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特開2024-754乗客コンベアの屋根装置および設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000754
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】乗客コンベアの屋根装置および設置方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/12 20060101AFI20231226BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
B66B23/12 Z
B66B31/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099639
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下石 浩二
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA07
3F321CD19
3F321CD20
(57)【要約】
【課題】容易に設置することができる乗客コンベアの屋根装置および設置方法を提供する。
【解決手段】設置方法は、上記の屋根装置の設置方法であって、第1支持体を移動手摺に荷重が支持されるよう移動手摺に固定する第1取付工程と、中間支持体を移動手摺に対して移動可能な状態で荷重が支持されるように移動手摺に取りつける中間取付工程と、第1取付工程および中間取付工程の後に行われ、ステップと移動手摺とを中間枠体から第1枠体の方向に移動させる移動工程と、移動工程の後に行われ、第1支持体を欄干に対して相対的に移動しないように欄干に固定する固定工程と、を備えた。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップと前記ステップに利用者が乗って移動する際に通る移動領域の側方に設けられた欄干と前記欄干に巻き掛けられて前記ステップと同期して移動する移動手摺とを備えた乗客コンベアにおいて、前記移動領域の上部と左右の両側部とを覆うように設けられる屋根装置であって、
前記移動手摺の上方に配置される第1枠体と、
前記移動領域に沿って前記第1枠体と並ぶ第2枠体と、
前記第1枠体と前記第2枠体との間に並ぶ中間枠体と、
前記第1枠体、前記第2枠体および前記中間枠体に取り付けられた遮蔽体と、
前記第1枠体の端部に設けられ、前記第1枠体の荷重を支持する第1支持体と、
前記中間枠体の端部に設けられ、前記中間枠体の荷重を支持する中間支持体と、
を備え、
前記第1支持体は、前記移動手摺に荷重が支持されるよう前記移動手摺に固定され、
前記中間支持体は、前記移動手摺に対して移動可能な状態で荷重が支持されるよう前記移動手摺に取り付けられる、
乗客コンベアの屋根装置。
【請求項2】
前記第1支持体は、
前記移動手摺に接し、前記移動手摺に対して回転しながら前記移動手摺に荷重を支持される第1ローラ部と、
前記移動手摺を把持することで前記移動手摺に対して着脱可能に固定される把持部と、
を有し、
前記中間支持体は、
前記移動手摺に接し、前記移動手摺に対して回転しながら前記移動手摺に荷重を支持される中間ローラ部、
を有する請求項1に記載の乗客コンベアの屋根装置。
【請求項3】
前記第1支持体は、
前記欄干に対して相対的に移動しないように前記欄干に固定される第1固定部、
を更に有する請求項2に記載の乗客コンベアの屋根装置。
【請求項4】
前記第1支持体の前記把持部は、前記第1固定部が前記欄干に固定されている場合に、前記移動手摺に固定されない請求項3に記載の乗客コンベアの屋根装置。
【請求項5】
前記第2枠体の端部に設けられ、前記移動手摺に対して相対的に移動可能な状態で前記移動手摺に荷重を支持され、前記欄干に対して相対的に移動しないよう前記欄干に固定される第2支持体、
を更に備えた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乗客コンベアの屋根装置。
【請求項6】
前記遮蔽体は、
内部に風を通す風道部と、
前記風道部の前記移動領域を向く側に設けられ、前記風道部を通る風を前記移動領域の内部に送り出す複数の送風口部と、
を有する請求項1に記載の乗客コンベアの屋根装置。
【請求項7】
前記複数の送風口部の各々は、開閉可能である請求項6に記載の乗客コンベアの屋根装置。
【請求項8】
前記風道部の内部に通され、電気信号を伝送可能である配線と、
前記複数の送風口部にそれぞれ設けられ、前記配線に電気的に接続され、スピーカーまたはマイクと電気的に接続可能な複数の電気接続端子と、
を更に備えた請求項6または請求項7に記載の乗客コンベアの屋根装置。
【請求項9】
請求項1に記載の乗客コンベアの屋根装置の設置方法であって、
前記第1支持体を前記移動手摺に荷重が支持されるよう前記移動手摺に固定する第1取付工程と、
前記中間支持体を前記移動手摺に対して移動可能な状態で荷重が支持されるように前記移動手摺に取りつける中間取付工程と、
前記第1取付工程および前記中間取付工程の後に行われ、前記ステップと前記移動手摺とを前記中間枠体から前記第1枠体の方向に移動させる移動工程と、
前記移動工程の後に行われ、前記第1支持体を前記欄干に対して相対的に移動しないように前記欄干に固定する固定工程と、
を備えた設置方法。
【請求項10】
前記固定工程において、前記第1支持体を前記移動手摺に対して相対的に移動し得るよう前記第1支持体が前記移動手摺に固定されていない状態にする請求項9に記載の設置方法。
【請求項11】
前記移動工程が行われた後であって前記固定工程が行われる前に前記中間取付工程が再び行われ、前記中間取付工程と前記移動工程とが繰り返される請求項9に記載の設置方法。
【請求項12】
前記屋根装置は、前記第2枠体の端部に設けられ、前記移動手摺に対して相対的に移動可能な状態で前記移動手摺に荷重を支持され、前記欄干に対して相対的に移動しないよう前記欄干に固定される第2支持体、を更に備え、
前記移動工程の前に行われ、前記第2支持体を前記欄干に対して相対的に移動しないよう前記欄干に固定する第2取付工程、
を更に備える請求項9または請求項10に記載の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗客コンベアの屋根装置およびその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、乗客コンベアの屋根装置を開示する。当該屋根装置によれば、覆い構造体によって乗客コンベアにおける利用者が移動する領域が囲われ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-236002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の屋根装置において、覆い構造体の荷重は、複数の枠体および複数の脚部に支持される。作業員は、屋根装置を設置する場合、複数の脚部の各々を乗客コンベアのデッキに立てる作業を行う。このため、屋根装置を設置する作業に時間および手間がかかる。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、容易に設置することができる乗客コンベアの屋根装置および設置方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗客コンベアの屋根装置は、ステップとステップに利用者が乗って移動する際に通る移動領域の側方に設けられた欄干と欄干に巻き掛けられてステップと同期して移動する移動手摺とを備えた乗客コンベアにおいて、移動領域の上部と左右の両側部とを覆うように設けられる屋根装置であって、移動手摺の上方に配置される第1枠体と、移動領域に沿って第1枠体と並ぶ第2枠体と、第1枠体と第2枠体との間に並ぶ中間枠体と、第1枠体、第2枠体および中間枠体に取り付けられた遮蔽体と、第1枠体の端部に設けられ、第1枠体の荷重を支持する第1支持体と、中間枠体の端部に設けられ、中間枠体の荷重を支持する中間支持体と、を備え、第1支持体は、移動手摺に荷重が支持されるよう移動手摺に固定され、中間支持体は、移動手摺に対して移動可能な状態で荷重が支持されるよう移動手摺に取り付けられる。
【0007】
本開示に係る設置方法は、上記の屋根装置の設置方法であって、第1支持体を移動手摺に荷重が支持されるよう移動手摺に固定する第1取付工程と、中間支持体を移動手摺に対して移動可能な状態で荷重が支持されるように移動手摺に取りつける中間取付工程と、第1取付工程および中間取付工程の後に行われ、ステップと移動手摺とを中間枠体から第1枠体の方向に移動させる移動工程と、移動工程の後に行われ、第1支持体を欄干に対して相対的に移動しないように欄干に固定する固定工程と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、第1支持体は、移動手摺に固定される。中間支持体は、移動手摺に対して移動可能な状態で荷重が支持されるよう移動手摺に取り付けられる。第1支持体および中間支持体がこのように取り付けられた状態で移動手摺が移動されることで、屋根装置が設置状態まで変形し得る。このため、屋根装置を容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の斜視図である。
図2】実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の要部の側面図である。
図3】実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の第1支持体を示す図である。
図4】実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の第2支持体を示す図である。
図5】実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の中間支持体を示す図である。
図6】実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置が第2乗降口に取り付けられた状態の斜視図である。
図7】実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置を取り付ける別の例における第2乗降口の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の斜視図である。
【0012】
図1には、乗客コンベアであるエスカレーター1が示される。エスカレーター1は、建築物の上階と下階との間に設けられる。第1乗降口2aは、建築物の上階に設けられる。第2乗降口2bは、建築物の下階に設けられる。例えば、利用者は、第1乗降口2aからエスカレーター1の移動領域3、および第2乗降口2bを通って上階と下階との間を移動する。以降、左右方向は、移動領域3に沿った方向に対して垂直な方向のうちの水平な方向を意味する。
【0013】
一対の欄干4は、左右方向において移動領域3の両側方にそれぞれ設けられる。例えば、欄干4は、ガラスパネルと支柱とを含む部材から構成される。なお、欄干4は、ガラスパネルと支柱ではなく、金属の板等から構成されてもよい。一対の移動手摺5の各々は、無端状のベルトである。一対の移動手摺5は、一対の欄干4の外周にそれぞれ巻き掛けられる。複数のステップ6は、無端状にそれぞれ繋げられる。複数のステップ6は、移動領域3の下方に設けられる。
【0014】
エスカレーター1が通常運転する時、複数のステップ6は、建築物の上階と下階との間を循環移動する。一対の移動手摺5の各々は、対応する欄干4の周囲を、複数のステップ6と同期して循環移動する。利用者は、複数のステップ6のいずれかに乗ることで移動領域3の内部を移動する。即ち、移動領域3の上下方向の範囲は、上側を移動するステップ6の上面から人の身長に相当する規定高さまでの範囲である。移動領域3の左右方向の範囲は、一対の欄干4の一方から他方までの範囲である。なお、人の身長に相当する規定高さは、想定される人の身長の最大値等の値が任意に設定されればよい。
【0015】
例えば、エスカレーター1の内部の保守作業が行われる場合、複数のステップ6のうちのいくつかが取り外される。作業員は、当該取り外された複数のステップ6の開口部において保守作業を行う。この際、エスカレーター1には、屋根装置10が設置される。
【0016】
屋根装置10は、保守作業の際に設けられる一時的な屋根である。例えば、屋根装置10は、第1乗降口2aから第2乗降口2bまで設けられる。屋根装置10は、移動領域3の上部と左右方向の両側部とを覆う。屋根装置10は、当該開口部および作業員を周囲の環境から遮蔽する。そのため、例えば、エスカレーター1の横に設けられた別のエスカレーターに乗る利用者は、屋根装置10によって当該開口部および作業員を目視できない。
【0017】
屋根装置10は、複数の枠体11、12、13と遮蔽体14と一対の第1支持体20と一対の第2支持体30と複数の中間支持体40とを備える。複数の枠体11、12、13は、第1枠体11と第2枠体12と複数の中間枠体13とを含む。
【0018】
例えば、第1枠体11は、U字型に形成される。第1枠体11の材質には、カーボンファイバー、樹脂、等の軽量な素材が選ばれ得る。なお、第1枠体11の材質は、アルミニウム等の金属であってもよい。屋根装置10が設置された状態において、第1枠体11は、移動領域3をアーチ状に覆う。この場合、第1枠体11は、U字の開口部が下方を向くよう配置される。第1枠体11の両端部は、一対の移動手摺5の上方にそれぞれ位置する。そのため、第1枠体11は、移動領域の上部と左右方向の両側部とに配置される。
【0019】
例えば、第2枠体12の形状および材質は、第1枠体11の形状および材質と同じである。屋根装置10が設置された状態において、第2枠体12は、第1枠体11と移動領域3に沿って並ぶ。第2枠体12は、第1枠体11と同様の姿勢で配置される。
【0020】
例えば、複数の中間枠体13の形状および材質は、いずれも第1枠体11の形状および材質と同じである。屋根装置10が設置された状態において、複数の中間枠体13は、第1枠体11と第2枠体12との間において移動領域3に沿って並ぶ。複数の中間枠体13の各々は、第1枠体11と同様の姿勢で配置される。
【0021】
遮蔽体14は、折り曲げ可能なシートである。例えば、遮蔽体14の材質には、防炎カバー、不透明なビニル、等の不透明な素材が採用される。遮蔽体14の材質には、特に軽量な素材が採用され得る。遮蔽体14は、第1枠体11と第2枠体12と複数の中間枠体13とをそれぞれ覆うように設けられる。遮蔽体14は、第1枠体11と第2枠体12と複数の中間枠体13とに固定される。
【0022】
図示されないが、遮蔽体14における複数の枠体11、12、13の間の部分は、折り曲げられることが可能である。即ち、複数の枠体11、12、13と遮蔽体14とは、全体で蛇腹状になるよう形成される。なお、遮蔽体14は、1つの素材が繋がっているのではなく、複数の素材が繋げられて構成されてもよい。
【0023】
屋根装置10がエスカレーター1に設置された設置状態にある場合、遮蔽体14は、移動領域3を覆う。屋根装置10がエスカレーター1に設置されていない準備状態にある場合、遮蔽体14は、複数の枠体11、12、13が並ぶ方向に長さが短くなるよう、折りたたまれる。
【0024】
一対の第1支持体20は、第1枠体11の両端部にそれぞれ設けられる。屋根装置10エスカレーター1に取り付けられた状態において、一対の第1支持体20の一方は、第1枠体11の一方の端部と一対の移動手摺5の一方との間に設けられる。一対の第1支持体20の他方は、第1枠体11の他方の端部と一対の移動手摺5の他方との間に設けられる。一対の第1支持体20の各々は、同様の構成を備える。
【0025】
第1支持体20は、第1枠体11の荷重を支持する。第1支持体20は、第1形態および第2形態のいずれかの形態でエスカレーター1に取り付けられる。
【0026】
第1形態において、第1支持体20は、移動手摺5に対して相対的に移動しないよう、移動手摺5に着脱可能に固定される。第1支持体20は、移動手摺5に荷重を支持される。
【0027】
第2形態において、第1支持体20は、欄干4に対して相対的に移動しないよう欄干4に固定される。この際、第1支持体20は、移動手摺5に荷重を支持された状態で移動手摺5に対して相対的に移動可能である。
【0028】
第2支持体30は、第2枠体12の両端部にそれぞれ設けられる。屋根装置10がエスカレーター1に取り付けられた状態において、一対の第2支持体30の一方は、第2枠体12の一方の端部と一対の移動手摺5の一方との間に位置する。一対の第2支持体30の他方は、第2枠体12の他方の端部と一対の移動手摺5の他方との間に位置する。一対の第2支持体30の各々は、同様の構成を備える。
【0029】
第2支持体30は、欄干4に対して相対的に移動しないよう欄干4に着脱可能に固定される。この際、第2支持体30は、移動手摺5に荷重を支持された状態で移動手摺5に対して相対的に移動可能である。
【0030】
複数の中間支持体40の各々は、同様の構成を備える。複数の中間支持体40は、複数の中間枠体13の端部にそれぞれ設けられる。具体的には、1つの中間枠体13の両端部には、複数の中間支持体40のうちの2つである一対の中間支持体40がそれぞれ設けられる。屋根装置10がエスカレーター1に取り付けられた状態において、一対の中間支持体40の一方は、当該中間枠体13の一方の端部と一対の移動手摺5の一方との間に位置する。一対の中間支持体40の他方は、当該中間枠体13の他方の端部と一対の移動手摺5の他方との間に位置する。
【0031】
中間支持体40は、移動手摺5に取り付けられる。この際、中間支持体40は、移動手摺5に荷重を支持された状態で移動手摺5に対して相対的に移動可能である。
【0032】
次に、図2を用いて、遮蔽体14を説明する。
図2は実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の要部の側面図である。なお、第1枠体11は、図2には図示されない。
【0033】
図2に示されるように、遮蔽体14は、風道部15と複数の送風口部16とを備える。
【0034】
風道部15は、遮蔽体14と同様の素材からなる筒である。風道部15は、複数の枠体11、12、13が並ぶ方向において遮蔽体14の一端から他端にわたって設けられる。例えば、屋根装置10が設置状態にある場合、風道部15は、移動領域3の上方に位置する。風道部15の内部には、1つにつながった筒状の風道空間が形成される。
【0035】
複数の送風口部16の各々は、風道部15に設けられた穴である。複数の送風口部16の各々は、遮蔽体14の風道部15において、移動領域3を向く面に設けられる。例えば、送風口部16は、複数の枠体11、12、13の間に位置する。例えば、送風口部16は、図示されない蓋などによって、開閉可能に設けられる。
【0036】
例えば、風道部15の第2乗降口2b側の端部には、スポット冷風機100が繋がれる。複数の送風口部16のうち、作業員が作業する場所に近いいくつかの送風口部16が開かれる。スポット冷風機100は、風道部15に風を送り込む。送り込まれた風は、風道部15の風道空間を通って、開かれた状態の送風口部16から送り出される。作業員の周辺は、当該風によって冷却される。
【0037】
屋根装置10は、複数の電気接続端子17と配線18とを更に備える。
【0038】
複数の電気接続端子17の各々は、電気的な信号を送信または受信するプラグである。例えば、複数の電気接続端子17は、複数の送風口部16にそれぞれ設けられる。
【0039】
配線18は、電気的な信号を伝送する導線である。配線18は、風道部15の内部に配置される。配線18は、複数の電気接続端子17にそれぞれ電気的に接続される。
【0040】
例えば、複数の電気接続端子17のうち、作業員が作業する場所に近い位置にある電気接続端子17には、スピーカー101およびマイク102が電気的に接続される。具体的には、スピーカー101およびマイク102のジャックが電気接続端子17のプラグに挿入される。
【0041】
作業員は、スピーカー101からの音声を聞くことが可能である。作業員は、マイク102によって外部に音声を伝達することが可能である。即ち、スピーカー101およびマイク102を介して、作業員から離れた場所にいる監督員と作業員との間で意思疎通を図ることができる。
【0042】
次に、図3を用いて、第1支持体20を説明する。
図3は実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の第1支持体を示す図である。
【0043】
図3は、第1形態の第1支持体20を示す。第1支持体20は、第1基部21と第1ローラ部22と把持部23と補強部24と第1固定部25とを有する。
【0044】
第1基部21は、第1枠体11の端部に取り付けられる。例えば、第1基部21は、第1枠体11との連結位置から左右方向に延びる。第1基部21には、下面21aが形成される。下面21aは、第1枠体11との連結位置とは反対側の面である。
【0045】
第1ローラ部22は、第1基部21の下面21aに設けられる。第1ローラ部22は、腕22aとローラ22bとを有する。腕22aは、下面21aから延出する。ローラ22bは、腕22aに対して回転可能に設けられる。
【0046】
屋根装置10がエスカレーター1に取り付けられた状態において、第1ローラ部22は、移動手摺5に荷重を支持されながら、移動手摺5に対して相対的に移動し得る。具体的には、ローラ22bは、移動手摺5の上面に接する。この際、ローラ22bは、移動手摺5に接触しながら転がることで、移動手摺5の移動方向に沿って回転する。腕22aは、ローラ22bを回転可能に支持しながら、第1基部21からの荷重をローラ22bに伝達する。即ち、第1ローラ部22は、移動手摺5に対して回転しながら移動手摺5に荷重を支持される。
【0047】
把持部23は、2つの腕部23aを有する。2つの腕部23aは、第1基部21の下面21aから延びる。把持部23は、2本の腕部23aによって、移動手摺5を左右方向から把持し得る。
【0048】
第1支持体20が第1形態である場合、把持部23は、移動手摺5を左右方向から把持する。この場合、第1支持体20は、移動手摺5に対して相対的に移動しないよう固定される。
【0049】
図示されないが、第1支持体20が第2形態である場合、把持部23は、移動手摺5を把持しない。この場合、第1支持体20は、移動手摺5に対して相対的に移動し得る。
【0050】
補強部24は、第1支持体20が第1形態である場合に、補強部材として把持部23に取り付けられる。補強部24は、把持部23が移動手摺5を把持する力を増加させる。具体的には、補強部24は、2本の腕部23aに対して把持する力を大きくする方向に力を与える。図示されないが、第1支持体20が第2形態である場合、補強部24は、第1支持体20に取り付けられなくてもよい。
【0051】
第1固定部25は、2つの腕部25aと2つの固定端部25bとを有する。2つの腕部25aは、下面21aから延びる。2つの腕部25aは、2つの腕部23aよりもそれぞれ外側に位置する。2つの固定端部25bは、2つの腕部25aの先端にそれぞれ設けられる。例えば、2つの固定端部25bは、吸盤を含む。
【0052】
図示されないが、第1支持体20が第2形態である場合、第1固定部25は、欄干4に固定される。具体的には、例えば、2つの固定端部25bである吸盤が、欄干4の表面に貼り付けられる。この場合、第1支持体20は、欄干4に対して相対的に移動しないよう欄干4に固定される。一方で、第1支持体20が第1形態である場合、第1固定部25は、欄干4には固定されない。この場合、第1支持体20は、欄干4に対して相対的に移動可能である。
【0053】
次に、図4を用いて、第2支持体30を説明する。
図4は実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の第2支持体を示す図である。
【0054】
図4は、エスカレーター1に取り付けられた第2支持体30を示す。第2支持体30は、第2基部31と第2ローラ部32と第2固定部33とを有する。
【0055】
第2基部31は、第2枠体12の端部に取り付けられる。例えば、第2基部31は、第2枠体12との連結位置から左右方向に延びる。第2基部31には、下面31aが形成される。下面31aは、第2枠体12との連結位置とは反対側の面である。
【0056】
第2ローラ部32は、図4には図示されない第1支持体20における第1ローラ部22と同様の構成である。即ち、第2ローラ部32は、腕32aとローラ32bとを有する。屋根装置10がエスカレーター1に取り付けられた状態において、第2ローラ部32は、移動手摺5に荷重を支持されながら、移動手摺5に対して相対的に移動し得る。
【0057】
第2固定部33は、第1支持体20における第1固定部25と同様の構成である。即ち、第2固定部33は、2つの腕部33aと2つの固定端部33bとを有する。
【0058】
第2固定部33は、欄干4に固定される。具体的には、例えば、2つの固定端部33bである吸盤が、欄干4の表面に貼り付けられる。この場合、第2支持体30は、欄干4に対して相対的に移動しないよう欄干4に固定される。
【0059】
次に、図5を用いて、中間支持体40を説明する。
図5は実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置の中間支持体を示す図である。
【0060】
図5は、エスカレーター1に取り付けられた中間支持体40を示す。中間支持体40は、中間基部41と中間ローラ部42と案内部43とを有する。
【0061】
中間基部41は、中間枠体13の端部に取り付けられる。例えば、中間基部41は、中間枠体13との連結位置から左右方向に延びる。中間基部41には、下面41aが形成される。下面41aは、中間枠体13との連結位置とは反対側の面である。
【0062】
中間ローラ部42は、図5には図示されない第1支持体20における第1ローラ部22と同様の構成である。即ち、中間ローラ部42は、腕42aとローラ42bとを有する。屋根装置10が設置された状態において、中間ローラ部42は、移動手摺5に荷重を支持されながら、移動手摺5に対して相対的に移動し得る。
【0063】
案内部43は、2つの腕部43aと2つの案内ローラ43bとを有する。2つの腕部43aは、下面41aから延びる。2つの案内ローラ43bは、2つの腕部43aの下部にそれぞれ回転可能に設けられる。例えば、2つの案内ローラ43bの幅は、移動手摺5の左右方向の幅と同じである。2つの案内ローラ43bは、移動手摺5を挟むように移動手摺5に接する。2つの案内ローラ43bの各々は、移動手摺5に対して接した状態で回転し得る。
【0064】
案内部43は、中間支持体40が移動手摺5に対して相対的に移動する際に、中間支持体40が移動手摺5に対して左右方向に移動しないよう中間支持体40を案内する。
【0065】
次に、図6を用いて、屋根装置10の設置方法を説明する。
図6は実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置が第2乗降口に取り付けられた状態の斜視図である。なお、図6において第1乗降口2aは図示されない。
【0066】
屋根装置10の設置方法は、第1取付工程と第2取付工程と第3取付工程と移動工程と固定工程とを備える。
【0067】
図6は、第1取付工程と第2取付工程と中間取付工程とが行われた後の屋根装置10を示す。第1取付工程と第2取付工程と第3取付工程とを行う準備として、作業員は、蛇腹状に折りたたまれて準備状態にある屋根装置10をエスカレーター1の第2乗降口2bまで運搬する。
【0068】
第1取付工程において、作業員は、一対の第1支持体20の各々を対応する移動手摺5に第1形態で取り付ける。即ち、作業員は、第1支持体20が移動手摺5に対して相対的に移動しないよう第1支持体20を移動手摺5に固定する。
【0069】
第2取付工程において、作業員は、一対の第2支持体30の各々を対応する欄干4に取り付ける。即ち、作業員は、第2支持体30が欄干4に対して相対的に移動しないよう第2支持体30を欄干4に取り付ける。第2支持体30は、移動手摺5に荷重を支持された状態で移動手摺5に対して相対的に移動し得る。
【0070】
中間取付工程において、作業員は、複数の中間支持体40の各々を対応する移動手摺5に取り付ける。即ち、作業員は、中間支持体40が移動手摺5に対して相対的に移動し得るように、かつ中間支持体40が移動手摺5に沿って移動し得るように、中間支持体40を移動手摺5に取り付ける。
【0071】
第1取付工程と第2取付工程と中間取付工程とは、任意の順番で行われればよい。図示されないが、第1取付工程と第2取付工程と中間取付工程とが行われた後、移動工程が行われる。
【0072】
移動工程は、取り付け後で折りたたまれた状態の屋根装置10を、設置状態の長さまで広げる工程である。移動工程において、作業員は、エスカレーター1を第2乗降口2bの側から第1乗降口2aの側へ移動させる操作を行う。エスカレーター1の移動手摺5とステップ6とは、移動する。
【0073】
移動工程が行われている間、第2支持体30は、取り付けられた欄干4の位置から動かない。一対の第1支持体20は、移動手摺5の移動に伴って移動手摺5と共に移動する。第1枠体11は、一対の第1支持体20と共に移動する。この際、第1枠体11は、遮蔽体14を移動手摺5の移動方向に引っ張る。遮蔽体14は、第1枠体11から引っ張られる力によって折りたたまれた状態から移動手摺5の移動方向に広がる。
【0074】
第1枠体11が移動を開始した直後、複数の中間支持体40の各々は、移動手摺5と共には移動しない。複数の中間支持体40の各々は、折りたたまれた状態から広がっていく遮蔽体14と共に移動する。具体的には、遮蔽体14が第1枠体11にある程度の距離だけ引っ張られると、第1枠体11と第1枠体に隣接する中間枠体13との間に存在する遮蔽体14の部分がそれ以上広がらなくなる。この場合、遮蔽体14は、当該中間枠体13を移動手摺の移動方向に引っ張る。中間支持体40が移動手摺5に対して相対的に移動し得るため、当該中間枠体13は、遮蔽体14から引っ張られる力によって移動手摺の移動方向に中間支持体40と共に移動する。その後、当該中間枠体13と当該中間枠体13に対して第1枠体11とは反対側に隣接する中間枠体13との間に存在する遮蔽体14の部分がそれ以上広がらなくなる。以降は、同様に、複数の中間枠体13の各々が移動手摺5の移動方向に順次移動する。
【0075】
その後、第1支持体20が設置状態の位置に到達した場合、作業員は、エスカレーター1を停止させ、移動工程を終了する。具体的には、第1支持体20が図1に示されたように、第1乗降口2aに到達した場合、作業員は、移動工程を終了する。なお、設置状態は、図1に示された状態に限らない。例えば、遮蔽体14の全体がこれ以上広がらない程に伸びた場合に、作業員は、移動工程を終了してもよい。この場合、第1支持体20は、エスカレーター1において第1乗降口2aと第2乗降口2bとの間の位置に存在してもよい。
【0076】
移動工程の後、固定工程が行われる。固定工程において、作業員は、設置位置に存在する一対の第1支持体20の各々を第2状態にする。即ち、作業員は、第1支持体20の第1固定部25を対応する欄干4に取り付ける。作業員は、第1支持体20の把持部23を対応する移動手摺5から開放する。そのため、第1支持体20は、移動手摺5に対して相対的に移動可能となる。第1支持体20は、欄干4に対して相対的に移動できないよう固定される。
【0077】
移動工程が終了すると、屋根装置10は、設置状態となる。作業員は、設置方法による屋根装置10の設置を完了する。例えば、設置状態において、作業員は、エスカレーター1の移動手摺5とステップ6とを任意の場所に移動させることができる。この際、屋根装置10は、移動手摺5に対して移動しない。
【0078】
なお、図示されないが、設置方法には、付帯工程が更に含まれていてもよい。付帯工程において、作業員は、スポット冷風機100を風道部15に取り付ける。作業員は、複数の送風口部16のうち作業箇所に近い送風口部16を開ける。作業員は、複数の電気接続端子17のうち作業箇所に近い電気接続端子17にスピーカー101およびマイク102を取り付ける。付帯工程が行われることで、安全かつ効率的な作業環境が整えられる。
【0079】
以上で説明した実施の形態1によれば、屋根装置10は、第1枠体11と第2枠体12と中間枠体13と遮蔽体14と第1支持体20と中間支持体40とを備える。第1支持体20は、移動手摺5に固定される。中間支持体40は、移動手摺5に対して移動可能な状態で移動手摺5に取り付けられる。屋根装置10の設置方法において、第1支持体20および中間支持体40がこのように取り付けられた状態で移動手摺5が移動されると、第1支持体20および第1枠体11は屋根装置10の設置位置まで移動手摺5と共に移動する。第1枠体11は、遮蔽体14を移動方向に引っ張る。中間支持体40および中間枠体13は、遮蔽体14に引っ張られることで、屋根装置10の設置位置まで移動する。即ち、屋根装置10を設置する作業において、作業員は、屋根装置10を第2乗降口2bの側に取り付けた後、エスカレーター1を操作することで屋根装置10を設置することができる。その結果、作業員は、屋根装置10を容易に設置することができる。
【0080】
屋根装置10が設置されることで、エスカレーター1の周囲の利用者は、作業員およびステップ6の開口部を視認できない。乗客コンベアの保守作業中に周りの人から見られることで、作業員の気が散ってしまうことを抑制することができる。また、開口部から乗客コンベアの内部を周りの人に見られることを抑制することができる。さらに、屋根装置10で作業員の作業場所が覆われることで、作業員が直射日光に曝されることを抑制できる。そのため、作業員の作業環境が改善される。屋根装置10で作業場所が覆われることで、作業中に飛散する可能性がある油、飛沫、等がエスカレーター1の移動領域3よりも外に飛び散ることを抑制することができる。屋根装置10で作業場所が覆われることで、外部から開口部などに物が入り込むことを抑制できる。このため、保守作業の作業性が改善される。
【0081】
また、第1支持体20は、第1ローラ部22と把持部23とを有する。中間支持体40は、中間ローラ部42を有する。このため、第1支持体20は、移動手摺5に対して着脱可能に固定される。中間支持体40は、移動手摺5に対して移動可能に荷重を支持される。
【0082】
また、第1支持体20は、第1固定部25を更に有する。このため、第1支持体20は、第2形態において、欄干4に対して固定される。その結果、屋根装置10は、エスカレーター1に安定して設置されることができる。
【0083】
また、第1支持体20は、第2形態において、移動手摺5に対して相対的に移動可能な状態で欄干4に固定される。このため、屋根装置10が設置された状態において、移動手摺5を屋根装置10と独立して移動させることができる。
【0084】
また、屋根装置10は、第2支持体30を更に備える。第2支持体30によって、屋根装置10の第1支持体20とは反対側の端部は、欄干4に固定される。このため、屋根装置10は安定して設置されることができる。
【0085】
また、遮蔽体14には、風道部15と複数の送風口部16とが設けられる。このため、作業場所に風を送り込むことができる。例えば、作業場所には冷却用の風が送り込まれる。その結果、作業員の作業環境を改善することができる。
【0086】
また、複数の送風口部16の各々は、開閉可能である。このため、作業場所に近い送風口部16のみから、風が送り込まれ得る。その結果、効率的に作業員の作業環境を改善することができる。
【0087】
また、屋根装置10は、配線18と複数の電気接続端子17とを備える。電気接続端子17には、マイクとスピーカーとが電気的に接続され得る。配線18は、マイクとスピーカーとの電気的な信号を伝送し得る。このため、作業場所から離れた位置から、作業場所の作業員との意思疎通を行うことができる。例えば、作業員と、離れた場所にいる監督員とが作業内容について相談することができる。その結果、保守作業の効率を向上させることができる。また、保守作業の安全性を向上させることができる。
【0088】
なお、遮蔽体14は、同じ素材が折り返された二重構造であってもよい。この場合、風道部15は、当該二重構造で囲まれた空間であってもよい。風は、当該二重構造で囲まれた空間を通って送風口部16から送風されてもよい。
【0089】
なお、設置方法の第1取付工程と第2取付工程と中間取付工程とにおいて、屋根装置10は、第2乗降口2bの側ではなく第1乗降口2aの側に取り付けられてもよい。この場合、移動工程において、屋根装置10は、移動手摺5と共に第1乗降口2aの側から第2乗降口2bの側に向かって広がる。
【0090】
なお、屋根装置10は、設置方法とは逆の順番で各工程が行われることで、容易に片づけられる。具体的には、まず、固定工程とは逆に、作業員は、第1支持体を第1形態にすることで、第1支持体20を移動手摺に固定する。その後、作業員は、移動工程における移動方向とは逆の方向に移動手摺5とステップ6とを移動させる。この移動に伴って、第1枠体11は、第2乗降口2bの方向へ移動する。遮蔽体14は、広がった状態から折りたたまれていく。複数の中間枠体13の各々は、遮蔽体14と共に移動する。複数の中間支持体40の各々は、対応する中間枠体13と共に移動する。第1枠体11が第2乗降口2bに到着した場合、屋根装置10は、図6に示される状態になる。その後、作業員は、第1支持体20と第2支持体30と中間支持体40とを移動手摺5または欄干4から取り外す。その後、作業員は、屋根装置10の片づけ作業を終了する。
【0091】
なお、屋根装置10は、第1支持体20が移動手摺5に取り付けられた後に、複数の中間支持体40が順番に移動手摺5に取り付けられてもよい。
図7は実施の形態1における乗客コンベアの屋根装置を取り付ける別の例における第2乗降口の斜視図である。
【0092】
図7に示されるように、第1支持体20が移動手摺5に取り付けられた後、作業員は、移動手摺5とステップ6とを図7には図示されない第1乗降口2aの側に移動させる。移動手摺5がある程度移動した後、作業員は、移動手摺5の移動を止める。作業員は、第1枠体11に隣接する中間枠体13と対応する中間支持体40とを移動手摺5に取り付ける。
【0093】
その後、作業員は、移動手摺5をある程度移動させた後、停止させ、次の中間枠体13と中間支持体40とを移動手摺5に取り付ける。作業員は、一連の作業を繰り返すことで、複数の中間枠体13を移動手摺5に順番に取り付ける。最後の中間枠体13を取り付けた後、作業員は、第2枠体12と第2支持体30とを欄干4に固定する。その後、作業員は、固定工程を行い、設置作業を終了する。即ち、この設置方法の例は、中間取付工程と移動工程とを繰り返す方法である。
【0094】
以上で説明した設置方法において、作業員は、第2乗降口2bの位置で中間取付工程と移動工程とを行うことができる。このため、作業員は、屋根装置10を容易に設置することができる。
【0095】
なお、屋根装置10は、水平方向に移動するための動く歩道、等のエスカレーターではない乗客コンベアに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 エスカレーター、 2a 第1乗降口、 2b 第2乗降口、 3 移動領域、 4 欄干、 5 移動手摺、 10 屋根装置、 11 第1枠体、 12 第2枠体、 13 中間枠体、 14 遮蔽体、 15 風道部、 16 送風口部、 17 電気接続端子、 18 配線、 20 第1支持体、 21 第1基部、 21a 下面、 22 第1ローラ部、 22a 腕、 22b ローラ、 23 把持部、 23a 腕部、 24 補強部、 25 第1固定部、 25a 腕部、 25b 固定端部、 30 第2支持体、 31 第2基部、 31a 下面、 32 第2ローラ部、 32a 腕、 32b ローラ、 33 第2固定部、 33a 腕部、 33b 固定端部、 40 中間支持体、 41 中間基部、 41a 下面、 42 中間ローラ部、 42a 腕、 42b ローラ、 43 案内部、 43a 腕部、 43b 案内ローラ、 100 スポット冷風機、 101 スピーカー、 102 マイク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7