(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075427
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】釣竿用スペーサ
(51)【国際特許分類】
A01K 87/08 20060101AFI20240527BHJP
A01K 87/00 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A01K87/08 A
A01K87/00 630E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186902
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 慎太郎
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA06
2B019AB51
2B019AC00
(57)【要約】
【課題】竿杆の曲がりを阻害せず、組付け性が高い釣竿用スペーサを提供することを課題とする。
【解決手段】竿杆12とリールシート11の間に介設される釣竿用スペーサ1であって、円筒状を呈し、軸方向に沿って互いに間を空けて配設される複数の円筒部10と、円筒部10同士を連結する少なくとも一つの連結部20と、を備えることを特徴とする。また、円筒部10は、円筒部10同士の間隔が竿元側から竿先に向かうにつれて広くなるように配設されていることが好ましい。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿杆とリールシートの間に介設される釣竿用スペーサであって、
円筒状を呈し、軸方向に沿って互いに間を空けて配設される複数の円筒部と、
前記円筒部同士を連結する少なくとも一つの連結部と、を備えることを特徴とする釣竿用スペーサ。
【請求項2】
前記円筒部は、前記円筒部同士の間隔が竿元から竿先に向かうにつれて広くなるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項3】
前記円筒部は、竿杆が挿入され、竿杆の外周面と接する内壁部と、
前記内壁部と同心で当該内壁部よりも大径であり、前記リールシートの内周面と接する外壁部と、
前記内壁部と前記外壁部との間に形成された中空部と、
前記内壁部と前記外壁部との間を径方向に連結するとともに、軸方向に延在する縦リブと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項4】
前記円筒部のうち、前記竿杆又は前記リールシートが挿入される側の最端部に配置された前記円筒部は、竿杆が挿入される側に前記中空部を閉塞する蓋部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項5】
前記連結部は、径方向において中心軸から最も離間した部位が、前記外壁部の外周面よりも内側となるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項6】
前記連結部は、平面視して矩形状を呈し、周方向に幅広に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項7】
前記外壁部の外周面には、前記内壁部に向けて凹となる溝部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項8】
前記蓋部は、前記外壁部に向けて傾斜する第一傾斜部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の釣竿用スペーサ。
【請求項9】
前記蓋部は、前記内壁部に向けて傾斜する第二傾斜部を備えることを特徴とする請求項4に記載の釣竿用スペーサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿用スペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リールシートを釣竿の竿杆に取り付ける場合には、リールシートの内周面と竿杆の外周面との間隙を埋めるための間隙部材として、円筒状のスペーサを介在させている。スペーサとリールシート及び竿杆とはそれぞれ接着剤で接着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接着剤によって接着された円筒状のスペーサは、竿杆の曲がりに追従しきれずにリールシート内部で破損し、異音の原因となる場合がある。また、スペーサが、竿杆の曲がりに追従できずにスペーサが突っ張ることで、竿杆が破損し、所望の強度を確保できないといった問題がある。これらの問題を解決するために、スペーサを分割して、配置するものがあるが、接着材を塗布して所定の位置に取り付けるのが難しく、取り付けても接着剤が固化するまでに、スペーサの位置が竿杆の軸方向にずれてしまい組付け性が悪いといった問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、竿杆の曲がりを阻害せず、組付け性が高い釣竿用スペーサを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、竿杆とリールシートの間に介設される釣竿用スペーサであって、円筒状を呈し、軸方向に沿って互いに間を空けて配設される複数の円筒部と、前記円筒部同士を連結する少なくとも一つの連結部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、複数の円筒部が間隔を空けて配置されているため、竿杆の曲がりを阻害せず、スペーサがリールシート内部で破損するのを防ぐことができる。また、複数の円筒部が連結部によって接続された形状であるため、接着剤を塗布してリールシートに挿入した際に、リールシートの内部で円筒部が所定の位置からずれるのを防ぐことができるため、組付け性を向上させることができる。
【0008】
また、前記円筒部は、前記円筒部同士の間隔が竿元から竿先に向かうにつれて広くなるように配設されていることが好ましい。
【0009】
本発明によれば、竿杆が曲がりやすい竿先側において、円筒部が間隔を空けて配置されているため、竿杆の曲がりをより阻害し難くすることができる。また、竿杆が曲がり難い竿元側においては、円筒部同士の間隔を小さくしているため、釣竿用スペーサの強度を高めることができる。
【0010】
また、前記円筒部は、竿杆が挿入され、竿杆の外周面と接する内壁部と、前記内壁部と同心で当該内壁部よりも大径であり、前記リールシートの内周面と接する外壁部と、前記内壁部と前記外壁部との間に形成された中空部と、前記内壁部と前記外壁部との間を径方向に連結するとともに、軸方向に延在する縦リブと、を備えることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、円筒部の質量を削減することができるため、より軽量化することができるとともに、縦リブを備えることで強度を高めることができる。
【0012】
前記円筒部のうち、前記竿杆又は前記リールシートが挿入される側の最端部に配置された前記円筒部は、竿杆が挿入される側に前記中空部を閉塞する蓋部が形成されていることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、中空部に接着剤が入り込むのを防ぎ、質量が増加するのを防ぐことができる。また、リールシートにスペーサを挿入する際に、接着剤を蓋部で押しながら挿入することができるため、接着剤を均等に塗布し、接着強度を高めることができる。
【0014】
また、前記連結部は、径方向において中心軸から最も離間した部位が、前記外壁部の外周面よりも内側となるように配置されていることが好ましい。
【0015】
本願発明によれば、連結部がリールシートの内周面と接触しないため、連結部に接着剤が付着するのを防ぐことができる。
【0016】
また、前記連結部は、平面視して矩形状を呈し、周方向に幅広に形成されていることが好ましい。
【0017】
本願発明によれば、連結部が竿杆の曲がりを阻害するのを防ぐことができる。
【0018】
また、前記外壁部の外周面には、前記内壁部に向けて凹となる溝部が形成されていることが好ましい。
【0019】
本願発明によれば、アンカー効果により円筒部とリールシート等の内面とを強固に接着することができる。
【0020】
また、前記蓋部は、前記外壁部に向けて傾斜する第一傾斜部を備えていることが好ましい。また、前記蓋部は、前記内壁部に向けて傾斜する第二傾斜部を備えることが好ましい。
【0021】
本願発明によれば、接着剤は蓋部材の竿先側の端部から第一傾斜部を通過して外壁部へ向けて流れる。また、接着剤は蓋部材の竿先側の端部から第二傾斜部を通過して内壁部へ向けて流れる。これにより蓋部に接着剤が滞留するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る釣竿用スペーサによれば、竿杆の曲がりを阻害せず、組付け性が高い釣竿用スペーサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る釣竿用スペーサを一端側から見た斜視図である。
【
図2】第一実施形態に係る釣竿用スペーサを他端側から見た斜視図である。
【
図3】第一実施形態に係る釣竿用スペーサの側面図である。
【
図7】釣竿用スペーサとリールシートとを組付ける状態を示す側断面図である。
【
図8】釣竿用スペーサと竿杆とを組み付ける状態を示す側断面図である。
【
図9】釣竿用スペーサ、リールシート及び竿杆を組付けた状態を示す側断面図である。
【
図10】第二実施形態に係る釣竿用スペーサの斜視図である。
【
図11】第三実施形態に係る釣竿用スペーサの斜視図である。
【
図12】第四実施形態に係る釣竿用スペーサの側面図である。
【
図14】第五実施形態に係る釣竿用スペーサの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係る釣竿用スペーサについて、適宜図面を参照して説明する。各実施形態はあくまで例示であって、各実施形態を適宜組み合わせて構成することができる。また、同一の部材については、符号や説明を省略する場合がある。
【0025】
図1及び
図2に示すように、釣竿用スペーサ1は、円筒部10と、連結部20と、を備えている。釣竿用スペーサ1は、後記する釣竿の竿杆12に対してリールシート11(
図9参照)を取り付ける際に使用されるものであり、竿杆12とリールシート11との間に接着剤を介して介設される。
【0026】
釣竿用スペーサ1は、樹脂により一体形成されている。樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ASA樹脂、PLA樹脂、PP樹脂、PET樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、また、これらの樹脂にカーボンなどの強化繊維を含ませた樹脂等が挙げられる。釣竿用スペーサ1は、3Dプリンタ等により容易に製造することができる。本実施形態では、釣竿用スペーサ1は一体形成されているが、円筒部10及び連結部20をそれぞれ独立して製造してそれぞれを組み合わせて形成してもよい。これにより、例えば、連結部20の長さを変更することで、隣り合う円筒部10,10の軸方向の位置を適宜調整することができる。
【0027】
次に円筒部10について、
図1~
図6を参照して説明する。円筒部10は、円筒形状を呈しており、竿杆12の軸方向に6つ並べて配置されている。円筒部10同士の間隔は、竿先側に向かうにつれて徐々に広く、竿元側に向かうにつれて、徐々に狭くなるように設定されている。本実施形態では円筒部10の数は6つとしたが、円筒部10の数や間隔は、リールシート11の種類や大きさに応じて適宜設定することができる。
【0028】
円筒部10は、内壁部2と、外壁部3と、蓋部4と、貫通孔5と、縦リブ6と、中空部7とを備えている。内壁部2は、円筒状を呈する。内壁部2の内側は、軸方向に延在する貫通孔5が形成されている。貫通孔5は、後記する竿杆12が挿入される部位である。
【0029】
外壁部3は、円筒状を呈する。外壁部3は、内壁部2と同心で形成され、内壁部2よりも大径になっている。蓋部4は、釣竿用スペーサ1の一端側(竿先側)において、内壁部2と外壁部3との間を周方向に亘って閉塞するリング状かつ板状を呈する部材である。
【0030】
図4,5に示すように、縦リブ6は、内壁部2と外壁部3との間を径方向に連結するとともに、軸方向に直線状かつ板状に延在する部位である。縦リブ6は、周方向に亘って一定の間隔で複数個配設されている。
【0031】
図5に示すように、中空部7は内壁部2、外壁部3及び周方向に隣り合う一対の縦リブ6,6で構成された空間である。中空部7は、周方向に亘って一定の間隔で複数個配設されている。中空部7は、一端側は蓋部4によって閉塞され、他端側は開放されている。中空部7は、本実施形態では、横断面が略台形を呈するが、他の形状であってもよい。
【0032】
図1及び
図2に示すように、隣接する円筒部10,10は、それぞれ3つの連結部20によって接続されている。連結部20は平面視して矩形状を呈する直線状の部材である。連結部20は、周方向に亘って一定の間隔で配設されている。連結部20は、外壁部3の外周面よりも内側となるように配置されている。つまり、
図3に示すように連結部20の最も外側の部位である外部20aが、外壁部3の外周面3aよりも、内側になるように配置されている。連結部20の形状や数は、リールシート11の形状に合わせて適宜変更することができる。
【0033】
次に、釣竿用スペーサ1の製造方法について説明する。釣竿用スペーサ1の製造方法は特に制限されないが、本実施形態では、3Dプリンタによって製造する。まず、溶融された樹脂を3Dプリンタのノズルから吐出して蓋部4を成形する。次に、蓋部4に対して垂直となる方向に、内壁部2、外壁部3及び縦リブ6(中空部7)、連結部20を所定の高さで蓋部4に対して積層させていく。このように、釣竿用スペーサ1を高さ方向に積層させながら成形することで、小さいスペースで成形可能となる。これにより、一度に多くの釣竿用スペーサ1を成形できるため、歩留まりを高めることができる。
【0034】
次に、
図7~9に示すように、釣竿用スペーサ1の組付け方法について説明する。まず、
図7に示すように、釣竿用スペーサ1とリールシート11とを組み付ける。リールシート11は、リール(図示省略)を着脱するための筒状部材である。リールシート11の内径は、釣竿用スペーサ1の外径よりも若干大きくなるように形成されている。リールシート11の内周面11a及び円筒部10の外壁部3の少なくとも一方に接着剤を塗布した後、リールシート11の中空部に、釣竿用スペーサ1の一端側(蓋部4側)を挿入する。つまり、蓋部4がリールシート11に対向するように組み付ける。
【0035】
次に、
図8に示すように、釣竿用スペーサ1と竿杆12とを組み付ける。竿杆12は、釣竿の主体となる筒状部材である。釣竿用スペーサ1の内壁部2及び竿杆12の外周面12aの少なくとも一方に接着剤を塗布した後、釣竿用スペーサ1の一端側(蓋部4側)から竿杆12を挿入する。つまり、蓋部4が竿杆12に対向するように組み付ける。
図9に示すように、釣竿用スペーサ1は、リールシート11よりも、少し短くなっている。つまり、釣竿用スペーサ1をリールシート11に組付けた状態で、前後に隙間ができる。この隙間には不図示の装飾部材等を取り付けることができる。なお、先に釣竿用スペーサ1を竿杆12に組付けてから、後でリールシート11を組み付けてもよい。
【0036】
以上説明した本実施形態に係る釣竿用スペーサ1によれば、複数の円筒部10が間隔を空けて配置されている。つまり、軸方向に延在する円筒形スペーサと比べて、竿杆12の外周面12a及び円筒部10の接する表面積が少なくなるため、竿杆12が曲がるのを阻害し難くすることができる。これにより、釣竿用スペーサ1がリールシート11内部で破損するのを防ぐことができる。また、複数の円筒部10が連結部20によって接続された形状であるため、接着剤を塗布して釣竿用スペーサ1をリールシート11に挿入した際に、リールシート11の内部で円筒部10が所定の位置から竿杆の軸方向にずれるのを防ぐことができるため、組付け性を向上させることができる。
【0037】
また、円筒部10は、円筒部10同士の間隔が竿元から竿先に向かうにつれて広くなるように配設されているため、竿先側においては、円筒部10の数(単位長さ当たりの個数)が少なくなる。これにより、竿杆12の曲がりを阻害し難くすることができる。換言すると、竿杆12のしなりに釣竿用スペーサ1が追従しやすくなっている。一方、竿元側においては、円筒部10同士の間隔を狭くしているため、円筒部10の数(単位長さ当たりの個数)が多くなっている。これにより、釣竿用スペーサ1及びリールシート11の強度を高めることができる。
【0038】
また、円筒部10は、竿杆12の外周面12aと接する内壁部2と、リールシート11の内周面11aと接する外壁部3と、内壁部2と外壁部3との間に形成された中空部7と、内壁部2と外壁部3との間を径方向に連結するとともに、軸方向に延在する縦リブ6と、を備えている。これにより、円筒部10の軽量化を図るとともに、縦リブ6により円筒部10の強度を高めることができる。
【0039】
また、複数の円筒部10のうち、竿杆12又はリールシート11が挿入される側の最端部に配置された円筒部10は、竿杆12が挿入される側に中空部7を閉塞する蓋部4が形成されている。そのため、中空部7に余分な接着剤が入り込むのを防ぎ、重量が増加するのを防ぐことができる。また、リールシート11に釣竿用スペーサ1を挿入する際に接着剤を蓋部4で押しながら挿入することができるため、接着剤を均等に塗布し、接着強度を高めることができる。
【0040】
また、連結部20は、径方向において中心軸から最も離間した部位(外部20a)が、外壁部3の外周面よりも内側となるように配置されている。つまり、連結部20は、外壁部3の内側に配置されており、連結部20がリールシート11の内周面11aと接触しないように構成されている。そのため、連結部20に接着剤が付着するのを防ぐことができる。
【0041】
ここで、例えば、従来の釣竿用スペーサは、コルクやEVA等の軟質部材によって形成されるものが知られている。本実施形態の釣竿用スペーサ1は、樹脂により形成されているため、これらの軟質部材と比べて、釣竿の使用者に釣竿の振動を伝わりやすくすることができる。つまり、釣竿用スペーサ1を樹脂で形成することで、実釣時の感度を向上させることができる。
【0042】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、蓋部4は、本実施形態ではすべての円筒部10に設ける構成としたが、竿杆12、リールシート11及びその他の被取付部材が挿入される側の最端部に配置された円筒部10に設けられていればよい。その他の円筒部10は蓋部4を省略してもよい。蓋部4は、円筒部10の軸方向の両側に設けてもよい。
【0043】
<第二実施形態>
次に、
図10に示すように、本発明の第二実施形態に係る釣竿用スペーサ1Aについて説明する。釣竿用スペーサ1Aでは、連結部20Aの構成が第一実施形態と相違する。連結部20Aは、平面視して、矩形状を呈し、周方向に幅広に、径方向に薄い板状部材である。この他の構成は第一実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0044】
第二実施形態に係る釣竿用スペーサ1Aによっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、連結部20Aによれば、竿杆12の曲げに対して連結部20Aが追従しやすくなるため、竿杆12(
図9参照)の曲がりをより阻害し難い構成とすることができる。
【0045】
<第三実施形態>
次に、
図11に示すように、本発明の第三実施形態に係る釣竿用スペーサ1Bについて説明する。釣竿用スペーサ1Bでは、外壁部3Bの構成が第一実施形態と相違する。外壁部3Bには竿杆12の軸方向に沿って複数の溝部31が形成されている。溝部31は、内壁部2に向けて凹となるように窪んでいる。この他の構成は第一実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0046】
第三実施形態に係る釣竿用スペーサ1Bによっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、溝部31によれば、アンカー効果により、リールシート11(
図9参照)の内周面11aと外壁部3Bの接着剤による接合強度を高めることができる。なお、本実施形態では、溝部31は、円筒部10B(挿入する側の円筒部)一つのみに形成されているが、他の円筒部10に形成されていてもよい。また、溝部31は、本実施形態では接着剤の流れを考慮して軸方向に平行になっているが、周方向に延設されてもよいし、半球状の穴であってもよい。
【0047】
<第四実施形態>
次に、
図12~13に示すように、本発明の第四実施形態に係る釣竿用スペーサ1Cについて説明する。釣竿用スペーサ1Cでは、蓋部4Cの構成が第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0048】
蓋部4Cは、一端側において内壁部2と外壁部3との間を周方向に亘って閉塞する部材である。蓋部4Cは、リング状を呈し、竿先側に向けて縮径するように構成されている。
図12に示すように、蓋部4Cの内周面は、内壁部2の内周面と同径になっている。蓋部4Cの内部は、中実になっている。蓋部4Cの外周には、先端に向かうについて縮径する第一傾斜面41が形成されている。蓋部4Cは、内壁部2及び外壁部3と一体で成形してもよいし、蓋部4Cだけを別体で作った後、溶着又は接着剤で接合してもよい。
【0049】
本実施形態に係る釣竿用スペーサ1Cによっても、第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、蓋部4Cには、外壁部3に向けて傾斜する第一傾斜面41が形成されているため、リールシート11に釣竿用スペーサ1Cを組み付ける際、第一傾斜面41に沿って接着剤が接着面に入り込むことで適切な位置に接着剤を導入でき、接着強度を高めることができる。なお、蓋部4Cの内部を中空としてもよい。
【0050】
<第五実施形態>
次に、
図14に示すように、本発明の第五実施形態に係る釣竿用スペーサ1Dについて説明する。釣竿用スペーサ1Dでは、蓋部4Dの構成が第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0051】
蓋部4Dは、一端側において内壁部2と外壁部3との間を周方向に亘って閉塞する部位である。蓋部4Dは、リング状を呈する。
図14に示すように、蓋部4Dの外周には、先端に向けて縮径する第一傾斜面51が形成されている。つまり、第一傾斜面51は、竿先から竿元に向かうにつれて軸心から離間するように傾斜している。蓋部4Dの内周には、先端に向けて拡径する第二傾斜面52が形成されている。つまり、第二傾斜面52は、竿先から竿元に向かうにつれて軸心に近接するように傾斜している。
【0052】
本実施形態に係る釣竿用スペーサ1Dによっても第一実施形態と略同等の効果を奏することができる。また、蓋部4Dに、外壁部3に向けて傾斜する第一傾斜面51が形成されているため、リールシート11(
図9参照)に釣竿用スペーサ1Dを組み付ける際、第一傾斜面51に沿って接着剤が接着面に入り込むことで適切な位置に接着剤を導入でき、接着強度を高めることができる。また、蓋部4Dに内壁部2に向けて傾斜する第二傾斜面52が形成されているため、竿杆12(
図9参照)に釣竿用スペーサ1Dを組み付ける際、第二傾斜面52に沿って接着剤が接着面に入り込むことで適切な位置に接着剤を導入でき、接着強度を高めることができる。また、本実施形態では、蓋部4Dに、第一傾斜面51及び第二傾斜面52を設ける構成としたが、第一傾斜面51を省略して第二傾斜面52のみの構成としてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 釣竿用スペーサ
2 内壁部
3 外壁部
4 蓋部
5 貫通孔
6 縦リブ
7 中空部
10 円筒部
20 連結部