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特開2024-75421画像検査装置及びこれを用いた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075421
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】画像検査装置及びこれを用いた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240527BHJP
   B41J 29/377 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
G03G21/00 530
B41J29/377 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186878
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】白井 雅憲
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 優
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061CN01
2C061CN08
2C061CN13
2H270LA19
2H270LA22
2H270LD03
2H270SA09
2H270SB13
2H270SB15
2H270SB16
2H270SC21
(57)【要約】
【課題】一つの送風手段を用いて照明手段の全域を略均一に冷却し、かつ、照明手段、読取手段に紙粉等の異物が付着する事態を抑制する。
【解決手段】媒体Sの搬送経路に対向して媒体Sの搬送方向に交差する幅方向に沿って設けられ、媒体Sの表面に形成された画像Gに光を照射する照明手段2と、画像Gからの反射光を画像検査情報として読み取る読取手段3と、照明手段2の媒体のSの幅方向に沿う全域を冷却する冷却手段4と、を備え、冷却手段4は、媒体Sの幅方向の一方側に設けられ、外気を吸い込んで送風する一つの送風手段5と、送風手段5から送風されたエアを媒体Sの幅方向に沿う方向の流路に案内する第1の案内手段6と、照明手段2が設置された空間部に対し、第1の案内手段6にて案内されたエアを媒体Sの搬送方向に沿う方向に案内し、かつ、照明手段2の媒体Sの幅方向に沿う全域で風量が均一になるように配分する第2の案内手段7と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の搬送経路に対向して前記媒体の搬送方向に交差する幅方向に沿って設けられ、前記媒体の表面に形成された画像に光を照射する照明手段と、
前記画像からの反射光を画像検査情報として読み取る読取手段と、
前記照明手段の前記媒体の幅方向に沿う全域を冷却する冷却手段と、
を備え、
前記冷却手段は、前記媒体の幅方向の一方側に設けられ、外気を吸い込んで送風する一つの送風手段と、
前記媒体の幅方向に沿って設けられ、前記送風手段から送風されたエアを前記媒体の幅方向に沿う方向の流路に案内する第1の案内手段と、
前記照明手段が設置された空間部に対し、前記第1の案内手段にて案内されたエアを前記媒体の搬送方向に沿う方向に案内し、かつ、前記照明手段の前記媒体の幅方向に沿う全域で風量が均一になるように配分する第2の案内手段と、
を備えたことを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像検査装置において、
前記送風手段は、前記画像検査装置の手前側とは反対の後方側に設けられていることを特徴とする画像検査装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像検査装置において、
前記照明手段及び前記読取手段は、前記媒体の搬送経路の下方に配置されていることを特徴とする画像検査装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像検査装置において、
前記第2の案内手段は、エアの風向が前記媒体の搬送方向と同じ方向であることを特徴とする画像検査装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像検査装置において、
前記第1の案内手段は、前記送風手段から離れた側が前記送風手段に近い側に比べてエアの風速が早くなる構成を有していることを特徴とする画像検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像検査装置において、
前記第2の案内手段は、前記第1の案内手段の流路方向のうち前記送風手段から離れた側が前記送風手段に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有することを特徴とする画像検査装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像検査装置において、
前記第2の案内手段は、前記照明手段が設置された空間部を仕切る入口側仕切り部材及び出口側仕切り部材に複数の通気孔を形成し、前記入口側仕切り部材の通気孔は前記第1の案内手段の流路方向に対し同じ通気面積を有し、前記出口側仕切り部材の通気孔は、前記第1の案内手段の流路方向に対し前記送風手段から離れた側が前記送風手段に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有することを特徴とする画像検査装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像検査装置において、
前記第1の案内手段は、前記送風手段から送風されたエアの風速を均一にする断面構成を有し、前記第2の案内手段は、前記第1の案内手段の流路方向に対し同じ通気面積を有することを特徴とする画像検査装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の画像検査装置と、
前記画像検査装置よりも媒体の搬送方向上流側に設けられ、前記媒体の表面に画像を形成する作像装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置においては、発熱対象物を外気によって冷却する技術として例えば特許文献1,2が既に知られている。
特許文献1には、光学系部材を内蔵する装置フレーム内の発熱エアを排気するための第一開口部と、信号処理基板を内蔵し装置フレームとの間が隔絶された基板フレーム内の廃熱エアを排気するため第二開口部と、第一開口部および第二開口部の双方から略同時に発熱エアを吸い出す一つの排気ファンとを備えた画像読取装置が開示されている。
特許文献2には、装置本体内のエアーを装置本体外へ排出するファン又は装置本体外のエアーを装置本体内に導入するファンの少なくとも一方を備える画像形成装置において、ファンに連なるクリーナ冷却ダクトに複数の開口部を形成するとともに、該ダクトの断面積が導入口から奥側に向かって狭くなるようにすることで、該ダクトの導入口から奥側に沿う全域に亘って風速を略均一にする画像形成装置が開示されている。
また、特許文献3には、画像形成装置において、画像形成後に媒体の表面に形成された画像を読み取って画像欠陥を検査する画像検査装置を組み込んだ態様が既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-217974号公報(発明の実施の形態,図1
【特許文献2】特開2002-014597号公報(発明の実施の形態,図8
【特許文献3】特開2016-009933号公報(発明を実施するための形態,図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、一つの送風手段を用いて照明手段の全域を略均一に冷却し、かつ、照明手段、読取手段に紙粉等の異物が付着する事態を抑制する画像検査装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の技術的特徴は、媒体の搬送経路に対向して前記媒体の搬送方向に交差する幅方向に沿って設けられ、前記媒体の表面に形成された画像に光を照射する照明手段と、前記画像からの反射光を画像検査情報として読み取る読取手段と、前記照明手段の前記媒体の幅方向に沿う全域を冷却する冷却手段と、を備え、前記冷却手段は、前記媒体の幅方向の一方側に設けられ、外気を吸い込んで送風する一つの送風手段と、前記媒体の幅方向に沿って設けられ、前記送風手段から送風されたエアを前記媒体の幅方向に沿う方向の流路に案内する第1の案内手段と、前記照明手段が設置された空間部に対し、前記第1の案内手段にて案内されたエアを前記媒体の搬送方向に沿う方向に案内し、かつ、前記照明手段の前記媒体の幅方向に沿う全域で風量が均一になるように配分する第2の案内手段と、を備えたことを特徴とする画像検査装置である。
【0006】
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた画像検査装置において、前記送風手段は、前記画像検査装置の手前側とは反対の後方側に設けられていることを特徴とする画像検査装置である。
本発明の第3の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた画像検査装置において、前記照明手段及び前記読取手段は、前記媒体の搬送経路の下方に配置されていることを特徴とする画像検査装置である。
本発明の第4の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた画像検査装置において、前記第2の案内手段は、エアの風向が前記媒体の搬送方向と同じ方向であることを特徴とする画像検査装置である。
本発明の第5の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた画像検査装置において、前記第1の案内手段は、前記送風手段から離れた側が前記送風手段に近い側に比べてエアの風速が早くなる構成を有していることを特徴とする画像検査装置である。
本発明の第6の技術的特徴は、第5の技術的特徴を備えた画像検査装置において、前記第2の案内手段は、前記第1の案内手段の流路方向のうち前記送風手段から離れた側が前記送風手段に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有することを特徴とする画像検査装置である。
本発明の第7の技術的特徴は、第6の技術的特徴を備えた画像検査装置において、前記第2の案内手段は、前記照明手段が設置された空間部を仕切る入口側仕切り部材及び出口側仕切り部材に複数の通気孔を形成し、前記入口側仕切り部材の通気孔は前記第1の案内手段の流路方向に対し同じ通気面積を有し、前記出口側仕切り部材の通気孔は、前記第1の案内手段の流路方向に対し前記送風手段から離れた側が前記送風手段に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有することを特徴とする画像検査装置である。
本発明の第8の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた画像検査装置において、前記第1の案内手段は、前記送風手段から送風されたエアの風速を均一にする断面構成を有し、前記第2の案内手段は、前記第1の案内手段の流路方向に対し同じ通気面積を有することを特徴とする画像検査装置である。
【0007】
本発明の第9の技術的特徴は、第1乃至第8の技術的特徴のいずれかを備えた画像検査装置と、前記画像検査装置よりも媒体の搬送方向上流側に設けられ、前記媒体の表面に画像を形成する作像装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の技術的特徴によれば、一つの送風手段を用いて画像検査装置の照明手段の全域を略均一に冷却し、かつ、画像検査装置の照明手段、読取手段に紙粉等の異物が付着する事態を抑制することができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、画像検査装置の手前側に送風手段を設ける場合に比べて、検査箇所における媒体の詰まり処理を画像検査装置の手前側で容易に行うことができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、紙粉等の異物が付着し易いレイアウトの画像検査装置に対して特に有用である。
本発明の第4の技術的特徴によれば、エアの風向が媒体の搬送方向と逆方向である場合に比べて、検査箇所に浮遊する紙粉等の異物をより少なく抑制することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、一つの送風手段を用いて第1の案内手段にエアを送風する場合の風速分布を踏まえ、画像検査装置を簡単に構築することができる。
本発明の第6の技術的特徴によれば、第2の案内手段の通気構造を工夫することで、照明手段の幅方向全域で風量が均一になるように配分することができる。
本発明の第7の技術的特徴によれば、第2の案内手段の通気構造を容易に構築することができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、第1の案内手段の通気構造を工夫することで、第2の案内手段の通気構造をより簡略化することができる。
本発明の第9の技術的特徴によれば、一つの送風手段を用いて照明手段の全域を略均一に冷却し、かつ、照明手段、読取手段に紙粉等の異物が付着する事態を抑制することが可能な画像検査装置を含む画像形成装置を容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は本発明が適用された画像検査装置を組み込んだ画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。
図2】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
図3図2に示す画像形成装置の画像検査装置周りの構成例を示す説明図である。
図4】実施の形態1に係る画像検査装置の要部を示す一部破断説明図である。
図5】(a)は画像検査装置を搭載したフィニッシャを背面側から見た矢視図、(b)は外気導入部からフィルタ部品付き蓋を取り外した状態のフィニッシャを背面側から見た矢視図である。
図6】実施の形態1に係る画像検査装置の第1の検査ユニットに対する冷却機構の構成を模式的に示す説明図である。
図7】(a)は実施の形態1に係る照明用ケース部の入口側仕切りプレートの通気構造例を示す説明図、(b)は実施の形態1に係る照明用ケース部の出口側仕切りプレートの通気構造例を示す説明図、(c)は実施の形態1に係る第1の案内ダクト、第2の案内ダクト内の冷却エアの風速分布を示す説明図である。
図8】(a)は比較の形態1に係る画像検査装置の第1の検査ユニットに対する冷却機構の構成を模式的に示す説明図、(b)は比較の形態1に係る照明用ケース部内の冷却エアの風速分布を示す説明図である。
図9】実施の形態2に係る画像検査装置の第1の検査ユニットに対する冷却機構の構成を模式的に示す説明図である。
図10】(a)は実施の形態2に係る照明用ケース部の入口側仕切りプレートの通気構造例を示す説明図、(b)は実施の形態2に係る照明用ケース部の出口側仕切りプレートの通気構造例を示す説明図、(c)は実施の形態2に係る第1の案内ダクト、第2の案内ダクト内の冷却エアの風速分布を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1(a)(b)は本発明が適用された画像検査装置を含む画像形成装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、画像形成装置は、図1(a)に示すように、媒体Sの表面に形成された画像を読み取って画像欠陥を検査する画像検査装置1と、画像検査装置1よりも媒体Sの搬送方向上流側に設けられ、媒体Sの表面に画像を形成する作像装置11と、を備えたものである。
本例において、画像検査装置1は、媒体Sの搬送経路に対向して媒体Sの搬送方向に交差する幅方向に沿って設けられ、媒体Sの表面に形成された画像Gに光を照射する照明手段2と、画像Gからの反射光を画像検査情報として読み取る読取手段3と、照明手段2の媒体Sの幅方向に沿う全域を冷却する冷却手段4と、を備え、冷却手段4は、媒体Sの幅方向の一方側に設けられ、外気を吸い込んで送風する一つの送風手段5と、媒体Sの幅方向に沿って設けられ、送風手段5から送風されたエアを媒体Sの幅方向に沿う方向の流路に案内する第1の案内手段6と、照明手段2が設置された空間部に対し、第1の案内手段6にて案内されたエアを媒体Sの搬送方向に沿う方向に案内し、かつ、照明手段2の媒体Sの幅方向に沿う全域で風量が均一になるように配分する第2の案内手段7と、を備えたものである。
【0011】
このような技術的手段において、画像検査装置1は媒体Sの表面に形成された画像Gを検査するものであればよく、単独で用いるようにしてもよいし、図1(a)に示すように、作像装置11と共に画像形成装置の一要素として用いるようにしてもよい。また、画像検査装置1は、媒体Sの片面を画像形成面とする場合であれば一つ設ければよく、媒体Sの両面を画像形成面とする場合には、例えば媒体Sを反転させることで媒体Sの両面に形成された画像Gを片面ずつ検査するようにしてもよいし、媒体Sの両面に対向して二つ設けて媒体Sの両面に形成された画像Gを別々に検査するようにしてもよい。
また、媒体Sの搬送姿勢は略平姿勢でもよいし、略鉛直姿勢でもよい。
【0012】
また、照明手段2としては、媒体Sの搬送方向に交差する幅方向に沿って設けられ、媒体Sの表面に形成された画像Gに光を均一照射する照明要素を含むものが好ましい。ここで、照明要素としては、蛍光ランプ、キセノンランプやLEDアレイ等適宜選定して差し支えない。また、照明要素の数については一つに限られず、照明箇所を挟んで対称的に一対配置し、照明箇所の照度をより均一にするようにしてもよい。
また、読取手段3としては、画像Gからの反射光を読み取る読取要素を備えていればよいが、反射光を読取要素に導く結像要素や反射要素等の光学系も含む。
【0013】
更に、読取手段3による読取性能を担保するには、照明手段2の媒体Sの幅方向に沿う全域を均一に冷却し、照明手段2からの照射光量を均一に保つことが必要である。このため、本例では、照明手段2の媒体Sの幅方向に沿う全域を冷却する冷却手段4が設けられる。
本例では、冷却手段4は、一つの送風手段5、第1の案内手段6及び第2の案内手段7を備えたものであればよい。
ここで、送風手段5は、媒体Sの幅方向の一方側に設けられ、外気を吸い込んで送風するものであればファン、ブロア等適宜選定して差し支えない。送風手段5の設置場所は媒体Sの幅方向の一方側であるため、媒体Sの搬送方向が画像検査装置を手前側から見て左右方向又は上下方向であるとすれば、画像検査装置1の手前側又は後方側である。このとき、送風手段5で外気を吸い込む場合にフィルタ手段10を介して吸い込み、清浄な冷却エアを使用することが好ましい。
また、第1の案内手段6は、送風手段5から送風されたエアを照明手段2が設置された空間部ではなく、媒体Sの幅方向に沿う方向をエア流路として案内するものであればよい。
【0014】
また、第2の案内手段7は、第1の案内手段6で案内されたエアを用い、媒体Sの搬送方向に沿う方向をエア流路とし、照明手段2の媒体Sの幅方向に沿う全域を冷却するものであればよい。ここでいう「媒体Sの搬送方向に沿う方向」とは、エアの風向が媒体Sの搬送方向と同じ方向のみならず、逆方向も含む。
このとき、媒体Sの幅方向に沿う方向をエア流路とした場合、照明手段2の媒体Sの幅方向に沿う長手方向の一端側に紙粉等の異物が堆積しやすい懸念がある。
この点、第2の案内手段7によれば、照明手段2周りに紙粉等の異物が存在しても、媒体Sの搬送方向に沿う方向にエアが流れるため、検査領域周辺に浮遊する異物は検査領域から効果的に取り除かれる。このため、照明手段2、読取手段3に紙粉等の異物が撒き散らされる懸念は少ない。
【0015】
また、第2の案内手段7は、照明手段2の媒体Sの幅方向に沿う全域で風量が均一になるように配分することを要する。
この場合、第2の案内手段7は、第1の案内手段6によるエアの風速分布に依存して風量が均一になるように配分すればよい。
例えば第1の案内手段6が、送風手段5から離れた側が送風手段5に近い側に比べてエアの風速v1が早くなる構成を有している場合には、第2の案内手段7としては、第1の案内手段6の流路方向のうち送風手段5から離れた側が送風手段5に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有するようにすれば、エアの風速v2を均一にして風量を均一にすることが可能である。
【0016】
具体的な構成例としては、図1(b)に示すように、照明手段2が設置された空間部を仕切る入口側仕切り部材8及び出口側仕切り部材9に複数の通気孔8a,9aを形成し、入口側仕切り部材8の通気孔8aは第1の案内手段6の流路方向に対し同じ通気面積を有し、出口側仕切り部材9の通気孔9aは、第1の案内手段6の流路方向に対し送風手段5から離れた側が送風手段5に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有するものが挙げられる。
また、第1の案内手段6が、送風手段5から送風されたエアの風速v1を均一にする断面構成を有する場合には、第2の案内手段7としては、第1の案内手段6の流路方向に対し同じ通気面積を有するようにすれば、エアの風速v2を均一にして風量を均一にすることが可能である。
【0017】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す。
-画像形成装置の全体構成-
図2において、画像形成装置の一例としてのプリンタUは、作像装置の一例としてのプリンタの本体U1と、プリンタの本体U1に媒体を供給する供給装置の一例としてのフィーダユニットU2と、利用者が操作を行う操作部UIと、プリンタの本体U1から排出された媒体の後処理を行う後処理装置の一例としてのフィニッシャU3と、を有する。
【0018】
-画像形成装置の構成例-
図2において、プリンタの本体U1は、プリンタUの制御を行う制御部(制御手段の一例)Cや、プリンタUの外部に図示しない専用のケーブルを介して接続された情報の送信装置の一例としてのプリント画像サーバCOMから送信された画像情報を受信する図示しない通信部、媒体に画像を記録する記録手段の一例としてのマーキング部U1a等を有する。プリント画像サーバCOMには、ケーブルまたはLAN:Local Area Network等の回線を通じて接続され、プリンタUで印刷される画像の情報が送信される画像の送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPCが接続されている。
マーキング部U1aは、像保持手段の一例としてY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の各色用の感光体Py,Pm,Pc,Pkと、写真画像等を印刷する場合に画像に光沢を出すための感光体Poと、を有する。感光体Py~Poは、表面が感光性の誘電体で構成されている。
【0019】
図2において、黒色の感光体Pkの周囲には、感光体Pkの回転方向に沿って、帯電手段の一例としての帯電器CCk、潜像の形成手段の一例としての露光機LPHk、現像手段の一例としての現像器Gk、一次転写手段の一例としての一次転写ロールT1k、像保持手段用の清掃手段の一例としての感光体クリーナCLkが配置されている。
他の感光体Py,Pm,Pc,Poの周囲にも同様に、帯電器CCy,CCm,CCc,CCo、露光機LPHy,LPHm,LPHc,LPHo、現像器Gy,Gm,Gc,Go、一次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1o、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLoが配置されている。
マーキング部U1aの上部には、現像剤の収容手段の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kk,Koが着脱可能に支持されている。トナーカートリッジKy~Koには、現像器Gy~Goに補給される現像剤が収容されている。
【0020】
各感光体Py~Poの下方には、中間転写手段の一例であって、像保持手段の一例としての中間転写ベルトBが配置されている。中間転写ベルトBは、感光体Py~Poと一次転写ロールT1y~T1oとの間に挟まれる。中間転写ベルトBの裏面は、駆動手段の一例としてのドライブロールRdと、張力付与手段の一例としてのテンションロールRtと、蛇行防止手段の一例としてのウォーキングロールRwと、従動手段の一例としての複数のアイドラロールRfと、二次転写用の対向手段の一例としてのバックアップロールT2aと、可動手段の一例としての複数のリトラクトロールR1と、一次転写ロールT1y~T1oにより支持されている。
中間転写ベルトBの表面には、ドライブロールRdの近傍に、中間転写手段の清掃手段の一例としてのベルトクリーナCLBが配置されている。
【0021】
バックアップロールT2aには、中間転写ベルトBを挟んで、二次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが対向して配置されている。また、バックアップロールT2aには、バックアップロールT2aに現像剤の帯電極性とは逆極性の電圧を印加するために、接触手段の一例としてのコンタクトロールT2cが接触している。
バックアップロールT2a、二次転写ロールT2b、コンタクトロールT2cにより、実施の形態1の二次転写手段の一例としての二次転写器T2が構成されており、一次転写ロールT1y~T1o、中間転写ベルトB、二次転写器T2等により、実施の形態1の転写手段の一例としての転写装置T1,B,T2が構成されている。
【0022】
二次転写器T2の下方には、収容手段の一例として媒体供給トレイTR1が設けられている。媒体供給トレイTR1には、媒体の一例としての用紙Sが収容される。媒体供給トレイTR1の右斜め上方には、取出手段の一例としてのピックアップロールRpと、捌き手段の一例としての捌きロールRsとが配置されている。捌きロールRsから、用紙Sが搬送される搬送路SHが延びている。搬送路SHに沿って、用紙Sを下流側に搬送する搬送手段の一例としての搬送ロールRaが複数配置されている。
捌きロールRsの下流側には、不要部の除去手段の一例としてのバリ取り装置Btが配置されている。バリ取り装置Btは、用紙Sを予め設定された圧力で挟んで下流側に搬送して、用紙Sの縁の不要部の除去、いわゆる、バリ取りを行う。
【0023】
バリ取り装置Btの下流側には、重送の検知装置Jkが配置されている。重送の検知装置Jkは、通過する用紙Sの厚みを計測して、用紙Sが複数枚重なっている状態、いわゆる重送を検知する。
重送の検知装置Jkの下流側には、姿勢の補正手段の一例としての補正ロールRcが配置されている。補正ロールRcは、用紙Sの搬送方向に対する傾斜、いわゆるスキューを補正する。
補正ロールRcの下流側には、二次転写器T2への用紙Sの搬送時期を調整する調整手段の一例としてのレジストレーションロールRrが配置されている。また、レジストレーションロールRrの下流側には、媒体の案内手段の一例としての媒体ガイドSG1が配置されている。
尚、フィーダユニットU2にも、媒体供給トレイTR1やピックアップロールRp、捌きロールRs、搬送ロールRaと同様に構成された媒体供給トレイTR2,TR3等が設けられており、媒体供給トレイTR2,TR3からの搬送路SHは、プリンタの本体U1の搬送路SHに、重送の検知装置Jkの上流側で合流する。
【0024】
二次転写ロールT2bに対して、用紙Sの搬送方向の下流側には、媒体の搬送手段の一例としての搬送ベルトHBが複数配置されている。
搬送ベルトHBに対して、用紙Sの搬送方向の下流側には、定着手段の一例としての定着装置Fが配置されている。
定着装置Fの下流側のフィニッシャU3には、画像検査装置ISが配置されている。
画像検査装置ISの下流側には、積載手段の一例としての排出トレイTRhに向けて搬送路SHが延びている。搬送路SHの下流端には、排出手段の一例としての排出ロールRhが配置されている。
【0025】
画像検査装置ISの下流側には、搬送路SHから分岐する搬送路の一例としての反転路SH2が形成されている。搬送路SHと反転路SH2との分岐部には、搬送方向の切替手段の一例としての第1のゲートGT1が配置されている。
反転路SH2には、正逆回転可能な搬送手段の一例としてのスイッチバックロールRbが複数配置されている。スイッチバックロールRbの上流側には、反転路SH2の上流部から分岐して、搬送路SHの反転路SH2との分岐部よりも下流側に合流する搬送路の一例としての接続路SH3が形成されている。反転路SH2と接続路SH3との分岐部には、搬送方向の切替手段の一例としての第2のゲートGT2が配置されている。
【0026】
反転路SH2の下流側には、定着装置Fの下方に、用紙Sの搬送方向を反転、いわゆる、スイッチバックさせるための折り返し路SH4が配置されている。折り返し路SH4には、正逆回転可能な搬送手段の一例としてのスイッチバックロールRbが配置されている。また、折り返し路SH4の入口には、搬送方向の切替手段の一例としての第3のゲートGT3が配置されている。
尚、折り返し路SH4の下流側の搬送路SHは、媒体供給トレイTR1の搬送路SHに合流している。
【0027】
-画像形成装置の作動-
プリンタUでは、パーソナルコンピュータPCから送信された画像情報を、プリント画像サーバCOMを介して受信すると、画像形成動作であるジョブが開始される。ジョブが開始されると、感光体Py~Poや中間転写ベルトB等が回転する。
感光体Py~Poは、図示しない駆動源により回転駆動される。
帯電器CCy~CCoは、予め設定された電圧が印加されて、感光体Py~Poの表面を帯電させる。
潜像形成装置の一例であって、発光装置の一例としての露光機LPHy~LPHoは、制御部Cからの制御信号に応じて、潜像を書き込む光Ly,Lm,Lc,Lk,Loを出力して、感光体Py~Poの帯電された表面に静電潜像を書き込む。
現像器Gy~Goは、感光体Py~Poの表面の静電潜像を現像する。
トナーカートリッジKy~Koは、現像器Gy~Goにおける現像に伴って消費された現像剤の補給を行う。
【0028】
一次転写ロールT1y~T1oは、現像剤の帯電極性とは逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体Py~Poの表面の可視像を中間転写ベルトBの表面に転写する。
感光体クリーナCLy~CLoは、一次転写後に感光体Py~Poの表面に残留した現像剤を除去して清掃する。
中間転写ベルトBは、感光体Py~Poに対向する一次転写領域を通過する際に、O,Y,M,C,Kの順に、画像が転写されて積層され、二次転写器T2に対向する二次転写領域Q4を通過する。尚、単色画像の場合は、一色のみの画像が転写されて二次転写領域Q4に送られる。
【0029】
ピックアップロールRpは、受信した画像情報の大きさや用紙Sの指定と、収容された用紙Sの大きさや種類等に応じて、用紙Sの供給が行われる媒体供給トレイTR1~TR3から用紙Sを送り出す。
捌きロールRsは、ピックアップロールRpから送り出された用紙Sを一枚ずつ分離して捌く。
バリ取り装置Btは、通過する用紙Sに予め設定された圧力を印加してバリを除去する。
重送の検知装置Jkは、通過する用紙Sの厚さを検知することで、用紙Sの重送を検知する。
補正ロールRcは、通過する用紙Sを、図示しない壁面に接触させてスキューを補正する。
【0030】
レジストレーションロールRrは、中間転写ベルトBの表面の画像が二次転写領域Q4に送られる時期に合わせて、用紙Sを送り出す。
媒体ガイドSG1は、レジストレーションロールRrで送り出された用紙Sを二次転写領域Q4に案内する。
二次転写器T2は、コンタクトロールT2cを介してバックアップロールT2aに予め設定された現像剤の帯電極性と同極性の二次転写電圧が印加され、用紙Sに中間転写ベルトBの画像を転写する。
ベルトクリーナCLBは、二次転写領域Q4で画像が転写された後の中間転写ベルトBの表面に残留した現像剤を除去して清掃する。
搬送ベルトHBは、二次転写器T2で画像が転写された用紙Sを表面に保持して下流側に搬送する。
【0031】
定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。加熱ロールFhの内部には、熱源の一例としてのヒータhが収容されている。定着装置Fは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが接触する定着領域Q5を通過する用紙Sを加圧しながら加熱して、用紙Sの表面の未定着画像を定着する。加熱ロールFhおよび加圧ロールFpにより、実施の形態1の定着部材Fp,Fhが構成されている。
画像検査装置ISは、定着装置Fを通過した用紙Sの画像を読み取って、画像の欠陥を検査する。
【0032】
画像検査装置ISを通過した用紙Sは、両面印刷が行われる場合には、第1のゲートGT1が作動して、反転路SH2に搬送され、折り返し路SH4でスイッチバックされて、搬送路SHを通じて、レジストレーションロールRrに再送され、2面目の印刷が行われる。
排出トレイTRhに排出される用紙Sは、画像が記録された面が上面となる状態で排出される場合、いわゆるフェイスアップ排出の場合には、搬送路SHに搬送され、排出ロールRhにより排出トレイTRhに排出される。
【0033】
一方、画像が記録された面が下面となるように排出される場合、いわゆるフェイスダウン排出の場合には、搬送路SHから反転路SH2に一旦搬入される。そして、用紙Sの搬送方向の後端が第2のゲートGT2を通過後、スイッチバックロールRbの正回転が停止する。そして、第2のゲートGT2が切り替わり、スイッチバックロールRbが逆回転をして、用紙Sが接続路SH3に搬送されて排出トレイTRhに搬送される。
排出トレイTRhには、排出された用紙Sが積載される。
【0034】
-画像検査装置の構成例-
図3図2に示す画像検査装置ISの構成例を示す説明図である。
同図において、画像検査装置ISは、フィニッシャU3内の略水平方向に延びる搬送路SHのうち用紙Sの搬送方向上流側に第1の検査ユニット21を有し、第1の検査ユニット21よりも用紙Sの搬送方向下流側に第2の検査ユニット22と、を有している。
ここで、第1の検査ユニット21は、用紙Sの下表面に形成された画像Gを検査するものであり、第2の検査ユニット22は、用紙Sの上表面に形成された画像Gを検査するものである。
【0035】
-第1の検査ユニット-
本例において、第1の検査ユニット21は、図4に示すように、搬送路SHを通過する用紙Sの下表面に形成された画像Gに光を照射する照明手段としての照明部30と、画像Gからの反射光を読み取る読取手段としての読取部40とを含むものである。そして、第1の検査ユニット21に対して搬送路SHを挟んだ箇所には、照明部30及び読取部40を校正する校正手段としてのキャリブレーションユニット100が配置されている。
本例において、第1の検査ユニット21は、照明部30及び読取部40が収容されるユニットケース25を有しており、このユニットケース25は、照明部30が収容される照明用ケース部25aと、読取部40が収容される読取用ケース部25bとに分けられている。
【0036】
<照明部>
本例において、照明用ケース部25aは、用紙Sの搬送方向に交差する幅方向に延びる断面矩形状の収容ボックスとして構成されており、搬送路SHに対向した上壁部にはスリット状の開口に透明樹脂又はガラス製の窓部26が設けられ、また、窓部26から離れた照明用ケース部25aの底壁部には読取用ケース部25bに連通するスリット状の連通口27が設けられている。
ここで、照明部30としては、例えば光源32としての白色LEDを一列あるいは複数列搭載したLED基板33を用紙Sの幅方向に沿う長手方向に配置した照明ランプ31が二つ用いられる。この二つの照明ランプ31(具体的には31a,31b)は夫々支持ブラケット34を介して照明用ケース部25a内に取り付けられている。
そして、各照明ランプ31(具体的には31a,31b)は窓部26の長手方向に沿う表面箇所を光が照射する検査箇所Mとし、用紙Sに対する照射角度が例えば45°以上50°以下になるように、検査箇所Mを挟んで対称的に一対配置されている。
【0037】
<読取部>
本例において、読取用ケース部25bは、照明用ケース部25aの連通口27に連通する上壁部を有し、略L字状に折曲された収容ボックスとして構成されている。
本例において、用紙Sの画像Gからの反射光は照明用ケース部25aの窓部26から連通口27を通じて読取用ケース部25bに向かう光軸Bを有している。そして、本例の読取部40としては、読取用ケース部25bの予め決められた位置に設けられる読取センサとしてのCCDセンサ41と、読取用ケース部25bの予め決められた位置に設けられ、画像Gからの反射光をCCDセンサ41面に結像させる結像光学系42とを備えている。ここで、結像光学系42としては、例えば一若しくは複数の反射ミラー42a(本例では一つであるが、これに限られない。)と、CCDセンサ41面を焦点位置として結像させる結像レンズ42bとが用いられる。
【0038】
-冷却機構-
更に、本例では、照明ランプ31(31a,31b)は、光の照射動作が継続すると、例えばLED基板33が発熱することから、CCDセンサ41の撮像性能を良好に保つには、照明ランプ31からの用紙Sの幅方向に沿う長手方向全域を均一に冷却し、照明ランプ31の長手方向における照射光量を均一にすることが必要である。
そこで、本例では、第1の検査ユニット21には照明ランプ31の長手方向全域を均一に冷却することを企図し、以下のような冷却機構50が設けられている。
【0039】
<冷却機構の構成例>
本例において、冷却機構50は、図5及び図6に示すように、外気を吸い込んで送風する一つの送風手段としてのファン51と、用紙Sの幅方向に沿って設けられ、ファン51から送風されたエアを用紙Sの幅方向に沿う方向の流路56に案内する第1の案内ダクト55と、照明用ケース部25aに対し、第1の案内ダクト55にて案内されたエアを用紙Sの搬送方向と同じ方向に沿う方向に案内する第2の案内ダクト60と、を備えたものである。
そして、本例では、ファン51は、図5及び図6に示すように、フィニッシャU3の筐体70の後方側に位置するリアフレーム71rと、リアフレーム71rの後方側を覆うリアカバー72との間に配置されている。そして、リアカバー72のファン51に対応する箇所には外気導入口73が開設され、この外気導入口73にはフィルタ手段としての清浄用フィルタ75付きの蓋74が着脱可能に装着されている。
【0040】
また、第1の案内ダクト55は、リアフレーム71rのうちファン51に対応した箇所に開設された送風口76に一端が連結され、ユニットケース25の照明用ケース部25aに沿って筐体70の手前側に位置するフロントフレーム71fまで延び、フロントフレーム71fに他端が連結され、用紙Sの幅方向に沿う方向の流路56を確保するようになっている。
特に、本例では、この第1の案内ダクト55の流路56は、図7(c)に示すように、ファン51から離れた側の風速v1がファン51に近い側よりも速くなるような流路断面になっている。
【0041】
更に、第2の案内ダクト60は、第1の案内ダクト55の流路方向のうちファン51から離れた側がファン51に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有するようにすることで、照明用ケース部25a内のエアの風速v2を均一にして風量を均一にするようにすればよい。
具体的には、図7(a)(b)に示すように、照明用ケース部25a内の空間部を仕切る入口側仕切り部材としての入口側仕切りプレート61及び出口側仕切り部材としての出口側仕切りプレート62に複数の通気孔63,64を形成し、入口側仕切りプレート61の通気孔63は第1の案内ダクト55の流路方向に対し同じ通気面積を有し、出口側仕切りプレート62の通気孔64は、第1の案内ダクト55の流路方向に対しファン51から離れた側がファン51に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有するようにする。
本例では、入口側仕切りプレート61は、千鳥状に配置された1列4個の通気孔63が第1の案内ダクト55の流路方向に均等に配置されている。一方、出口側仕切りプレート62は、ファン51に近い側のリア側領域Rrでは千鳥状に配置された1列4個の通気孔64が均等に配置され、リア側領域Rrよりもファン51から離れた中間領域Rmでは1列3個の通気孔64が均等に配置され、ファン51から最も離れたフロント側領域Rfでは1列2個の通気孔64が均等に配置されている。
ここで、出口側仕切りプレート62の通気孔64による通気面積の変化は、領域Rr~Rfの占める割合で調整することが可能である。
【0042】
<冷却機構の作用>
本例においては、冷却機構50は以下のように作用する。
先ず、図6に示すように、ファン51によって外気が吸い込まれると、ファン51から送風されたエアは、第1の案内ダクト55に沿って用紙Sの幅方向に沿う方向に案内される。
このとき、第2の案内ダクト60は、第1の案内ダクト55に案内されたエアを入口側仕切りプレート61の通気孔63から出口側仕切りプレート62の通気孔64に向かって案内するため、照明用ケース部25aでは用紙Sの搬送方向に沿う方向に冷却エアが流れる。このため、照明用ケース部25a内に浮遊する紙粉等の異物は出口側仕切りプレート62の通気孔64から照明用ケース部25a外に排出される。
【0043】
よって、照明用ケース部25a内に浮遊していた紙粉等の異物が照明ランプ31の表面に付着するという懸念は解消される。更に、照明用ケース部25a内に浮遊していた紙粉等の異物が読取用ケース部25b側に混入する事態はほとんどなく、その分、紙粉等の異物がCCDセンサ41の表面に付着する懸念もない。
更に、本例では、第1の案内ダクト55では、ファン51から送風されたエアの風速v1は、図7(c)に示すように、ファン51から離れた側がファン51に近い側に比べて速い態様であるが、第2の案内ダクト60の通気構造を工夫することで、図7(c)に示すように、照明用ケース部25a内を通過する冷却エアの風速v2は照明ランプ31(31a,31b)の長手方向に沿って均一に近くなり、その分、照明ランプ31(31a,31b)を通過する冷却エアの風量が均一に近くなり、照明ランプ31を長手方向全域に亘って均一に冷却することが可能である。
【0044】
-キャリブレーションユニット-
更に、本例では、第1の検査ユニット21を校正するキャリブレーションユニット100が設けられている。
本例において、キャリブレーションユニット100は、回転手段の一例としての回転ドラム101を有する。この回転ドラム101は所定数の多角形筒状に形成され、用紙Sの画像G検出を行う際に搬送路SH側に向けられる検出基準面102と、画像G検出を行わない場合に搬送路SHに向けられる退避面103とを備えている。
また、回転ドラム101は、色域補正処理等で用いる各色の基準面(例えば白色基準面111、イエロ色基準面112、シアン色基準面113、マゼンタ色基準面114等)も備えている。
この種の回転ドラム101は、回転軸101aの周りに回転することで、搬送路SH側に向けるべき面を切り替える構成になっている。この回転ドラム101の面の切替は図示外の制御回路によって行われる。
【0045】
-第2の検査ユニット-
また、第2の検査ユニット22は、第1の検査ユニット21とは異なり、搬送路SHの上方に配置されており、搬送路SHを通過する用紙Sの上表面に形成された画像Gに光を照射する照明部30と、画像Gからの反射光を読み取る読取部40と、照明部30を冷却する冷却機構50とを含むものである。更に、第2の検査ユニット22に対して搬送路SHを挟んだ箇所には校正手段としてのキャリブレーションユニット100が配置されている。
本例においては、第1の検査ユニット21と第2の検査ユニット22とは、搬送路SHを中心に上下逆に配置されているだけで、構成要素としての照明部30、読取部40、冷却機構50は略同様に構成されている。尚、第2の検査ユニット22の冷却機構50は、ユニットケース25内の照明部30対して用紙Sの搬送方向と同じ方向に冷却エアを送風するように配置されている。また、キャリブレーションユニット100も第1の検査ユニット21に設けられたものと上下逆に配置されているだけで、同様な構成を有している。
【0046】
◎変形の形態
本例では、画像検査装置ISは媒体Sの両面に形成された画像Gを検査する第1の検査ユニット21、第2の検査ユニット22を備えているが、これに限られるものではなく、一つの検査ユニットだけを用いるようにしてもよい。
また、本例では、キャリブレーションユニット100を用いる態様を示しているが、このキャリブレーションユニット100を用いない態様であっても差し支えない。
【0047】
◎比較の形態1
図8(a)は比較の形態1に係る画像検査装置を示す。
同図において、画像検査装置IS’は、実施の形態1と同様に、照明部30及び読取部(図示せず)を備えているが、冷却機構150が実施の形態1と異なる構成を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、冷却機構150は、実施の形態1と同様に、外気を吸い込んで送風する一つの送風手段としてのファン51を、フィニッシャU3の筐体70の後方側に位置するリアフレーム71rと、リアフレーム71rの後方側を覆うリアカバー72との間に配置したものであるが、実施の形態1と異なり、照明用ケース部25aのリアフレーム71r側、フロントフレーム側に送風口151,152を開設すると共に、各送風口151,152に通気孔155付きの仕切りプレート153,154を装着したものである。
【0048】
本例によれば、照明用ケース部25aがファン51から送風されたエアの案内ダクトとして機能することになるが、照明用ケース部25a内では、ファン51から送風されたエアは照明ランプ31の長手方向に沿って流れる。このとき、図8(b)に示すように、照明用ケース部25a内では、エアの風速v3は、照明ランプ31の長手方向のフロント側端部Lfがリア側端部Lrよりも速いため、照明ランプ31を長手方向全域に対して冷却エアの風量を均一にすることが難しい。
更に、照明用ケース部25a内で紙粉等の異物が浮遊している場合には、照明ランプ31の長手方向フロント側の端部領域Xに浮遊していた紙粉等の異物が付着し易くなるという懸念がある。
【0049】
◎実施の形態2
図9は実施の形態2に係る画像検査装置の要部を示す。
同図において、画像検査装置ISは、実施の形態1と同様に、第1の検査ユニット21、第2の検査ユニット22を有し、第1の検査ユニット21、第2の検査ユニット22は、実施の形態1と同様の照明部30及び読取部40を備えているが、実施の形態1と異なる冷却機構50を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、冷却機構50は、実施の形態1と異なる第1の案内ダクト55及び第2の案内ダクト60を備えている。
具体的には、第1の案内ダクト55は、ファン51から送風されたエアの風速v1を均一にする断面構成を有している。つまり、第1の案内ダクト55において、ファン51から離れた側に位置する通気断面がファン51から近い側に位置する通気断面より通気面積が狭くなるようにすることで、第1の案内ダクト55を通過するエアの風速v1を均一に近づくように調整する。
【0050】
そして、第2の案内ダクト60については、第1の案内ダクト55の流路方向に対し、同じ通気面積を有するように調整する。つまり、図10(a)(b)に示すように、照明用ケース部25aの入口側仕切りプレート61、出口側仕切りプレート62の各通気孔63,64について、例えば千鳥状に配置された1列4個の通気孔63,64を長手方向に均一に設けるようにすればよい。
本例においては、第1の案内ダクト55内の冷却エアの風速v1が流路方向に沿って均一に調整されるため、第1の案内ダクト55から第2の案内ダクト60に案内された冷却エアは用紙Sの搬送方向に沿って流れ、更に、冷却エアの風速v2は均一な状態を保って、均一な風量で照明ランプ31(31a,31b)の長手方向全域を均一冷却する。
【0051】
(付記)
(((1)))
(((1)))に係る発明は、媒体の搬送経路に対向して前記媒体の搬送方向に交差する幅方向に沿って設けられ、前記媒体の表面に形成された画像に光を照射する照明手段と、前記画像からの反射光を画像検査情報として読み取る読取手段と、前記照明手段の前記媒体の幅方向に沿う全域を冷却する冷却手段と、を備え、前記冷却手段は、前記媒体の幅方向の一方側に設けられ、外気を吸い込んで送風する一つの送風手段と、前記媒体の幅方向に沿って設けられ、前記送風手段から送風されたエアを前記媒体の幅方向に沿う方向の流路に案内する第1の案内手段と、前記照明手段が設置された空間部に対し、前記第1の案内手段にて案内されたエアを前記媒体の搬送方向に沿う方向に案内し、かつ、前記照明手段の前記媒体の幅方向に沿う全域で風量が均一になるように配分する第2の案内手段と、を備えたことを特徴とする画像検査装置である。
(((2)))
(((2)))に係る発明は、(((1)))に係る画像検査装置において、前記送風手段は、前記画像検査装置の手前側とは反対の後方側に設けられていることを特徴とする画像検査装置である。
(((3)))
(((3)))に係る発明は、(((1)))又は(((2)))に係る画像検査装置において、前記照明手段及び前記読取手段は、前記媒体の搬送経路の下方に配置されていることを特徴とする画像検査装置である。
(((4)))
(((4)))に係る発明は、(((1)))乃至(((3)))のいずれかに係る画像検査装置において、前記第2の案内手段は、エアの風向が前記媒体の搬送方向と同じ方向であることを特徴とする画像検査装置である。
(((5)))
(((5)))に係る発明は、(((1)))乃至(((4)))のいずれかに係る画像検査装置において、前記第1の案内手段は、前記送風手段から離れた側が前記送風手段に近い側に比べてエアの風速が早くなる構成を有していることを特徴とする画像検査装置である。
(((6)))
(((6)))に係る発明は、(((5)))に係る画像検査装置において、前記第2の案内手段は、前記第1の案内手段の流路方向のうち前記送風手段から離れた側が前記送風手段に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有することを特徴とする画像検査装置である。
(((7)))
(((7)))に係る発明は、(((6)))に係る画像検査装置において、前記第2の案内手段は、前記照明手段が設置された空間部を仕切る入口側仕切り部材及び出口側仕切り部材に複数の通気孔を形成し、前記入口側仕切り部材の通気孔は前記第1の案内手段の流路方向に対し同じ通気面積を有し、前記出口側仕切り部材の通気孔は、前記第1の案内手段の流路方向に対し前記送風手段から離れて側が前記送風手段に近い側に比べて通気面積を段階的に絞る構成を有することを特徴とする画像検査装置である。
(((8)))
(((8)))に係る発明は、(((1)))乃至(((4)))のいずれかに係る画像検査装置において、前記第1の案内手段は、前記送風手段から送風されたエアの風速を均一にする断面構成を有し、前記第2の案内手段は、前記第1の案内手段の流路方向に対し同じ通気面積を有することを特徴とする画像検査装置である。
(((9)))
(((9)))に係る発明は、(((1)))乃至(((8)))のいずれかの画像検査装置と、前記画像検査装置よりも媒体の搬送方向上流側に設けられ、前記媒体の表面に画像を形成する作像装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0052】
(((1)))に係る画像検査装置によれば、一つの送風手段を用いて画像検査装置の照明手段の全域を略均一に冷却し、かつ、画像検査装置の照明手段、読取手段に紙粉等の異物が付着する事態を抑制することができる。
(((2)))に係る画像検査装置によれば、画像検査装置の手前側に送風手段を設ける場合に比べて、検査箇所における媒体の詰まり処理を画像検査装置の手前側で容易に行うことができる。
(((3)))に係る画像検査装置によれば、紙粉等の異物が付着し易いレイアウトの画像検査装置に対して特に有用である。
(((4)))に係る画像検査装置によれば、エアの風向が媒体の搬送方向と逆方向である場合に比べて、検査箇所に浮遊する紙粉等の異物をより少なく抑制することができる。
(((5)))に係る画像検査装置によれば、一つの送風手段を用いて第1の案内手段にエアを送風する場合の風速分布を踏まえ、画像検査装置を簡単に構築することができる。
(((6)))に係る画像検査装置によれば、第2の案内手段の通気構造を工夫することで、照明手段の幅方向全域で風量が均一になるように配分することができる。
(((7)))に係る画像検査装置によれば、第2の案内手段の通気構造を容易に構築することができる。
(((8)))に係る画像検査装置によれば、第1の案内手段の通気構造を工夫することで、第2の案内手段の通気構造をより簡略化することができる。
(((9)))に係る画像形成装置によれば、一つの送風手段を用いて照明手段の全域を略均一に冷却し、かつ、照明手段、読取手段に紙粉等の異物が付着する事態を抑制することが可能な画像検査装置を含む画像形成装置を容易に構築することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…画像検査装置,2(2a,2b)…照明手段,3…読取手段,4…冷却手段,5…送風手段,6…第1の案内手段,7…第2の案内手段,8…入口側仕切り部材,8a…通気孔,9…出口側仕切り部材,9a…通気孔,10…フィルタ手段,11…作像装置,S…媒体,G…画像
図1
図2
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