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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075413
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240527BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
H04N1/12 Z
H04N1/00 519
H04N1/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186854
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正
【テーマコード(参考)】
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AC02
5C062AC11
5C062AC68
5C062AE01
5C062AF10
5C062BA08
5C072AA01
5C072BA13
5C072CA05
5C072DA04
5C072DA12
5C072DA21
5C072EA04
5C072FB12
5C072NA01
5C072NA04
5C072UA02
(57)【要約】
【課題】搬送される用紙を照明して得られる反射光をミラー板の反射面に反射させて用紙上の画像を読み取る画像読取装置において、ミラー板の反射面以外の一部の面の一部分に耐振性を付与する耐振部材が配置されていない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作に起因して発生する振動を受けることがあっても反射面の平面度の低下と迷光の発生を誘発させることなくミラー板が揺れることを低減する。
【解決手段】画像読取装置は、画像を有する用紙を搬送する搬送部と、長手方向の両端部が保持されるミラー板を有し、搬送部にて搬送される用紙を照明して得られる反射光をミラー板の反射面に反射させて画像を読み取る読取部と、を備え、ミラー板32は、反射面以外の一部の面の一部分に、耐振性を付与する耐振部材4が反射面側にはみ出ない状態で配置されている。耐振部材4は、ミラー板の長手方向の両側面に固定して配置する側面補強板5A,5Bで構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を有する用紙を搬送する搬送部と、
長手方向の両端部が保持されるミラー板を有し、前記搬送部にて搬送される前記用紙を照明して得られる反射光を前記ミラー板の反射面に反射させて前記画像を読み取る読取部と、
を備え、
前記ミラー板は、前記反射面以外の一部の面の一部分に、耐振性を付与する耐振部材が前記反射面側にはみ出ない状態で配置されている画像読取装置。
【請求項2】
前記耐振部材が、前記ミラー板の長手方向の両側面に固定して配置する側面補強板で構成されている請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記耐振部材が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面の長手方向に間隔をあけた複数の個所に固定して配置する複数の裏面補強板で構成されている請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記耐振部材が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面の長手方向に間隔をあけた複数の個所を弾性的に押さえ続けるよう配置する複数の裏面押さえ部材で構成されている請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記側面補強板が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面側にはみ出している請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記側面補強板が、前記裏面側にはみ出している箇所に曲げ部を有している請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記複数の裏面補強板の前記ミラー板とは反対側の裏面を個々に弾性的に押さえ続ける複数の第一押さえ部材が設けられている請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記複数の裏面補強板の前記ミラー板とは反対側の裏面に連続して接触する板材と、前記板材の前記裏面補強板に接触する側とは反対側の裏面を弾性的に押さえ続ける単数又は複数の第二押さえ部材とが設けられている請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記第二押さえ部材が、前記板材の裏面のうち前記複数の裏面補強板どうしの中間の位置に相当する箇所を押さえ続けるように配置されている請求項8に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記複数の裏面押さえ部材の押さえ荷重の少なくとも一部を異ならせている請求項4に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、レーザビームをミラーで反射させて感光体に照射するレーザビーム光学系において、そのミラーの背面に、弾性を有する接着部材を介して剛体板を接着した、レーザビーム光学系ミラーの防止構造が記載されている。
【0003】
下記特許文献2には、原稿の画像をミラーおよびレンズを介して光電変換素子に結像し、原稿の画像情報を読み取る画像読取装置が記載されている。
また特許文献2には、前記画像読取装置におけるミラーとして、反射面が細長く延びた形状のミラーであって、ミラーの反射面に対する側面に補強部材を固定し、その補強部材が反射面に垂直な方向において前記ミラーに対して両側又は片側に突き出す幅を有し、長手方向の長さおよび幅が特定の条件式を満たすミラーを用いることも記載されている。
【0004】
下記特許文献3には、光源と、レンズおよびミラーを含み、光源からの光ビームを感光体に導く光学手段と、前記レンズ又はミラーに取り付けられ、前記レンズ又はミラーの固有振動数で共振することによって前記レンズ又はミラーの振動を抑制する動吸振器と、を備える光走査装置が記載されている。
また特許文献3には、前記光走査装置において、前記動吸振器が、板部材と複数の粘弾性体と重錘とを備え、前記板部材が前記複数の粘弾性体を介して前記レンズ又はミラーに取り付けられ、前記重錘が前記複数の粘弾性体の間に取り付けられていることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平01-142913号公報(請求の範囲、第1図)
【特許文献2】特許第5064818号公報(請求項5、図1,8,9,14)
【特許文献3】特開2013-41171号公報(請求項1、図2,4,10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、搬送される用紙を照明して得られる反射光をミラー板の反射面に反射させて用紙上の画像を読み取る画像読取装置において、ミラー板の反射面以外の一部の面の一部分に耐振性を付与する耐振部材が配置されていない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作に起因して発生する振動を受けることがあっても反射面の平面度の低下と迷光の発生を誘発させることなくミラー板が揺れることを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
画像を有する用紙を搬送する搬送部と、
長手方向の両端部が保持されるミラー板を有し、前記搬送部にて搬送される前記用紙を照明して得られる反射光を前記ミラー板の反射面に反射させて前記画像を読み取る読取部と、
を備え、
前記ミラー板は、前記反射面以外の一部の面の一部分に、耐振性を付与する耐振部材が前記反射面側にはみ出ない状態で配置されている画像読取装置である。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明の画像読取装置において、前記耐振部材が、前記ミラー板の長手方向の両側面に固定して配置する側面補強板で構成されている画像読取装置である。
【0009】
第3の発明は、上記第1の発明の画像読取装置において、前記耐振部材が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面の長手方向に間隔をあけた複数の個所に固定して配置する複数の裏面補強板で構成されている画像読取装置である。
【0010】
第4の発明は、上記第1の発明の画像読取装置において、前記耐振部材が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面の長手方向に間隔をあけた複数の個所を弾性的に押さえ続けるよう配置する複数の裏面押さえ部材で構成されている画像読取装置である。
【0011】
第5の発明は、上記第2の発明の画像読取装置において、前記側面補強板が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面側にはみ出している画像読取装置である。
【0012】
第6の発明は、上記第5の発明の画像読取装置において、前記側面補強板が、前記裏面側にはみ出している箇所に曲げ部を有している画像読取装置である。
【0013】
第7の発明は、上記第3の発明の画像読取装置において、前記複数の裏面補強板の前記ミラー板とは反対側の裏面を個々に弾性的に押さえ続ける複数の第一押さえ部材が設けられている画像読取装置である。
【0014】
第8の発明は、上記第3の発明の画像読取装置において、前記複数の裏面補強板の前記ミラー板とは反対側の裏面に連続して接触する板材と、前記板材の前記裏面補強板に接触する側とは反対側の裏面を弾性的に押さえ続ける単数又は複数の第二押さえ部材とが設けられている画像読取装置である。
【0015】
第9の発明は、上記第8の発明の画像読取装置において、前記第二押さえ部材が、前記板材の裏面のうち前記複数の裏面補強板どうしの中間の位置に相当する箇所を押さえ続けるように配置されている画像読取装置である。
【0016】
第10の発明は、上記第4の発明の画像読取装置において、前記複数の裏面押さえ部材の押さえ荷重の少なくとも一部を異ならせている画像読取装置である。
【発明の効果】
【0017】
上記第1の発明によれば、搬送される用紙を照明して得られる反射光をミラー板の反射面に反射させて用紙上の画像を読み取る画像読取装置において、ミラー板の反射面以外の一部の面の一部分に耐振性を付与する耐振部材が配置されていない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作に起因して発生する振動を受けることがあっても反射面の平面度の低下と迷光の発生を誘発させることなくミラー板が揺れることを低減することができる。
【0018】
上記第2の発明によれば、耐振部材がミラー板の長手方向の一方の側面に固定して配置する側面補強板で構成されている場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることを的確に低減することができる。
【0019】
上記第3の発明によれば、耐振部材がミラー板の裏面の長手方向に連続して固定して配置する1つの裏面補強板で構成されている場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても反射面の平面度の低下を誘発することなくミラー板が揺れることを簡易な構成で低減することができる。
【0020】
上記第4の発明によれば、耐振部材がミラー板の裏面の長手方向における一個所を弾性的に押さえ続けるよう配置する1つの裏面押さえ部材で構成されている場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることを抑制して低減することができる。
【0021】
上記第5の発明によれば、側面補強板がミラー板の裏面側にはみ出していない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることをより低減することができる。
上記第6の発明によれば、側面補強板が曲げ部を有していない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることをより低減することができる。
【0022】
上記第7の発明によれば、複数の裏面補強板に対して複数の第一押さえ部材が設けられていない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても迷光をミラー板が揺れることを抑制して低減することができる。
上記第8の発明によれば、複数の裏面補強板に対して板材と単数又は複数の第二押さえ部材とが設けられていない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることをより抑制して低減することができる。
上記第9の発明によれば、第二押さえ部材が板材の裏面のうち複数の裏面補強板どうしの中間の位置に相当する箇所以外の箇所を押さえ続けるよう配置されている場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることを偏りなく低減することができる。
【0023】
上記第10の発明によれば、複数の裏面押さえ部材の押さえ荷重がすべて同じである場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることを適切に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施の形態1に係る画像読取装置の概要図である。
図2図1の画像読取装置における読取部等を拡大した概要図である。
図3】(A)はミラー板の保持されている状態の概要図、(B)はミラー板を保持する構造の概要図、(C)はミラー板を取り付ける取付け板の概要図である。
図4】(A)は実施の形態1における耐振部材である側面補強板が配置されたミラー板の斜視図、(B)は(A)のミラー板の長手方向の側面図、(C)は(A)のミラー板のC-C線に沿う断面図である。
図5図4のミラー板の保持状態および揺れを示す説明図である。
図6】(A)は変形例1の側面補強板が配置されたミラー板の斜視図、(B)は(A)のミラー板のB-B線に沿う断面図である。
図7】(A)は変形例2の側面補強板が配置されたミラー板の斜視図、(B)は(A)のミラー板のB-B線に沿う断面図である。
図8】(A)は変形例3の側面補強板が配置されたミラー板の斜視図、(B)は(A)のミラー板のB-B線に沿う断面図である。
図9】(A)は変形例4の側面補強板が配置されたミラー板の斜視図、(B)は(A)のミラー板のB-B線に沿う断面図である。
図10】(A)は変形例5の側面補強板が配置されたミラー板の斜視図、(B)は(A)のミラー板のB-B線に沿う断面図である。
図11】(A)は実施の形態2に係る画像読取装置の読取部に耐振部材として裏面補強板を配置したミラー板の斜視図、(B)は(A)のミラー板のB-B線に沿う断面図、(C)は(A)のミラー板の短手方向の側面図である。
図12】(A)は複数の裏面補強板に第一押さえ部材を設けたミラー板の側面図、(B)は(A)のミラー板の別の側面図である。
図13】(A)は複数の裏面補強板に板材と第二押さえ部材を設けたミラー板の側面図、(B)は(A)のミラー板の別の側面図である。
図14】(A)は実施の形態3に係る画像読取装置の読取部に耐振部材として裏面押さえ部材を配置したミラー板の斜視図、(B)は(A)のミラー板の長手方向の側面図、(C)は(A)のミラー板のC-C線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0026】
実施の形態1.
図1には、本発明の実施の形態1に係る画像読取装置1の概要が示されている。図2には、画像読取装置1の一部である読取部等が拡大された状態で示されている。
本明細書および図面では実質的に同一の構成要素に対して同一の符号を付し、また本明細書ではその構成要素の重複説明を省略する。
【0027】
画像読取装置1は、搬送される用紙9上の画像を読み取る装置である。用紙9上の画像は、例えば、画像を用紙9に形成する画像形成装置にて形成される画像である。また、画像は、用紙9に定着される文字、記号、線、図、模様、色彩、写真等の情報である。用紙9は、画像読取装置1における搬送および読取の動作が可能な記録媒体であればよく、その種類等については特に限定されない。
また、画像読取装置1は、用紙9に形成される画像を検査するために用いる場合には、例えば、画像検査装置と称することも可能である。この場合、画像読取装置1は、画像形成装置に接続して使用されるか、あるいは、画像形成装置の内部に1つの機能部分として配置して使用される。
【0028】
画像読取装置1は、図1に示されるように、画像を有する用紙9を搬送する搬送部2と、搬送部2にて搬送される用紙9の少なくとも画像を読み取る読取部3を備えている。また、画像読取装置1は、より具体的には、図示しない給電部、搬送部2、読取部3、給電部等の動作について制御する図示しない制御部等も備えている。
図1における符号10は、骨組み部材、外装材等から構成される筐体である。筐体10の内部には、搬送部2、読取部3等の構成部分が収容される。また筐体10には、読み取り対象の画像を有する用紙9を搬入する搬入口10dと、読み取り後の用紙9を排出する排出口10eが設けられている。
【0029】
搬送部2は、筐体10の内部において、読み取り対象の画像を有する用紙9を、読取部3における読取位置を通過させるように搬送するよう構成された部分である。
搬送部2は、図1図2に示されるように、一対の搬送ロール21,22,23、搬送案内部材25等を用いて構成されている。
【0030】
一対の搬送ロール21は、図示しないモータ等の駆動装置の動力を得て所要の方向に回転駆動する駆動ロール21aと駆動ロール21aに接して従動回転する従動ロール21bとを組み合わせたものである。一対の搬送ロール21は、筐体10の搬入口10dから用紙9の搬送方向Tdの下流側に少し離れた位置に導入ロールとして配置されている。
一対の搬送ロール22は、駆動ロール22aと従動ロール22bとを組み合わせたものであり、読取部3における読取位置から搬送方向Tdの下流側付近に読み取り後の搬送ロールとして配置されている。一対の搬送ロール23は、駆動ロールと従動ロールとを組み合わせたものであり、筐体10の排出口10eから搬送方向Tdの上流側付近に排出ロールとして配置されている。
搬送案内部材25は、搬入された用紙9を読取部3における読取位置を通過させた後に排出するよう案内する部材である。搬送案内部材25は、搬送する用紙9の搬送空間を確保するよう上下に間隔をあけて向き合う状態で配置されている。
【0031】
また、実施の形態1における読取部3は、図1に示されるように、キャリブレーションユニット28と用紙端部検出センサ29A,29Bが配置されている。
【0032】
キャリブレーションユニット28は、用紙搬送面、読取部3の光学補正面、読取部3の後述する透明窓30aの清掃作用面等の機能面が配置された多角柱状の多面体で構成されたものである。
キャリブレーションユニット28は、その複数の機能面が、読取部3の読取位置(実際には透明窓30a)と所要の間隔をあけて向き合う位置に配置される。また、キャリブレーションユニット28は、その複数の機能面が、所要の時期に読取部3の透明窓30aと平行して向き合うよう回転軸28gを中心に回転移動して停止するか又は透明窓30aに接近して通過するよう回転移動するように構成されている。
用紙端部検出センサ29Aは、搬入される用紙9の先端9aの通過を検出する検出手段であり、筐体10の搬入口10dと一対の搬送ロール21の間に配置されている。用紙端部検出センサ29Aは、排出される用紙9の後端の通過を検出する検出手段であり、一対の搬送ロール23と筐体10の排出口10eの間に配置されている。
【0033】
読取部3は、図2に示されるように、筐体30、照明機器31、複数のミラー板(32,33,34)、結像用レンズ35、撮像装置36等の機器を用いて構成されている。
【0034】
筐体30は、後述する読取部を構成する部品等を格納して配置する構造体である。
実施の形態1における筐体30は、正面から見たときにLの文字を横倒したような外観形状からなる構造体として構成されている。筐体30は、外部から不要な光が侵入するのを防ぐよう形成されている。また、筐体30は、読取位置となる部位(最下面部)に光を透過させる透明窓30aが配置されている。
【0035】
照明機器31は、搬送部2にて搬送される用紙9の表面にその搬送方向Tdの上流側および下流側から所要の角度で光を照射して照らす機器である。
照明機器31は、例えばLED(Light-Emitting Diode)等の光源を用いて構成されている。また、照明機器31は、筐体30のうち用紙9の搬送路と向き合う位置に配置される透明窓30aを通過させて光を照射する。
読取部3では、透明窓30aと複数のミラー板の間に、透明窓30aから入る反射光の一部を特定して通過させる横長の第一スリット孔37aが設けられた第一遮光板37Aを配置している。
【0036】
複数のミラー板(32,33,34)は、照明機器31で照明したときに用紙9から得られる反射光を正反射させて所要の方向に導く反射板である。
また、複数のミラー板(32,33,34)は、ガラス等の材料を用いて一方向に延びる長方形の平板として形成される基材の片面に、例えばアルミニウム等の材料を蒸着して鏡面層を形成してなるものである。
【0037】
実施の形態1では、複数のミラー板(32,33,34)として、3つの第一ミラー板32,第二ミラー板33および第三ミラー板34を使用している。
また、第一ミラー板32は、2回の反射を行うミラー板として構成されている。第二ミラー板33および第三ミラー板34は1回の反射を行うミラー板として構成されている。
【0038】
このため、第一ミラー板32は、その幅(短手方向Sdの寸法)W1(図4参照)が、第二ミラー板33および第三ミラー板34の幅の2倍程度の広い幅になるよう形成されている。
【0039】
また、第一ミラー板32は、図2に示されるように、用紙9からの反射光(図2中の一点鎖線)を最初に受けてから第二ミラー板33に向けて反射させるとともに、第三ミラー板34からの反射光(図2中の一点鎖線)を受けてから結像用レンズ35等に向けて反射させるよう、筐体30内の所要の位置に反射面を所要の向きにむけて配置されている。
第二ミラー板33は、第一ミラー板32からの反射光を(図2中の一点鎖線)受けてから第三ミラー板34に向けて反射させるよう、筐体30内の所要の位置に反射面を所要の向きにむけて配置されている。
第三ミラー板34は、第二ミラー板33からの反射光(図2中の一点鎖線)を受けてから第一ミラー板32に向け反射させるよう、筐体30内の所要の位置に反射面を所要の向きにむけて配置されている。
【0040】
さらに、第一ミラー板32,第二ミラー板33および第三ミラー板34は、その長手方向Ldの両端部が保持されて筐体30内に取り付けられている。
このミラー板を保持する構造については後述する。
【0041】
結像用レンズ35は、第一ミラー板32からの光を光学的に縮小して結像するレンズである。結像用レンズ35は、筐体30のうち第一ミラー板32と撮像装置36の間の光路に合わせた位置に配置される。
実施の形態1では、第一ミラー板32と結像用レンズ35の間に、第一ミラー板32からの反射光の一部を特定して通過させる横長の第二スリット孔37bが設けられた第二遮光板37Bを配置している。
【0042】
撮像装置36は、結像用レンズ35により結像された光(光学画像)を電気信号に変換して撮像する装置である。撮像装置36は、イメージセンサ等の機器を用いて構成されている。
【0043】
ここで、ミラー板を保持する構造について第一ミラー板32を例にして説明する。
第一ミラー板32は、図3(A)に示されるように、その長手方向Ldの両端部が、筐体30に設けられる一対の取付け板38A,38Bに保持具39を介して保持される構造になっている。
【0044】
一対の取付け板38A,38Bは、筐体30のうち第一ミラー板32を配置すべき位置において、第一ミラー板32の両端部を所要の姿勢で保持するよう間隔をあけて向き合った状態で設けられている。
また、一対の取付け板38A,38Bは、図3(B),図3(C)に示されるように、第一ミラー板32の両端部を所定の姿勢(傾斜角)で保持する保持孔38dがそれぞれ設けられている。
【0045】
保持孔38dは、図3(C)に示されるように、保持部38eと係止部38fとからなる貫通孔である。保持部38eは、第一ミラー板32の両端部と保持具39の一部(後述する保持部38e)が斜め上方側に余裕をもって通過し得る程度の大きさからなる長方形状の孔主要部である。
係止部38fは、保持部38eの上辺の中央を含む一部から突出して保持具39の一部(後述する弾性押し部39b)が通過し得る程度の大きさからなる長方形状の窪み部である。
保持部38eは、その下辺が、少なくとも第一ミラー板32の両端部における反射面32aが押し付けられて位置決めされる位置決め辺38gとして形成されている。
【0046】
保持具39は、第一ミラー板32の両端部における反射面32aとは反対側の裏面32bの部分を、取付け板38A,38Bにおける保持孔39dの位置決め辺38gに押し付ける板ばね状の治具である。
【0047】
実施の形態1における保持具39は、図3(B)に示されるように、押付け部39aと、弾性押し部39bと、端部規制部39cとを有する形状で形成されている。
【0048】
押付け部39aは、第一ミラー板32の両端部における裏面32bの部分に接触して第一ミラー板32の両端部を、保持孔38dにおける保持部38eの位置決め辺38gに押し付ける部分である。
弾性押し部39bは、保持孔38dにおける係止部38fに係止させることで保持具39の取り付けを行うとともに、係止部38fへの係止時に弾性変形した状態になって押付け部39aを保持孔39dの位置決め辺38gにむけて弾性的に押す部分である。
端部規制部39cは、第一ミラー板32の両端部がその長手方向Ldに不用意に移動することを阻止して規制する部分である。
【0049】
弾性押し部39bは、押付け部39aの一端から折り返すように曲げて延びて、押付け部39aと併せてVの字の形状をなすとともに弾性変形し得るよう形成されている。また、弾性押し部39bの端部39beは、保持孔38dの係止部38fの上辺付近における取付け板38A,38Bの一部に接触して係止されるよう曲げられた曲げ端部として形成されている。
端部規制部39cは、押付け部39aの他端から弾性押し部39bとは反対側に曲げられて延びるよう形成されている。また、端部規制部39cの端部39ceは、保持孔38dの保持部38eの下辺付近における取付け板38A,38Bの一部に接触して係止されるよう曲げられた曲げ端部として形成されている。
【0050】
第一ミラー板32は、取付け板38A,38Bに対して、保持具39を用いて次のように取り付けられる。
【0051】
すなわち、第一ミラー板32は、最初に、図3(A)又は図3(B)に示されるように、その長手方向Ldの両端部が、取付け板38A,38Bにおける保持孔38dの保持部38eを取付け板38A,38Bの内側からそれぞれ通過した状態にされた後、反射面32aが位置決め辺38gに接触する状態におかれる。
続いて、保持具39について、その弾性押し部39bを押付け部39aに接近させるよう弾性変形させた状態にしたうえで、その状態にある押付け部39aと弾性押し部39bの一部を、取付け板38A,38Bにおける保持孔38dの保持部38eおよび係止部38fを取付け板38A,38Bの外側からそれぞれ通過させる。
最後に、保持具39の弾性押し部39bの端部39beが保持孔38dの係止部38fに達した段階で、弾性押し部39bの上記弾性変形させた状態を開放する。
【0052】
これにより、保持具39においては、弾性押し部39bが弾性変形から復元しようとして係止部38fの上辺に突き当たることで係止された状態になる一方で、その弾性押し部39bが残る弾性変形の復元力により押付け部39aを第一ミラー板32の両端部における裏面32bにむけて弾性的に押し付ける状態になる。
この結果、第一ミラー板32は、その両端部が保持孔38dに挿し入れられた状態になるとともに、その両端部が保持具39の押付け部39aにより弾性的に押されて反射面32aが保持孔38dにおける位置決め辺38gに押し付けられた状態に保たれる。
【0053】
以上の取り付け作業により、第一ミラー板32は、図3(A)に示されるように、その長手方向Ldの両端部が、保持具39を介して取付け板38A,38Bにおける保持孔38dに保持されて取り付けられる。
また、このときの第一ミラー板32は、図5に示されるように、その長手方向Ldの両端部の反射面32aが、保持具39の押付け部39aにより保持孔38dの位置決め辺38gに所要の圧力(図5中に示す矢印)で押し付けられた状態で保持される。
【0054】
(ミラー板に配置する耐振部材)
そして、画像読取装置1においては、複数のミラー板(32,33,34)のうち少なくとも第一ミラー板32について、その反射面32a以外の一部の面の一部分に、耐振性を付与する耐振部材4を反射面32a側にはみ出ない状態で配置している(図2図4参照)。
【0055】
第一ミラー板32の反射面32a以外の面とは、図4に示されるように、反射面32aとは反対側の裏面32bと、長手方向Ldに沿う左側面32eおよび右側面32fと、短手方向Sdに沿う前方側面32cおよび後方側面32dである。
【0056】
実施の形態1における第一ミラー板32は、図4に示されるように、耐振部材4が、第一ミラー板32の長手方向Ldに沿う両側面32e,32fに固定して配置する側面補強板5A,5Bで構成されている。
【0057】
ちなみに、第一ミラー板32は、図4に示されるように、所要の長さL1、幅W1および厚さDからなるミラー板である。例えば、幅W1は40mm程度、厚さDは5mm程度である。
また、第二ミラー板33と第三ミラー板34は、その長手方向の長さが第一ミラー板32の長さL1よりも短い長さであり、その厚さが第一ミラー板32の厚さDとほぼ同じ厚さである。
【0058】
側面補強板5A,5Bは、図4(B)に示されるように、第一ミラー板32の長手方向Ldの両端部32c,32dから第一ミラー板32を保持具39等で保持するために使用する部位を回避した内側の領域に連続して存在する長さL2(<L1)からなる細長い板状の部材である。
実施の形態1では、第一ミラー板32の両端部32c,32dから内側にそれぞれ所要の長さSeだけ入り込んだ端部領域を、第一ミラー板32を保持具39等で保持するために使用する部位を回避する領域として設定している。
【0059】
また、側面補強板5A,5Bは、図4(C)等に示されるように、第一ミラー板32の反射面32a側にはみ出すことなく両側面32e,32fに沿って上方に立ち上がる立上げ部51と、その立上げ部51の上端51aで内側に折れ曲がる曲げ部52とを有する形状になっている。つまり、側面補強板5A,5Bは、断面形状がLの字状である板になっている。
【0060】
実施の形態1における立上げ部51は、第一ミラー板32の両側面32e,32fにおける反射面32aの位置を下端51bとして第一ミラー板32の厚さDに相当する寸法で立ち上がり、しかも第一ミラー板32の裏面32bを超えて上方にはみ出すように立ち上がる部分になっている。
このため、立上げ部51は、第一ミラー板32の厚さDを超える所要の高さH1を有しており、第一ミラー板32の裏面32bから上方に突出長さEで突出している。突出長さEについては、例えば、第一ミラー板32の厚さDの2倍以上の寸法に設定される。
【0061】
実施の形態1における曲げ部52は、立上げ部51の上端51aから第一ミラー板32の裏面32bと向き合う内側に曲げられた部分になっている。曲げ部52は、立上げ部51の上端51aから所要の曲げ長さJになるよう曲げられているが、その曲げ長さJについては、例えば第一ミラー板32の幅W1の1/4以下の寸法に設定される。また、曲げ部52は、立上げ部51に対してほぼ直角の曲げ角度で曲げられているが、その曲げ角度については側面補強板5A,5Bの剛性(又は強度)を確保できれば特に限定されない。
【0062】
さらに、側面補強板5A,5Bの厚さは、例えば、側面補強板5A,5Bの剛性を確保すること、側面補強板5A,5Bの影響で第一ミラー板32が変形して反射面32aの平面度が低下しないこと等の観点から設定される。
側面補強板5A,5Bの重さについても、例えば、厚さの場合と同様の観点から設定される。
【0063】
このような側面補強板5A,5Bは、ステンレス、鉄、アルミニウム等の金属材料で製作される。ちなみに、側面補強板5A,5Bは、側面補強板5A,5Bの所要の剛性を確保できれば、他の材料で製作したものであってもよい。上記所要の剛性は、例えば、第一ミラー板32を補強するために要求されるレベルの剛性である。
また、側面補強板5A,5Bは、第一ミラー板32の両側面32e,32fに対して、両面粘着テープ、粘着剤等の粘着手段により貼り付けることにより固定される。
【0064】
そして、側面補強板5A,5Bが配置された第一ミラー板32は、図3(A)や図5に示されるように、取付け板38A,38Bの保持孔38dに保持具39によって保持される。
このとき、第一ミラー板32における側面補強板5A,5Bは、保持具39とは接触しない状態になる。
【0065】
(画像読取装置の動作)
画像読取装置1は、図示しない制御部が読み取り動作の指令を受けると、その制御部の制御動作により、搬送部2における一対の搬送ロール21,22,23が、用紙9を搬送方向Tdに搬送できる方向に回転する搬送動作が開始される。
【0066】
続いて、画像読取装置1では、図示しない画像形成装置等により画像が形成された用紙9が筐体10の搬入口10dを通して供給されると、その用紙9を一対の搬送ロール21と搬送案内部材25により読取部3にむけて搬送する。
【0067】
そして、画像読取装置1では、上記用紙9が読取部3の読取位置に到達して通過し始めると、用紙9の片面(上面)に形成されている画像が読取部3により読み取られる。
【0068】
このとき、読取部3では、照明機器31から用紙9に光が照射され、その用紙9からの反射光が第一遮光板37Aを通過した後に第一ミラー板32,第二ミラー板33,第三ミラー板34および第一ミラー板32との順に反射され、しかる後、第二遮光板37Bおよび結像用レンズ35を経由して撮像装置36に達する。第一ミラー板32では、反射光を2回反射する。最後に撮像装置36において到達した反射光が電気信号に変換される。
【0069】
撮像装置36で得られた電気信号は、画像読取装置1の制御部か又は画像読取装置1に接続して使用される図示しない画像形成装置等の併用装置に送信されて読取画像データとして生成される。その読取画像データは、例えば画像の検査処理に利用される。
【0070】
また、画像読取装置1では、読取部3による読み取りが終了した用紙9を、一対の搬送ロール22,23と搬送案内部材25により搬送して筐体10の排出口10eから排出する。
【0071】
ところで、画像読取装置1においては、この読み取り動作を行う際、筐体10内で用紙9の搬送動作等に起因して振動が発生し、その振動が読取部3に伝わって第一ミラー板32等の部品が揺れることがある。
【0072】
特に、読み取り動作においては、用紙9の先端9aが読取部3の読取位置を通過した後に最初に存在する一対の搬送ロール22に達して挟持される際、一対の搬送ロール22に衝突して衝撃的な振動が発生するが、その振動が第一ミラー板32等の部品を揺れやすくする。
第一ミラー板32の揺れは、図5に矢付き二点鎖線で例示するように、第一ミラー板32の長手方向Ldの両端部32c,32dが保持されている部位よりも内側の領域となる部位Nにおいて小さく上下動するように起こる。
【0073】
このように第一ミラー板32等の部品が振動した場合は、読取動作の精度が低下することがある。また第一ミラー板32のように2回の反射を行うミラー板が振動した場合は、読取動作の精度が低下しやすくなる。
【0074】
この点、画像読取装置1では、第一ミラー板32の長手方向Ldの両側面32e,32fに耐振部材4である側面補強板5A,5Bが反射面32a側にはみ出さない状態で固定して配置されている。このため、第一ミラー板32は、両側面32e,32fから補強されて耐振性が付与される。
したがって、画像読取装置1は、第一ミラー板32に側面補強板5A,5Bが配置されていない場合と比べると、上記用紙9の搬送動作等の動作に起因して発生する振動を受けることがあっても、反射面32aの平面度の低下と迷光の発生を誘発させることなく第一ミラー板32が揺れることが低減もしくは防止される。
【0075】
ここで、上記耐振性とは、揺れの発生原因になる振動が外部から与えられたときに耐えて揺れにくい状態に保たれる特性である。
上記反射面32aの平面度の低下とは、側面補強板5A,5Bを固定して配置することの影響を受けて平面度が低下することをいう。
上記迷光の発生とは、側面補強板5A,5Bが反射面32a側に突出している場合、その突出している部分に読み取り時における反射光の一部が当たって反射面32aによる反射光とは異なる方向の反射光が生じることである。
【0076】
また、画像読取装置1では、第一ミラー板32の長手方向Ldの両側面32e,32fに側面補強板5A,5Bを固定して配置している。このため、画像読取装置1は、第一ミラー板32の側面32e,32fの一方に側面補強板5A,5Bの一方だけを固定して配置している場合に比べると、第一ミラー板32が両側面32e,32fから補強されるので、第一ミラー板32が揺れることがより低減されるようになり、また反射面32aの平面度の低下を誘発することもない。
【0077】
さらに、画像読取装置1では、第一ミラー板32の裏面32b側に側面補強板5A,5Bがはみ出した状態で固定して配置されている。このため、画像読取装置1は、第一ミラー板32の裏面32b側に側面補強板5A,5Bがはみ出していない場合と比べると、第一ミラー板32が両側面32e,32fからより補強されるので、用紙9の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても、第一ミラー板32が揺れることがより低減される。
しかも、画像読取装置1では、側面補強板5A,5Bとして曲げ部52を有するものを適用している。このため、画像読取装置1は、側面補強板5A,5Bが曲げ部52を有していない場合と比べると、側面補強板5A,5Bによる補強が高められるので、用紙9の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても第一ミラー板32が揺れることがより低減される。
【0078】
(側面補強板の変形例)
第一ミラー板32の両側面32e,32fに配置する耐振部材4としては、側面補強板5A,5Bに代えて、図6から図10に例示する側面補強板を適用してもよい。
【0079】
図6に示される変形例1の側面補強板5C,5Dは、側面補強板5A,5B(図4参照)における曲げ部52を除いた立上げ部51のみからなる補強板である。
この側面補強板5C,5Dを適用した場合は、より簡易な構造の側面補強板5C,5Dにより第一ミラー板32を補強して耐振性を付与することができる。
【0080】
図7に示される変形例2の側面補強板5E,5Fは、変形例1の側面補強板5C,5Dにおける立上げ部51の下端51bに曲げ部53を有する補強板である。
曲げ部53は、立上げ部51の下端51bにおいて第一ミラー板32の両側面32e,32fからそれぞれ離れ得る方向(外側)に曲げられた部分になっている。曲げ部53は、立上げ部51の下端部から所要の曲げ長さKになるよう曲げられているが、その曲げ長さKについては上記曲げ部52における曲げ長さJと同じ寸法又はそれよりも短い寸法である。また曲げ部53は、立上げ部51に対してほぼ直角の曲げ角度で曲げられているが、その曲げ角度はこれに限定されない。
この側面補強板5E,5Fを適用した場合は、曲げ部53を有しない変形例1の側面補強板5C,5Dに比べると、側面補強板5E,5Fの剛性が高まるので、第一ミラー板32がより補強されて、より強い耐振性を第一ミラー板32に付与することができる。
曲げ部53については、立上げ部51の下端51bに形成される場合に限らず、立上げ部51のうち第一ミラー板32の両側面32e,32fと接触する範囲の下端51bを除く位置に形成されていてもよい。
【0081】
図8に示される変形例3の側面補強板5G,5Hは、側面補強板5A,5B(図4)における立上げ部51の高さH1を低い高さH2(<H1)して曲げ部52を第一ミラー板32の裏面32bに接触させるか又は貼り付けて固定する補強板である。
曲げ部52は、側面補強板5A,5Bにおける曲げ部52(図4参照)と同様のものである。
この側面補強板5G,5Hを適用した場合は、曲げ部52を第一ミラー板32の裏面32bに接触又は固定しない側面補強板に比べると、第一ミラー板32がより補強されるので、第一ミラー板32がより補強されて、より強い耐振性を第一ミラー板32に付与することができる。
【0082】
図9に示される変形例4の側面補強板5J,5Kは、側面補強板5A,5B(図4)における立上げ部51の下端51bに曲げ部53が追加された形状からなる補強板である。
曲げ部53は、変形例2における曲げ部53(図7参照)と同じものである。
この側面補強板5J,5Kを適用した場合は、曲げ部52,53を有しない側面補強板に比べると、側面補強板5J,5Kの剛性がより高められるので、第一ミラー板32がより補強されて、より強い耐振性を第一ミラー板32に付与することができる。
【0083】
図10に示される変形例5の側面補強板5Mは、側面補強板5A,5B(図4)における立上げ部51の上端51aどうしを連結する連結部54を有する形状からなる補強板である。
連結部54は、例えば補強板の基材を曲げ加工又は成形することで立上げ部51と同時に得られる部分である。連結部54は、第一ミラー板32の裏面32bと離した状態にしているが、これにより、第一ミラー板32の加工時に発生する部品公差のズレをその離した空間内で吸収する等のメリットがある。なお、連結部54は、第一ミラー板32の裏面32bに接触させるか又は固定するよう構成してもよい。
この側面補強板5Mを適用した場合は、立上げ部51をつなぐ連結部54を有しない側面補強板に比べると、側面補強板5Mの剛性が高められるので、第一ミラー板32をより補強して、より強い耐振性を第一ミラー板32に付与することができる。
【0084】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る画像読取装置1は、読取部3における第一ミラー板32に耐振部材4として複数の裏面補強板を配置した点で異なるが、それ以外については実施の形態1に係る画像読取装置1と同じ構成からなるものである。
【0085】
実施の形態2における耐振部材4は、図11に示されるように、第一ミラー板32の裏面32bの長手方向Ldに間隔Sをあけた複数の個所(本例では3箇所)に固定して配置する複数の裏面補強板6A,6B,6Cで構成されている。
【0086】
裏面補強板6A,6B,6Cは、長手方向Ldに沿う長さが長さLa,Lb,Lc、短手方向Sdに沿う幅が幅Wa、厚さが厚さd1からなる長方形状の板材である。長さLa,Lb,Lcは同じ寸法である。
裏面補強板6A,6B,6Cは、第一ミラー板32の固有振動数と異なる振動特性(固有振動数など)を有する板材であればよく、ゴムや、ウレタン樹脂等の合成樹脂や、金属等の材料からなる板材である。
【0087】
また、裏面補強板6A,6B,6Cは、第一ミラー板32の裏面32bにおける長手方向Ldの両端部から距離Seより内側の領域に、間隔S1,S2をあけて配置されている。実施の形態2では間隔S1,S2を同じ寸法にしているため、裏面補強板6A,6B,6Cは、第一ミラー板32の裏面32bの長手方向Ldにおいて両端部の保持位置を回避する距離Seの部位を除いて等間隔で配置されている。
【0088】
さらに、裏面補強板6A,6B,6Cは、第一ミラー板32の裏面32bの短手方向Sdにおいて長手方向Ldの両側面32e,32fから距離T1,T2をあけた位置に配置されている。実施の形態2では距離T1,T2を同じ寸法にしているため、裏面補強板6A,6B,6Cは、そのいずれも第一ミラー板32の裏面32bの短手方向Sdの中央位置に配置されている。
【0089】
裏面補強板6A,6B,6Cは、第一ミラー板32の裏面32bにおける所要の位置に、両面粘着テープ、粘着剤等の粘着手段により貼り付けることにより固定される。この場合、裏面補強板6A,6B,6Cは、第一ミラー板32の反射面32a側にはみ出さない状態になることは言うまでもない。
そして、この裏面補強板6A,6B,6Cを配置した第一ミラー板32は、その裏面32bから補強されて耐振性が付与される。
【0090】
したがって、裏面補強板6A,6B,6Cを配置した第一ミラー板32を適用する読取部3を備えた画像読取装置1においては、耐振部材4が第一ミラー板32の裏面32bの長手方向Ldに連続して固定する1つの裏面補強板で構成されている場合と比べると、用紙9の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても、迷光の発生の誘発はもとより特に反射面32aの平面度の低下を誘発することもなく、第一ミラー板32が揺れることが簡易な構成で低減される。
【0091】
(裏面補強板に関連する変形例)
読取部3における第一ミラー板32に裏面補強板6A,6B,6Cを配置する場合は、図12に示されるように、裏面補強板6A,6B,6Cの第一ミラー板32とは反対側の裏面を弾性的に押さえ続ける第一押さえ部材61A,61B,61Cを設けてもよい。
【0092】
第一押さえ部材61A,61B,61Cとしては、第一ミラー板32が揺れそうなときに当該揺れの発生を弾力的な押さえ荷重で押さえつけて抑制することが可能な部材であればよく、コイルばね、板ばね等の部材が適用される。
また、第一押さえ部材61A,61B,61Cは、その一端61eが筐体30の所要の部位に設けられる取付け部38Cに固定される一方で、その他端が自由端として裏面補強板6A,6B,6Cの裏面のほぼ中央位置に接触し続けるように配置される。
【0093】
そして、第一押さえ部材61A,61B,61Cは、図12に白抜け矢印で例示されるように、所要の押さえ荷重(弾性押圧力)fa,fb,fcで裏面補強板6A,6B,6Cを第一ミラー板32にむけて弾性的に押し続ける。
このとき押さえ荷重fa,fb,fcは、同じ押さえ荷重に設定されている。なお、押さえ荷重fa,fb,fcについては、例えば、第一ミラー板32の揺れ度合いの違い等の情報に対応させて、少なくとも1つを異なる押さえ荷重に設定してもよい。
【0094】
また、この第一押さえ部材61A,61B,61Cを追加して配置した第一ミラー板32は、その裏面32bから裏面補強板6A,6B,6Cの存在に加えて第一押さえ部材61A,61B,61Cの押さえによっても更に補強されて、より強い耐振性が付与されるようになる。
【0095】
したがって、第一押さえ部材61A,61B,61Cを追加した裏面補強板6A,6B,6Cを配置した第一ミラー板32を適用する読取部3を備えた画像読取装置1においては、裏面補強板6A,6B,6Cに第一押さえ部材61A,61B,61Cが設けられていない場合と比べると、用紙9の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても、反射面32aの平面度の低下と迷光の発生を誘発することなく第一ミラー板32が揺れることが抑制されて低減される。
【0096】
また、読取部3における第一ミラー板32に裏面補強板6A,6B,6Cを配置する場合は、図13に示されるように、裏面補強板6A,6B,6Cの裏面に連続して接触する板材62と、板材62の裏面補強板6A,6B,6Cに接触する側とは反対側の裏面62bを弾性的に押さえ続ける第二押さえ部材64A,64Bとを設けてもよい。
【0097】
板材62は、裏面補強板6A,6B,6Cの各裏面の全面に同時に接触し得る大きさおよび形状からなる単数の板材が適用される。板材62は、撓みにくい剛性の高いものが好ましく、硬質な成形板が得られる合成樹脂や、金属、複合材等の材料で板状に製作されるものである。
板材62は、第二押さえ部材64A,64Bによって押さえ付けられるので裏面補強板6A,6B,6Cの各裏面に単に接触させて置くだけでもよいが、裏面補強板6A,6B,6Cの各裏面に軽く接着させて配置してもよい。
【0098】
第二押さえ部材64A,64Bとしては、第一押さえ部材61A,61B,61Cと同様に、コイルばね、板ばね等の部材が適用される。
また、第二押さえ部材64A,64Bは、その一端64eが筐体30の所要の部位に設けられる取付け部38Cに固定される一方で、その他端が自由端として板材62の裏面の所要の部分に接触し続けるように配置される。
この際、第二押さえ部材64A,64Bは、図12(A)に示されるように、裏面補強板6A,6B,6Cどうしの中間の位置(中央位置)で接触するように配置されることが好ましい。
【0099】
そして、この第一ミラー板32においては、第二押さえ部材64A,64Bが、図13に太い白の矢印で例示されるように所要の押さえ荷重fd,feで板材62を押さえ続けることで、板材62が共通する押さえ荷重fgでもって裏面補強板6A,6B,6Cを第一ミラー板32にむけて弾性的に押し続ける。
このとき第二押さえ部材64A,64Bの押さえ荷重(弾性力)fd,feは、同じ押さえ荷重に設定されている。
【0100】
また、裏面補強板6A,6B,6Cに第二押さえ部材64A,64Bと板材62を追加して配置した第一ミラー板32は、その裏面32bから裏面補強板6A,6B,6Cの存在に加えて第二押さえ部材64A,64Bの押さえによっても更に補強されて、より強い耐振性が付与されるようになる。特に第二押さえ部材64A,64Bの押さえ荷重fd,feが板材62を介して裏面補強板6A,6B,6Cに共通した押さえ荷重fgとして付与されるので、第一ミラー板32は、ほぼ均等に押さえられて偏りがなく補強された状態で耐振性が付与される。
【0101】
したがって、板材62と第二押さえ部材64A,64Bを追加した裏面補強板6A,6B,6Cを配置した第一ミラー板32を適用する読取部3を備えた画像読取装置1においては、裏面補強板6A,6B,6Cに板材62と第二押さえ部材64A,64Bが設けられていない場合と比べると、用紙9の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても、反射面32aの平面度の低下と迷光の発生を誘発することなく第一ミラー板32が揺れることがより抑制されて低減される。
【0102】
また、この画像読取装置1では、図13(A)に示されるように、第一ミラー板32における第二押さえ部材64A,64Bが板材62のうち裏面補強板6A,6B,6Cどうしの中間の位置P1,P2に相当する箇所を押さえ続けるように配置されている。このため、第二押さえ部材64A,64Bの押さえ荷重fd,feが板材62を介して共通した押さえ荷重fgとして裏面補強板6A,6B,6Cに均等に加えられる。
この結果、画像読取装置1では、第二押さえ部材64A,64Bが上記中間の位置P1,P2以外の箇所を押さえ続けるよう配置されている場合と比べると、用紙9の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても第一ミラー板32が揺れることが偏りなく低減される。
【0103】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る画像読取装置1は、読取部3における第一ミラー板32に耐振部材4として複数の裏面押さえ部材を配置した点で異なるが、それ以外については実施の形態1に係る画像読取装置1と同じ構成からなるものである。
【0104】
実施の形態3における耐振部材4は、図14に示されるように、第一ミラー板32の裏面32bの長手方向Ldに間隔Sをあけた複数の個所(本例では3箇所)に弾性的に接触して押さえる裏面押さえ部材7A,7B,7Cで構成されている。
【0105】
裏面押さえ部材7A,7B,7Cは、長手方向Ldに沿う長さ(幅)が長さLf,Lg,Lh、短手方向Sdに沿う長さが所要の長さ、厚さが所要の厚さからなる長方形状の板材である。裏面押さえ部材7A,7B,7Cにおける長さLf,Lg,Lh、短手方向Sdに沿う長さおよび厚さは、そのいずれも互いに同じ寸法である。
裏面押さえ部材7A,7B,7Cは、第一ミラー板32が揺れそうなときに当該揺れの発生を弾力的な押さえ荷重で押さえつけて抑制することが可能な部材であればよく、例えば、板ばねとなる板金等の部材が適用される。
【0106】
また、裏面押さえ部材7A,7B,7Cは、図14(C)等に示されるように、その一端71eが筐体30の所要の部位に設けられる取付け部38Dに固定される一方で、その他端が自由端として第一ミラー板32の裏面32bの所要の箇所に接触し続けるように配置される。
【0107】
さらに、裏面押さえ部材7A,7B,7Cは、第一ミラー板32の裏面32bにおける長手方向Ldの両端部から距離Seより内側の領域に、間隔S5,S6をあけて配置されている。実施の形態3では間隔S5,S6を同じ寸法にしているため、裏面押さえ部材7A,7B,7Cは、第一ミラー板32の裏面32bの長手方向Ldにおいて両端部の保持位置を回避する距離Seの部位を除いて等間隔で配置されている。
しかも、裏面押さえ部材7A,7B,7Cは、第一ミラー板32の裏面32bの短手方向Sdにおいて両側面32e,32fから距離T3,T4をあけた位置に配置されている。実施の形態3では距離T3,T4を同じ寸法にしているため、裏面押さえ部材7A,7B,7Cは、そのいずれも第一ミラー板32の裏面32bの短手方向Sdの中央位置で接触するよう配置されている。
【0108】
そして、裏面押さえ部材7A,7B,7Cは、図14に白の太い矢印で例示されるように、所要の押さえ荷重fh,fi,fkで第一ミラー板32の裏面32bを弾性的に押し続ける。
このとき押さえ荷重fh,fi,fkは、同じ押さえ荷重に設定されている。なお、押さえ荷重fh,fi,fkについては、例えば、第一ミラー板32の揺れ度合いの違い等の情報に対応させて、少なくとも1つを異なる弾性力に設定してもよい。
【0109】
また、この裏面押さえ部材7A,7B,7Cを配置した第一ミラー板32は、その裏面32bから裏面押さえ部材7A,7B,7Cの弾性的な押さえにより、第一ミラー板32が揺れそうなときに当該揺れが押さえられて抑制され、もって耐振性が付与されるようになる。
【0110】
したがって、裏面押さえ部材7A,7B,7Cを配置した第一ミラー板32を適用する読取部3を備えた画像読取装置1においては、耐振部材4が第一ミラー板32の裏面32bの長手方向Ldにおける一個所を弾性的に押さえ続けるよう配置する1つの裏面押さえ部材で構成されている場合と比べると、用紙9の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても第一ミラー板32が揺れることが抑制されて低減される。
また、この画像読取装置1は、裏面押さえ部材7A,7B,7Cの押さえ荷重fh,fi,fkの少なくとも1つを異ならせる場合には、裏面押さえ部材7A,7B,7Cの押さえ荷重fh,fi,fkがすべて同じである場合と比べると、用紙9の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても第一ミラー板32が揺れることが適切に低減される。
【0111】
変形例.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態1~3として例示した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲等に記載された本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変形や実施が可能である。このため、本発明は、例えば、以下に例示する変形例も含むものである。
【0112】
実施の形態2では、3つの裏面補強板6A,6B,6Cを配置する場合を例示したが、裏面補強板は2つ配置しても又は4つ以上配置しても構わない。
第一押さえ部材61A,61B,61Cについても、裏面補強板の数に対応させた数の第一押さえ部材を設ければよい。
第二押さえ部材64A,64Bについても、裏面補強板の数に対応させた数の第二押さえ部材を設ければよい。また、第二押さえ部材64は、板材62を設けかつ裏面補強板6を2つ設ける場合には、1つ(単数)とすることが可能である。
【0113】
実施の形態3では、3つの裏面押さえ部材7A,7B,7Cを配置する場合を例示したが、裏面押さえ部材は2つ配置しても又は4つ以上配置しても構わない。
【0114】
実施の形態1~3では、耐振部材4を第一ミラー板32に配置する場合を例示したが、耐振部材4は第一ミラー板32以外の第二ミラー板33や第三ミラー板34にも配置してもよい。第一ミラー板32については、1回反射するミラー板としてもよい。
【0115】
搬送部2については、他の方式の搬送装置(例えば吸引式ベルト搬送装置)と組み合わせて構成してもよい。
読取部3については、3つのミラー板(32,33,34)を有する場合を例示したが、読取部3は1つのミラー板を有する読取部でも、あるいは他の複数のミラー板を有する読取部であってもよい。
【0116】
画像読取装置1は、読取部3として、搬送される用紙9の片面(上面)の画像を読み取る第一読取部に加えて、搬送される用紙9の他面(下面)の画像を読み取る第二読取部を設けたものであってもよい。
【0117】
(付記)
(((1)))
画像を有する用紙を搬送する搬送部と、
長手方向の両端部が保持されるミラー板を有し、前記搬送部にて搬送される前記用紙を照明して得られる反射光を前記ミラー板の反射面に反射させて前記画像を読み取る読取部と、
を備え、
前記ミラー板は、前記反射面以外の一部の面の一部分に、耐振性を付与する耐振部材が前記反射面側にはみ出ない状態で配置されている画像読取装置。
(((2)))
前記耐振部材が、前記ミラー板の長手方向の両側面に固定して配置する側面補強板で構成されている(((1)))に記載の画像読取装置。
(((3)))
前記耐振部材が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面の長手方向に間隔をあけた複数の個所に固定して配置する複数の裏面補強板で構成されている(((1)))に記載の画像読取装置。
(((4)))
前記耐振部材が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面の長手方向に間隔をあけた複数の個所を弾性的に押さえ続けるよう配置する複数の裏面押さえ部材で構成されている (((1)))に記載の画像読取装置。
(((5)))
前記側面補強板が、前記ミラー板の前記反射面とは反対側の裏面側にはみ出している(((2)))に記載の画像読取装置。
(((6)))
前記側面補強板が、前記裏面側にはみ出している箇所に曲げ部を有している(((2)))又は(((5)))に記載の画像読取装置。
(((7)))
前記複数の裏面補強板の前記ミラー板とは反対側の裏面を個々に弾性的に押さえ続ける複数の第一押さえ部材が設けられている (((3)))に記載の画像読取装置。
(((8)))
前記複数の裏面補強板の前記ミラー板とは反対側の裏面に連続して接触する板材と、前記板材の前記裏面補強板に接触する側とは反対側の裏面を弾性的に押さえ続ける単数又は複数の第二押さえ部材とが設けられている (((3)))に記載の画像読取装置。
(((9)))
前記第二押さえ部材が、前記板材の裏面のうち前記複数の裏面補強板どうしの中間の位置に相当する箇所を押さえ続けるように配置されている(((8)))に記載の画像読取装置。
(((10)))
前記複数の裏面押さえ部材の押さえ荷重の少なくとも一部を異ならせている (((4)))に記載の画像読取装置。
【0118】
(((1)))に係る画像読取装置によれば、搬送される用紙を照明して得られる反射光をミラー板の反射面に反射させて用紙上の画像を読み取る画像読取装置において、ミラー板の反射面以外の一部の面の一部分に耐振性を付与する耐振部材が配置されていない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作に起因して発生する振動を受けることがあっても反射面の平面度の低下と迷光の発生を誘発させることなくミラー板が揺れることを低減することができる。
(((2)))に係る画像読取装置によれば、耐振部材がミラー板の長手方向の一方の側面に固定して配置する側面補強板で構成されている場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることを的確に低減することができる。
(((3)))に係る画像読取装置によれば、耐振部材がミラー板の裏面の長手方向に連続して固定して配置する1つの裏面補強板で構成されている場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても反射面の平面度の低下を誘発することなくミラー板が揺れることを簡易な構成で低減することができる。
(((4)))に係る画像読取装置によれば、耐振部材がミラー板の裏面の長手方向における一個所を弾性的に押さえ続けるよう配置する1つの裏面押さえ部材で構成されている場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることを抑制して低減することができる。
(((5)))に係る画像読取装置によれば、側面補強板がミラー板の裏面側にはみ出していない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることをより低減することができる。
(((6)))に係る画像読取装置によれば、側面補強板が曲げ部を有していない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることをより低減することができる。
(((7)))に係る画像読取装置によれば、複数の裏面補強板に対して複数の第一押さえ部材が設けられていない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあっても迷光をミラー板が揺れることを抑制して低減することができる。
(((8)))に係る画像読取装置によれば、複数の裏面補強板に対して板材と単数又は複数の第二押さえ部材とが設けられていない場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることをより抑制して低減することができる。
(((9)))に係る画像読取装置によれば、第二押さえ部材が板材の裏面のうち複数の裏面補強板どうしの中間の位置に相当する箇所以外の箇所を押さえ続けるよう配置されている場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることを偏りなく低減することができる。
(((10)))に係る画像読取装置によれば、複数の裏面押さえ部材の押さえ荷重がすべて同じである場合と比較して、用紙の搬送動作等の動作で発生する振動を受けることがあってもミラー板が揺れることを適切に低減することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 …画像読取装置
2 …搬送部
3 …読取部
32…第一ミラー板(耐振部材が配置されるミラー板の一例)
32a…反射面
32b…裏面
32c,32d…長手方向の両側面
4 …耐振部材
6A,6B,6C…裏面補強板(複数の裏面補強板の一例)
7A,7B,7C…裏面押さえ部材(複数の裏面押さえ部材の一例)
61A,61B,61C…第一押さえ部材(複数の第一押さえ部材の一例)
62…板材
64A,64B…第二押さえ部材(複数の第二押さえ部材の一例)
9 …用紙
21,22…一対の中程搬送ロール
Ld…長手方向
S1,S2,S5,S6…長手方向の間隔
P1,P2…中間の位置
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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