(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075443
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】着物貸出管理装置、着物貸出管理システム、プログラム、およびコンピュータが読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0645 20230101AFI20240527BHJP
【FI】
G06Q30/0645
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186953
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】517170199
【氏名又は名称】株式会社和とわ
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(74)【代理人】
【識別番号】230108796
【弁護士】
【氏名又は名称】隈部 泰正
(72)【発明者】
【氏名】立松 功志郎
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB68
5L049BB68
(57)【要約】 (修正有)
【課題】着物所有者が所有する着物の受け入れ情報、着物所有者の着物の検品情報及び検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理する着物貸出管理装置、着物貸出管理システム、プログラム及びコンピュータが読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【解決手段】貸出管理装置、所有者端末装置、要求者端末装置及び管理者端末装置が、通信回線を通じて相互に通信可能に接続している着物貸出管理システムにおいて、着物を所有する着物所有者から着物の貸し出しを要求する貸出要求者への着物の貸し出しを管理する着物貸出管理装置10は、着物所有者が所有する着物の受け入れ情報を管理する受け入れ管理部150と、受け入れ管理部150により受け入れ情報が管理された着物の検品情報を管理する検品情報管理部160と、検品情報管理部160により検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理する貸出情報管理部240と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着物を所有する着物所有者から前記着物の貸し出しを要求する貸出要求者への前記着物の貸し出しを管理する着物貸出管理装置であって、
前記着物所有者が所有する着物の受け入れ情報を管理する受け入れ管理部と、
前記受け入れ管理部により受け入れ情報が管理された着物の検品情報を管理する検品情報管理部と、
前記検品情報管理部により前記検品情報が管理された着物の前記貸出要求者に貸し出した情報を管理する貸出情報管理部と、を有することを特徴とする着物貸出管理装置。
【請求項2】
前記検品情報管理部により検品情報が管理された着物に施した所定の処理に関する情報を管理する処理情報管理部を有することを特徴とする請求項1に記載の着物貸出管理装置。
【請求項3】
前記所定の処理は、クリーニング処理とすることを特徴とする請求項2に記載の着物貸出管理装置。
【請求項4】
前記着物の着物所有者への前記梱包材の発送情報を管理する梱包材発送管理部を有することを特徴とする請求項1に記載の着物貸出管理装置。
【請求項5】
前記受け入れ管理部は、前記梱包材発送管理部により発送が管理された前記梱包材を用いて梱包された前記着物所有者からの着物の受け入れ情報を管理する梱包受け入れ管理部とするとともに、
前記梱包受け入れ管理部により管理された前記梱包材を用いて梱包された前記着物所有者からの着物の保管施設への発送情報を管理する保管発送管理部を有することを特徴とする請求項4に記載の着物貸出管理装置。
【請求項6】
前記着物の画像を管理する画像管理部を有することを特徴とする請求項1に記載の着物貸出管理装置。
【請求項7】
前記画像管理部により管理された画像の着物を仮想のモデルが仮想に着用した状態の画像に加工する画像加工部を有することを特徴とする請求項6に記載の着物貸出管理装置。
【請求項8】
前記画像加工部は、前記画像管理部により管理された着物の画像の色および/または模様を抽出するとともに、前記仮想のモデルが仮想に着用する着物の基本モデルの色および/または模様を前記抽出した着物の色および/または模様に変更することを特徴とする請求項7に記載の着物貸出管理装置。
【請求項9】
前記着物の色および/または模様の抽出、前記着物の色および/または模様の変更は、前記着物の位置に応じて行うとことを特徴とする請求項8に記載の着物貸出管理装置。
【請求項10】
前記貸出要求者からの前記ネットワーク通信回線を通じてのアクセスに対応して前記画像管理部により管理された前記着物の画像および/または前記画像加工部により加工された前記仮想のモデルが仮想に着用した画像の表示する表示部と、
前記表示部により画像が表示された前記着物の中から前記貸出要求者が選択した前記着物を抽出する着物抽出部と、を有することを特徴とする請求項7に記載の着物貸出管理装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の着物貸出管理装置と、前記着物所有者の有する所有者端末装置と、前記貸出要求者の有する要求者端末装置と、を有し、前記着物貸出管理装置と、前記着所有者端末装置および前記要求者端末装置と、をネットワーク通信回線を通じて接続することを特徴とする着物貸出管理システム。
【請求項12】
着物を所有する着物所有者から前記着物の貸し出しを要求する貸出要求者への前記着物の貸し出しを管理する着物貸出管理装置のコンピュータを、
前記着物所有者が所有する着物の受け入れ情報を管理する受け入れ管理部と、
前記受け入れ管理部により受け入れ情報が管理された着物の検品情報を管理する検品情報管理部と、
前記検品情報管理部により前記検品情報が管理された着物の前記貸出要求者に貸し出した情報を管理する貸出情報管理部として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項11に記載の着物貸出管理システムのコンピュータを、前記着物貸出管理装置、前記所有者端末装置、および前記要求者端末装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載のプログラムを記憶することを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着物貸出管理装置、着物貸出管理システム、プログラム、およびコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国の内外、老若男女を問わず着物の需要が高まっており、着物を貸し出す(レンタルする)ことも行われている。特許文献1には、このような着物を貸し出すための着物貸出管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、着物を貸し出す際には、着物を所有する着物所有者から着物の貸し出しを要求する貸出要求者に特に検品を行うことなく貸し出すことが多く、状態の悪い着物をそのまま貸し出して苦情となることがある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、着物所有者が所有する着物の受け入れ情報、着物所有者の着物の検品情報、および検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理することができる着物貸出管理装置、着物貸出管理システム、プログラム、およびコンピュータが読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る着物貸出管理装置は、着物を所有する着物所有者から前記着物の貸し出しを要求する貸出要求者への前記着物の貸し出しを管理する着物貸出管理装置であって、前記着物所有者が所有する着物の受け入れ情報を管理する受け入れ管理部と、前記受け入れ管理部により受け入れ情報が管理された着物の検品情報を管理する検品情報管理部と、前記検品情報管理部により前記検品情報が管理された着物の前記貸出要求者に貸し出した情報を管理する貸出情報管理部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、着物所有者が所有する着物の受け入れ情報、着物所有者の着物の検品情報、および検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理することができる。
【0008】
前記検品情報管理部により検品情報が管理された着物に施した所定の処理に関する情報を管理する処理情報管理部を有することにより、着物に施した所定の処理に関する情報を管理することができる。
【0009】
前記所定の処理は、クリーニング処理とすることができる。
【0010】
前記着物の着物所有者への前記梱包材の発送情報を管理する梱包材発送管理部を有することにより、着物所有者への梱包材の発送情報を管理することができる。
【0011】
前記受け入れ管理部は、前記梱包材発送管理部により発送が管理された前記梱包材を用いて梱包された前記着物所有者からの着物の受け入れ情報を管理する梱包受け入れ管理部とするとともに、前記梱包受け入れ管理部により管理された前記梱包材を用いて梱包された前記着物所有者からの着物の保管施設への発送情報を管理する保管発送管理部を有することにより、着物の保管施設への発送情報を管理することができる。
【0012】
前記着物の画像を管理する画像管理部を有することにより、着物の画像を管理することができる。
【0013】
前記画像管理部により管理された画像の着物を仮想のモデルが仮想に着用した状態の画像に加工する画像加工部を有することにより、画像の着物を仮想のモデルが仮想に着用した状態の画像に加工することができる。
【0014】
前記画像加工部は、前記画像管理部により管理された着物の画像の色および/または模様を抽出するとともに、前記仮想のモデルが仮想に着用する着物の基本モデルの色および/または模様を前記抽出した着物の色および/または模様に変更することにより、前記仮想のモデルが仮想に着用する着物の基本モデルの色および/または模様を前記抽出した着物の色および/または模様に変更することができる。
【0015】
前記着物の色および/または模様の抽出、前記着物の色および/または模様の変更は、前記着物の位置に応じて行うことができる。
【0016】
前記貸出要求者からの前記ネットワーク通信回線を通じてのアクセスに対応して前記画像管理部により管理された前記着物の画像および/または前記画像加工部により加工された前記仮想のモデルが仮想に着用した画像を表示する表示部と、前記表示部により画像が表示された前記着物の中から前記貸出要求者が選択した前記着物を抽出する着物抽出部と、を有することにより、表示を見ながら着物を選択することができる。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明に係る着物貸出管理システムは、上記の着物貸出管理装置と、前記着物所有者の有する所有者端末装置と、前記貸出要求者の有する要求者端末装置と、を有し、前記貸出管理装置と、前記所有者端末装置および前記要求者端末装置と、をネットワーク通信回線を通じて接続することを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、着物を所有する着物所有者から前記着物の貸し出しを要求する貸出要求者への前記着物の貸し出しを管理する着物貸出管理装置のコンピュータを、前記着物所有者が所有する着物の受け入れ情報を管理する受け入れ管理部と、前記受け入れ管理部により受け入れ情報が管理された着物の検品情報を管理する検品情報管理部と、前記検品情報管理部により前記検品情報が管理された着物の前記貸出要求者に貸し出した情報を管理する貸出情報管理部として機能させることを特徴とするプログラム。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、上記の着物貸出管理システムのコンピュータを、前記着物貸出管理装置、前記所有者端末装置、および前記要求者端末装置として機能させることを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明に係るコンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、上記のプログラムを記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、着物所有者が所有する着物の受け入れ情報、着物所有者の着物の検品情報、および検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る着物貸出管理システムの全体構成の概要を示すブロック図である。
【
図2】同着物貸出管理システムの所有者端末装置、要求者端末装置、および着物貸出管理装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【
図3】同着物貸出管理システムにおける着物貸出管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】同着物貸出管理システムの着物貸出管理方法を説明するためのフローチャートである。
【
図5】同着物貸出管理システムの着物貸出管理方法を説明するための
図4に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る着物貸出管理システムの全体構成の概要を示すブロック図、
図2は、同着物貸出管理システムの所有者端末装置、要求者端末装置、および着物貸出管理装置のコンピュータの構成を示すブロック図、
図3は、同着物貸出管理システムにおける着物貸出管理装置の構成を示すブロック図、
図4は、同着物貸出管理システムの着物貸出管理方法を説明するためのフローチャート、
図5は、同着物貸出管理システムの着物貸出管理方法を説明するための
図4に続くフローチャートである。
【0024】
本実施形態の着物貸出管理システム1の概要を説明すると、着物貸出管理システム1は、
図1に示すように、着物貸出管理装置10と、着物を所有する着物所有者の有する所有者端末装置20と、着物の貸し出しを要求する貸出要求者の有する要求者端末装置30と、着物貸出管理システム1を管理する管理者の有する管理者端末装置40と、を有し、着物貸出管理装置10と、所有者端末装置20、要求者端末装置30、および管理者端末装置40と、を無線または有線のネットワーク通信回線NTを通じて相互に通信可能に接続されている。着物貸出管理装置10、所有者端末装置20、要求者端末装置30、管理者端末装置40は、相互に信号情報の入出力を行うことができる。ネットワーク通信回線NTは、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信回線を含むことができる。
【0025】
着物貸出管理装置10は、着物貸出管理システム1のサーバ装置として機能するものである。
【0026】
所有者端末装置20、要求者端末装置30、および管理者端末装置40は、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、専用の端末装置等を含むことができる。所有者端末装置20、要求者端末装置30、および管理者端末装置40は、着物貸出管理システム1における着物所有者、貸出要求者、および管理者のインターフェースとして機能するものである。
【0027】
着物貸出管理装置10、所有者端末装置20、要求者端末装置30、および管理者端末装置40は、コンピュータとしての一般的構成を備えている。
【0028】
すなわち、着物貸出管理装置10、所有者端末装置20、要求者端末装置30、および管理者端末装置40は、
図2に示すように、相互にバス10A,20A,30A,40Aを介して接続された中央処理装置(CPU、GPU、DSP)10B,20B,30B,40B、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク、キャッシュメモリ)10C,20C,30C,40C、入力装置(キーボード、タッチパネル、マウス)10D,20D,30D,40D、表示装置(液晶ディスプレー)10E,20E,30E,40E等を有している。記憶装置10C,20C,30C,40Cは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体として機能する。
【0029】
着物貸出管理装置10は、着物所有者から貸出要求者への着物の貸し出しを管理することができる。
【0030】
着物貸出管理装置10は、
図3に示すように、所有者情報入力部100、パスワード設定部105、所有者アクセス許可判断部110、申し出受け入れ管理部120、梱包材発送管理部140、梱包受け入れ管理部150(受け入れ管理部150)、検品情報管理部160、処理情報管理部170、保管発送管理部180、保管受け入れ管理部190、画像管理部200、画像加工部210、一覧表示部220、着物抽出部230、貸出情報管理部240、返却管理部250、解約受付部260、および在庫管理部270を有している。各部は、相互に信号情報の入出力を行うことができる。
【0031】
所有者情報入力部100は、着物所有者の所定の情報を入力することができる。すなわち、所有者情報入力部100は、ネットワーク通信回線NTを通じて所有者端末装置20から着物所有者の所定の情報として少なくとも氏名、住所、希望するパスワードを入力することができる。
【0032】
パスワード設定部105は、着物所有者が使用する所定のパスワードを設定することができる。パスワード設定部105は、所有者情報入力部100により入力された希望するパスワードを着物所有者が使用する所定のパスワードとして設定することができる。
【0033】
所有者アクセス許可判断部110は、着物所有者のアクセスを許可するか否かを判断することができる。すなわち、所有者アクセス許可判断部110は、ネットワーク通信回線NTを通じて所有者端末装置20からパスワードを入力するとともに、入力したパスワードがパスワード設定部105により設定されたパスワードと一致したときに、着物所有者のアクセスを許可する判断を行う。
【0034】
申し出受け入れ管理部120は、所有者アクセス許可判断部110によりアクセスを許可すると判断された着物所有者からの着物の貸し出しの申し出を受け入れるか否かの情報を記憶し管理することができる。
【0035】
すなわち、着物所有者は、着物の貸し出しを希望する場合、着物の貸し出しの申し出を行うとともに、貸し出しを希望する着物の写真を管理者に送付する。管理者は、着物所有者から送付される写真によりその着物の状態を把握し着物の貸し出しの申し出を受け入れるか否かを判断する。
【0036】
申し出受け入れ管理部120は、この管理者の判断による申し出を受け入れるか否かの情報を記憶し管理することができる。管理者の判断による申し出を受け入れるか否かの情報(申し出を受け入れるとする情報と申し出を受け入れないとする情報)は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。なお、管理者には、着物貸出管理システム1を管理する管理者の他、管理者から指揮監督を受ける使用者や従業者、業務委託を受ける業者等も含むものとし、以下同様とする。
【0037】
梱包材発送管理部140は、着物の貸し出しの申し出が受け入れられた着物(申し出受け入れ管理部120により申し出を受け入れるとする情報が記憶され管理された着物)の着物所有者への梱包材の発送情報を記憶し管理することができる。すなわち、管理者は、所有者情報入力部100により入力された着物所有者の氏名、住所に基づいて、着物の貸し出しの申し出が受け入れられた着物所有者に梱包材を発送し、梱包材発送管理部140は、この梱包材を発送した情報(発送情報)を記憶し管理することができる。梱包材発送管理部140が記憶し管理する発送情報には、着物所有者の氏名、住所、梱包材の発送日等の情報が含まれる。これら発送情報は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。
【0038】
受け入れ管理部150すなわち梱包受け入れ管理部150は、着物所有者が所有する着物の受け入れ施設への受け入れ情報を記憶し管理することができる。
【0039】
より詳しくは、梱包受け入れ管理部150は、梱包材発送管理部140により発送情報が記憶され管理された梱包材を用いて梱包された着物の受け入れ施設への受け入れ情報を記憶し管理することができる。すなわち、着物所有者は、発送された梱包材に貸し出しを希望する着物を梱包し、この梱包された着物を着物管理者に発送する。管理者は、発送された着物を受け入れ、梱包受け入れ管理部150は、この着物を受け入れた情報(受け入れ情報)を記憶し管理することができる。梱包受け入れ管理部150が記憶し管理する受け入れ情報には、着物所有者の氏名、住所、受け入れた着物を特定する情報、着物の受け入れ日等の情報が含まれる。これら受け入れ情報は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。
【0040】
検品情報管理部160は、梱包受け入れ管理部150(受け入れ管理部150)により受け入れ情報が管理された着物の検品情報を管理することができる。より詳しくは、検品情報管理部160は、梱包受け入れ管理部150により受け入れ情報が記憶され管理された着物(梱包材を用いて梱包された着物)の検品情報を記憶し管理することができる。すなわち、管理者は、梱包受け入れ管理部150により受け入れ情報が記憶され管理された着物(梱包材を用いて梱包された着物)の検品を行い、検品情報管理部160は、この着物を検品した情報(検品情報)を記憶し管理することができる。検品情報管理部160が記憶し管理する検品情報には、検品実施日、検品を行った着物を特定する情報、検品結果等の情報が含まれる。これら検品情報は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。
【0041】
処理情報管理部170は、検品情報管理部160により検品情報が記憶され管理された着物に施した所定の処理に関する情報を記憶し管理することができる。すなわち、管理者は、上記の検品結果に基づいて、着物に所定の処理を施し、処理情報管理部170は、この所定の処理に関する情報を記憶し管理することができる。所定の処理に関する情報は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。
【0042】
なお、所定の処理に関する情報は、クリーニング処理に関する情報とすることができる。クリーニング処理を行うことで、状態の悪い着物をそのまま貸し出すことなく、清浄な着物を貸し出すことができる。更に、クリーニング処理は、ドライクリーニング処理とし、ドライクリーニング処理は、水分を含んだ洗剤を用いずに有機溶剤を用いて行うことができる。更にまた、クリーニング処理の前には、着物の袖口および/または襟元の処理を行う前処理を行い、前処理は、着物の袖口および/または襟元の表面にドライクリーニング処理で用いる有機溶剤と同一の有機溶剤を供給した状態で着物の袖口および/または襟元の表面をブラシを用いて擦る処理とすることができる。クリーニング処理の前に着物の袖口および/または襟元の処理を行う前処理を行うことにより、汚れることの多い袖口や襟元のクリーニング処理の効果を高めることができる。
【0043】
保管発送管理部180は、梱包受け入れ管理部150により管理された梱包材を用いて梱包された着物所有者からの着物の受け入れ施設から保管施設への発送情報を管理することができる。
【0044】
より詳しくは、保管発送管理部180は、処理情報管理部170により所定の処理に関する情報が記憶され管理された着物の受け入れ施設から保管施設への発送情報を記憶し管理することができる。すなわち、管理者は、処理情報管理部170により所定の処理に関する情報が記憶され管理された着物を受け入れ施設から保管施設に発送し、保管発送管理部180は、この着物を発送した情報(発送情報)を記憶し管理することができる。保管発送管理部180が記憶し管理する発送情報には、着物所有者の氏名、住所、発送した着物を特定する情報、着物の発送日等の情報が含まれる。これら発送情報は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。
【0045】
保管受け入れ管理部190は、保管発送管理部180により受け入れ施設から保管施設への発送情報が記憶され管理された着物の受け入れ情報を記憶し管理することができる。すなわち、保管施設側の管理者は、保管発送管理部180により受け入れ施設から保管施設への発送情報が記憶され管理された着物を保管施設において受け入れ、保管受け入れ管理部190は、この着物を受け入れた情報(受け入れ情報)を記憶し管理することができる。保管受け入れ管理部190が記憶し管理する受け入れ情報には、着物所有者の氏名、住所、受け入れた着物を特定する情報、着物の受け入れ日等の情報が含まれる。これら受け入れ情報は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。
【0046】
画像管理部200は、保管受け入れ管理部190により受け入れ情報が記憶され管理された着物の画像を保存し(記憶し)管理することができる。すなわち、管理者は、保管受け入れ管理部190により受け入れ情報が記憶され管理された着物の画像を撮影し、画像管理部200は、この撮影された画像を保存し(記憶し)管理することができる。
【0047】
画像加工部210は、画像管理部200により保存し(記憶し)管理された画像の着物を仮想のモデルが仮想に着用した状態の画像に加工することができる。
【0048】
すなわち、画像加工部210は、画像管理部200により保存し(記憶し)管理された着物の画像の色および/または模様を抽出する。仮想のモデルは、基本モデルの着物を仮想に着用しており、画像加工部210は、仮想のモデルが仮想に着用する着物の基本モデルの色および/または模様を抽出した着物の色および/または模様に変更することができる。画像加工部210による着物の色および/または模様の抽出、着物の色および/または模様の変更は、着物の位置に応じて行うことができる。画像加工部210により着物の色および/または模様の抽出、着物の色および/または模様の変更を行うための着物の位置の特定は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じての管理者端末装置40からの入力や操作により行うことができる。
【0049】
表示部220より詳しくは一覧表示部220は、着物の貸し出しを要求する要求者端末装置30からのネットワーク通信回線NTを通じてのアクセスに対応して画像管理部200により保存され(記憶され)管理された着物の画像および/または画像加工部210により加工された仮想のモデルが仮想に着用した画像の一覧を表示することができる。
【0050】
着物抽出部230は、一覧表示部220により画像が表示された着物の中から貸出要求者がネットワーク通信回線NTを通じて要求者端末装置30から選択した着物を抽出することができる。すなわち、管理者は、着物抽出部230により抽出された着物を貸出要求者に貸し出す。貸出要求者は、一覧表示部220により画像が表示された着物を選択する際に、ネットワーク通信回線NTを通じて要求者端末装置30から少なくとも氏名、住所、貸し出し希望日、返却予定日を入力することができる。
【0051】
貸出情報管理部240は、検品情報管理部160により検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理することができる。
【0052】
より詳しくは、貸出情報管理部240は、着物抽出部230により抽出された着物の貸出要求者に貸し出した情報を記憶し管理することができる。すなわち、管理者は、着物抽出部230により抽出された着物を貸出要求者に貸し出し、貸出情報管理部240は、この着物を貸し出した情報を記憶し管理することができる。貸出情報管理部240が記憶し管理する着物を貸し出した情報は、貸出要求者の氏名、住所、貸し出した着物を特定する情報、貸し出し日、返却予定日等の情報が含まれる。これら貸し出した情報は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。
【0053】
返却管理部250は、貸出情報管理部240により貸し出した情報が記憶され管理された着物の返却情報を記憶し管理することができる。すなわち、貸出要求者は、貸出情報管理部240により貸し出した情報が記憶され管理された着物を返却予定日までに返却し、管理者は、返却された着物の受け付けを行う。返却管理部230は、この着物を返却した情報(返却情報)を記憶し管理することができる。返却管理部250が記憶し管理する返却情報には、貸出要求者の氏名、住所、返却された着物を特定する情報、返却日等の情報が含まれる。これら返却情報は、管理者が、ネットワーク通信回線NTを通じて管理者端末装置40から入力することができる。
【0054】
解約受付部260は、着物所有者からの着物の貸し出しの解約を受け付けることができる。すなわち、着物所有者は、ネットワーク通信回線NTを通じて所有者端末装置20から解約の申し出に関する情報の入力を行い、解約受付部260は、この解約の申し出に関する情報を受け付ける(解約の申し出に関する情報を入力する)ことができる。管理者は、解約の申し出がされた着物を着物所有者に返却する。
【0055】
在庫管理部270は、貸出情報管理部240により記憶され管理された貸し出した情報と、返却管理部250により記憶され管理された返却情報と、保管受け入れ管理部190により記憶され管理された受け入れ情報と、解約受付部260により受け付けられた解約の申し出に関する情報と、に基づいて在庫管理されている着物の情報(在庫管理情報)を管理することができる。
【0056】
ここで、上述した記憶装置10Cは、上記の各部を機能させるためのプログラム1aが記憶されている。すなわち、記憶装置10Cに記憶されているプログラム1aは、着物の貸し出しを管理する着物貸出管理装置10のコンピュータを、所有者情報入力部100、パスワード設定部105、所有者アクセス許可判断部110、申し出受け入れ管理部120、梱包材発送管理部140、梱包受け入れ管理部150、検品情報管理部160、処理情報管理部170、保管発送管理部180、保管受け入れ管理部190、画像管理部200、画像加工部210、一覧表示部220、着物抽出部230、貸出情報管理部240、返却管理部250、解約受付部260、および在庫管理部270として機能させることができる。
【0057】
また、記憶装置10Cに記憶されているプログラム1aは、着物貸出システムのコンピュータを、着物貸出管理装置10、所有者端末装置20、および要求者端末装置30として機能させることができる。
【0058】
次に、システム10における着物貸出方法を
図4および
図5のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0059】
すなわち、まずステップS10において、所有者情報入力部100が、着物所有者の所定の情報を入力する。所定の情報には、少なくとも氏名、住所、希望するパスワードが含まれる。
【0060】
次いで、ステップS20において、パスワード設定部105が、着物所有者が使用する所定のパスワードを設定する。パスワード設定部105は、希望するパスワードを着物所有者が使用する所定のパスワードとして設定する。
【0061】
続いて、ステップS30において、所有者アクセス許可判断部110が、着物所有者のアクセスを許可するか否かを判断する。所有者アクセス許可判断部110は、入力したパスワードがパスワード設定部105により設定されたパスワードと一致したときに、着物所有者のアクセスを許可する判断を行う。
【0062】
次に、ステップS40において、申し出受け入れ管理部120が、所有者アクセス許可判断部110によりアクセスを許可すると判断された着物所有者からの着物の貸し出しの申し出を受け入れるか否かの情報を記憶し管理する。
【0063】
次いで、ステップS50において、梱包材発送管理部140が、着物の貸し出しの申し出が受け入れられた着物所有者への梱包材の発送情報を記憶し管理する。梱包材発送管理部140が記憶し管理する発送情報には、着物所有者の氏名、住所、梱包材の発送日等の情報が含まれる。
【0064】
続いて、ステップS60において、受け入れ管理部150すなわち梱包受け入れ管理部150が、着物所有者が所有する着物の受け入れ情報を管理する。梱包受け入れ管理部150が記憶し管理する受け入れ情報には、着物所有者の氏名、住所、受け入れた着物を特定する情報、着物の受け入れ日等の情報が含まれる。
【0065】
次に、ステップS70において、検品情報管理部160が、梱包受け入れ管理部150(受け入れ管理部150)により受け入れ情報が管理された着物の検品情報を管理する。検品情報管理部160が記憶し管理する検品情報には、検品実施日、検品を行った着物を特定する情報、検品結果等の情報が含まれる。
【0066】
次いで、ステップS80において、処理情報管理部170が、検品情報管理部160により検品情報が記憶され管理された着物に施した所定の処理に関する情報を記憶し管理する。所定の処理は、クリーニング処理とすることができる。
【0067】
続いて、ステップS90において、保管発送管理部180が、梱包受け入れ管理部150により管理された梱包材を用いて梱包された着物所有者からの着物の受け入れ施設から保管施設への発送情報を管理する。保管発送管理部180が記憶し管理する発送情報には、着物所有者の氏名、住所、発送した着物を特定する情報、着物の発送日等の情報が含まれる。
【0068】
次に、ステップS100において、保管受け入れ管理部190が、保管発送管理部180により受け入れ施設から保管施設への発送情報が記憶され管理された着物の受け入れ情報を記憶し管理する。保管受け入れ管理部190が記憶し管理する受け入れ情報には、着物所有者の氏名、住所、受け入れた着物を特定する情報、着物の受け入れ日等の情報が含まれる。
【0069】
次いで、ステップS110において、画像管理部200が、保管受け入れ管理部190により受け入れ情報が記憶され管理された着物の画像を保存し(記憶し)管理する。
【0070】
続いて、ステップS120において、画像加工部210が、画像管理部200により保存し(記憶し)管理された画像の着物を仮想のモデルが仮想に着用した状態の画像に加工する。
【0071】
次に、ステップS130において、一覧表示部220が、着物の貸し出しを要求する要求者端末装置30からのネットワーク通信回線NTを通じてのアクセスに対応して画像管理部200により保存され(記憶され)管理された着物の画像および/または画像加工部210により加工された仮想のモデルが仮想に着用した画像の一覧を表示する。
【0072】
次いで、ステップS140において、着物抽出部230が、一覧表示部220により画像が表示された着物の中から貸出要求者がネットワーク通信回線NTを通じて要求者端末装置30から選択した着物を抽出する。
【0073】
続いて、ステップS150において、貸出情報管理部240が、検品情報管理部160により検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理する。貸出情報管理部240が記憶し管理する着物を貸し出した情報は、貸出要求者の氏名、住所、貸し出した着物を特定する情報、貸し出し日、返却予定日等の情報が含まれる。
【0074】
次に、ステップS160において、返却管理部250が、貸出情報管理部240により貸し出した情報が記憶され管理された着物の返却情報を記憶し管理する。返却管理部250が記憶し管理する返却情報には、貸出要求者の氏名、住所、返却された着物を特定する情報、返却日等の情報が含まれる。なお、着物貸出管理システム1においては、解約受付部260により着物所有者からの着物の貸し出しの解約が受け付けられ、在庫管理部270により在庫管理情報が管理される。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の着物貸出管理装置10によれば、着物所有者が所有する着物の受け入れ情報を管理する受け入れ管理部150と、受け入れ管理部150により受け入れ情報が管理された着物の検品情報を管理する検品情報管理部160と、検品情報管理部160により検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理する貸出情報管理部240と、を有することにより、着物所有者が所有する着物の受け入れ情報、着物所有者の着物の検品情報、および検品情報が管理された着物の貸出要求者に貸し出した情報を管理することができる。
【0076】
また、検品情報管理部160により検品情報が管理された着物に施した所定の処理に関する情報を管理する処理情報管理部170を有することにより、着物に施した所定の処理に関する情報を管理することができる。
【0077】
更に、着物の着物所有者への梱包材の発送情報を管理する梱包材発送管理部140を有することにより、着物所有者への梱包材の発送情報を管理することができる。ここで、着物所有者への梱包材の発送を行うことにより、着物所有者の着物の発送を促すことができる。すなわち、着物の発送に際して梱包材を着物所有者が調達することとすると、梱包材の調達が煩雑なため、着物の発送が遅れることがあるが、着物所有者への梱包材の発送を行うことで、着物の発送が遅れることを少なくすることができる。
【0078】
更にまた、受け入れ管理部150は、梱包材発送管理部140により発送が管理された梱包材を用いて梱包された着物所有者からの着物の受け入れ情報を管理する梱包受け入れ管理部150とするとともに、梱包受け入れ管理部150により管理された梱包材を用いて梱包された着物所有者からの着物の受け入れ施設から保管施設への発送情報を管理する保管発送管理部180を有することにより、着物の受け入れ施設から保管施設への発送情報を管理することができる。ここで、梱包材を用いて梱包された着物所有者からの着物の受け入れを行うとともに、着物の受け入れ施設から保管施設への発送を行うことで、貸し出し要求者と保管施設との間に受け入れ施設を介在させることができ、着物所有者に対し保管施設を秘匿することが可能となる。これにより、高価な着物の盗難を防止することができる。
【0079】
また更に、着物の画像を管理する画像管理部200を有することにより、着物の画像を管理することができる。
【0080】
また、画像管理部200により管理された画像の着物を仮想のモデルが仮想に着用した状態の画像に加工する画像加工部210を有することにより、画像の着物を仮想のモデルが仮想に着用した状態の画像に加工することができる。
【0081】
更に、画像加工部210は、画像管理部200により管理された着物の画像の色および/または模様を抽出するとともに、仮想のモデルが仮想に着用する着物の基本モデルの色および/または模様を前記抽出した着物の色および/または模様に変更することにより、仮想のモデルが仮想に着用する着物の基本モデルの色および/または模様を抽出した着物の色および/または模様に変更することができる。
【0082】
更にまた、着物の貸し出しを要求する貸出要求者の有する要求者端末装置30からのネットワーク通信回線NTを通じてのアクセスに対応して画像管理部200により管理された着物の画像および/または画像加工部210により加工された仮想のモデルが仮想に着用した画像の一覧を表示する一覧表示部220と、一覧表示部220により画像が表示された着物の中から貸出要求者が選択した着物を抽出する着物抽出部230と、を有することにより、一覧表示を見ながら着物を選択することができる。
【0083】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0084】
NT:通信ネットワーク
1:着物貸出管理装置
1a:プログラム
10:着物貸出管理装置
10A:バス
10B:中央処理装置
10C:記憶装置
10D:入力装置
10E:表示装置
20:所有者端末装置
20A:バス
20B:中央処理装置
20C:記憶装置
20D:入力装置
20E:表示装置
30:要求者端末装置
30A:バス
30B:中央処理装置
30C:記憶装置
30D:入力装置
30E:表示装置
40:管理者端末装置
40A:バス
40B:中央処理装置
40C:記憶装置
40D:入力装置
40E:表示装置
100:所有者情報入力部
105:パスワード設定部
110:所有者アクセス許可判断部
120:申し出受け入れ管理部
140:梱包材発送管理部
150:梱包受け入れ管理部(受け入れ管理部)
160:検品情報管理部
170:処理情報管理部
180:保管発送管理部
190:保管受け入れ管理部
200:画像管理部
210:画像加工部
220:一覧表示部
230:着物抽出部
240:貸出情報管理部
250:返却管理部
260:解約受付部
270:在庫管理部