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特開2024-75426光デバイス、光送信装置及び光受信装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075426
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】光デバイス、光送信装置及び光受信装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/126 20060101AFI20240527BHJP
G02F 1/025 20060101ALN20240527BHJP
【FI】
G02B6/126
G02F1/025
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186901
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昌樹
【テーマコード(参考)】
2H147
2K102
【Fターム(参考)】
2H147AB02
2H147AB21
2H147AB27
2H147AC02
2H147BB02
2H147BD01
2H147BD15
2H147BD16
2H147DA08
2H147EA13A
2H147EA13C
2H147EA14B
2H147GA10
2H147GA26
2H147GA29
2K102AA18
2K102BA01
2K102BA14
2K102BA40
2K102BB01
2K102BB04
2K102BB05
2K102BB07
2K102BC05
2K102BD01
2K102CA20
2K102DA05
2K102DC07
2K102DD03
2K102EA02
2K102EB11
2K102EB12
(57)【要約】
【課題】小型化及び省電力化を図る光デバイス等を提供する。
【解決手段】光デバイスは、第1の光特性を有する第1の信号光を入力する第1の導波路と、第1の導波路と接続し、第1の導波路からの第1の信号光を第2の光特性を有する第2の信号光に変換する第1の変換部と、を有する。光デバイスは、第1の変換部と接続し、第1の変換部から変換後の第2の信号光が通過することで第2の信号光に1回目の光処理を実行する光回路を有する。光デバイスは、光回路と接続し、光回路からの1回目の光処理後の第2の信号光を第1の光特性を有する第3の信号光に変換する第2の変換部を有する。光デバイスは、第2の変換部から変換後の第3の信号光を通過することで第3の信号光に2回目の光処理を実行する光回路と、光回路からの2回目の光処理後の第3の信号光を出力する第2の導波路と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光特性を有する第1の信号光を入力する第1の導波路と、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの第1の信号光を第2の光特性を有する第2の信号光に変換する第1の変換部と、
前記第1の変換部と接続し、前記第1の変換部から変換後の第2の信号光が通過することで前記第2の信号光に1回目の光処理を実行する光回路と、
前記光回路と接続し、前記光回路からの1回目の光処理後の第2の信号光を前記第1の光特性を有する第3の信号光に変換する第2の変換部と、
前記第2の変換部から変換後の第3の信号光を通過することで前記第3の信号光に2回目の光処理を実行する前記光回路と、
前記光回路からの2回目の光処理後の第3の信号光を出力する第2の導波路と、
を有することを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2の導波路と接続する第3のポートとを有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続する第4のポートと、
折り返し導波路の一方と接続する第5のポートと、
前記折り返し導波路の他方と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記第1の光特性および前記第2の光特性は偏波状態を表し、
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの前記第1の信号光を前記第2の信号光に変換する第1のPRと、
前記第1のPRと接続し、前記第1のPRからの前記第2の信号光を前記光回路に出力すると共に、前記光回路と接続し、前記光回路からの前記2回目の光処理後の前記第3の信号光を前記第2の導波路に出力する第1のPBSと、を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続し、前記光回路からの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を第2のPRに出力する第2のPBSと、
前記第2のPBSと接続し、前記第2のPBSからの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を前記第3の信号光に変換し、変換後の前記第3の信号光を第2のPBSに折り返し出力する前記第2のPRと、を有し、
前記第2のPBSは、
前記第2のPRからの変換後の前記第3の信号光を前記光回路に出力することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記第1のPBSは、
前記第1のPRと接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2の導波路と接続する第3のポートとを有し、
前記第2のPBSは、
前記光回路と接続する第4のポートと、
折り返し導波路の一方と接続する第2のPRと接続する第5のポートと、
前記折り返し導波路の他方と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする請求項3に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記第1の光特性および前記第2の光特性は偏波状態を表し、
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの前記第1の信号光を前記第2の信号光に変換する第1のPRと、
前記第1のPRと接続し、前記第1のPRからの前記第2の信号光を前記光回路のポートに出力する第1のPBSと、を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続し、前記光回路からの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を第2のPRに出力すると共に、前記光回路からの前記2回目の光処理後の前記第3の信号光を前記第2の導波路に出力する第2のPBSと、
前記第2のPBSと接続し、前記第2のPBSからの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を前記第3の信号光に変換すると共に、前記第1のPBSと接続し、変換後の前記第3の信号光を前記第1のPBSに出力する前記第2のPRと、を有し、
前記第1のPBSは、
前記第2のPRからの変換後の前記第3の信号光を前記光回路の前記ポートに出力することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記第1のPBSは、
前記第1のPRと接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2のPRと接続する折り返し導波路と接続する第3のポートとを有し、
前記第2のPBSは、
前記光回路と接続する第4のポートと、
前記第2のPRと接続する第5のポートと、
前記第2の導波路と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする請求項5に記載の光デバイス。
【請求項7】
前記第1の光特性および前記第2の光特性はモード状態を表し、
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの前記第1の信号光を前記第2の信号光にモード変換すると共に、前記光回路と接続し、モード変換後の前記第2の信号光を前記光回路に出力する第1のモード変換部を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続し、前記光回路からの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を前記第3の信号光にモード変換すると共に、前記光回路と接続し、モード変換後の第3の信号光を前記光回路に折り返し出力する第2のモード変換部を有し、
前記第1のモード変換部は、
前記光回路からの前記2回目の光処理後の前記第3の信号光を前記第2の導波路に出力することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項8】
前記第1のモード変換部は、
前記第1の導波路と接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2の導波路と接続する第3のポートとを有し、
前記第2のモード変換部は、
前記光回路と接続する第4のポートと、
折り返し導波路の一方と接続する第5のポートと、
前記折り返し導波路の他方と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする請求項7に記載の光デバイス。
【請求項9】
前記第1の光特性および前記第2の光特性はモード状態を表し、
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの前記第1の信号光を前記第2の信号光にモード変換すると共に、前記光回路と接続し、モード変換後の前記第2の信号光を前記光回路のポートに出力する第1のモード変換部を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続し、前記光回路からの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を前記第3の信号光にモード変換すると共に、前記第1のモード変換部と接続し、モード変換後の第3の信号光を前記第1のモード変換部に出力すると共に、前記光回路からの前記2回目の光処理後の前記第3の信号光を前記第2の導波路に出力する第2のモード変換部を有し、
前記第1のモード変換部は、
前記第2のモード変換部からモード変換後の前記1回目の光処理後の前記第3の信号光を前記光回路の前記ポートに出力することを特徴とする請求項1に記載の光デバイス。
【請求項10】
前記第1のモード変換部は、
前記第1の導波路と接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2のモード変換部と接続する折り返し導波路と接続する第3のポートとを有し、
前記第2のモード変換部は、
前記光回路と接続する第4のポートと、
前記折り返し導波路と接続する第5のポートと、
前記第2の導波路と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする請求項9に記載の光デバイス。
【請求項11】
第1の信号光を発光する光源と、電気信号に応じて、前記光源からの前記第1の信号光を光処理し、光処理後の第3の信号光を送信する光送信器と、を有する光送信装置であって、
前記光送信器は、
第1の光特性を有する前記第1の信号光を入力する第1の導波路と、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの第1の信号光を第2の光特性を有する第2の信号光に変換する第1の変換部と、
前記第1の変換部と接続し、前記第1の変換部から変換後の第2の信号光が通過することで前記第2の信号光に1回目の光処理を実行する光回路と、
前記光回路と接続し、前記光回路からの1回目の光処理後の第2の信号光を前記第1の光特性を有する第3の信号光に変換する第2の変換部と、
前記第2の変換部から変換後の第3の信号光を通過することで前記第3の信号光に2回目の光処理を実行する前記光回路と、
前記光回路からの2回目の光処理後の第3の信号光を出力する第2の導波路と、
を有することを特徴とする光送信装置。
【請求項12】
第1の信号光を発光する光源と、電気信号に応じて、前記光源からの前記第1の信号光を光処理し、光処理後の第3の信号光を生成する光デバイスと、光処理後の第3の信号光を用いて受信光から受信信号を得る光受信器と、を有する光受信装置であって、
前記光デバイスは、
第1の光特性を有する前記第1の信号光を入力する第1の導波路と、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの第1の信号光を第2の光特性を有する第2の信号光に変換する第1の変換部と、
前記第1の変換部と接続し、前記第1の変換部から変換後の第2の信号光が通過することで前記第2の信号光に1回目の光処理を実行する光回路と、
前記光回路と接続し、前記光回路からの1回目の光処理後の第2の信号光を前記第1の光特性を有する第3の信号光に変換する第2の変換部と、
前記第2の変換部から変換後の第3の信号光を通過することで前記第3の信号光に2回目の光処理を実行する前記光回路と、
前記光回路からの2回目の光処理後の第3の信号光を前記光受信器に出力する第2の導波路と、
を有することを特徴とする光受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイス、光送信装置及び光受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図30は、従来の光デバイス200の一例を示す説明図である。
図30に示す光デバイス200は光ICチップである。光デバイス200は、第1の導波路201と、第2の導波路202と、光回路203とを有する。第1の導波路201は、光回路203に入力する信号光を導波する導波路である。第2の導波路202は、光回路203から出力する信号光を導波する導波路である。光回路は203、外部からの電気信号に応じて、第1の導波路201から入力する信号光を異なる状態の信号光に変換出力する。光回路203の機能としては、例えば、光変調(強度変調、位相変調)機能、光増幅機能や光減衰機能等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-174699号公報
【特許文献2】米国特許第10468854号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2020/0133034号明細書
【特許文献4】特開2011-197700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の光デバイス200では、限られたスペースに光回路203の機能を集約するため、性能に限界が生じる。光回路203が、例えば、光変調器の場合、光変調器の駆動電圧は半波長シフト電圧Vπで決まるが、半波長シフト電圧Vπと作用長Lとの積は素子の固有値で決まるため、作用長を長くする必要がある。しかしながら、限られた作用長では低駆動電圧化に限界がある。
【0005】
また、光回路203が、例えば、可変光減衰器(VOA)の場合、可変光減衰器では電流印加時の電極長の単位長さ当たりの光吸収が小さいため、光減衰を大きくするためには電極長を長くする必要がある。しかしながら、電極長が長くした場合、素子のサイズが大きく、かつ、駆動電流が大きくなって消費電力が大きくなる。そこで、近年の光デバイスでは、小型化及び省電力化を図ることが求められている。
【0006】
一つの側面では、光回路の作用長を短くして小型化及び省電力化を図る光デバイス等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの態様の光デバイスは、第1の光特性を有する第1の信号光を入力する第1の導波路と、前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの第1の信号光を第2の光特性を有する第2の信号光に変換する第1の変換部と、を有する。光デバイスは、前記第1の変換部と接続し、前記第1の変換部から変換後の第2の信号光が通過することで前記第2の信号光に1回目の光処理を実行する光回路を有する。光デバイスは、光回路と接続し、前記光回路からの1回目の光処理後の第2の信号光を第1の光特性を有する第3の信号光に変換する第2の変換部と、前記第2の変換部から変換後の第3の信号光を通過することで前記第3の信号光に2回目の光処理を実行する前記光回路と、を有する。光デバイスは、前記光回路からの2回目の光処理後の第3の信号光を出力する第2の導波路を有する。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面によれば、光回路の作用長を短くして小型化及び省電力化を図る光デバイス等を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施例1の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図2A】
図2Aは、実施例2Aの光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図2B】
図2Bは、実施例2Bの光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、実施例3の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、実施例4の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図5A】
図5Aは、第1のモード変換部の一例を示す説明図である。
【
図5B】
図5Bは、第2のモード変換部の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、実施例5の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、実施例6の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、実施例7の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、実施例8の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、実施例9の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図11】
図11は、実施例10の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図13】
図13は、実施例11の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図15】
図15は、実施例12の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図17】
図17は、実施例13の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図19】
図19は、実施例14の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図21】
図21は、実施例15の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図23】
図23は、実施例16の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図25】
図25は、実施例17の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図27】
図27は、実施例18の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図28】
図28は、実施例19の光デバイスの一例を示す説明図である。
【
図30】
図30は、従来の光デバイスの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本願の開示する光デバイス等の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例0011】
図1は、実施例1の光デバイス1の一例を示す説明図である。
図1に示す光デバイス1は、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、光回路5と、第2の変換部6と、折り返し導波路7と、を有する。
【0012】
第1の導波路2は、光デバイス1に、例えば、信号光TE(Transverse Electric field)を入力する導波路である。第2の導波路3は、光デバイス1から、例えば、光処理後の信号光TM(Transverse Magnetic field)を出力する導波路である。信号光TEと信号光TMとは直交した関係にある。尚、信号光TEは、例えば、第1の光特性を有する信号光とした場合、信号光TMは、例えば、第2の光特性を有する信号光とする。
【0013】
第1の変換部4は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5と接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有し、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換する。第1の変換部4は、変換後の信号光TMを光回路5に出力する。
【0014】
光回路5は、単一の導波路を含む作用部31と、第1の変換部4と作用部31とを接続する第1のポートと、第2の変換部6と作用部31とを接続する第2のポートとを有する。光回路5は、第1の変換部4からの変換後の信号光TMを作用部31で光処理し、光処理後の信号光TMを第2の変換部6に出力する。
【0015】
第2の変換部6は、光回路5と接続する第4のポートと、折り返し導波路7の一方と接続する第5のポートと、折り返し導波路7の他方と接続する第6のポートとを有し、光回路5からの光処理後の信号光TEを信号光TMに変換する。第2の変換部6は、変換後の信号光TEを折り返し導波路7に出力する。第2の変換部6は、折り返し導波路7からの折り返しの信号光TEを光回路5に出力する。
【0016】
光回路5は、第2の変換部6からの変換後の信号光TEを作用部31で光処理し、光処理後の信号光TEを第1の変換部4に出力する。そして、第1の変換部4は、光回路5からの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0017】
第1の変換部4は、第1のPR(Polarization Rotator)11と、第1のPBS(Polarization Beam Splitter)12とを有する。第1のPR11は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1のPBS12と接続する第2のポートとを有し、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1のPBS12に出力する。第1のPBS12は、第1のPR11と接続する第1のポートと、光回路5と接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有する。第1のPBS12は、第2のポートからの信号光から信号光TM及び信号光TEに分離し、信号光TMを第1のポートから出力し、信号光TEを第3のポートから出力する。つまり、第1のPBS12は、第1のPR11からの信号光TMを光回路5に出力すると共に、光回路5からの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0018】
第2の変換部6は、第2のPBS21と、第2のPR22とを有する。第2のPBS21は、光回路5と接続する第4のポートと、第2のPR22と接続する第5のポートと、折り返し導波路7と接続する第6のポートとを有する。第2のPBS21は、第4のポートからの信号光を信号光TM及び信号光TEに分離し、信号光TMを第5のポートから出力し、信号光TEを第6のポートから出力する。つまり、第2のPBS22は、光回路5からの信号光TMを第2のPR22に出力すると共に、折り返し導波路7からの信号光TEを光回路5に出力する。第2のPR22は、第2のPBS21と接続する第1のポートと、折り返し導波路7と接続する第2のポートとを有し、第2のPBS21からの信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7に出力する。
【0019】
光回路5は、第1の変換部4から第2の変換部6への信号光TMを光処理すると共に、第2の変換部6から第1の変換部4への信号光TEを光処理することで、合計2回の光処理を実現する。その結果、光回路5の機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1の小型化を図ることができる。つまり、光回路5の高効率化を図ることができる。
【0020】
尚、説明の便宜上、実施例1の光デバイス1では、光回路5の一端に接続された第1の変換部4と、光回路5の他端に接続された第2の変換部6とを有する場合を例示した。しかしながら、第2の変換部6が第1の変換部4と同一の光回路5の一端に接続される構成にしても良く、その実施の形態につき、実施例2Aとして以下に説明する。
【実施例0021】
図2Aは、実施例2Aの光デバイス1Aの一例を示す説明図である。尚、実施例1の光デバイス1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図2Aに示す光デバイス1Aは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、光回路5Aと、第2の変換部6Aと、折り返し導波路7Aとを有する。光回路5Aは、往路側の作用部31Aと、復路側の作用部31Bと、往路側の作用部31Aと復路側の作用部31Bとを光結合する折り返し導波路32とを有する。
【0022】
第1の変換部4は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5と接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有し、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを光回路5に出力する。
【0023】
光回路5は、第1の変換部4と往路側の作用部31Aとを接続する第1のポートと、第2の変換部6Aと復路側の作用部31Bとを接続する第2のポートとを有する。光回路5は、第1の変換部4からの変換後の信号光TMを光処理し、光処理後の信号光TMを第2の変換部6Aに出力する。往路側の作用部31Aは、往路側の導波路を有し、往路側の導波路を導波する信号光を電気信号で光処理する。更に、復路側の作用部31Bは、復路側の導波路を有し、復路側の導波路を導波する信号光を電気信号で光処理する。
【0024】
第2の変換部6Aは、光回路5内の復路側の作用部31Bと接続する第4のポートと、折り返し導波路7の一方と接続する第5のポートと、折り返し導波路7の他方と接続する第6のポートとを有する。第2の変換部6Aは、光回路5からの光処理後の信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを光回路5内の復路側の作用部31Bに出力する。
【0025】
光回路5は、第2の変換部6Aからの変換後の信号光TEを光処理し、光処理後の信号光TEを第1の変換部4に出力する。そして、第1の変換部4は、光回路5内の往路側の作用部31Aからの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0026】
第1の変換部4は、第1のPR11と、第1のPBS12とを有する。第1のPR11は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1のPBS12と接続する第2のポートとを有し、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1のPBS12に出力する。
【0027】
第1のPBS12は、第1のPR11と接続する第1のポートと、光回路5内の往路側の作用部31Aと接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有する。第1のPBS12は、第2のポートからの信号光から信号光TM及び信号光TEに分離し、信号光TMを第1のポートから出力し、信号光TEを第3のポートから出力する。つまり、第1のPBS12は、第1のPR11からの変換後の信号光TMを光回路5内の往路側の作用部31Aに出力すると共に、光回路5内の往路側の作用部31Aからの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0028】
第2の変換部6Aは、第2のPBS21Aと、第2のPR22Aとを有する。第2のPBS21Aは、光回路5A内の復路側の作用部31Bと接続する第4のポートと、第2のPR22Aと接続する第5のポートと、折り返し導波路7Aと接続する第6のポートとを有する。第2のPBS21Aは、第4のポートからの信号光を信号光TM及び信号光TEに分離し、信号光TMを第5のポートから出力し、信号光TEを第6のポートから出力する。つまり、第2のPBS21Aは、光回路5A内の復路側の作用部31Bからの信号光TMを第2のPR22Aに出力すると共に、折り返し導波路7Aからの信号光TEを光回路5A内の復路側の作用部31Bに出力する。
【0029】
第2のPR22Aは、第2のPBS21Aと接続する第1のポートと、折り返し導波路7Aと接続する第2のポートとを有し、第2のPBS21Aからの信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7Aに出力する。
【0030】
光回路5Aは、第1の変換部4からの信号光TMを光処理すると共に、第2の変換部6Aからの信号光TEを光処理することで合計2回の光処理を実現する。その結果、光回路5Aの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Aの小型化を図ることができる。
【0031】
実施例2Aの光デバイス1Aでは、光回路5A内の導波路長が長い場合、光回路5Aの前後に第1の変換部4及び第2の変換部6Aを並列配置したので、光デバイス1Aの小型化を図ることができる。
【0032】
尚、実施例2Aの光デバイス1Aの光回路5Aでは、第1の変換部4で信号光TEを信号光TMに変換すると共に、第2の変換部6Bで信号光TMを信号光TEに変換する、すなわち直交する偏波に変換する場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、直交する高次モードに変換する場合にも適用可能である。そこで、その実施の形態につき、実施例2Bとして以下に説明する。
【0033】
図2Bは、実施例2Bの光デバイス1Xの一例を示す説明図である。尚、実施例2Aの光デバイス1Aと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図2Bに示す光デバイス1Xは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4Xである第1のモード変換部8と、光回路5Aと、第2の変換部6Xである第2のモード変換部9と、折り返し導波路7Aとを有する。光回路5Aは、
図2Aに示す光回路と同一の構成である。
【0034】
第1のモード変換部8は、モード変換結合部(Mode Convertor and Combiner)である。第1のモード変換部8は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5Aと接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有し、第1の導波路2からの信号光TE0を信号光TE1に高次モード変換し、高次モード変換後の信号光TE1を光回路5Aに出力する。尚、信号光TE0と信号光TE1とは直交した関係にある。尚、信号光TE0は、例えば、第1の光特性を有する信号光とした場合、信号光TE1は、例えば、第2の光特性を有する信号光とする。
【0035】
光回路5Aは、第1のモード変換部8と往路側の作用部31Aとを接続する第1のポートと、第2のモード変換部9と復路側の作用部31Bとを接続する第2のポートとを有する。光回路5Aは、第1のモード変換部8からのモード変換後の信号光TE1を光処理し、光処理後の信号光TE1を第2のモード変換部9に出力する。往路側の作用部31Aは、往路側の導波路を有し、往路側の導波路を導波する信号光を電気信号で光処理する。更に、復路側の作用部31Bは、復路側の導波路を有し、復路側の導波路を導波する信号光を電気信号で光処理する。
【0036】
第2のモード変換部9は、モード変換結合部である。第2のモード変換部9は、回路5A内の復路側の作用部31Bと接続する第4のポートと、折り返し導波路7Aの一方と接続する第5のポートと、折り返し導波路7Aの他方と接続する第6のポートとを有する。第2のモード変換部9は、光回路5Aからの光処理後の信号光TE1を信号光TE0に変換し、変換後の信号光TE0を光回路5A内の復路側の作用部31Bに出力する。
【0037】
光回路5Aは、第2のモード変換部9からの変換後の信号光TE0を光処理し、光処理後の信号光TE0を第1のモード変換部8に出力する。そして、第1のモード変換部8は、光回路5A内の往路側の作用部31Aからの信号光TE0を第2の導波路3に出力する。
【0038】
光回路5Aは、第1のモード変換部8からの信号光TE1を光処理すると共に、第2のモード変換部9からの信号光TE0を光処理することで合計2回の光処理を実現する。その結果、光回路5Aの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Xの小型化を図ることができる。
【0039】
実施例2Bの光デバイス1Xでは、光回路5A内の導波路長が長い場合、光回路5Aの前後に第1のモード変換部8及び第2のモード変換部9を並列配置したので、光デバイス1Xの小型化を図ることができる。
【0040】
尚、実施例2Aの光デバイス1Aでは、光回路5Aを通過する第1の変換部4からの信号光TMと第2の変換部6Aからの信号光TEとが逆進する。従って、例えば、第1のPBS12A及び第1のPR11の不完全性により折り返しの信号光TEが第1の導波路2を逆進する反射戻り光が発生することも考えられる。そこで、このような反射戻り光を抑制できる光デバイスの実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
【実施例0041】
図3は、実施例3の光デバイス1Bの一例を示す説明図である。尚、実施例2Aの光デバイス1Aと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図3に示す光デバイス1Bは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、光回路5Aと、第2の変換部6Bと、折り返し導波路7Bと、を有する。光回路5Aは、往路側の作用部31Aと、復路側の作用部31Bと、往路側の作用部31Aと復路側の作用部31Bとを光結合する折り返し導波路32とを有する。
【0042】
第1の変換部4は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5Aと接続する第2のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第3のポートとを有する。第1の変換部4は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを光回路5Aに出力する。
【0043】
光回路5Aは、第1の変換部4と往路側の作用部31Aとを接続する第1のポートと、第2の変換部6Bと復路側の作用部31Bとを接続する第2のポートとを有する。光回路5Aは、第1の変換部4からの変換後の信号光TMを光処理し、光処理後の信号光TMを第2の変換部6Bに出力する。
【0044】
第2の変換部6Bは、光回路5A内の復路側の作用部31Bと接続する第4のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2の変換部6Bは、光回路5Aからの光処理後の信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7Bに出力する。第1の変換部4は、折り返し導波路7Bからの変換後の信号光TEを光回路5A内の往路側の作用部31Aに出力する。
【0045】
光回路5Aは、第2の変換部6Bからの変換後の信号光TEを光処理し、光処理後の信号光TEを第2の変換部6Bに出力する。そして、第2の変換部6Bは、光回路5A内の復路側の作用部31Bからの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0046】
第1の変換部4は、第1のPR11と、第1のPBS12とを有する。第1のPR11は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1のPBS12と接続する第2のポートとを有する。第1のPR11は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1のPBS12に出力する。
【0047】
第1のPBS12は、第1のPR11と接続する第1のポートと、光回路5A内の往路側の作用部31Aと接続する第2のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第3のポートとを有する。第1のPBS12は、第2のポートからの信号光から信号光TM及び信号光TEに分離し、信号光TMを第1のポートから出力し、信号光TEを第3のポートから出力する。つまり、第1のPBS12は、第1のPR11からの信号光TMを光回路5A内の往路側の作用部31Aに出力すると共に、折り返し導波路7Bからの信号光TE光を光回路5A内の往路側の作用部31Aに出力する。
【0048】
第2の変換部6Bは、第2のPBS21Bと、第2のPR22Bとを有する。第2のPBS21Bは、光回路5A内の復路側の作用部31Aと接続する第4のポートと、第2のPR22Bと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2のPBS21Bは、第4のポートからの信号光を信号光TM及び信号光TEに分離し、信号光TMを第5のポートから出力し、信号光TEを第6のポートから出力する。つまり、第2のPBS21Bは、光回路5A内の復路側の作用部31Aからの信号光TMを第2のPR22Bに出力すると共に、光回路5A内の復路側の作用部31Aからの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0049】
第2のPR22Bは、第2のPBS21Bと接続する第1のポートと、折り返し導波路3と接続する第2のポートとを有し、第2のPBS21Bからの信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7Bに出力する。
【0050】
光回路5Aは、第1の変換部4からの信号光TMを光処理すると共に、第1の変換部4経由の第2の変換部6Bからの信号光TEを光処理することで同一進行方向で合計2回の光処理を実現する。その結果、光回路5Aの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Bの小型化を図りながら、反射戻り光の影響を抑制できる。
【0051】
実施例3の光デバイス1Bでは、光回路5A内の導波路長が長い場合、光回路5Aの前後に第1の変換部4及び第2の変換部6Bを並列配置したので、光デバイス1Bの小型化を図ることができる。
【0052】
光デバイス1Bは、光回路5Aの後段の第2のPR22Bを光回路5Aの前段の第1のPBS12に接続するため、1回目は信号光TM、2回目は信号光TEで、光回路5A内の導波路を同一進行方向に信号光が通過するため、反射戻り光の影響を抑制できる。折り返しの信号光TEの反射戻り光で第1の導波路2から入力する信号光TEに影響を与えるような事態を回避できる。更に、折り返しの信号光TMの反射戻り光で光回路5Aを通過する1回目の信号光TMに影響を与えるような事態を回避できる。
【0053】
尚、実施例3の光デバイス1Bの光回路5Aでは、第1の変換部4で信号光TEを信号光TMに変換すると共に、第2の変換部6Bで信号光TMを信号光TEに変換する、すなわち直交する偏波に変換する場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、直交する高次モードに変換する場合にも適用可能である。そこで、その実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。
【実施例0054】
図4は、実施例4の光デバイス1Cの一例を示す説明図である。尚、実施例3の光デバイス1Bと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図4に示す光デバイス1Cは、第1の導波路2と、第1の変換部4Cである第1のモード変換部8と、光回路5Aと、第2の変換部6Cである第2のモード変換部9と、折り返し導波路7Cと、第2の導波路3とを有する。光回路5Aは、
図3に示す光回路と同一の構成である。
【0055】
図5Aは、第1のモード変換部8の一例を示す説明図である。第1のモード変換部8は、モード変換結合部(Mode Convertor and Combiner)である。第1のモード変換部8は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5A内の往路側の作用部31Aと接続する第2のポートと、折り返し導波路7Cと接続する第3のポートとを有する。第1のモード変換部8は、例えば、信号光TE0を信号光TE1にモード変換する。尚、信号光TE0と信号光TE1とは直交した関係にある。第1のモード変換部8は、第1の導波路2からの信号光TE0を信号光TE1に高次モード変換し、高次モード変換後の信号光TE1を光回路5A内の往路側の作用部31Aに出力する。第1のモード変換部8は、折り返し導波路7Cからの信号光TE0を光回路5A内の往路側の作用部31Aに出力する。
【0056】
光回路5Aは、第1のモード変換部8と往路側の作用部31Aとを接続する第1のポートと、第2のモード変換部9と復路側の作用部31Bとを接続する第2のポートとを有する。光回路5Aは、第1のモード変換部8からの変換後の1回目の信号光TE1を光処理し、光処理後の信号光TE1を第2のモード変換部9に出力する。更に、光回路5Aは、第2のモード変換部9からの第1のモード変換部8経由の2回目の信号光TE0を光処理し、光処理後の信号光TE0を第2のモード変換部9に出力する。
【0057】
図5Bは、第2のモード変換部9の一例を示す説明図である。第2のモード変換部9は、光回路5A内の復路側の作用部31Bと接続する第4のポートと、折り返し導波路7Cと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2のモード変換部9は、例えば、信号光TE1を信号光TE0にモード変換する。第2のモード変換部9は、光回路5A内の復路側の作用部31Bからの光処理後の1回目の信号光TE1を信号光TE0にモード変換する。第2のモード変換部9は、変換後の信号光TE0を折り返し導波路7C経由で第1のモード変換部8に出力する。第2のモード変換部9は、光回路5Aからの光処理後の2回目の信号光TE0を第2の導波路3に出力する。
【0058】
つまり、光回路5Aは、第1のモード変換部8からの1回目の信号光TE1を光処理すると共に、第2のモード変換部9からの第1のモード変換部8経由の2回目の信号光TE0を光処理することで、同一進行方向の合計2回の光処理を実現する。その結果、高次モードであっても、光回路5Aの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Cの小型化を図りながら、反射戻り光の影響を抑制できる。
【0059】
実施例4の光デバイス1Cでは、光回路5A内の導波路長が長い場合、光回路5Aの前後に第1のモード変換部8及び第2のモード変換部9を並列配置したので、光デバイス1Cの小型化を図ることができる。
【実施例0060】
図6は、実施例5の光デバイス1Dの一例を示す説明図である。尚、実施例3の光デバイス1Bと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図6に示す光デバイス1Dと
図3に示す光デバイス1Bとが異なるところは、往路側の作用部31A内のチャネル導波路と、復路側の作用部31B内のチャネル導波路との間を折り返しリブ導波路32Dで光結合した点にある。
【0061】
光回路5Dは、往路側の作用部31A内のチャネル導波路と、復路側の作用部31B内のチャネル導波路との間を折り返しリブ導波路32Dで光結合したので、光回路5Dの小型化を図ることができる。
【実施例0062】
図7は、実施例6の光デバイス1Eの一例を示す説明図である。尚、実施例3の光デバイス1Bと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図7に示す光デバイス1Eと
図3に示す光デバイス1Bとが異なるところは、往路側の作用部31A内のチャネル導波路と、復路側の作用部31B内のチャネル導波路との間を折り返しチャネル導波路32Eで光結合した点にある。
【0063】
光回路5Dは、往路側の作用部31A内のチャネル導波路と、復路側の作用部31B内のチャネル導波路との間を折り返しチャネル導波路32Eで光結合したので、光回路5Dの小型化を図ることができる。しかも、折り返しチャネル導波路32Eは、光閉じ込めが強く、かつ、曲がり損失を抑制できる。
【実施例0064】
図8は、実施例7の光デバイス1Fの一例を示す説明図である。尚、実施例3の光デバイス1Bと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図8に示す光デバイス1F内の光回路5Fは、往路側の作用部31A1と、復路側の作用部31B1と、往路側の作用部31A1と復路側の作用部31B1との間を光結合する折り返しチャネル導波路32Eとを有する点にある。
【0065】
往路側の作用部31A1は、往路側の第1の変換導波路33A1と、往路側のリブ導波路と、往路側の第2の変換導波路33A2とを有する。往路側の第1の変換導波路33A1は、第1のPBS12側のチャネル導波路と往路側のリブ導波路とを接続し、チャネル導波路から往路側のリブ導波路へのスラブ幅が徐々に広くなるテーパ形状の導波路である。往路側の第2の変換導波路33A2は、往路側のリブ導波路と折り返しチャネル導波路32Eとを接続し、往路側のリブ導波路からチャネル導波路へのスラブ幅が徐々に狭くなるテーパ形状の導波路である。
【0066】
復路側の作用部31B1は、復路側の第1の変換導波路33B1と、復路側のリブ導波路と、復路側の第2の変換導波路33B2とを有する。復路側の第1の変換導波路33B1は、第2のPBS21A側のチャネル導波路と復路側のリブ導波路とを接続し、復路側のリブ導波路からチャネル導波路へのスラブ幅が徐々に狭くなるテーパ形状の導波路である。復路側の第2の変換導波路33B2は、復路側のリブ導波路と折り返しチャネル導波路32Eとを接続し、チャネル導波路から復路側のリブ導波路へのスラブ幅が徐々に広くなるテーパ形状の導波路である。
【0067】
光デバイス1Fでは、往路側の作用部31A1と復路側の作用部31B1との間を折り返しのチャネル導波路32Eで光結合する。従って、折り返しのチャネル導波路32Eでの光の閉じ込めが強く、かつ、折り返しのチャネル導波路32Eでの曲率半径を小さくした場合でも、曲げ半径で光損失を増やすことなく、信号光を折り返しできる。
【0068】
しかも、光回路5Fでは、チャネル導波路とリブ導波路との間にスラブ幅を徐々に変化するテーパ状の導波路を配置したので、リブ導波路とチャネル導波路との間で発生する光の損失を抑制できる。
【実施例0069】
図9は、実施例8の光デバイス1Gの一例を示す説明図である。
図9に示す光デバイス1Gは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、第1の折り返しチャネル導波路10Aと、光回路5Aと、第2の折り返しチャネル導波路10Bと、第2の変換部6Gと、折り返し導波路7Gとを有する。光回路5Aは、往路側のチャネル導波路を含む往路側の作用部31Aと、復路側のチャネル導波路を含む復路側の作用部31Bと、往路側の作用部31Aと復路側の作用部31Bとを光結合する折り返しチャネル導波路32Eとを有する。
【0070】
第1の変換部4は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1の折り返しチャネル導波路10Aと接続する第2のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第3のポートとを有する。第1の変換部4は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換する。第1の変換部4は、変換後の信号光TMを第1の折り返しチャネル導波路10Aに出力する。第1の折り返しチャネル導波路10Aは、光回路5A内の往路側の作用部31Aと接続する。
【0071】
光回路5Aは、第1の折り返しチャネル導波路10Aと往路側の作用部31Aとを接続する第1のポートと、第2の折り返しチャネル導波路10Bと復路側の作用部31Bとを接続する第2のポートとを有する。光回路5Aは、第1の折り返しチャネル導波路10Aからの変換後の信号光TMを光処理し、光処理後の信号光TMを第2の変換部6Gに出力する。
【0072】
第2の変換部6Gは、第2の折り返しチャネル導波路10Bと接続する第4のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2の変換部6Gは、第2の折り返しチャネル導波路10Bからの光処理後の信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7G及び第1の変換部4経由で第1の折り返しチャネル導波路10Aに出力する。第2の折り返しチャネル導波路10Bは、光回路5A内の往路側の作用部31Bと接続する。
【0073】
光回路5Aは、第1の折り返しチャネル導波路10Aからの第2の変換部6Gで変換後の信号光TEを光処理し、光処理後の信号光TEを第2の変換部6Gに出力する。そして、第2の変換部6Gは、光回路5A内の復路側の作用部31Bからの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0074】
第1の変換部4は、第1のPR11と、第1のPBS12とを有する。第1のPR11は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1のPBS12と接続する第2のポートとを有する。第1のPR11は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1のPBS12に出力する。
【0075】
第1のPBS12は、第1のPR11と接続する第1のポートと、第1の折り返しチャネル導波路10Aと接続する第2のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第3のポートとを有する。第1のPBS12は、第1のPR11からの信号光TMを第1の折り返しチャネル導波路10Aに出力すると共に、折り返し導波路7Gからの信号光TE光を第1の折り返しチャネル導波路10Aに出力する。
【0076】
第2の変換部6Gは、第2のPBS21Gと、第2のPR22Gとを有する。第2のPBS21Gは、第2の折り返しチャネル導波路10Aと接続する第4のポートと、第2のPR22Gと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2のPBS21Gは、第2の折り返しチャネル導波路10Bからの信号光TMを第2のPR22Gに出力すると共に、第2の折り返しチャネル導波路10Bからの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0077】
第2のPR22Gは、第2のPBS21Gと接続する第1のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第2のポートとを有する。第2のPR22Gは、第2のPBS21Gからの信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7Gに出力する。
【0078】
光回路5Aは、第1の折り返しチャネル導波路10Aからの1回目の信号光TMを光処理すると共に、第1の折り返しチャネル導波路10Bからの2回目の信号光TEを光処理することで同一進行方向の合計2回の光処理を実現する。その結果、光回路5Aの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Gの小型化を図りながら、反射戻り光の影響を抑制できる。
【0079】
実施例8の光デバイス1Gでは、光回路5Aの後段の第2のPR22Gを光回路5Aの前段の第1のPBS12に接続する。その結果、1回目は信号光TM、2回目は信号光TEで、光回路5A内の作用部のPINダイオード領域を同一進行方向に信号光が通過するため、反射戻り光の影響を抑制できる。つまり、折り返しの信号光TE0の反射戻り光で第1の導波路2から入力する信号光TE0に影響を与えるような事態を回避できる。更に、折り返しの信号光TE1の反射戻り光で光回路5Aを通過する1回目の信号光TE1に影響を与えるような事態を回避できる。
【0080】
また、光デバイス1Gは、第1の変換部4と、光回路5Aと、第2の変換部6Gとを並列に配置したので、光デバイス1Gのサイズの小型化を図ることができる。
【実施例0081】
図10は、実施例9の光デバイス1Hの一例を示す説明図である。
図10に示す光デバイス1Hは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1のモード変換部8Aと、第1の折り返しリブ導波路10A1と、光回路5Aと、第2の折り返しリブ導波路10B1と、第2のモード変換部9Aと、折り返し導波路7Gとを有する。光回路5Aは、往路側の作用部31Aと、復路側の作用部31Bと、往路側の作用部31Aと復路側の作用部31Bとを光結合する折り返しチャネル導波路32Eとを有する。
【0082】
第1のモード変換部8Aは、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1の折り返しリブ導波路10A1と接続する第2のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第3のポートとを有する。第1のモード変換部8Aは、第1の導波路2からの信号光TE0を信号光TE1に高次モード変換する。第1のモード変換部8Aは、変換後の信号光TE1を第1の折り返しリブ導波路10A1に出力する。第1の折り返しリブ導波路10A1は、光回路5A内の往路側の作用部31Aと接続する。
【0083】
光回路5Aは、第1の折り返しリブ導波路10A1と往路側の作用部31Aとを接続する第1のポートと、第2の折り返しリブ導波路10B1と復路側の作用部31Bとを接続する第2のポートとを有する。光回路5Aは、第1のモード変換部8Aからの変換後の信号光TE1を光処理し、光処理後の信号光TE1を第2のモード変換部9Aに出力する。
【0084】
第2のモード変換部9Aは、第2の折り返しリブ導波路10B1と接続する第4のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2のモード変換部9Aは、第2の折り返しリブ導波路10B1からの光処理後の信号光TE1を信号光TE0に変換し、変換後の信号光TE0を折り返し導波路7G及び第1のモード変換部8A経由で第1の折り返しリブ導波路10A1に出力する。第2の折り返しリブ導波路10B1は、光回路5A内の復路側の作用部31Bと接続する。
【0085】
光回路5Aは、第1のモード変換部8Aからの第2のモード変換部9Aで変換後の信号光TE0を光処理し、光処理後の信号光TE0を第2のモード変換部9Aに出力する。そして、第2のモード変換部9Aは、第2の折り返しリブ導波路10B1からの2回目の信号光TE0を第2の導波路3に出力する。
【0086】
光回路5Aは、第1の折り返しリブ導波路10A1からの1回目の信号光TE1を光処理すると共に、第1の折り返しリブ導波路10A1からの2回目の信号光TE0を光処理することで同一進行方向の合計2回の光処理を実現する。その結果、光回路5Aの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Hの小型化を図りながら、反射戻り光の影響を抑制できる。
【0087】
実施例9の光デバイス1Hでは、光回路5Aの後段の第2のモード変換部9Aを光回路5Aの前段の第1のモード変換部8Aに接続する。その結果、1回目は信号光TE1、2回目は信号光TE0で、光回路5A内の作用部のPINダイオード領域を同一進行方向に信号光が通過するため、反射戻り光の影響を抑制できる。つまり、折り返しの信号光TE0の反射戻り光で第1の導波路2から入力する信号光TE0に影響を与えるような事態を回避できる。更に、折り返しの信号光TE1の反射戻り光で光回路5Aを通過する1回目の信号光TE1に影響を与えるような事態を回避できる。
【0088】
また、光デバイス1Hは、第1のモード変換部8Aと、光回路5Aと、第2のモード変換部9Aとを並列に配置したので、光デバイス1Hのサイズの小型化を図ることができる。
【0089】
更に、第1の折り返しリブ導波路10A1及び第2の折り返しリブ導波路10B1がリブ導波路であるため、1回目の信号光TE0及び2回目の信号光TE1のモードの直交性を維持できる。
【0090】
尚、実施例1~9の光デバイス1の光回路5の一例としてDC変調器等の光変調器や位相シフタ等の様々な回路が考えられる。しかしながら、例えば、VOA(Variable Optical Attenuator)でも良く、PIN型VOAを適用した場合の光デバイスの実施の形態につき、実施例10として以下に説明する。
【実施例0091】
図11は、実施例10の光デバイス1Jの一例を示す説明図、
図12は、
図11に示す光デバイス1JのA-A線の略断面図である。尚、実施例1の光デバイス1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0092】
図11に示す光デバイス1Jは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、PIN型VOAである光回路5と、第2の変換部6と、折り返し導波路7とを有する。第1の変換部4は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5と接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有する。第1の変換部4は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを光回路5に出力する。
【0093】
第2の変換部6は、光回路5と接続する第4のポートと、折り返し導波路7の一方と接続する第5のポートと、折り返し導波路7の他方と接続する第6のポートと、を有する。第2の変換部6は、光回路5からの光減衰処理後の信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TEを光回路5に出力する。
【0094】
第1の変換部4は、第1のPR11と、第1のPBS12とを有する。第1のPR11は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1のPBS12と接続する第2のポートとを有する。第1のPR11は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1のPBS12に出力する。第1のPBS12は、第1のPR11と接続する第1のポートと、光回路5と接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有する。第1のPBS12は、第1のPR11からの信号光TMを光回路5Aに出力すると共に、光回路5Aからの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0095】
第2の変換部6は、第2のPBS21と、第2のPR22とを有する。第2のPBS21は、光回路5と接続する第4のポートと、第2のPR22と接続する第5のポートと、折り返し導波路7と接続する第6のポートとを有する。第2のPSB21は、光回路5からの信号光TMを第2のPR22に出力すると共に、折り返し導波路7からの信号光TEを光回路5に出力する。第2のPR22は、第2のPBS21と接続する第1のポートと、折り返し導波路7と接続する第2のポートとを有し、第2のPBS21からの信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7に出力する。
【0096】
図12に示す光回路5は、Si基板51と、Si基板51上に積層されたSiO
2のクラッド層52と、クラッド層52内に配置されたSiのリブ導波路53とを有する。更に、光回路5は、リブ導波路53の第1のスラブ54A及び第2のスラブ54B上に配置された電極55A及び55Bを有する。電極は、P電極55Aと、N電極55Bとを有する。尚、光回路5の作用部31は、リブ導波路53と、P電極55Aと、N電極55Bとを有する。
【0097】
リブ導波路53は、P電極55Aと接触する第1のスラブ54Aの部分に形成されたPドープ領域54A1と、N電極55Bと接触する第2のスラブ54Bの部分に形成されたNドープ領域54B1とを有する。尚、Pドープ領域54A1とNドープ領域54B1との間のリブ導波路53の導波路幅はIとする。導波路幅Wを狭くすると、信号光の吸収の効率が良くなる。
【0098】
光回路5内の作用部31は、P電極55AからN電極55Bに+の電圧が印加されると、リブ導波路53に電流が流れ、自由キャリアの吸収によってリブ導波路53を導波する信号光が吸収される。その結果、光回路5は、リブ導波路53を導波する信号光の強度が減衰する。
【0099】
光回路5は、第1の変換部4と作用部31とを接続する第1のポートと、第2の変換部6と作用部31とを接続する第2のポートとを有する。光回路5は、第1の変換部4からの変換後の信号光TMを作用部31で光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TMを第2の変換部6に出力する。
【0100】
光回路5は、第2の変換部6からの変換後の信号光TEを作用部31で光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TEを第1の変換部4に出力する。そして、第1の変換部4は、光回路5からの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0101】
光回路5は、第1の変換部4から第2の変換部6への信号光TMを光減衰処理すると共に、第2の変換部6から第1の変換部4への信号光TEを光減衰処理することで、合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Jの小型化を図ることができる。
【0102】
尚、光回路5内のリブ導波路53のPドープ領域54A1及びNドープ領域54B1では、ドープ濃度が高くなるに連れて抵抗が低くなるため、消費電力を下げることができる。しかしながら、ドープ濃度が高くなるに連れて電流が流れていない状態での光の吸収が大きくなるため光の損失が大きくなる。そこで、光の損失を抑制できる光デバイスの実施の形態につき、実施例11として以下に説明する。
【実施例0103】
図13は、実施例11の光デバイス1Kの一例を示す説明図、
図14は、
図13に示す光デバイス1KのB-B線の略断面図である。尚、実施例10の光デバイス1Jと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図13及び
図14に示す光回路5内のリブ導波路53は、P電極55Aと接触する第1のスラブ54Aと、N電極55Bと接触する第2のスラブ54Bとを有する。
【0104】
第1のスラブ54Aは、リブ導波路53のリブに近接するP+ドープ領域54A1と、P電極55Aと接触するP++ドープ領域54A2と、を有する。第2のスラブ54Bは、リブに近接するN+ドープ領域54B1と、N電極55Bと接触するN++ドープ領域54B2と、を有する。
【0105】
電極に近いP++ドープ領域54A2及びN++ドープ領域54B2のドープ濃度は、P+ドープ領域54A1及びN+ドープ領域54B1のドープ濃度に比較して高くしている。
【0106】
実施例11の光デバイス1Kでは、第1の変換部4から第2の変換部6への信号光TMを光減衰処理すると共に、第2の変換部6から第1の変換部4への信号光TEを光減衰処理することで、合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Kの小型化を図ることができる。
【0107】
更に、光回路5内のリブ導波路53の第1のスラブ54A(第2のスラブ54B)は、リブに近い方の領域のドープ濃度を低くし、電極55A(55B)に近い方の領域のドープ濃度を高くする構成にした。その結果、光の損失を抑制しながら、光導波路幅Wを狭くしながら、光導波路の電流が流した場合での光の吸収の効率の向上を図る。
【実施例0108】
図15は、実施例12の光デバイス1Lの一例を示す説明図、
図16は、
図15に示す光デバイス1LのC-C線の略断面図である。
図15に示す光デバイス1Lは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、光回路5Lと、第2の変換部6と、折り返し導波路7とを有する。光回路5Lは、往路側の作用部31A1と、復路側の作用部31B1と、往路側の作用部31A1と復路側の作用部31B1とを光結合する折り返し側の作用部32Lとを有する。
【0109】
第1の変換部4は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5Lと接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有する。第1の変換部4は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを光回路5Lに出力する。
【0110】
光回路5Lは、第1の変換部4と往路側の作用部31A1とを接続する第1のポートと、第2の変換部6と復路側の作用部31B1とを接続する第2のポートとを有する。光回路5Lは、第1の変換部4からの変換後の信号光TMを光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TMを第2の変換部6に出力する。往路側の作用部31A1は、第1の変換部4からの信号光TMを電気信号で光減衰処理する。折り返し側の作用部32Lは、光減衰処理後の信号光TMを電気信号で光減衰処理する。更に、復路側の作用部31B1は、折り返し側の作用部32Lからの光減衰処理後の信号光TMを電気信号で光減衰処理する。
【0111】
第2の変換部6は、光回路5L内の復路側の作用部31B1と接続する第4のポートと、折り返し導波路7の一方と接続する第5のポートと、折り返し導波路7の他方と接続する第5のポートと、を有する。第2の変換部6は、光回路5Lからの光処理後の信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを光回路5L内の復路側の作用部31B1に出力する。
【0112】
光回路5Lは、第2の変換部6からの変換後の信号光TEを光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TEを第1の変換部4に出力する。そして、第1の変換部4は、光回路5L内の往路側の作用部31A1からの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0113】
第1の変換部4は、第1のPR11と、第1のPBS12とを有する。第1のPR11は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1のPBS12と接続する第2のポートとを有し、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1のPBS12に出力する。
【0114】
第1のPBS12は、第1のPR11と接続する第1のポートと、光回路5L内の往路側の作用部31A1と接続する第2のポートと、第2の導波路3と接続する第3のポートとを有する。第1のPBS12は、第1のPR11からの変換後の信号光TMを光回路5L内の往路側の作用部31A1に出力すると共に、光回路5L内の往路側の作用部31A1からの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0115】
第2の変換部6は、第2のPBS21と、第2のPR22とを有する。第2のPBS21は、光回路5L内の復路側の作用部31B1と接続する第4のポートと、第2のPR22と接続する第5のポートと、折り返し導波路7と接続する第6のポートとを有する。第2のPBS21は、光回路5L内の復路側の作用部31B1からの信号光TMを第2のPR22に出力すると共に、折り返し導波路7からの信号光TEを光回路5L内の復路側の作用部31B1に出力する。
【0116】
第2のPR22は、第2のPBS21と接続する第1のポートと、折り返し導波路7と接続する第2のポートとを有し、第2のPBS21からの信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7に出力する。
【0117】
光回路5Lは、Si基板51と、Si基板51上に積層されたSiO2のクラッド層52と、クラッド層52内に配置されたSiのリブ導波路53と、リブ導波路53の両スラブ54A,54B上に配置された電極とを有する。電極は、P電極55Aと、N電極55Bとを有する。尚、光回路5Lの作用部31A1(32L,31B1)は、リブ導波路53と、P電極55Aと、N電極55Bとを有する。
【0118】
リブ導波路53のスラブは、P電極55と接触する第1のスラブ54Aと、N電極55Bと接触する第2のスラブ54Bとを有する。第1のスラブ54Aは、リブ導波路53のリブに近接するP+ドープ領域54A1と、P電極55Aと接触するP++ドープ領域54A2と、を有する。第2のスラブ54Bは、リブに近接するN+ドープ領域54B1と、N電極55Bと接触するN++ドープ領域54B2と、を有する。尚、P+ドープ領域54A1及びN+ドープ領域54B1はドープ濃度を下げ、電極に近いP++ドープ領域54A2及びN++ドープ領域54B2はドープ濃度を上げる。
【0119】
光回路5Lは、第1の変換部4から第2の変換部6への信号光TMを光減衰処理すると共に、第2の変換部6から第1の変換部4への信号光TEを光減衰処理することで、合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Lの小型化を図ることができる。
【0120】
更に、光回路5L内のリブ導波路53の第1のスラブ54A(第2のスラブ54B)は、リブに近い方の領域のドープ濃度を低くし、電極に近い方の領域のドープ濃度を高くする構成にした。その結果、光の損失を抑制しながら、抵抗を下げることができる。
【0121】
更に、光デバイス1L内の光回路5Lは、往路側の作用部31A1と復路側の作用部31B1との間を光結合する折り返し側の作用部32Lを有するため、VOAの導波路長が短くして光回路5Lの小型化を図ることができる。
【0122】
尚、実施例12の光デバイス1L内の光回路5Lのリブ導波路53は、通過する光の閉じ込めが弱く、特に折り返し側の作用部32Lでの曲率半径を小さくすると、曲げ損失が大きくなる。そこで、このような事態に対処する光デバイスの実施の形態につき、実施例13として以下に説明する。
【実施例0123】
図17は、実施例13の光デバイス1Mの一例を示す説明図、
図18は、
図17に示す光デバイス1MのD-D線の略断面図である。尚、実施例12の光デバイス1Mと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図17に示す光デバイス1Mは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、光回路5Mと、第2の変換部6と、折り返し導波路7とを有する。光回路5Mは、第1の変換部4内の第1のPBS12と接続する往路側の作用部31A2と、第2の変換部6内の第2のPBS12と接続する復路側の作用部31B2と、を有する。更に、光回路5Mは、往路側の作用部31A2と復路側の作用部31B2との間を光結合する、折り返しのチャネル導波路32Mを有する。
【0124】
図18に示す往路側の作用部31A2は、往路側の第1の変換導波路33A1と、往路側のリブ導波路53Aと、往路側の第2の変換導波路33A2と、往路側のP電極55A及びN電極55Bと、を有する。往路側のリブ導波路53A内のスラブは、P+ドープ領域54A1及びP++ドープ領域54A2を含む往路側の第1のスラブ54Aと、N+ドープ領域54B1及びN++ドープ領域54B2を含む往路側の第2のスラブ54Bとを有する。
【0125】
往路側の第1の変換導波路33A1は、第1のPBS12と接続するチャネル導波路と往路側のリブ導波路53Aとを接続し、チャネル導波路からリブ導波路に遷移する上でスラブ幅が徐々に広くなるテーパ状の導波路である。往路側の第2の変換導波路33A2は、往路側のリブ導波路53Aと折り返しのチャネル導波路32Mとを接続し、リブ導波路からチャネル導波路に遷移する上でスラブ幅が徐々に狭くなるテーパ状の導波路である。
【0126】
図18に示す復路側の作用部31B2は、復路側の第1の変換導波路33B1と、復路側のリブ導波路53Bと、復路側の第2の変換導波路33B2と、復路側のP電極55A及びN電極55Bと、を有する。復路側のリブ導波路53B内のスラブは、P+ドープ領域54A1及びP++ドープ領域54A2を含む復路側の第1のスラブ54Aと、N+ドープ領域54B1及びN++ドープ領域54B2を含む復路側の第2のスラブ54Bとを有する。
【0127】
復路側の第1の変換導波路33B1は、第2のPBS21と接続するチャネル導波路と復路側のリブ導波路53Bとを接続し、チャネル導波路からリブ導波路に遷移する上でスラブ幅が徐々に広くなるテーパ状の導波路である。復路側の第2の変換導波路33B2は、復路側のリブ導波路53Bと折り返しのチャネル導波路32Mとを接続し、リブ導波路からチャネル導波路に遷移する上でスラブ幅が徐々に狭くなるテーパ状の導波路である。
【0128】
実施例13の光デバイス1M内の光回路5Mでは、第1の変換部4から第2の変換部6への信号光TMを光減衰処理すると共に、第2の変換部6から第1の変換部4への信号光TEを光減衰処理することで、合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Mの小型化を図ることができる。
【0129】
光デバイス1Mでは、往路側の作用部31A2と復路側の作用部31B2との間を折り返しのチャネル導波路32Mで光結合する。その結果、折り返しのチャネル導波路32Mでの光の閉じ込めが強く、かつ、折り返しのチャネル導波路32Mでの曲率半径を小さくした場合でも、曲げ半径で光損失を増やすことなく、信号光を折り返しできる。
【0130】
しかも、光回路5Mでは、チャネル導波路とリブ導波路との間のスラブ幅を徐々に変化するテーパ状の導波路である第1の変換導波路33A1(33B1)及び第2の変換導波路33A2(33B2)を配置した。その結果、リブ導波路とチャネル導波路との間で発生する光の損失を抑制できる。
【0131】
尚、実施例13の光回路5M内では、往路側の作用部31A2と、復路側の作用部31B2とでP電極55Aを夫々配置する場合を例示したが、P電極55Aを共有化して電極の端子を減らしても良く、その実施の形態につき、実施例14として以下に説明する。
【実施例0132】
図19は、実施例14の光デバイス1Nの一例を示す説明図、
図20は、
図19に示す光デバイス1NのE-E線の略断面図である。尚、実施例13の光デバイス1Mと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0133】
図19に示す光デバイス1Nは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、光回路5Nと、第2の変換部6と、折り返し導波路7とを有する。光回路5Nは、往路側の作用部31A3と、復路側の作用部31B3と、折り返しのチャネル導波路32Mとを有する。往路側の作用部31A3及び復路側の作用部31B3は、往路側のP電極55A及び復路側のP電極55Aを共有化する単一のP電極55A1を有する。更に、往路側の作用部31A3及び復路側の作用部31B3は、往路側のN電極55Bと復路側のN電極と55Bを電気的に接続する連結部58を有する。
【0134】
図20に示すP電極55Aは、往路側の作用部31A3内の往路側のP++ドープ領域54A2と電気的に接続するビア57と、復路側の作用部31B3内の復路側のP++ドープ領域54A2と電気的に接続するビア57とを電気的に接続する。連結部58は、往路側の作用部31A3の往路側のN++ドープ領域54B2と接続するビア57と接続する往路側のN電極55Bと、復路側の作用部31B3のN++ドープ領域54B2と接続するビア57と接続する復路側のN電極55Bとを電気的に接続する。
【0135】
光回路5Nは、往路側のN電極55B及び復路側のN電極55Bに電圧を印加することで、往路側のN電極55BからP電極55A1に電流が流れて往路側の作用部31A3内の往路側のリブ導波路53Aを導波する信号光を吸収する。更に、光回路5Nは、復路側のN電極55BからP電極55A1に電流が流れて復路側の作用部31B3内の復路側のリブ導波路53Bを導波する信号光を吸収する。
【0136】
実施例14の光デバイス1Nでは、第1の変換部4から第2の変換部6への信号光TMを光減衰処理すると共に、第2の変換部6から第1の変換部4への信号光TEを光減衰処理することで、合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Nの小型化を図ることができる。
【0137】
光回路5Nでは、往路側の作用部31A3と復路側の作用部31B3との間でP電極55A1を共有化し、P電極55A1に端子を配置するので、
図17に示す光回路1Mに比較して、P電極側の端子を削減できる。更に、光回路5Nでは、往路側のN電極55Bと復路側のN電極と55Bを電気的に接続する連結部58を有し、N電極55B又は連結部58の何れかに端子を配置するので、
図17に示す光デバイス1Mに比較して、N電極側の端子を削減できる。
【0138】
尚、実施例14の光デバイス1N内の光回路5Nは、往路側の作用部31A3内のP++ドープ領域54A2と、復路側の作用部31B3内のP++ドープ領域54A2とを単一のP電極55A1で接続する場合を例示した。しかしながら、往路側の作用部31A3内のP++ドープ領域54A2と復路側の作用部31B3内のP++ドープ領域54A2とを共有化しても良く、その実施の形態につき、実施例15として以下に説明する。
【実施例0139】
図21は、実施例15の光デバイス1Pの一例を示す説明図、
図22は、
図21に示す光デバイス1PのF-F線の略断面図である。尚、実施例14の光デバイス1Nと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0140】
図21に示す光デバイス1Pは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、光回路5Pと、第2の変換部6と、折り返し導波路7とを有する。光回路5Pは、往路側の作用部31A3内のP+ドープ領域54A1と復路側のP+ドープ領域54A1とを接続する単一のP++ドープ領域54A3を有する。P++ドープ領域54A3は、単一のP電極55Aとビアで電気的に接続する。
【0141】
光回路5Pは、往路側の作用部31A3内のN電極55B及び復路側の作用部31B3内のN電極55Bに電圧を印加する。その結果、光回路5Pは、往路側のN電極55BからP電極55A1に電流が流れて往路側の作用部31A3内の往路側のリブ導波路53Aを導波する信号光を吸収する。更に、光回路5Pは、復路側のN電極55BからP電極55A1に電流が流れて復路側の作用部31B3内のリブ導波路53Bを導波する信号光を吸収する。
【0142】
実施例15の光デバイス1Pでは、第1の変換部4から第2の変換部6への信号光TMを光減衰処理すると共に、第2の変換部6から第1の変換部4への信号光TEを光減衰処理することで、合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Pの小型化を図ることができる。
【0143】
光回路5Pでは、往路側の作用部31A3と復路側の作用部31B3とのP++ドープ領域54A3を共有化するため、往路側の作用部31A3と復路側の作用部31B3との間の間隔を短くすることができる。
【0144】
尚、実施例15の光デバイス1Pでは、光回路5P内の往路側の作用部31A3及び復路側の作用部31B3で1回目の信号光TMと2回目の信号光TEとが逆進する。従って、例えば、第1のPBS12及び第1のPR11の不完全性により、折り返しの信号光TEが第1の導波路2を逆進する。その結果、折り返しの信号光TEの反射戻り光で第1の導波路2から入力する信号光TEに影響を与える。また、例えば、第2のPBS21及び第2のPR21の不完全性により、折り返しの信号光TMが第1のPR11を逆進する。その結果、折り返しの信号光TMの反射戻り光で光回路5Pを通過する1回目の信号光TMに影響を与える。そこで、このような反射戻り光を抑制する実施の形態につき、実施例16として以下に説明する。
【実施例0145】
図23は、実施例16の光デバイス1Qの一例を示す説明図、
図24は、
図23に示す光デバイス1QのG-G線の略断面図である。尚、実施例15の光デバイス1Pと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図23に示す光デバイス1Qは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4と、光回路5Qと、第2の変換部6Bと、折り返し導波路7Bとを有する。光回路5Qは、往路側の作用部31A3と、復路側の作用部31B3と、往路側の作用部31A3と復路側の作用部31B3とを光結合する折り返しチャネル導波路32Mとを有する。
【0146】
第1の変換部4は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5Q内の往路側の作用部31A3と接続する第2のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第3のポートとを有する。第1の変換部4は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを光回路5Q内の往路側の作用部31A3に出力する。
【0147】
光回路5Qは、第1の変換部4と往路側の作用部31A3とを接続する第1のポートと、第2の変換部6Bと復路側の作用部31B3とを接続する第2のポートとを有する。光回路5Qは、第1の変換部4からの変換後の信号光TMを光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TMを第2の変換部6に出力する。尚、光回路5Qは、実施例15の光回路と同一構成である。
【0148】
第2の変換部6Bは、光回路5Q内の復路側の作用部31B3と接続する第4のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2の変換部6Bは、光回路5Q内の復路側の作用部31B3からの光減衰処理後の信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7B及び第1の変換部4経由で光回路5Q内の往路側の作用部31B3に出力する。
【0149】
光回路5Qは、第2の変換部6Bからの変換後のの信号光TEを光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TEを第2の変換部6Bに出力する。そして、第2の変換部6Bは、光回路5Q内の復路側の作用部31B3からの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0150】
第1の変換部4は、第1のPR11と、第1のPBS12とを有する。第1のPR11は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1のPBS12と接続する第2のポートとを有し、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1のPBS12に出力する。
【0151】
第1のPBS12は、第1のPR11と接続する第1のポートと、光回路5Q内の往路側の作用部31A3と接続する第2のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第3のポートとを有する。第1のPBS12は、第1のPR11からの信号光TMを光回路5Q内の往路側の作用部31A3に出力すると共に、折り返し導波路7Bからの信号光TE光を光回路5Q内の往路側の作用部31A3に出力する。
【0152】
第2の変換部6Bは、第2のPBS21Bと、第2のPR22Bとを有する。第2のPBS21Bは、光回路5Q内の復路側の作用部31B3と接続する第4のポートと、第2のPR22Bと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2の変換部6Bは、光回路5Q内の復路側の作用部31B3からの信号光TMを第2のPR22Bに出力すると共に、光回路5Q内の復路側の作用部31B3からの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0153】
第2のPR22Bは、第2のPBS21Bと接続する第1のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第2のポートとを有し、第2のPBS21Bからの信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7Bに出力する。
【0154】
光回路5Qは、第1の変換部4からの信号光TMを光減衰処理すると共に、第1の変換部4経由の第2の変換部6Bからの信号光TEを光減衰処理することで同一進行方向の合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Qの小型化を図りながら、反射戻り光の影響を抑制できる。
【0155】
実施例16の光デバイス1Qでは、光回路5Qの後段の第2のPR22Bを光回路5Qの前段の第1のPBS12に接続する。その結果、1回目は信号光TM、2回目は信号光TEで、光回路5Q内の作用部31A3(31B3)のPINダイオード領域を同一進行方向に信号光が通過するため、反射戻り光の影響を抑制できる。つまり、折り返しの信号光TEの反射戻り光で第1の導波路2から入力する信号光TEに影響を与えるような事態を回避できる。更に、折り返しの信号光TMの反射戻り光で光回路5Qを通過する1回目の信号光TMに影響を与えるような事態を回避できる。
【0156】
尚、実施例16の光デバイス1Qの光回路5Qでは、第1の変換部4で信号光TEを信号光TMに変換すると共に、第2の変換部6Bで信号光TMを信号光TEに変換する、すなわち直交する偏波に変換する場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、直交する高次モードに変換する場合にも適用可能である。そこで、その実施の形態につき、実施例17として以下に説明する。
【実施例0157】
図25は、実施例17の光デバイス1Rの一例を示す説明図、
図26は、
図25に示す光デバイス1RのH-H線の略断面図である。尚、実施例15の光デバイス1Pと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図25に示す光デバイス1Rは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1のモード変換部8と、光回路5Rと、第2のモード変換部9と、折り返し導波路7Bとを有する。光回路5Rは、
図15に示す光回路と同一の構成である。
【0158】
第1のモード変換部8は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、光回路5R内の往路側の作用部31A3と接続する第2のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第3のポートとを有する。第1のモード変換部8は、第1の導波路2からの信号光TE0を信号光TE1にモード変換し、モード変換後の信号光TE1を光回路5R内の往路側の作用部31A3に出力する。第1のモード変換部8は、折り返し導波路7Bからの信号光TE0を光回路5R内の往路側の作用部31A3に出力する。
【0159】
光回路5Rは、第1のモード変換部8と往路側の作用部31A3とを接続する第1のポートと、第2のモード変換部9と復路側の作用部31B3とを接続する第2のポートとを有する。光回路5Rは、第1のモード変換部8からの変換後の1回目の信号光TE1を光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TE1を第2のモード変換部9に出力する。更に、光回路5Rは、第2のモード変換部9からの第1のモード変換部8経由の2回目の信号光TE0を光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TE0を第2のモード変換部9に出力する。
【0160】
第2のモード変換部9は、光回路5R内の復路側の作用部31A3と接続する第4のポートと、折り返し導波路7Bと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2のモード変換部9は、光回路5R内の往路側の作用部31A3からの光減衰処理後の1回目の信号光TE1を信号光TE0にモード変換する。第2のモード変換部9は、変換後の信号光TE0を折り返し導波路7B経由で第1のモード変換部8に出力する。第2のモード変換部9は、光回路5Rからの光減衰処理後の2回目の信号光TE0を第2の導波路3に出力する。
【0161】
つまり、光回路5Rは、第1のモード変換部8からの1回目の信号光TE1を光減衰処理すると共に、第2のモード変換部9からの第1のモード変換部8経由の2回目の信号光TE0を光減衰処理することで、同一進行方向の合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、高次モードであっても、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Rの小型化を図りながら、反射戻り光をの影響を抑制できる。
【0162】
実施例17の光デバイス1Rでは、光回路5Rの後段の第2のモード変換部9を光回路5Rの前段の第1のモード変換部8に接続する。その結果、1回目は信号光TM、2回目は信号光TEで、光回路5R内の作用部31A3(31B3)のPINダイオード領域を同一進行方向に信号光が通過するため、反射戻り光の影響を抑制できる。つまり、折り返しの信号光TE0の反射戻り光で第1の導波路2から入力する信号光TE0に影響を与えるような事態を回避できる。更に、折り返しの信号光TE1の反射戻り光で光回路5Rを通過する1回目の信号光TE1に影響を与えるような事態を回避できる。
【実施例0163】
反射戻り光を抑制する実施の形態につき、実施例18として以下に説明する。
図27は、実施例18の光デバイス1Sの一例を示す説明図である。尚、実施例15の光デバイス1Pと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0164】
図27に示す光デバイス1Sは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1の変換部4Sと、第1の折り返しチャネル導波路10Aと、光回路5Sと、第2の折り返しチャネル導波路10Bと、第2の変換部6Sと、折り返し導波路7Gとを有する。光回路5Sは、往路側の作用部31A4と、復路側の作用部31B4と、往路側の作用部31A4と復路側の作用部31B4とを光結合する折り返しチャネル導波路32とを有する。
【0165】
第1の変換部4Sは、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1の折り返しチャネル導波路10Aと接続する第2のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第3のポートとを有する。第1の変換部4Sは、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1の折り返しチャネル導波路10Aに出力する。第1の折り返しチャネル導波路10Aは、光回路5S内の往路側の作用部31A4と接続する。往路側の作用部31A4は、第1の折り返しチャネル導波路10Aと往路側のリブ導波路53Aとを光結合する往路側の第1の変換導波路33A1と、往路側のリブ導波路53Aとチャネル導波路32Mとを光結合する往路側の第2の変換導波路33A2とを有する。
【0166】
光回路5Sは、第1の折り返しチャネル導波路10Aと往路側の作用部31A4とを接続する第1のポートと、第2の折り返しチャネル導波路10Bと復路側の作用部31B4とを接続する第2のポートとを有する。光回路5Sは、第1の変換部4Sからの変換後の信号光TMを光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TMを第2の変換部6Sに出力する。復路側の作用部31A4は、第2の折り返しチャネル導波路10Bと復路側のリブ導波路53Bとを光結合する復路側の第1の変換導波路33B1と、往路側のリブ導波路53Bとチャネル導波路32Mとを光結合する復路側の第2の変換導波路33B2とを有する。
【0167】
第2の変換部6Sは、第2の折り返しチャネル導波路10Bと接続する第4のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2の変換部6Sは、第2の折り返しチャネル導波路10Bからの光減衰処理後の信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7G及び第1の変換部4S経由で第1の折り返しチャネル導波路10Aに出力する。第2の折り返しチャネル導波路10Bは、光回路5S内の往路側の作用部31A4と接続する。
【0168】
光回路5Sは、第1の変換部4Sからの第2の変換部6Sで変換後の信号光TEを光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TEを第2の変換部6Sに出力する。そして、第2の変換部6Sは、光回路5S内の復路側の作用部31A4からの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0169】
第1の変換部4Sは、第1のPR11と、第1のPBS12とを有する。第1のPR11は、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1のPBS12と接続する第2のポートとを有する。第1のPR11は、第1の導波路2からの信号光TEを信号光TMに変換し、変換後の信号光TMを第1のPBS12に出力する。
【0170】
第1のPBS12は、第1のPR11と接続する第1のポートと、第1の折り返しチャネル導波路10Aと接続する第2のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第3のポートとを有する。第1のPBS12は、第1のPR11からの信号光TMを第1の折り返しチャネル導波路10Aに出力すると共に、折り返し導波路7Gからの信号光TE光を第1の折り返しチャネル導波路10Aに出力する。
【0171】
第2の変換部6Sは、第2のPBS21Gと、第2のPR22Gとを有する。第2のPBS21Gは、第2の折り返しチャネル導波路10Bと接続する第4のポートと、第2のPR22Gと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2のPBS21Gは、第2の折り返しチャネル導波路10Bからの信号光TMを第2のPR22Gに出力すると共に、第2の折り返しチャネル導波路10Bからの信号光TEを第2の導波路3に出力する。
【0172】
第2のPR22Gは、第2のPBS21Gと接続する第1のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第2のポートとを有し、第2のPBS21Gからの信号光TMを信号光TEに変換し、変換後の信号光TEを折り返し導波路7Gに出力する。
【0173】
光回路5Sは、第1の折り返しチャネル導波路10Aからの1回目の信号光TMを光減衰処理すると共に、第1の折り返しチャネル導波路10Aからの2回目の信号光TEを光減衰処理することで同一進行方向の合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Sの小型化を図りながら、反射戻り光の影響を抑制できる。
【0174】
実施例18の光デバイス1Sでは、光回路5Sの後段の第2のPR22Gを光回路5Sの前段の第1のPBS12に接続する。その結果、1回目は信号光TM、2回目は信号光TEで、光回路5S内の作用部31A4(31B4)のPINダイオード領域を同一進行方向に信号光が通過するため、反射戻り光の影響を抑制できる。つまり、折り返しの信号光TEの反射戻り光で第1の導波路2から入力する信号光TEに影響を与えるような事態を回避できる。更に、折り返しの信号光TMの反射戻り光で光回路5Qを通過する1回目の信号光TMに影響を与えるような事態を回避できる。
【0175】
また、光デバイス1Sは、第1の変換部4Sと、光回路5Sと、第2の変換部6Sとを並列に配置したので、光デバイス1Sのサイズの小型化を図ることができる。
【実施例0176】
反射戻り光を抑制する実施の形態につき、実施例19として以下に説明する。
図28は、実施例19の光デバイス1Tの一例を示す説明図である。尚、実施例15の光デバイス1Pと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0177】
図28に示す光デバイス1Tは、第1の導波路2と、第2の導波路3と、第1のモード変換部8Tと、第1の折り返しリブ導波路10A1と、光回路5Tと、第2の折り返しリブ導波路10B1と、第2のモード変換部9Tと、折り返し導波路7Gとを有する。光回路5Tは、往路側の作用部31A4と、復路側の作用部31B4と、往路側の作用部31A4と復路側の作用部31B4とを光結合する折り返しチャネル導波路32Mとを有する。
【0178】
第1のモード変換部8Tは、第1の導波路2と接続する第1のポートと、第1の折り返しリブ導波路10A1と接続する第2のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第3のポートとを有する。第1のモード変換部8Tは、第1の導波路2からの信号光TE0を信号光TE1に高次モード変換する。第1のモード変換部8Tは、変換後の信号光TE1を第1の折り返しリブ導波路10A1に出力する。第1の折り返しリブ導波路10A1は、光回路5T内の往路側の作用部31A4と接続する。往路側の作用部31A4は、第1の折り返しリブ導波路10A1と往路側のリブ導波路53Aとを光結合する往路側の第1の変換導波路33A1と、往路側のリブ導波路53Aとチャネル導波路32Mとを光結合する往路側の第2の変換導波路33A2とを有する。
【0179】
光回路5Tは、第1の折り返しリブ導波路10A1と往路側の作用部31A4とを接続する第1のポートと、第2の折り返しリブ導波路10B1と復路側の作用部31B4とを接続する第2のポートとを有する。光回路5Tは、第1のモード変換部8Tからの変換後の信号光TE1を光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TE1を第2のモード変換部9Tに出力する。復路側の作用部31A4は、第2の折り返しリブ導波路10B1と復路側のリブ導波路53Bとを光結合する復路側の第1の変換導波路33B1を有する。復路側の作用部31A4は、復路側のリブ導波路53Bと折り返しチャネル導波路32Mとを光結合する復路側の第2の変換導波路33B2を有する。
【0180】
第2のモード変換部9Tは、第2の折り返しリブ導波路10B1と接続する第4のポートと、折り返し導波路7Gと接続する第5のポートと、第2の導波路3と接続する第6のポートとを有する。第2のモード変換部9Tは、第2の折り返しリブ導波路10B1からの光減衰処理後の信号光TE1を信号光TE0に変換し、変換後の信号光TE0を折り返し導波路7G及び第1のモード変換部8T経由で第1の折り返しリブ導波路10A1に出力する。第2の折り返しリブ導波路10B1は、光回路5T内の往路側の作用部31A4と接続する。
【0181】
光回路5Tは、第1のモード変換部8Tからの第2のモード変換部9Tで変換後の信号光TE0を光減衰処理し、光減衰処理後の信号光TE0を第2のモード変換部9Tに出力する。そして、第2のモード変換部9Tは、第2の折り返しリブ導波路10B1からの2回目の信号光TE0を第2の導波路3に出力する。
【0182】
光回路5Tは、第1の折り返しリブ導波路10A1からの1回目の信号光TE1を光減衰処理すると共に、第1の折り返しリブ導波路10A1からの2回目の信号光TE0を光減衰処理することで同一進行方向の合計2回の光減衰処理を実現する。その結果、VOAの機能を最大2倍にし、消費電力の低減及び光デバイス1Tの小型化を図りながら、反射戻り光の影響を抑制できる。
【0183】
実施例19の光デバイス1Tでは、光回路5Tの後段の第2のモード変換部9Tを光回路5Tの前段の第1のモード変換部8Tに接続する。その結果、1回目は信号光TE1、2回目は信号光TE0で、光回路5T内の作用部31A4(31B4)のPINダイオード領域を同一進行方向に信号光が通過するため、反射戻り光の影響を抑制できる。つまり、折り返しの信号光TE0の反射戻り光で第1の導波路2から入力する信号光TE0に影響を与えるような事態を回避できる。更に、折り返しの信号光TE1の反射戻り光で光回路5Tを通過する1回目の信号光TE1に影響を与えるような事態を回避できる。
【0184】
また、光デバイス1Tは、第1のモード変換部8Tと、光回路5Tと、第2のモード変換部9Tとを並列に配置したので、光デバイス1Tのサイズの小型化を図ることができる。
【0185】
尚、実施例1の光デバイス1は、第1の変換部4の代わりに第1のモード変換部8、第2の変換部6の代わりに第2のモード変換部9に置き換えても良く、適宜変更可能である。
【0186】
図29は、光通信装置100の一例を示す説明図である。
図29に示す光通信装置100は、光ファイバである出力側の光ファイバ104及び入力側の光ファイバ105と接続する、例えば、光コヒーレント送受信機である。光通信装置100は、LD(Laser Diode)101と、通信パッケージ102と、DSP(Digital Signal Processor)103と、を有する。通信パッケージ102は、例えば、
図1に示す光デバイス1である。
【0187】
DSP103は、デジタル信号処理を実行する電気部品である。DSP103は、例えば、送信データの符号化等の処理を実行し、実行後の送信データに相当するデータ信号を通信パッケージ102内の送信回路に出力する。また、DSP103は、通信パッケージ102内の受信回路から得たデータ信号に相当する受信データに対して復号化等の処理を実行する。
【0188】
LD101は、例えば、波長可変のレーザダイオード等を備え、所定の波長の光を発生させて送信回路内の光変調器及び受信回路内の光受信器へ供給する、例えば、ITLA(Integrated Tunable Laser Assembly)である。
【0189】
尚、説明の便宜上、光デバイス102は、送信回路及び受信回路両方を内蔵する場合を例示したが、送信回路及び受信回路の何れか一つのみを内蔵しても良く、送信回路のみを内蔵している場合は光送信器、受信回路のみを内蔵している場合は光受信器となる。
【0190】
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0191】
(付記1)第1の光特性を有する第1の信号光を入力する第1の導波路と、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの第1の信号光を第2の光特性を有する第2の信号光に変換する第1の変換部と、
前記第1の変換部と接続し、前記第1の変換部から変換後の第2の信号光が通過することで前記第2の信号光に1回目の光処理を実行する光回路と、
前記光回路と接続し、前記光回路からの1回目の光処理後の第2の信号光を前記第1の光特性を有する第3の信号光に変換する第2の変換部と、
前記第2の変換部から変換後の第3の信号光を通過することで前記第3の信号光に2回目の光処理を実行する前記光回路と、
前記光回路からの2回目の光処理後の第3の信号光を出力する第2の導波路と、
を有することを特徴とする光デバイス。
(付記2)前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2の導波路と接続する第3のポートと、を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続する第4のポートと、
前記第2の変換部と接続する折り返し導波路の一方と接続する第5のポートと、
前記折り返し導波路の他方と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記3)前記第1の光特性および前記第2の光特性は偏波状態を表し、
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの前記第1の信号光を前記第2の信号光に変換する第1のPR(Polarization Rotator)と、
前記第1のPRと接続し、前記第1のPRからの前記第2の信号光を前記光回路に出力すると共に、前記光回路と接続し、前記光回路からの前記2回目の光処理後の前記第3の信号光を前記第2の導波路に出力する第1のPBS(Polarization Beam Splitter)と、を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続し、前記光回路からの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を第2のPRに出力する第2のPBSと、
前記第2のPBSと接続し、前記第2のPBSからの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を前記第3の信号光に変換し、変換後の前記第3の信号光を第2のPBSに折り返して出力する前記第2のPRと、を有し、
前記第2のPBSは、
前記第2のPRからの変換後の前記第3の信号光を前記光回路に出力することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記4)前記第1のPBSは、
前記第1のPRと接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2の導波路と接続する第3のポートと、を有し、
前記第2のPBSは、
前記光回路と接続する第4のポートと、
折り返し導波路の一方と接続する第2のPRと接続する第5のポートと、
前記折り返し導波路の他方と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする付記3に記載の光デバイス。
(付記5)前記第1の光特性および前記第2の光特性は偏波状態を表し、
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの前記第1の信号光を前記第2の信号光に変換する第1のPR(Polarization Rotator)と、
前記第1のPRと接続し、前記第1のPRからの前記第2の信号光を前記光回路のポートに出力する第1のPBS(Polarization Beam Splitter)と、を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続し、前記光回路からの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を第2のPRに出力すると共に、前記光回路からの前記2回目の光処理後の前記第3の信号光を前記第2の導波路に出力する第2のPBSと、
前記第2のPBSと接続し、前記第2のPBSからの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を前記第3の信号光に変換すると共に、前記第1のPBSと接続し、変換後の前記第3の信号光を前記第1のPBSに出力する前記第2のPRと、を有し、
前記第1のPBSは、
前記第2のPRからの変換後の前記第3の信号光を前記光回路の前記ポートに出力することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記6)前記第1のPBSは、
前記第1のPRと接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2のPRと接続する折り返し導波路と接続する第3のポートとを有し、
前記第2のPBSは、
前記光回路と接続する第4のポートと、
前記第2のPRと接続する第5のポートと、
前記第2の導波路と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする付記5に記載の光デバイス。
(付記7)前記第1の光特性および前記第2の光特性はモード状態を表し、
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの前記第1の信号光を前記第2の信号光にモード変換すると共に、前記光回路と接続し、モード変換後の前記第2の信号光を前記光回路に出力する第1のモード変換部を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続し、前記光回路からの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を前記第3の信号光にモード変換すると共に、前記光回路と接続し、モード変換後の第3の信号光を前記光回路に折り返し出力する第2のモード変換部を有し、
前記第1のモード変換部は、
前記光回路からの前記2回目の光処理後の前記第3の信号光を前記第2の導波路に出力することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記8)前記第1のモード変換部は、
前記第1の導波路と接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2の導波路と接続する第3のポートとを有し、
前記第2のモード変換部は、
前記光回路と接続する第4のポートと、
折り返し導波路の一方と接続する第5のポートと、
前記折り返し導波路の他方と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする付記7に記載の光デバイス。
(付記9)前記第1の光特性および前記第2の光特性はモード状態を表し、
前記第1の変換部は、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの前記第1の信号光を前記第2の信号光にモード変換すると共に、前記光回路と接続し、モード変換後の前記第2の信号光を前記光回路のポートに出力する第1のモード変換部を有し、
前記第2の変換部は、
前記光回路と接続し、前記光回路からの前記1回目の光処理後の前記第2の信号光を前記第3の信号光にモード変換すると共に、前記第1のモード変換部と接続し、モード変換後の第3の信号光を前記第1のモード変換部に出力すると共に、前記光回路からの前記2回目の光処理後の前記第3の信号光を前記第2の導波路に出力する第2のモード変換部を有し、
前記第1のモード変換部は、
前記第2のモード変換部からモード変換後の前記1回目の光処理後の前記第1の信号光を前記光回路の前記ポートに出力することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記10)前記第1のモード変換部は、
前記第1の導波路と接続する第1のポートと、
前記光回路と接続する第2のポートと、
前記第2のモード変換部と接続する折り返し導波路と接続する第3のポートとを有し、
前記第2のモード変換部は、
前記光回路と接続する第4のポートと、
前記折り返し導波路と接続する第5のポートと、
前記第2の導波路と接続する第6のポートと
を有することを特徴とする付記9に記載の光デバイス。
(付記11)前記光回路は、
前記第1の変換部と接続する往路側のリブ導波路を含む往路側の作用部と、
前記第2の変換部と接続する復路側のリブ導波路を含む復路側の作用部と、
前記往路側の作用部と前記復路側の作用部との間を接続するリブ導波路を含む折り返し導波路と、
を有することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記12)前記光回路は、
前記第1の変換部と接続する往路側のリブ導波路を含む往路側の作用部と、
前記第2の変換部と接続する復路側のリブ導波路を含む復路側の作用部と、
前記往路側の作用部と前記復路側の作用部との間を接続するチャネル導波路を含む折り返し導波路と、
を有することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記13)前記光回路は、
前記第1の変換部と接続する往路側のリブ導波路を含む往路側の作用部と、
前記第2の変換部と接続する復路側のリブ導波路を含む復路側の作用部と、
前記往路側の作用部と前記復路側の作用部との間を接続するチャネル導波路を含む折り返し導波路と、
前記往路側のリブ導波路と前記チャネル導波路との間で前記往路側のリブ導波路から前記チャネル導波路へスラブ幅が徐々に狭くなる導波路を含む往路側の変換導波路と、
前記復路側のリブ導波路と前記チャネル導波路との間で前記復路側のリブ導波路から前記チャネル導波路へスラブ幅が徐々に狭くなる導波路を含む復路側の変換導波路と、
を有することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記14)前記光回路は、
前記第1の変換部と前記第2の変換部とを接続するリブ導波路と、
前記リブ導波路の第1のスラブに電気的に接続する第1の電極と、
前記リブ導波路の第2のスラブに電気的に接続する第2の電極と、を有し、
前記第1のスラブは、
前記リブ導波路のリブに近い方の第1の部位と、前記第1の電極と接続する側の第2の部位と、を有し、前記第2の部位は、前記第1の部位に比較してドープ濃度を高くし、
前記第2のスラブは、
前記リブ導波路のリブに近い方の第1の部位と、前記第2の電極と接続する側の第2の部位と、を有し、前記第2の部位は、前記第1の部位に比較してドープ濃度を高くしたことを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記15)前記光回路は、
前記第1の変換部と接続する往路側のリブ導波路を含む往路側の作用部と、
前記第2の変換部と接続する復路側のリブ導波路を含む復路側の作用部と、
前記往路側の作用部と前記復路側の作用部との間を接続するチャネル導波路を含む折り返し導波路と、
を有し、
前記往路側の作用部は、
前記第1の変換部と接続する前記往路側のリブ導波路と、
前記往路側のリブ導波路の第1のスラブに電気的に接続する第1の電極と、
前記往路側のリブ導波路の第2のスラブに電気的に接続する第2の電極と、を有し、
前記復路側の作用部は、
前記第2の変換部と接続する前記復路側のリブ導波路と、
前記復路側のリブ導波路の第1のスラブに電気的に接続する第1の電極と、
前記復路側のリブ導波路の第2のスラブに電気的に接続する第2の電極と、を有することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記16)前記光回路は、
前記第1の変換部と接続する往路側のリブ導波路を含む往路側の作用部と、
前記第2の変換部と接続する復路側のリブ導波路を含む復路側の作用部と、
前記往路側の作用部と前記復路側の作用部との間を接続するチャネル導波路を含む折り返し導波路と、
を有し、
前記往路側の作用部及び前記復路側の作用部は、
前記往路側のリブ導波路の第1のスラブに電気的に接続すると共に、前記復路側のリブ導波路の第1のスラブに電気的に接続する第1の電極と、
前記往路側のリブ導波路の第2のスラブに電気的に接続すると共に、前記復路側のリブ導波路の第2のスラブに電気的に接続する第2の電極を有することを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記17)前記光回路は、
電気信号に応じて、通過する前記信号光の減衰量を調整する可変減衰器であることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記18)前記光回路は、
電気信号に応じて、通過する前記信号光の変調量を調整する変調器であることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記19)前記光回路は、
電気信号に応じて、通過する前記信号光の位相量を調整する位相シフタであることを特徴とする付記1に記載の光デバイス。
(付記20)第1の信号光を発光する光源と、電気信号に応じて、前記光源からの前記第1の信号光を光処理し、光処理後の第3の信号光を送信する光送信器と、を有する光送信装置であって、
前記光送信器は、
第1の光特性を有する前記第1の信号光を入力する第1の導波路と、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの第1の信号光を第2の光特性を有する第2の信号光に変換する第1の変換部と、
前記第1の変換部と接続し、前記第1の変換部から変換後の第2の信号光が通過することで前記第2の信号光に1回目の光処理を実行する光回路と、
前記光回路と接続し、前記光回路からの1回目の光処理後の第2の信号光を前記第1の光特性を有する第3の信号光に変換する第2の変換部と、
前記第2の変換部から変換後の第3の信号光を通過することで前記第3の信号光に2回目の光処理を実行する前記光回路と、
前記光回路からの2回目の光処理後の第3の信号光を送信する第2の導波路と、
を有することを特徴とする光送信装置。
(付記21)第1の信号光を発光する光源と、電気信号に応じて、前記光源からの前記第1の信号光を光処理し、光処理後の第3の信号光を生成する光デバイスと、光処理後の第3の信号光を用いて受信光から受信信号を得る光受信器と、を有する光受信装置であって、
前記光デバイスは、
第1の光特性を有する前記第1の信号光を入力する第1の導波路と、
前記第1の導波路と接続し、前記第1の導波路からの第1の信号光を第2の光特性を有する第2の信号光に変換する第1の変換部と、
前記第1の変換部と接続し、前記第1の変換部から変換後の第2の信号光が通過することで前記第2の信号光に1回目の光処理を実行する光回路と、
前記光回路と接続し、前記光回路からの1回目の光処理後の第2の信号光を第1の光特性を有する第3の信号光に変換する第2の変換部と、
前記第2の変換部から変換後の第3の信号光を通過することで前記第3の信号光に2回目の光処理を実行する前記光回路と、
前記光回路からの2回目の光処理後の第3の信号光を前記受信器に出力する第2の導波路と、
を有することを特徴とする光受信装置。
【符号の説明】
【0192】
1 光デバイス
2 第1の導波路
3 第2の導波路
4 第1の変換部
5 光回路
6 第2の変換部
7 折り返し導波路
8 第1のモード変換部
9 第2のモード変換部
11 第1のPR
12 第1のPBS
21 第2のPBS
22 第2のPR
31A 往路側の作用部
31B 復路側の作用部
32 折り返し導波路
53 リブ導波路
54A 第1のスラブ
54B 第2のスラブ
55A 第1の電極(P電極)
55B 第2の電極(N電極)
32