(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075459
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】車両用サンルーフ装置
(51)【国際特許分類】
B60J 7/02 20060101AFI20240527BHJP
B60J 7/043 20060101ALI20240527BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B60J7/02 Z
B60J7/043
B60R16/02 621B
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032705
(22)【出願日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】202211465259.4
(32)【優先日】2022-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】500059575
【氏名又は名称】信昌機械廠股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519012792
【氏名又は名称】福州明芳汽車部件工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李致緯
(72)【発明者】
【氏名】何▲きん▼浩
(72)【発明者】
【氏名】藍翌任
(72)【発明者】
【氏名】李自強
(72)【発明者】
【氏名】藍政英
(57)【要約】
【課題】可動式の電気的接続構造を有する車両用サンルーフ装置を提供する。
【解決手段】車両用サンルーフ装置は、窓枠組立体と、一対のリンク組立体と、窓板組立体と、第1電気コネクタと、第2電気コネクタと、を含み、窓枠組立体は、一対のレールを備え、一対のリンク組立体のそれぞれは、各レール配置され、共に回動軸線窓板組立体は、一対のリンク組立体に跨って設けられ、第1電気コネクタは、窓枠組立体に配置され、第1電気コネクタの一側に配置されて頂部まで延びる開口と、開口に対応するスロットとを備え、第2電気コネクタは、窓板組立体に配置され、導電端子を備え、開口は、窓板組立体が回動するとき、導電端子が窓板組立体と共にスロット内を移動することを可能にするように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠組立体(100)と、一対のリンク組立体(200、200a)と、窓板組立体(300)と、第1電気コネクタ(400)と、第2電気コネクタ(500)と、を含み、
前記窓枠組立体(100)は、対向する両側に互いに平行に配置される一対のレール(110、110a)を備え、
前記一対のリンク組立体(200、200a)のそれぞれは、各前記レール(110、110a)にスライド可能に配置され、共に回動軸線(201)に配置される回動軸ロッド(230、230a)を備え、
前記窓板組立体(300)は、前記一対のリンク組立体(200、200a)に跨って、開閉ストロークで前記一対のリンク組立体(200、200a)に回動可能に設けられ、前記回動軸線(201)に沿って回動可能であり、前記窓板組立体(300)の後縁(302)は、前記開閉ストロークで前記窓枠組立体(100)から離れ、
前記第1電気コネクタ(400)は、前記窓枠組立体(100)に配置され、前記第1電気コネクタ(400)の一側に配置されて前記第1電気コネクタ(400)の頂部まで延びる開口(411)と、前記開口(411)に対応するスロット(401)とを備え、
第2電気コネクタ(500)は、前記窓板組立体(300)の前端部に配置され、導電端子(510)を備え、
前記開口(411)は、前記窓板組立体(300)が前記開閉ストロークで前記回動軸ロッド(201)に沿って回動するとき、前記導電端子(510)が前記窓板組立体(300)と共に前記スロット(401)内を移動することを可能にするように構成されている、車両用サンルーフ装置。
【請求項2】
前記窓板組立体(300)は、前記一対のリンク組立体(200、200a)の移動に伴って移動ストローク(310)で移動可能であり、前記導電端子(510)は、前記窓板組立体(300)が前記移動ストローク(310)で移動するとき、前記開口(411)を介して前記スロット(401)に差し込まれる、請求項1に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項3】
前記第1電気コネクタ(400)は、絶縁座(410)と、前記絶縁座(410)に設けられる導電座(420)とを備え、前記導電座(420)は一対の導電板(421)を有し、前記一対の導電板(421)は間隔を置いて配置され、前記スロット(401)は前記一対の導電板(421)の間に画定され、前記開口(411)は前記絶縁座(410)に形成される、請求項1に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項4】
前記導電端子(510)は、前記開口(411)を介して前記スロット(401)に差し込まれるとき、前記一対の導電板(421)によって挟持される、請求項3に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項5】
前記導電座(420)は、プレス成形された金属シートであり、前記一対の導電板(421)は、前記導電座(420)上に一体的に形成されている、請求項3に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項6】
各前記導電板(421)は、それぞれ前記開口(411)に向かって延び、外側に広がって配置されるガイドスロープ(422)を備える、請求項1に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項7】
各前記リンク組立体(200/200a)は、前記窓板組立体(300)に付設され、前記回動軸ロッド(230/230a)に連結されるリンク部材(220/220a)をさらに備え、前記回動軸ロッド(230/230a)は、対応する前記レール(110/110a)内に配置され、対応する前記レール(110/110a)の長手方向に沿ってスライド可能である、請求項1に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項8】
前記第1電気コネクタ(400)は、絶縁座(410)と、前記絶縁座(410)に配置される導電座(420)とを備え、前記窓枠組立体(100)は、前枠(120)をさらに備え、前記絶縁座(410)は、前記前枠(120)と一体に形成されている、請求項1に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項9】
各前記レール(110/110a)は、前記開閉ストロークに対応するレール前端(111/111a)を有し、前記窓板組立体(300)が前記開閉ストロークで回動するとき、各前記リンク組立体(200/200a)は、対応する各前記レール前端(11/111a)に位置している、請求項1に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項10】
前記第1電気コネクタ(400)は、一方の前記レール前端(111/111a)と隣接して配置されている、請求項9に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項11】
前記窓板組立体(300)は、前記一対のリンク組立体(200、200a)を跨がって前記回動軸線(201)と隣接して配置される前縁(301)を有する、請求項1に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項12】
窓枠組立体(100)と、一対のリンク組立体(200、200a)と、窓板組立体(300)と、第1電気コネクタ(400)と、第2電気コネクタ(500)と、を含み、
前記窓枠組立体(100)は、対向する両側に互いに平行に配置される一対のレール(110、110a)を備え、
前記一対のリンク組立体(200、200a)のそれぞれは、各前記レール(110、110a)にスライド可能に配置され、共に回動軸線(201)に配置される回動軸ロッド(230、230a)を備え、
前記窓板組立体(300)は、前記一対のリンク組立体(200、200a)に跨って、開閉ストローク及び移動ストローク(310)で前記一対のリンク組立体(200、200a)とともに移動可能に設けられ、前記回動軸線(201)に沿って回動可能であり、前記窓板組立体(300)の後端部は、前記開閉ストロークで前記窓枠組立体(100)から離れ、
前記第1電気コネクタ(400)は、前記窓枠組立体(100)に配置され、前記第1電気コネクタ(400)の一側に配置されて前記第1電気コネクタ(400)の頂部まで延びる開口(411)と、前記開口(411)に対応するスロット(401)とを備え、
第2電気コネクタ(500)は、前記窓板組立体(300)の前端部に配置され、導電端子(510)を備え、
前記導電端子(510)は、前記窓板組立体(300)が前記移動ストローク(310)で移動するとき、前記開口(411)を介して前記スロット(401)に差し込まれる、
車両用サンルーフ装置。
【請求項13】
前記第1電気コネクタ(400)は、絶縁座(410)と、前記絶縁座(410)に設けられる導電座(420)とを備え、前記導電座(420)は一対の導電板(421)を有し、前記一対の導電板(421)は間隔を置いて配置され、前記スロット(401)は前記一対の導電板(421)の間に画定され、前記開口(411)は前記絶縁座(410)に形成される、請求項12に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項14】
前記導電端子(510)は、前記開口(411)を介して前記スロット(401)に差し込まれるとき、前記一対の導電板(421)によって挟持される、請求項13に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項15】
前記導電座(420)は、プレス成形された金属シートであり、前記一対の導電板(421)は、前記導電座(420)上に一体的に形成されている、請求項13に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項16】
各前記導電板(421)は、それぞれ前記開口(411)に向かって延び、外側に広がって配置されるガイドスロープ(422)を備える、請求項12に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項17】
各前記リンク組立体(200/200a)は、前記窓板組立体(300)に付設され、前記回動軸ロッド(230/230a)に連結されるリンク部材(220/220a)をさらに備え、前記回動軸ロッド(230/230a)は、対応する前記レール(110/110a)内に配置され、対応する前記レール(110/110a)の長手方向に沿ってスライド可能である、請求項12に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項18】
前記第1電気コネクタ(400)は、絶縁座(410)と、前記絶縁座(410)に配置される導電座(420)とを備え、前記窓枠組立体(100)は、前枠(120)をさらに備え、前記絶縁座(410)は、前記前枠(120)と一体に形成されている、請求項12に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項19】
各前記レール(110/110a)は、前記開閉ストロークに対応するレール前端(111/111a)を有し、前記窓板組立体(300)が前記開閉ストロークで回動するとき、各前記リンク組立体(200/200a)は、対応する各前記レール前端(11/111a)に位置している、請求項12に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項20】
前記第1電気コネクタ(400)は、一方の前記レール前端(111/111a)と隣接して配置されている、請求項19に記載の車両用サンルーフ装置。
【請求項21】
前記窓板組立体(300)は、前記一対のリンク組立体(200、200a)を跨がって前記回動軸線(201)と隣接して配置される前縁(301)を有する、請求項12に記載の車両用サンルーフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のサンルーフに関し、特に可動式の電気的接続構造を有する車両用サンルーフ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サンルーフは車内の照明や換気のためにのみ使用されていたが、現在では、電子部品を搭載して車内の回路と電気的に接続することで様々な用途に使用できるようになっている。例えばサンルーフガラスの一部又は全部の色を変えて光の透過率を調整したり、ソーラーパネルを配置して車内の回路に電力を供給したり、サンルーフに他の照明を配置したりする。自動車のサンルーフの回路の多くは、電気コネクタの嵌合により、車両の回路と電気的に接続されている。
【0003】
しかしながら、自動車の可動式サンルーフは、その動き方から安定した電気的接続が難しく、特に高速移動時や路面に凹凸がある場合には、サンルーフ上の回路と車両回路を接続することが困難である。
【0004】
これに鑑み、本発明者は、上記の従来技術の欠陥に対し、鋭意研究を重ねると共に学理の運用を組み合わせ、上記問題点を解決することに努めた結果、本発明者の改良の目標となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、可動式の電気的接続構造を有する車両用サンルーフ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用サンルーフ装置は、窓枠組立体と、一対のリンク組立体と、窓板組立体と、第1電気コネクタと、第2電気コネクタと、を含み、前記窓枠組立体は、対向する両側に互いに平行に配置される一対のレールを備え、前記一対のリンク組立体のそれぞれは、各前記レールにスライド可能に配置され、共に回動軸線に配置される回動軸ロッドを備え、前記窓板組立体は、前記一対のリンク組立体に跨って、開閉ストロークで前記一対のリンク組立体に回動可能に設けられ、前記回動軸線に沿って回動可能であり、前記窓板組立体の後縁は、前記開閉ストロークで前記窓枠組立体から離れ、前記第1電気コネクタは、前記窓枠組立体に配置され、前記第1電気コネクタの一側に配置されて頂部まで延びる開口と、前記開口に対応するスロットとを備え、第2電気コネクタは、前記窓板組立体の前端部に配置され、導電端子を備え、前記開口は、前記窓板組立体が前記開閉ストロークで前記回動軸ロッドに沿って回動するとき、前記導電端子が前記窓板組立体と共に前記スロット内を移動することを可能にするように構成されている。
【0007】
本発明の一実施形態において、前記窓板組立体は、前記一対のリンク組立体の移動に伴って移動ストロークで移動可能であり、前記導電端子は、前記窓板組立体が前記移動ストロークで移動するとき、前記開口を介して前記スロットに差し込まれる。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記第1電気コネクタは、絶縁座と、前記絶縁座に設けられる導電座とを備え、前記導電座は一対の導電板を有し、前記一対の導電板は間隔を置いて配置され、前記スロットは前記一対の導電板の間に画定され、前記開口は前記絶縁座に形成される。前記導電端子は、前記開口を介して前記スロットに差し込まれるとき、前記一対の導電板によって挟持される。前記導電座はプレス成形された金属シートであり、前記一対の導電板は前記導電座上に一体的に形成されている。
【0009】
本発明の一実施形態において、各前記導電板は、それぞれ前記開口に向かって延び、外側に広がって配置されるガイドスロープを備える。
【0010】
本発明の一実施形態において、各前記リンク組立体は、前記窓板組立体に付設され、前記回動軸ロッドに連結されるリンク部材をさらに備え、前記回動軸ロッドは、対応する前記レール内に配置され、対応する前記レールの長手方向に沿ってスライド可能である。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記第1電気コネクタは、絶縁座と、前記絶縁座に配置される導電座とを備え、前記窓枠組立体は、前枠をさらに備え、前記絶縁座は、前記前枠と一体に形成されている。
【0012】
本発明の一実施形態において、各前記レールは、前記開閉ストロークに対応するレール前端を有し、前記窓板組立体が前記開閉ストロークで回動するとき、各前記リンク組立体は、対応する各前記レール前端に位置している。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記第1電気コネクタは、一方の前記レール前端と隣接して配置されている。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記窓板組立体は、前記一対のリンク組立体を跨がって前記回動軸線と隣接して配置される前縁を有する。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の別の実施形態に係る車両用サンルーフ装置は、窓枠組立体と、一対のリンク組立体と、窓板組立体と、第1電気コネクタと、第2電気コネクタと、を含み、前記窓枠組立体は、対向する両側に互いに平行に配置される一対のレールを備え、前記一対のリンク組立体のそれぞれは、各前記レールにスライド可能に配置され、共に回動軸線に配置される回動軸ロッドを備え、前記窓板組立体は、前記一対のリンク組立体に跨って、開閉ストローク及び移動ストロークで前記一対のリンク組立体とともに移動可能に設けられ、前記回動軸線に沿って回動可能であり、前記窓板組立体の後端部は、前記開閉ストロークで前記窓枠組立体から離れ、前記第1電気コネクタは、前記窓枠組立体に配置され、前記第1電気コネクタの一側に配置されて頂部まで延びる開口と、前記開口に対応するスロットとを備え、第2電気コネクタは、前記窓板組立体の前端部に配置され、導電端子を備え、前記導電端子は、前記窓板組立体が前記移動ストロークで移動するとき、前記開口を介して前記スロットに差し込まれる。
【0016】
本発明の別の実施形態において、前記第1電気コネクタは、絶縁座と、前記絶縁座に設けられる導電座とを備え、前記導電座は一対の導電板を有し、前記一対の導電板は間隔を置いて配置され、前記スロットは前記一対の導電板の間に画定され、前記開口は前記絶縁座に形成される。前記導電端子は、前記開口を介して前記スロットに差し込まれるとき、前記一対の導電板によって挟持される。前記導電座はプレス成形された金属シートであり、前記一対の導電板は前記導電座上に一体的に形成されている。
【0017】
本発明の別の実施形態において、各前記導電板は、それぞれ前記開口に向かって延び、外側に広がって配置されるガイドスロープを備える。
【0018】
本発明の別の実施形態において、各前記リンク組立体は、前記窓板組立体に付設され、前記回動軸ロッドに連結されるリンク部材をさらに備え、前記回動軸ロッドは、対応する前記レール内に配置され、対応する前記レールの長手方向に沿ってスライド可能である。
【0019】
本発明の別の実施形態において、前記第1電気コネクタは、絶縁座と、前記絶縁座に配置される導電座とを備え、前記窓枠組立体は、前枠をさらに備え、前記絶縁座は、前記前枠と一体に形成されている。
【0020】
本発明の別の実施形態において、各前記レールは、前記開閉ストロークに対応するレール前端を有し、前記窓板組立体が前記開閉ストロークで回動するとき、各前記リンク組立体は、対応する各前記レール前端に位置している。
【0021】
本発明の別の実施形態において、前記第1電気コネクタは、一方の前記レール前端と隣接して配置されている。
【0022】
本発明の別の実施形態において、前記窓板組立体は、前記一対のリンク組立体を跨がって前記回動軸線と隣接して配置される前縁を有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る車両用サンルーフ装置は、窓板組立体が開閉ストロークに位置しているとき、導電座の一側から導電座の頂部まで延在する開口によって、導電端子が窓板組立体と共に回動しながらスロットに差し込まれた状態を維持することで、窓板組立体への給電を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る車両用サンルーフ装置の概略分解斜視図である。
【
図2】本発明に係る車両用サンルーフ装置のリンク組立体の概略分解斜視図である。
【
図3】本発明に係る車両用サンルーフ装置のリンク組立体、窓板組立体、第1電気コネクタ及び第2電気コネクタの組み合わせを示す概略斜視図である。
【
図4】本発明に係る車両用サンルーフ装置の第1電気コネクタの概略分解斜視図である。
【
図5】本発明に係る車両用サンルーフ装置の開閉ストロークの状態を示す概略図である。
【
図6】本発明に係る車両用サンルーフ装置の開閉ストロークの状態を示す概略図である。
【
図7】本発明に係る車両用サンルーフ装置の開閉ストロークの状態を示す概略図である。
【
図8】本発明に係る車両用サンルーフ装置の開閉ストロークの状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、本発明に係る車両用サンルーフ装置は、ルーフ上に配置されている。本実施形態において、本発明に係る車両用サンルーフ装置は、窓枠組立体100と、一対のリンク組立体200,200aと、窓板組立体300と、第1電気コネクタ400と、第2電気コネクタ500とを含む。
【0026】
図1を参照すると、窓枠組立体100は窓101を囲んで画定する。窓枠組立体100は、一対のレール110,110aを含む。各レール110/110aは、それぞれレール前端111/111aと、レール前端111/111aに対向するレール後端112/112aとを有する。一対のレール110,110aは、窓101の対向する両側に互いに平行に配置され、レール前端111/111aは、互いに対向して配置され、レール後端112/112aは、互いに対向して配置されている。一対のレール前端111,111a間は、前枠120が跨いで連結されている。本実施形態において、レール前端111/111aは、別体組立構造であってもよく、一体型の構成であってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0027】
図1~
図3を参照すると、一対のリンク組立体200,200aは、それぞれ、各レール110/110aに配置され、各リンク組立体200/200aは、対応するレール110/110aの長手方向に沿ってスライド可能である。一対のリンク組立体200,200aの構造は互いに鏡像であり、各リンク組立体200/200aは、リンク部材220/220aと、回動軸ロッド230/230aとを含む。本実施形態では、各リンク組立体200/200aの構造や配置を説明するために、以下、リンク組立体200及びそれに対応するレール110を例にして具体的に説明する。
【0028】
図1~
図3を参照すると、回動軸ロッド230は、レール110の長手方向に沿ってスライド可能にレール110内に配置されている。リンク部材220は、回動軸ロッド230に連結されて回動軸ロッド230を軸として回動可能である。また、一対のリンク組立体200,200aの一対の回動軸ロッド230,230aは、共に回動軸線201に配置され、回動軸線201は、回動軸ロッド230,230aと共に移動可能であり、リンク部材220は、回動軸線201に沿って回動可能である。
【0029】
図1~
図3を参照すると、窓板組立体300は、一対のリンク組立体200,200aに跨って設けられている。窓板組立体300は、移動ストローク310で一対のリンク組立体200,200aと共に移動することができる。移動ストローク310は、各レール110/110aの長手方向に平行であり、ストローク前端311と、ストローク前端311と反対側のストローク後端312とを有する。各レール前端111/111aに対応する移動ストローク310の一端をストローク前端311とし、各レール後端112/112aに対応する移動ストローク310の他端をストローク後端312として定義している。
【0030】
各リンク部材220/220aは、窓板組立体300に連結されているため、窓板組立体300は、リンク組立体200/200aによってその回動軸線201に沿って回動することにより、開閉ストロークを定義することができる。具体的には、窓板組立体300は、前縁301と、前縁301に対向する後縁302とを有し、前縁301は、一対のリンク組立体200/200aを跨がって回動軸線201と隣接して配置されている。したがって、窓板組立体300は、回動軸線201に沿って回動して後縁302を昇降させることができる。窓板組立体300が開閉ストロークに位置しているとき、各リンク組立体200/200aは、対応する各レール前端111/111aにそれぞれ位置している。窓板組立体300が開閉ストロークに位置しているとき、窓板組立体300は、回動軸線201に沿って回動することにより、窓板組立体300の後縁302を窓枠組立体100から離して上昇させて窓101を開くことができ、又は窓板組立体300の後縁302を窓枠組立体100に接触するまで下降させて窓101を閉じることができる。
【0031】
図1を参照すると、第1電気コネクタ400は、窓枠組立体100に付設され、第2電気コネクタ500は、窓板組立体300に付設されて第1電気コネクタ400に嵌合される。最も簡単な実施形態として、1つの第1電気コネクタ400と1つの第2電気コネクタ500との組み合わせによって本発明の効果を奏することができる。本実施形態では、第1電気コネクタ400及び第2電気コネクタ500の組み合わせが2組配置されているが、以下、そのうちの1組を例にして第1電気コネクタ400及びそれに対応する第2電気コネクタ500の構造や配置を説明する。
【0032】
図1を参照すると、第1電気コネクタ400は、窓枠組立体100に付設され、窓板組立体300の開閉ストロークに対応して配置されている。即ち、第1電気コネクタ400は、レール110の一端と隣接して配置されている。本実施形態において、第1電気コネクタ400は、前枠120の一端に付設されてレール前端111と隣接して配置されている。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば第1電気コネクタ400はレール前端111に付設されてもよく、或いは、第1電気コネクタ400は前枠120中央に付設されてもよく、窓板組立体300の開閉ストロークに対応する配置を実現することもできる。
【0033】
図2~
図4を参照すると、本実施形態において、第1電気コネクタ400は、絶縁座410と導電座420とを備え、導電座420は絶縁座410に配置され、絶縁座410は窓枠組立体100の前枠120に固定されている。他の好ましい実施形態において、絶縁座410は前枠120と一体に成形され、導電座420は、絶縁座410内に埋設されてもよく、絶縁座410から突出してもよいが、本発明はこれらに限定されない。第1電気コネクタ400は、開口411と、開口411に対応するスロット401とを備える。開口411は、第1電気コネクタ400の一側に設けられて第1電気コネクタ400の頂部まで延びてスロット401を連通する。具体的に言えば、開口411は、絶縁座410の一側に配置されて絶縁座410の頂部に延び、スロット401は、導電座420内に配置され、第2電気コネクタ500は、スロット401を差し込むための、互いに対応する導電端子510を備える。最も簡単な実施形態として、単一の導電座420と対応する導電端子510との組み合わせにより、本発明の効果を達成することができる。ただし、本実施形態に示すように、通常、第1電気コネクタ400には、2つの導電座420が設けられ、第2電気コネクタ500には、それに対応して2つの導電端子510が設けられて、それぞれ正極及び負極を電気的に接続するようにする。
【0034】
図2~
図4を参照すると、具体的には、本実施形態に示す導電座420は、一対の導電板421が導電座420上に一体的に形成され、一対の導電板421が間隔を置いて配置され、一対の導電板421の間にスロット401が画定される、導電クリップの形態とすることができる。導電座420は、プレス成形された金属シートである。スロット401は直立して配置され、一対の導電板421の少なくとも一部の縁が離間して配置され、導電座420には、スロット401に連通するノッチ402が形成され、ノッチ402は、絶縁座410における開口411に対応して配置されている。具体的には、ノッチ402は、導電座420の一側に位置し、ノッチ402の少なくとも一部のノッチ402方向は、対応するレールの長手方向に平行であり、対応するレール後端に向かう。ノッチ402は、導電座420の頂部まで上方に延びている。各導電板421は、それぞれガイドスロープ422を備える。一対のガイドスロープ422は、それぞれノッチ402に沿って延び、ノッチ402から開口411向かって外側に広がって配置されている。
【0035】
図1~
図3を参照すると、第2電気コネクタ500は、窓板組立体300に付設されて回動軸線201に隣接して配置され、導電端子510を備える。他の好ましい実施形態において、第2電気コネクタ500は、ガラスフレームと一体に成形されてもよい。第2電気コネクタ500の数及び位置は、第1電気コネクタ400の数及び位置に対応する。第2電気コネクタ500は、第1電気コネクタ400の対応するスロット401に差し込む導電端子510を備える。本実施形態において、各第1電気コネクタ400は、一対のスロット401を備え、第1電気コネクタ400に対応する第2電気コネクタ500は、導電端子510を備えるべきであるが、本発明はこれに限定されない。以下では、一方のスロット401及びその対応する導電端子510を例として、両者の相対的な動作関係を説明する。窓板組立体300が移動ストローク310に沿って開閉ストロークに移動すると、導電端子510はノッチ402を介してスロット401に差し込まれる。ガイドスロープ422は、スロット401に完全に位置合わせされていない導電端子510をスロット401に差し込むように案内することができ、電気的接続を形成し、組立精度の要求を低減することができる。
【0036】
図5~
図8を参照すると、導電端子510がノッチ402を介してスロット401に差し込まれると、導電端子510は一対の導電板421によって挟持されるため、導電座420と導電端子510とが電気的に接続される。窓板組立体300が開閉ストロークに位置し、回動軸線201に沿って回動しているとき、導電端子510は、ノッチ402を介してスロット401に差し込まれ、窓板組立体300と共にノッチ402内で導電座420の側面と頂部との間を移動し、電気的接続を継続的に維持することができる。
【0037】
本発明に係る車両用サンルーフ装置は、窓板組立体300が開閉ストロークに位置しているとき、導電座420の一側から導電座420の頂部まで延在するノッチ402によって、導電端子510が窓板組立体300と共に回動しながらスロット401に差し込まれた状態を維持することで、窓板組立体300への給電を維持することができる。その結果、自動車のサンルーフがチルトアップして開いていても、サンルーフの電子部品は動作を維持することができる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は上記実施例に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、上記変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
100 窓枠組立体
101 窓
110、110a レール
111、111a レール前端
112、112a レール後端
120 前枠
200、200a リンク組立体
201 回動軸線
220、220a リンク部材
230、230a 回動軸ロッド
300 窓枠組立体
301 前縁
302 後縁
310 移動ストローク
311 ストローク前端
312 ストローク後端
400 第1電気コネクタ
401 スロット
402 ノッチ
410 絶縁座
411 開口
420 導電座
421 導電板
422 ガイドスロープ
500 第2電気コネクタ
510 導電端子