(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075394
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】密封保存容器及び密封保存システム
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20240527BHJP
B65D 43/04 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B65D47/34 200
B65D43/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186812
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】509260972
【氏名又は名称】株式会社ナイスシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】中尾 正二郎
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084FD02
3E084HA03
3E084HB03
3E084HC03
3E084HD04
3E084JA20
3E084LD25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、より確実に密封し、劣化を抑える密封保存容器及び密封保存システムを提供する。
【解決手段】密封保存容器1は、可撓性容器11と、可撓性容器に取り付けられる注ぎ口12及びこれに挿入される蓋部材13と、を備え、蓋部材は、注ぎ口に挿入される管及び管を覆うフッ素ゴムを有する挿入部、挿入部に接続される逆止弁を収容する本体部と、本体部を覆い本体部に対して着脱可能な封止蓋と、を備え、密封保存システムSは、可撓性容器と、可撓性容器に取り付けられる注ぎ口及びこれに挿入される蓋部材と、を備え、蓋部材は、注ぎ口に挿入される管及び管を覆うフッ素ゴムを有する挿入部、挿入部に接続される逆止弁を収容する本体部と、本体部を覆い本体部に対して着脱可能な封止蓋と、を備える密封保存容器と、筒状のシリンダと、シリンダ内に挿入されるピストンと、ピストンに接続される把持部材と、を有する吸引ポンプと、を備えるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性容器と、
前記可撓性容器に取り付けられる注ぎ口及びこれに挿入される蓋部材と、を備え、
前記蓋部材は、前記注ぎ口に挿入される管及び前記管を覆うフッ素ゴムを有する挿入部、挿入部に接続される逆止弁を収容する本体部と、前記本体部を覆い前記本体部に対して着脱可能な封止蓋と、を備える密封保存容器。
【請求項2】
前記可撓性容器に収容される微酸性電解水を含む請求項1記載の密封保存容器。
【請求項3】
前記微酸性電解水は、次亜塩素酸水を含む請求項1記載の密封保存容器。
【請求項4】
前記本体部は、前記逆止弁を囲むとともに外ねじ溝が形成された縁部を備えており、
前記封止蓋は、前記縁部の前記外ねじ溝に対応する内ねじ溝が形成され、前記逆止弁を密封することが可能な請求項1記載の密封保存容器。
【請求項5】
可撓性容器と、前記可撓性容器に取り付けられる注ぎ口及びこれに挿入される蓋部材と、を備え、前記蓋部材は、前記注ぎ口に挿入される管及び前記管を覆うフッ素ゴムを有する挿入部、挿入部に接続される逆止弁を収容する本体部と、前記本体部を覆い前記本体部に対して着脱可能な封止蓋と、を備える密封保存容器と、
筒状のシリンダと、前記シリンダ内に挿入されるピストンと、前記ピストンに接続される把持部材と、を有する吸引ポンプと、
を備える密封保存システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封保存容器及び密封保存システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年大きな問題となっている新型コロナウイルス等の感染症の拡大を防止するためには、不特定の人が触れた物に対する除菌が重要であり、そのためにアルコール等が広く用いられてきている。しかしながら、アルコールは人の肌に触れた場合、肌荒れの原因となる可能性があり、また、刺激が強く、引火性もあるため空気中に拡散させることが難しいといった課題がある。
【0003】
一方で、アルコールとは別に、次亜塩素酸水も除菌に用いることができる。その中でも特にpH5.0~6.5の微酸性次亜塩素酸水は肌荒れのおそれが少ない。なお、上記次亜塩素酸水による消毒・除菌については、例えば下記非特許文献1に記載のように、厚生労働省のホームページにおいて開示がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】https://www.meti.go .jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、次亜塩素酸水等の微酸性電解水は、時間とともに劣化し、次亜塩素酸が分解されてしまうといった課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、より確実に密封し、劣化を抑える密封保存容器及び密封保存システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点に係る密封保存容器は、可撓性容器と、可撓性容器に取り付けられる注ぎ口及びこれに挿入される蓋部材と、を備え、蓋部材は、注ぎ口に挿入される管及び管を覆うフッ素ゴムを有する挿入部、挿入部に接続される逆止弁を収容する本体部と、本体部を覆い本体部に対して着脱可能な封止蓋と、を備えるものである。
【0008】
可撓性容器に収容される微酸性電解水を含むことが好ましい。
【0009】
微酸性電解水は、次亜塩素酸水を含むことが好ましい。
【0010】
本体部は、逆止弁を囲むとともに外ねじ溝が形成された縁部を備えており、
封止蓋は、縁部の外ねじ溝に対応する内ねじ溝が形成され、逆止弁を密封することが可能なことが好ましい。
【0011】
本発明の他の一観点に係る密封保存システムは、可撓性容器と、可撓性容器に取り付けられる注ぎ口及びこれに挿入される蓋部材と、を備え、蓋部材は、注ぎ口に挿入される管及び管を覆うフッ素ゴムを有する挿入部、挿入部に接続される逆止弁を収容する本体部と、本体部を覆い本体部に対して着脱可能な封止蓋と、を備える密封保存容器と、筒状のシリンダと、シリンダ内に挿入されるピストンと、ピストンに接続される把持部材と、を有する吸引ポンプと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によって、より確実に密封し、劣化を抑える密封保存容器及び密封保存システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る密封保存システムの概略図である。
【
図2】実施形態に係る密封保存システムにおける密封保存容器の概略図である。
【
図3】実施形態に係る密封保存システムにおける吸引ポンプの概略図である。
【
図4】実施形態に係る密封保存システムにおける蓋部材使用前の密封保存容器の概略図である。
【
図5】実施形態に係る密封保存システムにおける密封保存容器の蓋部材の部分断面図である。
【
図6】実施形態に係る密封保存システムにおける密封保存容器の蓋部材の概略図である。
【
図7】実施形態に係る密封保存システムにおける密封保存容器の吸引ポンプの断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明の実施形態は多くの異なる形態が存在し、以下に示す実施形態及び実施例に記載の具体例にのみ限定されるわけではない。
【0015】
図1は、本実施形態に係る密封保存システム(以下「本システム」という。)Sの概略を示す図であり、
図2は、本システムにおける密封保存容器(以下「本容器」という。)1の概略を、
図3は、本システムにおける吸引ポンプ(以下「本ポンプ」という。)2の概略を示す図である。
【0016】
本システムSは、上記の通り、本容器1と本ポンプ2との組み合わせによって構成されており、本容器1内に微酸性電解水を収容・密封保存することにより微酸性電解水の分解を防ぐことが可能となる。
【0017】
本システムSにおいて、本容器1は、本システムSの主要な部材であって、可撓性容器11と、可撓性容器11に取り付けられる注ぎ口12及びこれに挿入される蓋部材13と、を備え、蓋部材13は、注ぎ口12に挿入される挿入部131及び管1311を覆うフッ素ゴム1312を有する挿入部131、挿入部131に接続される逆止弁1321を収容する本体部132と、本体部132を覆い本体部132に対して着脱可能な封止蓋133と、を備える。
【0018】
本容器1の可撓性容器11は、上記の通り、本システムSの主要な部材である。可撓性容器11は文字通り可撓性のある素材によって構成される容器である。可撓性容器11を用いることで、内部を低圧にした場合、折り畳み小さくすることが可能であり、その内部の体積自体を小さくすることが可能となるといった利点がある。
【0019】
より具体的に、可撓性容器11の材質としては、上記のように、折り畳み小さくすることができる限りにおいて限定されるわけではなく、一般的に食品等に対しても使用できるものが採用可能であるが、収容する対象物(収容物)の漏れを防ぎつつ密封することが可能となるよう、高分子材料を含んで構成されていることが好ましく、より具体的には高分子材料のシートを複数枚重ね合わせて周囲を閉じて袋状にしたものであることが好ましい。
【0020】
また、可撓性容器11の高分子材料としては、より具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン及びポリエチレンの少なくともいずれかを含んで構成されているものが好ましい。また、高分子材料を用いる場合において、光が内部に透過することによる劣化を防ぐ観点から、遮光性を高めるため金属等の遮光性の高い部材のシートを含ませ、これらに上記高分子材料を被膜として構成したものであることも好ましい。
【0021】
なお、本容器1において、可撓性容器11に収容される収容物としては、微酸性電解水を含むこと、より具体的には次亜塩素酸水であることが好ましい。微酸性電解水、特に次亜塩素酸水である場合、密封が十分でない場合は次亜塩素酸が塩化水素と酸素に分解され、その微酸性電解水としての性能(殺菌性能等)を維持することが困難となってしまう。一方、本容器1のように可撓性容器11によって密封保存することが可能となると、次亜塩素酸水としての保存を長期化することが可能となるといった利点があり重要である。
【0022】
また、可撓性容器11の容量は、収容する微酸性電解水の容量に応じて適宜可能であり限定されるわけではないが、例えば300mL以上20L以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは500mL以上10L以下である。この範囲が可撓性容器11によって上記微酸性電解水の保存及び持ち運びにおいて現実的な範囲となる。
【0023】
また、本容器1は、注ぎ口12を有している。より具体的には可撓性容器11に取り付けられる注ぎ口12を有している。これにより、収容物を収容させる一方、外部に対してこの注ぎ口12から他の容器に注ぐことが可能となる。注ぎ口12の構造としては限定されるわけではないが、中空の筒状であって、この中空の部分が可撓性容器11の内部に接続されており、ここから収容物を外部に注ぎだすことができるようになっていることが好ましい。
【0024】
また、本容器1の注ぎ口12は、使用前においては、収容物をあらかじめ収容しておき、さらにキャップ121によって締めておき、密封保存されていることが好ましい。この場合のイメージ図を
図4に示しておく。このようにしておくことで、工場から安定的に出荷が可能となる。キャップ121の構造については限定されるわけではないが、注ぎ口12の外周に外ねじ溝を形成し、キャップ121の内側に内ねじ溝を形成し、これらをはめ合わせる構造であることが好ましい。
【0025】
またここでキャップ121は、一度外した後再び注ぎ口12を塞ぎ閉じることが可能であるが、本容器1では、キャップ121とは別の蓋部材13によって閉じることが好ましい。キャップ121は単に開閉を行うだけの部材であるが、蓋部材13は可撓性容器11内を低圧好ましくは真空に引くことが可能であるため、蓋部材13を用いることでより長期に収容物を保存できるといった利点がある。
【0026】
また、注ぎ口12の材質は限定されるわけではないが、成型加工の観点からPET等の高分子材料であることが好ましい。ただし、上記可撓性容器11に用いる場合とは異なり比較的硬質な素材で構成されていることが好ましく、具体的にはPETであっても熱処理による結晶化等を施しておくことが好ましい。
【0027】
また、本容器1は蓋部材13を有している。本容器1の蓋部材13は、上記の注ぎ口12に挿入され、可撓性容器11内を密封に保存するためのものである。本容器1において、蓋部材13は、工場出荷時当初から注ぎ口12と接続されていてもよいが、上記のように工場出荷当初はキャップ121と注ぎ口12の組み合わせで本容器1を密封しておき、キャップ121を一度取り外した後は蓋部材13によって密封保存することが好ましい。
【0028】
また、本容器1の蓋部材13は、上記の通り、挿入部131、本体部132及び封止蓋133とを有している。
【0029】
本容器1の蓋部材13における挿入部131は、上記の記載からも明らかであるが、注ぎ口12に挿入される管1311及び管1311を覆うフッ素ゴム1312を有していることが好ましい。
【0030】
蓋部材13の挿入部131は、上記の通り、管1311とこの管1311を覆うフッ素ゴム1312を有している。管1311は、注ぎ口12の筒状の中空部分に挿入されるものであり、この管1311を注ぎ口12の内部に挿入することで、可撓性容器11内部の空気等を管1311を介して外部に排出させることができるようになる。
【0031】
管1311の材料としては、限定されるわけではないが、上記注ぎ口12と同様の素材を用いることが可能であり、場合によっては金属等であってもよい。
【0032】
また、蓋部材13の挿入部131では、管1311の周囲にフッ素ゴム1312が設けられている。ゴムとすることで、注ぎ口12と管1311の密着を高め、密封性を高めることができる。
【0033】
また、蓋部材13のフッ素ゴム1312とは、通常のゴム中に存在するCH結合のHがフッ素に置換された化学的構造を備えたゴムであり、いわゆるバイトン(登録商標)とも呼ばれる。フッ素ゴムとしては上記の構造を備えたものである限りにおいて限定されるわけではないが、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン(例えば6フッ化プロピレン)、フッ化エチレン(例えば4フッ化エチレン)、及びパーフルオロメチルビニルエーテルの少なくともいずれかの共重合体であることが好ましいがこれに限定されない。
【0034】
また、蓋部材13のフッ素ゴム1312の形状は特に限定されるわけではないが、円錐台形状であることが好ましい。円錐台形状とすることで、注ぎ口12に対して挿入しやすく、その後注ぎ口12に対して確実に側面を当てて密封させやすくなるといった利点がある。また、フッ素ゴム1312の円錐台形上の上底側(小さな面側)に、注ぎ口12に接続される小さな貫通穴を備えていることが好ましい。このようにすることで密封するだけでなく、注ぎ口12から可撓性容器11内の空気を排出することができるようになるといった利点がある。なお、貫通穴の直径としては特に限定されるわけではないが、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、より好ましくは3mm以下である。
【0035】
また、本容器1の蓋部材13における本体部132は、その内部に逆止弁1321が収容されている。逆止弁1321を設けることで、本ポンプ2によって可撓性容器11内の空気を外部に排出させることができる一方、外部の空気を可撓性容器11内に入れてしまう恐れが少なくなる。
【0036】
逆止弁1321の構造としては、上記の通り、可撓性容器11内部からの空気を排出することができる一方、外部からの空気を可撓性容器11内部へは入らないようにする弁である限りにおいて限定されず、公知の構造を採用することができる。
図5に、本システムSの逆止弁1321及びその周辺の部分断面図を示しておく。
【0037】
また、本容器1の蓋部材13は、本体部132を覆い、本体部132に対して着脱可能な封止蓋133と、を備える。封止蓋133を備えることで、逆止弁1321による密封の効果をより確実に得ることができるようになるだけでなく、不必要に逆止弁1321に手等が触れないように逆止弁1321を保護できるといった利点がある。
【0038】
また、この場合において、本体132と封止蓋133の組み合わせに関しては、限定されるわけではないが、例えば、本体部132に、逆止弁1321を囲むとともに外ねじ溝1322が形成された縁部1323を備えさせる一方、封止蓋133の内側に、縁部13323の外ねじ溝1322に対応する内ねじ溝1331が形成され、逆止弁1321を密封することが可能な構成となっていることが好ましい。これにより、安易に封止蓋133が外れてしまうことを防止することができるようになる。
図6に、この場合のイメージ図を示しておく。
【0039】
また、本システムSでは、上記の通り、本容器1のほか、本ポンプ2を有している。そして、本ポンプ2は、上記の通り、筒状のシリンダ21と、シリンダ21内に挿入されるピストン22と、ピストン22に接続される把持部材23と、を有する。本ポンプ2の概略は上記
図3で示したとおりである。なお、
図7に、本ポンプ2の断面の概略を示しておく。
【0040】
本ポンプ2の筒状のシリンダ21は、本ポンプ2の骨格となる部材であり、中空の筒状部材となっている。シリンダ21の材質としては特に制限されるわけではないが、高分子材料、金属等を例示することができるがこれに限定されない。なお、本ポンプ2の筒状のシリンダ21は、一方が開放された口(開放口)211を備えており、この開放口211を上記逆止弁1321の周囲に当て、本容器1内の空気を引き出すことができるようになっている。具体的な原理等については後述の記載から明らかとなる。
【0041】
また、本ポンプ2は、上記の通り、シリンダ21内に挿入されるピストン22を備えている。ピストン22はシリンダ21の内壁に摺動可能であり、摺動することでシリンダ21内の体積を収縮・膨張させること、具体的には開放口211とピストン22で挟まれるシリンダ21内の体積を収縮・膨張させることができる。すなわち、ピストン22を開放口211近くに配置し、後述の把持部材23を引っ張ることでシリンダ21内の体積を膨張させ、本容器1内から空気を吸引させることが可能となる。
【0042】
また、本ポンプ2は、上記の通り、ピストン22に接続される把持部材23を備えている。具体的に本ポンプ2の把持部材23は、ピストン22と接続部材231を介して接続されている。使用者は、この把持部23を引っ張ることでシリンダ21内の体積を膨張させることができる一方、把持部23を押すことでピストン22をシリンダ21内において開放口211側に移動させてシリンダ21内の体積を収縮させることができる。すなわち、使用者は、本容器1の逆止弁1321にシリンダ21の開放口211を当て、把持部23を引っ張ることで本容器1内から空気を抜き、低圧又は真空状態とすることができるようになる。そして、本ポンプ2によって低圧又は真空状態とした後、封止蓋133で封をすることでこの状態を安定的に維持することができる。
【0043】
(使い方)
ここで、本システムSを用いた密封保存方法(以下「本方法」という。)について説明する。
【0044】
まず、本方法では、収容物として微酸性電解水を収容した本容器1から微酸性電解水の一部を取り出し、改めて密封保存する場合について説明する。
【0045】
まず、本容器1では、工場出荷時において、可撓性容器11内に微酸性電解水が充填されており、またこれに接続される注ぎ口12にはキャップ121が付されている。
【0046】
そして、微酸性電解水を使用する者(以下「使用者」という。)は、このキャップ121を取り外し、必要な量の微酸性電解水を注ぎ口12から取り出す。なお微酸性電解水を必要量取り出した後は、一部が可撓性容器11内に残った状態となっている。
【0047】
そしてさらに、使用者は、本容器1の注ぎ口12に蓋部材13を挿入する。より具体的には、使用者は蓋部材13の挿入部131を注ぎ口12に挿入して、しっかりと注ぎ口12を塞ぐ。
【0048】
そして、使用者は、本容器1に対して本ポンプ2を当てる、具体的にはシリンダ21の開放口211を逆止弁1321に当て、本ポンプ2の把持部材23を引き、可撓性容器11内に残存する空気をシリンダ21側に移す。すなわち、可撓性容器11内の圧力を低くし、好ましくは真空まで引く。
【0049】
そして、使用者は、十分に可撓性容器11内の空気を抜いた後、本ポンプ2を逆止弁1321から引き離し、封止蓋133を本体部132にはめ合わせて逆止弁周囲を密封する。この結果、本容器1内の微酸性電解水の一部を使用して大気に触れさせたとしても、本ポンプ2によってふたたび低圧状態にして保持することができ、より確実に密封し、劣化を抑える密封保存容器及び密封保存システムとなる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、密封保存容器及び密封保存システムとして産業上の利用可能性がある。