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特開2024-75508シリコンカーバイド集積デバイス及び集積デバイスを製造するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024075508
(43)【公開日】2024-06-03
(54)【発明の名称】シリコンカーバイド集積デバイス及び集積デバイスを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/06 20060101AFI20240527BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20240527BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
H01L29/78 652P
H01L29/06 301F
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/78 652T
H01L29/78 652F
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023196938
(22)【出願日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】102022000023976
(32)【優先日】2022-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】18/506,777
(32)【優先日】2023-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591002692
【氏名又は名称】エスティーマイクロエレクトロニクス エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】STMicroelectronics S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】フラガパニ,レオナルド
(57)【要約】
【課題】 エッジ終端構造の最適化を図ることである。
【解決手段】 集積デバイスは、シリコンカーバイドを含み、かつ第1の導電型を有する半導体構造層と、構造層に集積化されたパワーデバイスと、パワーデバイスの周りにリング状に延在し、かつ第2の導電型を有するエッジ終端構造と、を含む。エッジ終端構造は、各々がパワーデバイスの周りに配置され、隣接する対となっている複数のリング構造を含む。リング構造のうちの少なくとも第1のリング構造は、リング構造のうちの第2のリング構造に隣接する遷移領域を備える。遷移領域は、リング構造のうちの第2のリング構造に接続され、第1の導電型を有する電荷制御領域と交互になっている、第2の導電型を有する接続領域を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンカーバイドを含みかつ第1の導電型を有する半導体構造層と、
前記構造層に集積化されたパワーデバイスと、
前記パワーデバイスの周りにリング状に延在しかつ第2の導電型を有するエッジ終端構造と、
を備え、
前記エッジ終端構造が、前記パワーデバイスの周りにそれぞれありかつ隣接する対をなす複数のリング構造を備え、
前記リング構造のうちの少なくとも第1のリング構造が、前記リング構造のうちの第2のリング構造に隣接する遷移領域を備え、
前記遷移領域が、前記リング構造のうちの前記第2のリング構造に結合され、かつ前記第1の導電型を有する電荷制御領域と交互になっている、前記第2の導電型を有する接続領域を含む、集積デバイス。
【請求項2】
前記リング構造が、内側リング構造と、外側リング構造と、前記内側リング構造と前記外側リング構造との間の少なくとも1つの中間リング構造と、を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記リング構造が、前記内側リング構造と前記外側リング構造との間の複数の中間リング構造、を備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記内側リング構造及び各中間リング構造が、すぐ外側のリング構造に隣接するそれぞれの遷移領域を備え、それぞれの遷移領域が、前記すぐ外側のリング構造に結合され、前記第1の導電型を有する電荷制御領域と交互になっている、前記第2の導電型を有するそれぞれの接続領域を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記内側リング構造及び各中間リング構造が、それぞれの連続環状領域を備え、前記遷移領域が、前記それぞれの連続環状領域の周りに延在する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記接続領域が、前記それぞれの連続環状領域を前記それぞれのすぐ外側のリング構造に接合している、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記外側リング構造が、前記構造層の外側に隣接するそれぞれの遷移領域を備え、前記それぞれの遷移領域が、前記構造層に隣接し、かつ前記第1の導電型を有する電荷制御領域と交互になっている、前記第2の導電型を有するそれぞれの接続領域を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記外側リング構造が、それぞれの連続環状領域を備え、前記それぞれの遷移領域が、前記それぞれの連続環状領域の周りに延在する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項9】
前記電荷制御領域が、前記構造層のそれぞれの部分によって画定されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記構造層が、前面を有し、前記リング構造が、前記前面から前記構造層の内側に向かって、前記エッジ終端構造の外側に向かって減少するそれぞれの異なる深さまで延在する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電荷制御領域が、前記構造層の前記前面から前記それぞれのリング構造の前記深さまで真っ直ぐに延在する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記電荷制御領域のうちの少なくともいくつかが、前記前面に垂直な方向において、前記構造層の前記前面からある距離に位置し、前記電荷制御領域のうちの少なくともいくつかが、前記前面を横切る方向において、前記それぞれのリング構造の前記深さよりも小さい寸法を有する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記パワーデバイスが、前記第2の導電型を有する周辺機能領域を備え、前記エッジ終端構造が、前記機能領域に隣接する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
集積デバイスを製造するための方法であって、
第1の導電型を有するシリコンカーバイドを含有する半導体構造層にパワーデバイスを形成することと、
前記パワーデバイスの周りにリング状に延在しかつ第2の導電型を有するエッジ終端構造を形成することと、を含み、
前記エッジ終端構造を形成することが、
前記パワーデバイスの周りにそれぞれ配置されかつ隣接する対となっている複数のリング構造を形成することと、
前記リング構造のうちの少なくとも第1のリング構造において、前記リング構造のうちの第2のリング構造に隣接する遷移領域を形成することと、
前記遷移領域において、前記リング構造のうちの前記第2のリング構造に結合されて、前記第1の導電型を有する電荷制御領域と交互になっている、前記第2の導電型を有する接続領域を形成することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記電荷制御領域と交互になっている前記接続領域を形成することが、ドーピング種を前記構造層に注入することと、前記注入から前記電荷制御領域を保護することと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ドーピング種を注入することが、それぞれの異なる深さでの前記ドーピング種の複数の注入を順次実行することを含み、
前記複数の注入の各注入を実行することが、それぞれのマスクを形成することと、前記それぞれのマスクを通して前記それぞれの深さに前記ドーピング種を注入することと、を含み、
各注入の前記マスクが、より深い注入の前記マスクによって露出された前記構造層の部分に対して、前記構造層の部分をより広く露出するように構成されており、
各マスクが、それぞれの電荷制御領域に対応する位置にそれぞれのブロックを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
デバイスであって、
第2の表面の反対側の第1の表面を有する構造層と、
前記構造層におけるパワーデバイスと、
前記構造層にあり、前記パワーデバイスを取り囲むエッジ終端構造であって、前記エッジ終端構造が、
前記第1の表面から前記第2の表面に向かって第1の深さで延在する第1のリング構造であって、前記第1のリング構造が、第1の環状領域と第1の遷移領域とを有する、第1のリング構造と、
前記第1のリング構造の前記第1の環状領域と前記パワーデバイスとの間の第2のリング構造であって、前記第1の表面から前記第2の表面に向かって前記第1の深さよりも大きい第2の深さで延在し、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する複数の電荷制御領域と交互になっている、第1の導電型を有する複数の接続領域を備える第2の遷移領域を含む、第2のリング構造と、を含む、エッジ終端構造と、
を備える、デバイス。
【請求項18】
前記エッジ終端構造が、前記第1のリング構造の前記第1の環状領域と前記第2のリング構造の前記遷移領域との間に第3のリング構造を備え、前記第3のリング構造が、前記第1の表面から前記第2の表面に向かって、前記第1の深さよりも大きく、前記第2の深さよりも小さい、第3の深さで延在する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1の表面上のフィールドプレート構造と、前記フィールドプレート構造と前記第2のリング構造との間のフィールドプレート酸化物と、を備える、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記パワーデバイスが、前記第1の導電型を有する機能領域を有し、前記フィールドプレート構造が、前記機能領域に直接結合されている、請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シリコンカーバイド集積デバイス及び集積デバイスを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、シリコンカーバイド(Silicon Carbide、SiC)は、高バンドギャップ、高臨界電界、及び高熱伝導率などの有利な電気特性を有し、その使用は、高電力、高電圧、高速スイッチング、及び高動作温度用途に特に有望である。
【0003】
また、エッジ終端構造において、集積パワーデバイスの降伏電圧の最大理論値は、いわゆるポテンシャル線クラウディング効果によって制限されることが知られており、ポテンシャル線クラウディング効果は、シリコン基板内に形成されたデバイスの場合と、シリコンカーバイド基板内に形成されたデバイスの場合との両方で生じる。理論値に近い降伏電圧に達することを可能にする効果的なエッジ終端構造の開発は、集積パワーデバイスの設計において有益である。
【0004】
エッジ効果を緩和することを意図して、エッジ終端構造のいくつかの解決策が提案されている。一般に、提案された技術は、表面電界のピーク値を低減するように、集積パワーデバイスの主接合の周辺における電界の分布を修正することを目的としている。これらの解決策のいくつかは、シリコンカーバイド自体の主な電気的特性を考慮に入れるように好適に適合された、シリコンカーバイド基板内に形成された集積パワーデバイスの分野でも実施されている。しかしながら、一般に、シリコンからシリコンカーバイドへのエッジ終端技術の直接的な遷移は、2つの材料の異なる特性と、結果として生じる異なる処理技術及び異なる電気的挙動とに起因して、非常に問題が多い。
【0005】
これらの特性の中でも、例えば、シリコンと比較して、シリコンカーバイド内のドーパントの拡散率が低いことが知られている。
【0006】
既知の解決策によれば、例えば、リング領域が、集積パワーデバイスの主接合領域の周りの集積パワーデバイスのシリコン又はシリコンカーバイド基板内に形成される。この解決策は単純であり、リング領域を形成するために単一のマスク及び単一のドーパント注入を利用するが、電界分布を正確に制御することを可能にしない(一般に、電界ピークはリング領域の境界に見られる)。また、複数の分離した同心リング領域を形成することも提案されており、その最も内側の領域は主接合領域と接触している。リング領域は可変幅を有し、隣接するリング領域間の分離距離は可変である。設計ステップ中に、幅及び分離距離は、エッジ終端構造において電界の所望のパターンを得るために好適にサイズ決めされ得る。この解決策は、良好な製造容易性を維持しながら、電界のより良好な制御を可能にする。実際には、単一のマスク及び単一のドーパント注入で十分であり得る。
【0007】
米国特許出願公開第2015/0372075(A1)号に記載されている更なる既知の解決策によれば、エッジ終端構造は複数のリング部分を備え、各リング部分はそれぞれのドープ領域によって作られ、ドープ領域は環状である。各リング部分は、水平面においてそれぞれの幅(又はより小さい寸法)を有し、垂直方向においてそれぞれの接合深さを有する。リング部分は、連続的で継ぎ目のない単一のリング領域を形成するように、隣接し、互いに並んで配置される。内側リング部分はより大きい深さを有し、外側リング部分は徐々に減少する深さを有する。更に、リング部分は、内側から外側に向かって減少するそれぞれの電荷量を有する。
【0008】
エッジ終端構造は、シリコンカーバイドを含む構造層(例えば、基板又はエピタキシャル層)において深さが減少する(又は、逆に、深さが増加する)連続注入によって形成されてもよい。例えば、最も内側のリング部分の最も深い部分は、第1の注入で形成されてもよい。より浅いが既に注入された領域に達するのに十分な深さの連続的な注入により、最も内側のリング部分の一部と、すぐ外側のリング部分の一部とが形成される。直近の注入で形成された内側リング部分の部位は、先に形成された部分の上に積み重ねられ、それと接触する。連続的な注入は、構造層の表面に達するまで行われる。各注入は、以前の注入よりも浅く、横方向に延びており、既に形成された内側リング部分の新しい部分と、新しい外側リング部分の一部分とが形成されることを可能にする。このようにして得られたエッジ終端構造は、周縁に向かって規則的に減少する理想的なプロファイル、例えば放物線状プロファイルに近似する階段状プロファイルを有する。電界制御は一般に改善されるが、隣接するリング部分の間の遷移部におけるステップは、表面酸化物内に応力を生成するような振幅を有する電界ピークを引き起こす。降伏電圧の値は、当初は満足のいくものであっても、電界ピークによる応力が早期エージングを引き起こし、デバイスの信頼性を損なう可能性がある。
【0009】
他方で、マスク及び注入の数を画定するために使用されるリソグラフィ技術の限界は、ステップの幅がある限界を超えて小さくなることを許容にせず、これは十分でない場合がある。
【0010】
したがって、一般に、知られているエッジ終端構造のいずれも、シリコンカーバイド基板内に形成された集積パワーデバイスで使用するために最適化されていない。
【発明の概要】
【0011】
本開示の目的は、説明された制限が克服されるか又は少なくとも緩和されることを可能にする集積デバイス及び集積デバイスを製造するための方法を提供することである。本開示によれば、集積デバイス及び集積デバイスを製造するための方法が提供される。集積デバイスは、シリコンカーバイドを含み、かつ第1の導電型を有する半導体構造層と、構造層に集積されたパワーデバイスと、パワーデバイスの周りにリング状に延在し、第2の導電型を有するエッジ終端構造とを含む。エッジ終端構造は、各々がパワーデバイスの周りに配置され、隣接する対となっている複数のリング構造を備え、リング構造のうちの少なくとも第1のリング構造は、リング構造のうちの第2のリング構造に隣接する遷移領域を備え、遷移領域は、リング構造のうちの第2のリング構造に接続され、第1の導電型を有する電荷制御領域と交互に配置された第2の導電型を有する接続領域を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示をより良く理解するために、本開示のいくつかの実施形態が、純粋に非限定的な例として、添付の図面を参照してここで説明される。
図1】本開示の一実施形態による集積デバイスの、明確にするために一部が除去された上面図である。
図2図1の集積デバイスの拡大詳細図である。
図3図2の線III-IIIに沿って切り取られた、図1及び図2の集積デバイスの断面図である。
図4図2の線IV-IVに沿って切り取られた、図1及び図2の集積デバイスの断面図である。
図5図2の線V-Vに沿って切り取られた、図1及び図2の集積デバイスの断面図である。
図6図2の線VI-VIに沿って切り取られた、図1及び図2の集積デバイスの断面図である。
図7図2の線VII-VIIに沿って切り取られた、図1及び図2の集積デバイスの断面図である。
図8】本開示の異なる実施形態による集積デバイスの第1の断面図である。
図9図8の集積デバイスの第2の断面図である。
図10】本開示の更なる実施形態による集積デバイスの詳細の、明確にするために一部が除去された上面図である。
図11図10の線XI-XIに沿って切り取られた、図10の集積デバイスの断面図である。
図12図10の線XII-XIIに沿って切り取られた、図10の集積デバイスの断面図である。
図13a図10の集積デバイスに関する量を示すグラフである。
図13b図10の集積デバイスに関する量を示すグラフである。
図14】本開示の一実施形態による、集積デバイスを製造するための方法の初期ステップにおける半導体本体の上面図である。
図15図14の線XV-XVに沿って切り取られた、図14の半導体本体の断面図である。
図16図14の線XVI-XVIに沿って切り取られた、図14の半導体本体の断面図である。
図17】本方法の後続のステップにおける図14の半導体本体の上面図である。
図18図17の線XVIII-XVIIIに沿って切り取られた、図17の半導体本体の断面図である。
図19図17の線XIX-XIXに沿って切り取られた、図17の半導体本体の断面図である。
図20】本方法の更なる後続のステップにおける図17の半導体本体の上面図である。
図21図20の線XXI-XXIに沿って切り取られた、図20の半導体本体の断面図である。
図22図20の線XXII-XXIIに沿って切り取られた、図20の半導体本体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図7を参照すると、全体として番号1で示される半導体集積デバイスは、パワーデバイス2と、パワーデバイス2を取り囲むエッジ終端構造3とを備える。より正確には、集積デバイス1は、シリコンカーバイドを含有する半導体構造層5(図3及び図4により良く見える)、例えば基板又はエピタキシャル層を備える。パワーデバイス2及びエッジ終端構造3は、構造層5に形成されている。
【0014】
構造層5は、xy平面に配置された前面5a(図3及び図4)を有し、第1のドーピング型及び第1の導電型、例えばN型を有する。
【0015】
非限定的な例では、パワーデバイス2はSiC MOSFETであり、エッジ終端構造3と接触している周辺部分に機能領域7(そのうちの1つが図3及び図4に見られる)を有する。機能領域7は、第2のドーピング型及び第2の導電型、ここではP型を有し、構造層5とPN接合を形成する。機能領域7、例えば本体ウェルは、一般的にパワーデバイス2の周辺構造であり、同じパワーデバイス2の電流生成又は絶縁部分において役割を有し得る。
【0016】
金属構造8、いわゆる「フィールドプレート」構造は、構造層5上に延在し(図3及び図4)、機能領域7と直接接触して配置される。金属構造8はまた、フィールドプレート酸化物9によってエッジ終端構造3から分離されている。
【0017】
エッジ終端構造3は、環状形状を有し(図1)、機能領域7を囲む。ここで及び以下において、環状構造又は領域は、一般的に、必ずしも円形ではない閉じた経路に沿って延在することが理解される。例えば、エッジ終端構造3は、図1図7の実施形態のように長方形であってもよく、一般に多角形又は長方形楕円形であってもよい。
【0018】
詳細には、エッジ終端構造3は、各々がそれぞれの連続環状領域を有する複数の同心の連続リング構造を備える。更に、リング構造のうちの少なくとも1つは、それぞれの連続的な環状領域の周りに延在し、すぐ外側のリング構造の連続的な環状領域と接触する、同様に環状形状の遷移領域を有する。
【0019】
図1図7の実施形態では、エッジ終端構造3は、3つのリング構造、より正確には、内側リング構造10と、中間リング構造11と、外側リング構造12とを備える。
【0020】
リング構造10~12は、前面5aから構造層5の内側に向かって、それぞれの深さまで延在する。リング構造10~12の深さは、外側に向かって減少する。より正確には、内側リング構造10は最大深さDaまで延在し、外側リング構造12は最小深さDcまで延在し、中間リング構造11は最大深さDaと最小深さDcとの間に含まれる中間深さDbまで延在する。
【0021】
各リング構造10~12は、それぞれの内側連続環状領域10a~12aと、それぞれの連続環状領域10a~12aの周りのそれぞれの遷移領域10b~12bとを備える。遷移領域10b~12bは、それぞれの連続環状領域10a~12aの周囲に沿って電荷制御領域10d~12dと交互に配置されたそれぞれの接続領域10c~12cを含む。連続環状領域10a~12a及び接続領域10c~12cは、第2のドーピング型及び第2の導電型(説明される実施形態ではP型)を有する。電荷制御領域10d~12dは、構造層5と同じドーピング型及びレベル並びに同じ導電型(第1ドーピング型及び第1の導電型)を有する。実際には、以下に詳細に説明するように、連続環状領域10a~12a及び接続領域10c~12cは、構造層5へのドーパント注入によって得られ、一方、電荷制御領域10d~12dは、注入によって保存された構造層5の部分であり、したがってプロセス中に変更されない。
【0022】
詳細には、内側に向かって、内側リング構造10の連続環状領域10aは、機能領域7に隣接している。遷移領域10bは、連続環状領域10aの周りに配置され、中間リング構造11の連続環状領域11aに隣接している。遷移領域10bは、複数の電荷制御領域10dと交互に配置された複数の接続領域10cを含む。接続領域10cは、内側リング構造体10の連続環状領域10aを中間リング構造体11の連続環状領域11aに接合する。図1図7の実施形態では、内側リング構造10の電荷制御領域10dは、構造層5の前面5aから同じ内側リング構造10(より正確には、その連続環状領域10a及びその接続領域10c)の最大深さDaまで連続的かつ直線的に延在する。
【0023】
中間リング構造11の連続環状領域11aは、内側リング構造10の遷移領域10bの周りに配置される。遷移領域11bは、連続環状領域11aの周りに配置され、外側リング構造12の連続環状領域12aに隣接する。遷移領域11bは、中間リング構造11の連続環状領域11aを外側リング構造12の連続環状領域12aに接合する複数の接続領域11c及び複数の電荷制御領域11dを含む。図1図7の実施形態では、中間リング構造11の電荷制御領域11dは、構造層5の前面5aから同じ中間リング構造11(より正確には、その連続環状領域11a及びその接続領域11c)の中間深さDbまで連続的かつ直線状に延在する。
【0024】
外側リング構造12の連続環状領域12aは、中間リング構造11の遷移領域11bの周りに配置される。遷移領域12bは任意選択的である。存在する場合、図1図7の実施形態のように、遷移領域12bは、連続環状領域12aの周りに配置され、構造層5に隣接する。遷移領域12bは、外側リング構造12の連続環状領域12aを外側リング構造12の連続環状領域12aに接合する複数の接続領域12c及び複数の電荷制御領域12dを備える。図1図7の実施形態では、外側リング構造体12の電荷制御領域12dは、構造層5の前面5aから同じ外側リング構造体12(より正確には、その連続環状領域12a及びその接続領域12c)の最小深さDcまで連続的かつ直線的に延在する。
【0025】
遷移領域は、必ずしも全てのリング構造に存在する必要はなく、設計選好に従って含まれても含まれなくてもよい。図8の実施形態によれば、例えば、エッジ終端構造100において、ここでは112によって示される外側リング構造は、構造層5に向かう遷移領域を有さない。
【0026】
エッジ終端構造を形成するリング構造の数、形状、及び寸法は、図1図7に示すものと異なっていてもよく、設計選好に従って選択されてもよい。例えば、エッジ終端構造は、内側リング構造と外側リング構造の2つのリング構造のみを備え、内側リング構造に遷移領域が設けられてもよい。任意選択的に、外側リング構造はまた、遷移領域を備えてもよい。代替的に、エッジ終端構造は、内側リング構造と、外側リング構造と、複数の同心中間リング構造とを備えてもよい。遷移領域はまた、内側リング構造及び中間リング構造のうちの少なくとも1つに存在し、任意選択的に、外側リング構造にも存在する。更に、2つ以上の中間リング構造が存在する場合、それらの各々は、最大深さDaと最小深さDcとの間のそれぞれの中間深さまで延在し、外側リング構造は、内側リング構造よりも浅い深さを有する。
【0027】
図9の実施形態では、集積デバイス200は、内側リング構造210と、複数の中間リング構造211(図9の非限定的な例では2つ)と、外側リング構造212とを備えるエッジ終端構造203を備え、これらは全て同心であり、対で互いに隣接している。内側リング構造210、中間リング構造211、及び外側リング構造212は、それぞれ210a、211a、212aによって示される連続環状領域と、実質的に既に説明され、それぞれ210b、211b、212bによって示される遷移領域とを備える。特に、遷移領域210b、211b、212bは、それぞれの電荷制御領域210d、211d、212dと交互に配置されたそれぞれの連続領域210c、211c、212cを含む。
【0028】
説明する実施形態では、電荷制御領域210d、211d、212dは、形状が柱状であり、前面5aから構造層5の内側に向かって、それぞれのリング構造の深さまで延在する。しかしながら、この形状は限定的なものと考えるべきではない。
【0029】
例えば、図10図12に示す実施形態では、構造層5内に形成されたエッジ終端構造303は、内側リング構造310と、中間リング構造311と、外側リング構造312とを備える。内側リング構造310及び中間リング構造311は、それぞれの連続環状領域310a、311a及びそれぞれの遷移領域310b、311bを有し、接続領域310c、311cは電荷制御領域310d、311dと交互になっている。電荷制御領域310d、311dは、アイランド又はブロックによって画定され、構造層5のそれぞれの部分を含み、構造層5と同じドーピング及び導電型を有する。場合によっては、電荷制御領域310b、311bは、前面5aに対向するそれぞれのリング構造310、311の一方の側で構造層5に接続されてもよい。電荷制御領域310d、311dの少なくともいくつかは、xy平面に(したがって前面5aに)垂直なz軸の方向に構造層5の前面5aからある距離に位置し、電荷制御領域310d、311dのうちの少なくともいくつかは、それぞれのリング構造310、311の深さよりも小さいz軸に沿った寸法を有する。更に、電荷制御領域310d、311dは、それぞれの遷移領域310b、311bに分散され、例えば市松模様に従ってz軸の方向にオフセットして配置される(図11及び図12)。
【0030】
遷移領域において、実際には、電荷制御領域は、隣接するリング構造との界面において、又は外側リング構造の場合には構造層との界面において、リング構造の各々に存在する電荷密度を平均して低減する効果を有する。例えば、リング構造のうちの1つの局所電荷密度をQによって示すと、対応する遷移領域における平均電荷密度Q’は、以下のように与えられる。
Q’=Qα
式中、αは、遷移領域の接続領域の総体積(すなわち、全ての接続領域の体積の合計)と遷移領域の体積との比である。平均電荷密度は、電荷制御領域における失われた電荷を説明しており、電荷制御領域の体積が大きいほど、対応する遷移領域における平均電荷密度は低くなる。連続環状領域に対して遷移領域におけるより低い平均電荷密度は、隣接するリング構造間の界面における電界ピークを減少させる効果を有する。図13aのグラフは、図8のエッジ終端構造100における電界(実線)と、数、形状、及び寸法が等しいが遷移領域がないリング構造を有するエッジ終端構造(破線)との比較を示す。図13bのグラフは、2つの場合において実質的に変化しない降伏電圧を示す。これらのグラフは、エピタキシャル厚及びドーピングレベルが等しく、エッジ終端構造についてのみ互いに異なる、機能的に同一のデバイスを参照している。図13aのグラフから分かり得るように、本開示によるエッジ終端構造では、隣接するリング領域間の界面において、電界は、遷移領域を有さないエッジ終端構造に対して分布し、強度の低いピークを有する。実際には、本開示によるエッジ終端構造のドーピングプロファイルは、内側から周辺に向かって連続的に劣化するプロファイルにより良好に近似し、リソグラフィ技術の定義限界に適合する。より低い電荷密度による隣接するリング構造間の界面における電界ピークの低減は、材料、特にフィールド酸化物に対してより少ない応力をもたらし、より低い破壊確率をもたらす。したがって、本開示は、デバイスの信頼性が保護されることを可能にし、早期エージングを防止する。
【0031】
集積デバイスを製造するためのプロセスが、特に図1図7に示される集積デバイス1を参照して以下に説明される。しかしながら、例えばマスクのレイアウト及び注入ステップの明らかな変更を伴う同じプロセスが、集積デバイス、特にエッジ終端構造の任意の実施形態に対して実質的に使用され得ることが理解される。
【0032】
図14図16に示すように、機能領域7内にパワーデバイス2を形成した後、第1のマスク500、例えば第1のフォトリソグラフィ技術によって得られるレジストマスク、又は酸化シリコン若しくは窒化シリコンマスクが形成される。第1のマスク500は、構造層5全体を覆い、内側リング構造10の連続環状領域10a及び接続領域10cに対応する第1の環状領域501を露出したままにする。第1のマスク500は、第1の環状領域501の外周バンド502にブロック500aを備える。特に、ブロック500aは、内側リング構造10の電荷制御領域10cを形成するように意図されたゾーンを保護する。
【0033】
次いで、電荷密度Qを得るような濃度で、かつ内側リング構造10の最大深さDaに達するような第1のエネルギーE1で、第2型(P)ドーピング種の第1の注入が行われる。このようにして、内側リング構造10の深い部分10’を形成する第1の注入ウェルが形成される。内側リング構造の領域内で、電荷制御領域10cに対応する構造層5の部分は、ドーピング種の注入から保護され、構造層5のドーピング型及びレベルを維持する。
【0034】
図17図19に示すように、注入が実行されると、第1のマスク500が除去され、その代わりに、第2のフォトリソグラフィ技術によって、第2のマスク503、例えば、第2のフォトリソグラフィ技術によって得られるレジストマスク、又は酸化シリコン若しくは窒化シリコンマスクが形成される。第2のマスク503は、機能領域7及び構造層5を覆い、内側リング構造10の連続環状領域10a及び接続領域10c、並びに中間リング構造11の連続環状領域11a及び接続領域11cに対応する第2の環状領域504を露出したままにする。第2のマスク503は、第1の環状領域501のバンド502内のブロック503aと、第2の環状領域504の外周バンド505内のブロック503bとを含む。特に、ブロック503aは、内側リング構造10の電荷制御領域10cを形成するように意図されたゾーンを保護し、ブロック503bは、中間リング構造11の電荷制御領域11cを形成するように意図されたゾーンを保護する。ブロック503aは、バンド502内にあるが、第1のマスク500のブロック500aに対して必ずしも同じ位置にある必要はなく、又はいかなる場合でも位置合わせされる必要はない。
【0035】
電荷密度Qを取得するような濃度で、第1のエネルギーE1よりも低く、中間リング構造11の中間深さDbに達するような第2のエネルギーE2で、同じドーピング種の第2の注入が実行される。このようにして、第2の注入ウェルが形成され、この第2の注入ウェルは、内側リング構造10に対応する領域において、第1の注入ウェルに隣接しz軸の方向における不連続性を回避するためにわずかな重なりを有する。第2の注入ウェルは、内側リング構造10の部分10’’と中間リング構造11の部分11’とを形成する。内側リング構造10の領域内の電荷制御領域10c及び中間リング構造11内の電荷制御領域11cに対応する構造層5の部分は、ドーピング種の注入から保護され、構造層5のドーピング型及びレベルを維持する。
【0036】
次に、図20図22に示すように、第2のマスク503が除去され、第3のマスク510、例えば、第3のフォトリソグラフィ技術によって得られるレジストマスク、又は酸化シリコン若しくは窒化シリコンマスクと置き換えられる。
【0037】
第3のマスク510は、機能領域7及び構造層5を覆い、内側リング構造10の連続環状領域10a及び接続領域10c、中間リング構造11の連続環状領域11a及び接続領域11c、並びに外側リング構造12の連続環状領域12a及び接続領域12cに対応する第3の環状領域511を露出させたままにする。第3のマスク510は、第1の環状領域501のバンド502内のブロック510aと、第2の環状領域504のバンド505内のブロック510bと、第2の環状領域504の外周バンド512内のブロック510cとを含む。特に、ブロック510aは、内側リング構造10の電荷制御領域10cを形成するように意図されたゾーンを保護し、ブロック510bは、中間リング構造11の電荷制御領域11cを形成するように意図されたゾーンを保護し、ブロック510cは、外側リング構造12の電荷制御領域12cを形成するように意図されたゾーンを保護する。ブロック510a、510bは、それぞれのバンド502、505内にあるが、第1のマスク500及び第2のマスク503のブロック500a、503a、503bに対して必ずしも同じ位置になくてもよく、又はいかなる場合でも位置合わせされなくてもよい。
【0038】
電荷密度Qを得るような濃度で、かつ、外側リング構造12の最小深さDcに達するような第1のエネルギーE1及び第2のエネルギーE2よりも低い第3のエネルギーE3で、同じドーピング種の第3の注入が行われる。このようにして、第3の注入ウェルが形成され、この第3の注入ウェルは、中間リング構造11に対応する領域において、第2の注入ウェルに隣接し、場合によっては、z軸の方向における不連続性を回避するためにわずかな重なりを有する。第3の注入ウェルは、内側リング構造10の部分10’’’、中間リング構造11の部分11’’、及び外側リング構造12全体を形成する。内側リング構造10の領域内の電荷制御領域10cから中間リング構造11内の電荷制御領域11cに対応する構造層5の部分は、ドーピング種の注入から保護され、構造層5のドーピング型及びドーピングレベルを維持する。
【0039】
この時点で、エッジ終端構造3が完成し、注入ステップ中のドーピング種の導入から保存され、構造層5と同じドーパント型及び濃度を有する電荷制御領域10c、11c、12cを含む。
【0040】
最後に、エッジ終端構造3上にフィールドプレート酸化物9を形成することと、金属構造8を形成することとを含む、終端処理ステップが実行される。このようにして、図1図7の集積デバイス1が取得される。
【0041】
一般に、マスク及び注入ステップの数は、エッジ終端構造を形成するリング構造の数に等しい。各マスクは、より深い注入に使用されるマスクよりも広い開口部を有し、同じマスクを通して直接形成された注入ウェル内に電荷制御領域を形成するように意図された構造層のゾーンを保護するそれぞれのブロックを備える。マスキング及び注入ステップは、説明した順序とは逆の順序ですなわち、最も外側かつ最も表面のリング構造から開始して最も内側かつ最も深いリング構造まで実行されてもよい。
【0042】
必要に応じて、ドーパント濃度は、一定である代わりにz軸に沿って変化してもよい。特に、注入ステップは、注入されたウェルが互いに異なるドーピング種濃度を有するように実行されてもよい。
【0043】
最後に、添付の特許請求の範囲において定義される本開示の範囲から逸脱することなく、説明される集積デバイス及び方法に対して修正及び変形が行われ得ることは明らかである。
【0044】
集積デバイス(11)は、シリコンカーバイドを含みかつ第1の導電型を有する半導体構造層(5)と、構造層(5)に集積化されたパワーデバイス(2)と、パワーデバイス(2)の周りにリング状に延在しかつ第2の導電型を有するエッジ終端構造(3、203、303)と、を含み、エッジ終端構造(3、203、303)が、パワーデバイス(2)の周りにそれぞれ配置されかつ隣接する対をなす複数のリング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)を備え、リング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)のうちの少なくとも第1のリング構造(10、11、210、211、310、311)が、リング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)のうちの第2のリング構造(11、12、211、212、311、312)に隣接する遷移領域(10b、11b、210b、211b、310b、311b)を備え、遷移領域(10b、11b、210b、211b、310b、311b)が、リング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)のうちの第2のリング構造(11、12、211、212、311、312)に接続され、かつ第1の導電型を有する電荷制御領域(10d、11d、310d、311d)と交互になっている、第2の導電型を有する接続領域(10c、11c、310、311c)を含む、と要約され得る。
【0045】
リング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)が、内側リング構造(10、210、310)と、外側リング構造(12、112、212、312)と、内側リング構造(10、210、310)と外側リング構造(12、112、212、312)との間の少なくとも1つの中間リング構造(11、211、311)と、を含み得る。
【0046】
リング構造(210、211、212)が、内側リング構造(210)と外側リング構造(212)との間に複数の中間リング構造(211)を含み得る。
【0047】
内側リング構造(10、210、310)及び各中間リング構造(11、211、311)が、すぐ外側のリング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)に隣接するそれぞれの遷移領域(10b、11b、210b、211b、310b、311b)を含み得、それぞれの遷移領域(10b、11b、210b、211b、310b、311b)が、すぐ外側のリング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)に接続され、第1の導電型を有する電荷制御領域(10d、11d、310d、311d)と交互になっている、第2の導電型を有するそれぞれの接続領域(10c、11c、310c、311c)を含み得る。
【0048】
内側リング構造(10、210、310)及び各中間リング構造(11、211、311)が、それぞれの連続環状領域(10a、11a、210a、211a、310a、311a)を含み得、遷移領域(10b、11b、210b、211b、310b、311b)が、それぞれの連続環状領域(10a、11a、210a、211a、310a、311a)の周りに延在し得る。
【0049】
接続領域(10c、11c、310c、311c)が、それぞれの連続環状領域(10a、11a、210a、211a、310a、311a)をそれぞれのすぐ外側のリング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)に接合し得る。
【0050】
外側リング構造(12、212)が、構造層(5)の外側に隣接し、構造層(5)に隣接し、かつ第1の導電型を有する電荷制御領域(12d)と交互になっている第2の導電型を有するそれぞれの接続領域(12c)を含むそれぞれの遷移領域(12b、212b)を含み得る。
【0051】
外側リング構造(12、212)が、それぞれの連続環状領域(12c、210a、211a)を含み、それぞれの遷移領域(12b、212b)が、それぞれの連続環状領域(12c、210a、211a)の周りに延在し得る。
【0052】
電荷制御領域(10d、11d、310d、311d)が、構造層(5)のそれぞれの部分によって画定され得る。
【0053】
構造層(5)が、前面(5a)を有し得、リング構造体(10、11、12、210、211、212、310、311、312)が、前面(5a)から構造層(5)の内側に向かって、エッジ終端構造(3、203、303)の外側に向かって減少するそれぞれの異なる深さ(Da、Db、Dc)まで延在し得る。
【0054】
電荷制御領域(10d、11d)が、構造層(5)の前面(5a)からそれぞれのリング構造(10、11、12、210、211、212)の深さ(Da、Db、Dc)まで真っ直ぐに延在し得る。
【0055】
電荷制御領域(310d、311d)の少なくともいくつかが、構造層(5)の前面(5a)から、前面(5a)に垂直な方向にある距離に位置してもよく、電荷制御領域(310d、311d)の少なくともいくつかは、前面(5a)に垂直な方向に、それぞれのリング構造(310、311)の深さ(Da、Db)よりも小さい寸法を有してもよい。
【0056】
パワーデバイス(2)が、第2の導電型を有する周辺機能領域(7)を含み得、エッジ終端構造(3、203、303)が、機能領域(7)に隣接する。
【0057】
集積デバイスを製造するための方法は、第1の導電型を有するシリコンカーバイドを含有する半導体構造層にパワーデバイス(2)を形成することと、パワーデバイス(2)の周りにリング状に延在しかつ第2の導電型を有するエッジ終端構造(3、203、303)を形成することと、を含み、エッジ終端構造(3、203、303)を形成することが、パワーデバイス(2)の周りにそれぞれ配置されかつ隣接する対となっている複数のリング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)を形成することと、リング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)のうちの少なくとも第1のリング構造(10、11、210、211、310、311)において、リング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)のうちの第2のリング構造(11、12、211、212、311、312)に隣接する遷移領域(10b、11b、210b、211b、310b、311b)を形成することと、遷移領域(10b、11b、210b、211b、310b、311b)において、リング構造(10、11、12、210、211、212、310、311、312)のうちの第2のリング構造(11、12、211、212、311、312)に接続されて、第1の導電型を有する電荷制御領域(10d、11d、310d、311d)と交互になっている、第2の導電型を有する接続領域(10c、11c、310c、311c)を形成することと、を含み得ると、要約され得る。
【0058】
電荷制御領域(10d、11d、310d、311d)と交互になっている接続領域(10c、11c、310c、311c)を形成することは、ドーピング種を構造層(5)に注入することと、注入から電荷制御領域(10d~12d)を保護することと、を含み得る。
【0059】
注入することが、それぞれの異なる深さでのドーピング種の複数の注入を順次実行することを含み得、複数の注入のうちの各注入を実行することは、それぞれのマスク(500、503、510)を形成することと、それぞれのマスク(500、503、510)を通して、それぞれの深さでドーピング種を注入することとを、含み得、各注入のマスク(500、503、510)は、より深い注入のマスク(500、503、510)によって露出された構造層(5)の部分に対してより広い構造層(5)の部分を露出するように構成されてもよく、各マスク(500、503、510)は、それぞれの電荷制御領域(10d、11d、310d、311d)に対応する位置にそれぞれのブロック(500a、503a、510a)を含んでもよい。
【0060】
上記で説明した様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。実施形態の態様は、なお更なる実施形態を提供するために様々な特許、出願、及び刊行物の概念を用いる必要がある場合、修正することができる。
【0061】
これらの及び他の変更は、上述の詳細な説明に照らして実施形態に対して行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【外国語明細書】