(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075448
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】局部開口型医療用パンツ
(51)【国際特許分類】
A41D 13/12 20060101AFI20240527BHJP
A41B 9/02 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
A41D13/12 154
A41B9/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022197466
(22)【出願日】2022-11-22
(71)【出願人】
【識別番号】522479429
【氏名又は名称】伊藤 由美
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 由美
【テーマコード(参考)】
3B011
3B128
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA05
3B011AB09
3B011AC21
3B011AC22
3B128EA01
3B128EA02
3B128EB11
3B211AA05
3B211AB09
3B211AC21
3B211AC22
(57)【要約】
【課題】子宮頸がん検診時における受診者の心理に配慮した医療用パンツを提供する。
【解決手段】任意素材によるパンツ本体を設け、該パンツ本体上部にはゴム紐収納部を設けるとともに、該パンツ本体下部には一対の脚挿入部を設け、該パンツの股間部において、その股間部下端から上方に向けて所定長さの切り裂き可能部を設けたことを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意素材によるパンツ本体を設け、該パンツ本体上部にはゴム紐収納部を設けるとともに、該パンツ本体下部には一対の脚挿入部を設け、該パンツの股間部において、その股間部下端から上方に向けて所定長さの切り裂き可能部を設けたことを特徴とする局部開口型医療用パンツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人体局部(股間部)開口型の医療用パンツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々のパンツが多用されているが、本発明にて示すような局部開口型にて必要分だけ人体要部を露出可能なものは見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
日本は医療先進国であるが、子宮頸がんの検査率は50パーセントに満たない状況であって、欧米の70~80パーセントに比べてかなり低い状態にある。
早期発見であれば治りやすいのであるが、日本では毎年1万人以上が発症し、約3000人が亡くなっている。近年では、20台から30台女性の発症は増加傾向にあり、子宮頸がん検診は、20才以上の女性に対し2年に一回の検診が推奨されているにもかかわらず、検診受診率は30パーセント以下にとどまっている。
【0004】
また、子宮頸がんにおいて、世界31カ国における罹患率は減少もしくは横ばいであるが、日本は31カ国中最も高く、死亡率は2番目に多い状態である。
この子宮頸がんの婦人科での検診は、以前は下半身露出で、何も身につけずに開脚状態で受診するものであり、尊厳などなくただただ恥ずかしい状態での検診であった。
女性用検診パンツもあるが、パンツの開口箇所は大きく設定されており、局部とその周囲が大きく露出するものであり、受診者としての女性の気持ちは一向に配慮されていないものであって、これが検診率低下の大きな要因となっているのである。
【0005】
以上記したように、現状には改良点が種々あるのに対し、このような現状に対応し得る物品・商品が見当たらないのが現状である。
本発明は以上に鑑み、医療側と受診者側の双方に対して満足できる新規かつ有用なる物品を提供することを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。すなわち、
任意素材によるパンツ本体を設け、該パンツ本体上部にはゴム紐収納部を設けるとともに、該パンツ本体下部には一対の脚挿入部を設け、該パンツの股間部において、その股間部下端から上方に向けて所定長さの切り裂き可能部を設ける。
本発明は以上の構成よりなる局部開口型医療用パンツである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パンツ股間部を希望長さだけ簡単に切り裂いて使用することが出来るので、従来品のように検診時に不要な箇所の人体露出を避けることが出来て、被検診者の心理に対応した有用なる医療用物品を得ることができる。
また、不織布にて製作すれば、使い捨て用品として、常に新しい清潔なパンツを使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、従来品について説明する。図において、1は不織布製のパンツ本体、2は該パンツ本体上部に位置するゴム紐収容部で、パンツ不使用時はゴム紐の弾力にて縮まった状態であるが、人体への装着にて人体ウエストにフィットした状態となる。3は開口の脚挿入部、Aは股間開口部である。この股間開口部は、パンツ本体における股間部より所定長だけパンツ本体上部に向けて脚挿入部内方を切除して形成される。
人体にこのパンツを装着すると、
図2のように、人体局部とその周囲が露出状態となる。このパンツは上記のように不織布製のため、使用後は廃棄される。
【0010】
次ぎに本発明品について説明する。
図において、10は不織布製のパンツ本体、11は該パンツ本体上部に位置するゴム紐収容部、12は脚挿入部、13は縫合部、14はパンツ股間部、15はパンツの股間部中央下端より所定長上方に向かって表部と裏部の双方に設けられるミシン目(線状間欠切断部・切り裂き可能部)、Bは股間開口部である。本発明の使用に先立って該ミシン目を必要分だけ指で切り裂いておき、パンツ着用にて
図4のように人体股間部(局部)のみが露出することとなる。そして着用後に切り裂き部が不足のときはさらに切り裂いて調整することが出来る。なお、着用してから切り裂いてもよい。
さらに、
図5にて示すように、膣口の標準的な位置とサイズに合うように、切り裂き部の適所に円形等の注意マークCを、表側と裏側(肛門側)に印刷しておくことにて、不用意に切り裂きすぎることが防止できる。
【0011】
既述の従来品ではパンツ股間部の開口部(パンツ所定箇所を切り裂いた部分)が大きいために、膣口とその周囲が大きく露出されることになるので、受診者の心理に負担となる。
本発明では、股間の膣口部分のみが露出となるので、心理的負担は少なくなる。
また、股間部の切り裂きは、指で容易に任意部分のみが可能であり、受診者の体型等に合わせて用いることができる。子宮頸がん検診は受診者の膣内の視診や膣内に器具等を挿入して行うので膣口のみが露出すればよいのであり、本発明品によってこれが可能となるのである。
また、たとえば大腸に関する検診は、肛門から必要器具等を挿入して行うが、本発明品はパンツの表側と裏側を同時に開口するものなので、この大腸検診時にも有効に利用することが出来る。なお、本発明品において、既述のミシン目の最下端箇所を少しだけ裂いておくことにて、ミシン目位置がわかりやすくなって、さらなる開口部拡大が容易となる。
以上記したように、本発明によれば子宮頸がん等の検診時における受診者の心理負担の軽減を可能とする新規かつ有用なる医療用パンツを得ることができる。
【符号の説明】
【0012】
1 パンツ本体
2 ゴム紐収容部
3 脚挿入部
10 パンツ本体
11 ゴム紐収容部
12 脚挿入部
13 縫合部
14 パンツ股間部
15 ミシン目
A 股間開口部
B 股間開口部
C 注意マーク
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意素材によるパンツ本体を設け、該パンツ本体上部にはゴム紐収納部を設けるとともに、該パンツ本体下部には一対の脚挿入部を設け、該パンツ本体の股間部において、その股間部下端から上方に向けて所定長さの切り裂き可能部を設け、該切り裂き可能部適所に注意マークを設けたことを特徴とする局部開口型医療用パンツ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。すなわち、
任意素材によるパンツ本体を設け、該パンツ本体上部にはゴム紐収納部を設けるとともに、該パンツ本体下部には一対の脚挿入部を設け、該パンツ本体の股間部において、その股間部下端から上方に向けて所定長さの切り裂き可能部を設け、該切り裂き可能部適所に
注意マークを設ける。
本発明は以上の構成よりなる局部開口型医療用パンツである。