、音量レベルの変更に合わせてアンプ78eに供給する電流量を変更する。ただし、音量レベルの低下に伴ってアンプ78eに供給する電流量を減少させていたとしても、エラーが発生したり不正行為が行われたりといった想定外の事象が発生した場合には、これらの想定外の事象の発生を周知すべく、音声制御用マイコン78aは、アンプ78eに対して供給可能な最大量の電流(4.5アンペア)を供給する。また、音量レベルの低下に伴ってアンプ78eに供給する電流量を減少させた場合、音声制御用マイコン78aは、最大電流量「4.5アンペア」との差分に相当する電流を、その他の演出実行手段(可動体15や盤ランプ2a等のランプ類)に供給できるよう、電流量の配分を変更する。
【0274】
[第4実施形態の効果]
(1)音量レベルの低下に伴ってアンプ78eに供給する電流量を減少させた場合、差分に相当する電流を、その他の演出実行手段(可動体15や盤ランプ2a等のランプ類)に供給することで、その他の演出実行手段での演出態様を賑やかなものとすることができる。
【0275】
(2)エラー報知等を実行する場合は、現在の電流量に関わらず、最大量の電流が供給されるため、エラーが発生していること等を周知させ易い。
<第5実施形態>
次に、本発明に係る第5実施形態について説明する。なお、第5実施形態では、主に第1~第4実施形態と異なる点について説明する。また、第1~第4実施形態と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、図面の一部又は全部を割愛する。
【0276】
第5実施形態では、所謂、オーバー入賞が発生したときに、その対象となる遊技球毎に報知演出を実行させているが、各遊技球に基づく報知演出の重複再生期間を発生させないようにすべく又は重複再生期間を短くすべく、検知順が後である遊技球に基づく報知演出の出力タイミングを遅延させるようになっている。以下、詳しく説明する。
【0277】
前述したように、1回のラウンド遊技では、大入賞口センサ32aで検知された遊技球の個数が上限個数に到達するか、あるいは所定の上限開放時間が経過すると、開閉部材31の閉動作により大入賞口32が閉鎖されるようになっている。しかしながら、開閉部材31の閉鎖タイミングによっては、上限個数以上の遊技球が大入賞口32に入賞し得ることがある。すなわち、上限個数に達する等のラウンド遊技の終了条件の成立を契機として開閉部材31が閉動作をしている最中に遊技球が連続的に大入賞口32に入賞すると、1回のラウンド遊技における入賞個数が上限個数を超える場合がある。この事例をオーバー入賞と呼ぶ。オーバー入賞は、1回のラウンド遊技でより多くの賞球を獲得できるため、遊技者にとって好ましい状況である。
【0278】
そして、パチンコ遊技機1では、オーバー入賞が発生すると、オーバー入賞の発生を祝福するかのような態様の音声を入賞音としてスピーカ8から出力する態様で報知演出が実行されるようになっている。オーバー入賞に対応する報知演出は、遊技球毎に異なる態様で実行される。本実施形態では、ラウンド遊技の終了条件(大入賞装置30の閉鎖条件)
となる大入賞口32への入賞上限個数をN球(この例では10球)としている。
【0279】
以下、オーバー入賞の対象となる遊技球毎に異なる態様で報知演出を実行させるための制御について詳しく説明する。
サブ制御基板100のROM110には、オーバー入賞に基づく報知演出としての入賞音を決定するための入賞音決定テーブルT4(T4-1,T4-2)が記憶されている。大入賞口センサ32aから検知信号を入力したことが主制御基板60から指示されると、演出制御用マイコン101は、テーブルT4からいずれかの入賞音を決定し、決定した入賞音を指示するコマンドを音声制御基板78に送信する。音声制御用マイコン78aは、演出制御用マイコン101からの指示に基づいて音声データ記憶部78bから音声データを読み出し、読み出した音声データに基づいてスピーカ8から入賞音を出力させる音声制御を実行する。音声データ記憶部78bには、オーバー入賞の発生により実行される報知演出としての入賞音を特定するための音声データ(音データ)が記憶されている。このため、音声データ記憶部78bは、本発明における「記憶手段」の一例である。また、入賞音決定テーブルT4が記憶されるROM110も、本発明における「記憶手段」の一例である。
【0280】
図27に示すように、入賞音決定テーブルT4-1には、選択肢として「やったー」の入賞音と、「すごい」の入賞音と、「たっくさん」の入賞音とが対応付けられている。入賞音決定テーブルT4-2には、選択肢として「やっる~」の入賞音と、「いいね」の入賞音と、「ナイス」の入賞音とが対応付けられている。
【0281】
演出制御用マイコン101は、連続するラウンド遊技で参照するテーブルを分けている。さらに、同一のラウンド遊技で連続してオーバー入賞球を検知した場合、演出制御用マイコン101は、検知順が後である遊技球に対応する入賞音として、直前に検知した遊技球の入賞音とは異なる入賞音を選択する。
【0282】
具体的に説明すると、演出制御用マイコン101は、入賞音決定テーブルT4-1を参照し、1回目のラウンド遊技におけるN+1球目のオーバー入賞球に対応する入賞音を選択する。このとき、演出制御用マイコン101は、「やったー」の入賞音を選択したとする。その後、演出制御用マイコン101は、N+2球目のオーバー入賞球に対応する入賞音として、「やったー」を除くその他の入賞音(例えば「たっくさん」)を選択する。そして、演出制御用マイコン101は、入賞音と検知順を特定するコマンドを音声制御基板78に送信する。なお、
図27では、選択済みの入賞音の欄を塗りつぶすことで選択対象外となっていることを示している。
【0283】
また、演出制御用マイコン101は、入賞音決定テーブルT4-2を参照し、2回目のラウンド遊技におけるN+1球目の入賞音を選択する。このとき、演出制御用マイコン101は、「ナイス」の入賞音を選択したとする。その後、演出制御用マイコン101は、N+2球目の入賞音として、「ナイス」を除くその他の入賞音(例えば「やっる~」)を選択する。そして、演出制御用マイコン101は、入賞音と検知順を特定するコマンドを音声制御基板78に送信する。
【0284】
その後、演出制御用マイコン101は、入賞音決定テーブルT4-1を参照し、3回目のラウンド遊技におけるN+1球目のオーバー入賞球に対応する入賞音を選択する。直近で入賞音決定テーブルT4-1を使用した1回目のラウンド遊技において、N+2球目の入賞音として「たっくさん」を選択していたとすると、演出制御用マイコン101は、「たっくさん」を除くその他の入賞音を選択する。このときの選択肢には「やったー」の入賞音を含む。その後、演出制御用マイコン101は、N+2球目の入賞音として、N+1球目の入賞音を除くその他の入賞音を選択する。そして、演出制御用マイコン101は、
入賞音と検知順を特定するコマンドを音声制御基板78に送信する。
【0285】
同様に、演出制御用マイコン101は、入賞音決定テーブルT4-2を参照し、4回目のラウンド遊技におけるN+1球目の入賞音を選択する。直近で入賞音決定テーブルT4-2を使用した2回目のラウンド遊技で、N+2球目の入賞音として「やっる~」を選択していたとすると、演出制御用マイコン101は、「やっる~」を除くその他の音声データを選択する。このときの選択肢には「ナイス」の入賞音を含む。その後、演出制御用マイコン101は、N+2球目の入賞音として、N+1球目の入賞音を除くその他の入賞音を選択する。そして、演出制御用マイコン101は、入賞音と検知順を特定するコマンドを音声制御基板78に送信する。
【0286】
このように、本実施形態では、同一のラウンド遊技で複数個のオーバー入賞球が検知された場合、検知順が後であるオーバー入賞球に対応する入賞音を選択する際には、検知順が先であるオーバー入賞球の入賞音と同じものを選択することがないように禁則をかけ、その他の選択肢から入賞音を選択させるようになっている。これにより、同一のラウンド遊技で連続してオーバー入賞が発生したとしても、同じ内容の報知演出が連続することがない。ちなみに、同一回数目のラウンド遊技でN+3球目以降のオーバー入賞球が発生した場合、N+2球目のオーバー入賞球の検知時と同じように、直近で選択した入賞音を除くその他の入賞音が決定される。
【0287】
このように、本実施形態では、同一のラウンド遊技で同じ内容の報知演出が連続することがないよう、直近で選択された入賞音とは異なる入賞音を選択させるようにしている。しかしながら、オーバー入賞は、開閉部材31が閉動作をしている最中に遊技球が大入賞口32に入賞することで発生するものであり、何球入賞し得るか又はどの程度間隔を空けて入賞し得るかが定まっているものではない。仮にオーバー入賞球が複数発生したとしても、各遊技球の検知間隔が極めて短い。これにより、例えば、遊技球の検知と略同じタイミングで報知演出を実行させるとすると、N+1球目のオーバー入賞球に基づく入賞音と、N+2球目のオーバー入賞球に基づく入賞音とが重複した状態で再生される可能性があり、各遊技球に基づく入賞音をそれぞれ個別に認識させることができないおそれがある。「音」は、スピーカ8から出力されるだけであるため、表示装置で表示される表示画像のように表示位置をずらす等といった回避方法をとることができず、再生期間が重複する場合に音の重複を避けることが困難である。そこで、本実施形態では、オーバー入賞球のうち検知順が後である遊技球に基づく報知演出の出力タイミングを遅延させるようになっている。
【0288】
具体的に説明すると、音声制御基板78の音声データ記憶部78bには、同一の入賞音を特定する音声データとして2種類の音声データが設定されている。
図28に示すように、2種類の音声データは、検知された遊技球がN+1球目のオーバー入賞球に対応する場合に選択される第1音声データ(本発明の「第1音データに相当」)と、検知された遊技球がN+2球目のオーバー入賞球に対応する場合に選択される第2音声データ(本発明の「第2音データに相当」)である。第1音声データは有音のみで構成される一方、第2音声データは、無音である先頭部分と有音である後尾部分とを有する。本実施形態において無音部分は「200ms」の長さに設定されている。この時間は、適宜、任意の数値を設定可能である。
【0289】
そして、音声制御用マイコン78aは、サブ制御基板100から受信したコマンドを解析し、入賞音の種類と検知順を特定する。N+1球目のオーバー入賞球であることを特定した場合、音声制御用マイコン78aは、指示された入賞音を特定する音声データとして、第1音声データ(有音のみ)を選択する。そして、音声制御用マイコン78aは、当該第1音声データに基づき、次の割込周期(例えば4ms)でスピーカ8から入賞音を出力
させる音声制御を実行する。第1音声データは有音のみで構成されるとともに、オーバー入賞球を検知した制御周期の次の割込周期で音声データが出力されるため、1個目のオーバー入賞球の検知タイミングと1球目のオーバー入賞球に対応する入賞音の再生タイミングに大きなズレがない。
【0290】
一方、N+2球目のオーバー入賞球であることを特定した場合、音声制御用マイコン78aは、指示された入賞音を特定するデータとして、第2音声データ(無音+有音)を選択する。そして、音声制御用マイコン78aは、当該第2音声データに基づき、オーバー入賞球を検知した制御周期の次の割込周期(例えば4ms)でスピーカ8から入賞音を出力させる音声制御を実行する。第2音声データは無音と有音で構成されるため、オーバー入賞球を検知した制御周期の次の割込周期で音声データが出力されたとしても、実際に入賞音が音として再生されるまでに200msを要するため、2個目のオーバー入賞球の検知タイミングと2球目のオーバー入賞球に対応する入賞音が音として再生されるまでのタイミングにズレが生じる。このズレが、本発明における「報知演出の出力タイミングの遅延」に相当する。本実施形態では、演出制御用マイコン101が、本発明における「報知演出実行手段」の一例となる。同様に、音声制御用マイコン78aが、本発明における「報知演出実行手段」の一例となる。なお、仮にN+3球目以降のオーバー入賞球が発生した場合、N+2球目のオーバー入賞球と同じく、先頭に無音部分を有する第2音声データが選択され、該第2音声データに基づいて入賞音が再生される。
【0291】
(報知演出の実行タイミング)
以下、
図29に従って、前述した制御により実行される報知演出について、その作用とともに説明する。
【0292】
1回目のラウンド遊技において、大入賞口センサ32aでの検知個数が上限個数に到達したことにより閉鎖条件が成立し(時点a1)、開閉部材31の閉鎖動作が行われる。開閉部材31が完全に閉鎖するまでの間、例えば時点a2のタイミングで遊技球が検知されると、当該遊技球がN+1球目のオーバー入賞球となる。このとき「すごい」の入賞音が決定されたとすると、その入賞音を特定する音声データとして第1音声データ(有音のみ)が選択される。これにより、「すごい」の入賞音を出力させる報知演出が実行される(時点a2)。
【0293】
その後、開閉部材31が完全に閉鎖するまでの間、例えば時点a3のタイミングでさらに遊技球が検知されると、当該遊技球が2球目のオーバー入賞球となる。このときN+1球目の入賞音とは異なる「やったー」の入賞音が決定されたとすると、その入賞音を特定する音声データとして第2音声データ(無音+有音)が選択される。これにより、「やったー」の入賞音を特定する第2音声データがスピーカ8(アンプ78e)に送信される(時点a3)。前述したように、第2音声データは、無音部分が「200ms」の長さに設定されている。このため、第1音声データと同じように検知後すぐにアンプ78eに対して第2音声データが送信されたとしても、実際に入賞音が音として再生されるのは、無音期間が経過した後、すなわち第2音声データの送信指示がなされてから200ms経過した後となる(時点a4)。
【0294】
これにより、
図29に示す例では、N+1球目の入賞音とN+2球目の入賞音の再生期間が重複しない。また、大入賞装置30では、オーバー入賞球に基づく入賞音の出力中であるか否かを問わず、開閉部材31の閉鎖動作が完了すると、大入賞口32が閉鎖してラウンド遊技が終了する(時点a5)。
【0295】
<その他の報知演出の出力タイミングの遅延方法について>
検知順が後である遊技球に基づく報知演出の出力タイミング遅延させるため、以下の方
法を採用してもよい。すなわち、検知順が後である遊技球に基づく音声データとして、無音部分と有音部分を有する第2音声データを設定することなく、有音のみで構成される音声データを設定する。そして、音声制御用マイコン78aは、N+1球目のオーバー入賞球が検知されてからN+2球目のオーバー入賞球が検知されるまでに要した時間を含めて一定期間(この例では200ms)が経過した後に、N+2球目のオーバー入賞球に対応する音声データを送信することで、2球目のオーバー入賞球に基づく入賞音の出力タイミングを遅延させるようにしてもよい。この時間は、適宜、任意の数値を設定可能である。
【0296】
具体的に説明すると、演出制御用マイコン101は、N+1球目のオーバー入賞球が検知されたタイミングでタイマの計測を開始する。その後、N+2球目のオーバー入賞球が検知されると、演出制御用マイコン101は、N+2球目の検知タイミングを含め、N+1球目のオーバー入賞球の検知から200msの経過後にスピーカ8から入賞音を出力させるように音声制御基板78に指示を送信する。例えば、N+1球目のオーバー入賞球が検知されてから110ms経過後にN+2球目のオーバー入賞球が検知されたとする。この場合、演出制御用マイコン101は、N+2球目のオーバー入賞球が検知されてから90ms(200-110)経過後に、N+2球目のオーバー入賞球に対応する入賞音をスピーカ8から出力させることを音声制御基板78に指示する。音声制御基板78の音声制御用マイコン78aは、指示された入賞音を特定する音声データを選択し、当該音声データに基づき、サブ制御基板100からの指示を受けた制御周期の次の割込周期(例えば4ms)でスピーカ8から入賞音を出力させる音声制御を実行する。この入賞音出力は、N+2球目のオーバー入賞球が検知されたタイミングから90ms経過後ということになる。なお、N+1球目のオーバー入賞球が検知されてからN+2球目のオーバー入賞球が検知されるまでのタイミングが「200ms」以上空いた場合、N+2球目のオーバー入賞球に対応する入賞音を出力するための待機時間を設けることなく、検知されたタイミングで入賞音をスピーカ8から出力させるようにしてもよい。つまり、先の例では、音声データの送信タイミングを変えることなく実際に入賞音が音として再生されるタイミングをずらすことで入賞音の出力タイミングをずらしたが、この例では、N+2球目のオーバー入賞球を検知したタイミングから音声データの送信タイミングをずらすことで、送信タイミングの遅延に連動して実際に入賞音が音として再生されるタイミングが遅延することになる。このズレが、本発明における「報知演出の出力タイミングの遅延」に相当する。
【0297】
(報知演出の実行タイミング)
以下、
図30に従って、前述した制御により実行される報知演出について、その作用とともに説明する。
【0298】
1回目のラウンド遊技において、大入賞口センサ32aでの検知個数が上限個数に到達したことにより閉鎖条件が成立し(時点b1)、開閉部材31の閉鎖動作が行われる。開閉部材31が完全に閉鎖するまでの間、例えば時点b2のタイミングで遊技球が検知されると、当該遊技球がN+1球目のオーバー入賞球となる。このとき「すごい」の入賞音が決定されたとすると、その入賞音を特定する音声データとして第1音声データ(有音のみ)が選択される。これにより、「すごい」の入賞音を出力させる報知演出が実行される(時点b2)。
【0299】
その後、開閉部材31が完全に閉鎖するまでの間、例えば時点b3のタイミングでさらに遊技球が検知されると、当該遊技球が2球目のオーバー入賞球となる。このときN+1球目の入賞音とは異なる「たっくさん」の入賞音が決定されたとすると、その入賞音を特定する音声データとして第2音声データ(有音のみ)が選択される。なお、1球目のオーバー入賞球が検知されてから2球目のオーバー入賞球が検知されるまでに要した時間が「48ms」であるとすると、N+2球目の遊技球が検知されてから152ms(200-48)経過後に、「たっくさん」の入賞音を出力させる報知演出が実行される。つまり、
N+2球目の遊技球が検知されたタイミングから152ms遅れて入賞音がスピーカ8から報知される(時点b4)。
【0300】
これにより、
図30に示す例では、N+1球目のオーバー入賞球に対応する入賞音の出力中にN+2球目のオーバー入賞球が大入賞口32に入賞しているが、N+2球目の遊技球が検知されてから152ms遅れて入賞音が出力されることで、N+1球目の入賞音とN+2球目の入賞音の再生期間が重複しない。また、大入賞装置30では、オーバー入賞球に基づく入賞音の出力中であるか否かを問わず、開閉部材31の閉鎖動作が完了すると、大入賞口32が閉鎖してラウンド遊技が終了する(時点b5)。
【0301】
[第5実施形態の効果]
(1)第5実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、上限個数を超えて検知された遊技球のうち検知順が後である遊技球に基づく報知演出の出力タイミングを遅延させることで、上限数を超えて検知された遊技球が複数存在し、かつ各遊技球に基づいてそれぞれ報知演出が実行されるとしても、各報知演出の実行期間の重複期間が極力短くなる又は重複しなくなる。このため、各報知演出をそれぞれ区別して体感させることができるようになり、結果的に大当たり遊技中の遊技に対する興趣向上に繋がる。
【0302】
(2)また、報知演出は、スピーカ8(音出力手段)による音出力演出であって、報知演出の演出内容を特定する音データは、上限個数を超えて検知された遊技球のうち検知順が先である遊技球に対応する第1音声データ(第1音データ)と、検知順が後である遊技球に対応する第2音声データ(第2音データ)とを含む。第2音声データは、無音である先頭部分と有音である後尾部分とを有する。そして、上限個数を超えて検知された遊技球のうち検知順が後である遊技球に基づく報知演出として、無音である先頭部分を含む第2音声データを選択することで出力タイミングを遅延させるようにした。第2音声データは無音である先頭部分と有音である後尾部分とを有するため、仮に、N+1球目に基づく第1音声データと、N+2球目に基づく第2音声データが、それぞれ遊技球の検知と同じタイミングで送信された場合であっても、N+2球目の遊技球に基づく報知演出では、実際に「音」として再生されるのは無音期間が経過した後となる。つまり、無音期間が経過した後に実際に「音」として体現されるため、無音期間が経過するまで音の出力が遅延することになり、各報知演出の重複再生期間が極力短くなる又は重複しなくなる。これにより、各報知演出をそれぞれ区別して体感させることができるようになり、結果的に大当たり遊技中の遊技に対する興趣向上に繋がる。
【0303】
(3)また、報知演出は、スピーカ8による音出力演出である。そして、上限個数を超えて遊技球が検知された場合、先に遊技球が検知されてから次に遊技球が検知されるまでに要した経過時間を確認し、先に遊技球が検知されてから次に検知された遊技球に基づく報知演出が実行されるまでの間隔を、前述の経過時間を含めて一定期間空けることで、次に検知された遊技球に基づく報知演出の出力タイミングを遅延させるようにした。このように、先の遊技球が検知されてから次の遊技球が検知されるまでに要した時間を含めて一定期間空けることで、各遊技球の入球間隔に左右されることなく、確実に一定期間を空けて次の遊技球に基づく報知演出を実行させることができる。これにより、各報知演出の重複再生期間が極力短くなる又は重複しなくなるため、各報知演出をそれぞれ区別して体感させることができるようになり、結果的に大当たり遊技中の遊技に対する興趣向上に繋がる。
【0304】
(4)また、上限個数を超えて検知された遊技球のうち検知順が後である遊技球に対応する音データを選択する際、上限個数を超えて検知された遊技球のうち検知順が先である遊技球に基づいて選択した音データとは異なる音データを選択するようにした。このように、同じ内容の報知演出が連続することがないよう、データ選択に工夫を凝らしているか
らこそ、各報知演出をそれぞれ区別して体感させることができるよう、検知順が後である遊技球に基づく報知演出の出力タイミングを遅延させることで、異なる内容の報知演出をそれぞれ区別して体感させることができる。
【0305】
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
【0306】
(最大音量レベル「10」、最大音量レベル「1」に対応する音量設定、ピッチ幅の設定)
・遊技者が設定した音量設定事項(最大音量レベル「10」に対応する音量、ピッチ幅)は、パチンコ遊技機1を直接操作しなくても、例えば、遊技者が所有する外部通信機器にて予め設定を行い、ネットワーク通信等を介してその設定事項がパチンコ遊技機1に反映されるようにしてもよい。
【0307】
・第1,第2実施形態において、パチンコ遊技機1にRTC(リアルタイムクロック)を搭載してもよい。そして、音量に係る各種設定事項が、営業時間の終了に伴って強制的にデフォルト値にリセットされるようにしてもよい。
【0308】
・第1実施形態では、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量値「90dB」を、最大音量レベル「10」に対応する音量として設定可能としたが、最大音量レベル「10」に対応する音量は、音量調整つまみ37の操作によって設定された音量範囲の中からしか設定できないようにしてもよい。例えば、音量調整つまみ37によって音量段階が「大・中・小」の3段階に切り替えられるものとする。音量段階「大」は最大音量として90dB~70dBまでの音量を特定するものとし、音量段階「中」は最大音量として69dB~40dBまでの音量を特定するものとし、音量段階「小」は最大音量として39dB~10dBまでの音量を特定するものとする。このとき、例えば音量調整つまみ37の操作によって音量段階「中」に切り替えるとすると、遊技者は、最大音量レベル「10」に対応する音量として、90~70dBの範囲内の音量を選択することはできず、69dB~40dBの範囲内の音量しか選択できないことになる。つまり、ホール側の音量調整つまみ37操作によって最大音量値が変わると、最大音量レベル「10」に対応する音量の設定やピッチ幅の設定にも影響が及ぶことになる。
【0309】
・最大音量レベル「10」に対応する音量、最小音量レベル「1」に対応する音量、及びピッチ幅に関し、小数点以下の数値も設定できるようにしてもよい。
・第1,第2実施形態では、操作ボタン36の操作によって音量設定マスG3a,G3b,G5a,G5bやピッチ幅設定マスG4a,G4bの数値を個別に変更していた。最大音量レベル「10」に対応する音量、最小音量レベル「1」に対応する音量、又はピッチ幅として、遊技者が任意の数値を設定することができれば、その設定方法は実施形態の方法に限られない。例えば、テンキーを操作し、任意の数値を直接入力できるようにしてもよい。また、1dBずつしか数値を増減できないようにしてもよいし、小数点以下の値まで設定できるようにしてもよい。ただし、最大音量レベル「10」に対応する音量としては、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量を超える数値は入力できないよう規制することが好ましい。同様に、最小音量レベル「1」に対応する音量としては、パチンコ遊技機1で設定可能な最小音量を下回る数値は入力できないよう規制することが好ましい。また、最大音量レベルに対応付ける最大音量の候補、及び最小音量レベルに対応付ける最小音量の候補が、それぞれ複数設定されていてもよい。そして、その候補の中から遊技者が好きな音量値をそれぞれ選択することで、最大音量レベルに対応する最大音量、最小音量レベルに対応する最小音量が設定されるようにしてもよい。そして、第2実施形態においては、その遊技者が選択した最大音量と最小音量に従って、ピッチ幅が算出されてもよい
。
【0310】
・最大音量レベルに対応する音量又は最小音量レベルに対応する音量と、ピッチ幅とにより算出した各音量レベルに対応する音量値のほか、当該機種に最適な音量が、音量レベル変更時の選択肢として追加されるようにしてもよい。例えば、レベルメータが3段階に分割されているとする。この状態において、最大音量レベルに対応する音量として「90dB」、ピッチ幅として「5dB」を設定したとする。この場合、「90dB」「85dB」「80dB」の3段階で音量調整が可能となる。ただし、当該機種に最適な音量が「83dB」であるとすると、遊技者の設定に基づく3段階の音量調整に加え、この音量(83dB)も遊技者が選択できるように選択肢として追加してもよい。つまり、「90dB」「85dB」「83dB」「80dB」の4段階で音量調整ができるようにしてもよい。
【0311】
・第1,第2実施形態では、音量レベルの段階数を固定していたが(この例では1~10の10段階)、音量レベルの段階数も、遊技者の任意の数値に変更できるようにしてもよい。
【0312】
・第1実施形態では、最小音量レベル「1」に対応する音量を遊技者に選択させ、その値を基準として各段階に対応する音量が特定されてもよい。この場合も、「ピッチ幅×9(音量レベル「1」を除いた残りの段階数に相当)」の値が、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量値を超える場合、ピッチ幅の再選択を促す演出を行ったり、必ず全音量レベルに音量を対応付けることができるよう、音声制御用マイコン78a側でピッチ幅が決定されるようにしてもよい。つまり、この例では、最小音量レベルに対応する音量とピッチ幅との組み合わせによって、最大音量レベルに対応する音量が必然的に決まることになる。
【0313】
・第1実施形態では、ピッチ幅のみ遊技者が設定できるようにしてもよい。例えば、ピッチ幅を「4dB」に設定した場合、音量レベルが1段階増減する度に音量が4dBずつ増減できるような10段階分の音量範囲が、サブ制御基板100側で自動的に決定されるようにしてもよい。例えば、音量レベル「1」~「10」に対応する音量範囲として、「4dB~40dB」が、サブ制御基板100によって自動的に決定されるようにしてもよい。また、最大音量レベル「10」に対応する音量として決定された音量の平均値をパチンコ遊技機1側で算出するようにし、その平均値がデフォルト値として設定されてもよい。また、ピッチ幅との組み合わせによって各音量レベルに対応する音量を決定する際に必要な最大音量レベル「10」に対応する音量、又は最小音量レベル「1」に対応する音量は、パチンコ遊技機1側で固定されるものであってもよい。このとき、最大音量レベルと最小音量レベルのうちいずれか一方は遊技者が任意の数値を設定できるようにし、他方の値はパチンコ遊技機1で固定されるものであってもよい。また、最大音量レベルに対応する音量と最小音量レベルに対応する音量の両方が、パチンコ遊技機1で固定されるものであってもよい。また、最大音量レベルに対応する音量と最小音量レベルに対応する音量は、ホール側のつまみ調節などによって設定されてもよい。
【0314】
・第1実施形態では、最大音量レベルに対応する音量、最小音量レベルに対応する音量、及びピッチ幅の3つを、遊技者が任意の数値に設定できるようにしてもよい。
・第1実施形態では、演出制御用マイコン101から送信された音量変更指示コマンド及びピッチ幅変更指示コマンドに基づいて、音声制御基板78が各音量レベルに対応する音量を特定するようにしたが、音量特定はサブ制御基板100側で実行されてもよい。つまり、音声制御基板78は、各音量レベルに対応する音量を特定するための制御を行わず、サブ制御基板100からの指示に従って音声を出力させるだけであってもよい。
【0315】
・第1,第2実施形態におけるピッチ幅は、各音量レベル間で均一な数値でなくてもよい。例えば、音量レベル「1」~「4」では1段階増減する度に10dBずつ増減するが、音量レベル「5」~「10」では1段階増減する度に4dBずつしか増減しないようにしてもよい。
【0316】
・第1実施形態では、少なくとも遊技者が設定したピッチ幅で音量を増減させることができればよく、遊技者が設定したピッチ幅よりもより細かく音量調整ができてもよい。例えば、
図31に示すように、遊技者はピッチ幅「2dB」を設定したが、音量レベルを1段階増減させるまでの間で、「2dB」よりも小さいピッチ幅(例えば1dBや0.5dB)で音量を調整できる仕様としても構わない。
【0317】
・第2実施形態では、ピッチ幅を算出するための基準値となる2つの数値(最大音量レベルに対応する音量と最小音量レベルに対応する音量)が示されていればよいため、どちらの値も遊技者の任意の数値に設定する必要はない。つまり、最大音量レベルと最小音量レベルのうちいずれか一方は遊技者が任意の数値を設定できるようにし、他方の値はパチンコ遊技機1で固定されるものであってもよい。
【0318】
・また、最大音量レベルに対応する音量としては、パチンコ遊技機1で設定可能な最大音量値が固定され、最小音量レベルに対応する音量を遊技者に選択させる態様としてもよい。同様に、最小音量レベルに対応する音量としては、パチンコ遊技機1で設定可能な最小音量値が固定され、最大音量レベルに対応する音量を遊技者に選択させる態様としてもよい。
【0319】
・第2実施形態において、最大音量レベル及び最小音量レベルに対応する音量の決定によるピッチ幅は、各段階で均等なピッチ幅でなくてもよい。
・第2実施形態では、演出制御用マイコン101から送信された音量変更指示コマンドに基づいて、音声制御基板78がピッチ幅を算出し、該ピッチ幅に従って各音量レベルに対応する音量を特定していた。これに代えて、ピッチ幅の特定並びに各音量レベルに対応する音量特定はサブ制御基板100側で実行されてもよい。つまり、音声制御基板78は、ピッチ幅や各音量レベルに対応する音量を特定するための制御を行わず、サブ制御基板100からの指示に従って音声を出力させるだけであってもよい。
【0320】
・第2実施形態では、操作ボタン36の操作によって、最大音量レベルに対応する音量及び最小音量レベルに対応する音量を決定するに留めてもよい。また、操作ボタン36の操作によって、最大音量レベルに対応する音量又は最小音量レベルに対応する音量を決定するに留めてもよい。つまり、ピッチ幅は遊技者によって決定されなくてもよい。
【0321】
(音量レベルの変更に合わせた予告演出の発生頻度の調整)
・第3実施形態において、大当たりの場合には、現在の音量レベルが低かったり又は最大音量レベル「10」に対応する音量値として低い音量値が決定されていたとしても、本来の役割を果たすために、現在の音量レベルや最大音量レベル「10」に対応する音量値に関わらず、本来の演出強度で第1~第3演出(保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)を実行させるようにしてもよい。例えば、現在の音量レベルが「1」であっても、大音量で音を出力させるといったように演出強度の強い内容で第1~第3演出を実行させるようにしてもよい。
【0322】
・第3実施形態では、現在の音量レベルの変更に合わせて、大当たりとなる場合であっても第2,第3演出(保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)の発生頻度を変更するようにしてもよい。すなわち、現在の音量レベルを低下させると、大当たり時に実行され得る予告演出も、小さい音量で実行されることになるからである。なお、大当たり時
における第2,第3演出の発生頻度を低下させたとしても、パチンコ遊技機1には、様々な予告演出が搭載されているため、第2,第3演出の発生頻度が低下したとしても、遊技者に違和感を与えることはない。
【0323】
・最大音量レベル「10」に対応する音量値と、現在の音量レベルとの両方に従って、第2,第3演出(保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)の発生頻度を決定するようにしてもよい。例えば、最大音量レベル「10」に対応する音量値が小さくなるほど第2,第3演出の発生頻度が低下するが、操作ボタン36の操作によって現在の音量レベルが低下させられるほど、さらに第2,第3演出の発生頻度が低下するようにしてもよい。
【0324】
・第3実施形態では、音量調整つまみ37によって音量段階が「大・中・小」の3段階に切り替え可能とし、音量調整つまみ37の操作によって切り替えられた音量段階に従って、第2,第3演出(保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)の発生頻度を変更させてもよい。
【0325】
・第3実施形態では、最大強度ではなく平均強度に対応する音量値を設定できるようにしてもよい。そして、平均強度として設定した音量値に合わせて、第2,第3演出(保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)の発生頻度を変更するようにしてもよい。また、最小音量レベル「1」に対応する音量値に応じて、第2,第3演出の発生頻度を変更するようにしてもよい。つまり、最小音量レベル「1」に対応する音量値として相対的に大きい音量値が決定された場合には、相対的に小さい音量値が決定された場合に比して第2,第3演出の発生頻度を上昇させてもよい。
【0326】
・第3実施形態では、現在の音量レベルの変更に合わせて第2,第3演出(保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)の発生頻度を変更していたが、第2,第3演出のみに限られず、ハズレ時に実行され得る第2演出、第3演出、第4演出、及び第5演出(保留変化演出の場合はハズレ時に実行される全ての保留変化演出)の発生頻度を変更するようにしてもよい。つまり、高信頼度演出に限らず、大当たりとなることを遊技者に期待させる演出を行った上で最終的に大当たりとならないことを報知する全ての特定示唆演出の発生頻度を変更するようにしてもよい。
【0327】
・リーチ無しハズレ時における発生頻度の変更対象となる予告演出の種類は、第2,第3演出に限られない。例えば、第2演出のみ発生頻度が変更し得るように実行可否抽選を実行するが、第2演出より演出強度の低い第3演出については実行可否抽選を行わなくてもよい。
【0328】
・盤ランプ2a等のランプ類の光量の変更に合わせて、第2,第3演出(保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)の発生頻度を変更するようにしてもよい。同様に、可動体15の回転量や振動強度の変更に合わせて、第2,第3演出の発生頻度を変更するようにしてもよい。
【0329】
・第3実施形態において、操作ボタン36の操作による演出強度の変更対象とされる演出は、音出力演出に限られず、演出表示装置7のバックライトの明るさ、盤ランプ2aの光量、可動体15の回転量や振動強度等をとしてもよい。
【0330】
・第3実施形態では、予告演出の実行を決定した後、再度、実行可否抽選を行って予告演出の発生頻度を変更していたが、予告演出の発生頻度を変更することができれば、その他の方法を採用してもよい。例えば、音量グループ毎に選択割合を異ならせた予告演出選択テーブルを複数用意する。そして、大音量グループに対応するテーブルでは、リーチ有
りハズレ時における高信頼度演出(この例では第2,第3演出/保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)の出現割合を減少させないように予告演出乱数値を振り分けてもよい。その一方、小音量グループに対応するテーブルでは、リーチ有りハズレ時における高信頼度演出の出現割合が減少するように予告演出乱数値を振り分けてもよい。
【0331】
・演出強度と大当たり期待度は比例するものでなくてもよい。すなわち、演出強度が高いからといってその演出の大当たり期待度は高くなくてもよい。
・現在の音量レベルが大音量グループに分類される音量レベルであったとしても、第2,第3演出(保留変化演出の場合は演出強度の高い表示態様)の実行否を決定し得るようにしてもよい。ただし、現在の音量レベルが中音量グループ又は小音量グループに分類される音量レベルであったときの実行否の決定確率よりも低く設定することが望ましい。
【0332】
(音量レベルの変更に合わせた電流量の調整)
・第4実施形態において、アンプ78eに供給する電流量の配分は、変更後の音量レベルに基づき、サブ制御基板100が調整してもよい。
【0333】
・音量調整つまみ37によって音量段階が「大・中・小」の3段階に切り替え可能としてもよい。そして、操作ボタン36の操作によって変更された音量レベルではなく、音量調整つまみ37の操作によって切り替えられた音量段階に従って、アンプ78eに供給する電流量が調整されてもよい。
【0334】
・操作ボタン36の操作によって演出表示装置7のバックライトの明るさ、盤ランプ2aの光量、可動体15の回転量や振動強度を変更した場合、対応する演出実行手段への電流供給量を変更してもよい。
【0335】
(オーバー入賞に基づく報知演出)
・第5実施形態における「入賞音」は、音楽や効果音としてもよい。
・N+1球目のオーバー入賞球に対応する入賞音と、N+2球目のオーバー入賞球に対応する入賞音は、同一の内容であってもよい。
【0336】
・N+2球目のオーバー入賞球が検知されてから200msの経過後にN+2球目のオーバー入賞球に対応する音声データを送信させるようにしてもよい。
・第5実施形態において、同一回数目のラウンド遊技におけるN+1球目のオーバー入賞球を検知した場合とN+2球目のオーバー入賞球を検知した場合のそれぞれで異なる入賞音決定テーブルを参照するようにしてもよい。また、ラウンド遊技毎にそれぞれ異なる入賞音が対応付けられた入賞音決定テーブルを設定してもよい。また、1回目(奇数回目)のラウンド遊技で参照される入賞音決定テーブルは、各ラウンド遊技におけるN+1球目のオーバー入賞球に対応する入賞音を決定する際に参照されるテーブルと兼用してもよい。同様に、2回目(偶数回目)のラウンド遊技で参照される入賞音決定テーブルは、各ラウンド遊技におけるN+2球目のオーバー入賞球に対応する入賞音を決定する際に参照されるテーブルと兼用してもよい。つまり、同一のラウンド遊技で複数球のオーバー入賞球が検知された場合、同一内容の入賞音が連続しなければどのような方法で入賞音が決定されてもよい。
【0337】
・第5実施形態では、3回目のラウンド遊技におけるN+1球目の入賞音を選択するに際し、直近で入賞音決定テーブルT4-1を使用した1回目のラウンド遊技のN+2球目の入賞音を除くその他の入賞音から何れかの入賞音を決定するようにしていた。異なるラウンド遊技で同一の入賞音が出力されたとしても、別のラウンド遊技を挟んでいるため同一の入賞音が連続して出力されるわけではない。よって、第5実施形態では、3回目のラウンド遊技におけるN+1球目の入賞音を選択するに際し、直近で入賞音決定テーブルT
4-1を使用した1回目のラウンド遊技のN+2球目の入賞音を選択肢から除外しなくてもよい。
【0338】
・第5実施形態において、各オーバー入賞球に対応する入賞音は音声制御基板78側で決定してもよい。
・N+1球目のオーバー入賞球に対応する入賞音の再生が終了するタイミングを確認し、再生終了のタイミングでN+2球目のオーバー入賞球に対応する入賞音を出力させるようにしてもよい。
【0339】
・入賞音の出力と同タイミングで、例えば入賞音を文字化したテロップを演出表示装置7に表示させるようにしてもよい。
・オーバー入賞球に対応する報知演出は、音出力演出に限られず、例えば演出表示装置7の表示画面のほぼ全体を覆うような表示画像としてもよい。また、表示演出は、入賞音による報知演出と合わせて行われるものであってもよいし、音出力演出とは独立して実行されるものであってもよい。演出表示装置7の表示画面のほぼ全体を覆う表示画像とすると、表示タイミングが重複した場合、検知順が先であるオーバー入賞球に対応する表示画像と、検知順が後であるオーバー入賞球に対応する表示画像とが重畳してしまい、他方の画像の全体像を遊技者に視認させることができなくなる場合がある。このように報知演出を表示画像とする場合も、検知順が後であるオーバー入賞球に対応する表示画像の表示タイミングをずらすことで、それぞれのオーバー入賞球に対応する表示画像を重畳させることなく、または重畳表示期間を短くすることができる。
【0340】
・N+1球目のオーバー入賞球が検知されてからN+2球目のオーバー入賞球が検知されるまでに要した時間を含めて一定期間(この例では200ms)が経過した後、先頭部分が無音である第2音声データを送信するようにしてもよい。
【0341】
(その他)
・開閉部材31の構造(大入賞口32の開閉構造)は適宜変更可能である。例えば、大入賞口32が上方に向かって開放された開口であり、開閉部材31がスライドして当該開口を開閉する構造(いわゆるスライド式のアタッカ)としてもよい。
【0342】
・音声制御基板78を省略し、その機能をサブ制御基板100が引き継ぐようにしてもよい。同様に、音声制御基板78とサブ制御基板100を省略し、その機能を主制御基板60が引き継ぐようにしてもよい。
【0343】
・サブ制御基板100を介すことなく、操作ボタン36の操作によって設定した音量やピッチ幅が、音声制御基板78に対して直接送信されてもよい。
・遊技者が操作可能な部材であれば、操作手段は操作ボタン36に限られない。例えば、演出レバー6としてもよいし、ジョグダイヤル等の操作手段としてもよい。
【0344】
・「特別状態」は、大当たり判定で大当たりと判定されることに限られず、確率変動機能が作動すること、変動時間短縮機能が作動すること等としてもよい。また、V確機のような小当たり搭載機においては、小当たりと判定されることとしてもよい。また、大当たり判定で大当たりと判定された場合、通常大当たりではなく確変大当たりが決定されること、大当たり遊技を構成するラウンド数の多い大当たり種別が決定されること等としてもよい。
【0345】
・上記実施形態は、封入式パチンコ遊技機を前提として説明したが、非封入式パチンコ遊技機においても実施可能である。
・大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。
【0346】
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・実施形態は、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
【0347】
・上記実施形態の技術は、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0348】
G1 設定変更画面
G2 レベルメータ画面
G3 音量設定画面
G4 ピッチ幅設定画面
G5 音量設定画面
M レベルメータ
1 パチンコ遊技機
7 演出表示装置
8 スピーカ
9 演出ボタン
11 第1始動口
22 第2始動口
30 大入賞装置
31 開閉部材
32 大入賞口
32a 大入賞口センサ
36 操作ボタン
37 音量調整つまみ
60 主制御基板
61 遊技制御用マイコン
66 RAMクリアスイッチ
78 音声制御基板
78a 音声制御用マイコン
78e アンプ
78f 音量レベル設定回路
100 サブ制御基板
101 演出制御用マイコン
200 画像制御基板