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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075441
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/10 20140101AFI20240527BHJP
   H02S 40/42 20140101ALI20240527BHJP
【FI】
H02S40/10
H02S40/42
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186951
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】522333958
【氏名又は名称】四季洋圃能源科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】張鈴宏
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151BA11
5F151JA15
5F151JA30
5F151KA02
5F151KA03
5F251BA11
5F251JA15
5F251JA30
5F251KA02
5F251KA03
(57)【要約】
【課題】発電効率を高めて使用寿命を延ばすことができる太陽光発電システムを提供する。
【解決手段】太陽光発電システムは、太陽光発電装置10、マイクロバブル洗浄装置20、温度調節装置30及びコントローラ40を備える。太陽光発電装置は、太陽光を集めて光電変換して電力を出力する。マイクロバブル洗浄装置は、太陽光発電装置上に配設されるとともに、マイクロバブルを含む液体を発生させ、制御されて出力され、太陽光発電装置の表面を洗浄する。温度調節装置は、太陽光発電装置上に配設され、太陽光発電装置の周囲の温度を調節する。コントローラは、太陽光発電装置、マイクロバブル洗浄装置及び温度調節装置と電気的に接続され、太陽光発電装置の発電データを受信するとともに、マイクロバブル洗浄装置及び温度調節装置のオン・オフを制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電装置、マイクロバブル洗浄装置、温度調節装置及びコントローラを備えた、太陽光発電システムであって、
前記太陽光発電装置は、太陽光を集めて光電変換して電力を出力し、
前記マイクロバブル洗浄装置は、前記太陽光発電装置上に配設されるとともに、マイクロバブルを含む液体を発生させ、制御されて出力され、前記太陽光発電装置の表面を洗浄し、
前記温度調節装置は、前記太陽光発電装置上に配設され、前記太陽光発電装置の周囲の温度を調節し、
前記コントローラは、前記太陽光発電装置、前記マイクロバブル洗浄装置及び前記温度調節装置と電気的に接続され、前記太陽光発電装置の発電データを受信するとともに、前記マイクロバブル洗浄装置及び前記温度調節装置のオン・オフを制御することを特徴とする、太陽光発電システム。
【請求項2】
前記太陽光発電装置は、少なくとも1つの支持体と、複数の太陽光パネルとを有し、
前記太陽光パネルは、前記支持体上にそれぞれ設置され、前記太陽光パネルを用いて集めた太陽光を光電変換して電力を出力し、
前記コントローラは、前記太陽光パネルとそれぞれ電気的に接続され、
前記マイクロバブル洗浄装置は、前記太陽光パネルの表面を洗浄し、
前記温度調節装置は、前記太陽光パネルの温度をそれぞれ調節することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記太陽光発電装置の温度、電流、電圧、発電電力のうちの何れか1つのデータを監視することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記マイクロバブル洗浄装置は、少なくとも1つの発生器と、少なくとも1つの洗浄ホースと、複数の洗浄ノズルとを有し、
前記発生器は、マイクロスケールの水素マイクロバブル及び酸素マイクロバブルを含む液体を発生させ、
前記洗浄ホースは、前記太陽光発電装置上に固定されるとともに、前記発生器と連通され、
前記洗浄ノズルは、前記洗浄ホース上に設置されるとともに、前記太陽光発電装置の表面に向けられることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
前記温度調節装置は、貯蔵タンクと、少なくとも1つのガイド管とを有し、
前記貯蔵タンクは、冷媒又は熱媒を収容し、
前記ガイド管は、前記太陽光発電装置上に固定されるとともに、前記貯蔵タンクと連通され、冷媒又は熱媒が流通されることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
前記温度調節装置は、複数の噴霧ノズルを有し、
前記噴霧ノズルは、前記ガイド管上にそれぞれ設置されるとともに、前記太陽光発電装置に向けられることを特徴とする請求項5に記載の太陽光発電システム。
【請求項7】
前記コントローラは、条件パラメータを設定し、前記太陽光発電装置が得たデータを自ら判読し、前記マイクロバブル洗浄装置及び前記温度調節装置を作動させるか否かを自ら決定することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項8】
前記コントローラは、操作者が手動で制御し、前記マイクロバブル洗浄装置及び前記温度調節装置を作動させるか否かを制御することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記温度調節装置を起動させると同時に、前記マイクロバブル洗浄装置も起動させることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項10】
少なくとも1つの電池と、性能管理装置と、マイクロ気象ステーションと、クラウドデータベースとをさらに備え、
前記性能管理装置は、前記太陽光発電装置と前記電池との間に電気的に接続され、前記太陽光発電装置の電力出力を効率良く管理し、
前記電池は、前記太陽光発電装置から出力された電力を前記性能管理装置を介して受け取って蓄え、
前記マイクロ気象ステーションは、前記太陽光発電装置の周辺に設置されるとともに、前記コントローラと電気的に接続され、周辺環境の温度、湿度、風向き、風速、日照、雨量のデータのうちの何れか一つを検知して外部に送信し、
前記クラウドデータベースは、前記コントローラと電気的に接続され、前記太陽光発電装置及び前記マイクロ気象ステーションから得られたデータが前記コントローラにより制御されて記憶され、管理者は、アプリ(APP)を介して前記クラウドデータベースの各リアルタイムデータを得て、管理者が前記アプリを介して前記コントローラに命令し、前記マイクロバブル洗浄装置及び前記温度調節装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムに関するものであり、さらに詳しくは、発電効率を高める太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電は、環境を汚染させないクリーンエネルギーの一つである。太陽光発電は、主に太陽光パネルにより光電変換した後、電力を出力して供給する。
【0003】
太陽光パネルは太陽光を照射させるために開放された空間に設置しなければならないため、塵埃、樹葉が積もったり、鳥類の排泄物、樹木の果実、樹液、油汚れなどの異物により汚れたりすることがあった。これらの異物は、太陽光パネルを遮蔽して光を集める面の面積が減少し、発電効率を下げてしまい、最悪の場合、太陽光パネルの表面が浸食され、半永久的に損壊してしまう虞もあった。そのため定期的に手作業により太陽光パネルを洗浄するメンテナンスを行うことが一般的であった。しかし、手作業により散水して洗浄作業を行うには多くの時間と手間がかかるだけでなく、洗浄作業を行っていない期間に塵埃、樹葉が積もって発電効率が下がる上、鳥類の排泄物、樹液、油汚れが腐蝕性を有するため、付着して直ぐに洗浄しない場合、太陽光パネルが損壊してしまう虞もあった。しかし、清潔な水を散水して行う一般の洗浄は、鳥類の排泄物、樹液、油汚れなど付着力が強くて腐蝕性を有する異物に対する効果には限界があった。
【0004】
また、太陽光パネルの環境温度は動作温度に影響し、動作温度は発電効率に影響を与えるため、如何に太陽光パネル周囲の温度をコントロールするかは、発電効率に影響を与える大きな要因でもあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の課題は、太陽光パネルが遮蔽されたか否かを直ちに知ることができない上、直ちに散水して洗浄することもできず、洗浄効果も悪く、周囲の温度を効率良く下げることができないため、発電効率が低かった従来技術の問題点を改善する太陽光発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、太陽光発電装置、マイクロバブル洗浄装置、温度調節装置及びコントローラを備えた、太陽光発電システムであって、前記太陽光発電装置は、太陽光を集めて光電変換して電力を出力し、前記マイクロバブル洗浄装置は、前記太陽光発電装置上に配設されるとともに、マイクロバブルを含む液体を発生させ、制御されて出力され、前記太陽光発電装置の表面を洗浄し、前記温度調節装置は、前記太陽光発電装置上に配設され、前記太陽光発電装置の周囲の温度を調節し、前記コントローラは、前記太陽光発電装置、前記マイクロバブル洗浄装置及び前記温度調節装置と電気的に接続され、前記太陽光発電装置の発電データを受信するとともに、前記マイクロバブル洗浄装置及び前記温度調節装置のオン・オフを制御することを特徴とする、太陽光発電システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の太陽光発電システムは、発電効率を高めて使用寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る太陽光発電システムを示すブロック図である。
図2図1の太陽光発電システムのマイクロバブル洗浄装置を示す説明図である。
図3図1の太陽光発電システムの温度調節装置を示す説明図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る太陽光発電システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1図3を参照する。図1図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る太陽光発電システム100は、少なくとも太陽光発電装置10、マイクロバブル洗浄装置20、温度調節装置30及びコントローラ40から構成されてなる。
【0010】
図1及び図2を参照する。図1及び図2に示すように、太陽光発電装置10は、少なくとも1つの支持体11と、複数の太陽光パネル12とを有する。支持体11は、複数の太陽光パネル12をその上に設置することができる枠体、柱体その他の形態でもよい。それら複数の太陽光パネル12を用いて集めた太陽光を光電変換して得た電力は、出力されて使用されるか電池に蓄えられる。
【0011】
図1及び図2を参照する。図1及び図2に示すように、マイクロバブル洗浄装置20は、マイクロバブルを含む液体を発生させ、制御されて出力され、太陽光発電装置10の太陽光パネル12の表面を洗浄するとともに、洗浄により太陽光パネル12の温度を下げることができる。第1実施形態のマイクロバブル洗浄装置20は、少なくとも1つの発生器21と、少なくとも1つの洗浄ホース22と、複数の洗浄ノズル23とを有する。発生器21は、均一に混合されたマイクロスケールの水素マイクロバブル及び酸素マイクロバブルを含む液体を発生させる。洗浄ホース22は、太陽光発電装置10の支持体11上に固定されるとともに、発生器21と連通される。これら複数の洗浄ノズル23は、洗浄ホース22上に適宜間隔をおいて設置されるとともに、複数の太陽光パネル12の表面に向けられる。
【0012】
図1及び図3を参照する。図1及び図3に示すように、温度調節装置30は、太陽光発電装置10の支持体11上に配設されるとともに、複数の太陽光パネル12の下方に位置し、太陽光パネル12周囲の環境温度を変化させ、太陽光パネル12の動作温度を調節する。第1実施形態において、温度調節装置30は、貯蔵タンク31と、少なくとも1つのガイド管32と、複数の噴霧ノズル33とを有する。貯蔵タンク31は水を収容するために用いられる。ガイド管32は、太陽光発電装置10の支持体11上に固定されるとともに、複数の太陽光パネル12の下方に位置し、貯蔵タンク31と連通される。複数の噴霧ノズル33は、ガイド管32上に適宜間隔をおいて設置されるとともに、複数の太陽光パネル12の表面に向けられる。
【0013】
図1を参照する。図1に示すように、コントローラ40は、太陽光発電装置10、マイクロバブル洗浄装置20及び温度調節装置30と電気的に接続され、太陽光発電装置10が発電するときの各データ(温度、電流、電圧、発電電力などのデータ)を受信して判読するとともに、マイクロバブル洗浄装置20及び温度調節装置30のオン・オフを制御する。
【0014】
以上、本発明の一実施形態に係る太陽光発電システム100の各部材及びその結合方式について説明したが、以下ではそれらを使用する際の特徴について説明する。
【0015】
まず、コントローラ40は、条件パラメータを設定して自動制御モードを実施し、例えば、太陽光発電装置10周囲の環境温度が高すぎる場合(例えば25℃などコントローラが設定した判読温度より高い場合)、温度調節装置30の動作開始をコントローラ40により制御し、ガイド管32により貯蔵タンク31内の水を噴霧ノズル33に送水して散水する。そのため、太陽光パネル12周囲の環境温度が下がり、複数の太陽光パネル12の動作効率が効果的に高くなり、発電効率が高まる。
【0016】
太陽光発電装置10が得たデータから、何れか一つの太陽光パネル12の表面が遮蔽されたと判断した場合、コントローラ40によりマイクロバブル洗浄装置20を制御し、水素マイクロバブル及び酸素マイクロバブルを含む液体が発生器21、洗浄ホース22から洗浄ノズル23に向かって流れて洗浄ノズル23から噴出され、太陽光パネル12の表面に散水して洗浄を行い、噴出した液体内に水素マイクロバブル及び酸素マイクロバブルが含まれるため、高い洗浄効果が得られる。これにより、殺菌、滅菌効果を得て、除去することが困難な鳥類の排泄物、樹液、油汚れに対して高いクリーニング効果が得られ、太陽光パネル12が遮蔽されて発電効率が低下する状況を防ぐことができる上、太陽光パネル12が腐蝕することを防ぎ、太陽光パネル12の使用寿命を延ばすことができる。
【0017】
上述した実施形態において、コントローラ40により設定したパラメータにより、マイクロバブル洗浄装置20及び温度調節装置30のオン・オフを自ら制御することができる。しかし、実際には管理者がコントローラ40を手動で制御し、手動方式によりマイクロバブル洗浄装置20及び温度調節装置30のオン・オフを操作してもよい。
【0018】
上述した実施形態において、コントローラ40は、マイクロバブル洗浄装置20及び温度調節装置30をそれぞれ制御し、個別にオン・オフを行う。実際にはマイクロバブル洗浄装置20は散水して洗浄することができる上、洗浄すると同時に冷却も行うため、コントローラ40により設定し、温度調節装置30を起動させると同時に、マイクロバブル洗浄装置20を起動させることにより、温度調節を素早く行い、性能を高めることができる。
【0019】
上述した実施形態では、温度調節装置30の貯蔵タンク31内に、霧状の水を太陽光パネル12にスプレーして温度を下げるのに利用する水(冷媒)が収容されているが、本実施形態が寒冷地域にあるか季節が寒いとき、温度調節装置30の貯蔵タンク31内に熱媒体(例えば蒸気)を代わりに収容するか、ガイド管上に噴霧ノズルを設置せずに熱媒体(例えば熱オイル)を循環させて流通させ、昇温の温度調節を行うこともできる。このように、本発明は様々な場所及び季節に適用させることができる。
【0020】
(第2実施形態)
図4を参照する。図4に示すように、本発明の第2実施形態に係る太陽光発電システムは、少なくとも1つの電池50と、性能管理装置60と、マイクロ気象ステーション70と、クラウドデータベース80とをさらに含んでもよい。
【0021】
性能管理装置60は、太陽光発電装置10と電池50との間に電気的に接続され、太陽光発電装置の電力出力を効率良く管理する。電池50は、太陽光発電装置10から出力された電力を性能管理装置60により受け取って蓄える。マイクロ気象ステーション70は、太陽光発電装置10の周辺に設置されるとともに、コントローラ40と電気的に接続され、周辺環境の温度、湿度、風向き、風速、日照、雨量などのデータを検知して外部に送信する。クラウドデータベース80は、コントローラ40と有線方式又は無線方式により電気的に接続され、太陽光発電装置10及びマイクロ気象ステーション70から得られたデータがコントローラ40により制御されて記憶され、管理者は、アプリ(APP)を介してクラウドデータベース80の各種リアルタイムデータを得て、コントローラ40により自動的に管理するか手動で制御する他、管理者がアプリを介してコントローラ40に命令し、マイクロバブル洗浄装置20及び温度調節装置30を制御してもよい。
【符号の説明】
【0022】
10 太陽光発電装置
11 支持体
12 太陽光パネル
20 マイクロバブル洗浄装置
21 発生器
22 洗浄ホース
23 洗浄ノズル
30 温度調節装置
31 貯蔵タンク
32 ガイド管
33 噴霧ノズル
40 コントローラ
50 電池
60 性能管理装置
70 マイクロ気象ステーション
80 クラウドデータベース
100 太陽光発電システム
図1
図2
図3
図4